電子カメラ
【構成】基準クロックの周波数は当初、低域の周波数帯域FR1に属する周波数F1に設定される。TG22は、低解像度モードに従う態様でCCDイメージャ16を駆動する処理を初期設定された基準クロックに基づいて実行する。CCDイメージャ16の出力に基づくスルー画像は、LCDモニタ34に表示される。シャッタボタン38shが全押しされると、基準クロックの周波数は高域の周波数帯域FR2に属する周波数F2_1に変更される。TG22は、高解像度モードに従う態様でCCDイメージャ16を駆動する処理を変更後の基準クロックに基づいて実行する。ただし、変更後の基準クロックとの干渉に起因するノイズが検知されると、基準クロックの周波数が周波数帯域FR2において微調整される。その後のCCDイメージャ16の出力は、記録媒体42に記録される。
【効果】記録性能が向上する。
【効果】記録性能が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に記録指示に応答して撮像装置から出力された画像を記録する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、電子式撮像装置は光学ブロック,イメージセンサおよびタイミングジェネレータを備え、タイミングジェネレータは撮像レート制御信号生成器および電子シャッタ互換器を備える。撮像レート制御信号生成器は、所定のシステムクロックに同期した撮像レート制御信号を撮像レート目標値設定信号から生成する。電子シャッタ互換器は、ロータリシャッタ開口角設定信号を変換して電子シャッタ制御信号を生成する。これによって、映画フィルムに匹敵するようなスルー再生映像が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−219397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、システムクロックの周波数によっては、外部電磁界とクロックとの相互干渉によってノイズが発生し、これによって記録画質が劣化するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、記録性能を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動手段(S1~S3)、第1駆動手段の駆動によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示手段(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動手段に代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動手段(S19~S21)、第2駆動手段の駆動によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録手段(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更手段(S43~S51)を備える。
【0007】
好ましくは、第1駆動手段はクロックの周波数を第1周波数帯域に属する周波数に設定する第1周波数設定手段(S1)を含み、第2駆動手段はクロックの周波数を第1周波数帯域と異なる第2周波数帯域に属する周波数に設定する第2周波数設定手段(S19)を含み、変更手段は第2周波数帯域において周波数を変更する。
【0008】
さらに好ましくは、第2周波数帯域は第1周波数帯域よりも高い周波数帯域に相当する。
【0009】
好ましくは、撮像手段は、光の強度に応じて異なる量の電荷を各々が生成する複数の受光素子(100, 100, …)、および複数の受光素子に割り当てられた電荷転送路(102, 104)を含み、駆動手段は、複数の受光素子で生成された電荷を電荷転送路に読み出す読み出し手段(90)、および電荷転送路上の電荷をクロックに同期して移動させる移動手段(92~94)を含み、変更手段の変更処理に関連して読み出し手段の処理を制限する制限手段(S23, S27)がさらに備えられる。
【0010】
好ましくは、変更手段は記録指示を受け付けてから記録手段の処理が開始されるまでの間に処理を実行する。
【0011】
好ましくは、撮像手段の出力をディジタルデータに変換する変換手段(24)がさらに備えられ、変更手段は、固定パターンを有するノイズデータを特定ノイズに相当するデータとして変換手段の出力から検出するノイズデータ検出手段(S43)、およびノイズデータ検出手段によって検出されたノイズデータの値が基準を上回るとき周波数を変更する周波数変更手段(S45~S51)を含む。
【0012】
この発明に従う撮像制御プログラムは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(36)に、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動ステップ(S1~S3)、第1駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動ステップに代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動ステップ(S19~S21)、第2駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動ステップの処理による撮像手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更ステップ(S43~S51)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0013】
この発明に従う撮像制御方法は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)によって実行される撮像制御方法であって、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動ステップ(S1~S3)、第1駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動ステップに代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動ステップ(S19~S21)、第2駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動ステップの処理による撮像手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更ステップ(S43~S51)を備える。
【0014】
この発明に従う外部制御プログラムは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、およびメモリ(44)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(36)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動ステップ(S1~S3)、第1駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動ステップに代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動ステップ(S19~S21)、第2駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動ステップの処理による撮像手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更ステップ(S43~S51)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0015】
この発明に従う電子カメラ(10)は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(46)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(44)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(36)を備える電子カメラであって、外部制御プログラムは、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動ステップ(S1~S3)、第1駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動ステップに代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動ステップ(S19~S21)、第2駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動ステップの処理による撮像手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更ステップ(S43~S51)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、記録指示を受け付ける前は、低解像度を有する電子画像が撮像手段から出力される。これによって、表示手段を利用して構図を調整する段階での消費電力を抑えることができる。記録指示を受け付けると、高解像度を有する電子画像が撮像手段から出力される。これによって、記録画像の品質が向上する。また、クロックとの干渉に起因するノイズが検知されると、クロックの周波数が変更される。これによって、ノイズに起因する記録画像の品質の劣化が回避される。こうして、記録性能が向上する。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図4】図2実施例に適用されるCPUによって参照されるテーブルの一例を示す図解図である。
【図5】図4実施例に適用されるクロック発生回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図2実施例に適用されるTGの構成の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例に適用されるCCDイメージャの構成の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0020】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。撮像手段1は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。第1駆動手段2は、撮像手段1の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段1を駆動する。表示手段3は、第1駆動手段2の駆動によって撮像手段1から出力された電子画像を表示する。第2駆動手段4は、記録指示を受け付けたとき第1駆動手段2に代えて起動され、撮像手段1の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段1を駆動する。記録手段5は、第2駆動手段4の駆動によって撮像手段1から出力された電子画像を記録する。変更手段6は、クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動手段4の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する。
