説明

電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラム

【課題】移動体検出手段の特定の検出領域において、所謂素通りする移動体であるのか、装置を使用する使用者であるのかの判別精度を向上する。
【解決手段】メインコントローラ200が処理可能な状態になった時点で、基準時間t1は経過していないため、第2の人感センサ30による再検出は、メインコントローラ200の起動にかかる時間が異なっても、同じ条件(基準時間t1)での判断が可能となる。また、基準時間t1は、メインコントローラ200の起動時間の最も遅い時間に基づいて設定すればよく、利便性を維持することは可能である。これに対して、第2の人感センサ30の取付条件(検出距離、検出角度)によって補正され、また、検出距離、検出角度に併せて使用者の移動速度によっても補正するようにしてもよいため、利便性だけを目的としたものではなく、省エネ性を兼ね備えた基準時間t1の設定が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力供給対象の被動作部(制御部、処理部、負荷)に対する電力供給制御を自動化する手段の1つとして、人感センサ制御がある。
【0003】
特許文献1には、画像処理装置に人感センサを設置して、当該画像処理装置に近づいてきた人を検出して、画像処理装置の電源を立上げて、消費電力の低減と利便性の両立を実現することが記載されている。
【0004】
より詳しくは、人感センサとして、2点に設置された距離検出手段を採用し、人体の移動方向が所定のエリアに向かっているかどうかを判断し、その判断結果に基づいて、画像形成装置本体を制御しており、人感センサによる人体の接近の際、画像形成装置に近づいてきて、操作することなく素通りするといった事象(単なる歩行者)に対して、前記立上げが実行される場合を含んでいる。
【0005】
特許文献2には、水平方向に人感センサを回転させて、向きを変えることで、検出死角を無くして検知精度を上げることが記載されている。
【0006】
上記のような人感センサにおいて、特許文献3は、正面に人がいない状態からいる状態に変化したことを検知した信号が出力されたときに操作部コントローラのみを省エネモードから通常モードへ復帰させ、そこから一定期間、人がいる状態が継続したら,画像形成部を復帰させることが開示されている。この場合、機器の使用を意図していない人が、省エネモード状態にある機器の前を通り過ぎただけでも、ユーザーインターフェイスが起動する場合がある。
【0007】
また、特許文献4には、人を検知した段階で、ユーザーインターフェイスを起動(表示)し、人の検知時間を計測しておき、人を検知していた時間が短いときは、ユーザーインターフェイスの電力を遮断することが記載されている。この場合、素通りすると、瞬間的にユーザーインターフェイスが起動する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−045471号公報
【特許文献2】特開平7−114308号公報
【特許文献3】特開平9−166943号公報
【特許文献4】特開2002−6686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、本構成を有しない場合に比べて、移動体検出手段の特定の検出領域において、所謂素通りする移動体であるのか、装置を使用する使用者であるのかの判別精度を向上することができる電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、電源部から電力の供給を受けて動作する被動作部を対象として、電力供給状態又は前記電力の供給遮断状態の何れかに遷移させると共に、前記被動作部を電力遮断状態とする場合に、当該電力遮断状態から電力供給状態へ遷移させるための復帰時間が相対的に異なる複数種類の電力遮断状態の中から選択して遷移させる遷移手段と、前記被動作部を使用する使用者を含む移動体を検出する移動体検出手段と、前記電力遮断状態において、前記移動体検出手段で前記移動体を検出した場合に、前記遷移手段を制御して、前記被動作部を電力供給状態に復帰するように制御する復帰制御手段と、前記復帰制御手段による復帰開始から復帰完了までの立ち上がり時間が最も長い電力遮断状態に基づいて、前記移動体検出手段による再検出時期となる基準時間を設定する基準時間設定手段と、前記復帰制御手段による復帰開始を起点として、前記基準時間設定手段で設定された基準時間が経過した後に、前記移動体検出手段による前記移動体検出状況を確認して、前記被動作部の電力供給状態を維持するか、或いは前記遷移手段を制御して電力遮断状態に戻すかを判別する状態判別手段と、前記基準時間を、前記移動体検出手段における前記移動体の検出位置情報に基づいて補正する補正手段と、を有している。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記被動作部が、複数の処理部の処理を一括して制御する主制御部であり、少なくとも電力遮断状態として、前記主制御部に電力が一切供給されておらず復帰の際に初期化処理が必要な第1の状態、前記主制御部の一部に電力が供給され前記初期化処理が不要な第2の状態が設定されており、前記第1の状態の方が前記第2の状態よりも前記復帰時間が長い。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1の状態及び第2の状態のそれぞれにおいて、複数種類の電力遮断状態が設定可能である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の発明において、前記基準時間内において、前記移動体検出手段による検出を複数回実行し、複数回の検出情報を前記状態判別手段による判別材料とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の発明において、前記補正手段で補正した基準時間に基づく前記状態判定手段の判定結果の正誤を確認する正誤確認手段をさらに有し、前記補正手段では、前記正誤確認手段での確認情報に基づいて、前記基準時間をさらに補正する。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項記載の発明において、三次元空間として拡がる前記移動体検出手段の検出領域の中から、前記検出位置情報として利用する領域を特定するための検出距離、及び検出角度を含む基礎情報を入力する入力手段をさらに有する。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の発明において、前記基礎情報には、前記移動体検出手段の検出領域内を移動する移動体の標準的な移動速度が含まれる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の発明において、前記入力手段が、前記基礎情報の各項目を複数の選択肢から選択する表示部を備え、当該表示部に表示された画面を見ながら前記選択肢を指定する対話形式の入力装置である。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記請求項2〜請求項8の何れか1項記載の発明において、前記電力遮断状態が、前記主制御部の前記第1の状態、第2の状態に関わらず、少なくとも前記移動体検出手段の動作及び検出に必要な制御系に電力を供給するスリープモードを備えている。
【0019】
請求項10に記載の発明は、前記請求項1〜請求項9の何れか1項記載の発明において、前記電力供給状態が、少なくとも、予め定めた処理を実行する処理部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、前記処理部に対して前記定常時の電力を供給するランニングモード、前記スタンバイモードよりも消費電力が低く前記スリープモードよりも消費電力が高い状態を維持するローパワーモードを備えている。
【0020】
請求項11に記載の発明は、前記請求項1〜請求項10の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部、移動体の一部である使用者との情報の受付報知を行うユーザーインターフェイス部、前記使用者を識別するための使用者識別装置の少なくとも1つを含んでおり、前記使用者からの指示に基づいて、相互に連携しあって画像処理を実行すると共に、前記移動体検出手段が、前記ユーザーインターフェイス部又は使用者識別装置の設置位置を基準として設けられた画像処理装置である。
