説明

電動モータ

【課題】ハウジングによるステータコアの保持力を安定化させることにより出力が安定化された電動モータを提供する。
【解決手段】電動モータ1は、筒状の第1のハウジング16と、第1のハウジング16の内周に嵌合された筒状の第2のハウジング17と、第2のハウジング17の内周に嵌合されたステータコア8を有するステータ4とを備えている。第1のハウジング16はアルミニウムを含む材料で形成され、第2のハウジング17は鉄を含む材料で形成され、ステータコア8は鉄を含む材料で形成されている。第1のハウジング16の材料、第2のハウジング17の材料およびステータコア8の材料の線膨張係数を、それぞれK1、K2およびK3としたときに、下記の式(1)が満たされている。
K3≦K2<K1 …(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インナーロータ型の電動モータは、ロータを取り囲む環状のステータコアを備えている。ステータコアは、例えば下記特許文献1記載のように、鉄を含む材料によって形成されている。また、ハウジングは、例えば下記特許文献2記載のように、アルミニウムによって形成されている。これら特許文献1,2では、ステータコアがハウジングの内周に焼嵌めされている。
【特許文献1】特開2004−40948号公報
【特許文献2】特開2003−348801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1,2記載のような電動モータでは、ハウジングによるステータコアの保持力を最適な大きさに維持できないおそれがある。すなわち、ステータコアが鉄を含む材料で形成され、ハウジングがアルミニウムで形成されている場合、ステータコアとハウジングとの線膨張係数が大きく異なるので、温度が変化すると(例えば−40℃から150℃の範囲内での温度変化)、ハウジングによるステータコアの保持力が大きく変動してしまう。さらに、ハウジングによるステータコアの保持力が大きく変動すると、電動モータの出力が不安定になるおそれがある。
【0004】
この発明は、かかる背景のもとになされたものであり、ハウジングによるステータコアの保持力を安定化させることにより出力が安定化された電動モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明は、筒状の第1のハウジング(16)と、第1のハウジングの内周に嵌合された筒状の第2のハウジング(17)と、第2のハウジングの内周に嵌合されたステータコア(8)を有するステータ(4)とを備え、第1のハウジングの材料、第2のハウジングの材料およびステータコアの材料の線膨張係数を、それぞれK1、K2およびK3としたときに、下記の式(1)が満たされていることを特徴とする電動モータ(1,1a)である。
【0006】
K3≦K2<K1 …(1)
本発明によれば、第2のハウジングによるステータコアの保持力が温度変化に伴って変動することが抑制または防止される。具体的には、K3=K2の場合、つまり、ステータコアの材料の線膨張係数と第2のハウジングの材料の線膨張係数とが等しい場合、ステータコアおよび第2のハウジングは、それぞれ温度変化に伴って等しい割合で膨張または収縮するので、第2のハウジングによるステータコアの保持力は一定に維持される。一方、K3<K2の場合、つまり、ステータコアの材料の線膨張係数が第2のハウジングの材料の線膨張係数よりも小さい場合であっても、第2のハウジングの材料の線膨張係数は第1のハウジングの材料の線膨張係数よりも小さいので(K2<K1)、第1のハウジングにステータコアを保持させた場合に比べて、温度変化に伴うステータコアの保持力の変動が抑制される。したがって、電動モータの出力を安定させることができる。
【0007】
また、上記ステータコアは、複数の分割コア(12)を環状に組み合せてなる場合がある(請求項2)。この場合、ステータコアの外径のばらつきが第2のハウジングによるステータコアの保持力に影響するものの、上述のように、温度の変化に伴うステータコアの保持力の変動が抑制されているので、電動モータの出力を安定させることができる。
また、第1および第2のハウジングの嵌合はルーズフィットとされ、第2のハウジングとステータコアとの嵌合はタイトフィットとされている場合がある(請求項3)。この場合、ステータコアに対して線膨張係数の値が相対的に近い第2のハウジングの内周にステータコアをタイトフィットさせることで、温度変化に拘わらず第2のハウジングにステータコアを安定して固定することができる。また、第1および第2のハウジングの嵌合がルーズフィットとされている場合、タイトフィットである場合に比べて、第1および第2のハウジングの寸法精度が必要とされないので、電動モータの加工コストを低減することができる。さらに、線膨張係数が最も大きい第1のハウジングの温度変化による寸法変化の影響を第2のハウジングやステータコアに与え難くすることができて好ましい。
