説明

電子機器、表示制御方法、およびプログラム

【課題】押圧力を利用することにより、ユーザが2次元表示から3次元表示への切換え操作を容易に行なうことができる電子機器を提供する。
【解決手段】ディスプレイ105は、電子機器1の筐体の第1面に設けられている。圧力センサは、第1面の裏面である筐体の第2面に設けられ、ディスプレイ105方向への押圧力を検知する。CPUは、押圧力が検知されると、少なくとも一部の表示領域の画像301を、ディスプレイ105から飛び出す態様でディスプレイ105に3次元表示させる。CPUは、画像301を3次元表示させた後に押圧力が検知されなくなっても、画像301の3次元表示を維持する。CPUは、画像301の3次元表示を維持した状態において、測距センサ112と指901との間の距離が閾値ThD1未満であると判断すると、画像301の表示態様を3次元表示から2次元表示に切換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、表示制御方法、およびプログラムに関し、特に、3次元表示が可能な電子機器、当該電子機器における表示制御方法、当該電子機器を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパッド、タッチパネル、タブレットなどのポインティングデバイスを備えた電子機器が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記電子機器として、液晶画面の背面にタッチパネルを備えた携帯端末が開示されている。当該携帯端末は、操作圧力の検出が可能なタッチパネルを備える。携帯端末は、操作圧力により、タッチパネルへの入力操作をカーソル表示(移動)のモードとして処理するか、データ入力のモードとして処理するか、カーソル消去のモードとして処理するかを切換える。携帯端末は、たとえば、操作圧力が弱いときはカーソル表示のみ行ない、強い圧力で操作されたときにのみ入力データの処理を行なう。
【0004】
特許文献2には、上記電子機器として、表面側にディスプレイを設け、背面側にポインティングデバイスを設けた携帯移動通信装置が開示されている。当該携帯移動通信装置では、ポインティングデバイスを操作者の指で操作することにより、ディスプレイ上のポインタを移動させることができ、かつクリックによりディスプレイ上の項目を選択・確定することもできる。
【0005】
特許文献3には、上記電子機器として、正面の表示部に対して背面側にタッチパネルスイッチを配し、表示部に表示された選択項目の内の希望する項目に対応した、タッチパネルスイッチの所定位置を押圧操作することにより希望する項目を選択可能に構成した電子機器が開示されている。
【0006】
特許文献4には、画像をポインティングできるとともに3次元表示が可能な電子機器の制御装置が開示されている。当該制御装置は、表示装置と、表示装置に表示されたオブジェクト画像をポインティングする入力装置とを含むユーザインタフェース装置の制御装置である。当該制御装置は、入力装置を操作した操作情報が入力される操作情報入力手段と、入力された操作情報に基づき、被制御装置を制御するための制御パラメータを算出する制御パラメータ算出手段と、算出された制御パラメータに基づき、所定のオブジェクト画像を予め定めた複数の表示領域のいずれかの領域内の所定位置に表示するようにオブジェクト位置を算出するオブジェクト位置算出手段と、算出されたオブジェクト位置に基づき、オブジェクト画像を表示装置に表示させる表示制御手段とを有する。
【0007】
特許文献5には、GUI(Graphical User Interface)を用いたコンピュータにおいて、平面ディスプレイ上に擬似3次元表示されたアイテムを、筆圧感知型タブレットなどの擬似的に3次元情報を入力できる装置を用いることで選択、移動するための図形選択装置が開示されている。当該図形選択装置は、タブレットから利用者の指し示す平面上の位置情報および筆圧を検知する。図形選択装置は、得られたタブレットからの入力情報を、3次元情報に変換する。図形選択装置は、求められた3次元情報を元に、ディスプレイ上に表示されているアイテムの、記憶装置に格納されている表示情報を検索し、アイテムを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−58316号公報
【特許文献2】特開2001−189792号公報
【特許文献3】特開2002−77357号公報
【特許文献4】特開2006−323492号公報
【特許文献5】特開平11−7372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の携帯端末は、タッチパネルへの操作圧力(押圧力)に応じて処理を切換えるが、3次元表示が可能な構成ではないため、操作圧力を変化させても、2次元表示から3次元表示への切換えを行なうことはできない。
【0010】
また、特許文献2から5に開示された機器でも、タッチパッドやタッチパネルなどのポインティングデバイスによる入力を、2次元表示から3次元表示への切換えに用いることができない。
【0011】
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであって、押圧力を利用することにより、ユーザが2次元表示から3次元表示への切換え操作を容易に行なうことができる電子機器、当該電子機器における表示制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある局面に従うと、電子機器は、画像の3次元表示が可能な電子機器である。電子機器は、プロセッサと、画像を表した画像データを格納したメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するための第1のセンサと、物体までの距離を測定するための第2のセンサとを備える。ディスプレイは、電子機器の筐体の第1の表面に設けられている。第1のセンサは、第1の表面の裏面である筐体の第2の表面に設けられ、ディスプレイ方向への押圧力を検知する。プロセッサは、押圧力が検知されると、ディスプレイにおける少なくとも一部の表示領域の画像を、ディスプレイから飛び出す態様でディスプレイに3次元表示させる。プロセッサは、画像を3次元表示させた後に押圧力が検知されなくなっても、当該画像の3次元表示を維持する。プロセッサは、第2のセンサと物体との間の距離が予め定められた距離以内であるかを判断する。プロセッサは、画像の3次元表示を維持した状態において距離が予め定められた距離以内であると判断した場合、当該画像の3次元表示を2次元表示に切換える。
【0013】
好ましくは、第2のセンサは、第1の表面に設けられている。
好ましくは、第1のセンサは、少なくとも押圧力を加えることによりディスプレイにおける位置を指定するデバイスにより実現される。プロセッサは、デバイスによって位置が指定されると、当該指定された位置の画像と、当該指定された位置の周囲の画像とを、3次元表示させる。
【0014】
好ましくは、デバイスは、ディスプレイに表示されるポインタの位置を指定するためのタッチパッドである。プロセッサは、ポインタの位置が指定されると、当該ポインタの位置の画像と、当該ポインタの位置の周囲の画像とを、3次元表示させる。
【0015】
好ましくは、メモリは、押圧力に関する閾値を格納している。プロセッサは、閾値以上の押圧力が検知されると、ポインタの位置の画像と、当該ポインタの位置の周囲の画像とを、3次元表示させる。
【0016】
好ましくは、メモリは、画像に含まれるオブジェクトの表示領域を表した第1のデータをさらに格納している。プロセッサは、第1のデータに基づいて、デバイスによって指定された位置が、オブジェクトの表示領域に含まれるか否かを判断する。プロセッサは、オブジェクトの表示領域に含まれると判断すると、当該オブジェクトを3次元表示させる。
【0017】
好ましくは、メモリは、押圧力が高いほど画像の飛び出し量が大きくなるように、押圧力と飛び出し量とが対応付けられた第2のデータをさらに格納している。プロセッサは、第2のデータに基づき、押圧力に応じた飛び出し量でオブジェクトを3次元表示させる。
【0018】
好ましくは、プロセッサは、第2のセンサと物体との間の距離が短くなるにつれ、3次元表示させたオブジェクトの飛び出し量を少なくする。
【0019】
好ましくは、メモリは、デバイスによって指定された位置の画像の飛び出し量が最大となり、当該位置から離れるほど飛び出し量が小さくなるように、画像の飛び出し量を表したデータをさらに格納している。プロセッサは、データに基づいて、指定された位置の画像の飛び出し量を最大とし、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくする。
【0020】
好ましくは、データにおいては、押圧力が高いほど画像の飛び出し量が大きくなるように、押圧力と飛び出し量とがさらに対応付けられている。プロセッサは、データと押圧力とに基づいて、デバイスによって指定された位置の画像の飛び出し量を最大とし、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくする。
【0021】
好ましくは、データにおいては、押圧力が高いほど3次元表示させる表示領域が広くなるように、押圧力と、3次元表示させる表示領域の広さとがさらに対応付けられている。プロセッサは、データと押圧力とに基づいて、3次元表示させる表示領域を決定する。
【0022】
好ましくは、プロセッサは、第2のセンサと物体との間の距離が短くなるにつれ、3次元表示させる表示領域における各位置の画像の飛び出し量を少なくする。
【0023】
