説明

電動ブレーキ装置

【課題】ブレーキ液によって滑らかな動作が阻害されることのない電動ブレーキ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】シリンダ本体とアクチュエータハウジング172の連結部と、アクチュエータハウジング172を車両に固定するボルトが挿通する取付用孔82a1と、を連通するブレーキ液流路180を、シリンダ本体とアクチュエータハウジング172の連結部に形成する。そして、シリンダ本体から漏出してシリンダ本体とアクチュエータハウジング172の連結部に流れ込んだブレーキ液を、ブレーキ液流路180を介して、液溜め部となる取付用孔82a1に流し込む構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータの回転駆動力でブレーキ液圧を発生する車両用の電動ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキペダルが踏み込まれたときの踏力を倍力するための倍力装置を備える車両用ブレーキシステムは広く知られ、例えば、特許文献1には、倍力源に電動モータを利用した電動ブレーキアクチュエータ(電動倍力装置)が開示されている。
特許文献1に開示される電動ブレーキアクチュエータは、ブレーキペダルの操作で進退移動する軸部材を主ピストン、その軸部材(主ピストン)に外装される筒状部材をブースタピストンとし、軸部材(主ピストン)にブレーキペダルから入力される推力と、筒状部材(ブースタピストン)に電動モータで付与される推力と、でブレーキ液圧を発生して踏力を倍力するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−23594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示される電動ブレーキアクチュエータは、ブレーキ液が充填されるマスタシリンダの圧力室とボールねじ機構の収納部が一体に構成されているが、ブレーキ液がボールねじ機構の収納部に流れ込むことが想定されていない。
ブレーキ液がボールねじ機構の収納部に流れ込むと、ボールねじ機構を滑らかに動作させるための潤滑剤の潤滑性能が低下して、ボールねじ機構の滑らかな動作が阻害される場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、ブレーキ液によって滑らかな動作が阻害されることのない、車両用の電動ブレーキ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明は、電動モータの回転駆動力で、シリンダ本体に収納される液圧制御ピストンを駆動することによってブレーキ液圧を発生させ、前記電動モータの出力軸の回転駆動力を前記液圧制御ピストンの直線駆動力に変換するアクチュエータ機構を収納する機構収納部を有するアクチュエータハウジングが前記シリンダ本体に連結され、前記シリンダ本体におけるブレーキ液の封入部と、前記機構収納部と、がシール部材によって区画される電動ブレーキ装置とする。そして、前記シリンダ本体から漏出したブレーキ液が前記機構収納部まで流れることを防止するための液止め部が設けられることを特徴とする。
【0007】
この発明によると、電動ブレーキ装置において、シリンダ本体から漏出したブレーキ液がアクチュエータ機構を収納する機構収納部まで流れることを防止できる。したがって、ブレーキ液によってアクチュエータ機構の滑らかな動作が阻害されることを防止できる。
【0008】
また、前記液止め部は、前記シリンダ本体から漏出し、当該シリンダ本体と前記アクチュエータハウジングの連結部に流れ込んだ前記ブレーキ液を溜める液溜め部を含んで構成されることを特徴とする。
【0009】
この発明によると、シリンダ本体とアクチュエータハウジングの連結部に流れ込んだブレーキ液を液溜め部に溜めることによって、ブレーキ液が機構収納部まで流れることを防止できる。
【0010】
また、前記液止め部は、前記アクチュエータハウジングを車両に固定するための取付用締結部材が挿通される挿通孔に前記ブレーキ液を流し込む連通路を含んで構成され、前記挿通孔を前記液溜め部とすることを特徴とする。
【0011】
この発明によると、電動ブレーキ装置のアクチュエータハウジングを車両に固定する取付用締結部材が挿通される挿通孔を、ブレーキ液の液溜め部として利用できる。したがって、専用の液溜め部を設けることなく、ブレーキ液の液溜め部を形成できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、ブレーキ液によって滑らかな動作が阻害されることのない、車両用の電動ブレーキ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る電動ブレーキ装置が備わる車両用ブレーキシステムの構成図である。
【図2】電動ブレーキ装置がパワープラント収納室に配置される状態を示す斜視図である。
【図3】電動ブレーキ装置の分解斜視図である。
【図4】アクチュエータハウジングの分解斜視図である。
【図5】電動ブレーキ装置がブラケットに取り付けられる構成の一例を示す図である。
【図6】アクチュエータハウジングの開口部と挿通孔を連通するブレーキ液流路を示す図である。
【図7】(a)、(b)は、液止め部の別の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置が備わる車両用ブレーキシステムの概略構成図である。
【0015】
図1に示す車両用ブレーキシステム10は、通常時用として、電気信号を伝達してブレーキを作動させるバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、フェイルセイフ時用として、油圧を伝達してブレーキを作動させる旧来の油圧式のブレーキシステムの双方を備えて構成される。
【0016】
このため、図1に示すように、車両用ブレーキシステム10は、基本的に、操作者によってブレーキペダル12等のブレーキ操作部が操作されたときにその操作を入力する入力装置14と、ブレーキペダル12が踏み込み操作されたときの操作量(ストローク)を検出するペダルストロークセンサStと、ブレーキ液圧を制御(発生)する電動ブレーキアクチュエータ(電動ブレーキ装置16)と、車両挙動の安定化を支援する車両挙動安定化装置18(以下、VSA(ビークルスタビリティアシスト)装置18という、VSA;登録商標)とを別体として備えて構成されている。
【0017】
これらの入力装置14、電動ブレーキ装置16、及び、VSA装置18は、例えば、ホースやチューブ等の管材で形成された液圧路によって接続されていると共に、バイ・ワイヤ式のブレーキシステムとして、入力装置14と電動ブレーキ装置16とは、図示しないハーネスで電気的に接続されている。
【0018】
このうち、液圧路について説明すると、図1中(中央やや下)の連結点A1を基準として、入力装置14の接続ポート20aと連結点A1とが第1配管チューブ22aによって接続され、また、電動ブレーキ装置16の出力ポート24aと連結点A1とが第2配管チューブ22bによって接続され、さらに、VSA装置18の導入ポート26aと連結点A1とが第3配管チューブ22cによって接続されている。
【0019】
図1中の他の連結点A2を基準として、入力装置14の他の接続ポート20bと連結点A2とが第4配管チューブ22dによって接続され、また、電動ブレーキ装置16の他の出力ポート24bと連結点A2とが第5配管チューブ22eによって接続され、さらに、VSA装置18の他の導入ポート26bと連結点A2とが第6配管チューブ22fによって接続されている。
【0020】
