説明

電子デバイス

【課題】外部からの衝撃に伴う応力を緩和し、応力に起因する電子素子の特性劣化を抑制しつつ、片持ち支持部分の破損を低減できる電子デバイスの提供。
【解決手段】圧力センサー1は、双音叉素子15と、枠部16を有する感圧素子層10と、感圧素子層10の一方の主面11側に積層されたダイヤフラム層20及び他方の主面12側に積層されたベース層30と、平面視において、感圧素子層10から離れて配置された支持体40とを備え、双音叉素子15が、枠部16に囲まれた開口部10aとダイヤフラム層20及びベース層30とによって形成された内部空間3に収納され、感圧素子層10が、感圧素子層10の一方の側(辺16a側)から延出する梁18によって支持体40と接続され、ダイヤフラム層20及びベース層30が、平面視において、支持体40と重なる係止部24,33を有し、支持体40が、圧力センサー1の本体が外部に固定される際の固定部である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧素子などに代表される電子素子を備えた電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子素子を備えた電子デバイスに関して、特許文献1には、角速度検出素子の上方に加速度検出素子を配置し、角速度検出素子を弾性手段である連結部を介してパッケージに接続した複合センサーの構成が開示されている。
また、特許文献2には、ダイヤフラム部と枠体とが弾性部で接続された圧力センサーの構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−76263号公報
【特許文献2】特開2006−153804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2に開示されている構成では、角速度検出素子やダイヤフラム部などのセンサーを構成する素子(以下、センサー素子という)を、弾性手段(弾性部)を介して両持ち支持構造(略対向する2箇所以上で支持する構造)で支持している。
しかしながら、この構造では、外部から衝撃などが加わった際に、その衝撃が弾性手段(弾性部)で吸収しきれずにセンサー素子に伝達され、センサー素子に内部応力が生じることがある。
これにより、センサー素子は、本来の検出値に上記内部応力によって発生した値が重畳されることから、検出精度が劣化する虞がある。
【0005】
この問題を改善する一つの方策としては、センサー素子の一方の端部のみを支持し、他方の端部をフリーにする片持ち支持構造によって、上記内部応力を緩和する構成が考えられる。
しかしながら、この構成では、外部から衝撃などが加わった際に、その衝撃により片持ち支持した支持部に応力が集中することから、この応力集中によって支持部が破損する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかる電子デバイスは、電子素子と、枠部を有する基板と、前記枠部で囲まれた開口部を覆うように前記基板に積層された蓋体と、平面視において、前記基板から離れて配置された支持体とを備え、前記電子素子は、少なくとも前記開口部と前記蓋体とによって形成された内部空間に収納され、前記基板は、該基板の一方の側から延出する梁によって前記支持体と接続され、前記蓋体は、平面視において、前記支持体と重なる係止部を有し、前記支持体は、該支持体を除く前記各構成要素を含む本体が、外部に固定される際の固定部であることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、電子デバイスは、電子素子が内部空間に収納され、基板が一方の側から延出する梁によって支持体と接続され、蓋体が平面視において、支持体と重なる係止部を有し、支持体を除く各構成要素を含む本体が、支持体を介して外部に固定される。
【0009】
これにより、電子デバイスは、本体が梁によって支持体に片持ち支持され、蓋体の係止部が支持体に重なり、支持体に係止されるストッパーとなることから、片持ち支持構造をとりながら片持ち支持による本体の自由端側(本体を挟んで梁の反対側)の変位を抑制することができる。
このことから、電子デバイスは、外部から衝撃が加わった際に、本体などに発生する応力を緩和し、応力に起因する電子素子の特性劣化を抑制しつつ、片持ち支持部分の破損を低減できる。
【0010】
[適用例2]上記適用例にかかる電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、前記電子素子が、感圧部と該感圧部の両端に接続される一対の基部とを有する感圧素子であり、前記基板が、前記感圧素子を囲む前記枠部と、該枠部と前記各基部とを接続する梁部とを有する感圧素子層であり、前記蓋体が、前記感圧素子層の前記各基部を支持する一対の支持部を有し、前記枠部で囲まれた前記開口部を覆うように、前記感圧素子層の一方の主面側に積層されたダイヤフラム層と、前記感圧素子層の他方の主面側に積層されたベース層とであって、前記感圧素子が、少なくとも前記開口部と前記ダイヤフラム層と前記ベース層とによって形成された前記内部空間に収納され、前記感圧素子層が、該感圧素子層の一方の側から延出する前記梁によって前記支持体と接続され、前記ダイヤフラム層及び前記ベース層が、平面視において、前記支持体と重なる前記係止部を有し、前記支持体を介して、前記支持体を除く前記各構成要素を含む本体が外部に固定される圧力センサーであることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、電子デバイスは、圧力センサーであって、圧力センサーの本体が、梁によって支持体に片持ち支持され、ダイヤフラム層及びベース層の各係止部が支持体に重なり、支持体に係止されるストッパーとなることから、片持ち支持構造をとりながら片持ち支持による圧力センサーの本体の自由端側の変位を抑制することができる。
