説明

電力変換装置

【課題】付加的なセンサ基板を省略して、電流センサを別の回路基板に実装しながら検出対象の電流が流れる接続導体の近傍に配置することが可能であると共に、その回路基板を接続導体で支持することが可能な電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置1においては、スイッチング動作する半導体素子23(U)〜25(W)、33(U)〜35(W)からの電流を非接触で検出自在な電流センサ552が、回路基板55に実装されると共に、回路基板の電流センサを実装する部分553が、半導体素子に電気的に接続するブロック構造体である接続導体83(U)〜85(W)上に載置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関し、特に、冷却部材に半導体素子を装着した半導体モジュールを有し、電動モータへの駆動電力を供給する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動モータを駆動力源として備える電気自動車が普及してきている。電気自動車においては、バッテリから供給される直流電力を交流電力流に変換して電動モータに供給する制御を行うと共に、制動時等に回生機構により発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリに蓄電する制御を行う電力制御装置(PEU:Power Electronic Unit)が設けられている。
【0003】
かかる電力制御装置は、電力を変換して外部機器に供給する機能に着目すれば電力変換装置であり、交流電流の出力を検出してその検出値に基づき、安定な出力を得るように変換動作を調整している。また、かかる電力制御装置は、バッテリから供給される直流電力を交流電力流に変換すると共に、回生機構により発電された交流電力を直流電力に変換するパワーモジュールを備える。パワーモジュールにおいては、比較的大きな電流が使用されているので、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワー系半導体素子がスイッチング素子として組み込まれることが多い。パワー系半導体素子が動作すると大きな発熱を伴うので、その放熱経路を確保するために、パワーモジュールにはヒートシンクが装着されている。
【0004】
特許文献1は、パワードライブユニットに関し、略C字状の磁性コアのギャップにホール素子を介在させた電流センサを備えた構成を開示する。詳しくは、電流センサは、磁性コアを覆う樹脂製カバーに、ホール素子の出力を増幅するアンプを搭載したセンサ基板を取り付けると共に、センサ基板と制御回路基板とが湾曲したリードピンで接続される構成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−81311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1が開示する構成では、磁性コアのギャップにホール素子を介在させた電流センサが、磁性コアを覆う樹脂製カバーに、ホール素子の出力を増幅するアンプを搭載したセンサ基板を取り付けると共に、センサ基板と制御回路基板とが湾曲したリードピンで接続される構成を有して、センサ基板と制御回路基板との間隔を狭めながら、それらをリードピンで確実に接続しているものではあるが、検出対象の電流が流れる部材であるバスバーを磁性コアに挿通すると共に、磁性コアを覆ってセンサ基板を取り付けた樹脂製カバーをヒートシンクに取り付ける必要があり、構成が煩雑になる傾向がある。
【0007】
また、本発明者の更なる検討によれば、非接触型の磁電変換電流センサを採用した場合に、電流センサを載置するセンサ基板を省略して、電流センサを制御回路基板等の別の必須の回路基板に実装しながら検出対象の電流が流れる接続導体の近傍に配置すると共に、
その回路基板を接続導体で支持できれば、全体構成が簡便になる。ここで、特許文献1は、磁性コアを覆う樹脂製カバーに、ホール素子の出力を増幅するアンプを搭載したセンサ基板を取り付けると共に、センサ基板と制御回路基板とを湾曲したリードピンで接続する構成を開示するものではあるが、センサ基板を省略して、電流センサを制御回路基板等の別の必須の回路基板に実装しながら検出対象の電流が流れる接続導体の近傍に配置すると共に、その回路基板を接続導体で支持する具体的構成については、何等の教示をしていない。
【0008】
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、付加的なセンサ基板を省略して、電流センサを別の回路基板に実装しながら検出対象の電流が流れる接続導体の近傍に配置することが可能であると共に、その回路基板を接続導体で支持することが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような目的を達成するため、本発明の第1の局面は、スイッチング動作する半導体素子と、前記半導体素子からの電流を非接触で検出自在な電流センサと、を備えた電力変換装置であって、前記半導体素子に電気的に接続するブロック構造体である接続導体を備え、前記電流センサは、回路基板に実装され、前記回路基板の前記電流センサを実装する部分は、前記接続導体上に載置される電力変換装置である。
【0010】
また、本発明の第2の局面は、かかる第1の局面に加えて、前記接続導体の一部は、前記回路基板に設けられた貫通孔に挿通される電力変換装置である。
【0011】
また、本発明の第3の局面は、かかる第1又は第2の局面に加えて、前記接続導体に、前記半導体素子の出力端子を締結するねじ締結部を設ける電力変換装置である。
【0012】
また、本発明の第4の局面は、かかる第1から第3の局面のいずれかに加えて、前記接続導体は、アルミニウム材からなる電力変換装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の局面における電力変換装置においては、スイッチング動作する半導体素子からの電流を非接触で検出自在な電流センサが、回路基板に実装されると共に、回路基板の電流センサを実装する部分が、半導体素子に電気的に接続するブロック構造体である接続導体上に載置されることにより、付加的なセンサ基板を省略して、電流センサを別の必須の回路基板である制御回路基板等の回路基板に実装しながら検出対象の電流が流れる接続導体の近傍に配置することができると共に、その回路基板を接続導体で支持することができる。特に、接続導体が、直流電流から3相の交流電流を変換して出力する半導体素子の出力端子と外部機器の接続端子とを電気的に接続する出力側の接続導体である場合には、かかる出力側の接続導体を3相の各相に対応して計3個設けることができるから、回路基板の3箇所を出力側の接続導体で支持することができて、回路基板を安定して簡便かつ確実に支持することができる。
【0014】
本発明の第2の局面における電力変換装置においては、接続導体の一部が、回路基板に設けられた貫通孔に挿通されることにより、回路基板を簡便かつ確実に位置決めすることができる。
【0015】
本発明の第3の局面における電力変換装置においては、接続導体に、出力端子又は接続端子を締結するねじ締結部を設けることにより、簡便な構成で、半導体素子の出力側端子と外部機器の入力側端子とを機械的に確実に支持すると共に電気的に確実に接続することができる。
【0016】