【0021】
請求項12に記載の発明は、コンピュータを、前記請求項1〜請求項10の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラムである。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、移動体検出手段の特定の検出領域において、所謂素通りする移動体であるのか、装置を使用する使用者であるのかの判別精度を向上することができる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、状態に応じて主制御部の復帰時間が異なっても、素通りする移動体であるのか、装置を使用する使用者であるのかの判別精度が変化することがない。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、電力遮断状態が限定されることがない。
【0025】
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、移動体の判別精度を高めることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、最適に基準時間を補正することができる。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、最適に基準時間を補正することができる。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、最適に基準時間を補正することができる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、基礎情報の選択を容易に行うことができる。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、装置の省エネ性を向上することができる。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、装置の省エネ性及び利便性を両立することができる。
【0032】
請求項11、請求項12に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、移動体検出手段の特定の検出領域において、所謂素通りする移動体であるのか、装置を使用する使用者であるのかの判別精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施の形態に係る画像処理装置を含む通信回線網接続図である。
【図2】本実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。
【図3】本実施の形態に係る画像処理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係るメインコントローラと電源装置の制御系を機能別に概略図である。
【図5】画像処理装置における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートである。
【図6】本実施の形態に係り、画像処理装置及びその周辺示す平面図である。
【図7】本実施の形態に係る、メインコントローラにおける異なる種類のスリープモードからの立ち上がり時間に設定した基準時間に基づく監視制御のタイミングチャートであり、(A)はプレオフモード、(B)はオールオフモードである。
【図8】第2の人感センサを横切る時間と検知距離との関係を示す平面図である(傾斜無し)。
【図9】第2の人感センサを横切る時間と検知距離との関係を示す平面図である(傾斜有り)。
【図10】第2の人感センサを横切る時間と検知角度との関係を示す平面図である。
【図11】本実施の形態に係るUIタッチパネルの表示部に表示される、人感センサ設定ウィンドウ画面の正面図であり、検知距離、検知角度の設定画面である。
【図12】変形例に係るUIタッチパネルの表示部に表示される、人感センサ設定ウィンドウ画面の正面図であり、検知距離、検知角度、誤検知防止時間の設定画面である。
【図13】本実施の形態に係り、主電源がオンしたときに起動される、基準時間設定制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】本実施の形態に係り、スリープモード中の第2の人感センサ30による監視制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】変形例に係り、メインコントローラ起動後、第2の人感センサにより、複数回の再検出を実行する場合のタイミングチャートである。
【図16】変形例に係り、基準時間の学習補正を行うためのタイミングチャート(基準時間増加)である。
【図17】変形例に係り、基準時間の学習補正を行うためのタイミングチャート(基準時間減少)である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1に示される如く、本実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
【0035】
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。図1では、2台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC21に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
【0036】
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC21から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
【0037】
図2には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。
【0038】
画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0039】
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0040】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0041】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0042】
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
【0043】
(画像処理装置の制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
【0044】
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。なお、UIタッチパネル216には、UIタッチパネル用バックライト部(図4参照)が取り付けられている場合がある。
【0045】
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とはバス33Eで接続されている。電源装置202は、商用電源242から電力の供給を受けている。電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力を供給する電力供給状態(電力供給モード)、或いは電力の供給を遮断する電力遮断状態(スリープモード)とし、所謂部分節電制御を可能としている。
【0046】
また、メインコントローラ200には、2個の第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この第1の人感センサ28、第2の人感センサ30については後述する。
【0047】
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される処理部(「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。本実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給が可能でとなっている(部分節電)。
【0048】