本発明の他の局面に従うと、表示制御方法は、画像の3次元表示が可能な電子機器における表示制御方法である。電子機器は、プロセッサと、画像を表した画像データを格納したメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するための第1のセンサと、物体までの距離を測定するための第2のセンサとを備える。ディスプレイは、電子機器の筐体の第1面に設けられている。第1のセンサは、第1面の裏面である筐体の第2面に設けられ、ディスプレイ方向への押圧力を検知する。表示制御方法は、第1のセンサが、押圧力を検知するステップと、プロセッサが、押圧力が検知されると、ディスプレイにおける少なくとも一部の表示領域の画像を、ディスプレイから飛び出す態様でディスプレイに3次元表示させるステップと、プロセッサが、画像を3次元表示させた後に押圧力が検知されなくなっても、当該画像の3次元表示を維持するステップと、プロセッサが、第2のセンサと物体との間の距離が予め定められた距離以内であるかを判断するステップと、プロセッサが、画像の3次元表示を維持した状態において距離が予め定められた距離以内であると判断した場合、当該画像の3次元表示を2次元表示に切換えるステップとを備える。
【0024】
本発明のさらに他の局面に従うと、プログラムは、画像の3次元表示が可能な電子機器を制御するためのプログラムである。電子機器は、プロセッサと、画像を表した画像データを格納したメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するための第1のセンサと、物体までの距離を測定するための第2のセンサとを備える。ディスプレイは、電子機器の筐体の第1面に設けられている。第1のセンサは、第1面の裏面である筐体の第2面に設けられ、ディスプレイ方向への押圧力を検知する。プログラムは、センサによって押圧力が検知されたか否かを判断するステップと、押圧力が検知されると、ディスプレイにおける少なくとも一部の表示領域の画像を、ディスプレイから飛び出す態様でディスプレイに3次元表示させるステップと、画像を3次元表示させた後に押圧力が検知されなくなっても、当該画像の3次元表示を維持するステップと、第2のセンサと物体との間の距離が予め定められた距離以内であるかを判断するステップと、画像の3次元表示を維持した状態において距離が予め定められた距離以内であると判断した場合、当該画像の3次元表示を2次元表示に切換えるステップとを、プロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0025】
上記の発明によれば、押圧力を利用することにより、2次元表示から3次元表示への切換え操作を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】電子機器の外観を示した図である。
【図2】電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図3】押圧力に関する閾値を示したデータテーブルを説明するための図である。
【図4】距離に関する閾値を示したデータテーブルを説明するための図である。
【図5】電子機器における表示制御例を説明するための図である。
【図6】飛び出し量を“大”としてオブジェクトをディスプレイに3次元表示させた状態から、ユーザが指を測距センサに徐々に近づけた場合における、画面遷移を表した図である。
【図7】電子機器における処理の一部の流れを示したフローチャートである。
【図8】電子機器における処理の残りの流れを示したフローチャートである。
【図9】他の電子機器における表示制御例を説明するための図である。
【図10】図9(b)、図9(c)、図9(d)における、3次元表示される表示領域と飛び出し量との関係を模擬的に示した図である。
【図11】飛び出し態様を“第3の飛び出し態様”としてポインタの位置を中心とした領域を3次元表示させた状態から、ユーザが指を測距センサに徐々に近づけた場合における、画面遷移を表した図である。
【図12】他の電子機器における処理の流れを示したフローチャートである。
【図13】他の電子機器における処理の残りの流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態に係る電子機器について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下において、「画像」とは、ディスプレイに表示されている像であって、アイコン等のオブジェクトだけではなく、背景も含む概念である。
【0028】
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態に係る電子機器1の外観を示した図である。図1(a)は、電子機器1の斜視図である。図1(b)は、電子機器1の正面図である。図1(c)は、電子機器1の裏面図である。図1(d)は、電子機器1の側面図である。
【0029】
図1を参照して、電子機器1は、ディスプレイ105と、操作キー107と、タッチパッド110と、測距センサ112とを備える。測距センサ112は、ディスプレイ105と同様に、筐体10の第1面10Aに備えられる。電子機器1の筐体10は、第1面10Aと、第2面10Bと、第3面10Cと、第4面10Dと、第5面10Eと、第6面10Fとを備える。第2面10Bは、第1面10Aの裏面である。第3面10C、第4面10D、第5面10E、および第6面10Fは、電子機器1の側面である。
【0030】
ディスプレイ105および操作キー107は、筐体10の第1面10Aに備えられる。タッチパッド110は、筐体10の第2面10Bに備えられる。つまり、タッチパッド110は、第1面10Aの裏面である第2面10Bに設けられる。
【0031】
電子機器1は、2次元表示と3次元表示とが可能に構成されている。電子機器1は、3次元表示の方法として視差バリア方式を用いている。電子機器1は、ディスプレイ105に、右目用画像と左目用画像とを、x方向において交互に表示する。なお、3次元表示の方法は、視差バリア方式に限定されるものではなく、たとえば、レンチキュラ方式、偏光板方式、液晶アクティブシャッターメガネ方式等の各種の方式を用いることもできる。電子機器1は、たとえば、携帯型電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、電子辞書、電子ブックリーダである。
【0032】
図2は、電子機器1のハードウェア構成を示した図である。図2を参照して、電子機器1は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)101と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)102と、データを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)103と、フラッシュメモリ104と、ディスプレイ105と、スピーカ106と、電子機器1のユーザによる指示の入力を受ける操作キー107と、通信IF(Interface)108と、IC(Integrated Circuit)カードリーダライタ109と、タッチパッド110と、電源ユニット111と、測距センサ112とを備える。
【0033】
フラッシュメモリ104は、不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ104は、CPU101が実行するプログラム、後述するデータテーブル41,42(図3,4参照)等の後述する各種データを格納している。また、フラッシュメモリ104は、電子機器1が生成したデータ、電子機器1の外部装置から取得したデータ等の各種データを揮発的に格納する。
【0034】
スピーカ106は、CPU101からの指令に応じて音を発生させる。通信IF108は、他の装置と通信を行なうための用いられるインターフェースである。通信IF108は、無線および/または有線にてデータを送信するための処理を行なう。
【0035】
タッチパッド110は、ユーザの指等による入力操作に従って、ディスプレイ105に表示されるポインタ(カーソル)の位置を移動させるためのデバイスである。CPU101は、タッチパッド110からの出力に基づいてポインタの位置を特定し、当該特定した位置にポインタを表示させる。
【0036】
タッチパッド110は、押圧力を検知するための圧力センサ121を含んでいる。つまり、圧力センサ121は、タッチパッド110により実現される。圧力センサ121は、タッチパッド110の表面に沿ってタッチパッド110の内部に配置されている。
【0037】
圧力センサ121は、ユーザが指等でタッチパッド110の接触面を押した場合、押圧力を出力する。具体的には、圧力センサ121は、ディスプレイ105方向(つまり、第2面10Bから第1面10A方向)への押圧力を検知し、検知結果をCPU101に送る。
【0038】
測距センサ112は、物体(たとえば、ユーザの指)までの距離を測定するためのセンサである。測距センサ112は、物体との距離に応じた信号をデータバスに出力する。CPU101は、当該出力された信号のレベルに応じた処理を実行する。当該処理の詳細については、後述する。
【0039】
各構成要素101〜112は、相互にデータバスによって接続されている。ICカードリーダライタ109には、メモリカード1091が装着される。
【0040】
電子機器1における処理は、各ハードウェアおよびCPU101により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ104に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタ109その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ104に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU101によってフラッシュメモリ104から読み出され、さらにフラッシュメモリ104に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU101は、そのプログラムを実行する。