本発明の第4の局面における電力変換装置においては、接続導体が、アルミニウム材からなることにより、接続導体の機械的特性、電気的特性及びサイズといった諸特性をバランスしながら、半導体モジュールの出力側端子と外部機器の入力側端子とを機械的に確実に支持すると共に電気的に確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明における実施形態の電力変換装置をそのパワーモジュールの一方が組立状態にある状態で示す分解斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1における矢印A方向に沿って見た本実施形態の電力変換装置を示す正面図、図2(b)は、図1における矢印B方向に沿って見た本実施形態の電力変換装置を示す側面図、及び図2(c)は、図1における矢印C方向から見た本実施形態の電力変換装置を示す裏面図である。
【図3】図2(a)及び図2(c)におけるS3−S3切断線で切断した本実施形態の電力変換装置を示す拡大詳細断面図である。なお、図3中の各締結部材は、便宜上、その頭部のみを示す。
【図4】図2(a)及び図2(c)におけるS4−S4切断線で切断した本実施形態の電力変換装置を示す拡大横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態における電力変換装置につき、適宜図面を参照して、詳細に説明する。なお、図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成し、z軸方向が上下方向であり、x−y平面が水平面である。
【0019】
[制御システムの構成]
まず、本実施形態における電力変換装置が適用される制御システムの構成について、詳細に説明する。
【0020】
図1から図4に示す本実施形態における電力変換装置1は、典型的には、いずれも図示を省略するが、駆動力源である電動モータ及び二次電池であるバッテリを搭載すると共に、減速時に回生電力を生成する回生機構を備えた電気自動車に搭載される。
【0021】
電力変換装置1は、電気自動車において、それ単独で、又は電動モータ、バッテリ及び回生機構を総合的に制御する図示を省略した制御装置の制御の下で、バッテリから電動モータへ駆動電力の供給を制御自在であると共に、回生機構からバッテリへ回生電力の供給を制御自在である。例えば、電動モータの駆動電流に三相交流電流を用いる場合、電力変換装置1は、バッテリから供給される直流電流をU相、V相及びW相の三相の交流電流に安定的に変換して、その交流電流を電動モータに供給するDC/ACコンバータの機能と、回生機構から生成された回生交流電流を直流電流に安定的に変換して、その直流電流をバッテリに供給するAC/DCコンバータの機能と、を併せ持つ。なお、電力変換装置1は、必要に応じて、バッテリから供給される直流電流を交流電流に安定的に変換して、その交流電流を電動モータに供給するDC/ACコンバータ機能のみを有していてもよい。
【0022】
電動モータは、例えば、三相交流の電力が供給されて動作する三相ブラシレス電動モータであり、電気自動車を駆動する駆動力を供給する。
【0023】
バッテリは、典型的にはニッケル水素系やリチウムイオン系の二次電池であり、電動モータやその他の補機に必要な電力を供給すると共に、回生機構から生成される回生電力を蓄電する。
【0024】
なお、電力変換装置1は、電動モータに加えて内燃機関等のエンジンを搭載するハイブリッド自動車や、燃料電池を搭載する燃料電池自動車に適用することも可能である。電力変換装置1をハイブリッド自動車に適用した場合には、電力変換装置1は、バッテリから電動モータへの駆動電力の供給を制御自在であると共に、回生機構からバッテリへの回生電力の供給及びエンジンの補機である発電機からバッテリへの発電電力の供給を制御自在である。また、電力変換装置1を燃料電池自動車に適用した場合には、電力変換装置1は、燃料電池から電動モータへの駆動電力の供給を制御自在であると共に、回生機構からバッテリへの回生電力の供給を制御自在である。また、電力変換装置1を電気自動車、ハイブリッド自動車及び燃料電池自動車のいずれに適用した場合においても、電力変換装置1は、必要に応じて、制動時等における電動モータからバッテリへの回生電力の供給を制御することも可能である。
【0025】
[電力変換装置の全体構成]
次に、本実施形態における電力変換装置1の全体構成につき、主としてバッテリからの直流電流を三相交流電流に変換して電動モータに供給する場合を例に挙げて、詳細に説明する。
【0026】
図1から図4に示すように、電力変換装置1は、第1の冷却部材21の内側の表面としての一方の表面21A上にスイッチング機能を有する第1の半導体素子23(U)、24(V)及び25(W)をx軸方向に隣接並置して装着した第1の半導体モジュール2と、第2の冷却部材31の内側の表面としての一方の表面31A上にスイッチング機能を有する第2の半導体素子33(U)、34(V)及び35(W)をx軸方向に隣接並置して装着した第2の半導体モジュール3と、上下方向に延在する典型的には矩形筒状の側壁71を有し、かつ、側壁71により囲われた内部空間Sを画成すると共に、側壁71の上下方向の両端に画成されて互いに対向しながら内部空間Sを外部に開放する第1の開口7H1及び第2の開口7H2を有した典型的にはPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等の樹脂製の一体成形品であるケース7と、第1の半導体素子23(U)〜25(W)及び第2の半導体素子33(U)〜35(W)のスイッチング動作を制御する制御IC(Integrated Circuit)551等を実装する制御回路基板であって典型的には矩形平板状の回路基板55と、を主として備える。これらの構成部品は、上下方向で実質的に同軸に重層される。また、ケース7において、y−z平面に平行でx軸の正方向側の側壁71には、回路基板55に電気的に接続される制御端子を有する制御用コネクタ75が配設されている。
【0027】
電力変換装置1においては、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を、ケース7の第1の開口7H1を介してそこからケース7の内部空間S内に侵入させた状態でケース7に収納すると共に、第1の冷却部材21の外側の表面である他方の表面21Bをケース7の外に露出させながら第1の冷却部材21の一方の表面21Aをケース7の下端に当接することにより、第1の冷却部材21で第1の開口7H1を閉じた状態で、ケース7に第1の半導体モジュール2を装着する。
【0028】
同様に、電力変換装置1においては、第2の半導体素子33(U)〜35(W)を、ケース7の第2の開口7H2を介してそこからケース7の内部空間S内に侵入させた状態でケース7に収納すると共に、第2の冷却部材31の外側の表面である他方の表面31Bをケース7の外に露出させながら第2の冷却部材31の一方の表面31Aをケース7の上端に当接することにより、第2の冷却部材31で第2の開口7H2を閉じた状態で、ケース7に第2の半導体モジュール3を装着する。
【0029】
回路基板55は、典型的にはPCB(Printed Circuit Board)であり、そのプリント配線に各々電気的に接続しながら、制御IC551に加え、図示を
省略する抵抗素子、コンデンサ等の各種素子をおもて面(上側面)上に実装すると共に、その計3個の張り出し部553のおもて面上に対応して計3個の電流センサ552を実装する制御回路基板である。制御IC551は、第1の半導体素子23(U)〜25(W)及び第2の半導体素子33(U)〜35(W)のスイッチング動作の制御を行う。
【0030】
かかる回路基板55は、ケース7の内部空間S内において、第1の半導体モジュール2と第2の半導体モジュール3との間に、それらの第1の半導体素子23(U)〜25(W)及び第2の半導体素子33(U)〜35(W)からそれぞれ適度に離間した状態で、水平面と平行になるようにケース7に装着される。
【0031】
