説明

電子日付印の作成、真贋検証方法及びその装置

【課題】電子文書等に押印する電子日付印の作成し、且つ、押印され閲覧状態にある電子文書等の電子日付印の真贋を検証する方法、及び押印されて閲覧状態にある電子日付印の真贋を検証する装置を提供する。
【解決手段】パスワードを入力する入力部1と、日付印情報と暗号生成、解読のための内部パラメータとを記憶する記憶部2と、入力された日付、時刻情報を基に日付と時刻とを更新する日付、時刻発生部3と、パスワードと日付、時刻と内部パラメータとを基に暗号を生成する暗号生成部4と、暗号と日付とを日付印情報に合成する印影イメージ合成部6と、合成された印影を表示する表示部8と、コピーされた印影を電子文書の指定された位置にコピーする印影イメージコピー部7と、電子文書に押印された暗号を入力すると、入力された暗号と記憶部に記憶されたパスワードと内部パラメータとを基に、暗号を解読し検証する暗号解読部9とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書等に押印する電子日付印の作成し、且つ、押印され閲覧状態にある電子文書等の電子日付印の真贋を検証する方法、及び電子日付印を作成して電子文書等に押印し、且つ、押印されて閲覧状態にある電子日付印の真贋を検証する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子文書等の書類が一般化し、これらの電子文書に押印される電子日付印も一般化してきている。従来重要な文書等に押印される印鑑は、偽造を防ぐ工夫がされているが、日常的に用いられる電子日付印もその真贋が確認できる工夫がされていることが望ましい。
【0003】
特許文献1には、検認に表示する氏名・所属等の文字情報と、外枠や仕切り線の枠情報とを検認印情報としてテキストで作成し、検認印データベースに保存し、押印する際は、個人ID・パスワードを入力して、検認印データベースから所望の検認印情報を取り出し、印影イメージ合成部で枠情報に基づいて所定の外枠円や仕切りの直線を描き、その中に文字情報を挿入して印影イメージを合成し、そのイメージで文書に押印する、旨の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−99725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、電子文書等に押印する電子日付印の作成し、且つ、押印され閲覧状態にある電子文書等の電子日付印の真贋を検証する方法、及び電子日付印を作成して電子文書等に押印し、且つ、押印されて閲覧状態にある電子日付印の真贋を検証する装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子日付印の作成、真贋検証方法は、電子文書等に押印する電子日付印の作成、真贋検証方法において、会社名、氏名等の文字情報と、外枠、仕切り線等の枠情報とを含む日付印情報と暗号生成、解読のための処理手順を実行するプログラム、及び処理に必要な内部パラメータとを予め記憶部に記憶するステップと、電子日付印を最初に用いる際、パスワードを入力するステップと、入力されたパスワードと日付、時刻発生部で更新された日付、時刻と予め記憶されている内部パラメータとを基に暗号生成部において暗号を生成するステップと、暗号と、更新された日付とが、印影イメージ合成部において、新たな日付印情報として合成され、該合成された印影が表示部に表示されるステップと、表示された印影のコピー操作をするとコメント挿入画面が表示され、コメントを入力するステップと、電子文書の所望の位置に押印を指定すると、印影イメージコピー部において、コピーされた印影が電子文書の指定された位置にコピーされて表示されると共に、新たな日付印情報がコメントと共に記憶部に記憶されるステップと、以後の使用においては、押印が終了する毎に印影の表示に戻り、印影は、所定の時間毎に自動的に更新された暗号と、時間の経過に応じて自動的に更新された日付とで更新されて表示されるステップと、更新されて表示された印影が確認された後、コピー、コメント入力、及び押印の操作が任意に繰り返し行われる度に、印影のコピーが文書にコピーされて表示されると共に、更新されて表示された印影の日付印情報とコメントが記憶部に記憶されるステップと、検証において、文書に押印された暗号を入力するステップと、入力された暗号と記憶部に記憶されたパスワードと内部パラメータとを基に、暗号解読部において解読し、解読結果を表示するステップとを含むことを特徴とする。
【0007】
