電子メールシステム、電子メールの処理方法、プログラム及び情報記録媒体
【課題】電子メールに定められた有効期限が切れたか否かに応じて電子メールの表示内容を変更する。
【解決手段】メールサーバー6は、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する配信対象メール取得部66と、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する表示用メール生成部70と、を備える。
【解決手段】メールサーバー6は、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する配信対象メール取得部66と、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する表示用メール生成部70と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールシステム、電子メールの処理方法、プログラム及び情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーに情報提供を行う際に電子メールを利用することがある。ただし、ユーザーが電子メールを受信するタイミングや閲覧するタイミングによっては、電子メールに記載されている情報の有効期限が切れていることもあり、ユーザーにとっては不要な情報が提供されてしまうことがある。そこで、例えば下記の特許文献1に記載されているように、メールボックス内に格納された電子メールを定期的に検索し、有効期限が切れた電子メールを自動的に削除することにより、有効期限が切れた電子メールをユーザーには提供しないようにするシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−308377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、有効期限が切れた電子メールを自動的に削除してしまうと、ユーザーは何の情報も目にすることができないし、電子メールの送信側としても電子メールを送信したにも関わらず、ユーザーに電子メールを送ったことすら通知されないのは単なる送信コストの無駄となってしまう。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電子メールに定められた有効期限が切れたか否かに応じて電子メールの表示内容を変更することができる電子メールシステム、電子メールの処理方法、プログラム及び情報記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子メールシステムは、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様では、前記電子メールシステムは、前記取得手段と前記生成手段とを含む電子メール配信装置と、前記電子メール配信装置に電子メールの配信を要求するクライアント装置とを含み、前記電子メール配信装置は、前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、前記生成手段により生成した電子メールを前記クライアント装置に配信する配信手段を含むこととする。
【0008】
本発明の一態様では、前記電子メール配信装置は、前記取得手段により取得した電子メールを記憶する記憶手段と、前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、当該クライアント装置に配信する電子メールであって、有効期限が切れている電子メールを前記記憶手段から検索する検索手段と、をさらに含み、前記生成手段は、前記検索手段により検索された電子メールについては、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成することとする。
【0009】
本発明の一態様では、前記電子メール配信装置は、前記検索手段により検索されたそれぞれの電子メールについて前記生成手段により生成された表示情報を含む期限徒過通知メールを生成する手段をさらに含み、前記配信手段は、前記検索手段により検索されたそれぞれの電子メールに代えて、前記期限徒過通知メールを配信することとする。
【0010】
本発明の一態様では、前記電子メール配信装置は、前記検索手段により検索された電子メールのうち属性情報が同じ電子メールの1つを選択する選択手段と、前記検索手段により検索された電子メールのうち前記選択手段により選択されなかった電子メールを削除する削除手段と、をさらに含み、前記生成手段は、前記選択手段により選択された電子メールについては、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成することとする。
【0011】
本発明の一態様では、前記有効期限と前記有効期限外表示データは、前記電子メールを記述するマークアップ言語における表示対象外の様式で記述されるデータであることとする。
【0012】
本発明の一態様では、前記電子メールシステムは、前記取得手段を含む電子メール配信装置と、前記生成手段を含み、前記電子メール配信装置に電子メールの配信を要求するクライアント装置とを含み、前記電子メール配信装置は、前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、当該クライアント装置に前記取得手段により取得した電子メールを配信する配信手段を含み、前記生成手段は、前記配信手段により配信された電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成することとする。
【0013】
本発明に係る電子メールの処理方法は、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得ステップと、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプログラムは、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
本発明に係る情報記録媒体は、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した情報記録媒体である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、電子メールに定められた有効期限が切れたか否かに応じて電子メールの表示内容を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態に係る電子メールシステムのシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る電子メールシステムにおいて行われる処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。
【図3】配信基礎メールのデータ構成の一例を示す図である。
【図4A】有効期限内表示メールの一例を示す図である。
【図4B】有効期限外表示メールの一例を示す図である。
【図5】メール送信サーバー、メールサーバー、クライアント装置に備えられた機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】メール管理テーブルの一例を示す図である。
【図7】期限徒過通知メールの一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態に係る電子メールシステムにおいて行われる処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。
【図9】配信基礎メールのデータ構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態)を、図面を参照しながら説明する。まず、第1の実施形態について説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
図1には、第1の実施形態に係る電子メールシステム1のシステム構成図を示した。図1に示されるように、電子メールシステム1は、メール配信要求装置2、メール送信サーバー4、メールサーバー6、及びクライアント装置8を含み、各装置及びサーバーはインターネット等のネットワーク10を介して相互に通信可能に接続されている。
【0020】
メール配信要求装置2は、ユーザーのメールアドレスを宛先とする電子メールの配信をメール送信サーバー4に要求するコンピュータである。メール配信要求装置2は、配信する電子メールに対して、有効期限と、有効期限内に表示する有効期限内表示データと、有効期限が切れた後に表示する有効期限外表示データとを設定する。有効期限内表示データや有効期限外表示データには、電子メールを構成する件名、本文、その他の情報を含むこととしてもよいし、有効期限内表示データと有効期限外表示データとにおいて共通するデータは別に共通データとして定めておくこととしてもよいし、一方のデータを他方のデータからの差分データとして構成することとしてもよい。なお、有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データを含む電子メール(配信基礎メール)は、メール配信要求装置2において生成された後にメール送信サーバー4に送られることとしてもよいし、有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データの情報をメール送信サーバー4に送信することでメール送信サーバー4が配信基礎メールを生成することとしてもよい。