VSA装置18には、複数の導出ポート28a〜28dが設けられる。第1導出ポート28aは、第7配管チューブ22gによって右側前輪に設けられたディスクブレーキ機構30aのホィールシリンダ32FRと接続される。第2導出ポート28bは、第8配管チューブ22hによって左側後輪に設けられたディスクブレーキ機構30bのホィールシリンダ32RLと接続される。第3導出ポート28cは、第9配管チューブ22iによって右側後輪に設けられたディスクブレーキ機構30cのホィールシリンダ32RRと接続される。第4導出ポート28dは、第10配管チューブ22jによって左側前輪に設けられたディスクブレーキ機構30dのホィールシリンダ32FLと接続される。
【0021】
この場合、各導出ポート28a〜28dに接続される配管チューブ22g〜22jによってブレーキ液がディスクブレーキ機構30a〜30dの各ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに対して供給され、各ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL内の液圧が上昇することにより、各ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLが作動し、対応する車輪(右側前輪、左側後輪、右側後輪、左側前輪)に対して制動力が付与される。
【0022】
なお、車両用ブレーキシステム10は、例えば、エンジン(内燃機関)のみによって駆動される自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等を含む各種車両に対して搭載可能である。
また、車両用ブレーキシステム10は、前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動など、駆動形式を限定することなく、全ての駆動形式の車両に搭載可能である。
【0023】
入力装置14は、操作者によるブレーキペダル12の操作によって液圧を発生可能なタンデム式のマスタシリンダ34と、前記マスタシリンダ34に付設された第1リザーバ36とを有する。このマスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、前記シリンダチューブ38の軸方向に沿って所定間隔離間する2つのピストン40a、40bが摺動自在に配設される。一方のピストン40aは、ブレーキペダル12に近接して配置され、プッシュロッド42を介してブレーキペダル12と連結される。また、他方のピストン40bは、一方のピストン40aよりもブレーキペダル12から離間して配置される。
【0024】
この一方及び他方のピストン40a、40bの外周面には、環状段部を介して一対のカップシール44a、44bがそれぞれ装着される。一対のカップシール44a、44bの間には、それぞれ、後記するサプライポート46a、46bと連通する背室48a、48bが形成される。また、一方及び他方のピストン40a、40bとの間には、ばね部材50aが配設され、他方のピストン40bとシリンダチューブ38の側端部と間には、他のばね部材50bが配設される。
なお、カップシール44a、44bが、シリンダチューブ38の内壁に取り付けられる構成であってもよい。
【0025】
マスタシリンダ34のシリンダチューブ38には、2つのサプライポート46a、46bと、2つのリリーフポート52a、52bと、2つの出力ポート54a、54bとが設けられる。この場合、各サプライポート46a(46b)及び各リリーフポート52a(52b)は、それぞれ合流して第1リザーバ36内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
【0026】
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、操作者がブレーキペダル12を踏み込む踏力に対応したブレーキ液圧を発生させる第2圧力室56a及び第1圧力室56bが設けられる。第2圧力室56aは、第2液圧路58aを介して接続ポート20aと連通するように設けられ、第1圧力室56bは、第1液圧路58bを介して他の接続ポート20bと連通するように設けられる。
【0027】
マスタシリンダ34と接続ポート20aとの間であって、第2液圧路58aの上流側には圧力センサPmが配設されると共に、第2液圧路58aの下流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第2遮断弁60aが設けられる。この圧力センサPmは、第2液圧路58a上において、第2遮断弁60aよりもマスタシリンダ34側である上流側の液圧を検知するものである。
【0028】
マスタシリンダ34と他の接続ポート20bとの間であって、第1液圧路58bの上流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第1遮断弁60bが設けられると共に、第1液圧路58bの下流側には、圧力センサPpが設けられる。この圧力センサPpは、第1液圧路58b上において、第1遮断弁60bよりもホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL側である下流側の液圧を検知するものである。
【0029】
この第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bにおけるノーマルオープンとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が開位置の状態(常時開)となるように構成されたバルブをいう。なお、図1において、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bは、ソレノイドが通電されて、図示しない弁体が作動した閉弁状態をそれぞれ示している。
【0030】
マスタシリンダ34と第1遮断弁60bとの間の第1液圧路58bには、前記第1液圧路58bから分岐する分岐液圧路58cが設けられ、前記分岐液圧路58cには、ノーマルクローズタイプ(常閉型)のソレノイドバルブからなる第3遮断弁62と、ストロークシミュレータ64とが直列に接続される。この第3遮断弁62におけるノーマルクローズとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が閉位置の状態(常時閉)となるように構成されたバルブをいう。なお、図1において、第3遮断弁62は、ソレノイドが通電されて、図示しない弁体が作動した開弁状態を示している。
【0031】
このストロークシミュレータ64は、バイ・ワイヤ制御時に、ブレーキペダル12の操作に対して、ストロークと反力を与えて、あたかも踏力により、制動力が発生しているかのように操作者に思わせる装置であり、第1液圧路58b上であって、第1遮断弁60bよりもマスタシリンダ34側に配置されている。前記ストロークシミュレータ64には、分岐液圧路58cに連通する液圧室65が設けられ、前記液圧室65を介して、マスタシリンダ34の第1圧力室56bから導出されるブレーキ液(ブレーキフルード)が吸収可能に設けられる。
【0032】
また、ストロークシミュレータ64は、互いに直列に配置されたばね定数の高い第1リターンスプリング66aとばね定数の低い第2リターンスプリング66bと、前記第1及び第2リターンスプリング66a、66bによって付勢されるシミュレータピストン68とを備え、ブレーキペダル12の踏み込み前期時にペダル反力の増加勾配を低く設定し、踏み込み後期時にペダル反力を高く設定してブレーキペダル12のペダルフィーリングが、既存のマスタシリンダ34を踏み込み操作したときのペダルフィーリングと同等になるように設けられている。
【0033】
