電力伝送システム
【課題】受電コイルが冷却され、受電コイルの発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制な電力伝送システムを提供する。
【解決手段】本発明の電力伝送システムは、電磁場を介して電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルが収容されると共に、通風口２６５を有するコイルケース２６０と、前記受電コイルが受電した電力が充電されるバッテリーと、前記バッテリーが収容されるバッテリーケース３６０と、前記バッテリーケースを所定圧に保つバッテリーケース３６０と、前記受電コイルが受電した電力を前記バッテリーに充電可能な電力に変換する回路と、前記回路が収容される受電側回路ケース３４０と、前記受電側回路ケース３４０を所定圧に保つ受電側回路ケースファン３４５と、前記コイルケース２６０と前記受電側回路ケース３４０と接続する受電側第１ダクト３３０と、前記受電側回路ケース３４０と前記バッテリーケース３６０とを接続する受電側第２ダクト３５０と、を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明の電力伝送システムは、電磁場を介して電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルが収容されると共に、通風口２６５を有するコイルケース２６０と、前記受電コイルが受電した電力が充電されるバッテリーと、前記バッテリーが収容されるバッテリーケース３６０と、前記バッテリーケースを所定圧に保つバッテリーケース３６０と、前記受電コイルが受電した電力を前記バッテリーに充電可能な電力に変換する回路と、前記回路が収容される受電側回路ケース３４０と、前記受電側回路ケース３４０を所定圧に保つ受電側回路ケースファン３４５と、前記コイルケース２６０と前記受電側回路ケース３４０と接続する受電側第１ダクト３３０と、前記受電側回路ケース３４０と前記バッテリーケース３６０とを接続する受電側第２ダクト３５０と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば、磁気共鳴方式の磁気共鳴アンテナなどが用いられるワイヤレス電力伝送システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、電源コードなどを用いることなく、ワイヤレスで電力（電気エネルギー）を伝送する技術の開発が盛んとなっている。ワイヤレスで電力を伝送する方式の中でも、特に注目されている技術として、磁気共鳴方式と呼ばれるものがある。この磁気共鳴方式は２００７年にマサチューセッツ工科大学の研究グループが提案したものであり、これに関連する技術は、例えば、特許文献１（特表２００９−５０１５１０号公報）に開示されている。
【０００３】
磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムは、送電側アンテナの共振周波数と、受電側アンテナの共振周波数とを同一とし、高いＱ値（１００以上）のアンテナを用いることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し、効率的にエネルギー伝達を行うものであり、電力伝送距離を数十ｃｍ〜数ｍとすることが可能であることが大きな特徴の一つである。
【０００４】
上記のような磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムに用いるアンテナの具体的な構成についてもこれまでいくつか提案がされてきた。例えば、特許文献２（特開２０１０−７３９７６号公報）には、ワイヤレスで給電回路から受電回路へ電力を送信するワイヤレス電力伝送装置の、前記給電回路及び受電回路にそれぞれ設けられる通信コイルの構造において、比誘電率が１よりも大きい材質のプリント基板と、前記プリント基板の第１の層に設けられ、少なくとも１ループをなす導電パターンで形成された一次コイルと、前記プリント基板の第２の層に設けられ、渦巻き形状をなす導電パターンで形成された共鳴コイルと、を備えることを特徴とするワイヤレス電力伝送装置の通信コイル構造が開示されている。
【特許文献１】特表２００９−５０１５１０号公報
【特許文献２】特開２０１０−７３９７６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記のようなワイヤレス電力伝送システムでは、比較的周波数が高い交流電力が用いられるために、送電コイル或いは受電コイルがオーム損によって発熱すると共に、さらに発熱により電力伝送の効率が低下する。そこで、ワイヤレス電力伝送システムで用いる送電コイル、受電コイルを冷却する必要があるが、従来の技術ではコイルが冷却される構造とはなっておらず、コイルの発熱が蓄積されてしまい、電力伝送効率が低下する、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記問題を解決するために、請求項１に係る発明は、電磁場を介して電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルが収容されると共に、通風口を有するコイルケースと、前記受電コイルが受電した電力が充電されるバッテリーと、前記バッテリーが収容されるバッテリーケースと、前記バッテリーケースを所定圧に保つバッテリーケースファンと、前記受電コイルが受電した電力を前記バッテリーに充電可能な電力に変換する回路と、前記回路が収容される回路ケースと、前記回路ケースを所定圧に保つ回路ケースファンと、前記コイルケースと前記回路ケースと接続する第１ダクトと、前記回路ケースと前記バッテリ
ーケースとを接続する第２ダクトと、を有することを特徴とする電力伝送システムである。
【０００７】
また、請求項２に係る発明は、請求項１に記載の電力伝送システムにおいて、前記受電コイルと前記回路とを接続する導電線路が前記第１ダクト内に配されると共に、前記回路と前記バッテリーとを接続する導電線路が前記第２ダクト内に配されることを特徴とする。
【０００８】
また、請求項３に係る発明は、電磁場を介して電力を送電する送電コイルと、前記送電コイルが収容されると共に、通風口を有するコイルケースと、前記送電コイルで送電する電力を生成する回路と、前記回路が収容される回路ケースと、前記回路ケースを所定圧に保つ回路ケースファンと、前記回路ケースと前記コイルケースとを接続するダクトと、を有することを特徴とする電力伝送システムである。
【０００９】
また、請求項４に係る発明は、請求項３に記載の電力伝送システムにおいて、前記送電コイルと前記回路とを接続する導電線路がダクト内に配されることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明に係る電力伝送システムによれば、受電コイルが収容されるコイルケースには、通風口が設けられており、さらに、コイルケースは、バッテリーケースを負圧に保つバッテリーケースファンを有するバッテリーケースとダクト構造によって接続されているので、通風口から吸入される空気によって受電コイルが冷却され、受電コイルの発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施形態に係る電力伝送システムのブロック図である。
【図２】電力伝送システムのインバーター部を示す図である。
【図３】本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムで用いる受電アンテナ２０１の分解斜視図である。
【図４】本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムで用いる受電アンテナ２０１による電力伝送の様子を示す断面の模式図である。
【図５】本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムにおける各構成のレイアウトを示す図である。
【図６】本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【図７】本発明の第２実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【図８】本発明の第３実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図１は本発明の実施形態に係る電力伝送システムのブロック図である。
【００１３】
本発明の電力伝送システムとしては、例えば、電気自動車（ＥＶ）やハイブリッド電気自動車（ＨＥＶ）などの車両への充電のためのシステムが想定されている。電力伝送システムは、上記のような車両に対して電力を非接触で伝送するため、当該車両を停車させることが可能な停車スペースに設けられる。車両充電用のスペースである当該停車スペースには、送電アンテナ１０５などが地中部に埋設されるような構成となっている。車両のユーザーはこの電力伝送システムが設けられている停車スペースに車両を停車させて、車両