本願発明の電子日付印の作成、真贋検証装置は、電子文書等に押印する電子日付印の作成、真贋検証装置において、パスワード及び日付、時刻情報を入力する入力部と、予め作成された会社名、氏名等の文字情報と、外枠、仕切り線等の枠情報とを含む日付印情報と暗号生成、解読のための内部パラメータとを記憶する記憶部と、電子日付印を用いる際の初期の使用において、入力された日付、時刻情報を基に日付と時刻とを更新する日付、時刻発生部と、入力されたパスワードと日付、時刻発生部で生成された日付、時刻と予め記憶されている内部パラメータとを基に暗号を生成する暗号生成部と、暗号と、更新された日付とを、新たな日付印情報として合成する、印影イメージ合成部と、新たな日付印情報として合成された印影を表示する表示部と、表示された印影をコピー操作後、表示された電子文書の所望の位置に押印を指定すると、コピーされた印影を電子文書の指定された位置にコピーする印影イメージコピー部と、電子文書に押印された暗号を入力すると、入力された暗号と記憶部に記憶されたパスワードと内部パラメータとを基に、暗号を解読し検認する暗号解読部とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子文書等に押印する電子日付印の作成し、且つ、押印され閲覧状態にある電子文書等の電子日付印の真贋を検証する方法、及び電子日付印を作成して電子文書等に押印し、且つ、押印されて閲覧状態にある電子日付印の真贋を検証する装置を提供することができる。これにより、電子文書又はそのコピーに押印されている印影の暗号を入力することにより、印影が偽造されたものであるか否かを立証することができる。さらに使用目的のコメントを残すことで、他の用途に転用された場合の立証が明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による電子日付印の作成、真贋検証装置の構成を示す構成図
【図2】本願発明の電子日付印の作成のフローを示す電子日付印作成フローチャート
【図3】本願発明の電子日付印の真贋検証のフローを示す電子日付印真贋検証のフローチャート
【図4】パスワード設定画面
【図5】メイン画面
【図6】設定画面
【図7】コメント挿入画面
【図8】暗号チェック画面
【図9】解読結果画面
【図10】履歴表
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0010】
本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。図1は、本発明による電子日付印の作成、真贋検証装置の構成を示す構成図である。図1において、電子日付印の作成、真贋検証装置100は、入力部1と、記憶部2と、日付、時刻発生部3と、暗号生成部4と、印影設定部5と、印影イメージ合成部6と、印影イメージコピー部7と、表示部8と、暗号解読部9とから成る。次に各部の機能動作について詳しく説明する。
【0011】
電子日付印の作成、真贋検証装置100の記憶部2には、電子日付印の作成、真贋検証に必要な暗号生成、解読のための処理手順を実行するためのプログラム、及び処理に必要な各種内部パラメータ等が予め記憶される。またこの記憶に際して、電子日付印が表示する会社名、電子日付印を占用する個人名、及びパスワード等の文字情報と、外枠、仕切り線等の枠情報とを含む日付印情報が追加されて記憶される。これにより電子日付印の作成、真贋検証装置100が、特定の個人に占用されるものとしてセットされる。
【0012】
電子日付印を用いる際の最初の使用において、電子日付印の作成、真贋検証装置100が起動されると、図4に示されるように、表示部8にパスワード設定画面が表示される。入力部1からパスワードが入力され、OKボタンがクリックされると、このパスワードは、記憶部2と暗号生成部4とに送信され、設定が完了する。このとき、電子日付印の作成、真贋検証装置100は、その初期設定において、日付、時刻情報が入力され、日付、時刻発生部3では、入力された日付、時刻情報を基に時刻のカウントが開始され、入力された日付、及び時刻が順次更新されているものとする。
【0013】
OKボタンがクリックされ、パスワードの設定が完了すると、暗号生成部4において、入力されたパスワードと日付、時刻発生部3で更新された日付、時刻と記憶部2から読み出された内部パラメータとを基に、暗号が生成される。次に印影イメージ合成部6において、生成された暗号と日付、時刻発生部3において更新された日付とが、新たな日付印情報として最初に設定された会社名及び個人名に合成され、図5に示されるメイン画面ように、合成された印影が表示される。また図5に示される使用期限残のように、予め電子日付印の作成、真贋検証装置100に使用期限を設け、使用期限の残りの日数を表示しても良い。