具体的には、回路基板55は、ケース7の第1の開口7H1と第2の開口7H2との間であって、その裏面(下側面)を第1の冷却部材21の一方の表面21Aに対向させると共に、そのおもて面を第2の冷却部材31の一方の表面31Aに対向させた状態で、第1の冷却部材21及び第2の冷却部材31に対して上下方向で並置されて装着される。かかる構成により、回路基板55は、内部空間Sを有効に利用しながら、第1の半導体素子23(U)〜25(W)及び第2の半導体素子33(U)〜35(W)から必要な距離をとって適度に離間し配設されることになる。よって、第1の半導体素子23(U)〜25(W)及び第2の半導体素子33(U)〜35(W)自体及びそれらの動作時に相対的に大電流が流れる電流経路から、回路基板55、制御IC551及びその制御電流経路を遠ざけられて、かかる回路基板55等への不要な熱や電磁波の影響を低減すると共にそれらの耐久性を向上する。
【0032】
ここで、回路基板55が、ケース7の第1の開口7H1と第2の開口7H2との中間、つまり第1の半導体モジュール2と第2の半導体モジュール3との中間に配置されていれば、回路基板55を第1の半導体素子23(U)〜25(W)及び第2の半導体素子33(U)〜35(W)から適度にバランスよく離間しながら、電力変換装置1の全体構成をよりコンパクトにすることができるため、より好ましい。
【0033】
更に、電力変換装置1は、いずれもケース7に装着された、1個の第1の接続導体81(N)と、1個の第2の接続導体82(P)と、計3個の第3の接続導体83(U)、84(V)及び85(W)と、を備える。
【0034】
第1の接続導体81(N)及び第2の接続導体82(P)は、電動モータに電力を供給する場合には、バッテリに電気的に接続されてバッテリから電力が供給される場合の電源入力配線として機能する。具体的には、第1の接続導体81(N)は、バッテリのマイナス端子に電気的に接続され、第2の接続導体82(P)は、バッテリのプラス端子に電気的に接続される。なお、バッテリを充電する場合には、第1の接続導体81(N)及び第2の接続導体82(P)は、出力配線として機能する。
【0035】
第3の接続導体83(U)、84(V)及び85(W)は、電動モータに電気的に接続されて電動モータに電力を供給する場合の三相交流電流の出力配線として機能する。具体的には、第3の接続導体83(U)は、電動モータのU相の駆動電流入力端子に電気的に接続され、第3の接続導体84(V)は、電動モータのV相の駆動電流入力端子に電気的に接続され、かつ、第3の接続導体85(W)は、電動モータのW相の駆動電流入力端子に電気的に接続される。なお、回生機構から回生電力が入力される場合には、第3の接続導体83(U)、84(V)及び85(W)は、入力配線として機能する。
【0036】
ここで、電流センサ552は、各々、第3の接続導体83(U)を流れるU相交流電流、第3の接続導体84(V)を流れるV相交流電流、及び第3の接続導体85(W)を流れるW相交流電流を対応して検出する。
【0037】
更に、電力変換装置1は、ケース7に装着されてその内部空間S内に収容される計2個の第1のコンデンサ91及び第2のコンデンサ92を備える。第1のコンデンサ91は、接続端子911及び912を有し、第2のコンデンサ92は、接続端子921及び922を有する。つまり、第1のコンデンサ91及び第2のコンデンサ92は、接続端子911及び912の配設位置と接続端子921及び922の配設位置とが上下方向で異なること以外は、それらの静電容量や形状を含めて同一の構成を有する。
【0038】
第1のコンデンサ91及び第2のコンデンサ92は、各々、第1の接続導体81(N)と第2の接続導体82(P)との間に互いに電気的に並列に接続されると共に、第1の半導体素子23(U)〜25(W)及び第2の半導体素子33(U)〜35(W)に対して電気的に並列に接続されて、電動モータに電力を供給する場合には、バッテリからの直流電流を平滑化する平滑コンデンサとして機能する。なお、バッテリを充電する場合には、第1のコンデンサ91及び第2のコンデンサ92は、第1の半導体素子23(U)〜25(W)及び第2の半導体素子33(U)〜35(W)からの直流電流を平滑化する平滑コンデンサとして機能する。また、必要に応じて、第1のコンデンサ91及び第2のコンデンサ92を統合して、単一のコンデンサを採用してもよいし、よりコンデンサの数を増やして、3個以上のコンデンサを採用してもよい。
【0039】
このように、まず、電力変換装置1においては、筒状のケース7の上下両端に第1の半導体モジュール2及び第2の半導体モジュール3を対応して装着し、かつ、そのケース7の内部空間Sにおける第1の半導体モジュール2と第2の半導体モジュール3との間に回路基板55を配置した重層構造を採用すると共に、電流センサ552を採用しているため、内部空間Sを有効利用し装置全体の構成をコンパクトにして小型化しながら、第3の接続導体83(U)を流れるU相交流電流、第3の接続導体84(V)を流れるV相交流電流、及び第3の接続導体85(W)を流れるW相交流電流を検出する。
【0040】
以下、電力変換装置1の各構成要素につき、詳細に説明する。
【0041】
[半導体モジュールに関する構成]
図1から図4に示すように、第1の半導体モジュール2は、第1の冷却部材21、並びに第1の半導体素子23(U)、24(V)及び25(W)を備えると共に、更に、フレーム41、押さえ部材42及び回路基板51を備える。
【0042】
第1の冷却部材21は、典型的にはアルミニウム合金製でケース7に固定され、第1の半導体素子23(U)〜25(W)の動作時に発せられる熱を受けて外部に放熱するヒートシンクとしての機能と、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を装着する装着部材としての機能と、ケース7の第1の開口7H1を塞ぐ蓋としての機能と、を有して、電力変換装置1の構造体の一部をなしている。
【0043】
第1の冷却部材21の一方の表面21Aは、段差の無いフラットな平面として構成され、その反対側の他方の表面21Bには、放熱効率を高めるために複数枚の放熱フィン215が規則的に配列された態様で配設されている。第1の冷却部材21には、種々の取り付け用の貫通孔211や雌ねじを有する締結孔が配設されており、これらは必要に応じて防水や防塵のための図示を省略するプラグ等で塞がれることが好ましい。第1の冷却部材21の水平方向におけるサイズは、第1の半導体モジュール2、第2の半導体モジュール3及び回路基板55の水平方向における各々のサイズよりも大きい。
【0044】
第1の半導体モジュール2の第1の半導体素子23(U)は、三相交流電流のうちのU相の低電位側交流電流を生成するローサイド側スイッチング機能を有する。第1の半導体
素子23(U)は、図示を省略する半導体チップと、半導体チップを封止するパッケージであって符号を省略した封止体と、封止体の一端(y軸の正方向端)から延出したガルウィング状で板状の第1の電源入力端子231と、封止体の他端(y軸の負方向端)から延出したガルウィング状で板状の第1の出力端子232と、封止体の一端及び他端から上方に延出して符号を省略した接続リードと、を備える。
【0045】
半導体チップには、高耐圧特性を有するIGBT、パワーMOSFET等のパワー系半導体素子が使用される。封止体には、典型的にはエポキシ樹脂封止体等の樹脂封止体が使用される。第1の電源入力端子231のインナー側は、封止体内において半導体チップの入力端子に電気的に接続され、第1の電源入力端子231のアウター側は、第1の接続導体81(N)に電気的に接続される。第1の出力端子232のインナー側は、封止体内において半導体チップの出力端子に電気的に接続され、第1の出力端子232のアウター側は、第3の接続導体83(U)に電気的に接続される。
【0046】
