説明

電力変換装置、それを備えたモーター駆動制御装置、それを搭載した圧縮機及び送風機、並びに、その圧縮機又は送風機を搭載した空気調和機、冷蔵庫及び冷凍庫

【課題】チョッパー回路を複数系統のブリッジ接続構成とすることによって電流を分散し各素子の電流の容量を小さくすることのできる電力変換装置を得る。
【解決手段】一端がチョッパー回路3の入力正極側であるリアクター4の他端を、ダイオード7aのアノード側とスイッチング素子7dのコレクター側との接続線、ダイオード7bのアノード側とスイッチング素子7eのコレクター側との接続線、及び、ダイオード7cのアノード側とスイッチング素子7fのコレクター側との接続線にそれぞれ接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置、それを備えたモーター駆動制御装置、それを搭載した圧縮機及び送風機、並びに、その圧縮機又は送風機を搭載した空気調和機、冷蔵庫及び冷凍庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、三相交流電源に対応した機器において、三相全波整流方式のコンバーターとして、三相交流電圧を整流する三相整流回路と、リアクターとコンデンサーとからなり三相整流回路の出力電圧をフィルタリングするフィルター回路と、フィルター回路の出力電圧を交流電圧に変換しモーターを駆動するインバーター回路を備えたものが使用されている。
【0003】
また従来の、上記三相全波整流方式のコンバーターに対し、電源の力率を改善する方式として、例えば、「三相交流電圧を整流する三相整流回路と、三相整流回路の出力電圧をチョッピングにより昇圧する昇圧チョッパ回路と、昇圧チョッパ回路の出力信号を平滑する平滑素子と、平滑素子の出力電圧を検出する電圧検出器と、昇圧チョッパ回路の出力電圧に対する電圧指令と電圧検出器の検出出力との偏差を零に抑制し且つ前記三相整流回路の出力に直流電流を流すための直流電流指令を生成する直流電流指令生成回路と、三相整流回路の出力電流を検出する直流電流検出器と、直流電流指令と直流電流検出器の検出出力との偏差を零に抑制するためのパルス信号を生成するパルス信号生成回路とを有し、前記昇圧チョッパ回路は、整流回路の出力電荷を蓄積するリアクトルと、このリアクトルに蓄積された電荷の充放電をパルス信号のパルス幅に応じて制御するスイッチング素子とを備え」たものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2869498号公報(第3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の三相全波整流方式において、電源電流はパルス状となり、電源力率が低いという問題点がある。また、前述の三相全波整流方式のコンバーターにおいては、出力である直流電圧は電源電圧に依存するため、例えば、インバーター及びモーターを負荷とする場合、モーターの高速駆動時における直流電圧不足等の問題点もある。
【0006】
また、特許文献1に記載の発明によれば、昇圧チョッパー回路の出力電圧を一定に制御することで、三相全波整流方式のコンバーターに対し、電源力率を改善する技術が記載されているが、例えば、10kWを超えるような大負荷に対して適用する場合、スイッチング素子及び逆流防止素子に大電流が流れるため、1系統で構成するには汎用の安価な素子を用いることができず、産業用途の素子を用いることになりコストアップを伴うという問題点がある。また、大電流用途の素子は回路基板上に金属板を設けネジ止めにより接続する必要があるため、回路基板への実装が困難であり、実装費の面でコストアップを伴うという問題点もある。
【0007】
また、回路基板上で配線を行う必要があり、大電流の流れる箇所でのパターン配線となるため、実装面積の増加やパターンの複雑化を伴い、コストアップ、回路の大型化を伴い、さらに、配線長も長くなるため、配線インダクタンスによるサージ電圧発生の原因となるという問題点もある。
【0008】
さらに、ディスクリート素子によって複数系統を構成する場合、各素子の温度条件が異なることによる素子特性のバラツキの発生、及び、各素子に流れる電流のアンバランスの発生が起こりやすく、この場合、各素子における損失もアンバランスとなるため、温度条件はさらにばらつき、電流アンバランスを加速させることになるという問題点もある。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、チョッパー回路を複数系統のブリッジ接続構成とすることによって電流を分散し各素子の電流の容量を小さくすることのできる電力変換装置を得ることである。
また、第2の目的は、上記の電力変換装置を備え、チョッパー回路によってインバーター回路へ出力する電圧を昇圧させてインバーター回路の出力電圧不足を解消することのできるモーター駆動制御装置を得ることである。
そして、第3の目的は、上記の電力変換装置を備えることによって、上記の機能を備えた圧縮機、送風機、空気調和機、冷蔵庫及び冷凍庫を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電力変換装置は、交流電圧を整流する整流器と、少なくとも1組のダイオードと該ダイオードのアノード側に一端が接続されたスイッチング素子との直列回路によって構成され、各前記ダイオードのカソード側が互いに接続され(以下、その接続線を「接続線A」という)、各前記スイッチング素子の他端が互いに接続された(以下、その接続線を「接続線B」という)多相ブリッジ回路、及び、前記多相ブリッジ回路における前記ダイオードと前記スイッチング素子との各接続線に一端が接続されたリアクターで構成されたチョッパー回路と、一端が前記接続線Aに、そして、他端が前記接続線Bに接続された平滑コンデンサーと、前記スイッチング素子のON/OFF動作を制御するスイッチング制御手段と、を備え、前記整流器の出力正極側は前記リアクターの他端に接続され、その出力負極側は前記接続線Bに接続され、該スイッチング制御手段は、前記スイッチング素子のON/OFF動作を制御することによって前記チョッパー回路の出力電圧を昇圧させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る電力変換装置によれば、チョッパー回路においてダイオード及びスイッチング素子による複数系統のブリッジ接続構成としているため、電流を分散させることができるので、各素子に必要とされる電流容量は小さくでき、産業用途の素子を使用する必要がなく回路の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるスイッチング制御手段11のブロック構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3の構成図である。
【図4】ブリッジ回路19をディスクリート素子によって構成する場合の構成図の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるモジュール化したブリッジ回路19の構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるリアクター4の電流及びスイッチング素子7d〜7fに印加される駆動パルスの波形を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3aの構成図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置においてチョッパー回路をバイパスする例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置においてチョッパー回路をバイパスする例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3bの構成図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3cの構成図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3dの構成図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3eの構成図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3fの構成図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の連続モードにおけるリアクター4〜6の電流及びスイッチング素子7d〜7fに印加される駆動パルスの波形を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の臨界モードにおけるリアクター4〜6の電流及びスイッチング素子7d〜7fに印加される駆動パルス波形を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の不連続モードにおけるリアクター4〜6の電流及びスイッチング素子7d〜7fに印加される駆動パルス波形を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3gの構成図である。
【図19】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3hの構成図である。
【図20】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3iの構成図である。
【図21】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3jの構成図である。
【図22】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3kの構成図である。
【図23】本発明の実施の形態3に係るモーター駆動制御装置の構成図である。
【図24】本発明の実施の形態4に係る空気調和機の全体構成の例を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態5に係る冷蔵庫の全体構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
(電力変換装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成図である。