に搭載されている受電アンテナ２０１と、前記送電アンテナ１０５とを対向させることによって電力伝送システムからの電力を受電する。車両を停車スペースに停車させる際には、車両搭載の受電アンテナ２０１が、送電アンテナ１０５に対して最も伝送効率が良い位置関係となるようにする。
【００１４】
電力伝送システムでは、電力伝送システム１００側の送電アンテナ１０５から、受電側システム２００側の受電アンテナ２０１へ効率的に電力を伝送する際、送電アンテナ１０５の共振周波数と、受電アンテナ２０１の共振周波数とを同一とすることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し、効率的にエネルギー伝達を行うようにする。
【００１５】
電力伝送システム１００におけるＡＣ／ＤＣ変換部１０１は、入力される商用電源を一定の直流に変換するコンバータである。このＡＣ／ＤＣ変換部１０１からの出力は高電圧発生部１０２において、所定の電圧に昇圧されたりする。この高電圧発生部１０２で生成される電圧の設定は主制御部１１０から制御可能となっている。
【００１６】
インバーター部１０３は、高電圧発生部１０２から供給される高電圧から所定の交流電圧を生成して、整合器１０４に入力する。図２は電力伝送システムのインバーター部を示す図である。インバーター部１０３は、例えば図２に示すように、フルブリッジ方式で接続されたＱA乃至ＱDからなる４つの電界効果トランジスタ（ＦＥＴ）によって構成されている。
【００１７】
本実施形態においては、直列接続されたスイッチング素子ＱAとスイッチング素子ＱBの間の接続部Ｔ１と、直列接続されたスイッチング素子ＱCとスイッチング素子ＱDとの間の接続部Ｔ２との間に整合器１０４が接続される構成となっており、スイッチング素子ＱA
とスイッチング素子ＱDがオンのとき、スイッチング素子ＱBとスイッチング素子ＱCがオ
フとされ、スイッチング素子ＱBとスイッチング素子ＱCがオンのとき、スイッチング素子ＱAとスイッチング素子ＱDがオフとされることで、接続部Ｔ１と接続部Ｔ２との間に矩形波の交流電圧を発生させる。なお、本実施形態においては、各スイッチング素子のスイッチングによって生成される矩形波の周波数の範囲は数１００ｋＨｚ〜数１０００ｋＨｚ程度である。
【００１８】
上記のようなインバーター部１０３を構成するスイッチング素子ＱA乃至ＱDに対する駆動信号は主制御部１１０から入力されるようになっている。また、インバーター部１０３を駆動させるための周波数は主制御部１１０から制御することができるようになっている。
【００１９】
整合器１０４は、所定の回路定数を有する受動素子から構成され、インバーター部１０３からの出力が入力される。そして、整合器１０４からの出力は送電アンテナ１０５に供給される。整合器１０４を構成する受動素子の回路定数は、主制御部１１０からの指令に基づいて調整することができるようになっている。主制御部１１０は、送電アンテナ１０５と受電アンテナ２０１とが共振するように整合器１０４に対する指令を行う。
【００２０】
送電アンテナ１０５は、インダクタンス成分を有するコイルから構成されており、対向するようにして配置される車両搭載の受電アンテナ２０１と共鳴することで、送電アンテナ１０５から出力される電気エネルギーを受電アンテナ２０１に送ることができるようになっている。
【００２１】
電力伝送システム１００の主制御部１１０はＣＰＵとＣＰＵ上で動作するプログラムを保持するＲＯＭとＣＰＵのワークエリアであるＲＡＭなどからなる汎用の情報処理部である。この主制御部１１０は、図示されている主制御部１１０と接続される各構成と協働す
るように動作する。
【００２２】
また、通信部１２０は車両側の通信部２２０と無線通信を行い、車両との間でデータの送受を可能にする構成である。通信部１２０によって受信したデータは主制御部１１０に転送され、また、主制御部１１０は所定情報を通信部１２０を介して車両側に送信することができるようになっている。
【００２３】
次に、車両側に設けられている構成について説明する。車両の受電側のシステムにおいて、受電アンテナ２０１は、送電アンテナ１０５と共鳴することによって、送電アンテナ１０５から出力される電気エネルギーを受電するものである。このような受電アンテナ２０１は、車両の底面部に取り付けられるようになっている。
【００２４】
受電アンテナ２０１で受電された交流電力は、整流部２０２において整流され、整流された電力は充電制御部２０３を通してバッテリー２０４に蓄電されるようになっている。充電制御部２０３は主制御部２１０からの指令に基づいてバッテリー２０４の蓄電を制御する。また、充電制御部２０３はバッテリー２０４の残量管理なども行い得るように構成される。
【００２５】
主制御部２１０はＣＰＵとＣＰＵ上で動作するプログラムを保持するＲＯＭとＣＰＵのワークエリアであるＲＡＭなどからなる汎用の情報処理部である。この主制御部２１０は、図示されている主制御部２１０と接続される各構成と協働するように動作する。
【００２６】
インターフェイス部２３０は、車両の運転席部に設けられ、ユーザー（運転者）に対し所定の情報などを提供したり、或いは、ユーザーからの操作・入力を受け付けたりするものであり、表示装置、ボタン類、タッチパネル、スピーカーなどで構成されるものである。ユーザーによる所定の操作が実行されると、インターフェイス部２３０から操作データとして主制御部２１０に送られ処理される。また、ユーザーに所定の情報を提供する際には、主制御部２１０からインターフェイス部２３０に対して、所定情報を表示するための表示指示データが送信される。
【００２７】
また、車両側の通信部２２０は送電側の通信部１２０と無線通信を行い、送電側のシステムとの間でデータの送受を可能にする構成である。通信部２２０によって受信したデータは主制御部２１０に転送され、また、主制御部２１０は所定情報を通信部２２０を介して送電システム側に送信することができるようになっている。
【００２８】
電力伝送システムで、電力を受電しようとするユーザーは、上記のような送電側のシステムが設けられている停車スペースに車両を停車させ、インターフェイス部２３０から充電を実行する旨の入力を行う。これを受けた主制御部２１０は、充電制御部２０３からのバッテリー２０４の残量を取得し、バッテリー２０４の充電に必要な電力量を算出する。算出された電力量と送電を依頼する旨の情報は、車両側の通信部２２０から送電側のシステムの通信部１２０に送信される。これを受信した送電側システムの主制御部１１０は高電圧発生部１０２、インバーター部１０３、整合器１０４を制御することで、車両側に電力を伝送するようになっている。
【００２９】
次に、以上のように構成される電力伝送システム１００で用いるアンテナの具体的な構成について説明する。以下、受電アンテナ２０１に本発明の構成を採用した例について説明するが、本発明のアンテナは送電アンテナ１０５に対しても適用し得るものである。
【００３０】
図３は本発明の第１実施形態に係る受電アンテナ２０１の分解斜視図であり、図４は本発明の第１実施形態に係る受電アンテナ２０１による電力伝送の様子を示す断面の模式図
であり、図４における矢印は磁力線を模式的に示している。なお、以下の実施形態では、コイル体２７０として矩形平板状のものを例に説明するが、本発明のアンテナはこのような形状のコイルに限定されるものではない。例えば、コイル体２７０として円形平板状のものなども利用し得る。このようなコイル体２７０は、受電アンテナ２０１における磁気共鳴アンテナ部として機能する。この「磁気共鳴アンテナ部」は、コイル体２７０のインダクタンス成分のみならず、その浮游容量に基づくキャパシタンス成分、或いは意図的に追加したコンデンサに基づくキャパシタンス成分をも含むものである。
【００３１】
コイルケース２６０は、受電アンテナ２０１のインダクタンス成分を有するコイル体２７０を収容するために用いられるものである。このコイルケース２６０は、例えばポリカーボネートなどの樹脂により構成される開口を有する箱体の形状をなしている。コイルケース２６０の矩形状の底板部２６１の各辺からは側板部２６２が、前記底板部２６１に対して垂直方向に延在するようにして設けられている。そして、コイルケース２６０の上方においては、側板部２６２に囲まれるような上方開口部２６３が構成されている。コイルケース２６０にパッケージされた受電アンテナ２０１はこの上方開口部２６３側で車両本体部に取り付けられる。コイルケース２６０を車両本体部に取り付けるためには、従来周知の任意の方法を用いることができる。なお、上方開口部２６３の周囲には、車両本体部への取り付け性を向上するために、フランジ部材などを設けるようにしても良い。