液圧路は、大別すると、マスタシリンダ34の第2圧力室56aと複数のホィールシリンダ32FR、32RLとを接続する第2液圧系統70aと、マスタシリンダ34の第1圧力室56bと複数のホィールシリンダ32RR、32FLとを接続する第1液圧系統70bとから構成される。
【0034】
第2液圧系統70aは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54aと接続ポート20aとを接続する第2液圧路58aと、入力装置14の接続ポート20aと電動ブレーキ装置16の出力ポート24aとを接続する配管チューブ22a、22bと、電動ブレーキ装置16の出力ポート24aとVSA装置18の導入ポート26aとを接続する配管チューブ22b、22cと、VSA装置18の導出ポート28a、28bと各ホィールシリンダ32FR、32RLとをそれぞれ接続する配管チューブ22g、22hとによって構成される。
【0035】
第1液圧系統70bは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54bと他の接続ポート20bとを接続する第1液圧路58bと、入力装置14の他の接続ポート20bと電動ブレーキ装置16の出力ポート24bとを接続する配管チューブ22d、22eと、電動ブレーキ装置16の出力ポート24bとVSA装置18の導入ポート26bとを接続する配管チューブ22e、22fと、VSA装置18の導出ポート28c、28dと各ホィールシリンダ32RR、32FLとをそれぞれ接続する配管チューブ22i、22jとを有する。
【0036】
電動ブレーキ装置16は、電動モータ72を含むアクチュエータ機構74と、前記アクチュエータ機構74によって付勢されるシリンダ機構76とを有する。
【0037】
アクチュエータ機構74は、電動モータ72の出力軸72b側に設けられ、複数のギヤが噛合して電動モータ72の回転駆動力を伝達するギヤ機構(減速機構)78と、前記ギヤ機構78を介して前記回転駆動力が伝達されることにより軸方向に沿って進退動作するボールねじ軸80a及びボール80bを含むボールねじ構造体80とを有する。
本実施形態においてボールねじ構造体80は、ギヤ機構78とともにアクチュエータハウジング172の機構収納部173aに収納される。
【0038】
シリンダ機構76は、略円筒状のシリンダ本体82と、前記シリンダ本体82に付設された第2リザーバ84とを有する。第2リザーバ84は、入力装置14のマスタシリンダ34に付設された第1リザーバ36と配管チューブ86で接続され、第1リザーバ36内に貯留されたブレーキ液が配管チューブ86を介して第2リザーバ84内に供給されるように設けられる。なお、配管チューブ86に、ブレーキ液を貯留するタンクが備わっていてもよい。
そして、略円筒状を呈するシリンダ本体82の開放された端部(開放端)がハウジング本体172Fとハウジングカバー172Rからなるアクチュエータハウジング172に嵌合してシリンダ本体82とアクチュエータハウジング172が連結され、電動ブレーキ装置16が構成される。アクチュエータハウジング172の構成、及びシリンダ本体82とアクチュエータハウジング172の連結部の詳細は後記する。
【0039】
シリンダ本体82内には、前記シリンダ本体82の軸方向に沿って所定間隔離間する第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bが摺動自在に配設される。第2スレーブピストン88aは、ボールねじ構造体80側に近接して配置され、ボールねじ軸80aの一端部に当接して前記ボールねじ軸80aと一体的に矢印X1又はX2方向に変位する。また、第1スレーブピストン88bは、第2スレーブピストン88aよりもボールねじ構造体80側から離間して配置される。
なお、本実施形態においては、第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bが、特許請求の範囲に記載の液圧制御ピストンを構成する。
【0040】
また、本実施形態における電動モータ72は、シリンダ本体82と別体に形成されるモータケーシング72aで覆われて構成され、出力軸72bが第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bの摺動方向(軸方向)と略平行になるように配置される。つまり、出力軸72bの軸方向が液圧制御ピストンの軸方向と略平行になるように、電動モータ72が配置される。
そして、出力軸72bの回転駆動がギヤ機構78を介してボールねじ構造体80に伝達されるように構成される。
【0041】
ギヤ機構78は、例えば、電動モータ72の出力軸72bに取り付けられる第1ギヤ78aと、ボールねじ軸80aを軸方向に進退動作させるボール80bをボールねじ軸80aの軸線を中心に回転させる第3ギヤ78cと、第1ギヤ78aの回転を第3ギヤ78cに伝達する第2ギヤ78bと、の3つのギヤで構成され、第3ギヤ78cはボールねじ軸80aの軸線を中心に回転する。したがって、第3ギヤ78cの回転軸はボールねじ軸80aになり、液圧制御ピストン(第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88b)の摺動方向(軸方向)と略平行になる。
前記したように、電動モータ72の出力軸72bと液圧制御ピストンの軸方向は略平行であることから、電動モータ72の出力軸72bと第3ギヤ78cの回転軸は略平行になる。
【0042】
そして、第2ギヤ78bの回転軸を、電動モータ72の出力軸72bと略平行に構成すると、電動モータ72の出力軸72bと、第2ギヤ78bの回転軸と、第3ギヤ78cの回転軸と、が略平行に配置される。
本実施形態におけるアクチュエータ機構74は、前記した構造によって、電動モータ72の出力軸72bの回転駆動力をボールねじ軸80aの進退駆動力(直線駆動力)に変換する。第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bはボールねじ軸80aによって駆動されることから、アクチュエータ機構74は、電動モータ72の出力軸72bの回転駆動力を液圧制御ピストン(第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88b)の直線駆動力に変換する。
なお、符号173aは、ボールねじ構造体80を収納する機構収納部である。
【0043】
第1スレーブピストン88bの外周面には、環状段部を介して、一対のスレーブカップシール90a、90bがそれぞれ装着される。一対のスレーブカップシール90a、90bの間には、後記するリザーバポート92bと連通する第1背室94bが形成される。
なお、第2及び第1スレーブピストン88a、88bの間には、第2リターンスプリング96aが配設され、第1スレーブピストン88bとシリンダ本体82の側端部と間には、第1リターンスプリング96bが配設される。
【0044】
また、第2スレーブピストン88aの外周面と機構収納部173aとの間を液密にシールするとともに、第2スレーブピストン88aをその軸方向に対して移動可能にガイドする環状のガイドピストン90cが、第2スレーブピストン88aの後方に、シリンダ本体82をシール部材として閉塞するように備わっている。第2スレーブピストン88aが貫通するガイドピストン90cの内周面には、図示しないスレーブカップシールが装着され、第2スレーブピストン88aとガイドピストン90cの間が液密に構成されることが好ましい。さらに、第2スレーブピストン88aの前方の外周面には、環状段部を介して、スレーブカップシール90bが装着される。
この構成によって、シリンダ本体82の内部に充填されるブレーキ液がガイドピストン90cによってシリンダ本体82に封入され、アクチュエータハウジング172の側に流れ込まないように構成されている。