【0021】
メール送信サーバー4は、メール配信要求装置2により送信が要求された電子メールを、当該電子メールの宛先のメールアドレスを管理するメールサーバー6に送信するコンピュータである。例えば、メール送信サーバー4は、電子メールの配信要求をメール配信要求装置2から受け付けた場合に、メール配信要求装置2に対して、有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データの登録を促し、登録されたそれぞれのデータに基づいて送信する電子メール(配信基礎メール)を生成することとしてよい。
【0022】
メールサーバー6は、管理するユーザーのメールアドレス宛の電子メールを受信し蓄積するとともに、クライアント装置8からユーザーのメールアドレス宛に送られた電子メールの配信要求を受け付けた場合に、蓄積された電子メールの中から該当する電子メールを検索し、検索した電子メールをクライアント装置8に対して配信するコンピュータである。本実施形態では、メールサーバー6は、メール送信サーバー4から受信し蓄積した電子メール(配信基礎メール)について設定された有効期限が切れていない場合には有効期限内表示データに基づく電子メールを送信し、配信基礎メールについて設定された有効期限が切れている場合には有効期限外表示データに基づく電子メールをクライアント装置8に配信することとする。
【0023】
クライアント装置8は、ユーザーにより操作されるコンピュータであり、当該ユーザーのメールアドレス宛の電子メールの配信をメールサーバー6に対して要求する。クライアント装置8は、電子メールの配信要求に応じてメールサーバー6から配信された電子メールを受信した後に、受信した電子メールを表示することとしてよい。
【0024】
ここで、図2に示したシーケンス図を参照しながら、第1の実施形態に係る電子メールシステム1において行われる処理の流れの一例を説明する。
【0025】
図2に示されるように、メール送信サーバー4は、例えばメール配信要求装置2から、電子メールの宛先、送信者情報、電子メールの有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データ等の電子メールデータを受け付けて(S1001)、当該電子メールデータに基づいて配信基礎メールを生成する(S1002)。メール送信サーバー4は、上記生成した配信基礎メールを、宛先の電子メールを管理するメールサーバー6に送信する(S1003)。
【0026】
図3には、メール送信サーバー4において生成される配信基礎メールのデータ構成の一例を示した。図3に示される配信基礎メールの例では、有効期限、有効期限内表示データ及び有効期限外表示データはHTMLデータとして記述される。図3に示した例においては、有効期限及び有効期限外表示データがコメントアウトされており、有効期限内表示データはコメントアウトされていないが、配信基礎メールの態様はこれに限られない。例えば、有効期限内表示データと有効期限外表示データとを共にコメントアウトし、有効期限に応じてどちらか一方のコメントアウトを外すこととしてもよいし、両者をコメントアウトせずに記述し、有効期限に応じてどちらか一方のデータを削除するようにしてもよい。また、有効期限及び有効期限外表示データは、所定のタグにより囲むことにより、コメント内で各データを識別可能なように構成することとしてもよい。
【0027】
図2のシーケンス図に戻り説明を続ける。メールサーバー6は、メール送信サーバー4から配信基礎メールを受信すると、受信した配信基礎メールを記憶して管理する(S1004)。メールサーバー6は、登録されているユーザーのメールアドレス毎にメールボックスを保持し、受信した電子メール(配信基礎メールを含む)を当該電子メールの宛先のメールアドレスに対応するメールボックスに格納して管理することとしてよい。
【0028】
メールサーバー6は、クライアント装置8から、ユーザーのメールアドレス宛の電子メールの配信要求を受け付けると(S1005)、記憶された配信基礎メールの中から上記ユーザーのメールアドレス宛の配信基礎メールを読み出す(S1006)。そして、メールサーバー6は、現在日時に基づき、上記読み出した配信基礎メールに対し有効期限が切れているか否かを判定する(S1007)。メールサーバー6は、有効期限が切れていると判定した場合には(S1007:Y)、配信基礎メールに含まれる有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて有効期限外表示データに基づいて表示用の電子メール(すなわち、有効期限外に表示すべき有効期限外表示メール)を生成する(S1008)。なお、本シーケンスの例では、配信基礎メールには初期状態で有効期限内表示データに基づく表示が行われるため、有効期限が切れていないと判定される場合には(S1007:N)、配信基礎メールをそのまま表示用の電子メール(すなわち、有効期限内に表示すべき有効期限内表示メール)とする(S1009)。
【0029】
メールサーバー6は、表示用の電子メールをクライアント装置8に送信し(S1010)、クライアント装置8はメールサーバー6から送信された電子メールを受信し、受信した電子メールをディスプレイ等の表示手段に表示する(S1011)。ここで、有効期限内であれば例えば図4Aに示されるメール(有効期限内表示メール)が、そして有効期限外であれば例えば図4Bに示されるメール(有効期限外表示メール)がクライアント装置8において表示されることとなる。
【0030】
図4Aに示される有効期限内表示メールの一例では、有効期限内であるため、表示欄100にはリンクAに基づきキャンペーン情報が表示されている。一方で、図4Bに示される有効期限外表示メールの一例では、有効期限が終了しているため、表示欄100にはリンクBに基づきキャンペーン情報が終了した旨の情報が表示されることとなる。もちろん、有効期限内表示メール及び有効期限外表示メールは図示した例に限られるものではなく、有効期限外表示メールにおいて有効期限内表示メールから置き換えられた情報に応じて多様な表示形態が実現されるのは言うまでもない。例えば、有効期限内表示メールと有効期限外表示メールとにおいて表示される内容は一部共通していてもよいし、両者が全く異なっていることとしてもよい。
【0031】
以上が図2に示したシーケンスに基づいて、電子メールシステム1で行われる処理の一連の流れである。以下、上述した処理を実現するために、メール送信サーバー4、メールサーバー6、クライアント装置8に備えられた機能の一例を、図5に示した機能ブロック図を参照しながら説明する。
【0032】
まず、メール送信サーバー4に備えられた機能の詳細について説明する。図5に示されるように、メール送信サーバー4は、電子メールデータ受付部40、配信基礎メール生成部42、及び配信基礎メール送信部44を備える。
【0033】
メール送信サーバー4に備えられる上記各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する通信インターフェース等の通信手段等のハードウェアを備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってメール送信サーバー4に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介してメール送信サーバー4に供給されることとしてもよい。
【0034】
電子メールデータ受付部40は、電子メールの宛先(メールアドレス)、件名、送信者情報、電子メールの有効期限、有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データ、有効期限外に表示するデータを示す有効期限外表示データを含む電子メールデータをメール配信要求装置2から受け付ける。
【0035】
配信基礎メール生成部42は、電子メールデータ受付部40により受け付けた電子メールデータに基づいて配信基礎メールを生成する。例えば、配信基礎メール生成部42は、有効期限内表示データをHTMLにおいて表示が許可される形式で記述すると共に、有効期限及び有効期限外表示データを表示が許可されない形式(コメントアウト)で記述することにより配信基礎メールを生成することとしてよい。
【0036】
配信基礎メール送信部44は、配信基礎メール生成部42により生成された配信基礎メールを、当該配信基礎メールに定められた宛先に送信する。
【0037】
次に、メールサーバー6に備えられた機能の詳細について説明する。図5に示されるように、メールサーバー6は、配信基礎メール受信部60、配信基礎メール記憶部62、配信要求受付部64、配信対象メール取得部66、期限切れメール検索部68、表示用メール生成部70、及びメール配信部72を備える。
【0038】
メールサーバー6に備えられる上記各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する通信インターフェース等の通信手段等のハードウェアを備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってメールサーバー6に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介してメールサーバー6に供給されることとしてもよい。
【0039】
配信基礎メール受信部60は、メール送信サーバー4の配信基礎メール送信部44から送信された配信基礎メールを受信する。
【0040】
配信基礎メール記憶部62は、配信基礎メール受信部60により受信した配信基礎メールや、配信基礎メールに係るメール管理テーブル等の各種データを記憶する。
