説明

電力変換装置

【課題】収容ケースの水密性に優れた電力変換装置を提供すること。
【解決手段】電子部品(半導体モジュール2)と冷却器3と金属製の収容ケース4とを有する電力変換装置1。冷却器は冷媒導入管311と冷媒排出管312とを有する。収容ケースは、一方の面に開口端411を有すると共に切欠部412を側壁45に切り欠いてなるケース本体41と、ケース本体の開口端を覆う蓋体42とを、締結部材(ボルト)によって互いに締結固定することにより、電子部品及び冷却器を内部に密閉してなる。切欠部には、冷媒導入管及び冷媒排出管と、ケース本体と、蓋体との間を密封するグロメット5を配設してある。蓋体は、グロメットとの接触面444の外側において屈曲された補強部43を有する。補強部はグロメットから離隔されている。補強部の幅方向の両端は、一対の締結部材の間であり、グロメットの両端よりも幅方向の外側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換回路の一部を構成する電子部品と、該電子部品を冷却する冷却器と、上記電子部品及び上記冷却器を内部に収容してなる金属製の収容ケースとを有する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車等の車両等には、インバータやDC−DCコンバータ等の電力変換装置が搭載されている。かかる電力変換装置は、電力変換回路の一部を構成する電子部品や、該電子部品を冷却する冷却器等を、金属製の収容ケースに収容してなる。
収容ケースは、電力変換装置の構成部品を内側に密閉し、外部からの水分の浸入を防いでいる。
【0003】
そして、収容ケースからは、電気コネクタを露出させたり、冷却器の冷媒導入管及び冷媒排出管の一部を露出させたりする必要がある。
そのため、これらが収容ケースを貫通する貫通部においては、図7に示すごとく、電気コネクタ91等と収容ケース94の壁部との間にグロメット95を配設して、両者の間の水密性を確保している(特許文献1)。グロメット95は、電気コネクタ91の周囲に嵌合するとともに、収容ケース94のケース本体941と蓋体942との間に挟持された状態で配設され、さらに、蓋体942に設けた変形規制片943がグロメット95に外側から密着している。これにより、グロメット95と収容ケース94との密着面積を大きくして、水密性を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−244142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記変形規制片943を設けることによりグロメット95と蓋体942との密着面積を大きくすると、変形規制片943とグロメット95との間に一旦塩水等が浸入した場合、そこに塩水等が留まりやすい。そして、この塩水等によって蓋体942が腐食し、その結果、グロメット95と蓋体942との間のシール性が低下し、収容ケース94内への水の浸入を防止しにくくなるおそれがある。
【0006】
そこで、蓋体942に変形規制片943を設けず、蓋体942におけるケース本体941との固定部分であるフランジ部を平板状とすると、フランジ部の強度が低下する。その結果、グロメット95との当接部において蓋体942が変形し、グロメット95との間の水密性が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、収容ケースの水密性に優れた電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電力変換回路の一部を構成する電子部品と、該電子部品を冷却する冷却器と、上記電子部品及び上記冷却器を内部に収容してなる金属製の収容ケースとを有する電力変換装置であって、
上記冷却器は、冷却媒体を導入する冷媒導入管と、上記冷却媒体を排出する冷媒排出管とを有し、
上記収容ケースは、一方の面に開口端を有すると共に上記冷媒導入管と上記冷媒排出管とをそれぞれ挿通させる切欠部を上記開口端から側壁に切り欠いてなるケース本体と、該ケース本体の上記開口端を覆う蓋体とを、締結部材によって互いに締結固定することにより、上記電子部品及び上記冷却器を内部に密閉してなり、
上記切欠部には、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管と、上記ケース本体と、上記蓋体との間を密封するグロメットを配設してなり、
上記蓋体は、上記グロメットとの接触面の外側において屈曲された補強部を有し、
該補強部は上記グロメットから離隔された状態で形成されており、
上記補強部の幅方向の両端は、上記切欠部の両脇に配設された一対の上記締結部材の間であり、かつ上記グロメットの両端よりも上記幅方向の外側に配置されていることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0009】
上記電力変換装置においては、上記蓋体が上記補強部を有するため、上記グロメットとの当接部において、蓋体の強度を高めることができる。すなわち、グロメットと蓋体とを大きな圧接力で圧接したときに蓋体が変形することを防ぎ、両者の間の水密性を向上させることができる。
【0010】
また、上記補強部は、上記グロメットから離隔された状態で形成されているため、補強部とグロメットとの間に塩水等が溜まることを防ぐことができる。その結果、上記グロメット周辺における蓋体の腐食を防ぐことができ、グロメット周辺の水密性を確保することができる。
