雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置
【課題】基板をレーザ処理装置に搬入した後、基板を90°回転させる際に、回転途中でガス雰囲気が乱れるのを防止する。
【解決手段】ガス噴射口(6)が基板(P)の第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を搬入し(二点鎖線)、次に基板(P)の中心がガス噴射口(6)に近づくように基板(P)を直線移動し(実線)、次に基板(P)の中心を回転軸として基板(P)を90°水平回転する。
【効果】回転途中にガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがないから、ガスが逃げてガス雰囲気が乱れることを防止できる。
【解決手段】ガス噴射口(6)が基板(P)の第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を搬入し(二点鎖線)、次に基板(P)の中心がガス噴射口(6)に近づくように基板(P)を直線移動し(実線)、次に基板(P)の中心を回転軸として基板(P)を90°水平回転する。
【効果】回転途中にガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがないから、ガスが逃げてガス雰囲気が乱れることを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置に関し、さらに詳しくは、基板をレーザ処理装置に搬入した後、基板を回転させる際に、回転途中でガス雰囲気が乱れるのを防止することが出来る雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非晶質半導体基板にライン状のレーザ光を照射しながら基板を移動して、基板全面にレーザ処理を施す際に、レーザ光が照射されている局所をガス雰囲気にするために、スリット状のガス噴射口から基板へ向けてガス(例えば窒素ガス)を噴出するようにしたレーザ処理装置のガス噴射手段が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−294101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11〜図15は、長方形の基板Pの長辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査する過程を示す説明図である。なお、図11においてレーザ光5とガス噴射口6とが近接している基板Pの短辺を第1辺p1と呼び、時計回りに次の長辺を第2辺p2,次の短辺を第3辺p3,次の長辺を第4辺p4と呼ぶ。
図11に概念的に示すように、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の近傍に位置するように、基板Pはレーザ処理装置に搬入される。なお、図11では、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置するように基板Pがレーザ処理装置に搬入されているが、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部上や直近の内側に位置するように基板Pがレーザ処理装置に搬入されることもある。
図11では、ガス噴射口6から噴出されたガスは、シールカバー8の端縁部に当たり、レーザ光5が照射される局所をガス雰囲気にする。
【0005】
レーザ光5による基板Pの走査を開始する際には、図11に矢印y11で示すように基板Pを移動し、図12に示すように、第1辺p1の左半分部の外側に相当するシールカバー8の端縁部にレーザ光5とガス噴射口6とを位置させる。
【0006】
次に、図12に矢印x11で示すように基板Pを移動し、図13に示すように、基板Pの左半分部をレーザ処理する。基板Pの左半分部をレーザ処理した直後は、レーザ光5とガス噴射口6とが第3辺p3の左半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置する。
次に、図13に矢印y12で示すように基板Pを移動し、図14に示すように、第3辺p3の右半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部にレーザ光5とガス噴射口6とを位置させる。
【0007】
次に、図14に矢印x12で示すように基板Pを移動し、図15に示すように、基板Pの右半分部をレーザ処理する。基板Pの右半分部をレーザ処理した直後は、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の右半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置する。
【0008】
この後、図15に矢印y13で示すように基板Pを移動し、基板Pを図11の位置に戻す。そして、レーザ処理装置から基板Pを搬出する。
【0009】
基板Pの短辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査する場合は、図11に示すように基板Pをレーザ処理装置に搬入した後、基板Pをその中心を回転軸として90°回転させ、図16に示すように、レーザ光5とガス噴射口6とを第2辺p2の中央部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置させる。そして、基板Pの長辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査したときと同様に基板Pを移動して、基板Pの短辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査する。
【0010】
図17は、図11に示すように基板Pをレーザ処理装置に搬入した後、図16に示す位置まで基板Pを回転させる途中の状態を示している。
