説明

電力増幅器

【課題】高調波信号が基本波増幅器に効率よく注入され、高効率化を図る電力増幅器を得る。
【解決手段】基本波増幅器3と、基本波増幅器3から発生する高調波信号を基本波信号から分波する第1分波回路と、第1分波回路から出力された高調波信号を基本波増幅器3の入力側又は出力側に注入するための高調波伝達回路15と、高調波伝達回路15から出力された高調波信号を基本波増幅器3に注入する第2分波回路とを備え、高調波信号を基本波増幅器3に注入し、基本波増幅器3の効率を高めるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波を利用した通信機器の送信機や、その他の高周波を利用したシステム等に用いられるような電力増幅器に関し、電力増幅器から発生する高調波信号を利用することで高効率化を図る電力増幅器に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
移動体通信の基地局や携帯端末などの送信部に用いられる高周波電力増幅器では、その電力消費量が通話時間やランニングコスト等に影響を与えるため、より高効率な特性が要求される。
【0003】
トランジスタを用いた高周波電力増幅器では、増幅器の入力側、または出力側から高調波を入力することで高効率化できることが報告されている。図14は、例えば非特許文献1に示された、高調波を注入することにより高効率化を図る従来の電力増幅器を示す回路
構成図である。入力端子101から入力された基本波信号は電力分配器109によって二つに分配され、一方は基本波増幅器103に入力され、増幅され、サーキュレータ108を介して出力端子102から出力される。電力分配器109によって二つに分配された他方の基本波信号は、逓倍器104により逓倍され高調波信号を発生し、2倍波バンドパスフィルタ107で2倍高調波のみが取り出され、さらに位相調整器105及び振幅調整器106によりベクトル調整して、サーキュレータ108を介して基本波増幅器103の出力側から基本波増幅器103に注入される。これにより基本波増幅器103の高効率化を図るものである。しかし、この構成では、逓倍器104が必要になるため逓倍器104の消費電力により効率が低下する問題と、回路が大型になるという問題がある。
【0004】
図15は、非特許文献2に示された、基本波増幅器から出力された2倍高調波信号を基本波増幅器の出力側から入力側に帰還させることによって高効率化を図る従来の他の電力増幅器を示す回路構成図である。これは増幅素子110から出力される2倍高調波信号を2倍波バンドパスフィルタ107a,107bと補助増幅器111と位相調整器105とからなる2倍高調波帰還回路112を介して増幅素子110の入力側から注入することで高効率化を図るものである。この構成によると逓倍器を用いる必要がない利点があるが、2倍高調波帰還回路112から出力された2倍高調波信号のうちの一部は増幅素子110に注入されず入力端子101に通過していくため、不要な2倍高調波信号が入力端子101に出てくる問題がある。また、この結果2倍高調波信号を効率よく増幅素子110に注入できない問題もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】高木直,池田幸夫,中島康晴,橋本 勉,「高調波処理回路を用いた高効率UHF帯モノリシック多段FET増幅器の設計法」,電子情報通信学会論文誌C−1,1993年11月,Vol.J76−C−I,No.11,pp.389−398
【非特許文献2】Hyo Rim Bae,Choon Sik Cho,Jae W. Lee,“Efficiency Enhanced Class-E Power Amplifier Using the Second Harmonic Injection at the Feedback Loop”,2010 European Microwave Conference,pp.1042-1045,Sep. 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、逓倍器を用いない回路構成で、高調波信号が増幅素子に効率よく注入され、高効率化を図ることができる電力増幅器を得る
ことを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わる電力増幅器は、増幅素子を含む基本波増幅器と、前記基本波増幅器から発生する高調波信号を基本波信号から分波する第1分波回路と、前記第1分波回路から出力された高調波信号を前記基本波増幅器の入力側又は出力側に注入するための高調波伝達回路と、前記高調波伝達回路から出力された高調波信号を前記基本波増幅器に注入する第2分波回路とを備え、高調波信号を前記基本波増幅器に注入し、前記基本波増幅器の効率を高めるようにしたものである。
【0008】