【0041】
図6には、配信基礎メール記憶部62に記憶されるメール管理テーブルの一例を示した。図6に示されるメール管理テーブルの例では、配信基礎メールをそれぞれ識別するメールID、配信基礎メールに定められた有効期限、宛先のメールアドレス、メールの属性情報がそれぞれ関連づけて記憶される。なお、メールの属性情報とは、メールの内容に対して定められる情報としてよく、例えば送信者側により設定されることとしてもよいし、配信基礎メールの件名、送信者情報、本文情報等に基づいて定められる情報としてもよい。
【0042】
配信要求受付部64は、クライアント装置8からメールの配信要求を受け付ける。メールの配信要求には、メールアドレス等のアカウント情報、パスワードを含むこととしてよく、アカウント情報とパスワードの組による認証が正しく行われた場合に、クライアント装置8へのメール配信を行うこととしてよい。
【0043】
配信対象メール取得部66は、配信基礎メール記憶部62に記憶される配信基礎メールの中から、配信要求受付部64により受け付けた配信要求に係るメールアドレスを宛先(CcやBccを含む)とする配信基礎メールを取得する。例えば、配信対象メール取得部66は、配信基礎メール記憶部62に記憶されるメール管理テーブルを参照し、当該メール管理テーブルにおける宛先の欄に配信要求に係るメールアドレスを含む配信基礎メールの情報を取得することとしてよい。
【0044】
期限切れメール検索部68は、配信対象メール取得部66により取得した配信基礎メールのうち、有効期限が切れた配信基礎メールを検索する。例えば、期限切れメール検索部68は、現在日時を取得し、取得した現在日時と、配信対象メール取得部66により取得した配信基礎メールについてメール管理テーブルに記憶される有効期限とを比較して、有効期限が切れた配信基礎メールを検索することとしてよい。
【0045】
表示用メール生成部70は、配信対象メール取得部66により取得された配信基礎メールのうち、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールについて、有効期限内表示データの少なくとも一部を有効期限外表示データに基づいて置き換えることで、表示用(すなわち、クライアント装置8に配信する配信用)の電子メールを生成する。例えば、表示用メール生成部70は、有効期限外表示データのコメントアウトを外すことにより、すなわち有効期限外表示データを有効化することにより表示用の電子メールを生成することとしてよい。もちろん、配信メールの生成処理は上述した態様に限られるものではない。例えば、表示用メール生成部70は、配信対象メール取得部66により取得された配信基礎メールのうち、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールについては有効期限外表示データを有効化し、それ以外の配信基礎メール(すなわち有効期限内の配信基礎メール)については有効期限内表示データを有効化することで表示用の電子メールを生成することとしてもよい。また、表示用メール生成部70は、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールに基づいて、以下の態様の表示用メールを生成することとしてよい。
【0046】
すなわち、表示用メール生成部70は、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールに含まれる有効期限外表示データに基づいて置き換えられる情報を1つにまとめた電子メール(期限徒過通知メール)を生成することとしてよい。
【0047】
図7には、期限徒過通知メールの一例を示した。図7に示されるように、期限徒過通知メールには、期限が切れた配信基礎メールのそれぞれの情報が一覧表示される。例えば、表示される情報には、各配信基礎メールの件名、送信者、送信日時、コメント(このメールはXX日に期限が切れました。いまキャンペーンを行っているのはこちらのページ(http://・・・)です。)を含むこととしてよい。
【0048】
また、表示用メール生成部70は、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールのうち、カテゴリ情報が共通する配信基礎メールについては、そのうちの1つ(例えば最も送信日時が新しいもの)を選択し、選択した配信基礎メールについては有効期限外表示データに基づく置き換えを行った配信メールを生成し、選択されなかった配信基礎メールについてはメールサーバー6内で削除(又は配信を停止)することとしてよい。この際、削除する配信基礎メールの情報は、選択された配信基礎メールに基づいて生成される配信メール内で削除した旨を記述してユーザーに通知することとしてもよい。
【0049】
メール配信部72は、表示用メール生成部70により生成された電子メールを、配信要求を受け付けたクライアント装置8に対して送信する。なお、表示用メール生成部70が期限徒過通知メールを生成した場合には、期限の切れた各配信基礎メールに基づく電子メールに代えて、期限徒過通知メールを送信することとしてよい。
【0050】
次に、クライアント装置8に備えられた機能の詳細について説明する。図5に示されるように、クライアント装置8は、メール配信要求部80、メール受信部82、表示制御部84、及び表示部86を備える。
【0051】
クライアント装置8に備えられる上記各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する通信インターフェース等の通信手段、キーボードやマウス等の入力手段やディスプレイ等の表示手段とデータ通信する入出力手段等のハードウェアを備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってクライアント装置8に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介してクライアント装置8に供給されることとしてもよい。
【0052】
メール配信要求部80は、メールサーバー6に対してメールの配信を要求する。例えば、メール配信要求部80は、メールアドレス等のアカウント情報、パスワードを含む配信要求データをメールサーバー6に送信することで、メールの配信要求を行うこととしてよい。
【0053】
メール受信部82は、メール配信要求部80による配信要求に応じて、メールサーバー6から送信される電子メールを受信する。
【0054】
表示制御部84は、メール受信部82により受信した電子メールを解析して表示データを生成し、生成した表示データを表示部86に出力する。
【0055】
表示部86は、表示制御部84から入力された表示データに基づいてイメージを出力する。
【0056】
以上説明した本発明の第1の実施形態に係る電子メールシステム1によれば、ユーザーは有効期限が切れた内容の電子メールを閲覧する必要がなく、有効な情報を得ることができる。また、メールサーバー6で有効期限が切れた電子メールの少なくとも一部を削除するようにすれば、有効期限が切れた内容の電子メールをユーザーに配信する必要が無くなり、管理するデータ容量も削減できる。また、有効期限が切れた場合に参照するべきリンク情報を有効期限外表示データに含めておけば、有効期限が切れた電子メールであっても所期のページにユーザーを誘導することができる。また、有効期限が切れた1又は複数の電子メールに代えて、1つの期限徒過通知メールを配信するようにすれば、ユーザーは期限徒過の通知を知らせる電子メールを複数閲覧する必要が無くなる。また、有効期限が切れた電子メールのうち属性情報が共通する電子メールの1つを除く電子メールについては配信を行わないようにすれば、ユーザーは同一又は類似する内容の電子メールを何通も閲覧しなくて済むようになる。また、メールサーバー6で表示用の電子メールを生成するようにすれば、クライアント装置8側の環境によらず、有効期限に応じた内容の電子メールをユーザーに提供することができる。また、電子メールの送信者も有効期限が切れた後も有意な情報をユーザーに提供することができるため、送信コストが無駄とならない。
【0057】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、クライアント装置8において配信基礎メールから表示用の電子メールを生成するようにした点で、すなわち、クライアント装置8が表示用メール生成部70の機能を備えるようにした点で第1の実施形態と異なっている。具体的には、第2の実施形態においては、メールサーバー6は、配信基礎メール受信部60、配信基礎メール記憶部62、配信要求受付部64、配信対象メール取得部66、及びメール配信部72を備えることとし、クライアント装置8が、表示用メール生成部70、メール配信要求部80、メール受信部82、表示制御部84、及び表示部86を備えることとする。なお、各部の処理は第1の実施形態と同様であるため機能ブロック図の説明は省略する。以下、図8に示したシーケンス図を参照しながら、第2の実施形態に係る電子メールシステム1において行われる処理の流れの一例を説明する。
【0058】
メール送信サーバー4は、例えばメール配信要求装置2から、電子メールの宛先、送信者情報、電子メールの有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データ等の電子メールデータを受け付けて(S2001)、当該電子メールデータに基づいて配信基礎メールを生成する(S2002)。メール送信サーバー4は、上記生成した配信基礎メールを、宛先の電子メールを管理するメールサーバー6に送信する(S2003)。