矢印αのように回転した時、ガス噴射口6の端部Nがシールカバー8の外へ出てしまい、ガスが逃げてしまう。
このため、ガス雰囲気が乱れて、図16に示す位置まで基板Pを回転させた後、ガス雰囲気が安定するまで時間が掛かり、直ちに走査を開始できない問題点があった。
【0011】
そこで、この発明の目的は、基板をレーザ処理装置に搬入した後、基板を回転させる際に、回転途中でガス雰囲気が乱れるのを防止することが出来る雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の観点では、本発明は、第1辺(p1)から第4辺(p4)を有する四角形の基板(P)を支持する基板支持面を有し且つ前記基板支持面に平行な2次元方向に前記基板支持面を直線移動可能であり且つ前記基板支持面に垂直な軸を中心に前記基板支持面を回転しうる基板支持手段(2,11,12,13,14)と、前記基板支持面に支持された基板(P)の周囲に端縁部が出るように前記基板(P)と前記基板支持面の間に設置される四角形のシールカバー(8)と、ライン状のレーザ光(5)を前記基板(P)に照射するためのレーザ光源(4)と、レーザ光(5)が照射されている局所をガス雰囲気にするために前記基板(P)へ向けてガス(例えば窒素ガス)を噴出するスリット状のガス噴射口(6)とを具備したレーザ処理装置(100)において、前記ガス噴射口(6)が前記第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持し、次に前記基板(P)の中心が前記ガス噴射口(6)に近づくように前記基板(P)を直線移動し、次に前記基板(P)を回転することを特徴とする雰囲気安定化方法を提供する。
上記第1の観点による雰囲気安定化方法では、基板(P)を回転した時、ガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがない。このため、ガス雰囲気が乱れず、安定したままであり、基板(P)を回転させた後、直ちに走査を開始できる。
【0013】
また、初期位置では、ガス噴射口(6)が第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持しているから、基板(P)を回転せずに直ちに走査を開始することが可能である。すなわち、初期位置から基板(P)を回転させてから走査を開始する場合と初期位置から基板(P)を回転せずに走査を開始する場合の両方に対応可能となる。
初期位置として、ガス噴射口(6)が基板(P)の中心近傍に位置するように基板(P)を支持するようにすれば、直線移動させずに基板(P)を回転してもガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことはない。しかし、走査を開始する場合に、ガス噴射口(6)が基板(P)のいずれかの辺の近傍に位置するように基板(P)を必ず直線移動しなければならなくなるので、好ましくない。
【0014】
なお、シールカバー(8)を十分に大きくすれば、初期位置から直線移動させずに基板(P)を回転してもガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがない。しかし、シールカバー(8)を大きくすれば、レーザ処理装置のサイズも大型化してしまうので好ましくない。
【0015】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による雰囲気安定化方法において、前記直線移動と前記回転とを並行して行うことを特徴とする雰囲気安定化方法を提供する。
適正なタイミングとすれば、直線移動と回転とを並行して行っても、基板(P)の回転中にガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことはない。そして、直線移動と回転とをシーケンシャルに行うよりも所要時間を短縮できる。
【0016】
第3の観点では、本発明は、第1辺(p1)から第4辺(p4)を有する四角形の基板(P)を支持する基板支持面を有し且つ前記基板支持面に平行な2次元方向に前記基板支持面を直線移動可能であり且つ前記基板支持面に垂直な軸を中心に前記基板支持面を回転しうる基板支持手段(2,11,12,13,14)と、前記基板支持面に支持された基板(P)の周囲に端縁部が出るように前記基板(P)と前記基板支持面の間に設置される四角形のシールカバー(8)と、ライン状のレーザ光(5)を前記基板(P)に照射するためのレーザ光源(4)と、レーザ光(5)が照射されている局所をガス雰囲気にするために前記基板(P)へ向けてガス(例えば窒素ガス)を噴出するスリット状のガス噴射口(6)と、前記ガス噴射口(6)が前記第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持し、前記基板(P)の中心が前記ガス噴射口(6)に近づくように前記基板(P)を直線移動し、次に前記基板(P)を回転する制御手段(20)を具備したことを特徴とするレーザ処理装置(100)を提供する。
上記第3の観点によるレーザ処理装置(100)では、基板(P)を回転した時、ガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがない。このため、ガス雰囲気が乱れず、安定したままであり、基板(P)を回転させた後、直ちに走査を開始できる。
【0017】
また、初期位置では、ガス噴射口(6)が第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持しているから、基板(P)を回転せずに直ちに走査を開始することが可能である。すなわち、初期位置から基板(P)を回転させてから走査を開始する場合と初期位置から基板(P)を回転せずに走査を開始する場合の両方に対応可能となる。