【００３２】
コイルケース２６０の側板部２６２には通風口２６５が設けられている。このような通風口２６５には気体は流通させるが、水などの液体については流通させないフィルタが適用されることが望ましい。また、コイルケース２６０の側板部２６２には受電側第１ダクト３３０が接続されており、コイルケース２６０内の空間と受電側第１ダクト３３０の中の空間が連通されるようにされている。受電側第１ダクト３３０がコイルケース２６０と接続されていない側には、後述する負圧状態にされてなる各ケースが接続されているので、コイルケース２６０内も負圧となり、これにより通風口２６５から空気が流入し、コイルケース２６０の中に配設されるコイル体２７０を冷却する。このように本発明では、通風口２６５から流入する空気によりコイル体２７０が冷却され、コイル体２７０の発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【００３３】
本実施形態においては、受電を行うコイル体２７０と整流部２０２と充電制御部２０３などの回路とを接続する導電線路２７５は、受電側第１ダクト３３０内に這い回せれるようにして配されている。このように受電側第１ダクト３３０は、導電線路２７５の這い回し用途と、空気の流路としての用途の双方を有している。すなわち、本発明に係る電力伝送システムよれば、それぞれの用途別に専用のダクトを設ける必要がなく、簡易な構成とすることができ、コストを削減することが可能となる。
【００３４】
コイル体２７０は、ガラスエポキシ製の矩形平板状の基材２７１と、この基材２７１上に形成される渦巻き状の導電部２７２とから構成されている。渦巻き状をなす導電部２７２の内周側の第１端部２７３、及び外周側の第２端部２７４には導電線路２７５が電気接続される。これにより、受電アンテナ２０１によって受電した電力を整流部２０２へと導けるようになっている。このようなコイル体２７０はコイルケース２６０の矩形状の底板部２６１上に載置され、適当な固着手段によって底板部２６１上に固着される。また、導電線路２７５は受電側第１ダクト３３０内を這い回される。
【００３５】
磁性シールド体２８０は、中抜き部２８５を有する平板状の磁性部材である。この磁性シールド体２８０を構成するためには、比抵抗が大きく、透磁率が大きく、磁気ヒステリシスが小さいものが望ましく、例えばフェライトなどの磁性材料を用いることができる。磁性シールド体２８０は、コイルケース２６０に対して適当な手段により固着されることで、コイル体２７０の上方にある程度の空間を空けて配されるようになっている。このよ
うなレイアウトにより、送電アンテナ１０５側で発生する磁力線は、磁性シールド体２８０を透過する率が高くなり、送電アンテナ１０５から受電アンテナ２０１への電力伝送において、車両本体部を構成する金属物による磁力線への影響が軽微となる。
【００３６】
また、コイルケース２６０の上方開口部２６３においては、前記上方開口部２６３を覆うような矩形平板状の金属体蓋部２９０が、シールド体２８０の上方に所定距離をおいて配されるようになっている。このような金属体蓋部２９０に用いる金属材料として任意のものを用いることとができるが、本実施形態においては、例えばアルミニウムを用いている。
【００３７】
以上のように、本発明の受電アンテナ２０１によれば、コイル体２７０の上方に磁性シールド体２８０が設けられているので、車両底面に受電アンテナ２０１を装着した場合でも、車両本体部を構成する金属物などの影響を抑制して、効率的に電力伝送を行うことが可能となる。
【００３８】
また、上記のような受電アンテナ２０１の構造は、電力伝送システム１００を構成する送電側のアンテナにも適用されている。この場合、図４に示すように、送電アンテナ１０５は、受電アンテナ２０１と水平面に対して面対称（鏡像対称）となるような構造とされている。
【００３９】
送電アンテナ１０５においても、受電側同様に、コイル体１７０がコイルケース１６０に配され、これと所定距離離されて磁性シールド体１８０が設けられると共に、金属体蓋部１９０
によってコイルケース１６０が封止されている。また、コイルケース１６０の側面側には通風口１６５が設けられており、コイルケース１６０から空気の流入が可能となるように構成されている。また、コイルケース１６０の側面には、コイルケース１６０内の空間と連通するダクトが接続されている。
【００４０】
次に、以上のように構成される受電アンテナ２０１と送電アンテナ１０５の冷却についてより詳しく説明する。図５は本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムにおける各構成のレイアウトを示す図である。また、図６は本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【００４１】
電力伝送システムの受電側においては、コイルケース２６０と受電側回路ケース３４０とが受電側第１ダクト３３０とが接続されており、コイルケース２６０内の空間と受電側回路ケース３４０内の空間とが受電側第１ダクト３３０により連通するようになっている。また、受電側回路ケース３４０とバッテリーケース３６０とが受電側第２ダクト３５０とが接続されており、受電側回路ケース３４０内の空間とバッテリーケース３６０内の空間とが受電側第２ダクト３５０により連通するようになっている。受電側第１ダクト３３０、受電側第２ダクト３５０は空気の流路として機能すると共に、導電線路２７５が配される空間としても機能する。
【００４２】
受電側回路ケース３４０は整流部２０２と充電制御部２０３を収容するケースである。この受電側回路ケース３４０には、ケース内を負圧に保つ受電側回路ケースファン３４５が設けられている。受電側回路ケースファン３４５の動作に伴い、コイルケース２６０に設けられている通風口２６５から空気が流入し、図６の矢印に示すような空気の流れが生じることとなる。これにより、受電側回路ケース３４０内に収納される整流部２０２や充電制御部２０３などの電気回路を冷却することができると共に、受電側第１ダクト３３０を通して、コイルケース２６０内のコイル体２７０も冷却することも可能となる。
【００４３】
本実施形態においては、整流部２０２と充電制御部２０３などの回路とバッテリー２０４とを接続する導電線路（不図示）は、受電側第２ダクト３５０内に這い回せれるようにして配されている。このように受電側第２ダクト３５０は、導電線路（不図示）の這い回し用途と、空気の流路としての用途の双方を有している。すなわち、本発明に係る電力伝送システムよれば、それぞれの用途別に専用のダクトを設ける必要がなく、簡易な構成とすることができ、コストを削減することが可能となる。
【００４４】
以上のような、本発明に係る電力伝送システムによれば、受電コイル（コイル体２７０）が収容されるコイルケース２６０には、通風口２６５が設けられており、さらに、コイルケース２６０は、受電側回路ケース３４０内を負圧に保つ受電側回路ケースファン３４５を有する受電側回路ケースファン３４５とダクト構造によって接続されているので、通風口２６５から吸入される空気によって受電コイル（コイル体２７０）が冷却され、受電コイル（コイル体２７０）の発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【００４５】
バッテリーケース３６０はバッテリー２０４を収容するケースである。このバッテリーケース３６０には、ケース内を負圧に保つバッテリーケースファン３６５が設けられている。バッテリーケースファン３６５の動作により、コイルケース２６０に設けられている通風口２６５から空気が流入し、図６の矢印に示すような空気の流れが生じることとなる。これにより、バッテリーケース３６０内に収納されるバッテリー２０４を冷却することができると共に、受電側第１ダクト３３０を通して、コイルケース２６０内のコイル体２７０も冷却することが可能となる。
【００４６】
以上のような、本発明に係る電力伝送システムによれば、受電コイル（コイル体２７０）が収容されるコイルケース２６０には、通風口２６５が設けられており、さらに、コイルケース２６０は、バッテリーケース３６０内を負圧に保つバッテリーケースファン３６５を有するバッテリーケース３６０とダクト構造によって接続されているので、通風口２６５から吸入される空気によって受電コイル（コイル体２７０）が冷却され、受電コイル（コイル体２７０）の発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【００４７】
また、図５に示すように、コイルケース２６０は、コイルケース２６０の通風口２６５が、車両の前方方向に向くように車両に取り付けられている。このため、車両が前進している場合には、受電側回路ケースファン３４５やバッテリーケースファン３６５を動作させなくとも、通風口２６５から空気が自然に流入して、各ケースに収容されている構成を冷却することが可能となる場合もある。
