電子デバイスおよび電子デバイスの実装方法
【課題】リード線における応力の発生を低減可能な電子デバイスおよび電子デバイスの実装方法の提供。
【解決手段】油圧ハウジング3に取り付けられたフレーム4には、回路基板5が油圧ハウジング3と対向するように取り付けられている。油圧ハウジング3に形成された油圧管路31内の液圧を検出するように、油圧ハウジング3に取り付けられた圧力センサ2のセンサ本体21からは、3本のリード線22が突出している。リード線22の先端は、回路基板5のスルーホール52に挿通された後、はんだ付けされている。各々のリード線22は、センサ本体21に接続された延出部221、回路基板5にはんだ付けされた取付部223、および延出部221と取付部223との間に配置されるとともに、巻回されたコイル部222を備えている。
【解決手段】油圧ハウジング3に取り付けられたフレーム4には、回路基板5が油圧ハウジング3と対向するように取り付けられている。油圧ハウジング3に形成された油圧管路31内の液圧を検出するように、油圧ハウジング3に取り付けられた圧力センサ2のセンサ本体21からは、3本のリード線22が突出している。リード線22の先端は、回路基板5のスルーホール52に挿通された後、はんだ付けされている。各々のリード線22は、センサ本体21に接続された延出部221、回路基板5にはんだ付けされた取付部223、および延出部221と取付部223との間に配置されるとともに、巻回されたコイル部222を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に含まれる電子デバイスおよび電子デバイスの実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板に接続され、発生する応力を低減する導電部材に関する従来技術があった(例えば、特許文献1および特許文献2)。特許文献1に開示された従来技術においては、合成樹脂材料にて形成された回路基板ケースに金属端子をインサートし、金属端子の一端部をコネクタ内に突出させるとともに、他端部を回路基板ケースに取り付けられた基板に電気的に接続している。
【0003】
図11に示すように、上述した特許文献1に開示された金属端子100は、その途中においてS字状に屈曲しており、インサートされた回路基板ケース110から屈曲部101が突出している。突出した金属端子100の端部(図示されていないが、図11において金属端子100の上端部にあたる)は、基板にはんだ付けされている。
この従来技術においては、金属端子100に形成された屈曲部101によって、回路基板ケース110や基板において熱膨張が発生しても、それに起因する位置ずれを吸収し、各部位における応力の発生を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−165003号公報
【特許文献2】特開平11−273941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術に開示された金属端子100は板材の折曲加工により製造され、屈曲部101がS字状を呈しているため、回路基板ケース110や基板に発生した位置ずれや熱膨張の吸収方向に制約があった。すなわち、図11に示すように、Y方向(金属端子100の屈曲方向)およびZ方向(金属端子100の長さ方向)の位置ずれや熱膨張を緩和することはできても、X方向(屈曲方向に対する垂直方向)およびθ方向(金属端子100の長さ方向を軸とした捻じり方向)の位置ずれや熱膨張を吸収することはできなかった。
【0006】
したがって、X方向あるいはθ方向の位置ずれや熱膨張の低減が不十分となり、同方向に発生した応力がはんだ付け部位へ伝わって、悪影響を与える恐れがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リード線における応力の発生を低減可能な電子デバイスおよび電子デバイスの実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る電子デバイスの発明の構成上の特徴は、電子装置の構造体と、構造体に対向して取り付けられた基板との間に配設される電子デバイスであって、構造体に係合されるデバイス本体と、デバイス本体から突出して、先端側が基板に固定されることにより、デバイス本体と基板とを電気的に接続するリード線と、を備え、リード線は巻回されたコイル部を有することである。
【0008】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1の電子デバイスにおいて、リード線を複数備えており、互いに隣り合うリード線同士において、コイル部は、リード線の長さ方向の異なる部位に形成されていることである。
【0009】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2の電子デバイスにおいて、リード線のコイル部よりも先端側には、直線部を有することである。
【0010】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のうちのいずれかの電子デバイスにおいて、コイル部はリード線に重畳する電気ノイズに応じたインダクタンスを有することである。
【0011】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のうちのいずれかの電子デバイスにおいて、コイル部は外部から加わる振動周波数に応じた固有振動数を有することである。
【0012】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至5のうちのいずれかの電子デバイスにおいて、コイル部には絶縁材が被覆されていることである。
【0013】
請求項7に係る電子デバイスの実装方法の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の電子デバイスを構造体および基板に取り付けるための電子デバイスの実装方法において、基板には、リード線の先端側が基板に固定される前に挿通されるスルーホールが形成されており、デバイス本体を構造体に係合させるデバイス取付工程と、リード線の先端側をスルーホールに挿通させるリード線挿通工程と、基板を構造体に取り付ける基板取付工程と、スルーホールに挿通されたリード線を基板にはんだ付けするリード線はんだ付け工程とを備え、リード線はんだ付け工程を、デバイス取付工程および基板取付工程以後に実行することである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る電子デバイスによれば、リード線は巻回されたコイル部を有することにより、構造体および基板の位置ずれや熱膨張をコイル部が吸収して、リード線における応力の発生を低減することができる。
コイル部は対称形状ということもあって方向性が少なく、上述したY方向、Z方向に加えて、X方向およびθ方向といった、あらゆる方向へ撓み可能で、多方向の位置ずれや熱膨張を吸収することができる。そのため、その応力の低減性能に優れており、リード線のはんだ付け部位の剥がれ等を防止することができる。
【0015】
請求項2に係る電子デバイスによれば、互いに隣り合うリード線同士において、コイル部は、リード線の長さ方向の異なる部位に形成されていることにより、隣同士のコイル部が互いに接触することがなく、リード線間のショートあるいは破損を防止することができる。
【0016】
請求項3に係る電子デバイスによれば、リード線のコイル部よりも先端側には直線部を有することにより、容易にリード線を基板に固定することができる。
【0017】
