説明

電子機器、表示制御方法及び表示制御プログラム

【課題】三次元映像が表示されるとき、視認しやすい二次元映像を表示できる電子機器及び表示制御方法を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は三次元映像表示手段、候補領域算出手段、領域決定手段及び二次元映像表示手段を具備する。三次元映像表示手段は、画面内の3D映像表示モードに設定された三次元映像表示領域に三次元映像を表示する。候補領域算出手段は、前記三次元映像を表示している期間内に二次元映像を表示するための要求を受けたとき、当該二次元映像を表示するための候補領域を前記三次元映像表示領域に基づいて算出する。領域決定手段は、前記候補領域が前記画面内に収まっており且つ前記3D映像表示モードに設定されているとき、二次元映像表示領域に決定する。モード設定手段は前記二次元映像表示領域を2D映像表示モードに設定する。二次元映像表示手段は前記二次元映像表示領域に前記二次元映像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、三次元映像コンテンツを再生する電子機器、該機器に適用される表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、三次元映像を観賞するための様々な映像表示装置が提供されている。このような映像表示装置の一つに、裸眼立体視方式(裸眼3D方式)による映像表示装置がある。裸眼立体視方式では、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)上に左眼用映像と右眼用映像とを同時に表示し(空間分割方式)、LCD上に配置されたレンチキュラレンズによって、それら映像内の画素に対応する光線が射出される方向を制御する(レンチキュラ方式)。これによりユーザは、左眼用映像の画素を左眼で、右眼用映像の画素を右眼で見ることができるので、三次元映像(立体映像)を知覚することができる。
【0003】
三次元映像を観賞するとき、画面には、例えばエラーメッセージやユーザによる入力のための操作画面等のような二次元映像が表示される可能性がある。裸眼立体視方式による映像表示装置では、例えば、メッセージやメニューに対応する二次元映像を用いて左眼用映像と右眼用映像とが生成される。具体的には、例えば、メッセージやメニューに対応する二次元映像が走査線毎にインタリーブされた映像が、左眼用映像と右眼用映像の両方に用いられる。ユーザは、画面上に表示された左眼用映像と右眼用映像とを見ることにより、擬似的に二次元に表現されたメッセージやメニューを知覚することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2009−516205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、二次元映像として表示されるべきメッセージやメニューが、インタリーブされた左眼用映像と右眼用映像として表示されるので、ユーザは、元の二次元映像よりも低い解像度の映像を知覚し、メッセージやメニューを視認しづらく感じる可能性がある。例えば、上述の方法で表示されるメッセージでは、解像度が低下することにより、該メッセージに含まれる文字の一部が欠落しているように見える可能性がある。
【0006】
本発明は、裸眼立体視方式で三次元映像が表示されるとき、ユーザが視認しやすいメッセージ及びメニューを表示できる電子機器、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によれば、電子機器は、入力手段及び表示制御手段を具備する。入力手段は、操作入力を受け付ける。表示制御手段は、二次元映像と三次元映像とを表示可能な表示部に映像を表示させる表示制御手段であって、前記表示部内の第1の領域に、再生された三次元映像を第1のサイズで表示し、前記入力手段によって所定の操作入力を受け付けた場合、前記第1の領域の一部に二次元映像を表示し、前記第1の領域から前記二次元映像が表示された領域を除いた領域内に、前記再生された三次元映像を前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズで表示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態に係る電子機器の外観を示す斜視図。
【図2】同実施形態の電子機器の構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の電子機器によって実行される映像コンテンツ再生プログラムの機能構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態の電子機器によって実行される映像コンテンツ再生プログラムが用いる候補領域情報の一構成例を示す図。
【図5】同実施形態の電子機器によって表示されるメッセージの例を示す図。
【図6】同実施形態の電子機器によって表示されるメッセージの別の例を示す図。
【図7】同実施形態の電子機器によって表示されるメッセージのさらに別の例を示す図。
【図8】同実施形態の電子機器によって表示されるメッセージの他の例を示す図。
【図9】同実施形態の電子機器によって実行される映像再生処理の手順の例を示すフローチャート。
【図10】同実施形態の電子機器によって実行されるメッセージ表示制御処理の手順の例を示すフローチャート。
【図11】第2実施形態の電子機器によって実行される映像コンテンツ再生プログラムの機能構成を示すブロック図。
【図12】同実施形態の電子機器によって表示される画面の第1の例を示す図。
【図13】同実施形態の電子機器によって表示される画面の第2の例を示す図。
