説明

電子回路

【課題】ディスプレイ上の画像の動きに応じた音場を構築するための制御を行う。
【解決手段】ディスプレイ(114)への表示を行う表示処理部(112)と、スピーカの駆動制御を行う音声処理部(113)と、前記表示処理部と前記音声処理部を制御する制御部(101)と、を有する電子回路(10)は、当該電子回路に外部から加えられた物理的な動きを検出する加速度センサ(11)の出力に基づいて、ディスプレイ上の画像(301)の動きを変化させる制御を行うとともに、前記画像の動きに同期してスピーカ(110、111)からの音声を変化させる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの出力に応じて画像や音を制御する電子回路に係り、例えば、加速度センサ、ディスプレイ、及びスピーカを備えた携帯端末に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサ機能を搭載した車載用オーディオ機器や携帯端末等が増加している。例えば、車載用オーディオ機器は、センサで検出した情報を分析し、オーディオデータを処理加工することによりユーザに最適な音響環境を構築する。この従来技術の具体例として、以下の特許文献1に開示がある。
【0003】
特許文献1に記載の方法は、二つのスピーカを有するスピーカ装置が、聴取者の位置を検出するセンサを備え、当該センサの検出信号に基づいて二つのスピーカの出力レベルを自動的に調整する方法である。
【0004】
また、前記携帯端末では、例えば、当該携帯端末に搭載したセンサにより携帯端末の動きを検出し、当該携帯端末の制御を行うことが可能となっている。この従来技術の具体例として、以下の特許文献2に開示がある。
【0005】
特許文献2に記載の方法は、携帯電話端末が加速度センサを備え、当該携帯電話端末に外部から加えられた物理的な動きを前記加速度センサで検出し、当該検出した動きパターンを分析することにより、前記携帯電話端末のディスプレイ上に再生する動画像データの再生、一時停止及び早送り等の操作をキー入力に頼ることなく行う方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−327500
【特許文献2】特開2002−171316
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、聴取者の位置に応じてスピーカの出力を調整するものであり、センサを動かすことにより、音場を制御することはできない。また、特許文献2に記載の方法は、前記加速度センサで検出した携帯電話端末の動作パターンに基づいて、ディスプレイ上に動画像データの再生等の操作を行うものであり、再生された動画像データの表示状態と連動して音を制御することはできない。
【0008】
本発明の目的は、ディスプレイ上の画像の動きに応じた音場を構築するための制御を行う電子回路を提供することにある。
【0009】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0011】
すなわち、電子回路は、当該電子回路に外部から加えられた物理的な動きを検出する加速度センサの出力に基づいて、ディスプレイ上の画像の動きを変化させる制御を行うとともに、前記画像の動きに同期してスピーカからの音声を変化させる制御を行う。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0013】
すなわち、電子回路は、ディスプレイ上の画像の動きに応じた音場を構築するための制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末1のブロック図である。
【図2】図2は、携帯端末1における映像の表示制御と音声の出力制御の動作フローの一例である。
【図3】図3は、前記ゲームソフトウェアによる表示画像と携帯端末1の動きを表した説明図である。
【図4】図4は、図3の場合における音圧変化の説明図である。
【図5】図5は、図3の場合における音声出力の制御方法の説明図である。
【図6】図6は、音場制御部108のブロック図である。
【図7】図7は、前記携帯端末1の状態を変化させた場合の音圧変化の別の一例である。
【図8】図8は、前記携帯端末1における別の音圧の制御方法に係る一例である。
【図9】図9は、図8の場合における音圧変化の説明図である。
【図10】図10は、前記携帯端末1の状態を変化させた場合の音圧変化の別の一例である。
【図11】図11は、前記携帯端末1における別の音圧の制御方法に係る説明図である。
【図12】図12は、図11の場合における音圧変化の説明図である。
【図13】図13は、前記携帯端末1の状態を変化させた場合の音圧変化の別の一例である。
【図14】図14は、本発明の一実施の別の形態に係る携帯端末2のブロック図である。
【図15】図15は、ゲームソフトウェアによる表示画像と携帯端末2の動きを表した説明図である。
【図16】図16は、図15の場合における音圧変化の説明図である。
【図17】図17は、携帯端末2における音声の出力制御方法の原理を示す説明図である。
【図18】図18は、図17の場合における音圧変化の説明図である。
【図19】図19は、本発明の一実施の別の形態に係るオーディオ制御システム18の一例である。
【図20】図20は、図19の場合における各スピーカの音圧変化の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0016】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る電子回路(10)は、ディスプレイ(114)への表示を行う表示処理部(112)と、スピーカ(110、111、120)の駆動制御を行う音声処理部(113)と、前記表示処理部と前記音声処理部を制御する制御部(101)と、を有する電子回路であって、前記制御部は、前記電子回路に外部から加えられた物理的な動きを検出する加速度センサ(11)の出力に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きを解析し、当該解析結果に基づいて前記ディスプレイ上の画像(301)の動きを変化させる制御を行うとともに、前記画像の動きに同期して前記スピーカからの音声を変化させる制御を行う。これによれば、画像の動きに応じた音場を構築することができる。
【0017】
〔2〕項1の電子回路において、前記表示処理部は、前記制御部の制御に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きを前記ディスプレイ上の画像の動きとして表示し、前記音声処理部は、前記制御部の制御に基づいて、表示された画像の動きの方向に応じて音圧分布を遷移させる。これによれば、画像の動く方向に応じて音圧分布が遷移する音場を構築することができる。
【0018】
〔3〕項2の電子回路において、前記スピーカは、離間して配置される複数のスピーカである。これによれば、複数のスピーカによって音場を構築することができる。
【0019】
〔4〕項1の電子回路において、前記表示処理部は、前記制御部の制御に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きをディスプレイ上の画像の動きとして表示し、前記音声処理部は、前記制御部の制御に基づいて、表示された画像の動きの方向に応じて音圧を増加又は減少させる。これによれば、画像の動く方向に応じて音圧が変化する音場を構築することができる。
【0020】
〔5〕項2の電子回路において、前記制御部は、表示された画像の動きの速度に応じて音圧分布を遷移させる変化率を制御する。これによれば、音圧分布を変化させる速度を制御することができる。
【0021】
〔6〕項4の電子回路において、前記制御部は、表示された画像の動きの速度に応じて音圧を増加又は減少させる変化率を制御する。これによれば、音圧を変化させる速度を制御することができる。
【0022】
〔7〕項2の電子回路において、前記音声処理部は、前記表示された画像の動きと順方向又は逆方向に音圧分布を遷移させる。これによれば、画像の動きと順方向又は逆方向に音圧分布が遷移する音場を構築することができる。
【0023】
〔8〕項1の電子回路において、前記電子回路は、一つの半導体基板に形成される。
【0024】
〔9〕項1の電子回路において、前記電子回路は、前記加速度センサ(11)を更に備える。
【0025】
