説明

電圧発生回路

【課題】重負荷においても電力のロスが低く、昇圧効率の高いチャージポンプを提供する。
【解決手段】 複数の電荷転送スイッチが直列に接続され、相反するクロック信号により動作する2つの電荷転送回路と、電荷転送回路の各ノードにそれぞれ一端が接続され、他端が相反するクロック信号により駆動されるキャパシタ51,52,53,54と、を備え、電荷転送回路は、電源入力ノード10より1段目の各キャパシタ51に電荷を転送するためのNMOS211,212を備えた第1制御部2と、キャパシタ51,52から次段のキャパシタ53,54に電荷を転送するためのNMOS411,412と、このゲート端子へ相反するクロック信号に応じて前段のノードからの信号または後段のノードからの信号を選択して与えるスイッチ401,403,402,404とを備えた第2制御部4と、最終段の各キャパシタ53,54から出力ノード17に電荷を転送するためのPMOS311,312からなる電荷転送スイッチを備えた電圧比較出力部と、有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、チャージポンプ回路を使用した電圧発生回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バッテリ駆動の携帯機器等は電池電圧が限られている為、それに合わせた設計がなされている。しかし、液晶画面の駆動やLEDの駆動等で高い電圧を必要とする場合がある。高電圧、大電流を安定的に得る方法としてはDC/DCコンバータが最も一般的であるが、コイル等のディスクリート素子を必要とする為、実装面積の縮小ができないという難点がある。
【0003】
そこで、電荷転送素子としてのトランジスタとポンピング素子としてのキャパシタを組み合わせたチャージポンプ回路が多く用いられている。
【0004】
従来、容易にチャージポンプ型の昇圧回路(電圧発生回路)を構成する方法として、図1に示すディクソン型のチャージポンプ回路がある。この図1に示すディクソン型のチャージポンプは、電源ノード900と昇圧出力ノード9103との間に複数個のダイオード9111、9112、9113が直列に接続される。各ダイオードのノードには、容量カップリングによりその電位を制御するためのキャパシタ9121、9122の各一端が接続される。キャパシタの他端には、奇数番目のキャパシタと偶数番目のキャパシタが逆相駆動となるように、相補的クロックが与えられる。これにより、昇圧出力ノード9103には、電源電圧より昇圧された電圧を出力することができる。なお、上記したダイオードは、ダイオード接続したNチャネル型MOSトランジスタ(以下、NMOSという。)が用いられ、ダイオード接続したNMOSが直列接続される。
【0005】
しかしながら、この回路方式の欠点として、ダイオードの順方向電圧Vtの影響を受けてしまうことが挙げられている。N段構成のディクソン型チャージポンプ回路を昇圧回路として用いた場合、電源電圧VDDのとき出力電圧Voutは次の(1)式に示すものが得られる。
【0006】
Vout=(N+1)・(VDD−Vt) (1)
ここで、Vtはダイオードの順方向電圧である。
【0007】
(1)式に示すように、ダイオードの順方向電圧Vtによる電位降下の影響でダイオード1個あたり、Vt・Ioutの電力のロスが発生する為、N段構成のディクソン型チャージポンプ回路全体としては(2)式に示すように、電力のロスが発生する。
【0008】
(N+1)・Vt・Iout (2)
【0009】
この為、特に、出力電流(Iout)の大きな重負荷において非常に効率が悪い。
この問題に対しては様々な回路構成が試みられている。
【0010】
その中で最も一般的な手法としてダイオードの代わりに電荷転送スイッチ(CTS:Charge Transfer Switch)を用いる手法がある。
【0011】
電荷転送スイッチはMOSトランジスタで構成されるのが一般的であり、閾値電圧Vth以上のバイアス電圧が与えられた場合にはオン状態となり、ドレイン−ソース間電圧がほぼ0となる為、ディクソン型チャージポンプ回路にて課題となっていたVtの影響を無くすことができる。
【0012】
特許文献1は、この手法に基づきチャージポンプ回路を構成することを試みた例である。
【0013】
特許文献1においては、NMOSを用いたチャージポンプ回路が提案されている。このチャージポンプ回路は、図2に示すように、電圧入力ノード900と電圧出力ノード9205の間に直列接続されて電荷転送回路を構成するNMOS9211、9212、9213と、各NMOS間のノードに一端が接続され、他端が複数位相のクロックにより駆動されるキャパシタ9221、9222、9223とを備え、電荷転送回路の所定段のNMOSのゲートがそのドレインと同相のクロックで駆動される。そして、それより電圧出力ノード側にある他のNMOSのドレインに接続されている。
【0014】
すなわち、特許文献1における回路は、電荷転送スイッチとしてNMOSを用いており、例えば、a番目のノード9201とa+1番目のノード9202を接続するNMOS9211のゲート信号にa+2番目のノード9203の信号を用いることで、トランジスタをスイッチとして動作させようとしている。NMOSのゲート端子に正のバイアスを与えることができれば、前述の式(1)及び(2)のVtによる影響を無くすことができる。
【0015】
しかしながら、特許文献1の回路には、以下に述べる問題が存在する。
【0016】
説明の為、特許文献1の動作についての説明図を図3及び図4に示し、この図3及び図4に従い説明する。
【0017】
図3及び図4においては、電圧入力ノード900と電圧出力ノードの間に複数個のNMOS9211、9212、9213…が直列接続されて電荷転送回路を構成する。これらの各NMOS間のノード9201、9202、9203…には、それぞれキャパシタ9221、9222、9223…の一端が接続されている。キャパシタ9221、9222、9223…の他端は、奇数番目が第1のクロック、偶数番目が第1のクロックと逆相のクロックが供給される。
【0018】
NMOS9211、9212、9213…は、相補的クロックφ、/φの駆動により、奇数番目と偶数番目が交互にオンすることで、電圧入力ノード900から電圧出力ノードに正電荷を転送して、昇圧動作を行う。図3は、相補的クロックとして奇数番目がGNDの電位のクロック、偶数番目がVDDの電位が与えられ、図4は、相補的クロックとして奇数番目がVDDの電位のクロック、偶数番目がGNDの電位が与えられている。この図3及び図4においては、第1のNMOS9211のゲートは、これに隣接する第2のNMOS9212のソースと第3のNMOS9203のドレインのノード9201に接続されている。以下、同様に、NMOS9203のドレインのゲートは、隣接するトランジスタと更にこれに隣接するトランジスタとのノードに接続されている。
【0019】
図3及び図4において、NMOS9211を1段目の電荷転送スイッチとして、ソース側を電源入力ノード900に接続している。また、ノード9204はチャージポンプ回路内のより後段のノードと接続されている。
【0020】
上記したように、チャージポンプ型昇圧回路とは、クロック信号に合わせ、適宜スイッチのオンとオフを制御することで、昇圧動作を行う回路構成である。
【0021】
図3において、キャパシタ9221の端子にGND、キャパシタ9222の端子にVDD、キャパシタ9223の端子にGNDの電位が与えられた場合、NMOS9211はオン状態、NMOS9222はオフ状態、NMOS9223はオン状態となり、その状態においては、ノード9201がVDD、ノード9202が3×VDD、ノード9203が3×VDDの電位になるべきである。電源入力900の電位VDDに対し、NMOS9211のゲート端子の信号となるノード9202の信号は3×VDDとなる為、NMOS9211はオン状態となる。
【0022】
しかし、本来オフ状態にあるべきNMOS9212に関しては、ゲート端子の信号3×VDDに対し、ノード9201の電位はVDDである為、NMOS9212はオン状態となってしまい、奇数番目と偶数番目が交互にオンするということとは、矛盾が発生する。
【0023】
また、図4に示すように、キャパシタ9221の端子にVDD、キャパシタ9222の端子にGND、キャパシタ9223の端子にVDDの電位が与えられた場合、NMOS9211はオフ状態、NMOS9212はオン状態、NMOS9213はオフ状態となり、ノード9201が2×VDD、ノード9202が2×VDD、ノード9203が4×VDDとなるべきである。
【0024】
しかし、本来オフ状態であるべきNMOS9211において、電源入力900の電位VDDに対し、MOSトランジスタのゲート端子の信号となるノード9202の信号は2×VDDとなる為、NMOS9211はオン状態となってしまい、ここに矛盾が発生する。
【0025】
実際の回路動作においては、電荷転送スイッチを介して電源側に逆流が発生する為、昇圧は不可能である。
【0026】
また、特許文献1には、回路を差動構成とし、相反する相のノードの信号をNMOSのゲート信号に使用することで、トランジスタをスイッチとして用いたものが開示されている。この回路構成は、図5に示すように、対応する転送段が逆相で駆動される2系統の電荷転送回路と各転送回路にそれぞれキャパシタ群9421、9423、9425、9422、9424、9426を備えている。そして、第1の転送回路側のNMOS9411のゲートには、第2の転送回路側の対応するNMOS9412のソースとNMOS9414のノード9404に接続されている。第2の転送回路側のNMOS9412のゲートには、第1の転送回路側の対応するNMOS9411のソースとNMOS9413のドレインのノード9403に接続されている。以下、各転送段とも同様の接続関係を有している。そして、第1の転送回路側のノード9403、9405、9407には、それぞれキャパシタ群9421、9423、9425が接続され、第2の転送回路側のノード9404、9406、9408には、それぞれキャパシタ群9422、9424、9426が接続されている。
【0027】
図6に、相反信号としてVDDとGNDを与えた実際の構成の例を示す。この構成においても矛盾が存在し、キャパシタ素子9421、9424、9425の端子にVDDの電位、キャパシタ素子9422、9423、9426の端子にGNDの電位が与えられた状態において、NMOS9411、9414、9415がオフ状態となり、NMOS9412、9413、9416がオン状態となるのが望ましい。その場合において、ノード9401は2×VDD、ノード9402はVDD、ノード9403は2×VDD、ノード9404は3×VDD、ノード9405は4×VDD、ノード9406は3×VDDの電位となるべきである。
【0028】
しかしながら、オフ状態にあるべきNMOS9414が、ノード9402よりノード9403の電位が高い為に、オン状態となり電源900側へ電荷の逆流を引き起こしてしまうという問題が発生する。
【0029】
この問題に対応した例として、非特許文献1に示す回路が提案されている。図7に示す非特許文献1の回路を示す。図8に動作説明図を記載する。
【0030】
図7に示すように、対応する転送段が逆相で駆動される2系統の電荷転送回路と各転送回路にそれぞれキャパシタ群9621、9623、9622、9624を備えている。ノード9601と9603の間にMOSトランジスタ9613、9615が設けられ、同じくノード9602と9604との間には、MOSトランジスタ9614と9616が設けられている。MOSトランジスタ9613、9614はNMOSであり、MOSトランジスタ9615、9616はPチャネル型MOSトランジスタ(以下、PMOSという。)である。そして、出力ノード9607には、2系統の電荷転送回路からの出力がそれぞれ与えられるPMOS9617、9618が接続されている。
【0031】
第1の転送回路側のNMOS9611のゲートと次段のPMOS9613のゲートは接続されている。そして、第1の転送回路側のNMOS9611には、第2の転送回路側の対応するNMOS9612とPMOS9614のノード9404に接続される。第2の転送回路側のNMOS9612のゲートと次段のPMOS9614のゲートは接続されている。そして、第2の転送回路側のNMOS9612のゲートには、第1の転送回路側の対応するNMOS9611とPMOS9613のノード9601に接続されている。以下、各転送段とも同様の接続関係を有している。そして、第1の転送回路側のノード9601、9603には、それぞれキャパシタ群9621、9623が接続され、第2の転送回路側のノード9602、9604には、それぞれキャパシタ群9622、9616が接続されている。
【0032】
キャパシタ9621、9623、9622、9624の他端には、奇数番目のキャパシタと偶数番目のキャパシタが逆相駆動となるように、相補的クロックが与えられる。
【0033】
図8に、相補的クロックとして、VDDとGNDを与えた場合の例を示す。図8において、キャパシタ素子9621、9624にVDDの電位、キャパシタ素子9622、9623にGNDの電位が与えられた場合、電源入力900とノード9601の間を遮断、電源入力900とノード9602の間を導通、ノード9601とノード9605の間を導通、ノード9602とノード9606の間を遮断、ノード9605と出力端子9607の間を遮断、ノード9606と出力端子9607の間を導通する必要がある。
【0034】
図6に示す特許文献1の回路では、ノード9402とノード9404の間にMOSトランジスタ9414しか存在しない為に逆流が発生していた。これに対して、図8に示す文献2の回路においては、ノード9602とノード9606の間にPNMOS9614とNMOS9616が存在し、逆流を防止するように構成している。
【0035】
図8の回路にて逆流の防止が可能であることについて説明する。
【0036】
まず、ゲート端子のドレイン端子の電位関係に着目すると、PMOS9614のドレイン端子であるノード9602の電位VDDに対し、ゲート端子であるノード9601の電位は2×VDDである為、PMOS9614はオフ状態となる。一方、NMOS9616についてもドレイン端子であるノード9606の電位3×VDDに対し、ゲート端子であるノード9605の電位は2×VDDである為、NMOS9616はオフ状態となる。
【0037】
また、PMOS9614とNMOS9616の双方のソース端子であるノード9604の電位Vがどの値にあっても上記二つのトランジスタが同時にオン状態となることは無い。
【0038】
なぜなら、双方のトランジスタのゲート端子であるノード9601とノード9605は共に2×VDDの電位にあり、PMOS9614をオン状態にする条件は、以下の(3)式となる。
