説明

電子機器、制御方法および制御プログラム

【課題】ショートカット機能を利用者が容易に活用できるようにすること。
【解決手段】携帯電話端末(電子機器)1は、複数の階層からなる階層構造において、複数の階層のうちいずれかの階層に対応付けられた機能が所定数含まれる第1の機能群を記憶する記憶部24と、第1の機能群のうち所定数以下の複数の機能が割り当てられる操作部(ショートカットキー13D)と、操作部に割り当てられた複数の機能のうち操作部の操作によって実行すべき機能を所定の順序で切り替える切替手段(切り替えキー13C)と、所定の順序を複数の機能の当該機能ごとに対応付けられた階層に基づいて決定する制御部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
頻繁に使用される機能を簡単な操作で呼び出すことができるように、カスタマイズ可能なショートカットキーをもつ電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。ショートカットキーを活用することにより、利用者は、メニューを辿るといった煩雑な操作を行うことなく、所望の機能を起動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−246137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ショートカットキーを利用したショートカット機能を効率的に活用にするには、1つのショートカットキーに複数の機能を割り当てることが好ましい。しかしながら、1つのショートカットキーに複数の機能を割り当てる場合、機能の割り当て状況を利用者が把握していないと、ショートカットキーによって起動される機能を所望の機能に迅速に切り替えることができず、使い勝手の面で問題が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、ショートカット機能を利用者が容易に活用することができる電子機器、制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、複数の階層からなる階層構造において、前記複数の階層のうちいずれかの階層に対応付けられた機能が所定数含まれる第1の機能群を記憶する記憶部と、前記第1の機能群のうち前記所定数以下の複数の機能が割り当てられる操作部と、前記操作部に割り当てられた複数の機能のうち前記操作部の操作によって実行すべき機能を所定の順序で切り替える切替手段と、前記所定の順序を前記複数の機能の当該機能ごとに対応付けられた階層に基づいて決定する制御部とを備える。
【0007】
ここで、前記制御部は、前記所定の順序が決定した状態において、前記機能に対応付けられた階層が変更された場合、当該変更された階層に基づいて前記所定の順序を再度、決定することが好ましい。
【0008】
また、前記操作部は、複数のキーを含み、前記複数のキーの当該キーごとに前記第1の機能群のうち前記所定数以下の複数の機能がそれぞれ割り当てられ、前記制御手段は、前記複数のキー全てに割り当てられた複数の機能の当該機能ごとに対応付けられた階層に基づいて、当該キー全ての前記所定の順序を決定することが好ましい。
【0009】
また、前記複数の階層は、前記第1の機能群に含まれる機能がメニュー表示される階層であることが好ましい。
【0010】
また、前記電子機器は、表示部をさらに備え、前記制御部は、前記複数の機能に対応するオブジェクトを、当該複数の機能に割り当てられた各階層に基づいて前記表示部に表示することが好ましい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御方法は、複数の階層からなる階層構造において、前記複数の階層のうちいずれかの階層に対応付けられた機能が所定数含まれる第1の機能群を記憶する記憶部と、前記第1の機能群のうち前記所定数以下の複数の機能が割り当てられる操作部とを備える電子機器によって実行される制御方法であって、前記操作部に割り当てられた複数の機能のうち前記操作部の操作によって実行すべき機能を所定の順序で切り替えるステップと、前記所定の順序を前記複数の機能の当該機能ごとに対応付けられた階層に基づいて決定するステップとを含む。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御プログラムは、複数の階層からなる階層構造において、前記複数の階層のうちいずれかの階層に対応付けられた機能が所定数含まれる第1の機能群を記憶する記憶部と、前記第1の機能群のうち前記所定数以下の複数の機能が割り当てられる操作部とを備える電子機器に、前記操作部に割り当てられた複数の機能のうち前記操作部の操作によって実行すべき機能を所定の順序で切り替えるステップと、前記所定の順序を前記複数の機能の当該機能ごとに対応付けられた階層に基づいて決定するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ショートカット機能を利用者が容易に活用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施例に係る携帯電話端末の外観を示す正面図である。
