説明

電動送風機

【課題】 部品点数の削減と電動機部の軸長の小型化、しいては掃除機本体の小型化やコストダウンが図れる電動送風機を提供する。
【解決手段】 ステータ1とロータ2から成る駆動部3がブラケット4とフレーム5で覆われた電動機部6と、ロータ2の回転軸7に取り付けられた送風用ファン8がファンカバー10で覆われた送風機部11とを有すると共に、ロータ2の回転軸7に取り付けられて駆動部3を冷却する冷却用ファン21を備え、この冷却用ファン21を電動機部6に内蔵し、ロータ2の回転軸7を回転自在に支持するベアリング13と、このベアリング13を止める止め輪22との間に接触配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、送風用ファンの他に駆動部冷却用ファンを備えて、水分を含んだ空気でも吸い込めるようにしたウエットアンドドライ(Wet&Dry)タイプの電気掃除機用の電動送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のWet&Dryタイプの電気掃除機用電動送風機は、例えば特許文献1に示されているように、駆動部冷却用ファンがロータ整流子側のブラケット外に配置したものが一般的である。
【特許文献1】特開平6−108994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような構成では、冷却用ファンを保護する外周枠とその吸い込み面の保護格子等が必要となり、部品点数の増加と、電動機部の軸長の増大化を招いていた。また、掃除機本体に組み込む場合でも、冷却用吸気路を確保するために、掃除機本体の軸長をも増大化させ、掃除機の大型化やコストアップを招いていた。
【0004】
そこで、本願発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、部品点数の削減と電動機部の軸長の小型化、しいては掃除機本体の小型化やコストダウンが図れる電動送風機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような目的を達成するために、本願発明は、ステータとロータから成る駆動部がブラケットとフレームで覆われた電動機部と、前記ロータの回転軸に取り付けられた送風用ファンがファンカバーで覆われた送風機部とを有すると共に、前記ロータの回転軸に取り付けられて前記駆動部を冷却する冷却用ファンを備え、前記冷却用ファンを前記電動機部に内蔵したことを特徴とするものである。
【0006】
そして、前記冷却用ファンを、前記ロータの回転軸を回転自在に支持するベアリングと、このベアリングを止める止め輪との間に接触配置したことを特徴とするものである。
【0007】
また、前記冷却用ファンのブレード保持部となる略円盤状のベース部を、前記ベアリングの外輪内径よりも小さく内輪外径よりも大きい範囲でベアリング側へ突出する段付き形状としたことを特徴とするものである。
【0008】
一方、前記冷却用ファンと前記ベアリングとの間に、前記ベアリングの外輪内径よりも小さく内輪外径よりも大きい外径のワッシャーリングを介在させたことを特徴とするものである。
【0009】
さらに、前記冷却用ファンに、前記止め輪の開口部に突出する突起を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
また、前記冷却用ファンを、略円盤状の平板から一部を切り起こして成る複数のブレードを有するオープン形の略遠心ファン形状としたことを特徴とするものである。
【0011】
さらに、前記略遠心ファン形状の冷却用ファンを、回転軸を通る中心線に対する各ブレードの角度が回転方向に対して外周側が遅れた後ろ向き羽根としたことを特徴とするものである。
【0012】
また、前記ブレードの回転中心側開放端部を略円弧形状に形成すると共に、対向するブレード部の回転中心側根元部をそれに対応した略円弧形状に形成したことを特徴とするものである。
【0013】
また、前記ブレードの外周側端部をブレード根元部が大きく、開放部が小さい略斜め形状に形成したことを特徴とするものである。
【0014】
また、前記ブレードをベアリングとは反対側に切り起こすと共に、切り起こしたブレードを有するブレード部が略円盤状の平板部よりベアリング側に位置する段付き形状としたことを特徴とするものである。
【0015】
一方、前記ブレードをベアリング側に切り起こしたことを特徴とするものである。
【0016】
さらに、前記冷却用ファンの冷却排気風を排出する排出部としてブラケットのフランジ部に多数の小径の排気孔を形成したことを特徴とするものである。
【0017】
また、前記送風用ファンのブレード枚数と、前記送風機部に設けられたディフューザのボリュート枚数と、前記ファンカバーに設けられた送風用排気孔数と、前記冷却用ファンのブレード枚数を異なる数としたことを特徴とするものである。
【0018】
また、前記送風用ファンのブレード枚数と、前記送風機部に設けられるディフューザのボリュート枚数と、前記ファンカバーに設けられた送風用排気孔数と、前記冷却用ファンのブレード枚数と、冷却風用排気孔数を異なる数としたことを特徴とするものである。
【0019】
また、前記電動機部のフレームと前記送風機部に設けられるディフューザを樹脂で一体形成すると共に、このフレームディフューザに前記ファンカバーとの接触部よりも電動機部側で且つ段差を有して内周側から突出する略円筒状のリブを形成したことを特徴とするものである。
【0020】