初期位置として、ガス噴射口(6)が基板(P)の中心近傍に位置するように基板(P)を支持するようにすれば、直線移動させずに基板(P)を回転してもガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことはない。しかし、走査を開始する場合に、ガス噴射口(6)が基板(P)のいずれかの辺の近傍に位置するように基板(P)を必ず直線移動しなければならなくなるので、好ましくない。
【0018】
なお、シールカバー(8)を十分に大きくすれば、初期位置から直線移動させずに基板(P)を回転してもガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがない。しかし、シールカバー(8)を大きくすれば、レーザ処理装置のサイズも大型化してしまうので好ましくない。
【0019】
第4の観点では、本発明は、前記第3の観点によるレーザ処理装置(100)において、前記制御手段(20)は、前記直線移動と前記回転とを並行して行うことを特徴とするレーザ処理装置(100)を提供する。
適正なタイミングとすれば、直線移動と回転とを並行して行っても、基板(P)の回転中にガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことはない。そして、直線移動と回転とをシーケンシャルに行うよりも所要時間を短縮できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置によれば、基板をレーザ処理装置に搬入した後、基板を回転させる際に、回転途中でガス雰囲気が乱れるのを防止することが出来る。よって、基板を回転させた後、直ちに走査を開始でき、生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1に係るレーザアニール装置を示す構成説明図である。
【図2】基板搬入時の初期位置を示す概念的平面図である。
【図3】実施例1に係る直線移動工程を示す概念的平面図である。
【図4】実施例1に係る基板回転中の状態を示す概念的平面図である。
【図5】実施例1に係る回転後の状態を示す概念的平面図である。
【図6】基板の左半分の走査開始時の状態を示す概念的平面図である。
【図7】基板の左半分の走査終了時の状態を示す概念的平面図である。
【図8】基板の右半分の走査開始時の状態を示す概念的平面図である。
【図9】基板の右半分の走査終了時の状態を示す概念的平面図である。
【図10】基板搬出時の位置関係を示す概念的平面図である。
【図11】基板搬入時の初期位置を示す概念的平面図である。
【図12】基板の左半分の走査開始時の状態を示す概念的平面図である。
【図13】基板の左半分の走査終了時の状態を示す概念的平面図である。
【図14】基板の右半分の走査開始時の状態を示す概念的平面図である。
【図15】基板の右半分の走査終了時の状態を示す概念的平面図である。
【図16】従来の基板回転後の状態を示す概念的平面図である。
【図17】従来の基板回転中の状態を示す概念的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0023】
−実施例1−
図1は、実施例1に係るレーザアニール装置100を示す構成説明図である。
このレーザアニール装置100は、レーザ光透過窓1および基板搬入出口9を有するチャンバー7と、チャンバー7の床面に設置されたレール11と、レール11上をx方向に直線移動しうるXテーブル12と、Xテーブル12の天面に設置されたレール13と、レール13上をy方向に直線移動しうるYテーブル14と、Yテーブル12に支持され水平回転しうる回転台2と、回転台2上に設置されるシールカバー8と、シールカバー8上に載置された基板Pにレーザ光5を照射するためのレーザ光源4と、レーザ光5が照射されている局所をガス雰囲気にするために基板Pへ向けてガス(例えば窒素ガス)を噴出するガス噴射口6を有する局所シールボックス3と、レーザ光源4のオン/オフやXテーブル12の直線移動などを制御する制御装置20とを具備している。
【0024】
図2は、基板Pとシールカバー8とレーザ光5とガス噴出口6の位置関係を説明するための概念図である。
基板Pは、第1辺p1から第4辺p4を有する四角形である。
シールカバー8も四角形であり、端縁部が基板Pの周囲に出るように基板Pが載置される。
レーザ光5は、ライン状である。
ガス噴出口6は、スリット状である。
【0025】
図2に概念的に示すように、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の近傍に位置するように、基板Pは基板搬入出口9から搬入される。
図2では、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置するように基板Pが搬入されているが、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部上や直近の内側に位置するように基板Pを搬入してもよい。
図2では、ガス噴射口6から噴出されたガスは、シールカバー8の端縁部に当たり、レーザ光5が照射される局所をガス雰囲気にする。
【0026】
なお、実際には、基板Pの第1辺p1がレーザ光5のラインと平行になり且つ基板Pの中心が回転台2の回転軸に一致するように基板Pを搬入したときに、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の近傍に位置するように設計される。
【0027】
基板Pの長辺に沿ってレーザ光5で基板Pの走査を行う動作は、図11〜図15を参照して説明した従来の動作と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0028】
図2〜図10を参照して、基板Pの短辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査する動作を説明する。