【0041】
同図に示される電子機器1を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、フラッシュメモリ104、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、電子機器1の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0042】
なお、記録媒体としては、DVD-ROM、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。
【0043】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0044】
図3は、押圧力に関する閾値を示したデータテーブル41を説明するための図である。図3を参照して、データテーブル41は、押圧力Pが0以上閾値ThP1未満のときには飛び出し量が0となるように、押圧力Pと飛び出し量との関係を規定している。つまり、データテーブル41においては、ユーザがタッチパッド110に指を接触していない、あるいは軽く触れているだけのときには、2次元表示がなされるように、押圧力Pと飛び出し量との関係が規定されている。
【0045】
また、データテーブル41は、押圧力Pが閾値ThP1以上であって閾値ThP2未満のときには飛び出し量が小さくなるように、押圧力Pと飛び出し量との関係を規定している。データテーブル41は、押圧力Pが閾値ThP2以上であって閾値ThP3未満のときには飛び出し量が中程度となるように、押圧力Pと飛び出し量との関係を規定している。データテーブル41は、押圧力Pが閾値ThP3以上のときには飛び出し量が大きくなるように、押圧力Pと飛び出し量との関係を規定している。
【0046】
つまり、データテーブル41においては、押圧力Pが閾値ThP1を越えると3次元表示がなされ、さらに押圧力Pが大きくなるほど画像またはオブジェクトの飛び出し量が大きくなるように、押圧力Pと飛び出し量とが対応付けられている。なお、データテーブル41の利用方法については、後述する(図5,図7)。
【0047】
以下では、飛び出させる対象を、ディスプレイ105の画面全体に表示されている画像ではなくて、当該画面全体に表示されている画像に含まれるオブジェクトとする場合を例に挙げて説明する。
【0048】
図4は、距離に関する閾値を示したデータテーブル42を説明するための図である。図4を参照して、データテーブル42は、測距センサ112により測定された距離Dが0以上閾値ThD1未満のときには飛び出し量が0となるように、距離Dと飛び出し量との関係を規定している。つまり、データテーブル42においては、ユーザが測距センサ112の近くまで指を近づけたときには、2次元表示がなされるように、距離Dと飛び出し量との関係が規定されている。
【0049】
また、データテーブル42は、測距センサ112により測定された距離Dが閾値ThD1以上であって閾値ThD2未満のときには飛び出し量が小さくなるように、距離Dと飛び出し量との関係を規定している。データテーブル42は、測距センサ112により測定された距離Dが閾値ThD2以上であって閾値ThD3未満のときには飛び出し量が中程度となるように、距離Dと飛び出し量との関係を規定している。データテーブル42は、測距センサ112により測定された距離Dが閾値ThD3以上のときには飛び出し量が大きくなるように、距離Dと飛び出し量との関係を規定している。なお、データテーブル42の利用方法については、後述する(図6,図8)。
【0050】
図5は、電子機器1における表示制御例を説明するための図である。図5(a)は、閾値ThP1未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった状態を示した図である。図5(b)は、図5(a)の後に、閾値ThP1以上閾値ThP2未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった状態を示した図である。図5(c)は、図5(a)の後に、閾値ThP2以上閾値ThP3未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった状態を示した図である。図5(d)は、図5(a)の後に、閾値ThP3以上の押圧力Pがタッチパッドに加わった状態を示した図である。
【0051】
図5(a)を参照して、ユーザは、閾値ThP1未満の押圧力で指をタッチパッド110に接触させて、ポインタ309を移動させる。たとえば、ユーザは、ポインタ309を、オブジェクト301上に移動させる。なお、オブジェクト301,302,303は、それぞれ、りんごを表したオブジェクト、バナナを表したオブジェクト、メロンを表したオブジェクトである。
【0052】
フラッシュメモリ104またはRAM103には、各オブジェクト301,302,303の表示領域を指定するためのデータ(座標データ)が格納されている。CPU101は、当該データに基づいて、オブジェクト301,302,303をディスプレイ105に表示させる。CPU101は、ポインタ309の位置が、オブジェクト301,302,303の表示領域に含まれるか否かを判断する。つまり、CPU101は、ポインタ309の位置が、オブジェクト301,302,303上にあるか否かを判断する。
【0053】
図5(b)を参照して、CPU101は、ポインタ309がオブジェクト301上にあるときに、閾値ThP1以上閾値ThP2未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わったと判断すると、データテーブル41に基づいて、飛び出し量を“小”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させる。その際、オブジェクト301の視認性を向上するために、CPU101は、ポインタ309を非表示とする。なお、図5(c)、図5(d)においても同様である。
【0054】
CPU101は、閾値ThP2以上の押圧力Pがタッチパッド110に加わらない限り、飛び出し量を“小”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示し続ける。CPU101は、ユーザがタッチパッド110から指を離すことにより押圧力Pがタッチパッド110に加わらなくなっても、飛び出し量を“小”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示し続ける。
【0055】
図5(c)を参照して、CPU101は、ポインタ309がオブジェクト301上にあるときに、閾値ThP2以上閾値ThP3未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わったと判断すると、データテーブル41に基づいて、飛び出し量を“中”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させる。
【0056】
CPU101は、閾値ThP3以上の押圧力Pがタッチパッド110に加わらない限り、飛び出し量を“中”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示し続ける。CPU101は、ユーザがタッチパッド110から指を離すことにより押圧力Pがタッチパッド110に加わらなくなっても、飛び出し量を“中”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示し続ける。
【0057】
図5(d)を参照して、CPU101は、ポインタ309がオブジェクト301上にあるときに、閾値ThP3以上の押圧力Pがタッチパッド110に加わったと判断すると、データテーブル41に基づいて、飛び出し量を“大”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させる。
【0058】
CPU101は、ユーザがタッチパッド110から指を離すことにより押圧力Pがタッチパッド110に加わらなくなっても、飛び出し量を“大”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示し続ける。
【0059】
以上のように、CPU101は、圧力センサ121によって検知された押圧力のうち最も高い押圧力が含まれる範囲(図4の4つの区分)に対応付けられた飛び出し量にてオブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させ続ける。
【0060】
オブジェクト301に着目してCPU101の処理をより詳しく説明すると、以下の通りである。CPU101は、閾値ThP1以上の押圧力が加わったポインタ309の位置を特定する。CPU101は、特定されたポインタ309の位置が、オブジェクト301の表示領域に含まれるか否かを判断する。CPU101は、オブジェクト301の表示領域に含まれると判断すると、オブジェクト301を3次元表示させる。CPU101は、データテーブル41に基づき、押圧力に応じた飛び出し量でオブジェクト301を3次元表示させる。
【0061】
なお、ユーザが、オブジェクト302,303上にポインタ309を移動させて、閾値ThP1以上の押圧力Pをタッチパッド110に加えた場合も、CPU101は、押圧力に応じた飛び出し量でオブジェクト302,303を3次元表示させる。
