説明

電動格納式ドアミラー装置

【課題】静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置を提供する。
【解決手段】ストッパ24は軸24aを中心に回動可能に支持されており、且つ一の方向へは回動せず他の方向へのみ回動するように、規制部材23が設けられている。これにより前可倒位置にあるミラーユニット11の凸部16が前可倒位置から通常作動範囲へ(図中右から左へ)移動する際には、ストッパ24は軸24aを中心に回動するので凸部16の移動を規制せず、結果としてミラーユニット11の前可倒位置からの復帰に対して抵抗とならないので、モータでの前可倒位置からの復帰に際してモータのトルク負担を軽減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動格納式ドアミラー装置に関し、特に前可倒位置を検出する構造を有する電動格納式ドアミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運転席や助手席に対応してドアパネルの側方に設けられた後方確認用の所謂ドアミラーには、モータの駆動力で鏡面が略車両幅方向室内側へ向くまでドアミラーを折り畳んで格納できる車両用ドアミラー装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記の車両用ドアミラー装置は、車両後方視認用のミラーを備えており、ミラーは起立位置に配置されることで車両の後方を視認可能とされている。また、ミラーが起立位置から一方向へ回転されると格納位置となる一方、ミラーが起立位置から他方向へ回転されると前可倒位置となる。さらに、ミラーの車両前方側はドアミラーバイザーに被覆されると共に、ドアミラーバイザー内にはブラケットが固定されており、ブラケットはミラーを保持している。
【0004】
また、この車両用ドアミラー装置は格納機構を備えており、格納機構はスタンド及びケースを有している。スタンドは車両のドアに設けられたドアミラーステーに固定されると共に、ケースはブラケットに一体とされてミラーに連結されている。さらに、ケースはスタンドに回転可能に支持されると共に、ケースはスタンド側に付勢されている。ここで、格納機構によってケースがスタンドに対し回転されることで、ミラーが起立位置と格納位置との間で回転される。
【0005】
さらに、スタンドにはミラーの起立位置に対応してスタンド山が設けられており、スタンド山はケース側へ台形状に突出している。一方、ケースにはスタンド山に対応してケース山が設けられており、ケース山はスタンド側へ台形状に突出している。ここでドアミラーバイザーが外力を受けることでケースが他方向へ所定値以下の外力を受けた場合には、ケース山がスタンド山に当接することでミラーの前可倒位置への回転が阻止される。一方、ドアミラー バイザーが外力を受けることでケースが他方向へ所定値以上の外力を受けた場合には、ケース山がスタンド山を乗り上げることでミラーの前可倒位置への回転が許可される構成とされている。
【0006】
しかし、前可倒位置となる時にこのように乗り上げるタイプのものだと、ドアミラーステー(スタンド)とミラーユニット(ケース)との間に隙間ができた状態で停止してしまう為、隙間からグリスが漏れ出してしまう等といった問題があった。このため、現在では図8(A)〜(C)に示すもののように、前可倒位置となった時に、乗り上げてさらに落ちる(乗り越える)タイプのものが考えられている。この構成により、上記隙間を無くすことができる。
【0007】
しかし、上記のような構成ではミラーが通常作動範囲すなわち格納状態から起立状態まで回動した際に障害物が後方から接触すれば前可倒位置に回動する。この状態からでも電動格納機能にて通常の格納状態に戻す必要があるが、この場合は前可倒位置から通常作動範囲に戻るには上記のケース山がスタンド山を逆方向から乗り越える必要がある。
【0008】
このときモーターに通常よりも大きなトルクが必要とされるが、これをクリアするには周辺温度や電源電圧、あるいは耐久劣化など種々の条件下でモータのトルクを確保する必要がある。
【0009】
これに対して、高品質化を目的として電動格納時のモータの作動音を低減する静音化の要求が高まっており、また静音化を目的としたモータは低トルク化の傾向にあり、前可倒位置から通常作動範囲に戻るためにケース山がスタンド山を逆方向から乗り越えるトルクを確保する要求と相反する状況にある。
