説明

電圧変換モジュール

【課題】 実装面積、実装高さ、実装レイアウトに制約の少ない小型、低背の電圧変換モジュールを実現する。
【解決手段】 第1の接続層7に構成されるビア3を介して端子面2と第1の再配線面4とを接続し、第2の再配線面5に実装した電圧変換用IC11及び第1と第2のコンデンサ16,17以外に電圧変換用IC11の周辺回路18として接続される各種のチップ部品12を内蔵する部品内蔵層8に構成されるビア3を介して第1の再配線面4と第2の再配線面5とを接続し、第2の接続層9に構成されるビア3を介して第2の再配線面5とコンデンサ実装面6とを接続し、コンデンサ実装面6上部でモジュール最上部に相当する位置にコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵層10を配置した構成からなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は情報通信機器及び移動体通信機器で利用される電圧変換モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電圧変換回路は図11に示すように電圧変換用IC43あるいは電圧変換を行う電圧変換用IC43の入出力とグランドとの間に接続される雑音除去用の1μF以上の容量値を有する第1のコンデンサ41あるいは第2のコンデンサ42が電圧変換用IC43に対して2次元方向に配置された構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の電圧変換回路では、2次元方向の部品配置であり雑音を除去する為に1μF以上の容量を有する形状の大きい第1及び第2のコンデンサが必要である。2次元方向の実装においては電圧変換用IC43と第1及び第2のコンデンサ41,42のレイアウトに制約が有り電圧変換用ICの直近にコンデンサを配置して雑音除去能力を最大限に発揮することに限界がある。また、従来のコンデンサは高さの高いチップ部品を用いていることから低背化に限界があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑み、電圧変換用IC43及び電圧変換用IC43に接続されるコンデンサを3次元方向かつ近接した配置に実装し雑音除去性能が優れた小型低背の電圧変換モジュールを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の電圧変換モジュールは電圧変換を行う電圧変換用ICの入力端子及び出力端子とグランドとの間に雑音除去用の第1と第2のコンデンサが接続される回路で、モジュールを実装するための接続端子を有する端子面を最下位面に配置し、第1の接続層に構成されるビアを介して前記端子面と第1の再配線面とを接続し、第2の再配線面に実装した電圧変換用IC及び前記第1と第2のコンデンサ以外に前記電圧変換用ICの周辺回路として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品を内蔵する部品内蔵層に構成されるビアを介して前記第1の再配線面と前記第2の再配線面とを接続し、第2の接続層に構成されるビアを介して前記第2の再配線面とコンデンサ実装面とを接続し、前記コンデンサ実装面上部でモジュール最上部に相当する位置にコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵層を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層したモジュールであり、前記第1の再配線面及び前記第2の再配線面を用いて前記接続端子と前記電圧変換用ICの端子あるいは前記チップ部品の接続を確立し、前記第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記電圧変換用ICと前記コンデンサの接続を確立し、前記第1の再配線面、第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記接続端子と前記コンデンサの接続を確立することを特徴とする。