【図14】同実施形態の電子機器によって表示される画面の第3の例を示す図。
【図15】同実施形態の電子機器によって表示される画面の第4の例を示す図。
【図16】同実施形態の電子機器によって表示される画面の第5の例を示す図。
【図17】同実施形態の電子機器によって表示される画面の第6の例を示す図。
【図18】同実施形態の電子機器によって表示される画面の第7の例を示す図。
【図19】同実施形態の電子機器によって表示される画面の遷移を説明するための図。
【図20】同実施形態の電子機器によって実行される映像再生処理の手順の例を示すフローチャート。
【図21】同実施形態の電子機器によって実行されるメニュー表示制御処理の手順の例を示すフローチャート。
【図22】同実施形態の電子機器によって実行されるコントロールメニューを含むウィンドウ表示処理の手順の例を示すフローチャート。
【図23】同実施形態の電子機器によって実行されるトップメニューを含むウィンドウ表示処理の手順の例を示すフローチャート。
【図24】同実施形態の電子機器による画面構成の決定について説明するための図。
【図25】同実施形態の電子機器による画面構成の決定について説明するための別の図。
【図26】同実施形態の電子機器によって実行される画面構成決定処理の手順の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る電子機器の外観を示す斜視図である。この電子機器は、例えばノートブックタイプのパーソナルコンピュータ1として実現される。また、この電子機器は、テレビジョン受信機、映像データを保存するためのレコーダ(例えば、ハードディスクレコーダ、DVDレコーダ)、タブレットPC、スレートPC、PDA、カーナビゲーション装置、スマートフォン等として実現され得る。
【0010】
図1に示すように、本コンピュータ1は、コンピュータ本体2と、ディスプレイユニット3とから構成される。
ディスプレイユニット3には、三次元ディスプレイ(3Dディスプレイ)15が組み込まれている。ディスプレイユニット3は、コンピュータ本体2の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体2の上面を覆う閉塞位置との間を回動自在にコンピュータ本体2に取り付けられている。また、3Dディスプレイ15は、LCD(liquid crystal display)15Aとレンズユニット15Bとを備える。レンズユニット15Bは、LCD15A上にはり合わせられている。レンズユニット15Bは、LCD15Aに表示される映像に含まれる複数の画素に対応する複数の光線をそれぞれ所定の方向に射出するための複数のレンズ機構を含む。レンズユニット15Bは、例えば、三次元映像表示に必要な機能を電気的にスイッチングできる液晶GRIN(gradient index)レンズである。この液晶GRINレンズでは、平坦な液晶層を用いて電極で屈折率分布を作るので、例えば、画面内の指定した領域で三次元映像を表示し、他の領域で二次元映像を表示することができる。つまり、三次元映像を表示する領域と二次元映像を表示する領域とでレンズの屈折率を変えることにより、三次元映像を表示するための三次元映像表示モードと、二次元映像を表示するための二次元映像表示モードとを、画面内で部分的に切り替えることができる。三次元映像表示モードに設定された領域では、その領域に表示される左眼用映像と右眼用映像とを含む三次元映像が眼間距離や観視距離等に応じた視差を有するように、屈折率が変更される。二次元映像表示モードに設定された領域では、その領域に表示される二次元映像が屈折されることなくそのまま表示されるように、屈折率が変更される。3Dディスプレイ15では、画面内に設定された、任意の位置及びサイズを有する複数の領域それぞれを、三次元映像表示モードと二次元映像表示モードのいずれか一方に設定できる。
【0011】
3Dディスプレイ15は、三次元映像表示モードの領域では左眼用映像と右眼用画像とを表示し、二次元映像表示モードの領域では二次元映像を表示する。そのためユーザは、画面内の三次元映像表示モードに設定された領域を見たとき三次元映像を知覚し、二次元映像表示モードに設定された領域を見たとき二次元映像を知覚することができる。
【0012】
コンピュータ本体2は、薄い箱形の筐体を有しており、その上面には、キーボード26、本コンピュータ1を電源オン/電源オフするためのパワーボタン28、入力操作パネル29、タッチパッド27、スピーカ18A,18Bなどが配置されている。入力操作パネル29上には、各種操作ボタンが設けられている。これらボタン群には、TV機能(視聴、録画、録画された放送番組データ/ビデオデータの再生)を制御するための操作ボタン群も含まれている。
【0013】
コンピュータ本体2の例えば右側面には、TV放送用のアンテナ端子30Aが設けられている。また、コンピュータ本体2の例えば背面には、例えばHDMI(high-definition multimedia interface)規格に対応した外部ディスプレイ接続端子が設けられている。この外部ディスプレイ接続端子は、放送番組データのような映像コンテンツデータに含まれる映像データ(動画像データ)を外部ディスプレイに出力するために用いられる。
【0014】
図2は、本コンピュータ1のシステム構成を示す図である。
本コンピュータ1は、図2に示すように、CPU11、ノースブリッジ12、主メモリ13、表示コントローラ14、ビデオメモリ(VRAM)14A、3Dディスプレイ15、サウスブリッジ16、サウンドコントローラ17、スピーカ18A,18B、BIOS−ROM19、LANコントローラ20、ハードディスクドライブ(HDD)21、光ディスクドライブ(ODD)22、無線LANコントローラ23、USBコントローラ24、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)25、キーボード(KB)26、ポインティングデバイス27、TVチューナ30等を備えている。