さらに、前記略円筒状リブの先端内周側に前記ブラケットのフランジ部外周縁が嵌合する段部を形成したことを特徴とするものである。
【0021】
また、前記ブラケットの円筒部から前記冷却用ファン側に突出する略円筒状の仕切板を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本願発明によれば、冷却用ファンを電動機部に内蔵したことにより、従来のような冷却用ファンを保護する外周枠やその吸い込み面の保護格子等が不要となり、部品点数の削減と電動機部の軸長の小型化、しいては掃除機本体の小型化やコストダウンが図れる。
【0023】
また、冷却用ファンをベアリングとベアリングを止める止め輪との間に接触配置したことにより、追加部品なしにて、冷却用ファンの固定が行えるだけでなく、ナットや保護枠が不要となるため、冷却用ファンの内蔵化が簡単な構成で安価に実現できる。
【0024】
また、冷却用ファンの略円盤状のベース部を、ベアリングの外輪内径よりも小さく内輪外径よりも大きい範囲でベアリング側へ突出する段付き形状とすることにより、冷却用ファンを段付き形状とするだけで、冷却用ファンのベアリング外輪との接触を避けることができ、冷却用ファンの厚みを変える必要がないため、冷却用ファンを平板から作成でき、ファン材料費の低減と、段付き形状による冷却用ファン自体の強度アップや平面度アップを実現できる。
【0025】
また、冷却用ファンとベアリングとの間に、ベアリングの外輪内径よりも小さく内輪外径よりも大きい外径のワッシャーリングを介在させることにより、ワッシャーリングを追加するだけで、冷却用ファンを平板形状にできるため、冷却用ファンの加工が容易で、ファン単価を低減できるだけでなく、ワッシャーリングで冷却用ファンの強度アップや平面度アップを実現できる。
【0026】
また、冷却用ファンに止め輪の開口部に突出する突起を設けることにより、ロータのロック時や、ロータへ急激な加速度が付加された場合に生じる冷却用ファンの移動を冷却用ファンに突起を設けるという簡単な構成で防止できるため、異常時における冷却用ファンの破壊を防止でき、より信頼性が増す。
【0027】
また、冷却用ファンを、略円盤状の平板から一部を切り起こして成る複数のブレードを有するオープン形の略遠心ファン形状とすることにより、プロペラ形の軸流ファン形状と同様の簡易で安価な冷却用ファンで、軸方向の風を遠心方向に変換できるため、冷却用ファンからフレームやディフューザ等の外壁までの距離を大幅に短縮でき、電動機部を大幅に小型化することができる。また、同等外径では、軸流ファンより遠心ファンの方が風量を大幅に大きくできるため、必要風量に対し、冷却用ファンの小型化が実現でき、コストダウンが可能なだけでなく、冷却用ファン自体の強度,平面度,アンバランス等を改善することができる。
【0028】
また、略遠心ファン形状の冷却用ファンを、回転軸を通る中心線に対する各ブレードの角度が回転方向に対して外周側が遅れた後ろ向き羽根とすることにより、ブレードの入出口角が小さくなるため、風の流入,流出がスムーズになり、騒音低減や送風効率向上が実現できる。
【0029】
また、ブレードの回転中心側開放端部を略円弧形状に形成すると共に、対向するブレード部の回転中心側根元部をそれに対応した略円弧形状に形成することにより、ブレード折り曲げ前の展開形状が互いに対応するため、材料を増加させることなく、風の流入側のエッジ部での乱流防止による騒音低減や送風効率向上が実現でき、またブレード部の略円盤状の平板部による保持部分が増加するため、強度アップが図れ、高速回転にも充分に耐えうることが可能となる。
【0030】
また、ブレードの外周側端部をブレード根元部が大きく、開放部が小さい略斜め形状に形成することにより、ブレード外周端が斜め形状となるため、風の流出に時間差が生じ、外壁衝突時の騒音を低減できる。
【0031】
また、ブレードをベアリングとは反対側に切り起こすと共に、切り起こしたブレードを有するブレード部が略円盤状の平板部よりベアリング側に位置する段付き形状とすることにより、ベアリング位置により制約を受ける冷却用ファン位置をよりフレームやディフューザ等の外壁に近付けることができるため、更なる軸長短縮が可能となる。また、段付きとなることで、冷却用ファン自体の強度や平面度を改善することができる。
【0032】
一方、ブレードをベアリング側に切り起こすことにより、冷却用ファンを段付き形状とはせずに、ベアリング位置により制約を受ける冷却用ファン位置をよりフレームやディフューザ等の外壁に近付けることができるため、更なる軸長短縮が可能となる。
【0033】
また、冷却用ファンの冷却排気風を排出する排出部としてブラケットのフランジ部に多数の小径の排気孔を形成することにより、Wet&Dryタイプの電機掃除機用電動送風機の作成時に用いているネジ止め部や位置決め部や当て部等に影響を与えずに、小径の孔をいたる所に開けることができる。よって、均一な排気を実現でき、送風効率向上となり、且つ多数の孔により排気風が分散され、エネルギーが分散されると共に周波数が高くなって可聴域を超えるため、低騒音化が図れる。
【0034】
また、送風用ファンのブレード枚数と、送風機部に設けられたディフューザのボリュート枚数と、ファンカバーに設けられた送風用排気孔数と、冷却用ファンのブレード枚数を異なる数とすることにより、これらの各部分での風を分散させる数が異なることから、音の共振を防ぐことができ、低騒音化が図れる。
【0035】
さらに、上述した各部分の数と冷却風用排気孔数を異なる数とすることにより、より徹底して音の共振を防ぐことができ、更なる低騒音化が図れる。
