説明

電力供給制御装置、電力供給制御方法及び電力供給制御用プログラム

【課題】 車両の運行開始時における正確な位置情報の算出をより迅速に開始することが可能となるようにGPSレシーバに対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置を提供する。
【解決手段】 GPSの航法用電波を受信するレシーバ3に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置において、車両の移動が開始される前に生成されるドア開錠信号Sdr、ドア開放信号Sdo又はエンジンの始動信号Sigのいずれかが生成されて入力されたか否かを検出し、いずれかの信号が検出されたとき、電源電力を蓄積しているバッテリ6からレシーバ3に対する電源電力の供給を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電力供給制御装置、電力供給制御方法及び電力供給制御用プログラムの技術分野に属し、より詳細には、車両等の移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信する受信回路に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置及び電力供給制御方法並びに電力供給の制御に用いられる電力供給制御用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、航法用のいわゆるGPS(Global Positioning System)を利用したナビゲーションシステムが、例えば車載用或いは携帯型電話機用として広く利用されている。
【0003】
ここで、当該GPSは、宇宙空間の予め設定された軌道上に夫々ある複数のGPS衛星からの航法用電波をナビゲーションシステム内のGPSアンテナにおいて受信し、これを同じくナビゲーションシステム内に備えられたGPSレシーバにおいて復号して航法用情報を取り出し、これを車両又は人等の現在位置の検出等に用いるものである。
【0004】
そして、現在、上記航法用電波により送信されてくる上記航法用情報としては、以下に説明するアルマナック情報とエフェメリス情報とがある。
【0005】
先ず、アルマナック情報は、軌道上における全てのGPS衛星に関する軌道情報であり、当該軌道上における各々のGPS衛星の信頼度と、夫々の位置に関する総合的な情報で、GPS衛星の運行予定表の如きものである。このアルマナック情報は、全てのGPS衛星から同じ情報を収集することができる。そして、一度復号されれば、概ね一週間程度は有効に活用できる情報である。
【0006】
次に、エフェメリス情報は、各GPS衛星の正確な位置情報と、航法用電波(航法用信号)を発信した時刻情報と、を含むものであり、アルマナック情報よりも更に正確なGPS衛星の位置に関する情報である。そして、一度復号されれば、概ね一時間半程度は有効に利用できる情報である。
【0007】
これらにより、地上にあるGPSレシーバは、上記アルマナック情報を受信・復号して測位に使用できるGPS衛星を確認し、更にエフェメリス情報を受信・復号して正確な時刻情報を得、この時刻情報により示される時刻とGPSレシーバ内部の時計の示す時刻とをナノ秒単位で同期(シンクロ)させる。そしてGPS衛星から発信された航法用電波がGPSレシーバに届くまでの時間(その航法用電波の発信時刻からGPSレシーバにおける受信時刻までの時間)を計測し、その結果に光速を乗算して各GPS衛星までのGPSレシーバからの距離を算出する。この一連の距離検出処理は、一般に「レンジング」と称されているが、三つのGPS衛星に対して夫々にレンジングを行うことで三角交差法によりGPSレシーバの地球上における絶対位置(緯度及び経度)を特定することができ、更に四つ以上のGPS衛星からの航法用電波を夫々に受信できれば、その受信したGPSレシーバの高度まで算出できる。
【0008】
ここで、一般に、GPSレシーバは、それに対して電源電力され供給されていれば、たとえ当該GPSレシーバを含むナビゲーションシステム全体としては稼動していなくとも、上述した各航法用情報を常に受信し、その復号並びに当該GPSレシーバ自体の位置特定処理を、自ら繰り返し実行する構成とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、一方で、GPSレシーバへの電源電力の供給が中断した場合、その後電源電力の供給が再開されて位置特定処理を再開しようとする際には、新たに上記航法用情報を受信することから始めなければならないわけであるが、その場合、電源電力の供給が中断されてから再開されるまでの中断時間や上記航法用情報のうちいずれの情報がその再開時点で有効であるか否か、或いはGPSレシーバ自体の種類に応じて、電源電力供給の再開後上記位置特定処理の結果としての緯度情報及び経度情報(以下、当該緯度情報及び経度情報を、纏めて位置情報と称する)のGPSレシーバからの再出力が開始されるまでの時間(以下、単に復帰時間と称する)が長くなるという問題点があった。より具体的には、例えば、上記航法用情報の有効期間が全て経過している場合、GPSレシーバの種類によっては復帰時間が最大で300秒程度必要なものもある。
【0010】
一方、特に車載用のカーナビゲーションシステムを考えた場合、車両の運行を終えてイグニッションスイッチをオフとしてしまうと、上記GPSレシーバを含むナビゲーションシステムに対する電源電力の供給が停止してしまう。また、運行の再開時においてイグニッションスイッチがオンとされた場合、キーを差し込んで「アクセサリ」位置まで回すことでナビゲーションシステムに対する電源電力の供給が開始されても、更に「スタータ」位置までキーを回すことで再びナビゲーションシステムに対する電源電力の供給が中断してしまうことになる。