【0062】
なお、飛び出し量の制御は、右目用画像と左目用画像とのディスプレイ105における位置のずれを変更することにより実現できる。当該ずれを大きくすることにより、飛び出し量が大きくでき、当該ずれを小さくすることにより、飛び出し量を少なくできる。つまり、視差を大きくすると飛び出し量が大きくなり、視差を小さくすると飛び出し量を少なくできる。
【0063】
図6は、飛び出し量を“大”としてオブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させた状態から、ユーザが指901を測距センサ112に徐々に近づけた場合における、画面遷移を表した図である。つまり、図6は、図5(d)からの画面遷移を示した図である。
【0064】
図6(a)は、飛び出し量を“大”としてオブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させた状態において、ユーザが指901を測距センサ112の方向へと近づけた状態である。より詳しくは、図6(a)は、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD3以上である状態を示している。
【0065】
図6(b)は、図6(a)の状態からさらにユーザが指901を測距センサ112の方向へと近づけ、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD2以上閾値ThD3未満となった状態を示している。図6(c)は、図6(b)の状態からさらにユーザが指901を測距センサ112の方向へと近づけ、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1以上閾値ThD2未満となった状態を示している。図6(d)は、図6(c)の状態からさらにユーザが指901を測距センサ112の方向へと近づけ、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1未満となった状態を示している。
【0066】
図6(a)を参照して、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD3以上である場合には、CPU101は、飛び出し量を“大”としてオブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させたままの状態を維持する。
【0067】
図6(b)を参照して、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD2以上閾値ThD3未満となった場合には、CPU101は、飛び出し量を“中”としてオブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させる。CPU101は、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD2未満とならない限り、飛び出し量を“中”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させ続ける。
【0068】
図6(c)を参照して、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1以上閾値ThD2未満となった場合には、CPU101は、飛び出し量を“小”としてオブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させる。CPU101は、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1未満とならない限り、飛び出し量を“小”として、オブジェクト301をディスプレイ105に3次元表示させ続ける。
【0069】
図6(d)を参照して、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1未満となった場合には、CPU101は、オブジェクト301をディスプレイ105に2次元表示させる。
【0070】
なお、図6においては、図5(d)からの画面遷移を例に挙げて説明したが、図5(c)または図5(b)を開始画面とする画面遷移も同様に、指901と測距センサ112との距離に応じた飛び出し量の制御が行なわれる。
【0071】
以上のように、ユーザは、タッチパッド110に押圧力Pを加えることによりオブジェクトを押圧力Pに応じた飛び出し量でディスプレイ105に3次元表示させることができる。加えて、ユーザは、当該3次元表示状態において測距センサ112に指901を近づけることにより、3次元表示されたオブジェクトの飛び出し量を小さくすることができる。
【0072】
図7は、電子機器1における処理の一部の流れを示したフローチャートである。図7を参照して、ステップS2において、CPU101は、タッチパッド110に指が接触した否かを判断する。CPU101は、接触したと判断すると(ステップS2においてYES)、ステップS4において、ポインティング処理を行なう。すなわち、CPU101は、ポインタ309を移動させるための処理を行なう。CPU101は、接触していないと判断すると(ステップS2においてNO)、処理をステップS2に進める。
【0073】
ステップS6において、CPU101は、タッチパッド110から指が離れたか否かを判断する。CPU101は、離れたと判断すると(ステップS6においてYES)、処理をステップS2に進める。CPU101は、離れていないと判断すると(ステップS6においてNO)、ステップS8において、ポインタ309の位置はオブジェクトの位置であるか否を判断する。すなわち、CPU101は、ポインタ309の位置が、オブジェクトの表示領域に含まれるか否かを判断する。
【0074】
CPU101は、オブジェクトの位置でないと判断すると(ステップS8においてNO)、処理をステップS4に進める。CPU101は、オブジェクトの位置であると判断すると(ステップS8においてYES)、ステップS10において、押圧力Pが閾値ThP1以上であるか否かを判断する。
【0075】
CPU101は、閾値ThP1未満であると判断すると(ステップS10においてNO)、処理をステップS4に進める。CPU101は、閾値ThP1以上であると判断すると(ステップS10においてYES)、ステップS12において、押圧力Pが閾値ThP3以上であるか否かを判断する。
【0076】
CPU101は、閾値ThP3以上であると判断すると(ステップS12においてYES)、ステップS14において、飛び出し量を“大”としてオブジェクトを3次元表示させる。CPU101は、閾値ThP3未満であると判断すると(ステップS12においてNO)、ステップS16において、押圧力Pが閾値ThP2以上であるか否かを判断する。
【0077】
CPU101は、閾値ThP2以上であると判断すると(ステップS16においてYES)、ステップS18において、飛び出し量を“中”としてオブジェクトを3次元表示させる。CPU101は、閾値ThP2未満であると判断すると(ステップS16においてNO)、ステップS20において、飛び出し量を“小”としてオブジェクトを3次元表示させる。
【0078】
なお、ステップS8の後にステップS12を行ない、ステップS16でNOと判断された場合にステップS10を行なう構成としてもよい。この場合、CPU101は、ステップS10でYESの場合、ステップS20に進めばよい。
【0079】
図8は、電子機器1における処理の残りの流れを示したフローチャートである。図8を参照して、ステップS22において、CPU101は、タッチパッド110から指が離れたか否かを判断する。CPU101は、指が離れたと判断した場合(ステップS22においてYES)、ステップS24において、測距センサ112によって測定された距離Dが、閾値ThD3未満であるか否かを判断する。CPU101は、指が離れていないと判断した場合(ステップS22においてNO)、処理をステップS22に進める。
【0080】
CPU101は、距離Dが閾値ThD3未満であると判断した場合(ステップS24においてYES)、ステップS26において、距離Dが閾値ThD2以上であるか否かを判断する。CPU101は、距離Dが閾値ThD3未満でないと判断した場合(ステップS24においてNO)、処理をステップS24に進める。
【0081】
CPU101は、距離Dが閾値ThD2以上であると判断した場合(ステップS26においてYES)、ステップS28において、3次元表示させているオブジェクトの飛び出し量が“小”の状態であるか否かを判断する。たとえば、CPU101は、飛び出し量の状態を表わすフラグにより、飛び出し量が“小”であるか否かを判断すればよい。CPU101は、距離Dが閾値ThD2未満であると判断した場合(ステップS26においてNO)、処理をステップS32に進める。
【0082】
CPU101は、オブジェクトの飛び出し量が“小”でないと判断した場合(ステップS28においてNO)、ステップS30において、飛び出し量を“中”として当該オブジェクトをディスプレイに105に3次元表示させる。CPU101は、オブジェクトの飛び出し量が“小”であると判断した場合(ステップS28においてYES)、処理をステップS32に進める。なお、ステップS30以前において、既に飛び出し量を“中”としてオブジェクトを3次元表示させている場合には、ステップS30において画面の遷移は起こらない。
【0083】