図1で示されるように、三相交流電源1から延びる3本の出力線は、整流ダイオード2aのアノード側と整流ダイオード2dのカソード側との接続線、整流ダイオード2bのアノード側と整流ダイオード2eのカソード側との接続線、及び、整流ダイオード2cのアノード側と整流ダイオード2fのカソード側との接続線にそれぞれ接続されている。これらの整流ダイオード2a〜2fによって三相整流器2が構成されている。また、整流ダイオード2a〜2cのカソード側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3の入力正極側に接続されている。また、整流ダイオード2d〜2fのアノード側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3の入力負極側に接続されている。このチョッパー回路3の出力側に対して、並列に平滑コンデンサー8が接続されている。また、前述の整流ダイオード2d〜2fのアノード側及びチョッパー回路3の入力負極側を接続する接続線上には、母線電流検出器9が設置されている。また、前述の平滑コンデンサー8の両端には、出力電圧検出器10が並列接続されている。この母線電流検出器9及び出力電圧検出器10は、スイッチング制御手段11に接続されており、それぞれ、チョッパー回路3の入力電流及び平滑コンデンサー8の両端電圧をスイッチング制御手段11に送信する。また、このスイッチング制御手段11は、後述するチョッパー回路3におけるスイッチング素子のON/OFF制御をするためにチョッパー回路3に接続されている。
【0014】
なお、図1において、母線電流検出器9は、チョッパー回路3の入力負極側の接続線上に設置されているが、これに限られるものではなく、入力正極側の接続線上に設置されるものとしてもよい。
また、三相整流器2における整流ダイオード2a〜2fとして、SiC系のショットキーバリアダイオード等の素子が使用される構成としてもよい。これによって、導通時の抵抗が低いという特徴を活かし、損失低減を図ることができる。
また、三相整流器2は、本発明における「整流器」に相当するものである。
【0015】
(スイッチング制御手段11のブロック構成及び動作)
図2は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるスイッチング制御手段11のブロック構成図である。
図2で示されるように、外部からチョッパー回路3の出力電圧に対する出力電圧指令値を入力する母線電流指令値演算部21の出力側は、オンデューティー演算部22の入力側に接続されている。そのオンデューティー演算部22の出力側は、駆動パルス生成部23の入力側に接続されている。
【0016】
次に、上記のように構成されたスイッチング制御手段11の動作を説明する。
外部からチョッパー回路3の出力電圧に対する出力電圧指令値を入力する母線電流指令値演算部21は、さらに、出力電圧検出器10によって検出されたチョッパー回路3の出力電圧(平滑コンデンサー8の両端電圧)(以下、出力電圧検出値という)を入力し、この出力電圧指令値及び出力電圧検出値に基づいて、母線電流指令値を算出し、この母線電流指令値をオンデューティー演算部22に出力する。次に、この母線電流指令値を入力したオンデューティー演算部22は、さらに、母線電流検出器9によって検出された母線電流(チョッパー回路3の入力電流)(以下、母線電流検出値という)を入力し、この母線電流指令値及び母線電流検出値に基づいて、オンデューティーを算出し、このオンデューティーを駆動パルス生成部23に出力する。ここで、オンデューティーとは、後述するチョッパー回路3におけるスイッチング素子に対するON時間、及び、ON時間とOFF時間との和の比を示すものである。さらに、このオンデューティーを入力した駆動パルス生成部23は、このオンデューティーに基づいて、後述するチョッパー回路3におけるスイッチング素子のON/OFF動作を実施させる駆動パルスを生成する。
【0017】
上記のオンデューティー演算部22によるオンデューティーの演算は、例えば、以下のように実施される。母線電流指令値演算部21は、出力電圧指令値と出力電圧検出値との偏差が0となるように、母線電流指令値を決定する。次に、オンデューティー演算部22は、この母線電流指令値と母線電流検出値との偏差が0となるように、オンデューティーを決定する。
【0018】
(チョッパー回路3の構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3の構成図である。
図3で示されるように、一端がチョッパー回路3の入力正極側であるリアクター4の他端は、ダイオード7aのアノード側とスイッチング素子7dのコレクター側との接続線、ダイオード7bのアノード側とスイッチング素子7eのコレクター側との接続線、及び、ダイオード7cのアノード側とスイッチング素子7fのコレクター側との接続線にそれぞれ接続されている。このスイッチング素子7d〜7fは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。また、ダイオード7a〜7cのカソード側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3の出力正極側を形成している。また、スイッチング素子7d〜7fのエミッター側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3の出力負極側を形成しており、チョッパー回路3におけるこの出力負極側及び入力負極側は共通となっている。すなわち、ダイオード7a〜7c及びスイッチング素子7d〜7fのそれぞれの直列回路を多相ブリッジ接続した構成となっている。以上のような構成によるチョッパー回路3は、昇圧型のチョッパー回路を構成する。また、上記のダイオード7a〜7c及びスイッチング素子7d〜7fによってブリッジ回路19を形成しており、このブリッジ回路19はモジュール化されている。さらに、図示しないが、スイッチング素子7d〜7fのゲート側は、スイッチング制御手段11に接続されており、このスイッチング制御手段11によって、スイッチング素子7d〜7fのON/OFF動作の制御が実施されることによってチョッパー回路3の出力電圧が制御される。
【0019】
上記のような構成のチョッパー回路3を、例えば、10kWを超えるような大容量の負荷に対して適用する場合、このチョッパー回路3が1系統で構成されるものとすると、ダイオード及びスイッチング素子には大電流が流れるので、それぞれ汎用素子を使用することができず、産業用途の素子を使用する必要があるのでコストアップを伴う。また、このような大電流向けの産業用途の素子は、回路基板上に金属板を設け、ネジ止めにより接続する必要があるため、回路基板への実装が困難であり、実装費用の面でもコストアップを伴う。これに対して、本実施の形態に係るチョッパー回路3においては、ダイオード7a〜7c及びスイッチング素子7d〜7fによって3系統のブリッジ接続構成としているため、電流を分散させることができるので、各素子に必要とされる電流容量は小さくでき、産業用途の素子を使用する必要がなく、また、ブリッジ回路19はモジュール化されているので、はんだ付けによる回路基板への実装が可能となるため、実装費用のコストアップを抑制することができる。
【0020】
図4は、ブリッジ回路19をディスクリート素子によって構成する場合の構成図の例を示す図である。
図4で示されるように、ダイオード31a〜31cのアノード側が、それぞれ、スイッチング素子32a〜32cのコレクター側にパターン配線34によって接続されている。また、ダイオード31a〜31cのカソード側は、それぞれ互いにパターン配線34によって接続されている。また、スイッチング素子32a〜32cのエミッター側も、それぞれパターン配線34によって接続されている。さらに、ダイオード31a及びスイッチング素子32a、ダイオード31b及びスイッチング素子32b、及び、ダイオード31c及びスイッチング素子32cのそれぞれの近傍には放熱フィン33が設置されている。
【0021】
このようなディスクリート素子によって複数系統のチョッパー回路を構成する場合には、各素子間の配線は回路基板上で行う必要があり、さらに、チョッパー回路に接続される負荷の容量が大きい場合、パターン配線34には大電流が流れるため、実装面積の増加及びパターンの複雑化により、コストアップ及び回路の大型化を伴う。さらに、配線長も長くなるため、配線インダクタンスによるサージ電圧発生の原因にもなる。
また、ブリッジ回路においてディスクリート素子によって複数系統が構成される場合、各素子の温度条件が異なることによる素子特性のバラツキ発生、及び、パターンの複雑化による各系統の配線インピーダンスのバラツキにより、各素子に流れる電流にはアンバランスが発生しやすい。この場合、各素子におけるエネルギー損失もアンバランスとなるため、温度条件はさらにばらつき、電流アンバランスを加速させることになる。この電流アンバランス発生を考慮すれば、各素子の電流容量又は系統数に余裕を持った選定が必要となるため、素子全体での電流容量は1系統の場合の電流容量よりも多くなり、コストアップ及び回路の大型化を伴う。
さらに、複数の各素子において共通に放熱フィンを設置する場合、実装時に各素子の高さを揃える必要があるため、実装にかかる工数が増加し、実装費用の面でコストアップを伴う。
【0022】
図5は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるモジュール化したブリッジ回路19の構成図である。
モジュール41は、ブリッジ回路19をモジュール化したものであり、ダイオード42a〜42cは、図3におけるダイオード7a〜7cに相当し、また、スイッチング素子43a〜43cは、図3におけるスイッチング素子7d〜7fに相当する。また、モジュール41には、放熱フィン44が設けられている。そして、モジュール41におけるダイオード42a〜42c及びスイッチング素子43a〜43cは、それぞれ金属配線45によって配線され、ブリッジ回路19を形成している。すなわち、この金属配線45は、前述した図4におけるパターン配線34に相当し、このモジュール41の内部で配線されている。
【0023】
以上のように、ブリッジ回路19をモジュール化することによって、実装面積を大幅に縮小でき、コストアップ及び回路の大型化を抑制できる。さらに、配線長も短くなるため、サージ電圧の要因となる配線インダクタンスを低減できる。
また、ブリッジ回路19をモジュール化することによって、はんだ付けによる回路基板への実装が可能となるため、実装費用のコストアップを抑制することができる。
また、モジュール41内部の各素子は、温度条件が等しくなるため、素子特性のバラツキが発生せず、前述したように配線長も短いため各系統の配線インピーダンスのバラツキも発生しない。したがって、電流アンバランスも発生しにくくなるため、各素子の電流容量、系統数、及び、放熱フィンを最適に選定でき、コストアップ及び回路の大型化を抑制できる。
そして、図4において説明したようにディスクリート素子使用時における、放熱フィン取付のための高さ揃え等の工数を減らせるため、コストアップを抑制できる。
【0024】
(電力変換装置の動作)
次に、上記のように構成された本実施の形態に係る電力変換装置の動作について説明する。
まず、図1で示されるように、三相交流電源1からの交流電圧は、三相整流器2によって整流される。その整流された電圧は、チョッパー回路3に入力される。
【0025】
図6は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置におけるリアクター4の電流及びスイッチング素子7d〜7fに印加される駆動パルスの波形を示す図である。