【0039】
ノード9604の電位V≧2×VDD−Vtp (3)
従って、NMOS9616をオン状態にする条件は、以下の(4)式となる。
【0040】
ノード9604の電位V≦2×VDD−Vtn (4)
この為、二つのトランジスタが同時にオン状態となる為には、(5)式の条件が必要となる。
【0041】
2×VDD−Vtp≦ノード9604の電位V≦2×VDD−Vtn (5)
しかしながら、Vtpが負の値、Vtnが正の値であることを考慮すると、(5)式の条件は成り立たなくなる。よって、図8の回路において逆流は発生しない。
【0042】
図7及び図8に記載した回路構成における短所は、1段毎にPMOSとNMOS、計2個のトランジスタが直列に接続されている為、電源入力から出力端子に至る電荷転送経路中に存在するMOSトランジスタの数が多く、各MOSトランジスタのドレイン−ソース間抵抗による電位降下による電力のロスが増大することにある。
【0043】
図8に示す2段チャージポンプ型昇圧回路におけるドレイン−ソース間の抵抗による電力のロスは次の(6)式に示される。
【0044】
Iout・(Rch1・Rch2)/(Rch1+Rch2) (6)
ここで、Rch1は、Rch2は、(7)、(8)式で示されるように、R9611〜R9618は各々MOSトランジスタ9611〜9618のオン状態でのドレイン−ソース間抵抗である。
【0045】
Rch1=R9611+R9613+R9615+R9617 (7)
Rch2=R9612+R9614+R9616+R9618 (8)
である。
【特許文献1】特開2005−339658号公報
【非特許文献1】「Design of Charge Pump Circuit With Consideration of Gate-Oxide Reliability in Low-Voltage CMOS Processes」 Ming-Dou Ker , Shin-Lun Chen , Chia-Shen Tsai IEEE Journal of Solid-State Circuit Vol.41,No.5 May 2006
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0046】
本発明の目的は、上記した非特許文献1における回路の短所であるドレイン−ソース間抵抗の影響を抑えることで、重負荷においても電力のロスが低く、昇圧効率の高いチャージポンプ型の昇圧回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0047】
この発明の電圧発生回路は、電源入力ノードと出力端子ノードとの間に複数段構成のチャージポンプ型の昇圧回路を備えた電圧発生回路において、電源入力ノードと出力ノードの間に複数の電荷転送スイッチが直列に接続され、相反するクロック信号により動作する2系統以上の電荷転送回路と、前記電荷転送回路の各ノードにそれぞれ一端が接続され、他端が相反するクロック信号により駆動されるキャパシタと、を備え、前記電荷転送回路は、電源入力ノードより1段目の各キャパシタに電荷を転送するためのMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた第1制御部と、所定のキャパシタから次段のキャパシタに電荷を転送するためのMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチと、前記電荷転送スイッチのゲート端子へ相反するクロック信号に応じて前段のノードからの信号または後段のノードからの信号を選択して与えるスイッチ手段とを備えた第2制御部と、最終段の各キャパシタから出力ノードに電荷を転送するためのMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた電圧比較出力部と、有することを特徴とする。
【0048】
また、前記第1制御部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタに接続される側の第1のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタに接続される側の第2のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第1のNチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記第2のノード、ゲート端子が前記第1のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第2のNチャネル型MOSトランジスタとを備えて構成することができる。
【0049】
また、前記電圧比較出力部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の他のノード、ソース及び基板端子が出力ノードに接続された第1のPチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記他のノード、ゲート端子が前記ノード、ソース端子及び基板端子が出力ノードに接続された第2のPチャネル型MOSトランジスタとを備えて構成することができる。
【0050】
また、前記第2制御部の前記スイッチ手段は、Nチャネル型のMOSトランジスタとPチャネル型MOSトランジスタが直列に接続して構成され、両トランジスタのノードが前記電荷転送スイッチのMOSトランジスタのゲート端子に対して接続して構成することができる。
【0051】
この発明の電圧発生回路は、電源入力ノードと出力端子ノードとの間に複数段構成のチャージポンプ型の昇圧回路を備えた電圧発生回路において、電源入力ノードと出力ノードの間に複数の電荷転送スイッチが直列に接続され、相反するクロック信号により動作する2系統以上の電荷転送回路と、前記電荷転送回路の各ノードにそれぞれ一端が接続され、他端が相反するクロック信号により駆動されるキャパシタとを備え、前記電荷転送回路は、電源入力ノードより1段目の各キャパシタに電荷を転送するためのNチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた第1制御部と、所定のキャパシタから次段のキャパシタに電荷を転送するためのNチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチと前記電荷転送スイッチのゲート端子へ相反するクロック信号に応じて前段のノードからの信号または後段のノードからの信号を選択して与えるスイッチ手段とを備えた第2制御部と、最終段の各キャパシタから出力ノードに電荷を転送するためのPチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた電圧比較出力部と、有することを特徴とする。
【0052】
また、前記第1制御部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の第1のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される第2のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第1のNチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記第2のノード、ゲート端子が前記第1のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第2のNチャネル型MOSトランジスタとを備え、前記電圧比較出力部は、ドレイン端子が前記第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側のノード、ゲート端子が対応する前記他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の他のノード、ソース及び基板端子が出力ノードに接続された第1のPチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記他のノード、ゲート端子が前記ノード、ソース端子及び基板端子が出力ノードに接続された第2のPチャネル型MOSトランジスタとを備えて構成することができる。
【0053】
また、前記第2の制御部のスイッチング手段は、第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子を直列に接続して電荷転送回路にそれぞれ対応して設けられ、前記第2の制御部の第1の電荷転送回路のNチャネル型MOSトランジスタは、ゲート端子が前記スイッチ素子間のノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第1の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノードと接続され、前記第2の制御部の前記他の電荷転送回路のNチャネル型MOSトランジスタは、ゲート端子が前記スイッチ素子間のノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記他の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノードと接続することにより構成することができる。
【0054】
前記第1の電荷転送回路に対応して設けられたスイッチ手段の第1のスイッチ素子は、前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、第2のスイッチ素子は他の電化転送回路の出力側ノードと接続され、前記他の電荷転送回路に対応して設けられたスイッチ手段の第1のスイッチ素子は他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、第2のスイッチ素子は前記第1の電化転送回路の出力側ノードと接続することにより構成することができる。
【0055】
また、前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第2の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続することにより構成することができる。
【0056】
また、前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子とスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタのゲート端子は接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ及びスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ及びスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続することにより構成することができる。
【0057】
また、前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続することにより構成することができる。
【0058】
また、前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続することにより構成することができる。
【0059】
この発明の電圧発生回路は、電源入力ノードと出力端子ノードとの間に複数段構成のチャージポンプ型の昇圧回路を備えた電圧発生回路において、電源入力ノードと出力ノードの間に複数の電荷転送スイッチが直列に接続され、相反するクロック信号により動作する2系統以上の電荷転送回路と、前記電荷転送回路の各ノードにそれぞれ一端が接続され、他端が相反するクロック信号により駆動されるキャパシタとを備え、
前記電荷転送回路は、電源入力ノードより1段目の各キャパシタに電荷を転送するためのNチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた第1制御部と、所定のキャパシタから次段のキャパシタに電荷を転送するためのPチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチと前記電荷転送スイッチのゲート端子へ相反するクロック信号に応じて前段のノードからの信号または後段のノードからの信号を選択して与えるスイッチ手段とを備えた第2制御部と、最終段の各キャパシタから出力ノードに電荷を転送するためのPチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた電圧比較出力部と、有することを特徴とする。
【0060】
前記第1制御部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の第1のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される第2のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第1のNチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記第2のノード、ゲート端子が前記第1のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第2のNチャネル型MOSトランジスタとを備え、前記電圧比較出力部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の他のノード、ソース及び基板端子が出力ノードに接続された第1のPチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記他のノード、ゲート端子が前記ノード、ソース端子及び基板端子が出力ノードに接続された第2のPチャネル型MOSトランジスタとを備えて構成することができる。
【0061】
また、前記第2の制御部のスイッチング手段は、第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子を直列に接続して電荷転送回路にそれぞれ対応して設けられ、前記第2の制御部の第1の電荷転送回路のPチャネル型MOSトランジスタは、ゲート端子が前記スイッチ素子間のノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が第1の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノードと接続され、前記第2の制御部の他の電荷転送回路のPチャネル型MOSトランジスタは、ゲート端子が前記スイッチ素子間のノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記他の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノードと接続することにより構成することができる。