このことから、電子デバイスは、外部から衝撃が加わった際に、圧力センサーの本体などに発生する応力を緩和し、応力に起因する感圧素子の圧力検出精度の劣化を抑制しつつ、片持ち支持部分の破損を低減できる。
【0012】
[適用例3]上記適用例2にかかる電子デバイスにおいて、前記梁の延出方向が、前記感圧素子の前記一対の基部を互いに結ぶ方向と交差していることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、電子デバイスは、梁の延出方向が、感圧素子の一対の基部を互いに結ぶ方向と交差していることから、上記応力の方向を感圧素子の圧力検出精度に影響を及ぼし難い方向とすることができる。
【0014】
[適用例4]上記適用例2にかかる電子デバイスにおいて、前記感圧部が、前記一対の基部を互いに結ぶ方向に延びる一以上の柱状ビームを有していることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、電子デバイスは、感圧部が一対の基部を互いに結ぶ方向に延びる一以上の柱状ビームを有していることから、その特性によって他の構成の感圧素子と比較して、圧力の変化を感度よく検出することができる。
【0016】
[適用例5]上記適用例2にかかる電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、前記圧力センサーの前記感圧素子を共振させる発振回路部を有するICチップと、前記ICチップ及び前記支持体が固定されるベース基板とをさらに備え、前記支持体を介して前記圧力センサーの本体が前記ベース基板に固定される圧力センサーモジュールであることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、電子デバイスは、ICチップと、ICチップ及び支持体が固定されるベース基板とを備え、支持体を介して圧力センサーの本体がベース基板に固定される圧力センサーモジュールである。
このことから、電子デバイスは、例えば、支持体が圧力センサーの本体を挟んでベース基板に両持ち支持されても、圧力センサーの本体は、上記適用例2と同様に支持体に片持ち支持されている。
したがって、電子デバイスは、外部から衝撃が加わった際に、圧力センサーの本体などに発生する応力を緩和し、応力に起因する感圧素子の圧力検出精度の劣化を抑制しつつ、片持ち支持部分の破損が低減された圧力センサーモジュールを具現化できる。
【0018】
[適用例6]上記適用例1にかかる電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、前記電子素子が圧電振動片であり、前記基板が、前記枠部を有するパッケージベースであり、前記蓋体が、前記枠部で囲まれた前記開口部を覆うように前記パッケージベースに積層されたリッドであって、前記圧電振動片が、少なくとも前記開口部と前記リッドとによって形成された前記内部空間に収納され、前記パッケージベースが、該パッケージベースの一方の側から延出する前記梁によって前記支持体と接続され、前記リッドが、平面視において、前記支持体と重なる前記係止部を有し、前記支持体を介して、前記支持体を除く前記各構成要素を含む本体が外部に固定される圧電振動子であることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、電子デバイスは、圧電振動子であって、圧電振動子の本体が、梁によって支持体に片持ち支持され、リッドの係止部が支持体に重なり、支持体に係止されるストッパーとなることから、片持ち支持構造をとりながら片持ち支持による圧電振動子の本体の自由端側の変位を抑制することができる。
このことから、電子デバイスは、外部から衝撃が加わった際に、圧電振動子の本体などに発生する応力を緩和し、応力に起因する圧電振動片の周波数特性の劣化を抑制しつつ、片持ち支持部分の破損を低減できる。
【0020】
[適用例7]上記適用例6にかかる電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、前記圧電振動片を共振させる発振回路部を有するICチップを、前記内部空間に備えた圧電発振器であることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、電子デバイスは、上記圧電振動子に、圧電振動片を共振させる発振回路部を有するICチップを加えた圧電発振器であることから、外部から衝撃が加わった際に、圧電発振器の本体などに発生する応力を緩和し、応力に起因する圧電振動片の周波数特性の劣化を抑制しつつ、片持ち支持部分の破損が低減された圧電発振器を具現化できる。
【0022】
[適用例8]上記適用例にかかる電子デバイスにおいて、前記蓋体は、複数個取りで形成される際に、隣り合う前記蓋体と前記係止部によって接続され、前記係止部の先端部または根元部に、くびれが形成されていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、電子デバイスは、蓋体が複数個取りで形成される際に、隣り合う蓋体と係止部によって接続され、係止部の先端部または根元部に、くびれが形成されていることから、くびれ部分で折り取ることによって蓋体の個片化が容易に行える。
