説明

電力ケーブル終端接続装置

【課題】支持金具からのケーブル保護部材の突出量を低減し、もって敷設工事の規模を縮小することが可能な電力ケーブル終端接続装置を提供すること。
【解決手段】内部に電力ケーブル1および絶縁油2を保持する碍管11と、架台13と、碍管11の2つの端面のうちの電力ケーブル1を保持するケーブル保持端面に接する部分、および、碍管11内に伸びる管状部分を有し、碍管11と電力ケーブル1と一体となり絶縁油2を保持する碍管内絶縁油保持部材14と、少なくとも碍管内絶縁油保持部材14に固定される部分、および、電力ケーブル1の周囲に設けられる管状部分を有するケーブル保護部材15と、碍管内絶縁油保持部材14を架台13に取り付ける支持金具12と、電力ケーブル1の導体1aを外部の機器に接続させる導体引出し棒16と、導体引出し棒16を碍管11に固定する引出し棒固定フランジ17とを備えた構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルの終端、接続等に用いる電力ケーブル終端接続装置に関し、特に数十kV以上の高電圧用電力ケーブルを対象とする電力ケーブル終端接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、数十kV以上の高電圧用電力ケーブルの終端、接続等に用いる電力ケーブル終端接続装置は、電力ケーブルおよび絶縁油を内部に保持する碍管と、架台と、電力ケーブルおよび碍管を架台に取り付ける支持金具と、電力ケーブルにかかる応力を緩和するケーブル保護部材と、碍管内の絶縁油が漏れることを防止する油止め金具および引出し棒固定フランジとを備える。
【0003】
図8は、電力ケーブルを地面に対して垂直に敷設する従来の電力ケーブル終端接続装置の一例を示す概念図である。図8において、ケーブル保護部材215および碍管11は、電力ケーブル1が地面301に対して実質的に垂直になるように支持金具12を用いて架台13に取り付けられている。従来、電力ケーブル終端接続装置201のケーブル保護部材215は、図8に典型的に示すように、支持金具12に対して碍管11と反対側の方向に設けられている。ここで、電力ケーブル1は、ケーブル保護部材215から離れるにつれて地面301に略平行になるように引き出される。
【0004】
【特許文献1】実開平6−74036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電力ケーブル終端接続装置201では、ケーブル保護部材215が支持金具12から大きく突き出ており、このケーブル保護部材215から引き出される電力ケーブル1に加わる曲げを許容範囲内に抑える必要があるため、電力ケーブル1を図8に示すように架台の下まで大きく伸ばさなければならない場合が生ずるという問題があった。その結果、特に数十kV以上の高電圧を対象とする場合、架台の下に電力ケーブル1を引き出し、該電力ケーブル1の曲げ半径を確保するための地下洞道302等が必要となり、電力ケーブル終端接続装置201の敷設工事が大規模になっていた。装置規模が大きくなると、それに伴い地下洞道302の高さも大きくする必要があり、電力ケーブル終端接続装置201の敷設工事は、より大規模になっていた。
【0006】
本発明の目的は、支持金具からのケーブル保護部材の突出量を低減し、もって敷設工事の規模を縮小することが可能な電力ケーブル終端接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の態様は、内部に電力ケーブルおよび絶縁油を保持する碍管と、架台と、前記碍管の2つの端面のうちの前記電力ケーブルを保持するケーブル保持端面に接する部分、および、前記碍管内に伸び前記電力ケーブルが挿入される管状部分を有し、前記碍管と前記電力ケーブルと一体となり前記絶縁油を保持する碍管内絶縁油保持部材と、少なくとも前記碍管内絶縁油保持部材に固定される部分、および、前記電力ケーブルの周囲に設けられる管状部分を有するケーブル保護部材と、前記碍管内絶縁油保持部材を前記架台に取り付ける支持金具とを備えたことを特徴とする電力ケーブル終端接続装置である。
【0008】
