説明

電子早見本装置

【課題】カラオケ装置による演奏に新たな娯楽性を付加する電子早見本装置を提供する。
【解決手段】カラオケ装置16により出力される演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力を行うためのターンテーブル136を、利用者の接触に応じての操作可能にタッチパネルディスプレイ68に表示させるDJモード表示制御手段110及びDJモード入力制御手段112を備えたものであることから、電子早見本装置22によりカラオケ装置16による演奏を制御するための擬似的なターンテーブル型インターフェイスを実現でき、あたかもクラブでDJが行うような従来になかった演奏形態が可能とされる。すなわち、カラオケ装置16による演奏に新たな娯楽性を付加する電子早見本装置22を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するための電子早見本装置に関し、特に、その電子早見本装置によるカラオケ装置の新たな操作技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させる音楽再生装置が知られている。例えば、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲から選択された所定のカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
斯かるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じてそのカラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された電子目次本機能付きカラオケリモコン装置がそれである。この技術によれば、上記タッチパネルディスプレイに表示される映像を参照しつつ、利用者の指や備え付けのペン等によりそのタッチパネルディスプレイに接触(タッチ入力)することにより簡便に上記カラオケ装置への入力を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−202872号公報
【0005】
ところで、近年、制御装置の小型化・高性能化は進展の一途をたどり、前記電子早見本装置にも比較的高度且つ高速な情報処理が可能な制御装置が搭載されるようになった。しかし、前述したような従来の電子早見本装置は、専ら前記カラオケ装置への選曲入力等といった基本的な入力処理を行うものであり、斯かる制御装置の能力を十分に活用できてはいなかった。本発明者等は、前記電子早見本装置の情報処理能力を活用すべく鋭意研究を続けた一結果として、前記カラオケ装置による演奏に新たな娯楽性を付加する、そのカラオケ装置により出力される演奏曲の出力速度及び音程等をダイナミックに制御し得るターンテーブル型インターフェイスを発案するに至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、カラオケ装置による演奏に新たな娯楽性を付加する電子早見本装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記カラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置であって、前記カラオケ装置により出力される演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力を行うためのターンテーブルを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるDJモード表示/入力制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、前記カラオケ装置により出力される演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力を行うためのターンテーブルを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるDJモード表示/入力制御手段を備えたものであることから、前記電子早見本装置により前記カラオケ装置による演奏を制御するための擬似的なターンテーブル型インターフェイスを実現でき、あたかもクラブでDJが行うような従来になかった演奏形態が可能とされる。すなわち、カラオケ装置による演奏に新たな娯楽性を付加する電子早見本装置を提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記DJモード表示/入力制御手段は、前記カラオケ装置により出力される演奏曲の音量を変更させる入力を行うためのボリュームつまみを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである。このようにすれば、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置により実現できるという利点がある。
【0010】
また、好適には、前記カラオケ装置は、複数の演奏曲を併行して出力し得るものであり、前記DJモード表示/入力制御手段は、そのカラオケ装置により併行して出力される演奏曲それぞれに対応して前記ボリュームつまみを前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである。このようにすれば、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置により実現できるという利点がある。
【0011】
また、好適には、前記カラオケ装置は、複数の演奏曲を併行して出力し得るものであり、前記DJモード表示/入力制御手段は、そのカラオケ装置により併行して出力される複数の演奏曲の出力割合を変更させる入力を行うためのミックスつまみを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである。このようにすれば、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置により実現できるという利点がある。
【0012】
また、好適には、前記カラオケ装置は、複数の演奏曲を併行して出力し得るものであり、前記DJモード表示/入力制御手段は、そのカラオケ装置により併行して出力される複数の演奏曲のうち何れかの演奏曲の出力を停止させる入力を行うための停止ボタンを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである。このようにすれば、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置により実現できるという利点がある。
【0013】