ここで、まず、図3で示されるダイオード7a及びスイッチング素子7dに着目して説明する。前述したチョッパー回路3に入力された電圧によって、リアクター4に電流が流れる。このとき、スイッチング制御手段11によってスイッチング素子7dのゲート側に印加される駆動パルス(以下、駆動パルスaという)によって、スイッチング素子7dのON/OFF動作が制御されるが、スイッチング素子7dがON状態となっている場合、リアクター4に流れる電流(以下、リアクター電流という)は、スイッチング素子7dを流れ、その電流値は直線的に増加する。次に、駆動パルスaによって、スイッチング素子7dがOFF状態となった場合、リアクター電流は、ダイオード7aを流れ、リアクター4には、スイッチング素子7dがON状態のときとは逆極性の電圧が印加され、リアクター電流の電流値は直線的に減少する。以上のようなスイッチング素子7dのON/OFF動作が繰り返され、リアクター電流は上下に変動する波形となる。ここで、上記の動作をエネルギーの観点から説明すると、スイッチング素子7dがON状態である場合には、増加するリアクター電流によってリアクター4にエネルギーが蓄積され、一方、スイッチング素子7dがOFF状態である場合には、リアクター4に蓄積されたエネルギーが出力側に移送され平滑コンデンサー8に蓄積され、チョッパー回路3における直流である出力電圧は、その入力電圧よりも高くなり昇圧される。このとき、スイッチング制御手段11が、オンデューティーを制御することによって、チョッパー回路3の出力電圧の大きさを制御することができる。
【0026】
また、上記のようなダイオード7a及びスイッチング素子7dの動作は、ダイオード7b及びスイッチング素子7e、並びに、ダイオード7c及びスイッチング素子7fにおいても同様の動作が実施される。このとき、スイッチング制御手段11によって印加される駆動パルスのうち、スイッチング素子7eに印加されるものを駆動パルスbとし、そして、スイッチング素子7fに印加されるものを駆動パルスcとすると、スイッチング制御手段11から印加される駆動パルスa〜cによって、スイッチング素子7d〜7fはそれぞれ同時にON動作及びOFF動作する。
なお、上記のように、スイッチング素子7d〜7fをそれぞれ同時にON動作及びOFF動作させるために、スイッチング制御手段11は、駆動パルスa〜cを別個独立に印加させるのではなく、同一信号の駆動パルスを印加するものとしてもよい。
【0027】
なお、上記の動作については、図3で示されるチョッパー回路3の回路構成に基づいて説明したが、これに限られるものではなく、図7で示されるチョッパー回路3aを適用する構成としてもよい。図7で示されるチョッパー回路3aは、図3で示されるチョッパー回路3におけるダイオード7a〜7cがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18a〜18cに置換され、そして、スイッチング素子7d〜7fがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18d〜18fに置換され、これらのスイッチング素子18a〜18fによってブリッジ回路19aが構成されている。さらに、図示しないが、これらのスイッチング素子18a〜18fのゲート側がスイッチング制御手段11に接続された構成となっている。このような構成において、スイッチング制御手段11は、スイッチング素子18a〜18cを常時OFF状態となるように制御することによって、スイッチング素子18a〜18cにおける逆並列接続された還流ダイオードが、チョッパー回路3におけるダイオード7a〜7cと同等の機能を担う。そして、スイッチング制御手段11によって、スイッチング素子18d〜18fがそれぞれチョッパー回路3におけるスイッチング素子7d〜7fと同様にON/OFF動作が制御されることによって、前述したチョッパー回路3と同様にその出力電圧が昇圧される。
上記のブリッジ回路19aとして、例えば、IPM(Inteligent Power Module)のような汎用的に用いられるモジュールを使用することができるため、モジュールを新たに作成する必要がなく、コスト及び開発負荷の低減が可能である。これは、前述のブリッジ回路19について適用することもできる。
【0028】
なお、ブリッジ回路19及びブリッジ回路19aは、本発明における「多相ブリッジ回路」に相当するものである。
【0029】
(実施の形態1の効果)
以上のような構成及び動作のように、チョッパー回路3においてはダイオード7a〜7c及びスイッチング素子7d〜7f、又は、チョッパー回路3aにおいてはスイッチング素子18a〜18fによって3系統のブリッジ接続構成としているため、電流を分散させることができるので、各素子に必要とされる電流容量は小さくでき、産業用途の素子を使用する必要がなく、また、ブリッジ回路19及びブリッジ回路19aはモジュール化されているので、回路の大型化を抑制し、はんだ付けによる回路基板への実装が可能となるため、実装費用のコストアップを抑制することができる。
また、配線長も短くなるため、サージ電圧の要因となる配線インダクタンスを低減できる。
また、モジュール41内部の各素子は、温度条件が等しくなるため、素子特性のバラツキが発生せず、前述したように配線長も短いため各系統の配線インピーダンスのバラツキも発生しない。したがって、電流アンバランスも発生しにくくなるため、各素子の電流容量、系統数、及び、放熱フィンを最適に選定でき、コストアップ及び回路の大型化を抑制できる。
さらに、上記のブリッジ回路19又はブリッジ回路19aとして、例えば、IPM(Inteligent Power Module)のような汎用的に用いられるモジュールを使用することができるため、モジュールを新たに作成する必要がなく、コスト及び開発負荷の低減が可能である。
【0030】
なお、負荷によってチョッパー回路による昇圧動作を実施させる必要がない場合、すなわち、スイッチング制御手段11によって、図3のチョッパー回路3におけるスイッチング素子7d〜7fがOFF状態とされ、又は、図7のチョッパー回路3aにおけるスイッチング素子18d〜18fがOFF状態とされる場合においても、リアクター4、及び、ダイオード7a〜7c又はスイッチング素子18a〜18cの逆並列接続した還流ダイオードは、電流経路となっているため、リアクター4においてはその抵抗成分による銅損、ダイオード7a〜7c及びスイッチング素子18a〜18cの逆並列接続した還流ダイオードにおいては、導通時の順電圧降下による導通損失が発生する。そこで、図8で示されるように、新たにチョッパー回路3又チョッパー回路3aと並列に逆流防止素子16を接続する構成としてもよい。この場合、電流経路の素子点数を減らすことができ、損失低減が可能となる。
【0031】
また、図9で示されるように、図8における逆流防止素子16の代わりに、例えば、リレーのような開閉素子17を接続しても、同様に、チョッパー回路3又はチョッパー回路3aにおける損失低減が可能となる。このとき、開閉素子17の開閉動作は、スイッチング制御手段11によって制御されるものとすればよい。さらに、この構成においては、スイッチング制御手段11によって開閉素子17、及び、直流電圧上昇時にスイッチング素子7d〜7f又はスイッチング素子18d〜18fをON状態とされても電流経路を形成でき、直流電圧上昇による素子破壊を防止することも可能となる。
【0032】
また、ブリッジ回路19のスイッチング素子7d〜7f、又は、ブリッジ回路19aのスイッチング素子18a〜18fとして、SiC系半導体又はスーパージャンクション構造のスイッチング素子を使用するものとしてもよい。これによって、従来用いられているSi系スイッチング素子を使用した場合に比べ、損失低減を図ることができる。特にスーパージャンクション構造のスイッチング素子はリカバリが大きいことが問題となるが、本実施の形態のようなチョッパー回路3又はチョッパー回路3aの構成では、リカバリが小さいため、スーパージャンクション構造のスイッチング素子に向いた用途であり、その特徴をより活かし、損失低減の効果を高めることが可能となる。
【0033】
また、本実施の形態に係るチョッパー回路として図3及び図7で示される昇圧型のチョッパー回路の場合について説明したが、これに限られるものではなく、図10で示されるような降圧型のチョッパー回路3bによってチョッパー回路3又はチョッパー回路3aが置換される構成としてもよい。図10で示されるように、スイッチング素子7d〜7fのコレクター側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3bの入力正極側を形成している。また、このスイッチング素子7d〜7fのエミッター側はそれぞれダイオード7a〜7cのカソード側に接続されている。また、このダイオード7a〜7cのアノード側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3bの出力負極側を形成しており、チョッパー回路3bにおけるこの出力負極側及び入力負極側は共通となっている。そして、スイッチング素子7dのエミッター側とダイオード7aのカソード側との接続線、スイッチング素子7eのエミッター側とダイオード7bのカソード側との接続線、及び、スイッチング素子7fのエミッター側とダイオード7cのカソード側との接続線は、それぞれリアクター4の一端に接続されており、その他端はチョッパー回路3bの出力正極側を形成している。以上のような構成によるチョッパー回路3bは、降圧型のチョッパー回路を構成する。また、上記のスイッチング素子7d〜7f及びダイオード7a〜7cによってブリッジ回路19bを形成しており、このブリッジ回路19bはモジュール化されている。さらに、図示しないが、スイッチング素子7d〜7fのゲート側は、スイッチング制御手段11に接続されるものとし、このスイッチング制御手段11によって、スイッチング素子7d〜7fのON/OFF動作の制御が実施されることによってチョッパー回路3bの出力電圧が制御されるものとするればよい。スイッチング素子7d〜7fは、スイッチング制御手段11によってそれぞれ同時にON動作及びOFF動作される。
なお、上記のように、スイッチング素子7d〜7fをそれぞれ同時にON動作及びOFF動作させるために、スイッチング制御手段11は、スイッチング素子7d〜7fに駆動パルスを別個独立に印加させるのではなく、同一信号の駆動パルスを印加するものとしてもよい。
【0034】
以上の図10で示されるようなチョッパー回路3bを適用することによって、スイッチング素子7d〜7f及びダイオード7a〜7cによって3系統のブリッジ接続構成としているため、電流を分散させることができるので、各素子に必要とされる電流容量は小さくでき、産業用途の素子を使用する必要がなく、また、ブリッジ回路19bはモジュール化されているので、小型化が可能であり、はんだ付けによる回路基板への実装が可能となるため、実装費用のコストアップを抑制することができるのは、図3及び図7で示される昇圧型のチョッパー回路を適用する場合と同様である。
また、例えば、チョッパー回路3bの負荷としてモーターを接続した場合におけるモーターの低速駆動時等、負荷の小さい場合の効率改善を図ることが可能である。