〔10〕本発明の代表的な別の実施の形態に係る携帯端末(1、2)は、ディスプレイ(114)への表示制御を行い、スピーカ(110、111、120)の駆動制御を行う電子回路(10)と、前記電子回路に接続され、前記電子回路に外部から加えられた物理的な動きを検出する前記加速度センサ(11)と、前記電子回路に接続される前記ディスプレイと、前記電子回路に接続される前記スピーカと、を備える。前記電子回路は、前記ディスプレイへの表示を行う表示処理部(112)と、前記スピーカの駆動制御を行う音声処理部(113)と、前記表示処理部と前記音声処理部を制御する制御部(101)と、を有し、前記制御部は、前記加速度センサの出力に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きを解析し、当該解析結果に基づいて前記ディスプレイ上の画像(301)の動きを変化させる制御を行うとともに、前記画像の動きに同期して前記スピーカからの音声を変化させる制御を行う。これによれば、携帯端末において、ディスプレイ上の画像の動きに応じた音場を構築することができる。
【0026】
〔11〕本発明の代表的な別の実施の形態に係るオーディオ制御システム(18)は、ディスプレイ(182)への表示を行う表示処理部(181_A)と、複数のスピーカの駆動を行う音声処理部(181_B)と、前記表示処理部と前記音声処理部を制御する制御部(181_C)と、外部から加えられた物理的な動きを検出する加速度センサ(180)を有する。前記制御部は、前記加速度センサが検出した物理的な動きを解析し、当該解析結果に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きを前記ディスプレイ上の画像(1800、1801)の動きとして表示する制御を行うとともに、表示された画像の前記ディスプレイ上の位置に応じて、前記複数のスピーカからの音圧の分布を決定する制御を行う。これによれば、ディスプレイ上の画像の位置に応じた音場を構築することができる。
【0027】
〔12〕項11のオーディオ制御システムは、前記音声処理部に接続され、離間して配置される複数のスピーカ(183〜186)と、前記表示処理部に接続されるディスプレイ(182)と、を更に有する。
【0028】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0029】
≪実施の形態1≫
図1に本発明の一実施の形態として、加速度センサと加速度センサの出力に応じて画像処理と音声処理を行う電子回路を内蔵した携帯端末を示す。
【0030】
図1に示される携帯端末1は、例えば、携帯通信端末である。
【0031】
図1に示される携帯端末1は、データ処理制御部10、センサ部11、ディスプレイ114、カメラ部117、スピーカ110、スピーカ111、マイク部115、及びその他の図示されない入出力インターフェイス回路等を備える。
【0032】
前記センサ部11は、センサ104とセンサ制御部103からなる。
【0033】
前記センサ104は、前記携帯端末1に外部から加えられた物理的な動きを検出するセンサであり、例えば、加速度センサである。以下の説明では、前記センサ104を加速度センサ104として説明する。
【0034】
前記センサ制御部103は、前記加速度センサ104による検出結果を前記データ処理制御部10に対して、所定のタイミングで受け渡す制御を行う。
【0035】
前記ディスプレイ114は、前記データ処理制御部10に接続され、前記データ処理制御部10によって処理された画像データに基づいて画像を表示する。
【0036】
前記カメラ部117は、撮影した被写体像に係る画像信号を前記データ処理制御部10に与える。
【0037】
前記マイク部115は、外部から取り込んだ音声の音声信号を前記データ処理制御部10に与える。
【0038】
前記スピーカ110及び111は、前記データ処理制御部10に接続され、前記データ処理制御部10によって処理された音声データに基づいて音声を出力する。
【0039】
前記データ処理制御部10は、携帯通信端末におけるデータ処理を行い、前記ディスプレイ114及びスピーカ110等の制御を行う電子回路である。
【0040】
前記データ処理制御部10は、例えば、ゲーム、動画再生及びカメラ撮影等のアプリケーション処理や、音声通話等の通信のためのベースバンド処理等を行う。
【0041】
前記データ処理制御部10は、前記アプリケーション処理において、例えば、画像データや音声データ等のデータ処理を実行し、前記センサ部11から受け取った前記検出結果に基づいて、前記ディスプレイ114と、前記スピーカ110及び111を制御する。
【0042】
前記データ処理制御部10は、CPU101、画像処理部112、音声処理部113、メモリ部12、データ転送制御部105、及び周辺回路116を備え、夫々のブロックはバス102に接続されている。
【0043】
前記データ処理制御部は、例えば、1つの半導体基板に形成された半導体装置でもよいし、複数の半導体装置から構成されるマルチチップの半導体装置でもよい。
【0044】
前記CPU101は、プログラムに従って演算処理を行う中央演算処理装置である。
【0045】
前記CPU101は、前記センサ部11からの前記検出結果を解析し、当該解析結果に基づいて、映像及び音声を制御するためのセンサ情報を生成する。そして、前記CPU101は、生成した前記センサ情報を前記画像処理部112及び前記音声処理部113に与える。なお、前記センサ情報の詳細については、後述する。
【0046】
前記画像処理部112は、前記センサ情報に基づいて、前記センサ11が検出した動きを前記ディスプレイ114上の画像の動きとして表示させる。具体的な処理方法は後述する。
【0047】
前記音声処理部113は、音場制御部108及びオーディオI/F部109から構成される。
【0048】
前記音場制御部108は、前記メモリ部12から音声データを取得し、当該音声データに対して所要の処理を行って、前記オーディオI/F部109に与える。このとき、前記音場制御部108は、前記CPU101から受け取った前記センサ情報に基づいて、前記ディスプレイ114上の画像の動きと同期して音圧が変化するように、前記音声データの音圧を調整した音声データを生成する。具体的な処理方法は後述する。
【0049】
前記オーディオI/F部109は、入力された音声データを所望のフォーマットに変換して、前記スピーカ110及び111を制御し、音声を出力させる。
【0050】
前記データ転送制御部105は、前記CPU101によって転送条件等が設定され、前記CPU101、前記画像処理部112、前記音声処理部113、又は前記周辺回路116等からの転送要求に従い、前記メモリ部12に対してデータの転送を行う。前記データ転送制御部105は、例えば、DMAC(Direct Memory Access Controller)である。
【0051】
前記メモリ部12は、メモリ107とメモリコントロール部106を備える。
【0052】
前記メモリ107は、データを記憶する記憶領域を有し、当該記憶領域には、前記CPU101による演算結果、画像データ、及び音声データ等が格納される。
【0053】
前記メモリコントロール部106は、前記CPU101や前記データ転送制御部105からのアクセス要求に基づいて、前記メモリ107に対するデータの書き換え及び読み出し等の制御を行う。
【0054】
前記周辺回路116は、音声通話時や待ち受け動作時に動作して電話機能等のベースバンド処理を実行するベースバンドプロセッサ、及びデータの送受信等を実現するR/Fモジュール等から構成されるその他の回路モジュールである。
【0055】
ここで、前記携帯端末1における前記加速度センサ104の検出結果を用いた映像の表示制御と音声の出力制御について説明する。
【0056】
図2は、前記携帯端末1における映像の表示制御と音声の出力制御の動作フローの一例である。
【0057】
先ず、前記加速度センサ104が前記携帯端末に外部から加えられた物理的な動きを検出し、検出結果を前記センサ制御部103に出力する(S201)。具体的には、前記加速度センサ104は、前記携帯端末1の動きを検出して、当該動きから加速度を計算し、当該加速度の情報を検出結果として出力する。前記加速度の計算は、例えば、2軸の加速度センサにおいて、横方向の動きを表す軸をX軸、縦方向の動きを表す軸をY軸と仮定したとき、タイマ又はカウンタ等の手段に基づいて決定される所定の期間における静電容量の値を検出することにより、X軸及びY軸の夫々の変動幅を算出し、加速度を算出する。
【0058】
前記検出結果を受け取った前記センサ制御部103は、当該検出結果を所定のタイミングで前記データ処理制御部10に受け渡す(S202)。
【0059】