また、好適には、前記DJモード表示/入力制御手段は、前記停止ボタンにより出力が停止された演奏曲の出力を再開させる入力を行うための再開ボタンを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである。このようにすれば、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置により実現できるという利点がある。
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明が好適に適用されるカラオケシステム10を説明する概略図である。この図1に示すように、上記カラオケシステム10では、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗12における複数の個室14a、14b、14c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に個室14と称する)にそれぞれ1台乃至は複数台ずつ(図1では1台ずつ)のカラオケ装置16a、16b、16c、・・・(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置16と称する)が設置されている。これら複数のカラオケ装置16は、ルータ28を介して公衆電話回線等による通信回線18に接続されており、同じくその通信回線18に接続されたカラオケサービス提供会社のサーバ装置(センタ装置)20との相互間でその通信回線18を介して情報の通信が可能とされている。このサーバ装置20は、カラオケ情報(楽曲データ)、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の保管や入出力管理の基本的な制御を行うサーバであり、上記通信回線18を介して上記カラオケ装置16に定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置16からの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信するものである。また、上記カラオケシステム10は、本発明の一実施例である複数の電子早見本装置22a、22b、22c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置22と称する)を備えており、上記カラオケ装置16の利用に際して、各利用者(グループ)毎に1台ずつの電子早見本装置22が貸与され、各個室14において後述するように上記カラオケ装置16の遠隔操作装置として用いられるようになっている。上記店舗12内には上記複数のカラオケ装置16を相互に接続するLAN24が敷設されており、上記電子早見本装置22からのカラオケ装置16への入力は、所定のアクセスポイント26及びLAN24を介したLAN通信等により行われる。
【0016】
図2は、上記カラオケ装置16の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記カラオケ装置16は、CRT(Cathode-ray Tube)やTFT(Thin Film Transistor Liquid Crystal)等の映像表示装置30と、CRTコントローラ等の映像出力制御部32と、映像情報デコーダ34と、ビデオミキサ36と、音源であるシンセサイザ38と、音声入力装置であるマイクロフォン40と、アンプミキサ42と、スピーカ44と、操作パネル46と、その操作パネル46等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス48と、中央演算処理装置であるCPU50と、読出専用メモリであるROM52と、随時書込読出メモリであるRAM54と、記憶装置であるハードディスク56と、モデム58と、LANポート60と、上記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部62とを、備えて構成されている。
【0017】
前記映像出力制御部32は、前記CPU50において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置として機能する他、前記映像表示装置30による種々の映像表示を制御する表示制御装置である。また、前記映像情報デコーダ34は、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記ハードディスク56に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ34により再生された背景映像は、前記ビデオミキサへ送られる。また、前記ビデオミキサ36は、前記CPU50において生成され且つ前記映像出力制御部32から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ34により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置30に表示させる映像合成装置である。
【0018】
前記シンセサイザ38は、前記ハードディスク56から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ38により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ42へ送られる。そのアンプミキサ42では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン40を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ44から出力される。
【0019】
前記操作パネル46は、前記カラオケ装置16の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置16には、前記操作パネル46の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置64が備えられており、前記リモコン受信部62は、そのリモコン装置64から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU50へ供給する。また、前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との対応付け(くくりつけ)処理も前記リモコン受信部62を介して行われ、そのようにして前記カラオケ装置16に対応付けられた電子早見本装置22も同様に入力装置として機能する。
【0020】