なお、ガイドピストン90cとスレーブカップシール90bの間には、後記するリザーバポート92aと連通する第2背室94aが形成される。
【0045】
シリンダ機構76のシリンダ本体82には、2つのリザーバポート92a、92bと、2つの出力ポート24a、24bとが設けられる。この場合、リザーバポート92a(92b)は、第2リザーバ84内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
【0046】
また、シリンダ本体82内には、出力ポート24aからホィールシリンダ32FR、32RL側へ出力されるブレーキ液圧を制御する第2液圧室98aと、他の出力ポート24bからホィールシリンダ32RR、32FL側へ出力されるブレーキ液圧を制御する第1液圧室98bが設けられる。
【0047】
この構成によると、ブレーキ液が封入される第2背室94a、第1背室94b、第2液圧室98a、及び第1液圧室98bは、シリンダ本体82におけるブレーキ液の封入部であり、シール部材として機能するガイドピストン90cによって、アクチュエータハウジング172の機構収納部173aと液密(気密)に区画される。
なお、ガイドピストン90cがシリンダ本体82に取り付けられる方法は限定するものではなく、例えば、図示しないサークリップで取り付けられる構成とすればよい。
【0048】
第2スレーブピストン88aと第1スレーブピストン88bとの間には、第2スレーブピストン88aと第1スレーブピストン88bの最大ストローク(最大変位距離)と最小ストローク(最小変位距離)とを規制する規制手段100が設けられる。さらに、第1スレーブピストン88bには、第1スレーブピストン88bの摺動範囲を規制して、第2スレーブピストン88a側へのオーバーリターンを阻止するストッパピン102が設けられ、これによって、特にマスタシリンダ34で制動するバックアップ時において、1つの系統が失陥したときに、他の系統の失陥が防止される。
【0049】
VSA装置18は、周知のものからなり、右側前輪及び左側後輪のディスクブレーキ機構30a、30b(ホィールシリンダ32FR、ホィールシリンダ32RL)に接続された第2液圧系統70aを制御する第2ブレーキ系110aと、右側後輪及び左側前輪のディスクブレーキ機構30c、30d(ホィールシリンダ32RR、ホィールシリンダ32FL)に接続された第1液圧系統70bを制御する第1ブレーキ系110bとを有する。なお、第2ブレーキ系110aは、左側前輪及び右側前輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第1ブレーキ系110bは、右側後輪及び左側後輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。さらに、第2ブレーキ系110aは、車体片側の右側前輪及び右側後輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第1ブレーキ系110bは、車体片側の左側前輪及び左側後輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。
【0050】
この第2ブレーキ系110a及び第1ブレーキ系110bは、それぞれ同一構造からなるため、第2ブレーキ系110aと第1ブレーキ系110bで対応するものには同一の参照符号を付していると共に、第2ブレーキ系110aの説明を中心にして、第1ブレーキ系110bの説明を括弧書きで付記する。
【0051】
第2ブレーキ系110a(第1ブレーキ系110b)は、ホィールシリンダ32FR、32RL(32RR、32FL)に対して、共通する第1共通液圧路112及び第2共通液圧路114を有する。VSA装置18は、導入ポート26aと第1共通液圧路112との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなるレギュレータバルブ116と、前記レギュレータバルブ116と並列に配置され導入ポート26a側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から導入ポート26a側へのブレーキ液の流通を阻止する)第1チェックバルブ118と、第1共通液圧路112と第1導出ポート28aとの間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第1インバルブ120と、前記第1インバルブ120と並列に配置され第1導出ポート28a側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第1導出ポート28a側へのブレーキ液の流通を阻止する)第2チェックバルブ122と、第1共通液圧路112と第2導出ポート28bとの間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第2インバルブ124と、前記第2インバルブ124と並列に配置され第2導出ポート28b側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2導出ポート28b側へのブレーキ液の流通を阻止する)第3チェックバルブ126とを備える。
【0052】
さらに、VSA装置18は、第1導出ポート28aと第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第1アウトバルブ128と、第2導出ポート28bと第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第2アウトバルブ130と、第2共通液圧路114に接続されたリザーバ132と、第1共通液圧路112と第2共通液圧路114との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2共通液圧路114側へのブレーキ液の流通を阻止する)第4チェックバルブ134と、前記第4チェックバルブ134と第1共通液圧路112との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へブレーキ液を供給するポンプ136と、前記ポンプ136の前後に設けられる吸入弁138及び吐出弁140と、前記ポンプ136を駆動するモータMと、第2共通液圧路114と導入ポート26aとの間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなるサクションバルブ142とを備える。
【0053】
なお、第2ブレーキ系110aにおいて、導入ポート26aに近接する液圧路上には、電動ブレーキ装置16の出力ポート24aから出力され、前記電動ブレーキ装置16の第2液圧室98aで制御されたブレーキ液圧を検知する圧力センサPhが設けられる。各圧力センサPm、Pp、Phで検出された検出信号は、図示しない制御手段に導入される。また、VSA装置18では、VSA制御のほか、ABS(アンチロックブレーキシステム)も制御可能である。
さらに、VSA装置18に代えて、ABS機能のみを搭載するABS装置が接続される構成であってもよい。
本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0054】
車両用ブレーキシステム10が正常に機能する正常時には、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bが励磁されて弁閉状態となり、ノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第3遮断弁62が励磁されて弁開状態となる。従って、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bによって第2液圧系統70a及び第1液圧系統70bが遮断されているため、入力装置14のマスタシリンダ34で発生したブレーキ液圧がディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに伝達されることはない。