図2に矢印x1で示すように基板Pを直線移動し、図3に示すように、ガス噴射口6を基板Pの中心に近づける。図3の2点鎖線は、搬入時の基板位置である。このときの直線移動量の決め方については後述する。
【0029】
次に、図4に示すように、基板Pの中心を回転軸として基板Pを回転させる。
矢印αのように回転しても、ガス噴射口6がシールカバー8の外へ出てしまうことがないため、ガス雰囲気を安定に保つことが出来る。
【0030】
図5に示すように、基板Pを90°回転し終わると、図5に矢印y1で示すように基板Pを移動し、図6に示すように、第2辺p2の左半分部の外側に相当するシールカバー8の端縁部にレーザ光5とガス噴射口6とを位置させる。
【0031】
次に、図6に矢印x2で示すように基板Pを移動し、図7に示すように、基板Pの左半分部をレーザアニール処理する。基板Pの左半分部をレーザアニール処理した直後は、レーザ光5とガス噴射口6とが第4辺p4の左半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置する。
次に、図7に矢印y2で示すように基板Pを移動し、図8に示すように、第4辺p4の右半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部にレーザ光5とガス噴射口6とを位置させる。
【0032】
次に、図8に矢印x3で示すように基板Pを移動し、図9に示すように、基板Pの右半分部をレーザアニール処理する。基板Pの右半分部をレーザアニール処理した直後は、レーザ光5とガス噴射口6とが第2辺p2の右半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置する。
【0033】
この後、図9に矢印y3で示すように基板Pを移動し、基板Pを図10の位置に戻す。そして、レーザアニール処理装置100から基板Pを搬出する。
【0034】
実施例1のレーザアニール処理装置100によれば、基板Pを搬入した後、基板Pを90°回転させる際に、回転途中にガス噴射口6の端部がシールカバー8の外へ出てしまうことがないから、回転途中でガス雰囲気が乱れるのを防止することが出来る。従って、基板Pを90°回転させた後、ガス雰囲気が安定するまでの待ち時間がなく、生産性を向上できる。
【0035】
−ガス噴射口6を基板Pの中心に近づけるように基板Pを直線移動する直線移動量−
図2におけるガス噴射口6と基板Pの中心の間の距離をL0とし、図5におけるガス噴射口6と基板Pの中心の間の距離をL90とし、ガス噴射口6の長さ及び幅に伴う調整値をAとするとき、図3から判るように直線移動量=L0−L90+Aである。ここで、図2におけるガス噴射口6と基板Pの中心の間の距離L0は、基板Pの長辺長の1/2+第1辺p1とガス噴出口6の間隔である。また、図5におけるガス噴射口6と基板Pの中心の間の距離L90は、基板Pの短辺長の1/2+第2辺p2とガス噴出口6の間隔である。よって、直線移動量=(基板Pの長辺長−基板Pの短辺長)/2+(図2における第1辺p1とガス噴出口6の間隔−図5における第2辺p2とガス噴出口6の間隔)+Aとなる。
【0036】
−実施例2−
制御手段20は、図2に示す直線移動x1と図4に示す回転αとを並行して行う。
適正なタイミングとすれば、直線移動と回転とを並行して行っても、基板Pの回転中にガス噴射口6の端部がシールカバー8の外へ出てしまうことはない。そして、直線移動と回転とをシーケンシャルに行うよりも所要時間を短縮できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置は、例えば非晶質半導体基板のレーザアニール処理に利用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 レーザ光透過窓
2 回転台
3 局所シールボックス
4 レーザ光源
5 レーザ光
6 ガス噴出口
7 チャンバー
8 シールカバー
11,13 レール
12 Xテーブル
14 Yテーブル
20 制御装置
100 レーザアニール装置
P 基板
【技術分野】
【0001】
この発明は、雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置に関し、さらに詳しくは、基板をレーザ処理装置に搬入した後、基板を回転させる際に、回転途中でガス雰囲気が乱れるのを防止することが出来る雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非晶質半導体基板にライン状のレーザ光を照射しながら基板を移動して、基板全面にレーザ処理を施す際に、レーザ光が照射されている局所をガス雰囲気にするために、スリット状のガス噴射口から基板へ向けてガス(例えば窒素ガス)を噴出するようにしたレーザ処理装置のガス噴射手段が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−294101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11〜図15は、長方形の基板Pの長辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査する過程を示す説明図である。なお、図11においてレーザ光5とガス噴射口6とが近接している基板Pの短辺を第1辺p1と呼び、時計回りに次の長辺を第2辺p2,次の短辺を第3辺p3,次の長辺を第4辺p4と呼ぶ。
図11に概念的に示すように、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の近傍に位置するように、基板Pはレーザ処理装置に搬入される。なお、図11では、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置するように基板Pがレーザ処理装置に搬入されているが、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部上や直近の内側に位置するように基板Pがレーザ処理装置に搬入されることもある。