【0006】この構成によれば、より雑音除去性能に優れ、小型かつ低背の電圧変換回路を実現することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、電圧変換を行う電圧変換用ICの入力端子及び出力端子とグランドとの間に雑音除去用の第1と第2のコンデンサが接続される回路で、モジュールを実装するための接続端子を有する端子面を最下位面に配置し、第1の接続層に構成されるビアを介して前記端子面と第1の再配線面とを接続し、第2の再配線面に実装した電圧変換用IC及び前記第1と第2のコンデンサ以外に前記電圧変換用ICの周辺回路として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品を内蔵する部品内蔵層に構成されるビアを介して前記第1の再配線面と前記第2の再配線面とを接続し、第2の接続層に構成されるビアを介して前記第2の再配線面とコンデンサ実装面とを接続し、前記コンデンサ実装面上部でモジュール最上部に相当する位置にコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵層を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層したモジュールであり、前記第1の再配線面及び前記第2の再配線面を用いて前記接続端子と前記電圧変換用ICの端子あるいは前記チップ部品の接続を確立し、前記第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記電圧変換用ICと前記コンデンサの接続を確立し、前記第1の再配線面、第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記接続端子と前記コンデンサの接続を確立することを特徴とする電圧変換モジュールであり、電圧変換用IC及び電圧変換用ICに接続されるコンデンサを3次元方向に実装することにより小型低背化及び雑音除去性能の向上の作用を有する。
【0008】本発明の請求項2記載の発明は、前記コンデンサ内蔵層の第1と第2のコンデンサが高分子アルミあるいは高分子タンタルなどの機能性高分子から構成されるコンデンサで有り、接続端子を有する形態で素子単体あるいはパッケージ状態にてコンデンサ実装面に実装され、樹脂コンポジットを用いて基板内に内蔵するあるいは接続端子を有するパッケージ状態にてコンデンサ実装面に実装することを特徴とする請求項1記載の電圧変換モジュールであり、請求項1記載の発明と同様の作用を有する。
【0009】本発明の請求項3記載の発明は、前記コンデンサ内蔵層がセラミック基板から構成され、前記コンデンサ内蔵層にコンデンサが複数個並列に配置された多連積層セラミックコンデンサ層であり、前記各コンデンサが端面電極を有すると共に前記端面電極を前記コンデンサ実装面との接続点とする請求項1記載の電圧変換モジュールであり、請求項1及び請求項2記載の発明と同様の作用を有する。
【0010】本発明の請求項4記載の発明は、電圧変換を行う電圧変換用ICの入力端子とグランドとの間に雑音除去用の第1のコンデンサが接続され、出力端子と前記電圧変換用IC出力との間に直列にインダクタ、出力端子とグランドとの間に第2のコンデンサを接続し平滑回路を構成する回路で、モジュールを実装するための接続端子を有する端子面を最下位面に配置し、第1の接続層に構成されるビアを介して前記端子面と第1の再配線面とを接続し、第2の再配線面に実装した電圧変換用IC及び前記第1及び第2のコンデンサ以外に前記電圧変換用ICの周辺回路として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品を内蔵する部品内蔵層に構成されるビアを介して前記第1の再配線面と前記第2の再配線面とを接続し、第2の接続層に構成されるビアを介して前記第2の再配線面とコンデンサ実装面とを接続し、前記コンデンサ実装面上部でモジュール最上部に相当する位置にコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵層を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層し、前記平滑用インダクタをコンデンサ実装面あるいは第2の再配線面に実装し第1の接続層から第2の接続層にまたがる層内に内蔵したモジュールであり、前記第1の再配線面及び前記第2の再配線面を用いて前記接続端子と前記電圧変換用ICの端子あるいは前記チップ部品の接続を確立し、前記第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記電圧変換用ICと前記コンデンサ及び前記平滑用インダクタの接続を確立し、前記第1の再配線面、第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記接続端子と前記コンデンサ及び前記平滑用インダクタの接続を確立することを特徴とする電圧変換モジュールであり、電力容量が高い電圧変換回路において請求項1ないし請求項3記載の発明と同様の作用を有する。