【図2】図2は、本実施例に係る携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、「通常モード」と呼ばれるメニュー階層の一例を示す図である。
【図4】図4は、「簡単モード」と呼ばれるメニュー階層の一例を示す図である。
【図5】図5は、ショートカット登録データの一例を示す図である。
【図6】図6は、切り替えキーによる機能の切り替えの一例を示す図である。
【図7】図7は、登録階層定義データの一例を示す図である。
【図8】図8は、ショートカットキーへの機能の割り当て手順の一例を示す図である。
【図9】図9は、ショートカット登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、メニュー切り替え対応処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、変更後のショートカット登録データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、電子機器の一例として携帯電話端末について説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等の各種情報処理装置に対しても本発明は適用できる。
【実施例】
【0016】
まず、図1を参照しながら、本実施例に係る携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、携帯電話端末1の外観を示す正面図である。図1に示すように、携帯電話端末1の筐体1Cは、ヒンジ機構8によって開閉可能に連結された第1筐体1CAと第2筐体1CBとを備える。すなわち、携帯電話端末1は、折り畳み式の筐体を有する。
【0017】
なお、携帯電話端末1の筐体は、このような構造に限定されるものではない。例えば、携帯電話端末1の筐体は、両方の筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体と他方の筐体とを互いにスライドできるようにしたスライド式の筐体であってもよいし、重ね合わせ方向に沿う軸線を中心に、一方の筐体を回転させるようにした回転式や、2軸ヒンジを介して2つの筐体を連結したものでもよい。また、携帯電話端末1の筐体は、1つの筐体からなるいわゆるストレート式(スレート式)の筐体でもよい。
【0018】
第1筐体1CAは、表示部2と、レシーバ16とを有する。表示部2は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等の表示装置を備え、文字、図形、画像等の各種情報を表示する。レシーバ16は、通話時に通話相手の音声を出力する。
【0019】
第2筐体1CBは、操作キー13Aと、方向および決定キー13Bと、切り替えキー13Cと、ショートカットキー13Dと、マイク15とを有する。操作キー13Aは、電話番号を入力するためのテンキーや通話等の所定の機能を起動するための機能キーとからなる。方向および決定キー13Bは、メニューの選択や画面のスクロールを実行するための方向キーと、メニューで選択された項目を実行するための決定キーとからなる。切り替えキー13Cは、ショートカットキー13Dに割り当てられる機能を切り替える。ショートカットキー13Dは、利用者によって割り当てられた機能を起動させる。マイク15は、通話時に音声を取得する。
【0020】
なお、以下の説明では、操作キー13A、方向および決定キー13B、切り替えキー13Cおよびショートカットキー13Dを操作部13と総称することがある。また、本実施例では、ショートカットキー13D等のキーは、物理的なボタンによって構成されていることとするが、これらのキーは、表示部2の機能を兼ねるタッチパネル上に設けられた仮想的なボタンであってもよい。また、ショートカットキー13Dは、例えば、第1筐体1CAに設けられていてもよい。
【0021】
次に、図2を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図2は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話端末1は、通信部26と、操作部13と、音声処理部30と、表示部2と、制御部22と、記憶部24とを備える。
【0022】
