説明

電子機器、およびこれを備えた携帯端末

【課題】薄型化を実現しつつ、タッチセンサが電子機器から離脱するのを阻止することができる電子機器、およびこれを備えた携帯端末を提供する。
【解決手段】電子機器は、基体と、基体の上面と空間を介して対向して配置されたタッチセンサと、タッチセンサを振動させる振動体と、タッチセンサを支持する支持体と、タッチセンサを取り囲むように基体の上面に設けられた枠体6と、を備え、タッチセンサは、上側検出電極31、上側検出電極31が設けられた上側基板32、上側検出電極31に対向して配置された下側検出電極33、および下側検出電極33が設けられておりかつ上側基板32よりも外側に張り出す張出部34aを有した下側基板34を含み、枠体6には、張出部34aと対向するように内側に突出した突出部8が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者に対して触感を伝達することができる電子機器、およびこれを備えた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチセンサを備えた電子機器において、使用者がこのタッチセンサを操作した場合に、操作した使用者に対して、押しボタンスイッチを操作した場合と同様のリアルな押圧感、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を伝達する触覚伝達技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような触覚伝達技術を適用した電子機器は、基体と、基体の上面と空間を介して対向して配置されたタッチセンサと、タッチセンサを振動させる振動体と、タッチセンサを支持する支持体と、を備えている。振動体の振動でタッチセンサを振動させることにより、使用者に対して触感を伝達するため、タッチセンサは、基体の上面と空間を介して対向して配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−122507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の電子機器では、例えば、落下等により外部から力が加わった場合、タッチセンサが支持体から外れることにより、タッチセンサが電子機器から離脱する可能性があった。また、電子機器は、例えば、携帯端末等に搭載されることから、近年では、薄型化が求められている。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄型化を実現しつつ、タッチセンサが電子機器から離脱するのを阻止することができる電子機器、およびこれを備えた携帯端末に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子機器における一態様は、基体と、前記基体の上面と空間を介して対向して配置されたタッチセンサと、前記タッチセンサを振動させる振動体と、前記タッチセンサを支持する支持体と、前記タッチセンサを取り囲むように前記基体の上面に設けられた枠体と、を備え、前記タッチセンサは、上側検出電極、該上側検出電極が設けられた上側基板、前記上側検出電極に対向して配置された下側検出電極、および該下側検出電極が設けられておりかつ前記上側基板よりも外側に張り出す張出部を有した下側基板を含み、前記枠体には、前記張出部と対向するように内側に突出した突出部が設けられている。
【0008】
本発明の電子機器における他の態様は、基体と、前記基体の上面と空間を介して対向して配置されたタッチセンサと、前記タッチセンサを振動させる振動体と、前記タッチセンサを支持する支持体と、前記タッチセンサを取り囲むように前記基体の上面に設けられた枠体と、を備え、前記タッチセンサは、検出電極、および該検出電極が設けられておりかつ端部が切り欠かれた切欠面を有した基板を含み、前記枠体には、前記基板の前記切欠面と対向するように内側に突出した突出部が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電子機器、およびこれを備えた携帯端末は、薄型化を実現しつつ、タッチセンサが電子機器から離脱するのを阻止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子機器の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1中に示した切断線I−Iに沿って切断した断面図である。
【図3】図1中に示した切断線II−IIに沿って切断した断面図である。
【図4】図2中に示したA1の部分を拡大した図である。
【図5】電子機器の動作例を示すフローチャートである。
【図6】携帯端末の概略構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る電子機器の変形例を示す断面図であって、図2と同じ部分を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る電子機器の概略構成を示す平面図である。
【図9】図8中に示した切断線III−IIIに沿って切断した断面図である。
【図10】図8中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。