【0036】
また、電動機部のフレームと送風機部に設けられるディフューザを樹脂で一体形成すると共に、このフレームディフューザにファンカバーとの接触部よりも電動機部側で且つ段差を有して内周側から突出する略円筒状のリブを形成することにより、一体形成のフレームディフューザ以外は、既存の非Wet&Dryタイプの電気掃除機用電動送風機の部品に追加加工を行うだけで、新規部品(ファンカバーやブラケット)を作成することなく、冷却用ファンの軸長延長に対応できる。また、段差がファンカバーをカシメ等により固定する際の逃がしにもなる。
【0037】
さらに、略円筒状リブの先端内周側にブラケットのフランジ部外周縁が嵌合する段部を形成することにより、ブラケットの位置決めとセンター出しが容易に行え、ブラケットフランジ部の外周縁を樹脂で保持できるため、振動低減が可能となる。また、その部分で主送風部と冷却用送風部を分離する場合に形状的に平滑な樹脂部でシールを行えるため、確実なシールを実現できる。また、ブラケットフランジ部外周縁のエッジ対策を行う必要がなくなる。
【0038】
また、ブラケットの円筒部から冷却用ファン側に突出する略円筒状の仕切板を備えることにより、ステータやロータ側から冷却用ファン側に流れる風がブラケットフランジ部の排気孔から排出されるときに、ブラケット内部へ逆流するのを防止できるため、送風効率を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本願発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
図1〜図6は本願発明に係る電動送風機の一実施形態を示す構成図であり、本実施形態の電動送風機は、図1に示すように、ステータ1とロータ2から成る駆動部3が有底筒状のブラケット4とブラケット4の開口部を塞ぐフレーム5で覆われた電動機部6と、ロータ2の回転軸7に取り付けられた送風用ファン8とそのディフューザ9がファンカバー10で覆われた送風機部11とから構成されている。なお、本実施形態においては、電動機部6のフレーム5と送風機部11のディフューザ9をPBT等の強化樹脂で一体形成しており、以後これらをフレームディフューザ59と呼ぶことにする。
【0041】
上記ロータ2の回転軸7の両端側は、ブラケット4底面及びフレームディフューザ59の各中央部に各々圧入固定されたベアリング12,13で回転自在に支持されている。また、ブラケット4の底面近くには、ブラシ保持部14と吸気孔15が設けられており、ブラシ保持部14内にはコイルバネ16を介してカーボンブラシ17が保持され、このカーボンブラシ17がコイルバネ16により回転軸7側の整流子18外周面に圧接され、これらの状態が吸気孔15から見えるように構成されている。
【0042】
また、送風用ファン8は回転軸7の上端にナット19により固定された遠心ファンで、渦巻き状の複数枚のブレード8aとその前後を挟む前面シュラウド8b及び後面シュラウド8cとから構成されている。前面シュラウド8bは、その中央部に空気を吸い込む吸込口8dが形成され、この吸込口8dから外周部に向かって後面シュラウド8cとの間隔が漸次狭くなるように形成されており、外周部に吐出口8eが形成されて、前面中央部の吸込口8dから吸い込んだ空気を圧縮して外周部の吐出口8eから放射方向に排出するように構成されている。
【0043】
一方、フレームディフューザ59には、送風用ファン8の外周に対向して送風用ファン8の回転方向に放射状に配置されるボリュート壁59aが形成され、その反対側にブラケット4の開口部から外側に延びるフランジ部4aがネジ20によりネジ止め固定されている。また、ファンカバー10は、送風用ファン8及びフレームディフューザ59の外周面を覆うようにしてフレームディフューザ59の外周部に圧入固定されるように形成され、その前面中央部には、送風用ファン8の吸込口8dに対応した吸気口10aが形成されている。また、ファンカバー10の外周壁には、送風用ファン8から吐出されて上記ボリュート壁59aを介した排気風を外部に排出する排気孔10bが等間隔に複数形成されている。
【0044】
そして、本実施形態においては、ロータ2と送風用ファン8側のベアリング13との間に図4に示すような冷却用ファン21を内蔵している。具体的には、図5に示すように外輪13aと内輪13b間にボール13cを介在させたベアリング13と、このベアリング13を止める図6に示すような止め輪(スナップリング)22との間に接触配置し、冷却用ファン21とベアリング13との間には、ベアリング13の外輪内径d1よりも小さく内輪外径d2よりも大きい外径のワッシャーリング23を介在させて、冷却用ファン21の円盤状の平板部21aが固定状態のベアリング外輪13a等に接触しないようにしている。
【0045】
上記送風用ファン21は、図4に示したように、中心に回転軸孔21bが形成された略円盤状の平板を全周にわたって切り欠いて形成される多数のブレード21cを一方向に傾斜させて構成した軸流ファン(プロペラファン)で、平板からプレス加工等により容易にに形成でき、ロータ2の回転軸7の回転によりロータ2やステータ1側から空気を吸い込んで反対側へ排出するように回転軸7に取り付けられる。また、止め輪22にはUリングやCリングを用いることができるが、本実施形態では、図6に示したようなUリング22が用いられ、回転軸7の両側に形成された一対の溝に開口部22aを介して嵌合して回転軸7に固定されると共に、冷却用ファン21の略円盤状の平板部21aに接触して冷却用ファン21を固定している。