【0062】
また、前記第1の電荷転送回路に対応して設けられたスイッチ手段の第1のスイッチ素子は、前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、第2のスイッチ素子は前記第1の電化転送回路の出力側ノードと接続され、前記他の電荷転送回路に対応して設けられたスイッチ手段の第1のスイッチ素子は前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、第2のスイッチ素子は前記他の電化転送回路の出力側ノードと接続することにより構成することができる。
【0063】
また、前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第2の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続することにより構成することができる。
【0064】
また、前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子とスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタのゲート端子は接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ及びスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ及びスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続することにより構成することができる。
【0065】
また、前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続することにより構成することができる。
【0066】
また、前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続することにより構成することができる。
【発明の効果】
【0067】
この発明は、ドレイン−ソース間抵抗の影響を抑えることで、重負荷においても電力のロスが低く、昇圧効率の高いチャージポンプ型昇圧回路を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0069】
図9は、この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路を用いた電圧発生回路の構成を示すブロック図であり、2段のチャージポンプ回路、図10は、この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路の原理を示す回路図である。
【0070】
以下、説明の簡単化のため、第1制御部2、第2制御部4(5)、電圧比較出力部3が各々1つずつで構成され、各ノードにキャパシタが接続された2段チャージポンプ回路を例に取り説明を行う。
【0071】
この発明における電荷転送回路は、図10の原理図に示すように、電源入力ノード10と出力端子ノード17の間に複数の電荷転送スイッチ101、103、105が直列に接続され、各スイッチ間のノード11、13にはキャパシタ51、53が接続された第1の電荷転送回路と、電荷転送スイッチ102、104、106が直列に接続され、各スイッチ間のノード12、14にはキャパシタ52、54が接続された第2の電荷転送回路を備える。そして、これら第1、第2の電荷転送回路は相反するクロック信号により動作する。
【0072】
図10において、キャパシタ51、54にGNDの電位、キャパシタ52、53にVDDの電位が与えられた場合、本回路の動作状態としては、スイッチ101、104、105はオン状態、スイッチ102、103、106はオフ状態であり、ノード11の電位はVDD、ノード12の電位は2×VDD、ノード13の電位は3×VDD、ノード14の電位は2×VDD、出力端子15の電位は3×VDDとなる。
【0073】
この発明は図10におけるスイッチを各々1つのMOSトランジスタにて実現し、上記した回路の動作状態を確保するために、後述する構成の第1制御部2、第2制御部4(5)、電圧比較出力部3を用い、第1制御部2と第2制御部4(5)との間のノード、第2制御部4(5)と電圧比較部3との間のノードにそれぞれキャパシタが接続されている。
【0074】
図9に示すように、この発明の実施形態では、第1制御部2の第1の電荷転送回路側のノード21が第2制御部4(5)の第1の電荷転送回路側のノード41に、第1制御部2の第2の電荷転送回路側のノード22が第2制御部4(5)の第2の電荷転送回路側のノード42に、第2制御部4(5)の出力側の第1の電荷転送回路側のノード43が電圧比較出力部3の第1の電荷転送電荷転送回路側のノード31に、第2制御部4(5)の出力側の第2の電荷転送回路側のノード44が電圧比較出力部3の第2の電荷転送回路側のノード32にそれぞれ接続されている。
【0075】
第1の電荷転送回路においては、ノード21とノード41との間にキャパシタ51の一端が接続され、ノード43とノード31との間にキャパシタ53の一端が接続されている。
【0076】
第2の電荷転送回路においては、ノード22とノード42との間にキャパシタ52の一端が接続され、ノード44とノード32との間にキャパシタ54の一端が接続されている。キャパシタの他端には、奇数番目のキャパシタと偶数番目のキャパシタが逆相駆動となるように、相補的クロックが与えられる。また、第1の電荷転送回路と第2の電荷転送回路とは、逆相駆動される。キャパシタ51〜54には、相補的クロックφ、/φが与えられる。
【0077】
上記した第1制御部2は、電源入力ノード10より1段目のキャパシタ51、52に電荷を転送するためのMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備える。第2制御部2は、所定のキャパシタから次段のキャパシタに電荷を転送するためのMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチと、電荷転送スイッチのゲート端子へ相反するクロック信号に応じて前段のノードからの信号または後段のノードからの信号を選択して与えるスイッチ手段とを備えている。電圧比較出力部3は最終段の各キャパシタから出力ノード17に電荷を転送するためのMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備える。
【0078】
図10に示すスイッチ101、102が第1の第1制御部2の電荷転送回路の各電荷転送スイッチを構成し、スイッチ103、104が第2制御部4(5)の電荷転送回路の各電荷転送スイッチを構成し、スイッチ105、106が電圧比較部3の電荷転送回路の各電荷転送スイッチを構成している。
【0079】
図11は、第1制御部2の構成を示す回路図である。この図11に従い、第1制御部2ついて説明する。
【0080】
第1制御部2は、第1の電荷転送回路側にNMOS211を、第2の電荷転送回路側にNMOS212を備える。第1の電荷転送回路側のNMOS211のドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタに接続される側の第1のノード21に接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路のキャパシタに接続される側の第2のノード22に接続され、ソース端子及び基板端子が電源入力ノード20に接続されている。
【0081】
第2の電荷転送回路側のNMOS212のドレイン端子が第2のノード22、ゲート端子が第1のノード21、ソース端子及び基板端子が電源入力端子10に接続する電源入力ノード20に接続されている。
【0082】
図12は、電圧比較出力部3の構成を示す回路図である。この図12に従い、電圧比較出力部3ついて説明する。
【0083】
電圧比較出力部3は、第1の電荷転送回路側にPMOS311を、第2の電荷転送回路側にPMOS312を備える。第1の電荷転送回路側のPMOS311のドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側のノード31、ゲート端子が第2の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の他のノード32、ソース及び基板端子が出力ノード30に接続されている。
【0084】
第2の電荷転送回路側にPMOS312のドレイン端子がノード32、ゲート端子がノード31、ソース端子及び基板端子が出力ノード30に接続されている。
【0085】
上記した図10において、キャパシタ51、54にGNDの電位、キャパシタ52、53にVDDの電位が与えられた場合、本回路の最良の動作状態としては、スイッチ101、104、105はオン状態、スイッチ102、103、106はオフ状態であり、ノード11の電位はVDD、ノード12の電位は2×VDD、ノード13の電位は3×VDD、ノード14の電位は2×VDD、出力端子17の電位は3×VDDとなる。
【0086】
図11及び図12に示す構成の第1制御部2、電圧比較出力部3を用い、第2制御部4の電荷転送スイッチとしてNMOSを用いた実施形態を図13、図14に示す。この図13、図14においては、図10におけるスイッチ103、104の実現手法として、電荷転送スイッチとしてNMOS411、412、スイッチ手段401、402、403、404を用いたN型第2制御部4を用いて構成している。
【0087】
N型第2制御部4における第1の電荷転送回路側に設けられるスイッチ手段は、スイッチ401とスイッチ403を直列に接続して設けられている。スイッチ401の一端は第1の電荷転送回路側のノード41に接続され、他端はスイッチ403に接続されている。スイッチ403のスイッチ401と接続される側とは反対側の端子は第2の電荷転送回路の出力側のノード44に接続されている。
【0088】
また、N型第2制御部4における第2の電荷転送回路側に設けられるスイッチ手段は、スイッチ402とスイッチ404を直列に接続して設けられている。スイッチ402の一端は第2の電荷転送回路側のノード42に接続され、他端はスイッチ404に接続されている。スイッチ404のスイッチ402と接続される側とは反対側の端子は第1の電荷転送回路の出力側のノード43に接続されている。
【0089】
第1の電荷転送回路のNMOS411は、ゲート端子がスイッチ401とスイッチ403とのノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される第1の電荷転送回路の入力側のノード41と接続され、ドレイン端子が第1の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノード43と接続されている。
【0090】
第2の電荷転送回路のN型MOS412は、ゲート端子がスイッチ402とスイッチ404間のノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ドレイン端子が第2の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノード44と接続されている。
【0091】
図13においては、キャパシタ51、54にGNDの電位、キャパシタ52、53にVDDの電位が与えられた場合を示している。この回路としては、NMOS211、NMOS412、PMOS311はオン状態、NMOS212、411、PMOS312はオフ状態となるように動作させる。そして、ノード41の電位はVDD、ノード42の電位は2×VDD、ノード43の電位は3×VDD、ノード44の電位は2×VDD、出力端子17の電位は3×VDDとなる。
【0092】
第1の制御部2においては、第1の電荷転送回路側のNMOS211のドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ51に接続される側の第1のノード21に接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路のキャパシタ52に接続される側の第2のノード22に接続され、ソース端子及び基板端子が電源入力ノード20に接続されている。キャパシタ52にはVDDの電位が与えられるので、ノード22は2×VDDの電位となる。キャパシタ51にはGNDの電位が与えられるので、ノード21はVDDの電位となる。このためNMOS211のゲート端子には2×VDDの電位が供給されることになり、NMOS211はオン状態となる。
【0093】
第2の電荷転送回路側のNMOS212のドレイン端子が第2のノード22、ゲート端子が第1のノード21、ソース端子及び基板端子が電源入力ノード20に接続されている。また、NMOS212のドレイン端子が第2のノード22、ゲート端子が第1の転送回路のキャパシタ51に接続されている第1のノード21、ソース端子及び基板端子が電源入力ノード20に接続されている。このため、NMOS212のゲート端子にVDDの電位が供給されることになり、NMOS212はオフ状態となる。
【0094】
第2制御部4においては、第1の電荷転送回路のNMOS411は、ゲート端子がスイッチ401とスイッチ403とのノード15と接続され、ソース端子及び基板端子がキャパシタ51からの電荷が転送される第1の電荷転送回路の入力側のノード41と接続され、ドレイン端子が第1の電荷転送回路の後段のキャパシタ53へ電荷が転送される出力側ノード43と接続されている。キャパシタ53には3×VDDの電位が与えられているので、ノード43は3×VDDの電位となる。
【0095】
第2の電荷転送回路のN型MOS412は、ゲート端子がスイッチ402とスイッチ404間のノード16と接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタ52からの電荷が転送される第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ドレイン端子が第2の電荷転送回路の後段のキャパシタ54へ電荷が転送される出力側ノード44と接続されている。キャパシタ54にはGNDの電位が与えられているので、ノード44は2×VDDの電位となる。
【0096】