【0014】
また図5に示される「メニュー」をクリックすると、「設定」と「検証」のメニューが表示される(図示せず)。「設定」をクリックすると図6に示す設定画面が表示され、必要に応じて設定項目更新をセットし、OKボタンをクリックすると、印影設定部5において、更新内容に応じて、印影の大きさ、フォント、色指定等が再設定される。再設定された印影は、図5のメイン画面に戻ってその印影が表示される。この印影を用いるためにコピーボタンをクリックする。また、設定項目更新をセットした後、「コメントを書く」にチェックを付けると、同様に図5のメイン画面に戻ってその印影が表示される。次に、この印影を用いるためにコピーボタンをクリックすると図7のコメント挿入画面が表示され、日付印の使用目的を記入できる。このコメントは、後で説明する真贋の検証において利用される。
【0015】
次に、表示部8に読み出した電子文書の所望の位置に押印を指定すると、印影イメージコピー部7において、コピーされた印影が文書の指定位置にコピーされて表示され、新たな日付印情報とコメントとが記憶部2に記憶される。また押印する電子文書が、印影のイメージ情報を受付けない場合は、暗号のテキスト情報だけを貼り付ける。以後の使用においては、押印が終了する毎に印影の表示に戻り、印影は、所定の時間毎に自動的に更新された暗号と、時間の経過に応じて自動的に更新された日付とで更新されて表示される。この更新されて表示された印影が確認された後、同様に、コピー、コメント入力、及び押印の操作が任意に繰り返し行われる度に、印影のコピーが文書にコピーされて表示される。また、更新されて表示された印影の日付印情報とコメントが記憶部2に記憶される。
【0016】
真贋の検証において、印影の日付印情報は最初の使用において設定されているため、電子日付印の作成、真贋検証装置100が起動されると、図5のメイン画面が表示部8に表示される。画面のメニュー欄をクリックすると、同様に「設定」と「検証」のメニューが表示される。ここで「検証」をクリックすると、画面は図8の暗号チェック画面に変わり、検証したい日付印の暗号を入力する。
【0017】
日付印の暗号が入力されOKボタンがクリックされると、暗号解読部9は、入力された暗号と記憶部2に記憶されたパスワードと内部パラメータとを基に暗号を解読し、図9に示す解読結果画面が表示される。暗号の検証が取れた場合は、使われた暗号の日時が表示され、同時にその日時に対応したコメントが表示される。図10は、電子日付印の使用履歴を示す履歴表である。この履歴表は、日付印情報とコメントとが記憶部2に記憶されるとき、履歴表として記憶され、上記検証において暗号が一致した場合に表示される図9のデータとして用いられる。
【0018】
図2は、本願発明の電子日付印の作成、真贋検証方法における電子日付印の作成のフローを示す電子日付印作成フローチャートである。図2において、会社名、氏名等の文字情報と、外枠、仕切り線等の枠情報とを含む日付印情報と暗号生成、解読のための処理手順を実行するプログラム、及び処理に必要な内部パラメータとを予め記憶部2に記憶された後、電子日付印を最初に用いる際、パスワードを入力する(ステップ10)。入力されたパスワードと日付、時刻発生部で生成、更新された日付、時刻と予め記憶されている内部パラメータとを基に暗号生成部4において暗号が生成される(ステップ15)。
【0019】
次に、生成された暗号と、更新された日付とが、印影イメージ合成部6において、新たな日付印情報として合成され、該合成された印影が表示部7に表示される(ステップ20)。表示された印影のコピー操作をするとコメント挿入画面が表示され、コメントを入力する(ステップ25)。電子文書の所望の位置に押印を指定すると、印影イメージコピー部7において、コピー操作でコピーされた印影が電子文書の指定された位置にコピーされて表示されると共に、その新たな日付印情報がコメントと共に記憶部2に記憶される(ステップ30)。
【0020】
この後継続して押印する場合、印影の日付印情報の暗号と日付は、所定の時間毎に自動的に更新され、押印が終了する毎に更新された暗号と日付による印影が表示される(ステップ35、40、20)。更新されて表示された印影が確認された後、コピー、コメント入力、及び押印の操作が任意に繰り返し行われる度に、印影のコピーが文書にコピーされて表示されると共に、更新されて表示された印影の日付印情報とコメントが記憶部に記憶される(ステップ25、30)。押印を継続しない場合は、押印作業を終了する(ステップ45)。
【0021】