また、本発明に係わる電力増幅器は、増幅素子を含む基本波増幅器と、前記基本波増幅器の入力側に接続され、前記基本波増幅器から発生する高調波信号を基本波信号から分波する分波回路と、前記分波回路に接続されたサーキュレータと、前記サーキュレータに接続され、位相と振幅を調整する位相振幅調整回路及び高調波信号を増幅する補助増幅器を有する高調波伝達回路とを備え、前記基本波増幅器から発生した高調波信号を、前記分波回路及び前記サーキュレータを介して、前記高調波伝達回路に入力し、前記高調波伝達回路で振幅と位相を調整し、再び前記サーキュレータ及び前記分波回路を介して前記基本波増幅器の入力側から前記基本波増幅器に注入し、前記基本波増幅器の効率を高めるようにしたものである。
【0009】
また、本発明に係わる電力増幅器は、増幅素子を含む基本波増幅器と、前記基本波増幅器の出力側に接続され、前記基本波増幅器から発生する高調波信号を基本波信号から分波する分波回路と、前記分波回路に接続されたサーキュレータと、前記サーキュレータに接続され、位相と振幅を調整する位相振幅調整回路及び高調波信号を増幅する補助増幅器を有する高調波伝達回路とを備え、前記基本波増幅器から発生した高調波信号を、前記分波回路及び前記サーキュレータを介して、前記高調波伝達回路に入力し、前記高調波伝達回路で振幅と位相を調整し、再び前記サーキュレータ及び前記分波回路を介して前記基本波増幅器の出力側から前記基本波増幅器に注入し、前記基本波増幅器の効率を高めるようにしたものである。
【0010】
また、本発明に係わる電力増幅器は、増幅素子を含む2個の基本波増幅器と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの入力端子間に接続された入力側バラン回路と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの出力端子間に接続された出力側バラン回路とでプッシュプル増幅器を構成し、前記入力側及び出力側バラン回路は基本波信号と偶数次高調波信号とを分波する機能を有し、前記入力側及び出力側の一方のバラン回路で前記2個の基本波増幅器から発生する偶数次高調波信号を基本波信号から分波して得た偶数次高調波信号を、前記入力側及び出力側の他方のバラン回路から前記2個の基本波増幅器の入力側及び出力側の他方に注入する高調波伝達回路を備え、前記偶数次高調波信号を前記2個の基本波増幅器に注入し、前記2個の基本波増幅器の効率を高めるようにしたものである。
【0011】
また、本発明に係わる電力増幅器は、増幅素子を含む2個の基本波増幅器と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの入力端子間に接続された入力側バラン回路と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの出力端子間に接続された出力側バラン回路とでプッシュプル増幅器を構成し、前記入力側バラン回路は基本波信号と偶数次高調波信号とを分波する機能を有し、前記入力側バラン回路に接続されたサーキュレータと、前記サーキュレータに接続され位相と振幅を調整する位相振幅調整回路及び、偶数次高調波信号を増幅する補助増幅器を有する高調波伝達回路とを備え、前記入力側バラン回路で前記2個の基本波増幅器から発生する偶数次高調波信号を基本波信号から分波して得た偶数次高調波信号を、前記サーキュレータを介して前記高調波伝達回路に入力し、前記高調波伝達回路で振幅と位相を調整し、再び前記サーキュレータを介して前記入力側バラン回路から前記2個の基本波増幅器の入力側に注入し、前記2個の基本波増幅器の効率を高めるようにしたものである。
【0012】
さらに、本発明に係わる電力増幅器は、増幅素子を含む2個の基本波増幅器と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの入力端子間に接続された入力側バラン回路と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの出力端子間に接続された出力側バラン回路とでプッシュプル増幅器を構成し、前記出力側バラン回路は基本波信号と偶数次高調波信号とを分波する機能を有し、前記出力側バラン回路に接続されたサーキュレータと、前記サーキュレータに接続され位相と振幅を調整する位相振幅調整回路及び、偶数次高調波信号を増幅する補助増幅器を有する高調波伝達回路とを備え、前記出力側バラン回路で前記2個の基本波増幅器から発生する偶数次高調波信号を基本波信号から分波して得た偶数次高調波信号を、前記サーキュレータを介して前記高調波伝達回路に入力し、前記高調波伝達回路で振幅と位相を調整し、再び前記サーキュレータを介して前記出力側バラン回路から前記2個の基本波増幅器の出力側に注入し、前記2個の基本波増幅器の効率を高めるようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係わる電力増幅器によれば、基本波増幅器から発生した高調波信号を基本波信号経路から分離し、位相、振幅を調整した後に、分波回路又はバラン回路を経由して基本波増幅器に注入することにより、逓倍器を用いることなく高調波信号を発生させることができ、かつ効率的に高調波信号が基本波増幅器に注入できるようになり、その結果として基本波増幅器の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】基本波増幅器への高調波信号注入による効率改善実験を行ったときの回路構成図である。