上記CPU50は、上記RAM54の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM52に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂マイクロコンピュータであり、上記電子早見本装置22やリモコン装置64等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を上記RAM54に設けられた予約曲テーブルに登録したり、その予約曲テーブルの演奏順に従って上記ハードディスク56から上記RAM54に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM54から上記シンセサイザ38へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して上記映像出力制御部32へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して上記映像出力制御部32へ送ったり、上記映像情報デコーダ34を制御して所定の背景映像を再生させたり、カラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させたり、前記通信回線18を介した前記サーバ装置20との間の情報通信制御等の基本的な制御に加えて、前記電子早見本装置22からの入力信号に応じて後述するDJモード演奏制御を実行する。
【0021】
前記モデム58は、前記カラオケ装置16を公衆電話回線等による通信回線18に接続するための装置であり、前記CPU50から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線18に送り出すと共に、その通信回線18を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU50に供給する処理を行う。なお、前記店舗12に備えられた複数のカラオケ装置16のうち何れかのカラオケ装置16が前記ルータ28の機能を備えてマスターコマンダとして前記通信回線18に接続される態様も考えられ、その場合、前記モデム58はそのマスターコマンダとして機能するカラオケ装置16には必要とされるが、そのマスターコマンダを介して前記サーバ装置20との間で情報の通信を行う他のカラオケ装置16には必ずしも設けられなくともよい。
【0022】
前記LANポート60は、前記カラオケ装置16をLAN24を介して他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器に接続するための接続器であり、前記カラオケ装置16は、そのようにLAN24を介して接続されることで、他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、前記アクセスポイント26を介して受信される前記電子早見本装置22からの選曲入力を受け付けて前記RAM54に設けられた予約曲テーブルに記憶したり、そのアクセスポイント26を介して前記カラオケ装置16から電子早見本装置22へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との間における相互の情報のやりとりが実行される。
【0023】
前記ハードディスク56には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数のカラオケデータ(楽曲データ)を記憶するカラオケデータベース104(図5を参照)をはじめとする各種データベースが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置16のうち所定のカラオケ装置16例えば前記カラオケ装置16aは、前記モデム58を介して前記通信回線18に接続されており、前記複数のカラオケ装置16によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、随時新たな楽曲データ等が前記サーバ装置20から前記通信回線18を介して配信され、前記ハードディスク56のカラオケデータベース104等に記憶される。また、そのようにして前記サーバ装置20から情報を取得したカラオケ装置16aとその他のカラオケ装置16との間で前記LAN24を介した通信が行われることにより、各カラオケ装置16のハードディスク56に記憶される情報が共有され、上記カラオケデータベース104等の内容が等価なものとされる。そのカラオケデータベース104に記憶されるカラオケデータは、前記シンセサイザ38により所定の楽器の演奏音を生成するための演奏情報及び歌詞文字映像(歌詞テロップ)を生成するための歌詞情報から成るものであり、コンテンツIDである各演奏曲に固有の選曲番号により識別される。
【0024】
図3は、本発明の一実施例である電子早見本装置22の外観を大まかに示す斜視図である。この図3に示すように、前記電子早見本装置22は、所定の画像(映像)を表示させると共に、利用者の接触に応じて入力を行うためのタッチパネルディスプレイ68を備えている。また、前記カラオケ装置16との間でデータの送受信や同期を実行したり、前記電子早見本装置22に内蔵されたバッテリを充電する等の動作を行うスタンド型の接続架台(ドッキングテーブル)であるクレイドル66を備えている。前記電子早見本装置22は、そのクレイドル66に取り付けられた状態又はそのクレイドル66から取り外された状態で用いられ、取り付けられた状態においては、そのクレイドル66及びLAN24を介して前記カラオケ装置16に有線接続されるようになっている。また、上記クレイドル66から取り外された状態においては、上記アクセスポイント26及びLAN24を介して前記カラオケ装置16に無線接続されるようになっている。
【0025】
図4は、前記電子早見本装置22の構成を説明するブロック線図である。この図4に示すように、前記電子早見本装置22は、上記タッチパネルディスプレイ68に所定の映像を表示させる表示装置72と、その表示装置72による表示を制御する表示制御部74と、利用者の指や図示しない備え付けのペン等によるタッチパネルディスプレイ68への接触により入力を行うタッチパネル76と、そのタッチパネル76による入力を制御する入力制御部78と、中央演算処理装置であるCPU80と、読出専用メモリであるROM82と、随時書込読出メモリであるRAM84と、フラッシュROM等の記憶部86と、インターフェイス88と、リモコン送信部90と、無線LAN通信部92と、上記クレイドル66と電気的な接続を可能とするためのコネクタ96aとを、備えて構成されている。上記クレイドル66には、斯かる電子早見本装置22と電気的な接続を可能とするためのコネクタ96bが設けられており、前記電子早見本装置22は、前記クレイドル66に載置されて上記コネクタ96a及び96bが相互に接触させられることで、上記インターフェイス88を介して前記クレイドル66乃至はLAN24に接続されるようになっている。また、上記記憶部86には、演奏曲データベース100及びターンテーブルデータベース102(図5を参照)をはじめとする各種データベースが設けられている。
【0026】