本発明に係る第2の態様は、第1の態様において、前記ケーブル保護部材の前記管状部分の端面が、前記碍管のケーブル保持端面に対して垂直な方向に前記碍管のケーブル保持端面から0mm以上200mm以下の範囲内に入ることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第3の態様は、内部に電力ケーブルおよび絶縁油を保持する碍管と、架台と、前記碍管の2つの端面のうちの前記電力ケーブルを保持するケーブル保持端面に接する部分、および、前記碍管内に伸び前記電力ケーブルが挿入されて両方の端部が固定される管状部分を有し、前記碍管と前記電力ケーブルと一体となり前記絶縁油を保持する碍管内絶縁油保持部材と、前記碍管内絶縁油保持部材を前記架台に取り付ける支持金具とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る第4の態様は、第3の態様において、前記ケーブル保護部材の前記管状部分の端面が、前記碍管のケーブル保持端面に対して垂直な方向に前記碍管のケーブル保持端面から0mm以上50mm以下の範囲内に入ることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る第5の態様は、第1乃至第4のいずれか1つの態様において、前記碍管内絶縁油保持部材が、前記電力ケーブルに取り付けられる油止め部材と、前記油止め部材を前記架台に取り付ける油止めアダプタとを有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る第6の態様は、第1乃至第5のいずれか1つの態様において、前記電力ケーブルの導体を外部の機器に接続させる導体引出し棒と、前記導体引出し棒を前記碍管に固定する引出し棒固定フランジとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、碍管内絶縁油保持部材を碍管内に設けて絶縁を確保する構成としたため、敷設工事の規模を縮小することが可能な電力ケーブル終端接続装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図1から図3は本発明の一実施形態を示したものである。
図1は、本発明の電力ケーブル終端接続装置の、電力ケーブル1の中心軸の左半分側の断面構造を示す模式図である。該電力ケーブル1は、一端に防食層1d、半導電層1c、絶縁体部1bおよび導体1aが露出して設けられ、これらが碍管11内に収容して設けられる。図1において、電力ケーブル終端接続装置101は、内部に電力ケーブル1および絶縁油2を収容して保持する碍管11と、架台13と、碍管11と電力ケーブル1との間に設けられ碍管11と電力ケーブル1と一体となり絶縁油2を保持する碍管内絶縁油保持部材14と、碍管11の一方の端部側に配置されて碍管より引き出される電力ケーブル1が挿通されるケーブル保護部材15と、碍管11の一方の端部に取り付けられ該碍管11を支持して架台13に支持碍子21dを介して取り付けられる支持金具12と、電力ケーブル11と外部の機器との電気的な接続を確保する導体引き出し棒16と、前記導体引き出し棒16を碍管11の他方の端部に固定する固定フランジ17とを備える。
【0015】
本実施の形態では、碍管内絶縁油保持部材14は、図2に拡大して示すように、電力ケーブル1に取り付けられる油止め部材14aと、油止め部材14aを支持金具12に取り付ける油止めアダプタ14bとからなる。油止め部材14aは、電力ケーブル1を内包する油止めパイプ部14aと、この油止めパイプ14aの外周に形成され油止めアダプタ14bと取り付けられる取り付け部14a2とを有する。油止めアダプタ14bは、油止め部材14aを内包するする筒状部14bと、該筒状部14bの一方の端部側に碍管11の端面と接するフランジ部分とを有する。前記筒状部14bの他方の端部は、内周面に前記取り付け部14a2の外側の面が接する形状に設けられており、外周面に締め付け金具24aと螺合するネジ部が設けられている。以下、油止めアダプタ14bの碍管11の端面と接するフランジ部分をアダプタフランジ部14b2といい、アダプタフランジ部14b2と接する碍管11の端面をケーブル保持端面という。なお、アダプタフランジ部14b2は支持金具12に取り付けられる。
【0016】