通信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局を通じて他の装置との間で電話通信および情報通信を行う。操作部13は、ユーザによる操作を受け付け、受け付けた操作内容に対応する信号を制御部22へ出力する。
【0023】
音声処理部30は、マイク15から入力される音声をデジタル信号化して制御部22へ出力する。また、音声処理部30は、制御部22から出力されるデジタル信号を復号してレシーバ16へ出力する。表示部2は、制御部22から入力される制御信号に従って各種情報を表示する。
【0024】
制御部22は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶手段であるメモリとを備え、これらのハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。具体的には、制御部22は、記憶部24に記憶されているプログラムやデータを読み出してメモリに展開し、メモリに展開されたプログラムに含まれる命令をCPUに実行させる。そして、制御部22は、CPUによる命令の実行結果に応じて、メモリおよび記憶部24に対してデータの読み書きを行ったり、通信部26や表示部2等の動作を制御したりする。CPUが命令を実行するに際しては、メモリに展開されているデータや操作部13等から入力される信号がパラメータとして利用される。
【0025】
記憶部24は、フラッシュメモリ等の不揮発性を有する記憶装置からなり、各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部24に記憶されるプログラムおよびデータには、制御プログラム24aと、複数のメニュー階層定義データ24bと、設定データ24cと、ショートカット登録データ24dと、登録階層定義データ24eとが含まれる。なお、記憶部24は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体に対して読み書きを行う読み書き装置との組み合わせによって構成されてもよい。この場合、記憶部24に記憶されていることとしたプログラムおよびデータは、可搬の記憶媒体に記憶される。また、記憶部24に記憶されていることとしたプログラムおよびデータは、通信部26による無線通信によってサーバ装置等の他の装置から取得されることとしてもよい。
【0026】
制御プログラム24aは、携帯電話端末1の各部を制御するための機能を提供する。制御プログラム24aによって提供される機能には、メニューの表示に関する機能と、ショートカットキー13Dへの機能の割り当てに関する機能と、ショートカットキー13Dへ割り当てられた機能の起動に関する機能とが含まれる。
【0027】
メニュー階層定義データ24bは、携帯電話端末1が実行可能な機能をメニューとして表示する際の階層に関する定義を含む。設定データ24cは、携帯電話端末1の動作を変更する各種の設定値を含む。設定データ24cの内容は、利用者によって任意に変更される。ショートカット登録データ24dは、ショートカットキー13Dへ割り当てられた機能に関する情報を含む。登録階層定義データ24eは、ショートカットキー13Dへ割り当てられる機能が属する階層に関する定義を含む。
【0028】
次に、図3および図4を参照しながら、携帯電話端末1におけるメニューの表示について説明する。制御部22は、利用者の操作に応じて、携帯電話端末1が実行可能な機能をメニューとして表示部2に表示させる。携帯電話端末1が実行可能な機能は多様であるため、メニューは機能の種別に従って階層化されている。メニューの階層の定義は、メニュー階層定義データ24bに保持されている。
【0029】
本実施例では、「通常モード」と呼ばれる階層に対応したメニュー階層定義データ24bと、「簡単モード」と呼ばれる階層に対応したメニュー階層定義データ24bとが予め用意されており、利用者は好みや習熟度に応じていずれかの階層を選択する。利用者がどちらの階層を選択しているかは、設定データ24cに保持される。
【0030】
図3は、「通常モード」と呼ばれるメニュー階層の一例を示す図である。図3に示す例において、第1階層に含まれる項目は、メニューを表示したときに最初に表示される項目である。すなわち、「通常モード」と呼ばれるメニュー階層が利用者に選択されている場合、メニューを表示すると、最初に、「赤外線通信」、「カメラ」、「メモリカード」、「歩数計」、「データフォルダ」、「ツール」、「電卓」等の項目が表示される。
【0031】
第1階層に含まれる項目のうち、下位の項目が存在しない項目がメニューで選択された状態で実行が指示された場合、その項目に対応する機能が実行される。例えば、「電卓」の項目には、下位の項目がないため、「電卓」がメニューで選択された状態で実行が指示された場合、電卓機能が実行される。
【0032】