【図2】図1の実験回路において高調波を注入しない場合の入出力特性図である。
【図3】図1の実験回路におけて高調波を注入した場合の効率改善効果を示す実験特性図である。
【図4】本発明の実施の形態1における電力増幅器を示す回路構成図である。
【図5】本発明の実施の形態2における電力増幅器を示す回路構成図である。
【図6】本発明の実施の形態3における電力増幅器を示す回路構成図である。
【0015】
【図7】本発明の実施の形態4における電力増幅器を示す回路構成図である。
【図8】本発明の実施の形態5における電力増幅器を示す回路構成図である。
【図9】本発明の実施の形態6における電力増幅器を示す回路構成図である。
【図10】本発明の実施の形態7における電力増幅器を示す回路構成図である。
【図11】本発明の実施の形態8における電力増幅器を示す回路構成図である。
【図12】本発明の実施の形態9における電力増幅器を示す回路構成図である。
【図13】本発明の実施の形態10における電力増幅器を示す回路構成図である。
【図14】従来の電力増幅器を示す回路構成図である。
【図15】従来の他の電力増幅器を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
はじめに、電力増幅器に高調波信号を注入することによって効率が改善できることを説明する。
【0017】
図1は、基本波増幅器への高調波信号注入による効率改善実験を行ったときの回路構成
図である。基本波増幅器3の入力側及び出力側には分波回路4a,4bを取り付けている。入力側の分波回路4aには、基本波入力端子1と2倍波注入端子17aと3倍波注入端子18aを備え、出力側の分波回路4bには、基本波出力端子2と2倍波注入端子17bと3倍波注入端子18bを備えた構造となっている。
【0018】
また分波回路4a,4bは、その合成端子5a,5bから入力された信号のうち、基本波信号は基本波端子6a,6bのみに出力し、2倍高調波信号は2倍波端子7a,7bのみに出力し、3倍高調波信号は3倍波端子8a,8bのみに出力されるよう設計されている。また、基本波端子6a,6bから入力された基本波信号、2倍波端子7a,7bから入力された2倍高調波信号、及び3倍波端子8a,8bから入力された3倍高調波信号は、合成端子5a,5bのみに出力されるよう設計されている。
【0019】
その結果、図1の回路において、入力側2倍波注入端子17aから入力された2倍高調波信号、及び入力側3倍波注入端子18aから入力された3倍高調波信号は基本波入力端子1には通過せず、基本波増幅器3にのみ注入される。また、出力側2倍波注入端子17bから入力された2倍高調波信号、及び出力側3倍波注入端子18bから入力された3倍高調波信号は基本波出力端子2には通過せず、基本波増幅器3にのみ注入される。
【0020】
図2は、図1の実験回路を備えた電力増幅器において、2倍波注入端子17a,17bと3倍波注入端子18a,18bを終端し、2倍波注入端子17a,17bと3倍波注入端子18a,18bから信号を入力しない状態において、基本波入力端子1から基本波信号を入力したときのRF特性測定結果を示している。入力電力23dBmにおいて電力付加効率ηaddは54%程度の性能を示している。なお、図2において、
fo:基本波信号の基本周波数で1.5GHz、Pin:入力電力(dBm)、Pout:出力電力(dBm)、Gain:ゲイン(dB)、Id:電流(A)である。
【0021】
【数1】

【0022】
図3は、図1の実験回路を備えた電力増幅器において、基本波入力端子1から基本波信号電力23dBmを入力した状態で、入力側,出力側の2倍波注入端子17a,17b、及び3倍波注入端子18a,18bから、つまり4つの端子から2倍高調波,3倍高調波を個別に注入したときの4とおりの効率改善実験の結果を示している。この結果から、増幅器の入力側,出力側(4とおり)のいずれでも高調波電力(dBm)を注入することによって効率(電力付加効率ηadd%,効率改善量△ηadd%)が上がることがわかる。なお、高周波注入位相は、効率が最大となる位相に調整される。
【0023】
実施の形態1.