【0024】
[適用例9]上記適用例にかかる電子デバイスにおいて、前記蓋体の前記係止部は、平面視において、前記梁と重なっていることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、電子デバイスは、蓋体の係止部が平面視において、梁と重なっていることから、例えば、支持体を基板の一辺に沿う棒状に形成でき、基板を囲む枠状に形成する場合と比較して、支持体を含めた外形サイズを小さくできる。
【0026】
[適用例10]上記適用例にかかる電子デバイスにおいて、前記蓋体の前記係止部の幅が、前記蓋体の幅と等しいことが好ましい。
【0027】
この構成によれば、電子デバイスは、蓋体の係止部の幅が、蓋体の幅と等しいことから、外部から衝撃が加わった際に、係止部が支持体と接触して発生する単位面積当たりの係止部の応力を低減できる。加えて、電子デバイスは、蓋体の外形形状を、例えば、矩形形状などに単純化可能なことから、蓋体の外形加工が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態の圧力センサーの概略構成を示す模式展開斜視図。
【図2】図1の模式断面図。
【図3】変形例1の圧力センサーのダイヤフラム層の構成を示す模式図。
【図4】変形例2の圧力センサーの概略構成を示す模式平面図。
【図5】変形例3の圧力センサーの概略構成を示す模式平面図。
【図6】変形例4の圧力センサーの概略構成を示す模式平面図。
【図7】第2の実施形態の圧力センサーモジュールの概略構成を示す模式断面図。
【図8】第3の実施形態の圧電振動子の概略構成を示す模式図。
【図9】変形例の圧電発振器の概略構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の電子デバイスとしての圧力センサーの概略構成を示す模式展開斜視図である。図2は図1の模式断面図であり、図2(a)は、図1のA−A線での断面図であり、図2(b)は、図1のB−B線での断面図である。
【0030】
図1、図2に示すように、圧力センサー1は、電子素子としての感圧素子の1つである双音叉素子15と、枠部を有する基板としての感圧素子層10と、感圧素子層10の枠部16で囲まれた開口部10aを覆うように、感圧素子層10に積層された蓋体としてのダイヤフラム層20及びベース層30と、平面視において、感圧素子層10から離れて配置され、感圧素子層10を囲む枠状の支持体40とを備えている。
【0031】
圧力センサー1の本体(支持体40を除いた部分)は、上記各層が、平面視において、一部を除いた輪郭が互いに重なり合うように積層されることにより、一部を除き略直方体形状に形成されている。
圧力センサー1の各層は、複数個取りが可能なウエハー状の水晶基板を基材として、フォトエッチング、サンドブラストなどの加工方法により所定の形状に形成されている。
【0032】
感圧素子層10は、感圧部としての互いに略平行な角柱状の一対の振動片部(柱状ビーム)13と、振動片部13の両端に接続される一対の略矩形の基部14とを有する双音叉素子15と、双音叉素子15を囲む略矩形の枠部16と、枠部16と双音叉素子15の各基部14とを接続する各一対の梁部17とを有している。なお、振動片部13は、一対の基部14を互いに結ぶ方向に延びている。
感圧素子層10は、平面視において、外形形状が略矩形に形成され、各構成要素の厚みが略同一に形成されている。なお、双音叉素子15の図示しない電極は、梁部17を介して枠部16に引き出されている。
【0033】
感圧素子層10は、感圧素子層10の枠部16の一方の側(辺16a側)から延出する梁18によって支持体40と接続されている。つまり、感圧素子層10と支持体40とは、梁18を介して一体化されている。
支持体40は、圧力センサー1の本体が外部の機器50や図示しないベース基板などに固定される際の固定部である。
なお、梁18は、一対の基部14を互いに結ぶ方向に沿った辺(16aなど)側から、一対の基部14を互いに結ぶ方向と交差(略直交)する方向に延出されている。
【0034】
ダイヤフラム層20は、平面視において、後述する係止部24を除いて外形形状が略矩形に形成されている。
そして、ダイヤフラム層20は、感圧素子層10の開口部10aを覆うように、感圧素子層10の一方の主面11側に積層されている。
ダイヤフラム層20は、可撓性を有する平板部21と、平板部21から突出し、双音叉素子15の各基部14を支持する一対の支持部23と、平板部21の外周にあって、平板部21から支持部23側に突出し、一対の支持部23を囲む枠部22とを一体で有している。
【0035】
ダイヤフラム層20は、ダイヤフラム層20の外周の平板部21を挟んで梁18の反対側から延出し、平面視において、支持体40と重なる係止部24を有している。なお、ダイヤフラム層20の係止部24と支持体40とは、接合されていない。
また、ダイヤフラム層20の係止部24と支持体40との間には、両者の寸法のばらつきを吸収するために隙間を設けてもよい。
【0036】
圧力センサー1は、ダイヤフラム層20の各支持部23と双音叉素子15の各基部14とが接合され、ダイヤフラム層20の枠部22と感圧素子層10の枠部16とが接合されている。
これにより、圧力センサー1は、双音叉素子15の振動片部13と、ダイヤフラム層20の平板部21との間に空間が形成される。
【0037】