【0011】本発明の請求項5記載の発明は、電圧変換を行う電圧変換用ICの入力端子とグランドとの間に雑音除去用の第1のコンデンサが接続され、出力端子と前記電圧変換用IC出力との間に直列にインダクタ、出力端子とグランドとの間に第2のコンデンサを接続し平滑回路を構成する回路で、モジュールを実装するための接続端子を有する端子面を最下位面に配置し、第1の接続層に構成されるビアを介して前記端子面と第1の再配線面とを接続し、第2の再配線面に実装した電圧変換用IC及び前記入出力端子以外の端子に前記電圧変換用ICの周辺回路として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品を内蔵する部品内蔵層に構成されるビアを介して前記第1の再配線面と前記第2の再配線面とを接続し、第2の接続層に構成されるビアを介して前記第2の再配線面とコンデンサ実装面とを接続し、前記コンデンサ実装面上部でモジュール最上部に相当する位置にコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵層を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層し、前記平滑用インダクタがコイルとフェライトコアから構成され、前記コイルが第1の接続層、部品内蔵層及び第2の接続層のいずれかにまたがる層内にビアを介して接続されたスパイラル線路で構成され前記フェライトコア内にスパイラル線路を巻き付けた構成とするためにモジュール上部と下部からそれぞれ上部フェライトコアと下部フェライトコアで前記スパイラル線路を前記両フェライトコアに一定間隔を有するように絶縁層を設け挟み込んだ構成としたモジュールであり、前記第1の再配線面及び前記第2の再配線面を用いて前記接続端子と前記電圧変換用ICの端子あるいは前記チップ部品の接続を確立し、前記第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記電圧変換用ICと前記コンデンサの接続を確立し、前記第1の再配線面、第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記接続端子と前記コンデンサの接続を確立することを特徴とする電圧変換モジュールであり、電力容量が高い電圧変換回路において請求項1ないし請求項4記載の発明と同様の作用を有すると共にフェライトコアを用いることにより請求項4に比べてさらに優れた直流重畳特性を実現する作用を有する。
【0012】本発明の請求項6記載の発明は、前記部品内蔵面に内蔵された電圧変換用ICの端子と逆の非端子面が前記第1の再配線面に構成される銅箔パターンと接続され、前記第1の接続層に構成される放熱用ビアを介して前記端子面に構成される放熱板に接続されることを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の電圧変換モジュールであり、請求項1ないし請求項5記載の発明に対して内蔵層の放熱特性を向上し優れた安定特性を実現する作用を有する。
【0013】本発明の請求項7記載の発明は、前記コンデンサ内蔵層にシールド板接続用ビアと前記コンデンサ内蔵層の上面にシールド板を有し、前記シールド板接続用ビアにより前記コンデンサ実装面と前記シールド板とを接続することを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の電圧変換モジュールであり、請求項1ないし請求項6記載の発明に対して電圧変換回路から放射される雑音のシールド効果を高め外部回路への悪影響を最大限に低減する作用を有する。
【0014】(実施の形態1)図1及び図2に本発明の実施の形態1における電圧変換モジュールの構成断面図と回路図を示す。図1及び図2において電圧変換を行う電圧変換用IC11の入力端子14及び出力端子15とグランドとの間に雑音除去用の第1と第2のコンデンサ16,17が接続される回路で、モジュールと外部との信号の接続を行う接続端子1を有する端子面2を最下位面に配置し、第1の接続層7に構成されるビア3を介して端子面2と第1の再配線面4とを接続し、第2の再配線面5に実装した電圧変換用IC11及び第1と第2のコンデンサ16,17以外に電圧変換用IC11の周辺回路18として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品12を内蔵する部品内蔵層8に構成されるビア3を介して第1の再配線面4と第2の再配線面5とを接続し、第2の接続層9に構成されるビア3を介して第2の再配線面5とコンデンサ実装面6とを接続し、コンデンサ実装面6上部でモジュール最上部に相当する位置に第1及び第2のコンデンサ16,17を内蔵するコンデンサ内蔵層10を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層したモジュールであり、第1の再配線面4及び第2の再配線面5を用いて接続端子1と電圧変換用IC11の端子あるいはチップ部品12の接続を確立し、第2の再配線面5及びコンデンサ実装面6を用いて電圧変換用IC11と第1及び第2のコンデンサ16,17の接続を確立し、第1の再配線面4、第2の再配線面5及びコンデンサ実装面6を用いて接続端子1と第1と第2のコンデンサ16,17の接続を確立する構成である。