NMOS411をオフ状態にするためには、NMOS411のゲート端子にVDDの電位を与える必要がある。スイッチ401にはVDDの電位が与えられ、スイッチ403には2×VDDの電位が与えられている。スイッチ401をオン、スイッチ403をオフになるように制御することで、NMOS411にはスイッチ401を介してVDDの電位が与えられ、オフ状態となる。
【0097】
N型MOS412は、ゲート端子がスイッチ402とスイッチ404間のノード46と接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタ52からの電荷が転送される第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ドレイン端子が第2の電荷転送回路の後段のキャパシタ54へ電荷が転送される出力側ノード44と接続されている。
【0098】
NMOS412をオン状態にするためには、NMOS412のゲート端子に3×VDDの電位を与える必要がある。スイッチ402には2×VDDの電位が与えられ、スイッチ404には3×VDDの電位が与えられている。スイッチ402をオフ、スイッチ404をオンになるように制御することで、NMOS412にはスイッチ404を介して3×VDDの電位が与えられ、オン状態となる。
【0099】
電圧比較出力部3においては、第1の電荷転送回路側のPMOS311のドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ53側に接続される側のノード31、ゲート端子が第2の電荷転送回路のキャパシタ54側に接続される側の他のノード32、ソース及び基板端子が出力ノード30に接続されている。ノード31が3×VDDの電位、ノード32の電位が2×VDDであり、PMOS311のゲート端子には2×VDDの電位が与えられ、PMOS312のゲート端子には3×VDDの電位が与えられることになる。このため、PMOS311がオン状態、PMOS312がオフ状態となる。
【0100】
図13に示す状態とは、逆相状態の駆動信号が与えられた状態を図14に示す。図14においては、キャパシタ51、54にVDDの電位、キャパシタ52、53にGNDの電位が与えられた場合を示している。この回路としては、NMOS211、NMOS412、PMOS311はオフ状態、NMOS212、411、PMOS312はオン状態となるように動作させる。そして、ノード41の電位は2×VDD、ノード42の電位VDD、ノード43の電位は2×VDD、ノード44の電位は3×VDD、出力端子17の電位は3×VDDとなる。
【0101】
第1の制御部2においては、ノード21は2×VDD、ノード22×VDDの電位となる。このためNMOS211のゲート端子にはVDDの電位が供給されることになり、NMOS211はオフ状態となる。また、NMOS212のゲート端子には2×VDDの電位がゲート端子に供給されることになり、NMOS212はオン状態となる。
【0102】
第2制御部4においては、キャパシタ53にはGNDの電位が与えられているので、ノード43は2×VDDの電位となる。キャパシタ54にはVDDの電位が与えられているので、ノード44は3×VDDの電位となる。
【0103】
NMOS411をオン状態にするためには、NMOS411のゲート端子に3×VDDの電位を与える必要がある。スイッチ401には2×VDDの電位が与えられ、スイッチ403には3×VDDの電位が与えられている。スイッチ401をオフ、スイッチ404をオンになるように制御することで、NMOS411にはスイッチ403を介して3×VDDの電位が与えられ、オン状態となる。
【0104】
NMOS412をオフ状態にするためには、NMOS412のゲート端子にVDDの電位を与える必要がある。スイッチ402にはVDDの電位が与えられ、スイッチ404には3×VDDの電位が与えられている。スイッチ402をオン、スイッチ404をオフになるように制御することで、NMOS412にはスイッチ402を介してVDDの電位が与えられ、オフ状態となる。
【0105】
スイッチ401、402、403、404はスイッチ動作をすればよく、電流用トランジスタよりも小さいもので対応でき、面積をあまり大きくすることなく実現できる。
【0106】
このようにして、図10に示す理想的なスイッチのオンオフ状態が達成できる。
【0107】
上記した構成により、電荷転送に要するスイッチを各々1つのトランジスタのみで実現することで図13に示す構成では、上記した式(6)におけるRch1を(9)式のように表せる。
【0108】
Rch1=R211+R411+R311 (9)
【0109】
また、Rch2は(10)式のように表せる。
【0110】
Rch2=R212+R412+R312 (10)
【0111】
上記したR211〜R312は各々MOSトランジスタ211〜312のオン状態でのドレイン−ソース間抵抗である。
【0112】
上記の非特許文献1の回路構成においては、N段のチャージポンプ型昇圧回路では電荷転送経路中に直列接続された2N個のMOSトランジスタが必要であったのに対し、この発明の回路構成においてはN+1個の直列接続のMOSトランジスタで構成される為、電荷転送経路におけるトランジスタのドレイン−ソース間抵抗の総和を削減することができ、重負荷に適した構成とすることができる。
【0113】
N型第2制御部4については、スイッチ手段としてのスイッチ401、403及びスイッチ402、404をMOSトランジスタで構成することができる。即ち、スイッチ手段としては、NMOSとPMOSを直列に接続して構成し、両トランジスタのノードを電荷転送スイッチとしてのNMOSのゲート端子に与えるように構成すればよい。NMOSとPMOSを用いたスイッチ手段により、いくつかの構成例を提供できる。図15から図18にその構成例を示す。
【0114】
図15は、N型第2制御部4の第1の構成例(1)を示す回路図である。図15に示すN型第2制御部4は、第1の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS413とスイッチ用PMOS415が直列に接続されて構成される。また、第2の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS414とスイッチ用PMOS416が直列に接続されて構成される。
【0115】
これらスイッチ用のNMOS及びPMOSはスイッチ動作が確保されればよく、電流用トランジスタに比べて面積の小さなトランジスタで構成可能である。
【0116】
第1の電荷転送回路のNMOS413のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ドレイン端子がPMOS415のドレイン端子に接続されている。
【0117】
第1の電荷転送回路のPMOS415のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続され、ドレイン端子がNMOS413のドレイン端子に接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続されている。
【0118】
NMOS413とPMOS415のドレイン端子間のノード45が第1の転送回路の電荷転送スイッチとしてのNMOS411のゲート端子と接続されている。
【0119】
第2の電荷転送回路のNMOS414のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、ドレイン端子がPMOS416のドレイン端子に接続されている。
【0120】
第2の電荷転送回路のPMOS416のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続され、ドレイン端子がNMOS414のドレイン端子に接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続されている。
【0121】
NMOS414とPMOS416のドレイン端子間のノード46が第2の転送回路の電荷転送スイッチとしてのNMOS412のゲート端子と接続されている。
【0122】
N型第2制御部4の第1の構成例(1)においては、上記のように各端子が接続されたNMOS413とNMOS414とで構成された第1NMOSブロック421と、PMOS415とPMOS416とで構成された第1PMOSブロック431を備える。
【0123】
上記した図13に示したように、キャパシタ51、54にGNDの電位が与えられ、キャパシタ52、53にVDDが与えられ場合には、第1NMOSブロック421、第1PMOSブロック431は以下のように動作する。
【0124】
第1NMOSブロック421において、ノード42とノード41の電位差はVDDであり、これがVtn以上である場合、NMOS413はオン状態となる。その状態においてNMOS414はオフ状態である。
【0125】
同様に、第1PMOSブロック431において、ノード44とノード43の電位差は−VDDであり、これが−|Vtp|以上である場合、PMOS416はオン状態となる。その状態においてPMOS415はオフ状態である。
【0126】
上記第1NMOSブロック421と第1PMOSブロック431の作用により、ノード45の電位はNMOS413がオン状態であり、PMOS415がオフ状態である為、ノード41の電位VDDとなり、ノード46の電位はNMOS414がオフ状態であり、PMOS416がオン状態である為、ノード43の電位3×VDDとなる。このようにNMOS411およびNMOS412のゲート端子の電位が制御されるので、NMOS411がオフ状態、NMOS412がオン状態となる。
【0127】
上記した図14に示したように、キャパシタ51、54にVDDの電位が与えられ、キャパシタ52、53にGNDが与えられ場合には、第1NMOSブロック421、第1PMOSブロック431は以下のように動作する。
【0128】
第1NMOSブロック421において、ノード42とノード41の電位差は−VDDであり、これがVtn以下である場合、NMOS413はオフ状態となる。その状態においてNMOS414はオン状態である。
【0129】
同様に、第1PMOSブロック431において、ノード44とノード43の電位差はVDDであり、これが|Vtp|以上である場合、PMOS416はオフ状態となる。その状態においてPMOS415はオン状態である。
【0130】
上記第1NMOSブロック421と第1PMOSブロック431の作用により、ノード45の電位はPMOS415がオン状態であり、NMOS413がオフ状態である為、ノード43の電位3×VDDとなり、ノード46の電位はNMOS414がオン状態であり、PMOS416がオフ状態である為、ノード43の電位VDDとなる。このようにNMOS411およびNMOS412のゲート端子の電位が制御されるので、NMOS411がオン状態、NMOS412がオフ状態となる。
【0131】
図16は、N型第2制御部4の第2の構成例(2)を示す回路図である。図16に示すN型第2制御部4は、第1の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS413とスイッチ用PMOS415が直列に接続され、そしてNMOS413のゲート端子とPMOS415のゲート端子は接続されて構成される。また、第2の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS414とスイッチ用PMOS416が直列に接続され、そしてNMOS414のゲート端子とPMOS416のゲート端子は接続されて構成される。
【0132】
第1の電荷転送回路のNMOS413のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、PMOS415のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続され、NMOS413のドレイン端子とPMOS415のドレイン端子とが接続されている。NMOS413及びPMOS415のゲート端子が第2の電荷転送回路のNMOS414のドレイン端子とPMOS416のドレイン端子の接続部46に接続されている。
【0133】
NMOS413とPMOS415のドレイン端子間のノード45が第1の転送回路の電荷転送スイッチとしてのNMOS411のゲート端子と接続されている。
【0134】
第2の電荷転送回路のNMOS414のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、PMOS415のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続され、NMOS414のドレイン端子とPMOS416のドレイン端子とが接続されている。NMOS414及びPMOS414のゲート端子が第1の電荷転送回路のNMOS413のドレイン端子とPMOS415のドレイン端子の接続部45に接続されている。
【0135】
NMOS414とPMOS416のドレイン端子間のノード46が第2の転送回路の電荷転送スイッチとしてのNMOS412のゲート端子と接続されている。
【0136】
図16に示すN型第2制御部4の第2の構成は、ゲート端子への電位供給の方法として、上記のように、ドレイン端子がノード45、ゲート端子がノード46、ソース端子及び基板端子がノード41に接続されたNMOS413とドレイン端子がノード46、ゲート端子がノード45、ソース端子及び基板端子がノード42に接続されたNMOS414とにより構成される第2NMOSブロック422とドレイン端子がノード45、ゲート端子がノード46、ソース端子及び基板端子がノード44に接続されたPMOS415とドレイン端子がノード46、ゲート端子がノード45、ソース端子及び基板端子がノード43に接続されたPMOS416により構成された第2PMOSブロック432を用いている。
【0137】
上記した図13に示したキャパシタ51、54にGNDの電位が与えられ、キャパシタ52、53にVDDが与えられ場合には、第2NMOSブロック422、第2PMOSブロック432は以下のように動作する。
【0138】
即ち、図16に示すN型第2制御部の第2の構成例にて、ノード45の電位はNMOS413のソース電位がVDDであり、PMOS415のソース電位が2×VDDであることより、VDD以上2×VDD以下の電位である。また、ノード46の電位はNMOS414のソース電位が2×VDDであり、PMOS416のソース電位が3×VDDであることから、2×VDD以上3×VDD以下の電位である。
【0139】
上記の電位関係により、NMOS413はオン状態となり、PMOS415はオフ状態となる為、ノード45の電位はVDDに等しくなる。また、NMOS414はオフ状態となりPMOS416はオン状態となる為、ノード46の電位は3×VDDに等しくなる。