油止め部材14aと油止めアダプタ14bとは締付け金具24aにより取り付けられ、Oリング24cを介して密閉性が確保される。締付け金具24aは筒状に形成され、内周面には前記油止めアダプタ14bのネジ部と螺合するネジ部が設けられており、油止めアダプタ14bは、図2に示すように外周上に形成されたネジが、管状の締め付け金具24aの内側の面に形成されたネジとかみ合い、締め付け金具24aを回し込むことによって油止めアダプタ14bがOリング24c側に締め付けられるようになっている。締め付け金具24aは、ネジ24bによって油止め部材14aの取り付け部に固定される。
【0017】
碍管内絶縁油保持部材14の上端側の電力ケーブル1の絶縁体部1bには、電界を緩和するためのストレスコーン22aが設けられ、ストレスコーン22aと碍管内絶縁油保持部材14およびその間の半導電層1cには、油止め処理が施されている。ストレスコーン22aは、例えば、ゴム等からなる。また、油止め処理として、例えば、絶縁性および防水性を有する収縮チューブ、テープ等を、図2に示すように、ストレスコーン22aと碍管内絶縁油保持部材14およびその間の半導電層1cの外周に設ける。なお、以上では、組み立ての容易性の観点から碍管内絶縁油保持部材14が油止め部材14aと油止めアダプタ14bの2つの部材からなる構成について説明したが、本発明は、碍管内絶縁油保持部材14が一体として形成されるのを排除するものではない。
【0018】
ケーブル保護部材15は、油止めアダプタ14bのアダプタフランジ部に接続するための保護フランジ部と、管状の部分とを有する。ケーブル保護部材15の管状の部分の内部には、電力ケーブル1の防食層1dが、例えば絶縁性および防食性を有するテープ等を用いて固定され、電力ケーブル1に加えられる応力が緩和される。以下、テープ等を用いてケーブル保護部材15を電力ケーブル1に固定する処理を防食処理という。ここで、線間電圧が154kV以上の電力ケーブルに対しては、ケーブル保護部材15の管状の部分の長さは、図1に示すように、管状の部分の下端面が支持金具12の下端面から0mm〜200mm、より好ましくは0mm〜50mmに入る長さであることが、組み立ての容易性、支持金具12の下端面からの突出量の抑制等の観点から好ましい。ケーブル保護部材15の保護フランジ部は、油止めアダプタ14bのアダプタフランジ部に、ネジ25aとOリング25bを用いて取り付けられている。
【0019】
支持金具12は、中央に電力ケーブル1が挿通される孔が形成され、例えば支持碍子21dを介して架台13に取り付けられる。ただし、支持金具12と架台13との間が絶縁されれば支持碍子21dの代わりに何を用いてもよい。支持金具12の上面には、油止めアダプタ14bのアダプタフランジ部が固定される。ここで、アダプタフランジ部14b2を良好に支持金具12に位置決め固定できるように、図1に示すように、支持金具12の孔を形成している側壁の上部の一部を切り欠いて、アダプタフランジ部14b2と嵌合するリング状の溝を設けてもよい。
【0020】
油止めアダプタ14bのアダプタフランジ部14b2は、碍管11と碍管11の一方の端部外周にあらかじめ一体に設けられた固定金具21aとネジ21bによって、アダプタフランジ部14b2を支持金具12側に押さえつけるようにして固定される。ここで、碍管11と固定金具21aとは密着し、固定金具21aは、Oリング21cを用いて密閉性が確保できるようにネジ21bによって油止めアダプタ14bに固定される。また、碍管11のケーブル保持端面は、支持金具12の上面に密着するようになっている。
【0021】
導体引出し棒16は、導体1aに接続され、図1に示すように、引出し棒固定フランジ17を用いて碍管11のケーブル保持端面と対向する端面に固定され、引出し棒固定フランジ17は、碍管11の他方の端部外周にあらかじめ一体に設けられた取付金具に固定される。
【0022】
以下、図3を参照して、本発明の電力ケーブル終端接続装置101の組み立てについて説明する。