【0015】図3及び図4にコンデンサ内蔵層10の構成断面図を示す。ここで、図3に示すコンデンサ内蔵層10は第1と第2のコンデンサ16,17を高分子アルミあるいは高分子タンタルなどの機能性高分子で構成したものであり、接続端子1を有する形態で素子単体あるいはパッケージ状態にてコンデンサ実装面6に実装し、樹脂コンポジットを用いて基板内に内蔵するあるいは接続端子1を有するパッケージ状態にてコンデンサ実装面6に実装することが可能である。また、図4に示すコンデンサ内蔵層10はセラミック基板より構成し、コンデンサを3個並列に配置した3連積層セラミックコンデンサ層であり、図5に示すように各コンデンサが端面電極を有し端面電極をコンデンサ実装面との接続点とする。
【0016】ここで、電圧変換用ICはベアチップあるいはパッケージ状態にて樹脂コンポジットを用いて基板に内蔵する。
【0017】なお、外部回路と電圧変換用IC11の入出力との接続を行う接続端子1はモジュールの端面に端面電極として構成することも可能である。
【0018】また、周辺回路18を構成するコンデンサは第2の接続層9をセラミック基板あるいは高誘電率樹脂基板を用いて並行平板コンデンサを形成し、抵抗及びインダクタは積層基板への印刷及びエッチングにて構成することが可能である。
【0019】さらに、図9に示すように部品内蔵層8に内蔵された電圧変換用IC11の端子と逆の非端子面36が第1の再配線面4に構成される銅箔パターン37と接続され、第1の接続層7に構成される放熱用ビア38を介して端子面2に構成される放熱板35に接続することで、放熱効果を向上させることが可能となる。また、図10に示すようにコンデンサ内蔵層10にシールド板接続用ビア40とコンデンサ内蔵層10の上面にシールド板39を構成し、シールド板接続用ビア40によりコンデンサ実装面6とシールド板39とを接続することによりシールド効果を向上させることも可能となる。
【0020】(実施の形態2)図6及び図7に本発明の実施の形態2における電圧変換モジュールの構成断面図と回路図を示す。図6及び図7において電圧変換を行う電圧変換用IC11の入力端子23とグランドとの間に雑音除去用の第1のコンデンサ29が接続され、出力端子24と電圧変換用IC11出力との間に直列に平滑用インダクタ22、出力端子24とグランドとの間に第2のコンデンサ30を接続し平滑回路を構成する回路で、モジュールと外部との信号の接続を行う接続端子1を有する端子面2を最下位面に配置し、第1の接続層7に構成されるビア3を介して端子面2と第1の再配線面4とを接続し、第2の再配線面5に実装した電圧変換用IC11及び第1及び第2のコンデンサ29,30以外に電圧変換用IC11の周辺回路26として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品12を内蔵する部品内蔵層8に構成されるビア3を介して第1の再配線面4と第2の再配線面5とを接続し、第2の接続層9に構成されるビア3を介して第2の再配線面5とコンデンサ実装面6とを接続し、コンデンサ実装面上部でモジュール最上部に相当する位置に第1及び第2のコンデンサ29,30を内蔵するコンデンサ内蔵層10を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層し、平滑用インダクタ22をコンデンサ実装面6あるいは第2の再配線面5に実装し第1の接続層7から第2の接続層9にまたがる層内に内蔵したモジュールであり、第1の再配線面4及び第2の再配線面5を用いて接続端子1と電圧変換用IC11あるいはチップ部品12の接続を確立し、第2の再配線面5及びコンデンサ実装面6を用いて電圧変換用IC11と第1及び第2のコンデンサ29,30及び平滑用インダクタ22の接続を確立し、第1の再配線面4、第2の再配線面5及びコンデンサ実装面6を用いて接続端子1と第1及び第2のコンデンサ29,30及び平滑用インダクタ22の接続を確立する構成である。