【0140】
また、図14に示すように、キャパシタ51、54にVDDの電位が与えられ、キャパシタ52、53にGNDが与えられ場合には、第2NMOSブロック422、第2PMOSブロック432は以下のように動作する。
【0141】
即ち、図16に示すN型第2制御部の第2の構成例にて、ノード45の電位はNMOS413のソース電位が2×VDDであり、PMOS415のソース電位が3×VDDであることより、2×VDD以上3×VDD以下の電位である。また、ノード46の電位はNMOS414のソース電位がVDDであり、PMOS416のソース電位が2×VDDであることから、VDD以上2×VDD以下の電位である。
【0142】
上記の電位関係により、NMOS413はオフ状態となり、PMOS415はオン状態となる為、ノード45の電位は3×VDDに等しくなる。また、NMOS414はオン状態となりPMOS416はオフ状態となる為、ノード46の電位はVDDに等しくなる。
【0143】
上記した第1及び第2NMOSブロック421、422と第1及び第2PMOSブロック431、432は相互に組み合わせて使用することができる。組み合わせの例を第3の構成例、第4の構成例として図17及び図18に示す。
【0144】
図17は、N型第2制御部4の第3の構成例(3)を示す回路図である。図17に示すN型第2制御部4は、第1のNMOSブロック421と第2のPMOSブロック432を組み合わせたものである。
【0145】
第1の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS413とスイッチ用PMOS415が直列に接続され、第2の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS414とスイッチ用PMOS416が直列に接続されている。
【0146】
N型第2制御部4の第3の構成例(3)においては、第1の電荷転送回路のNMOS413のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ドレイン端子がPMOS415のドレイン端子に接続されている。第1の電荷転送回路のPMOS415のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路のノード46に接続されている。
【0147】
第2の電荷転送回路のNMOS414のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、ドレイン端子がPMOS416のドレイン端子に接続されている。第2の電荷転送回路のPMOS416のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路のノード45に接続されている。
【0148】
図17に示すN型第2制御部4においても上記と同様に理想的なオンオフ状態が達成できる。
【0149】
図18は、N型第2制御部4の第4の構成例(4)を示す回路図である。図18に示すN型第2制御部4は、第2のNMOSブロック421と第1のPMOSブロック432を組み合わせたものである。
【0150】
第1の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS413とスイッチ用PMOS415が直列に接続され、第2の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS414とスイッチ用PMOS416が直列に接続されている。
【0151】
N型第2制御部4の第4の構成例においては、第1の電荷転送回路のNMOS413のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路のノード46に接続され、ドレイン端子がPMOS415のドレイン端子に接続されている。
【0152】
第1の電荷転送回路のPMOS415のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続されている。
【0153】
第2の電荷転送回路のNMOS414のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路のノード45に接続され、ドレイン端子がPMOS416のドレイン端子に接続されている。
【0154】
第2の電荷転送回路のPMOS416のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続されている。
【0155】
図18に示すN型第2制御部4においても上記と同様に理想的なオンオフ状態が達成できる。
【0156】
次に、図9に示す2段チャージポンプの構成を上記した図11に示す第1制御部、図15に示す第2制御部、図12に示す電圧比較部を用いた具体的実施例を図19に示す。
【0157】
図19の回路において、クロック信号φがVDDの時、第2のノード42の電位が2×VDDに上昇し、NMOS211はオン状態となる。それにより、第1の電荷転送回路側のノード41の電位は電源入力10の電位VDDと同電位となる。
【0158】
ノード41の電位がVDD、第2の電荷転送回路側のノード42の電位が2×VDDである事からNMOS413はオン状態となる為、第1の電荷転送回路のノード45の電位を第1のノード41に引き下げる方向に働く。この結果NMOS411はオフ状態に近くなる。
【0159】
また、ノード41の電位とノード42の電位よりNMOS414はオフ状態となる為、第2の電荷転送回路側のノード46の電位はノード42の電位から切り離され、より高い電位に向かう。その為NMOS414はオン状態に近くなる。
【0160】
第1の電荷転送回路の出力側のノード43においては、NMOS411がオフ状態に近く、容量素子53にVDDの電位が与えられているので、3×VDDの電位が得られる。また、第2の電荷転送回路の出力側のノード44においては、NMOS412がオン状態に近い為、ノード42の電位2×VDDと同電位となる。
【0161】
ノード63の電位が3×VDD、ノード44の電位が2×VDDである事から、PMOS415はオフ状態となり、NMOS413がオン状態である事と合わせて考えると、スイッチ手段内のノード45の電位は入力側のノード41の電位VDDに固定され、NMOS411は確実にオフ状態となる。また、PMOS416はオン状態となり、NMOS414がオフ状態である事とあわせて考えると、スイッチ手段内のノード46の電位は出力側のノード43の電位3×VDDに固定され、NMOS412は確実にオン状態となる。
【0162】
また、ノード43の電位とノード44の電位よりPMOS311はオン状態となり、出力側のノード43の電位3×VDDが出力端子17に出力される。その場合PMOS312はオフ状態であり、出力側のノード44の電位2×VDDは出力端子17より切り離される。
【0163】
この実施形態の回路は、2系統の電荷転送回路が対称の構成をしている為、クロック信号φがGNDの場合においても対応したスイッチを導通及び遮断させることにより昇圧動作が可能である。
【0164】
また、この発明の実施例はN型第2制御部4の構成が図15から図18に示す構成のいずれを用いても昇圧動作が可能である。
【0165】
図20は、図9に示す2段チャージポンプの構成を上記した図11に示す第1制御部、図16に示す第2制御部、図12に示す電圧比較部を用いた具体的実施例である。
【0166】
この実施例においても上述したように、電荷転送スイッチとしてのNMOS211、212、411、412、PMOS311、312を同様に理想的なオンオフ状態が達成でき対応したスイッチを導通及び遮断させることにより昇圧動作が行える。
【0167】
図11及び図12に示す構成の第1制御部2、電圧比較出力部3を用い、第2制御部4の電荷転送スイッチとしてPMOSを用いた実施形態を図21、図22に示す。この図13、図14においては、図10におけるスイッチ103、104の実現手法として、電荷転送スイッチとしてPMOS517、518、スイッチ手段501、502、503、504を用いたP型第2制御部5を用いて構成している。
【0168】
P型第2制御部5における第1の電荷転送回路側に設けられるスイッチ手段は、スイッチ501とスイッチ503を直列に接続して設けられている。スイッチ501の一端は第1の電荷転送回路側のノード41に接続され、他端はスイッチ503に接続されている。スイッチ503のスイッチ501と接続される側とは反対側の端子は第1の電荷転送回路の出力側のノード43に接続されている。
【0169】
また、P型第2制御部4における第2の電荷転送回路側に設けられるスイッチ手段は、スイッチ502とスイッチ504を直列に接続して設けられている。スイッチ502の一端は第2の電荷転送回路側のノード42に接続され、他端はスイッチ504に接続されている。スイッチ504のスイッチ502と接続される側とは反対側の端子は第2の電荷転送回路の出力側のノード44に接続されている。
【0170】
第1の電荷転送回路のPMOS517は、ゲート端子がスイッチ501とスイッチ503とのノード55と接続され、ソース端子及び基板端子が後段のキャパシタへ電荷を転送する第1の電荷転送回路の出力側のノード43と接続され、ドレイン端子が第1の電荷転送回路の前段のキャパシタから電荷が転送される入力側ノード41と接続されている。
【0171】
第2の電荷転送回路のP型MOS518は、ゲート端子がスイッチ502とスイッチ504間のノード56と接続され、ソース端子及び基板端子が後段のキャパシタへ電荷が転送される第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続され、ドレイン端子が第2の電荷転送回路の前段のキャパシタから電荷が転送される入力側ノード42と接続されている。
【0172】
図21においては、キャパシタ51、54にGNDの電位、キャパシタ52、53にVDDの電位が与えられた場合を示している。この回路としては、NMOS211、PMOS518、PMOS311はオン状態、NMOS212、PMOS517、PMOS312はオフ状態となるように動作させる。そして、ノード41の電位はVDD、ノード42の電位は2×VDD、ノード43の電位は3×VDD、ノード44の電位は2×VDD、出力端子17の電位は3×VDDとなる。
【0173】
第1の制御部2においては、第1の電荷転送回路側のNMOS211のドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ51に接続される側の第1のノード21に接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路のキャパシタ52に接続される側の第2のノード22に接続され、ソース端子及び基板端子が電源入力ノード20に接続されている。キャパシタ52にはVDDの電位が与えられるので、ノード22は2×VDDの電位となる。キャパシタ51にはGNDの電位が与えられるので、ノード21はVDDの電位となる。このためNMOS211のゲート端子には2×VDDの電位が供給されることになり、NMOS211はオン状態となる。
【0174】
第2の電荷転送回路側のNMOS212のドレイン端子が第2のノード22、ゲート端子が第1のノード21、ソース端子及び基板端子が電源入力ノード20に接続されている。また、NMOS212のドレイン端子が第2のノード22、ゲート端子が第1の転送回路のキャパシタ51に接続されている第1のノード21、ソース端子及び基板端子が電源入力ノード20に接続されている。このため、NMOS212のゲート端子にVDDの電位が供給されることになり、NMOS212はオフ状態となる。
【0175】
P型第2制御部5においては、第1の電荷転送回路のPMOS411は、ゲート端子がスイッチ501とスイッチ503とのノード55と接続され、ソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の後段のキャパシタ53へ電荷が転送される出力側ノード43と接続され、ドレイン端子がキャパシタ51からの電荷が転送される第1の電荷転送回路の入力側のノード41と接続されている。キャパシタ53には3×VDDの電位が与えられているので、ノード43は3×VDDの電位となる。
【0176】
第2の電荷転送回路のP型MOS518は、ゲート端子がスイッチ502とスイッチ504間のノード56と接続され、ソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の後段のキャパシタ54へ電荷が転送される出力側ノード44と接続され、ドレイン端子が前段のキャパシタ52からの電荷が転送される第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続されている。キャパシタ54にはGNDの電位が与えられているので、ノード44は2×VDDの電位となる。
【0177】
PMOS517をオフ状態にするためには、PMOS517のゲート端子に3×VDDの電位を与える必要がある。スイッチ501には2×VDDの電位が与えられ、スイッチ503には3×VDDの電位が与えられている。スイッチ501をオフ、スイッチ503をオンになるように制御することで、PMOS517にはスイッチ503を介して3×VDDの電位が与えられ、オフ状態となる。
【0178】
P型MOS518は、ゲート端子がスイッチ502とスイッチ504間のノード56と接続され、ソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の後段のキャパシタ54へ電荷が転送される出力側ノード44と接続され、ドレイン端子が前段のキャパシタ52からの電荷が転送される第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続されている。
【0179】
PMOS518をオン状態にするためには、PMOS518のゲート端子にVDDの電位を与える必要がある。スイッチ502にはVDDの電位が与えられ、スイッチ404には2×VDDの電位が与えられている。スイッチ502をオン、スイッチ504をオフになるように制御することで、PMOS518にはスイッチ502を介してVDDの電位が与えられ、オン状態となる。
【0180】
電圧比較出力部3においては、第1の電荷転送回路側のPMOS311のドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ53側に接続される側のノード31、ゲート端子が第2の電荷転送回路のキャパシタ54側に接続される側の他のノード32、ソース及び基板端子が出力ノード30に接続されている。ノード31が3×VDDの電位、ノード32の電位が2×VDDであり、PMOS311のゲート端子には2×VDDの電位が与えられ、PMOS312のゲート端子には3×VDDの電位が与えられることになる。このため、PMOS311がオン状態、PMOS312がオフ状態となる。