【0015】
CPU11は、本コンピュータ1の動作を制御するプロセッサである。CPU11は、HDD21から主メモリ13にロードされる、オペレーティングシステム(OS)13A、及び映像コンテンツ再生プログラム13B等のようなアプリケーションプログラムを実行する。映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像コンテンツデータを視聴するための機能を有するソフトウェアである。この映像コンテンツ再生プログラム13Bは、TVチューナ30によって受信された放送番組データを視聴するためのライブ再生処理、受信された放送番組データをHDD21に記録する録画処理、HDD21に記録された放送番組データ/ビデオデータを再生する再生処理、ネットワークを介して受信された映像コンテンツデータを再生する再生処理等を実行する。また、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、DVDのような記憶メディアやハードディスクのような記憶装置に格納された映像コンテンツデータを再生することもできる。
【0016】
さらに、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、三次元映像を視聴するための機能も有する。映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像コンテンツデータに含まれる二次元映像を三次元映像にリアルタイムで変換して画面(3Dディスプレイの画面)15上に表示する。映像コンテンツ再生プログラム13Bは、様々な映像コンテンツデータ(たとえば、放送番組データ、記憶メディアや記憶装置に格納されたビデオデータ、インターネット上のサーバから受信したビデオデータ、等)を2D−3D変換することができる。
【0017】
三次元映像の表示には、裸眼立体視方式(例えば、インテグラルイメージング方式、レンチキュラ方式、パララックスバリア方式等)による3Dディスプレイ15が用いられる。ユーザは、裸眼立体視方式による3Dディスプレイ15に表示された映像を見ることにより、三次元映像を裸眼で知覚することができる。
【0018】
また、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像コンテンツデータが観賞される間に、ユーザに提示されるメッセージの表示を制御するメッセージ表示制御機能を有する。このメッセージは、例えば、OS13Aや映像コンテンツ再生プログラム13B等の各種のアプリケーションプログラムによって表示が要求される、エラーやステータスを通知するためのメッセージ、テロップ、クローズドキャプション、操作のためのコントロールパネル等である。
【0019】
裸眼立体視方式による映像表示装置では、例えば、メッセージに対応する二次元画像を用いて左眼用メッセージ画像と右眼用メッセージ画像とが生成される。具体的には、例えば、メッセージに対応する二次元画像が走査線毎にインタリーブされた画像が、左眼用メッセージ画像と右眼用メッセージ画像の両方に用いられる。すなわち、同一のインタリーブ画像が、左眼用メッセージ画像と右眼用メッセージ画像として用いられる。ユーザは、画面上に表示された左眼用メッセージ画像と右眼用メッセージ画像とを見ることにより、擬似的に二次元に表現されたメッセージを知覚することができる。しかし、二次元画像として表示されるべきメッセージが、インタリーブされた左眼用メッセージ画像と右眼用メッセージ画像として表示されるので、ユーザは、元の二次元画像よりも低い解像度の画像を知覚し、メッセージを視認しづらく感じる可能性がある。例えば、上述の方法で表示されるメッセージでは、解像度が低下することにより、該メッセージに含まれる文字の一部が欠落しているように見える可能性がある。また、メッセージは、画面15の中央や観賞中の映像上等、映像の観賞を妨げる位置に表示されることがある。
【0020】
そのため、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、メッセージ表示制御機能により、ユーザが三次元映像を観賞しているとき、メッセージを二次元映像(すなわち、二次元の画像フレーム)として表示する。また、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、三次元映像の観賞中に、その観賞の妨げとなりにくく、且つ視認しやすい位置にメッセージを表示する。
【0021】
また、CPU11は、BIOS−ROM19に格納されたBIOS(Basic Input/Output System)も実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
【0022】
ノースブリッジ12は、CPU11のローカルバスとサウスブリッジ16との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ12には、主メモリ13をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ12は、表示コントローラ14との通信を実行する機能も有している。
【0023】
表示コントローラ14は、本コンピュータ1のディスプレイとして使用されるLCD15を制御するデバイスである。この表示コントローラ14によって生成される表示信号はLCD15に送られる。LCD15は、表示信号に基づいて映像を表示する。
【0024】