【0021】実施の形態1と同様に電圧変換用IC11はベアチップあるいはパッケージ状態にて樹脂コンポジットを用いて基板に内蔵するものであり、コンデンサ内蔵層10に図3及び図4に示したコンデンサを採用することが可能である。さらに、周辺回路18を構成する抵抗、コンデンサ及びインダクタも第2の接続層9をセラミック基板にて構成し内蔵することが可能である。
【0022】さらに、図9に示すように部品内蔵層8に内蔵された電圧変換用IC11の端子と逆の非端子面36が第1の再配線面4に構成される銅箔パターン37と接続され、第1の接続層に構成される放熱用ビア38を介して端子面2に構成される放熱板35に接続し放熱効果を向上させることが可能となる。また、図10に示すようにコンデンサ内蔵層10にシールド板接続用ビア40とコンデンサ内蔵層10の上面にシールド板39を有し、シールド板接続用ビア40によりコンデンサ実装面6とシールド板39とを接続することによりシールド効果を向上させることも可能となる。
【0023】(実施の形態3)図8及び図7に本発明の実施の形態3における電圧変換モジュールの構成断面図と回路図を示す。図8及び図7において電圧変換を行う電圧変換用IC11の入力端子23とグランドとの間に雑音除去用の第1のコンデンサ29が接続され、出力端子24と電圧変換用IC11出力との間に直列に平滑用インダクタ22、出力端子24とグランドとの間に第2のコンデンサ30を接続し平滑回路を構成する回路で、モジュールを実装するための接続端子1を有する端子面2を最下位面に配置し、第1の接続層7に構成されるビア3を介して端子面2と第1の再配線面4とを接続し、第2の再配線面5に実装した電圧変換用IC11及び第1及び第2のコンデンサ29,30以外に電圧変換用IC11の周辺回路として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品12を内蔵する部品内蔵層8に構成されるビア3を介して第1の再配線面4と第2の再配線面5とを接続し、第2の接続層9に構成されるビア3を介して第2の再配線面5とコンデンサ実装面6とを接続し、コンデンサ実装面6上部でモジュール最上部に相当する位置にコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵層10を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層したモジュールであり、第1の再配線面4及び第2の再配線面5を用いて接続端子1と電圧変換用IC11あるいはチップ部品12の接続を確立し、第2の再配線面5及びコンデンサ実装面6を用いて電圧変換用IC11と第1及び第2のコンデンサ29,30及び平滑用インダクタ22の接続を確立し、第1の再配線面4、第2の再配線面5及びコンデンサ実装面6を用いて接続端子1と第1及び第2のコンデンサ29,30及び平滑用インダクタ22の接続を確立する構成である。
【0024】特に、本実施の形態では直流重畳特性及び高インダクタ値を得るために、平滑用インダクタ22をコイルとフェライトコアから構成したことが特徴であり、図8に示すようにコイルは第1の接続層7、部品内蔵層8及び第2の接続層9のいずれかにまたがる層内にビア3を介して接続された立体スパイラル線路31とし、フェライトコア内に立体スパイラル線路31を巻き付けた構成とするためにモジュール上部と下部からそれぞれ上部フェライトコア32と下部フェライトコア33で立体スパイラル線路31を両フェライトコア32,33に一定間隔を有するように絶縁層34を設け挟み込んだ構成である。
【0025】実施の形態1及び実施の形態2と同様に図3及び図4に示すコンデンサ内蔵層あるいは図9に示す放熱構造及び図10に示したシールド構造を使用することが可能である。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電圧変換回路を構成する電圧変換用IC、コンデンサ及び電圧変換用ICに接続される周辺回路に使用される抵抗、コンデンサ及びインダクタなどのチップ部品を3次元的に樹脂コンポジットを用いて構成することで小型低背化を実現すると共に、電圧変換用ICとコンデンサの接続距離を最短で結ぶ接続とすることが可能となり、良好な雑音除去性能を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の電圧変換モジュールの構成断面図
【図2】同電圧変換モジュールの回路図
【図3】同実施の形態におけるコンデンサ内蔵層の構成断面図
【図4】他のコンデンサ内蔵層の構成断面図
【図5】同斜視図
【図6】本発明の実施の形態2の電圧変換モジュールの構成断面図
【図7】本発明の実施の形態2、3の電圧変換モジュールの回路図
