説明

電動機のロータ温度測定装置

【課題】簡素な構成で高精度にロータの温度を測定し、永久磁石の温度を推定することが可能な電動機のロータ温度測定装置を提供する。
【解決手段】円筒状に形成されてロータ14の端面14aに密着固定され、光を透過するとともに温度変化に応じて屈折率が変化する透明リング18と、透明リング18の軸方向に直交するように且つ透明リング18の外周面18aに所定の入射角θi1で入射するようにレーザ光1を出射する発光部19と、透明リング18を透過したレーザ光1を受光するように配置され、レーザ光1が入射する位置に応じて異なる電気信号を出力する受光部20と、受光部20から出力される電気信号に基づいてロータ14の温度を求める演算処理部23とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機のロータ温度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータの内部に永久磁石を埋め込む構造を有する電動機において、電動機の運転に伴ってロータに埋め込まれた永久磁石の温度が上昇し永久磁石の温度が一定の温度以上になると、この永久磁石の磁力が減磁されてしまう。永久磁石は一度減磁してしまうとその性能が著しく低下するため、運転中の電動機に対しては常に永久磁石の温度情報をモニターし、永久磁石の温度が、磁力が減磁される温度に達する前に、前もって電流を制限するなどして永久磁石の温度を調整する必要がある。
【0003】
ところで、回転体であるロータに埋め込まれた永久磁石の温度を有線式のセンサで直接測定することは困難である。そのため、従来の電動機においては例えばステータのコイルの温度を測定し、その温度値に基づいて永久磁石の温度を推定するなど、ロータの温度を直接測定することなくロータの温度を推定することが行われていた。なお、ステータのコイルの温度は、例えばサーミスタをコイルに固定するなどにより行っている。
【0004】
しかし、永久磁石の温度を調整するために電流を制限することは電動機の性能及び効率の低下に繋がるおそれがある。このような電動機の性能及び効率の低下を抑制するためには、永久磁石の温度を高精度に測定し、電流の制限を必要最小限に抑える必要があるが、上述したようにステータのコイルの温度を測定し、このコイルの温度に基づいて永久磁石の温度を推定する場合、永久磁石の正確な温度を得ることは難しかった。
【0005】
そこで、従来、ロータの内部に熱電対を取り付けるとともに、該熱電対に発光体を接続し、測定回路において発光体の輝度を非接触で検出することにより、ロータの温度を測定する技術がある(例えば、下記特許文献1参照)。
【0006】
また、ロータ本体に二つのコイルとこれら二つのコイルの間に介在配置されるサーミスタとを固定し、一方のコイルにおいて誘起した電流をサーミスタを介して他方のコイルに供給し、該他方のコイルによって発生する磁界をステータ軸に固定したセンサ用コイルによって非接触で検出することにより、ロータの温度を測定するものもある(例えば、下記特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平10−327561号公報
【特許文献2】特開2002−39088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のものは、ロータの内部に熱電対を取り付ける必要があるために組立作業が煩雑になることが考えられるという問題、発光体を設置可能な位置が回転子の反負荷側のみであるために利便性が十分とはいえない問題があった。
【0009】
また、上述した特許文献2に記載のものについても、ロータに複数の部材からなるコイルユニットを固定する構成であるため、装置構成が複雑になるという問題、さらに、回転子が回転していなければ温度を検知することができないため利便性が十分とはいえず、また回転速度の補正も必要であるため温度検出にかかる作業が煩雑になることが考えられるといった問題があった。
【0010】
このようなことから本発明は、簡素な構成で高精度にロータの温度を測定し、永久磁石の温度を推定することが可能な電動機のロータ温度測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための第1の発明に係る電動機のロータ温度測定装置は、電動機のロータの温度を測定する装置であって、円筒状に形成されて前記ロータの端面に密着固定され、光を透過するとともに温度変化に応じて屈折率が変化する透光部材と、前記透光部材の軸方向に直交するように且つ前記透光部材の外周面に所定の入射角で入射するようにレーザ光を出射する発光手段と、前記透光部材を透過した前記レーザ光を受光するように配置され、前記レーザ光が入射する位置に応じて異なる電気信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力される電気信号に基づいて前記ロータの温度を求める演算処理手段とを備えることを特徴とすることを特徴とする。