【0011】
従って、車両の運行再開時においてそのナビゲーションシステムによる案内を再開する場合、車両のエンジン始動後最初の位置情報がGPSレシーバから出力される前に車両の移動自体が開始されてしまう場合があり、この場合にはGPSレシーバのGPS上の位置が特定される前にその位置自体が変化してしまうことになり、結果として上記位置情報の算出が更に遅れ且つその精度も低下すると共に、車両の移動距離も不正確なものしか算出できなくなってしまうことになると言う問題点があった。
【0012】
そして、この問題点は、その後のナビゲーションシステムによる案内の精度にまで悪影響を及ぼしてしまうことになると言う問題点に繋がることになる。
【0013】
そこで、本願は上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その目的の一例は、車両の運行開始時における正確な位置情報の算出をより迅速に開始することが可能となるようにGPSレシーバに対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置及び電力供給制御方法並びに電力供給の制御に用いられる電力供給制御用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両等の移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信するレシーバ等の受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置において、前記移動体の移動が開始される前に生成される移動前信号が生成されて入力されたか否かを検出する制御部等の検出手段と、前記移動前信号が検出されたとき、前記電源電力を蓄積しているバッテリ等の蓄積手段から前記受信手段に対する当該電源電力の供給を開始する制御部等の開始手段と、を備える。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、車両等の移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信するレシーバ等の受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置において、前記移動体における前記電源電力の供給が停止しているとき、予め設定されている供給停止期間の経過毎に、前記電源電力を蓄積しているバッテリ等の蓄積手段から前記受信手段に対して当該電源電力を供給する制御部等の供給手段を備える。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、車両等の移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信するレシーバ等の受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御方法において、前記移動体の移動が開始される前に生成される移動前信号が生成されて入力されたか否かを検出する検出工程と、前記移動前信号が検出されたとき、前記電源電力を蓄積しているバッテリ等の蓄積手段から前記受信手段に対する当該電源電力の供給を開始する開始工程と、を含む。
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、車両等の移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信するレシーバ等の受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御方法において、前記移動体における前記電源電力の供給が停止しているとき、予め設定されている供給停止期間の経過毎に、前記電源電力を蓄積しているバッテリ等の蓄積手段から前記受信手段に対して当該電源電力を供給する供給工程を含む。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、車両等の移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信するレシーバ等の受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置に含まれるコンピュータを、前記移動体の移動が開始される前に生成される移動前信号が生成されて入力されたか否かを検出する検出手段、及び、前記移動前信号が検出されたとき、前記電源電力を蓄積している蓄積手段から前記受信手段に対する当該電源電力の供給を開始する開始手段、として機能させる。
【0019】
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、車両等の移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信するレシーバ等の受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置に含まれるコンピュータを、前記移動体における前記電源電力の供給が停止しているとき、予め設定されている供給停止期間の経過毎に、前記電源電力を蓄積しているバッテリ等の蓄積手段から前記受信手段に対して当該電源電力を供給する供給手段として機能させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本願を実施するための最良の形態について、図1及び図2を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、車両(ガソリンエンジン駆動車及び電気自動車を含む)搭載用のナビゲーションシステム内に含まれるGPSレシーバ(以下、単にレシーバと称する)に対する電源電力の供給を制御する場合に対して本願を適用した場合の実施の形態である。