【００４８】
電力伝送システムの送電側においては、コイルケース１６０と送電側回路ケース３２０とが送電側ダクト３１０とが接続されており、コイルケース１６０内の空間と送電側回路ケース３２０内の空間とが送電側ダクト３１０により連通するようになっている。送電側ダクト３１０は空気の流路として機能すると共に、導電線路が配される空間としても機能する。
【００４９】
送電側回路ケース３２０はＡＣ／ＤＣ変換部１０１、高電圧発生部１０２、インバーター部１０３、整合器１０４を収容するケースである。この送電側回路ケース３２０には、ケース内を負圧に保つ送電側回路ケースファン３２５が設けられている。送電側回路ケースファン３２５の動作に伴い、コイルケース１６０に設けられている通風口１６５から空気が流入し、図６の矢印に示すような空気の流れが生じることとなる。これにより、送電側回路ケース３２０内に収納されるＡＣ／ＤＣ変換部１０１、高電圧発生部１０２、インバーター部１０３、整合器１０４などの電気回路を冷却することができると共に、送電側
ダクト３１０を通して、コイルケース１６０内のコイル体１７０も冷却することも可能となる。
【００５０】
本実施形態においては、送電側のコイル体１７０と、ＡＣ／ＤＣ変換部１０１、高電圧発生部１０２、インバーター部１０３、整合器１０４などの回路とを接続する導電線路（不図示）は送電側ダクト３１０内に這い回せれるようにして配されている。このように送電側ダクト３１０は、導電線路（不図示）の這い回し用途と、空気の流路としての用途の双方を有している。すなわち、本発明に係る電力伝送システムよれば、それぞれの用途別に専用のダクトを設ける必要がなく、簡易な構成とすることができ、コストを削減することが可能となる。
【００５１】
以上のような、本発明に係る電力伝送システムによれば、送電コイル（コイル体１７０）が収容されるコイルケース１６０には、通風口１６５が設けられており、さらに、コイルケース１６０は、送電側回路ケース３２０内を負圧に保つ送電側回路ケースファン３２５を有する送電側回路ケース３２０とダクト構造によって接続されているので、通風口１６５から吸入される空気によって送電コイル（コイル体１７０）が冷却され、送電コイル（コイル体１７０）の発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【００５２】
なお、本実施形態においては、各ケースを負圧状態とする例で説明しているが、本発明に係る電力伝送システムでは、各ケースを正圧状態とするようにしてもよい。その場合には、受電側回路ケース３４０及びバッテリーケース３６０の両方を共に正圧とするように、受電側回路ケースファン３４５及びバッテリーケースファン３６５を動作させる。
【００５３】
また、このことは、送電側のシステムにおいても同様である。すなわち、本発明に係る電力伝送システムにおいては、送電側回路ケースファン３２５によって、送電側回路ケース３２０内を正圧に保つようにしてもよい。
【００５４】
次に、本発明の第２の実施形態について説明する。第２実施形態は第１実施形態と受電側の構成が異なるので、以下、これについて説明する。図７は本発明の第２実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【００５５】
第２実施形態においては、受電側回路ケース３４０内の温度を検出する受電側回路ケース温度センサー３４６、及び、バッテリーケース３６０内の温度を検出するバッテリーケース温度センサー３６６が設けられている。
【００５６】
コイルケース２６０は、コイルケース２６０の通風口２６５が、車両の前方方向に向くように車両に取り付けられている。このため、車両が前進している場合には、受電側回路ケースファン３４５やバッテリーケースファン３６５を動作させなくとも、通風口２６５から空気が自然に流入して、各ケースに収容されている構成を冷却することが可能となるが、第２実施形態においては、受電側回路ケース温度センサー３４６、及び、バッテリーケース温度センサー３６６を設けおき、これらにより各ケース内の温度を検出し、通風口２６５からの空気流入によっても、冷却能力が足りない場合には、受電側回路ケースファン３４５、バッテリーケースファン３６５を動作させて、気流を増加させるように構成されている。
【００５７】
以上のような実施形態によれば、第１の実施形態と同様の効果を享受することができると共に、各ファンを適時にのみ動作させることで、電力消費を抑制することが可能となる。
【００５８】
次に、本発明の第３の実施形態について説明する。第３実施形態は第２実施形態と受電側の構成が異なるので、以下、これについて説明する。図８は本発明の第３実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【００５９】
第３実施形態においては、受電側回路ケース温度センサー３４６内の温度を検出する受電側回路ケース温度センサー３４６、及び、バッテリーケース３６０内の温度を検出するバッテリーケース温度センサー３６６に加えて、受電側第２ダクト３５０からバッテリーケース３６０内に向かう際の入り口にシャッター３５５が設けられている。
【００６０】
このシャッター３５５が、不図示のコントローラーによって制御され、開いたり閉じたりすることで、受電側第２ダクト３５０からバッテリーケース３６０内に空気を流入させたり、或いは、受電側第２ダクト３５０からバッテリーケース３６０内に空気が流入することを遮ったりすることが可能となる。
【００６１】
バッテリーケース３６０内に収納されているバッテリー２０４は、低温環境下では効率的に充放電を行うことができない。そこで、第３実施形態では、バッテリーケース温度センサー３６６によってバッテリーケース３６０内の温度を検出して、これが所定値以下である場合にはシャッター３５５を閉じる制御を行うことで、バッテリー２０４を冷却してしまわないようにする。
【００６２】
一方、シャッター３５５が閉じられていても、受電側回路ケース３４０内の冷却については、第２実施形態と同様に行うことが可能である。
【００６３】
以上のように構成される第３実施形態によれば、第２実施形態と同様の効果を奏すると共に、低温環境下でも効率的にバッテリー２０４を運用することが可能となる。
【符号の説明】
【００６４】
１００・・・電力伝送システム
１０１・・・ＡＣ／ＤＣ変換部
１０２・・・高電圧発生部
１０３・・・インバーター部
１０４・・・整合器
１０５・・・送電アンテナ
１１０・・・主制御部
１２０・・・通信部
１６０・・・コイルケース
１６５・・・通風口
１７０・・・コイル体
１８０・・・磁性シールド体
１９０・・・金属体蓋部
２０１・・・受電アンテナ
２０２・・・整流部
２０３・・・充電制御部
２０４・・・バッテリー
２１０・・・主制御部
２２０・・・通信部
２３０・・・インターフェイス部
２６０・・・コイルケース
２６１・・・底板部
２６２・・・側板部
２６３・・・（上方）開口部
２６５・・・通風口
２７０・・・コイル体
２７１・・・基材
２７２・・・導電部
２７３・・・第１端部
２７４・・・第２端部
２７５・・・導電線路
２８０・・・磁性シールド体
２８５・・・中抜き部
２９０・・・金属体蓋部
３１０・・・送電側ダクト
３２０・・・送電側回路ケース
３２５・・・送電側回路ケースファン
３３０・・・受電側第１ダクト
３４０・・・受電側回路ケース
３４５・・・受電側回路ケースファン
３４６・・・受電側回路ケース温度センサー
３５０・・・受電側第２ダクト
３５５・・・シャッター
３６０・・・バッテリーケース
３６５・・・バッテリーケースファン
３６６・・・バッテリーケース温度センサー
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば、磁気共鳴方式の磁気共鳴アンテナなどが用いられるワイヤレス電力伝送システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、電源コードなどを用いることなく、ワイヤレスで電力（電気エネルギー）を伝送する技術の開発が盛んとなっている。ワイヤレスで電力を伝送する方式の中でも、特に注目されている技術として、磁気共鳴方式と呼ばれるものがある。この磁気共鳴方式は２００７年にマサチューセッツ工科大学の研究グループが提案したものであり、これに関連する技術は、例えば、特許文献１（特表２００９−５０１５１０号公報）に開示されている。
【０００３】
磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムは、送電側アンテナの共振周波数と、受電側アンテナの共振周波数とを同一とし、高いＱ値（１００以上）のアンテナを用いることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し、効率的にエネルギー伝達を行うものであり、電力伝送距離を数十ｃｍ〜数ｍとすることが可能であることが大きな特徴の一つである。
【０００４】
上記のような磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムに用いるアンテナの具体的な構成についてもこれまでいくつか提案がされてきた。例えば、特許文献２（特開２０１０−７３９７６号公報）には、ワイヤレスで給電回路から受電回路へ電力を送信するワイヤレス電力伝送装置の、前記給電回路及び受電回路にそれぞれ設けられる通信コイルの構造において、比誘電率が１よりも大きい材質のプリント基板と、前記プリント基板の第１の層に設けられ、少なくとも１ループをなす導電パターンで形成された一次コイルと、前記プリント基板の第２の層に設けられ、渦巻き形状をなす導電パターンで形成された共鳴コイルと、を備えることを特徴とするワイヤレス電力伝送装置の通信コイル構造が開示されている。
【特許文献１】特表２００９−５０１５１０号公報
【特許文献２】特開２０１０−７３９７６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記のようなワイヤレス電力伝送システムでは、比較的周波数が高い交流電力が用いられるために、送電コイル或いは受電コイルがオーム損によって発熱すると共に、さらに発熱により電力伝送の効率が低下する。そこで、ワイヤレス電力伝送システムで用いる送電コイル、受電コイルを冷却する必要があるが、従来の技術ではコイルが冷却される構造とはなっておらず、コイルの発熱が蓄積されてしまい、電力伝送効率が低下する、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記問題を解決するために、請求項１に係る発明は、電磁場を介して電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルが収容されると共に、通風口を有するコイルケースと、前記受電コイルが受電した電力が充電されるバッテリーと、前記バッテリーが収容されるバッテリーケースと、前記バッテリーケースを所定圧に保つバッテリーケースファンと、前記受電コイルが受電した電力を前記バッテリーに充電可能な電力に変換する回路と、前記回路が収容される回路ケースと、前記回路ケースを所定圧に保つ回路ケースファンと、前記コイルケースと前記回路ケースと接続する第１ダクトと、前記回路ケースと前記バッテリ
ーケースとを接続する第２ダクトと、を有することを特徴とする電力伝送システムである。
【０００７】
また、請求項２に係る発明は、請求項１に記載の電力伝送システムにおいて、前記受電コイルと前記回路とを接続する導電線路が前記第１ダクト内に配されると共に、前記回路と前記バッテリーとを接続する導電線路が前記第２ダクト内に配されることを特徴とする。
【０００８】
また、請求項３に係る発明は、電磁場を介して電力を送電する送電コイルと、前記送電コイルが収容されると共に、通風口を有するコイルケースと、前記送電コイルで送電する電力を生成する回路と、前記回路が収容される回路ケースと、前記回路ケースを所定圧に保つ回路ケースファンと、前記回路ケースと前記コイルケースとを接続するダクトと、を有することを特徴とする電力伝送システムである。
【０００９】
また、請求項４に係る発明は、請求項３に記載の電力伝送システムにおいて、前記送電コイルと前記回路とを接続する導電線路がダクト内に配されることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明に係る電力伝送システムによれば、受電コイルが収容されるコイルケースには、通風口が設けられており、さらに、コイルケースは、バッテリーケースを負圧に保つバッテリーケースファンを有するバッテリーケースとダクト構造によって接続されているので、通風口から吸入される空気によって受電コイルが冷却され、受電コイルの発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施形態に係る電力伝送システムのブロック図である。
【図２】電力伝送システムのインバーター部を示す図である。
【図３】本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムで用いる受電アンテナ２０１の分解斜視図である。
【図４】本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムで用いる受電アンテナ２０１による電力伝送の様子を示す断面の模式図である。
【図５】本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムにおける各構成のレイアウトを示す図である。
【図６】本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【図７】本発明の第２実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【図８】本発明の第３実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図１は本発明の実施形態に係る電力伝送システムのブロック図である。
【００１３】
本発明の電力伝送システムとしては、例えば、電気自動車（ＥＶ）やハイブリッド電気自動車（ＨＥＶ）などの車両への充電のためのシステムが想定されている。電力伝送システムは、上記のような車両に対して電力を非接触で伝送するため、当該車両を停車させることが可能な停車スペースに設けられる。車両充電用のスペースである当該停車スペースには、送電アンテナ１０５などが地中部に埋設されるような構成となっている。車両のユーザーはこの電力伝送システムが設けられている停車スペースに車両を停車させて、車両
に搭載されている受電アンテナ２０１と、前記送電アンテナ１０５とを対向させることによって電力伝送システムからの電力を受電する。車両を停車スペースに停車させる際には、車両搭載の受電アンテナ２０１が、送電アンテナ１０５に対して最も伝送効率が良い位置関係となるようにする。
【００１４】
電力伝送システムでは、電力伝送システム１００側の送電アンテナ１０５から、受電側システム２００側の受電アンテナ２０１へ効率的に電力を伝送する際、送電アンテナ１０５の共振周波数と、受電アンテナ２０１の共振周波数とを同一とすることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し、効率的にエネルギー伝達を行うようにする。
【００１５】
電力伝送システム１００におけるＡＣ／ＤＣ変換部１０１は、入力される商用電源を一定の直流に変換するコンバータである。このＡＣ／ＤＣ変換部１０１からの出力は高電圧発生部１０２において、所定の電圧に昇圧されたりする。この高電圧発生部１０２で生成される電圧の設定は主制御部１１０から制御可能となっている。
【００１６】
インバーター部１０３は、高電圧発生部１０２から供給される高電圧から所定の交流電圧を生成して、整合器１０４に入力する。図２は電力伝送システムのインバーター部を示す図である。インバーター部１０３は、例えば図２に示すように、フルブリッジ方式で接続されたＱA乃至ＱDからなる４つの電界効果トランジスタ（ＦＥＴ）によって構成されている。
【００１７】
本実施形態においては、直列接続されたスイッチング素子ＱAとスイッチング素子ＱBの間の接続部Ｔ１と、直列接続されたスイッチング素子ＱCとスイッチング素子ＱDとの間の接続部Ｔ２との間に整合器１０４が接続される構成となっており、スイッチング素子ＱA
とスイッチング素子ＱDがオンのとき、スイッチング素子ＱBとスイッチング素子ＱCがオ
フとされ、スイッチング素子ＱBとスイッチング素子ＱCがオンのとき、スイッチング素子ＱAとスイッチング素子ＱDがオフとされることで、接続部Ｔ１と接続部Ｔ２との間に矩形波の交流電圧を発生させる。なお、本実施形態においては、各スイッチング素子のスイッチングによって生成される矩形波の周波数の範囲は数１００ｋＨｚ〜数１０００ｋＨｚ程度である。
【００１８】
上記のようなインバーター部１０３を構成するスイッチング素子ＱA乃至ＱDに対する駆動信号は主制御部１１０から入力されるようになっている。また、インバーター部１０３を駆動させるための周波数は主制御部１１０から制御することができるようになっている。
【００１９】
整合器１０４は、所定の回路定数を有する受動素子から構成され、インバーター部１０３からの出力が入力される。そして、整合器１０４からの出力は送電アンテナ１０５に供給される。整合器１０４を構成する受動素子の回路定数は、主制御部１１０からの指令に基づいて調整することができるようになっている。主制御部１１０は、送電アンテナ１０５と受電アンテナ２０１とが共振するように整合器１０４に対する指令を行う。