【0021】
記録指示を受け付ける前は、低解像度を有する電子画像が撮像手段から出力される。これによって、表示手段を利用して構図を調整する段階での消費電力を抑えることができる。記録指示を受け付けると、高解像度を有する電子画像が撮像手段から出力される。これによって、記録画像の品質が向上する。また、クロックとの干渉に起因するノイズが検知されると、クロックの周波数が変更される。これによって、ノイズに起因する記録画像の品質の劣化が回避される。こうして、記録性能が向上する。
[実施例]
【0022】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た光学像は、インターライン転送型のCCDイメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。
【0023】
電源が投入されると、CPU32は、基準クロックが周波数帯域FR1に属する周波数F1(=20MHz;図3参照)を示すようにクロック発生回路20の設定を調整し、低解像度モードをTG(Timing Generator)22に設定し、そして動画取り込み&表示処理の実行を信号処理回路26およびLCDドライバ32に命令する。
【0024】
クロック発生回路20は、周波数F1を有する基準クロックを出力する。また、TG22は、低解像度モードに従う態様でCCDイメージャ16を駆動する処理を、クロック発生回路20から出力された基準クロックに基づいて実行する。
【0025】
具体的には、TG22は、撮像面の露光時間を定義する電荷掃き捨てパルス,露光によって生成された電荷を撮像面から読み出す電荷読み出しパルス,読み出された電荷を転送する垂直転送パルスおよび水平転送パルスを低解像度モードに適合する態様でCCDイメージャ16に与える。この結果、撮像面から読み出された電荷に基づく低解像度の生画像信号が、ラスタ走査態様でCCDイメージャ16から繰り返し出力される。
【0026】
CDS/AGC/AD回路24は、CCDイメージャ16から出力された生画像信号に相関二重サンプリング,自動ゲイン調整,A/D変換の一連の処理を施し、ディジタル信号である生画像データを作成する。作成された生画像データは、信号処理回路26によって白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施される。これによって生成されたYUV形式の画像データは、メモリ制御回路28を通してSDRAM30の動画エリア30aに書き込まれる。
【0027】
LCDドライバ32は、動画エリア30aに格納された画像データをメモリ制御回路28を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ34を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0028】
信号処理回路26によって作成された画像データを形成するYデータは、CPU36にも与えられる。CPU36は、与えられたYデータにAE処理を施して適正EV値を算出し、算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間をドライバ18bおよびTG22にそれぞれ設定する。これによって、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0029】
キー入力装置38に設けられたシャッタボタン38shが半押しされると、CPU36は、信号処理回路26から与えられたYデータに厳格AE処理を施して最適EV値を算出する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよびTG22にそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが最適値に調整される。CPU36はまた、信号処理回路26から与えられたYデータの高周波成分にAF処理を施す。これによってフォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0030】
シャッタボタン38shが全押しされると、CPU36は、動画取り込み&表示処理の中断を信号処理回路26およびLCDドライバ32に命令する。この結果、スルー画像の表示が中断される。
【0031】
CPU36は続いて、基準クロックが周波数帯域FR2に属する周波数F2_1(=40MHz;図3参照)を示すようにクロック発生回路20の設定を調整し、高解像度モードをTG22に設定し、電荷掃き捨てパルス,電荷読み出しパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスのうち電荷読み出しパルスの出力の中断をTG22に命令する。
【0032】
クロック発生回路20は、周波数F2_1を有する基準クロックを出力する。TG22は、電荷掃き捨てパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスを高解像度モードに従う態様で出力する処理を、周波数F2_1を有する基準クロックに基づいて実行する。
【0033】
ディジタルカメラ10の周辺に強電磁界が存在すると、周波数F2_1を有する基準クロックやTG22から出力される上述のパルスと強電磁界との相互干渉に起因するノイズが、CCDイメージャ16の出力端からCDS/AGC/AD回路24の入力端までの伝送路に重畳されるおそれがある。
【0034】
このようなノイズを抑制するべく、以下のノイズ対策処理がCPU36によって実行される。クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数は、“F2_1”〜“F2_9”の間で変更される(周波数の値は図4に示す)。このような周波数調整処理と並列して、固定パターンノイズに相当するデータがCDS/AGC/AD24の出力から検出される。検出されたデータ値は基準値REFと比較され、基準クロックの周波数は基準値REFを下回るノイズレベルに対応する周波数または最低のノイズレベルに対応する周波数に設定される。
【0035】
ノイズ対策処理が完了すると、CPU36は、電荷読み出しパルスの出力の再開をTG22に命令する。TG22は、電荷掃き捨てパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスに加えて、電荷読み出しパルスを高解像度モードに従う態様で発生する。この結果、CCDイメージャ16の撮像面で生成された電荷の全てがラスタ走査態様で読み出され、読み出された電荷に基づく高解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から周期的に出力される。
【0036】
CPU36はその後、静止画取り込み処理の実行を信号処理回路26に命令し、記録処理の実行をメモリI/F40に命令する。信号処理回路26は、CCDイメージャ16から出力された最新1フレームの生画像信号に基づくYUV形式の画像データをメモリ制御回路28を通してSDRAM30の静止画エリア30bに書き込む。メモリI/F40は、静止画エリア30bに格納された画像データをメモリ制御回路28を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体42に記録する。
【0037】
クロック発生回路20は、PLL(Phase Lock Loop)方式を採用し、詳しくは図5に示すように構成される。発振器50は、周波数Fosc(=48MHz)を有するOSCクロックをカウンタ52のCLK端子に与える。カウンタ52のRST端子にはまた、比較器54の出力が与えられる。カウンタ52のカウント値は、OSCクロックの立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器54の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0038】
比較器54は、カウンタ52のカウント値を閾値R(=63)と比較し、カウント値が閾値R未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値R以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器54の出力は、閾値Rに相当する期間毎に1クロック期間だけ立ち上がる。
【0039】
一方、電圧制御発振器60は、周波数Fvcoを有するVCOクロックをカウンタ62のCLK端子に与える。カウンタ62のRST端子にはまた、比較器64の出力が与えられる。カウンタ62のカウント値は、VCOクロックの立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器64の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0040】
比較器64は、カウンタ62のカウント値を閾値M(=836〜844)と比較し、カウント値が閾値M未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値M以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器64の出力は、閾値Mに相当する期間毎に1クロック期間だけ立ち上がる。
【0041】
位相比較器56は、比較器54の出力と比較器64の出力との位相差を検出し、検出された位相差に応じて異なるように出力レベルを制御する。位相比較器58の出力はLPF60を経て電圧制御発振器60に与えられる。この結果、周波数Fvcoの値は“Fosc*(2*M/R)”を示すように調整される。
【0042】
分周器66は、VCOクロックの周波数を1/2に分割し、これによって作成された分周クロックをカウンタ68のCLK端子に与える。カウンタ68のRST端子にはまた、比較器70の出力が与えられる。カウンタ68のカウント値は、分周クロックの立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器70の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0043】
比較器70は、カウンタ68のカウント値を閾値P(=32または16)と比較し、カウント値が閾値P未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値P以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器70の出力は閾値Pに相当する期間毎に1クロック期間だけ立ち上がる。このような比較器70の出力が、基準クロックとしてクロック発生回路20から出力される。基準クロックの周波数は、“Fvco/(2*P)”または“Fosc*M/(R*P)”を示すように調整される。
【0044】