なお、処理部単位の部分節電は一例であり、処理部をいくつかのグループに分類しグループ単位で節電の制御を行ってもよいし、処理部を一括して節電の制御を行ってもよい。
【0049】
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD、DVD、BD(ブルーレイディスク)、USBメモリ、SDメモリ等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0050】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
【0051】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、計時を行うものである(以下、「システムタイマ」という場合がある)。
【0052】
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(図4の点線参照)。なお、図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0053】
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
【0054】
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
【0055】
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。
【0056】
また、第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモーター等で使用される電源である。
【0057】
第2の電源部250の24V電源部250H(LVPS2)及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266に接続されている。
【0058】
画像読取部電源供給部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
【0059】
画像形成部電源供給部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
【0060】
ファクシミリ通信制御回路電源供給部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第4のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−4」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
【0061】
UIタッチパネル電源供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)に接続されている。なお、UIタッチパネル216の本来の機能(バックライト部216BLを除く機能)へは、節電中監視制御部24から電源を供給可能としてもよい。
【0062】
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部250Hと5V電源部250Lが供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置202でなく、電源供給先の各デバイス内に配置されても良い。
【0063】
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。
【0064】
(画像処理装置の状態遷移のための監視制御)
ここで、本実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある。これらを総称して「スリープモード(節電モード)」という場合がある(図5参照)。
【0065】
スリープモードは、例えば、画像処理が終了した時点でシステムタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記システムタイマが起動してから所定時間経過することで電力供給を停止させている。なお、所定時間が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、スリープモードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からシステムタイマが起動される。
【0066】
一方、上記スリープモード中において、常に電力の供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等を備えるようにしてもよい。
【0067】
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、電源供給制御回路252を介して、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力を供給を行なうことが前提である。
【0068】
(メインコントローラの電力供給/遮断制御)
また、メインコントローラ200のI/O210には、節電制御ボタン26(単に、「節電ボタン26」という場合がある。)が接続されており、節電中に使用者がこの節電制御ボタン26を操作することで、節電が解除可能となっている。なお、この節電制御ボタン26には、処理部に電力が供給されているときに操作されることで、当該処理部の電力供給を強制的に遮断し、節電状態にする機能を併せ持つ。
【0069】
ここで、スリープモードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電制御ボタン26や各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが好ましい。すなわち、電力非供給状態であるスリープモードであっても、予め定めた電力以下(例えば、0.5W以下)であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける場合がある。
【0070】
なお、スリープモードの特定の期間として、メインコントローラ200、UIタッチパネル216やICカードリーダー217等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給を供給する期間を設けてもよい。これは、使用者への利便性を考慮したものである。なお、この場合、UIタッチパネル216では、少しでも省エネ性を確保するため、バックライト部216BLを消灯する、或いは照度を通常よりも減らすことが好ましい。
【0071】
上記特定の期間を、例えば、図5では仮称として、アウェイクモード(awk)として区別したが、特に、このモードは必須ではない。
【0072】
また、図5では図示を省略したが、スリープモード(アウェイクモード以外)は、メインコントローラ200が起動するときにCPU初期化処理や処理クロックの安定待ち等が必要な「オールオフモード」と、メインコントローラ200が起動するときにCPU初期化処理や処理クロックの安定待ち等が不要な「プレオフモード」とに分類される場合がある。
【0073】
この「オールオフモード」と「プレオフモード」との違いは、メインコントローラ200が立ち上がるまでの時間が異なる。すなわち、オールオフモードからの立ち上がり時間toffは、プレオフモードからの立ち上がり時間tpreよりも長い(toff>tpre)。
【0074】
(人感センサの機能)
ところで、スリープモード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電制御ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
【0075】
そこで、本実施の形態では、前記節電中監視制御部24に、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を設置すると共に、スリープモードでは、使用者が節電解除ボタンを押す前に人感センサで検知して早期に電力供給を再開して、使用者が早く使えるようにした。なお、節電制御ボタン26と第1の人感センサ28、第2の人感センサ30とを併用しているが、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30のみで全ての監視を行うことも可能である。