【0055】
このとき、マスタシリンダ34の第1圧力室56bで発生したブレーキ液圧は、分岐液圧路58c及び弁開状態にある第3遮断弁62を経由してストロークシミュレータ64の液圧室65に伝達される。この液圧室65に供給されたブレーキ液圧によってシミュレータピストン68が第1及び第2リターンスプリング66a、66bのばね力に抗して変位することにより、ブレーキペダル12のストロークが許容されると共に、擬似的なペダル反力を発生させてブレーキペダル12に付与される。この結果、操作者にとって違和感のないブレーキフィーリングが得られる。
【0056】
このようなシステム状態において、図示しない制御手段は、操作者によるブレーキペダル12の踏み込みを検出すると、電動ブレーキ装置16の電動モータ72を駆動させてアクチュエータ機構74を付勢し、第2リターンスプリング96a及び第1リターンスプリング96bのばね力に抗して第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを図1中の矢印X1方向に向かって変位させる。この第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bの変位によって第2液圧室98a及び第1液圧室98b内のブレーキ液がバランスするように加圧されて所望のブレーキ液圧が発生する。
【0057】
具体的に、図示しない制御手段は、ペダルストロークセンサStの検出値に応じてブレーキペダル12の踏み込み操作量を算出し、この踏み込み操作量(ブレーキ操作量)に基づいて、回生制動力を考慮した上で目標となるブレーキ液圧(目標液圧)を設定し、設定したブレーキ液圧を電動ブレーキ装置16に発生させる。
そして、電動ブレーキ装置16で発生したブレーキ液圧が導入ポート26a、26bからVSA装置18に供給される。つまり、電動ブレーキ装置16は、ブレーキペダル12が操作されたときに電気信号で回転駆動する電動モータ72の回転駆動力で第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを駆動し、ブレーキペダル12の操作量に応じたブレーキ液圧を発生させてVSA装置18に供給する装置である。
また、本実施形態における電気信号は、例えば、電動モータ72を駆動する電力や電動モータ72を制御するための制御信号である。
【0058】
また、ブレーキペダル12の踏み込み操作量を検出する操作量検出手段は、ペダルストロークセンサStに限定されるものではなく、ブレーキペダル12の踏み込み操作量を検出可能なセンサであればよい。例えば、操作量検出手段を圧力センサPmとして、圧力センサPmが検出する液圧をブレーキペダル12の踏み込み操作量に変換する構成であってもよいし、図示しない踏力センサによってブレーキペダル12の踏み込み操作量を検出する構成であってもよい。
【0059】
この電動ブレーキ装置16における第2液圧室98a及び第1液圧室98bのブレーキ液圧は、VSA装置18の弁開状態にある第1、第2インバルブ120、124を介してディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに伝達され、前記ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLが作動することにより各車輪に所望の制動力が付与される。
【0060】
換言すると、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10では、動力液圧源として機能する電動ブレーキ装置16やバイ・ワイヤ制御する図示しない制御手段等が作動可能な正常時において、操作者がブレーキペダル12を踏むことでブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ34と各車輪を制動するディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)との連通を第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bで遮断した状態で、電動ブレーキ装置16が発生するブレーキ液圧でディスクブレーキ機構30a〜30dを作動させるという、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤ方式のブレーキシステムがアクティブになる。このため、本実施形態では、例えば、電気自動車等のように、旧来から用いられていた内燃機関による負圧が存在しない車両に好適に適用することができる。
【0061】
一方、電動ブレーキ装置16等が作動不能となる異常時では、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bをそれぞれ弁開状態、第3遮断弁62を弁閉状態としマスタシリンダ34で発生するブレーキ液圧をディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)に伝達して、前記ディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)を作動させるという、いわゆる旧来の油圧式のブレーキシステムがアクティブになる。
【0062】
例えば、走行用電動機(走行モータ)を備えるハイブリッド自動車や電気自動車には、走行用電動機で回生発電して制動力を発生する回生ブレーキを備えることができる。このような車両において回生ブレーキを作動させる場合には、図示しない制御手段が、少なくとも前後いずれかの車軸と結合された走行モータを発電機として動作させ、ブレーキペダル12(図1参照)のブレーキ操作量などに応じて回生ブレーキによる制動力(回生制動力)を発生させる。そして、ブレーキペダル12のブレーキ操作量(操作者が要求する制動力)に対して回生制動力では不足する場合、制御手段は電動モータ72を駆動して電動ブレーキ装置16によって制動力を発生させる。つまり、制御手段は、回生ブレーキと油圧ブレーキ(電動ブレーキ装置16)とによる回生協調制御を行う。この場合に制御手段は、公知の方法を用いて電動ブレーキ装置16の作動量を決定するように構成できる。
例えば、ブレーキペダル12のブレーキ操作量に対応して決定される制動力(総制動力)から回生制動力を減じた制動力を電動ブレーキ装置16で発生させるためのブレーキ液圧を目標液圧に設定したり、総制動力に対して所定の比率の制動力を電動ブレーキ装置16で発生させるためのブレーキ液圧を目標液圧に設定して、制御手段が電動ブレーキ装置16の作動量を決定する構成とすればよい。
【0063】
以上のように構成される車両用ブレーキシステム10が車両に搭載される場合、例えば、図2に示すように、入力装置14、電動ブレーキ装置16及びVSA装置18が別体に構成され、車両1のパワープラント2が収納される収納室(パワープラント収納室2a)に適宜分散した状態で配設されて、それぞれ取り付けられる。パワープラント2は、車両1を走行させる動力を発生する車両動力装置であり、内燃機関のほか、電気自動車に備わる走行用電動機、ハイブリッド自動車に備わる内燃機関と走行用電動機の一体型ユニット等である。
【0064】
パワープラント収納室2aは、例えば車両1の前方に、操作者やその他の乗員の居住空間(キャビン3)とダッシュボード3aで区画されて形成され、パワープラント2、車両用ブレーキシステム10(入力装置14、電動ブレーキ装置16、VSA装置18)の他、図示しない補機類が収納される。また、パワープラント収納室2aの上方には、収納室カバー2bが開閉可能に備わっている。