サウスブリッジ16は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス上及びLPC(Low Pin Count)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ16は、HDD21及びODD22を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラ、及びBIOS−ROM19をアクセス制御するメモリコントローラが内蔵されている。さらに、サウスブリッジ16は、サウンドコントローラ17及びLANコントローラ20との通信を実行する機能も有している。
【0025】
また、サウスブリッジ16は、映像コンテンツ再生プログラム13Bによる要求等に応じて、レンズユニット15B内の複数の領域がそれぞれ三次元映像表示モードと二次元映像表示モードのいずれか一方に設定されるように制御するための制御信号を、レンズユニット15Bに出力することができる。レンズユニット15Bは、サウスブリッジ16によって出力された制御信号に応じて、例えば、複数の領域それぞれに対応する液晶層内の部分の屈折率を変更することにより、その領域を三次元映像表示モードと二次元映像表示モードのいずれか一方に設定する。
【0026】
サウンドコントローラ17は音源デバイスであり、再生対象のオーディオデータをスピーカ18A,18Bに出力する。LANコントローラ20は、例えばEthernet(登録商標)規格の有線通信を実行する有線通信デバイスであり、無線LANコントローラ23は、例えばIEEE 802.11規格の無線通信を実行する無線通信デバイスである。また、USBコントローラ24は、例えばUSB2.0規格のケーブルを介して外部機器との通信を実行する。
【0027】
EC/KBC25は、電力管理を行うためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)26、及びポインティングデバイス27を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。このEC/KBC25は、ユーザの操作に応じて本コンピュータ1をパワーオン/パワーオフする機能を有している。
【0028】
TVチューナ30はテレビジョン(TV)放送信号によって放送される放送番組データを受信する受信装置であり、アンテナ端子30Aに接続されている。このTVチューナ30は、例えば、地上波デジタルTV放送のようなデジタル放送番組データを受信可能なデジタルTVチューナとして実現されている。また、TVチューナ30は、外部機器から入力されるビデオデータをキャプチャする機能も有している。
【0029】
図3は、映像コンテンツ再生プログラム13Bの機能構成の例を示すブロック図である。映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像コンテンツデータ61を三次元映像又は二次元映像として再生するための映像再生機能を有する。また、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像が再生されている期間内に表示される各種のメッセージを、ユーザが視認しやすいように表示するためのメッセージ表示制御機能も有する。
【0030】
映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像リード部51、映像処理部52、映像表示部53、2D/3D切替部54、イベント検出部55、メッセージ画像生成部56、領域選択部57、及びメッセージ表示部58を備える。映像リード部51、映像処理部52、映像表示部53、及び2D/3D切替部54は、映像再生機能を実現する。イベント検出部55、メッセージ画像生成部56、領域選択部57、メッセージ表示部58、及び2D/3D切替部54は、メッセージ表示制御機能を実現する。以下では、映像再生機能のための構成とメッセージ表示制御機能のための構成とを説明する。
【0031】
まず、映像再生機能のための構成について説明する。
映像リード部51は、例えば、DVDのような記憶メディアやHDD21のような記憶装置から、映像コンテンツデータ61を読み出す。なお、映像リード部51は、TVチューナ30やLANコントローラ20,23等を介して、映像コンテンツデータ61を受信してもよい。映像コンテンツデータ61は、二次元映像を表示するための二次元映像データ、又は三次元映像を表示するための三次元映像データを含む。これら映像データは、例えば、圧縮符号化された映像データ(例えば、MPEG)である。その場合、映像データは復号して用いられる。また、映像コンテンツデータ61は、各種のメタデータを含んでもよい。映像リード部51は、読み出した(受信した)映像コンテンツデータ61を映像処理部52に出力する。
【0032】
映像処理部52は、映像リード部51によって出力された映像コンテンツデータ61を用いて、映像データを生成する。具体的には、映像処理部52は、まず、映像が二次元映像表示モードと三次元映像表示モードのいずれで表示されるかを決定する。映像処理部52は、例えば、映像コンテンツデータ61に三次元映像データが含まれるとき、映像を三次元映像表示モードで表示することを決定する。また、映像処理部52は、例えば、ユーザによって指定された表示モードで映像を表示することを決定する。ユーザは、例えば、二次元映像表示モードと三次元映像表示モードのいずれかを選択するためのボタンを含む操作画面を用いて、映像表示モードを選択する。
【0033】