上記CPU80は、上記RAM84の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM82に記憶された情報に基づいて情報処理を実行する所謂マイクロコンピュータであり、上記表示制御部74を介して前記タッチパネルディスプレイ68(表示装置72)に所定の映像を表示させたり、その映像に基づく前記タッチパネルディスプレイ68(タッチパネル76)への接触により上記入力制御部78を介して入力される入力信号を処理したり、その入力信号に基づき前記無線LAN通信部92等を介して前記カラオケ装置16へ選曲入力をはじめとする入力送信を行ったり、マスターコマンダである前記カラオケ装置16aを介して前記センタ装置20との間で情報の通信を行う等といった基本的な制御に加えて、後述するDJモード表示/入力制御を実行する。
【0027】
前記演奏曲データベース100には、前記カラオケ装置16により出力可能な演奏曲の情報が記憶されている。具体的には、前記カラオケ装置16のカラオケデータベース104に記憶された多数のカラオケ情報それぞれに対応して曲名、アーティスト名、属性情報、歌詞の歌い出し部分等の選曲案内情報、及び備考等が選曲番号毎に記憶されている。また、前記ターンテーブルデータベース102には、前記タッチパネルディスプレイ68(表示装置72)に後述する図6及び図7に示すようなターンテーブルセット映像134を表示させると共に、そのターンテーブルセット映像134への利用者の接触に応じて前記カラオケ装置16への入力送信を行うための種々の情報が記憶されている。
【0028】
図5は、前記カラオケ装置16のCPU50及び電子早見本装置22のCPU80に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図5に示すDJモード表示制御手段110及びDJモード入力制御手段112は前記電子早見本装置22のCPU80に、DJモード演奏制御手段122は前記カラオケ装置16のCPU50にそれぞれ機能的に備えられたものである。
【0029】
上記DJモード表示制御手段110は、本実施例のDJモードにおける前記カラオケ装置16への入力操作を行うためのインターフェイスとしてのターンテーブルセット映像134を前記タッチパネルディスプレイ68(表示装置72)に表示させる。具体的には、前記ターンテーブルデータベース102に記憶された情報に基づいて、前記カラオケ装置16により出力される演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力を行うための円形状のターンテーブル136、音量を変更させる入力を行うためのボリュームつまみ138、演奏曲の出力割合を変更させる入力を行うためのミックスつまみ140、演奏曲の出力を停止/再開させるための停止/再開ボタン142、及び制御対象である演奏曲の情報を表示させるための曲情報表示窓144を含む図6に示すようなターンテーブルセット映像134を、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイ68(表示装置72)に表示させる。好適には、上記ボリュームつまみ138、停止/再開ボタン142、及び曲情報表示窓144は、制御対象である2曲の演奏曲それぞれに対応して表示させる。また、好適には、上記ボリュームつまみ138及びミックスつまみ140を利用者の接触操作に応じて所定の方向(図6では紙面向かって上下方向)にスライド可能に表示させる。また、好適には、上記ターンテーブル136をその中心まわりに所定の回転角速度で例えば1分間に45回まわっているように回転(自転)表示させる。更に好適には、利用者の接触操作に応じてそのターンテーブル136の回転速度を変化させるように表示させる。
【0030】
ここで、前記カラオケ装置16は同時に2曲の演奏曲を出力可能であり、本実施例のDJモードでは前記カラオケ装置16により併行して出力される2曲の演奏曲の演奏制御を行う態様について説明する。なお、前記DJモード表示制御手段110は、図6に示すように、上記ターンテーブルセット映像134における曲情報表示窓144に制御対象である2曲の演奏曲の曲名及び歌手名を表示させる。また、好適には、それぞれの曲情報表示窓144に表示される演奏曲の曲名及び歌手名を紙面向かって左右方向にスクロール表示させる。
【0031】
前記DJモード入力制御手段112は、前記DJモード表示制御手段110により上記ターンテーブルセット映像134が表示された前記タッチパネルディスプレイ68(タッチパネル76)に対する利用者の接触操作(タッチ入力操作)に応じて前記カラオケ装置16へ本実施例のDJモードにおける所定の入力送信制御を行う。斯かる制御を行うために、ターンテーブル入力制御手段114、ボリュームつまみ入力制御手段116、ミックスつまみ入力制御手段118、及び停止/再開ボタン入力制御手段120を含んでいる。以下、これらの制御機能による前記カラオケ装置16への入力送信制御について分説する。
【0032】
上記ターンテーブル入力制御手段114は、前記タッチパネルディスプレイ68(タッチパネル76)における前記ターンテーブル136に相当する部分に対する利用者の接触操作に応じて、前記カラオケ装置16により出力される演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力信号をそのカラオケ装置16へ送信する。具体的には、利用者が前記ターンテーブル136をその中心まわりになぞる速度に応じてそのターンテーブル136の回転速度を算出し、その算出結果に応じて制御対象である演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力信号を、前記インターフェイス88及びLAN24等を介して前記カラオケ装置16へ送信する。例えば、前記タッチパネル76に表示されたターンテーブル136をなぞる接触操作が行われた場合、その始点(x1,y1)、終点(x2,y2)、それら始点乃至終点間の移動に要した時間Δt(実際には、単位時間毎にその時点における座標を記録していく処理になる)を記録し、それらの情報から前記ターンテーブル136の回転速度を算出する。前記ターンテーブル136の中心点を原点(0,0)とし、上記始点を極座標系へ変換すると原点からの距離r1=(x12+y121/2、成す角θ1=sin-1(y1/r1)、終点r2=(x22+y221/2、θ2=sin-1(y2/r2)となる。従って、移動量Δθ=θ2−θ1となり、角速度ω1=Δθ/Δtとなる。一方、前記ターンテーブル136への接触操作が行われない場合のそのターンテーブル136の各速度ω2は2π/1.33である。前記ターンテーブル入力制御手段114は、好適には、前記ターンテーブル136に対する接触操作が行われた場合におけるそのターンテーブル136の仮想的な回転角速度ω1と、接触操作が行われない場合におけるそのターンテーブル136の仮想的な回転角速度ω2との比すなわちω1/ω2に基づいて前記カラオケ装置16により出力される演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力信号をそのカラオケ装置16へ送信するものであり、例えば、そのカラオケ装置16による制御対象曲の演奏速度をω1/ω2倍の早さにすると共に、その音程すなわち各周波数成分の周波数をω1/ω2倍とするための入力信号を前記カラオケ装置16へ送信する。