請求項4に係る電子デバイスによれば、コイル部はリード線に重畳する電気ノイズに応じたインダクタンスを有することにより、フィルタ効果によってリード線の電気ノイズを低減し、電子デバイスを正確に作動させることができる。さらに、コイル部の大きさあるいは形状を変更してインダクタンスを調整することにより、排除する電気ノイズの周波数帯域を変化させることができ、あらゆる周波数の電気ノイズに対応することができる。
【0018】
請求項5に係る電子デバイスによれば、コイル部は外部から加わる振動周波数に応じた固有振動数を有することにより、外部振動に起因したコイル部の共振を防ぎ、電子デバイスの破損を防止することができる。
【0019】
請求項6に係る電子デバイスによれば、コイル部には絶縁材が被覆されていることにより、万が一、コイル部同士あるいはコイル部の長さ方向に近接する部分同士が接触しても、簡単な方法でショートを防ぐことができる。
【0020】
請求項7に係る電子デバイスの実装方法によれば、リード線はんだ付け工程を、デバイス取付工程および基板取付工程以後に実行することにより、リード線の先端側を基板にはんだ付けした後に、構造体や基板の位置が変化することを防止して、はんだ付け部位に応力が発生することを防ぐことができる。
すなわち、本実装方法によれば、コイル部が自由長の状態で、リード線の先端部を基板にはんだ付けすることができるため、はんだ付け部位に応力が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1によるブレーキアクチュエータの部分断面図
【図2】リード線に重畳した電気ノイズを排除するためのフィルタ回路を模式的に表した図
【図3】図2に示したフィルタ回路による入力電圧の周波数と入出力電圧比との関係を示した特性図
【図4】図1に示した圧力センサを油圧ハウジングおよび回路基板に取り付けるための工程を説明するための図であって、圧力センサを油圧ハウジングの上方に配置した状態を示した図
【図5】圧力センサを油圧ハウジングに挿入した状態を示した図
【図6】圧力センサが挿入された油圧ハウジングをかしめる工程を示した図
【図7】油圧ハウジングにフレームを取り付ける工程を示した図
【図8】フレームに回路基板を取り付ける工程を示した図
【図9】リード線を回路基板にはんだ付けする工程を示した図
【図10】実施形態2によるブレーキアクチュエータの部分断面図
【図11】従来技術による回路基板ケースに取り付けられた状態の金属端子の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
図1乃至図9に基づき、本発明の実施形態1による圧力センサ2を含んだブレーキアクチュエータ1について説明する。尚、説明中において特に断らなければ、図1における上方をブレーキアクチュエータ1の上方としているが、これは、車両におけるブレーキアクチュエータ1の実際の取付方向とは無関係である。
【0023】
ブレーキアクチュエータ1(特許請求の範囲に記載の電子装置に該当する)は、車両において車輪ブレーキ(図示せず)に加えられるブレーキフルードの圧力を調整するものであり、アンチスキッド制御、トラクションコントロール、車両安定性制御等に使用される。ブレーキアクチュエータ1は、通常、車両のエンジンルームに搭載され、図示しない電磁弁、リザーバ、油圧ポンプ等を備えている。
【0024】
ブレーキアクチュエータ1の油圧ハウジング3は、アルミニウム合金により形成されており、その内部には、ブレーキフルードが流通する油圧管路31が形成されている。油圧管路31は、油圧ハウジング3内において横方向に延びており、油圧管路31の途中部位からは、センサ連通孔32が上方に延びている。
【0025】
また、油圧ハウジング3において、センサ連通孔32の上方には、センサ連通孔32よりも大径の装着孔33が形成されている。さらに、装着孔33よりも上方には、装着孔33よりも大径のかしめ孔34が形成されており、かしめ孔34は、油圧ハウジング3の上端面に開口している。
センサ連通孔32内には、圧力センサ2(本発明の電子デバイスに該当する)のセンサ本体21が装着されている。圧力センサ2については、後に詳述する。
【0026】
油圧ハウジング3の上端面には、フレーム4が取り付けられている。フレーム4は、合成樹脂材料にて一体に形成されており、上下方向に延びた壁部41を有している。壁部41の下端に形成されたフランジ部42は、複数のスクリューSR(図1において、1つのみ示す)によって油圧ハウジング3に固定されている。壁部41は連続した4面により形成されており、略四角筒状を呈している。壁部41の内部の収容部43内には、上述した圧力センサ2が下方から突出している。尚、油圧ハウジング3およびフレーム4を包括した構成が、特許請求の範囲に記載の構造体に該当する。
壁部41の上方部からは、取付縁44が内方に突出しており、取付縁44の上面は平坦に形成されている。取付縁44からは、複数の係合部45が上方に突出しており、各々の係合部45は、スナップフィットファスナーにより形成されている。
【0027】
圧力センサ2はこれに限定されるものではないが、歪ゲージ式圧力センサ、静電容量式圧力センサ等が使用可能である。圧力センサ2は、油圧ハウジング3に取り付けられるセンサ本体21(本発明のデバイス本体に該当する)と、センサ本体21から突出した3本のリード線22(各々、電源ライン、グランドライン、信号ラインを受け持つ)とを備えている。
センサ本体21は、センサ連通孔32に挿入される嵌合部211と、嵌合部211の上方に形成された大径部212と、大径部212を介して嵌合部211と連結された接続部213により形成されている。接続部213には、上述したリード線22が立設されている。
【0028】
嵌合部211の外周面に形成されたリング溝211aには、シールリング214が装着されている。シールリング214の外周面が、センサ連通孔32の内周面に当接することにより、嵌合部211はセンサ連通孔32に対し液密的に嵌合している。また、大径部212は、油圧ハウジング3の装着孔33に嵌合しており、装着孔33の上端部をかしめることにより、センサ本体21を油圧ハウジング3に固定している。
【0029】
図1に示すように、リード線22は、それぞれ接続部213から突出した直線状の延出部221と、延出部221に接続されたコイル部222と、コイル部222よりもリード線22の先端側に形成された取付部223(本発明の直線部に該当する)とを有している。取付部223は、上方へと向けて直線状に延びており、後述するように、はんだ付けにより回路基板5に固定される。
【0030】
また、各々のコイル部222は、リード線22が図1における上下方向(Z軸)を中心軸として、多重の螺旋状に巻回されて形成されている。コイル部222は、これに限定されるものではないが、エナメルのような絶縁材により被覆されており、隣り合ったコイル部222同士あるいは各々のコイル部222の長さ方向に近接する部分同士が、互いに接触して電気的にショートすることを防止している。エナメルは、回路基板5にはんだ付けされる部位を除いて、リード線22の全体に被覆されるようにしてもよい。
【0031】
上述したフレーム4の取付縁44上には、回路基板5(特許請求の範囲に記載の基板に該当する)が取り付けられている。回路基板5上には、制御回路を形成する回路パターン(図示せず)が形成されており、外周部には複数の取付孔51が貫通している。取付孔51にフレーム4の係合部45が挿入されることにより、回路基板5は油圧ハウジング3と対向するように取付縁44上に取り付けられる。取付孔51にスナップフィットファスナーにより形成された係合部45が挿入されることにより、回路基板5はフレーム4から引き抜き不能となる。
【0032】