【0059】
図9には、メール送信サーバー4において生成される配信基礎メールのデータ構成の一例を示した。図9に示される配信基礎メールの例では、有効期限が切れたか否かに応じて表示内容を変更させるプログラムを含む。プログラムは例えば電子メールの閲覧用アプリケーションやウェブブラウザ等により処理可能なスクリプト言語により記述されることとしてよい。図示した例においては、現在時刻を取得するステップと、現在時刻が有効期限内にあるか否かを判定するステップと、有効期限内にあると判定された場合に配信基礎メールの本文に表示するリンクを有効期限内表示データに基づき設定し、有効期限外にあると判定された場合に配信基礎メールの本文に表示するリンクを有効期限外表示データに基づき設定するステップとを含んでいる。
【0060】
メールサーバー6は、メール送信サーバー4から配信基礎メールを受信すると、受信した配信基礎メールを記憶して管理する(S2004)。
【0061】
メールサーバー6は、クライアント装置8から、ユーザーのメールアドレス宛の電子メールの配信要求を受け付けると(S2005)、記憶された配信基礎メールの中から上記ユーザーのメールアドレス宛の配信基礎メールを読み出す(S2006)。そして、メールサーバー6は、上記読み出した配信基礎メールをクライアント装置8に送信する(S2007)。
【0062】
クライアント装置8は、受信した配信基礎メールに含まれるプログラムを処理し、当該配信基礎メールの有効期限が切れていると判定した場合には(S2008:Y)、配信基礎メールに含まれる有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて有効期限外表示データに基づいて表示用の電子メール(すなわち、有効期限外に表示すべき有効期限外表示メール)を生成する(S2009)。また、クライアント装置8は、配信基礎メールの有効期限が切れていないと判定した場合には(S2008:N)、配信基礎メールに含まれる有効期限内表示データに基づいて表示用の電子メール(すなわち、有効期限内に表示すべき有効期限内表示メール)を生成する(S2010)。
【0063】
クライアント装置8は、上記生成した表示用の電子メールをディスプレイ等の表示手段に表示する(S2011)。ここで、有効期限内であれば例えば図4Aに示されるメール(有効期限内表示メール)が、そして有効期限外であれば例えば図4Bに示されるメール(有効期限外表示メール)がクライアント装置8において表示されることとなる。
【0064】
また、上記の第2の実施形態では、クライアント装置8において、表示しようとする電子メールごとに有効期限に応じた表示内容の電子メールを生成する例を示したが、クライアント装置8に保持される未処理の電子メールの中から有効期限が切れた1又は複数の電子メールを検索し、検索された1又は複数の電子メールに対して表示内容を有効期限外表示データに応じて変更した電子メールを生成する処理をまとめて行うこととしてもよい。この場合には、クライアント装置8が期限切れメール検索部68をさらに備え、クライアント装置8に保持される未処理の電子メールの中から有効期限が切れた1又は複数の電子メールを検索する処理を、期限切れメール検索部68により行うようにしてよい。
【0065】
以上説明した第2の実施形態に係る電子メールシステム1によれば、ユーザーが電子メールを閲覧するタイミングにおいて有効期限が切れているか否かに応じて、電子メールの表示内容を変更することができる。また、メールサーバー6では表示用の電子メールを生成する機能を要しないため、メールサーバー6には既存の環境を用いることができる。
【0066】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、メール送信サーバー4とメールサーバー6とを別のサーバーとして記載したがこれらを1つのサーバーとして構成しても構わない。また、上記の実施形態では、メール送信サーバー4が配信基礎メールの生成と、送信とを行うこととしたが、これらの機能を複数台のサーバーに分けて行うこととしても構わない。
【0067】
また、第1の実施形態において、表示用の電子メールの生成タイミングは、メールサーバー6が配信要求を受けたタイミングに限られるものではなく、予め定められた時間間隔で有効期限切れの配信基礎メールを検索し、検索された配信基礎メールについて表示用の電子メールの生成を予め行っておくこととしてもよい。
【0068】
また、第1の実施形態において、配信基礎メールをテキスト形式で構成する場合には、各配信基礎メールに対して有効期限及び有効期限が切れた後に置き換えるべき情報を別途保持しておくこととしても構わない。
【0069】
また、電子メールに定める期限の情報は複数あることとしてもよく、各期限において表示すべき表示データを定めておくこととしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 電子メールシステム、2 メール配信要求装置、4 メール送信サーバー、6 メールサーバー、8 クライアント装置、10 ネットワーク、40 電子メールデータ受付部、42 配信基礎メール生成部、44 配信基礎メール送信部、60 配信基礎メール受信部、62 配信基礎メール記憶部、64 配信要求受付部、66 配信対象メール取得部、68 期限切れメール検索部、70 表示用メール生成部、72 メール配信、80 メール配信要求部、82 メール受信部、84 表示制御部、86 表示部、100 表示欄。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールシステム、電子メールの処理方法、プログラム及び情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーに情報提供を行う際に電子メールを利用することがある。ただし、ユーザーが電子メールを受信するタイミングや閲覧するタイミングによっては、電子メールに記載されている情報の有効期限が切れていることもあり、ユーザーにとっては不要な情報が提供されてしまうことがある。そこで、例えば下記の特許文献1に記載されているように、メールボックス内に格納された電子メールを定期的に検索し、有効期限が切れた電子メールを自動的に削除することにより、有効期限が切れた電子メールをユーザーには提供しないようにするシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−308377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、有効期限が切れた電子メールを自動的に削除してしまうと、ユーザーは何の情報も目にすることができないし、電子メールの送信側としても電子メールを送信したにも関わらず、ユーザーに電子メールを送ったことすら通知されないのは単なる送信コストの無駄となってしまう。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電子メールに定められた有効期限が切れたか否かに応じて電子メールの表示内容を変更することができる電子メールシステム、電子メールの処理方法、プログラム及び情報記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子メールシステムは、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様では、前記電子メールシステムは、前記取得手段と前記生成手段とを含む電子メール配信装置と、前記電子メール配信装置に電子メールの配信を要求するクライアント装置とを含み、前記電子メール配信装置は、前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、前記生成手段により生成した電子メールを前記クライアント装置に配信する配信手段を含むこととする。
【0008】
本発明の一態様では、前記電子メール配信装置は、前記取得手段により取得した電子メールを記憶する記憶手段と、前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、当該クライアント装置に配信する電子メールであって、有効期限が切れている電子メールを前記記憶手段から検索する検索手段と、をさらに含み、前記生成手段は、前記検索手段により検索された電子メールについては、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成することとする。
【0009】
本発明の一態様では、前記電子メール配信装置は、前記検索手段により検索されたそれぞれの電子メールについて前記生成手段により生成された表示情報を含む期限徒過通知メールを生成する手段をさらに含み、前記配信手段は、前記検索手段により検索されたそれぞれの電子メールに代えて、前記期限徒過通知メールを配信することとする。
【0010】
本発明の一態様では、前記電子メール配信装置は、前記検索手段により検索された電子メールのうち属性情報が同じ電子メールの1つを選択する選択手段と、前記検索手段により検索された電子メールのうち前記選択手段により選択されなかった電子メールを削除する削除手段と、をさらに含み、前記生成手段は、前記選択手段により選択された電子メールについては、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成することとする。
【0011】
本発明の一態様では、前記有効期限と前記有効期限外表示データは、前記電子メールを記述するマークアップ言語における表示対象外の様式で記述されるデータであることとする。