また、第1階層に含まれる項目のうち、下位の項目が存在する項目がメニューで選択された状態で決定キーが押下された場合、下位の項目がサブメニューとして表示される。例えば、「ツール」の項目には、第2階層として、「マナーモード」、「メモ帳」、「録音」、「アドレス帳」という項目がある。このため、「ツール」がメニューで選択された状態で決定キーが押下された場合、これらの4つの項目を含むサブメニューが表示される。第2階層以下も、同様に階層化されている。
【0033】
図4は、「簡単モード」と呼ばれるメニュー階層の一例を示す図である。図4に示すメニュー階層は、図3に示したメニュー階層と一部が異なっている。例えば、図4に示すメニュー階層においては、図3に示したメニュー階層では第2階層にあった「マナーモード」と「アラーム」が第1階層へ移動している。また、図4に示すメニュー階層においては、図3に示したメニュー階層では第1階層にあった「赤外線通信」と「電卓」が第2階層へ移動している。
【0034】
次に、図5から図8を参照しながら、ショートカットキー13Dへの機能の割り当てと、ショートカットキー13Dへ割り当てられた機能の起動に関して説明する。利用者は、携帯電話端末1が実行可能な機能を、上述したような階層をもつメニューから選択して起動させることができる。しかしながら、頻繁に利用する機能がある場合、メニューを表示させ、そこから所望の機能を選択するという手順は煩雑である。
【0035】
そこで、携帯電話端末1は、予め選択した機能については、いちいちメニューを表示させなくても、ショートカットキー13Dを押下することで起動することができように構成されている。本実施例では、図1に示したように、「#A」と刻印されたショートカットキーAと、「#B」と刻印されたショートカットキーBと、「#C」と刻印されたショートカットキーCとが用意されている。そして、それぞれのショートカットキー13Dには、複数の機能の割り当てが可能になっている。
【0036】
ショートカットキー13Dへの機能の割り当て状況は、ショートカット登録データ24dに保持される。図5は、ショートカット登録データ24dの一例を示す図である。図5に示すように、本実施例では、それぞれのショートカットキー13Dに対して、階層1から階層6までの最大6個の機能を対応付けることができる。
【0037】
図5に示す例では、ショートカットキーAに対しては、階層2に「マナーモード」が割り当てられ、階層3に「アラーム」が割り当てられ、他の階層には機能が割り当てられていない。また、ショートカットキーBに対しては、階層1に「データフォルダ」が割り当てられ、階層2に「メモ帳」が割り当てられ、階層3に「カレンダ」が割り当てられ、他の階層には機能が割り当てられていない。また、ショートカットキーCに対しては、階層1に「電卓」が割り当てられ、他の階層には機能が割り当てられていない。
【0038】
ショートカットキー13Dが押下された場合にショートカットキー13Dに割り当てられた機能のいずれが起動されるかについては、切り替えキー13Cによって切り替えられる。図6は、切り替えキー13Cによる機能の切り替えの一例を示す図である。図6に示すステップS11は、初期状態であり、この状態でショートカットキー13Dが押下されてもいずれの機能も起動されない。このような初期状態を設けることにより、利用者が意図せずにショートカットキー13Dに触れて誤動作が生じることを抑止できる。
【0039】
初期状態において切り替えキー13Cが1回押下されると、ショートカット登録データ24dの階層1においてそれぞれのショートカットキー13Dに割り当てられている機能が起動対象となる。
【0040】
すなわち、切り替えキー13Cが1回押下された段階では、ショートカットキーBが押下されると、ショートカット登録データ24dの階層1においてショートカットキーBに割り当てられている「データフォルダ」に対応する機能が起動される。また、ショートカットキーCが押下されると、ショートカット登録データ24dの階層1においてショートカットキーCに割り当てられている「電卓」に対応する機能が起動される。なお、ショートカット登録データ24dの階層1においてはショートカットキーAには機能が割り当てられていないため、この段階でショートカットキーAが押下されても何も起動されない。
【0041】
また、この段階において、制御部22は、ステップS12に示すように、表示部2の下部に、ショートカットキーA〜Cと対応付けて、オブジェクトの一種であるラベル40a〜40cを表示させる。ラベル40a〜40cは、ショートカット登録データ24dに含まれる階層のうち、機能が割り当てられているショートカットキー13Dが1つでも存在する階層の数だけ重ねて表示される。そして、その最上位には、ショートカットキー13Dが押下された場合に機能の名称が、ショートカットキー13Dから取得されて表示される。
【0042】