【0046】
また、本実施形態においては、上記冷却用ファン21の冷却排気風を排出する排出部として図2に示すようにブラケット4のフランジ部4aに多数の小径の排気孔4bを形成している。
【0047】
さらに、上記送風用ファン21のブレード枚数と、フレームディフューザ59のボリュート枚数と、ファンカバー10に設けられた送風用排気孔数と、冷却用ファン21のブレード枚数と、小径の冷却風用排気孔数が異なる数になるように構成している。
【0048】
また、上記フレームディフューザ59に、ファンカバー10との接触部よりも電動機部6側で且つ段差59bを有して内周側から突出する略円筒状のリブ59cを形成している。
【0049】
以上の構成において、この電動送風機が駆動されてロータ2が回転すると、ロータ2の回転軸7の一端(上端)に取り付けられた送風用ファン(遠心ファン)8が回転して、ファンカバー10の中央部の吸気口10aを介して吸込口8dから吸い込んだ空気を圧縮して外周部の吐出口8eから放射方向に吐出し、この送風用ファン8から吐出された排気風はボリュート壁59aを介してファンカバー10の外周壁に形成された排気孔10bから外部に排出される。従って、吸い込まれる空気に水分が含まれていても、この水分を含んだ空気が電動機部6内を通ることはないので、電動機部6内の部品に錆等が生じるのを防ぐことができる。
【0050】
また、ロータ2の回転軸7が回転すると、電動機部6内に内蔵された冷却用ファン21も回転し、電動機部6のブラケット4に形成された吸気孔15等から外部の空気を吸い込んで、整流子18やカーボンブラシ17を冷却すると共に、ステータ1とロータ2を冷却した後、冷却用ファン21を介しフレームディフューザ59の内面に沿って方向転換し、ブラケットフランジ部4aに形成された冷却風用排気孔4bから外部に排出される。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、冷却用ファン21を電動機部6内に内蔵したことにより、従来のような冷却用ファンを保護する外周枠やその吸い込み面の保護格子等が不要となり、部品点数の削減と電動機部6の軸長の小型化、しいては当該電動送風機を内蔵する掃除機本体の小型化やコストダウンが図れる。
【0052】
また、冷却用ファン21をベアリング13とベアリング13を止める止め輪(Uリング)22との間に接触配置したことにより、ほとんど追加部品なしにて、冷却用ファン21の固定が行えるだけでなく、ナットや保護枠が不要となるため、冷却用ファン21の内蔵化が簡単な構成で安価に実現できる。
【0053】
また、冷却用ファン21とベアリング13との間に、ベアリング13の外輪内径d1よりも小さく内輪外径d2よりも大きい外径のワッシャーリング23を介在させたことにより、ワッシャーリング23を追加するだけで、冷却用ファン21の円盤状の平板部21aが固定状態のベアリング外輪13a等に接触することなく、冷却用ファン21を平板形状にできるため、冷却用ファン21の加工が容易で、ファン単価を低減できるだけでなく、ワッシャーリング23で冷却用ファン21の強度アップや平面度アップを実現できる。
【0054】
また、通常、冷却用ファンの冷却排気風を排出する排出部は数個の大きな切欠部もしくは角孔で構成されているが、前者の場合、ブラケットフランジ部外周が欠損されているため、ブラケットの強度低下および平面度悪化を招く危険性がある。また後者の場合は、ネジ止め部や位置決め部や当て部など角孔を追加形成できない箇所が多くあるため、十分な面積を確保することが難しくなっている。また、両者共に、排気孔数が2〜8個程度の少数であるため、排気が集中したりムラができ、排気効率を低減していた。また、騒音に関しても、回転数×風切り個数,所謂NZ音が現在主流である30000〜50000rpmの電動機では1k〜5kHz程の周波数となって可聴域に位置するため、聴覚騒音が高くなる。これに対して、本実施形態では、冷却用ファン21の冷却排気風を排出する排出部としてブラケット4のフランジ部4aに多数の小径の排気孔4bを形成することにより、Wet&Dryタイプの電機掃除機用電動送風機の作成時に用いているネジ止め部や位置決め部や当て部などに影響を与えずに、小径の排気孔4bをいたる所に開けることができる。よって、均一な排気を実現でき、送風効率向上となり、且つ多数の排気孔4bにより排気風が分散され、エネルギーが分散されると共に周波数が高くなって可聴域を超えるため、低騒音化が図れる。
【0055】
さらに、送風用ファン21のブレード枚数と、フレームディフューザ59のボリュート枚数と、ファンカバー10に設けられた送風用排気孔数と、冷却用ファン21のブレード枚数と、冷却風用排気孔数を異なる数とすることにより、これらの全ての部分での風を分散させる数が異なることから、徹底して音の共振を防ぐことができ、更なる低騒音化が図れる。ここで、上述したブレードや孔等の数は2〜3倍の倍数ではなく、できる限り素数であることが共振を防ぐためには望ましい。
【0056】