図11では、ガス噴射口6から噴出されたガスは、シールカバー8の端縁部に当たり、レーザ光5が照射される局所をガス雰囲気にする。
【0005】
レーザ光5による基板Pの走査を開始する際には、図11に矢印y11で示すように基板Pを移動し、図12に示すように、第1辺p1の左半分部の外側に相当するシールカバー8の端縁部にレーザ光5とガス噴射口6とを位置させる。
【0006】
次に、図12に矢印x11で示すように基板Pを移動し、図13に示すように、基板Pの左半分部をレーザ処理する。基板Pの左半分部をレーザ処理した直後は、レーザ光5とガス噴射口6とが第3辺p3の左半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置する。
次に、図13に矢印y12で示すように基板Pを移動し、図14に示すように、第3辺p3の右半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部にレーザ光5とガス噴射口6とを位置させる。
【0007】
次に、図14に矢印x12で示すように基板Pを移動し、図15に示すように、基板Pの右半分部をレーザ処理する。基板Pの右半分部をレーザ処理した直後は、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の右半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置する。
【0008】
この後、図15に矢印y13で示すように基板Pを移動し、基板Pを図11の位置に戻す。そして、レーザ処理装置から基板Pを搬出する。
【0009】
基板Pの短辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査する場合は、図11に示すように基板Pをレーザ処理装置に搬入した後、基板Pをその中心を回転軸として90°回転させ、図16に示すように、レーザ光5とガス噴射口6とを第2辺p2の中央部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置させる。そして、基板Pの長辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査したときと同様に基板Pを移動して、基板Pの短辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査する。
【0010】
図17は、図11に示すように基板Pをレーザ処理装置に搬入した後、図16に示す位置まで基板Pを回転させる途中の状態を示している。
矢印αのように回転した時、ガス噴射口6の端部Nがシールカバー8の外へ出てしまい、ガスが逃げてしまう。
このため、ガス雰囲気が乱れて、図16に示す位置まで基板Pを回転させた後、ガス雰囲気が安定するまで時間が掛かり、直ちに走査を開始できない問題点があった。
【0011】
そこで、この発明の目的は、基板をレーザ処理装置に搬入した後、基板を回転させる際に、回転途中でガス雰囲気が乱れるのを防止することが出来る雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の観点では、本発明は、第1辺(p1)から第4辺(p4)を有する四角形の基板(P)を支持する基板支持面を有し且つ前記基板支持面に平行な2次元方向に前記基板支持面を直線移動可能であり且つ前記基板支持面に垂直な軸を中心に前記基板支持面を回転しうる基板支持手段(2,11,12,13,14)と、前記基板支持面に支持された基板(P)の周囲に端縁部が出るように前記基板(P)と前記基板支持面の間に設置される四角形のシールカバー(8)と、ライン状のレーザ光(5)を前記基板(P)に照射するためのレーザ光源(4)と、レーザ光(5)が照射されている局所をガス雰囲気にするために前記基板(P)へ向けてガス(例えば窒素ガス)を噴出するスリット状のガス噴射口(6)とを具備したレーザ処理装置(100)において、前記ガス噴射口(6)が前記第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持し、次に前記基板(P)の中心が前記ガス噴射口(6)に近づくように前記基板(P)を直線移動し、次に前記基板(P)を回転することを特徴とする雰囲気安定化方法を提供する。
上記第1の観点による雰囲気安定化方法では、基板(P)を回転した時、ガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがない。このため、ガス雰囲気が乱れず、安定したままであり、基板(P)を回転させた後、直ちに走査を開始できる。
【0013】
また、初期位置では、ガス噴射口(6)が第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持しているから、基板(P)を回転せずに直ちに走査を開始することが可能である。すなわち、初期位置から基板(P)を回転させてから走査を開始する場合と初期位置から基板(P)を回転せずに走査を開始する場合の両方に対応可能となる。
初期位置として、ガス噴射口(6)が基板(P)の中心近傍に位置するように基板(P)を支持するようにすれば、直線移動させずに基板(P)を回転してもガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことはない。しかし、走査を開始する場合に、ガス噴射口(6)が基板(P)のいずれかの辺の近傍に位置するように基板(P)を必ず直線移動しなければならなくなるので、好ましくない。
【0014】
なお、シールカバー(8)を十分に大きくすれば、初期位置から直線移動させずに基板(P)を回転してもガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがない。しかし、シールカバー(8)を大きくすれば、レーザ処理装置のサイズも大型化してしまうので好ましくない。