【0021】
また、図1は実施形態に係るナビゲーションシステムの概要構成を示すブロック図であり、図2は当該ナビゲーションシステムにおける電力供給制御処理を示すフローチャートである。
【0022】
図1に示すように、実施形態に係るナビゲーションシステムSは、当該ナビゲーションシステムSとしての案内処理を主として実行するナビゲーション部1と、上記航法用電波Dを受信するアンテナ2と、受信手段としてのレシーバ3と、タイマ4Aを含む検出手段及び開始手段としての制御部4と、電源制御部5と、ナビゲーションシステムSが搭載されている車両全体への電源電力供給を兼ねる蓄積手段としてのバッテリ6と、により構成されている。
【0023】
次に、全体動作を説明する。
【0024】
先ず、アンテナ2は、上記航法用電波Dを受信し、受信信号Sinを生成してレシーバ3に出力する。
【0025】
そして、レシーバ3は、当該受信信号Sinから上記アルマナック情報及びエフェメリス情報を抽出し、これらの情報を用いてナビゲーションシステムSが搭載されている車両の現在位置を示す位置情報Sgpsを生成してナビゲーション部1へ出力する。
【0026】
これにより、ナビゲーション部1は、上記位置情報Sgpsの内容に加えて、図示しない距離センサ及び進行方向センサ等を用いて自立的に算出した位置情報等を用いて、上記車両を案内するための処理を行う。これに加えて、ナビゲーション部1は、レシーバ3に対する電源電力の供給を要求する旨の要求信号Srqを生成して制御部4へ出力する。
【0027】
一方、制御部4には、上記車両に備えられているいずれかのドアが開錠されたことを示すドア開錠信号Sdr、当該いずれかのドアが実際に開けられた(開放された)ことを示すドア開放信号Sdo、車両のエンジンを始動するための始動信号Sig及びエンジンの回転を示す(或いは車両が電気自動車である場合においては当該車両の駆動源たるモータ等がオン状態であることを示す)エンジン回転/車両オン信号Srvが夫々入力される構成となっている。
【0028】
そして、制御部4は、上記ドア開錠信号Sdr、ドア開放信号Sdo又は始動信号Sigのいずれか並びに上記要求信号Srq及びエンジン回転/車両オン信号Srvに基づいて、レシーバ3に対するバッテリ6からの電力供給を開始する旨の制御信号Scを生成して電源制御部5へ出力する。
【0029】
なお、エンジンの回転を示す信号或いは上記モータ等のオン状態を示す信号が当該要求信号Srqの中に重畳されている場合には、上記エンジン回転/車両オン信号Srvを不要とすることもできる。
【0030】
これにより、バッテリ6からの電源電力を、車両においてキーが抜かれて各構成部材への電源電力の供給が停止した後も電力信号Sbとして常に受けている電源制御部5は、上記制御信号Scを受信したタイミングにおいて当該電力信号Sbを、レシーバ3を起動するための電力信号Scbとして当該レシーバ3へ出力する。
【0031】
そして、当該電力信号Scbを受信したレシーバ3は、それ自体起動すると共に受信信号Sinに含まれている各情報を用いた位置特定処理を開始する。
【0032】
なお、制御部4内のタイマ4Aは、上記各構成部材への電源電力の供給が停止している間も計時を継続している。そして、制御部4は、当該タイマ4Aにおける計時において、エフェメリス情報の有効期間より短い期間が経過する毎に上記制御信号Scを生成して電源制御部5へ出力する。
【0033】
次に、上述した一連の動作を纏めて図2を用いて説明する。なお、図2のフローチャートにより示される処理は、車両のエンジンが停止してもバッテリ2からの電源電力の供給を受けつつ継続されているものである。
【0034】
図2に示すように、実施形態に係る電力供給制御処理が開始されると、先ず制御部4は、上記ドア開錠信号Sdrが入力されてきたか否かを常に監視している(ステップS1)。
【0035】
そして、上記いずれかのドアの施錠が開放されてドア開錠信号Sdrが入力されてくると(ステップS1;YES)そのタイミングで上記制御信号Scを生成して電源制御部5へ出力し、レシーバ3への電源電力の供給を開始させる(ステップS6)。
【0036】
また、ステップS1の判定において、ドア開錠信号Sdrが入力されていないときは(ステップS1;NO)、次に、上記ドア開放信号Sdoが入力されてきたか否かを確認する(ステップS2)。
【0037】
そして、上記いずれかのドアが開放されてドア開放信号Sdoが入力されてくると(ステップS2;YES)そのタイミングで上記制御信号Scを生成して電源制御部5へ出力し、レシーバ3への電源電力の供給を開始させる(ステップS6)。
【0038】
一方、ステップS2の判定において、ドア開放信号Sdoが入力されていないときは(ステップS2;NO)、次に、上記始動信号Sigが入力されてきたか否かを確認する(ステップS3)。
【0039】
そして、エンジンをかけるための始動信号Sigが入力されてくると(ステップS3;YES)そのタイミングで上記制御信号Scを生成して電源制御部5へ出力し、レシーバ3への電源電力の供給を開始させる(ステップS6)。
【0040】
一方、ステップS3の判定において、始動信号Sigが入力されていないときは(ステップS3;NO)、次に、上記エンジン回転/車両オン信号Srvが入力されてきたか否かを確認する(ステップS4)。そして、このエンジン回転/車両オン信号Srvが入力されると(ステップS4;YES)、そのタイミングで上記制御信号Scを生成して電源制御部5へ出力し、レシーバ3への電源電力の供給を開始させる(ステップS5)。
【0041】
一方、ステップS4の判定において、エンジン回転/車両オン信号Srvも入力されていないときは(ステップS4;NO)、次に、上記タイマ4Aにおける計時結果が、上述した制御信号Scを出力すべきタイミングに至ったか否かを確認する(ステップS5)。