また、従来のWet&Dryタイプの電動送風機は、新規部品の削減を図るため、非Wet&Dryタイプの電動送風機に追加加工を行い作成していた。そのためブラケット外に冷却用ファンを配置して新規部品の削減を図っており、小型化等のため冷却用ファンを内蔵化する場合、ブラケットと送風用ファン間の距離を延長する必要があり、ブラケットもしくはフレームを新規に作成して対応せざるを得なくなる。また、フレームとディフューザとシール材の3点で構成されていた部分を、部品点数の削減からフレームとディフューザを樹脂で一体形成したものが実施されているが、それでも、上記の場合、少なくとの2〜3点(フレームディフューザの他にブラケットやファンカバー)の新規部品を必要としていた。これに対して、本実施形態においては、電動機部6のフレーム5と送風機部11に設けられるディフューザ9をPBT等の強化樹脂で一体形成すると共に、このフレームディフューザ59にファンカバー10との接触部よりも電動機部6側で且つ段差59bを有して内周側から突出する略円筒状のリブ59cを形成したことにより、一体形成のフレームディフューザ59以外は、既存の非Wet&Dryタイプの電気掃除機用電動送風機の部品に追加加工を行うだけで、新規部品(ファンカバーやブラケット)を作成することなく、冷却用ファン21内蔵による軸長延長に対応できる。また、段差59bがファンカバー10をカシメ等により固定する場合の逃がしにもなる。
【0057】
図7は、本願発明の他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0058】
上記実施形態では、冷却用ファン21のベアリング外輪13aとの接触を避けるため、ベアリング13との間にワッシャーリング23を介在させたが、図7に示すように、冷却用ファン21のブレード保持部となる略円盤状のベース部21aに、ベアリング13の外輪内径d1よりも小さく内輪外径d2よりも大きい範囲でベアリング12側に突出するような肉厚部21dを設けるようにしても良い。
【0059】
このように構成しても、冷却用ファン21の略円盤状のベース部21aの厚みを変える必要はあるが、それ以外は上記実施形態とほぼ同様な作用効果が得られる。
【0060】
図8は、本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0061】
本実施形態においては、冷却用ファン21の略円盤状のベース部21aを、ベアリング13の外輪内径d1よりも小さく内輪外径d2よりも大きい範囲でベアリング13側へ突出する段付き形状としたものである。なお、止め輪22も同様な大きさに形成されるので、図8に示したように段付き部21eのロータ2側の凹部に止め輪22がちょうど収まる形となる。
【0062】
このように構成することにより、冷却用ファン21を段付き形状とするだけで、冷却用ファン21のベアリング外輪13aとの接触を避けることができ、前記実施形態のように冷却用ファン21の厚みを変える必要がないため、冷却用ファン21を平板から作成でき、ファン材料費の低減と、段付き形状による冷却用ファン21自体の強度アップや平面度アップを実現できる。
【0063】
図9は、本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0064】
本実施形態においては、冷却用ファン21に止め輪(Uリング)22の開口部22aに突出する突起21fを設けたものである。この突起21fは、単なる切り起こしによる突起や、両側に切込みを形成して三角形形状に突出させたビックスと呼ばれる突起や、半球状に突出させたトックスと呼ばれる突起等を形成することにより容易に実施できる。
【0065】
このように構成することにより、ロータ2のロック時や、ロータ2へ急激な加速度が付加された場合に生じる冷却用ファン21の移動を冷却用ファン21に突起21fを設けるという簡単な構成で防止できるため、異常時における冷却用ファン21の破壊を防止でき、より信頼性が増す。
【0066】
図10は、本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0067】
本実施形態においては、前述したフレームディフューザ59の略円筒状リブ59cの先端内周側にブラケット4のフランジ部4a外周縁が嵌合する段部59dを形成したものである。
【0068】
このように構成することにより、ブラケット4の位置決めとセンター出しが容易に行え、ブラケットフランジ部4aの全外周縁を樹脂で保持できるため、振動低減が可能となる。また、その部分で主送風部と冷却用送風部を分離する場合に形状的に平滑な樹脂部でシールを行えるため、確実なシールを実現できる。また、ブラケットフランジ部4aの外周縁のエッジ対策を行う必要がなくなる。
【0069】
図11は、本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0070】
上述してきたようにブラケットフランジ部4aから冷却風を排出する場合、ステータ1やロータ2側から冷却用ファン21側に流れる風がブラケットフランジ部4aの排気孔4bから排出されるときに、ブラケットフランジ部4aの排気孔4bから排出される風の一部がフランジ部4aの排気孔4b以外の部分に当たり、ブラケット4内部へ逆流し、送風効率を低下させる虞がある。そこで、本実施形態では、ブラケット4の円筒部4cから冷却用ファン21側に突出する略円筒状のリブ(仕切板)24を備えたものである。
【0071】
このように構成することにより、ステータ1やロータ2側から冷却用ファン21側に流れる風がブラケットフランジ部4aの排気孔4bから排出されるときに、リブ24で仕切られたブラケット4内部へ逆流するのを防止できるため、送風効率を向上できる。
【0072】
図12は、本願発明の更に他の実施形態を示す全体構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0073】