【0015】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による雰囲気安定化方法において、前記直線移動と前記回転とを並行して行うことを特徴とする雰囲気安定化方法を提供する。
適正なタイミングとすれば、直線移動と回転とを並行して行っても、基板(P)の回転中にガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことはない。そして、直線移動と回転とをシーケンシャルに行うよりも所要時間を短縮できる。
【0016】
第3の観点では、本発明は、第1辺(p1)から第4辺(p4)を有する四角形の基板(P)を支持する基板支持面を有し且つ前記基板支持面に平行な2次元方向に前記基板支持面を直線移動可能であり且つ前記基板支持面に垂直な軸を中心に前記基板支持面を回転しうる基板支持手段(2,11,12,13,14)と、前記基板支持面に支持された基板(P)の周囲に端縁部が出るように前記基板(P)と前記基板支持面の間に設置される四角形のシールカバー(8)と、ライン状のレーザ光(5)を前記基板(P)に照射するためのレーザ光源(4)と、レーザ光(5)が照射されている局所をガス雰囲気にするために前記基板(P)へ向けてガス(例えば窒素ガス)を噴出するスリット状のガス噴射口(6)と、前記ガス噴射口(6)が前記第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持し、前記基板(P)の中心が前記ガス噴射口(6)に近づくように前記基板(P)を直線移動し、次に前記基板(P)を回転する制御手段(20)を具備したことを特徴とするレーザ処理装置(100)を提供する。
上記第3の観点によるレーザ処理装置(100)では、基板(P)を回転した時、ガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがない。このため、ガス雰囲気が乱れず、安定したままであり、基板(P)を回転させた後、直ちに走査を開始できる。
【0017】
また、初期位置では、ガス噴射口(6)が第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持しているから、基板(P)を回転せずに直ちに走査を開始することが可能である。すなわち、初期位置から基板(P)を回転させてから走査を開始する場合と初期位置から基板(P)を回転せずに走査を開始する場合の両方に対応可能となる。
初期位置として、ガス噴射口(6)が基板(P)の中心近傍に位置するように基板(P)を支持するようにすれば、直線移動させずに基板(P)を回転してもガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことはない。しかし、走査を開始する場合に、ガス噴射口(6)が基板(P)のいずれかの辺の近傍に位置するように基板(P)を必ず直線移動しなければならなくなるので、好ましくない。
【0018】
なお、シールカバー(8)を十分に大きくすれば、初期位置から直線移動させずに基板(P)を回転してもガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことがない。しかし、シールカバー(8)を大きくすれば、レーザ処理装置のサイズも大型化してしまうので好ましくない。
【0019】
第4の観点では、本発明は、前記第3の観点によるレーザ処理装置(100)において、前記制御手段(20)は、前記直線移動と前記回転とを並行して行うことを特徴とするレーザ処理装置(100)を提供する。
適正なタイミングとすれば、直線移動と回転とを並行して行っても、基板(P)の回転中にガス噴射口(6)の端部がシールカバー(8)の外へ出てしまうことはない。そして、直線移動と回転とをシーケンシャルに行うよりも所要時間を短縮できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置によれば、基板をレーザ処理装置に搬入した後、基板を回転させる際に、回転途中でガス雰囲気が乱れるのを防止することが出来る。よって、基板を回転させた後、直ちに走査を開始でき、生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1に係るレーザアニール装置を示す構成説明図である。
【図2】基板搬入時の初期位置を示す概念的平面図である。
【図3】実施例1に係る直線移動工程を示す概念的平面図である。
【図4】実施例1に係る基板回転中の状態を示す概念的平面図である。
【図5】実施例1に係る回転後の状態を示す概念的平面図である。
【図6】基板の左半分の走査開始時の状態を示す概念的平面図である。
【図7】基板の左半分の走査終了時の状態を示す概念的平面図である。
【図8】基板の右半分の走査開始時の状態を示す概念的平面図である。
【図9】基板の右半分の走査終了時の状態を示す概念的平面図である。
【図10】基板搬出時の位置関係を示す概念的平面図である。
【図11】基板搬入時の初期位置を示す概念的平面図である。
【図12】基板の左半分の走査開始時の状態を示す概念的平面図である。
【図13】基板の左半分の走査終了時の状態を示す概念的平面図である。
【図14】基板の右半分の走査開始時の状態を示す概念的平面図である。
【図15】基板の右半分の走査終了時の状態を示す概念的平面図である。
【図16】従来の基板回転後の状態を示す概念的平面図である。
【図17】従来の基板回転中の状態を示す概念的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0023】
−実施例1−
図1は、実施例1に係るレーザアニール装置100を示す構成説明図である。