前記CPU101は、前記センサ制御部103から受け渡された前記検出結果を、前記バス102を介して受け取り、当該検出結果に基づいて前記センサ情報を生成する(S203)。当該生成の具体的な方法は、以下である。
【0060】
前記センサ情報は、位置情報、速度情報、及び前記位置情報と前記速度情報を算出するための所定のパラメータとを含む。
【0061】
前記位置情報はX軸とY軸における目的とする移動先の位置の座標(X、Y)の情報であり、前記速度情報は単位時間後のX軸方向の速度とY軸方向の速度(VX、VY)の情報である。
【0062】
ここで、前記所定のパラメータとして、X軸方向及びY軸方向の加速度ベクトル(AX,AY)、現在のX軸方向及びY軸方向の速度ベクトル(VX0,VY0)、並びに現在位置(X0,V0)を定義する。これらのパラメータを用いて、前記位置情報は(式1)及び(式2)に基づいて決定され、前記速度情報は(式3)及び(式4)に基づいて決定される。
【0063】
X=VX+X0・・・(式1)
Y=VY+Y0・・・(式2)
VX=AX+VX0・・・(式3)
VY=AY+VY0・・・(式4)
【0064】
以上のように前記CPU101は、前記センサ情報を生成する。
【0065】
次に、前記CPU101は、生成した前記センサ情報を前記画像処理部112及び前記音声処理部113に、当該センサ情報を与える(S204)。
【0066】
前記センサ情報を受け取った前記画像処理部112は、当該センサ情報に基づいて、前記ディスプレイ114上の画像の動きを表示させるための映像データを生成する(S205)。そして、前記画像処理部112は、前記画像データを所要のフォーマットに変換し、図示されない前記画像処理部112内のディスプレイ駆動制御部に与え(S206)、前記ディスプレイ14に画像を表示させる(S207)。
【0067】
一方、ステップ204において前記センサ情報を受け取った前記音声処理部113は、当該センサ情報に基づいて、前記スピーカ110と前記スピーカ111の音圧の強度を調整した夫々の音声データを生成し、前記オーディオI/F部109に与える(S208)。前記オーディオI/F部109は、夫々の前記音声データを所要のフォーマットに変換し(S209)、前記スピーカ110及びスピーカ111から音声を出力させる(S210)。
【0068】
次に、前記センサ情報に基づいた画像、及び音声の出力制御の具体的な方法について説明する。
【0069】
ここでは、前記ディスプレイ114上に表示されたボールの画像301が、前記加速度センサ104の検出結果に応じて動作し、当該ボールの画像301に動きと同期して音圧が変化する、特定のアプリケーションによるゲームソフトウェアの表示形式を一例として説明する。
【0070】
図3は、前記ゲームソフトウェアによる表示画像と前記携帯端末1の動きを表した説明図である。
【0071】
図4は、図3の場合における音圧変化の説明図である。
【0072】
図3において、前記携帯端末1はその中央部分に前記ディスプレイ114を備えるとともに、その左側には前記スピーカ110を、その右側には前記スピーカ111を備える。
【0073】
なお、以下の説明においては、説明を簡単にするため、図3における前記スピーカ110と前記スピーカ111を結ぶ直線方向をX軸とし、前記表示画像301のX軸方向の動作のみを考える。
【0074】
図3の(A)に示される状態1において、前記ディスプレイ114の中央部分にボールの画像301が表示されている。また、このとき前記スピーカ110及び111から出力される音の音圧は、図4に示すように、所定の音圧範囲における中心の音圧である。
【0075】
以下に、図3の(A)から図3の(C)に至る状態の変化における画像の表示制御と音声の出力制御とについて、夫々の制御毎に説明する。
【0076】
はじめに、画像の表示制御の方法について説明する。
【0077】
まず、図3の(A)の示す状態1から、図3の(B)の示す状態2に変化させる場合を考える。
【0078】
図3の(B)に示すように、前記携帯端末1の状態を水平状態である状態1から、前記携帯端末1の右側を前記ディスプレイ114の中心を軸として下方向に傾けた状態2に変化させる。すなわち、加速度の向きが、前記ディスプレイ114の中心軸から右側の前記スピーカ111に向かう方向となるように変化させる。
【0079】
このとき、前記加速度センサ104はX軸方向の動きを検出して、X軸方向の加速度を算出し、当該加速度の情報を検出結果として出力する。当該検出結果は、前記センサ制御部103により前記データ処理制御部10の前記CPU101に与えられ、当該検出結果を受け取った前記CPU101は、前述の方法により前記センサ情報を生成し、前記画像処理部112及び前記音声処理部113に当該センサ情報を与える。
【0080】
前記センサ情報を受け取った前記画像処理部112は、前記画像301の表示状態を変化させる制御を行う。具体的には、以下の制御を行う。
【0081】
まず、前記画像処理部112は、画像を描画する際の基準点となるアンカーポイントを設定する。図2(A)の場合において、前記画像301が、前記ディスプレイ114の中心点にあることから、当該中心点を前記アンカーポイントと設定し、前記センサ情報と対応させる。すなわち、前記アンカーポイントを前記現在位置(X0,V0)の情報に対応させる。
【0082】
そして、前記画像処理部112は、前記アンカーポイントを基準として、前記画像301の表示状態の変化を制御する。すなわち、前記画像処理部112は、前記画像301の前記ディスプレイ114上における移動先の座標と、移動速度を決定する。前記移動先の座標は、前記位置の座標(X、Y)の情報に基づいて算出される。また、前記移動速度は、前記X軸方向の速度とY軸方向の速度(VX、VY)の情報に基づいて算出される。そして、前記画像処理部112は、算出した前記移動先の座標と前記移動速度に基づいて画像データを生成し、当該画像データを所要のフォーマットに変換して、図示されない前記画像処理部112内のディスプレイ駆動制御部に与え、前記ディスプレイ14に画像を表示させる。これにより、図3の(B)に示すように、ボールを表す前記画像301が、前記X軸上をスピーカRの方向に転がるように表示される。
【0083】
次に、図3の(B)に示される状態2から、図3の(C)に示される状態3に変化させる場合を考える。
【0084】
図3の(C)に示すように、前記携帯端末1を右側が下に傾いている状態2から、前記携帯端末1の左側を前記ディスプレイ114の中心を軸として下方向に傾けた状態3に変化させる。すなわち、加速度の向きが、前記ディスプレイ114の中心軸から、左側の前記スピーカ110に向かう方向となるように変化させる。
【0085】
このとき、X軸方向の動きが前記加速度センサ104により検出され、前述と同様の方法及び手順によって、前記センサ情報が生成され、前記画像処理部112及び前記音声処理部113に与えられる。
【0086】
前記センサ情報を受け取った前記画像処理部112は、前記画像301の表示状態を変化させる制御を行う。具体的には、以下の制御を行う。
【0087】
まず、前記画像処理部112は、前述と同様に、画像を描画する際の基準点となるアンカーポイントを設定する。前記アンカーポイントは、図2(B)における前記表示画像301の位置に設定され、前記現在位置(X0,V0)の情報が対応付けられる。
【0088】
そして、前記画像処理部112は、前記アンカーポイントを基準として、前述の方法と同様に、前記画像301の前記ディスプレイ114上における前記移動先の座標と前記移動速度とを算出し、当該算出結果に基づいて画像データを生成して、前記ディスプレイ14に画像を表示させる。これにより、図3(C)に示すように、ボールを表す前記画像301がX軸上をスピーカLの方向に転がるように表示される。
【0089】
以上により、前記画像処理部112が、前記センサ情報を前記ディスプレイ114上の座標に対応させることで、前記携帯端末1の動きを前記ディスプレイ上の前記画像301の動きとして表示させることが可能となる。
【0090】
次に、音声の出力制御の方法について説明する。
【0091】
前記センサ情報を受け取った前記音声処理部113は、前記画像301の表示状態に同期した音声の出力の制御を行う。当該制御の方法について図5を用いて詳細に説明する。
【0092】
図5は、図3の場合における音声出力の制御方法の説明図である。
【0093】
図5の(A)〜(C)に示される状態は、図3の(A)〜(C)に示される状態に対応している。なお、前記ディスプレイ114上の座標と、前記センサ情報との対応関係は、前述した前記画像処理部112による描画の場合と同様である。
【0094】