図3は、本願発明の電子日付印の作成、真贋検証方法における電子日付印の真贋検証のフローを示す電子日付印真贋検証のフローチャートである。使用された電子日付印の真贋の検証において、電子文書に押印された暗号を入力する(ステップ50)。入力された暗号と記憶部に記憶されたパスワードと内部パラメータとを基に、暗号解読部9において解読し、解読結果を表示部8に表示する(ステップ55、60)。検証結果の確認後、終了する(ステップ65)。
【0022】
以上説明したように本発明によれば、電子文書等に押印する電子日付印の作成し、且つ、押印され閲覧状態にある電子文書等の電子日付印の真贋を検証する方法、及び電子日付印を作成して電子文書等に押印し、且つ、押印されて閲覧状態にある電子日付印の真贋を検証する装置を提供することができる。これにより、電子文書又はそのコピーに押印されている印影の暗号を入力することにより、印影が偽造されたものであるか否かを立証することができる。さらに使用目的のコメントを残すことで、他の用途に転用された場合の立証が明確となる。
【符号の説明】
【0023】
1 入力部
2 記憶部
3 日付・時刻発生部
4 暗号生成部
5 印影設定部
6 印影イメージ合成部
7 印影イメージコピー部
8 表示部
9 暗号解読部
100 電子日付印の作成、真贋検証装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書等に押印する電子日付印の作成、真贋検証方法において、
会社名、氏名等の文字情報と、外枠、仕切り線等の枠情報とを含む日付印情報と暗号生成、解読のための処理手順を実行するプログラム、及び前記処理に必要な内部パラメータとを予め記憶部に記憶するステップと、
前記電子日付印を最初に用いる際、パスワードを入力するステップと、
前記入力されたパスワードと日付、時刻発生部で更新された日付、時刻と予め記憶されている前記内部パラメータとを基に暗号生成部において暗号を生成するステップと、
前記暗号と、前記更新された日付とが、印影イメージ合成部において、新たな日付印情報として合成され、該合成された印影が表示部に表示されるステップと、
表示された前記印影のコピー操作をするとコメント挿入画面が表示され、コメントを入力するステップと、
前記電子文書の所望の位置に押印を指定すると、印影イメージコピー部において、前記コピーされた印影が前記電子文書の前記指定された位置にコピーされて表示されると共に、前記新たな日付印情報が前記コメントと共に前記記憶部に記憶されるステップと、
以後の使用においては、前記押印が終了する毎に前記印影の表示に戻り、前記印影は、所定の時間毎に自動的に更新された前記暗号と、前記日付とで更新されて表示されるステップと、
前記更新されて表示された印影が確認された後、前記コピー、前記コメント入力、及び前記押印の操作が任意に繰り返し行われる度に、前記印影のコピーが前記文書にコピーされて表示されると共に、前記更新されて表示された印影の日付印情報と前記コメントが前記記憶部に記憶されるステップと、
検証において、前記文書に押印された前記暗号を入力するステップと、
前記入力された暗号と前記記憶部に記憶された前記パスワードと前記内部パラメータとを基に、暗号解読部において解読し、解読結果を表示するステップとを含むことを特徴とする電子日付印の作成、真贋検証方法。
【請求項2】
電子文書等に押印する電子日付印の作成、真贋検証装置において、
パスワードを入力する入力部と、
予め作成された会社名、氏名等の文字情報と、外枠、仕切り線等の枠情報とを含む日付印情報と暗号生成、解読のための内部パラメータとを記憶する記憶部と、
前記電子日付印を用いる際の初期の使用において、入力された前記日付、時刻情報を基に前記日付と時刻とを更新する日付、時刻発生部と、
入力された前記パスワードと前記日付、時刻発生部で生成された日付、時刻と予め記憶されている前記内部パラメータとを基に暗号を生成する暗号生成部と、
前記暗号と、前記更新された日付とを、新たな日付印情報として合成する、印影イメージ合成部と、
前記新たな日付印情報として合成された印影を表示する表示部と、
前記表示された印影をコピー操作後、表示された前記電子文書の所望の位置に押印を指定すると、前記コピーされた印影を前記電子文書の前記指定された位置にコピーする印影イメージコピー部と、
前記電子文書に押印された前記暗号を入力すると、前記入力された暗号と前記記憶部に記憶された前記パスワードと前記内部パラメータとを基に、暗号を解読し検証する暗号解読部とを含むことを特徴とする電子日付印の作成、真贋検証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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