【００２０】
送電アンテナ１０５は、インダクタンス成分を有するコイルから構成されており、対向するようにして配置される車両搭載の受電アンテナ２０１と共鳴することで、送電アンテナ１０５から出力される電気エネルギーを受電アンテナ２０１に送ることができるようになっている。
【００２１】
電力伝送システム１００の主制御部１１０はＣＰＵとＣＰＵ上で動作するプログラムを保持するＲＯＭとＣＰＵのワークエリアであるＲＡＭなどからなる汎用の情報処理部である。この主制御部１１０は、図示されている主制御部１１０と接続される各構成と協働す
るように動作する。
【００２２】
また、通信部１２０は車両側の通信部２２０と無線通信を行い、車両との間でデータの送受を可能にする構成である。通信部１２０によって受信したデータは主制御部１１０に転送され、また、主制御部１１０は所定情報を通信部１２０を介して車両側に送信することができるようになっている。
【００２３】
次に、車両側に設けられている構成について説明する。車両の受電側のシステムにおいて、受電アンテナ２０１は、送電アンテナ１０５と共鳴することによって、送電アンテナ１０５から出力される電気エネルギーを受電するものである。このような受電アンテナ２０１は、車両の底面部に取り付けられるようになっている。
【００２４】
受電アンテナ２０１で受電された交流電力は、整流部２０２において整流され、整流された電力は充電制御部２０３を通してバッテリー２０４に蓄電されるようになっている。充電制御部２０３は主制御部２１０からの指令に基づいてバッテリー２０４の蓄電を制御する。また、充電制御部２０３はバッテリー２０４の残量管理なども行い得るように構成される。
【００２５】
主制御部２１０はＣＰＵとＣＰＵ上で動作するプログラムを保持するＲＯＭとＣＰＵのワークエリアであるＲＡＭなどからなる汎用の情報処理部である。この主制御部２１０は、図示されている主制御部２１０と接続される各構成と協働するように動作する。
【００２６】
インターフェイス部２３０は、車両の運転席部に設けられ、ユーザー（運転者）に対し所定の情報などを提供したり、或いは、ユーザーからの操作・入力を受け付けたりするものであり、表示装置、ボタン類、タッチパネル、スピーカーなどで構成されるものである。ユーザーによる所定の操作が実行されると、インターフェイス部２３０から操作データとして主制御部２１０に送られ処理される。また、ユーザーに所定の情報を提供する際には、主制御部２１０からインターフェイス部２３０に対して、所定情報を表示するための表示指示データが送信される。
【００２７】
また、車両側の通信部２２０は送電側の通信部１２０と無線通信を行い、送電側のシステムとの間でデータの送受を可能にする構成である。通信部２２０によって受信したデータは主制御部２１０に転送され、また、主制御部２１０は所定情報を通信部２２０を介して送電システム側に送信することができるようになっている。
【００２８】
電力伝送システムで、電力を受電しようとするユーザーは、上記のような送電側のシステムが設けられている停車スペースに車両を停車させ、インターフェイス部２３０から充電を実行する旨の入力を行う。これを受けた主制御部２１０は、充電制御部２０３からのバッテリー２０４の残量を取得し、バッテリー２０４の充電に必要な電力量を算出する。算出された電力量と送電を依頼する旨の情報は、車両側の通信部２２０から送電側のシステムの通信部１２０に送信される。これを受信した送電側システムの主制御部１１０は高電圧発生部１０２、インバーター部１０３、整合器１０４を制御することで、車両側に電力を伝送するようになっている。
【００２９】
次に、以上のように構成される電力伝送システム１００で用いるアンテナの具体的な構成について説明する。以下、受電アンテナ２０１に本発明の構成を採用した例について説明するが、本発明のアンテナは送電アンテナ１０５に対しても適用し得るものである。
【００３０】
図３は本発明の第１実施形態に係る受電アンテナ２０１の分解斜視図であり、図４は本発明の第１実施形態に係る受電アンテナ２０１による電力伝送の様子を示す断面の模式図
であり、図４における矢印は磁力線を模式的に示している。なお、以下の実施形態では、コイル体２７０として矩形平板状のものを例に説明するが、本発明のアンテナはこのような形状のコイルに限定されるものではない。例えば、コイル体２７０として円形平板状のものなども利用し得る。このようなコイル体２７０は、受電アンテナ２０１における磁気共鳴アンテナ部として機能する。この「磁気共鳴アンテナ部」は、コイル体２７０のインダクタンス成分のみならず、その浮游容量に基づくキャパシタンス成分、或いは意図的に追加したコンデンサに基づくキャパシタンス成分をも含むものである。
【００３１】
コイルケース２６０は、受電アンテナ２０１のインダクタンス成分を有するコイル体２７０を収容するために用いられるものである。このコイルケース２６０は、例えばポリカーボネートなどの樹脂により構成される開口を有する箱体の形状をなしている。コイルケース２６０の矩形状の底板部２６１の各辺からは側板部２６２が、前記底板部２６１に対して垂直方向に延在するようにして設けられている。そして、コイルケース２６０の上方においては、側板部２６２に囲まれるような上方開口部２６３が構成されている。コイルケース２６０にパッケージされた受電アンテナ２０１はこの上方開口部２６３側で車両本体部に取り付けられる。コイルケース２６０を車両本体部に取り付けるためには、従来周知の任意の方法を用いることができる。なお、上方開口部２６３の周囲には、車両本体部への取り付け性を向上するために、フランジ部材などを設けるようにしても良い。
【００３２】
コイルケース２６０の側板部２６２には通風口２６５が設けられている。このような通風口２６５には気体は流通させるが、水などの液体については流通させないフィルタが適用されることが望ましい。また、コイルケース２６０の側板部２６２には受電側第１ダクト３３０が接続されており、コイルケース２６０内の空間と受電側第１ダクト３３０の中の空間が連通されるようにされている。受電側第１ダクト３３０がコイルケース２６０と接続されていない側には、後述する負圧状態にされてなる各ケースが接続されているので、コイルケース２６０内も負圧となり、これにより通風口２６５から空気が流入し、コイルケース２６０の中に配設されるコイル体２７０を冷却する。このように本発明では、通風口２６５から流入する空気によりコイル体２７０が冷却され、コイル体２７０の発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【００３３】
本実施形態においては、受電を行うコイル体２７０と整流部２０２と充電制御部２０３などの回路とを接続する導電線路２７５は、受電側第１ダクト３３０内に這い回せれるようにして配されている。このように受電側第１ダクト３３０は、導電線路２７５の這い回し用途と、空気の流路としての用途の双方を有している。すなわち、本発明に係る電力伝送システムよれば、それぞれの用途別に専用のダクトを設ける必要がなく、簡易な構成とすることができ、コストを削減することが可能となる。
【００３４】
コイル体２７０は、ガラスエポキシ製の矩形平板状の基材２７１と、この基材２７１上に形成される渦巻き状の導電部２７２とから構成されている。渦巻き状をなす導電部２７２の内周側の第１端部２７３、及び外周側の第２端部２７４には導電線路２７５が電気接続される。これにより、受電アンテナ２０１によって受電した電力を整流部２０２へと導けるようになっている。このようなコイル体２７０はコイルケース２６０の矩形状の底板部２６１上に載置され、適当な固着手段によって底板部２６１上に固着される。また、導電線路２７５は受電側第１ダクト３３０内を這い回される。
【００３５】
磁性シールド体２８０は、中抜き部２８５を有する平板状の磁性部材である。この磁性シールド体２８０を構成するためには、比抵抗が大きく、透磁率が大きく、磁気ヒステリシスが小さいものが望ましく、例えばフェライトなどの磁性材料を用いることができる。磁性シールド体２８０は、コイルケース２６０に対して適当な手段により固着されることで、コイル体２７０の上方にある程度の空間を空けて配されるようになっている。このよ
うなレイアウトにより、送電アンテナ１０５側で発生する磁力線は、磁性シールド体２８０を透過する率が高くなり、送電アンテナ１０５から受電アンテナ２０１への電力伝送において、車両本体部を構成する金属物による磁力線への影響が軽微となる。
【００３６】
