説明

電力変換装置

【課題】
電力損失の減少を可能とし、2相モードで動作する。
【解決手段】
本発明の電力変換装置は、磁性材料により生成されたI型のブロックコアと、該ブロックコアに2つのL型の磁性材料を組み合わせることにより生成されたE型形状のコアと、該E型形状のコアにおける、ブロックコアを中央脚とし、その他2つの脚それぞれを第1の外側脚と第2の外側脚とし、2つのE型形状のコアにおけるそれぞれの中央脚と、第1の外側脚と、第2の外側脚とを向かい合わせるように、2つのE型形状のコアを組み合わせたものから構成される閉磁路である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2相モードで動作する電力変換装置に関するものであって、特に、磁性材料により形成されたコア形状に特徴を有する電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像音声機器やOA情報機器等の電子機器製品において、2相インターリブ方式の回路が知られている。
【0003】
この2相インターリブ方式の回路の一例として、直流電流に対して複数の昇圧回路が並列に接続され、各昇圧回路は、昇圧チョークと、昇圧ダイオードと、スイッチング素子とで構成されているものがある。例えば、昇圧回路の出力側に平滑コンデンサが接続され、平滑コンデンサに並列に負荷が接続され、昇圧回路を構成する各スイッチング素子は、制御回路から供給される制御信号パルスによりパルス幅変調制御されている2相モードの電力変換装置に関する技術等が、特許文献1または特許文献2に提案されている。
【0004】
また、磁性材料により形成されたコア形状の一例として、ECコアを用いた技術が、提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−10632号公報
【特許文献2】特開2010−226888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、2相モードの電力変換装置において、例えば、図1に示すような、c形状の磁束材料部分(以下、c型コア部材)20a〜20dを組み合わせることで、E形状の磁束材料部分(以下、E型コア部材)を作成し、このE形状の磁束材料部分を2つ作成し、作成した2つのE形状の磁束材料部品を互いに向い合せるように連結させ、その周囲を大きなC形状の磁束材料部品(以下、C型コア部材)25で囲むことにより生成されるECコア形状を用いることができる。
【0007】
しかしながら、ECコアには、図1に示すようなギャップGが必ずできてしまう。そのため、磁束損失のギャップによる電力損失が発生するという問題があった。
【0008】
一方、産業界において、ハイブリッド車等(パワーモータを備えた製品、例えば、大型工事現場車両、ブルドーザ、ショベルカー、ロボット、その他電気機器等)の電力変換装置(例えば、DC/DCコンバータ、インバータ回路等)を用いる装置においては、搭載用の電力変換装置を、小型化を図ることが強く要請されている。
【0009】
また、上述したECコアは、c型コア部材20を組み合わせ、その周囲を大きなC型コア部材25で囲むことにより生成されたコアであるため、図2に示すようコアの中央脚の断面積Y1と、コアの外側脚Y2(右側)の断面積Y2、コアの外側脚(左側)の断面積Y3の比率が1:1:1となる。しかしながら、実装上においては、コアの中央脚と、コアの外側脚(左側)、コアの外側脚(右側)の断面積の比率が1:2:1でほぼ同様の効果を奏する。そのため、図2に示すようなECコアでは、両脚の断面積が不要に大きく、小型化の要請に適応できないという問題があった。
【0010】
よって、これらの電力変換装置を用いる装置においては、電力損失が少なく、かつ小型で動作する電力変換装置の開発が急務の課題である。
【0011】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、電力損失を減少させ、かつ占有面積が小さく小型化可能であって、製造工程をシンプルにしたコア形状に特徴を有する電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の電力変換装置は、磁性材料により形成されたコアと、該コアの所定位置に巻線を巻回することにより構成される2相モードで動作する電力変換装置であって、コアは、磁性材料により生成されたI型のブロックコアと、ブロックコアに2つのL型の磁性材料を組み合わせることにより生成されたE型形状のコアと、E型形状のコアにおける、ブロックコアを中央脚とし、その他2つの脚それぞれを第1の外側脚と第2の外側脚とし、2つのE型形状のコアにおけるそれぞれの中央脚と、第1の外側脚と、第2の外側脚とを向かい合わせるように、2つのE型形状のコアを組み合わせたものであって、中央脚を基準として、第1の外側脚と反対の位置に配置された前記第2の外側脚とから構成される閉磁路である。
【0013】