ステップS32において、CPU101は、距離Dが閾値ThD1以上であるか否かを判断する。CPU101は、距離Dが閾値ThD1以上であると判断した場合(ステップS32においてYES)、ステップS34において、飛び出し量を“小”としてオブジェクトをディスプレイ105に3次元表示させる。なお、ステップS34以前において、既に飛び出し量を“小”としてオブジェクトを3次元表示させている場合には、ステップS34において画面の遷移は起こらない。CPU101は、距離Dが閾値ThD1未満であると判断した場合(ステップS32においてNO)、ステップS36において、ディスプレイ105に3次元表示させていたオブジェクトを2次元表示に切換える。
【0084】
[実施の形態2]
ところで、上記においては、ポインタで選択されたオブジェクトを3次元表示させる構成について説明した。本実施の形態では、オブジェクトのみを3次元表示させるのではなく、ポインタで指定された位置を含む領域を3次元表示させる構成について説明する。なお、当該構成を有する電子機器(以下、「電子機器1A」と称する)は、電子機器1と同様の外観およびハードウェア構成(図1、図2参照)を有する。したがって、電子機器1Aの外観およびハードウェア構成の説明は、ここでは繰り返さない。電子機器1Aは、フラッシュメモリ104に格納されているプログラムおよびデータが電子機器1と異なる。
【0085】
フラッシュメモリ104は、上述した閾値ThP1、ThP2、ThP3を格納している。フラッシュメモリ104は、特定されたポインタの位置の画像の飛び出し量が最大となり、当該位置から離れるほど飛び出し量が小さくなるように、画像の飛び出し量を表したデータ(以下、「表示制御用データ」)をさらに格納している。また、表示制御用データにおいては、押圧力Pが高いほど画像の飛び出し量の値が大きくなるように、押圧力と飛び出し量とがさらに対応付けられている。さらに、表示制御用データにおいては、押圧力Pが高いほど3次元表示させる表示領域が広くなるように、押圧力Pと、3次元表示させる表示領域の広さとがさらに対応付けられている。表示制御データについては、後程、図10に基づいて説明する。
【0086】
また、表示制御用データは、ユーザが指901を測距センサ112に近づけて画像の飛び出し量を小さくするときにも、飛び出させた領域を全体的に飛び出し量が小さくなるようにするための、距離と飛び出し量との関係を有している。
【0087】
図9は、電子機器1Aにおける表示制御例を説明するための図である。図9(a)は、閾値ThP1未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった状態を示した図である。図9(b)は、図9(a)の後に、閾値ThP1以上閾値ThP2未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった状態を示した図である。図9(c)は、図9(a)の後に、閾値ThP2以上閾値ThP3未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった状態を示した図である。図9(d)は、図9(a)の後に、閾値ThP3以上の押圧力Pがタッチパッドに加わった状態を示した図である。
【0088】
図9(a)を参照して、ユーザは、閾値ThP1未満の押圧力で指をタッチパッド110に接触させて、たとえば猫601の鼻にポインタ309を移動させる。
【0089】
図9(b)を参照して、CPU101は、閾値ThP1以上閾値ThP2未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わったと判断すると、表示制御用データに基づいて、飛び出し量を“小”として、ディスプレイ105における少なくとも一部の表示領域を3次元表示させる。具体的には、CPU101は、表示制御用データと押圧力Pとに基づいて、3次元表示させる表示領域を決定する。さらに、CPU101は、表示制御用データと押圧力Pとに基づいて、特定されたポインタの位置の画像の飛び出し量を最大(つまり、飛び出し量を小としたときにおける最大)とし、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくする。つまり、CPU101は、猫601の鼻の部分の飛び出し量を最大とする。その際、視認性を向上するために、CPU101は、ポインタ309を非表示とする。なお、図9(c)、図9(d)においても同様である。
【0090】
図9(c)を参照して、CPU101は、閾値ThP2以上閾値ThP3未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わったと判断すると、表示制御用データに基づいて、飛び出し量を“中”として、ディスプレイ105における少なくとも一部の表示領域を3次元表示させる。具体的には、CPU101は、表示制御用データと押圧力Pとに基づいて、3次元表示させる表示領域を決定する。つまり、CPU101は、図9(b)に示した3次元表示の表示領域よりも広い表示領域を3次元表示させる。さらに、CPU101は、表示制御用データと押圧力Pとに基づいて、特定されたポインタの位置の画像の飛び出し量を最大(つまり、飛び出し量を中としたときにおける最大)とし、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくする。
【0091】
図9(d)を参照して、CPU101は、閾値ThP3以上の押圧力Pがタッチパッド110に加わったと判断すると、表示制御用データに基づいて、飛び出し量を“大”として、ディスプレイ105における少なくとも一部の表示領域を3次元表示させる。具体的には、CPU101は、表示制御用データと押圧力Pとに基づいて、3次元表示させる表示領域を決定する。つまり、CPU101は、図9(c)に示した3次元表示の表示領域よりも広い表示領域を3次元表示させる。さらに、CPU101は、表示制御用データと押圧力Pとに基づいて、特定されたポインタの位置の画像の飛び出し量を最大(つまり、飛び出し量を大としたときにおける最大)とし、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくする。
【0092】
図10は、図9(b)、図9(c)、図9(d)における、3次元表示される表示領域と飛び出し量との関係を模擬的に示した図である。図10(a)は、電子機器1Aの第5面10E側を示した側面図である。図10(b)は、電子機器1Aの第4面10D側を示した側面図である。
【0093】
図10(a)(b)を参照して、曲線C1は、閾値ThP1以上閾値ThP2未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった場合(図9(b)の場合)における、3次元表示される表示領域と飛び出し量との関係を説明すためのグラフである。曲線C2は、閾値ThP2以上閾値ThP3未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった場合(図9(c)の場合)における、3次元表示される表示領域と飛び出し量との関係を説明すためのグラフである。曲線C3は、閾値ThP3以上の押圧力Pがタッチパッド110に加わった場合(図9(c)の場合)における、3次元表示される表示領域と飛び出し量との関係を説明すためのグラフである。
【0094】
CPU101は、曲線C1,C2,C3で示すように、押圧力Pが大きくなるほど、3次元表示させる表示領域の飛び出し量を多くする。また、CPU101は、曲線C1,C2,C3で示すように、特定されたポインタの位置の画像の飛び出し量を最大とし、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくする。なお、或る押圧力が加わっている場合、座標(Xa,Ya)から等距離の位置の飛び出し量は同一とする。
【0095】
また、CPU101は、閾値ThP1以上閾値ThP2未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった場合(図9(b)の場合)、直径R1の円の領域を3次元表示させる。CPU101は、閾値ThP2以上閾値ThP3未満の押圧力Pがタッチパッド110に加わった場合(図9(c)の場合)、直径R2(R2>R1)の円の領域を3次元表示させる。CPU101は、閾値ThP3以上の押圧力Pがタッチパッド110に加わった場合(図9(d)の場合)、直径R3(R3>R2)の円の領域を3次元表示させる。
【0096】
フラッシュメモリ104には、上記表示制御データとして、曲線C1,C2,C3で示したように、飛び出し量変位と3次元表示の対象とする領域の広さとを示したデータが予め格納されている。CPU101は、当該データを参照して、飛び出し量と、3次元表示させる表示領域の範囲とを決定する。なお、表示制御データは、演算式を含んで構成されていてもよい。
【0097】
以上のように、電子機器1Aは、ポインタの位置の飛び出し量を最も大きくして、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくする。また、電子機器1Aは、押圧力Pが大きいほど、3次元表示させる表示領域を広く設定する。さらに、電子機器1Aは、電子機器1と同様に、押圧力Pが大きいほど、画像の飛び出し量を大きくする。
【0098】
なお、以下では、図9(b)および図10の曲線C1に示した飛び出し態様を「第1の飛び出し態様」と、図9(c)および図10の曲線C2に示した飛び出し態様を「第2の飛び出し態様」と、図9(d)および図10の曲線C3に示した飛び出し態様を「第3の飛び出し態様」と称する。
【0099】
図11は、飛び出し態様を“第3の飛び出し態様”としてポインタの位置を中心とした領域を3次元表示させた状態から、ユーザが指901を測距センサ112に徐々に近づけた場合における、画面遷移を表した図である。つまり、図11は、図9(d)からの画面遷移を示した図である。
【0100】