そして、パワープラント収納室2aの左右両側には、車両1の左右両側において前後方向に延設されるフロントサイドメンバ7が延伸している。
【0065】
なお、前後上下左右の各方向はいずれも車両1における前後上下左右を示すものとする。例えば、上下方向(車両上下方向)は水平面上の車両1における鉛直方向とし、左右方向は、車両1の後方から前方を見たときの左右方向とする。
【0066】
パワープラント2は、パワープラント収納室2a内で左右のフロントサイドメンバ7の間に配置され、図示しないサブフレームに固定された防振支持装置8で支持されて備わり、左右のフロントサイドメンバ7とパワープラント2の間には左右方向に空間が形成される。
さらに、パワープラント2の上方には、収納室カバー2bとの間に空間が形成される。
【0067】
そこで、本実施形態では、別体に構成される入力装置14、電動ブレーキ装置16及びVSA装置18が、それぞれパワープラント収納室2aに収納され、例えば、パワープラント2と収納室カバー2bとの間に形成される空間にシリンダ本体82の一部が配置されるように電動ブレーキ装置16が取り付けられる構成とする。
【0068】
なお、本実施形態において、電動モータ72がシリンダ本体82の上部に配置されている状態は、図1に示す第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88b(液圧制御ピストン)の軸方向と略平行に配置される出力軸72bの軸線が、車両1(図2参照)の左右方向に対して、第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bの軸線より、車両上下方向における上方になるように電動モータ72が配置された状態を示す。
【0069】
本実施形態に係る電動ブレーキ装置16は、図3に示すように、ギヤ機構78(図1参照)およびボールねじ構造体80(図1参照)を収納するアクチュエータハウジング172とシリンダ本体82が、シリンダ本体82の軸線と略直交する面を分割面として分割可能に構成される。そして、電動ブレーキ装置16は、アクチュエータハウジング172にシリンダ本体82が連結され、さらに、電動モータ72が取り付けられて構成される。
【0070】
シリンダ本体82は、アクチュエータハウジング172の前方に連結される。具体的に、アクチュエータハウジング172には、ボールねじ軸80aが前方に向かって突出する開口部172aが前方に開口し、シリンダ本体82は、第2スレーブピストン88a(図1参照)及び第1スレーブピストン88b(図1参照)が摺動する空洞部(図示せず)が開口部172aと連通するように、アクチュエータハウジング172の前方に連結される。
【0071】
例えば、アクチュエータハウジング172は、開口部172aの周囲が左右方向に広がってフランジ部175が形成され、このフランジ部175に、例えば2つのネジ孔176が開口した構成とする。
一方、シリンダ本体82の、アクチュエータハウジング172側の端部も左右方向に広がってフランジ部820が形成され、このフランジ部820に、アクチュエータハウジング172のネジ孔176に対応する位置にシリンダ取付孔821が開口した構成とする。
さらに、シリンダ本体82の空洞部(図示せず)の周囲が後方(アクチュエータハウジング172の側)に向かって延伸し、アクチュエータハウジング172の開口部172aに嵌まり込む嵌合部820aが形成される。
そして、シリンダ本体82のフランジ部820とアクチュエータハウジング172のフランジ部175が対峙するように配置され、ボルトなどの締結部材822が、シリンダ本体82側からシリンダ取付孔821を介してネジ孔176にねじ込まれて、シリンダ本体82がアクチュエータハウジング172に締結固定される。
【0072】
このとき、シリンダ本体82の嵌合部820aがシール機能を有するオーリング820bを介してアクチュエータハウジング172の開口部172aに嵌合し、シリンダ本体82とアクチュエータハウジング172が液密に連結される構成が好ましい。
この構成によって、シリンダ本体82に充填されるブレーキ液が、シリンダ本体82とアクチュエータハウジング172の連結部から電動ブレーキ装置16の外部に漏出することが防止される。
【0073】
このようにアクチュエータハウジング172にシリンダ本体82が前方から連結され、ボールねじ軸80aが第2スレーブピストン88a(図1参照)に当接する。
【0074】
また、電動モータ72は、シリンダ本体82の上方で、出力軸72b(図1参照)の軸方向が、第2スレーブピストン88a(図1参照)及び第1スレーブピストン88b(図1参照)の軸方向、つまり、シリンダ本体82の軸方向と平行になるように、アクチュエータハウジング172に取り付けられる。
【0075】
例えば、第2ギヤ78b(図1参照)が第3ギヤ78c(図1参照)の上方に配置され、アクチュエータハウジング172は、第3ギヤ78c、第2ギヤ78bを収納するように上方に延設される。さらに、アクチュエータハウジング172は、第2ギヤ78bと噛合可能に第1ギヤ78aが収納される第1ギヤ室172bを、前方が開放した状態で第2ギヤ78bより上方に有する。
そして、出力軸72b(図1参照)に取り付けられた第1ギヤ78a(図1参照)が第1ギヤ室172bに収納されて第2ギヤ78bと噛合するように、電動モータ72が前方からアクチュエータハウジング172に取り付けられる。
【0076】
図4に示すように、本実施形態に係るアクチュエータハウジング172を構成するハウジング本体172Fとハウジングカバー172Rは、互いに分離可能に構成されている。
第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88b(図1参照)の中心軸の周りに位置するように、ハウジング本体172Fにはボルト177が挿通される貫通孔177aが複数形成されており、ハウジングカバー172Rには、貫通孔177aと対応する位置に取付用ねじ孔177bが複数形成されている。そして、ボルト177が貫通孔177aを挿通し取付用ねじ孔177bにねじ込まれることによって、ハウジング本体172Fとハウジングカバー172Rとが互いに結合されている。
【0077】
ハウジングカバー172Rには、ボールねじ軸80aの中心軸を中心として前方が開口する略円筒状の空間が機構収納部173aとして形成される。また、ハウジングカバー172Rの前面は上方に延伸し、電動モータ72に取り付けられた第1ギヤ78a(図1参照)を収納するためにハウジング本体172Fに形成される第1ギヤ室172bの背面となる背面部173bが形成される。
この背面部173bには、電動モータ72の出力軸72b(図1参照)の軸線上となる位置に、当該出力軸72bを回転自在に支持する軸受部材173dを収納する空間(軸受部173c)が、前方が開口した状態に形成される。
【0078】
そして、機構収納部173aにボールねじ構造体80及び第3ギヤ78cが収納されるとともに軸受部173cに軸受部材173dが収納されるように、ハウジング本体172Fとハウジングカバー172Rが前後方向に組み合わさり、前記したようにボルト177で、ハウジング本体172Fとハウジングカバー172Rが結合されてアクチュエータハウジング172が構成される。
符号220は、ボールねじ軸80aの回り止めとなるピンでありボールねじ軸80aに圧入されている。そして、ハウジングカバー172Rに、ボールねじ軸80aの軸方向に長く形成される摺動溝211に、ピン220が嵌まり込むように構成される。
【0079】
なお、第2ギヤ78bは、ハウジング本体172Fに形成される図示しない収納部に回転自在に収納されるように構成される。そして、背面部173bが、第2ギヤ78bの図示しない収納部の背面となる。