【0012】
第2の発明に係る電動機のロータ温度測定装置は、第1の発明において、前記受光手段が、前記レーザ光の直径と同一の直径を有する穴が形成されたマスク部材を備え、該マスク部材が、前記透光部材が予め設定する所定の温度のときに前記穴の中心と前記レーザ光の光軸とが一致するように配置されていることを特徴とする。
【0013】
第3の発明に係る電動機のロータ温度測定装置は、第1又は第2の発明において、前記発光手段及び前記受光手段は、前記レーザ光が二度の屈折を経て前記受光手段に入射するように相互の位置を設定されていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明に係る電動機のロータ温度測定装置は、第1又は第2の発明において、前記発光手段及び前記受光手段は、前記レーザ光が二度の屈折及び前記シャフトによる一度の反射を経て前記受光手段に入射するように相互の位置を設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上述した本発明に係る電動機のロータ温度測定装置によれば、ロータに直接接触している透光部材の温度の変化に基づいてロータの温度を推定し、得られた結果に基づいて永久磁石の温度を推定することができるので、簡素な構成で高精度にロータ及び永久磁石の温度を推定することができる。
【0016】
また、発光手段、受光手段は負荷側、反負荷側のいずれにも設置することが可能であるとともに、回転子が静止している状態であっても温度を検出することが可能であり、且つ、回転子の回転速度等を考慮する必要もないので、利便性の向上に繋がる。
【0017】
また、受光手段に、レーザ光の直径と同一の直径を有する穴が形成されたマスク部材を設け、該マスク部材を、透光部材が予め設定する所定の温度のときに穴の中心とレーザ光の光軸とが一致するように配置すれば、透光部材を透過したレーザ光の位置の変化を高精度に検出することができ、ロータの温度をより高精度に推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態を以下に示す実施例において詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1乃至図6を用いて本発明の第1の実施例を詳細に説明する。図1は本実施例に係る電動機のロータ温度測定装置の構造を示す概略断面図、図2は図1のA−A断面図、図3は本実施例の透明リングを透過する光の光路の変化を示す説明図、図4(a)〜(c)はそれぞれ図3のD〜F部の拡大図、図5はマスクの正面図、図6(a)、図6(b)はそれぞれ本実施例の他の例に係る発光部用マスク、受光部用マスクの正面図、図7は本実施例の他の例において受光部用マスクに入射するレーザ光の例を示す説明図である。なお、図中の一点鎖線は透明リング表面のレーザ光が入出射する位置に対して円周方向に直交する直線(法線)を示す。
【0020】
図1及び図2に示すように、本実施例に係る電動機のロータ温度測定装置が適用されるモータ1は、モータフレーム11にベアリング12を介して回転自在に支持されるシャフト13、内部に永久磁石16が埋め込まれ、シャフト13と一体に回転するロータ14、モータフレーム11の中空部にロータ14との間に周方向にわたって所定の間隙を有するように固定配置され、ステータコイル17を備えるステータ15を備えている。
【0021】
さらに、本実施例においてロータ14の一方の端面14aには、透光部材としての透明リング18が設けられている。透明リング18は光を透過する部材からなり、円筒状に形成されてロータ14の端部14aに密着固定され、シャフト13及びロータ14と一体に回転するように構成されている。そして、モータフレーム11の中空部内であって透明リング18の外周面18aに対向する位置に、発光手段としての発光部19および受光手段としての受光部20が配設されている。
【0022】
発光部19はレーザ光1を出射する手段であり、本実施例においては、レーザ光1の光軸がシャフト13の軸方向に直交するように且つレーザ光1が透明リングの外周面18aに所定の入射角θi1で入射するようにその位置を設定されている。入射角θi1は、図2に示すようにレーザ光1が二度の屈折を経て受光部20に入射するような角度とする。二度の屈折により、透明リング18に入射したレーザ光1は透明リング18の内部を屈折角θn1で進行し、出射角θo1で透明リング18の外部へ出射される。
【0023】