このように、ラベル40a〜40cを表示することにより、ショートカットキー13Dに割り当てられている機能の階層の数と、ショートカットキー13Dが押下された場合に起動される機能とを、利用者に分かり易く示すことができる。なお、図6に示すように、機能が割り当てられていないことを示すラベル40は、「登録なし」等の文字を表示することや、ラベル自体を半透明にする等して、割り当てられている機能を示すラベルと容易に識別できるようにすることが好ましい。
【0043】
続いて、切り替えキー13Cがもう1回押下されると、ショートカットキー13Dの階層2においてそれぞれのショートカットキー13Dに割り当てられている機能が起動対象になる。このように、制御部22は、切り替えキー13Cが押下されるたびに、ショートカットキー13Dが押下された場合に起動される機能を階層単位で切り替える。
【0044】
すなわち、この段階では、ショートカットキーAが押下されると、ショートカット登録データ24dの階層2においてショートカットキーAに割り当てられている「マナーモード」に対応する機能が起動される。また、ショートカットキーBが押下されると、ショートカット登録データ24dの階層2においてショートカットキーBに割り当てられている「メモ帳」に対応する機能が起動される。なお、ショートカット登録データ24dの階層2においてはショートカットキーCには機能が割り当てられていないため、この段階でショートカットキーCが押下されても何も起動されない。
【0045】
また、この段階において、制御部22は、ステップS13に示すように、ラベル40a〜40cの表示順序を変更して、ショートカット登録データ24dの階層2の内容を最上位に表示させる。
【0046】
続いて、切り替えキー13Cがもう1回押下されると、ショートカットキー13Dの階層3においてそれぞれのショートカットキー13Dに割り当てられている機能が起動対象になる。また、この段階において、制御部22は、ステップS14に示すように、ラベル40a〜40cの表示順序を変更して、ショートカット登録データ24dの階層3の内容を最上位に表示させる。
【0047】
続いて、切り替えキー13Cがもう1回押下されると、ショートカット登録データ24dの階層4以降ではいずれのショートカットキー13Dにも機能が割り当てられていないため、制御部22は、ステップS11の初期状態に状態を戻す。なお、ステップS11の初期状態に戻す代わりに、ステップS12の状態に戻してもよい。
【0048】
このような制御により、利用者は、ラベル40a〜40cを目視しながら、切り替えキー13Cを押下して所望の機能を含む階層を容易に選択することができる。また、ショートカットキー13Dに割り当てる機能を階層化して管理することにより、ショートカットキー13Dに複数の機能を割り当てて、ショートカットキー13Dを有効活用することができる。
【0049】
ただし、ショートカットキー13Dに割り当てる機能を階層化して管理する場合、機能を割り当てる階層をどのように決めるかが問題となる。例えば、単純に登録順に決めるとすると、どの階層にどの機能が含まれているかを利用者が覚えにくい。また、機能をどの階層に含めるかを利用者に決めさせることとすると、利用者の負荷が増大する。
【0050】
そこで、本実施例では、ショートカットキー13Dに割り当てる機能の階層を、メニューの階層に基づいて決定する。利用者は、携帯電話端末1の利用を通じてメニューの階層についての知識を学習するため、メニューの階層に基づいた階層であれば、自分で決定した階層でなくても、どの階層にどの機能があるかを推定し易い。
【0051】
メニューの階層に基づく階層の割り当ては、登録階層定義データ24eに基づいて実現される。図7は、登録階層定義データ24eの一例を示す図である。図7に示すように、登録階層定義データ24eには、メニュー階層毎、かつ、グループ番号毎に、登録対象のメニューの階層に関する情報が設定される。
【0052】
図7に示す登録階層定義データ24eの1行目には、メニュー階層として「通常モード」が設定され、グループ番号として「1」が設定され、登録対象として「第1階層の項目」が設定されている。このデータは、メニュー階層として「通常モード」が選択されている場合、メニュー階層の第1階層に含まれる項目は、ショートカット登録データ24dにおいて同一の階層に格納されるべきことを示している。
【0053】
また、図7に示す登録階層定義データ24eの2行目には、メニュー階層として「通常モード」が設定され、グループ番号として「2」が設定され、登録対象として「『赤外線通信』配下の項目」が設定されている。このデータは、メニュー階層として「通常モード」が選択されている場合、「赤外線通信」の配下に含まれる項目は、ショートカット登録データ24dにおいて同一の階層に格納されるべきことを示している。
【0054】