図5において、前記ディスプレイ114の右端及び左端の座標から前記画像301までの距離に応じて、左右の前記スピーカ110及び111の音圧が変化する。この場合において、音圧が変化するとは、ボールが転がる音の強弱が変化することをいう。
【0095】
図5の(A)に示される状態1において、前記音場制御部108は、前記センサ情報に含まれる前記現在位置(X0,V0)の情報に基づいて、前記画像301の位置から前記ディスプレイ114の右端までの距離R1と、前記画像301の位置から前記ディスプレイ114の左端までの距離L1とを算出する。そして、前記音場制御部108は、R1とL1の比に応じて、スピーカ毎に音圧を決定する。例えば、状態1の場合にはR1とL1の大きさが等しいので、図4に示されるように、右側のスピーカ111と左側のスピーカ110の音圧は等しくなるように決定され、その音圧レベルは全音圧範囲の中心音圧となる。
【0096】
図3の(A)に示される状態1から図3の(B)に示される状態2に変化させる場合を考える。
【0097】
この場合、前述のように、前記画像301は、前記CPU101からの前記センサ情報に基づいて前記画像処理部112の制御により、図5の(B)に示される位置に移動する。このとき、前記音場制御部108も前記CPU101から前記センサ情報を受け取り、音圧を変化させる制御を行う。すなわち、前記音場制御部108は、前記センサ情報に含まれる前記移動先の位置の座標(X、Y)の情報に基づいて、前記画像301の位置から前記ディスプレイ114の右端までの距離R2と、前記画像301の位置から前記ディスプレイ114の左端までの距離L2とを算出する。そして、前記音場制御部108は、R2とL2の比に応じて、前記スピーカ110から出力される音の音圧と、前記スピーカ111から出力される音の音圧と、を夫々決定する。例えば、状態2の場合には、R2がL2と比べて小さい値となるので、右側の前記スピーカ111の音圧を強くし、左側の前記スピーカ110の音圧を弱くするように、R2とL2の比に応じて音圧を決定する。このときの前記スピーカ110及び111の音圧の変化率、すなわち、図4における音圧のグラフの傾きは、前記X軸方向の速度とY軸方向の速度(VX、VY)の情報に基づいて決定される。ここでは、Y軸方向の動作は考慮していないので、X軸方向の速度VXに基づいて決定される。
【0098】
そして、前記音場制御部108は、前記メモリ部12から取得した音声データの音圧を、前述のように決定した音圧に調整した音声データを生成して前記オーディオI/F部109に与える。前記オーディオI/F部109は、当該音声データを所望のフォーマットに変換して、前記スピーカ110及び111から音声を出力させる。
【0099】
次に、図3の(B)に示される状態2から図3の(C)に示される状態3に変化させる場合を考える。
【0100】
この場合は、前述のように、前記画像301は前記画像処理部112の制御により、図5の(C)に示される位置に移動する。このとき、前記音場制御部108も音圧を変化させる制御を行う。すなわち、前記音場制御部108は、前記センサ情報に含まれる前記移動先の位置の座標(X、Y)の情報に基づいて、前記画像301の位置から前記ディスプレイ114の右端までの距離R3と、前記画像301の位置から前記ディスプレイ114の左端までの距離L3とを算出する。そして、前記音場制御部108は、R3とL3の比に応じて、スピーカ毎に音圧を決定する。例えば、状態3の場合には、L3がR3と比べて小さい値となるので、左側の前記スピーカ110の音圧を強くし、右側の前記スピーカ111の音圧を弱くするように、R3とL3の比に応じて音圧を決定する。そして、前述と同様の方法により、前記オーディオI/F部109は、前記スピーカ110及び111から音声を出力させる。
【0101】
なお、上記の音圧の調整は、単位時間毎の音圧と単位時間における音圧の変化率とに基づいて行われる。すなわち、前記音場制御部108は、単位時間毎の前記画像301の前記移動先の位置の座標(X、Y)から単位時間毎の音圧の決定し、当該単位時間毎の位置に応じた音圧と、音圧の変化率となる単位時間毎の前記速度(VX、VY)に基づいて、所望の時間毎の音圧を算出することで音圧を調整する制御を行う。
【0102】
前記音場制御部108の動作の詳細について、図6を用いて説明する。
【0103】
図6は、前記音声処理部113における前記音場制御部108のブロック図である。
【0104】
前記音場制御部108は、バスインターフェイス部501、音源制御部502、内部メモリ部503、音圧処理部504、係数部505、ミキシング部506、及びバス507を有する。
【0105】
前記バスインターフェイス部501は、前記バス102と前記バス507のクロック周波数やバスプロトコルが異なる場合等に、夫々のバス間のインターフェイスを行う装置である。
【0106】
前記音源制御部502は、前記CPU101等の音声の再生要求により、前記メモリ部12から音声データを読み出し、当該読み出したデータを前記音圧処理部504と前記ミキシング部506に与える。
【0107】
前記音圧処理部504は、前記センサ情報に基づいて前記音圧を決定するための係数を前記係数部505から取得し、当該係数に基づいて前記音源制御部502から受け取った音声データの音圧を調整する。そして、前記音圧処理部504は、当該音圧を調整した音声データを前記ミキシング部506に与える。
【0108】
前記係数部505には、前記係数の情報が格納される。前記係数部505は、当該係数の値を固定値とする場合には、例えば、ROM(Read Only Memory)やロジック回路により構成される装置である。また、前記係数の値を変更可能な値とする場合には、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成させる装置である。
【0109】
前記ミキシング部506は、前記音源制御部502から与えられた音声データと、前記音圧処理部504によって音圧が調整された音声データとを合成した音声データを生成する。
【0110】
前記音場制御部108における動作の流れを、以下に説明する。
【0111】
まず、前記音源制御部502は、前記CPU101等の要求に基づき前記メモリ部12に格納されている音声データを読み出す。このとき、前記音源制御部502は、前記バスインターフェイス部501を介して、前記音声データを受け取り、前記内部メモリ部503にバッファとして格納する。そして、前記音源制御部502は、前記内部メモリ部503に格納した音声データを、所定のタイミングで前記音圧処理部504と前記ミキシング部506に与える。具体的には、前記音源制御部502は、前記表示画像301に関する音声データを前記音圧処理部504に与え、前記表示画像301以外の背景音に関する音声データを前記ミキシング部506に与える。
【0112】
前記表示画像301に関する音声データを受け取った前記音圧処理部504は、前記CPU101より出力された前記センサ情報を、前記バスインターフェイス部501を介して受け取り、当該センサ情報に基づいて音声データに係る音圧を調整する制御を行う。具体的な方法は、以下である。
【0113】
まず、前記音圧処理部504は、前記センサ情報に含まれる前記位置の座標(X、Y)の情報に基づいて、前記画像301の位置から前記ディスプレイ114の右端までの距離Rと、前記画像301の位置から前記ディスプレイ114の左端までの距離Lとを算出する。次に、前記音圧処理部504は、当該距離RとLの比に基づいて、前記係数部505に格納されている音圧レベルを決定するための係数を取得する。
【0114】
例えば、左側のスピーカ110の音圧を決定するための係数Pが(R/(R+L))と定義され、右側のスピーカ110の音圧を決定するための係数Pが(L/(R+L))と定義される値とした場合を考える。この場合において、前述の図5の(B)に示される状態2を例とすると、前記音圧処理部504は、左側のスピーカ110に割り当てる係数Pとして、(R2/(R2+L2))となる値を前記係数部505から取得し、右側のスピーカ110に割り当てる係数Pとして、(L2/(R2+L2))となる値を前記係数部505から取得する。これにより、前記表示画像301が、図5の(B)に示される位置に移動したときの前記スピーカ110と前記スピーカ111から出力される音声の音圧は、R2:L2の比で割り当てられる。また、当該音圧に至るまでの音圧の変化率は、前記X軸方向の速度とY軸方向の速度(VX、VY)の情報に基づいて決定される。
【0115】
次に前記音圧処理部504は、取得した前記前記係数P及びPに基づいて、前記表示画像301に関する音声データの音圧を調整し、当該調整した音声データを夫々のスピーカ毎に生成して、前記ミキシング部506に与える。