【特許文献1】特開2001−287594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の電動格納式ドアミラー装置は起立位置に配置されることで車両の後方を視認可能とされると共に前記起立位置から一方向へ回動されることで格納位置となりかつ前記起立位置から他方向へ回動されることで前可倒位置となる後方視認用のミラーと、車両のドアに固定されたスタンドと、前記ミラーに連結されかつ前記スタンドに回動可能に支持されたミラーユニットと、前記ミラーを前記格納位置と前記前可倒位置との間で回転される電動格納機構と、前記ミラーの前記起立位置に対応して前記スタンドに設けられたストッパと、前記ミラーユニットに設けられストッパと当接する位置決め部材と、を備え、前記ストッパは、前記ミラーユニットに設けられた前記位置決め部材が前記前可倒位置から一方向へ回動される際、可動することを特徴とする。
【0012】
上記構成の発明では、ミラーユニットが前可倒位置から復帰する際にはストッパが位置決め部材を規制しないので、低トルクのモータでも復帰が可能であり、静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置とすることができる

【0013】
請求項2に記載の電動格納式ドアミラー装置は、前記ストッパは回動軸を中心に一方向へのみ回動可能に支持され、前記位置決め部材の一方向への回動を規制せず、前記位置決め部材の他方向への回動を規制することを特徴とする。
【0014】
上記構成の発明では、ミラーユニットが前可倒位置から復帰する際にはストッパが回動し、位置決め部材を規制しないので、低トルクのモータでも復帰が可能であり、静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置とすることができる。
【0015】
請求項3に記載の電動格納式ドアミラー装置は、前記ストッパは前記スタンドから前記ミラーユニットに向けてバネ部材で付勢された部材であり、前記位置決め部材が前記前可倒位置側から前記ストッパに当接した時はその押圧力により前記スタンド側に引っ込むことを特徴とする。
【0016】
上記構成の発明では、ミラーユニットが前可倒位置から復帰する際にはストッパが引っ込み、位置決め部材を規制しないので、低トルクのモータでも復帰が可能であり、静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置とすることができる。
【0017】
請求項4に記載の電動格納式ドアミラー装置は、前記位置決め部材が前記前可倒位置側から前記ストッパに当接した時はその押圧力により前記ミラーユニットと前記スタンドとの当接面に対して傾斜した方向に引っ込むことを特徴とする。
【0018】
上記構成の発明では、ミラーユニットが前可倒位置から復帰する際にはストッパが斜め方向に引っ込み、位置決め部材を規制しないので、低トルクのモータでも復帰が可能であり、静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記構成としたので、静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明に係る電動格納式ドアミラー装置の概要について説明する。
【0021】
<基本構成>
図1には、本発明に係る電動格納式ドアミラー装置が示されている。
【0022】
図1に示すように電動格納式ドアミラー装置10は、バイザ12に半固定あるいは図示しない電動リモコン装置にて遠隔調整可能にミラー20を設けたミラーユニット11が、図示しないドアパネルに固定されたスタンド28上に軸30にて回動自在に設けられている。
【0023】
ミラーユニット11は図中白矢印及び斜線矢印方向に回動自在であり、図示しない駆動手段にて図中手前側(白矢印、一方向)に格納、また図中奥側(斜線矢印、他方向)に展開させることができる。
【0024】
このとき、ミラーユニット11(あるいはバイザ12)が車両後方(図中手前側)より物体の接触などで一定以上の力が加えられた際、破損防止および安全のため車両前方すなわち図中奥側(斜線矢印、他方向)に倒れる、いわゆる前可倒位置となる。
【0025】
<前可倒位置>
この前可倒位置より前述の駆動手段(例えばモータなど)にて、通常の使用状態である起立位置、あるいは更に格納位置まで復帰させることができれば、運転者が車外へ手を伸ばし、あるいは車外へ降りてミラーユニット11を正しい位置まで復帰させる必要がないので非常に便利である。その際に例えばシーソー式のスイッチを用いて、起立位置への回動と、前可倒位置からの復帰との両方を行えれば尚よい。
【0026】
しかし通常使用時においてはミラーユニット11を起立位置に正しく固定する必要があるため、駆動手段にて格納位置から起立位置まで回動させる際にはミラーユニット11が行きすぎないように一定位置で固定するストッパが必要となる。
【0027】