図11(a)は、飛び出し態様を“第3の飛び出し態様”としてポインタの位置を中心とした領域をディスプレイ105に3次元表示させた状態において、ユーザが指901を測距センサ112の方向へと近づけた状態である。より詳しくは、図11(a)は、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD3以上である状態を示している。
【0101】
図11(b)は、図11(a)の状態からさらにユーザが指901を測距センサ112の方向へと近づけ、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD2以上閾値ThD3未満となった状態を示している。図11(c)は、図11(b)の状態からさらにユーザが指901を測距センサ112の方向へと近づけ、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1以上閾値ThD2未満となった状態を示している。図11(d)は、図11(c)の状態からさらにユーザが指901を測距センサ112の方向へと近づけ、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1未満となった状態を示している。
【0102】
図11(a)を参照して、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD3以上である場合には、CPU101は、ポインタの位置を中心とした領域(直径R3の円領域)を“第3の飛び出し態様”で3次元表示させ続ける。
【0103】
図11(b)を参照して、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD2以上閾値ThD3未満となった場合には、CPU101は、ポインタの位置を中心とした領域(直径R2の円領域)を“第2の飛び出し態様”で3次元表示させる。CPU101は、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD2未満とならない限り、当該領域を“第2の飛び出し態様”で3次元表示させ続ける。
【0104】
図11(c)を参照して、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1以上閾値ThD2未満となった場合には、CPU101は、ポインタの位置を中心とした領域(直径R1の円領域)を“第1の飛び出し態様”で3次元表示させる。CPU101は、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1未満とならない限り、当該領域を“第1の飛び出し態様”で3次元表示させ続ける。
【0105】
図11(d)を参照して、指901と測距センサ112との距離が閾値ThD1未満となった場合には、CPU101は、3次元表示を2次元表示に切換える。なお、2次元表示に戻ると、CPU101は、ポインタ309を表示する。ユーザは、ポインタ309が表示されたことによっても、3次元表示から2次元表示に切換ったことが判断できる。
【0106】
なお、図11においては、図9(d)からの画面遷移を例に挙げて説明したが、図9(c)または図9(b)を開始画面とする画面遷移も同様に、指901と測距センサ112との距離に応じた飛び出し量の制御が行なわれる。
【0107】
以上のように、ユーザは、タッチパッド110に押圧力Pを加えることによりポインタの位置を中心とした領域を押圧力Pに応じた飛び出し量でディスプレイ105に3次元表示させることができる。加えて、ユーザは、当該3次元表示状態において測距センサ112に指901を近づけることにより、3次元表示された領域の飛び出し量を小さくすることができる。
【0108】
図12は、電子機器1Aにおける処理の一部の流れを示したフローチャートである。図12を参照して、ステップS102において、CPU101は、タッチパッド110に指が接触した否かを判断する。CPU101は、接触したと判断すると(ステップS102においてYES)、ステップS104において、ポインティング処理を行なう。すなわち、CPU101は、ポインタ309を移動させるための処理を行なう。CPU101は、接触していないと判断すると(ステップS102においてNO)、処理をステップS102に進める。
【0109】
ステップS106において、CPU101は、タッチパッド110から指が離れたか否かを判断する。CPU101は、離れたと判断すると(ステップS106においてYES)、処理をステップS102に進める。CPU101は、離れていないと判断すると(ステップS106においてNO)、ステップS108において、押圧力Pが閾値ThP1以上であるか否かを判断する。
【0110】
CPU101は、閾値ThP1未満であると判断すると(ステップS108においてNO)、処理をステップS104に進める。CPU101は、閾値ThP1以上であると判断すると(ステップS108においてYES)、ステップS110において、押圧力Pが閾値ThP3以上であるか否かを判断する。
【0111】
CPU101は、閾値ThP3以上であると判断すると(ステップS110においてYES)、ステップS112において、ポインタの位置を中心とした領域(直径R3の円領域)を、第3の飛び出し態様で3次元表示させる。CPU101は、閾値ThP3未満であると判断すると(ステップS110においてNO)、ステップS114において、押圧力Pが閾値ThP2以上であるか否かを判断する。
【0112】
CPU101は、閾値ThP2以上であると判断すると(ステップS114においてYES)、ステップS116において、ポインタの位置を中心とした領域(直径R2の円領域)を、第2の飛び出し態様で3次元表示させる。CPU101は、閾値ThP2未満であると判断すると(ステップS114においてNO)、ステップS118において、ポインタの位置を中心とした領域(直径R1の円領域)を、第1の飛び出し態様で3次元表示させる。
【0113】
なお、ステップS106の後にステップS110を行ない、ステップS14でNOと判断された場合にステップS108を行なう構成としてもよい。この場合、CPU101は、ステップS108でYESの場合、ステップS118に進めばよい。
【0114】
図13は、電子機器1Aにおける処理の残りの流れを示したフローチャートである。図13を参照して、ステップS120において、CPU101は、タッチパッド110から指が離れたか否かを判断する。CPU101は、指が離れたと判断した場合(ステップS120においてYES)、ステップS122において、測距センサ112によって測定された距離Dが、閾値ThD3未満であるか否かを判断する。CPU101は、指が離れていないと判断した場合(ステップS120においてNO)、処理をステップS120に進める。
【0115】
CPU101は、距離Dが閾値ThD3未満であると判断した場合(ステップS122においてYES)、ステップS124において、距離Dが閾値ThD2以上であるか否かを判断する。CPU101は、距離Dが閾値ThD3未満でないと判断した場合(ステップS122においてNO)、処理をステップS122に進める。
【0116】
CPU101は、距離Dが閾値ThD2以上であると判断した場合(ステップS124においてYES)、ステップS126において、“第1の飛び出し態様”でポインタの位置を中心とした領域(直径R1の円領域)を3次元表示中か否かを判断する。たとえば、CPU101は、飛び出し態様を表わすフラグにより、飛び出し態様が“第1の飛び出し態様”であるか否かを判断すればよい。CPU101は、距離Dが閾値ThD2未満であると判断した場合(ステップS124においてNO)、処理をステップS130に進める。
【0117】
CPU101は、“第1の飛び出し態様”で上記領域を3次元表示中でないと判断した場合(ステップS126においてNO)、ステップS128において、“第2の飛び出し態様”でポインタの位置を中心とした領域(直径R2の円領域)をディスプレイに105に3次元表示させる。CPU101は、“第1の飛び出し態様”で3次元表示中でないと判断した場合(ステップS126においてNO)、処理をステップS130に進める。なお、ステップS128以前において、既に、“第2の飛び出し態様”でポインタの位置を中心とした領域(直径R2の円領域)をディスプレイに105に3次元表示させている場合には、ステップS128において画面の遷移は起こらない。
【0118】
ステップS130において、CPU101は、距離Dが閾値ThD1以上であるか否かを判断する。CPU101は、距離Dが閾値ThD1以上であると判断した場合(ステップS130においてYES)、ステップS132において、“第1の飛び出し態様”でポインタの位置を中心とした領域(直径R1の円領域)をディスプレイ105に3次元表示させる。なお、ステップS132以前において、既に、“第1の飛び出し態様”でポインタの位置を中心とした領域(直径R1の円領域)をディスプレイに105に3次元表示させている場合には、ステップS132において画面の遷移は起こらない。CPU101は、距離Dが閾値ThD1未満であると判断した場合(ステップS130においてNO)、ステップS134において、3次元表示を2次元表示に切換える。
【0119】
<電子機器1、1Aのまとめ>