低解像度モードでは、比較器64に設定される閾値Mは“840”を示し、比較器70に設定される閾値Pは“32”を示す。この結果、基準クロックの周波数は20MHzに調整される。高解像度モードに移行した当初は、比較器64に設定される閾値Mは“840”を示し、比較器70に設定される閾値Pは“16”を示す。この結果、基準クロックの周波数は40MHzに調整される。
【0045】
ただし、変数Kの値はノイズ対策処理によって“1”〜“9”の間で変更され、閾値Mの値および基準クロックの周波数は図4に示すテーブルTBLに記述された値の間で変更される。
【0046】
具体的には、閾値Mおよびクロック周波数は、K=1に対応して“840”および“40MHz”に設定され、K=2に対応して“839”および“39.952MHz”に設定され、K=3に対応して“841”および“40.048MHz”に設定される。
【0047】
閾値Mおよびクロック周波数はまた、K=4に対応して“838”および“39.905MHz”に設定され、K=5に対応して“842”および“40.095MHz”に設定され、K=6に対応して“837”および“39.857MHz”に設定される。
【0048】
閾値Mおよびクロック周波数はさらに、K=7に対応して“843”および“40.143MHz”に設定され、K=8に対応して“836”および“39.810MHz”に設定され、そしてK=9に対応して“844”および“40.190MHz”に設定される。
【0049】
TG22は、図6に示すように構成される。クロック発生回路20から出力された基準クロックは、Hカウンタ50のCLK端子に与えられる。Hカウンタ50のRST端子にはまた、比較器52の出力が与えられる。Hカウンタ50のカウント値は、基準クロックの立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器52の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0050】
比較器52は、Hカウンタ50のカウント値を閾値REF_Hと比較し、カウント値が閾値REF_H未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値REF_H以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器52の出力は、閾値REF_Hに相当する期間毎(=1水平ライン期間毎)に1クロック期間だけ立ち上がる。
【0051】
比較器52の出力は、Vカウンタ54のCLK端子に与えられる。Vカウンタ54のRST端子にはまた、比較器56の出力が与えられる。Vカウンタ54のカウント値は、比較器52の出力の立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器56の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0052】
比較器56は、Vカウンタ54のカウント値を閾値REF_Vと比較し、カウント値が閾値REF_V未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値REF_V以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器56の出力は、閾値REF_Vに相当する期間毎(=1フレーム期間毎)に1水平ライン期間だけ立ち上がる。
【0053】
Hカウンタ50のカウント値およびVカウンタ54のカウント値は、デコーダ58〜64の各々に与えられる。デコーダ58は、与えられたカウント値とCPU36によって調整された露光時間とに基づいて電荷掃き捨てパルスを作成する。デコーダ60は与えられたカウント値に基づいて電荷読み出しパルスを作成し、デコーダ62は与えられたカウント値に基づいて垂直転送パルスを作成し、デコーダ64は与えられたカウント値に基づいて水平転送パルスを作成する。
【0054】
ここで、閾値REF_HおよびREF_Vおよびデコーダ58〜64の設定は、低解像度モードおよび高解像度モードの各々に適合するように適宜変更される。この結果、電荷掃き捨てパルス,電荷読み出しパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスは、クロック発生回路20から出力された基準クロックに基づいて、低解像度モードおよび高解像度モードに各々に適合する態様で出力される。
【0055】
CCDイメージャ16は、図7に示すように構成される。撮像面には、複数の受光素子100,100,…が平面状に配列される。共通の垂直列を形成する複数の受光素子100,100,…は、共通の垂直列を形成する複数の垂直転送CCD102,102,…とそれぞれ接続される。また、垂直方向の終端において水平方向に並ぶ複数の垂直転送CCD102,102,…は、水平方向に並ぶ複数の水平転送CCD104,104,…とそれぞれ接続される。さらに、水平方向の終端に設けられた水平転送CCD104には、ディフュージョンアンプ106が接続される。
【0056】
各受光素子100で生成された電荷は、デコーダ88から出力された電荷掃き捨てパルスに応答して掃き捨てられ、デコーダ90から出力された電荷読み出しパルスに応答して垂直転送CCD102に読み出される。読み出された電荷はデコーダ92から出力された垂直転送パルスに応答して垂直方向に転送され、水平転送CCD104に達した電荷はデコーダ94から出力された水平転送パルスに応答して水平方向に転送される。
【0057】
この結果、撮像面で生成された電荷は、ラスタ走査態様で終端の水平転送CCD104から出力される。ディフュージョンアンプ106は、こうして転送された電荷を電圧信号に変換し、変換された電圧信号を生画像信号として出力する。なお、1つの受光素子100が1つの画素に相当し、CCDイメージャ16から出力される生画像信号の解像度は、撮像面に設けられた受光素子100の数によって定義される。
【0058】
CPU36は、図8〜図10に示す撮像タスクを含む複数のタスクをマルチタスクOSの下で並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0059】
図8を参照して、ステップS1では、比較器64によって参照される閾値Mを“840”に設定し、比較器70によって参照される閾値Pを“32”に設定する。この結果、クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数は、“F1”(=20MHz)に調整される。ステップS3では、低解像度モードをTG22に設定する。TG22は、電荷掃き捨てパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスを低解像度モードに従う態様で出力する処理を、クロック発生回路20から出力された基準クロックに基づいて実行する。この結果、低解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から周期的に出力される。
【0060】
ステップS5では、動画取り込み&表示処理の実行を信号処理回路26およびLCDドライバ32に命令する。信号処理回路26はCCDイメージャ16から出力された生画像信号に基づいてYUV形式の画像データを作成し、LCDドライバ32は信号処理回路26によって作成された画像データに基づいてLCDモニタ34を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すスルー画像がLCDモニタ34に表示される。
【0061】
ステップS7ではシャッタボタン34shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限りステップS9の簡易AE処理を繰り返し実行する。この結果、LCDモニタ34に表示されたスルー画像の明るさが適度に調整される。ステップS7の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS11で厳格AE処理およびAF処理を実行する。厳格AE処理の結果、LCDモニタ34に表示されたスルー画像の明るさが厳格に調整される。また、AF処理の結果、LCDモニタ34に表示されたスルー画像の鮮鋭度が厳格に調整される。
【0062】
ステップS13ではシャッタボタン38shが全押しされたか否かを判別し、ステップS15ではシャッタボタン38shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS15の判別結果がYESであればステップS7に戻り、ステップS13の判別結果がYESであればステップS17に進む。
【0063】
ステップS17では動画取り込み&表示処理の中断を信号処理回路26およびLCDドライバ32に命令し、ステップS19では閾値MおよびPを“840”および“16”に設定し、ステップS21では、高解像度モードをTG22に設定する。
【0064】
ステップS17の処理の結果、スルー画像の表示が中断される。また、ステップS19の処理の結果、クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数が“F2_1”(=40MHz)に変更される。さらに、ステップS21の処理の結果、TG22は、電荷掃き捨てパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスを高解像度モードに従う態様で出力する処理を、変更後の基準クロックに基づいて実行する。
【0065】
ステップS23ではTG22に設けられた電荷読み出し用のデコーダ90を停止し、ステップS25ではノイズ対策処理を実行する。ノイズ対策処理では、クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数が周波数帯域FR2に属する周波数F2_1〜F2_9の間で変更される。これによって、周辺で発生した強電磁界との相互干渉に起因するノイズが低減される。
【0066】
ノイズ対策処理が完了すると、電荷読み出し用のデコーダ90をステップS27で再起動する。これによって電荷読み出しが再開され、高解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から繰り返し出力される。
【0067】
ステップS29では静止画取り込み処理の実行を信号処理回路26に命令し、ステップS31では記録処理の実行をメモリI/F40に命令する。
【0068】
ステップS29の処理の結果、CCDイメージャ16から出力された最新1フレームの生画像信号に基づくYUV形式の画像データが、メモリ制御回路28を通してSDRAM30の静止画エリア30bに書き込まれる。ステップ31で発行された命令を受けたメモリI/F40は、静止画エリア30bに格納された画像データをメモリ制御回路28を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体42に記録する。記録処理が完了すると、ステップS1に戻る。
【0069】