【0181】
図21に示す状態とは、逆相状態の駆動信号が与えられた状態を図22に示す。図22においては、キャパシタ51、54にVDDの電位、キャパシタ52、53にGNDの電位が与えられた場合を示している。この回路としては、NMOS211、NMOS412、PMOS311はオフ状態、NMOS212、411、PMOS312はオン状態となるように動作させる。そして、ノード41の電位は2×VDD、ノード42の電位VDD、ノード43の電位は2×VDD、ノード44の電位は3×VDD、出力端子17の電位は3×VDDとなる。
【0182】
第1の制御部2においては、ノード21は2×VDD、ノード22×VDDの電位となる。このためNMOS211のゲート端子にはVDDの電位が供給されることになり、NMOS211はオフ状態となる。また、NMOS212のゲート端子には2×VDDの電位がゲート端子に供給されることになり、NMOS212はオン状態となる。
【0183】
第2制御部5においては、キャパシタ53にはGNDの電位が与えられているので、ノード43は2×VDDの電位となる。キャパシタ54にはVDDの電位が与えられているので、ノード44は3×VDDの電位となる。
【0184】
PMOS517をオン状態にするためには、PMOS517のゲート端子にVDDの電位を与える必要がある。スイッチ501にはVDDの電位が与えられ、スイッチ503には2×VDDの電位が与えられている。スイッチ501をオン、スイッチ503をオフになるように制御することで、PMOS517にはスイッチ501を介してVDDの電位が与えられ、オン状態となる。
【0185】
PMOS518をオフ状態にするためには、PMOS518のゲート端子に3×VDDの電位を与える必要がある。スイッチ502には2×VDDの電位が与えられ、スイッチ503には3×VDDの電位が与えられている。スイッチ502をオフ、スイッチ504をオンになるように制御することで、PMOS518にはスイッチ504を介して3×VDDの電位が与えられ、オフ状態となる。
【0186】
スイッチ501、502、503、504はスイッチ動作をすればよく、電流用トランジスタよりも小さいもので対応でき、面積をあまり大きくすることなく実現できる。
【0187】
このようにして、図10に示す理想的なスイッチのオンオフ状態が達成できる。
【0188】
上記した構成により、電荷転送に要するスイッチを各々1つのトランジスタのみで実現することで図21に示す構成では、上記した式(6)におけるRch1を(11)式のように表せる。
【0189】
Rch1=R211+R517+R311 (11)
【0190】
また、Rch2は(12)式のように表せる。
【0191】
Rch2=R212+R518+R312 (12)
【0192】
上記したR211、212、312、517、518は各々MOSトランジスタ211、212、312、517、518のオン状態でのドレインソース間抵抗である。
【0193】
上記の非特許文献1の回路構成においては、N段のチャージポンプ型昇圧回路では電荷転送経路中に直列接続された2N個のMOSトランジスタが必要であったのに対し、この発明の回路構成においてはN+1個の直列接続のMOSトランジスタで構成される為、電荷転送経路におけるトランジスタのドレイン−ソース間抵抗の総和を削減することができ、重負荷に適した構成とすることができる。
【0194】
P型第2制御部5については、スイッチ手段としてのスイッチ501、503及びスイッチ502、504をMOSトランジスタで構成することができる。即ち、スイッチ手段としては、NMOSとPMOSを直列に接続して構成し、両トランジスタのノードを電荷転送スイッチとしてのPMOSのゲート端子に与えるように構成すればよい。NMOSとPMOSを用いたスイッチ手段により、いくつかの構成例を提供できる。図23から図26にその構成例を示す。
【0195】
図23は、P型第2制御部5の第1の構成例(1)を示す回路図である。図23に示すP型第2制御部5は、第1の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイチ用NMOS513とスイッチ用PMOS515が直列に接続されて構成される。また、第2の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS514とスイッチ用PMOS516が直列に接続されて構成される。
【0196】
これらスイッチ用のNMOS及びPMOSはスイッチ動作が確保されればよく、電流用トランジスタに比べて面積の小さなトランジスタで構成可能である。
【0197】
第1の電荷転送回路のNMOS513のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、ドレイン端子がPMOS515のドレイン端子に接続されている。第1の電荷転送回路のPMOS515のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続されている。NMOS513とPMOS515の各ドレイン端子のノード55はPMOS517のゲート端子に接続されている。
【0198】
第2の電荷転送回路のNMOS514のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ドレイン端子がPMOS516ドレイン端子に接続されている。
【0199】
第2の電荷転送回路のPMOS516のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続されている。
【0200】
図23に示すP型第2制御部5の第1の構成例(1)は、PMOS517のゲート端子に対する電位供給の手段として、第3NMOSブロック523と第3PMOSブロック533を備える。第3NMOSブロック523は上記のように、ドレイン端子がノード55、ゲート端子がノード41、ソース端子及び基板端子がノード42に接続されたNMOS513とドレイン端子がノード56、ゲート端子がノード42、ソース端子及び基板端子がノード41に接続されたNMOS514とにより構成される。第3PMOSブロック533は、ドレイン端子がノード55、ゲート端子がノード44、ソース及び基板端子がノード433に接続されたPMOS515とドレイン端子がノード46、ゲート端子がノード43、ソース端子及び基板端子がノード44に接続されたPMOS516により構成される。
【0201】
図21に示すように、キャパシタ51、54にGND電位がキャパシタ52、53にVDD電位が与えられると、第3NMOSブロック523においてノード42とノード41の電位差はVDDであり、これがVtn以上の場合NMOS514はオン状態になる。その時、NMOS513はオフ状態である。
【0202】
同様に、第3PMOS533ブロックにおいてノード44とノード43の電位差は−VDDであり、これが−|Vtp|以上の場合にPMOS515がオン状態となる。その時、PMOS516はオフ状態である。
【0203】
上記第3NMOSブロック523と第3PMOSブロック533の作用により、ノード55の電位はNMOS513がオフ状態であり、PMOS515がオン状態である為、ノード43の電位3×VDDと等しくなり、ノード56の電位はNMOS514がオン状態であり、PMOS516がオフ状態である為、ノード41の電位VDDと等しくなる。
【0204】
図24は、P型第2制御部5の第2の構成例(2)を示す回路図である。図24に示すP型第2制御部5は、第1の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイチ用NMOS513とスイッチ用PMOS515が直列に接続されて構成される。また、第2の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS514とスイッチ用PMOS516が直列に接続されて構成される。
【0205】
第1の電荷転送回路のスイッチ手段としてNMOS513のゲート端子とPMOS515のゲート端子は接続され、第2の電荷転送回路のスイッチ手段としてNMOS514のゲート端子とPMOS516のゲート端子は接続されている。
【0206】
第1の電荷転送回路のNMOS513のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、PMOS515のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続されている。NMOS413のドレイン端子とPMOS515のドレイン端子とが接続され、そのノード55が電荷転送スイッチとしてのPMOS517のゲート端子に接続されている。NOMS513及びPMOS515のゲート端子が第2の電荷転送回路のNMOS514ドレイン端子とPMOS516のドレイン端子のノード56に接続されている。
【0207】
第2の電荷転送回路のNMOS514のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、PMOS516のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続されている。NMOS414のドレイン端子とPMOS516のドレイン端子とが接続され、そのノード56が電荷転送スイッチとしてのPMOS518のゲート端子に接続されている。NOMS514及びPMOS516のゲート端子がノード55に接続されている。
【0208】
図24に示すP型第2制御部5の第2の構成例は、PMOS517、518のゲート端子に対する電位供給の手段として、第4NMOSブロック524と第3PMOSブロック534を備える。
【0209】
第4 NMOSブロック524は、ドレイン端子がノード55、ゲート端子がノード56、ソース端子及び基板端子がノード42に接続されたNMOS513とドレイン端子がノード56、ゲート端子がノード55、ソース端子及び基板端子がノード41に接続されたNMOS514により構成される。
【0210】
第4PMOSブロック534は、ドレイン端子がノード55、ゲート端子がノード56、ソース端子及び基板端子がノード43に接続されたPMOS515とドレイン端子がノード56、ゲート端子がノード55、ソース端子及び基板端子がノード44に接続されたPMOS516により構成される。
【0211】
図24に示すP型第2制御部5の第2の構成例(2)にて、図21に示すように、キャパシタ51、54にGND電位がキャパシタ52、53にVDD電位が与えられると、ノード55の電位はNMOS513のソース電位が2×VDDであり、PMOS515のソース電位が3×VDDであることより、2×VDD以上3×VDD以下の電位である。
【0212】
また、ノード56の電位はNMOS514のソース電位がVDDであり、PMOS516のソース電位がVDDであることから、VDD以上2×VDD以下の電位である。
【0213】
上記の電位関係により、NMOS513はオフ状態となり、PMOS515はオン状態となる為、ノード55の電位は3×VDDに等しくなる。また、NMOS514はオン状態となりPMOS516はオフ状態となる為、ノード56の電位はVDDに等しくなる。
【0214】
上記した第3及び第4NMOSブロック523、524と第3及び第4PMOSブロック532、534は相互に組み合わせて使用することができる。組み合わせの例を第4の構成例、第5の構成例として図25及び図26に示す。
【0215】
図25は、P型第2制御部5の第3の構成例(3)を示す回路図である。図25に示すP型第2制御部5は、第3のNMOSブロック523と第4のPMOSブロック534を組み合わせたものである。
【0216】
第1の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS513とスイッチ用PMOS515が直列に接続され、第2の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS514とスイッチ用PMOS516が直列に接続されている。
【0217】
第1の電荷転送回路のNMOS513のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続されている。NMOS513のドレイン端子とPMOS515のドレイン端子とが接続され、そのノード55が電荷転送スイッチのPMOS511のゲート端子に接続されている。
【0218】
第1の電荷転送回路のPMOS515のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路のNMOS514のドレイン端子とPMOS516のドレイン端子とのノード56に接続されている。
【0219】
第2の電荷転送回路のNMOS514のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続されている。NMOS514のドレイン端子とPMOS516のドレイン端子とが接続され、そのノード56が電荷転送スイッチのPMOS512のゲート端子に接続されている。
【0220】
第2の電荷転送回路のPMOS516のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続され、ゲート端子がノード55に接続されている。
【0221】
図25に示すP型第2制御部5においても上記と同様に理想的なオンオフ状態が達成できる。
【0222】
図26は、P型第2制御部5の第4の構成例(4)を示す回路図である。図26に示すP型第2制御部5は、第4のNMOSブロック524と第3のPMOSブロック533を組み合わせたものである。
【0223】
第1の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS513とスイッチ用PMOS515が直列に接続され、第2の電荷転送回路に用いられるスイッチ手段として、スイッチ用NMOS514とスイッチ用PMOS516が直列に接続されている。
【0224】
第1の電荷転送回路のNMOS513のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の入力側ノード42と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路のNMOS514のドレイン端子とPMOS516のドレイン端子とのノード56に接続されている。NMOS513のドレイン端子とPMOS515のドレイン端子とが接続され、そのノード55が電荷転送スイッチとしてのPMOS511のゲート端子と接続されている。