【図11】図8中に示したA2の部分を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る電子機器、およびこれを備えた携帯端末は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0012】
[実施の形態1]
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る電子機器X1は、液晶表示パネル2、タッチセンサ3、振動体4、基体5、枠体6、支持体7、および突出部8を備えている。
【0013】
液晶表示パネル(表示パネル)2は、表示のために液晶組成物を利用するパネルである。具体的には、液晶表示パネル2は、一方の基板と、一方の基板に対向して配置される他方の基板と、一方の基板と他方の基板との間に介在した液晶層と、一方の基板と他方の基板との間に介在しかつ表示に寄与する表示部材層とを備えている。なお、表示部材層としては、例えば、画素電極、配向膜等が挙げられる。また、液晶表示パネル2は、透過型であれば、一方の基板、液晶層、および他方の基板を照射するバックライトを備えており、反射型であれば、一方の基板と他方の基板との間に介在した反射膜を備えている。また、液晶表示パネル2は、半透過型であれば、バックライトを備えているとともに、一方の基板と他方の基板との間に介在した半透過膜を備えている。
【0014】
液晶表示パネル2の駆動方式としては、単純マトリクス駆動方式であってもよいし、アクティブマトリクス駆動方式であってもよい。また、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示パネル2である場合、その方式として、TN(Twisted Nematic)型、IPS(In-Plane Switching)型、AFFS(Advanced Fringe Field Switching)型、VA(Vertical Alignment)型、OCB(Optically Compensated Bend)型のいずれであってもよい。また、モノクロの液晶表示パネル2であってもよいし、カラーの液晶表示パネル2であってもよい。ここで、実際には、液晶表示パネル2の表面あるいは裏面には、位相差板、偏光板等が設けられているが、説明の便宜上、ここでの説明は省略する。
【0015】
タッチセンサ3は、使用者が指あるいはペン等で操作した箇所を入力位置として検出する入力デバイスである。図2および図3に示すように、タッチセンサ3は、液晶表示パネ
ル2と空間S1を介して対向して配置されている。本実施形態においてタッチセンサ3は、抵抗膜方式のタッチセンサである。このため、タッチセンサ3は、図4に示すように、上側検出電極31、上側基板32、下側検出電極33、下側基板34、スペーサ35、およびシール部材36を含んでいる。
【0016】
上側検出電極31は、下側基板34の下側電極33との接触点における電位の検出に寄与する役割を担う部材である。上側検出電極31は、透光性を有している。なお、本実施形態において透光性とは、可視光に対する透過性を有することを意味する。上側検出電極31の構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、ATO(Antimony Tin
Oxide)、酸化錫、あるいは酸化亜鉛等が挙げられる。
【0017】
上側基板32は、その下面(下側基板34との対向面)で上側検出電極31を支持する役割を担う部材である。上側基板32は、透光性、および可撓性を有している。上側基板32の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチック等が挙げられる。
【0018】
下側検出電極33は、上側基板32の上側検出電極31との接触点における電位の検出に寄与する役割を担う部材である。下側検出電極33は、透光性を有している。下側検出電極33の構成材料としては、上側検出電極31と同様のものが挙げられる。
【0019】
下側基板34は、その上面(上側基板32との対向面)で下側検出電極33を支持する役割を担う部材である。下側基板34は、透光性を有している。下側基板34の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチック等が挙げられる。また、下側基板34は、上側基板32よりも外側に張り出す張出部34aを有している。本実施形態においては、図1に示すように、張出部34aは、上側基板32の4辺全ての辺から外側に張り出している。
【0020】
スペーサ35は、上側検出電極31と下側検出電極33とを所定位置で接触させる場合に、該所定位置以外の領域において上側検出電極31と下側検出電極33との不要な接触が発生するのを低減する役割を担う部材である。スペーサ35の構成材料としては、例えば、熱硬化性樹脂あるいは紫外線硬化性樹脂が挙げられ、耐環境性の観点からは熱硬化性樹脂が好ましく、製造効率の観点からは紫外線硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂系、不飽和ポリエステル系、ユリア樹脂系、メラニン樹脂系、あるいはフェノール樹脂系が挙げられる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂系あるいはエポキシ樹脂系が挙げられる。