【0035】
また、上記の図10で示される降圧型のチョッパー回路3bに代えて、図11で示されるチョッパー回路3cを適用する構成としてもよい。図11で示されるチョッパー回路3cは、図10で示されるチョッパー回路3bにおけるダイオード7a〜7cがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18d〜18fに置換され、そして、スイッチング素子7d〜7fがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18a〜18cに置換され、これらのスイッチング素子18a〜18fによってブリッジ回路19cが構成されている。さらに、図示しないが、これらのスイッチング素子18a〜18fのゲート側がスイッチング制御手段11に接続された構成となっている。このような構成において、スイッチング制御手段11は、スイッチング素子18d〜18fを常時OFF状態となるように制御することによって、スイッチング素子18d〜18fにおける逆並列接続された還流ダイオードが、チョッパー回路3bにおけるダイオード7a〜7cと同等の機能を担う。そして、スイッチング制御手段11によって、スイッチング素子18a〜18cがそれぞれチョッパー回路3bにおけるスイッチング素子7d〜7fと同様のON/OFF動作が制御されることによって、前述したチョッパー回路3bと同様にその出力電圧が降圧される。
【0036】
また、本実施の形態に係るチョッパー回路として、図12で示されるような昇降圧型のチョッパー回路3dを適用する構成としてもよい。図12で示されるように、スイッチング素子7d〜7fのコレクター側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3dの入力正極側を形成している。また、このスイッチング素子7d〜7fのエミッター側はそれぞれダイオード7a〜7cのカソード側に接続されている。また、このダイオード7a〜7cのアノード側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3dの出力正極側を形成している。そして、スイッチング素子7dのエミッター側とダイオード7aのカソード側との接続線、スイッチング素子7eのエミッター側とダイオード7bのカソード側との接続線、及び、スイッチング素子7fのエミッター側とダイオード7cのカソード側との接続線は、それぞれリアクター4の一端に接続されており、その他端はチョッパー回路3dの出力負極側を形成しており、チョッパー回路3dにおけるこの出力負極側及び入力負極側は共通となっている。以上のような構成によるチョッパー回路3dは、昇降圧型のチョッパー回路を構成する。また、上記のスイッチング素子7d〜7f及びダイオード7a〜7cによってブリッジ回路19dを形成しており、このブリッジ回路19dはモジュール化されている。さらに、図示しないが、スイッチング素子7d〜7fのゲート側は、スイッチング制御手段11に接続されるものとし、このスイッチング制御手段11によって、スイッチング素子7d〜7fのON/OFF動作の制御が実施されることによってチョッパー回路3dの出力電圧が制御されるものとすればよい。スイッチング素子7d〜7fは、スイッチング制御手段11によってそれぞれ同時にON動作及びOFF動作される。なお、上記のように、スイッチング素子7d〜7fをそれぞれ同時にON動作及びOFF動作させるために、スイッチング制御手段11は、スイッチング素子7d〜スイッチング素子7fに駆動パルスを別個独立に印加させるのではなく、同一信号の駆動パルスを印加するものとしてもよい。
【0037】
以上の図12で示されるようなチョッパー回路3dを適用することによって、スイッチング素子7d〜7f及びダイオード7a〜7cによって3系統のブリッジ接続構成としているため、電流を分散させることができるので、各素子に必要とされる電流容量は小さくでき、産業用途の素子を使用する必要がなく、また、ブリッジ回路19dはモジュール化されているので、小型化が可能であり、はんだ付けによる回路基板への実装が可能となるため、実装費用のコストアップを抑制することができるのは、図3及び図7で示される昇圧型のチョッパー回路を適用する場合と同様である。
また、図12で示される構成では、任意に昇圧及び降圧を可能とできるため、前述の昇圧又は降圧による効果を得られることは言うまでもない。
【0038】
また、上記の図12で示される降圧型のチョッパー回路3dに代えて、図13で示されるチョッパー回路3eを適用する構成としてもよい。図13で示されるチョッパー回路3eは、図12で示されるチョッパー回路3dにおけるスイッチング素子7d〜7fがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18a〜18cに置換され、そして、ダイオード7a〜7cがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18d〜18fに置換され、これらのスイッチング素子18a〜18fによってブリッジ回路19eが構成されている。さらに、図示しないが、これらのスイッチング素子18a〜18fのゲート側がスイッチング制御手段11に接続された構成となっている。このような構成において、スイッチング制御手段11は、スイッチング素子18d〜18fを常時OFF状態となるように制御することによって、スイッチング素子18d〜18fにおける逆並列接続された還流ダイオードが、チョッパー回路3dにおけるダイオード7a〜7cと同等の機能を担う。そして、スイッチング制御手段11によって、スイッチング素子18a〜18cがそれぞれチョッパー回路3dにおけるスイッチング素子7d〜7fと同様のON/OFF動作が制御されることによって、前述したチョッパー回路3dと同様にその出力電圧が昇圧又は降圧される。
【0039】
さらに、例えば、三相交流電源1及び三相整流器2は、単相又は四相等、相数が異なる場合にも同様の効果が得られることは言うまでもなく、例えば、スイッチング素子を4個備える二相のブリッジ回路構成で用いてもよく、この場合も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0040】
また、上記のブリッジ回路19b〜19eは、本発明における「多相ブリッジ回路」に相当するものである。
【0041】
実施の形態2.
本実施の形態に係る電力変換装置については、前述の実施の形態1に係る電力変換装置と相違する点を中心に説明する。
【0042】
本実施の形態に係る電力変換装置の全体構成、並びに、スイッチング制御手段11のブロック構成及び動作については、前述の実施の形態1と同様である。
【0043】
(チョッパー回路3fの構成)
図14は、本発明の実施の形態2に係る電力変換装置におけるチョッパー回路3fの構成図である。
図14で示されるように、リアクター4〜6の一端はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3fの入力正極側を形成している。また、ダイオード7aのアノード側とスイッチング素子7dのコレクター側との接続線は、リアクター4の他端に接続されている。同様に、ダイオード7bのアノード側とスイッチング素子7eのコレクター側との接続線は、リアクター5の他端に接続されており、また、ダイオード7cのアノード側とスイッチング素子7fのコレクター側との接続線は、リアクター6の他端に接続されている。また、ダイオード7a〜7cのカソード側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3fの出力正極側を形成している。また、スイッチング素子7d〜7fのエミッター側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3fの出力負極側を形成しており、チョッパー回路3fにおけるこの出力負極側及び入力負極側は共通となっている。すなわち、ダイオード7a〜7c及びスイッチング素子7d〜7fのそれぞれの直列回路を多相ブリッジ接続した構成となっている。以上のような構成によるチョッパー回路3fは、昇圧型のチョッパー回路を構成する。また、上記のダイオード7a〜7c及びスイッチング素子7d〜7fによってブリッジ回路19fを形成しており、このブリッジ回路19fはモジュール化されている。さらに、図示しないが、スイッチング素子7d〜7fのゲート側は、スイッチング制御手段11に接続されており、このスイッチング制御手段11によって、スイッチング素子7d〜7fのON/OFF動作の制御が実施されることによってチョッパー回路3fの出力電圧が制御される。
【0044】
上記のような構成のチョッパー回路3fを、例えば、10kWを超えるような大容量の負荷に対して適用する場合、このチョッパー回路3fが1系統で構成されるものとすると、ダイオード、スイッチング素子及びリアクターには大電流が流れるので、それぞれ汎用素子を使用することができず、産業用途の素子を使用する必要があるのでコストアップを伴う。また、このような大電流向けの産業用途の素子は、回路基板上に金属板を設け、ネジ止めにより接続する必要があるため、回路基板への実装が困難であり、実装費用の面でもコストアップを伴う。これに対して、本実施の形態に係るチョッパー回路3fにおいては、ダイオード7a〜7c、スイッチング素子7d〜7f及びリアクター4〜6によって3系統のブリッジ接続構成としているため、電流を分散させることができるので、各素子に必要とされる電流容量は小さくでき、産業用途の素子を使用する必要がなく、また、ブリッジ回路19fはモジュール化されているので、はんだ付けによる回路基板への実装が可能となるため、実装費用のコストアップを抑制することができる。
【0045】
なお、本実施の形態に係るチョッパー回路3fにおけるブリッジ回路19fは、実施の形態1における図5で示されるようなモジュール化された構成となるようにしてもよい。このような構成とすることで、図5で示されるモジュール化されたブリッジ回路19と同様の効果を得ることができるのは言うまでもない。
また、リアクター4〜6が各相アームにそれぞれ設けられるため、リアクター1個当たりに流れる電流が小さく、小さい電流容量のもので実現することができ、大電流での製造に向かない巻線仕様や、コア材を使用することが可能となる。例えば、本実施の形態ではブリッジ回路19fでのスイッチングが実施されるため、この周波数成分はリアクターに流れる電流にも含まれる。一般に、高周波電流は、表皮効果により、導体の外側にのみ流れるため、導体の交流抵抗が増加し、銅損が増加するが、リッツ線等の巻線を使用すると、表皮効果による交流抵抗の増加を抑制できる。このリッツ線は細線の撚り線であるため、大電流向けの製造が困難であるが、本実施の形態では、リアクター1個当たりの電流容量を小さくすることができるため、リッツ線を適用することができ、リアクターにおける損失を低減し、回路効率を改善することが可能となる。
【0046】
(電力変換装置の動作)
次に、上記のように構成された本実施の形態に係る電力変換装置の動作について説明する。