【0011】
また、上記蓋体は、上記グロメットとの接触面の外側の部分を屈曲して上記補強部を形成してなるため、蓋体を構成する金属体の端部と、蓋体におけるグロメットとの接触面との間の沿面距離を長くすることができる。すなわち、腐食の起点となりやすい金属体の端部から、蓋体におけるグロメットとの接触面を遠ざけることができる。その結果、蓋体におけるグロメットとの接触面の腐食を抑制し、この部分の水密性の低下を防ぐことができる。
【0012】
また、上記補強部の幅方向の両端は、上記一対の締結部材の間であり、かつ上記グロメットの両端よりも上記幅方向の外側に配置されている。そのため、上述した上記補強部の役割を効果的に果たせる、必要かつ充分な領域に該補強部を設けることができる。その結果、材料費、加工費の低減、軽量化、省スペース化を図りつつ、収容ケースの水密性を効果的に向上させることができる。
【0013】
以上のごとく、本発明によれば、収容ケースの水密性に優れた電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例における、電力変換装置の斜視図。
【図2】実施例における、蓋体を取り外した状態の電力変換装置の平面図。
【図3】実施例における、図2のA−A線矢視断面相当の電力変換装置の断面説明図。
【図4】実施例における、冷媒導入管もしくは冷媒排出管の突出方向から見たグロメット周辺の正面説明図。
【図5】実施例における、蓋体の平面図。
【図6】実施例における、蓋体の正面図。
【図7】背景技術における、防水構造の断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明において、上記補強部の両端の少なくとも一方が上記一対の締結部材の間に存在しない場合には、締結部材の外側にまで補強部が形成されることとなる。この場合、上記蓋体における、グロメットからの反力が殆ど作用しない部分、すなわち補強の必要性の低い部分にまで補強部を形成することとなり、材料費、加工費の低減、及び、軽量化、省スペース化が困難となる。
また、上記補強部の両端の少なくとも一方が上記グロメットの両端の間に存在する場合には、上記蓋体における、グロメットからの反力が作用する部分の全体を充分に補強することが困難となる。
【0016】
また、上記蓋体は、防錆用皮膜を表面に形成してなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記蓋体の金属材料として、種々の金属を用いることができる。そして、この場合、上記防錆皮膜は、特に金属体の端部において膜厚がばらつきやすく、金属体の腐食が起こるとすれば、腐食はその端部から始まりやすい。上記のごとく、上記蓋体は、上記グロメットとの接触面の外側の部分を屈曲して上記補強部を形成してなるため、蓋体を構成する金属体の端部と、蓋体におけるグロメットとの接触面との間の沿面距離を長くすることができる。その結果、蓋体におけるグロメットとの接触面の腐食を抑制し、この部分の水密性の低下を防ぐことができる。それゆえ、防錆用皮膜を表面に形成してなる蓋体を備えた電力変換装置において、特に本発明の効果を発揮することができる。
【0017】
また、上記補強部は、上記ケース本体と上記蓋体とを接合するためのフランジ部の外側端よりも内側に配設されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記補強部を設けることによる電力変換装置の大型化を防ぐことができる。
【実施例】
【0018】
本発明の実施例に係る電力変換装置につき、図1〜図6を用いて説明する。
本例の電力変換装置1は、図1〜図3に示すごとく、電力変換回路の一部を構成する電子部品としての半導体モジュール2と、該半導体モジュール2を冷却する冷却器3と、半導体モジュール2及び冷却器3を内部に収容してなる金属製の収容ケース4とを有する。
冷却器3は、冷却媒体を導入する冷媒導入管311と、冷却媒体を排出する冷媒排出管312とを有する。
【0019】
収容ケース4は、一方の面に開口端411を有するケース本体41と、該ケース本体41の開口端411を覆う蓋体42とを、締結部材としてのボルト11によって互いに締結固定することにより、半導体モジュール2及び冷却器3を内部に密閉してなる。ケース本体41は、冷媒導入管311と冷媒排出管312とをそれぞれ挿通させる切欠部412を、開口端41から側壁45に切り欠いてなる。
切欠部412には、冷媒導入管311及び冷媒排出管312と、ケース本体41と、蓋体42との間を密封するグロメット5が配設されている。
【0020】
蓋体42は、グロメット5との接触面444の外側において屈曲された補強部43を有する。
図3に示すごとく、補強部43はグロメット5から離隔された状態で形成されている。
図4に示すごとく、補強部43の幅方向の両端431は、切欠部412の両脇に配設された一対のボルト11の間であり、かつグロメット5の両端51よりも幅方向の外側に配置されている。
また、図2に示すごとく、補強部43は、ケース本体41と蓋体42とを接合するためのフランジ部44の外側端441よりも内側に配設されている。
【0021】
電力変換装置1は、複数の半導体モジュール2を有する。そして、各半導体モジュール2は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子を内蔵してなる。