【0076】
図4に示される如く、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、検出部28A、30Aと回路基板部28B、30Bとを備えており、回路基板部28B,30Bは、検出部28A、30Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
【0077】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、「人感」としているが、これは、本実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が感知(検出)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の感知(検出)も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も感知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して感知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。以下では、移動体、人、使用者等は、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が検出する対象として同義として扱い、必要に応じて区別することとする。
【0078】
「第1の人感センサ28」
本実施の形態に係る第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲(例えば、1m〜5mの範囲)において、移動体の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(焦電型センサ)。本実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを適用している。
【0079】
この第1の人感センサ28に適用された焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、検出領域が広いことである。また、移動体の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
【0080】
なお、本実施の形態における「静止」とは、スチルカメラ等で撮影した静止画のように完全静止も当然含まれるが、例えば、人が画像処理装置10の前に操作を目的として立ち止まることを含むものとする。従って、予め定めた範囲の微動(呼吸に伴う動き等)や、手足、首等を動かすといった場合を静止の範疇とする。
【0081】
但し、人が画像処理装置10の前で、例えば画像形成や画像読取等の処理を待つ間、その場でストレッチ運動等を行うと、人感センサ28では、人の存在を検出する場合もある。
【0082】
従って、当該「静止」を定義して第1の人感センサ28の感度を調整するのではなく、感度は、比較的おおまか、かつ標準的に調整し、当該第1の人感センサ28の検出状態に依存するようにしてもよい。すなわち、第1の人感センサ28が二値信号の内の1つ(例えば、ハイレベル信号)を出力しているときは人が動いていることを示し、第2の第1の人感センサ28の検出領域内に人が存在し、かつ二値信号の内の他の1つ(例えば、ローレベル信号)が出力された場合を静止とすればよい。
【0083】
本実施の形態に係る第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲(例えば、0m〜5mの範囲)において、移動体の動きを検出するものである。
【0084】
「第2の人感センサ30」
一方、本実施の形態に係る第2の人感センサ30の仕様は、移動体の有無(存在・不存在)を検出するものが適用されている。この第2の人感センサ30に適用されるセンサは、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である(反射型センサ)。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
【0085】
この第2の人感センサ30に適用された反射型センサ等の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって移動体の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
【0086】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30として、以下に示す機能をそれぞれ達成することが可能であれば、第1の人感センサ28として焦電型センサや、第2の人感センサ30として反射型センサに限定されるものではない。
【0087】
ここで、本実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30により、最大検出範囲(例えば、図6の第1の領域Fと第2の領域N)を設定した。
【0088】
相対的に遠い検出領域である図6の第1の領域F(単に、「領域F」という場合がある)は、第1の人感センサ28による検出領域であり、遠隔移動体検出手段としての機能を有する。また、相対的に近い検出領域である図6の第2の領域N(単に、「領域N」という場合がある)は、第2の人感センサ30による検出領域であり、近接移動体検出手段としての機能を有する。
【0089】
第1の人感センサ28の検出領域(図6の第1の領域F参照)は、画像処理装置10が設置されている場所の環境にもよるが、目安として臨界点(最も遠い位置)が2〜3m程度が好ましい。一方、第2の人感センサ30の検出領域(図6の第2の領域N)参照)は、画像処理装置10のUIタッチパネル216やハードキーの操作が可能な範囲であり、目安として臨界点(最も遠い位置)が0.3〜1.0m程度が好ましい。
【0090】
(センサ電力供給制御)
本実施の形態では、第2の人感センサ30は、常時、電力供給を受けていない。第2の人感センサ30は、第1の人感センサ28が管轄する図6の第1の領域Fに移動体(使用者)が進入した時点で電力が供給されて動作を開始し、その後、この第2の人感センサ30が管轄する図6の第2の領域Nに移動体(使用者)が進入した時点でスリープモードからスタンバイモードへの立ち上げを指示する。
【0091】
すなわち、検出領域の異なる2つの人感センサ(第1の人感センサ28と第2の人感センサ30)が互いに連携しあって、必要最小限の電力供給を受けるようになっている。
【0092】
一方、第2の人感センサ30の電力供給の遮断に関しては、前記第1の人感センサ28の移動体検出状況に加え、前記節電中監視制御部24に設けられたタイマ機能が併用されるようになっている。このタイマ機能は、前述したシステムタイマと区別するため、「センサタイマ」という場合がある。
【0093】
センサタイマは、節電中監視制御部24の機能の1つである。すなわち、制御系は当然動作クロックを備えており、このクロック信号からタイマを生成してもよいし、一定時間毎処理毎にカウントするカウンタプログラムを生成してもよい。
【0094】
図6に示される如く、移動体(使用者)と画像処理装置10との関係は、大きく分けて3形態あり、第1の形態は、人が画像処理装置10に対して、使用目的で操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のA線矢視の動向(Aパターン)参照)、第2の形態は、人が処理装置を使用目的ではないが、操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のB線矢視の動向(Bパターン)参照)、第3の形態は、人が処理装置の操作可能位置まで近づかないが、第1の形態、第2の形態に移行する可能性のある距離まできている形態(図6のC線矢視の動向(Cパターン)参照)。
【0095】
本実施の形態では、第1の人感センサ28による検出情報、並びに第1の人感センサ28による検出情報とセンサタイマの計時情報に基づいて、前記動向(図6に示すAパターン〜Cパターンを基本とする人の移動形態)に即した第2の人感センサ30の電力供給時期及び電力供給遮断時期を制御している。
【0096】
(第2の人感センサ30の検出精度調整)