ベース層30は、平面視において、後述する係止部33を除いて外形形状が略矩形に形成されている。ベース層30は、双音叉素子15との間に空間を形成するための凹部31が、感圧素子層10側に形成されている。
そして、ベース層30は、感圧素子層10の開口部10aを覆うように、感圧素子層10の他方の主面12側に積層されている。
ベース層30は、凹部31を囲む外周枠部32が感圧素子層10の枠部16と接合されている。
これにより、圧力センサー1は、双音叉素子15の振動片部13と、ベース層30の凹部31との間に空間が形成される。
【0038】
ベース層30は、ベース層30の外周の、凹部31を挟んで梁18の反対側から延出し、平面視において、支持体40と重なる係止部33を有している。なお、ベース層30の係止部33と支持体40とは、接合されていない。
また、ベース層30の係止部33と支持体40との間には、両者の寸法のばらつきを吸収するために隙間を設けてもよい。
【0039】
なお、圧力センサー1の各層間の接合、及び双音叉素子15の各基部14とダイヤフラム層20の各支持部23との接合には、(1)低融点ガラスによる接合方法、(2)互いの接合面をプラズマ照射などにより親水化処理して表面を活性化させ、接合面同士を貼り合わせることで水素結合させるなどの直接接合方法、(3)アルコキシド、オルガノシロキシ基などを含む接合部材を用い、紫外線やプラズマ照射により接合する接合方法、(4)金錫合金被膜などの金属被膜を接合部材に用いた共晶接合方法などを用いることができる。
なお、感圧素子層10の梁部17は、ダイヤフラム層20、ベース層30のいずれにも接合されておらず、フリーな状態となっている。
【0040】
上記の構成により、圧力センサー1は、少なくとも感圧素子層10の開口部10aとダイヤフラム層20とベース層30とによって形成された内部空間3に、双音叉素子15がダイヤフラム層20の各支持部23間に架け渡された状態で収納されている。
なお、圧力センサー1は、内部空間3が真空状態で気密に保持され、絶対圧を検出する圧力センサーとなっている。
また、圧力センサー1の本体は、支持体40を介して、接着剤、バンプなどの接合部材60により外部の機器50などに固定される。
【0041】
ここで、圧力センサー1の動作の概略を説明する。
圧力センサー1は、外部空間の圧力を受圧したダイヤフラム層20の平板部21が内部空間3内と外部空間との圧力差に応じて厚み方向(矢印C方向)に撓んで変位することにより、一対の支持部23が双音叉素子15の一対の基部14を互いに結ぶ方向に変位する。
この支持部23の変位によって、双音叉素子15が一対の基部14を互いに結ぶ方向に伸縮し、伸縮の際に発生する応力で共振周波数が変化する。
圧力センサー1は、この共振周波数の変化を検出している。外部からの圧力は、この検出された共振周波数の変化の割合に応じて、ルックアップテーブルなどによって定められた数値に変換することで導出される。
【0042】
上述したように、第1の実施形態の圧力センサー1は、圧力センサー1の本体が、梁18によって支持体40に片持ち支持され、ダイヤフラム層20及びベース層30の係止部24,33が、平面視において、支持体40と重なっている。
これにより、圧力センサー1は、ダイヤフラム層20及びベース層30の係止部24,33が支持体40に係止されるストッパーとなることから、片持ち支持構造をとりながら片持ち支持による圧力センサー1の本体の自由端側(ダイヤフラム層20及びベース層30の係止部24,33側)の矢印C方向の変位(揺れ)を抑制することができる。
このことから、圧力センサー1は、外部から衝撃が加わった際に、圧力センサー1の本体などに発生する応力を緩和し、この応力に起因する双音叉素子15の共振周波数の変化による圧力検出精度の劣化を抑制しつつ、梁18などの片持ち支持部分の破損を低減できる。
【0043】
また、圧力センサー1は、梁18が感圧素子層10の基部14を互いに結ぶ方向に沿った辺16aから、双音叉素子15の一対の基部14を互いに結ぶ方向と交差(略直交)する方向に延出されている。
このことから、圧力センサー1は、梁18の延出方向が双音叉素子15の伸縮する方向と交差することで、外部から衝撃が加わった際に発生する応力の方向を、双音叉素子15の圧力検出精度に影響を及ぼし難い方向とすることができる。
この結果、圧力センサー1は、この応力に起因する双音叉素子15の共振周波数の変化が抑制されることから、圧力検出精度の劣化を抑制できる。
なお、梁18は、延出方向が一対の基部14を互いに結ぶ方向と同方向となる位置に設けてもよい。
【0044】
また、圧力センサー1は、感圧素子としての双音叉素子15の振動片部13が一対の基部14を互いに結ぶ方向に延びる一以上の柱状ビームであることから、その特性により他の構成の感圧素子と比較して、圧力の変化を感度よく検出することができる。
なお、圧力センサー1は、双音叉素子15に代えて、振動片部13を1つの柱状ビームとした音叉素子としてもよい。
この場合でも、圧力センサー1は、他の構成の感圧素子と比較して、圧力の変化を感度よく検出することができる。
なお、支持体40は、全周に亘って繋がっている必要はなく、途中で切断されていてもよい。また、係止部24,33は、複数設けてもよい。
【0045】
ここで、第1の実施形態の圧力センサーの変形例について説明する。
(変形例1)
図3は、変形例1の圧力センサーのダイヤフラム層の構成を示す模式図である。
図3(a)に示すように、変形例1のダイヤフラム層120は、複数個取りで形成される際に、隣り合うダイヤフラム層120’,120”と係止部124,124’によって接続され、平面視において、係止部124,124’の先端部または根元部に、くびれ125,125’が形成されている。