また、図7に示す登録階層定義データ24eの10行目には、メニュー階層として「簡単モード」が設定され、グループ番号として「4」が設定され、登録対象として「『ツール』配下の項目」が設定されている。このデータは、メニュー階層として「簡単モード」が選択されている場合、「ツール」の配下に含まれる項目は、ショートカット登録データ24dにおいて同一の階層に格納されるべきことを示している。
【0055】
なお、登録階層定義データ24eにおけるグループ番号の値は、ショートカット登録データ24dに格納されたデータを階層単位で並び替えるためのソートキーとして用いられる。
【0056】
図8は、ショートカットキー13Dへの機能の割り当て手順の一例を示す図である。図8に示すステップS21では、ショートカットキーBに「カレンダ」という機能が割り当てられている。この状態で、例えば、利用者がショートカットキーCを押下すると、制御部22は、ステップS22に示すように、ショートカットキーCに機能を登録するかを問い合わせる画面を表示部2に表示させる。
【0057】
ここで、「Yes」が選択されると、制御部22は、ステップS23に示すように、メニュー階層定義データ24bに基づいて、メニュー階層の第1階層の項目をメニューとして表示する。ここでは、「通常モード」と呼ばれるメニュー階層の第1階層の項目がメニューとして表示されている。
【0058】
このメニューから、「電卓」が選択された状態で所定の操作が行われると、制御部22は、「電卓」をショートカットキーCに割り当てられた機能としてショートカット登録データ24dへ登録する。そして、制御部22は、ステップS24に示すように、ショートカット登録データ24dへの登録を行った旨を表示部2に表示する。
【0059】
ここで、「電卓」は、「通常モード」と呼ばれるメニュー階層の第1階層に属しており、図7に示した登録階層定義データ24eによれば、対応するグループ番号は「1」である。一方、既に登録済みの「カレンダ」は、「時計/カレンダ」配下の項目であり、図7に示した登録階層定義データ24eによれば、対応するグループ番号は「6」である。
【0060】
このように、対応するグループ番号が異なるため、「電卓」は、「カレンダ」とは異なる階層でショートカット登録データ24dに登録される。ここで、「電卓」に対応するグループ番号は、「カレンダ」に対応するグループ番号より小さいため、「電卓」は、「カレンダ」よりも上位の階層に設定される。そして、ショートカット登録データ24dに登録された結果、「電卓」は、ステップS25に示すように、ラベル40cの一部として表示部2に表示されるようになる。
【0061】
次に、図9および図10を参照しながら、ショートカットキー13Dに対する機能の登録に関わる携帯電話端末1の動作について説明する。図9は、ショートカット登録処理の処理手順を示すフローチャートである。ショートカット登録処理は、図8に示したステップS23のように、機能の登録先のショートカットキーと登録される機能とが決定された場合に、制御プログラム24aに基づいて制御部22によって実行される。
【0062】
図9に示すように、制御部22は、まず、ステップS101として、階層を示す変数Xを1に設定する。続いて、制御部22は、ステップS102として、変数Xが最大階層よりも大きいかを判定する。図5に示したショートカット登録データ24dのように階層が6まである場合、最大階層は6である。
【0063】
変数Xが最大階層以下である場合(ステップS102,No)、制御部22は、ステップS103として、ショートカット登録データ24dを参照して、階層Xに機能が登録されたショートカットキーがあるかを判定する。階層Xに機能が登録されたショートカットキーがある場合(ステップS104,Yes)、制御部22は、ステップS105として、ショートカット登録データ24dを参照して、機能の登録先のショートカットキーに機能が既に登録されているかを判定する。
【0064】
機能の登録先のショートカットキーに機能が既に登録されている場合(ステップS106,Yes)、その階層に機能を登録することはできないため、制御部22は、ステップS107として、Xに1を加算し、ステップS102以降を再実行する。
【0065】
機能の登録先のショートカットキーに機能が登録されていない場合(ステップS106,No)、制御部22は、ステップS108として、他のショートカットキーの階層Xに登録されている機能のグループ番号を取得する。続いて、制御部22は、ステップS109として、取得したグループ番号を登録対象の機能のグループ番号と比較する。
【0066】
グループ番号が一致しない場合(ステップS110,No)、その階層に機能を登録することはできないため、制御部22は、ステップS107として、Xに1を加算し、ステップS102以降を再実行する。一方、グループ番号が一致した場合(ステップS110,Yes)、制御部22は、ステップS111として、ショートカット登録データ24dの登録先のショートカットキーの階層Xに登録対象の機能を登録し、ショートカット登録処理を終了させる。