「巻線」は、線だけではなく、帯状のものであってもよい。例えば、銅線や帯状の銅線が挙げられる。
【0014】
本発明の電力変換装置の中央脚の断面積と、第1の外側脚の断面積と、第2の外側脚の断面積との比率が、2対1対1であってもよい。
【0015】
本発明の電力変換装置のブロックコアは、四角形の磁性材料を積層されたことにより生成されたものであってもよい。
【0016】
本発明の電力変換装置のL型のコアは、帯状の磁性材料を巻いて構成される四角筒形状の磁性材料部品を同様の大きさであって、それぞれのコアがL型になるように4つに切断することで生成されたものであってもよい。
【0017】
本発明の電力変換装置は、直流電源の出力電圧を昇圧するものであって、各1次巻線が前記直流電源の正電源の正電極に接続されている2個のリアクトルと、各リアクトルそれぞれの1次巻線と直流電源の負電極との間にそれぞれ接続した2個のスイッチング素子と、第1のリアクトルの2次巻線と2番目のリアクトルの2次巻線との間に接続したインダクタ部と、2個のリアクトルの各1次巻線と前記直流電源の負電極との間にそれぞれ接続され、ダイオードとコンデンサとを含む2個の直列回路と、2個のリアクトルの2次巻線と前記インダクタ部は、閉ループを形成するように互いに直列に接続され、2個の直列回路に含まれる各コンデンサは、単一の平滑コンデンサを共用し、コアは、2個のリアクトルの1次巻線がそれぞれ巻回されている2個の外側脚と、中央脚により構成されているものであってもよい。
【0018】
本発明の電力変換装置の巻線は、互いに同一の巻数であってもよい。
本発明の電力変換装置は、DC/DCコンバータであってもよい。
【0019】
本発明の電力変換装置は、モータ駆動のためのドライバ回路であってもよい。
【0020】
また、本発明の電力変換装置は、インバータ回路装置であってもよい。更に、本発明の電力変換装置は、電電気自動車、ショベルカー、ブルドーザ、ロボット、太陽発電機、発動発電機、大容量電源、医療機器のいずれかに搭載されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の電力変換装置によれば、コアは、磁性材料により生成されたI型のブロックコアと、ブロックコアに2つのL型の磁性材料を組み合わせることにより生成されたE型形状のコアと、E型形状のコアにおける、ブロックコアを中央脚とし、その他2つの脚それぞれを第1の外側脚と第2の外側脚とし、2つのE型形状のコアにおけるそれぞれの中央脚と、第1の外側脚と、第2の外側脚とを向かい合わせるように、2つのE型形状のコアを組み合わせたものであって、中央脚を基準として、第1の外側脚と反対の位置に配置された前記第2の外側脚とから構成される閉磁路であるため、電力損失を減少させ、かつ占有面積が小さく小型化可能であって、製造工程をシンプルにしたコア形状に特徴を有する電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術の実施形態であるECコアの一例を示す図(コア部材の説明図)
【図2】従来技術の実施形態であるECコアの一例を示す図(断面積の説明図)
【図3】本発明の実施形態であるELIコアの一例を示す図(コア部材の説明図)
【図4】本発明の実施形態であるELIコアの一例を示す図(断面積の説明図)
【図5】本発明の実施形態であるELIコアの平面図
【図6】本発明の実施形態であるコアユニットの正面図と右側面図
【図7】本発明の実施形態におけるDC/DCコンバータの一例を示す回路図
【図8】本発明の実施形態における磁気回路を有するDC/DCコンバータの一例を示す回路図
【図9】本発明の実施形態におけるコア形状の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態となる電力変換装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
本発明の電力変換装置1は、磁性材料により形成されたコアと、該コアの所定位置に巻線を巻回することにより構成される2相モードで動作するものであって、図3及び図4に示すようなELIコア41は、磁性材料により生成されたI型のブロックコアと、ブロックコアに2つのL型の磁性材料を組み合わせることにより生成されたE型形状のコアと、E型形状のコアにおける、ブロックコアを中央脚45とし、その他2つの脚それぞれを第1の外側脚42と第2の外側脚43とし、2つのE型形状のコアにおけるそれぞれの中央脚45と、第1の外側脚42と、第2の外側脚43とを向かい合わせるように、2つのE型形状のコアを組み合わせたものであって、中央脚45を基準として、第1の外側脚42と反対の位置に配置された第2の外側脚43とから構成される閉磁路である。
【0025】