図9に示すステップS25のノイズ対策処理は、図10に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS41では変数Kを“1”に設定し、ステップS43ではCDS/AGC/AD回路24の出力から固定パターンノイズに相当するデータを検出する。検出にあたっては、フーリエ変換を利用する。ステップS45では、検出されたデータ値(=ノイズレベル)が基準値REF以下であるか否かを判別する。判別結果がYESであれば上階層のルーチンに復帰し、判別結果がNOであればステップS47に進む。
【0070】
ステップS47では変数Kをインクリメントし、ステップS49では変数Kが“9”を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS41に進み、変数Kの値に割り当てられた閾値Mの値をテーブルTBLから読み出し、図5に示す比較器64によって参照される閾値Mの値をテーブルTBLから読み出された値に更新する。この結果、クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数は、テーブルTBLにおいて変数Kの値に割り当てられた数値に調整される。ステップS41の処理が完了すると、ステップS43に戻る。
【0071】
ステップS49の判別結果がYESであれば、ステップS53に進む。ステップS53では、周波数F2_1〜F2_9に対応してステップS43で検出された9個の固定パターンノイズの中から最低レベルの固定パターンノイズを特定し、比較器64によって参照される閾値Mの値を特定された固定パターンノイズに対応する値に更新する。クロック発生回路20から出力される基準クロックは、更新された閾値Mの値に従う周波数を示すように調整される。ステップS53の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0072】
以上の説明から分かるように、基準クロックの周波数は当初、低域の周波数帯域FR1に属する周波数F1に設定される(S1~S3)。TG22は、低解像度モードに従う態様でCCDイメージャ16を駆動する処理を初期設定された基準クロックに基づいて実行する。LCDモニタ34には、CCDイメージャ16の出力に基づくスルー画像が表示される(S5)。シャッタボタン38shが全押しされると、基準クロックの周波数は高域の周波数帯域FR2に属する周波数F2_1に変更される(S19~S21)。TG22は、高解像度モードに従う態様でCCDイメージャ16を駆動する処理を、変更後の基準クロックに基づいて実行する。ただし、変更後の基準クロックとの干渉に起因するノイズが検知されると、基準クロックの周波数が周波数帯域FR2において微調整される(S43~S51)。その後のCCDイメージャ16からの出力に基づく画像データは、記録媒体42に記録される(S29~S31)。
【0073】
このように、シャッタボタン38shが全押しされる前の段階では、低解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から出力される。これによって、LCDモニタ34を利用して構図を調整する段階での消費電力を抑えることができる。シャッタボタン38shが全押しされると、高解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から出力される。これによって、記録画像の品質が向上する。さらに、切り換え後の基準クロックとの干渉に起因するノイズが検知されると、基準クロックの周波数が周波数帯域FR2の範囲内で微調整される。これによって、記録画像の品質の劣化が回避される。こうして、記録性能が向上する。
【0074】
なお、この実施例では、シャッタボタン38shの操作に応答して1フレームの画像データを記録するスチルカメラを想定しているが、この発明はムービーボタンの操作に応答して複数フレームの画像データを記録するムービーカメラにも適用できる。この場合、ノイズ対策処理は、ムービーボタンが操作されてから動画記録が開始されるまでの間に実行される。
【0075】
また、この実施例では、基準クロックとの相互干渉に起因するノイズを正確に検知するために、ノイズ対策処理に先立って電荷読み出し用のデコーダ90を停止するようにしている。しかし、電荷読み出しを停止する代わりに、読み出された電荷を逆方向に転送したり、メカシャッタによって撮像面への入射光を遮断したり、受光素子100で生成された全ての電荷を掃き捨てるようにしてもよい。
【0076】
さらに、この実施例では、シャッタボタン38shの全押しに応答して基準クロックの周波数を“F_1”から“F2_1”に変更し、その後のノイズの検知に応答して基準クロックの周波数を周波数帯域FR2の範囲内で微調整するようにしている。しかし、基準クロックの周波数を当初から“F2_1”に設定し、シャッタボタン38shの全押しに応答してノイズを検知し、そして検知結果に応じて基準クロックの周波数を周波数帯域FR2の範囲内で微調整するようにしてもよい。ただし、この場合は、低解像度モードにおける動作が周波数F2_1を有する基準クロックに応答して実行されるようにTG22の設計を変更する必要がある。
【0077】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、図11に示すように通信I/F46をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0078】
また、この実施例では、CPU36によって実行される処理を上述の要領で複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10 …ディジタルカメラ
16 …CCDイメージャ
18a〜18b …ドライバ
20 …クロック発生回路
22 …TG
24 …CDS/AGC/AD回路
26 …信号処理回路
34 …LCDモニタ
36 …CPU
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に記録指示に応答して撮像装置から出力された画像を記録する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、電子式撮像装置は光学ブロック,イメージセンサおよびタイミングジェネレータを備え、タイミングジェネレータは撮像レート制御信号生成器および電子シャッタ互換器を備える。撮像レート制御信号生成器は、所定のシステムクロックに同期した撮像レート制御信号を撮像レート目標値設定信号から生成する。電子シャッタ互換器は、ロータリシャッタ開口角設定信号を変換して電子シャッタ制御信号を生成する。これによって、映画フィルムに匹敵するようなスルー再生映像が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−219397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、システムクロックの周波数によっては、外部電磁界とクロックとの相互干渉によってノイズが発生し、これによって記録画質が劣化するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、記録性能を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動手段(S1~S3)、第1駆動手段の駆動によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示手段(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動手段に代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動手段(S19~S21)、第2駆動手段の駆動によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録手段(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更手段(S43~S51)を備える。
【0007】
好ましくは、第1駆動手段はクロックの周波数を第1周波数帯域に属する周波数に設定する第1周波数設定手段(S1)を含み、第2駆動手段はクロックの周波数を第1周波数帯域と異なる第2周波数帯域に属する周波数に設定する第2周波数設定手段(S19)を含み、変更手段は第2周波数帯域において周波数を変更する。
【0008】
さらに好ましくは、第2周波数帯域は第1周波数帯域よりも高い周波数帯域に相当する。
【0009】
好ましくは、撮像手段は、光の強度に応じて異なる量の電荷を各々が生成する複数の受光素子(100, 100, …)、および複数の受光素子に割り当てられた電荷転送路(102, 104)を含み、駆動手段は、複数の受光素子で生成された電荷を電荷転送路に読み出す読み出し手段(90)、および電荷転送路上の電荷をクロックに同期して移動させる移動手段(92~94)を含み、変更手段の変更処理に関連して読み出し手段の処理を制限する制限手段(S23, S27)がさらに備えられる。
【0010】
好ましくは、変更手段は記録指示を受け付けてから記録手段の処理が開始されるまでの間に処理を実行する。
【0011】
好ましくは、撮像手段の出力をディジタルデータに変換する変換手段(24)がさらに備えられ、変更手段は、固定パターンを有するノイズデータを特定ノイズに相当するデータとして変換手段の出力から検出するノイズデータ検出手段(S43)、およびノイズデータ検出手段によって検出されたノイズデータの値が基準を上回るとき周波数を変更する周波数変更手段(S45~S51)を含む。
【0012】
この発明に従う撮像制御プログラムは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(36)に、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動ステップ(S1~S3)、第1駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動ステップに代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動ステップ(S19~S21)、第2駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動ステップの処理による撮像手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更ステップ(S43~S51)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0013】
この発明に従う撮像制御方法は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)によって実行される撮像制御方法であって、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動ステップ(S1~S3)、第1駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動ステップに代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動ステップ(S19~S21)、第2駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動ステップの処理による撮像手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更ステップ(S43~S51)を備える。