図4は、本発明の実施の形態1における電力増幅器を示す回路構成図である。なお、各図中で同一符号は同一又は相当部分を示す。増幅素子を含む基本波増幅器3の出力側と入力側に分波回路4b,分波回路4aがそれぞれ接続されている。出力側の分波回路4bの2倍波端子7bには、2倍波バンドパスフィルタ11と位相調整器12と振幅調整器13とを有する高調波伝達回路15が接続され、高調波伝達回路15の出力端子に分波回路4aの2倍波端子7aが接続されている。
【0024】
以下に動作について説明する。基本波入力端子1から入力された基本波信号は分波回路4aを通過して基本波増幅器3にて増幅され、分波回路4bを通過して基本波出力端子2から出力される。このとき基本波増幅器3では基本波信号を増幅する際に、増幅素子のもつ非線形性のため基本波信号の2倍の周波数をもつ2倍高調波信号が発生する。基本波増幅器3の入力側に発生した2倍高調波信号は分波回路4aで基本波から分波され2倍波端子7aに出力される。基本波増幅器3の出力側に発生した2倍高調波信号は分波回路4bで基本波から分波され2倍波端子7bに出力される。これらの2倍高調波信号は、2倍波バンドパスフィルタ11と位相調整器12と振幅調整器13を有する高調波伝達回路15にて位相振幅を調整したのち出力される。
【0025】
さらに出力された2倍高調波信号は、分波回路4aの2倍波端子7aから分波回路4aに入力され、また、分波回路4bの2倍波端子7bから分波回路4bに入力される。分波回路4aは、2倍波端子7aから入力された2倍高調波信号が基本波端子6aに出力されず合成端子5aにのみ出力されるよう設計されており、また、分波回路4bは、2倍波端子7bから入力された2倍高調波信号が基本波端子6bに出力されず合成端子5bにのみ出力されるよう設計されているため、2倍高調波信号は基本波入力端子1及び基本波出力端子2に抜けることなく基本波増幅器3に注入される。
【0026】
また2倍高調波信号は位相調整器12と振幅調整器13にて、基本波増幅器の効率が最大となるよう、その位相、振幅が調整されている。さらに2倍波バンドパスフィルタ11は、2倍高調波周波数以外の周波数信号を減衰させるので、基本波増幅器3と高調波伝達回路15と分波回路4aと分波回路4bで構成される閉ループ回路において、2倍高調波周波数以外の周波数でのループ利得を低下させ、ループ発振を抑制する機能を持っている。この結果、実施の形態1では、基本波増幅器3から発生した2倍高調波信号は最適な振幅、位相に調整された後に、効率よく基本波増幅器3に注入されることになり、ループ発振を起こすことなく高効率化を図ることが可能となる。なお、実施の形態1の回路構成図及び動作の説明においては、注入する高調波として2倍高調波を例に説明したが、2倍高調波以外の高調波、例えば3倍高調波であっても良い。
【0027】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2における電力増幅器を示す回路構成図である。図4に示された実施の形態1の高調波伝達回路15に補助増幅器14を追加したものである。補助増幅器14は、2倍高調波信号電力を増幅すると共に、方向性を与える機能をもつ。補助増幅器14以外の回路部分の動作及び効果は実施の形態1と同様であるが、実施の形態2では、基本波増幅器3の出力側に発生した2倍高調波信号を出力側の分波回路4bで分波し、さらに高調波伝達回路15及び入力側の分波回路4aを経由して基本波増幅器3の入力側から注入するものである。また、補助増幅器14を追加したことによって、大きな2倍高調波信号電力を基本波増幅器3に注入することが可能となり、より大きな効率改善効果が期待できる。実施の形態2の回路構成図及び動作の説明においては、注入する高調波として2倍高調波を例に説明したが、2倍高調波以外の高調波、例えば3倍高調波であっても良い。
【0028】
実施の形態3.
図6は本発明の実施の形態3における電力増幅器を示す回路構成図である。図5に示した実施の形態2では、基本波増幅器3の出力側に装荷した分波回路4bで高調波信号を分波し、高調波伝達回路15を経由して基本波増幅器3の入力側から注入しているのに対して、実施の形態3では、基本波増幅器3の入力側に装荷した分波回路4aで高調波信号を分波し、高調波伝達回路15を経由し、分波回路4bから基本波増幅器3の出力側に注入するものである。この結果、基本波増幅器3から発生した2倍高調波信号は最適な振幅、位相に調整された後に増幅され、効率よく基本波増幅器3の出力側に注入されることにな
り、ループ発振を起こすことなく高効率化を図ることが可能となる。なお、実施の形態3の回路構成図及び動作の説明においては、注入する高調波として2倍高調波を例に説明したが、2倍高調波以外の高調波、例えば3倍高調波であっても良い。
【0029】
実施の形態4.
図7は本発明の実施の形態4における電力増幅器を示す回路構成図である。基本波増幅器3の入力側に分波回路4aが接続され、分波回路4aの2倍波端子7aにサーキュレータ16が接続される。さらに、サーキュレータ16に、位相調整器12と振幅調整器13と補助増幅器14とを有する高調波伝達回路15が接続されている。基本波入力端子1から入力された基本波信号は分波回路4aを通過して基本波増幅器3にて増幅され基本波出力端子2から出力される。このとき基本波増幅器3では基本波信号を増幅する際に、増幅素子のもつ非線形性のため基本波信号の2倍の周波数をもつ2倍高調波信号も発生する。発生した2倍高調波信号は基本波増幅器3の出力側だけでなく、入力側にも発生する。基本波増幅器3の入力側に出た2倍高調波信号は、分波回路4aで基本波から分離され、2倍波端子7aに出力される。この2倍高調波信号は、サーキュレータ16、位相調整器12、振幅調整器13、補助増幅器14を通過して再びサーキュレータ16に戻り、2倍波端子7aから分波回路4aに入力される。
【0030】
分波回路4aは2倍波端子7aから入力された2倍高調波信号が基本波端子6aに出力されず合成端子5aにのみ出力されるよう設計されているため、2倍高調波信号は、基本波入力端子1に抜けることなく基本波増幅器3に注入される。また2倍高調波信号は、位相調整器12と振幅調整器13と補助増幅器14によって、基本波増幅器3の効率が最大となるよう、その位相、振幅が調整される。この結果、実施の形態4では、基本波増幅器3から発生した2倍高調波信号は最適な振幅、位相に調整され増幅された後に、効率よく基本波増幅器3の入力側に注入されることになり、高効率化を図ることが可能となる。実施の形態4の回路構成図及び動作の説明においては、注入する高調波として2倍高調波を例に説明したが、2倍高調波以外の高調波、例えは3倍高調波であっても良い。
【0031】
実施の形態5.