また、回路基板5には複数のスルーホール52が貫通しており、それぞれのスルーホール52には、リード線22の取付部223が挿通されている。また、回路基板5上に突出したリード線22の取付部223は、回路パターンに対してはんだ付けされ、リード線22によって、センサ本体21と回路基板5上の回路パターンとが電気的に接続されている。
【0033】
圧力センサ2の嵌合部211内には、図示しないダイヤフラムが設けられており、これによってセンサ連通孔32内の液圧を受圧している。ダイヤフラムが受圧した液圧は、電気信号に変換されて、リード線22を介して回路基板5に出力される。
リード線22のコイル部222は、所定のインダクタンスLを有しており、このインダクタンスLは、リード線22に重畳した電気ノイズを排除するローパスフィルタの機能を果たすことができる。すなわちコイル部222は、そのインダクタンスLがリード線22の電気ノイズを排除できるような値となるように形成されている。
【0034】
図2に示すように、コイル部222と回路基板5に設けられたコンデンサ55とによって、リード線22に重畳した電気ノイズを排除するローパスフィルタ回路を形成する。
この回路において、互いに直列に接続されたコイル部222のインダクタンスLと、コンデンサ55のキャパシタンスCとによるインピーダンスZは、Z=jωL−j/ωCとなる。したがって、圧力センサ2によって発生する電圧信号(入力電圧)をViとすれば、回路を流れる電流IはI=Vi/(jωL−j/ωC)となるから、コンデンサ55の両端電圧(出力電圧)はVo=Vi/(1−ω2LC)である。
よって、回路の入出力電圧比Vo/Viは、Vo/Vi=1/(1−ω2LC)となり、ω=2πfを代入すれば、Vo/Vi=1/|1−4π2f2LC|である。
【0035】
ここで、周波数fが下記の(1)式で表されるf0の時、
【数1】
回路は共振して入出力電圧比Vo/Viは最大となり、
周波数fがf<<f0の時、Vo/Vi≒1となる。
【0036】
また、周波数fがf>>f0の時、入出力電圧比Vo/Viは、下記(2)式のようになり、
【数2】
周波数fの増大にともなって出力電圧比Vo/Viは減衰する。
【0037】
上述した特性を線図に表すと、図3に示したようになる。図3において、Rcはブレーキアクチュエータ1の制御に使用される圧力センサ2からの信号の周波数帯域を示し、Rdは除去したいリード線22に重畳した電気ノイズの周波数帯域を表している。
図3から分かるように、実際の低周波数帯域Rcと高周波数帯域Rdとに基づいて、上述した(1)式および(2)式を用いて、コイル部222のインダクタンスLとコンデンサ55のキャパシタンスCを設定すればよい。また、電気ノイズの振幅の大きさに応じて、コンデンサ55のキャパシタンスCを設定してもよい。すなわち、電気ノイズの振幅が大きい場合、コンデンサ55のキャパシタンスCを大きく設定し、電気ノイズの振幅が小さい場合、コンデンサ55のキャパシタンスCも小さく設定すればよい。
尚、コイル部222のインダクタンスLは、L=kμn2S/H(k:長岡係数、μ:コイル部222の半径方向内方の透磁率、n:コイル部222の全巻き数、S:コイル部222の断面積、H:コイル部222の全長)に基づいて、設定することができる。
【0038】
また、外部から圧力センサ2に加わる機械的な振動によるコイル部222の共振を防ぐように、コイル部222の仕様を設定することもできる。すなわち、外部から圧力センサ2に加わる振動周波数をfimとすると、コイル部222の固有振動数fspがfimの数倍以上(例えば、3倍以上)になるように、コイル部222の外形状を設定すればよい。
【0039】
コイル部222の仕様と固有振動数fspとの関係は、下記の(3)式にて示される。
【数3】
【0040】
次に、図4乃至図9に基づき、圧力センサ2の油圧ハウジング3および回路基板5への取付方法について説明する。尚、本実施形態においては、図4乃至図9の上方を取付工程中の上方としているが、本発明による圧力センサ2の取付工程は必ずしもこれに限られたものではなく、油圧ハウジング3および回路基板5をどのような向きにして圧力センサ2を取り付けてもよい。
【0041】
図4に示すように、最初に圧力センサ2を下降させて、嵌合部211を油圧ハウジング3のセンサ連通孔32に挿入していく。そして、嵌合部211をセンサ連通孔32に嵌合させるとともに、大径部212の下面を装着孔33の底面に当接させて、油圧ハウジング3上において圧力センサ2の位置決めを行う(図5示:デバイス位置決め工程)。
【0042】
次に、パンチPCの先端により、かしめ孔34の底面を下方に押圧して大径部212をかしめ、圧力センサ2の油圧ハウジング3への固定を行う(図6示:デバイス固定工程)。デバイス位置決め工程およびデバイス固定工程を包括した工程が、本発明のデバイス取付工程に該当する。その後、スクリューSRにより、フレーム4を油圧ハウジング3の上端面に取り付ける(図7示)。
【0043】
次に、スルーホール52にリード線22の先端側にある取付部223を挿入させながら(図8示:リード線挿通工程)、取付孔51をフレーム4の係合部45に係合させ、回路基板5をフレーム4に対してがたつき無く取り付ける(図8示:基板取付工程)。最後に、回路基板5の上方に突出した取付部223に、はんだ付け装置SDを用いてはんだ付けを行い、リード線22を回路基板5に電気的に接続する(図9示:リード線はんだ付け工程)。
このように、本実施形態による圧力センサ2の取付工程においては、リード線はんだ付け工程が、デバイス取付工程(デバイス位置決め工程およびデバイス固定工程を含む)および基板取付工程よりも、時間的に後に実行されている。
【0044】
本実施形態によれば、リード線22は巻回されたコイル部222を有することにより、油圧ハウジング3、フレーム4および回路基板5等の位置ずれや熱膨張をコイル部222が吸収して、リード線22における応力の発生を低減することができる。
本実施形態によるリード線22のコイル部222は、対称形状ということもあって方向性が少なく、上述した従来技術による金属端子100のように2方向のみでなく、図1に示したX方向(図1における左右方向)、Y方向(図1における紙面に垂直な方向)、Z方向(図1における上下方向)およびθ方向(Z軸を中心とした水平回転方向)といった、あらゆる方向へ撓み可能で、多方向の位置ずれや熱膨張を吸収することができる。そのため、その応力の低減性能に優れており、リード線22のはんだ付け部位の剥がれ等を防止することができる。
【0045】
また、コイル部222は、多重巻き全体の撓みにより応力を緩和できるため、上述した従来技術よりも応力の緩和量を増大させることができる。
また、コイル部222は、多重巻きのコイルにより応力緩和部位を形成しているため、小型化することが可能である。上述した従来技術による金属端子100は板材の折曲加工により製造され、S字状の屈曲部101を有しているため、そのサイズは大きくなりがちである。これに対して、本実施形態によるコイル部222は、そのサイズを小型化しつつ、従来技術と同等の応力緩和量を得ることができる。
また、コイル部222は小型化が可能であるため、コイル部222を形成する時のプレス型も小型化して、コイル部222を短時間で低コストに製造することができる。
【0046】
また、上述した従来技術による金属端子100はS字状に屈曲しているため、順送のプレス型で製造しなければならない。したがって、その型費が増大し、特に、金属端子100の全長を変更した場合に、新たに専用のプレス型を製作しなければならず、コスト高を免れない。
しかしながら、本実施形態によるコイル部222は、マルチプレス等の汎用プレス機を用いて形成でき、その長さを変更しても専用のプレス型を必要としないため、低コストに製造することができる。