【0046】
この構成によれば、変形例1の圧力センサーは、ダイヤフラム層120が、隣り合うダイヤフラム層120’,120”と係止部124,124’によって接続され、係止部124,124’に、くびれ125,125’が形成されていることから、くびれ125,125’部分で折り取ることにより、ダイヤフラム層120の個片化が容易に行える。
【0047】
なお、図3(b)のダイヤフラム層の要部模式断面図に示すように、隣り合うダイヤフラム層120a,120a’を接続する係止部124aのくびれ125aは、厚み方向に形成されてもよい。
この構成によっても、変形例1の圧力センサーは、上記くびれ125,125’が形成された場合と同様の効果が得られる。
なお、これらのくびれは、第1の実施形態のベース層30を、複数個取りで形成する際にも適用できる。
【0048】
(変形例2)
図4は、変形例2の圧力センサーの概略構成を示す模式平面図である。なお、第1の実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0049】
図4に示すように、変形例2の圧力センサー201は、ダイヤフラム層220及びベース層230の係止部224,233が、第1の実施形態に対して反対側に延出し、平面視において、梁18と重なっている。
【0050】
この構成によれば、圧力センサー201は、ダイヤフラム層220及びベース層230の係止部224,233が、平面視において、梁18と重なっていることから、支持体240を感圧素子層10(図1参照)の辺16aに沿う棒状に形成できる。
この結果、圧力センサー201は、感圧素子層10を囲む枠状に支持体240を形成する場合と比較して、支持体240を含めた全体の外形サイズを小さくできる。
【0051】
(変形例3)
図5は、変形例3の圧力センサーの概略構成を示す模式平面図である。なお、第1の実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0052】
図5に示すように、変形例3の圧力センサー301は、ダイヤフラム層320及びベース層330の係止部324,333が、梁18の延出方向に対して交差する方向に、外周の互いに対向する辺のそれぞれから延出している。また、支持体340は、圧力センサー301の本体を挟んで、梁18の反対側が除去されている。
【0053】
この構成によれば、圧力センサー301は、係止部324,333が、梁18の延出方向に対して交差する方向に、外周の互いに対向する辺のそれぞれから延出していることから、圧力センサー301の長手方向(基部14を互いに結ぶ方向)の傾きを抑制できる。
また、圧力センサー301は、支持体340の、圧力センサー301の本体を挟んで、梁18の反対側が除去されていることから、第1の実施形態と比較して、全体のサイズを小型化できる。
【0054】
(変形例4)
図6は、変形例4の圧力センサーの概略構成を示す模式平面図である。なお、第1の実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0055】
図6に示すように、変形例4の圧力センサー401は、ダイヤフラム層420及びベース層430の係止部424,433の幅W1が、ダイヤフラム層420及びベース層430の幅W2と等しい。
【0056】
この構成によれば、圧力センサー401は、ダイヤフラム層420及びベース層430の係止部424,433の幅W1が、ダイヤフラム層420及びベース層430の幅W2と等しいことから、外部から衝撃が加わった際に、係止部424,433が支持体40と接触して発生する単位面積当たりの係止部424,433の応力を低減できる。
加えて、圧力センサー401は、ダイヤフラム層420及びベース層430の外形形状を、矩形形状などに単純化可能なことから、ダイヤフラム層420及びベース層430の外形加工が容易に行える。
なお、ダイヤフラム層420及びベース層430の係止部424,433の幅W1は、これに限定するものではなく、ダイヤフラム層420及びベース層430の幅W2に対して、1/2、1/3、1/4など任意に設定してもよい。
また、上記構成は、ダイヤフラム層420及びベース層430のいずれか一方のみに適用してもよい。
【0057】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態の電子デバイスとしての圧力センサーモジュールの概略構成を示す模式断面図である。なお、図7(a)の断面位置は、図1におけるA−A線に相当し、図7(b)の断面位置は、図1におけるB−B線に相当する。
なお、第1の実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0058】
図7に示すように、圧力センサーモジュール2は、第1の実施形態の圧力センサー1と、圧力センサー1の双音叉素子15を共振させる発振回路部を有するICチップ70と、ICチップ70及び支持体40が固定されるベース基板としてのパッケージベース80と、キャップ90とを備えている。
そして、圧力センサーモジュール2は、支持体40を介して圧力センサー1の本体が、パッケージベース80に固定されている。
【0059】
パッケージベース80は、平板部81と、平板部81から立設し圧力センサー1を囲む側壁82とを備えている。パッケージベース80は、平面視において外形形状が略矩形に形成されている。