映像処理部52は、三次元映像表示モードで映像を表示することが決定され、且つ映像コンテンツデータ61に三次元映像データが含まれるとき、その三次元映像データを用いて、左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。映像処理部52は、眼間距離や観視距離等に基づく両眼視差を考慮して、左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。映像処理部52は、2D/3D切替部54に、3Dディスプレイ15内の映像表示領域を三次元映像表示モードに設定することを要求する。より具体的には、映像処理部52は、映像表示領域を示す情報(座標等)と、指定した領域(すなわち、映像表示領域)を三次元映像表示モードに設定することを示す情報とを2D/3D切替部54に出力する。映像表示領域は、例えば、映像コンテンツデータ61に基づく映像を表示するためのウィンドウ領域である。そして、映像処理部52は、生成した左眼用映像データと右眼用映像データとを映像表示部53に出力する。
【0034】
また、映像処理部52は、三次元映像表示モードで映像を表示することが決定され、且つ映像コンテンツデータ61に二次元映像データが含まれるとき、その二次元映像データに2Dto3D変換を施す。2Dto3D変換により、二次元映像内の各画像フレームに含まれる複数の画素に対応する複数の奥行き値が推定され、眼間距離や観視距離等に基づく両眼視差を考慮して、推定された複数の奥行き値に対応する複数の視差が算出される。つまり、画像フレームに含まれる複数の画素に対応する複数の視差が算出される。映像処理部52は、算出された視差に基づいて、左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。映像処理部52は、2D/3D切替部54に、3Dディスプレイ15内の映像表示領域を三次元映像表示モードに設定することを要求する。そして、映像処理部52は、生成した左眼用映像データと右眼用映像データとを映像表示部53に出力する。
【0035】
さらに、映像処理部52は、二次元映像表示モードで映像を表示することが決定され、且つ映像コンテンツデータ61に二次元映像データが含まれるとき、2D/3D切替部54に、3Dディスプレイ15内の映像表示領域を二次元映像表示モードに設定することを要求する。そして、映像処理部52は、二次元映像データを映像表示部53に出力する。
【0036】
2D/3D切替部54は、映像処理部52による要求に応じて、映像表示領域の映像表示モードを切り替える。具体的には、2D/3D切替部54は、映像処理部52によって出力された情報に基づいて、指定された領域を指定された映像表示モードに設定する。例えば、映像処理部52によって映像表示領域を三次元映像表示モードに設定することが要求され、且つ映像表示領域が二次元映像表示モードに設定されているとき、2D/3D切替部54は、映像表示領域を二次元映像表示モードから三次元映像表示モードに切り替える。また、映像処理部52によって二次元映像表示モードに設定することが要求され、且つ映像表示領域が三次元映像表示モードに設定されているとき、2D/3D切替部54は、映像表示領域を三次元映像表示モードから二次元映像表示モードに切り替える。三次元映像表示モードでは、レンズユニット15B内の映像表示領域に対応する部分が、三次元映像表示に必要なレンズ機能(屈折率)を有するように制御される。二次元映像表示モードでは、レンズユニット15B内の映像表示領域に対応する部分が、二次元映像表示に必要なレンズ機能を有するように(すなわち、二次元映像が偏光されることなくそのまま表示されるように)制御される。
【0037】
映像表示部53は、LCD15A内の映像表示領域に映像を表示する。具体的には、映像処理部52によって左眼用映像データと右眼用映像データとが出力されているとき、映像表示部53は、それら左眼用映像データと右眼用映像データとを用いて、左眼用映像と右眼用映像とをLCD15A内の映像表示領域に表示する。また、映像処理部52によって二次元映像データが出力されているとき、映像表示部53は、二次元映像データを用いて、二次元映像をLCD15A内の映像表示領域に表示する。
【0038】
以上の映像再生機能のための構成により、ユーザは、3Dディスプレイ15(映像表示領域)に表示された三次元映像又は二次元映像を観賞することができる。なお、3Dディスプレイ15に三次元映像が表示されるとき、LCD15A内の映像表示領域に表示された左眼用映像と右眼用映像とは、レンズユニット15B内の映像表示領域に対応する部分によって各画素の射出方向が制御される。これによりユーザは、映像を裸眼で立体的に知覚することができる。
【0039】
次いで、メッセージ表示制御機能のための構成について説明する。
イベント検出部55は、メッセージが表示されるイベントを検出する。換言すると、イベント検出部55は、メッセージを表示するための要求を受け取る。イベントは、例えば、映像コンテンツ再生プログラム13Bによるメッセージ(エラーやステータスを示すメッセージ、テロップ、クローズドキャプション等)を表示するためのイベント、映像コンテンツ再生プログラム13Bを操作するためのコントロールパネルを表示するイベントである。より具体的には、例えば、映像の再生中に、再生すべき映像に不具合(例えば、映像コンテンツデータ61のリード時のエラーや復号時のエラー等)があるとき、ユーザにエラーを通知するためのイベントが発生する。また、例えば、映像の再生中に、ユーザがコントロールパネル(例えば、映像の再生の開始、一時停止、早送り等を指示するため操作パネル)を表示するための操作を行ったとき、該コントロールパネルを表示するためのイベントが発生する。なお、イベントは、映像コンテンツ再生プログラム13Bによる処理に応じて発生するイベントだけでなく、OS13Aや各種のアプリケーションプログラムによる処理に応じて発生するイベントであってもよい。したがって上述のイベントには、例えば、OS13A又は各種アプリケーションプログラムの更新、メーラプログラムによる新規メールの受信、リムーバブルメディア/リムーバブルデバイスのコンピュータ1への接続等、画面15にメッセージが表示(通知)される各種のイベントが含まれ得る。