【0021】
シール部材36は、上側基板32と下側基板34とを所定の間隔で保持するための役割を担う部材である。シール部材36は、上側基板32と下側基板34との間に位置しており、上側基板32および下側基板34の外周部に設けられている。シール部材36は、例えば、絶縁性の接着性樹脂内に、複数の導電性粒子を含有させた接着材である。
【0022】
振動体4は、例えば、使用者による所定の押圧操作を検知した場合に、タッチセンサ3を振動させる役割を担う部材である。振動体4は、タッチセンサ3における下側基板34の下面に設けられている。本実施形態では、図1に示すように、振動体4は、下側基板34の下面の、対向する短辺の近傍に、それぞれの短辺に沿って2つ配置されている。なお、振動体4の配置位置、個数等については、特に限定されない。振動体4は、例えば、印加される電圧に基づいて振動する圧電素子であるが、これに限らず、電磁式振動体、バネ、モータ等であってもよい。ここで、圧電素子としては、例えば、圧電体層と金属層とが交互に積層されたバイモルフ型が挙げられる。
【0023】
基体5および枠体6は、液晶表示パネル2を収容する役割を担う部材である。基体5は
、上面5aを有している。基体5の上面5aには、液晶表示パネル2が設けられている。枠体6は、液晶表示パネル2を取り囲むように基体5の上面5aに設けられている。基体5および枠体6の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム合金等の金属が挙げられる。ここで、基体5と枠体6とは、一体的に形成されていてもよいし、別個独立に形成されていてもよい。
【0024】
支持体7は、タッチセンサ3を支持する役割を担う部材である。本実施形態では、支持体7は、下側基板34の下面でタッチセンサ3を支持している。支持体7は、基体5の上面5aに設けられている。具体的には、支持体7は、両面テープ71を介して、下側基板34の下面および基体5の上面5aに接続されている。また、本実施形態では、支持体7は、下側基板34の4つの角部C1〜C4に位置している。支持体7の形状は、例えば、円柱状であるが、角柱状等であってもよい。支持体7は、タッチセンサ3の振動を抑制しないように、弾性を有している。このため、支持体7の構成材料としては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、発泡ウレタン、その他のゴム類、プラスチック、あるいはステンレス等が挙げられる。
【0025】
突出部8は、タッチセンサ3が電子機器X1から離脱するのを阻止する役割を担う部材である。突出部8は、枠体6に設けられている。具体的には、突出部8は、下側基板34における張出部34aと対向するように内側に突出して設けられている。本実施形態において突出部8は略直方体状であるが、この形状には特に限定されない。また、枠体6と突出部8とは、一体的に形成されていてもよいし、別個独立に形成されていてもよい。
【0026】
ここで、電子機器X1が落下した場合等のように、電子機器X1に外部から力が加わった場合を考える。この場合、支持体7と基体5の上面5aとの間に位置する両面テープ71、あるいは支持体7と下側基板34の下面との間に位置する両面テープ71が剥がれる可能性があった。本実施形態では、両面テープ71が剥がれ図4の矢印で示される方向に力が加わった場合であっても、張出部34aの上面が突出部8の下面に当接することになる。張出部34aの上面が突出部8の下面に当接するので、本実施形態では、タッチセンサ3が電子機器X1から離脱するのを阻止することができる。
【0027】
また、下側基板34は、上側基板32よりも外側に張り出す張出部34aを有しており、突出部8は、この張出部34aと対向するように内側に突出して設けられている。このため、突出部8は、張出部34aの上方の、上側基板32の高さ位置と等しい空間に位置することができるため、電子機器X1の厚みL1を小さくすることができる。そのため、電子機器X1では、薄型化を実現することができる。
【0028】
次に、電子機器X1の動作例について、図5を参照しながら説明する。
【0029】
なお、以下では、触覚伝達のうち使用者に対して押圧感を伝達する場合の電子機器X1の動作例について説明するが、電子機器X1は、押圧感以外の、例えば、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を伝達する場合にも適用できることは勿論である。
【0030】
図5に示すように、使用者がタッチセンサ3を押圧した場合に、振動体4は、タッチセンサ3への押圧荷重を検出する(Op1)。ここで、振動体4の荷重検出機能について説明する。すなわち、使用者がタッチセンサ3を押圧すると、タッチセンサ3が下方向に撓む。タッチセンサ3の下方向の撓みに従って振動体4も撓む。つまり、タッチセンサ3への押圧荷重に応じて、振動体4の撓み量が変化する。ここで、振動体4が圧電素子である場合、振動体4は、撓み量に応じた電圧に変換することができる。この結果、振動体4によりタッチセンサ3の押圧荷重を検出することができる。なお、上記では、荷重検出機能を振動体4で実現している例について説明したが、これに限らず、例えば、歪みセンサ等
の荷重センサによって実現してもよい。
【0031】