(1)以上のように、電子機器1、1Aは、画像の3次元表示が可能な電子機器である。電子機器1、1Aは、CPU101と、プロセッサに接続されたフラッシュメモリ104と、画像を表示するためのディスプレイ105と、押圧力を検知するための圧力センサ121と、物体までの距離を測定するための測距センサ112とを備える。ディスプレイ105は、電子機器1、1Aの筐体10の第1面10Aに設けられている。圧力センサ121は、第1面10Aの裏面である筐体10の第2面10Bに設けられ、ディスプレイ105方向への押圧力を検知する。CPU101は、押圧力が検知されると、ディスプレイ105における少なくとも一部の表示領域の画像を、ディスプレイ105から飛び出す態様でディスプレイ105に3次元表示させる。CPU101は、画像を3次元表示させた後に押圧力が検知されなくなっても、当該画像の3次元表示を維持する。CPU101は、測距センサ112と指901(物体)との間の距離が予め定められた距離以内であるかを判断する。CPU101は、画像の3次元表示を維持した状態において距離が上記予め定められた距離以内であると判断した場合、当該画像の表示態様を3次元表示から2次元表示に切換える。
【0120】
したがって、電子機器1、1Aは、押圧力を検出すると、ディスプレイ105における少なくとも一部の表示領域の画像を3次元表示させることができる。それゆえ、ユーザは、押圧力を利用することにより、2次元表示から3次元表示への切換え操作を容易に行なうことができる。また、電子機器1、1Aは、ディスプレイ105における少なくとも一部の表示領域の画像を、ユーザが押圧を加えた方向に飛び出させることができる。つまり、電子機器1、1Aでは、ユーザが圧を加える方向と画像の飛び出し方向とが一致する。このため、ユーザの直感に応じた3次元表示への切換処理を実現できる。
【0121】
また、電子機器1,1Aは、画像を3次元表示させた後に押圧力が検知されなくなっても、当該画像の3次元表示を維持できる。さらに、電子機器1,1Aは、当該画像の3次元表示を維持した状態において、ユーザが指901を測距センサ112に対して予め定められた距離まで近づけることにより、当該画像の表示態様を3次元表示から2次元表示に切換える。したがって、ユーザは、指を測距センサ112の方向に移動させることにより、3次元表示させた画像を再び2次元表示に戻すことが可能となる。
【0122】
(2)測距センサ112は、第1面10Aに設けられている。それゆえ、電子機器1,1Aは、当該画像の3次元表示を維持した状態において、ユーザが指901をディスプレイ105と同一面に備えられている測距センサ112に対して予め定められた距離まで近づけることにより、当該画像の3次元表示を2次元表示に切換える。
【0123】
したがって、ユーザは、画像を3次元表示させたときとは逆の方向に指を移動させることにより、3次元表示させた画像を再び2次元画像に戻すことが可能となる。このように、3次元表示させるときと、3次元表示を2次元表示に戻すときとで、ユーザが指を移動させる方向は反対となる。したがって、電子機器1,1Aは、ユーザにとって直感的な操作が可能となる。
【0124】
(3)圧力センサ121は、ディスプレイ105に表示されるポインタの位置を指定するためのタッチパッド110により実現される。CPU101は、ポインタの位置が指定されると、当該ポインタの位置の画像と、当該ポインタの位置の周囲の画像とを、飛び出す態様で3次元表示させる。
【0125】
したがって、ユーザは、3次元表示させたい画像をポインタにより指定することができる。
【0126】
(4)電子機器1におけるフラッシュメモリ104は、画像に含まれるオブジェクトの表示領域を表した座標データをさらに格納している。CPU101は、当該座標データに基づいて、指定されたポインタの位置が、オブジェクトの表示領域に含まれるか否かを判断する。CPU101は、オブジェクトの表示領域に含まれると判断すると、当該オブジェクトを上記飛び出す態様で3次元表示させる。
【0127】
したがって、ユーザは、3次元表示させたいオブジェクトをポインタにより指定することができる。なお、オブジェクトは、図5に示した図形に限定されず、ファイルやフォルダ等を示すアイコン、リンク先を示す文字列または画像であってもよい。
【0128】
(5)電子機器1におけるフラッシュメモリ104は、押圧力Pが高いほど画像の飛び出し量の値が大きくなるように、押圧力Pと飛び出し量とが対応付けられたデータテーブル41をさらに格納している。CPU101は、データテーブル41に基づき、押圧力Pに応じた飛び出し量でを3次元表示させる。
【0129】
したがって、電子機器1は、押圧力Pが大きくなると、オブジェクトの飛び出し量を大きくする。このように、電子機器1は、押圧力の方向のみならず、圧の大きさに比例して飛び出し量が大きくするため、ユーザの直感に応じた飛び出し量の制御を実現できる。それゆえ、電子機器1は、ユーザにとって操作性に優れる。
【0130】
(6)CPU101は、測距センサ112と指901との間の距離が短くなるにつれ、3次元表示させたオブジェクトの飛び出し量を少なくする。したがって、電子機器1は、ユーザの直感に応じた飛び出し量の制御を実現できる。
【0131】
(7)電子機器1Aにおけるフラッシュメモリ104は、特定されたポインタの位置の画像の飛び出し量が最大となり、当該位置から離れるほど飛び出し量が小さくなるように、画像の飛び出し量を表した表示制御用データをさらに格納している。CPU101は、表示制御用データに基づいて、特定されたポインタの位置の画像の飛び出し量を最大とし、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくする。
【0132】
したがって、ユーザは、ポインタで位置を指定して、タッチパッド110を押すことにより、当該指定した位置の画像の飛び出し量を最大とし、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくすることができる。
【0133】
(8)電子機器1Aが格納している表示制御用データにおいては、押圧力Pが高いほど画像の飛び出し量の値が大きくなるように、押圧力Pと飛び出し量とがさらに対応付けられている。CPU101は、表示制御用データと押圧力Pとに基づいて、特定されたポインタの位置の画像の飛び出し量を最大とし、当該位置から離れるほど飛び出し量を小さくする。
【0134】
したがって、ユーザは、押圧力Pを変化させることにより、飛び出して表示される画像の飛び出し量を変えることができる。
【0135】
(9)電子機器1Aが格納している表示制御用データにおいては、押圧力Pが高いほど3次元表示させる表示領域が広くなるように、押圧力Pと、3次元表示させる表示領域の広さとがさらに対応付けられている。CPU101は、表示制御用データと押圧力Pとに基づいて、3次元表示させる表示領域を決定する。
【0136】
したがって、ユーザは、押圧力Pを大きくすることにより、飛び出して表示される画像の範囲を広くすることができる。
【0137】
(10)CPU101は、測距センサ112と指901との間の距離が短くなるにつれ、3次元表示させる表示領域における各位置の画像の飛び出し量を少なくする。したがって、電子機器1Aは、ユーザの直感に応じた飛び出し量の制御を実現できる。
【0138】
<変形例>
(1)ところで、上記においては、圧力センサ121がタッチパッド110によって実現される例を挙げて説明したがこれに限定されるものではない。圧力センサ121は、少なくとも押圧力を加えることによりディスプレイ105における位置を指定するデバイスにより実現されていればよい。
【0139】
たとえば、指等が接触する入力のための接触面を有し、当該接触面の位置とディスプレイ105の表示領域の位置とが一対一に対応している入力デバイスによって実現されていてもよい。当該入力デバイスとして、タッチパネルを構成する入力装置のようにポインタを移動させないデバイスを用いればよい。あるいは、圧力センサ121は、押しボタンによって実現されていてもよい。
【0140】
圧力センサ121が上記接触面を有するデバイスにより実現される場合には、ディスプレイ105の表示領域と当該接触面との形状(形および大きさ)が同じであることが好ましい。さらに、当該表示領域と当該接触面とのX座標の値およびY座標の値が同じであることが好ましい。
【0141】
(2)圧力センサ121が上記デバイスにより実現される場合には、CPU101は、上記デバイスによって位置が指定されると、ディスプレイ105における少なくとも一部の表示領域の画像を、ディスプレイ105から飛び出す態様でディスプレイ105に3次元表示させればよい。より詳しくは、CPU101は、上記デバイスによって位置が指定されると、当該指定された位置の画像と、当該指定された位置の周囲の画像とを、上記のように3次元表示させればよい。
【0142】
(3)上記においては、閾値Th1を設けて、閾値Th1以上の押圧力が圧力センサ121に加わった場合に、3次元表示を行なう構成を例に挙げたが、これに限定されるものではない。閾値Th1を設けずに、ユーザの指等がタッチパッド110に触れると、3次元表示を実行する構成としてもよい。
【0143】
(4)上記においては、閾値を3つ設けた例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。電子機器1,1Aでは、2次元表示から3次元表示への切換えの判断に用いられる閾値が設けられていればよい。つまり、閾値の数は、1つ以上であればよい。たとえば、閾値を複数個設定した場合には、押圧力が各閾値を越える度に飛び出し量が大きくなるようにすればよい。
【0144】
(5)上記のように閾値Th1,Th2,Th3を設けずに、押圧力Pの増加に応じて、飛び出し量vが連続的に変化(増加)するように、電子機器1,1Aを構成してもよい。電子機器1,1Aは、たとえば、v=a×P+b(ただし、a,bは係数)との関係で、飛び出し量vを制御すればよい。
【0145】
(6)上記のように閾値Th2,Th3を設けずに閾値Th1のみを設け、押圧力Pの増加に応じて、押圧力Pが閾値Th1以上のときに、飛び出し量が連続的に変化(増加)するように、電子機器1,1Aを構成してもよい。電子機器1,1Aは、たとえば、以下の式で示される飛び出し量vの制御を行なえばよい。なお、a,bは係数である。