また、受光部20は受光部本体21とマスク部材としてのマスク22とから構成されている。受光部本体21は、発光部19から出射され、透明リング18を透過したレーザ光(透過光)1を受光し、受光量に応じた電気信号を出力する手段である。該受光部本体21は、図2中に示すA部、B部において屈折されたレーザ光1を受光することができるようにその位置を設定されている。
【0024】
一方、マスク22は光を透過しない遮光部材からなり、受光部本体21の受光面21aを覆うように設けられている。このマスク22には図5に示すようにレーザ光1の直径とほぼ同一の直径を有するピンホール22aが形成されており、該マスク22は、例えば透明リング18の温度が予め設定する所定温度Taのときにレーザ光1がピンホール22aの中心を通過するように位置を設定している。なお、本実施例では、所定温度Taは電動機を使用する環境に応じて設定すれば良い。
【0025】
そして、受光部本体21から出力される電気信号は演算処理手段としての演算処理部23に入力される。演算処理部23は、受光部本体21から出力される電気信号の出力値に基づいて透明リング18の温度を算出し、さらに、算出された透明リング18の温度に基づいて、ロータ14の温度を求め、得られたロータ14の温度から永久磁石16の温度を推定する手段である。
【0026】
なお、本実施例においてロータ14の温度を求める方法としては、例えば、透明リング18の温度とロータ14の温度との関係を予め参照値と取得しておき、この参照値を用いてロータ14の温度を求める等の方法が考えられる。また、永久磁石16はロータ14内に埋め込まれており、接着剤でロータ14に強固に密着しているので、永久磁石16の温度とロータ14の温度がほぼ同一として永久磁石16の温度の推定を行う。
【0027】
以下、図3乃至図5を用いて本実施例に係る電動機のロータ温度測定装置によるロータ温度測定方法について説明する。
【0028】
図3及び図4に示すように、例えば、透明リング18の温度が上述した所定温度Ta(例えば25℃)である場合、発光部19から出射され入射角θi1で透明リング18に入射したレーザ光1は、図中実線で示すように、屈折角θn1aで透明リング18内を透過し、出射角θo1aで透明リング18から出射され、マスク22を介して受光部本体21に入射される。
【0029】
ここで、上述したようにマスク22に形成されたピンホール22aは透明リング18の温度がTaの場合にその中心とレーザ光1の光軸が一致するようにその位置を設定されているため、レーザ光1aはほぼ100%ピンホール22aを通過し、受光部本体21において電気信号に変換される。
【0030】
一方、透明リング18の温度がTb(≠Ta、例えば75℃)のとき、透明リング18の屈折率n(=sin(入射角)/sin(屈折角))は透明リング18の温度に応じて変化するため、発光部19から出射され入射角θi1で透明リング18に入射したレーザ光1は、透明リング18の温度がTaのときとは異なり、図中二点鎖線で示すように、屈折角θn1bで透明リング18内を透過し、出射角θo1bで透明リング18から出射される。そのため、レーザ光1bの光軸はピンホール22aの中心に対してΔd1ずれることとなり、図5に示すようにレーザ光1bの一部がマスク22によって遮蔽され、レーザ光1bの図5中斜線を付した部分のみがマスク22を通過する。
【0031】
これにより、受光部本体21における受光量は透明リング18の温度がTaの場合に比較して減少し、演算処理部23に入力される電気信号が変化する。演算処理部23では入力された電気信号と予め求めた参照値とを比較して透明リング18の温度を求め、この透明リング18の温度からロータ14、さらには永久磁石16の温度を推定する。
【0032】
このように、本実施例においては透明リング18の温度変化に伴って該透明リング18の屈折率が変化することを利用して、透明リング18を透過した光が入射する位置の変化に基づいて透明リング18の温度を求め、これによりロータ14の温度、永久磁石16の温度の推定を行う。
【0033】
上述した本実施例に係る電動機のロータ温度測定装置によれば、光を用いたセンシングでロータ14の温度を推定することができるため、ロータ14の温度を高精度に推定することができる。さらに、ロータ14に直接接触している透明リング18の温度に基づいてロータ14の温度を推定し、推定したロータ14の温度に基づいて永久磁石の温度を推定するため、簡素な構成で高精度に永久磁石16の温度を推定することができ、モータ1の性能及び効率を向上させることができる。
【0034】
なお、上述した実施例では所定温度Taを25℃として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、電動機を使用する環境下において最も低いと考えられる温度に設定する等、種々の変更が可能である。
【0035】