上述してきた実施形態ではプロペラ形の軸流ファン形状の冷却用ファン21を用いたが、軸流ファン形状では、風を軸方向に送風するため、駆動部3を冷却し冷却用ファン21を通過した風がフレーム5やディフューザ9(上記実施形態ではフレームディフューザ59)等の外壁に直接当たるため送風効率がどうしても低下してしまう。その対策として、軸長を長くして通風路を確保することが考えられるが、それでは、小型化のため、冷却用ファンを内蔵する意味が半減してしまう。そこで、図12以降に示す実施形態では、略遠心ファン形状の冷却用ファン21を内蔵したものである。なお、図12に示す冷却用ファン21の構成については後述の図18で説明する。
【0074】
図13は、その第1の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0075】
本実施形態では、冷却用ファン21を、略円盤状の平板から一部を切り起こして成る複数のブレード21gを有するオープン形の略遠心ファン形状としたものである。なお、(a)は切り起こし前,すなわち略円盤状の平板の周囲をブレード形状に切り欠いただけの曲げ前の平面図で、(b)はその各ブレード部21hのブレード21gを切り起こした曲げ後の平面図で、一つのブレード部21hはその延長方向から見た側面図も示しており、(c)は(b)の回転軸孔21bを通る中央線で切断した縦断面図である。
【0076】
以上のように構成することにより、前述したプロペラ形の軸流ファン形状と同様の簡易で安価な冷却用ファン21で、軸方向の風を遠心方向に変換できるため、冷却用ファン21からフレーム5やディフューザ9(フレームディフューザ59)等の外壁までの距離を大幅に短縮でき、電動機部6を大幅に小型化することができる。また、同等外径では、軸流ファンより遠心ファンの方が風量を大幅に大きくできるため、必要風量に対し、冷却用ファン21の小型化が実現でき、コストダウンが可能なだけでなく、冷却用ファン21自体の強度,平面度,アンバランス等を改善することができる。また、この図13に示した冷却用ファン21を、図12に示すように、切り起こしたブレード21gがベアリング13とは反対側,すなわちロータ2側に位置するように配置して、図13の時計廻りに回転させると、ブレード21gがブレード部21hの回転方向先端に位置しているので、ロータ2側への風の戻りを防ぐことができる。
【0077】
図14は、更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0078】
本実施形態においては、略遠心ファン形状の冷却用ファン21を、回転軸孔21bを通る中心線に対する各ブレード21gの角度が矢印で示す時計廻りの回転方向に対して外周側が遅れた後ろ向き羽根としたものである。
【0079】
このように構成することにより、ブレード21gの入出口角が小さくなるため、風の流入,流出がスムーズになり、騒音低減や送風効率向上が実現できる。
【0080】
図15は、更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0081】
本実施形態においては、図15(a)に示すように各ブレード21gの回転中心側開放端部21iをR形状(略円弧形状)に形成すると共に、対向するブレード部21hの回転中心側根元部21jをそれに対応したR形状(略円弧形状)に形成したものである。
【0082】
このように構成することにより、図15(a)に示したようにブレード21gの折り曲げ前の展開形状が互いに対応するため、材料を増加させることなく、風の流入側のエッジ部での乱流防止による騒音低減や送風効率向上が実現でき、またブレード部21hの略円盤状の平板部21aによる保持部分が増加するため、強度アップが図れ、高速回転にも充分に耐えうることが可能となる。
【0083】
図16は、更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0084】
本実施形態においては、図16(a)に示すように、各ブレード21gの外周側端部21kをブレード根元部21mが大きく、開放部21nが小さい略斜め形状に形成したものである。
【0085】
このように構成することにより、ブレード外周側端部21kが斜め形状となるため、風の流出に時間差が生じ、外壁衝突時の騒音を低減できるようになる。
【0086】
図17は、更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0087】
本実施形態においては、図12に示したようにブレード21gをベアリング13とは反対側(ロータ2側)に切り起こすと共に、切り起こしたブレード21gを有するブレード部21hが略円盤状の平板部21aよりベアリング13側に位置する段付き形状としたものである。なお、図12ではブレード外終側端部21kが斜め形状となっているが、本実施形態では、図17に示すように斜め形状にはしていない。
【0088】
このように構成することにより、ベアリング13位置により制約を受ける冷却用ファン21(ブレード21g)位置をよりフレーム5やディフューザ9(フレームディフューザ59)等の外壁に近付けることができるため、更なる軸長短縮が可能となる。また、略円盤状の平板部21aの周囲に段付き部21pを有する段付き形状となることで、冷却用ファン21自体の強度や平面度を改善することができる。
【0089】
図18は、更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0090】