【0225】
第1の電荷転送回路のPMOS515のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続され、ゲート端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続されている。
【0226】
第2の電荷転送回路のNMOS514のソース端子及び基板端子が第1の電荷転送回路の入力側ノード41と接続され、ゲート端子がノード55に接続されている。NMOS514のドレイン端子とPMOS516のドレイン端子とが接続され、そのノード56が電荷転送スイッチとしてのPMOS512のゲート端子と接続されている。
【0227】
第2の電荷転送回路のPMOS516のソース端子及び基板端子が第2の電荷転送回路の出力側ノード44と接続され、ゲート端子が第1の電荷転送回路の出力側ノード43と接続されている。
【0228】
図26に示すP型第2制御部5においても上記と同様に理想的なオンオフ状態が達成できる。
【0229】
次に、図9に示す2段チャージポンプの構成を上記した図11に示す第1制御部、図23に示すP型第2制御部、図12に示す電圧比較部を用いた具体的実施例を図27に示す。
【0230】
図27の回路において、クロック信号φがVDDの時、ノード42の電位が2×VDDに上昇し、NMOS211はオン状態となる。それにより、第1の電荷転送回路側のノード41の電位は電源入力10の電位VDDと同電位となる。それにより、第1の電荷転送回路側のノード41の電位は電源入力10の電位VDDと同電位となる。また、NMOS212はオフ状態となる。
【0231】
ノード41の電位がVDD、第2の電荷転送回路側のノード42の電位が2×VDDである事からNMOS513はオフ状態となる。そして、NMOS514はオン状態となる為、第2の電荷転送回路のノード56の電位を第1のノード41に引き下げる方向に働く。この結果PMOS518はオン状態に近くなる。そして、第2の電荷転送回路の出力側のノード44においては、PMOS518がオン状態に近い為、ノード42の電位2×VDDと同電位となる。
【0232】
また、ノード41の電位とノード42の電位よりNMOS513はオフ状態となる為、第1の電荷転送回路側のノード55の電位はノード41の電位から切り離され、より高い電位に向かう。その為PMOS517はオフ状態に近くなる。
【0233】
第1の電荷転送回路の出力側のノード43においては、PMOS517がオフ状態に近く、キャパシタ53にVDDの電位が与えられているので、3×VDDの電位が得られる。
【0234】
また、第2の電荷転送回路の出力側のノード44においては、PMOS518がオン状態に近い為、ノード42の電位2×VDDと同電位となる。
【0235】
ノード43の電位が3×VDD、ノード44の電位が2×VDDである事から、PMOS515はオン状態となり、NMOS513がオフ状態である事と合わせて考えると、スイッチ手段内のノード55の電位は出力側のノード43の電位3×VDDに固定され、PMOS517は確実にオフ状態となる。
【0236】
また、PMOS516はオフ状態となり、NMOS514がオン状態である事とあわせて考えると、スイッチ手段内のノード56の電位は入力側のノード41の電位VDDに固定され、PMOS517は確実にオン状態となる。
【0237】
また、ノード43の電位とノード44の電位よりPMOS311はオン状態となり、出力側のノード43の電位3×VDDが出力端子17に出力される。その場合PMOS312はオフ状態であり、出力側のノード44の電位2×VDDは出力端子17より切り離される。
【0238】
この実施形態の回路は、2系統の電荷転送回路が対称の構成をしている為、クロック信号φがGNDの場合においても対応したスイッチを導通及び遮断させることにより昇圧動作が可能である。
【0239】
また、この発明の実施例はP型第2制御部5の構成が図23から図26に示す構成のいずれを用いても昇圧動作が可能である。
【0240】
図28は、図9に示す2段チャージポンプの構成を上記した図11に示す第1制御部、図24に示すP型第2制御部、図12に示す電圧比較部を用いた具体的実施例である。
【0241】
この実施例においても上述したように、電荷転送スイッチとしてのNMOS211、212、PMOS517、518、PMOS311、312を同様に理想的なオンオフ状態が達成でき対応したスイッチを導通及び遮断させることにより昇圧動作が行える。
【0242】
上記した実施形態においては、第1制御部2、第2制御部4または5、電圧比較出力部3を各々一つずつ相互に接続し、各ノードにキャパシタした2段チャージポンプ型昇圧回路について説明した。この実施形態の例においては、正確に電荷転送スイッチが制御され、出力端子に3×VDDの電圧を安定的に得ることが可能であることを説明した。しかし、使用目的に応じては、さらに、より高い電圧を必要とする場合がある。このような場合、図29に示すようにチャージポンプ回路の段数Nを増やすように構成すればよい。その為には1段目の制御回路として第1制御部を使用し、第2制御部を2段目からN段目までについて使用し、N段目の出力に対し電圧比較出力部を用いて出力することでより高い電圧を得ることが可能となる。
【0243】
図29における各ブロック同士の接続としてはa段目の第1のノード21または第9のノード43をa+1段目の第7のノード41に、a段目の第2のノード22または第10のノード44をa+1段目の第8のノード42に接続することでより高い電圧を得ることが可能となる。ここで、Nは2以上の整数、aは1からN−1迄の任意の整数を指す。また、N段目の第2制御部の第9のノード43は電圧比較出力部の第3のノード31に、N段目の第2制御部の第10のノード44は電圧比較出力部の第4のノード32に接続されている。キャパシタは回路内の各ノードに接続されている。
【0244】
また、図30に示すように、本発明の回路はN型第2制御部とP型第2制御部を並列接続し使用することも可能である。この場合、N型第2制御部は図15から図18に示すN型第2制御部の構成1から4のどれであっても構わない。また、P型第2制御部は図23から図26に示すP型第2制御部の構成1から4のどれであっても構わない。
【0245】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0246】
【図1】ディクソン型チャージポンプ回路を示す回路図である。
【図2】特許文献1に記載されたチャージポンプ回路を示す回路図である。
【図3】特許文献1に記載されたチャージポンプ回路の動作を説明するための回路図である。
【図4】特許文献1に記載されたチャージポンプ回路の動作を説明するための回路図である。
【図5】特許文献1に記載された他のチャージポンプ回路を示す回路図である。
【図6】特許文献1に記載された他のチャージポンプ回路の動作を説明するための回路図である。
【図7】非特許文献1に記載されたチャージポンプ回路を示す回路図である。
【図8】非特許文献1に記載されたチャージポンプ回路の動作を説明するための回路図である。
【図9】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路を用いた電圧発生回路の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路の原理を示す回路図である。
【図11】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路の第1制御部の構成を示す回路図である。
【図12】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路の電圧比較出力部の構成を示す回路図である。
【図13】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路において、第2制御部の電荷転送スイッチとしてNMOSを用いた実施形態を示す回路図である。
【図14】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路において、第2制御部の電荷転送スイッチとしてNMOSを用いた実施形態を示す回路図である。
【図15】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路におけるN型第2制御部の第1の構成例を示す回路図である。
【図16】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路におけるN型第2制御部の第2の構成例を示す回路図である。
【図17】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路におけるN型第2制御部の第3の構成例を示す回路図である。
【図18】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路におけるN型第2制御部の第4の構成例を示す回路図である。
【図19】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路において、第2制御部の電荷転送スイッチとしてNMOSを用いた具体的実施例を示す回路図である。
【図20】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路において、第2制御部の電荷転送スイッチとしてNMOSを用いた具体的実施例を示す回路図である。
【図21】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路において、第2制御部の電荷転送スイッチとしてPMOSを用いた実施形態を示す回路図である。
【図22】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路において、第2制御部の電荷転送スイッチとしてPMOSを用いた実施形態を示す回路図である。
【図23】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路におけるP型第2制御部の第1の構成例を示す回路図である。
【図24】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路におけるP型第2制御部の第2の構成例を示す回路図である。
【図25】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路におけるP型第2制御部の第3の構成例を示す回路図である。
【図26】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路におけるP型第2制御部の第4の構成例を示す回路図である。
【図27】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路において、第2制御部の電荷転送スイッチとしてPMOSを用いた具体的実施例を示す回路図である。
【図28】この発明の実施形態にかかるチャージポンプ回路において、第2制御部の電荷転送スイッチとしてPMOSを用いた具体的実施例を示す回路図である。
【図29】この発明の実施形態にかかるN段のチャージポンプ回路を用いた電圧発生回路の構成を示すブロック図である。
【図30】この発明の実施形態にかかるN段のチャージポンプ回路を用いた電圧発生回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0247】
2 第1制御部、3 電圧比較出力部、4 N型第2制御部、10 電源入力、17 出力端子、101、102、103、104、105、106 理想スイッチ、51、52、53、54 キャパシタ、20 第1制御部の入力端子、21 ノード、22 ノード、211 NMOS、212 NMOS 31 ノード、32 ノード、30 出力端子、311 PMOS、312 PMOS、41 ノード、42 ノード、43 ノード、44 ノード、45 ノード、46 ノード、411 NMOS、412 NMOS、413 NMOS、414 NMOS、415 PMOS、416 PMOS、421 第1NMOSブロック 422 第2NMOSブロック、431 第1PMOSブロック、432 第2PMOSブロック、5 P型第2制御部、513 NMOS、514 NMOS、515 PMOS、516 PMOS、517 PMOS、518 PMOS、523 第3NMOSブロック 524 第4NMOSブロック、533 第3PMOSブロック、534 第4PMOSブロック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源入力ノードと出力端子ノードとの間に複数段構成のチャージポンプ型の昇圧回路を備えた電圧発生回路において、電源入力ノードと出力ノードの間に複数の電荷転送スイッチが直列に接続され、相反するクロック信号により動作する2系統以上の電荷転送回路と、前記電荷転送回路の各ノードにそれぞれ一端が接続され、他端が相反するクロック信号により駆動されるキャパシタと、を備え、
前記電荷転送回路は、電源入力ノードより1段目の各キャパシタに電荷を転送するためのMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた第1制御部と、所定のキャパシタから次段のキャパシタに電荷を転送するためのMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチと、前記電荷転送スイッチのゲート端子へ相反するクロック信号に応じて前段のノードからの信号または後段のノードからの信号を選択して与えるスイッチ手段とを備えた第2制御部と、最終段の各キャパシタから出力ノードに電荷を転送するためのMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた電圧比較出力部と、有することを特徴とする電圧発生回路。
【請求項2】
前記第1制御部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタに接続される側の第1のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタに接続される側の第2のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第1のNチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記第2のノード、ゲート端子が前記第1のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第2のNチャネル型MOSトランジスタとを備えることを特徴とする請求項1に記載の電圧発生回路。