【0008】
また、第1のハウジングおよび第2のハウジングの少なくとも一方に、両ハウジングの間の所定領域に隙間を設けるための凹部(32)が形成されている場合がある(請求項4)。この場合、第2のハウジングからステータコアに加わる荷重が低減され、ステータコアの磁気特性の低下が防止される。これにより、電動モータのロストルクが低減され、電動モータの出力が向上される。
【0009】
また、第2のハウジングおよびステータコアは鉄を含む場合がある(請求項5)。この場合、概ねK3=K2となるので、第2のハウジングによるステータコアの保持力が確実に安定化され、その結果、電動モータの出力が確実に安定化される。
また、第2のハウジングの端部に、径方向(Y1)外方に延び第1のハウジングにねじ(30,31)によって固定されたフランジ(25)が形成されている場合がある(請求項6)。この場合、フランジが第1のハウジングに固定されることにより、第2のハウジングが第1のハウジングに固定される。また、上述のように、第1および第2のハウジングの嵌合がルーズフィットとされている場合、フランジを第1のハウジングに固定することで、第1のハウジングに対する第2のハウジングの回転を防止することができる。これにより、上記ルーズフィットの採用が実質的に可能となる。
【0010】
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動モータ1の図解的な断面図である。また、図2は、図1におけるII−II線に沿う電動モータ1の図解的な断面図である。また、図3は、図2の一部を拡大した図である。以下では、電動モータ1が、インナーロータ型のブラシレスモータである場合について説明する。
【0012】
図1および図2を参照して、電動モータ1は、回転軸2に同行回転可能に連結された環状のロータ3と、ロータ3の周囲を取り囲む環状のステータ4と、ロータ3およびステータ4を収容する筒状のハウジング5とを備えている。
ロータ3は、回転軸2に同軸的に連結された環状のロータコア6と、このロータコア6の外周に固定されたリング磁石7とを備えている。リング磁石7は、複数の磁極を有する多極磁石であり、リング磁石7の外周面の磁極は、図2に示すように、N極およびS極がリング磁石7の周方向に交互に入れ替わっている。リング磁石7は、例えば8極の磁極を有している。なお、ロータコア6の外周に固定される磁石としては、複数枚のセグメント磁石などのその他の永久磁石であってもよい。
【0013】
ステータ4は、環状のステータコア8と、このステータコア8に巻回された複数のコイル9とを含む。ステータコア8は、電磁鋼板を打ち抜いて所定の形状に形成された複数枚の薄板がステータコア8の軸方向に積層固定された積層体である。すなわち、ステータコア8は、鉄を含む材料により形成されている。電磁鋼板としては、例えば表面に絶縁処理が施されたケイ素鋼板等を用いることができる。なお、ステータコア8は、例えば、軟磁性材料を含む粉末材料によって形成された圧粉体であってもよい。軟磁性材料としては、鉄、フェライト、センダスト、パーマロイ、パーメンジュールを例示することができる。
【0014】
図2を参照して、ステータコア8は、環状のヨーク10と、このヨーク10の内周からステータコア8の径方向内方に向けて突出形成された複数のティース11とを含む。本実施形態では、例えば12個のティース11が設けられている。ステータコア8は、複数の分割コア12が環状に組み合わされてなる。すなわち、ヨーク10は、12個の分割ヨーク13が環状に組み合わされることにより構成されており、ティース11は、分割ヨーク13ごとに設けられている。各分割コア12は、分割ヨーク13とティース11とを含む。
【0015】
図3を参照して、複数のティース11は、ステータコア8の周方向に等間隔を隔てて環状に配置されている。隣接するティース11の間には、スロットSが形成されている。本実施形態では、ティース11が12個設けられているので、スロット数は12である。すなわち、電動モータ1は、8極12スロットのモータである。
各ティース11は、概ね断面T字形形状をなしている。すなわち、各ティース11は、ヨーク10の内周からステータコア8の径方向内方に延びる径方向延伸部14と、この径方向延伸部14に連結され、ヨーク10と同心をなす円の周方向に沿って延びる周方向延伸部15とを有する。
【0016】