本実施形態は、前記図16に示した実施形態(ブレード外終側端部が斜め形状)と図17に示した実施形態(段付き形状)とを組み合わせたもので、図18は前記図12に示した全体構成の要部を示したものである。
【0091】
以上のように構成することにより、前記図16に示した実施形態の作用効果と図17に示した実施形態の作用効果が同時に実現できる。
【0092】
図19は、更に他の実施形態を示す要部構成図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0093】
本実施形態においては、略遠心ファン形状の冷却用ファン21の各ブレード21gをベアリング13側に切り起こしたものである。
【0094】
このように構成することにより、冷却用ファン21を前記図12,図17,図18に示したような段付き形状とはせずに、ベアリング13位置により制約を受ける冷却用ファン21(ブレード21g)位置をよりフレーム5やディフューザ9(フレームディフューザ59)等の外壁に近付けることができるため、更なる軸長短縮が可能となる。なお、このように、切り起こしたブレード21gがベアリング31側,すなわちロータ2とは反対側に位置するように配置する場合、ブレード21gをブレード部21hの回転方向後端に位置させることにより、ロータ2側への風の戻りを防ぐことができる。
【0095】
なお、本願発明は上述してきた各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の特徴部分を必要に応じて適宜組み合わせて実施することにより、それらの組み合わせによる目的とする作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本願発明に係る電動送風機の一実施形態の全体構成を半断面視して示す側面図。
【図2】同じく、その底面図。
【図3】上記実施形態のロータ部分の側面図。
【図4】同じく、冷却用ファンの構成図で、(a)は平面図、(b)はその中心線の縦断面図。
【図5】同じく、ベアリングの構成図で、(a)は平面図、(b)はその中心線の縦断面図。
【図6】同じく、止め輪の構成図で、(a)は平面図、(b)はその中心線の縦断面図。
【図7】本願発明の他の実施形態を示す要部構成図で、ロータ部分の側面図。
【図8】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図で、ロータ部分の側面図。
【図9】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図で、(a)は冷却用ファンの平面図、(b)はその中心線の縦断面図。
【図10】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図。
【図11】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図。
【図12】本願発明の更に他の実施形態の全体構成を半断面視して示す側面図。
【図13】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図で、(a)は冷却用ファンの曲げ前の平面図、(b)は曲げ後の平面図、(c)はその中心線の縦断面図。
【図14】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図で、(a)は冷却用ファンの曲げ前の平面図、(b)は曲げ後の平面図、(c)はその中心線の縦断面図。
【図15】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図で、(a)は冷却用ファンの曲げ前の平面図、(b)は曲げ後の平面図、(c)はその中心線の縦断面図。
【図16】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図で、(a)は冷却用ファンの曲げ前の平面図、(b)は曲げ後の平面図、(c)はその中心線の縦断面図。
【図17】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図で、(a)は冷却用ファンの曲げ前の平面図、(b)は曲げ後の平面図、(c)はその中心線の縦断面図。
【図18】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図。
【図19】本願発明の更に他の実施形態を示す要部構成図。
【符号の説明】
【0097】
1 ステータ
2 ロータ
3 駆動部
4 ブラケット
4a フランジ部
4b 冷却風用排気孔
4c 円筒部
5 フレーム
6 電動機部
7 回転軸
8 送風用ファン
9 ディフューザ
10 ファンカバー
10a 吸気口
10b 送風用排気孔
11 送風機部
12,13 ベアリング
13a 外輪
13b 内輪
13c ボール
14 ブラシ保持部
15 吸気孔
16 コイルバネ
17 カーボンブラシ
18 整流子
21 冷却用ファン
21a 略円盤状ベース部
21b 回転軸孔
21c ブレード(軸流ファン形状)
21d 肉厚部
21e 段付き部
21f 突起
21g ブレード(略遠心ファン形状)
21h ブレード部
21i ブレードの回転中心側開放端部
21j ブレード部の回転中心側根元部
21k ブレードの外周側端部
21m ブレード根元部
21n ブレード開放部
21p 段付き部
22 止め輪
22a 開口部
23 ワッシャーリング
24 略円筒状リブ(仕切板)
59 フレームディフューザ
59a ボリュート壁
59b 段差
59c 略円筒状リブ