冷却器3は内部に冷媒流路を備える複数の冷却管32を有する。そして、複数の冷却管32と複数の半導体モジュール21とは、交互に積層されて積層体12を構成している。
【0022】
複数の冷却管32は、積層方向に直交する方向に長く、その長手方向の両端部において、隣り合う冷却管32同士が連結管33によって連結されている。冷却器3は、積層方向の一端に配された冷却管32における長手方向の両端部に、冷媒導入管311及び冷媒排出管312を設けてなる。
【0023】
これにより、冷媒導入管311から導入された冷却媒体は、連結管33を適宜通り、各冷却管32に分配されると共にその長手方向に流通する。そして、各冷却管32を流れる間に、冷却媒体は半導体モジュール21との間で熱交換を行う。熱交換により温度上昇した冷却媒体は、下流側の連結管33を適宜通り、冷媒排出管312に導かれ、冷却器3から排出される。
【0024】
収納ケース4のケース本体41は、四方にそれぞれ側壁45を有し、その一つの側壁45に切欠部412が2個形成されている。これら2個の切欠部412にそれぞれ冷媒導入管311と冷媒排出管312とが、グロメット5を介して配置されている。グロメット5は、図3、図4に示すごとく、冷媒導入管311又は冷媒排出管312を貫通させる貫通孔53を有する。そして、貫通孔53の貫通方向から見たときのグロメット5の外形は、ケース本体41の切欠部412に沿ったU字状部521(図4参照)と、直線状の直線部522(図2、図3参照)とからなる。グロメット5は、貫通孔53において冷媒導入管311又は冷媒排出管312と密着し、U字状部521においてケース本体41の切欠部412に密着し、直線部522において蓋体42に密着する。
【0025】
また、図2に示すごとく、ケース本体41は、開口端411における全周にフランジ部44を設けている。そして、フランジ部44における所定の位置に、ボルト11を挿通させるボルト挿通孔442を設けた複数の締結部443が、他の部位よりも外側へ突出するように形成されている。また、各切欠部412の両側には、それぞれ一対のボルト挿通孔442が形成されている。
また、フランジ部44の表面には、蓋体42との間のシールを実現するためのシール材46が配設される。
なお、ケース本体41は、アルミニウム等の熱伝導性に優れた金属の鋳造品からなり、各部の厚みは蓋体42の各部の厚みよりも厚い。
【0026】
一方、蓋体42も、図5に示すごとく、ケース本体41のフランジ部44に接合されるフランジ部47を、全周に有する。このフランジ部47にも、ケース本体41のボルト挿通孔442に対応する位置に、複数のボルト挿通孔472が設けられ、ボルト挿通孔472を設けた複数の締結部473が、他の部位よりも外側へ突出するように形成されている。
【0027】
補強部43は、図5、図6に示すごとく、隣り合う締結部473の間において、蓋体42のフランジ部47を、ケース本体41側へ向かって屈曲することにより、形成されている。
蓋体42は、鋼板をプレス成形することにより形成されており、その表面に防錆用皮膜を形成してなる。防錆皮膜は、例えば、亜鉛等の耐腐食性金属のメッキ、あるいは防錆塗料の塗装等によって形成することができる。
【0028】
図4、図6に示すごとく、補強部43は、その先端部に略円弧状の弧状端面432を有する。この弧状端面432が冷媒導入管311又は冷媒排出管312に対向することで、補強部43が冷媒導入管311又は冷媒排出管312に干渉することを防ぎつつ、補強部43の長さを弧状端面432の両脇において稼いでいる。つまり、補強部43の先端部(金属板の端部)を蓋体42におけるグロメット5との接触面444からできるだけ遠ざける構成としている。
【0029】
本例の電力変換装置1を組み立てるにあたっては、半導体モジュール2及び冷却器3等の電力変換装置1の構成部品を内部に収容した状態(図2)で、ケース本体41の開口端411に蓋体42(図5、図6)を被せ、互いのフランジ部44、47を重ね合わせる。この状態で、各ボルト挿通孔442、472にボルト11を挿通するとともに、該ボルト11とナット111との螺合締結により、ケース本体41のフランジ部44と蓋体42のフランジ部47とを締結する。このとき、シール材46が弾性変形しつつ両者の間を密封する。また、グロメット5の直線部522に蓋体42のフランジ部47が押圧される。この押圧力に対する反力がフランジ部47に作用するが、補強部43の存在によって、フランジ部47が変形することを防いでいる。
【0030】
これにより、グロメット5の配設部位においても、その他の部位においても、ケース本体41と蓋体42との間に隙間を生じることを防ぎつつ、すなわち、水密性を確保しつつ、ケース本体41と蓋体42とを接合する。
以上により、防水性に優れた電力変換装置1が得られる。
【0031】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記電力変換装置1においては、蓋体42が補強部43を有するため、グロメット5との当接部(接触面444)において、蓋体42のフランジ部44の強度を高めることができる。すなわち、グロメット5と蓋体42とを大きな圧接力で圧接したときに蓋体42が変形することを防ぎ、両者の間の水密性を向上させることができる。
【0032】