ここで、本実施の形態における第2の人感センサ30の移動体検出は、その後の電力供給制御に影響を与える。例えば、図6のパターンBのように、第2の人感センサ30の検出領域内を横切る(画像処理装置10の近傍を素通り)すると、節電中監視制御部24では、少なくともメインコントローラ200を起動させる指示を発動する。
【0097】
上記画像処理装置10の近傍を素通りする場合と、実際に画像処理装置10を利用する場合とを区別するため、予め移動体が第2の人感センサ30を横切る時間を予測しておき、この時間中に再度、人感センサ30の検出状況を確認することがなされている。
【0098】
すなわち、前記再度の確認によって、前記第2の人感センサ30により依然として移動体を検出している場合は、当該移動体は、画像処理装置10を利用しようとする使用者であると認識し、例えば、アウェイクモード等の一部のデバイスに電力を供給する状態へ移行させる。一方、前記再度の確認によって、前記第2の人感センサ30により移動体を検出しなくなった場合は、当該移動体は、画像処理装置10の近傍を素通りした移動体であると認識し、例えば、メインコントローラ200への電力供給を遮断する。
【0099】
前記移動体が第2の人感センサ30を横切る時間は、初期設定として、例えば、第2の人感センサ30の検出距離が画像処理装置10から0.3m(30cm)前後を素通りするときの時間を設定している。これは、移動体が素通りする度にメインコントローラ200等に電力が供給されず、一方で、ICカードリーダー217にカードをかざすまで、或いは、UIタッチパネル216の操作が開始されるまでには電力が供給されて立ち上がっていることを条件として設定したものである。
【0100】
(基準時間の設定)
ここで、メインコントローラ200は、前述したように、同じスリープモードであっても「オールオフモード」と「プレオフモード」の何れかに属しているかは、それ以前の画像処理装置10の状況によって異なる。例えば、コピー等の処理が終了し、システムタイマが起動、或いは節電制御ボタン26が操作された場合は、「プレオフモード」とする(立ち上がり時間tpre)。この「プレオフモード」において、画像処理装置10が使用されない状態が、さらに予め定められた時間継続した場合に「オールオフモード」とする(立ち上がり時間toff)。
【0101】
また、第2の人感センサ30は、その仕様として、移動体を検出しているときに点灯、検出していないときに消灯するインジケータ(LED等)が具備されている場合がある。
【0102】
このため、前述したような、単なる素通りの場合、第2の人感センサ30のインジケータが点灯しても、メインコントローラ200の立ち上がり後の移動体再検出の際、メインコントローラ200のスリープの状態によって(前記立ち上がり時間toff、tpreの差によって「toff>tpre」)、移動体を検出したり、しなかったりする場合がある。
【0103】
この再検出で移動体を検出すれば、メインコントローラ200はそのまま立ち上がり状態を維持するが、再検出で移動体を検出しなければ、メインコントローラ200はスリープモードへ戻ることになる。
【0104】
これは、前述した移動体が第2の人感センサ30を横切る時間がtpreよりも長く、toffよりも短い場合に起こり得る事象であり、例えば、ユーザーからすると、視覚的にインジケータが点灯しているのに、メインコントローラ200の状態が異なるといった違和感を感じることになる。
【0105】
そこで、本実施の形態では、立ち上がり時間が最も長いモードを対象として、基準時間を設定している。すなわち、本実施の形態では、2種類の立ち上がり時間toff、tpreが存在し、その関係は、toff>tpreである。従って、「オールオフモード」の立ち上がり時間toffに基づいて基準時間が設定される。
【0106】
図7は、スタンバイモードからスリープモードへ移行するときのタイミングチャートであり、図7(A)はスリープモードがプレオフモードであり、図7(B)はスリープモードがオールオフモードである場合を示している。
【0107】
スタンバイモード(通常状態)からスリープモードへの移行処理に関しては、両者共同じタイミングで処理される。なお、図7(A)及び(B)では、スリープモード移行後の時間を同一としているが、まず、プレオフモードに移行して、さらにその後、オールオフモードに移行するようにしてもよい。
【0108】
この図7(A)及び(B)に示すように、基準時間t1は、メインコントローラ200の立ちがり時間が遅い方、すなわち、オールオフモードtoffよりも長い時間に設定されている。
【0109】
図7(A)では、第2の人感センサ30により移動体を検出してからのメインコントローラ200の立ち上がり時間(CPU復帰時間)tpreであり、メインコントローラ200が立ち上がってから前記基準時間t1から立ち上がり時間tpreを差し引いた時間(t1−tpre)が経過したときを再検出時期としている。
【0110】
一方、図7(B)では、第2の人感センサ30により移動体を検出してからのメインコントローラ200の立ち上がり時間(CPU復帰時間)toffであり、メインコントローラ200が立ち上がってから前記基準時間t1から立ち上がり時間toffを差し引いた時間(t1−toff)が経過したときを再検出時期としている。
【0111】
この結果、スリープモードの種類が異なっていても、最初の移動体検出から再検出までの時間が一定となる(基準時間t1)。
【0112】
(基準時間の補正)
また、本実施の形態では、初期設定として、前記基準時間t1を決めた後、前記第2の人感センサ30の検出領域に基づいて、移動体が素通りする位置を予測し、前記基準時間を補正するようにしている。
【0113】
例えば、基準時間t1を設定するにあたり、メインコントローラ200の立ち上がり時間の最も遅い時間(又はそれ以上)に設定すれば、インジケータ点灯時の違和感を解消することは可能であり、かつ利便性を高めることになるが、単純に立ち上がり時間の最も遅い時間とした場合、立ち上がり時間が速いときの省エネ性が損なわれることになる。
【0114】
そこで、本実施の形態では、実際に第2の人感センサ30の実効値を特定することで、利便性及び省エネ性を両立している。
【0115】
以下に、第2の人感センサ30の実効値について説明する。
【0116】
図8に示される如く、第2の人感センサ30の検出領域が画像処理装置10の正面壁とセンサ光軸が直角(以下、「0度」という)の場合は、遠くに行くに従い拡幅するため、画像処理装置10から相対的に近い位置で横切るときの時間tna(図8(A)参照)と、画像処理装置10から相対的に遠い位置で横切る(素通りする)ときの時間tfa(図8(B)参照)とでは、遠い位置の方が時間が長くなる。例えば、図8(A)の時間tnaを基準とした場合、図8(B)の時間tfaを基準とするためには、その差分Δa(tfa−tna)だけ基準時間t1を長くする必要がある。
【0117】
これは、図9に示される如く、第2の人感センサ30の検出領域の光軸が、前記「0度」となっているときから横方向(水平方向)に傾斜した場合でも同様である。
【0118】
また、図10に示される如く、画像処理装置10からの距離L1が同一でも、横方向(水平方向)において、前記「0度」で横切る(素通りする)ときの時間tnb(図10(A)参照)と、画像処理装置10の正面に対して傾斜している状態で横切るときの時間tfb(図10(B)参照)とでは、傾斜している方が時間が長くなる。例えば、図10(A)の時間tnbを基準とした場合、図10(B)の時間tfbを基準とするためには、その差分Δb(tfb−tnb)だけ基準時間t1を長くする必要がある。
【0119】
図11は、上記基準時間t1の補正に関する情報を入力するためのUIタッチパネル216に表示される表示画面である。
【0120】
UIタッチパネル216の表示部216Mの上部領域には、当該表示部216Mに表示される情報内容のタイトルや操作方法等が表示されており、その下部に2種類のウィンドウ画面50A、50Bが左右に並んで表示されている。さらに、ウィンドウ画面50Bの下部には、入力操作(タッチ操作)領域を案内するボタン画面50Cが表示されている。
【0121】
一方のウィウンドウ画面50Aは、検知距離を設定する画面であり、本実施の形態では、相対的に「近距離(約30cm)」「中距離(約60cm)」「遠距離(約100cm)」の3種類を識別する文字情報が表示され、これらの中から選択可能とされる。なお、それぞれの文字情報の表示領域に対応してチェックボックス画像が表示されており、ユーザーは、対応するチェックボックス画像の何れかの領域内を触れる(タッチ操作する)ことで、前記何れかの距離が選択される(図11では、選択したチェックボックスを黒塗りとしている)。