【0014】
この発明に従う外部制御プログラムは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、およびメモリ(44)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(36)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動ステップ(S1~S3)、第1駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動ステップに代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動ステップ(S19~S21)、第2駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動ステップの処理による撮像手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更ステップ(S43~S51)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0015】
この発明に従う電子カメラ(10)は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(46)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(44)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(36)を備える電子カメラであって、外部制御プログラムは、撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第1駆動ステップ(S1~S3)、第1駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ(S5)、記録指示を受け付けたとき第1駆動ステップに代えて起動され、撮像手段の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段を駆動する第2駆動ステップ(S19~S21)、第2駆動ステップの処理によって撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ(S29~S31)、およびクロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動ステップの処理による撮像手段の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する変更ステップ(S43~S51)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、記録指示を受け付ける前は、低解像度を有する電子画像が撮像手段から出力される。これによって、表示手段を利用して構図を調整する段階での消費電力を抑えることができる。記録指示を受け付けると、高解像度を有する電子画像が撮像手段から出力される。これによって、記録画像の品質が向上する。また、クロックとの干渉に起因するノイズが検知されると、クロックの周波数が変更される。これによって、ノイズに起因する記録画像の品質の劣化が回避される。こうして、記録性能が向上する。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図4】図2実施例に適用されるCPUによって参照されるテーブルの一例を示す図解図である。
【図5】図4実施例に適用されるクロック発生回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図2実施例に適用されるTGの構成の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例に適用されるCCDイメージャの構成の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0020】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。撮像手段1は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。第1駆動手段2は、撮像手段1の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段1を駆動する。表示手段3は、第1駆動手段2の駆動によって撮像手段1から出力された電子画像を表示する。第2駆動手段4は、記録指示を受け付けたとき第1駆動手段2に代えて起動され、撮像手段1の出力が第1解像度よりも高い第2解像度を示すようにクロックに基づいて撮像手段1を駆動する。記録手段5は、第2駆動手段4の駆動によって撮像手段1から出力された電子画像を記録する。変更手段6は、クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき第2駆動手段4の駆動態様を変更することなくクロックの周波数を変更する。
【0021】
記録指示を受け付ける前は、低解像度を有する電子画像が撮像手段から出力される。これによって、表示手段を利用して構図を調整する段階での消費電力を抑えることができる。記録指示を受け付けると、高解像度を有する電子画像が撮像手段から出力される。これによって、記録画像の品質が向上する。また、クロックとの干渉に起因するノイズが検知されると、クロックの周波数が変更される。これによって、ノイズに起因する記録画像の品質の劣化が回避される。こうして、記録性能が向上する。
[実施例]
【0022】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た光学像は、インターライン転送型のCCDイメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。
【0023】
電源が投入されると、CPU32は、基準クロックが周波数帯域FR1に属する周波数F1(=20MHz;図3参照)を示すようにクロック発生回路20の設定を調整し、低解像度モードをTG(Timing Generator)22に設定し、そして動画取り込み&表示処理の実行を信号処理回路26およびLCDドライバ32に命令する。
【0024】
クロック発生回路20は、周波数F1を有する基準クロックを出力する。また、TG22は、低解像度モードに従う態様でCCDイメージャ16を駆動する処理を、クロック発生回路20から出力された基準クロックに基づいて実行する。
【0025】
具体的には、TG22は、撮像面の露光時間を定義する電荷掃き捨てパルス,露光によって生成された電荷を撮像面から読み出す電荷読み出しパルス,読み出された電荷を転送する垂直転送パルスおよび水平転送パルスを低解像度モードに適合する態様でCCDイメージャ16に与える。この結果、撮像面から読み出された電荷に基づく低解像度の生画像信号が、ラスタ走査態様でCCDイメージャ16から繰り返し出力される。
【0026】
CDS/AGC/AD回路24は、CCDイメージャ16から出力された生画像信号に相関二重サンプリング,自動ゲイン調整,A/D変換の一連の処理を施し、ディジタル信号である生画像データを作成する。作成された生画像データは、信号処理回路26によって白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施される。これによって生成されたYUV形式の画像データは、メモリ制御回路28を通してSDRAM30の動画エリア30aに書き込まれる。
【0027】
LCDドライバ32は、動画エリア30aに格納された画像データをメモリ制御回路28を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ34を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0028】
信号処理回路26によって作成された画像データを形成するYデータは、CPU36にも与えられる。CPU36は、与えられたYデータにAE処理を施して適正EV値を算出し、算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間をドライバ18bおよびTG22にそれぞれ設定する。これによって、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0029】
キー入力装置38に設けられたシャッタボタン38shが半押しされると、CPU36は、信号処理回路26から与えられたYデータに厳格AE処理を施して最適EV値を算出する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよびTG22にそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが最適値に調整される。CPU36はまた、信号処理回路26から与えられたYデータの高周波成分にAF処理を施す。これによってフォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0030】
シャッタボタン38shが全押しされると、CPU36は、動画取り込み&表示処理の中断を信号処理回路26およびLCDドライバ32に命令する。この結果、スルー画像の表示が中断される。
【0031】
CPU36は続いて、基準クロックが周波数帯域FR2に属する周波数F2_1(=40MHz;図3参照)を示すようにクロック発生回路20の設定を調整し、高解像度モードをTG22に設定し、電荷掃き捨てパルス,電荷読み出しパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスのうち電荷読み出しパルスの出力の中断をTG22に命令する。
【0032】
クロック発生回路20は、周波数F2_1を有する基準クロックを出力する。TG22は、電荷掃き捨てパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスを高解像度モードに従う態様で出力する処理を、周波数F2_1を有する基準クロックに基づいて実行する。
【0033】
ディジタルカメラ10の周辺に強電磁界が存在すると、周波数F2_1を有する基準クロックやTG22から出力される上述のパルスと強電磁界との相互干渉に起因するノイズが、CCDイメージャ16の出力端からCDS/AGC/AD回路24の入力端までの伝送路に重畳されるおそれがある。
【0034】
このようなノイズを抑制するべく、以下のノイズ対策処理がCPU36によって実行される。クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数は、“F2_1”〜“F2_9”の間で変更される(周波数の値は図4に示す)。このような周波数調整処理と並列して、固定パターンノイズに相当するデータがCDS/AGC/AD24の出力から検出される。検出されたデータ値は基準値REFと比較され、基準クロックの周波数は基準値REFを下回るノイズレベルに対応する周波数または最低のノイズレベルに対応する周波数に設定される。