【請求項3】
前記電圧比較出力部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の他のノード、ソース及び基板端子が出力ノードに接続された第1のPチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記他のノード、ゲート端子が前記ノード、ソース端子及び基板端子が出力ノードに接続された第2のPチャネル型MOSトランジスタとを備えることを特徴とする請求項1に記載の電圧発生回路。
【請求項4】
前記第2制御部の前記スイッチ手段は、Nチャネル型のMOSトランジスタとPチャネル型MOSトランジスタが直列に接続して構成され、両トランジスタのノードが前記電荷転送スイッチのMOSトランジスタのゲート端子に対して接続されることを特徴とする請求項1に記載の電圧発生回路。
【請求項5】
電源入力ノードと出力端子ノードとの間に複数段構成のチャージポンプ型の昇圧回路を備えた電圧発生回路において、電源入力ノードと出力ノードの間に複数の電荷転送スイッチが直列に接続され、相反するクロック信号により動作する2系統以上の電荷転送回路と、前記電荷転送回路の各ノードにそれぞれ一端が接続され、他端が相反するクロック信号により駆動されるキャパシタとを備え、
前記電荷転送回路は、電源入力ノードより1段目の各キャパシタに電荷を転送するためのNチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた第1制御部と、所定のキャパシタから次段のキャパシタに電荷を転送するためのNチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチと前記電荷転送スイッチのゲート端子へ相反するクロック信号に応じて前段のノードからの信号または後段のノードからの信号を選択して与えるスイッチ手段とを備えた第2制御部と、最終段の各キャパシタから出力ノードに電荷を転送するためのPチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた電圧比較出力部と、有することを特徴とする電圧発生回路。
【請求項6】
前記第1制御部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の第1のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される第2のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第1のNチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記第2のノード、ゲート端子が前記第1のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第2のNチャネル型MOSトランジスタとを備え、前記電圧比較出力部は、ドレイン端子が前記第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側のノード、ゲート端子が対応する前記他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の他のノード、ソース及び基板端子が出力ノードに接続された第1のPチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記他のノード、ゲート端子が前記ノード、ソース端子及び基板端子が出力ノードに接続された第2のPチャネル型MOSトランジスタとを備えることを特徴とする請求項5に記載の電圧発生回路。
【請求項7】
前記第2の制御部のスイッチング手段は、第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子を直列に接続して電荷転送回路にそれぞれ対応して設けられ、前記第2の制御部の第1の電荷転送回路のNチャネル型MOSトランジスタは、ゲート端子が前記スイッチ素子間のノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第1の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノードと接続され、前記第2の制御部の前記他の電荷転送回路のNチャネル型MOSトランジスタは、ゲート端子が前記スイッチ素子間のノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記他の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノードと接続されていることを特徴とする請求項5または6に記載の電圧発生回路。
【請求項8】
前記第1の電荷転送回路に対応して設けられたスイッチ手段の第1のスイッチ素子は、前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、第2のスイッチ素子は他の電化転送回路の出力側ノードと接続され、前記他の電荷転送回路に対応して設けられたスイッチ手段の第1のスイッチ素子は他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、第2のスイッチ素子は前記第1の電化転送回路の出力側ノードと接続されていることを特徴とする請求項7に記載の電圧発生回路。
【請求項9】
前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第2の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続されていることを特徴とする請求項8に記載の電圧発生回路。
【請求項10】
前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子とスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタのゲート端子は接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ及びスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ及びスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の電圧発生回路。
【請求項11】
前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の電圧発生回路。
【請求項12】
前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続されていることを特徴とする請求項8に記載の電圧発生回路。
【請求項13】
電源入力ノードと出力端子ノードとの間に複数段構成のチャージポンプ型の昇圧回路を備えた電圧発生回路において、電源入力ノードと出力ノードの間に複数の電荷転送スイッチが直列に接続され、相反するクロック信号により動作する2系統以上の電荷転送回路と、前記電荷転送回路の各ノードにそれぞれ一端が接続され、他端が相反するクロック信号により駆動されるキャパシタとを備え、
前記電荷転送回路は、電源入力ノードより1段目の各キャパシタに電荷を転送するためのNチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた第1制御部と、所定のキャパシタから次段のキャパシタに電荷を転送するためのPチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチと前記電荷転送スイッチのゲート端子へ相反するクロック信号に応じて前段のノードからの信号または後段のノードからの信号を選択して与えるスイッチ手段とを備えた第2制御部と、最終段の各キャパシタから出力ノードに電荷を転送するためのPチャネル型のMOSトランジスタからなる電荷転送スイッチを備えた電圧比較出力部と、有することを特徴とする電圧発生回路。
【請求項14】
前記第1制御部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の第1のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される第2のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第1のNチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記第2のノード、ゲート端子が前記第1のノード、ソース端子及び基板端子が電源入力ノードに接続された第2のNチャネル型MOSトランジスタとを備え、前記電圧比較出力部は、ドレイン端子が第1の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側のノード、ゲート端子が対応する他の電荷転送回路のキャパシタ側に接続される側の他のノード、ソース及び基板端子が出力ノードに接続された第1のPチャネル型MOSトランジスタと、ドレイン端子が前記他のノード、ゲート端子が前記ノード、ソース端子及び基板端子が出力ノードに接続された第2のPチャネル型MOSトランジスタとを備えることを特徴とする請求項13に記載の電圧発生回路。
【請求項15】
前記第2の制御部のスイッチング手段は、第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子を直列に接続して電荷転送回路にそれぞれ対応して設けられ、前記第2の制御部の第1の電荷転送回路のPチャネル型MOSトランジスタは、ゲート端子が前記スイッチ素子間のノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が第1の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノードと接続され、前記第2の制御部の他の電荷転送回路のPチャネル型MOSトランジスタは、ゲート端子が前記スイッチ素子間のノードと接続され、ソース端子及び基板端子が前段のキャパシタからの電荷が転送される他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記他の電荷転送回路の後段のキャパシタへ電荷が転送される出力側ノードと接続されていることを特徴とする請求項13または14に記載の電圧発生回路。
【請求項16】
前記第1の電荷転送回路に対応して設けられたスイッチ手段の第1のスイッチ素子は、前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、第2のスイッチ素子は前記第1の電化転送回路の出力側ノードと接続され、前記他の電荷転送回路に対応して設けられたスイッチ手段の第1のスイッチ素子は前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、第2のスイッチ素子は前記他の電化転送回路の出力側ノードと接続されていることを特徴とする請求項15に記載の電圧発生回路。
【請求項17】
前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第2の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続されていることを特徴とする請求項16に記載の電圧発生回路。
【請求項18】
前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子とスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタのゲート端子は接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ及びスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、スイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ及びスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続されていることを特徴とする請求項16に記載の電圧発生回路。
【請求項19】
前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続されていることを特徴とする請求項16に記載の電圧発生回路。
【請求項20】
前記第1のスイッチ素子はスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタ、第2のスイッチ素子はスイッチ用Pチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第1の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、前記他の電荷転送回路の前記第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記第1の電荷転送回路の入力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の第1のスイッチ用Nチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子と第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子の接続部に接続され、ドレイン端子が前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記他の電荷転送回路の前記第2のスイッチ用Pチャネル型のMOSトランジスタのソース端子及び基板端子が前記他の電荷転送回路の出力側ノードと接続され、ゲート端子が前記第1の電荷転送回路の出力側ノードと接続されていることを特徴とする請求項16に記載の電圧発生回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2009−225637(P2009−225637A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70205(P2008−70205)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】