また、コイルケース２６０の上方開口部２６３においては、前記上方開口部２６３を覆うような矩形平板状の金属体蓋部２９０が、シールド体２８０の上方に所定距離をおいて配されるようになっている。このような金属体蓋部２９０に用いる金属材料として任意のものを用いることとができるが、本実施形態においては、例えばアルミニウムを用いている。
【００３７】
以上のように、本発明の受電アンテナ２０１によれば、コイル体２７０の上方に磁性シールド体２８０が設けられているので、車両底面に受電アンテナ２０１を装着した場合でも、車両本体部を構成する金属物などの影響を抑制して、効率的に電力伝送を行うことが可能となる。
【００３８】
また、上記のような受電アンテナ２０１の構造は、電力伝送システム１００を構成する送電側のアンテナにも適用されている。この場合、図４に示すように、送電アンテナ１０５は、受電アンテナ２０１と水平面に対して面対称（鏡像対称）となるような構造とされている。
【００３９】
送電アンテナ１０５においても、受電側同様に、コイル体１７０がコイルケース１６０に配され、これと所定距離離されて磁性シールド体１８０が設けられると共に、金属体蓋部１９０
によってコイルケース１６０が封止されている。また、コイルケース１６０の側面側には通風口１６５が設けられており、コイルケース１６０から空気の流入が可能となるように構成されている。また、コイルケース１６０の側面には、コイルケース１６０内の空間と連通するダクトが接続されている。
【００４０】
次に、以上のように構成される受電アンテナ２０１と送電アンテナ１０５の冷却についてより詳しく説明する。図５は本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムにおける各構成のレイアウトを示す図である。また、図６は本発明の第１実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【００４１】
電力伝送システムの受電側においては、コイルケース２６０と受電側回路ケース３４０とが受電側第１ダクト３３０とが接続されており、コイルケース２６０内の空間と受電側回路ケース３４０内の空間とが受電側第１ダクト３３０により連通するようになっている。また、受電側回路ケース３４０とバッテリーケース３６０とが受電側第２ダクト３５０とが接続されており、受電側回路ケース３４０内の空間とバッテリーケース３６０内の空間とが受電側第２ダクト３５０により連通するようになっている。受電側第１ダクト３３０、受電側第２ダクト３５０は空気の流路として機能すると共に、導電線路２７５が配される空間としても機能する。
【００４２】
受電側回路ケース３４０は整流部２０２と充電制御部２０３を収容するケースである。この受電側回路ケース３４０には、ケース内を負圧に保つ受電側回路ケースファン３４５が設けられている。受電側回路ケースファン３４５の動作に伴い、コイルケース２６０に設けられている通風口２６５から空気が流入し、図６の矢印に示すような空気の流れが生じることとなる。これにより、受電側回路ケース３４０内に収納される整流部２０２や充電制御部２０３などの電気回路を冷却することができると共に、受電側第１ダクト３３０を通して、コイルケース２６０内のコイル体２７０も冷却することも可能となる。
【００４３】
本実施形態においては、整流部２０２と充電制御部２０３などの回路とバッテリー２０４とを接続する導電線路（不図示）は、受電側第２ダクト３５０内に這い回せれるようにして配されている。このように受電側第２ダクト３５０は、導電線路（不図示）の這い回し用途と、空気の流路としての用途の双方を有している。すなわち、本発明に係る電力伝送システムよれば、それぞれの用途別に専用のダクトを設ける必要がなく、簡易な構成とすることができ、コストを削減することが可能となる。
【００４４】
以上のような、本発明に係る電力伝送システムによれば、受電コイル（コイル体２７０）が収容されるコイルケース２６０には、通風口２６５が設けられており、さらに、コイルケース２６０は、受電側回路ケース３４０内を負圧に保つ受電側回路ケースファン３４５を有する受電側回路ケースファン３４５とダクト構造によって接続されているので、通風口２６５から吸入される空気によって受電コイル（コイル体２７０）が冷却され、受電コイル（コイル体２７０）の発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【００４５】
バッテリーケース３６０はバッテリー２０４を収容するケースである。このバッテリーケース３６０には、ケース内を負圧に保つバッテリーケースファン３６５が設けられている。バッテリーケースファン３６５の動作により、コイルケース２６０に設けられている通風口２６５から空気が流入し、図６の矢印に示すような空気の流れが生じることとなる。これにより、バッテリーケース３６０内に収納されるバッテリー２０４を冷却することができると共に、受電側第１ダクト３３０を通して、コイルケース２６０内のコイル体２７０も冷却することが可能となる。
【００４６】
以上のような、本発明に係る電力伝送システムによれば、受電コイル（コイル体２７０）が収容されるコイルケース２６０には、通風口２６５が設けられており、さらに、コイルケース２６０は、バッテリーケース３６０内を負圧に保つバッテリーケースファン３６５を有するバッテリーケース３６０とダクト構造によって接続されているので、通風口２６５から吸入される空気によって受電コイル（コイル体２７０）が冷却され、受電コイル（コイル体２７０）の発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【００４７】
また、図５に示すように、コイルケース２６０は、コイルケース２６０の通風口２６５が、車両の前方方向に向くように車両に取り付けられている。このため、車両が前進している場合には、受電側回路ケースファン３４５やバッテリーケースファン３６５を動作させなくとも、通風口２６５から空気が自然に流入して、各ケースに収容されている構成を冷却することが可能となる場合もある。
【００４８】
電力伝送システムの送電側においては、コイルケース１６０と送電側回路ケース３２０とが送電側ダクト３１０とが接続されており、コイルケース１６０内の空間と送電側回路ケース３２０内の空間とが送電側ダクト３１０により連通するようになっている。送電側ダクト３１０は空気の流路として機能すると共に、導電線路が配される空間としても機能する。
【００４９】
送電側回路ケース３２０はＡＣ／ＤＣ変換部１０１、高電圧発生部１０２、インバーター部１０３、整合器１０４を収容するケースである。この送電側回路ケース３２０には、ケース内を負圧に保つ送電側回路ケースファン３２５が設けられている。送電側回路ケースファン３２５の動作に伴い、コイルケース１６０に設けられている通風口１６５から空気が流入し、図６の矢印に示すような空気の流れが生じることとなる。これにより、送電側回路ケース３２０内に収納されるＡＣ／ＤＣ変換部１０１、高電圧発生部１０２、インバーター部１０３、整合器１０４などの電気回路を冷却することができると共に、送電側
ダクト３１０を通して、コイルケース１６０内のコイル体１７０も冷却することも可能となる。
【００５０】
本実施形態においては、送電側のコイル体１７０と、ＡＣ／ＤＣ変換部１０１、高電圧発生部１０２、インバーター部１０３、整合器１０４などの回路とを接続する導電線路（不図示）は送電側ダクト３１０内に這い回せれるようにして配されている。このように送電側ダクト３１０は、導電線路（不図示）の這い回し用途と、空気の流路としての用途の双方を有している。すなわち、本発明に係る電力伝送システムよれば、それぞれの用途別に専用のダクトを設ける必要がなく、簡易な構成とすることができ、コストを削減することが可能となる。
【００５１】
以上のような、本発明に係る電力伝送システムによれば、送電コイル（コイル体１７０）が収容されるコイルケース１６０には、通風口１６５が設けられており、さらに、コイルケース１６０は、送電側回路ケース３２０内を負圧に保つ送電側回路ケースファン３２５を有する送電側回路ケース３２０とダクト構造によって接続されているので、通風口１６５から吸入される空気によって送電コイル（コイル体１７０）が冷却され、送電コイル（コイル体１７０）の発熱が蓄積されることなく、電力伝送効率低下を抑制することができる。
【００５２】
なお、本実施形態においては、各ケースを負圧状態とする例で説明しているが、本発明に係る電力伝送システムでは、各ケースを正圧状態とするようにしてもよい。その場合には、受電側回路ケース３４０及びバッテリーケース３６０の両方を共に正圧とするように、受電側回路ケースファン３４５及びバッテリーケースファン３６５を動作させる。
【００５３】
また、このことは、送電側のシステムにおいても同様である。すなわち、本発明に係る電力伝送システムにおいては、送電側回路ケースファン３２５によって、送電側回路ケース３２０内を正圧に保つようにしてもよい。
【００５４】