そして、図示しない触覚伝達ドライバは、使用者による入力操作が、表示画面に表示された入力オブジェクトに対する入力操作である場合に、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であるか否かを判定する(Op2)。なお、触覚伝達ドライバは、例えば、タッチセンサ3に対して電圧を印加するためのFPC(Flexible Printed Circuit)上に、タッチセンサ3を制御する位置検出ドライバとともに設けられている。
【0032】
そして、触覚伝達ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であると判定すれば(Op2にてYES)、振動体4を振動させる(Op3)。そして、Op3にて振動された振動体4によりタッチセンサ3が振動する。これにより、タッチセンサ3を押圧した使用者に対して押圧感が伝達される。一方、触覚伝達ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値未満であると判定すれば(Op2にてNO)、図5の処理を終了する。
【0033】
以上より、上記の電子機器X1は、薄型化を実現しつつ、タッチセンサ3が電子機器X1から離脱するのを阻止することができる。
【0034】
次に、上記の電子機器X1を備えた携帯端末Y1について、図6を参照しながら説明する。
【0035】
図6に示すように、携帯端末Y1は、電子機器X1と、筐体10と、操作キー11とを備えている。筐体10は、電子機器X1を収容する役割を担う部材である。操作キー11は、使用者により入力操作されるキーである。なお、操作キー11は、表示画面に表示された操作キーであってもよいし、物理的に存在する操作キーであってもよい。携帯端末Y1は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等である。携帯端末Y1は、電子機器X1を筐体10に備えているので、薄型化を実現しつつ、タッチセンサ3が電子機器X1から離脱するのを阻止することができる。
【0036】
なお、電子機器X1は、上記の携帯端末Y1の代わりに、産業用途で使用されるプログラマブル表示器、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、テレビ、デジタルカメラ等の種々の装置に備えられていてもよい。
【0037】
なお、上記では、タッチセンサ3における上側基板32の上面が露出している態様について説明した。しかし、図7に示すように、タッチセンサ3は、保護膜35をさらに含んでいてもよい。保護膜35は、上側基板32の上面を保護するための役割を担う部材である。保護膜35の上面の高さ位置と、突出部8の上面の高さ位置とは、略同じである。保護膜35の上面の高さ位置と、突出部8の上面の高さ位置とが略同じであるので、電子機器X1のデザイン性を向上することができる。すなわち、保護膜35の上面の高さ位置と、突出部8の上面の高さ位置とが異なる態用と比べて、電子機器X1の見栄えを良くすることができる。
【0038】
[実施の形態2]
図8は、本実施形態に係る電子機器X2の概略構成を示す平面図である。図9は、図8中に示した切断線III−IIIに沿って切断した断面図である。図10は、図8中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。図11は、図8中に示したA2の部分を拡大した図である。なお、図8〜図11において、図1〜図4と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0039】
図8〜図11に示すように、電子機器X2では、タッチセンサ9が静電容量方式のタッ
チセンサである点で、タッチセンサ3が抵抗膜方式のタッチセンサである電子機器X1と比べて、異なっている。このため、タッチセンサ9は、検出電極91および基板92を含んでいる。
【0040】
検出電極91は、使用者の指との間で静電容量が発生することにより、使用者の指における入力位置の検出を行う役割を担う部材である。検出電極91は、透光性を有している。検出電極91の構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、酸化錫、あるいは酸化亜鉛等が挙げられる。
【0041】
基板92は、その下面(基体5の上面5aとの対向面)で検出電極91を支持する役割を担う部材である。基板92は、透光性を有している。基板92の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチック等が挙げられる。また、基板92は、端部が切り欠かれた切欠面92aを有している。本実施形態では、切欠面92aは、基板92の外周端部に設けられている。また、本実施形態では、切欠面92aは、基板92の内側(空間S1側)から外側に向かって、基板92の横方向の幅が狭くなるように、設けられている。
【0042】
突出部81は、タッチセンサ9が電子機器X2から離脱するのを阻止する役割を担う部材である。突出部81は、枠体6に設けられている。具体的には、突出部81は、基板92の切欠面92aと対向するように内側に突出して設けられている。本実施形態において突出部81は、切欠面92aと平行に切り欠かれた端面81aを有している。なお、枠体6と突出部81とは、一体的に形成されていてもよいし、別個独立に形成されていてもよい。