まず、図3(a)に示すように、所定の長さに導体1a、絶縁体1b、半導電層1cおよび防食層1dを露出した電力ケーブル1を架台13に対して所定位置に配置する。このように電力ケーブルの各部を露出する処理をケーブルの口出し処理という。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、電力ケーブル1の防食層1dの外周にケーブル保護部材15を配置し、半導電層1cの外周に油止め部材14aを図示しない取付部材を用いて電力ケーブル1に取り付け、半導電層1cと絶縁体1bとの境界に配置してストレスコーン22aを取り付け、テープ22bを油止めパイプ部14aの上端部およびストレスコーン22aの下部にかかるように半導電層1cに巻き付けて油止め処理を施し、電力ケーブル1の導体1aに導体引出し棒16をかしめにより取り付ける。なお、ケーブル保護部材15、油止め部材14aおよびストレスコーン22aの各部材は電力ケーブル1に挿通して設けられる。
【0024】
次に、図3(c)に示すように、架台13に支持碍子21dを介して支持金具12を取り付け、油止めアダプタ14bを、筒状部14bの内側の面が油止め部材14aの取り付け部14a2の外周面と接するように挿入して、アダプタフランジ部14b2を支持金具12の上面に形成されたリング状の溝に嵌合して配置する。そして前記筒状部14bの外周面に設けられたネジ部に締め付け金具24aを螺合し、前記筒状部14bを取り付け部14a2に締め付け、ネジ24bを用いて締め付け金具24aを前記取り付け部14a2に取り付け、油止め部材14aと油止めアダプタ14bとを固定する。このとき、油止め部材14aと油止めアダプタ14bとは、取り付け部14a2の外周面側にあらかじめ設けられたOリング24cによって密封性が確保される。なお、支持金具12、油止めアダプタ14bおよび締め付け金具24aの各部材も電力ケーブル1に挿通して設けられる。
【0025】
次に、図3(d)に示すように、油止めアダプタ14bのアダプタフランジ部14b2の上面に設けられた溝にOリング21cを取り付け、電力ケーブル1を内包するように碍管11をアダプタフランジ部14b2の上面に設ける。このとき、Oリング21cは固定金具21bに密着するように配置されるが、碍管11の端面に密着するように配置して設けてもよい。そして、ネジ21bを用いて固定金具21aを支持金具12に引き付けて取り付け、アダプタフランジ部14b2を挟み込んで碍管11と取付金具12とを固定する。また、ネジ25aを用いてケーブル保護部材15のフランジ部をアダプタフランジ部14b2の下面にOリング25bを介して取り付ける。そしてケーブル保護部材15の管状の部分と電力ケーブル1に防食テープ25cを巻き付け防食処理を施す。
【0026】
次に、図3(e)に示すように、碍管11内に絶縁油を注油し、取付金具23aとネジ23bを用いて引出し棒固定フランジ17を導体引出し棒16の周囲に配置し、碍管11の上端部に固定する。
【0027】
図4は、本発明の電力ケーブル終端接続装置と従来の電力ケーブル終端接続装置との差異について説明するための図である。図4(a)に示す従来の電力ケーブル終端接続装置201は、油止め部材214とケーブル保護部材215が支持金具12の下方に伸び、油止め部材214とケーブル保護部材215との間の空間に絶縁油が充填される。そして、油止め部材214とケーブル保護部材215との下端には、防食テープ等を用いて油止め処理が施される。
【0028】
これに対して、図4(b)に示す本発明の電力ケーブル終端接続装置101は、碍管内絶縁油保持部材14を碍管11内に設けて絶縁を確保し、ケーブル保護部材15を短くできる構造となっているため、図4(a)に示す従来の電力ケーブル終端接続装置よりも、油止め部材214とケーブル保護部材215の支持金具12の下方への突出量が、図示するように長さL分、大幅に短縮された。これに伴い、電力ケーブル終端接続装置に充填される絶縁油202の油量も削減できた。
【0029】
図5は、本発明の電力ケーブル終端接続装置と従来の電力ケーブル終端接続装置を敷設したときの差異について説明するための図である。図5に示すように、本発明の電力ケーブル終端接続装置101は、従来の電力ケーブル終端接続装置201よりも、電力ケーブルの支持金具12の下方への伸びを短縮することができるため、敷設工事の際の掘削を小規模に抑えることができる。具体的には、電力ケーブル1を安全に曲げるためには、電力ケーブルの直径の略10倍以上の曲率半径となるように電力ケーブル1を曲げる必要があり、図5に示すように、従来の電力ケーブル終端接続装置201の敷設に地面301を掘削して地下洞道302を設ける必要があった場合でも、本発明の電力ケーブル終端接続装置101の敷設には、浅い地上ピッチ303で抑えることができることとなる。