【0033】
前記ボリュームつまみ入力制御手段116は、前記タッチパネルディスプレイ68(タッチパネル76)における前記ボリュームつまみ138に相当する部分に対する利用者の接触操作に応じて、前記カラオケ装置16により出力される演奏曲の音量(ボリューム)を変更させる入力信号をそのカラオケ装置16へ送信する。具体的には、利用者が前記ボリュームつまみ138を操作してそのスライド可能範囲における相対位置が変化した場合、その相対位置に応じて制御対象である演奏曲の音量を変化させる入力信号を、前記インターフェイス88及びLAN24等を介して前記カラオケ装置16へ送信する。前記ボリュームつまみ138の相対位置と演奏曲の音量との関係は、例えばそのボリュームつまみ138が図6の紙面向かって上方向に位置させられるほど大きな音量となるように予め定められたものであり、前記ボリュームつまみ入力制御手段116は、好適には、その最上位置においてはボリューム最大、最下位置においてはボリューム最小(=0)とされるような入力信号を前記カラオケ装置16へ送信する。
【0034】
前記ミックスつまみ入力制御手段118は、前記タッチパネルディスプレイ68(タッチパネル76)における前記ミックスつまみ140に相当する部分に対する利用者の接触操作に応じて、前記カラオケ装置16により併行して出力される複数(本実施例では2曲)の演奏曲の出力割合を変更させる入力信号をそのカラオケ装置16へ送信する。具体的には、利用者が前記ミックスつまみ140を操作してそのスライド可能範囲における相対位置が変化した場合、その相対位置に応じて制御対象である複数の演奏曲の入力割合を変化させる入力信号を、前記インターフェイス88及びLAN24等を介して前記カラオケ装置16へ送信する。前記ミックスつまみ140の相対位置と複数の演奏曲の出力割合との関係は、例えばそのミックスつまみ140が図6の紙面向かって上方向に位置させられるほど第1の演奏曲(1stトラックの曲)の出力割合が大きくなり、下方向に位置させられるほど第2の演奏曲(2ndトラックの曲)の出力割合が大きくなるように予め定められたものであり、前記ミックスつまみ入力制御手段118は、好適には、その最上位置においては第1の演奏曲の出力割合が100%且つ第2の演奏曲の出力割合が0%、その最下位置においては第1の演奏曲の出力割合が0%且つ第2の演奏曲の出力割合が100%とされるような入力信号を前記カラオケ装置16へ送信する。
【0035】
前記停止/再開ボタン入力制御手段120は、前記タッチパネルディスプレイ68(タッチパネル76)における前記停止/再開ボタン142に相当する部分に対する利用者の接触操作に応じて、前記カラオケ装置16により併行して出力される複数の演奏曲のうち何れかの演奏曲の出力を停止又は再開させるための入力信号をそのカラオケ装置16へ送信する。具体的には、第1の演奏曲に対応する停止/再開ボタン142が図6に示すように「停止」を示す表示とされている状態においてその停止/再開ボタン142が利用者の接触操作により押された場合、第1の演奏曲の演奏を停止させるための入力信号を前記カラオケ装置16へ送信すると共に、押された停止/再開ボタン142の表示を前記DJモード表示制御手段110により図7に示すように「再開」を示すものに変更させる。また、第1の演奏曲に対応する停止/再開ボタン142が図7に示すように「再開」を示す表示とされている状態においてその停止/再開ボタン142が利用者の接触操作により押された場合、第1の演奏曲の演奏を再開させるための入力信号を前記カラオケ装置16へ送信すると共に、押された停止/再開ボタン142の表示を前記DJモード表示制御手段110により図6に示すように「停止」を示すものに変更させる。斯かる制御は、第2の演奏曲に対応して表示された停止/再開ボタン142についても同様に実行される。
【0036】
図5に戻って、前記DJモード演奏制御手段122は、前記電子早見本装置22から送信される入力信号に応じて、本実施例のDJモードにおける所定の演奏制御を行う。斯かる制御を行うために、演奏速度制御手段124、音程制御手段126、音量制御手段128、出力割合制御手段130、及び停止/再開制御手段132を含んでいる。以下、これらの制御機能による演奏制御について分説する。
【0037】
上記演奏速度制御手段124は、前記ターンテーブル入力制御手段114により送信(入力)される入力信号に応じて、前記シンセサイザ38から出力される演奏曲の演奏速度(出力速度)を制御する。前記シンセサイザ38により複数の演奏曲が併行して演奏されている場合には、制御対象曲として何れか一方(例えば1stトラック)の演奏曲の演奏速度を制御する。ここで、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたターンテーブル136の回転各速度が比較的短い時間に急速に変化させられ、それに対応する入力信号が前記ターンテーブル入力制御手段114により連続的に送信されてくることが考えられるが、上記演奏速度制御手段124は、そのように連続的に送信されてくる入力信号に追従して制御対象である演奏曲の演奏速度を連続的(シームレス)に変化させる制御を行う。
【0038】
前記音程制御手段126は、前記ターンテーブル入力制御手段114により送信される入力信号に応じて、前記シンセサイザ38から出力される演奏曲の音程(音高)を制御する。前記シンセサイザ38により複数の演奏曲が併行して演奏されている場合には、制御対象曲として何れか一方(例えば1stトラック)の演奏曲の音程を制御する。ここで、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたターンテーブル136の回転各速度が比較的短い時間に急速に変化させられ、それに対応する入力信号が前記ターンテーブル入力制御手段114により連続的に送信されてくることが考えられるが、前記音程制御手段126は、そのように連続的に送信されてくる入力信号に追従して制御対象である演奏曲の音程を連続的に変化させる制御を行う。
【0039】
前記音量制御手段128は、前記ボリュームつまみ入力制御手段116により送信される入力信号に応じて、前記シンセサイザ38から出力される演奏曲の音量(ボリューム)を制御する。前記ボリュームつまみ入力制御手段116により送信される入力信号が第1の演奏曲に対応するものである場合、第1の演奏曲の音量を制御する。また、その入力信号が第2の演奏曲に対応するものである場合、第2の演奏曲の音量を制御する。ここで、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたボリュームつまみ138の相対位置が比較的短い時間に急速に変化させられ、それに対応する入力信号が前記ボリュームつまみ入力制御手段116により連続的に送信されてくることが考えられるが、上記音量制御手段128は、そのように連続的に送信されてくる入力信号に追従して制御対象である演奏曲の音量を連続的に変化させる制御を行う。