また、本実施形態によるリード線22は、コイル部222よりも先端側に直線状の取付部223を有することにより、容易に先端部を回路基板5のスルーホール52に挿通させて、はんだ付けすることができる。
【0047】
また、コイル部222はリード線22に重畳する電気ノイズを排除できるようなインダクタンスを有することにより、そのフィルタ効果によってリード線22の電気ノイズを低減し、圧力センサ2を正確に作動させることができる。
さらに、コイル部222の大きさあるいは形状を変更してインダクタンスを調整することにより、排除する電気ノイズの周波数帯域を変化させることができ、あらゆる周波数の電気ノイズに対応することができる。
【0048】
また、コイル部222は外部から加わる振動による共振を防ぐような固有振動数を有することにより、外部振動に起因したコイル部222の共振を防ぎ、圧力センサ2の破損を防止することができる。
また、コイル部222には絶縁材であるエナメルが被覆されているため、万が一、複数のリード線22のコイル部222同士が接触したとしても、あるいは、1本のリード線22において、各々のコイル部222の長さ方向に近接する部分同士が接触したとしても、ショートすることはない。そのため、例えば、コイル部222の長さ方向に近接する部分同士のショートにより、そのインダクタンスが変化して、ローパスフィルタ回路の特性が変化してしまうことを防ぐことができる。
【0049】
また、リード線はんだ付け工程を、デバイス取付工程および基板取付工程より時間的に後に実行することにより、リード線22の先端部を回路基板5にはんだ付けした後に、油圧ハウジング3、フレーム4および回路基板5の位置が変化することを防止して、はんだ付け部位に応力が発生することを防ぐことができる。
すなわち、本実施形態によれば、コイル部222が自由長の状態で、リード線22の先端部を回路基板5にはんだ付けすることができるため、はんだ付け部位に応力が発生することを防止することができる。
【0050】
<実施形態2>
図10に基づき、本発明の実施形態2による圧力センサ2Aについて説明する。本実施形態による圧力センサ2Aは、センサ本体21から3本のリード線23、23、24が突出した3端子型の圧力センサである。
リード線23、23、24のうち、一対のリード線23、23は全く同一の形状に形成されており、他のリード線24のコイル部242は、隣り合うリード線23、23のコイル部232に対して、その長さ方向の位置が異なっている。
【0051】
すなわち、図10に示すように、リード線23、23、24のコイル部232、232、242自体の大きさおよび形状は全く同一に形成されているが、一対のリード線23、23の延出部231の長さは、残りのリード線24の延出部241の長さに対して短く、一対のリード線23、23の取付部233、233の長さは、残りのリード線24の取付部243の長さに対して長く形成されることにより、隣り合ったリード線23、23とリード線24とで、その長さ方向におけるコイル部232、232、242の位置を互いに異ならせている。
【0052】
本実施形態によれば、互いに隣り合うリード線23、23、24同士において、コイル部232、232、242は、リード線23、23、24の長さ方向の異なる部位に形成されていることにより、隣同士のコイル部232、232、242が互いに接触することがなく、リード線23、23、24間のショートあるいは破損を防止することができる。
【0053】
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明はブレーキアクチュエータ以外の電子装置、例えば、コンピュータ装置、演算装置、通信装置等にも適用可能である。
また、本発明は、リード線が回路基板に接続可能であれば、圧力センサ以外のあらゆる電子デバイスに適用可能である。
【0054】
また、圧力センサおよび回路基板が取り付けられる構造体として、上述した実施形態のように、油圧ハウジングとフレームといった2部材ではなく、1部材で形成されていてもよい。
また、図2に示したフィルタ回路において、コンデンサは必須の構成ではなく、コイル部のみでもローパスフィルタとして機能させることができる。
【0055】
また、圧力センサの油圧ハウジングおよび回路基板への取付方法において、リード線はんだ付け工程は、必ずしもデバイス取付工程および基板取付工程よりも時間的に後に実行しなければならないわけではなく、デバイス取付工程あるいは基板取付工程と同時に実行されてもよい。
【0056】
すなわち、リード線はんだ付け工程が、デバイス取付工程あるいは基板取付工程よりも前に実行されると、リード線の先端部が回路基板に固定されてから、センサ本体あるいは回路基板の位置が変化する恐れがあり、この場合に、はんだ付け部位に応力が発生することがある。
したがって、この不具合を防ぐために本発明においては、リード線はんだ付け工程を、デバイス取付工程および基板取付工程のいずれに対しても、同時あるいはそれ以降に実行するようにしている。
また、本発明は、電子デバイスが圧入、かしめ、ネジ止め、接着剤等によって、構造体上に全く移動不可能な状態で固定されたもののみではなく、電子デバイスがスナップリングと係止したような、構造体上に所定の方向には移動可能に取り付けられるものも含んでいる。本発明によれば、電子デバイスが構造体上に所定の方向には移動可能に取り付けられた場合にも、構造体や基板の熱膨張等による、それ以外の方向への位置ずれに対しては、発生する応力を低減できる十分な効果を有するものである。
【符号の説明】
【0057】
図面中、1はブレーキアクチュエータ(電子装置)、2,2Aは圧力センサ(電子デバイス)、3は油圧ハウジング(構造体)、4はフレーム(構造体)、5は回路基板 (基板)、21はセンサ本体(デバイス本体)、22,23,24はリード線、52はスルーホール、222,232,242はコイル部、223,233,243は取付部(直線部)を示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に含まれる電子デバイスおよび電子デバイスの実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板に接続され、発生する応力を低減する導電部材に関する従来技術があった(例えば、特許文献1および特許文献2)。特許文献1に開示された従来技術においては、合成樹脂材料にて形成された回路基板ケースに金属端子をインサートし、金属端子の一端部をコネクタ内に突出させるとともに、他端部を回路基板ケースに取り付けられた基板に電気的に接続している。
【0003】
図11に示すように、上述した特許文献1に開示された金属端子100は、その途中においてS字状に屈曲しており、インサートされた回路基板ケース110から屈曲部101が突出している。突出した金属端子100の端部(図示されていないが、図11において金属端子100の上端部にあたる)は、基板にはんだ付けされている。
この従来技術においては、金属端子100に形成された屈曲部101によって、回路基板ケース110や基板において熱膨張が発生しても、それに起因する位置ずれを吸収し、各部位における応力の発生を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−165003号公報
【特許文献2】特開平11−273941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術に開示された金属端子100は板材の折曲加工により製造され、屈曲部101がS字状を呈しているため、回路基板ケース110や基板に発生した位置ずれや熱膨張の吸収方向に制約があった。すなわち、図11に示すように、Y方向(金属端子100の屈曲方向)およびZ方向(金属端子100の長さ方向)の位置ずれや熱膨張を緩和することはできても、X方向(屈曲方向に対する垂直方向)およびθ方向(金属端子100の長さ方向を軸とした捻じり方向)の位置ずれや熱膨張を吸収することはできなかった。