【0030】
図6は、本発明の電力ケーブル終端接続装置101からケーブル保護部材15を除いた、他の態様の電力ケーブル終端接続装置102の組み立てについて説明図である。まず、図6(a)に示すように、上記と同様に口出し処理を行う。次に、図6(b)に示すように、半導電層1cの外周に油止め部材14aを図示しない取付部材を用いて電力ケーブル1に取り付け、半導電層1cと絶縁体1bとの境界に配置してストレスコーン22aを取り付け、テープ22bを油止めパイプ部14aの上端部およびストレスコーン22aの下部にかかるように半導電層1cに巻き付けて油止め処理を施し、電力ケーブル1の導体1aに導体引出し棒16をかしめにより取り付ける。そして油止めパイプ部14aを電力ケーブル1に防食テープ25cを巻き付け防食処理を施す。
【0031】
次に、図6(c)に示すように、架台13に支持碍子21dを介して支持金具12を取り付け、油止めアダプタ14bを、筒状部14bの内側の面が油止め部材14aの取り付け部14a2の外周面と接するように挿入して、アダプタフランジ部14b2を支持金具12の上面に形成されたリング状の溝に嵌合して配置する。そして前記筒状部14bの外周面に設けられたネジ部に締め付け金具24aを螺合し、前記筒状部14bを取り付け部14a2に締め付け、ネジ24bを用いて締め付け金具24aを前記取り付け部14a2に取り付け、油止め部材14aと油止めアダプタ14bとを固定する。このとき、油止め部材14aと油止めアダプタ14bとは、取り付け部14a2の外周面側にあらかじめ設けられたOリング24cによって密封性が確保される。なお、支持金具12、油止めアダプタ14bおよび締め付け金具24aの各部材も電力ケーブル1に挿通して設けられる。
【0032】
次に、図6(d)に示すように、油止めアダプタ14bのアダプタフランジ部14b2の上面に設けられた溝にOリング21cを取り付け、電力ケーブル1を内包するように碍管11をアダプタフランジ部14b2の上面に設ける。このとき、Oリング21cは固定金具21bに密着するように配置されるが、碍管11の端面に密着するように配置して設けてもよい。そして、ネジ21bを用いて固定金具21aを支持金具12に引き付けて取り付け、アダプタフランジ部14b2を挟み込んで碍管11と取付金具12とを固定する。
【0033】
次に、図6(e)に示すように、碍管11内に絶縁油を注油し、取付金具23aとネジ23bを用いて引出し棒固定フランジ17を導体引出し棒16の周囲に配置し、碍管11の上端部に固定する。
【0034】
なお、電力ケーブル終端接続装置101、102の組み立ての順序は、本発明の実施の形態で説明したものに限定されるものではない。また、上記では、碍管内絶縁油保持部材14内に絶縁部材として絶縁油が収容されるものとして説明してきたが、絶縁部材は必ずしも絶縁油に限られるものではなく、絶縁性のガスその他の媒体を用いるのでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る電力ケーブル終端接続装置は、支持金具からのケーブル保護部材の突出量を低減して敷設工事の規模を縮小することができるという効果を有し、電力ケーブルの終端、接続等に用いる電力ケーブル終端接続装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の電力ケーブル終端接続装置101の、電力ケーブルの中心軸の左半分側の断面構造を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示す楕円部分を拡大して示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の電力ケーブル終端接続装置101の組み立てについて説明するための図である。
【図4】図4は、本発明の電力ケーブル終端接続装置101と従来の電力ケーブル終端接続装置との差異について説明するための図である。