まず、図1で示されるように、三相交流電源1からの交流電圧は、三相整流器2によって整流される。その整流された電圧は、チョッパー回路3に入力される。
【0047】
図15は、本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の連続モードにおけるリアクター4〜6の電流及びスイッチング素子7d〜7fに印加される駆動パルスの波形を示す図である。
ここで、まず、図14で示されるダイオード7a、スイッチング素子7d及びリアクター4に着目して説明する。前述したチョッパー回路3fに入力された電圧によって、リアクター4に電流が流れる。このとき、スイッチング制御手段11によってスイッチング素子7dのゲート側に駆動パルスaが印加され、スイッチング素子7dのON/OFF動作が制御されるが、スイッチング素子7dがON状態となっている場合、リアクター4に流れる電流(以下、リアクター電流Aという)は、スイッチング素子7dを流れ、その電流値は直線的に増加する。次に、駆動パルスaによって、スイッチング素子7dがOFF状態となった場合、リアクター電流Aは、ダイオード7aを流れ、リアクター4には、スイッチング素子7dがON状態のときとは逆極性の電圧が印加され、リアクター電流Aの電流値は直線的に減少する。以上のようなスイッチング素子7dのON/OFF動作が繰り返され、リアクター電流Aは上下に変動する波形となる。ここで、上記の動作をエネルギーの観点から説明すると、スイッチング素子7dがON状態である場合には、増加するリアクター電流Aによってリアクター4にエネルギーが蓄積され、一方、スイッチング素子7dがOFF状態である場合には、リアクター4に蓄積されたエネルギーが出力側に移送され平滑コンデンサー8に蓄積され、チョッパー回路3fにおける直流である出力電圧は、その入力電圧よりも高くなり昇圧される。このとき、スイッチング制御手段11が、オンデューティーを制御することによって、チョッパー回路3fの出力電圧の大きさを制御することができる。
【0048】
また、上記のようなダイオード7a、スイッチング素子7d及びリアクター4の動作は、ダイオード7b、スイッチング素子7e及びリアクター5、並びに、ダイオード7c、スイッチング素子7f及びリアクター6においても同様の動作が実施される。このとき、リアクター5に流れる電流をリアクター電流B、そして、リアクター6に流れる電流をリアクター電流Cとする。また、前述のように、スイッチング制御手段11によって印加される駆動パルスのうち、スイッチング素子7eに印加されるものを駆動パルスbとし、そして、スイッチング素子7fに印加されるものを駆動パルスcとすると、図15で示されるように、スイッチング制御手段11から印加される駆動パルスa〜cは、それぞれ、周波数が同一であり、ON/OFF動作のタイミングをずらして制御される。
【0049】
以上のような動作とすることによって、チョッパー回路3fの入力電流は、リアクター4〜6にそれぞれ流れるリアクター電流A〜Cの加算となるため、入力電流に含まれるスイッチング動作に起因する周波数成分は高周波化し、リップルが小さくなるため、低ノイズ化を図ることができる。
また、前述のスイッチング動作のタイミングのずれは、例えば、それぞれの駆動パルスが120度の位相差となるようにすれば、スイッチング動作に起因する周波数成分は3倍の周波数となり、リップルは最小とすることができる。
また、スイッチング素子7d〜7fのスイッチング周波数を低周波化しても、実施の形態1に係るチョッパー回路3の入力電流すなわちリアクター電流におけるスイッチング動作に起因する周波数成分と同等とすることができる。これを利用すれば、入力電流におけるスイッチング動作に起因する周波数成分を増加させることなく、スイッチング素子7d〜7fのスイッチング周波数を低周波化することができる。この場合、スイッチング素子7d〜7fにおけるスイッチング回数を低減できるため、スイッチング素子7d〜7fにおけるスイッチング損失を低減し、高効率化が図れる。
【0050】
なお、上記のチョッパー回路3fの動作において、スイッチング制御手段11から印加される駆動パルスa〜cは、それぞれ、周波数を同一として、スイッチング素子7d〜7fのON/OFF動作のタイミングをずらして制御するものとしたが、これに限られるものではなく、同時にON/OFF動作させるものとしてもよいのは言うまでもない。
【0051】
図16は本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の臨界モード(後述)におけるリアクター4〜6の電流及びスイッチング素子7d〜7fに印加される駆動パルス波形を示す図であり、図17はその電力変換装置の不連続モード(後述)におけるリアクター4〜6の電流及びスイッチング素子7d〜7fに印加される駆動パルス波形を示す図である。
ここで、リアクター4〜6において流れる電流が減少しても0とならない動作状態、すなわち、前述の図15で示される動作状態を連続モードと呼ぶものとする。一方、リアクター4〜6に流れる電流が減少して0となる区間が存在する動作状態、すなわち、図16で示される動作状態を不連続モードと呼ぶものとする。また、スイッチング素子7d〜7fがOFF状態の時にリアクター4〜6に流れる電流が減少して0になった瞬間に、スイッチング素子7d〜7fがON状態となる動作状態、すなわち、図17で示される動作状態を、連続モードと不連続モードの境界という意味で臨界モードと呼ぶものとする。
【0052】
前述した実施の形態1においては、スイッチング素子7d〜7fをそれぞれ同時にON動作及びOFF動作させる場合、入力電流はリアクター電流と同一となるため、特に大電流で扱われる用途では、このリアクター電流が、図17で示されるような臨界モード、又は、図18で示されるような不連続モードによって制御されると、入力電流に含まれる高調波成分が増加してしまうことになり、図6で示されるような連続モードによって制御されるのが好ましい。
一方、本実施の形態においては、スイッチング素子7d〜7fのそれぞれのON/OFF動作のタイミングをずらして制御するので、入力電流はリアクター電流A〜Cの加算となるため、図16で示される臨界モード又は図17で示される不連続モードによって制御されても、入力電流としては、図15で示される連続モードにおけるリアクター電流A〜Cのように電流が0とならない波形となるため、高調波成分を低減することができる。また、臨界モード又は不連続モードの場合、リアクター4〜6に必要とされるインダクタンス値を、連続モードの場合と比較して、小さくしてもよいため、リアクター4〜6を小型化できる。
【0053】
なお、上記の動作については、図14で示されるチョッパー回路3fの回路構成に基づいて説明したが、これに限られるものではなく、図18で示されるチョッパー回路3gを適用する構成としてもよい。図18で示されるチョッパー回路3gは、図14で示されるチョッパー回路3fにおけるダイオード7a〜7cがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18a〜18cに置換され、そして、スイッチング素子7d〜7fがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18d〜18fに置換され、これらのスイッチング素子18a〜18fによってブリッジ回路19gが構成されている。さらに、図示しないが、これらのスイッチング素子18a〜18fのゲート側がスイッチング制御手段11に接続された構成となっている。このような構成において、スイッチング制御手段11は、スイッチング素子18a〜18cを常時OFF状態となるように制御することによって、スイッチング素子18a〜18cにおける逆並列接続された還流ダイオードが、チョッパー回路3fにおけるダイオード7a〜7cと同等の機能を担う。そして、スイッチング制御手段11によって、スイッチング素子18d〜18fがそれぞれチョッパー回路3fにおけるスイッチング素子7d〜7fと同様にON/OFF動作が制御されることによって、前述したチョッパー回路3fと同様にその出力電圧が昇圧される。
上記のブリッジ回路19gとして、例えば、IPM(Inteligent Power Module)のような汎用的に用いられるモジュールを使用することができるため、モジュールを新たに作成する必要がなく、コスト及び開発負荷の低減が可能である。これは、前述のブリッジ回路19fについて適用することもできる。
【0054】
なお、ブリッジ回路19f及びブリッジ回路19gは、本発明における「多相ブリッジ回路」に相当するものである。
【0055】
(実施の形態2の効果)
以上のような構成及び動作のように、チョッパー回路3fにおいてはダイオード7a〜7c、スイッチング素子7d〜7f及びリアクター4〜6、又は、チョッパー回路3gにおいてはスイッチング素子18a〜18f及びリアクター4〜6によって3系統のブリッジ接続構成としているため、電流を分散させることができるので、各素子に必要とされる電流容量は小さくでき、産業用途の素子を使用する必要がなく、また、ブリッジ回路19f及びブリッジ回路19gはモジュール化されているので、はんだ付けによる回路基板への実装が可能となるため、実装費用のコストアップを抑制することができる。
また、チョッパー回路3f及びチョッパー回路3gの入力電流は、リアクター4〜6にそれぞれ流れるリアクター電流A〜Cの加算となるため、入力電流に含まれるスイッチング動作に起因する周波数成分は高周波化し、リップルが小さくなるため、低ノイズ化を図ることができる。
また、ブリッジ回路19fにおけるスイッチング素子7d〜7f又はブリッジ回路19gにおけるスイッチング素子18d〜18fのスイッチング動作のタイミングのずれは、例えば、それぞれの駆動パルスが120度の位相差となるようにすれば、スイッチング動作に起因する周波数成分は3倍の周波数となり、リップルは最小とすることができる。
また、ブリッジ回路19fにおけるスイッチング素子7d〜7f又はブリッジ回路19gにおけるスイッチング素子18d〜18fのスイッチング周波数を低周波化しても、実施の形態1に係るチョッパー回路3の入力電流すなわちリアクター電流におけるスイッチング動作に起因する周波数成分と同等とすることができる。これを利用すれば、入力電流におけるスイッチング動作に起因する周波数成分を増加させることなく、スイッチング素子7d〜7f又はスイッチング素子18d〜18fのスイッチング周波数を低周波化することができる。この場合、スイッチング素子7d〜7f又はスイッチング素子18d〜18fにおけるスイッチング回数を低減できるため、スイッチング素子7d〜7f又はスイッチング素子18d〜18fにおけるスイッチング損失を低減し、高効率化が図れる。
また、本実施の形態に係るチョッパー回路3fにおけるブリッジ回路19f、又は、チョッパー回路3gにおけるブリッジ回路19gは、実施の形態1における図5で示されるようなモジュール化された構成とすることで、モジュール化されたブリッジ回路19と同様の効果を得ることができるのは言うまでもない。