また、本実施例においては、受光部20を構成するマスク22に円形のピンホール22aを設ける例を示したが、例えば図6に示すように、発光部19のレーザ光出射面に対向する位置に図6(a)に示す長方形状の孔24aを有する発光部用マスク24を設ける一方、受光部20に上述したマスク22に代えて、マスク部材として図6(b)に示すような三角形状の孔25aを有する受光部用マスク25を設けるようにするなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0036】
上記構成とした場合、例えば、透明リング18の温度が低温から高温に変化するのに対し、レーザ光が受光部用マスク25の三角形状の孔25aの底辺側から頂点側へ移動するように設定すれば、図7に示すように、低温時においてはレーザ光1aが実線で示す位置に照射され、高温時においてはレーザ光1bが破線で示す位置に照射されて、それぞれ図中斜線を付した部分が孔25aを通過することにより受光部本体21に入射する受光量が変化する。
【0037】
このように、受光部本体21において測定される受光量が透明リング18の温度変化に伴って変化するので、得られた受光量を電気信号に変換して演算処理部23において受光部本体21から入力された電気信号と予め求めた参照値とを比較することにより、透明リング18の温度を求めることができ、この透明リング18の温度からロータ14、さらには永久磁石16の温度を推定することができる。
【実施例2】
【0038】
図8乃至図10を用いて本発明の第2の実施例を詳細に説明する。図8は本実施例の電動機の断面図、図9は本実施例の透明リングを透過する光の光路の変化を示す説明図、図10(a)〜(d)はそれぞれ図9のI〜L部の拡大図である。本実施例は、実施例1において発光部19及び受光部20の位置を変更した例であり、以下、図1及び図2に示し上述した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0039】
図8に示すように、本実施例において発光部19はレーザ光1の光軸がシャフト13の軸方向に直交するように且つレーザ光1が透明リングの外周面18aに所定の入射角θi2で入射するようにその位置を設定されている。入射角θi2は、図8に示すようにレーザ光1が二度の屈折及び一度の反射を経て受光部20に入射するような角度とする。二度の屈折及び一度の反射により、透明リング18に入射したレーザ光1は透明リング18の内部を屈折角θn2で進行し、出射角θo2で透明リング18の外部へ出射される。
【0040】
また、受光部本体21は、図8中に示すF部、G部、H部において屈折又は反射されたレーザ光1を受光することができるようにその位置を設定されている。さらに、マスク22は、実施例1と同様、透明リング18が所定温度Taの時にレーザ光1の光軸とピンホール22aの中心が一致するように配設されている。
【0041】
図9及び図10を用いて本実施例に係る電動機のロータ温度測定装置によるロータ温度測定方法について説明する。
【0042】
図9及び図10に示すように、例えば、透明リング18の温度がTa(例えば25℃)のとき、発光部19から出射され入射角θi2で透明リング18に入射したレーザ光1は、屈折角θn2aで透明リング18内を透過し、ロータ14によって反射されたのち出射角θo2aで透明リング18から出射され、マスク22を介して受光部本体21に入射される。ここで、上述したようにマスク22に形成されたピンホール22aは透明リング18の温度がTaの場合にその中心とレーザ光1の光軸が一致するようにその位置を設定されているため、レーザ光1aはほぼ100%ピンホール22aを通過し、受光部本体21において電気信号に変換される。
【0043】
一方、透明リング18の温度がTb(≠Ta、例えば75℃)のとき、透明リング18の屈折率nは透明リング18の温度に応じて変化するため、発光部から出射され入射角θi2で透明リング18に入射したレーザ光1は、透明リング18の温度がTaのときとは異なり、屈折角θn2bで透明リング18内を透過し、ロータ14によって反射された後、出射角θo2bで透明リング18から出射される。
【0044】
そのため、レーザ光1bの光軸はピンホール22aの中心に対してΔd2ずれることとなり、レーザ光1bの一部がマスク22によって遮蔽される。これにより、受光部本体21における受光量は透明リング18の温度がTaの場合に比較して減少し、演算処理部23に入力される電気信号が変化する。演算処理部23では入力された電気信号と予め求めた参照値とを比較して透明リング18の温度を求め、この透明リング18の温度からロータ14、さらには永久磁石16の温度を推定する。
【0045】