また、補強部43は、グロメット5から離隔された状態で形成されているため、補強部43とグロメット5との間に塩水等が溜まることを防ぐことができる。その結果、グロメット5周辺における蓋体42の腐食を防ぐことができ、グロメット5周辺の水密性を確保することができる。
【0033】
また、蓋体42は、グロメット5との接触面444の外側の部分を屈曲して補強部43を形成してなるため、蓋体42を構成する金属体の端部と、蓋体42におけるグロメット5との接触面444との間の沿面距離を長くすることができる。すなわち、腐食の起点となりやすい金属体の端部から、蓋体42におけるグロメット5との接触面444を遠ざけることができる。その結果、接触面444の腐食を抑制し、この部分の水密性の低下を防ぐことができる。
【0034】
また、図4に示すごとく、補強部43の幅方向の両端431は、一対のボルト11の間であり、かつグロメット5の両端51よりも幅方向の外側に配置されている。そのため、上述した補強部43の役割を効果的に果たせる、必要かつ充分な領域に補強部43を設けることができる。その結果、材料費、加工費の低減、軽量化、省スペース化を図りつつ、収容ケース4の水密性を効果的に向上させることができる。
【0035】
また、図2、図5に示すごとく、補強部43は、フランジ部44、47の外側端441、471よりも内側に配設されている。そのため、補強部43を設けることによる電力変換装置1の大型化を防ぐことができる。すなわち、仮に、補強部43がフランジ部44、47の外側端441、471から外側へ突出していると、補強部43の分だけ、例えばエンジンルーム等における電力変換装置1の占有スペースが大きくなってしまうが、補強部43が外側端441、471よりも内側に配設されていれば、電力変換装置1の占有スペースの拡大にはならない。
【0036】
また、蓋体42は、防錆用皮膜を表面に形成してなるため、蓋体42の金属材料として、種々の金属を用いることができる。すなわち、特に、錆び難い材料を用いる必要はなく、材料選択の自由度が高くなる。
そして、この場合、防錆皮膜は、特に金属体の端部において膜厚がばらつきやすく、金属体の腐食が起こるとすれば、腐食はその端部から始まりやすい。上記のごとく、蓋体42は、グロメット5との接触面444の外側の部分を屈曲して補強部43を形成してなるため、蓋体42を構成する金属体の端部と、蓋体42におけるグロメット5との接触面444との間の沿面距離を長くすることができる。その結果、蓋体42におけるグロメット5との接触面444の腐食を抑制し、この部分の水密性の低下を防ぐことができる。それゆえ、防錆用皮膜を表面に形成してなる蓋体を備えた電力変換装置1において、特に本発明の効果を発揮することができる。
【0037】
以上のごとく、本発明によれば、収容ケースの水密性に優れた電力変換装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 電力変換装置
11 ボルト(締結部材)
2 半導体モジュール(電子部品)
3 冷却器
4 収容ケース
41 ケース本体
412 切欠部
42 蓋体
43 補強部
431 (補強部の)両端
444 接触部
45 側壁
5 グロメット
51 (グロメットの)両端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換回路の一部を構成する電子部品と、該電子部品を冷却する冷却器と、上記電子部品及び上記冷却器を内部に収容してなる金属製の収容ケースとを有する電力変換装置であって、
上記冷却器は、冷却媒体を導入する冷媒導入管と、上記冷却媒体を排出する冷媒排出管とを有し、
上記収容ケースは、一方の面に開口端を有すると共に上記冷媒導入管と上記冷媒排出管とをそれぞれ挿通させる切欠部を上記開口端から側壁に切り欠いてなるケース本体と、該ケース本体の上記開口端を覆う蓋体とを、締結部材によって互いに締結固定することにより、上記電子部品及び上記冷却器を内部に密閉してなり、
上記切欠部には、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管と、上記ケース本体と、上記蓋体との間を密封するグロメットを配設してなり、
上記蓋体は、上記グロメットとの接触面の外側において屈曲された補強部を有し、
該補強部は上記グロメットから離隔された状態で形成されており、
上記補強部の幅方向の両端は、上記切欠部の両脇に配設された一対の上記締結部材の間であり、かつ上記グロメットの両端よりも上記幅方向の外側に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、上記蓋体は、防錆用皮膜を表面に形成してなることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電力変換装置において、上記補強部は、上記ケース本体と上記蓋体とを接合するためのフランジ部の外側端よりも内側に配設されていることを特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−233794(P2011−233794A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104645(P2010−104645)
【出願日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】