このレーザアニール装置100は、レーザ光透過窓1および基板搬入出口9を有するチャンバー7と、チャンバー7の床面に設置されたレール11と、レール11上をx方向に直線移動しうるXテーブル12と、Xテーブル12の天面に設置されたレール13と、レール13上をy方向に直線移動しうるYテーブル14と、Yテーブル12に支持され水平回転しうる回転台2と、回転台2上に設置されるシールカバー8と、シールカバー8上に載置された基板Pにレーザ光5を照射するためのレーザ光源4と、レーザ光5が照射されている局所をガス雰囲気にするために基板Pへ向けてガス(例えば窒素ガス)を噴出するガス噴射口6を有する局所シールボックス3と、レーザ光源4のオン/オフやXテーブル12の直線移動などを制御する制御装置20とを具備している。
【0024】
図2は、基板Pとシールカバー8とレーザ光5とガス噴出口6の位置関係を説明するための概念図である。
基板Pは、第1辺p1から第4辺p4を有する四角形である。
シールカバー8も四角形であり、端縁部が基板Pの周囲に出るように基板Pが載置される。
レーザ光5は、ライン状である。
ガス噴出口6は、スリット状である。
【0025】
図2に概念的に示すように、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の近傍に位置するように、基板Pは基板搬入出口9から搬入される。
図2では、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置するように基板Pが搬入されているが、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部上や直近の内側に位置するように基板Pを搬入してもよい。
図2では、ガス噴射口6から噴出されたガスは、シールカバー8の端縁部に当たり、レーザ光5が照射される局所をガス雰囲気にする。
【0026】
なお、実際には、基板Pの第1辺p1がレーザ光5のラインと平行になり且つ基板Pの中心が回転台2の回転軸に一致するように基板Pを搬入したときに、レーザ光5とガス噴射口6とが第1辺p1の中央部の近傍に位置するように設計される。
【0027】
基板Pの長辺に沿ってレーザ光5で基板Pの走査を行う動作は、図11〜図15を参照して説明した従来の動作と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0028】
図2〜図10を参照して、基板Pの短辺に沿ってレーザ光5で基板Pを走査する動作を説明する。
図2に矢印x1で示すように基板Pを直線移動し、図3に示すように、ガス噴射口6を基板Pの中心に近づける。図3の2点鎖線は、搬入時の基板位置である。このときの直線移動量の決め方については後述する。
【0029】
次に、図4に示すように、基板Pの中心を回転軸として基板Pを回転させる。
矢印αのように回転しても、ガス噴射口6がシールカバー8の外へ出てしまうことがないため、ガス雰囲気を安定に保つことが出来る。
【0030】
図5に示すように、基板Pを90°回転し終わると、図5に矢印y1で示すように基板Pを移動し、図6に示すように、第2辺p2の左半分部の外側に相当するシールカバー8の端縁部にレーザ光5とガス噴射口6とを位置させる。
【0031】
次に、図6に矢印x2で示すように基板Pを移動し、図7に示すように、基板Pの左半分部をレーザアニール処理する。基板Pの左半分部をレーザアニール処理した直後は、レーザ光5とガス噴射口6とが第4辺p4の左半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置する。
次に、図7に矢印y2で示すように基板Pを移動し、図8に示すように、第4辺p4の右半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部にレーザ光5とガス噴射口6とを位置させる。
【0032】
次に、図8に矢印x3で示すように基板Pを移動し、図9に示すように、基板Pの右半分部をレーザアニール処理する。基板Pの右半分部をレーザアニール処理した直後は、レーザ光5とガス噴射口6とが第2辺p2の右半分部の外側に出ているシールカバー8の端縁部に位置する。
【0033】
この後、図9に矢印y3で示すように基板Pを移動し、基板Pを図10の位置に戻す。そして、レーザアニール処理装置100から基板Pを搬出する。
【0034】
実施例1のレーザアニール処理装置100によれば、基板Pを搬入した後、基板Pを90°回転させる際に、回転途中にガス噴射口6の端部がシールカバー8の外へ出てしまうことがないから、回転途中でガス雰囲気が乱れるのを防止することが出来る。従って、基板Pを90°回転させた後、ガス雰囲気が安定するまでの待ち時間がなく、生産性を向上できる。
【0035】
−ガス噴射口6を基板Pの中心に近づけるように基板Pを直線移動する直線移動量−
図2におけるガス噴射口6と基板Pの中心の間の距離をL0とし、図5におけるガス噴射口6と基板Pの中心の間の距離をL90とし、ガス噴射口6の長さ及び幅に伴う調整値をAとするとき、図3から判るように直線移動量=L0−L90+Aである。ここで、図2におけるガス噴射口6と基板Pの中心の間の距離L0は、基板Pの長辺長の1/2+第1辺p1とガス噴出口6の間隔である。また、図5におけるガス噴射口6と基板Pの中心の間の距離L90は、基板Pの短辺長の1/2+第2辺p2とガス噴出口6の間隔である。よって、直線移動量=(基板Pの長辺長−基板Pの短辺長)/2+(図2における第1辺p1とガス噴出口6の間隔−図5における第2辺p2とガス噴出口6の間隔)+Aとなる。
【0036】
−実施例2−
制御手段20は、図2に示す直線移動x1と図4に示す回転αとを並行して行う。
適正なタイミングとすれば、直線移動と回転とを並行して行っても、基板Pの回転中にガス噴射口6の端部がシールカバー8の外へ出てしまうことはない。そして、直線移動と回転とをシーケンシャルに行うよりも所要時間を短縮できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の雰囲気安定化方法およびレーザ処理装置は、例えば非晶質半導体基板のレーザアニール処理に利用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 レーザ光透過窓