【0040】
イベント検出部55は、検出されたイベントに応じて、表示すべきメッセージ(メッセージデータ)32を決定する。メッセージデータ62は、上述のように、エラーやステータスを示すメッセージ、テロップ、クローズドキャプション、コントロールパネル等を表示するためのデータを含む。メッセージデータ62は、テキストデータだけでなく、ボタン、メニュー、アイコン等の画像データを含んでもよい。イベント検出部55は、例えば、検出されたイベントに対応するメッセージデータ62をHDD21等の記憶装置から読み出すことにより、表示すべきメッセージを決定する。また、イベント検出部55は、例えば、イベントの発生に伴って、OS13Aや各種のアプリケーションプログラムによって読み出されたメッセージデータ62を検出することにより、表示すべきメッセージを決定する。イベント検出部55は、メッセージデータ62をメッセージ画像生成部56に出力する。
【0041】
メッセージ画像生成部56は、イベント検出部55によって出力されたメッセージデータ62を用いて、メッセージ画像を生成する。メッセージ画像は、例えば、ユーザに通知するメッセージを含むウィンドウ(ダイアログ)である。また、メッセージ画像は、例えば、映像コンテンツ再生プログラム13Bを操作するためのコントロールパネルである。メッセージ画像生成部56は、生成したメッセージ画像を領域選択部57に出力する。
【0042】
領域選択部57は、候補領域情報63に示される1以上のメッセージ表示候補領域から、メッセージ画像を表示するための領域を選択する。領域選択部57は、候補領域算出部57Aと候補領域判定部57Bとを備える。
【0043】
候補領域算出部57Aは、HDD21等の記憶装置に格納された候補領域情報63を用いて、現在の映像表示領域の座標(すなわち、位置及びサイズ)に応じたメッセージ表示候補領域(以下、候補領域とも云う)を算出する。
【0044】
図4は候補領域情報63の一構成例を示す。候補領域情報63は、1以上のメッセージ表示候補領域に対応する1以上のエントリを含む。各エントリは、例えば、優先順位、領域情報を含む。あるメッセージ表示候補領域に対応するエントリにおいて、「優先順位」は、その候補領域を優先的に使用する順位を示す。例えば、「優先順位」に設定された値が小さい候補領域ほど、優先的に使用される。そして例えば、「優先順位」に設定された値が小さい方から順に、その候補領域にメッセージを表示するか否かが判定される。「領域情報」は、その候補領域の座標を決定するための情報を示す。「領域情報」は、例えば、映像表示領域に対する相対的な位置を表す。したがって、「領域情報」に設定された情報と映像表示領域の座標とを用いて、候補領域の座標が算出される。
【0045】
各エントリの「領域情報」には、例えば、映像を観賞しているユーザがメッセージを視認しやすい領域が規定される。そして、より視認しやすいと想定される領域ほど、そのエントリの「優先順位」が高く設定される。ユーザが視認しやすい領域は、例えば、映像の観賞の妨げとなりにくく、且つ映像表示領域に近い領域である。
【0046】
例えば、図4に示す「優先順位」が“1”である候補領域情報63Aでは、図5及び図6に示す画面例のように、映像表示領域40内の下部に候補領域A41が設けられる。候補領域情報63Aの「領域情報」は、映像表示領域40の左上の頂点を原点とし、水平方向の右向きを正とし、垂直方向の下向きを正とする座標系における、映像表示領域40の幅と高さに対する割合(%)を示している。したがって、候補領域A41は、映像表示領域40の幅の内の40%から60%まで、且つ映像表示領域40の高さの内の75%から85%までの領域である。
【0047】
「優先順位」が“2”である候補領域情報63Bでは、映像表示領域40に隣接する下側に候補領域B42が設けられる。候補領域B42は、画面15の高さの10%の高さを有する。また、「優先順位」が“3”である候補領域情報63Cでは、映像表示領域40に隣接する左側に候補領域C43が設けられる。候補領域C43は、画面15の幅の15%の幅を有する。他の候補領域情報63D,33Eに対しても、同様に候補領域が設けられる。
【0048】
候補領域算出部57Aは、候補領域情報63に含まれる1以上のエントリを、「優先順位」に従って読み出す。つまり、候補領域算出部57Aは、優先順位が高いエントリから低いエントリの順に、1エントリずつ読み出す。そして、候補領域算出部57Aは、読み出されたエントリに示される「領域情報」と、映像表示領域40の座標とに基づいて、候補領域を示すディスプレイ15上の座標を算出する。候補領域を示す座標は、例えば矩形を表す4つの頂点を示す4つの座標(例えば、(500,700),(600,700),(600,720),(500,720))を含む。候補領域算出部57Aは、算出された候補領域を示す座標を候補領域判定部57Bに出力する。
【0049】
候補領域判定部57Bは、候補領域算出部57Aによって出力された候補領域を示す座標と、その候補領域に設定されている表示モードとに基づいて、当該候補領域にメッセージ画像を表示するか否かを判定する。候補領域判定部57Bは、例えば、候補領域が画面15内に収まっており、且つ候補領域内が二次元映像表示モードに設定されているとき、その候補領域を、メッセージ画像を表示するための二次元映像領域(以下、メッセージ表示領域とも称する)に用いることを決定する。また、候補領域判定部57Bは、候補領域が画面15内に収まっており、候補領域内が二次元映像表示モードに設定され、且つメッセージ画像が候補領域内に収まるとき、その候補領域をメッセージ表示領域に用いることを決定してもよい。