第1の半導体モジュール2のその他の第1の半導体素子24(V)及び第1の半導体素子25(W)は、第1の半導体素子23(U)と同一の構成を有するものであるため、同様の構成については適宜説明を簡略化又は省略する。具体的には、第1の半導体素子24(V)及び第1の半導体素子25(W)には、第1の半導体素子23(U)と同種の製品、典型的には同型番の製品が使用され、第1の半導体素子23(U)〜25(W)には互換性がある。
【0047】
つまり、第1の半導体素子24(V)は、三相交流電流のうちのV相の低電位側交流電流を生成するローサイド側スイッチング機能を有し、第1の半導体素子23(U)と同様に第1の電源入力端子241及び第1の出力端子242等を備え、これらは、第1の接続導体81(N)及び第3の接続導体84(V)等に対応して電気的に接続される。また、第1の半導体素子25(W)は、三相交流電流のうちのW相の低電位側交流電流を生成するローサイド側スイッチング機能を有し、第1の半導体素子23(U)と同様に第1の電源入力端子251及び第1の出力端子252等を備え、これらは、第1の接続導体81(N)及び第3の接続導体85(W)等に対応して電気的に接続される。なお、必要に応じて、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を統合して、単一の半導体素子を採用してもよい。
【0048】
ここで、特に図1、図3及び図4に示すように、3個の第1の半導体素子23(U)〜25(W)は、フレーム41に取り付けられ、フレーム41に取り付けられた状態で第1の冷却部材21の一方の表面21A上に装着される。フレーム41は、枠体411と、枠体411に立設された計2本の位置決めピン412及び413と、を備える。なお、図3中では、位置決めピン413は手前にあるため、それを鎖線で仮想的に示している。
【0049】
枠体411は、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を水平面と平行にx軸方向で隣接配置して保持すると共に、第1の電源入力端子231〜251を互いに平行な状態でx軸方向に整列して配置し、第1の電源入力端子231〜251の反対側で各々対応するように第1の出力端子232〜252を互いに平行な状態でx軸方向に整列して配置する。枠体411には、典型的には射出成形によって製作した樹脂製枠体が使用される。位置決めピン412及び413は、典型的には枠体411に一体成形されて上下方向に延在する。なお、枠体411、位置決めピン412及び413は、重量の増加等が許されれば金属製であってもよいし、構成の煩雑さが許されれば別体であってもよい。
【0050】
また、特に図1及び図3に示すように、フレーム41の枠体411には、押さえ部材42が固定されて取り付けられる。押さえ部材42は、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を枠体411に適度な押圧力で押圧した状態で、枠体411と第1の冷却部材21
の一方の表面21Aとの間に第1の半導体素子23(U)〜25(W)を介装する。押さえ部材42は、符号を省略したねじ等の締結部材を用いて枠体411に固定される。押さえ部材42は、弾性を有し機械加工等の加工性に優れた典型的にはステンレス鋼等の金属材料により製作される。押さえ部材42には、枠体411への取り付け部分と第1の半導体素子23(U)〜25(W)の押さえ部分との間に所望のばね定数を付与するためのU字状断面等を有するリブが配設されている。
【0051】
また、特に図1及び図3に示すように、フレーム41は、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を第1の冷却部材21の一方の表面21A上に載置された絶縁シート22に当接した状態で、押さえ部材42や回路基板51用の符号を省略したねじ等の締結部材を共用して、第1の冷却部材21の一方の表面21A上に固定される。絶縁シート22は、第1の冷却部材21と第1の半導体素子23(U)〜25(W)との間の電気的な絶縁性を確保しつつ、第1の半導体素子23(U)〜25(W)の動作によって発生する熱を効率良く第1の冷却部材21に伝達自在な伝熱性を有する。絶縁シート22には、典型的にはシリコーンゴム系シートが使用される。
【0052】
また、特に図1及び図4に示すように、回路基板51は、典型的には矩形平板状であって、ケース7の内部空間S内において、第1の半導体素子23(U)〜25(W)と回路基板55との間でケース7に装着される。回路基板51は、第1の半導体素子23(U)〜25(W)のスイッチング動作を制御するために回路基板55の制御IC551から送出される制御信号に基づき、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を駆動してスイッチング動作させる駆動IC511を実装する駆動回路基板である。なお、駆動IC511は、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を各々駆動する複数の駆動ICに分割されていてもよい。
【0053】
詳しくは、回路基板51は、フレーム41の位置決めピン412及び413に適合する一対の位置決め孔512を有して、位置決めピン412及び413を対応する位置決め孔512に挿通することによりフレーム41に位置決めされた状態で、符号を省略したねじ等の締結部材を用いてフレーム41に水平面と平行に装着される。この際、回路基板55の裏面と回路基板51のおもて面(上側面)とは、平行に対向する。
【0054】
かかる回路基板51は、典型的にはPCBであり、そのプリント配線に各々電気的に接続しながら、駆動IC511に加えて、図示を省略する抵抗素子、コンデンサ等の各種素子をおもて面上に実装すると共に、その配線基板から上方に引き出されてキンク形状が付与された符号を省略する接続リードを有する。回路基板51は、その接続リードを回路基板55のおもて面に実装された図示を省略するコネクタを介して回路基板55に電気的に接続すると共に、第1の半導体素子23(U)〜25(W)の接続リードに電気的に接続される。つまり、回路基板51は、その接続リードを介して、回路基板55の制御IC551から送出される制御信号を受け、その制御信号に基づいて作動する駆動IC511からの駆動信号を、第1の半導体素子23(U)〜25(W)の接続リードを介して、第1の半導体素子23(U)〜25(W)に送出することにより、第1の半導体素子23(U)〜25(W)をスイッチング動作させるためのものである。
【0055】
一方で、図1から図4に示すように、第2の半導体モジュール3は、その取り付け位置が第1の半導体モジュール2よりも上方にあり、その取り付け姿勢が第1の半導体モジュール2とは天地が逆になり、かつ、その使用形態が第1の半導体モジュール2とは異なるものの、第1の半導体モジュール2と同一の構成を有するものであるため、同様の構成については適宜説明を簡略化又は省略する。具体的には、第2の半導体モジュール3は、第2の冷却部材31と、第2の半導体素子33(U)、34(V)及び35(W)と、を備えると共に、更に、フレーム43、押さえ部材44及び回路基板52等を備える。
【0056】