2 回転台
3 局所シールボックス
4 レーザ光源
5 レーザ光
6 ガス噴出口
7 チャンバー
8 シールカバー
11,13 レール
12 Xテーブル
14 Yテーブル
20 制御装置
100 レーザアニール装置
P 基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1辺(p1)から第4辺(p4)を有する四角形の基板(P)を支持する基板支持面を有し且つ前記基板支持面に平行な2次元方向に前記基板支持面を直線移動可能であり且つ前記基板支持面に垂直な軸を中心に前記基板支持面を回転しうる基板支持手段(2,11,12,13,14)と、前記基板支持面に支持された基板(P)の周囲に端縁部が出るように前記基板(P)と前記基板支持面の間に設置される四角形のシールカバー(8)と、ライン状のレーザ光(5)を前記基板(P)に照射するためのレーザ光源(4)と、レーザ光(5)が照射されている局所をガス雰囲気にするために前記基板(P)へ向けてガスを噴出するスリット状のガス噴射口(6)とを具備したレーザ処理装置(100)において、前記ガス噴射口(6)が前記第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持し、次に前記基板(P)の中心が前記ガス噴射口(6)に近づくように前記基板(P)を直線移動し、次に前記基板(P)を回転することを特徴とする雰囲気安定化方法。
【請求項2】
請求項1に記載の雰囲気安定化方法において、前記直線移動と前記回転とを並行して行うことを特徴とする雰囲気安定化方法。
【請求項3】
第1辺(p1)から第4辺(p4)を有する四角形の基板(P)を支持する基板支持面を有し且つ前記基板支持面に平行な2次元方向に前記基板支持面を直線移動可能であり且つ前記基板支持面に垂直な軸を中心に前記基板支持面を回転しうる基板支持手段(2,11,12,13,14)と、前記基板支持面に支持された基板(P)の周囲に端縁部が出るように前記基板(P)と前記基板支持面の間に設置される四角形のシールカバー(8)と、ライン状のレーザ光(5)を前記基板(P)に照射するためのレーザ光源(4)と、レーザ光(5)が照射されている局所をガス雰囲気にするために前記基板(P)へ向けてガスを噴出するスリット状のガス噴射口(6)と、前記ガス噴射口(6)が前記第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持し、前記基板(P)の中心が前記ガス噴射口(6)に近づくように前記基板(P)を直線移動し、次に前記基板(P)を回転する制御手段(20)を具備したことを特徴とするレーザ処理装置(100)。
【請求項4】
請求項3に記載のレーザ処理装置(100)において、前記制御手段(20)は、前記直線移動と前記回転とを並行して行うことを特徴とするレーザ処理装置(100)。
【請求項1】
第1辺(p1)から第4辺(p4)を有する四角形の基板(P)を支持する基板支持面を有し且つ前記基板支持面に平行な2次元方向に前記基板支持面を直線移動可能であり且つ前記基板支持面に垂直な軸を中心に前記基板支持面を回転しうる基板支持手段(2,11,12,13,14)と、前記基板支持面に支持された基板(P)の周囲に端縁部が出るように前記基板(P)と前記基板支持面の間に設置される四角形のシールカバー(8)と、ライン状のレーザ光(5)を前記基板(P)に照射するためのレーザ光源(4)と、レーザ光(5)が照射されている局所をガス雰囲気にするために前記基板(P)へ向けてガスを噴出するスリット状のガス噴射口(6)とを具備したレーザ処理装置(100)において、前記ガス噴射口(6)が前記第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持し、次に前記基板(P)の中心が前記ガス噴射口(6)に近づくように前記基板(P)を直線移動し、次に前記基板(P)を回転することを特徴とする雰囲気安定化方法。
【請求項2】
請求項1に記載の雰囲気安定化方法において、前記直線移動と前記回転とを並行して行うことを特徴とする雰囲気安定化方法。
【請求項3】
第1辺(p1)から第4辺(p4)を有する四角形の基板(P)を支持する基板支持面を有し且つ前記基板支持面に平行な2次元方向に前記基板支持面を直線移動可能であり且つ前記基板支持面に垂直な軸を中心に前記基板支持面を回転しうる基板支持手段(2,11,12,13,14)と、前記基板支持面に支持された基板(P)の周囲に端縁部が出るように前記基板(P)と前記基板支持面の間に設置される四角形のシールカバー(8)と、ライン状のレーザ光(5)を前記基板(P)に照射するためのレーザ光源(4)と、レーザ光(5)が照射されている局所をガス雰囲気にするために前記基板(P)へ向けてガスを噴出するスリット状のガス噴射口(6)と、前記ガス噴射口(6)が前記第1辺(p1)の中央部の近傍に位置するように基板(P)を支持し、前記基板(P)の中心が前記ガス噴射口(6)に近づくように前記基板(P)を直線移動し、次に前記基板(P)を回転する制御手段(20)を具備したことを特徴とするレーザ処理装置(100)。
【請求項4】
請求項3に記載のレーザ処理装置(100)において、前記制御手段(20)は、前記直線移動と前記回転とを並行して行うことを特徴とするレーザ処理装置(100)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−204816(P2011−204816A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69134(P2010−69134)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】
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