【0012】
本発明の一態様では、前記電子メールシステムは、前記取得手段を含む電子メール配信装置と、前記生成手段を含み、前記電子メール配信装置に電子メールの配信を要求するクライアント装置とを含み、前記電子メール配信装置は、前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、当該クライアント装置に前記取得手段により取得した電子メールを配信する配信手段を含み、前記生成手段は、前記配信手段により配信された電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成することとする。
【0013】
本発明に係る電子メールの処理方法は、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得ステップと、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプログラムは、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
本発明に係る情報記録媒体は、有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した情報記録媒体である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、電子メールに定められた有効期限が切れたか否かに応じて電子メールの表示内容を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態に係る電子メールシステムのシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る電子メールシステムにおいて行われる処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。
【図3】配信基礎メールのデータ構成の一例を示す図である。
【図4A】有効期限内表示メールの一例を示す図である。
【図4B】有効期限外表示メールの一例を示す図である。
【図5】メール送信サーバー、メールサーバー、クライアント装置に備えられた機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】メール管理テーブルの一例を示す図である。
【図7】期限徒過通知メールの一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態に係る電子メールシステムにおいて行われる処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。
【図9】配信基礎メールのデータ構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態)を、図面を参照しながら説明する。まず、第1の実施形態について説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
図1には、第1の実施形態に係る電子メールシステム1のシステム構成図を示した。図1に示されるように、電子メールシステム1は、メール配信要求装置2、メール送信サーバー4、メールサーバー6、及びクライアント装置8を含み、各装置及びサーバーはインターネット等のネットワーク10を介して相互に通信可能に接続されている。
【0020】
メール配信要求装置2は、ユーザーのメールアドレスを宛先とする電子メールの配信をメール送信サーバー4に要求するコンピュータである。メール配信要求装置2は、配信する電子メールに対して、有効期限と、有効期限内に表示する有効期限内表示データと、有効期限が切れた後に表示する有効期限外表示データとを設定する。有効期限内表示データや有効期限外表示データには、電子メールを構成する件名、本文、その他の情報を含むこととしてもよいし、有効期限内表示データと有効期限外表示データとにおいて共通するデータは別に共通データとして定めておくこととしてもよいし、一方のデータを他方のデータからの差分データとして構成することとしてもよい。なお、有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データを含む電子メール(配信基礎メール)は、メール配信要求装置2において生成された後にメール送信サーバー4に送られることとしてもよいし、有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データの情報をメール送信サーバー4に送信することでメール送信サーバー4が配信基礎メールを生成することとしてもよい。
【0021】
メール送信サーバー4は、メール配信要求装置2により送信が要求された電子メールを、当該電子メールの宛先のメールアドレスを管理するメールサーバー6に送信するコンピュータである。例えば、メール送信サーバー4は、電子メールの配信要求をメール配信要求装置2から受け付けた場合に、メール配信要求装置2に対して、有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データの登録を促し、登録されたそれぞれのデータに基づいて送信する電子メール(配信基礎メール)を生成することとしてよい。
【0022】
メールサーバー6は、管理するユーザーのメールアドレス宛の電子メールを受信し蓄積するとともに、クライアント装置8からユーザーのメールアドレス宛に送られた電子メールの配信要求を受け付けた場合に、蓄積された電子メールの中から該当する電子メールを検索し、検索した電子メールをクライアント装置8に対して配信するコンピュータである。本実施形態では、メールサーバー6は、メール送信サーバー4から受信し蓄積した電子メール(配信基礎メール)について設定された有効期限が切れていない場合には有効期限内表示データに基づく電子メールを送信し、配信基礎メールについて設定された有効期限が切れている場合には有効期限外表示データに基づく電子メールをクライアント装置8に配信することとする。
【0023】
クライアント装置8は、ユーザーにより操作されるコンピュータであり、当該ユーザーのメールアドレス宛の電子メールの配信をメールサーバー6に対して要求する。クライアント装置8は、電子メールの配信要求に応じてメールサーバー6から配信された電子メールを受信した後に、受信した電子メールを表示することとしてよい。
【0024】
ここで、図2に示したシーケンス図を参照しながら、第1の実施形態に係る電子メールシステム1において行われる処理の流れの一例を説明する。
【0025】
図2に示されるように、メール送信サーバー4は、例えばメール配信要求装置2から、電子メールの宛先、送信者情報、電子メールの有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データ等の電子メールデータを受け付けて(S1001)、当該電子メールデータに基づいて配信基礎メールを生成する(S1002)。メール送信サーバー4は、上記生成した配信基礎メールを、宛先の電子メールを管理するメールサーバー6に送信する(S1003)。
【0026】
図3には、メール送信サーバー4において生成される配信基礎メールのデータ構成の一例を示した。図3に示される配信基礎メールの例では、有効期限、有効期限内表示データ及び有効期限外表示データはHTMLデータとして記述される。図3に示した例においては、有効期限及び有効期限外表示データがコメントアウトされており、有効期限内表示データはコメントアウトされていないが、配信基礎メールの態様はこれに限られない。例えば、有効期限内表示データと有効期限外表示データとを共にコメントアウトし、有効期限に応じてどちらか一方のコメントアウトを外すこととしてもよいし、両者をコメントアウトせずに記述し、有効期限に応じてどちらか一方のデータを削除するようにしてもよい。また、有効期限及び有効期限外表示データは、所定のタグにより囲むことにより、コメント内で各データを識別可能なように構成することとしてもよい。
【0027】
図2のシーケンス図に戻り説明を続ける。メールサーバー6は、メール送信サーバー4から配信基礎メールを受信すると、受信した配信基礎メールを記憶して管理する(S1004)。メールサーバー6は、登録されているユーザーのメールアドレス毎にメールボックスを保持し、受信した電子メール(配信基礎メールを含む)を当該電子メールの宛先のメールアドレスに対応するメールボックスに格納して管理することとしてよい。
【0028】
メールサーバー6は、クライアント装置8から、ユーザーのメールアドレス宛の電子メールの配信要求を受け付けると(S1005)、記憶された配信基礎メールの中から上記ユーザーのメールアドレス宛の配信基礎メールを読み出す(S1006)。そして、メールサーバー6は、現在日時に基づき、上記読み出した配信基礎メールに対し有効期限が切れているか否かを判定する(S1007)。メールサーバー6は、有効期限が切れていると判定した場合には(S1007:Y)、配信基礎メールに含まれる有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて有効期限外表示データに基づいて表示用の電子メール(すなわち、有効期限外に表示すべき有効期限外表示メール)を生成する(S1008)。なお、本シーケンスの例では、配信基礎メールには初期状態で有効期限内表示データに基づく表示が行われるため、有効期限が切れていないと判定される場合には(S1007:N)、配信基礎メールをそのまま表示用の電子メール(すなわち、有効期限内に表示すべき有効期限内表示メール)とする(S1009)。