図8は本発明の実施の形態5における電力増幅器を示す回路構成図である。図8では、図7に示された実施の形態4の分波回路4a、サーキュレータ16、位相調整器12、振幅調整器13、補助増幅器14を基本波増幅器3の出力側に装荷したものである。実施の形態5では、図8において、基本波増幅器3から発生した2倍高調波信号が基本波増幅器3の出力側に装荷した分波回路4bで基本波から分離され、2倍波端子7bに出力される。出力された2倍高調波信号は、サーキュレータ16、位相調整器12、振幅調整器13、補助増幅器14を通過して再びサーキュレータ16に戻り、サーキュレータ16から分波回路4bに入力される。分波回路4bは2倍波端子7bから入力された2倍高調波信号が基本波端子6bに出力されず合成端子5bにのみ出力されるよう設計されているため、2倍高調波信号は、基本波出力端子2に抜けることなく基本波増幅器3に注入される。
【0032】
また、2倍高調波信号は、位相調整器12、振幅調整器13と補助増幅器14によって、基本波増幅器3の効率が最大となるよう、その位相、振幅が調整される。この結果、実施の形態5では、基本波増幅器3から発生した2倍高調波信号は最適な振幅、位相に調整され増幅された後に、効率よく基本波増幅器3の出力側に注入されることになり、高効率化を図ることが可能となる。実施の形態5の回路構成図及び動作の説明においては、注入する高調波として2倍高調波を例に説明したが、2倍高調波以外の高調波、例えば、3倍高調波であっても良い。
【0033】
実施の形態6.
図9は本発明の実施の形態6における電力増幅器を示す回路構成図である。図4に示し
た実施の形態1の分波回路4a,4bをバラン回路9a,9bに置き換え、基本波増幅器3をもう一つ追加することでプシュプル増幅器としたものである。つまり、図9で2個の基本波増幅器3a,3bのそれぞれの入力端子間には入力側バラン回路9aが接続され、前記2個の基本波増幅器3a,3bのそれぞれの出力端子間には出力側バラン回路9bが接続されて、プシュプル電力増幅器が構成される。ここで、入出力側バラン回路9a,9bは基本波増幅器3a,3bで発生する2倍高調波を含む偶数次高調波信号を基本波信号に対して分波する分波回路として機能する。
【0034】
出力側バラン回路9bと入力側バラン回路9aの2倍波端子10b,10a間に2倍波バンドパスフィルタ11と、位相調整器12と、振幅調整器13とを有する高調波伝達回路15を接続する。基本波増幅器3a及び3bからはそれぞれ2倍高調波信号が出力される。基本波増幅器3a及び3bの入力側から発生した2倍高調波信号は、入力側バラン回路9aで足し合わされて、入力側バラン回路9aの2倍波端子10aから出力され、高調波伝達回路15に入力される。一方、基本波増幅器3a及び3bの出力側から発生した2倍高調波信号は、出力側バラン回路9bで足し合わされて、出力側バラン回路9bの2倍波端子10bから出力され、高調波伝達回路15に入力される。
【0035】
これらの2倍高調波信号は、位相及び振幅が調整されたのち、高調波伝達回路15から出力され、2倍波端子10aを介して入力側バラン回路9aに、また、2倍波端子10bを介して出力側バラン回路9bに入力される。入力側バラン回路9aに入力された2倍高調波信号は2分配され、基本波増幅器3a及び3bの入力側から注入され、また、出力側バラン回路9bに入力された2倍高調波信号は2分配され、基本波増幅器3a及び3bの出力側から注入されることによって、高効率化が図られる。また、高調波伝達回路15にて2倍波信号の振幅と位相がそれぞれ最適に調整されることと、2倍波バンドパスフィルタ11によって2倍波信号以外の周波数の電力が減衰し、ループ発振を抑制することは、実施の形態1の場合と同様である。実施の形態6の回路構成図及び動作の説明においては
、注入する高調波として2倍高調波を例に説明したが、帰還する高調波は2倍高調波以外の偶数次高調波、例えば4倍高調波であっても良い。
【0036】
実施の形態7.