すなわち、図1に示すようにミラーユニット11側に設けられバネ18でスタンド28側(図中黒矢印)に押圧された突当板14と、スタンド28側に設けられた突当板22とがバネ18の押圧力にて圧接し、突当板14に設けられた凸部16と突当板22に設けられたストッパ24とが係合することで、ミラーユニット11を格納位置から起立位置まで回動させる際に正しい位置を通り過ぎてしまわないように回動位置を規制することができる。
【0028】
つまり図2に示すようにミラーユニット11を格納状態から起立位置まで回動させるとストッパ24にて停止し、正しい位置にてミラーを使用することができる(通常動作範囲)。車両後方側から障害物などが接触すれば、この位置を越えて回動し前可倒位置となる。
【0029】
このとき突当板14と22の関係は図3に示すように、突当板14に設けられた凸部16が突当板22に設けられたストッパ24で止まることにより通常作動範囲を規定している。
【0030】
突当板14はバネ18によってスタンド28側(図中下方向)に付勢されているので、障害物等との接触によりミラーユニット11が後方から一定以上の力を受ければ、凸部16がストッパ24を乗り越え(突当板14がバネ18の押圧力に打ち勝って図中上方向に移動し)前可倒位置となる。
【0031】
この前可倒位置から駆動手段(例えばモータ)にて復帰させる際にはバネ18の押圧力に勝る駆動トルクが必要であり、これをクリアするには周辺温度や電源電圧、あるいは耐久劣化など種々の条件下でモータのトルクを確保する必要がある。
【0032】
これに対して、高品質化を目的として電動格納時のモータの作動音を低減する静音化の要求が高まっており、また静音化を目的としたモータは低トルク化の傾向にあり、前可倒位置から通常作動範囲に戻るために凸部16がストッパ24を前可倒位置から起立位置へ(逆方向から)乗り越えるトルクを確保する要求と相反する状況にある。
【0033】
ストッパ24の形状を、図3に示すように前倒れ側をなだらかな傾斜とすることで、前可倒位置からの復帰に際してモータのトルク負担を軽減させることができるが、モータのトルク自体が不足している場合は復帰できない可能性がある。
【0034】
<可動ストッパ>
そこで本発明の第1実施形態では、図4、5に示すように凸部16を規制するストッパ24を可動とし、前可倒位置から復帰する際には凸部16を規制しない構造とすることで、前可倒位置からの復帰に際してモータのトルク負担を軽減させている。
【0035】
具体的には、図4に示すように突当板22がミラーユニット11と当接する当接面に設けられたストッパ24(図4では軸30を挟んで対称な位置に2箇所設けられているが、これに限らず1箇所、あるいは3箇所以上でもよい)を一方向のみ規制能力を持たせることで、ミラーユニット11の前可倒位置からの復帰に際してモータの負担を軽減する。
【0036】
図5には本発明の第1実施形態に係るストッパが示されている。
【0037】
図5(A)に示すようにストッパ24は軸24aを中心に回動可能に支持されており、且つ一の方向へは回動せず他の方向へのみ回動するように、規制部材23が設けられている。
【0038】
また、ストッパ24を常に初期位置に保つためにバネ25等で図中破線矢印方向に付勢することで、ミラーユニット11の凸部16が通常作動範囲から前可倒位置へ回動しようとする動きを規制可能とすることができる。
【0039】
これにより図5(B)、(C)に示すように、前可倒位置にあるミラーユニット11の凸部16が前可倒位置から通常作動範囲へ(図中右から左へ)移動する際には、ストッパ24は軸24aを中心に回動するので凸部16の移動を規制せず、結果としてミラーユニット11の前可倒位置からの復帰に対して抵抗とならないので、モータでの前可倒位置からの復帰に際してモータのトルク負担を軽減させることができる。
【0040】
ストッパ24の回動を規制する規制部材23は図5の位置に限らず、例えば図6(A)のような位置に設けてもよい。この場合は図の位置に設ければミラーユニット11の凸部16が通常作動範囲から前可倒位置へ(図中反時計回り方向)移動する際には凸部16の移動を規制し、前可倒位置から通常作動範囲へ(図中時計回り方向)移動する際には、ストッパ24は軸24aを中心に時計回り方向に回動可能なので凸部16の移動を規制しない。
【0041】
あるいは図6(B)に示すように軸24aにて回動方向を規制する構造としてもよい。この場合は軸24aにてストッパ24の反時計方向への回動を規制するので、ミラーユニット11の凸部16が通常作動範囲から前可倒位置へ(図中反時計回り方向)移動する際には凸部16の移動を規制し、前可倒位置から通常作動範囲へ(図中時計回り方向)移動する際には、ストッパ24は軸24aを中心に時計回り方向に回動可能なので凸部16の移動を規制しない。
【0042】