【0040】
前記出力割合制御手段130は、前記ミックスつまみ入力制御手段118により送信される入力信号に応じて、前記シンセサイザ38から併行して出力される複数の演奏曲の出力割合を制御する。具体的には、それら複数の演奏曲それぞれの音量を、一方の演奏曲の音量がn%である場合、もう一方の演奏曲の音量が100−n%となるように制御する。ここで、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたミックスつまみ140の相対位置が比較的短い時間に急速に変化させられ、それに対応する入力信号が前記ミックスつまみ入力制御手段118により連続的に送信されてくることが考えられるが、上記出力割合制御手段130は、そのように連続的に送信されてくる入力信号に追従して制御対象である複数の演奏曲の出力割合を連続的に変化させる制御を行う。
【0041】
前記停止/再開制御手段132は、前記停止/再開ボタン入力制御手段120により送信される入力信号に応じて、前記シンセサイザ38により出力される得演奏曲の出力を停止又は再開させる制御を行う。前記停止/再開ボタン入力制御手段120により送信される入力信号が第1の演奏曲に対応するものである場合、第1の演奏曲の出力を停止又は再開させる。また、その入力信号が第2の演奏曲に対応するものである場合、第2の演奏曲の出力を停止又は再開させる。
【0042】
図8は、前記電子早見本装置22のCPU80によるDJモード表示/入力制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0043】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記タッチパネルディスプレイ68に表示された図示しないトップ画面等において、DJモードを開始させるための所定のタッチ入力操作が行われたか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA1の判断が肯定される場合には、前記DJモード表示制御手段110の動作に対応するSA2において、前記ターンテーブルデータベース102に記憶された情報に基づいて、前記タッチパネルディスプレイ68に図6に示すようなターンテーブルセット映像134が表示される。次に、SA3において、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたターンテーブル136に相当する部分に対する利用者の接触操作が行われたか否かが判断される。このSA3の判断が否定される場合には、SA5以下の処理が実行されるが、SA3の判断が肯定される場合には、SA4において、前記ターンテーブル136をその中心まわりになぞる速度に応じてそのターンテーブル136の回転速度が算出され、その算出結果に応じて制御対象である演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させるための入力信号が前記カラオケ装置16へ送信された後、SA5において、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたボリュームつまみ138に相当する部分に対する利用者の接触操作が行われたか否かが判断される。このSA5の判断が否定される場合には、SA7以下の処理が実行されるが、SA5の判断が肯定される場合には、SA6において、前記ボリュームつまみ138の相対位置変化に応じて制御対象である演奏曲の音量を変化させるための入力信号が前記カラオケ装置16へ送信された後、SA7において、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたミックスつまみ140に相当する部分に対する利用者の接触操作が行われたか否かが判断される。このSA7の判断が否定される場合には、SA9以下の処理が実行されるが、SA7の判断が肯定される場合には、SA8において、前記ミックスつまみ140の相対位置変化に応じて制御対象である複数の演奏曲の入力割合を変化させるための入力信号が前記カラオケ装置16へ送信された後、SA9において、前記タッチパネルディスプレイ68に表示された停止/再開ボタン142に相当する部分に対する利用者の接触操作が行われたか否かが判断される。このSA9の判断が否定される場合には、SA11以下の処理が実行されるが、SA9の判断が肯定される場合には、SA10において、併行して出力される演奏曲のうち何れか一方の演奏曲の出力を停止又は再開させるための入力信号が前記カラオケ装置16へ送信された後、SA11において、前記タッチパネルディスプレイ68によりDJモードを解除させるための所定のタッチ入力操作が行われたか否かが判断される。このSA11の判断が否定される場合には、SA3以下の処理が再び実行されるが、SA11の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SA3乃至SA10が前記DJモード入力制御手段112の動作に対応する。
【0044】
図9は、前記カラオケ装置16のCPU50によるDJモード演奏制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0045】
先ず、SB1において、前記電子早見本装置22からDJモードを開始させるための信号の入力があったか否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB1の判断が肯定される場合には、SB2において、前記RAM54等に設けられた予約曲テーブル上位から2曲の予約曲に対応するカラオケ情報が、制御対象曲の情報として前記カラオケデータベース104から読み出され、最上位の曲が第1の演奏曲として1stトラックに、第2位の曲が第2の演奏曲として2ndトラックにそれぞれ格納される。次に、SB3において、前記ターンテーブル136による制御対象曲すなわち1stトラック曲のボリュームが0に設定されて、SB2にて読み出された2曲の演奏曲の出力が同時に開始される。次に、SB4において、前記電子早見本装置22から前記ターンテーブル136の操作に対応する信号の入力があったか否かが判断される。このSB4の判断が否定される場合には、SB6以下の処理が実行されるが、SB4の判断が肯定される場合には、SB5において、前記電子早見本装置22から入力された信号に応じて制御対象である演奏曲の演奏速度及び音程が変化させられた後、SB6において、前記電子早見本装置22から前記ボリュームつまみ138の操作に対応する信号の入力があったか否かが判断される。