【0035】
ノイズ対策処理が完了すると、CPU36は、電荷読み出しパルスの出力の再開をTG22に命令する。TG22は、電荷掃き捨てパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスに加えて、電荷読み出しパルスを高解像度モードに従う態様で発生する。この結果、CCDイメージャ16の撮像面で生成された電荷の全てがラスタ走査態様で読み出され、読み出された電荷に基づく高解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から周期的に出力される。
【0036】
CPU36はその後、静止画取り込み処理の実行を信号処理回路26に命令し、記録処理の実行をメモリI/F40に命令する。信号処理回路26は、CCDイメージャ16から出力された最新1フレームの生画像信号に基づくYUV形式の画像データをメモリ制御回路28を通してSDRAM30の静止画エリア30bに書き込む。メモリI/F40は、静止画エリア30bに格納された画像データをメモリ制御回路28を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体42に記録する。
【0037】
クロック発生回路20は、PLL(Phase Lock Loop)方式を採用し、詳しくは図5に示すように構成される。発振器50は、周波数Fosc(=48MHz)を有するOSCクロックをカウンタ52のCLK端子に与える。カウンタ52のRST端子にはまた、比較器54の出力が与えられる。カウンタ52のカウント値は、OSCクロックの立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器54の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0038】
比較器54は、カウンタ52のカウント値を閾値R(=63)と比較し、カウント値が閾値R未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値R以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器54の出力は、閾値Rに相当する期間毎に1クロック期間だけ立ち上がる。
【0039】
一方、電圧制御発振器60は、周波数Fvcoを有するVCOクロックをカウンタ62のCLK端子に与える。カウンタ62のRST端子にはまた、比較器64の出力が与えられる。カウンタ62のカウント値は、VCOクロックの立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器64の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0040】
比較器64は、カウンタ62のカウント値を閾値M(=836〜844)と比較し、カウント値が閾値M未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値M以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器64の出力は、閾値Mに相当する期間毎に1クロック期間だけ立ち上がる。
【0041】
位相比較器56は、比較器54の出力と比較器64の出力との位相差を検出し、検出された位相差に応じて異なるように出力レベルを制御する。位相比較器58の出力はLPF60を経て電圧制御発振器60に与えられる。この結果、周波数Fvcoの値は“Fosc*(2*M/R)”を示すように調整される。
【0042】
分周器66は、VCOクロックの周波数を1/2に分割し、これによって作成された分周クロックをカウンタ68のCLK端子に与える。カウンタ68のRST端子にはまた、比較器70の出力が与えられる。カウンタ68のカウント値は、分周クロックの立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器70の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0043】
比較器70は、カウンタ68のカウント値を閾値P(=32または16)と比較し、カウント値が閾値P未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値P以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器70の出力は閾値Pに相当する期間毎に1クロック期間だけ立ち上がる。このような比較器70の出力が、基準クロックとしてクロック発生回路20から出力される。基準クロックの周波数は、“Fvco/(2*P)”または“Fosc*M/(R*P)”を示すように調整される。
【0044】
低解像度モードでは、比較器64に設定される閾値Mは“840”を示し、比較器70に設定される閾値Pは“32”を示す。この結果、基準クロックの周波数は20MHzに調整される。高解像度モードに移行した当初は、比較器64に設定される閾値Mは“840”を示し、比較器70に設定される閾値Pは“16”を示す。この結果、基準クロックの周波数は40MHzに調整される。
【0045】
ただし、変数Kの値はノイズ対策処理によって“1”〜“9”の間で変更され、閾値Mの値および基準クロックの周波数は図4に示すテーブルTBLに記述された値の間で変更される。
【0046】
具体的には、閾値Mおよびクロック周波数は、K=1に対応して“840”および“40MHz”に設定され、K=2に対応して“839”および“39.952MHz”に設定され、K=3に対応して“841”および“40.048MHz”に設定される。
【0047】
閾値Mおよびクロック周波数はまた、K=4に対応して“838”および“39.905MHz”に設定され、K=5に対応して“842”および“40.095MHz”に設定され、K=6に対応して“837”および“39.857MHz”に設定される。
【0048】
閾値Mおよびクロック周波数はさらに、K=7に対応して“843”および“40.143MHz”に設定され、K=8に対応して“836”および“39.810MHz”に設定され、そしてK=9に対応して“844”および“40.190MHz”に設定される。
【0049】
TG22は、図6に示すように構成される。クロック発生回路20から出力された基準クロックは、Hカウンタ50のCLK端子に与えられる。Hカウンタ50のRST端子にはまた、比較器52の出力が与えられる。Hカウンタ50のカウント値は、基準クロックの立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器52の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0050】
比較器52は、Hカウンタ50のカウント値を閾値REF_Hと比較し、カウント値が閾値REF_H未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値REF_H以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器52の出力は、閾値REF_Hに相当する期間毎(=1水平ライン期間毎)に1クロック期間だけ立ち上がる。
【0051】
比較器52の出力は、Vカウンタ54のCLK端子に与えられる。Vカウンタ54のRST端子にはまた、比較器56の出力が与えられる。Vカウンタ54のカウント値は、比較器52の出力の立ち上がりに応答してインクリメントされ、比較器56の出力の立ち上がりに応答してリセットされる。
【0052】
比較器56は、Vカウンタ54のカウント値を閾値REF_Vと比較し、カウント値が閾値REF_V未満のとき出力をLレベルに設定する一方、カウント値が閾値REF_V以上のとき出力をHレベルに設定する。したがって、比較器56の出力は、閾値REF_Vに相当する期間毎(=1フレーム期間毎)に1水平ライン期間だけ立ち上がる。
【0053】
Hカウンタ50のカウント値およびVカウンタ54のカウント値は、デコーダ58〜64の各々に与えられる。デコーダ58は、与えられたカウント値とCPU36によって調整された露光時間とに基づいて電荷掃き捨てパルスを作成する。デコーダ60は与えられたカウント値に基づいて電荷読み出しパルスを作成し、デコーダ62は与えられたカウント値に基づいて垂直転送パルスを作成し、デコーダ64は与えられたカウント値に基づいて水平転送パルスを作成する。
【0054】
ここで、閾値REF_HおよびREF_Vおよびデコーダ58〜64の設定は、低解像度モードおよび高解像度モードの各々に適合するように適宜変更される。この結果、電荷掃き捨てパルス,電荷読み出しパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスは、クロック発生回路20から出力された基準クロックに基づいて、低解像度モードおよび高解像度モードに各々に適合する態様で出力される。
【0055】
CCDイメージャ16は、図7に示すように構成される。撮像面には、複数の受光素子100,100,…が平面状に配列される。共通の垂直列を形成する複数の受光素子100,100,…は、共通の垂直列を形成する複数の垂直転送CCD102,102,…とそれぞれ接続される。また、垂直方向の終端において水平方向に並ぶ複数の垂直転送CCD102,102,…は、水平方向に並ぶ複数の水平転送CCD104,104,…とそれぞれ接続される。さらに、水平方向の終端に設けられた水平転送CCD104には、ディフュージョンアンプ106が接続される。
【0056】
各受光素子100で生成された電荷は、デコーダ88から出力された電荷掃き捨てパルスに応答して掃き捨てられ、デコーダ90から出力された電荷読み出しパルスに応答して垂直転送CCD102に読み出される。読み出された電荷はデコーダ92から出力された垂直転送パルスに応答して垂直方向に転送され、水平転送CCD104に達した電荷はデコーダ94から出力された水平転送パルスに応答して水平方向に転送される。
【0057】
この結果、撮像面で生成された電荷は、ラスタ走査態様で終端の水平転送CCD104から出力される。ディフュージョンアンプ106は、こうして転送された電荷を電圧信号に変換し、変換された電圧信号を生画像信号として出力する。なお、1つの受光素子100が1つの画素に相当し、CCDイメージャ16から出力される生画像信号の解像度は、撮像面に設けられた受光素子100の数によって定義される。
【0058】
CPU36は、図8〜図10に示す撮像タスクを含む複数のタスクをマルチタスクOSの下で並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0059】