上記何れの場合でも、ストッパ24がミラーユニット11の凸部16に押されて図中時計回り方向に倒れた状態では、逆にミラーユニット11が通常作動範囲から前可倒位置へ回動しようとする際に凸部16の移動を規制できない。
【0043】
このため、ミラーユニット11が前可倒位置から復帰し、ストッパ24が凸部16に押されて図中時計回り方向に倒れた際には直ちにストッパ24は初期位置、すなわちミラーユニット11の凸部16が通常作動範囲から前可倒位置へ回動しようとする動きを規制可能な位置に復帰する必要がある。
【0044】
これによりストッパ24は、障害物の接触などで起こるミラーユニット11の前倒れ時には抵抗となり、モータで回動させる必要のある前可倒位置からの復帰時には抵抗とならないので、前可倒位置から通常作動範囲に戻る際にモータの過大なトルクを必要とせず、静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置とすることができる。
【0045】
<他の形態>
図7には本発明の第2実施形態に係るストッパの構造が示されている。
【0046】
本実施形態では図7(A)に示すように、前可倒位置から復帰する際にストッパ24が回動して凸部16への規制を回避するかわりにストッパ24が突当板22の収納部24B内に引っ込み、ミラーユニット11が前可倒位置から通常作動範囲へ復帰する際にストッパ24が凸部16を規制しないか、または少ない抵抗で復帰させる構成とすることができる。
【0047】
ストッパ24はバネ25で突当板14方向へ付勢され、突当板22に設けられた収納部24bから突出した状態を初期位置として、ミラーユニット11の凸部16が通常作動範囲から前可倒位置へ回動しようとする動き(図中白矢印)を規制可能な状態にある。
【0048】
凸部16がストッパ24を乗り越えてミラーユニット11が前可倒位置となるとき、凸部16に当接するストッパ24の当接面は図7(A)に示すように急斜面となっているので、前倒れ方向へ移動時には凸部16への抵抗となる。
【0049】
一方、前可倒位置からミラーユニット11が復帰する際(図中黒矢印)には、凸部16はストッパ24の緩い斜面となっている当接面(図中右側)に当接し、ストッパ24を押し下げながら図中黒矢印方向へ回動する。
【0050】
ストッパ24は収納部24bにて突当板22の当接面から出入可能(図中縞矢印方向)に支持され、バネ25よって常に突出方向に付勢されているので、ミラーユニット11が前可倒位置方向へ回動する際には(図中白矢印)凸部16を規制し、前可倒位置から復帰する際には(図中黒矢印)凸部16によって押圧されて当接面から突当板22の収容部24b内に引っ込み、凸部16の動きを規制しない。
【0051】
これによりストッパ24は、障害物の接触などで起こるミラーユニット11の前倒れ時には抵抗となり、モータで回動させる必要のある前可倒位置からの復帰時には抵抗とならないので、前可倒位置から通常作動範囲に戻る際にモータの過大なトルクを必要とせず、静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置とすることができる。
【0052】
あるいは図7(B)に示すように、ミラーユニット11が前可倒位置方向へ回動する際には(図中白矢印)凸部16を規制し、前可倒位置から復帰する際にはストッパ24が突当板22の収納部24B内に引っ込み、ミラーユニット11が前可倒位置から通常作動範囲へ復帰する際にストッパ24が凸部16を規制しないか、または少ない抵抗で復帰させる構成とすることができる。
【0053】
ストッパ24はバネ25で突当板14方向に、前可倒位置方向へ斜めに付勢され、突当板22に設けられた収納部24bから突出した状態を初期位置として、ミラーユニット11の凸部16が通常作動範囲から前可倒位置へ回動しようとする動き(図中白矢印)を規制可能な状態にある。
【0054】
すなわち凸部16がストッパ24を乗り越えてミラーユニット11が前可倒位置となるとき、凸部16は当接するストッパ24を押し下げず、逆に引き出す方向(図中右上方向)へ力が働くので、前可倒位置方向へ移動時にはストッパ24が凸部16への抵抗となる。
【0055】
一方、前可倒位置からミラーユニット11が復帰する際(図中黒矢印)には、凸部16はストッパ24の緩い斜面となっている当接面(図中右側)に当接し、ストッパ24を斜めに、バネ25の押圧力に逆らう方向に押し下げながら図中黒矢印方向へ回動する。
【0056】
ストッパ24は収納部24bにて突当板22の当接面から出入可能(図中縞矢印方向)に支持され、バネ25よって常に突出方向に付勢されているので、ミラーユニット11が前可倒位置方向へ回動する際には(図中白矢印)ストッパ24が引き出される方向に力が掛かるため図7(A)の実施形態に比較して凸部16をより強く規制し、前可倒位置から復帰する際には(図中黒矢印)凸部16によって押圧されて当接面から突当板22の収容部24b内に引っ込むため、凸部16の動きを規制しない。