また、図4に示すように、中央脚45の断面積Z1と、第1の外側脚42の断面積Z2と、第2の外側脚43の断面積Z3との比率とが、2対1対1とすることができる。これにより、前述したECコアが所望の電力を出力する場合、ELIコアの中央脚の断面積と、ECコアの中央脚の断面積と同一であって、ELIコアの中央脚が外側脚の断面積の半分(ECコアは中央脚と外側脚の断面積が同一)であっても同様の電力を出力可能としつつ、小型化を可能とする。
【0026】
また、中央脚45の断面積Z1と、第1の外側脚42の断面積Z2と、第2の外側脚43の断面積Z3との比率とが、X対1対1(1<X≦2)としてもよい。
【0027】
また、ブロックコアは、四角形の磁性材料を積層されたことにより生成されたものである。
【0028】
本発明の電力変換装置のL型のコアは、ケイ素鋼板からなる帯状の磁性材料を巻いて構成される四角筒形状の磁性材料部品を同様の大きさであって、それぞれのコアがL型になるように4つに切断することで生成されたものである。そして、図5に示すように、L型コアとI型コアを組み合わせることで容易にELIコアを生成することができる。
【0029】
そのため、前述したECコアのように、c型コア部材を組み合わせ、E型コア部材を作成し、このE型コア部材を2つ作成し、作成した2つのE型コア部材を互いに向い合せるように連結させ、その周囲を大きなC型コア部材で囲むことにより生成するような煩雑な製造工程が不要となる。なお、ELIコアの中央脚部分にエアギャップが生じてもよい。
【0030】
また、ECコアでは、製造の設計上、図1に示すようなギャップGができてしまい、磁束損失のギャップが生じてしまい、コアロスが生じるが、図3,4,5に示すようなELIコアの場合、このようなギャップが生じることがなく、コアロスが生じにくい。
【0031】
図6は、本発明の電力変換装置のコアに巻線を巻き、端子を接続したコアユニットの正面図(a)と右側面図(b)を示したものである。
【0032】
図6に示すコアユニット15により約60kWの電力を生ずる。このコアユニット15の巻線は、銅線からなるものであってもよいし、図6に示すように帯状の同を巻きつけるものであってもよい。互いに同一の巻数であってもよい。
【0033】
まず、本発明の電力変換装置の一例である、昇圧型のDC/DCコンバータを説明する。図7は、このDC/DCコンバータを示すものである。
【0034】
本発明の実施形態では、ELIコアを用いたDC/DCコンバータについて説明する。本例の絶縁型DC/DCコンバータは、2個のリアクトルT1およびT2を有し、各リアクトルによりコンバータ出力を合成する。そして、周波数を2倍にしてインダクタ部に加えることにより、エネルギー蓄積素子として機能するインダクタ部の小型化を図っている。
【0035】
また、エネルギー蓄積要素であるインダクタ部をリアクトルにより結合させることにより、コアを1つにまとめることが可能で、さらに各相のインダクタ電流成分をエネルギー蓄積要素内で重畳させることができ、リプル幅が低減され、コアサイズ自体の小型化も可能となる。
【0036】
直流電源Vdc1の出力電圧を所定の電圧に昇圧する。直流電源Vdc1の正電極には、2個のリアクトルT1およびT2の1次巻線の一端(巻き始め端)をそれぞれ接続する。第1および第2のリアクトルT1およびT2は共に同一構成とする。第1のリアクトルT1は、1次巻線1aと2次巻線1bを有し、1次巻線1aの他端と直流電源Vdc1の負電極との間に、第1のスイッチング素子Q1を接続する。スイッチング素子として、MOSFET等の各種スイッチング素子を用いることができる。第2のリアクトルT2は1次巻線2aと2次巻線2bとを有し、1次巻線の2aの他端と直流電源の負電極との間に、第2のスイッチング素子Q2を接続する。スイッチング素子Q1およびQ2は、制御回路10により、1/2周期の位相差で順次オン/オフ制御される。
【0037】
本発明の実施形態では、第1のリアクトルT1の2次巻線1bと第2のリアクトルT2の2次巻線2bとの間にインダクタ部Lを接続する。第1および第2のリアクトルT1およびT2の2次巻線1bおよび2b及びインダクタ部Lは、閉ループを形成するように直列に接続する。
【0038】
第1のリアクトルT1の1次巻線1aと直流電源Vdc1の負電極との間に、ダイオードD1と平滑コンデンサCとの直列回路を接続する。第2のリアクトルT2の1次巻線2aと直流電源の負電極との間に、ダイオードD2と平滑コンデンサCとの直列回路を接続する。平滑コンデンサCと並列に負荷RLを接続する。
【0039】
第1のリアクトルT1と、第1のダイオードD1と、平滑コンデンサCとは第1のコンバータを構成する。第2のリアクトルT2と、第2のダイオードD2と、平滑コンデンサCとは、第2のコンバータを構成する。
【0040】
図8は、磁気回路を有する本発明によるDC/DCコンバータの一例を示す線図である。尚、図1で用いた構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して説明する。直流電源Vdc1の直流電圧を昇圧する。磁気回路40は、閉磁路を形成する単一のコア41により構成する。コア41は、第1〜第3の脚42、43、45を有し、第1の脚42(外側脚)には第1の巻線n11を巻回し、第2の脚43(外側脚)には第2の巻線n12を巻回する。第3の脚45(中央脚)にはエアギャップ46を形成する。