【図5】図5は、本発明の電力ケーブル終端接続装置と従来の電力ケーブル終端接続装置を敷設したときの差異について説明するための図である。
【図6】図6は、本発明の電力ケーブル終端接続装置102の組み立てについて説明するための図である。
【図7】図7は、本発明の電力ケーブル終端接続装置102と従来の電力ケーブル終端接続装置との差異について説明するための図である。
【図8】図8は、従来の電力ケーブル終端接続装置の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0037】
1 電力ケーブル
1a 導体
1b 絶縁体
1c 半導電層
1d 防食層
2、202 絶縁油
11 碍管
12 支持金具
13 架台
14 碍管内絶縁油保持部材
14a 油止め部材
14b 油止めアダプタ
15 ケーブル保護部材
16 導体引出し棒
17 引出し棒固定フランジ
21a 固定金具
21b、23b、24b、25a ネジ
21c、24c、25b Oリング
21d 支持碍子
22a ストレスコーン
22b 取り付けテープ
23a 取付金具
24a 締め付け金具
25c 防食テープ
101、201 電力ケーブル終端接続装置
202 絶縁油
215 ケーブル保護部材
301 地面
302 地下洞道
303 地上ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電力ケーブルおよび絶縁油を保持する碍管と、
架台と、
前記碍管の2つの端面のうちの前記電力ケーブルを保持するケーブル保持端面に接する部分、および、前記碍管内に伸び前記電力ケーブルが挿入される管状部分を有し、前記碍管と前記電力ケーブルと一体となり前記絶縁油を保持する碍管内絶縁油保持部材と、
少なくとも前記碍管内絶縁油保持部材に固定される部分、および、前記電力ケーブルの周囲に設けられる管状部分を有するケーブル保護部材と、
前記碍管内絶縁油保持部材を前記架台に取り付ける支持金具とを備えたことを特徴とする電力ケーブル終端接続装置。
【請求項2】
前記ケーブル保護部材の前記管状部分の端面が、前記碍管のケーブル保持端面に対して垂直な方向に前記碍管のケーブル保持端面から0mm以上200mm以下の範囲内に入ることを特徴とする請求項1に記載の電力ケーブル終端接続装置。
【請求項3】
内部に電力ケーブルおよび絶縁油を保持する碍管と、
架台と、
前記碍管の2つの端面のうちの前記電力ケーブルを保持するケーブル保持端面に接する部分、および、前記碍管内に伸び前記電力ケーブルが挿入されて両方の端部が固定される管状部分を有し、前記碍管と前記電力ケーブルと一体となり前記絶縁油を保持する碍管内絶縁油保持部材と、
前記碍管内絶縁油保持部材を前記架台に取り付ける支持金具とを備えたことを特徴とする電力ケーブル終端接続装置。
【請求項4】
前記ケーブル保護部材の前記管状部分の端面が、前記碍管のケーブル保持端面に対して垂直な方向に前記碍管のケーブル保持端面から0mm以上50mm以下の範囲内に入ることを特徴とする請求項3に記載の電力ケーブル終端接続装置。
【請求項5】
前記碍管内絶縁油保持部材が、前記電力ケーブルに取り付けられる油止め部材と、前記油止め部材を前記架台に取り付ける油止めアダプタとを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の電力ケーブル終端接続装置。
【請求項6】
前記電力ケーブルの導体を外部の機器に接続させる導体引出し棒と、前記導体引出し棒を前記碍管に固定する引出し棒固定フランジとを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の電力ケーブル終端接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−159271(P2007−159271A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351033(P2005−351033)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(502308387)株式会社ビスキャス (205)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】