このように、本実施例に係る電動機のロータ温度測定装置によれば、光を用いたセンシングでロータ14の温度を推定することができるため、ロータ14の温度を高精度に推定することができる。さらに、ロータ14に直接接触している透明リング18の温度に基づいてロータ14の温度を推定し、推定したロータ14の温度に基づいて永久磁石の温度を推定するため、簡素な構成で高精度に永久磁石16の温度を推定することができ、モータ1の性能及び効率を向上させることができる。
【0046】
なお、ピンホールの形状は円形に限らず、レーザ光1が入射される位置に応じて受光部本体20に入射される受光量が変化するような形状であればよく、屈折率を導出することが可能な範囲で変更が可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、電動機のロータ温度測定装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例1に係る電動機のロータ温度測定装置の概略断面図である。
【図2】図1のX−X矢視断面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る電動機のロータ温度測定装置における光路の変化の例を示す説明図である。
【図4】図4(a)は図3に示すC部拡大図、図4(b)は図3に示すD部拡大図、図4(c)は図3に示すE部拡大図である。
【図5】本発明の実施例1に係るマスクの例を示す正面図である。
【図6】図6(a)は本発明の実施例1に係る発光部用マスクの例を示す正面図、図6(b)は本発明の実施例1に係る受光部用マスクの他の例を示す正面図である。
【図7】図6に示す受光部用マスクに入射するレーザ光の例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例2に係る電動機のロータ温度測定装置の図1のX−X矢視断面図である。
【図9】本発明の実施例2に係る電動機のロータ温度測定装置における光路の変化の例を示す説明図である。
【図10】図10(a)は図9に示すI部拡大図、図10(b)は図9に示すJ部拡大図、図10(c)は図9に示すK部拡大図、図10(d)は図9に示すL部拡大図である。
【符号の説明】
【0049】
1 レーザ光(光軸)
1a レーザ光(低温時)
1b レーザ光(高温時)
11 モータフレーム
12 ベアリング
13 シャフト
14 ロータ
14a ロータ端部
15 ステータ
16 永久磁石
17 ステータコイル
18 透明リング
19 発光部
20 受光部
21 受光部本体
22,25 マスク
23 演算処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機のロータの温度を測定する装置であって、
円筒状に形成されて前記ロータの端面に密着固定され、光を透過するとともに温度変化に応じて屈折率が変化する透光部材と、
前記透光部材の軸方向に直交するように且つ前記透光部材の外周面に所定の入射角で入射するようにレーザ光を出射する発光手段と、
前記透光部材を透過した前記レーザ光を受光するように配置され、前記レーザ光が入射する位置に応じて異なる電気信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力される電気信号に基づいて前記ロータの温度を求める演算処理手段と
を備えることを特徴とする電動機のロータ温度測定装置。
【請求項2】
前記受光手段が、前記レーザ光の直径と同一の直径を有する穴が形成されたマスク部材を備え、該マスク部材が、前記透光部材が予め設定する所定の温度のときに前記穴の中心と前記レーザ光の光軸とが一致するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の電動機のロータ温度測定装置。
【請求項3】
前記発光手段及び前記受光手段は、前記レーザ光が二度の屈折を経て前記受光手段に入射するように相互の位置を設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電動機のロータ温度測定装置。
【請求項4】
前記発光手段及び前記受光手段は、前記レーザ光が二度の屈折及び前記シャフトによる一度の反射を経て前記受光手段に入射するように相互の位置を設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電動機のロータ温度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−35265(P2010−35265A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191908(P2008−191908)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】