つまり、第2の冷却部材31は、第1の冷却部材21と同一の構成を有し、第1の冷却部材21と同様にフラットな平面である一方の表面31A、放熱フィン315が配設された他方の表面31B及び貫通孔311等を有する。また、第2の半導体素子33(U)は、第1の半導体素子23(U)と同一の構成を有するものであるが、三相交流電流のうちのU相の高電位側交流電流を生成するハイサイド側スイッチング機能を有し、第1の半導体素子23(U)と同様に第2の電源入力端子331及び第2の出力端子332等を備え、これらは、第2の接続導体82(P)及び第3の接続導体83(U)等に対応して電気的に接続される。また、第2の半導体素子34(V)は、第2の半導体素子33(U)と同一の構成を有するものであるが、V相の高電位側交流電流を生成するハイサイド側スイッチング機能を有し、第2の半導体素子33(U)と同様に第2の電源入力端子341及び第2の出力端子342等を備え、これらは、第2の接続導体82(P)及び第3の接続導体84(V)等に対応して電気的に接続される。また、第2の半導体素子35(W)は、第2の半導体素子33(U)と同一の構成を有するものであるが、三相交流電流のうちのW相の高電位側交流電流を生成するハイサイド側スイッチング機能を有し、第1の半導体素子23(U)と同様に第2の電源入力端子351及び第2の出力端子352等を備え、これらは、第2の接続導体82(P)及び第3の接続導体85(W)等に対応して電気的に接続される。
【0057】
また、フレーム43は、フレーム41と同一の構成を有し、枠体431と、枠体431に立設された計2本の位置決めピン432及び433と、を備える。また、押さえ部材44は、押さえ部材42と同一の構成を有し、フレーム43の枠体431に固定されて取り付けられる。する。また、絶縁シート32は、絶縁シート22と同一の構成を有し、第2の冷却部材31の一方の表面31A上に載置される。また、回路基板52は、回路基板51と同一の構成を有し、第2の半導体素子33(U)〜35(W)を駆動してスイッチング動作させる駆動IC521を実装する駆動回路基板であって、フレーム43の位置決めピン432及び433に適合する一対の位置決め孔522等を配設する。
【0058】
ここで、回路基板51及び52の間に配置される回路基板55は、フレーム41の位置決めピン412及び413、並びにフレーム43の位置決めピン432及び433に適合する計4個の位置決め孔555を対応して有する。
【0059】
つまり、回路基板55は、位置決めピン412、413、432及び432を、位置決め孔555に対応して挿通することにより、位置決めピン412及び413をその位置決め孔512に挿通することによりフレーム41に位置決めされた回路基板51と、位置決めピン432及び433をその位置決め孔522に挿通することによりフレーム43に位置決めされた回路基板52と、に対して共差し状態になってフレーム41及び43に位置決めされた状態で、符号を省略したねじ等の締結部材を用いてケース7に装着される。
【0060】
[接続導体に関する構成]
図1、図3及び図4に示すように、第1の接続導体81(N)は、相対的に大電流が流れる電流経路であり、ケース7の内部空間S内の間隙部を有効に利用し、この間隙部をx軸方向に延在すると共に、ケース7の側壁71から貫通孔711を介し延出してその突出端が第1の電源入力端子72として使用される。第1の電源入力端子72には、バッテリのマイナス端子からの電気配線の接続端子を締結して支持し電気的に接続する雌ねじを有した締結孔815が配設される。
【0061】
具体的には、特に図3に示すように、第1の接続導体81(N)は、内部空間S内において、回路基板55に実装される制御IC551やその相対的な小電流経路である制御電流経路から適度に離間しながら、上下方向では回路基板55よりも下方であって、かつ、
水平方向では第1の半導体モジュール2の内部空間S内の部分と第1のコンデンサ91及び第2のコンデンサ92との間における間隙部でx軸方向に延在する水平ブロック部を有するブロック構造体である。
【0062】
つまり、第1の接続導体81(N)は、細線や板状等の部材ではなく、y−z平面における縦断面を略矩形状とした角柱状で直状の導電性ブロック構造体により構成されており、それ自体で第1の半導体素子23(U)〜25(W)の対応する電源入力端子や第1のコンデンサ91及び第2のコンデンサ92の対応する接続端子を載置して締結しながら支持する支持部材として、充分な体積及び強度を有するブロック構造体である。具体的には、第1の接続導体81(N)は、典型的にはアルミニウム合金製であり、その縦断面におけるy軸方向の幅寸法とz軸方向の厚さ寸法との比であるアスペクト比は、その締結孔の大きさや配置にもよるが1:5から5:1程度の範囲に設定されている。
【0063】
かかる第1の接続導体81(N)は、導電性ブロック構造体であり十分な締結部の寸法を確保することができるので、各々が雌ねじを有する計3個の締結孔813がその下面から上方を向いて配設され、各々が雌ねじを有する計2個の締結孔814がその上面から下方を向いた締結孔及びその下面から上方を向いた締結孔として配設されている。第1の半導体素子25(W)の第1の電源入力端子251は、ねじ等の締結部材811を用いて、第1の接続導体81(N)の下面に締結孔813を介して機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。同様に、第1の半導体素子23(U)の第1の電源入力端子231及び第1の半導体素子24(V)の第1の電源入力端子241は、各々、同じ符号で図示する締結部材811を用いて、第1の接続導体81(N)の下面に同じ符号で図示する締結孔813を介して機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。ここで、締結部材811は、図示を省略する直状柄を有したドライバ等の締結工具を第1の冷却部材21の貫通孔211から内部空間S内に侵入させて締結される。また、第1のコンデンサ91の接続端子912が、締結部材812及び締結孔814を用いて第1の接続導体81(N)の上面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続されると共に、第2のコンデンサ92の接続端子922が、各々第1のコンデンサ91に関するものと同じ符号で図示する締結部材812及び締結孔814を用いて第1の接続導体81(N)の下面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。
【0064】
ここで、第1の接続導体81(N)をブロック構造体とする場合には、その材質を、通常考えられる銅合金や鉄合金とするのではなく、アルミ合金とすることが好ましい。
【0065】
というのは、第1の接続導体81(N)を銅合金製とした場合には、銅合金が、相対的に導電性に優れるために電流が流れる方向に対して垂直な断面における断面積を小さく設定できることや、そもそも高価であることに起因して、複数の細線からなるケーブル状や単なる薄板のバスバー状の構成を採用することになり、ブロック構造体の構成を採用する必然性もない。かかる場合には、第1の接続導体81(N)自体の強度が不足して第1の半導体素子23(U)〜25(W)の第1の電源入力端子231〜251や第1のコンデンサ91及び第2のコンデンサ92の対応する接続端子を充分に支持できないし、そもそも締結孔813及び814自体を直接設けることが難しい。更に、かかる場合には、その断面積が小さいことに起因して外周や外表面積も小さいから、そこを流れる電流に対するインダクタンスが大きくなって周辺の各素子に不要な影響が出る可能性もあるし、そこを流れる電流により発生する熱の放熱性にも劣る。
【0066】
一方で、第1の接続導体81(N)を鉄合金製とした場合には、鉄合金が、相対的に導電性に劣るために電流が流れる方向に対して垂直な断面における断面積を大きく設定しなくてはならないことに起因して、大きな断面積を有する構成を採用することになる。かかる場合には、第1の接続導体81(N)自体のサイズが大きくなり過ぎるから、内部空間
S内の間隙部を延在させることが困難になるし、仮にかかる間隙部を延在させようとするとケース7自体のサイズを大きくする必要がある。
【0067】