図8を参照して、ステップS1では、比較器64によって参照される閾値Mを“840”に設定し、比較器70によって参照される閾値Pを“32”に設定する。この結果、クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数は、“F1”(=20MHz)に調整される。ステップS3では、低解像度モードをTG22に設定する。TG22は、電荷掃き捨てパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスを低解像度モードに従う態様で出力する処理を、クロック発生回路20から出力された基準クロックに基づいて実行する。この結果、低解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から周期的に出力される。
【0060】
ステップS5では、動画取り込み&表示処理の実行を信号処理回路26およびLCDドライバ32に命令する。信号処理回路26はCCDイメージャ16から出力された生画像信号に基づいてYUV形式の画像データを作成し、LCDドライバ32は信号処理回路26によって作成された画像データに基づいてLCDモニタ34を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すスルー画像がLCDモニタ34に表示される。
【0061】
ステップS7ではシャッタボタン34shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限りステップS9の簡易AE処理を繰り返し実行する。この結果、LCDモニタ34に表示されたスルー画像の明るさが適度に調整される。ステップS7の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS11で厳格AE処理およびAF処理を実行する。厳格AE処理の結果、LCDモニタ34に表示されたスルー画像の明るさが厳格に調整される。また、AF処理の結果、LCDモニタ34に表示されたスルー画像の鮮鋭度が厳格に調整される。
【0062】
ステップS13ではシャッタボタン38shが全押しされたか否かを判別し、ステップS15ではシャッタボタン38shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS15の判別結果がYESであればステップS7に戻り、ステップS13の判別結果がYESであればステップS17に進む。
【0063】
ステップS17では動画取り込み&表示処理の中断を信号処理回路26およびLCDドライバ32に命令し、ステップS19では閾値MおよびPを“840”および“16”に設定し、ステップS21では、高解像度モードをTG22に設定する。
【0064】
ステップS17の処理の結果、スルー画像の表示が中断される。また、ステップS19の処理の結果、クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数が“F2_1”(=40MHz)に変更される。さらに、ステップS21の処理の結果、TG22は、電荷掃き捨てパルス,垂直転送パルスおよび水平転送パルスを高解像度モードに従う態様で出力する処理を、変更後の基準クロックに基づいて実行する。
【0065】
ステップS23ではTG22に設けられた電荷読み出し用のデコーダ90を停止し、ステップS25ではノイズ対策処理を実行する。ノイズ対策処理では、クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数が周波数帯域FR2に属する周波数F2_1〜F2_9の間で変更される。これによって、周辺で発生した強電磁界との相互干渉に起因するノイズが低減される。
【0066】
ノイズ対策処理が完了すると、電荷読み出し用のデコーダ90をステップS27で再起動する。これによって電荷読み出しが再開され、高解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から繰り返し出力される。
【0067】
ステップS29では静止画取り込み処理の実行を信号処理回路26に命令し、ステップS31では記録処理の実行をメモリI/F40に命令する。
【0068】
ステップS29の処理の結果、CCDイメージャ16から出力された最新1フレームの生画像信号に基づくYUV形式の画像データが、メモリ制御回路28を通してSDRAM30の静止画エリア30bに書き込まれる。ステップ31で発行された命令を受けたメモリI/F40は、静止画エリア30bに格納された画像データをメモリ制御回路28を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体42に記録する。記録処理が完了すると、ステップS1に戻る。
【0069】
図9に示すステップS25のノイズ対策処理は、図10に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS41では変数Kを“1”に設定し、ステップS43ではCDS/AGC/AD回路24の出力から固定パターンノイズに相当するデータを検出する。検出にあたっては、フーリエ変換を利用する。ステップS45では、検出されたデータ値(=ノイズレベル)が基準値REF以下であるか否かを判別する。判別結果がYESであれば上階層のルーチンに復帰し、判別結果がNOであればステップS47に進む。
【0070】
ステップS47では変数Kをインクリメントし、ステップS49では変数Kが“9”を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS41に進み、変数Kの値に割り当てられた閾値Mの値をテーブルTBLから読み出し、図5に示す比較器64によって参照される閾値Mの値をテーブルTBLから読み出された値に更新する。この結果、クロック発生回路20から出力される基準クロックの周波数は、テーブルTBLにおいて変数Kの値に割り当てられた数値に調整される。ステップS41の処理が完了すると、ステップS43に戻る。
【0071】
ステップS49の判別結果がYESであれば、ステップS53に進む。ステップS53では、周波数F2_1〜F2_9に対応してステップS43で検出された9個の固定パターンノイズの中から最低レベルの固定パターンノイズを特定し、比較器64によって参照される閾値Mの値を特定された固定パターンノイズに対応する値に更新する。クロック発生回路20から出力される基準クロックは、更新された閾値Mの値に従う周波数を示すように調整される。ステップS53の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0072】
以上の説明から分かるように、基準クロックの周波数は当初、低域の周波数帯域FR1に属する周波数F1に設定される(S1~S3)。TG22は、低解像度モードに従う態様でCCDイメージャ16を駆動する処理を初期設定された基準クロックに基づいて実行する。LCDモニタ34には、CCDイメージャ16の出力に基づくスルー画像が表示される(S5)。シャッタボタン38shが全押しされると、基準クロックの周波数は高域の周波数帯域FR2に属する周波数F2_1に変更される(S19~S21)。TG22は、高解像度モードに従う態様でCCDイメージャ16を駆動する処理を、変更後の基準クロックに基づいて実行する。ただし、変更後の基準クロックとの干渉に起因するノイズが検知されると、基準クロックの周波数が周波数帯域FR2において微調整される(S43~S51)。その後のCCDイメージャ16からの出力に基づく画像データは、記録媒体42に記録される(S29~S31)。
【0073】
このように、シャッタボタン38shが全押しされる前の段階では、低解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から出力される。これによって、LCDモニタ34を利用して構図を調整する段階での消費電力を抑えることができる。シャッタボタン38shが全押しされると、高解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から出力される。これによって、記録画像の品質が向上する。さらに、切り換え後の基準クロックとの干渉に起因するノイズが検知されると、基準クロックの周波数が周波数帯域FR2の範囲内で微調整される。これによって、記録画像の品質の劣化が回避される。こうして、記録性能が向上する。
【0074】
なお、この実施例では、シャッタボタン38shの操作に応答して1フレームの画像データを記録するスチルカメラを想定しているが、この発明はムービーボタンの操作に応答して複数フレームの画像データを記録するムービーカメラにも適用できる。この場合、ノイズ対策処理は、ムービーボタンが操作されてから動画記録が開始されるまでの間に実行される。
【0075】
また、この実施例では、基準クロックとの相互干渉に起因するノイズを正確に検知するために、ノイズ対策処理に先立って電荷読み出し用のデコーダ90を停止するようにしている。しかし、電荷読み出しを停止する代わりに、読み出された電荷を逆方向に転送したり、メカシャッタによって撮像面への入射光を遮断したり、受光素子100で生成された全ての電荷を掃き捨てるようにしてもよい。
【0076】
さらに、この実施例では、シャッタボタン38shの全押しに応答して基準クロックの周波数を“F_1”から“F2_1”に変更し、その後のノイズの検知に応答して基準クロックの周波数を周波数帯域FR2の範囲内で微調整するようにしている。しかし、基準クロックの周波数を当初から“F2_1”に設定し、シャッタボタン38shの全押しに応答してノイズを検知し、そして検知結果に応じて基準クロックの周波数を周波数帯域FR2の範囲内で微調整するようにしてもよい。ただし、この場合は、低解像度モードにおける動作が周波数F2_1を有する基準クロックに応答して実行されるようにTG22の設計を変更する必要がある。
【0077】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、図11に示すように通信I/F46をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0078】
また、この実施例では、CPU36によって実行される処理を上述の要領で複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10 …ディジタルカメラ
16 …CCDイメージャ
18a〜18b …ドライバ
20 …クロック発生回路
22 …TG
24 …CDS/AGC/AD回路
26 …信号処理回路
34 …LCDモニタ
36 …CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動手段、
前記第1駆動手段の駆動によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示手段、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動手段に代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動手段、
前記第2駆動手段の駆動によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録手段、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記第1駆動手段は前記クロックの周波数を第1周波数帯域に属する周波数に設定する第1周波数設定手段を含み、