【0043】
ここで、電子機器X2が落下した場合等のように、電子機器X2に外部から力が加わった場合を考える。この場合、支持体7と基体5の上面5aとの間に位置する両面テープ71、あるいは支持体7と下側基板34の下面との間に位置する両面テープ71が剥がれる可能性があった。本実施形態では、両面テープ71が剥がれ図11の矢印で示される方向に力が加わった場合であっても、基板92の切欠面92aが突出部8の端面81aに当接することになる。基板92の切欠面92aが突出部8の端面81aに当接するので、本実施形態では、タッチセンサ9が電子機器X2から離脱するのを阻止することができる。
【0044】
また、基板92は、外周端部が切り欠かれた切欠面92aを有しており、突出部81は、基板92の切欠面92aと対向するように内側に突出して設けられている。このため、突出部81は、基板92の切欠面92aの上方の、基板92の高さ位置と等しい空間に位置することができるため、電子機器X2の厚みL2を小さくすることができる。そのため、電子機器X2では、薄型化を実現することができる。
【0045】
なお、本実施形態のように、基板92の上面の高さ位置、突出部81の上面の高さ位置、および枠体6の上面の高さ位置は、略同じであることが好ましい。これらの上面の高さ位置が略同じであるので、電子機器X2のデザイン性を向上することができる。すなわち、これらの上面の高さ位置が異なる態用と比べて、電子機器X2の見栄えを良くすることができる。
【0046】
以上より、上記の電子機器X2は、電子機器X1と同様、薄型化を実現しつつ、タッチセンサ9が電子機器X2から離脱するのを阻止することができる。
【0047】
なお、実施の形態2では、切欠面92aが傾斜面である例について説明したが、これに限定されない。すなわち、切欠面92aは、段差を有する面であってもよいし、湾曲した面であってもよい。
【0048】
また、実施の形態1では、電子機器X1を備えた携帯端末Y1の例について説明したが、この電子機器X1に代えて、電子機器X2を採用してもよい。
【0049】
さらに、液晶表示パネル2の代わりに、CRT、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、蛍光表示管、電界放出ディスプレイ、表面電界ディスプレイ、電子ペーパ等の表示パネルであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
X1,X2 電子機器
Y1 携帯端末
2 液晶表示パネル(表示パネル)
3 タッチセンサ
31 上側検出電極
32 上側基板
33 下側検出電極
34 下側基板
35 保護膜
4 振動体
5 基体
5a 基体の上面
6 枠体
7 支持体
8 突出部
9 タッチセンサ
91 検出電極
92 基板
92a 基板の切欠面



【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体の上面と空間を介して対向して配置されたタッチセンサと、
前記タッチセンサを振動させる振動体と、
前記タッチセンサを支持する支持体と、
前記タッチセンサを取り囲むように前記基体の上面に設けられた枠体と、を備え、
前記タッチセンサは、上側検出電極、該上側検出電極が設けられた上側基板、前記上側検出電極に対向して配置された下側検出電極、および該下側検出電極が設けられておりかつ前記上側基板よりも外側に張り出す張出部を有した下側基板を含み、
前記枠体には、前記張出部と対向するように内側に突出した突出部が設けられている、電子機器。
【請求項2】
前記タッチセンサは、前記上側基板の上面に設けられた保護膜をさらに含み、
前記保護膜の上面の高さ位置と、前記突出部の上面の高さ位置とは、略同じである、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
基体と、
前記基体の上面と空間を介して対向して配置されたタッチセンサと、
前記タッチセンサを振動させる振動体と、
前記タッチセンサを支持する支持体と、
前記タッチセンサを取り囲むように前記基体の上面に設けられた枠体と、を備え、
前記タッチセンサは、検出電極、および該検出電極が設けられておりかつ端部が切り欠かれた切欠面を有した基板を含み、
前記枠体には、前記基板の前記切欠面と対向するように内側に突出した突出部が設けられている、電子機器。
【請求項4】
前記基板の上面の高さ位置と、前記突出部の上面の高さ位置とは、略同じである、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記基体の上面に設けられており、かつ前記タッチセンサと空間を介して対向して配置された表示パネルをさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子機器を筐体に備えた携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−133469(P2012−133469A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283270(P2010−283270)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】