図1を参照して、ハウジング5は、一端が開放された筒状の第1のハウジング16と、この第1のハウジング16の内周に嵌合された筒状の第2のハウジング17と、第1のハウジング16の一端および第2のハウジング17の一端を覆う蓋状の第3のハウジング18とを含む。
第1のハウジング16および第3のハウジング18は、それぞれ例えばアルミニウムを含む材料によって形成されている。また、第2のハウジング17は、例えば炭素鋼等の鉄を含む材料によって形成されている。第2のハウジング17の線膨張係数の値は、ステータコア8の線膨張係数の値を基準とした所定範囲内にある。すなわち、第2のハウジング17の線膨張係数の値は、ステータコア8の線膨張係数の値と等しいか、または、ステータコア8の線膨張係数の値よりもやや大きい値となっている。
【0017】
第1のハウジング16は、第1の筒状部19と、この第1の筒状部19の一端から第1の筒状部19の径方向外方に延びる環状の第1のフランジ部20と、第1の筒状部19の他端から第1の筒状部19の径方向内方に延び回転軸2が挿通する挿通孔21が中心部に形成された環状部22とを含む。環状部22の内周部には、軸受41が保持された軸受保持部23が形成されている。
【0018】
第2のハウジング17は、第2の筒状部24と、この第2の筒状部24の一端から第2の筒状部24の径方向Y1外方に延びる環状の第2のフランジ部25とを含む。第2の筒状部24は、第2の筒状部24の軸方向X1に関してステータコア8よりも長くされている。第2の筒状部24の内周には、焼嵌めまたは圧入によってステータコア8が固定されている。すなわち、第2のハウジング17とステータコア8との嵌合はタイトフィットとされている。
【0019】
また、第2の筒状部24は、第1の筒状部19の内周にすきまばめされている。すなわち、第1のハウジング16と第2のハウジング17との嵌合は、ルーズフィットとされている。第1の筒状部19の内周に第2の筒状部24が嵌合した状態で、第2のフランジ部25は第1のフランジ部20に重なり合っている。
第3のハウジング18は、円形の板状部26と、この板状部26の外周部に沿って連結された第3の筒状部27と、この第3の筒状部27の一端から第3の筒状部27の径方向外方に延びる環状の第3のフランジ部28とを含む。板状部26の中心部には、軸受42が保持された軸受保持部29が形成されている。回転軸2は、軸受保持部23に保持された軸受41と、軸受保持部29に保持された軸受42とを介して回転可能にハウジング5に保持されている。
【0020】
第3のフランジ部28は、第2のフランジ部25に重なり合わされている。すなわち、第2のフランジ部25は、第1のフランジ部20と第3のフランジ部28とによって挟まれている。第1のフランジ部20、第2のフランジ部25および第3のフランジ部28は、固定手段としての複数のボルト30および複数のナット31によって、共締めにより固定されている。
【0021】
これにより、第1のハウジング16の一端および第2のハウジング17の一端が第3のハウジング18によって覆われ、さらに、第1のハウジング16に対する第2のハウジング17の回転が防止されている。すなわち、複数のボルト30および複数のナット31、ならびに、第1のフランジ部20および第3のフランジ部28は、第1のハウジング16に対する第2のハウジング17の回転を防止する回転防止手段として機能している。
【0022】
本実施形態の特徴とするところは、第1のハウジング16の材料、第2のハウジング17の材料およびステータコア8の材料の線膨張係数を、それぞれK1、K2およびK3とすると、下記の式(1)が満たされていることにある。
K3≦K2<K1 …(1)
具体的には、第1のハウジング16がアルミニウムを含む材料で形成され、第2のハウジング17が鉄を含む材料で形成され、ステータコア8が鉄を含む材料で形成されている。ここで、アルミニウムの線膨張係数は、鉄の線膨張係数よりも大きいので、K2<K1となり、K3<K1となる。また、上述のように、第2のハウジング17の線膨張係数の値は、ステータコア8の線膨張係数の値と等しいか、または、ステータコア8の線膨張係数の値よりもやや大きい値となっているので、K3≦K2となり、式(1)が満たされている。
【0023】
式(1)が満たされることで、焼嵌めまたは圧入によって生じた第2のハウジング17によるステータコア8の保持力が一定に維持され、温度変化に伴うステータコア8の保持力の変動が抑制される。すなわち、電動モータ1の温度が変化しても(例えば−40℃から150℃の範囲内での温度変化)、ステータコア8および第2のハウジング17は、それぞれ温度変化に伴って等しい割合または概ね等しい割合で膨張または収縮する。そのため、焼嵌めまたは圧入によって生じた第2のハウジング17によるステータコア8の保持力は一定に維持され、温度変化に伴うステータコア8の保持力の変動が抑制される。これにより、温度変化に拘わらずステータコア8が第2のハウジング17に安定して保持され、その結果、電動モータ1の出力が安定化される。