【0116】
前記ミキシング部506は、前記音源制御部502から与えられた前記背景音に関する音声データと、前記音圧処理部504によって音圧が調整された前記表示画像301に関する音声データとを合成し、当該合成した音声データを前記オーディオI/F部109に与える。なお、音声データの合成が不要な場合は、前記ミキシング部506は、入力されるいずれかの前記音声データをそのまま出力する。
【0117】
なお、前記係数の定義を変えることで夫々のスピーカに割り当てる音圧を変えることができる。例えば、図7に示すように音圧を変化させる場合を考える。
【0118】
図7は、前記携帯端末1の状態を変化させた場合の音圧変化の別の一例である。
【0119】
図7に示すように音圧を変化させる場合には、例えば、前記係数Pが(L/(R+L))と定義され、前記係数Pが(R/(R+L))と定義される値とする。このとき、図5の(B)に示される状態2おいて、前記係数Pの値は(L2/(R2+L2))となり、前記係数Pの値は(R2/(R2+L2))となる。これにより、状態2において、前記スピーカ110と前記スピーカ111から出力される音声の音圧は、L2:R2の比で割り当てられる。すなわち、上記のように係数を定義すれば、前記表示画像301がスピーカに近付く程、当該スピーカの音圧が弱くなるように制御することが可能となり、前記表示画像301の動きと逆方向に音圧を変化させることが可能となる。
【0120】
以上、実施の形態1によれば、前記表示画像301の動きと順方向又は逆方向に、夫々の前記スピーカ110及び111の音圧を調整することにより、前記表示画像301と同期して音圧分布を遷移させる音場を構築することができる。
【0121】
なお、上記の説明では、前記ディスプレイ114の左右に二つのスピーカが設置された場合を例としたが、それとは異なり前記ディスプレイ114の上下に二つのスピーカが設置された場合でも同様の方法で制御することが可能である。すなわち、前記ディスプレイ上の前記画像301の位置から前記ディスプレイ114の上下端までの距離の比に応じて上下のスピーカの音圧の比を調整するように、前述と同様の方法で制御すればよい。
【0122】
≪実施の形態2≫
本発明の別の一実施の形態として、前記携帯端末1における音声の出力制御方法に関する別の一例を説明する。
【0123】
前記実施の形態1では、前記ディスプレイ114上の前記画像301の位置と前記ディスプレイ114の左右の両端の位置までの距離に基づいて、前記音圧を決定するための係数を決定することで音圧の制御を行った。
【0124】
実施の形態2では、前記ディスプレイ114上の中心位置と前記画像301の表示位置とに基づいて、前記係数を決定することで音圧の制御を行う。
【0125】
図8は、前記携帯端末1における別の音圧の制御方法の一例である。
【0126】
図8において、前記スピーカ110と前記スピーカ111を結ぶ直線方向をX軸とし、X軸と垂直方向をY軸とする。また、上記X軸とY軸の交点を原点とし、当該原点は前記ディスプレイ1114の中心である。さらに、X軸における原点から前記スピーカ111に向かう方向をX軸の正の方向とする。
【0127】
なお、以下の説明においては、説明を簡単にするため、前記表示画像301のX軸方向の動作のみを考える。
【0128】
この場合において、例えば、左側の前記スピーカ110の音圧を決定するための係数Pを(P−P・X/LMAX)、右側のスピーカ110の音圧を決定するための係数Pを(P+P・X/RMAX)と定義する。ここで、Pは、前記スピーカ110及び111から出力される音声の全音圧範囲の中心音圧に対応する前記係数の値であり、Pは所要の変換乗数である。また、Xは、原点から前記画像301の表示位置までの距離を表す。さらに、RMAXは、前記スピーカ111の音圧が最大となる原点からの距離であり、LMAXは、前記スピーカ110の音圧が最大となる原点からの距離である。
【0129】
図8の(A)に示される状態1から図8の(B)に示される状態2に変化した場合において、前記画像301は、右側の前記スピーカ111の方向に、すなわち、X軸の正の方向に距離X1だけ移動したので、前記音圧処理部504は、前記係数Pとして(P−P・X1/LMAX)となる値を、前記係数Pとして(P+P・X1/RMAX)となる値を前記係数部505から取得する。そして、当該係数に基づいて音圧を調整する。
【0130】
次に、図8の(B)に示される状態2から図8の(C)に示される状態3に変化した場合において、前記画像301は、左側の前記スピーカ111の方向に、すなわち、X軸の負の方向に距離X2だけ移動したので、前記音圧処理部504は、前記係数Pとして(P+P・X2/LMAX)となる値を、前記係数Pとして(P−P・X2/RMAX)となる値を前記係数部505から取得する。そして、当該係数に基づいて音圧を調整する。
【0131】
図9は、図8の場合における音圧変化の説明図である。
【0132】
図9に示すように、状態1から状態2に変化する際に、前記係数Pの値がPから(P+X1/RMAX)に増加することにより、右側の前記スピーカ111の音圧が強まり、前記係数Pの値がPから(P−X1/LMAX)に減少することにより、左側の前記スピーカ110の音圧が弱まる。また、状態2から状態3に変化する際に、前記係数Pの値が(P+P・X1/RMAX)から(P−P・X2/RMAX)に減少することにより、右側の前記スピーカ111の音圧が弱まり、前記係数Pの値が(P−P・X1/LMAX)から(P+P・X2/LMAX)に増加することにより、左側の前記スピーカ110の音圧が強まる。
【0133】
なお、右側の前記スピーカ111の方向への移動において、原点からの距離RMAXを超えて前記表示画像301が移動した場合には、距離Xの値を固定値RMAXとすることで音圧の最大値を設定することが可能となる。また、左側の前記スピーカ110の方向の移動においても、距離Xの値を固定値LMAXとすることで音圧の最大値を設定することが可能となる。
【0134】
上記図9の例とは逆方向に夫々のスピーカに割り当てる音圧を変えることも可能である。
【0135】
図10は、前記携帯端末1の状態を変化させた場合の音圧変化の別の一例である。
【0136】
図10に示すように音圧を変化させる場合には、例えば、前記係数P及び前記係数Pの定義において、前記画像301の移動距離Xの向きを、図9の場合における向きと逆に設定する。すなわち、図8の(B)に示される状態2において、前記係数Pを、(P0+PA・X1/LMAX)、前記係数Pを、(P0−PA・X1/RMAX)とする。また、図8の(C)に示される状態3において、前記係数Pの値を(P0−PA・X2/LMAX)とし、前記係数Pの値を(P+PA・X2/RMAX)とする。これにより、図10に示すように、音圧を変化させることが可能となる。すなわち、当該方法によれば、前記表示画像301がスピーカに近付く程、当該スピーカの音圧が弱くなるように制御することが可能となり、前記表示画像301の動きと逆方向に音圧を変化させることが可能となる。
【0137】
以上実施の形態2の方法によれば、前記ディスプレイ114上の中心位置を基準とし、その中心位置から前記表示画像301までのX軸上の距離に応じて、夫々の前記スピーカ110及び111の音圧を調整することが可能となり、画像の動きと順方向又は逆方向に音圧分布が遷移する音場を構築することができる。
【0138】
≪実施の形態3≫
本発明の別の一実施の形態として、前記携帯端末1の音圧の制御方法に関する別の一例を説明する。
【0139】
前記実施の形態2は、前記ディスプレイ114上のX軸方向の移動における前記画像301の表示位置に基づいて、前記音圧を決定するための係数を決定することで音圧の制御を行った。
【0140】
実施の形態3は、前記ディスプレイ114上のY軸方向の移動における前記画像301の表示位置に基づいて、前記係数を決定することで音圧の制御を行う。
【0141】
図11は、前記携帯端末1における別の音圧の制御方法に係る説明図である。
【0142】
図11の(A)に示される状態1において、前記スピーカ110と前記スピーカ111を結ぶ直線方向をX軸とし、X軸と垂直方向をY軸とする。また、上記X軸とY軸の交点を原点とし、当該原点は前記ディスプレイ1114の中心である。さらに、原点から前記ディスプレイ114の上方向をY軸の正の向きとする。
【0143】
なお、以下の説明においては、説明を簡単にするため、前記表示画像301のY軸方向の動作のみを考える。
【0144】