パッケージベース80の側壁82には、段部83が設けられ、圧力センサー1の支持体40が、この段部83に搭載され、接着剤、バンプなどの接合部材60を介して複数個所で固定(両持ち支持)されている。
パッケージベース80には、水晶基板、ガラス基板、セラミック基板などが用いられている。なお、パッケージベース80と支持体40とにおける熱応力を抑制する観点から、パッケージベース80の材料には、線膨張係数が支持体40と近似する材料を用いることが好ましい。
【0060】
パッケージベース80の平板部81には、凹部85が形成され、双音叉素子15を共振させる発振回路部を有するICチップ70が搭載されている。
ICチップ70は、パッド71がバンプ72を介してフリップチップ実装によりパッケージベース80の内部配線86と電気的に接続されている。
パッケージベース80の外底面87には、外部実装端子88が形成されており、内部配線86を介してICチップ70と電気的に接続されている。
また、圧力センサー1の図示しない電極は、感圧素子層10の枠部16から梁18を経由して、リード線89などを介してパッケージベース80の内部配線86aと電気的に接続されている。
【0061】
これらにより、圧力センサーモジュール2は、ICチップ70に外部から入力される駆動信号によって圧力センサー1を駆動(共振)させることができる。
なお、ICチップ70は、パッド71がワイヤーボンディングによりパッケージベース80の内部配線86と電気的に接続されてもよい。
【0062】
キャップ90は、平面視において外形形状が略矩形に形成されている。キャップ90は、圧力センサー1との間に空間を形成するための凹部91が、圧力センサー1側に形成されている。
そして、キャップ90は圧力センサー1を覆うように配置され、凹部91を囲む外周枠部92がパッケージベース80の側壁82と接合されている。
キャップ90の外周枠部92には、切り欠き部93が複数個所に形成されている。これにより、キャップ90とパッケージベース80とで構成された内部空間には、揺らぎが抑制され安定した状態で外気が導入される。
なお、キャップ90には、熱応力を抑制するために、パッケージベース80と同様の材料を用いることが好ましい。
【0063】
上述したように、第2の実施形態の圧力センサーモジュール2は、ICチップ70と、ICチップ70及び支持体40が固定されるパッケージベース80と、キャップ90とを備え、支持体40を介して圧力センサー1の本体がパッケージベース80に固定されている。
このことから、圧力センサーモジュール2は、支持体40が圧力センサー1の本体を挟んでパッケージベース80に両持ち支持されても、圧力センサー1の本体は、梁18によって支持体40に片持ち支持されている。
これにより、圧力センサーモジュール2は、外部から衝撃が加わった際に、圧力センサー1の本体などに発生する応力を緩和し、この応力に起因する双音叉素子15の共振周波数の変化による圧力検出精度の劣化を抑制しつつ、梁18などの片持ち支持部分の破損を低減できる。
【0064】
なお、ICチップ70は、平面視において、圧力センサー1と重ならないように配置してもよい。これによれば、圧力センサーモジュール2は、上記のICチップ70と圧力センサー1とが重なる構成より、厚みを薄くできる。
また、圧力センサーモジュール2は、ICチップ70を圧力センサー1より大きく形成し、圧力センサー1の上方に配置することにより、ICチップ70にキャップ90の代替機能を持たせてもよい。
【0065】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態の電子デバイスとしての圧電振動子の概略構成を示す模式図である。図8(a)は、リッド側から俯瞰した模式平面図であり、図8(b)は、図8(a)のD−D線での模式断面図である。なお、平面図では、理解を容易にするためにリッドを透視した状態で示し、リッドの外形を2点鎖線で表している。
【0066】
図8に示すように、圧電振動子5は、電子素子としての圧電振動片510と、枠部を有する基板としての枠部581を有するパッケージベース580と、枠部581に囲まれた開口部580aを覆うように、パッケージベース580に積層された蓋体としてのリッド520と、平面視において、パッケージベース580から離れて配置され、パッケージベース580を囲む支持体540と、リッド520とパッケージベース580とを接合する接合部材565とを備えている。
そして、圧電振動子5は、パッケージベース580の開口部580aとリッド520と接合部材565とによって形成された内部空間503に、圧電振動片510が収納されている。
【0067】
そして、圧電振動子5は、パッケージベース580が、パッケージベース580の一方の側(辺516側)から延出する梁518によって支持体540と接続され、リッド520が、平面視において、支持体540と重なる係止部524を有している。
そして、圧電振動子5は、支持体540を介して、支持体540を除く上記各構成要素を含む本体が、外部の機器550などに固定される。換言すれば、支持体540は、圧電振動子5の本体が、外部の機器550などに固定される際の固定部となっている。
なお、パッケージベース580と支持体540とは、梁518を介して一体化されている。
【0068】
圧電振動片510は、平面形状が略矩形の基部511と、基部511の一端部から互いに略平行に延在した角柱状の一対の振動腕部512(振動部)とを備えた音叉型水晶振動片である。なお、圧電振動片510には、図示しない励振電極が形成されている。