図10は本発明の実施の形態7における電力増幅器を示す回路構成図である。図9に示された実施の形態6の高調波伝達回路15に補助増幅器14を追加したものである。補助増幅器14は、2倍高調波信号電力を増幅すると共に、方向性を与える機能をもつ。補助増幅器14以外の回路部分の動作及び効果は実施の形態6と同様であるが、実施の形態7
では、基本波増幅器3a及び3bの出力側に発生した2倍高調波信号を、出力側バラン回路9bで基本波から分波し、さらに高調波伝達回路15で位相、振幅を調整し増幅したのち、入力側バラン回路9aに入力し、そこで2分配され、基本波増幅器3a及び3bの入力側から注入するものである。また、補助増幅器14を追加したことによって、大きな2倍高調波信号電力を基本波増幅器3a及び3bに注入することが可能となり、より大きな効率改善効果が期待できる。実施の形態7の回路構成図及び動作の説明においては、帰還する高調波として2倍高調波を例に説明したが、帰還する高調波は2倍高調波以外の偶数次高調波、例えは4倍高調波であっても良い。
【0037】
実施の形態8.
図11は本発明の実施の形態8における電力増幅器を示す回路構成図である。図10に示した実施の形態7では、基本波増幅器3a,3bの出力側に装荷した出力側バラン回路9bで高調波信号を分波し、高調波伝達回路15を経由して基本波増幅器3a及び3bの入力側から注入しているのに対して、実施の形態8では、基本波増幅器3a及び3bの入力側に装荷した入力側バラン回路9aで高調波信号を分波し、高調波伝達回路15を経由して出力側バラン回路9bで2分配して基本波増幅器3a及び3bの出力側に注入するも
のである。この結果、基本波増幅器3a及び3bから発生した2倍高調波信号は最適な振幅、位相に調整され増幅された後に、効率よく基本波増幅器3a及び3bの出力側に注入されることになり、ループ発振を起こすことなく高効率化を図ることが可能となる。なお、実施の形態8の回路構成図及び動作の説明においては、注入する高調波として2倍高調波を例に説明したが、2倍高調波以外の偶数次高調波、例えは4倍高調波であっても良い。
【0038】
実施の形態9.
図12は本発明の実施の形態9における電力増幅器を示す回路構成図である。プッシュプル増幅器の入力側バラン回路9aの2倍波端子10aにはサーキュレータ16を介して、位相調整器12と振幅調整器13と補助増幅器14とを有する高調波伝達回路15が接続されている。基本波入力端子1から入力された基本波信号はプッシュプル増幅器にて増幅され基本波出力端子2から出力される。このとき基本波増幅器3a及び3bでは基本波信号を増幅する際に、増幅素子のもつ非線形性のため基本波信号の2倍の周波数をもつ2倍高調波信号を発生する。2倍高調波信号は入力側バラン回路9aで基本波信号から分波され2倍波端子10aに出力される。
【0039】
この2倍高調波信号はサーキュレータ16、位相調整器12、振幅調整器13、補助増幅器14を通過して再びサーキュレータ16に戻り、2倍波端子10aを介して入力側バラン回路9aに入力される。入力側バラン回路9aに入力された2倍高調波信号は、そこで2分配され、さらに基本波増幅器3a及び3bの入力側に注入される。また2倍高調波信号は位相調整器12と振幅調整器13と補助増幅器14によって、基本波増幅器3a及び3bの効率が最大となるよう、その位相、振幅が調整される。この結果、実施の形態9では、基本波増幅器3a及び3bから発生した2倍高調波信号は最適な振幅、位相に調整され増幅された後に、効率よく基本波増幅器3a及び3bの入力側に注入されることになり、高効率化を図ることができる。実施の形態9の回路構成図及び動作の説明においては、注入する高調波として2倍高調波を例に説明したが、2倍高調波以外の偶数次高調波、例えば、4倍高調波であっても良い。
【0040】
実施の形態10.