この場合において、例えば、左側のスピーカ110の音圧を決定するための係数Pを(P−P・Y/LMAX)、右側のスピーカ110の音圧を決定するための係数Pを(P+P・Y/RMAX)と定義する。ここで、Pは、実施の形態2と同様に、前記スピーカ110及び111から出力される音声の全音圧範囲の中心音圧に対応する前記係数の値であり、Pは所要の変換乗数である。また、Yは、Y軸における原点から前記画像301の表示位置までの距離を表す。さらに、RMAXは、Y軸方向における、前記スピーカ111の音圧が最大となる原点からの距離であり、LMAXは、Y軸方向における、前記スピーカ110の音圧が最大となる原点からの距離である。
【0145】
図11の(A)に示される状態1から図11の(B)に示される状態2に変化した場合において、前記画像301は、Y軸の正の方向に距離Y1だけ移動したので、前記音圧処理部504は、前記係数Pとして(P−P・Y1/LMAX)となる値を、前記係数Pとして(P+P・Y1/RMAX)となる値を前記係数部505から取得し、当該係数に基づいて音圧を調整する。
【0146】
また、図11の(B)に示される状態2から図11の(C)に示される状態3に変化した場合において、前記画像301は、Y軸の負の方向に距離Y2だけ移動したので、前記音圧処理部504は、前記係数Pとして(P+P・Y2/LMAX)となる値を、前記係数Pとして(P−P・Y2/RMAX)となる値を前記係数部505から取得し、当該係数に基づいて音圧を調整する。
【0147】
そして、上記の係数取得後の制御方法を前記携帯端末1と同様とすることで、前記スピーカ110及び111の出力の音圧を変化させることができる。
【0148】
以上による音圧の変化を、図12に示す。
【0149】
図12は、図11の場合における音圧の変化の一例である。
【0150】
図12に示すように、状態1から状態2に変化する際に、前記係数Pの値が、Pから(P+P・Y1/RMAX)に増加することにより、右側の前記スピーカ111の音圧が強まり、前記係数Pの値が、Pから(P−P・Y1/LMAX)に減少することにより、左側の前記スピーカ110の音圧が弱まる。また、状態2から状態3に変化する際に、前記係数Pの値が、(P+P・Y1/RMAX)から(P−P・Y2/RMAX)に減少することにより、右側の前記スピーカ111の音圧が弱まり、前記係数Pの値が、(P−P・Y1/LMAX)から(P+P・Y2/LMAX)に増加することにより、左側の前記スピーカ110の音圧が強くなる。
【0151】
上記図12の例とは逆方向に夫々のスピーカに割り当てる音圧を変えることも可能である。
【0152】
図13は、前記携帯端末1の状態を変化させた場合の音圧変化の別の一例である。
【0153】
図13に示すように音圧を変化させる場合には、例えば、前記係数P及び前記係数Pの定義において、前記画像301の移動距離Yの向きを、図12の場合における向きと逆に設定する。すなわち、図11の(B)に示される状態2において、前記係数Pを、(P+P・Y1/LMAX)、前記係数Pを、(P−P・Y1/RMAX)とする。また、図11の(C)に示される状態3において、前記係数Pの値を(P−P・Y2/LMAX)とし、前記係数Pの値を(P+P・Y2/RMAX)とする。これにより、図13に示すように、音圧を変化させることが可能となる。
【0154】
以上実施の形態3の方法によれば、前記ディスプレイ114上の中心位置を基準とし、その中心位置から前記表示画像301までのY軸上の距離に応じて、夫々の前記スピーカ110及び111の音圧を調整することが可能となり、画像の動きと順方向又は逆方向に音圧分布が遷移する音場を構築することができる。
【0155】
≪実施の形態4≫
図14に本発明の一実施の別の形態として、加速度センサと加速度センサの出力に応じて画像処理と音声処理を行う電子回路を内蔵した携帯端末を示す。
【0156】
図14に示される携帯端末2は、前記携帯端末1に対して、備えるスピーカの数が1つである。
【0157】
図14に示されるスピーカ120以外の構成要素について、前記携帯端末1と同一のものには同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0158】
ここでは、実施の形態1と同様に、前記ディスプレイ114上のボールの画像301が、前記加速度センサ104の検出結果に応じて動作する、特定のアプリケーションによるゲームソフトウェアの表示形式を一例として説明する。
【0159】
図15は、前記ゲームソフトウェアによる前記表示画像301と前記携帯端末2の動きを表した説明図である。
【0160】
図16は、図15の場合における音圧変化の説明図である。
【0161】
図15において、前記携帯端末2は、その中央部分にディスプレイ114を備えるとともに、前記ディスプレイ114の下側に前記スピーカ120を備える。
【0162】
なお、以下の説明においては、説明を簡単にするため、図15における前記ディスプレイ114の中心の上下方向を中心軸とし、当該中心軸に対する垂直方向をX軸として、前記表示画像301のX軸方向の動作のみを考える。
【0163】
図15の(A)に示される状態1において、前記ディスプレイ114の中央部分に前記画像301が表示されている。また、このとき前記スピーカ120から出力される音の音圧は、図16に示すように、所定の音圧範囲における最大音圧である。
【0164】
以下に、図15の(A)に示される状態1から図15の(C)に示される状態3に至る状態変化における、画像の表示制御及び音声の出力制御について説明する。
【0165】
はじめに、画像の表示制御の方法について説明する。
【0166】
前記携帯端末2における画像の表示制御の方法は、前記携帯端末1における制御方法と同一である。すなわち、図15の(A)に示される状態1から、前記携帯端末1の右側を前記ディスプレイ114の中心を軸として下方向に傾けた、図15の(B)に示される状態2に変化させると、前記画像処理部112における前述の制御により、前記画像301がX軸の右方向に移動するように表示される。
【0167】
また、図15の(B)に示される状態2から、前記携帯端末1の左側を前記ディスプレイ114の中心を軸として下方向に傾けた、図15の(C)に示される状態3に変化させると、前記画像処理部112における前述の制御により、前記画像301が、X軸の左方向に移動するように表示される。
【0168】
次に、音声の出力制御の方法について説明する。
【0169】
音声の出力制御についても前記携帯端末1と同様に、前記音場制御部108により、前記画像301の表示状態に同期した音声の出力の制御が行われる。当該制御において、前記携帯端末1と異なる点は、前記音圧を決定するための係数の決定方法である。
【0170】
図17は、前記携帯端末2における音声の出力制御方法の原理を示す説明図である。
【0171】
図18は、図17の場合における、音圧の変化を表す説明図である。
【0172】
図17の(A)に示される状態において、前記スピーカ120からの音声の音圧は、前記ディスプレイ114の中心位置Aを中心とした同心円で示される距離rに応じて決定される。
【0173】
図17の(A)に示される状態1から図17の(B)に示される状態2に変化させる場合を考える。
【0174】
図17の(B)において、前記音場制御部108における前記音圧処理部504は、前記センサ情報に含まれる前記移動先の位置の座標(X、Y)の情報に基づいて、前記中心位置Aから前記画像301の位置までの距離rを算出する。そして、前記音圧処理部504は、算出した距離r1に基づいて前記係数を選択し、当該係数に基づいて音声データの音圧を調整する。例えば、前記係数が(P−P×r)で決定される値と定義される場合、図17の(B)に示される状態2において、前記音圧処理部504は、(P−P×r1)となる係数を前記係数部505から取得し、当該取得した係数に基づいて音声データの音圧を調整する。ここで、Pは、最大の音圧を表す係数であり、Pは、所要の変換乗数である。なお、当該音圧の変化率は、前記X軸方向の速度とY軸方向の速度(VX、VY)の情報に基づいて決定される。
【0175】
そして、その後の制御を前記携帯端末1と同様とすることで、前記スピーカ120からの出力の音圧を変化させることが可能となる。
【0176】
これにより、前記中心位置Aに前記表示画像301が存在する場合を最大音圧として、前記中心位置Aからの距離rが大きくなる程、すなわち、前記中心位置Aから前記画像301が離れる程、前記スピーカ120からの出力の音圧が弱くなるように制御することが可能となる。
【0177】