そこで、第1の接続導体81(N)の電気的特性、機械的特性やサイズといった諸特性を最適化しながら充分な性能を確保すべく、第1の接続導体81(N)をブロック構造体とするには、その導電性の材質をアルミ合金製とすることが好ましい。かかる理由は、その他の第2の接続導体82(P)及び第3の接続導体83(U)〜85(W)においても同様である。特に、第3の接続導体83(U)〜85(W)においては、第1の半導体素子23(U)〜25(W)の第1の出力端子232〜252、第2の半導体素子33(U)〜35(W)の第2の出力端子332〜352、及び電動モータのU相〜W相の駆動電流入力端子を、第3の接続導体83(U)〜85(W)に対応して直接接続して機械的に支持すると共に電気的に接続できるため、付加的な端子台が省略できる。
【0068】
図1、図3及び図4に示すように、第2の接続導体82(P)は、相対的に大電流が流れる電流経路であり、その取り付け位置が第1の接続導体81(N)よりも上方にあり、かつ、その取り付け姿勢が第1の接続導体81(N)とは天地が逆になること以外は、第1の接続導体81(N)と同一の部材である。つまり、第2の接続導体82(P)は、第1の接続導体81(N)と同様に締結孔823、824及び825等を配設する。ここで、第2の半導体素子33(U)の第2の電源入力端子331、第2の半導体素子34(V)の第2の電源入力端子341及び第2の半導体素子35(W)の第2の電源入力端子351は、各々、同じ符号で図示する締結部材821を用いて、第2の接続導体82(P)の上面に同じ符号で図示する締結孔823を介して機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。また、第1のコンデンサ91の接続端子911が、締結部材822及び締結孔824を用いて第2の接続導体82(P)の上面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続されると共に、第2のコンデンサ92の接続端子921が、各々第1のコンデンサ91に関するものと同じ符号で図示する締結部材822及び締結孔824を用いて第2の接続導体82(P)の下面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。また、ケース7の側壁71から貫通孔712を介して延出した第2の接続導体82(P)の突出端は、締結孔825が配設された第2の電源入力端子73として使用され、バッテリのプラス端子からの電気配線の接続端子は、締結孔825に締結されて支持されながら電気的に接続される。
【0069】
図1、図3及び図4に示すように、第3の接続導体85(W)は、相対的に大電流が流れる電流経路であり、第1の接続導体81(N)及び第2の接続導体82(P)に対して、第1の半導体モジュール2の内部空間S内に位置する部分、回路基板55及び第2の半導体モジュール3の内部空間S内に位置する部分を介在させてy軸方向で反対側に配設され、ケース7の内部空間S内の間隙部を有効に利用し、この間隙部をy軸方向に延在すると共に、ケース7の側壁71から対応する貫通部713を介して延出してその突出端が出力端子74として使用される。第3の接続導体85(W)の出力端子74には、電動モータのW相の駆動電流入力端子を機械的に締結して支持する雌ねじを有した締結孔852が配設される。
【0070】
具体的には、特に図3に示すように、第3の接続導体85(W)は、ケース7の内部空間S内において、回路基板55に実装される制御IC551やその相対的な小電流経路である制御電流経路から適度に離間しながら、水平方向では、側壁71から第1の半導体モジュール2の内部空間S内に位置する部分に至る間隙部をy軸方向に延在して、x−z平面における縦断面を略矩形状とした角柱状で直状の水平ブロック部を有すると共に、上下方向では、第1の半導体モジュール2の内部空間S内に位置する部分の近傍から上方に起立し、回路基板55の対応する貫通孔554を貫通しながら第1の半導体素子25(W)の第1の出力端子252と第2の半導体素子35(W)の第2の出力端子352との間に
跨るように、第1の半導体モジュール2の内部空間S内に位置する部分、回路基板55及び第2の半導体モジュール3の内部空間S内に位置する部分と、電流センサ552と、の間の間隙部をz軸方向に延在して、x−y平面における横断面を略矩形状とした角柱状で直状の起立ブロック部を水平ブロック部に対して一体に有するブロック構造体である。なお、かかる貫通孔554は、第3の接続導体83(U)〜85(W)の全てを挿通自在に1個のみ設けられていてもよい。
【0071】
つまり、第3の接続導体85(W)は、x軸方向に見てL字状であるが、第1の接続導体81(N)及び第2の接続導体82(P)と同様に、アルミ合金製の導電性ブロック構造体により構成され、そのy軸方向に延在する部分のx−z平面における縦断面のx軸方向の幅寸法とz軸方向の厚さ寸法との比であるアスペクト比及びそのz軸方向に延在する部分のx−y平面における横断面のx軸方向の幅寸法とy軸方向の奥行き寸法との比であるアスペクト比は、各々1:5から5:1程度の範囲に設定されている。
【0072】
かかる第3の接続導体85(W)は、導電性ブロック構造体であり、十分な締結部の寸法を確保することができると共に、第2の半導体素子35(W)から第1の半導体素子25(W)に渡って十分な長さを確保することができるので、第3の接続導体85(W)には各々が雌ねじを有する上下一対の締結孔851を対向して配設することができる。特に図3に示すように、第2の半導体素子35(W)の第2の出力端子352は、締結部材855及び締結孔851を用いて第3の接続導体85(W)の起立ブロック部の上端面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。同様に、第1の半導体素子25(W)の第1の出力端子252は、各々同じ符号で図示する締結部材855及び締結孔851を用いて第3の接続導体85(W)の起立ブロック部の下端面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。ここで、締結部材855は、図示を省略する直状柄を有したドライバ等の締結工具を、第1の冷却部材21の対応する貫通孔211又は第2の冷却部材31の対応する貫通孔311から内部空間S内に侵入させて締結される。
【0073】
第3の接続導体85(W)に対してx軸の負方向側に隣接並置される第3の接続導体84(V)、及び第3の接続導体84(V)に対してx軸の負方向側に隣接並置される第3の接続導体83(U)は、各々、相対的に大電流が流れる電流経路であり、それらの取り付け位置が第3の接続導体85(W)とは異なること以外は、第3の接続導体85(W)と同一の部材である。つまり、第3の接続導体83(U)及び第3の接続導体84(V)は、第3の接続導体85(W)と同様に、ケース7の内部空間S内の間隙部を有効に利用し、この間隙部をy軸方向に延在すると共に、ケース7の側壁71から対応する貫通部713を介して各々延出してその突出端が出力端子74として使用される。第3の接続導体83(U)及び84(V)の出力端子74には、電動モータのU相及びV相の駆動電流入力端子を対応して機械的に締結して支持する雌ねじを有した締結孔832及び842が対応して配設される。ここで、第2の半導体素子33(U)の第2の出力端子332は、締結部材835及び雌ねじを有する締結孔831を用いて第3の接続導体83(U)の起立ブロック部の上端面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続されると共に、第1の半導体素子23(U)の第1の出力端子232は、各々同じ符号で図示する締結部材835及び雌ねじを有する締結孔831を用いて第3の接続導体83(U)の起立ブロック部の下端面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。また、第2の半導体素子34(V)の第2の出力端子342は、締結部材845及び雌ねじを有する締結孔841を用いて第3の接続導体84(V)の起立ブロック部の上端面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続されると共に、第1の半導体素子24(V)の第1の出力端子242は、各々同じ符号で図示する締結部材845及び雌ねじを有する締結孔841を用いて第3の接続導体84(V)の起立ブロック部の下端面に機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。また、電動モータのU相の駆動電流入力端子は、第3の接続導体83(U)の出力端子74に配設された締結孔832を介して、機械的に締結