【0024】
また上記式(1)において、仮に、第2のハウジング17の線膨張係数の値がステータコア8の線膨張係数の値よりも大きくなっている場合であっても、第2のハウジング17の線膨張係数は第1のハウジング16の線膨張係数よりも小さいので、第1のハウジング16にステータコア8を直接保持させた場合に比べて、温度変化に伴うステータコア8の保持力の変動が抑制される。したがって、このような場合であっても、第1のハウジング16にステータコア8を直接保持させた場合に比べて、電動モータ1の出力の安定化が達成される。K1、K2およびK3の関係としては、上記式(1)が満たされることに加えて、下記式(2)が満たされることが好ましい。
【0025】
K2≦(K3+K1)/2 …(2)
また本実施形態において、第2の筒状部24が第1の筒状部19の内周にすきまばめされており、第1のハウジング16と第2のハウジング17との嵌合がルーズフィットとされているので、タイトフィットである場合に比べて、第1の筒状部19の内径および第2の筒状部24の外径の寸法精度が必要とされず、電動モータ1の加工コストが低減されている。
【0026】
さらに、第1のハウジング16および第2のハウジング17の嵌合をルーズフィットとすることで、線膨張係数が最も大きい第1のハウジング16の温度変化による寸法変化の影響を第2のハウジング17やステータコア8に与え難くすることができる。すなわち、温度変化に伴って第2の筒状部24が第1の筒状部19に締め付けられ、この締め付け荷重が第2の筒状部24やステータコア8に加わることを抑制することができる。
【0027】
図4は、本発明の別の実施形態に係る電動モータ1aの図解的な断面図である。また、図5は、図4におけるV−V線に沿う電動モータ1aの図解的な断面図である。この図4および図5において、上述の図1〜図3に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図3と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図4および図5を参照して、本実施形態が上述の実施形態と主に相違するのは、第2の筒状部24が第1の筒状部19の内周に焼嵌めまたは圧入されており、第1の筒状部19および第2の筒状部24の間の所定領域に隙間を設けるための凹部32が第2の筒状部24に形成されていることにある。
【0028】
凹部32は、第2の筒状部24の外周部に形成されており、第2の筒状部24の径方向Y1内方に凹んでいる。図5に示すように、凹部32は、第2の筒状部24の全周に亘って形成されている。また、図4に示すように、凹部32は、第2の筒状部24の軸方向X1に関して、ステータコア8と等しい長さ、または、ほぼ等しい長さにされている。ステータコア8は、この凹部32に対応する位置で第2の筒状部24に保持されている。すなわち、ステータコア8が第2の筒状部24に保持された状態で、第2の筒状部24の軸方向X1に関する凹部32の端部の位置と、第2の筒状部24の軸方向X1に関するステータコア8の端部の位置とが一致している。
【0029】
第2の筒状部24が第1の筒状部19の内周に焼嵌めまたは圧入された状態において、第1の筒状部19と第2の筒状部24との間には、この凹部32に対応する隙間が形成されている。すなわち、第1の筒状部19と第2の筒状部24とは、この凹部32が形成された領域内において非接触となっている。言い換えると、第1の筒状部19と第2の筒状部24とは、ステータコア8の周囲に対応する領域において非接触となっている。
【0030】
本実施形態では、ステータコア8の周囲において第1の筒状部19と第2の筒状部24とが接触していないので、第1の筒状部19の内周に第2の筒状部24を焼嵌めまたは圧入しても、第2の筒状部24を介してステータコア8に入力される、上記焼嵌めまたは圧入に起因した荷重を低減することができる。したがって、ステータコア8に加わる荷重に起因したステータコア8の磁気特性の低下を防止でき、電動モータ1aのロストルクを低減できる。これにより、電動モータ1aの出力が向上される。
【0031】
なお、本実施形態では、第2の筒状部24の外周部に凹部32が形成されている場合について説明したが、図6に示すように、凹部32は、第1の筒状部19の内周部に形成されていてもよい。また、図示はしないが、第1の筒状部19の内周部および第2の筒状部24の外周部の両方に凹部32が形成されていてもよい。