【0006】
したがって、X方向あるいはθ方向の位置ずれや熱膨張の低減が不十分となり、同方向に発生した応力がはんだ付け部位へ伝わって、悪影響を与える恐れがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リード線における応力の発生を低減可能な電子デバイスおよび電子デバイスの実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る電子デバイスの発明の構成上の特徴は、電子装置の構造体と、構造体に対向して取り付けられた基板との間に配設される電子デバイスであって、構造体に係合されるデバイス本体と、デバイス本体から突出して、先端側が基板に固定されることにより、デバイス本体と基板とを電気的に接続するリード線と、を備え、リード線は巻回されたコイル部を有することである。
【0008】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1の電子デバイスにおいて、リード線を複数備えており、互いに隣り合うリード線同士において、コイル部は、リード線の長さ方向の異なる部位に形成されていることである。
【0009】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2の電子デバイスにおいて、リード線のコイル部よりも先端側には、直線部を有することである。
【0010】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のうちのいずれかの電子デバイスにおいて、コイル部はリード線に重畳する電気ノイズに応じたインダクタンスを有することである。
【0011】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のうちのいずれかの電子デバイスにおいて、コイル部は外部から加わる振動周波数に応じた固有振動数を有することである。
【0012】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至5のうちのいずれかの電子デバイスにおいて、コイル部には絶縁材が被覆されていることである。
【0013】
請求項7に係る電子デバイスの実装方法の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の電子デバイスを構造体および基板に取り付けるための電子デバイスの実装方法において、基板には、リード線の先端側が基板に固定される前に挿通されるスルーホールが形成されており、デバイス本体を構造体に係合させるデバイス取付工程と、リード線の先端側をスルーホールに挿通させるリード線挿通工程と、基板を構造体に取り付ける基板取付工程と、スルーホールに挿通されたリード線を基板にはんだ付けするリード線はんだ付け工程とを備え、リード線はんだ付け工程を、デバイス取付工程および基板取付工程以後に実行することである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る電子デバイスによれば、リード線は巻回されたコイル部を有することにより、構造体および基板の位置ずれや熱膨張をコイル部が吸収して、リード線における応力の発生を低減することができる。
コイル部は対称形状ということもあって方向性が少なく、上述したY方向、Z方向に加えて、X方向およびθ方向といった、あらゆる方向へ撓み可能で、多方向の位置ずれや熱膨張を吸収することができる。そのため、その応力の低減性能に優れており、リード線のはんだ付け部位の剥がれ等を防止することができる。
【0015】
請求項2に係る電子デバイスによれば、互いに隣り合うリード線同士において、コイル部は、リード線の長さ方向の異なる部位に形成されていることにより、隣同士のコイル部が互いに接触することがなく、リード線間のショートあるいは破損を防止することができる。
【0016】
請求項3に係る電子デバイスによれば、リード線のコイル部よりも先端側には直線部を有することにより、容易にリード線を基板に固定することができる。
【0017】
請求項4に係る電子デバイスによれば、コイル部はリード線に重畳する電気ノイズに応じたインダクタンスを有することにより、フィルタ効果によってリード線の電気ノイズを低減し、電子デバイスを正確に作動させることができる。さらに、コイル部の大きさあるいは形状を変更してインダクタンスを調整することにより、排除する電気ノイズの周波数帯域を変化させることができ、あらゆる周波数の電気ノイズに対応することができる。
【0018】
請求項5に係る電子デバイスによれば、コイル部は外部から加わる振動周波数に応じた固有振動数を有することにより、外部振動に起因したコイル部の共振を防ぎ、電子デバイスの破損を防止することができる。
【0019】
請求項6に係る電子デバイスによれば、コイル部には絶縁材が被覆されていることにより、万が一、コイル部同士あるいはコイル部の長さ方向に近接する部分同士が接触しても、簡単な方法でショートを防ぐことができる。
【0020】
請求項7に係る電子デバイスの実装方法によれば、リード線はんだ付け工程を、デバイス取付工程および基板取付工程以後に実行することにより、リード線の先端側を基板にはんだ付けした後に、構造体や基板の位置が変化することを防止して、はんだ付け部位に応力が発生することを防ぐことができる。
すなわち、本実装方法によれば、コイル部が自由長の状態で、リード線の先端部を基板にはんだ付けすることができるため、はんだ付け部位に応力が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1によるブレーキアクチュエータの部分断面図
【図2】リード線に重畳した電気ノイズを排除するためのフィルタ回路を模式的に表した図
【図3】図2に示したフィルタ回路による入力電圧の周波数と入出力電圧比との関係を示した特性図
【図4】図1に示した圧力センサを油圧ハウジングおよび回路基板に取り付けるための工程を説明するための図であって、圧力センサを油圧ハウジングの上方に配置した状態を示した図
【図5】圧力センサを油圧ハウジングに挿入した状態を示した図
【図6】圧力センサが挿入された油圧ハウジングをかしめる工程を示した図
【図7】油圧ハウジングにフレームを取り付ける工程を示した図
【図8】フレームに回路基板を取り付ける工程を示した図
【図9】リード線を回路基板にはんだ付けする工程を示した図
【図10】実施形態2によるブレーキアクチュエータの部分断面図
【図11】従来技術による回路基板ケースに取り付けられた状態の金属端子の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
図1乃至図9に基づき、本発明の実施形態1による圧力センサ2を含んだブレーキアクチュエータ1について説明する。尚、説明中において特に断らなければ、図1における上方をブレーキアクチュエータ1の上方としているが、これは、車両におけるブレーキアクチュエータ1の実際の取付方向とは無関係である。
【0023】
ブレーキアクチュエータ1(特許請求の範囲に記載の電子装置に該当する)は、車両において車輪ブレーキ(図示せず)に加えられるブレーキフルードの圧力を調整するものであり、アンチスキッド制御、トラクションコントロール、車両安定性制御等に使用される。ブレーキアクチュエータ1は、通常、車両のエンジンルームに搭載され、図示しない電磁弁、リザーバ、油圧ポンプ等を備えている。
【0024】