図13は本発明の実施の形態10における電力増幅器を示す回路構成図である。図12に示された実施の形態9との違いは、サーキュレータ16、位相調整器12と振幅調整器13と補助増幅器14とを有する高調波伝達回路15をプッシュプル増幅器の出力側に装荷したものである。この結果、実施の形態10では基本波増幅器3a及び3bから発生した2倍高調波信号をプッシュプル増幅器の出力側に装荷した出力側バラン回路9bから取り出し、サーキュレータ16を介して高調波伝達回路15に入力し、2倍高調波信号の位相と振幅を最適に調整し増幅した後に、再びサーキュレータ16に戻り、2倍波端子10bを介して出力側バラン回路9bに入力され2分配されて、基本波増幅器3a及び3bの出力側から注入することで高効率化を図るものである。実施の形態10の回路構成図及び動作の説明においては、注入する高調波として2倍高調波を例に説明したが、2倍高調波以外の偶数次高調波、例えば4倍高調波であっても良い。
【0041】
以上の説明において、基本波増幅器3は1段増幅器に限らず多段構成の増幅器であってもよく、また、基本波増幅器3は並列に増幅素子を配置した電力合成形増幅器であってもよく、さらに、基本波増幅器3はカスコード接続構成の増幅器であってもよい。また、基本波増幅器3を構成する入力整合回路、または出力整合回路、またはその両方において、注入する高調波周波数においても整合するような特性としても良い。また、高調波伝達回路にサーキュレータ、またはアイソレータを装荷しても良い。また、分波回路又はバラン回路と基本波増幅器3との間に高調波整合回路を設けてもよい。実施例1〜5では、分波回路で分波し、基本波増幅器3に注入する高調波は2次以上の任意の高調波であっても良
い。また実施例6〜10ではバラン回路で分波し、プシュプル増幅器に注入する高調波は、任意の偶数次高調波であってもよい。また、実施例1〜10を組み合わせて構成したものであっても良い。さらに、複数の次数の高調波、例えば2倍高調波と3倍高調波を同時に注入するものであっても良い。
本発明の各種の変形又は変更は、関連する熟練技術者が、本発明の範囲と精神を逸脱しない中で実現可能であり、この明細書に記載された各実施の形態には制限されないことと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0042】
1 基本波入力端子 2 基本波出力端子
3,3a,3b 基本波増幅器 4a,4b 分波回路
5a,5b 合成端子 6a,6b 基本波端子
7a,7b 2倍波端子 8a,8b 3倍波端子
9a,9b バラン回路 10a,10b 2倍波端子
11 2倍波バンドパスフィルタ 12 位相調整器
13 振幅調整器 14 補助増幅器
15 高調波伝達回路 16 サーキュレータ
17a,17b 2倍波注入端子 18a,18b 3倍波注入端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅素子を含む基本波増幅器と、前記基本波増幅器から発生する高調波信号を基本波信号から分波する第1分波回路と、前記第1分波回路から出力された高調波信号を前記基本波増幅器の入力側又は出力側に注入するための高調波伝達回路と、前記高調波伝達回路から出力された高調波信号を前記基本波増幅器に注入する第2分波回路とを備え、高調波信号を前記基本波増幅器に注入し、前記基本波増幅器の効率を高めるようにしたことを特徴とする電力増幅器。
【請求項2】
前記基本波増幅器の入力側及び出力側にそれぞれ接続され、高調波信号を基本波信号から分波する前記第1及び第2分波回路と、
前記第1及び第2分波回路間に接続され、高調波信号以外の周波数の電力を減衰させるバンドパスフィルタと、高調波信号の位相と振幅を調整する位相振幅調整回路とを有する前記高調波伝達回路とを備え、前記基本波増幅器で発生した高調波信号を、前記高調波伝達回路にて位相及び振幅を調整した後、再び前記基本波増幅器に注入するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力増幅器。
【請求項3】
前記第1分波回路は前記基本波増幅器の出力側に接続され、
前記第1分波回路に接続された前記高調波伝達回路は、高調波信号以外の周波数の電力を減衰させるバンドパスフィルタと、高調波信号の位相と振幅を調整する位相振幅調整回路と、高調波信号の電力を増幅する補助増幅器とを有し、
前記高調波伝達回路から出力された高調波信号を、前記基本波増幅器の入力側に接続された前記第2分波回路から前記基本波増幅器の入力側に注入するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力増幅器。
【請求項4】
前記第1分波回路は前記基本波増幅器の入力側に接続され、
前記第1分波回路に接続された前記高調波伝達回路は、高調波信号以外の周波数の電力を減衰させるバンドパスフィルタと、高調波信号の位相と振幅を調整する位相振幅調整回路と、高調波信号の電力を増幅する補助増幅器とを有し、
前記高調波伝達回路から出力された高調波信号を、前記基本波増幅器の出力側に接続された前記第2分波回路から前記基本波増幅器の出力側に注入するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力増幅器。
【請求項5】
増幅素子を含む基本波増幅器と、
前記基本波増幅器の入力側に接続され、前記基本波増幅器から発生する高調波信号を基本波信号から分波する分波回路と、
前記分波回路に接続されたサーキュレータと、
前記サーキュレータに接続され、位相と振幅を調整する位相振幅調整回路及び高調波信号を増幅する補助増幅器を有する高調波伝達回路とを備え、
前記基本波増幅器から発生した高調波信号を、前記分波回路及び前記サーキュレータを介して、前記高調波伝達回路に入力し、前記高調波伝達回路で振幅と位相を調整し、再び前記サーキュレータ及び前記分波回路を介して前記基本波増幅器の入力側から前記基本波増幅器に注入し、前記基本波増幅器の効率を高めるようにしたことを特徴とする電力増幅器。