【0122】
他方のウィウンドウ画面50Bは、検知角度を設定する画面であり、本実施の形態では、画像処理装置10の正面壁とセンサ光軸が直角である「0度」、この「0度」に対して水平方向に傾斜する角度「30度」及び「45度」の3種類を識別する文字情報が表示され、これらの中から選択可能とされる。なお、それぞれの文字情報の表示領域に対応してチェックボックス画像が表示されており、ユーザーは、対応するチェックボックス画像の何れかの領域内を触れる(タッチ操作する)ことで、前記何れかの距離が選択される(図11では、選択したチェックボックスを黒塗りとしている)。
【0123】
なお、ウィンドウ画面50Bの領域内には、選択された角度が視覚を通じて認識し易いように、選択された領域が表示されるグラフィック画像52が表示されるようになっている。
【0124】
前記2つのウィウンドウ画面50A、50Bのそれぞれにおいて、選択が完了した後は、前記ボタン画面50Cの領域内を触れる(タッチ操作)することで選択結果が設定されるようになっている。また、この設定変更の際は、再度ボタン画面50Cをタッチ操作すればよい。
【0125】
なお、図12に示される如く、選択する項目として、使用者の歩行速度として、相対的に「早歩き」「標準」「ゆっくり」を選択するウィンドウ画面50Dを追加してもよい。これは、誤検知防止時間を設定する画面となる。この場合、「早歩き」は基準時間t1を短くする補正となり、「ゆっくり」は基準時間t1を長くする補正となる。「標準」は補正無しである。
【0126】
以下、本実施の形態の作用を説明する。
【0127】
(画像処理装置10(デバイス)の電力供給制御のモード遷移)
まず、図5に基づき、画像処理装置10における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートを示す。
【0128】
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、スリープモードとなり、本実施の形態では、節電中監視制御部24にのみ電力が供給されている。
【0129】
ここで、立ち上げ契機(立ち上げトリガの検出、或いはUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0130】
なお、この立ち上げトリガ契機後は、依然としてスリープモードと定義し、UIタッチパネル216のみを起動するようにしてもよいし、或いは、UIタッチパネル216の起動によって、節電中監視制御部24のみの電力供給よりも電力供給量が増加するので、アウェイクモード「awk」(目覚めモード)として定義してもよい(図5の遷移図における、スリープモード範囲の括弧[ ]内参照)。このアウェイクモードでUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0131】
前記立ち上げトリガとは、主として、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、操作者による節電解除操作も立ち上げトリガとしてもよい。
【0132】
ウォームアップモードは画像処理装置10を迅速に処理可能状態にもっていくため、各モードの内最大の電力消費量となるが、例えば、定着部におけるヒータとしてIHヒータを利用することによって、ハロゲンランプを用いたヒータよりもウォームアップモード時間は、比較的短い時間とされている。
【0133】
ウォームアップモードによる暖機運転が終了すると、画像処理装置10はスタンバイモードに遷移するようになっている。
【0134】
スタンバイモードは、文字通り「事に備えて準備が完了している」モードであり、画像処理装置10においては、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。
【0135】
このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに遷移し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
【0136】
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、待機トリガによって画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ遷移する。なお、画像処理後、システムタイマによる計時を開始し、予め定めた時間経過した後に待機トリガを出力し、スタンバイモードへ遷移するようにしてもよい。
【0137】
このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ遷移し、立ち下げトリガの検出がある、或いは予め定めた時間が経過したとき、スリープモードへ遷移するようになっている。
【0138】
なお、立ち下げトリガとは、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、システムタイマを併用してもよい。
【0139】
また、画像処理装置10における実際の動作におけるモード状態の遷移が、全てこのタイミングチャートのとおり時系列で進行するものではない。例えば、ウォームアップモード後のスタンバイモードで処理が中止され、スリープモードへ移行する場合もある。
【0140】
ここで、電力の供給を受けて動作する各デバイスは、図5におけるスリープモードからアウェイクモード、ウォームアップモードを経てスタンバイモードへ遷移することで、それぞれの処理を即時に実行可能となる。
【0141】
このように、本実施の形態の画像処理装置10は、モードの間を相互に遷移しており、各モード毎に電力供給量が異なっている。
【0142】
(スリープモードからの立ち上がり制御)
メインコントローラ200は、それ以前の画像処理装置10の状況によって、スリープモードとして「オールオフモード」と「プレオフモード」の何れかに属する。
【0143】
「プレオフモード」の場合、メインコントローラ200が正常に機能し得るまでの立ち上がり時間はtpreであり、「プレオフモード」の場合、メインコントローラ200が正常に機能し得るまでの時間は、toffであり、両者には、toff>tpreの関係がある。
【0144】
ここで、画像処理装置10の近傍を、移動体が素通りする場合、第2の人感センサ30のインジケータが点灯しても、メインコントローラ200の立ち上がり後の再検出(2度目の検出状況)のときに、メインコントローラ200のスリープの状態によって、移動体を検出したり、しなかったりすることがある。
【0145】
これは、前述した移動体が第2の人感センサ30を横切る時間がtpreよりも長く、toffよりも短い場合に起こり得る。
【0146】
そこで、本実施の形態では、立ち上がり時間が最も長いモードを対象として、第2の人感センサ30による移動体検出から再検出するまでの時間である基準時間を設定している。すなわち、本実施の形態では、2種類の立ち上がり時間toff、tpreが存在し、その関係は、toff>tpreである。従って、「オールオフモード」の立ち上がり時間toffに基づいて基準時間を設定した。
【0147】
さらに、この基準時間は、設定される第2の人感センサ30の検知距離、検知角度(図8、図9参照)、或いは検知距離、検知角度、誤検知防止時間(図10参照)に基づいて補正することで、省エネ性と利便性とを両立するようにした。
【0148】
以下、図13及び図14のフローチャートに従い、スリープモード時に実行される移動体監視のための制御の流れを説明する。
【0149】
図13は、主電源がオンしたときに起動される、基準時間設定制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0150】
画像処理装置10の主電源がオンになると、まず、ステップ100において、メインコントローラ200の立ち上がり時間の最も長い時間である「オールオフモード」からの立ち上がり時間toffに基づき、基準時間t1を設定する。なお、基準時間t1は、前記立ち上がり時間toffよりも長い時間であることが条件であり、その上限(+α)は特に制限されるものではない。
【0151】