また、符号80cは、機構収納部173aにおいて第3ギヤ78cを回転自在に支持する軸受部材(ボールベアリング等)であり、機構収納部173aは軸受部材80cを介して第3ギヤ78cを収納するように構成される。
【0080】
説明を図3に戻す。電動モータ72がアクチュエータハウジング172に取り付けられる構造は限定するものではない。
例えば、図3に示すように、モータケーシング72aは、アクチュエータハウジング172側の端部が周囲に広がってフランジ部161が形成され、このフランジ部161に、ボルトなどの締結部材162aが貫通するモータ取付孔162が開口した構成とする。
また、アクチュエータハウジング172は、モータ取付孔162に対応する位置にネジ孔174が開口した構成とする。
そして、電動モータ72は、第1ギヤ78a(図1参照)が取り付けられている出力軸72b(図1参照)がシリンダ本体82の軸方向と略平行になり、かつ、第1ギヤ78aが第1ギヤ室172bに収納されて第2ギヤ78b(図1参照)と噛合するように、前方(シリンダ本体82が連結されている側と同じ側)からアクチュエータハウジング172に取り付けられる。このとき、電動モータ72の出力軸72bの端部は、軸受部材173d(図4参照)に、回転自在に支持される。さらに、締結部材162aが、電動モータ72側からモータ取付孔162を介してネジ孔174にねじ込まれ、モータケーシング72aがアクチュエータハウジング172に締結固定される。
【0081】
この構成によって、シリンダ本体82と電動モータ72はアクチュエータハウジング172の同じ側に配置される。
このように、本実施形態に係る電動ブレーキ装置16は、アクチュエータハウジング172にシリンダ本体82が連結し、さらに、シリンダ本体82の上部に配置されるように電動モータ72が取り付けられて構成される。
【0082】
また、アクチュエータハウジング172には、電動ブレーキ装置16をブラケット2a1(図2参照)を介して車両1(図2参照)に取り付けるためのマウント部が形成されている。
本実施形態に係るブラケット2a1は、図5に示すように前方から見て上方が開いた略コ字型を呈し、電動ブレーキ装置16のアクチュエータハウジング172を左右方向から挟持するように構成される。
そして、図4、5に示すように、アクチュエータハウジング172にはブラケット2a1が挟持するための固定用ボス82aがボールねじ軸80aより下方で左右方向に突出して形成されてマウント部を構成している。
【0083】
さらに、左右方向に突出する固定用ボス82aを左右方向に貫通する貫通孔が形成される。この貫通孔は、後記するように電動ブレーキ装置16のアクチュエータハウジング172をブラケット2a1に固定する取付用締結部材(ボルト部材206)が挿通する挿通孔であり、取付用孔82a1と称する。
そして、取付用孔82a1の両端部は拡径部82a2が形成されて拡径されている。
このように構成されるマウント部を有する電動ブレーキ装置16は、図2に示すように、例えばパワープラント収納室2aのダッシュボード3aにブラケット2a1を介して取り付けられる。
電動ブレーキ装置16がパワープラント収納室2a内で固定される構造は限定するものではなく、図示しないサブフレーム等に取り付けられる構造であってもよい。
【0084】
図5に示すように、ブラケット2a1は、底部2a2の左右両端に左壁部2a3と右壁部2a4が起立して構成される。
そして、アクチュエータハウジング172に形成される固定用ボス82aを、左壁部2a3及び右壁部2a4で左右方向から挟持するように構成される。
左壁部2a3と右壁部2a4の一方(図5では左壁部2a3)には、電動ブレーキ装置16の取付用孔82a1に対応する位置に例えば上方が開いた切欠部200が形成され、他方(図5では右壁部2a4)には、取付用孔82a1に対応する位置に貫通孔201が形成される。そして、左壁部2a3と右壁部2a4で固定用ボス82aを挟持したとき、切欠部200、取付用孔82a1、貫通孔201が直線上に配置されるように構成される。
【0085】
さらに、貫通孔201が形成される右壁部2a4の外側には貫通孔201の位置にナット部材202が固着される。
そして、緩衝部材となるリング状のマウントラバー205が拡径部82a2に嵌め込まれた状態で、固定用ボス82aがブラケット2a1の左壁部2a3と右壁部2a4で挟持される。さらに、左壁部2a3の外側から切欠部200、マウントラバー205、取付用孔82a1、マウントラバー205、貫通孔201の順にボルト部材206が挿入される。
ボルト部材206は、少なくとも先端部に、ナット部材202と螺合するねじ部206aが形成されていることが好ましく、貫通孔201を貫通したボルト部材206がナット部材201と螺合することによって、電動ブレーキ装置16がブラケット2a1に固定される構成が好適である。
【0086】
なお、符号203は電動ブレーキ装置16の位置決めをするための突起部であり、緩衝部材となるリング状のマウントラバー204を介して、アクチュエータハウジング172の下方に形成される係合孔82bに係合するように構成される。
具体的に、突起部203はマウントラバー204の中央の貫通孔に嵌り、マウントラバー204とともに係合孔82bに係合される。
【0087】
このように構成されるブラケット2a1が、例えばパワープラント収納室2a(図2参照)のダッシュボード3a(図2参照)に固定されることによって、電動ブレーキ装置16がパワープラント収納室2aに配設される。
なお、取付用孔82a1は、固定用ボス82aを貫通する貫通孔に限定されるものではなく、左右の固定用ボス82aのぞれぞれに、左右方向から有底の穴状に形成されていてもよい。この場合、それぞれの取付用孔82a1がねじ孔であることが好ましく、さらに、電動ブレーキ装置16が、左右方向から図示しないねじ部材でブラケット2a1に固定される構成が好ましい。
【0088】
以上のように構成されてパワープラント収納室2a(図2参照)に配設される電動ブレーキ装置16(図5参照)は、前記したようにシリンダ本体82(図1参照)の内部にブレーキ液が充填され、スレーブカップシール90a、90b(図1参照)やガイドピストン90c(図1参照)によってシリンダ本体82の内部に封じ込められている。
【0089】
しかしながら、例えば磨耗や劣化によってスレーブカップシール90a、90b(図1参照)やガイドピストン90c(図1参照)のシール性能が低下すると、少量のブレーキ液がシリンダ本体82(図1参照)から漏出してアクチュエータハウジング172(図1参照)内に流入し、機構収納部173aまで流れる場合がある。
そして、機構収納部173aまで流れたブレーキ液によって、ギヤ機構78(図1参照)及びボールねじ構造体80(図1参照)に対する潤滑剤の潤滑性能が低下し、ギヤ機構78やボールねじ構造体80の動作に影響が出る場合がある。例えば、ギヤ機構78を構成するギヤ(第1ギヤ78a、第2ギヤ78b、及び第3ギヤ78c)や、ボールねじ構造体80(ボールねじ軸80a、ボール80b)に付着する潤滑剤の潤滑性能が低下する場合がある。したがって、ブレーキ液が機構収納部173aまで流れることを好適に防止する構造が要求される。
【0090】
そこで、本実施形態に係る電動ブレーキ装置16(図3参照)は、シリンダ本体82から漏出したブレーキ液が機構収納部173aまで流れることを防止するため、シリンダ本体82(図3参照)とアクチュエータハウジング172(図3参照)の連結部に、ブレーキ液の流通を遮断する液止め部を設け、機構収納部173aまでブレーキ液が流れることを防止する構成とする。
【0091】