圧電振動片510は、駆動信号により振動腕部512が、振動腕部512の主面512aに沿った方向である矢印E方向と矢印F方向とに交互に変位する屈曲振動モードで振動する。
【0069】
パッケージベース580は、平面視において、外形形状が略矩形に形成されている。
パッケージベース580には、セラミックグリーンシートを成形して焼成した酸化アルミニウム質焼結体などが用いられている。
【0070】
パッケージベース580の内底面582には、内部電極521が形成され、エポキシ系、シリコン系、ポリイミド系などの導電性接着剤560を介して圧電振動片510の基部511が支持(固定)され、圧電振動片510が搭載されている。なお、圧電振動片510の固定には、導電性接着剤560に代えて、はんだ、バンプなどの接合部材を用いてもよい。
圧電振動片510は、励振電極と電気的に接続されているマウント電極(不図示)が基部511に形成され、各マウント電極が内部電極521と重なるように搭載されている。 これにより、圧電振動子5は、圧電振動片510の励振電極と内部電極521とが電気的に接続される。
【0071】
リッド520は、平面視において、係止部524を除いて外形形状が略矩形に形成されている。リッド520には、コバールなどの金属が用いられている。
リッド520は、前述したように、リッド520の外周の、パッケージベース580を挟んで梁518の反対側から延出し、平面視において、支持体540と重なる係止部524を有している。なお、リッド520の係止部524と支持体540とは、接合されていない。
また、リッド520の係止部524と支持体540との間には、両者の寸法のばらつきを吸収するために隙間を設けてもよい。ここでは、リッド520とパッケージベース580とを接合する接合部材565の厚み分の隙間が設けられている。
【0072】
パッケージベース580にリッド520が接合されて成るパッケージ509の内部空間503は、気密に保持された真空状態となっている。
なお、圧電振動子5と外部の機器550などとの電気的な接続は、図示しないリード線などで行われる。
【0073】
この構成によれば、第3の実施形態の圧電振動子5は、圧電振動子5の本体(圧電振動子5の支持体540を除く部分)が、梁518によって支持体540に片持ち支持され、リッド520の係止部524が支持体540に重なり、支持体540に係止されるストッパーとなることから、片持ち支持構造をとりながら片持ち支持による圧電振動子5の本体の自由端側(リッド520の係止部524側)の矢印G方向の変位を抑制することができる。
このことから、圧電振動子5は、外部から衝撃が加わった際に、圧電振動子5の本体などに発生する応力を緩和し、この応力に起因する圧電振動片510の共振周波数の変化による周波数特性の劣化を抑制しつつ、梁518などの片持ち支持部分の破損を低減できる。
【0074】
(変形例)
ここで、第3の実施形態の圧電振動子5の変形例について説明する。
図9は、第3の実施形態の変形例の圧電発振器の概略構成を示す模式図である。図9(a)は、リッド側から俯瞰した模式平面図であり、図9(b)は、図9(a)のH−H線での模式断面図である。なお、平面図では、理解を容易にするためにリッドを透視した状態で示し、リッドの外形を2点鎖線で表している。
なお、第3の実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0075】
図9に示すように、圧電発振器6は、圧電振動片510を共振させる発振回路部を有するICチップ670を、パッケージ509の内部空間503に備えている。
具体的には、ICチップ670は、パッケージベース580の内底面582に固定され、ワイヤーボンディングなどで図示しない内部配線と電気的に接続されている。
これにより、ICチップ670は、内部電極521を介して圧電振動片510の励振電極と電気的に接続される。
これらにより、圧電発振器6は、ICチップ670に外部から入力される駆動信号によって圧電振動片510を駆動(共振)させ、共振信号(発振信号)を出力することができる。
【0076】
これによれば、圧電発振器6は、圧電振動子5に、圧電振動片510を共振させる発振回路部を有するICチップ670を加えた構成であることから、圧電振動子5と同様に、外部から衝撃が加わった際に、圧電発振器6の本体などに発生する応力を緩和し、この応力に起因する圧電振動片510の共振周波数の変化による周波数特性の劣化を抑制しつつ、梁518などの片持ち支持部分の破損を低減できる。
【0077】
なお、ICチップ670は、フリップチップ実装によって内部配線と電気的に接続されてもよい。
また、圧電発振器6は、パッケージベース580をシリコン基板で形成し、このシリコン基板内にICチップ670を一体で形成(集積回路を形成)する構成としてもよい。
またベース層30においてもシリコン基板で形成し、このシリコン基板内にICチップを一体形成(集積回路を形成)する構成としてもよい。
【0078】
なお、上記各実施形態及び各変形例では、双音叉素子15及び圧電振動片510の材料に水晶を用いたが、これに限定するものではなく、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電性を有する材料を用いてもよい。
また、圧電振動片510は、音叉型に限定するものではなく、ATカット型やSAW(弾性表面波)振動片としてもよい。
なお、第1の実施形態の各変形例は、第2の実施形態、第3の実施形態及び第3の実施形態の変形例にも適用できる。