また、本実施形態では、第2の筒状部24の軸方向X1に関して、凹部32が、ステータコア8と等しい長さ、または、ほぼ等しい長さにされている場合について説明したが、第2の筒状部24の軸方向X1に関する凹部32の長さは、ステータコア8より短くてもよい。
【0032】
さらに、本実施形態では、凹部32が第2の筒状部24の全周に亘って形成された環状である場合について説明したが、凹部32の形状はこれに限られない。例えば、凹部32の形状を第2の筒状部24の軸方向X1に長手となる溝形状にし、複数の凹部32を第2の筒状部24の外周部に形成してもよい。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、電動モータ1,1aは、インナーロータ型のブラシレスモータに限らず、それ以外のモータであってもよい。
【0033】
また、ステータコア8は、ステータコア8の周方向に分割されていない一体型のステータコアであってもよい。また、第1のハウジング16は、アルミニウムを含む材料に限らず、マグネシウムなどの鉄よりも線膨張係数の大きな材料を主体とするその他の材料により形成されていてもよい。
さらに、第1のフランジ部20は、環状に限らず、第1の筒状部19の一端の一部から第1の筒状部19の径方向外方に延びる突起形状であってもよい。同様に、第2のフランジ部25は、第2の筒状部24の一端の一部から第2の筒状部24の径方向Y1外方に延びる突起形状であってもよいし、第3のフランジ部28は、第3の筒状部27の一端の一部から第3の筒状部27の径方向外方に延びる突起形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動モータの図解的な断面図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿う電動モータの図解的な断面図である。
【図3】図2の一部を拡大した図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る電動モータの図解的な断面図である。
【図5】図4におけるV−V線に沿う電動モータの図解的な断面図である。
【図6】上記別の実施形態に係る電動モータの変形例の図解的な断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1,1a・・・電動モータ、4・・・ステータ、8・・・ステータコア、12・・・分割コア、16・・・第1のハウジング、17・・・第2のハウジング、25・・・第2のフランジ部(フランジ)、30・・・ボルト(ねじ)、31・・・ナット(ねじ)、32・・・凹部、Y1・・・径方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の第1のハウジングと、
第1のハウジングの内周に嵌合された筒状の第2のハウジングと、
第2のハウジングの内周に嵌合されたステータコアを有するステータとを備え、
第1のハウジングの材料、第2のハウジングの材料およびステータコアの材料の線膨張係数を、それぞれK1、K2およびK3としたときに、下記の式(1)が満たされていることを特徴とする電動モータ。
K3≦K2<K1 …(1)
【請求項2】
請求項1において、上記ステータコアは、複数の分割コアを環状に組み合せてなることを特徴とする電動モータ。
【請求項3】
請求項1または2において、第1および第2のハウジングの嵌合はルーズフィットとされ、第2のハウジングとステータコアとの嵌合はタイトフィットとされていることを特徴とする電動モータ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項において、第1のハウジングおよび第2のハウジングの少なくとも一方に、両ハウジングの間の所定領域に隙間を設けるための凹部が形成されていることを特徴とする電動モータ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項において、第2のハウジングおよびステータコアは鉄を含むことを特徴とする電動モータ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項において、第2のハウジングの端部に、径方向外方に延び第1のハウジングにねじによって固定されたフランジが形成されていることを特徴とする電動モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−60760(P2009−60760A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227996(P2007−227996)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】