されて支持されながら電気的に接続され、電動モータのV相の駆動電流入力端子は、第3の接続導体84(V)の出力端子74に配設された締結孔842を介して、機械的に締結されて支持されながら電気的に接続される。なお、かかる貫通孔713は、第3の接続導体83(U)〜85(W)の全てを挿通自在に1個のみ設けられていてもよい。
【0074】
ここで、第1の接続導体81(N)、第2の接続導体82(P)及び第3の接続導体83(U)〜85(W)は、内部空間S内の対応する間隙部を延在して側壁71を貫通しケース7外方に突出でき、かつ、対応する相手端子を載置して機械的に締結しながら支持する支持部材として充分な強度及び体積を有し、かつ、相手端子を導通する充分な導電性を有するブロック構造体であればよい。よって、かかるブロック構造体は、単一のブロック部を含むものでもよいし、複数のブロック部を組み合わせたものであってもよく、同様のブロック部を適宜組み合わせることにより、その形状や電流の経路長を簡便に拡張し得るものであるといえる。また、かかるブロック部は、過大なインダクタンスや発熱を生じない断面積を有するものであれば、略矩形状の断面を有するものに限定されるものではなく、他の角形状や楕円状等の断面を有するものであってもよい。もちろん、かかるブロック部は、直状ブロック部として延在するものではなく、湾曲状ブロック部として延在するものであってもよく、又は、水平面に締結部を有するものではなく、傾斜面に締結部を有するものであってもよい。
【0075】
このように、更に、電力変換装置1においては、相対的に大電流が流れる第1の接続導体81(N)、第2の接続導体82(P)及び第3の接続導体83(U)〜85(W)と相対的に小電流が流れる制御電流経路とを互いに離間して効率的に分配しながら、第1の接続導体81(N)、第2の接続導体82(P)及び第3の接続導体83(U)〜85(W)を内部空間Sの間隙部中に対応して延在させると共に、第1の接続導体81(N)、第2の接続導体82(P)及び第3の接続導体83(U)〜85(W)をブロック構造体としているため、内部空間Sを有効利用して装置全体の構成をコンパクトにすると共に、付加的な端子台を省略しながら、第1の半導体素子23(U)〜25(W)の第1の出力端子232〜252が、第3の接続導体83(U)〜85(W)に対して機械的に締結して支持されながら電気的に接続され、かつ、第2の半導体素子33(U)〜35(W)の第2の出力端子332〜352が、第3の接続導体83(U)〜85(W)に対して機械的に締結して支持されながら電気的に接続される一方で、電動モータのU相の駆動電流入力端子が、第3の接続導体83(U)に機械的に締結して支持されながら電気的に接続され、電動モータのV相の駆動電流入力端子が、第3の接続導体84(V)に機械的に締結して支持されながら電気的に接続され、かつ、電動モータのW相の駆動電流入力端子が、第3の接続導体85(W)に機械的に締結して支持されながら電気的に接続される。
【0076】
[電流センサに関する構成]
図1、図3及び図4に示すように、計3個の電流センサ552は、各々、非接触型の電流センサ、典型的にはホール素子を有するコアレス型の磁電変換電流センサであり、ケース7の内部空間S内において、第3の接続導体83(U)〜85(W)の起立ブロック部と側壁71との間の間隙部を延在する回路基板55の計3個の張り出し部553上に対応して実装されて、第3の接続導体83(U)〜85(W)の対応する水平ブロック部の近傍上方に配設される。
【0077】
具体的には、張り出し部553は、側壁71から第1の半導体モジュール2の内部空間S内に位置する部分に至る間隙部をy軸方向に延在する第3の接続導体83(U)の水平ブロック部の上方、側壁71から第1の半導体モジュール2の内部空間S内に位置する部分に至る間隙部をy軸方向に延在する第3の接続導体84(V)の水平ブロック部の上方、及び側壁71から第1の半導体モジュール2の内部空間S内に位置する部分に至る間隙部をy軸方向に延在する第3の接続導体85(W)の水平ブロック部の上方に各々対応し
て近接対向するように、回路基板55の一部を、貫通孔554を超えてy軸の負方向に張り出させることにより、計3個設けられる。かかる張り出し部553は、絶縁シートILを介して、第3の接続導体83(U)の水平ブロック部上、第3の接続導体84(V)の水平ブロック部上、及び第3の接続導体85(W)の水平ブロック部上に、各々載置されている。
【0078】
つまり、電流センサ552は、回路基板55と一体の基板部である張り出し部553上に対応して実装されることにより、第3の接続導体83(U)の水平ブロック部の上方近傍、第3の接続導体84(V)の水平ブロック部の上方近傍、及び第3の接続導体85(W)の水平ブロック部の上方近傍に、各々対応して配設される。併せて、回路基板55の計3個の貫通孔554には、第3の接続導体83(U)〜85(W)の起立ブロック部が対応して挿通される。
【0079】
電流センサ552は、各々、第3の接続導体83(U)を流れるU相交流電流、第3の接続導体84(V)を流れるV相交流電流、及び第3の接続導体85(W)を流れるW相交流電流により発生する磁界を対応して検出して電流信号に変換する。それらの検出電流信号は、各々回路基板55のプリント配線を介して制御用IC551に送られ、電力変換装置1の交流電流出力の安定化制御等に利用される。
【0080】
このように、更に、電力変換装置1においては、電流センサ552を、回路基板55の一部を、貫通孔554を超えて回路基板55と一体に張り出させた基板部である張り出し部553上に対応して実装すると共に、張り出し部553を第3の接続導体83(U)〜85(W)の水平ブロック部上に対応して載置しているため、内部空間Sを有効利用して装置全体の構成をコンパクトにすると共に、第3の接続導体83(U)〜85(W)の起立ブロック部で位置決めされた回路基板55を、第3の接続導体83(U)〜85(W)の水平ブロック部で計3箇所安定に支持しながら、第3の接続導体83(U)〜85(W)を流れる電流を確実に検出する。
[電力変換装置の組み立て]
以上の構成を有する電力変換装置1の組み立て方法につき、以下詳細に説明する。
【0081】
まず、第1の冷却部材21の一方の表面21A上に絶縁シート22を配設する一方で、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を収容したフレーム41に対して押さえ部材42を取り付けると共に駆動IC511等が実装された回路基板51を取り付け、かかる状態のフレーム41を、絶縁シート22を介して、第1の冷却部材21の一方の表面21Aに対して締結して取り付けることにより、第1の半導体モジュール2を組み上げる。
【0082】
この際、回路基板51の一対の位置決め孔512には、フレーム41の枠体411に立設された計2本の位置決めピン412及び413が対応して挿通することにより、回路基板51は、フレーム41に対して位置決めされて、第1の半導体モジュール2において所定の位置に取り付けられる。