【0050】
より具体的には、候補領域判定部57Bは、まず、候補領域が画面15内に収まっているか否かを判定する。候補領域が画面15内に収まっているとき、候補領域判定部57Bは、候補領域内が二次元映像表示モードに設定されているか否かを判定する。候補領域内が二次元映像表示モードに設定されているとき、候補領域判定部57Bは、その候補領域をメッセージ表示領域に決定する。そして、候補領域判定部57Bは、決定されたメッセージ表示領域を示す情報(座標等)とメッセージ画像とをメッセージ表示部58に出力する。
【0051】
候補領域が画面15内に収まっていないとき、候補領域判定部57Bは、候補領域算出部57Aに、次の候補領域を算出すること(すなわち、後続する優先順位を有する候補領域を算出すること)を要求する。
【0052】
また、候補領域が画面15内に収まっており、且つ候補領域内が三次元映像表示モードに設定されているとき、候補領域判定部57Bは、仮のメッセージ表示領域情報34が格納されているか否かを判定する。この仮のメッセージ表示領域情報34は、例えば、主メモリ13内に格納され、イベント検出部55によってイベントが検出される毎に(すなわち、新たなメッセージが表示される毎に)初期化(リセット)される。仮のメッセージ表示領域情報34が格納されていないとき、候補領域判定部57Bは、候補領域を示す情報を仮のメッセージ表示領域情報34として格納(保存)する。そして、候補領域判定部57Bは、候補領域算出部57Aに、次の候補領域を算出することを要求する。したがって、仮のメッセージ表示領域情報34には、全ての候補領域の内、画面15内に収まっており、且つ三次元映像表示モードに設定されている候補領域の内の優先順位が最も高い候補領域が保存される。保存された仮のメッセージ表示領域情報34により、全ての候補領域が、画面15内に収まっていないことと三次元映像表示モードに設定されていることの少なくとも一方に該当するときでも、保存された仮のメッセージ候補領域を二次元映像表示モードに切り替えて、その候補領域をメッセージ表示領域として用いることができる。つまり、仮のメッセージ候補領域を用いて、メッセージを表示するための、二次元映像表示モードのメッセージ表示領域が作成される。
【0053】
また、候補領域算出部57Aは、候補領域判定部57Bによって次の候補領域の算出が要求されたとき、候補領域情報63を参照して、未処理の候補領域(すなわち、未処理のエントリ)があるか否かを判定する。例えば、候補領域算出部57Aは、「優先順位」が “1”であるエントリに対する判定が完了したとき、「優先順位」が“2”であるエントリが候補領域情報63に含まれているか否かを判定する。未処理のエントリがある場合、候補領域算出部57Aは、候補領域を算出し、算出された候補領域を候補領域判定部57Bに出力する。そして、候補領域判定部57Bは、上述の通り、その候補領域にメッセージ画像を表示するか否かを判定する。つまり、候補領域情報63に未処理のエントリが含まれている間、候補領域算出部57Aによって候補領域を算出する処理と、候補領域判定部57Bによってその算出された候補領域にメッセージを表示するか否かを判定する処理とが、メッセージ表示領域が決定されるまで繰り返し実行される。
【0054】
一方、未処理のエントリがない場合、候補領域算出部57Aは、さらなる候補領域がないことを候補領域判定部57Bに通知する。
候補領域判定部57Bは、候補領域算出部57Aによる通知に応じて、仮のメッセージ表示領域を示す情報34をメモリ13から読み出す。候補領域判定部57Bは、その仮のメッセージ表示領域64をメッセージ表示領域に決定する。すなわち、画面15内に収まっており、且つ三次元映像表示モードに設定されている候補領域がメッセージ表示領域に決定される。そして、候補領域判定部57Bは、決定されたメッセージ表示領域を二次元映像表示モードに設定することを2D/3D切替部54に要求する。より具体的には、候補領域判定部57Bは、メッセージ表示領域を示す情報(座標等)と、指定した領域(すなわち、メッセージ表示領域)を二次元映像表示モードに設定することを示す情報とを2D/3D切替部54に出力する。また、候補領域判定部57Bは、決定されたメッセージ表示領域を示す情報(座標等)とメッセージ画像とをメッセージ表示部58に出力する。
【0055】
2D/3D切替部54は、候補領域判定部57Bによる要求に応じて、メッセージ表示領域の映像表示モードを切り替える。具体的には、2D/3D切替部54は、候補領域判定部57Bによって出力された情報に基づいて、指定された領域を指定された表示モードに設定する。例えば、候補領域判定部57Bによってメッセージ表示領域を二次元映像表示モードに設定することが要求されているとき、2D/3D切替部54は、メッセージ表示領域を三次元映像表示モードから二次元映像表示モードに切り替える。また、例えば、候補領域判定部57Bによってメッセージ表示領域を三次元映像表示モードに設定することが要求されているとき、2D/3D切替部54は、メッセージ表示領域を二次元映像表示モードから三次元映像表示モードに切り替える。
【0056】
メッセージ表示部58は、候補領域判定部57Bによって出力された情報を用いて、LCD15内のメッセージ表示領域にメッセージ画像を表示する。
【0057】
以上のメッセージ表示制御機能のための構成により、ユーザは、3Dディスプレイ15(メッセージ表示領域)に表示された二次元映像によるメッセージを視認することができる。メッセージは、映像表示領域40の座標や表示モードに応じて決定されるメッセージ表示領域に表示され、例えば、三次元映像が表示される映像表示領域40に近い領域や、映像表示領域40内の一部の領域に表示される。これにより、ユーザは、三次元映像の観賞を妨げにくく、且つ目につきやすい位置で、メッセージを確認することができる。