【0067】
また、階層Xに機能が登録されたショートカットキーがない場合(ステップS104,No)、制御部22は、ステップS112として、ショートカット登録データ24dの登録先のショートカットキーの階層Xに登録対象の機能を登録する。そして、制御部22は、ステップS113として、ショートカット登録データ24dを階層単位でグループ番号順に並び替え、ショートカット登録処理を終了させる。
【0068】
また、変数Xが最大階層よりも大きい場合(ステップS102,Yes)、制御部22は、ステップS114として、登録不可である旨を利用者に通知し、ショートカット登録データ24dに機能を登録することなく、ショートカット登録処理を終了させる。
【0069】
図10は、メニュー切り替え対応処理の処理手順を示すフローチャートである。メニュー切り替え対応は、メニュー階層が通常モードから簡単モードへ変更された場合のように、メニュー階層が変更された場合に、制御プログラム24aに基づいて制御部22によって実行される。
【0070】
図10に示すように、制御部22は、まず、ステップS201として、ショートカット登録データ24dに登録されている機能とショートカットキーの組み合わせを全て取得する。そして、制御部22は、ステップS202として、ショートカット登録データ24dを、どのショートカットキーにも機能が1つも登録されていない状態に初期化する。
【0071】
続いて、制御部22は、ステップS203として、ステップS201で取得した組み合わせの中から未選択の機能とショートカットキーの組み合わせを1つ選択する。そして、選択できた場合(ステップS204,Yes)、制御部22は、ステップS205として、選択した組み合わせに含まれる機能とショートカットキーを登録対象として、図9に示したショートカット登録処理を実行し、ステップS203以降を再実行する。すなわち、今までショートカットとして登録されていた機能の登録処理を1つの機能ごとに実行する。なお、図9に示すショートカット登録処理において、通常モードから簡単モードへ階層が変更された場合には、記憶部24に記憶された各種データは、階層が簡単モードとして適用される。
【0072】
未選択の機能とショートカットキーの組み合わせを1つ選択できない場合、すなわち、全ての組み合わせを既に選択済みの場合(ステップS204,No)、制御部22は、メニュー切り替え対応処理を終了させる。なお、図10に示した処理を開始する前に、ショートカット登録データ24d等のショートカット登録に関連するデータをバックアップデータとして記憶部24に記憶しておき、登録処理が失敗したときに、バックアップデータを復元することによりショートカット登録データ24d等を元通りにできるようにしてもよい。
【0073】
図3に示したメニュー階層が図4に示したメニュー階層に変更された場合、図5に示したショートカット登録データ24dは、図11に示すように変更される。図11に示すショートカット登録データ24dでは、「マナーモード」が、変更後のメニュー階層において「データフォルダ」と同じくメニュー階層の第1階層に位置することとなったために、「データフォルダ」と同じ階層1へ移動している。
【0074】
また、「アラーム」も、変更後のメニュー階層において「データフォルダ」と同じくメニュー階層の第1階層に位置することとなっているが、階層1のショートカットキーAには、「マナーモード」が登録済であるために、階層2に単独で登録されている。また、「電卓」は、変更後のメニュー階層において「メモ帳」と同じく「ツール」配下に位置することとなったために、「メモ帳」とともに階層3へ移動している。また、「カレンダ」は、「アラーム」の移動にともなって、階層4に単独で登録されている。
【0075】
このように、メニュー切り替え対応処理を実行することにより、メニュー階層の変化に合わせてショートカットキーに割り当てられた機能の階層も変更され、利用者が、メニュー階層とショートカットキーに割り当てられた機能の階層の違いに戸惑うことを抑止できる。
【0076】
なお、メニュー切り替え対応処理においては、ショートカットキーに割り当てられた機能の階層が深くなり、ショートカット登録データ24dに機能の割り当てを登録できないことが生じうる。このような場合、ショートカット登録データ24dに登録可能な階層を動的に増やすこととしてもよい。また、登録できなくなった機能については、利用者に確認した上で、登録対象外としてもよい。
【0077】
上述してきたように、本実施例では、メニュー階層に合わせてショーカットキーに対応する機能の階層を構成することとしたので、ショーカットキーを利用するショートカット機能を利用者が容易に活用できる。