また、リアクター4〜6が各相アームにそれぞれ設けられるため、リアクター1個当たりに流れる電流が小さく、小さい電流容量のもので実現することができ、大電流での製造に向かない巻線仕様や、コア材を使用することが可能となる。
また、本実施の形態のように、スイッチング素子7d〜7f又はスイッチング素子18d〜18fのそれぞれのON/OFF動作のタイミングをずらして制御する場合、入力電流はリアクター電流A〜Cの加算となるため、図16で示される臨界モード又は図17で示される不連続モードによって制御されても、入力電流としては、図15で示される連続モードにおけるリアクター電流A〜Cのように電流が0とならない波形となるため、高調波成分を低減することができる。
また、臨界モード又は不連続モードの場合、リアクター4〜6に必要とされるインダクタンス値を、連続モードの場合と比較して、小さくてもよいため、リアクター4〜6を小型化できる。
さらに、ブリッジ回路19f及びブリッジ回路19gとして、例えば、IPM(Inteligent Power Module)のような汎用的に用いられるモジュールを使用することができるため、モジュールを新たに作成する必要がなく、コスト及び開発負荷の低減が可能である。
【0056】
なお、本実施の形態に係るチョッパー回路として図14及び図18で示される昇圧型のチョッパー回路の場合について説明したが、これに限られるものではなく、図19で示されるような降圧型のチョッパー回路3hによってチョッパー回路3f又はチョッパー回路3gが置換される構成としてもよい。図19で示されるように、スイッチング素子7d〜7fのコレクター側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3hの入力正極側を形成している。また、このスイッチング素子7d〜7fのエミッター側はそれぞれダイオード7a〜7cのカソード側に接続されている。また、このダイオード7a〜7cのアノード側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3bの出力負極側を形成しており、チョッパー回路3におけるこの出力負極側及び入力負極側は共通となっている。そして、スイッチング素子7dのエミッター側とダイオード7aのカソード側との接続線は、リアクター4の一端に接続されている。同様に、スイッチング素子7eのエミッター側とダイオード7bのカソード側との接続線は、リアクター5の一端に接続されており、また、スイッチング素子7fのエミッター側とダイオード7cのカソード側との接続線は、リアクター6の一端に接続されている。また、リアクター4〜6のそれぞれの他端は互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3hの出力正極側を形成している。以上のような構成によるチョッパー回路3hは、降圧型のチョッパー回路を構成する。また、上記のスイッチング素子7d〜7f及びダイオード7a〜7cによってブリッジ回路19hを形成しており、このブリッジ回路19hはモジュール化されている。さらに、図示しないが、スイッチング素子7d〜7fのゲート側は、スイッチング制御手段11に接続されるものとし、このスイッチング制御手段11によって、スイッチング素子7d〜7fのON/OFF動作の制御が実施されることによってチョッパー回路3hの出力電圧が制御されるものとすればよい。スイッチング素子7d〜7fは、スイッチング制御手段11によって、周波数を同一として、ON/OFF動作のタイミングをずらして制御される。
なお、上記のように、スイッチング制御手段11によって、周波数を同一として、スイッチング素子7d〜7fのON/OFF動作のタイミングをずらして制御するものとしたが、これに限られるものではなく、同時にON動作及びOFF動作させる動作としてもよいのは言うまでもない。
【0057】
以上の図19で示されるようなチョッパー回路3hを適用することによって、スイッチング素子7d〜7f、ダイオード7a〜7c及びリアクター4〜6によって3系統のブリッジ接続構成としているため、電流を分散させることができるので、各素子に必要とされる電流容量は小さくでき、産業用途の素子を使用する必要がなく、また、ブリッジ回路19hはモジュール化されているので、小型化が可能であり、はんだ付けによる回路基板への実装が可能となるため、実装費用のコストアップを抑制することができるのは、図14及び図18で示される昇圧型のチョッパー回路を適用する場合と同様である。
また、例えば、チョッパー回路3hの負荷としてモーターを接続した場合におけるモーターの低速駆動時等、負荷の小さい場合の効率改善を図ることが可能である。
【0058】
また、上記の図19で示される降圧型のチョッパー回路3hに代えて、図20で示されるチョッパー回路3iを適用する構成としてもよい。図20で示されるチョッパー回路3iは、図19で示されるチョッパー回路3hにおけるダイオード7a〜7cがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18d〜18fに置換され、そして、スイッチング素子7d〜7fがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18a〜18cに置換され、これらのスイッチング素子18a〜18fによってブリッジ回路19iが構成されている。さらに、図示しないが、これらのスイッチング素子18a〜18fのゲート側がスイッチング制御手段11に接続された構成となっている。このような構成において、スイッチング制御手段11は、スイッチング素子18d〜18fを常時OFF状態となるように制御することによって、スイッチング素子18d〜18fにおける逆並列接続された還流ダイオードが、チョッパー回路3hにおけるダイオード7a〜7cと同等の機能を担う。そして、スイッチング制御手段11によって、スイッチング素子18a〜18cがそれぞれチョッパー回路3hにおけるスイッチング素子7d〜7fと同様のON/OFF動作が制御されることによって、前述したチョッパー回路3hと同様にその出力電圧が降圧される。
【0059】
また、本実施の形態に係るチョッパー回路として、図21で示されるような昇降圧型のチョッパー回路3jを適用する構成としてもよい。図21で示されるように、スイッチング素子7d〜7fのコレクター側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3jの入力正極側を形成している。また、このスイッチング素子7d〜7fのエミッター側はそれぞれダイオード7a〜7cのカソード側に接続されている。また、このダイオード7a〜7cのアノード側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3jの出力正極側を形成している。そして、スイッチング素子7dのエミッター側とダイオード7aのカソード側との接続線は、リアクター4の一端に接続されている。同様に、スイッチング素子7eのエミッター側とダイオード7bのカソード側との接続線は、リアクター5の一端に接続されており、また、スイッチング素子7fのエミッター側とダイオード7cのカソード側との接続線は、リアクター6の一端に接続されている。また、リアクター4〜6のそれぞれの他端は互いに接続されており、その接続線は、チョッパー回路3jの出力正極側を形成しており、チョッパー回路3jにおける出力負極側及び入力負極側は共通となっている。以上のような構成によるチョッパー回路3jは、昇降圧型のチョッパー回路を構成する。また、上記のスイッチング素子7d〜7f及びダイオード7a〜7cによってブリッジ回路19jを形成しており、このブリッジ回路19jはモジュール化されている。さらに、図示しないが、スイッチング素子7d〜7fのゲート側は、スイッチング制御手段11に接続されるものとし、このスイッチング制御手段11によって、スイッチング素子7d〜7fのON/OFF動作の制御が実施されることによってチョッパー回路3jの出力電圧が制御されるものとすればよい。スイッチング素子7d〜7fは、スイッチング制御手段11によって、周波数を同一として、ON/OFF動作のタイミングをずらして制御される。
なお、上記のように、スイッチング制御手段11によって、周波数を同一として、スイッチング素子7d〜7fのON/OFF動作のタイミングをずらして制御するものとしたが、これに限られるものではなく、同時にON動作及びOFF動作させるものとしてもよいのは言うまでもない。
【0060】
以上の図21で示されるようなチョッパー回路3jを適用することによって、スイッチング素子7d〜7f、ダイオード7a〜7c及びリアクター4〜6によって3系統のブリッジ接続構成としているため、電流を分散させることができるので、各素子に必要とされる電流容量は小さくでき、産業用途の素子を使用する必要がなく、また、ブリッジ回路19jはモジュール化されているので、小型化が可能であり、はんだ付けによる回路基板への実装が可能となるため、実装費用のコストアップを抑制することができるのは、図14及び図18で示される昇圧型のチョッパー回路を適用する場合と同様である。
また、図21で示される構成では、任意に昇圧及び降圧を可能とできるため、前述の昇圧又は降圧による効果を得られることは言うまでもない。
【0061】
また、上記の図21で示される降圧型のチョッパー回路3jに代えて、図22で示されるチョッパー回路3kを適用する構成としてもよい。図22で示されるチョッパー回路3kは、図21で示されるチョッパー回路3jにおけるスイッチング素子7d〜7fがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18a〜18cに置換され、そして、ダイオード7a〜7cがそれぞれ還流ダイオードを逆並列接続したスイッチング素子18d〜18fに置換され、これらのスイッチング素子18a〜18fによってブリッジ回路19kが構成されている。さらに、図示しないが、これらのスイッチング素子18a〜18fのゲート側がスイッチング制御手段11に接続された構成となっている。このような構成において、スイッチング制御手段11は、スイッチング素子18d〜18fを常時OFF状態となるように制御することによって、スイッチング素子18d〜18fにおける逆並列接続された還流ダイオードが、チョッパー回路3jにおけるダイオード7a〜7cと同等の機能を担う。そして、スイッチング制御手段11によって、スイッチング素子18a〜18cがそれぞれチョッパー回路3jにおけるスイッチング素子7d〜7fと同様のON/OFF動作が制御されることによって、前述したチョッパー回路3jと同様にその出力電圧が昇又は降圧される。
【0062】
さらに、例えば、三相交流電源1及び三相整流器2は、単相又は四相等、相数が異なる場合にも同様の効果が得られることは言うまでもなく、例えば、スイッチング素子を4個備える二相のブリッジ回路構成で用いても、この場合も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0063】
また、上記のブリッジ回路19h〜19kは、本発明における「多相ブリッジ回路」に相当するものである。
【0064】
実施の形態3.