【請求項6】
増幅素子を含む基本波増幅器と、
前記基本波増幅器の出力側に接続され、前記基本波増幅器から発生する高調波信号を基本波信号から分波する分波回路と、
前記分波回路に接続されたサーキュレータと、
前記サーキュレータに接続され、位相と振幅を調整する位相振幅調整回路及び高調波信号
を増幅する補助増幅器を有する高調波伝達回路とを備え、
前記基本波増幅器から発生した高調波信号を、前記分波回路及び前記サーキュレータを介して、前記高調波伝達回路に入力し、前記高調波伝達回路で振幅と位相を調整し、再び前記サーキュレータ及び前記分波回路を介して前記基本波増幅器の出力側から前記基本波増幅器に注入し、前記基本波増幅器の効率を高めるようにしたことを特徴とする電力増幅器。
【請求項7】
増幅素子を含む2個の基本波増幅器と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの入力端子間に接続された入力側バラン回路と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの出力端子間に接続された出力側バラン回路とでプッシュプル増幅器を構成し、
前記入力側及び出力側バラン回路は基本波信号と偶数次高調波信号とを分波する機能を有し、
前記入力側及び出力側の一方のバラン回路で前記2個の基本波増幅器から発生する偶数次高調波信号を基本波信号から分波して得た偶数次高調波信号を、前記入力側及び出力側の他方のバラン回路から前記2個の基本波増幅器の入力側及び出力側の他方に注入する高調波伝達回路を備え、前記偶数次高調波信号を前記2個の基本波増幅器に注入し、前記2個の基本波増幅器の効率を高めるようにしたことを特徴とする電力増幅器。
【請求項8】
前記高調波伝達回路は、偶数次高調波信号以外の周波数の電力を減衰させるバンドパスフィルタと、偶数次高調波信号の位相と振幅を調整する位相振幅調整回路とを有することを特徴とする請求項7記載の電力増幅器。
【請求項9】
前記高調波伝達回路は、さらに、偶数次高調波信号の電力を増幅する補助増幅器を有することを特徴とする請求項8記載の載の電力増幅器。
【請求項10】
増幅素子を含む2個の基本波増幅器と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの入力端子間に接続された入力側バラン回路と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの出力端子間に接続された出力側バラン回路とでプッシュプル増幅器を構成し、
前記入力側バラン回路は基本波信号と偶数次高調波信号とを分波する機能を有し、
前記入力側バラン回路に接続されたサーキュレータと、
前記サーキュレータに接続され位相と振幅を調整する位相振幅調整回路及び、偶数次高調波信号を増幅する補助増幅器を有する高調波伝達回路とを備え、
前記入力側バラン回路で前記2個の基本波増幅器から発生する偶数次高調波信号を基本波信号から分波して得た偶数次高調波信号を、前記サーキュレータを介して前記高調波伝達回路に入力し、前記高調波伝達回路で振幅と位相を調整し、再び前記サーキュレータを介して前記入力側バラン回路から前記2個の基本波増幅器の入力側に注入し、前記2個の基本波増幅器の効率を高めるようにしたことを特徴とする電力増幅器。
【請求項11】
増幅素子を含む2個の基本波増幅器と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの入力端子間に接続された入力側バラン回路と、前記2個の基本波増幅器のそれぞれの出力端子間に接続された出力側バラン回路とでプッシュプル増幅器を構成し、
前記出力側バラン回路は基本波信号と偶数次高調波信号とを分波する機能を有し、
前記出力側バラン回路に接続されたサーキュレータと、
前記サーキュレータに接続され位相と振幅を調整する位相振幅調整回路及び、偶数次高調波信号を増幅する補助増幅器を有する高調波伝達回路とを備え、
前記出力側バラン回路で前記2個の基本波増幅器から発生する偶数次高調波信号を基本波信号から分波して得た偶数次高調波信号を、前記サーキュレータを介して前記高調波伝達回路に入力し、前記高調波伝達回路で振幅と位相を調整し、再び前記サーキュレータを介して前記出力側バラン回路から前記2個の基本波増幅器の出力側に注入し、前記2個の基本波増幅器の効率を高めるようにしたことを特徴とする電力増幅器。
【請求項12】
前記基本波増幅器として、多段構成の増幅器を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の電力増幅器。
【請求項13】
前記基本波増幅器として、並列に増幅素子を配置した電力合成形増幅器を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の電力増幅器。
【請求項14】
前記基本波増幅器として、カスコード接続された増幅器を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の電力増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−222394(P2012−222394A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82697(P2011−82697)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(504263967)株式会社 Wave Technology (3)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】