【0042】
そして、当該タイミングに至っていないときは(ステップS5;NO)そのまま上記ステップS1に戻ってこれまで述べた処理を繰り返し、一方、当該タイミングに至ったときは(ステップS5;YES)、そのタイミングで上記制御信号Scを生成して電源制御部5へ出力し、レシーバ3への電源電力の供給を開始させる(ステップS6)。
【0043】
なお、一旦レシーバ3への電源電力の供給を開始した(ステップS6)後は、再度上記ステップS1に戻ってこれまで述べた処理を繰り返す。
【0044】
以上説明したように、実施形態に係る電力供給制御処理によれば、車両が移動を開始する前に必ず生成される信号(ドア開錠信号Sdr、ドア開放信号Sdo、始動信号Sig又はエンジン回転/車両オン信号Srv)のうちいずれかが検出されたときレシーバ3に対する電源電力の供給を開始するので、車両が実際に移動を開始するタイミングにおいては既にレシーバ3に電源電力が供給されており、車両の移動開始当初から航法用電波Dを使用した正確な案内を行うことができる。
【0045】
また、ドア開錠信号Sdrが入力されたときレシーバ3に対する電源電力の供給を開始するので、車両の移動開始に先立って最も早くレシーバ3に対する電源電力の供給を開始することができる。
【0046】
更に、ドア開錠信号Sdrが入力されない場合であってドア開放信号Sdoが入力されたときにもレシーバ3に対する電源電力の供給を開始するので、車両の移動開始に先立って早いタイミングでレシーバ3に対する電源電力の供給を開始することができる。
【0047】
更にまた、ドア開錠信号Sdr及びドア開放信号Sdoのいずれもが入力されない場合であっても、その後に始動信号Sigが入力されればそのタイミングでレシーバ3に対する電源電力の供給を開始するので、車両の移動開始に先立って早いタイミングでレシーバ3に対する電源電力の供給を開始することができる。
【0048】
また、最初にドア開錠信号Sdrの入力の有無を確認し、次にドア開放信号Sdoの入力の有無を確認し、次に始動信号Sigの入力の有無を確認し、その後にエンジン回転/車両オン信号Srvの入力の有無を確認し、いずれかの信号の入力が確認されたときにレシーバ3に対する電源電力の供給を開始するので、ドアが施錠されていたか否か又はドアが開放されたか否かに拘らず車両の移動前の早いタイミングでレシーバ3に対する電源電力の供給を開始することができる。
【0049】
なお、図2に示すフローチャートでは、ドア開錠信号信号Sdrの入力の有無、ドア開放信号Sdoの入力の有無、始動信号Sigの入力の有無、エンジン回転/車両オン信号Srvの入力の有無並びにタイマ4Aの計時結果の順に夫々を判別したが、夫々の信号が実際に入力されているか否かに拘らず、全ての判別(ステップS1乃至S5)を同時に行い、その判別結果の少なくとも1つが「YES」であればステップS6の処理を行うようにしてもよい。すなわち、ステップS1乃至S5の各判別結果の論理和に基づいてステップS6の処理を実行するようにしてもよい。
【0050】
また、図2に示す各判別処理ステップS1乃至S5の判別の順序は、任意に変更することが可能である。
【0051】
更に、車両のエンジンが停止されている期間であっても、予め設定された期間の経過毎にレシーバ3に対する電源電力を供給するので、いずれのタイミングで車両の移動が開始されようとも、当該移動開始時には既にレシーバ3に対する電源電力の供給が開始されている状態とすることができる。
【0052】
更にまた、当該予め設定された期間が航法用情報の有効期間より短い期間とされているので、車両の移動開始当初から当該航法用情報を有効に活用して車両の案内を行うことができる。
【0053】
なお、上述の実施形態においては、車両に搭載されているナビゲーションシステムSに対して本願を適用した場合について説明したが、これ以外に、携帯用電話機に内蔵されているGPSを用いたナビゲーションシステムにおけるレシーバの電源電力の制御に対して本願を適用することもできる。
【0054】
また、図2に示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態に係る制御部4として活用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施形態のナビゲーションシステムの概要構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態の電力供給制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 ナビゲーション部
2 アンテナ
3 レシーバ
4 制御部
4A タイマ
5 電源制御部
6 バッテリ
S ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信する受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置において、
前記移動体の移動が開始される前に生成される移動前信号が生成されて入力されたか否かを検出する検出手段と、
前記移動前信号が検出されたとき、前記電源電力を蓄積している蓄積手段から前記受信手段に対する当該電源電力の供給を開始する開始手段と、
を備えることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給制御装置において、
前記移動体は車両であると共に、
前記移動前信号は、前記車両に含まれるいずれかのドアが開錠されたことを示すドア開錠信号であることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電力供給制御装置において、