また、図17の(B)に示される状態2から図17の(C)に示される状態3に変化させる場合も同様の方法により音圧が制御される。すなわち、前記音圧処理部504は、前記センサ情報に含まれる前記移動先の位置の座標(X、Y)の情報に基づいて、前記中心位置Aから、前記画像301の位置までの距離r2を算出する。そして、前記音圧処理部504は、算出した距離r2に基づいて(P−P×r2)となる前記係数を選択し、当該係数に基づいて音声データの音圧を調整する。
【0178】
以上の制御により、前記スピーカ120からの出力の音圧は、図18に示されるようになる。すなわち、状態1から状態2に変化するとき、前記画像301は前記中心位置Aから離れることにより、音圧は弱くなるように制御される。また、状態2から状態3に変化するとき、前記画像301は前記中心位置Aに近づくことにより、音圧は強くなるように制御される。
【0179】
以上実施の形態4の方法によれば、スピーカを一つ備える携帯端末においても、前記ディスプレイ114上の前記表示画像301の動く方向に応じて音圧が変化する音場を構築することができる。
【0180】
≪実施の形態5≫
図19に本発明の一実施の別の形態として、加速度センサと加速度センサの出力に応じて画像処理と音声処理を行うデータ処理制御装置から構成されるオーディオ制御システム18を示す。
【0181】
図19に示されるオーディオ制御システム18は、センサ部180、データ処理制御装置181、ディスプレイ182、スピーカ183〜186、及びその他の図示されない入出力インターフェイス装置等を備える。
【0182】
前記センサ部180は、前記センサ部180に外部から加えられた物理的な動きを検出するセンサ、例えば、加速度センサを備える。前記センサ部180は、前記データ処理制御装置181と無線により接続され、前記加速度センサにより前記センサ部180の動きを検出し、当該検出結果を前記データ処理制御装置181に与える。
【0183】
また、前記センサ部180は更に、ユーザがデータを入力するための入力インターフェイスを備え、ユーザによって入力されたデータを前記データ処理制御装置181に与えることにより、前記ディスプレイ182上の画像を選択する等の操作を実行する。
【0184】
前記データ処理制御装置181は、前記センサ部180との接続に加え、前記スピーカ183〜186及び前記ディスプレイ182と有線又は無線により接続される。
【0185】
前記データ処理制御装置181は、表示処理部181_A、音声処理部181_B、制御部181_Cを備える。
【0186】
前記制御部181_Cは、前記携帯端末1における前記CPU101と類似の構成を成し、前記センサ部180からの前記検出結果に基づいて、前記センサ情報を生成する。当該センサ情報の生成方法は、前記CPU1と同様の方法により生成する。そして、前記制御部181_Cは、生成した前記センサ情報を前記表示処理部181_A及び前記音声処理部181_Bを与えることにより、当該画像の表示制御及び音声の出力制御を行わせる。
【0187】
前記表示処理部181_Aは、前記携帯端末1における前記画像処理部112と類似の構成を成し、生成した前記センサ情報に基づいて画像データを生成し、当該画像データに基づいて、前記ディスプレイ182に画像1800及び画像1801の表示状態を変化させる。
【0188】
前記音声処理部181_Bは、前記携帯端末1における前記音声処理部113と類似の構成を成し、前記センサ情報に基づいて音声データを生成し、当該音声データに基づいて、前記スピーカ183〜186から出力される音声の音圧分布を変化させる。当該制御方法の詳細は後述する。
【0189】
なお、前記データ処理制御装置181は、前記センサ部180を含んで一体とした装置でも良い。この場合には、前記データ処理制御装置181の動きを前記センサ部180により検出して、前記データ処理制御装置181が上記の制御を実行する。また、この場合において、前記データ処理制御装置181は、前記ディスプレイ182及び前記スピーカ183〜186と無線により接続される。
【0190】
前記ディスプレイ182は、前記データ処理制御装置181から与えられる画像データに基づいて画像を表示させる。
【0191】
前記スピーカ183〜186は、前記データ処理制御装置181から与えられる音声データに基づいて音声を出力する。
【0192】
前記オーディオ制御システム18による画像の表示制御と音声の出力制御の方法について詳細に説明する。
【0193】
ここでは、前記センサ部180に加えられた物理的な動きに応じて動作する画像1800及び1801を、前記ディスプレイ182上の仮想音源とし、当該仮想音源の前記ディスプレイ182上の位置に応じて前記スピーカ183〜186の音圧が変化する、特定のアプリケーションによるゲームソフトウェアの表示形式を一例として説明する。
【0194】
図19の(A)に示される状態1において、前記ディスプレイ182の左右方向をX軸、前記ディスプレイ182の上下方向をY軸とし、X軸とY軸との交点を前記ディスプレイ182上の中心位置Pとする。また、前記画像1800及び1801は、前記ディスプレイ182上に表示され、初期位置として、前記中心位置Pに表示されている。
【0195】
はじめに、画像の表示制御の方法について説明する。
【0196】
先ず、図19の(A)に示される状態1において、前記センサ部180に対するユーザからのデータ入力により、前記中心位置Pに表示されている前記画像1800が選択される。その後、前記センサ部180を左方向に水平に移動させることにより、前記センサ部180がその動きを検出し、前記制御部181_Cが当該検出結果に基づいて前記センサ情報を生成する。そして、前記表示処理部181_Aは、前述の実施の形態1に係る画像の表示制御の方法と同様の方法により、前記センサ情報に基づいて前記画像1800の制御を行う。これにより、前記画像1800が前記ディスプレイ182の左方向に移動し、図19の(B)に示される位置に表示される。
【0197】
図19の(B)に示される状態2において、前記センサ部180に対するユーザからのデータ入力により、前記中心位置Pに表示されている前記画像1801が選択される。その後、前記センサ部180を右下方向に移動させることにより前記センサ部190が動きを検出し、当該検出結果に基づいて、前記制御部181_Cが前記センサ情報を生成する。そして、前記表示処理部181_Aは、前述の実施の形態1に係る画像の表示制御の方法と同様の方法により、前記センサ情報に基づいて前記画像1801の制御を行う。これにより、前記画像1801は、図19の(C)に示すように、前記ディスプレイ182の領域Dに表示される。
【0198】
次に、音声の出力制御の方法について説明する。
【0199】
前記音声処理部181_Bは、予め、前記スピーカ183〜186の音圧を決定するための基準となる前記ディスプレイ182上の位置を設定しておく。例えば、前記ディスプレイ182上の領域Aにおける座標1820を、前記スピーカ183の音圧を決定するための基準点として設定する。
【0200】
そして、前記音声処理部181_Bは、当該基準点1820に対する前記画像1800及び1801の位置に応じて音圧を変化させる。具体的には、例えば、当該基準点1820から前記画像1800及び1801までの距離を、前記センサ情報における前記位置の座標(X、Y)の情報に基づいて算出し、当該算出した距離に応じて、前記スピーカ183の音圧のレベルを調整する。例えば、前記音声処理部181_Bは、前記基準点1820を前記スピーカ183の最大音圧となる位置と設定し、前記基準点1820から前記画像1800及び1801までの距離が大きくなる程、前記スピーカ183の音圧を弱くするように音圧の調整を行う。なお、当該音圧の調整は、前述した前記音声処理部113による制御と同様に、単位時間毎の音圧と単位時間における音圧の変化率とに基づいて、音圧を調整する制御を行う。
【0201】
他の前記スピーカ184〜186についても上記と同様の方法により、音圧の調整を行う。具体的には、前記音声処理部181_Bは、前記スピーカ184の前記基準点を座標1821に設定し、前記スピーカ185の前記基準点を座標1822に設定し、前記スピーカ186の前記基準点を座標1823に設定する。そして、前記音声処理部181_Bが、前記スピーカ183に対する音圧の調整と同様の方法により、夫々の前記基準点1821〜1823と前記画像1800及び1801との距離に基づいて、夫々のスピーカ184〜186の音圧の調整を行う。
【0202】
以上の音声の出力制御方法に基づく、図19の(A)に示される状態1から図19の(C)に示される状態3に至る場合における音圧の変化について、図20を用いて説明する。
【0203】
図20は、図19の場合における各スピーカの音圧変化の説明図である。
【0204】