常識的範囲でいえば、設定される基準時間t1(←t1+α)は、例えば、第2の人感センサ30の検知距離と検知角度の初期設定値に基づいて設定すればよい。本実施の形態では、第2の人感センサ30の検知距離の初期値は30cm、検知角度は0度(数字の定義は、共に、図11参照)であり、移動体が、通常の歩行速度で、画像処理装置10の前方30cmの位置を横方向(左右方向)に移動したとき(図12参照)、第2の人感センサ30の検知幅の両端を通過し終える時間とする。
【0152】
これにより、画像処理装置10の前を単に素通りする移動体と、画像処理装置10を使用するために近づいてくる使用者との区別が可能となる。
【0153】
次のステップ102では、第2の人感センサ30を対象とする設定があったか否かが判断される。すなわち、ユーザーが、UIタッチパネル216の表示部216Mに、図11に示す設定用の表示画面が表示され、ユーザーのタッチ操作によって設定がなされたか否かが判断される。なお、ここでは、第2の人感センサ30の検知距離、検知角度等の設定のための操作手順については省略する。また、第2の人感センサ30の検知距離、検知角度等の設定操作は、PC等からの遠隔操作でもよい。
【0154】
前記ステップ102で肯定判定されると、ユーザーの操作によって検知距離、検知角度等の設定変更がなされたと判断し、ステップ104へ移行する。
【0155】
ステップ104では、設定された検知距離補正値Δa(図8及び/又は図9のtfa−tna)を読み出し、次いでステップ106へ移行して、設定された検知角度補正値Δb(図10のtfb−tnb)を読み出し、ステップ108へ移行する。なお、図12のように、歩行速度による誤検知防止時間の項目がある場合は、歩行速度補正値Δcを別途設定すればよい。
【0156】
ステップ108では、現在の基準時間t1を読み出し、次いでステップ110へ移行して、前記Δa及びΔbに基づき基準時間t1を補正する。
【0157】
例えば、検知距離補正値Δaは、現状の設定よりも検知距離が長くなれば、検知幅が拡大するため、基準時間t1は増える方に補正される。一方、現状の設定よりも検知距離が短くなれば、検知幅が縮小するため、基準時間t1は減る方向に補正される。
【0158】
また、検知角度補正値Δbは、現状の設定よりも検知角度が90度に近くなれば、検知幅が拡大するため、基準時間t1は増える方に補正される。一方、現状の設定よりも検知角度が0度に近くなれば、検知幅が縮小するため、基準時間t1は減る方向に補正される。
【0159】
前記ステップ110での補正が終了すると、ステップ112へ移行する。また、前記ステップ102で否定判定された場合は、ステップ112へ移行する。
【0160】
ステップ112では、主電源がオフとなったか否かが判断され、否定判定された場合は、現状の基準時間t1が維持された状態で、ステップ102へ戻る。また、ステップ112で肯定判定されると、このルーチンは終了する。
【0161】
なお、本実施の形態では、このルーチンは終了することで、次の主電源オフ時に、基準時間を初期化するようにしたが、設定変更された基準時間t1を不揮発性のメモリに記憶しておき、次の主電源オン時には、この不揮発性メモリに記憶された基準時間t1を初期値としてもよい。
【0162】
次に、図14は、スリープモード中の第2の人感センサ30による監視制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0163】
スリープモードになると、基本的には、第1の人感センサ28が監視を行い、第2の人感センサ30は電力遮断状態となっている。
【0164】
ステップ120では、第1の人感センサ28で移動体を検出したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ122へ移行して、第2の人感センサ30へ電力の供給を開始する。これにより、第2の人感センサ30が移動体検出可能状態となる。
【0165】
次のステップ124では、前記第2の人感センサ30で移動体を検出したか否かが判断され、否定判定されると、ステップ126へ移行して、第2の人感センサ30に電力が供給されてから、連続して未検出状態が一定時間継続しているか(一定時間経過したか)否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ124へ戻り、第2の人感センサ30による検出を継続する。また、ステップ126で肯定判定されると、ステップ128へ移行して第2の人感センサ30への電源供給を遮断して、ステップ120へ戻る。なお、このとき、第2の人感センサ30の検出領域外であるが、第1の人感センサ28の検出領域内であると、再度第2の人感センサ30に電力が供給されることがあるため、ユーザーの立ち去り時間を考慮して、第1の人感センサ28に無効期間等を設けることが好ましい。
【0166】
前記ステップ124で肯定判定、すなわち、第2の人感センサ30で移動体を検出すると、ステップ130へ移行して基準時間t1を計時するためのタイマをリセット・スタートさせる。なお、第2の人感センサ30には、検出モニタ用のインジケータが備えられており、移動体を検出している間はインジケータが点灯する。
【0167】
次のステップ132では、メインコントローラ200の起動を開始し、次いでステップ134へ移行して基準時間t1が経過したか否かが判断される。このステップ134で肯定判定されると、ステップ136へ移行して、再度第2の人感センサ30による移動体の検出状況を確認する。すなわち、最初の検出から移動体の検出を維持しているか否かを確認する。
【0168】
このステップ136で肯定判定されると、第2の人感センサ30で検出した移動体は、画像処理装置10を使用する意志のある使用者であると判断し、ステップ138へ移行して復帰処理を行う。例えば、アウェイクモード移行を指示することで、UIタッチパネル216やICカードリーダー217へ電力が供給されるため、使用者は必要な情報を入力することができ、次のモード(例えば、スタンバイモード)への移行が可能となる。
【0169】
また、ステップ136で否定判定された場合は、最初に検出した移動体が、画像処理装置10を使用する意志がない、単なる素通りする移動体であると判断し、ステップ128へ移行して、第2の人感センサ30への電力供給を遮断する。
【0170】
(スリープモードの種類による監視の是正)
図14のステップ132でのメインコントローラ200の起動時間は、スリープモードの種類によって異なる。
【0171】
すなわち、スリープモード(アウェイクモード以外)では、メインコントローラ200が起動するときにCPU初期化処理や処理クロックの安定待ち等が必要な「オールオフモード」と、メインコントローラ200が起動するときにCPU初期化処理や処理クロックの安定待ち等が不要な「プレオフモード」とに分類される。
【0172】
いずれにしても、メインコントローラ200が処理可能な状態になった時点で、基準時間t1は経過していないため、第2の人感センサ30による再検出(図14のステップ136参照)は、メインコントローラ200の起動にかかる時間が異なっても、同じ条件(基準時間t1)での判断が可能となる。
【0173】
また、基準時間t1は、メインコントローラ200の起動時間の最も遅い時間に基づいて設定すればよく、利便性を維持することは可能である。
【0174】
これに対して、本実施の形態では、第2の人感センサ30の取付条件(検出距離、検出角度)によって補正され(図11参照)、また、検出距離、検出角度に併せて画像処理装置10が設置される場所や職種等による使用者の移動速度によっても補正するようにしてもよいため(図12参照)、利便性だけを目的としたものではなく、省エネ性を兼ね備えた基準時間t1の設定が可能である。
【0175】
なお、本実施の形態では、スリープモード中に第2の人感センサ30により移動体を検出し、メインコントローラ200の起動処理が完了してからの再検出を1回のみとしたが(図15(A)参照)、図15(B)に示される如く、メインコントローラ200の起動処理完了後、複数回(ここではt1(1)、t1(2)、t1(3)の3回、定期又は不定期に検出を実行してもよい。図15は、「プレーフモード」中からのメインコントローラ200の起動を例に取り説明しているが、「オールオフモード」中からのメインコントローラ200の起動時でも同様に複数回の検出を行ってもよい。
【0176】