(モーター駆動制御装置の全体構成)
図23は、本発明の実施の形態3に係るモーター駆動制御装置の構成図である。本実施の形態に係るモーター駆動制御装置について、前述の実施の形態1に係る電力変換装置との相違する点を中心に説明する。
図23で示されるように、本実施の形態に係るモーター駆動制御装置は、図1で示される電力変換装置の出力側、すなわち、平滑コンデンサー8の両端に、チョッパー回路3からの出力を交流電圧に変換して、後述するモーター15に供給するインバーター回路12が接続されている。このインバーター回路12において、還流ダイオードが逆並列接続したスイッチング素子12a〜12cのコレクター側がそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、インバーター回路12の入力正極側を形成している。また、このスイッチング素子12a〜12cのエミッター側はそれぞれ還流ダイオードが逆並列接続したスイッチング素子12d〜12fのコレクター側に接続されている。このスイッチング素子12d〜12fのエミッター側はそれぞれ互いに接続されており、その接続線は、インバーター回路12の入力負極側を形成している。このスイッチング素子12a〜12fによって、インバーター回路12が形成されている。また、スイッチング素子12aのエミッター側及びスイッチング素子12dのコレクター側との接続線、スイッチング素子12bのエミッター側及びスイッチング素子12eのコレクター側との接続線、及び、スイッチング素子12cのエミッター側及びスイッチング素子12fのコレクター側との接続線からそれぞれインバーター回路12の出力線が延びており、この3本の出力線はモーター15に接続されている。この出力線には、モーター15に供給される電流を検出するモーター電流検出器13が設置されている。このモーター電流検出器13及び平滑コンデンサー8の両端電圧を検出する出力電圧検出器10は、インバーター駆動手段14に接続されている。このインバーター駆動手段14は、出力電圧検出器10によって検出される平滑コンデンサー8の両端電圧、及び、モーター電流検出器13によって検出されるモーター15に供給される電流に基づいて、インバーター回路12のスイッチング素子12a〜12fのON/OFF動作を制御する駆動信号を生成する。
【0065】
なお、図23で示されるチョッパー回路3は、実施の形態1及び実施の形態2におけるチョッパー回路3a〜3kによって置換される構成としてもよいのは言うまでもない。
【0066】
(モーター15におけるモーター電流I、巻線抵抗R及びエネルギー損失等の関係)
一般にモーター15におけるモーター巻線の巻数Nを増加させた場合、下記の式(1)で示されるように、巻線抵抗Rは、その巻数Nの二乗に比例する。このときの比例定数をk1とする。
【0067】
R=k1・N2 (1)
【0068】
また、インバーター回路12の出力線及びモーター巻線に流れるモーター電流Iは、下記の式(2)で示されるように、巻数Nに反比例する。このときの比例定数をk2とする。
【0069】
I=k2/N (2)
【0070】
このとき、巻線抵抗Rにおけるモーター銅損Lossmotorcpは、下記の式(3)で示されるように、巻数Nに依存しない。
【0071】
Lossmotorcp=R・I2=k1・k22 (3)
【0072】
このとき、モーター電流Iが低減すれば、インバーター回路12におけるスイッチング素子12a〜12fにおける導通損失を低減することができるが、上記の式(2)で示されるように、モーター巻線の巻数Nを増加させることによってモーター電流Iは減少するので、インバーター回路12における導通損失の低減が可能となる。さらに、上記の式(4)で示されるように、巻数Nが増加したとしても、モーター銅損Lossmotorcpを増加させることもない。
【0073】
また、モーター15のモーター巻線の巻数Nを増加させた場合、下記の式(4)で示されるように、発生する誘起電圧Φは、巻数Nに比例して高くなる。このときの比例定数をk3とする。
【0074】
Φ=k3・N (4)
【0075】
このとき、巻数Nが増加することによる誘起電圧Φの増加は、モーター15の高速駆動範囲を減少させるが、本実施の形態によれば、実施の形態1及び実施の形態2において説明したように、チョッパー回路3等によって昇圧して、インバーター回路12の出力電圧を高電圧化できるため、モーター15の高速駆動範囲を減少させることなくモーター15の高巻数化を図ることができる。
【0076】
(実施の形態3の効果)
本実施の形態におけるインバーター回路12の構成は、実施の形態1における図7で示されるブリッジ回路19a、及び、実施の形態2における図18におけるブリッジ回路19gと同一構成であるため、同一のモジュールを使用することが可能となる。さらに、各スイッチング素子を駆動するドライバー回路も共通の構成とすれば、チョッパー回路及びインバーター回路の各基板における構成は大部分が同一の構成とすることができる。これによって、生産におけるコスト低減、又は、開発負荷の軽減が可能となる。
また、モーター15の高速駆動時には、インバーター回路12の出力電圧が不足することにより高速駆動範囲が制限されるが、本実施の形態によれば、チョッパー回路3等によって昇圧し、インバーター回路12への入力直流電圧も高くなるので、インバーター回路12の出力電圧不足を解消し、高速駆動範囲の拡大も可能となり、高性能なモーター駆動制御装置を得ることができる。
また、チョッパー回路3等の昇圧機能によってインバーター回路12の出力電圧を高電圧化することによってモーター15のモーター電流は低減することから、インバーター回路12を構成するスイッチング素子12a〜12fのON動作時に流れる電流が低減するので、インバーター回路12における導通損失を低減することが可能となり、モーター15の高速駆動時の高効率化が図れる。
また、モーター巻線の巻数を増加させることによってモーター電流は減少するので、インバーター回路12における導通損失の低減が可能となり、このとき、巻数を増加したとしても、モーター15におけるモーター銅損を増加させることもない。このとき、巻数を増加させると、誘起電圧が増加し、モーター15の高速駆動範囲を減少させてしまうが、本実施の形態によれば、チョッパー回路3等によって昇圧して、インバーター回路12の出力電圧を高電圧化できるため、モーター15の高速駆動範囲を減少させることなくモーター15の高巻数化を図ることができる。
また、モーター15の低速駆動時等、負荷が小さく、インバーター回路12の出力電圧が低い範囲では、スイッチング制御手段11によってスイッチング素子7d〜7fをOFF状態とすることによって、チョッパー回路3等の動作を停止させ、チョッパー回路3等における導通損失を抑制することが可能である。
さらに、モーター15の低速駆動時等、低負荷での駆動時、駆動に必要なインバーター回路12の出力電圧に対し三相全波整流方式により生成した直流電圧は高い。このため、チョッパー回路3等及びインバーター回路12におけるスイッチング素子の損失は大きく、また、インバーター回路12ではデッドタイムによる電圧誤差による騒音が課題となる。このとき、チョッパー回路として実施の形態1に係るチョッパー回路3b〜3e、又は、実施の形態2に係るチョッパー回路3h〜3kを適用し、出力電圧を降圧する場合には、インバーター回路12に印加される直流電圧を低くでき、これにより直流電圧を最適化することでブリッジ回路やインバーター回路12におけるスイッチング素子における損失の低減、及び、インバーター回路12におけるデッドタイムによる電圧誤差の低減により騒音低減が図れる。
【0077】
実施の形態4.
(空気調和機101の全体構成)
図24は、本発明の実施の形態4に係る空気調和機の全体構成の例を示す図である。
図24で示されるように、本実施の形態に係る空気調和機101は、室外機102及び室内機105を備えている。この室外機102は、図示しない冷媒回路に接続され冷凍サイクルの一部を構成する圧縮機103及び図示しない熱交換器を備え、また、この熱交換器に送風する送風機104を備えている。そして、この圧縮機103及び送風機104は、前述した実施の形態3に係るモーター駆動制御装置によって制御されるモーターによって回転駆動される。
【0078】
(実施の形態4の効果)
以上のような構成によって、前述の実施の形態1〜実施の形態3と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
また、前述のようにチョッパー回路による電圧の昇圧、又は、モーターの高巻数化によってモーター電流が低減するため、圧縮機103及び送風機104内部での発熱を抑制することができる。
【0079】
実施の形態5.