ブレーキアクチュエータ1の油圧ハウジング3は、アルミニウム合金により形成されており、その内部には、ブレーキフルードが流通する油圧管路31が形成されている。油圧管路31は、油圧ハウジング3内において横方向に延びており、油圧管路31の途中部位からは、センサ連通孔32が上方に延びている。
【0025】
また、油圧ハウジング3において、センサ連通孔32の上方には、センサ連通孔32よりも大径の装着孔33が形成されている。さらに、装着孔33よりも上方には、装着孔33よりも大径のかしめ孔34が形成されており、かしめ孔34は、油圧ハウジング3の上端面に開口している。
センサ連通孔32内には、圧力センサ2(本発明の電子デバイスに該当する)のセンサ本体21が装着されている。圧力センサ2については、後に詳述する。
【0026】
油圧ハウジング3の上端面には、フレーム4が取り付けられている。フレーム4は、合成樹脂材料にて一体に形成されており、上下方向に延びた壁部41を有している。壁部41の下端に形成されたフランジ部42は、複数のスクリューSR(図1において、1つのみ示す)によって油圧ハウジング3に固定されている。壁部41は連続した4面により形成されており、略四角筒状を呈している。壁部41の内部の収容部43内には、上述した圧力センサ2が下方から突出している。尚、油圧ハウジング3およびフレーム4を包括した構成が、特許請求の範囲に記載の構造体に該当する。
壁部41の上方部からは、取付縁44が内方に突出しており、取付縁44の上面は平坦に形成されている。取付縁44からは、複数の係合部45が上方に突出しており、各々の係合部45は、スナップフィットファスナーにより形成されている。
【0027】
圧力センサ2はこれに限定されるものではないが、歪ゲージ式圧力センサ、静電容量式圧力センサ等が使用可能である。圧力センサ2は、油圧ハウジング3に取り付けられるセンサ本体21(本発明のデバイス本体に該当する)と、センサ本体21から突出した3本のリード線22(各々、電源ライン、グランドライン、信号ラインを受け持つ)とを備えている。
センサ本体21は、センサ連通孔32に挿入される嵌合部211と、嵌合部211の上方に形成された大径部212と、大径部212を介して嵌合部211と連結された接続部213により形成されている。接続部213には、上述したリード線22が立設されている。
【0028】
嵌合部211の外周面に形成されたリング溝211aには、シールリング214が装着されている。シールリング214の外周面が、センサ連通孔32の内周面に当接することにより、嵌合部211はセンサ連通孔32に対し液密的に嵌合している。また、大径部212は、油圧ハウジング3の装着孔33に嵌合しており、装着孔33の上端部をかしめることにより、センサ本体21を油圧ハウジング3に固定している。
【0029】
図1に示すように、リード線22は、それぞれ接続部213から突出した直線状の延出部221と、延出部221に接続されたコイル部222と、コイル部222よりもリード線22の先端側に形成された取付部223(本発明の直線部に該当する)とを有している。取付部223は、上方へと向けて直線状に延びており、後述するように、はんだ付けにより回路基板5に固定される。
【0030】
また、各々のコイル部222は、リード線22が図1における上下方向(Z軸)を中心軸として、多重の螺旋状に巻回されて形成されている。コイル部222は、これに限定されるものではないが、エナメルのような絶縁材により被覆されており、隣り合ったコイル部222同士あるいは各々のコイル部222の長さ方向に近接する部分同士が、互いに接触して電気的にショートすることを防止している。エナメルは、回路基板5にはんだ付けされる部位を除いて、リード線22の全体に被覆されるようにしてもよい。
【0031】
上述したフレーム4の取付縁44上には、回路基板5(特許請求の範囲に記載の基板に該当する)が取り付けられている。回路基板5上には、制御回路を形成する回路パターン(図示せず)が形成されており、外周部には複数の取付孔51が貫通している。取付孔51にフレーム4の係合部45が挿入されることにより、回路基板5は油圧ハウジング3と対向するように取付縁44上に取り付けられる。取付孔51にスナップフィットファスナーにより形成された係合部45が挿入されることにより、回路基板5はフレーム4から引き抜き不能となる。
【0032】
また、回路基板5には複数のスルーホール52が貫通しており、それぞれのスルーホール52には、リード線22の取付部223が挿通されている。また、回路基板5上に突出したリード線22の取付部223は、回路パターンに対してはんだ付けされ、リード線22によって、センサ本体21と回路基板5上の回路パターンとが電気的に接続されている。
【0033】
圧力センサ2の嵌合部211内には、図示しないダイヤフラムが設けられており、これによってセンサ連通孔32内の液圧を受圧している。ダイヤフラムが受圧した液圧は、電気信号に変換されて、リード線22を介して回路基板5に出力される。
リード線22のコイル部222は、所定のインダクタンスLを有しており、このインダクタンスLは、リード線22に重畳した電気ノイズを排除するローパスフィルタの機能を果たすことができる。すなわちコイル部222は、そのインダクタンスLがリード線22の電気ノイズを排除できるような値となるように形成されている。
【0034】
図2に示すように、コイル部222と回路基板5に設けられたコンデンサ55とによって、リード線22に重畳した電気ノイズを排除するローパスフィルタ回路を形成する。
この回路において、互いに直列に接続されたコイル部222のインダクタンスLと、コンデンサ55のキャパシタンスCとによるインピーダンスZは、Z=jωL−j/ωCとなる。したがって、圧力センサ2によって発生する電圧信号(入力電圧)をViとすれば、回路を流れる電流IはI=Vi/(jωL−j/ωC)となるから、コンデンサ55の両端電圧(出力電圧)はVo=Vi/(1−ω2LC)である。
よって、回路の入出力電圧比Vo/Viは、Vo/Vi=1/(1−ω2LC)となり、ω=2πfを代入すれば、Vo/Vi=1/|1−4π2f2LC|である。
【0035】
ここで、周波数fが下記の(1)式で表されるf0の時、
【数1】
回路は共振して入出力電圧比Vo/Viは最大となり、
周波数fがf<<f0の時、Vo/Vi≒1となる。
【0036】
また、周波数fがf>>f0の時、入出力電圧比Vo/Viは、下記(2)式のようになり、
【数2】
周波数fの増大にともなって出力電圧比Vo/Viは減衰する。
【0037】
上述した特性を線図に表すと、図3に示したようになる。図3において、Rcはブレーキアクチュエータ1の制御に使用される圧力センサ2からの信号の周波数帯域を示し、Rdは除去したいリード線22に重畳した電気ノイズの周波数帯域を表している。
図3から分かるように、実際の低周波数帯域Rcと高周波数帯域Rdとに基づいて、上述した(1)式および(2)式を用いて、コイル部222のインダクタンスLとコンデンサ55のキャパシタンスCを設定すればよい。また、電気ノイズの振幅の大きさに応じて、コンデンサ55のキャパシタンスCを設定してもよい。すなわち、電気ノイズの振幅が大きい場合、コンデンサ55のキャパシタンスCを大きく設定し、電気ノイズの振幅が小さい場合、コンデンサ55のキャパシタンスCも小さく設定すればよい。
尚、コイル部222のインダクタンスLは、L=kμn2S/H(k:長岡係数、μ:コイル部222の半径方向内方の透磁率、n:コイル部222の全巻き数、S:コイル部222の断面積、H:コイル部222の全長)に基づいて、設定することができる。
【0038】