また、本実施の形態では、基準時間t1は、検出距離、検出角度、使用者の移動速度等によって補正するようにしたが、補正後の実際の検出結果に基づく正誤を履歴として記録しておき、当該正誤の状況によって、基準時間t1をさらに補正するようにしてもよい(以下、「学習補正」という場合がある)。
【0177】
図16及び図17は、移動体が画像処理装置10を横切る、又は近づいてくることを想定した、「プレオフモード」における学習補正の実施例である。なお、説明は省略したが、「オールオフモード」でも、同様である。
【0178】
(画像処理装置10が使用されなかった場合「横切り」)
図16(A)に示される如く、第2の人感センサ30による再検出(t1−tpre)で、使用者の存在を確認して、例えば、装置をアウェイクモードやスタンバイモード(図5参照)に復帰させたが、何ら操作がなされなかった場合、誤認であると判断し、図16(B)に示される如く、基準時間t1を長くする補正を行う(t1←t1+td)。
【0179】
(画像処理装置10が使用された場合「近づき」)
また、図17(A)に示される如く、第2の人感センサ30による再検出(t1−tpre)で、使用者の存在を確認して、例えば、装置をアウェイクモードやスタンバイモード(図5参照)に復帰させたが、当該復帰前に操作するような場合、誤認であると判断し、図17(B)に示される如く、基準時間t1を短くする補正を行う(t1←t1−td)。この場合、復帰前の操作の有無を判別するために、メインコントローラ200への電力供給開始時に、UIタッチパネル216とICカードリーダー217にも電力を供給しておく必要がある。
【符号の説明】
【0180】
W 壁面
10 画像処理装置
20 ネットワーク通信回線網
21 PC
22 電話回線網
24 節電中監視制御部
26 節電制御ボタン
28 第1の人感センサ
30 第2の人感センサ
50A ウィンドウ画面
50B ウィンドウ画面
50C ボタン画面
50D ウィンドウ画面
52 グラフィック画像
200 メインコントローラ
204 CPU
206 RAM
208 ROM
210 I/O(入出力部)
212 バス
214 UI制御回路
216 UIタッチパネル
216BL バックライト部
216M 表示部
217 ICカードリーダー
218 ハードディスク
220 タイマ回路
222 通信回線I/F
236 ファクシミリ通信制御回路
238 画像読取部
240 画像形成部
242 商用電源
243 配線プレート
244 入力電源線
245 コンセント
246 メインスイッチ
248 第1の電源部
250 第2の電源部
248A 制御用電源生成部
252 電源供給制御回路
254 電源線
256 第1のサブ電源スイッチ(「SW−1」)
250H 24V電源部(LVPS2)
250L 5V電源部(LVPS1)
258 画像読取部電源供給部
260 画像形成部電源供給部
266 ファクシミリ通信制御回路電源供給部
268 第2のサブ電源スイッチ(「SW−2」)
270 第3のサブ電源スイッチ(「SW−3」)
274 第4のサブ電源スイッチ(「SW−4」)
276 第5のサブ電源スイッチ(「SW−5」)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部から電力の供給を受けて動作する被動作部を対象として、電力を供給する電力供給状態又は前記電力の供給を遮断する電力遮断状態の何れかに遷移させると共に、前記被動作部を電力遮断状態とする場合に、当該電力遮断状態から電力供給状態へ遷移させるための復帰時間が相対的に異なる複数種類の電力遮断状態の中から選択して遷移させる遷移手段と、
前記被動作部を使用する使用者を含む移動体を検出する移動体検出手段と、
前記電力遮断状態において、前記移動体検出手段で前記移動体を検出した場合に、前記遷移手段を制御して、前記被動作部を電力供給状態に復帰するように制御する復帰制御手段と、
前記復帰制御手段による復帰開始から復帰完了までの立ち上がり時間が最も長い電力遮断状態に基づいて、前記移動体検出手段による再検出時期となる基準時間を設定する基準時間設定手段と、
前記復帰制御手段による復帰開始を起点として、前記基準時間設定手段で設定された基準時間が経過した後に、前記移動体検出手段による前記移動体検出状況を確認して、前記被動作部の電力供給状態を維持するか、或いは前記遷移手段を制御して電力遮断状態に戻すかを判別する状態判別手段と、
前記基準時間を、前記移動体検出手段における前記移動体の検出位置情報に基づいて補正する補正手段と、
を有する電力供給制御装置。
【請求項2】
前記被動作部が、複数の処理部の処理を一括して制御する主制御部であり、少なくとも電力遮断状態として、前記主制御部に電力が一切供給されておらず復帰の際に初期化処理が必要な第1の状態、前記主制御部の一部に電力が供給され前記初期化処理が不要な第2の状態が設定されており、前記第1の状態の方が前記第2の状態よりも前記復帰時間が長い請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項3】
前記第1の状態及び第2の状態のそれぞれにおいて、複数種類の電力遮断状態が設定可能である請求項2記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記基準時間内において、前記移動体検出手段による検出を複数回実行し、複数回の検出情報を前記状態判別手段による判別材料とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項5】
前記補正手段で補正した基準時間に基づく前記状態判定手段の判定結果の正誤を確認する正誤確認手段をさらに有し、
前記補正手段では、前記正誤確認手段での確認情報に基づいて、前記基準時間をさらに補正する請求項1〜請求項4記載の電力供給制御装置。
【請求項6】
三次元空間として拡がる前記移動体検出手段の検出領域の中から、前記検出位置情報として利用する領域を特定するための検出距離、及び検出角度を含む基礎情報を入力する入力手段をさらに有する請求項1〜請求項5の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項7】
前記基礎情報には、前記移動体検出手段の検出領域内を移動する移動体の標準的な移動速度が含まれる請求項6記載の電力供給制御装置。
【請求項8】
前記入力手段が、前記基礎情報の各項目を複数の選択肢から選択する表示部を備え、当該表示部に表示された画面を見ながら前記選択肢を指定する対話形式の入力装置である請求項6又は請求項7の電力供給制御装置。
【請求項9】
前記電力遮断状態が、前記主制御部の前記第1の状態、第2の状態に関わらず、少なくとも前記移動体検出手段の動作及び検出に必要な制御系に電力を供給するスリープモードを備えている請求項2〜請求項8の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項10】
前記電力供給状態が、少なくとも、予め定めた処理を実行する処理部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、前記処理部に対して前記定常時の電力を供給するランニングモード、前記スタンバイモードよりも消費電力が低く前記スリープモードよりも消費電力が高い状態を維持するローパワーモードを備えている請求項1〜請求項9の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項11】
前記請求項1〜請求項10の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部、移動体の一部である使用者との情報の受付報知を行うユーザーインターフェイス部、前記使用者を識別するための使用者識別装置の少なくとも1つを含んでおり、前記使用者からの指示に基づいて、相互に連携しあって画像処理を実行すると共に、前記移動体検出手段が、前記ユーザーインターフェイス部又は使用者識別装置の設置位置を基準として設けられた画像処理装置。
【請求項12】
コンピュータを、前記請求項1〜請求項10の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−65974(P2013−65974A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202396(P2011−202396)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】