前記第2駆動手段は前記クロックの周波数を前記第1周波数帯域と異なる第2周波数帯域に属する周波数に設定する第2周波数設定手段を含み、
前記変更手段は前記第2周波数帯域において前記周波数を変更する、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記第2周波数帯域は前記第1周波数帯域よりも高い周波数帯域に相当する、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記撮像手段は、光の強度に応じて異なる量の電荷を各々が生成する複数の受光素子、および前記複数の受光素子に割り当てられた電荷転送路を含み、
前記駆動手段は、前記複数の受光素子で生成された電荷を前記電荷転送路に読み出す読み出し手段、および前記電荷転送路上の電荷を前記クロックに同期して移動させる移動手段を含み、
前記変更手段の変更処理に関連して前記読み出し手段の処理を制限する制限手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記変更手段は前記記録指示を受け付けてから前記記録手段の処理が開始されるまでの間に処理を実行する、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記撮像手段の出力をディジタルデータに変換する変換手段をさらに備え、
前記変更手段は、固定パターンを有するノイズデータを前記特定ノイズに相当するデータとして前記変換手段の出力から検出するノイズデータ検出手段、および前記ノイズデータ検出手段によって検出されたノイズデータの値が基準を上回るとき前記周波数を変更する周波数変更手段を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項7】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動ステップ、
前記第1駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動ステップに代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動ステップ、
前記第2駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動ステップの処理による前記撮像手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項8】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動ステップ、
前記第1駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動ステップに代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動ステップ、
前記第2駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動ステップの処理による前記撮像手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項9】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動ステップ、
前記第1駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動ステップに代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動ステップ、
前記第2駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動ステップの処理による前記撮像手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項10】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動ステップ、
前記第1駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動ステップに代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動ステップ、
前記第2駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動ステップの処理による前記撮像手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【請求項1】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動手段、
前記第1駆動手段の駆動によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示手段、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動手段に代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動手段、
前記第2駆動手段の駆動によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録手段、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記第1駆動手段は前記クロックの周波数を第1周波数帯域に属する周波数に設定する第1周波数設定手段を含み、
前記第2駆動手段は前記クロックの周波数を前記第1周波数帯域と異なる第2周波数帯域に属する周波数に設定する第2周波数設定手段を含み、
前記変更手段は前記第2周波数帯域において前記周波数を変更する、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記第2周波数帯域は前記第1周波数帯域よりも高い周波数帯域に相当する、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記撮像手段は、光の強度に応じて異なる量の電荷を各々が生成する複数の受光素子、および前記複数の受光素子に割り当てられた電荷転送路を含み、
前記駆動手段は、前記複数の受光素子で生成された電荷を前記電荷転送路に読み出す読み出し手段、および前記電荷転送路上の電荷を前記クロックに同期して移動させる移動手段を含み、
前記変更手段の変更処理に関連して前記読み出し手段の処理を制限する制限手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記変更手段は前記記録指示を受け付けてから前記記録手段の処理が開始されるまでの間に処理を実行する、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記撮像手段の出力をディジタルデータに変換する変換手段をさらに備え、
前記変更手段は、固定パターンを有するノイズデータを前記特定ノイズに相当するデータとして前記変換手段の出力から検出するノイズデータ検出手段、および前記ノイズデータ検出手段によって検出されたノイズデータの値が基準を上回るとき前記周波数を変更する周波数変更手段を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項7】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動ステップ、
前記第1駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動ステップに代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動ステップ、
前記第2駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動ステップの処理による前記撮像手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項8】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動ステップ、
前記第1駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動ステップに代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動ステップ、
前記第2駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動ステップの処理による前記撮像手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項9】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動ステップ、
前記第1駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動ステップに代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動ステップ、
前記第2駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動ステップの処理による前記撮像手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項10】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
前記撮像手段の出力が第1解像度を示すようにクロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第1駆動ステップ、
前記第1駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を表示する表示ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記第1駆動ステップに代えて起動され、前記撮像手段の出力が前記第1解像度よりも高い第2解像度を示すように前記クロックに基づいて前記撮像手段を駆動する第2駆動ステップ、
前記第2駆動ステップの処理によって前記撮像手段から出力された電子画像を記録する記録ステップ、および
前記クロックとの干渉に起因する特定ノイズが検知されたとき前記第2駆動ステップの処理による前記撮像手段の駆動態様を変更することなく前記クロックの周波数を変更する変更ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−31032(P2013−31032A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166221(P2011−166221)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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