【0029】
メールサーバー6は、表示用の電子メールをクライアント装置8に送信し(S1010)、クライアント装置8はメールサーバー6から送信された電子メールを受信し、受信した電子メールをディスプレイ等の表示手段に表示する(S1011)。ここで、有効期限内であれば例えば図4Aに示されるメール(有効期限内表示メール)が、そして有効期限外であれば例えば図4Bに示されるメール(有効期限外表示メール)がクライアント装置8において表示されることとなる。
【0030】
図4Aに示される有効期限内表示メールの一例では、有効期限内であるため、表示欄100にはリンクAに基づきキャンペーン情報が表示されている。一方で、図4Bに示される有効期限外表示メールの一例では、有効期限が終了しているため、表示欄100にはリンクBに基づきキャンペーン情報が終了した旨の情報が表示されることとなる。もちろん、有効期限内表示メール及び有効期限外表示メールは図示した例に限られるものではなく、有効期限外表示メールにおいて有効期限内表示メールから置き換えられた情報に応じて多様な表示形態が実現されるのは言うまでもない。例えば、有効期限内表示メールと有効期限外表示メールとにおいて表示される内容は一部共通していてもよいし、両者が全く異なっていることとしてもよい。
【0031】
以上が図2に示したシーケンスに基づいて、電子メールシステム1で行われる処理の一連の流れである。以下、上述した処理を実現するために、メール送信サーバー4、メールサーバー6、クライアント装置8に備えられた機能の一例を、図5に示した機能ブロック図を参照しながら説明する。
【0032】
まず、メール送信サーバー4に備えられた機能の詳細について説明する。図5に示されるように、メール送信サーバー4は、電子メールデータ受付部40、配信基礎メール生成部42、及び配信基礎メール送信部44を備える。
【0033】
メール送信サーバー4に備えられる上記各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する通信インターフェース等の通信手段等のハードウェアを備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってメール送信サーバー4に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介してメール送信サーバー4に供給されることとしてもよい。
【0034】
電子メールデータ受付部40は、電子メールの宛先(メールアドレス)、件名、送信者情報、電子メールの有効期限、有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データ、有効期限外に表示するデータを示す有効期限外表示データを含む電子メールデータをメール配信要求装置2から受け付ける。
【0035】
配信基礎メール生成部42は、電子メールデータ受付部40により受け付けた電子メールデータに基づいて配信基礎メールを生成する。例えば、配信基礎メール生成部42は、有効期限内表示データをHTMLにおいて表示が許可される形式で記述すると共に、有効期限及び有効期限外表示データを表示が許可されない形式(コメントアウト)で記述することにより配信基礎メールを生成することとしてよい。
【0036】
配信基礎メール送信部44は、配信基礎メール生成部42により生成された配信基礎メールを、当該配信基礎メールに定められた宛先に送信する。
【0037】
次に、メールサーバー6に備えられた機能の詳細について説明する。図5に示されるように、メールサーバー6は、配信基礎メール受信部60、配信基礎メール記憶部62、配信要求受付部64、配信対象メール取得部66、期限切れメール検索部68、表示用メール生成部70、及びメール配信部72を備える。
【0038】
メールサーバー6に備えられる上記各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する通信インターフェース等の通信手段等のハードウェアを備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってメールサーバー6に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介してメールサーバー6に供給されることとしてもよい。
【0039】
配信基礎メール受信部60は、メール送信サーバー4の配信基礎メール送信部44から送信された配信基礎メールを受信する。
【0040】
配信基礎メール記憶部62は、配信基礎メール受信部60により受信した配信基礎メールや、配信基礎メールに係るメール管理テーブル等の各種データを記憶する。
【0041】
図6には、配信基礎メール記憶部62に記憶されるメール管理テーブルの一例を示した。図6に示されるメール管理テーブルの例では、配信基礎メールをそれぞれ識別するメールID、配信基礎メールに定められた有効期限、宛先のメールアドレス、メールの属性情報がそれぞれ関連づけて記憶される。なお、メールの属性情報とは、メールの内容に対して定められる情報としてよく、例えば送信者側により設定されることとしてもよいし、配信基礎メールの件名、送信者情報、本文情報等に基づいて定められる情報としてもよい。
【0042】
配信要求受付部64は、クライアント装置8からメールの配信要求を受け付ける。メールの配信要求には、メールアドレス等のアカウント情報、パスワードを含むこととしてよく、アカウント情報とパスワードの組による認証が正しく行われた場合に、クライアント装置8へのメール配信を行うこととしてよい。
【0043】
配信対象メール取得部66は、配信基礎メール記憶部62に記憶される配信基礎メールの中から、配信要求受付部64により受け付けた配信要求に係るメールアドレスを宛先(CcやBccを含む)とする配信基礎メールを取得する。例えば、配信対象メール取得部66は、配信基礎メール記憶部62に記憶されるメール管理テーブルを参照し、当該メール管理テーブルにおける宛先の欄に配信要求に係るメールアドレスを含む配信基礎メールの情報を取得することとしてよい。
【0044】
期限切れメール検索部68は、配信対象メール取得部66により取得した配信基礎メールのうち、有効期限が切れた配信基礎メールを検索する。例えば、期限切れメール検索部68は、現在日時を取得し、取得した現在日時と、配信対象メール取得部66により取得した配信基礎メールについてメール管理テーブルに記憶される有効期限とを比較して、有効期限が切れた配信基礎メールを検索することとしてよい。
【0045】
表示用メール生成部70は、配信対象メール取得部66により取得された配信基礎メールのうち、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールについて、有効期限内表示データの少なくとも一部を有効期限外表示データに基づいて置き換えることで、表示用(すなわち、クライアント装置8に配信する配信用)の電子メールを生成する。例えば、表示用メール生成部70は、有効期限外表示データのコメントアウトを外すことにより、すなわち有効期限外表示データを有効化することにより表示用の電子メールを生成することとしてよい。もちろん、配信メールの生成処理は上述した態様に限られるものではない。例えば、表示用メール生成部70は、配信対象メール取得部66により取得された配信基礎メールのうち、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールについては有効期限外表示データを有効化し、それ以外の配信基礎メール(すなわち有効期限内の配信基礎メール)については有効期限内表示データを有効化することで表示用の電子メールを生成することとしてもよい。また、表示用メール生成部70は、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールに基づいて、以下の態様の表示用メールを生成することとしてよい。
【0046】
すなわち、表示用メール生成部70は、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールに含まれる有効期限外表示データに基づいて置き換えられる情報を1つにまとめた電子メール(期限徒過通知メール)を生成することとしてよい。
【0047】
図7には、期限徒過通知メールの一例を示した。図7に示されるように、期限徒過通知メールには、期限が切れた配信基礎メールのそれぞれの情報が一覧表示される。例えば、表示される情報には、各配信基礎メールの件名、送信者、送信日時、コメント(このメールはXX日に期限が切れました。いまキャンペーンを行っているのはこちらのページ(http://・・・)です。)を含むこととしてよい。
【0048】
また、表示用メール生成部70は、期限切れメール検索部68により検索された配信基礎メールのうち、カテゴリ情報が共通する配信基礎メールについては、そのうちの1つ(例えば最も送信日時が新しいもの)を選択し、選択した配信基礎メールについては有効期限外表示データに基づく置き換えを行った配信メールを生成し、選択されなかった配信基礎メールについてはメールサーバー6内で削除(又は配信を停止)することとしてよい。この際、削除する配信基礎メールの情報は、選択された配信基礎メールに基づいて生成される配信メール内で削除した旨を記述してユーザーに通知することとしてもよい。
【0049】
メール配信部72は、表示用メール生成部70により生成された電子メールを、配信要求を受け付けたクライアント装置8に対して送信する。なお、表示用メール生成部70が期限徒過通知メールを生成した場合には、期限の切れた各配信基礎メールに基づく電子メールに代えて、期限徒過通知メールを送信することとしてよい。