このSB6の判断が否定される場合には、SB8以下の処理が実行されるが、SB6の判断が肯定される場合には、SB7において、前記電子早見本装置22から入力された信号に応じて制御対象である演奏曲の音量が変化させられた後、SB8において、前記電子早見本装置22から前記ミックスつまみ140の操作に対応する信号の入力があったか否かが判断される。このSB8の判断が否定される場合には、SB10以下の処理が実行されるが、SB8の判断が肯定される場合には、SB9において、前記電子早見本装置22から入力された信号に応じて制御対象である複数の演奏曲の出力割合が変化させられた後、SB10において、前記電子早見本装置22から前記停止/再開ボタン142の操作に対応する信号の入力があったか否かが判断される。このSB10の判断が否定される場合には、SB12以下の処理が実行されるが、SB10の判断が肯定される場合には、SB11において、前記電子早見本装置22から入力された信号に応じて制御対象である演奏曲の出力が停止又は再開させられた後、SB12において、制御対象である2曲の演奏曲のうち何れか一方の演奏曲の演奏が終了したか否かが判断される。このSB12の判断が肯定される場合には、SB13において、前記RAM54等に設けられた予約曲テーブル最上位の曲が新たな制御対象曲として前記カラオケデータベース104から読み出され、演奏終了した側のトラックに格納された後、SB3以下の処理が再び実行されるが、SB12の判断が否定される場合には、SB14において、前記電子早見本装置22からDJモードを解除させるための信号の入力があったか否かが判断される。このSB14の判断が否定される場合には、SB3以下の処理が再び実行されるが、SB14の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SB2乃至SB13が前記DJモード演奏制御手段122の動作に対応する。
【0046】
このように、本実施例によれば、前記カラオケ装置16により出力される演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力を行うためのターンテーブル136を、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイ68に表示させるDJモード表示制御手段110(SA2)及びDJモード入力制御手段112(SA3乃至SA10)を備えたものであることから、前記電子早見本装置22により前記カラオケ装置16による演奏を制御するための擬似的なターンテーブル型インターフェイスを実現でき、あたかもクラブでDJが行うような従来になかった演奏形態が可能とされる。すなわち、カラオケ装置16による演奏に新たな娯楽性を付加する電子早見本装置22を提供することができる。
【0047】
また、前記DJモード表示制御手段110及びDJモード入力制御手段112は、前記カラオケ装置16により出力される演奏曲の音量を変更させる入力を行うためのボリュームつまみ138を、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイ68に表示させるものであるため、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置22により実現できるという利点がある。
【0048】
また、前記カラオケ装置16は、複数の演奏曲を併行して出力し得るものであり、前記DJモード表示制御手段110及びDJモード入力制御手段112は、そのカラオケ装置16により併行して出力される演奏曲それぞれに対応して前記ボリュームつまみ138を前記タッチパネルディスプレイ68に表示させるものであるため、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置22により実現できるという利点がある。
【0049】
また、前記DJモード表示制御手段110及びDJモード入力制御手段112は、前記カラオケ装置16により併行して出力される複数の演奏曲の出力割合を変更させる入力を行うためのミックスつまみ140を、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイ68に表示させるものであるため、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置22により実現できるという利点がある。
【0050】
また、前記DJモード表示制御手段110及びDJモード入力制御手段112は、前記カラオケ装置16により併行して出力される複数の演奏曲のうち何れかの演奏曲の出力を停止させる入力を行うための停止/再開ボタン142を、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイ68に表示させるものであるため、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置22により実現できるという利点がある。
【0051】
また、前記DJモード表示制御手段110及びDJモード入力制御手段112は、前記停止/再開ボタン142により出力が停止された演奏曲の出力を再開させる入力を行うための停止/再開ボタン142を、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイ68に表示させるものであるため、更に実物に近く本格的な操作が可能なターンテーブル型インターフェイスを前記電子早見本装置22により実現できるという利点がある。
【0052】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0053】
例えば、前述の実施例において、前記電子早見本装置22のCPU80に備えられたDJモード入力制御手段112は、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたターンテーブル136に対する利用者の接触操作に応じてそのターンテーブル136の回転速度を算出し、その算出結果に応じて制御対象である演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力信号を前記カラオケ装置16へ送信するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたターンテーブル136に対する利用者の接触操作に関する情報すなわち前述の実施例では座標の変化に関する情報を前記DJモード入力制御手段112により前記カラオケ装置16へ送信し、その座標の変化に対応する出力速度及び音程の変化の計算はそのカラオケ装置16の側で行うものであってもよい。同様に、前記タッチパネルディスプレイ68に表示されたボリュームつまみ138及びミックスつまみ140の相対位置変化に関する情報を前記ボリュームつまみ入力制御手段116及びミックスつまみ入力制御手段118により前記カラオケ装置16へ送信し、その相対位置変化に対応する音量及び出力割合の計算はそのカラオケ装置16側で行うものであっても構わない。