【0041】
また、エアギャップが形成されている第3の脚の配置位置は、第1の脚と第2の脚の間に設けることも可能である。なお、エアギャップが形成されていなくてもよい。
【0042】
第1〜第2の巻線n11〜n12の各一端は直流電源Vdc1の正電極にそれぞれ接続し、各他端はそれぞれスイッチング素子Q1およびQ2を介して直流電源の負電極にそれぞれ接続する。第1の巻線n11の他端と直流電源の負電極との間に、ダイオードD1と平滑コンデンサCとを含む第1の直列回路を接続する。第2の巻線n12の他端と直流電源の負電極との間に、第2のダイオードD2と平滑コンデンサCを含む第2の直列回路を接続する。平滑コンデンサCに並列に負荷RLを接続する。
【0043】
第1の巻線n11と、第1のダイオードD1と、平滑コンデンサCとは第1のコンバータを構成する。第2の巻線n12と、第2のダイオードD2と、平滑コンデンサCとは第2のコンバータを構成する。
【0044】
第1および第2のスイッチング素子Q1およびQ2は、制御回路10から順次供給される駆動パルスで順次動作する。
【0045】
この2相モードDC/DCコンバータは、2個のリアクトルと1個のインダクタ部の代わりに、3個の脚を有する単一のコアで構成される複合磁気回路を用いているので、一層小型のDC/DCコンバータが実現される。
【0046】
上述した2相モードDC/DCコンバータは、エネルギー蓄積要素であるインダクタ部をリアクトルにより結合させることにより、コアを1つにまとめることが可能で、さらに各相のインダクタ電流成分をエネルギー蓄積要素内で重畳させることができ、リプル幅が低減され、コアサイズ自体の小型化も可能となる。
【0047】
図9は、上述した図8の磁気回路40を、わかりやすく簡素化しコア形状化して表したものである(簡素化するに際し、第1の巻線n11をn1とし、第2の巻線n12はn2として表す)。
【0048】
このように、例えば、本発明の実施形態において、図6に示すコアユニット15の寸法からなる電力変換装置を用いることにより、10kHz前後(8〜12kHz)の高周波スイッチングを可能とする。
【0049】
本発明は上述した実施例だけに限定されず、種々の変更や変形が可能である。
【0050】
また、本発明の実施形態により説明した電力変換装置は、電気自動車、ショベルカー、ブルドーザ、ロボット、太陽発電機、発動発電機、大容量電源、医療機器のいずれかに搭載されることを可能とする。これらの装置の小型軽量化、大容量の電略提供による低コストを可能とする。結果としては、従来方式よりもCO2の削減に貢献するものである。
【0051】
以上により、本発明の電力変換装置は、磁性材料により形成されたコアと、該コアの所定位置に巻線を巻回することにより構成される2相モードで動作する電力変換装置であって、コアは、磁性材料により生成されたI型のブロックコアと、ブロックコアに2つのL型の磁性材料を組み合わせることにより生成されたE型形状のコアと、E型形状のコアにおける、ブロックコアを中央脚とし、その他2つの脚それぞれを第1の外側脚と第2の外側脚とし、2つのE型形状のコアにおけるそれぞれの中央脚と、第1の外側脚と、第2の外側脚とを向かい合わせるように、2つのE型形状のコアを組み合わせたものであって、中央脚を基準として、第1の外側脚と反対の位置に配置された前記第2の外側脚とから構成される閉磁路により構成している。
【0052】
また、本発明の電力変換装置は、直流電源の出力電圧を昇圧するものであって、閉磁路を形成するコアにより構成される複合磁気回路と、コアの外側脚にそれぞれ巻回され、一端が直流電源の正電極に接続され、他端がそれぞれスイッチング素子を介して直流電源の負電極にそれぞれ接続されている2個の巻線と、2個の巻線の各他端と直流電源の負電極の間にそれぞれ接続され、ダイオードと平滑コンデンサとを含む2個の直列回路と、2個のスイッチング素子を1/2周期の位相差で準備オン/オフさせる制御回路と、を有する。
【0053】
本発明の電力変換装置は、DC/DCコンバータを例に説明したが、インバータ回路装置であってもよい。また、本発明の電力変換装置は、モータ駆動のためのドライバ回路であってもよい。
【0054】
また、本発明の電力変換装置は、インバータ回路装置であってもよい。更に、本発明の電力変換装置は、電電気自動車、ショベルカー、ブルドーザ、ロボット、太陽発電機、発動発電機、大容量電源、医療機器のいずれかに搭載されるものであってもよい。
【0055】