【0050】
次に、クライアント装置8に備えられた機能の詳細について説明する。図5に示されるように、クライアント装置8は、メール配信要求部80、メール受信部82、表示制御部84、及び表示部86を備える。
【0051】
クライアント装置8に備えられる上記各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する通信インターフェース等の通信手段、キーボードやマウス等の入力手段やディスプレイ等の表示手段とデータ通信する入出力手段等のハードウェアを備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってクライアント装置8に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介してクライアント装置8に供給されることとしてもよい。
【0052】
メール配信要求部80は、メールサーバー6に対してメールの配信を要求する。例えば、メール配信要求部80は、メールアドレス等のアカウント情報、パスワードを含む配信要求データをメールサーバー6に送信することで、メールの配信要求を行うこととしてよい。
【0053】
メール受信部82は、メール配信要求部80による配信要求に応じて、メールサーバー6から送信される電子メールを受信する。
【0054】
表示制御部84は、メール受信部82により受信した電子メールを解析して表示データを生成し、生成した表示データを表示部86に出力する。
【0055】
表示部86は、表示制御部84から入力された表示データに基づいてイメージを出力する。
【0056】
以上説明した本発明の第1の実施形態に係る電子メールシステム1によれば、ユーザーは有効期限が切れた内容の電子メールを閲覧する必要がなく、有効な情報を得ることができる。また、メールサーバー6で有効期限が切れた電子メールの少なくとも一部を削除するようにすれば、有効期限が切れた内容の電子メールをユーザーに配信する必要が無くなり、管理するデータ容量も削減できる。また、有効期限が切れた場合に参照するべきリンク情報を有効期限外表示データに含めておけば、有効期限が切れた電子メールであっても所期のページにユーザーを誘導することができる。また、有効期限が切れた1又は複数の電子メールに代えて、1つの期限徒過通知メールを配信するようにすれば、ユーザーは期限徒過の通知を知らせる電子メールを複数閲覧する必要が無くなる。また、有効期限が切れた電子メールのうち属性情報が共通する電子メールの1つを除く電子メールについては配信を行わないようにすれば、ユーザーは同一又は類似する内容の電子メールを何通も閲覧しなくて済むようになる。また、メールサーバー6で表示用の電子メールを生成するようにすれば、クライアント装置8側の環境によらず、有効期限に応じた内容の電子メールをユーザーに提供することができる。また、電子メールの送信者も有効期限が切れた後も有意な情報をユーザーに提供することができるため、送信コストが無駄とならない。
【0057】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、クライアント装置8において配信基礎メールから表示用の電子メールを生成するようにした点で、すなわち、クライアント装置8が表示用メール生成部70の機能を備えるようにした点で第1の実施形態と異なっている。具体的には、第2の実施形態においては、メールサーバー6は、配信基礎メール受信部60、配信基礎メール記憶部62、配信要求受付部64、配信対象メール取得部66、及びメール配信部72を備えることとし、クライアント装置8が、表示用メール生成部70、メール配信要求部80、メール受信部82、表示制御部84、及び表示部86を備えることとする。なお、各部の処理は第1の実施形態と同様であるため機能ブロック図の説明は省略する。以下、図8に示したシーケンス図を参照しながら、第2の実施形態に係る電子メールシステム1において行われる処理の流れの一例を説明する。
【0058】
メール送信サーバー4は、例えばメール配信要求装置2から、電子メールの宛先、送信者情報、電子メールの有効期限、有効期限内表示データ、有効期限外表示データ等の電子メールデータを受け付けて(S2001)、当該電子メールデータに基づいて配信基礎メールを生成する(S2002)。メール送信サーバー4は、上記生成した配信基礎メールを、宛先の電子メールを管理するメールサーバー6に送信する(S2003)。
【0059】
図9には、メール送信サーバー4において生成される配信基礎メールのデータ構成の一例を示した。図9に示される配信基礎メールの例では、有効期限が切れたか否かに応じて表示内容を変更させるプログラムを含む。プログラムは例えば電子メールの閲覧用アプリケーションやウェブブラウザ等により処理可能なスクリプト言語により記述されることとしてよい。図示した例においては、現在時刻を取得するステップと、現在時刻が有効期限内にあるか否かを判定するステップと、有効期限内にあると判定された場合に配信基礎メールの本文に表示するリンクを有効期限内表示データに基づき設定し、有効期限外にあると判定された場合に配信基礎メールの本文に表示するリンクを有効期限外表示データに基づき設定するステップとを含んでいる。
【0060】
メールサーバー6は、メール送信サーバー4から配信基礎メールを受信すると、受信した配信基礎メールを記憶して管理する(S2004)。
【0061】
メールサーバー6は、クライアント装置8から、ユーザーのメールアドレス宛の電子メールの配信要求を受け付けると(S2005)、記憶された配信基礎メールの中から上記ユーザーのメールアドレス宛の配信基礎メールを読み出す(S2006)。そして、メールサーバー6は、上記読み出した配信基礎メールをクライアント装置8に送信する(S2007)。
【0062】
クライアント装置8は、受信した配信基礎メールに含まれるプログラムを処理し、当該配信基礎メールの有効期限が切れていると判定した場合には(S2008:Y)、配信基礎メールに含まれる有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて有効期限外表示データに基づいて表示用の電子メール(すなわち、有効期限外に表示すべき有効期限外表示メール)を生成する(S2009)。また、クライアント装置8は、配信基礎メールの有効期限が切れていないと判定した場合には(S2008:N)、配信基礎メールに含まれる有効期限内表示データに基づいて表示用の電子メール(すなわち、有効期限内に表示すべき有効期限内表示メール)を生成する(S2010)。
【0063】
クライアント装置8は、上記生成した表示用の電子メールをディスプレイ等の表示手段に表示する(S2011)。ここで、有効期限内であれば例えば図4Aに示されるメール(有効期限内表示メール)が、そして有効期限外であれば例えば図4Bに示されるメール(有効期限外表示メール)がクライアント装置8において表示されることとなる。
【0064】
また、上記の第2の実施形態では、クライアント装置8において、表示しようとする電子メールごとに有効期限に応じた表示内容の電子メールを生成する例を示したが、クライアント装置8に保持される未処理の電子メールの中から有効期限が切れた1又は複数の電子メールを検索し、検索された1又は複数の電子メールに対して表示内容を有効期限外表示データに応じて変更した電子メールを生成する処理をまとめて行うこととしてもよい。この場合には、クライアント装置8が期限切れメール検索部68をさらに備え、クライアント装置8に保持される未処理の電子メールの中から有効期限が切れた1又は複数の電子メールを検索する処理を、期限切れメール検索部68により行うようにしてよい。
【0065】
以上説明した第2の実施形態に係る電子メールシステム1によれば、ユーザーが電子メールを閲覧するタイミングにおいて有効期限が切れているか否かに応じて、電子メールの表示内容を変更することができる。また、メールサーバー6では表示用の電子メールを生成する機能を要しないため、メールサーバー6には既存の環境を用いることができる。
【0066】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、メール送信サーバー4とメールサーバー6とを別のサーバーとして記載したがこれらを1つのサーバーとして構成しても構わない。また、上記の実施形態では、メール送信サーバー4が配信基礎メールの生成と、送信とを行うこととしたが、これらの機能を複数台のサーバーに分けて行うこととしても構わない。
【0067】
また、第1の実施形態において、表示用の電子メールの生成タイミングは、メールサーバー6が配信要求を受けたタイミングに限られるものではなく、予め定められた時間間隔で有効期限切れの配信基礎メールを検索し、検索された配信基礎メールについて表示用の電子メールの生成を予め行っておくこととしてもよい。
【0068】
また、第1の実施形態において、配信基礎メールをテキスト形式で構成する場合には、各配信基礎メールに対して有効期限及び有効期限が切れた後に置き換えるべき情報を別途保持しておくこととしても構わない。
【0069】