59d 段部
d1 外輪内径
d2 内輪外径
















【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータとロータから成る駆動部がブラケットとフレームで覆われた電動機部と、前記ロータの回転軸に取り付けられた送風用ファンがファンカバーで覆われた送風機部とを有すると共に、前記ロータの回転軸に取り付けられて前記駆動部を冷却する冷却用ファンを備え、前記冷却用ファンを前記電動機部に内蔵したことを特徴とする電動送風機。
【請求項2】
前記冷却用ファンを、前記ロータの回転軸を回転自在に支持するベアリングと、このベアリングを止める止め輪との間に接触配置したことを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
【請求項3】
前記冷却用ファンのブレード保持部となる略円盤状のベース部を、前記ベアリングの外輪内径よりも小さく内輪外径よりも大きい範囲でベアリング側へ突出する段付き形状としたことを特徴とする請求項2記載の電動送風機。
【請求項4】
前記冷却用ファンと前記ベアリングとの間に、前記ベアリングの外輪内径よりも小さく内輪外径よりも大きい外径のワッシャーリングを介在させたことを特徴とする請求項2記載の電動送風機。
【請求項5】
前記冷却用ファンに、前記止め輪の開口部に突出する突起を設けたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の電動送風機。
【請求項6】
前記冷却用ファンを、略円盤状の平板から一部を切り起こして成る複数のブレードを有するオープン形の略遠心ファン形状としたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電動送風機。
【請求項7】
前記略遠心ファン形状の冷却用ファンを、回転軸を通る中心線に対する各ブレードの角度が回転方向に対して外周側が遅れた後ろ向き羽根としたことを特徴とする請求項6記載の電動送風機。
【請求項8】
前記ブレードの回転中心側開放端部を略円弧形状に形成すると共に、対向するブレード部の回転中心側根元部をそれに対応した略円弧形状に形成したことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の電動送風機。
【請求項9】
前記ブレードの外周側端部をブレード根元部が大きく、開放部が小さい略斜め形状に形成したことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の電動送風機。
【請求項10】
前記ブレードをベアリングとは反対側に切り起こすと共に、切り起こしたブレードを有するブレード部が略円盤状の平板部よりベアリング側に位置する段付き形状としたことを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の電動送風機。
【請求項11】
前記ブレードをベアリング側に切り起こしたことを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の電動送風機。
【請求項12】
前記冷却用ファンの冷却排気風を排出する排出部として前記ブラケットのフランジ部に多数の小径の排気孔を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の電動送風機。
【請求項13】
前記送風用ファンのブレード枚数と、前記送風機部に設けられたディフューザのボリュート枚数と、前記ファンカバーに設けられた送風用排気孔数と、前記冷却用ファンのブレード枚数を異なる数としたことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の電動送風機。
【請求項14】
前記送風用ファンのブレード枚数と、前記送風機部に設けられるディフューザのボリュート枚数と、前記ファンカバーに設けられた送風用排気孔数と、前記冷却用ファンのブレード枚数と、冷却風用排気孔数を異なる数としたことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の電動送風機。
【請求項15】
前記電動機部のフレームと前記送風機部に設けられるディフューザを樹脂で一体形成すると共に、このフレームディフューザに前記ファンカバーとの接触部よりも電動機部側で且つ段差を有して内周側から突出する略円筒状のリブを形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の電動送風機。
【請求項16】
前記略円筒状リブの先端内周側に前記ブラケットのフランジ部外周縁が嵌合する段部を形成したことを特徴とする請求項15記載の電動送風機。
【請求項17】
前記ブラケットの円筒部から前記冷却用ファン側に突出する略円筒状の仕切板を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の電動送風機。
































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−219990(P2006−219990A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31307(P2005−31307)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】