【0078】
なお、上記の実施例で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、制御プログラム24aは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。
【0079】
また、上記の実施例では、3つのショートカットキーを備える携帯電話端末1について説明したが、ショートカットキーの数は3つに限定されない。また、上記の実施例では、専用のショートカットキーおよび専用の切り替えキーを備える携帯電話端末1について説明したが、ショートカットキーおよび切り替えキーは、他の機能を兼ねたキーであってもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 携帯電話端末
2 表示部
13 操作部
13A 操作キー
13B 方向および決定キー
13C 切り替えキー
13D ショートカットキー
22 制御部
24 記憶部
24a 制御プログラム
24b メニュー階層定義データ
24c 設定データ
24d ショートカット登録データ
24e 登録階層定義データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の階層からなる階層構造において、前記複数の階層のうちいずれかの階層に対応付けられた機能が所定数含まれる第1の機能群を記憶する記憶部と、
前記第1の機能群のうち前記所定数以下の複数の機能が割り当てられる操作部と、
前記操作部に割り当てられた複数の機能のうち前記操作部の操作によって実行すべき機能を所定の順序で切り替える切替手段と、
前記所定の順序を前記複数の機能の当該機能ごとに対応付けられた階層に基づいて決定する制御部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記所定の順序が決定した状態において、前記機能に対応付けられた階層が変更された場合、当該変更された階層に基づいて前記所定の順序を再度、決定することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記操作部は、複数のキーを含み、
前記複数のキーの当該キーごとに前記第1の機能群のうち前記所定数以下の複数の機能がそれぞれ割り当てられ、
前記制御手段は、前記複数のキー全てに割り当てられた複数の機能の当該機能ごとに対応付けられた階層に基づいて、当該キー全ての前記所定の順序を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記複数の階層は、前記第1の機能群に含まれる機能がメニュー表示される階層であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項5】
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の機能に対応するオブジェクトを、当該複数の機能に割り当てられた各階層に基づいて前記表示部に表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
複数の階層からなる階層構造において、前記複数の階層のうちいずれかの階層に対応付けられた機能が所定数含まれる第1の機能群を記憶する記憶部と、
前記第1の機能群のうち前記所定数以下の複数の機能が割り当てられる操作部とを備える電子機器によって実行される制御方法であって、
前記操作部に割り当てられた複数の機能のうち前記操作部の操作によって実行すべき機能を所定の順序で切り替えるステップと、
前記所定の順序を前記複数の機能の当該機能ごとに対応付けられた階層に基づいて決定するステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
複数の階層からなる階層構造において、前記複数の階層のうちいずれかの階層に対応付けられた機能が所定数含まれる第1の機能群を記憶する記憶部と、
前記第1の機能群のうち前記所定数以下の複数の機能が割り当てられる操作部とを備える電子機器に、
前記操作部に割り当てられた複数の機能のうち前記操作部の操作によって実行すべき機能を所定の順序で切り替えるステップと、
前記所定の順序を前記複数の機能の当該機能ごとに対応付けられた階層に基づいて決定するステップと
を実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−226611(P2012−226611A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94380(P2011−94380)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】