例えば、図6に示すように、ボールねじ軸80aの先端部が往復動するようにアクチュエータハウジング172に形成される通路部172dの前側端部が拡径して開口部172aが形成され、開口部172aと通路部172dの境界には、前方を臨む壁状の段差部172eが形成される構成とする。そして、開口部172aとマウント部の取付用孔82a1を連通する連通路(ブレーキ液流路180)が、壁状の段差部172eの下方に形成される構成とする。
この構成によって、シリンダ本体82の内部から漏出したブレーキ液をブレーキ液流路180を流通させて取付用孔82a1に流入させ、取付用孔82a1にブレーキ液を溜めることができる。この構成の場合、取付用孔82a1がブレーキ液の液溜め部となり、さらに、ブレーキ液流路180と取付用孔82a1とでブレーキ液の液止め部を構成する。そして、このような液止め部が設けられることによって、シリンダ本体82から漏出したブレーキ液が機構収納部173aまで流れることが防止される。
【0092】
さらに、前方を臨む壁状の段差部172eにブレーキ液流路180を形成することによって、例えば、開口部172aの前方からドリル等の器具によって容易にブレーキ液流路180が形成される。すなわち、ブレーキ液流路180を加工するときの作業性が向上される。
【0093】
また、取付用孔82a1がボールねじ軸80aより下方に形成されることから、ブレーキ液流路180が、下方に向かって傾斜する流路として形成される構成とすることができる。この構成によってブレーキ液流路180に流れ込んだブレーキ液を確実に取付用孔82a1に流し込むことができる。
【0094】
また、シリンダ本体82の内部から漏出するブレーキ液は少量であることが想定され、液溜め部となる取付用孔82a1にブレーキ液を溜めることができる。さらに、取付用孔82a1の両端にはマウントラバー205(図5参照)が嵌め込まれ、ブラケット2a1の左壁面2a3、右壁面2a4(図5参照)で挟持されてボルト部材206(図5参照)で固定されるため、取付用孔82a1は、マウントラバー205、ブラケット2a1、ボルト部材206によって密閉される。したがって、取付用孔82a1に溜められたブレーキ液は、取付用孔82a1から漏出することがない。
【0095】
但し、マウントラバー205(図5参照)を介してブレーキ液がわずかに取付用孔82a1(図5参照)から排出される構成であってもよい。この場合、例えば、マウントラバー205の周囲に、ラビリンス状を呈する溝を設け、この溝を介してブレーキ液がわずかに排出される構成であってもよい。
このような構成であっても、ブレーキ液が機構収納部173a(図1参照)まで流れることが好適に防止される。
【0096】
なお、ブレーキ液流路180は、シリンダ本体82の嵌合部820a(図3参照)がアクチュエータハウジング172の開口部172aに嵌合したときに嵌合部820aによって塞がれない位置に設けられる構成が好ましい。この構成によって、シリンダ本体82からアクチュエータハウジング172の側に漏出したブレーキ液を確実にブレーキ液流路180に流し込むことができる。
【0097】
本実施形態においては、マウント部の取付用孔82a1をブレーキ液の液溜め部とし、アクチュエータハウジング172の開口部172aと取付用孔82a1をブレーキ液流路180で連通する構造の液止め部としたが、ブレーキ液の液止め部は、この構造に限定されるものではない。
【0098】
例えば、図7の(a)に示すように、アクチュエータハウジング172の開口部172aに、ブレーキ液が流れ込むように有底の穴部が開口し、液溜め部となるブレーキ液溜り181が構成される液止め部であってもよい。この場合も、ブレーキ液溜り181は、シリンダ本体82の嵌合部820aがアクチュエータハウジング172の開口部172aに嵌合したときに嵌合部820aによって塞がれない位置に設けられる構成が好ましい。
さらに、下方に向かって開口するブレーキ液溜り181とすれば、シリンダ本体82の内部から漏出したブレーキ液をブレーキ液溜り181に容易に流し込むことができる。
この構成によると、シリンダ本体82(図3参照)の内部から漏出したブレーキ液をブレーキ液溜り181に溜めることができ、電動ブレーキ装置16の外部にブレーキ液が排出されることが好適に防止される。
【0099】
その他、例えば、図7の(b)に示すように、アクチュエータハウジング172の開口部172aに形成される有底の穴部からなるブレーキ液溜り181の内部に、ブレーキ液を吸着する吸着材182が配置される構成であってもよい。吸着材182は限定するものではなく、吸水性ポリマのように液体を吸着可能な素材で構成されていればよい。
この場合、シリンダ本体82の内部から漏出したブレーキ液は、ブレーキ液溜り181に流れ込んだ後で吸着材182に吸着されて溜められる。
このように有底の穴部からなるブレーキ液溜り181の内部に備わる吸着材182は、ボールねじ軸80aなどの可動部と直接接することがなく、吸着材182の磨耗が回避される。つまり、吸着材182がボールねじ軸80aによって削られることも無く、削り屑が発生することもない。このように、吸着材182を備えるブレーキ液溜り181からなる液止め部であってもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 車両
10 車両用ブレーキシステム
12 ブレーキペダル(ブレーキ操作部)
16 電動ブレーキ装置
72 電動モータ
72b 出力軸
74 アクチュエータ機構
82 シリンダ本体
82a1 取付用孔(挿通孔、液止め部、液溜め部)
88a 第2スレーブピストン(液圧制御ピストン)
88b 第1スレーブピストン(液圧制御ピストン)
90c ガイドピストン(シール部材)
94a 第2背室(ブレーキ液の封入部)
94b 第1背室(ブレーキ液の封入部)
98a 第2液圧室(ブレーキ液の封入部)
98b 第1液圧室(ブレーキ液の封入部)
172 アクチュエータハウジング
173a 機構収納部
180 ブレーキ液流路(連通路、液止め部)
181 ブレーキ液溜まり(液止め部、液溜め部)
206 ボルト部材(取付用締結部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータの回転駆動力で、シリンダ本体に収納される液圧制御ピストンを駆動することによってブレーキ液圧を発生させ、
前記電動モータの出力軸の回転駆動力を前記液圧制御ピストンの直線駆動力に変換するアクチュエータ機構を収納する機構収納部を有するアクチュエータハウジングが前記シリンダ本体に連結され、前記シリンダ本体におけるブレーキ液の封入部と、前記機構収納部と、がシール部材によって区画される電動ブレーキ装置であって、
前記シリンダ本体から漏出したブレーキ液が前記機構収納部まで流れることを防止するための液止め部が設けられることを特徴とする電動ブレーキ装置。
【請求項2】
前記液止め部は、
前記シリンダ本体から漏出し、当該シリンダ本体と前記アクチュエータハウジングの連結部に流れ込んだ前記ブレーキ液を溜める液溜め部を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の電動ブレーキ装置。
【請求項3】
前記液止め部は、
前記アクチュエータハウジングを車両に固定するための取付用締結部材が挿通される挿通孔に前記ブレーキ液を流し込む連通路を含んで構成され、
前記挿通孔を前記液溜め部とすることを特徴とする請求項2に記載の電動ブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−214110(P2012−214110A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80335(P2011−80335)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】