【0146】
v=a×P+b (Th1≦P)
v=0 (0≦P<Th1)
(7)電子機器1Aにおいて3次元表示させる表示領域は、円領域に限定されるものではない。たとえば、ユーザの入力応じて3次元表示させる表示領域の形状を設定可能な構成としてもよい。たとえば、多角形、楕円形、星型形状等に設定可能な構成としてもよい。この場合、領域データを複数格納しておくか、領域データのパラメータを変更する構成とすればよい。
【0147】
(8)電子機器1Aにおいては、押圧力Pが大きくなるほど3次元表示させる表示領域を広くする構成を例に挙げているが、押圧力Pが大きくなっても3次元表示させる表示領域の大きさは一定となるように、電子機器1Aを構成してもよい。
【0148】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0149】
1,1A 電子機器、10 筐体、10A 第1面、10B 第2面、41,42 データテーブル、104 フラッシュメモリ、105 ディスプレイ、110 タッチパッド、112 測距センサ、121 圧力センサ、301,302,303 オブジェクト、309 ポインタ、1091 メモリカード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の3次元表示が可能な電子機器であって、
プロセッサと、
前記画像を表した画像データを格納したメモリと、
前記画像を表示するためのディスプレイと、
押圧力を検知するための第1のセンサと、
物体までの距離を測定するための第2のセンサとを備え、
前記ディスプレイは、前記電子機器の筐体の第1の表面に設けられ、
前記第1のセンサは、前記第1の表面の裏面である前記筐体の第2の表面に設けられ、前記ディスプレイ方向への前記押圧力を検知し、
前記プロセッサは、
前記押圧力が検知されると、前記ディスプレイにおける少なくとも一部の表示領域の画像を、前記ディスプレイから飛び出す態様で前記ディスプレイに3次元表示させ、
前記画像を3次元表示させた後に前記押圧力が検知されなくなっても、当該画像の3次元表示を維持し、
前記第2のセンサと前記物体との間の距離が予め定められた距離以内であるかを判断し、
前記画像の3次元表示を維持した状態において前記距離が前記予め定められた距離以内であると判断した場合、当該画像の表示態様を3次元表示から2次元表示に切換える、電子機器。
【請求項2】
前記第2のセンサは、前記第1の表面に設けられている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1のセンサは、少なくとも前記押圧力を加えることにより前記ディスプレイにおける位置を指定するデバイスにより実現され、
前記プロセッサは、前記デバイスによって位置が指定されると、当該指定された位置の画像と、当該指定された位置の周囲の画像とを、前記3次元表示させる、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記デバイスは、前記ディスプレイに表示されるポインタの位置を指定するためのタッチパッドであって、
前記プロセッサは、前記ポインタの位置が指定されると、当該ポインタの位置の画像と、当該ポインタの位置の周囲の画像とを、前記3次元表示させる、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記メモリは、前記押圧力に関する閾値を格納し、
前記プロセッサは、前記閾値以上の押圧力が検知されると、前記ポインタの位置の画像と、当該ポインタの位置の周囲の画像とを、前記3次元表示させる、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記メモリは、前記画像に含まれるオブジェクトの表示領域を表した第1のデータをさらに格納しており、
前記プロセッサは、前記第1のデータに基づいて、前記デバイスによって指定された位置が、前記オブジェクトの表示領域に含まれるか否かを判断し、
前記オブジェクトの表示領域に含まれると判断すると、当該オブジェクトを前記3次元表示させる、請求項3から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記メモリは、前記押圧力が高いほど前記画像の飛び出し量が大きくなるように、前記押圧力と前記飛び出し量とが対応付けられた第2のデータをさらに格納しており、
前記プロセッサは、前記第2のデータに基づき、前記押圧力に応じた前記飛び出し量で前記オブジェクトを前記3次元表示させる、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第2のセンサと前記物体との間の距離が短くなるにつれ、前記3次元表示させた前記オブジェクトの飛び出し量を少なくする、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記メモリは、前記デバイスによって指定された位置の画像の前記飛び出し量が最大となり、当該位置から離れるほど前記飛び出し量が小さくなるように、前記画像の飛び出し量を表したデータをさらに格納しており、
前記プロセッサは、前記データに基づいて、前記指定された位置の画像の前記飛び出し量を最大とし、当該位置から離れるほど前記飛び出し量を小さくする、請求項3から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記データにおいては、前記押圧力が高いほど前記画像の飛び出し量が大きくなるように、前記押圧力と前記飛び出し量とがさらに対応付けられており、
前記プロセッサは、前記データと前記押圧力とに基づいて、前記デバイスによって指定された位置の画像の前記飛び出し量を最大とし、当該位置から離れるほど前記飛び出し量を小さくする、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記データにおいては、前記押圧力が高いほど前記3次元表示させる表示領域が広くなるように、前記押圧力と、前記3次元表示させる表示領域の広さとがさらに対応付けられており、
前記プロセッサは、前記データと前記押圧力とに基づいて、前記3次元表示させる表示領域を決定する、請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記第2のセンサと前記物体との間の距離が短くなるにつれ、前記3次元表示させる表示領域における各位置の画像の飛び出し量を少なくする、請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
画像の3次元表示が可能な電子機器における表示制御方法であって、
前記電子機器は、プロセッサと、前記画像を表した画像データを格納したメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するための第1のセンサと、物体までの距離を測定するための第2のセンサとを備え、
前記ディスプレイは、前記電子機器の筐体の第1面に設けられ、前記第1のセンサは、前記第1面の裏面である前記筐体の第2面に設けられ、前記ディスプレイ方向への前記押圧力を検知し、
前記表示制御方法は、
前記第1のセンサが、前記押圧力を検知するステップと、
前記プロセッサが、前記押圧力が検知されると、前記ディスプレイにおける少なくとも一部の表示領域の画像を、前記ディスプレイから飛び出す態様で前記ディスプレイに3次元表示させるステップと、
前記プロセッサが、前記画像を3次元表示させた後に前記押圧力が検知されなくなっても、当該画像の3次元表示を維持するステップと、
前記プロセッサが、前記第2のセンサと前記物体との間の距離が予め定められた距離以内であるかを判断するステップと、
前記プロセッサが、前記画像の3次元表示を維持した状態において前記距離が前記予め定められた距離以内であると判断した場合、当該画像の表示態様を3次元表示から2次元表示に切換えるステップとを備える、表示制御方法。
【請求項14】
画像の3次元表示が可能な電子機器を制御するためのプログラムであって、
前記電子機器は、プロセッサと、前記画像を表した画像データを格納したメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するための第1のセンサと、物体までの距離を測定するための第2のセンサとを備え、
前記ディスプレイは、前記電子機器の筐体の第1面に設けられ、前記第1のセンサは、前記第1面の裏面である前記筐体の第2面に設けられ、前記ディスプレイ方向への前記押圧力を検知し、
前記プログラムは、
前記センサによって前記押圧力が検知されたか否かを判断するステップと、
前記押圧力が検知されると、前記ディスプレイにおける少なくとも一部の表示領域の画像を、前記ディスプレイから飛び出す態様で前記ディスプレイに3次元表示させるステップと、
前記画像を3次元表示させた後に前記押圧力が検知されなくなっても、当該画像の3次元表示を維持するステップと、
前記第2のセンサと前記物体との間の距離が予め定められた距離以内であるかを判断するステップと、
前記画像の3次元表示を維持した状態において前記距離が前記予め定められた距離以内であると判断した場合、当該画像の表示態様を3次元表示から2次元表示に切換えるステップとを、前記プロセッサに実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−113387(P2012−113387A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259796(P2010−259796)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】