【0054】
また、前述の実施例において、前記DJモード入力制御手段112及びDJモード演奏制御手段122は、2曲の演奏曲を制御対象曲とし、前記電子早見本装置22のタッチパネルディスプレイ68に表示された各演奏曲に対応するボリュームつまみ138に対する利用者の接触操作に応じてそれら演奏曲それぞれの音量を制御するものであったが、何れか一方の演奏曲の音量のみ制御可能とし、もう一方の演奏曲の音量は制御不能としてもよい。この場合、制御不能である演奏曲に対応するボリュームつまみ138は前記タッチパネルディスプレイ68に表示されない。また、前記停止/再開ボタン142に対する利用者の接触操作に応じた演奏曲の出力停止乃至は再開制御も、何れか一方の演奏曲のみ可能としても構わない。この場合、制御不能である演奏曲に対応する停止/再開ボタン142は前記タッチパネルディスプレイ68に表示されない。
【0055】
また、前述の実施例において、前記DJモード入力制御手段112及びDJモード演奏制御手段122は、併行して出力される2曲の演奏曲を制御対象とするものであったが、1曲の演奏曲を制御対象とする構成も当然に考えられる。その場合、前記ミックスつまみ140及び停止/再開ボタン142は前記タッチパネルディスプレイ68に表示されない。更には、前記タッチパネルディスプレイ68に前記ターンテーブル136のみ表示させ、そのターンテーブル136に対する利用者の接触操作に応じた演奏曲の演奏速度及び音程の制御のみを行うものであっても構わない。
【0056】
また、前述の実施例において、前記DJモード入力制御手段112及びDJモード演奏制御手段122は、前記タッチパネルディスプレイ68に表示される単一のターンテーブル136に対する利用者の接触操作に基づいて演奏曲の出力速度及び音程を制御するものであったが、前記カラオケ装置16により併行して出力される複数の演奏曲それぞれに対応して複数のターンテーブル136を前記タッチパネルディスプレイ68に表示させ、各演奏曲の出力速度及び音程を併行して制御できるようにしてもよい。更には、複数の前記電子早見本装置22を用いて、前記カラオケ装置16により併行して出力される演奏曲の出力速度及び音程等をそれぞれの電子早見本装置22により制御する態様も考えられる。
【0057】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明が好適に適用されるカラオケシステムを説明する概略図である。
【図2】図1のカラオケシステムに備えられたカラオケ装置の構成を例示するブロック線図である。
【図3】図1のカラオケシステムに備えられた、本発明の一実施例である電子早見本装置の外観を大まかに示す斜視図である。
【図4】図3の電子早見本装置の構成を例示するブロック線図である。
【図5】図2のカラオケ装置のCPU及び図4の電子早見本装置のCPUに備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図6】図4の電子早見本装置のタッチパネルディスプレイに表示されるターンテーブルセット映像を例示する図である。
【図7】図6のターンテーブルセット映像において1stトラック曲に対応する停止/再開ボタンが押された状態を示す図である。
【図8】図4の電子早見本装置のCPUによるDJモード表示/入力制御の要部を説明するフローチャートである。
【図9】図2のカラオケ装置のCPUによるDJモード演奏制御の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
16:カラオケ装置
22:電子早見本装置
68:タッチパネルディスプレイ
110:DJモード表示制御手段
112:DJモード入力制御手段
136:ターンテーブル
138:ボリュームつまみ
140:ミックスつまみ
142:停止/再開ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記カラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置であって、
前記カラオケ装置により出力される演奏曲の出力速度及び音程を同期的に変更させる入力を行うためのターンテーブルを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるDJモード表示/入力制御手段を備えたものであることを特徴とする電子早見本装置。
【請求項2】
前記DJモード表示/入力制御手段は、前記カラオケ装置により出力される演奏曲の音量を変更させる入力を行うためのボリュームつまみを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである請求項1の電子早見本装置。
【請求項3】
前記カラオケ装置は、複数の演奏曲を併行して出力し得るものであり、前記DJモード表示/入力制御手段は、該カラオケ装置により併行して出力される演奏曲それぞれに対応して前記ボリュームつまみを前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである請求項2の電子早見本装置。
【請求項4】
前記カラオケ装置は、複数の演奏曲を併行して出力し得るものであり、前記DJモード表示/入力制御手段は、該カラオケ装置により併行して出力される複数の演奏曲の出力割合を変更させる入力を行うためのミックスつまみを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである請求項1から3の何れかの電子早見本装置。
【請求項5】
前記カラオケ装置は、複数の演奏曲を併行して出力し得るものであり、前記DJモード表示/入力制御手段は、該カラオケ装置により併行して出力される複数の演奏曲のうち何れかの演奏曲の出力を停止させる入力を行うための停止ボタンを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである請求項1から4の何れかの電子早見本装置。
【請求項6】
前記DJモード表示/入力制御手段は、前記停止ボタンにより出力が停止された演奏曲の出力を再開させる入力を行うための再開ボタンを、利用者の接触に応じての操作可能に前記タッチパネルディスプレイに表示させるものである請求項5の電子早見本装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−242263(P2008−242263A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85267(P2007−85267)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】