また、電子メールに定める期限の情報は複数あることとしてもよく、各期限において表示すべき表示データを定めておくこととしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 電子メールシステム、2 メール配信要求装置、4 メール送信サーバー、6 メールサーバー、8 クライアント装置、10 ネットワーク、40 電子メールデータ受付部、42 配信基礎メール生成部、44 配信基礎メール送信部、60 配信基礎メール受信部、62 配信基礎メール記憶部、64 配信要求受付部、66 配信対象メール取得部、68 期限切れメール検索部、70 表示用メール生成部、72 メール配信、80 メール配信要求部、82 メール受信部、84 表示制御部、86 表示部、100 表示欄。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、
前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段と、
を含むことを特徴とする電子メールシステム。
【請求項2】
前記電子メールシステムは、前記取得手段と前記生成手段とを含む電子メール配信装置と、前記電子メール配信装置に電子メールの配信を要求するクライアント装置とを含み、
前記電子メール配信装置は、
前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、前記生成手段により生成した電子メールを前記クライアント装置に配信する配信手段を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電子メールシステム。
【請求項3】
前記電子メール配信装置は、
前記取得手段により取得した電子メールを記憶する記憶手段と、
前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、当該クライアント装置に配信する電子メールであって、有効期限が切れている電子メールを前記記憶手段から検索する検索手段と、をさらに含み、
前記生成手段は、前記検索手段により検索された電子メールについては、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子メールシステム。
【請求項4】
前記電子メール配信装置は、
前記検索手段により検索されたそれぞれの電子メールについて前記生成手段により生成された表示情報を含む期限徒過通知メールを生成する手段をさらに含み、
前記配信手段は、前記検索手段により検索されたそれぞれの電子メールに代えて、前記期限徒過通知メールを配信する
ことを特徴とする請求項3に記載の電子メールシステム。
【請求項5】
前記電子メール配信装置は、
前記検索手段により検索された電子メールのうち属性情報が同じ電子メールの1つを選択する選択手段と、
前記検索手段により検索された電子メールのうち前記選択手段により選択されなかった電子メールを削除する削除手段と、をさらに含み、
前記生成手段は、前記選択手段により選択された電子メールについては、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の電子メールシステム。
【請求項6】
前記有効期限と前記有効期限外表示データは、前記電子メールを記述するマークアップ言語における表示対象外の様式で記述されるデータである
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子メールシステム。
【請求項7】
前記電子メールシステムは、前記取得手段を含む電子メール配信装置と、前記生成手段を含み、前記電子メール配信装置に電子メールの配信を要求するクライアント装置とを含み、
前記電子メール配信装置は、
前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、当該クライアント装置に前記取得手段により取得した電子メールを配信する配信手段を含み、
前記生成手段は、前記配信手段により配信された電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子メールシステム。
【請求項8】
有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得ステップと、
前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成ステップと、
を含むことを特徴とする電子メールの処理方法。
【請求項9】
有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、
前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、
前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した情報記録媒体。
【請求項1】
有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、
前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段と、
を含むことを特徴とする電子メールシステム。
【請求項2】
前記電子メールシステムは、前記取得手段と前記生成手段とを含む電子メール配信装置と、前記電子メール配信装置に電子メールの配信を要求するクライアント装置とを含み、
前記電子メール配信装置は、
前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、前記生成手段により生成した電子メールを前記クライアント装置に配信する配信手段を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電子メールシステム。
【請求項3】
前記電子メール配信装置は、
前記取得手段により取得した電子メールを記憶する記憶手段と、
前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、当該クライアント装置に配信する電子メールであって、有効期限が切れている電子メールを前記記憶手段から検索する検索手段と、をさらに含み、
前記生成手段は、前記検索手段により検索された電子メールについては、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子メールシステム。
【請求項4】
前記電子メール配信装置は、
前記検索手段により検索されたそれぞれの電子メールについて前記生成手段により生成された表示情報を含む期限徒過通知メールを生成する手段をさらに含み、
前記配信手段は、前記検索手段により検索されたそれぞれの電子メールに代えて、前記期限徒過通知メールを配信する
ことを特徴とする請求項3に記載の電子メールシステム。
【請求項5】
前記電子メール配信装置は、
前記検索手段により検索された電子メールのうち属性情報が同じ電子メールの1つを選択する選択手段と、
前記検索手段により検索された電子メールのうち前記選択手段により選択されなかった電子メールを削除する削除手段と、をさらに含み、
前記生成手段は、前記選択手段により選択された電子メールについては、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の電子メールシステム。
【請求項6】
前記有効期限と前記有効期限外表示データは、前記電子メールを記述するマークアップ言語における表示対象外の様式で記述されるデータである
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子メールシステム。
【請求項7】
前記電子メールシステムは、前記取得手段を含む電子メール配信装置と、前記生成手段を含み、前記電子メール配信装置に電子メールの配信を要求するクライアント装置とを含み、
前記電子メール配信装置は、
前記クライアント装置から電子メールの配信要求を受け付けた場合に、当該クライアント装置に前記取得手段により取得した電子メールを配信する配信手段を含み、
前記生成手段は、前記配信手段により配信された電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、当該電子メールに含まれる前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子メールシステム。
【請求項8】
有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得ステップと、
前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成ステップと、
を含むことを特徴とする電子メールの処理方法。
【請求項9】
有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、
前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
有効期限と、当該有効期限内に表示するデータを示す有効期限内表示データと、当該有効期限が切れた後に表示するデータを示す有効期限外表示データとを含む電子メールを取得する取得手段と、
前記電子メールに含まれる有効期限が切れている場合には、前記有効期限内表示データの少なくとも一部に代えて前記有効期限外表示データに基づいて表示用の前記電子メールを生成する生成手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した情報記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−129693(P2012−129693A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277893(P2010−277893)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]