また、外部から圧力センサ2に加わる機械的な振動によるコイル部222の共振を防ぐように、コイル部222の仕様を設定することもできる。すなわち、外部から圧力センサ2に加わる振動周波数をfimとすると、コイル部222の固有振動数fspがfimの数倍以上(例えば、3倍以上)になるように、コイル部222の外形状を設定すればよい。
【0039】
コイル部222の仕様と固有振動数fspとの関係は、下記の(3)式にて示される。
【数3】
【0040】
次に、図4乃至図9に基づき、圧力センサ2の油圧ハウジング3および回路基板5への取付方法について説明する。尚、本実施形態においては、図4乃至図9の上方を取付工程中の上方としているが、本発明による圧力センサ2の取付工程は必ずしもこれに限られたものではなく、油圧ハウジング3および回路基板5をどのような向きにして圧力センサ2を取り付けてもよい。
【0041】
図4に示すように、最初に圧力センサ2を下降させて、嵌合部211を油圧ハウジング3のセンサ連通孔32に挿入していく。そして、嵌合部211をセンサ連通孔32に嵌合させるとともに、大径部212の下面を装着孔33の底面に当接させて、油圧ハウジング3上において圧力センサ2の位置決めを行う(図5示:デバイス位置決め工程)。
【0042】
次に、パンチPCの先端により、かしめ孔34の底面を下方に押圧して大径部212をかしめ、圧力センサ2の油圧ハウジング3への固定を行う(図6示:デバイス固定工程)。デバイス位置決め工程およびデバイス固定工程を包括した工程が、本発明のデバイス取付工程に該当する。その後、スクリューSRにより、フレーム4を油圧ハウジング3の上端面に取り付ける(図7示)。
【0043】
次に、スルーホール52にリード線22の先端側にある取付部223を挿入させながら(図8示:リード線挿通工程)、取付孔51をフレーム4の係合部45に係合させ、回路基板5をフレーム4に対してがたつき無く取り付ける(図8示:基板取付工程)。最後に、回路基板5の上方に突出した取付部223に、はんだ付け装置SDを用いてはんだ付けを行い、リード線22を回路基板5に電気的に接続する(図9示:リード線はんだ付け工程)。
このように、本実施形態による圧力センサ2の取付工程においては、リード線はんだ付け工程が、デバイス取付工程(デバイス位置決め工程およびデバイス固定工程を含む)および基板取付工程よりも、時間的に後に実行されている。
【0044】
本実施形態によれば、リード線22は巻回されたコイル部222を有することにより、油圧ハウジング3、フレーム4および回路基板5等の位置ずれや熱膨張をコイル部222が吸収して、リード線22における応力の発生を低減することができる。
本実施形態によるリード線22のコイル部222は、対称形状ということもあって方向性が少なく、上述した従来技術による金属端子100のように2方向のみでなく、図1に示したX方向(図1における左右方向)、Y方向(図1における紙面に垂直な方向)、Z方向(図1における上下方向)およびθ方向(Z軸を中心とした水平回転方向)といった、あらゆる方向へ撓み可能で、多方向の位置ずれや熱膨張を吸収することができる。そのため、その応力の低減性能に優れており、リード線22のはんだ付け部位の剥がれ等を防止することができる。
【0045】
また、コイル部222は、多重巻き全体の撓みにより応力を緩和できるため、上述した従来技術よりも応力の緩和量を増大させることができる。
また、コイル部222は、多重巻きのコイルにより応力緩和部位を形成しているため、小型化することが可能である。上述した従来技術による金属端子100は板材の折曲加工により製造され、S字状の屈曲部101を有しているため、そのサイズは大きくなりがちである。これに対して、本実施形態によるコイル部222は、そのサイズを小型化しつつ、従来技術と同等の応力緩和量を得ることができる。
また、コイル部222は小型化が可能であるため、コイル部222を形成する時のプレス型も小型化して、コイル部222を短時間で低コストに製造することができる。
【0046】
また、上述した従来技術による金属端子100はS字状に屈曲しているため、順送のプレス型で製造しなければならない。したがって、その型費が増大し、特に、金属端子100の全長を変更した場合に、新たに専用のプレス型を製作しなければならず、コスト高を免れない。
しかしながら、本実施形態によるコイル部222は、マルチプレス等の汎用プレス機を用いて形成でき、その長さを変更しても専用のプレス型を必要としないため、低コストに製造することができる。
また、本実施形態によるリード線22は、コイル部222よりも先端側に直線状の取付部223を有することにより、容易に先端部を回路基板5のスルーホール52に挿通させて、はんだ付けすることができる。
【0047】
また、コイル部222はリード線22に重畳する電気ノイズを排除できるようなインダクタンスを有することにより、そのフィルタ効果によってリード線22の電気ノイズを低減し、圧力センサ2を正確に作動させることができる。
さらに、コイル部222の大きさあるいは形状を変更してインダクタンスを調整することにより、排除する電気ノイズの周波数帯域を変化させることができ、あらゆる周波数の電気ノイズに対応することができる。
【0048】
また、コイル部222は外部から加わる振動による共振を防ぐような固有振動数を有することにより、外部振動に起因したコイル部222の共振を防ぎ、圧力センサ2の破損を防止することができる。
また、コイル部222には絶縁材であるエナメルが被覆されているため、万が一、複数のリード線22のコイル部222同士が接触したとしても、あるいは、1本のリード線22において、各々のコイル部222の長さ方向に近接する部分同士が接触したとしても、ショートすることはない。そのため、例えば、コイル部222の長さ方向に近接する部分同士のショートにより、そのインダクタンスが変化して、ローパスフィルタ回路の特性が変化してしまうことを防ぐことができる。
【0049】
また、リード線はんだ付け工程を、デバイス取付工程および基板取付工程より時間的に後に実行することにより、リード線22の先端部を回路基板5にはんだ付けした後に、油圧ハウジング3、フレーム4および回路基板5の位置が変化することを防止して、はんだ付け部位に応力が発生することを防ぐことができる。
すなわち、本実施形態によれば、コイル部222が自由長の状態で、リード線22の先端部を回路基板5にはんだ付けすることができるため、はんだ付け部位に応力が発生することを防止することができる。
【0050】
<実施形態2>
図10に基づき、本発明の実施形態2による圧力センサ2Aについて説明する。本実施形態による圧力センサ2Aは、センサ本体21から3本のリード線23、23、24が突出した3端子型の圧力センサである。
リード線23、23、24のうち、一対のリード線23、23は全く同一の形状に形成されており、他のリード線24のコイル部242は、隣り合うリード線23、23のコイル部232に対して、その長さ方向の位置が異なっている。
【0051】
すなわち、図10に示すように、リード線23、23、24のコイル部232、232、242自体の大きさおよび形状は全く同一に形成されているが、一対のリード線23、23の延出部231の長さは、残りのリード線24の延出部241の長さに対して短く、一対のリード線23、23の取付部233、233の長さは、残りのリード線24の取付部243の長さに対して長く形成されることにより、隣り合ったリード線23、23とリード線24とで、その長さ方向におけるコイル部232、232、242の位置を互いに異ならせている。
【0052】
本実施形態によれば、互いに隣り合うリード線23、23、24同士において、コイル部232、232、242は、リード線23、23、24の長さ方向の異なる部位に形成されていることにより、隣同士のコイル部232、232、242が互いに接触することがなく、リード線23、23、24間のショートあるいは破損を防止することができる。