【0057】
これによりストッパ24は、障害物の接触などで起こるミラーユニット11の前倒れ時には抵抗となり、モータで回動させる必要のある前可倒位置からの復帰時には抵抗とならないので、前可倒位置から通常作動範囲に戻る際にモータの過大なトルクを必要とせず、静音かつ前可倒位置からスイッチ操作で復帰可能な電動格納式ドアミラー装置とすることができる。
【0058】
<その他>
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0059】
例えば、上記実施の形態では電動格納式ドアミラーだが、これに限らず軸を中心にモータ等で回動可能な構成であれば他の形式の製品への応用であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る電動格納式ドアミラー装置を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る電動格納式ドアミラー装置の作動範囲を示す図である。
【図3】本発明に係る電動格納式ドアミラー装置の作動範囲を示す断面図である。
【図4】本発明に係る電動格納式ドアミラー装置を示す断面図である。
【図5】本発明に係る電動格納式ドアミラー装置のストッパを示す図であり、(A)はストッパと規制部材の配置平面図であり、(B)は前可倒位置におけるストッパと規制部材および凸部の配置平面図であり、(C)は前可倒位置におけるストッパと凸部の配置を示す断面図である。
【図6】本発明に係る電動格納式ドアミラー装置のストッパを示す平面図であり、(A)は前可倒位置におけるストッパと規制部材および凸部の配置平面図であり、(B)は前可倒位置におけるストッパと凸部の配置平面図である。
【図7】本発明に係る電動格納式ドアミラー装置のストッパを示す断面図であり、(A)は通常作動範囲のストッパの構造と凸部の断面図であり、(B)は(A)の変形例における通常作動範囲のストッパの構造と凸部の断面図である。
【図8】従来の車両用ドアミラー 装置を示す図であり、(A)はミラーの起立位置におけるスタンド山及びケース山の配置であり、(B)はケース山がスタンド山に乗り上げた状態であり(C)は前可倒位置におけるスタンド山及びケース山の配置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0061】
10 電動格納式ドアミラー装置
11 ミラーユニット
12 バイザ
14 突当板
15 モータ(電動格納機構)
16 凸部(位置決め部材)
18 バネ
20 ミラー
22 突当板
23 規制部材
24 ストッパ
24a 軸
24b 収納部
25 バネ(バネ部材)
28 スタンド
30 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起立位置に配置されることで車両の後方を視認可能とされると共に前記起立位置から一方向へ回動されることで格納位置となりかつ前記起立位置から他方向へ回動されることで前可倒位置となる後方視認用のミラーと、
車両のドアに固定されたスタンドと、
前記ミラーに連結されかつ前記スタンドに回動可能に支持されたミラーユニットと、
前記ミラーを前記格納位置と前記前可倒位置との間で回転される電動格納機構と、
前記ミラーの前記起立位置に対応して前記スタンドに設けられたストッパと、
前記ミラーユニットに設けられストッパと当接する位置決め部材と、を備え、
前記ストッパは、前記ミラーユニットに設けられた前記位置決め部材が前記前可倒位置から一方向へ回動される際、可動することを特徴とする電動格納式ドアミラー装置。
【請求項2】
前記ストッパは回動軸を中心に一方向へのみ回動可能に支持され、前記位置決め部材の一方向への回動を規制せず、前記位置決め部材の他方向への回動を規制することを特徴とする請求項1に記載の電動格納式ドアミラー装置。
【請求項3】
前記ストッパは前記スタンドから前記ミラーユニットに向けてバネ部材で付勢された部材であり、
前記位置決め部材が前記前可倒位置側から前記ストッパに当接した時はその押圧力により前記スタンド側に引っ込むことを特徴とする請求項1に記載の電動格納式ドアミラー装置。
【請求項4】
前記位置決め部材が前記前可倒位置側から前記ストッパに当接した時はその押圧力により前記ミラーユニットと前記スタンドとの当接面に対して傾斜した方向に引っ込むことを特徴とする請求項3に記載の電動格納式ドアミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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