次に、本発明の第２の実施形態について説明する。第２実施形態は第１実施形態と受電側の構成が異なるので、以下、これについて説明する。図７は本発明の第２実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【００５５】
第２実施形態においては、受電側回路ケース３４０内の温度を検出する受電側回路ケース温度センサー３４６、及び、バッテリーケース３６０内の温度を検出するバッテリーケース温度センサー３６６が設けられている。
【００５６】
コイルケース２６０は、コイルケース２６０の通風口２６５が、車両の前方方向に向くように車両に取り付けられている。このため、車両が前進している場合には、受電側回路ケースファン３４５やバッテリーケースファン３６５を動作させなくとも、通風口２６５から空気が自然に流入して、各ケースに収容されている構成を冷却することが可能となるが、第２実施形態においては、受電側回路ケース温度センサー３４６、及び、バッテリーケース温度センサー３６６を設けおき、これらにより各ケース内の温度を検出し、通風口２６５からの空気流入によっても、冷却能力が足りない場合には、受電側回路ケースファン３４５、バッテリーケースファン３６５を動作させて、気流を増加させるように構成されている。
【００５７】
以上のような実施形態によれば、第１の実施形態と同様の効果を享受することができると共に、各ファンを適時にのみ動作させることで、電力消費を抑制することが可能となる。
【００５８】
次に、本発明の第３の実施形態について説明する。第３実施形態は第２実施形態と受電側の構成が異なるので、以下、これについて説明する。図８は本発明の第３実施形態に係る電力伝送システムにおける空気の流れを説明する図である。
【００５９】
第３実施形態においては、受電側回路ケース温度センサー３４６内の温度を検出する受電側回路ケース温度センサー３４６、及び、バッテリーケース３６０内の温度を検出するバッテリーケース温度センサー３６６に加えて、受電側第２ダクト３５０からバッテリーケース３６０内に向かう際の入り口にシャッター３５５が設けられている。
【００６０】
このシャッター３５５が、不図示のコントローラーによって制御され、開いたり閉じたりすることで、受電側第２ダクト３５０からバッテリーケース３６０内に空気を流入させたり、或いは、受電側第２ダクト３５０からバッテリーケース３６０内に空気が流入することを遮ったりすることが可能となる。
【００６１】
バッテリーケース３６０内に収納されているバッテリー２０４は、低温環境下では効率的に充放電を行うことができない。そこで、第３実施形態では、バッテリーケース温度センサー３６６によってバッテリーケース３６０内の温度を検出して、これが所定値以下である場合にはシャッター３５５を閉じる制御を行うことで、バッテリー２０４を冷却してしまわないようにする。
【００６２】
一方、シャッター３５５が閉じられていても、受電側回路ケース３４０内の冷却については、第２実施形態と同様に行うことが可能である。
【００６３】
以上のように構成される第３実施形態によれば、第２実施形態と同様の効果を奏すると共に、低温環境下でも効率的にバッテリー２０４を運用することが可能となる。
【符号の説明】
【００６４】
１００・・・電力伝送システム
１０１・・・ＡＣ／ＤＣ変換部
１０２・・・高電圧発生部
１０３・・・インバーター部
１０４・・・整合器
１０５・・・送電アンテナ
１１０・・・主制御部
１２０・・・通信部
１６０・・・コイルケース
１６５・・・通風口
１７０・・・コイル体
１８０・・・磁性シールド体
１９０・・・金属体蓋部
２０１・・・受電アンテナ
２０２・・・整流部
２０３・・・充電制御部
２０４・・・バッテリー
２１０・・・主制御部
２２０・・・通信部
２３０・・・インターフェイス部
２６０・・・コイルケース
２６１・・・底板部
２６２・・・側板部
２６３・・・（上方）開口部
２６５・・・通風口
２７０・・・コイル体
２７１・・・基材
２７２・・・導電部
２７３・・・第１端部
２７４・・・第２端部
２７５・・・導電線路
２８０・・・磁性シールド体
２８５・・・中抜き部
２９０・・・金属体蓋部
３１０・・・送電側ダクト
３２０・・・送電側回路ケース
３２５・・・送電側回路ケースファン
３３０・・・受電側第１ダクト
３４０・・・受電側回路ケース
３４５・・・受電側回路ケースファン
３４６・・・受電側回路ケース温度センサー
３５０・・・受電側第２ダクト
３５５・・・シャッター
３６０・・・バッテリーケース
３６５・・・バッテリーケースファン
３６６・・・バッテリーケース温度センサー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
電磁場を介して電力を受電する受電コイルと、
前記受電コイルが収容されると共に、通風口を有するコイルケースと、
前記受電コイルが受電した電力が充電されるバッテリーと、
前記バッテリーが収容されるバッテリーケースと、
前記バッテリーケースを所定圧に保つバッテリーケースファンと、
前記受電コイルが受電した電力を前記バッテリーに充電可能な電力に変換する回路と、
前記回路が収容される回路ケースと、
前記回路ケースを所定圧に保つ回路ケースファンと、
前記コイルケースと前記回路ケースと接続する第１ダクトと、
前記回路ケースと前記バッテリーケースとを接続する第２ダクトと、を有することを特徴とする電力伝送システム。
【請求項２】
前記受電コイルと前記回路とを接続する導電線路が前記第１ダクト内に配されると共に、前記回路と前記バッテリーとを接続する導電線路が前記第２ダクト内に配されることを特徴とする請求項１に記載の電力伝送システム。
【請求項３】
電磁場を介して電力を送電する送電コイルと、
前記送電コイルが収容されると共に、通風口を有するコイルケースと、
前記送電コイルで送電する電力を生成する回路と、
前記回路が収容される回路ケースと、
前記回路ケースを所定圧に保つ回路ケースファンと、
前記回路ケースと前記コイルケースとを接続するダクトと、を有することを特徴とする電力伝送システム。
【請求項４】
前記送電コイルと前記回路とを接続する導電線路がダクト内に配されることを特徴とする請求項３に記載の電力伝送システム。
【請求項１】
電磁場を介して電力を受電する受電コイルと、
前記受電コイルが収容されると共に、通風口を有するコイルケースと、
前記受電コイルが受電した電力が充電されるバッテリーと、
前記バッテリーが収容されるバッテリーケースと、
前記バッテリーケースを所定圧に保つバッテリーケースファンと、
前記受電コイルが受電した電力を前記バッテリーに充電可能な電力に変換する回路と、
前記回路が収容される回路ケースと、
前記回路ケースを所定圧に保つ回路ケースファンと、
前記コイルケースと前記回路ケースと接続する第１ダクトと、
前記回路ケースと前記バッテリーケースとを接続する第２ダクトと、を有することを特徴とする電力伝送システム。
【請求項２】
前記受電コイルと前記回路とを接続する導電線路が前記第１ダクト内に配されると共に、前記回路と前記バッテリーとを接続する導電線路が前記第２ダクト内に配されることを特徴とする請求項１に記載の電力伝送システム。
【請求項３】
電磁場を介して電力を送電する送電コイルと、
前記送電コイルが収容されると共に、通風口を有するコイルケースと、
前記送電コイルで送電する電力を生成する回路と、
前記回路が収容される回路ケースと、
前記回路ケースを所定圧に保つ回路ケースファンと、
前記回路ケースと前記コイルケースとを接続するダクトと、を有することを特徴とする電力伝送システム。
【請求項４】
前記送電コイルと前記回路とを接続する導電線路がダクト内に配されることを特徴とする請求項３に記載の電力伝送システム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１２−２１６５６９（Ｐ２０１２−２１６５６９Ａ）
【公開日】平成２４年１１月８日（２０１２．１１．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−７９０３６（Ｐ２０１１−７９０３６）
【出願日】平成２３年３月３１日（２０１１．３．３１）
【出願人】（５９１２６１５０９）株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１１月８日（２０１２．１１．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年３月３１日（２０１１．３．３１）
【出願人】（５９１２６１５０９）株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Ｆターム（参考）】
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