図20における参照符号1900で示されるグラフは、仮想音源である前記画像1800に対応する音圧を表す。また、参照符号1901で示されるグラフは、仮想音源である前記画像1801に対応する音圧を表す。
【0205】
図19の(A)に示される状態1において、前記ディスプレイ182上の仮想音源である前記画像1800及び1801は前記中心位置Pに表示されていることから、図20に示すように、状態1における夫々の前記スピーカ183〜186の前記画像1800及び1801に基づく音圧の強さは同一となる。
【0206】
図19の(B)に示される状態2において、前記画像1800は、X軸上の領域Aと領域Cの境界となる位置に移動している。これにより、領域Aにおける前記基準点1820と前記領域Cにおける前記基準点1822とに対して前記画像1800が近づくことから、図20に示すように、状態2における前記スピーカ183及び185の前記画像1800に対応する音圧1900は、状態1と比較して強くなる。一方、領域Bにおける前記基準点1821と前記領域Dにおける基準点1823に対しては、前記画像1800は遠ざかることになるので、前記スピーカ184及び186における前記画像1800に対応する音圧1900は、状態1と比較して弱くなる。
【0207】
図19の(C)に示される状態3において、前記画像1801が、領域Dに移動している。これにより、領域Bにおける前記基準点1821と前記領域Dにおける基準点1823に対して前記画像1800が近づくことから、図20に示すように、状態3において、前記スピーカ184及び186における前記画像1801に対応する音圧1901は、状態2と比較して強くなる。一方、領域Aにおける前記基準点1820と領域Cにおける前記基準点1822に対しては、前記画像1801は遠ざかることになるので、前記スピーカ183及び185における前記画像1801に対応する音圧1901は、状態2と比較して弱くなる。
【0208】
以上前記オーディオ制御システム18によれば、表示画像の前記ディスプレイ182上の位置に応じて各スピーカの音圧を調整するから、表示画像に応じて各スピーカの音圧の分布を変化させることが可能となる。
【0209】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0210】
例えば、実施の形態5における前記オーディオ制御システム18では、4つのスピーカを1セットとした場合を例としたが、これに限られず、複数のスピーカセットであれば、前述の音声の出力制御の方法を適用することが可能である。例えば、スピーカが左右2つの場合は、前記ディスプレイ182の前記中心位置Pに対して左側を一方のスピーカに割り当て、前記中心位置Pに対して右側を他方のスピーカに割り当てる。そして、前記データ処理制御装置181は、前記携帯端末1による音声の出力制御方法と同様に、表示画像と前記ディスプレイ182の左右両端からの距離の比に基づいて2つのスピーカの音圧を調整することで、音圧分布を変化させることが可能となる。
【符号の説明】
【0211】
1、2 携帯端末
10 データ処理制御部
11 センサ部
12 メモリ部
101 CPU
102 バス
103 センサ制御部
104 センサ
105 データ転送制御部
106 メモリコントロール部
107 メモリ
108 音場制御部
109 オーディオI/F部
110、111、120 スピーカ
112 画像処理部
113 音声処理部
114 ディスプレイ
115 マイク部
116 周辺回路
117 カメラ部
301 画像
501 バスインターフェイス部
502 音源制御部
503 内部メモリ部
504 音圧処理部
505 係数部
506 ミキシング部
507 バス
18 オーディオ制御システム
180 センサ部
181 データ処理制御装置
181_A 表示処理部
181_B 音声処理部
181_C 制御部
182 ディスプレイ
183〜186 スピーカ
1800、1801 画像
1820〜1823 基準点
190 画像1800に対応する音圧
191 画像1801に対応する音圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイへの表示を行う表示処理部と、
スピーカの駆動制御を行う音声処理部と、
前記表示処理部と前記音声処理部を制御する制御部と、を有する電子回路であって、
前記制御部は、前記電子回路に外部から加えられた物理的な動きを検出する加速度センサの出力に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きを解析し、当該解析結果に基づいて前記ディスプレイ上の画像の動きを変化させる制御を行うとともに、前記画像の動きに同期して前記スピーカからの音声を変化させる制御を行う、電子回路。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記制御部の制御に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きを前記ディスプレイ上の画像の動きとして表示し、
前記音声処理部は、前記制御部の制御に基づいて、表示された画像の動きの方向に応じて音圧分布を遷移させる、請求項1記載の電子回路。
【請求項3】
前記スピーカは、離間して配置される複数のスピーカである、請求項2記載の電子回路。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記制御部の制御に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きをディスプレイ上の画像の動きとして表示し、
前記音声処理部は、前記制御部の制御に基づいて、表示された画像の動きの方向に応じて音圧を増加又は減少させる、請求項1記載の電子回路。
【請求項5】
前記制御部は、表示された画像の動きの速度に応じて音圧分布を遷移させる変化率を制御する、請求項2記載の電子回路。
【請求項6】
前記制御部は、表示された画像の動きの速度に応じて音圧を増加又は減少させる変化率を制御する、請求項4記載の電子回路。
【請求項7】
前記音声処理部は、前記表示された画像の動きと順方向又は逆方向に音圧分布を遷移させる、請求項2記載の電子回路。
【請求項8】
前記電子回路は、一つの半導体基板に形成される、請求項1記載の電子回路
【請求項9】
前記電子回路は、前記加速度センサを更に備える、請求項1記載の電子回路。
【請求項10】
ディスプレイへの表示制御を行い、スピーカの駆動制御を行う電子回路と、
前記電子回路に接続され、前記電子回路に外部から加えられた物理的な動きを検出する前記加速度センサと、
前記電子回路に接続される前記ディスプレイと、
前記電子回路に接続される前記スピーカと、を備える携帯端末であって、
前記電子回路は、前記ディスプレイへの表示を行う表示処理部と、
前記スピーカの駆動制御を行う音声処理部と、
前記表示処理部と前記音声処理部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記加速度センサの出力に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きを解析し、当該解析結果に基づいて前記ディスプレイ上の画像の動きを変化させる制御を行うとともに、前記画像の動きに同期して前記スピーカからの音声を変化させる制御を行う、携帯端末。
【請求項11】
ディスプレイへの表示を行う表示処理部と、
複数のスピーカの駆動を行う音声処理部と、
前記表示処理部と前記音声処理部を制御する制御部と、
外部から加えられた物理的な動きを検出する加速度センサを有する、オーディオ制御システムであって、
前記制御部は、前記加速度センサが検出した物理的な動きを解析し、当該解析結果に基づいて、前記加速度センサが検出した物理的な動きを前記ディスプレイ上の画像の動きとして表示する制御を行うとともに、表示された画像の前記ディスプレイ上の位置に応じて、前記複数のスピーカからの音圧の分布を決定する制御を行う、オーディオ制御システム。
【請求項12】
前記音声処理部に接続され、離間して配置される複数のスピーカと、
前記表示処理部に接続されるディスプレイと、を更に有する、請求項11記載のオーディオ制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−130344(P2011−130344A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289158(P2009−289158)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】