【0083】
同様に、第2の冷却部材31の一方の表面31A上に絶縁シート32を配設する一方で、第2の半導体素子33(U)〜35(W)を収容したフレーム43に対して押さえ部材44を取り付けると共に駆動IC521等が実装された回路基板52を取り付け、かかる状態のフレーム43を、絶縁シート32を介して、第3の冷却部材31の一方の表面31Aに対して締結して取り付けることにより、第2の半導体モジュール3を組み上げる。
【0084】
この際、回路基板52の一対の位置決め孔522には、フレーム43の枠体431に立設された計2本の位置決めピン432及び433が対応して挿通することにより、回路基板52は、フレーム43に対して位置決めされて、第2の半導体モジュール3において所
定の位置に取り付けられる。
【0085】
併せて、貫通孔711を、シール部材を介して、貫通させた状態の第1の接続導体81(N)、貫通孔712を、シール部材を介して、貫通させた状態の第2の接続導体82(P)、及び対応する貫通孔713を、シール部材を介して、貫通させた状態の第3の接続導体83(U)〜85(W)を、ケース7の側壁71に各々設けられた図示を省略する固定部に対応して取り付ける。
【0086】
更に、かかる状態の第1の接続導体81(N)及び第2の接続導体82(P)に対して、各々対応する締結部材812及び822、並びに締結孔814及び824を利用して、第1のコンデンサ91の接続端子911及び912、並びに第2のコンデンサ92の接続端子921及び922を締結することにより、第1のコンデンサ91及び第2のコンデンサ92を、ケース7の内部空間S内に収容した状態で第1の接続導体81(N)及び第2の接続導体82(P)に取り付ける。
【0087】
次に、かかる状態のケース7に対して、第1の半導体モジュール2を、第1の半導体素子23(U)〜25(W)を第1の開口7H1を介して内部空間S内に配置すると共に第1の冷却部材21の他方の表面21Bをケース7外に露出する状態で取り付けて、第1の冷却部材21により第1の開口7H1を塞ぐ。
【0088】
この際、第1の半導体モジュール2の位置決めピン412及び413を、回路基板55の一対の位置決め孔555に挿通しながら、第3の接続導体83(U)〜85(W)の起立ブロック部を、回路基板55の計3個の貫通孔554に対応して挿通することにより、回路基板55を、回路基板51の上方でケース7の側壁71に各々設けられた符号を省略する固定部上に載置しながら、ケース7に取り付けられた第1の半導体モジュール2に対して位置決めする。
【0089】
次に、かかる状態のケース7に対して、第2の半導体モジュール3を、第2の半導体素子33(U)〜35(W)を第2の開口7H2を介して内部空間S内に配置すると共に第2の冷却部材21の他方の表面31Bをケース7外に露出する状態で取り付けて、第2の冷却部材31により第2の開口7H2を塞ぐ。
【0090】
この際、第2の半導体モジュール3の位置決めピン432及び433を、回路基板55の残余の一対の位置決め孔555に対応して挿通させることにより、回路基板55と第2の半導体モジュール3とを位置決めしながら、回路基板55をケース7の固定部に取り付ける。
【0091】
次に、図示を省略する締結工具を第1の冷却部材21の貫通孔211から内部空間S内に順次侵入させながら、締結部材811を対応する締結孔813に締め込むことにより、第1の半導体素子23(U)〜25(W)の第1の電源入力端子231〜251は、第1の接続導体81(N)に対して締結されると共に、締結部材835〜855を対応する締結孔831〜851に締め込むことにより、第1の半導体素子23(U)〜25(W)の第1の出力端子232〜252は、第3の接続導体83(U)〜85(W)に対して締結される。
【0092】
次に、図示を省略する締結工具を第2の冷却部材31の貫通孔311から内部空間S内に順次侵入させながら、締結部材821を対応する締結孔823に締め込むことにより、第2の半導体素子33(U)〜35(W)の第2の電源入力端子331〜351は、第2の接続導体82(P)に対して締結されると共に、締結部材835〜855を対応する締結孔831〜851に締め込むことにより、第2の半導体素子33(U)〜35(W)の
第2の出力端子332〜352は、第3の接続導体83(U)〜85(W)に対して締結される。
【0093】
そして、必要に応じ、第1の冷却部材21の貫通孔211及び第2の冷却部材31の貫通孔311を、図示を省略するグロメット等で塞ぐことにより、電力変換装置1の組み立ては完了する。
【0094】
なお、本発明は、部材の形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0095】
以上のように、本発明においては、付加的なセンサ基板を省略して、電流センサを別の回路基板に実装しながら検出対象の電流が流れる接続導体の近傍に配置することが可能であると共に、その回路基板を接続導体で支持することが可能な電力変換装置を提供することができるものであるため、その汎用普遍的な性格から広範に電力変換装置等の半導体制御装置の分野に適用され得るものと期待される。
【符号の説明】
【0096】
1…電力変換装置
21、31…冷却部材
211、311…貫通孔
215、315…放熱フィン
21A、21B、31A、31B…表面
22、32…絶縁シート
23、24、25、33、34、35…半導体素子
231、241、251、331、341、351…電源入力端子
232、242、252、332、342、352…出力端子
41、43…フレーム
411、431…枠体
412、413、432、433…位置決めピン
42、44…押さえ部材
51、52、55…回路基板
511、521…駆動IC
512、522、555…位置決め孔
551…制御IC
552…電流センサ
553…張り出し部
554…貫通孔
7…ケース
71…側壁
711、712、713…貫通孔
7H1、7H2…開口
72、73…電源入力端子
74…出力端子
75…制御用コネクタ
81、82、83、84、85…接続導体
811、812、821、822、835、845、855…締結部材
813、814、815、823、824、825、831、832、841、842、851、852…締結孔
91、92…コンデンサ
911、912、921、922…接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング動作する半導体素子と、前記半導体素子からの電流を非接触で検出自在な電流センサと、を備えた電力変換装置であって、
前記半導体素子に電気的に接続するブロック構造体である接続導体を備え、
前記電流センサは、回路基板に実装され、前記回路基板の前記電流センサを実装する部分は、前記接続導体上に載置されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記接続導体の一部は、前記回路基板に設けられた貫通孔に挿通されることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記接続導体に、前記半導体素子の出力端子を締結するねじ締結部を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記接続導体は、アルミニウム材からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−74670(P2013−74670A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210653(P2011−210653)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)
【Fターム(参考)】