以上により、本発明の電力変換装置によれば、コアは、磁性材料により生成されたI型のブロックコアと、ブロックコアに2つのL型の磁性材料を組み合わせることにより生成されたE型形状のコアと、E型形状のコアにおける、ブロックコアを中央脚とし、その他2つの脚それぞれを第1の外側脚と第2の外側脚とし、2つのE型形状のコアにおけるそれぞれの中央脚と、第1の外側脚と、第2の外側脚とを向かい合わせるように、2つのE型形状のコアを組み合わせたものであって、中央脚を基準として、第1の外側脚と反対の位置に配置された前記第2の外側脚とから構成される閉磁路であるため、電力損失を減少させ、かつ占有面積が小さく小型化可能であって、製造工程をシンプルにしたコア形状に特徴を有する電力変換装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0056】
Vdc1 直流電源
T1、T2 リアクトル
Q1、Q2 スイッチング素子
L リアクトル
C 平滑コンデンサ
RL 負荷
Y1〜3 ECコアの断面積
Z1〜Z3 ELIコアの断面積
1 電力変換装置
10 制御回路
15 コアユニット
20a〜d c型コア部材
25 C型コア部材
40 磁気回路
41 ELIコア
42、43 外側脚
45 中央脚
46 エアギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材料により形成されたコアと、該コアの所定位置に巻線を巻回することにより構成される2相モードで動作する電力変換装置であって、
前記コアは、
磁性材料により生成されたI型のブロックコアと、
該ブロックコアに2つのL型の磁性材料を組み合わせることにより生成されたE型形状のコアと、
該E型形状のコアにおける、前記ブロックコアを中央脚とし、その他2つの脚それぞれを第1の外側脚と第2の外側脚とし、2つのE型形状のコアにおけるそれぞれの中央脚と、第1の外側脚と、第2の外側脚とを向かい合わせるように、前記2つのE型形状のコアを組み合わせたものであって、
前記中央脚を基準として、前記第1の外側脚と反対の位置に配置された前記第2の外側脚とから構成される閉磁路であることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記中央脚の断面積と、前記第1の外側脚の断面積と、前記第2の外側脚の断面積との比率が、2対1対1であることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記ブロックコアは、四角形の磁性材料を積層されたことにより生成されたものであることを特徴とする請求項1または2項記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記L型のコアは、帯状の磁性材料を巻いて構成される四角筒形状の磁性材料部品を同様の大きさになるように、それぞれのコアがL型になるように4つに切断することで生成されたものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記電力変換装置は、直流電源の出力電圧を昇圧するものであって、
各1次巻線が前記直流電源の正電源の正電極に接続されている2個のリアクトルと、
各リアクトルそれぞれの1次巻線と直流電源の負電極との間にそれぞれ接続した2個のスイッチング素子と、
第1のリアクトルの2次巻線と2番目のリアクトルの2次巻線との間に接続したインダクタ部と、
前記2個のリアクトルの各1次巻線と前記直流電源の負電極との間にそれぞれ接続され、ダイオードとコンデンサとを含む2個の直列回路と、
前記2個のリアクトルの2次巻線と前記インダクタ部は、閉ループを形成するように互いに直列に接続され、
前記2個の直列回路に含まれる各コンデンサは、単一の平滑コンデンサを共用し、
前記コアは、前記2個のリアクトルの1次巻線がそれぞれ巻回されている2個の外側脚と、前記中央脚により構成されているものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記電力変換装置は、DC/DCコンバータであることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記電力変換装置は、インバータ回路装置であることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記電力変換装置は、電気自動車、ショベルカー、ブルドーザ、ロボット、太陽発電機、発動発電機、大容量電源、医療機器のいずれかに搭載されるものであることを特徴とする請求項7記載の電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−239349(P2012−239349A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108205(P2011−108205)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(500133473)新東ホールディングス株式会社 (15)
【出願人】(594205339)日金電磁工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】