また、圧電デバイスとして、ジャイロセンサーや、加速度センサーなどにも上記実施形態や各変形例を適用できる。
【符号の説明】
【0079】
1…電子デバイスとしての圧力センサー、3…内部空間、10…基板としての感圧素子層、10a…開口部、11…一方の主面、12…他方の主面、13…感圧部としての振動片部、14…基部、15…感圧素子としての双音叉素子、16…枠部、16a…辺、17…梁部、18…梁、20…蓋体としてのダイヤフラム層、21…平板部、22…枠部、24…係止部、30…蓋体としてのベース層、31…凹部、32…外周枠部、33…係止部、40…支持体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子素子と、
枠部を有する基板と、
前記枠部で囲まれた開口部を覆うように前記基板に積層された蓋体と、
平面視において、前記基板から離れて配置された支持体とを備え、
前記電子素子は、少なくとも前記開口部と前記蓋体とによって形成された内部空間に収納され、
前記基板は、該基板の一方の側から延出する梁によって前記支持体と接続され、
前記蓋体は、平面視において、前記支持体と重なる係止部を有し、
前記支持体は、該支持体を除く前記各構成要素を含む本体が、外部に固定される際の固定部であることを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、前記電子素子が、感圧部と該感圧部の両端に接続される一対の基部とを有する感圧素子であり、
前記基板が、前記感圧素子を囲む前記枠部と、該枠部と前記各基部とを接続する梁部とを有する感圧素子層であり、
前記蓋体が、前記感圧素子層の前記各基部を支持する一対の支持部を有し、前記枠部で囲まれた前記開口部を覆うように、前記感圧素子層の一方の主面側に積層されたダイヤフラム層と、前記感圧素子層の他方の主面側に積層されたベース層とであって、
前記感圧素子が、少なくとも前記開口部と前記ダイヤフラム層と前記ベース層とによって形成された前記内部空間に収納され、
前記感圧素子層が、該感圧素子層の一方の側から延出する前記梁によって前記支持体と接続され、
前記ダイヤフラム層及び前記ベース層が、平面視において、前記支持体と重なる前記係止部を有し、
前記支持体を介して、前記支持体を除く前記各構成要素を含む本体が外部に固定される圧力センサーであることを特徴とする電子デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の電子デバイスにおいて、前記梁の延出方向が、前記感圧素子の前記一対の基部を互いに結ぶ方向と交差していることを特徴とする電子デバイス。
【請求項4】
請求項2または3に記載の電子デバイスにおいて、前記感圧部が、前記一対の基部を互いに結ぶ方向に延びる一以上の柱状ビームを有していることを特徴とする電子デバイス。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、前記圧力センサーの前記感圧素子を共振させる発振回路部を有するICチップと、
前記ICチップ及び前記支持体が固定されるベース基板とをさらに備え、
前記支持体を介して、前記圧力センサーの本体が前記ベース基板に固定される圧力センサーモジュールであることを特徴とする電子デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、前記電子素子が圧電振動片であり、
前記基板が、前記枠部を有するパッケージベースであり、
前記蓋体が、前記枠部で囲まれた前記開口部を覆うように前記パッケージベースに積層されたリッドであって、
前記圧電振動片が、少なくとも前記開口部と前記リッドとによって形成された前記内部空間に収納され、
前記パッケージベースが、該パッケージベースの一方の側から延出する前記梁によって前記支持体と接続され、
前記リッドが、平面視において、前記支持体と重なる前記係止部を有し、
前記支持体を介して、前記支持体を除く前記各構成要素を含む本体が外部に固定される圧電振動子であることを特徴とする電子デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、前記圧電振動片を共振させる発振回路部を有するICチップを、前記内部空間に備えた圧電発振器であることを特徴とする電子デバイス。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子デバイスにおいて、前記蓋体は、複数個取りで形成される際に、隣り合う前記蓋体と前記係止部によって接続され、
前記係止部の先端部または根元部に、くびれが形成されていることを特徴とする電子デバイス。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子デバイスにおいて、前記蓋体の前記係止部は、平面視において、前記梁と重なっていることを特徴とする電子デバイス。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子デバイスにおいて、前記蓋体の前記係止部の幅が、前記蓋体の幅と等しいことを特徴とする電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−38820(P2011−38820A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184192(P2009−184192)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】