(冷蔵庫111の全体構成)
図25は、本発明の実施の形態5に係る冷蔵庫の全体構成の例を示す図である。
図25で示されるように、本実施の形態に係る冷蔵庫111は、図示しない冷媒回路によって接続され冷凍サイクルの一部を構成する圧縮機112、及び、冷却室113内に設けられた冷却器114を備え、この冷却器114によって生成された冷気を冷蔵室及び冷凍室等に送るための送風機115を備えている。そして、この圧縮機112及び送風機115は、前述した実施の形態3に係るモーター駆動制御装置によって制御されるモーターによって回転駆動される。
【0080】
(実施の形態5の効果)
以上のような構成によって、前述の実施の形態1〜実施の形態3と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
また、前述のようにチョッパー回路による電圧の昇圧、又は、モーターの高巻数化によってモーター電流が低減するため、圧縮機112及び送風機115内部での発熱を抑制することができる。
【0081】
なお、本実施の形態において冷蔵庫111について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、冷凍庫について、実施の形態3に係るモーター駆動制御装置によって制御されるモーターによって回転駆動される圧縮機又は送風機が適用される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 三相交流電源、2 三相整流器、2a〜2f 整流ダイオード、3、3a〜3k チョッパー回路、4〜6 リアクター、7a〜7c ダイオード、7d〜7f スイッチング素子、8 平滑コンデンサー、9 母線電流検出器、10 出力電圧検出器、11 スイッチング制御手段、12 インバーター回路、12a〜12f スイッチング素子、13 モーター電流検出器、14 インバーター駆動手段、15 モーター、16 逆流防止素子、17 開閉素子、18a〜18f スイッチング素子、19、19a〜19k ブリッジ回路、21 母線電流指令値演算部、22 オンデューティー演算部、23 駆動パルス生成部、31a〜31c ダイオード、32a〜32c スイッチング素子、33 放熱フィン、34 パターン配線、41 モジュール、42a〜42c ダイオード、43a〜43c スイッチング素子、44 放熱フィン、45 金属配線、101 空気調和機、102 室外機、103 圧縮機、104 送風機、105 室内機、111 冷蔵庫、112 圧縮機、113 冷却室、114 冷却器、115 送風機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を整流する整流器と、
少なくとも1組のダイオードと該ダイオードのアノード側に一端が接続されたスイッチング素子との直列回路によって構成され、各前記ダイオードのカソード側が互いに接続され(以下、その接続線を「接続線A」という)、各前記スイッチング素子の他端が互いに接続された(以下、その接続線を「接続線B」という)多相ブリッジ回路、及び、前記多相ブリッジ回路における前記ダイオードと前記スイッチング素子との各接続線に一端が接続されたリアクターで構成されたチョッパー回路と、
一端が前記接続線Aに、そして、他端が前記接続線Bに接続された平滑コンデンサーと、
前記スイッチング素子のON/OFF動作を制御するスイッチング制御手段と、
を備え、
前記整流器の出力正極側は前記リアクターの他端に接続され、その出力負極側は前記接続線Bに接続され、
該スイッチング制御手段は、前記スイッチング素子のON/OFF動作を制御することによって前記チョッパー回路の出力電圧を昇圧させる
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
交流電圧を整流する整流器と、
少なくとも1組のスイッチング素子と該スイッチング素子の一端にカソード側が接続されたダイオードとの直列回路によって構成され、各前記スイッチング素子の他端が互いに接続され(以下、その接続線を「接続線C」という)、各前記ダイオードのアノード側が互いに接続された(以下、その接続線を「接続線D」という)多相ブリッジ回路、及び、前記多相ブリッジ回路における前記スイッチング素子と前記ダイオードとの各接続線に一端が接続されたリアクターで構成されたチョッパー回路と、
一端が前記リアクターの他端に、そして、他端が前記接続線Dに接続された平滑コンデンサーと、
前記スイッチング素子のON/OFF動作を制御するスイッチング制御手段と、
を備え、
前記整流器の出力正極側は前記前記接続線Cに接続され、その出力負極側は前記接続線Dに接続され、
該スイッチング制御手段は、前記スイッチング素子のON/OFF動作を制御することによって前記チョッパー回路の出力電圧を降圧させる
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
交流電圧を整流する整流器と、
少なくとも1組のスイッチング素子と該スイッチング素子の一端がカソード側が接続されたダイオードとの直列回路によって構成され、各前記スイッチング素子の他端が互いに接続され(以下、その接続線を「接続線E」という)、各前記ダイオードのアノード側が互いに接続された(以下、その接続線を「接続線F」という)多相ブリッジ回路、及び、前記多相ブリッジ回路における前記スイッチング素子と前記ダイオードとの各接続線に一端が接続されたリアクターで構成されたチョッパー回路と、
一端が前記接続線Fに、そして、他端が前記リアクターの他端に接続された平滑コンデンサーと、
前記スイッチング素子のON/OFF動作を制御するスイッチング制御手段と、
を備え、
前記整流器の出力正極側は前記接続線Eに接続され、その出力負極側は前記リアクターの他端に接続され、
該スイッチング制御手段は、前記スイッチング素子のON/OFF動作を制御することによって前記チョッパー回路の出力電圧を昇圧又は降圧させる
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
前記リアクターの数は、前記直列回路と同数であり、
該直列回路ごとに、前記ダイオードと前記スイッチング素子との接続線に、1つの前記リアクターの一端が接続された
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記スイッチング制御手段は、前記多相ブリッジ回路における前記スイッチング素子のON/OFF動作を同一のタイミングで制御する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記スイッチング制御手段は、前記多相ブリッジ回路における前記スイッチング素子のON/OFF動作のタイミングを各相でずらして制御する
ことを特徴とする請求項4記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記スイッチング制御手段は、前記多相ブリッジ回路における前記スイッチング素子のON動作の周波数を各相において同一となるように制御する
ことを特徴とする請求項6記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記スイッチング制御手段は、前記リアクターに流れる電流の動作について、連続モード、不連続モード又は臨界モードのいずれかに切り替えることを可能とした
ことを特徴とする請求項4、請求項6又は請求項7記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記多相ブリッジ回路は、1つのモジュールで構成された
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記整流器の出力側に接続され、その出力電流を検出する母線電流検出器と、
前記平滑コンデンサーの両端に接続され、その両端電圧を検出する出力電圧検出器と、
を備え、
前記スイッチング制御手段は、前記母線電流検出器によって検出された前記出力電流、及び、前記出力電圧検出器によって検出された前記両端電圧に基づいて、前記スイッチング素子のON/OFF動作を制御する
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記整流器の出力正極側と前記チョッパー回路の出力正極側との間に接続された逆流防止素子を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記整流器の出力正極側と前記チョッパー回路の出力正極側との間に接続された開閉素子を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記多相ブリッジ回路における前記ダイオードに代えて、還流ダイオードが逆並列接続されたスイッチング素子が接続され、前記ダイオードの接続方向と前記還流ダイオードの接続方向の向きが同一であり、
前記スイッチング制御手段は、前記還流ダイオードが逆並列接続されたスイッチング素子をOFF動作に制御する
ことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記スイッチング素子は、スーパージャンクション構造である
ことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載の電力変換装置。
【請求項15】
請求項1〜請求項14のいずれかに記載の電力変換装置と、
該電力変換装置の出力である直流電圧を交流電圧に変換してモーターを駆動するインバーター回路と、
該インバーター回路を駆動するインバーター駆動手段と、
を備えた
ことを特徴とするモーター駆動制御装置。
【請求項16】
前記インバーター回路は、1つのモジュールで構成された
ことを特徴とする請求項15記載のモーター駆動制御装置。
【請求項17】
請求項13記載の電力変換装置と、
該電力変換装置の出力である直流電圧を交流電圧に変換してモーターを駆動するインバーター回路と、
該インバーター回路を駆動するインバーター駆動手段と、
を備え、
前記多相ブリッジ回路及び前記インバーター回路は、共通のモジュールで構成された
ことを特徴とするモーター駆動制御装置。
【請求項18】
請求項15〜請求項17のいずれかに記載のモーター駆動制御装置と、
該モーター駆動制御装置によって駆動されるモーターと、
を備えた
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項19】
請求項15〜請求項17のいずれかに記載のモーター駆動制御装置と、
該モーター駆動制御装置によって駆動されるモーターと、
を備えた
ことを特徴とする送風機。
【請求項20】
請求項18記載の圧縮機又は請求項19記載の送風機の少なくとも一方を備えた
ことを特徴とする空気調和機。
【請求項21】
請求項18記載の圧縮機又は請求項19記載の送風機の少なくとも一方を備えた
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項22】
請求項18記載の圧縮機又は請求項19記載の送風機の少なくとも一方を備えた
ことを特徴とする冷凍庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−45218(P2011−45218A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193308(P2009−193308)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】