前記移動体は車両であると共に、
前記移動前信号は、前記車両に含まれるいずれかのドアが開けられたことを示すドア開放信号であることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電力供給制御装置において、
前記移動体は車両であると共に、
前記移動前信号は、前記車両に含まれるいずれかのドアが開錠されたことを示すドア開錠信号又はいずれかの前記ドアが開けられたことを示すドア開放信号のいずれかであり、
前記検出手段は、初めに前記ドア開錠信号が検出されたか否かを検出し、当該ドア開錠信号が検出されないとき、次に前記ドア開放信号が検出されたか否かを検出し、
前記開始手段は、前記ドア開錠信号又は前記ドア開放信号のいずれか一つが検出されたとき、前記受信手段に対する前記電源電力の供給を開始することを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電力供給制御装置において、
前記移動体は車両であると共に、
前記移動前信号は、前記車両のエンジンを始動する始動信号であることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の電力供給制御装置において、
前記移動体は車両であると共に、
前記移動前信号は、前記車両に含まれるいずれかのドアが開錠されたことを示すドア開錠信号、いずれかの前記ドアが開けられたことを示すドア開放信号又は前記車両のエンジンを始動する始動信号のいずれかであり、
前記検出手段は、初めに前記ドア開錠信号が検出されたか否かを検出し、当該ドア開錠信号が検出されないとき、次に前記ドア開放信号が検出されたか否かを検出し、当該ドア開放信号も検出されないとき、更に次に前記始動信号が検出されたか否かを検出し、
前記開始手段は、前記ドア開錠信号、前記ドア開放信号又は前記始動信号のいずれか一つが検出されたとき、前記受信手段に対する前記電源電力の供給を開始することを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項7】
移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信する受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置において、
前記移動体における前記電源電力の供給が停止しているとき、予め設定されている供給停止期間の経過毎に、前記電源電力を蓄積している蓄積手段から前記受信手段に対して当該電源電力を供給する供給手段を備えることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電力供給制御装置において、
前記供給停止期間は、前記案内用電波により送信されて来る案内用情報の有効期間より短い期間であることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項9】
移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信する受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御方法において、
前記移動体の移動が開始される前に生成される移動前信号が生成されて入力されたか否かを検出する検出工程と、
前記移動前信号が検出されたとき、前記電源電力を蓄積している蓄積手段から前記受信手段に対する当該電源電力の供給を開始する開始工程と、
を備えることを特徴とする電力供給制御方法。
【請求項10】
移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信する受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御方法において、
前記移動体における前記電源電力の供給が停止しているとき、予め設定されている供給停止期間の経過毎に、前記電源電力を蓄積している蓄積手段から前記受信手段に対して当該電源電力を供給する供給工程を備えることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項11】
移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信する受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置に含まれるコンピュータを、
前記移動体の移動が開始される前に生成される移動前信号が生成されて入力されたか否かを検出する検出手段、及び、
前記移動前信号が検出されたとき、前記電源電力を蓄積している蓄積手段から前記受信手段に対する当該電源電力の供給を開始する開始手段、
として機能させることを特徴とする電力供給制御用プログラム。
【請求項12】
移動体を案内するために用いられる案内用電波を受信する受信手段に対する電源電力の供給を制御する電力供給制御装置に含まれるコンピュータを、
前記移動体における前記電源電力の供給が停止しているとき、予め設定されている供給停止期間の経過毎に、前記電源電力を蓄積している蓄積手段から前記受信手段に対して当該電源電力を供給する供給手段として機能させることを特徴とする電力供給制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−90858(P2006−90858A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277096(P2004−277096)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(596041928)株式会社パイオニアエフ・エー (38)
【Fターム(参考)】