【図8】本発明の実施の形態3の電圧変換モジュールの構成断面図
【図9】本発明の他の電圧変換モジュールの構成断面図
【図10】本発明の他の電圧変換モジュールの構成断面図
【図11】従来の電圧変換モジュールの構成断面図
【符号の説明】
1 接続端子
2 端子面
3 ビア
4 第1の再配線面
5 第2の再配線面
6 コンデンサ実装面
7 第1の接続層
8 部品内蔵層
9 第2の接続層
10 コンデンサ内蔵層
11,25,43 電圧変換用IC
12 チップ部品
13 配線
14,23 入力端子
15,24 出力端子
16,29,41 第1のコンデンサ
17,30,42 第2のコンデンサ
18,26 周辺回路
19 機能性高分子コンデンサ
20 多連積層セラミックコンデンサ層
21 端面電極
22 平滑用インダクタ
27 出力電圧制御端子
28 電圧帰還回路
31 立体スパイラル線路
32 上部フェライトコア
33 下部フェライトコア
34 絶縁層
35 放熱板
36 非端子面
37 銅箔パターン
38 放熱用ビア
39 シールド板
40 シールド板接続用ビア
44 コンデンサ接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電圧変換を行う電圧変換用ICの入力端子及び出力端子とグランドとの間に雑音除去用の第1と第2のコンデンサが接続される回路で、モジュールを実装するための接続端子を有する端子面を最下位面に配置し、第1の接続層に構成されるビアを介して前記端子面と第1の再配線面とを接続し、第2の再配線面に実装した電圧変換用IC及び前記第1と第2のコンデンサ以外に前記電圧変換用ICの周辺回路として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品を内蔵する部品内蔵層に構成されるビアを介して前記第1の再配線面と前記第2の再配線面とを接続し、第2の接続層に構成されるビアを介して前記第2の再配線面とコンデンサ実装面とを接続し、前記コンデンサ実装面上部でモジュール最上部に相当する位置にコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵層を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層したモジュールであり、前記第1の再配線面及び前記第2の再配線面を用いて前記接続端子と前記電圧変換用ICの端子あるいは前記チップ部品の接続を確立し、前記第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記電圧変換用ICと前記コンデンサの接続を確立し、前記第1の再配線面、第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記接続端子と前記コンデンサの接続を確立することを特徴とする電圧変換モジュール。
【請求項2】 前記コンデンサ内蔵層の第1と第2のコンデンサが高分子アルミあるいは高分子タンタルなどの機能性高分子から構成されるコンデンサで有り、接続端子を有する形態で素子単体あるいはパッケージ状態にてコンデンサ実装面に実装され、樹脂コンポジットを用いて基板内に内蔵するあるいは接続端子を有するパッケージ状態にてコンデンサ実装面に実装することを特徴とする請求項1記載の電圧変換モジュール。
【請求項3】 前記コンデンサ内蔵層がセラミック基板から構成され、前記コンデンサ内蔵層にコンデンサが複数個並列に配置された多連積層セラミックコンデンサ層であり、前記各コンデンサが端面電極を有すると共に前記端面電極を前記コンデンサ実装面との接続点とする請求項1記載の電圧変換モジュール。
【請求項4】 電圧変換を行う電圧変換用ICの入力端子とグランドとの間に雑音除去用の第1のコンデンサが接続され、出力端子と前記電圧変換用IC出力との間に直列にインダクタ、出力端子とグランドとの間に第2のコンデンサを接続し平滑回路を構成する回路で、モジュールを実装するための接続端子を有する端子面を最下位面に配置し、第1の接続層に構成されるビアを介して前記端子面と第1の再配線面とを接続し、第2の再配線面に実装した電圧変換用IC及び前記第1及び第2のコンデンサ以外に前記電圧変換用ICの周辺回路として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品を内蔵する部品内蔵層に構成されるビアを介して前記第1の再配線面と前記第2の再配線面とを接続し、第2の接続層に構成されるビアを介して前記第2の再配線面とコンデンサ実装面とを接続し、前記コンデンサ実装面上部でモジュール最上部に相当する位置にコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵層を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層し、前記平滑用インダクタをコンデンサ実装面あるいは第2の再配線面に実装し第1の接続層から第2の接続層にまたがる層内に内蔵したモジュールであり、前記第1の再配線面及び前記第2の再配線面を用いて前記接続端子と前記電圧変換用ICの端子あるいは前記チップ部品の接続を確立し、前記第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記電圧変換用ICと前記コンデンサ及び前記平滑用インダクタの接続を確立し、前記第1の再配線面、第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記接続端子と前記コンデンサ及び前記平滑用インダクタの接続を確立することを特徴とする電圧変換モジュール。
【請求項5】 電圧変換を行う電圧変換用ICの入力端子とグランドとの間に雑音除去用の第1のコンデンサが接続され、出力端子と前記電圧変換用IC出力との間に直列にインダクタ、出力端子とグランドとの間に第2のコンデンサを接続し平滑回路を構成する回路で、モジュールを実装するための接続端子を有する端子面を最下位面に配置し、第1の接続層に構成されるビアを介して前記端子面と第1の再配線面とを接続し、第2の再配線面に実装した電圧変換用IC及び前記入出力端子以外の端子に前記電圧変換用ICの周辺回路として接続される抵抗、コンデンサあるいはインダクタなどのチップ部品を内蔵する部品内蔵層に構成されるビアを介して前記第1の再配線面と前記第2の再配線面とを接続し、第2の接続層に構成されるビアを介して前記第2の再配線面とコンデンサ実装面とを接続し、前記コンデンサ実装面上部でモジュール最上部に相当する位置にコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵層を配置し樹脂コンポジットを用いて多層積層し、前記平滑用インダクタがコイルとフェライトコアから構成され、前記コイルが第1の接続層、部品内蔵層及び第2の接続層のいずれかにまたがる層内にビアを介して接続されたスパイラル線路で構成され前記フェライトコア内にスパイラル線路を巻き付けた構成とするためにモジュール上部と下部からそれぞれ上部フェライトコアと下部フェライトコアで前記スパイラル線路を前記両フェライトコアに一定間隔を有するように絶縁層を設け挟み込んだ構成としたモジュールであり、前記第1の再配線面及び前記第2の再配線面を用いて前記接続端子と前記電圧変換用ICの端子あるいは前記チップ部品の接続を確立し、前記第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記電圧変換用ICと前記コンデンサの接続を確立し、前記第1の再配線面、第2の再配線面及び前記コンデンサ実装面を用いて前記接続端子と前記コンデンサの接続を確立することを特徴とする電圧変換モジュール。
【請求項6】 前記部品内蔵面に内蔵された電圧変換用ICの端子と逆の非端子面が前記第1の再配線面に構成される銅箔パターンと接続され、前記第1の接続層に構成される放熱用ビアを介して前記端子面に構成される放熱板に接続されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の電圧変換モジュール。
【請求項7】 前記コンデンサ内蔵層にシールド板接続用ビアと前記コンデンサ内蔵層の上面にシールド板を有し、前記シールド板接続用ビアにより前記コンデンサ実装面と前記シールド板とを接続することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の電圧変換モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図11】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図9】
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【公開番号】特開2003−115664(P2003−115664A)
【公開日】平成15年4月18日(2003.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−309597(P2001−309597)
【出願日】平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】