【0053】
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明はブレーキアクチュエータ以外の電子装置、例えば、コンピュータ装置、演算装置、通信装置等にも適用可能である。
また、本発明は、リード線が回路基板に接続可能であれば、圧力センサ以外のあらゆる電子デバイスに適用可能である。
【0054】
また、圧力センサおよび回路基板が取り付けられる構造体として、上述した実施形態のように、油圧ハウジングとフレームといった2部材ではなく、1部材で形成されていてもよい。
また、図2に示したフィルタ回路において、コンデンサは必須の構成ではなく、コイル部のみでもローパスフィルタとして機能させることができる。
【0055】
また、圧力センサの油圧ハウジングおよび回路基板への取付方法において、リード線はんだ付け工程は、必ずしもデバイス取付工程および基板取付工程よりも時間的に後に実行しなければならないわけではなく、デバイス取付工程あるいは基板取付工程と同時に実行されてもよい。
【0056】
すなわち、リード線はんだ付け工程が、デバイス取付工程あるいは基板取付工程よりも前に実行されると、リード線の先端部が回路基板に固定されてから、センサ本体あるいは回路基板の位置が変化する恐れがあり、この場合に、はんだ付け部位に応力が発生することがある。
したがって、この不具合を防ぐために本発明においては、リード線はんだ付け工程を、デバイス取付工程および基板取付工程のいずれに対しても、同時あるいはそれ以降に実行するようにしている。
また、本発明は、電子デバイスが圧入、かしめ、ネジ止め、接着剤等によって、構造体上に全く移動不可能な状態で固定されたもののみではなく、電子デバイスがスナップリングと係止したような、構造体上に所定の方向には移動可能に取り付けられるものも含んでいる。本発明によれば、電子デバイスが構造体上に所定の方向には移動可能に取り付けられた場合にも、構造体や基板の熱膨張等による、それ以外の方向への位置ずれに対しては、発生する応力を低減できる十分な効果を有するものである。
【符号の説明】
【0057】
図面中、1はブレーキアクチュエータ(電子装置)、2,2Aは圧力センサ(電子デバイス)、3は油圧ハウジング(構造体)、4はフレーム(構造体)、5は回路基板 (基板)、21はセンサ本体(デバイス本体)、22,23,24はリード線、52はスルーホール、222,232,242はコイル部、223,233,243は取付部(直線部)を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置の構造体と、前記構造体に対向して取り付けられた基板との間に配設される電子デバイスであって、
前記構造体に係合されるデバイス本体と、
該デバイス本体から突出して、先端側が前記基板に固定されることにより、前記デバイス本体と前記基板とを電気的に接続するリード線と、
を備え、
前記リード線は、
巻回されたコイル部を有することを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記リード線を複数備えており、
互いに隣り合う前記リード線同士において、前記コイル部は、前記リード線の長さ方向の異なる部位に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記リード線の前記コイル部よりも前記先端側には、直線部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記コイル部は、
前記リード線に重畳する電気ノイズに応じたインダクタンスを有することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記コイル部は、
外部から加わる振動周波数に応じた固有振動数を有することを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記コイル部には、
絶縁材が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の前記電子デバイスを前記構造体および前記基板に取り付けるための電子デバイスの実装方法において、
前記基板には、前記リード線の前記先端側が、前記基板に固定される前に挿通されるスルーホールが形成されており、
前記デバイス本体を前記構造体に係合させるデバイス取付工程と、
前記リード線の前記先端側を前記スルーホールに挿通させるリード線挿通工程と、
前記基板を前記構造体に取り付ける基板取付工程と、
前記スルーホールに挿通された前記リード線を前記基板にはんだ付けするリード線はんだ付け工程と、
を備え、
前記リード線はんだ付け工程を、前記デバイス取付工程および前記基板取付工程以後に実行することを特徴とする電子デバイスの実装方法。
【請求項1】
電子装置の構造体と、前記構造体に対向して取り付けられた基板との間に配設される電子デバイスであって、
前記構造体に係合されるデバイス本体と、
該デバイス本体から突出して、先端側が前記基板に固定されることにより、前記デバイス本体と前記基板とを電気的に接続するリード線と、
を備え、
前記リード線は、
巻回されたコイル部を有することを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記リード線を複数備えており、
互いに隣り合う前記リード線同士において、前記コイル部は、前記リード線の長さ方向の異なる部位に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記リード線の前記コイル部よりも前記先端側には、直線部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記コイル部は、
前記リード線に重畳する電気ノイズに応じたインダクタンスを有することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記コイル部は、
外部から加わる振動周波数に応じた固有振動数を有することを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記コイル部には、
絶縁材が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の前記電子デバイスを前記構造体および前記基板に取り付けるための電子デバイスの実装方法において、
前記基板には、前記リード線の前記先端側が、前記基板に固定される前に挿通されるスルーホールが形成されており、
前記デバイス本体を前記構造体に係合させるデバイス取付工程と、
前記リード線の前記先端側を前記スルーホールに挿通させるリード線挿通工程と、
前記基板を前記構造体に取り付ける基板取付工程と、
前記スルーホールに挿通された前記リード線を前記基板にはんだ付けするリード線はんだ付け工程と、
を備え、
前記リード線はんだ付け工程を、前記デバイス取付工程および前記基板取付工程以後に実行することを特徴とする電子デバイスの実装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−209051(P2011−209051A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76017(P2010−76017)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】
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