【0058】
なお、2D/3D切替部54は、表示されたメッセージが消されたとき(例えば、メッセージのウィンドウが閉じられたとき)、メッセージ表示領域の表示モードを、メッセージを表示する前のモードに戻してもよい。例えば、メッセージを表示するために三次元映像表示モードから二次元映像表示モードに切り替えられていたとき、2D/3D切替部54は、メッセージ表示領域の表示モードを二次元映像表示モードから三次元映像表示モードに切り替える。
【0059】
また、候補領域判定部57Bは、映像表示領域40に二次元映像と三次元映像のいずれの映像が表示されているかに応じて、メッセージ表示領域を決定してもよい。例えば、映像表示領域40に二次元映像が表示されているとき(ユーザが二次元映像を観賞しているとき)には、画面15全体が二次元映像表示モードに設定されていることが想定される。そのため、映像表示領域40に二次元映像が表示されているとき、候補領域判定部57Bは、候補領域算出部57Aによって算出された最初の候補領域(例えば、優先順位が“1”である候補領域)を、上述の判定を行うことなくメッセージ表示領域に決定することができる。つまり、候補領域判定部57Bは、映像表示領域40に二次元映像と三次元映像のいずれの映像が表示されているかを判定することにより、判定処理を省略し、処理量を低減できる可能性がある。
【0060】
図5から図8は、メッセージが表示される画面の例を示す。
図5及び図6に示す例では、画面(3Dディスプレイ)15内に映像表示領域40が設けられている。映像表示領域40は三次元映像表示モードに設定されている(すなわち、映像表示領域40には三次元映像が表示されている)。また、画面15内の映像表示領域40を除く領域49は、二次元映像表示モードに設定されている(すなわち、画面15内の映像表示領域40を除く領域49には二次元映像が表示されている)。
【0061】
図5に示す例では、映像表示領域40の座標と候補領域情報63とに基づいて、3つのメッセージ表示候補領域41,42,43が設けられることを想定する。
候補領域判定部57Bは、まず、優先順位が“1”である候補領域A41が、画面151内に収まっていて、三次元映像表示モードに設定されているので、仮のメッセージ表示領域64として保存する。次いで、候補領域判定部57Bは、優先順位が“2”である候補領域B42が、画面151内に収まっており、且つ二次元映像表示モードに設定されているので、メッセージ表示領域に決定する。したがって、画面152に示すように、映像表示部53は映像表示領域40に三次元映像(左眼用映像及び右眼用映像)40Aを表示し、メッセージ表示部58は候補領域B42にメッセージ42Aを表示する。
【0062】
また、図6に示す例でも、映像表示領域40の座標と候補領域情報63とに基づいて、3つのメッセージ表示候補領域41,42,43が設けられることを想定する。
候補領域判定部57Bは、まず、優先順位が“1”である候補領域A41が、画面153内に収まっていて、三次元映像表示モードに設定されているので、仮のメッセージ表示領域64として保存する。次いで、候補領域判定部57Bは、優先順位が“2”である候補領域B42が画面153内に収まっていないので、候補から除外する。同様に、候補領域判定部57Bは、優先順位が“3”である候補領域C43も画面153内に収まっていないので、候補から除外する。そして、候補領域判定部57Bは、全ての候補領域に対する判定が完了したため、仮のメッセージ表示領域64として保存されている候補領域A41をメッセージ表示領域に決定し、2D/3D切替部54に対して、候補領域A41を二次元映像表示モードに切り替えることを要求する。2D/3D切替部54は、この要求に応じて、候補領域A41を二次元映像表示モードに切り替える。したがって、画面154に示すように、映像表示部53は映像表示領域40に三次元映像(左眼用映像及び右眼用映像)40Aを表示し、メッセージ表示部58は候補領域A41にメッセージ41Aを表示する。
【0063】
図7及び図8に示す例では、画面15全体に映像表示領域40が設けられている。この映像表示領域40は三次元映像表示モードに設定されている。
【0064】
図7に示す例では、映像表示領域40の座標と候補領域情報63とに基づくメッセージ表示候補領域41が、画面155の下部に設けられることを想定する。
候補領域判定部57Bは、まず、優先順位が“1”である候補領域41が、画面155内に収まっていて、三次元映像表示モードに設定されているので、仮のメッセージ表示領域64として保存する。そして、候補領域判定部57Bは、全ての候補領域に対する判定が完了したため、仮のメッセージ表示領域64として保存されている候補領域41をメッセージ表示領域に決定し、2D/3D切替部54に対して、候補領域41を二次元映像表示モードに切り替えることを要求する。2D/3D切替部54は、この要求に応じて、候補領域41を二次元映像表示モードに切り替える。したがって、画面156に示すように、映像表示部53は映像表示領域40に三次元映像(左眼用映像及び右眼用映像)40Aを表示し、メッセージ表示部58は候補領域(メッセージ表示領域)41にメッセージ41Aを表示する。なお、映像表示部53は、メッセージ表示領域41によって映像表示領域40が狭くなったことに応じて、三次元映像をスケーリングしたり、三次元映像の一部を切り出して表示してもよい。
【0065】
また、図8に示す画面157,158のように、メッセージ表示候補領域41を、画面157の下端や上端に限らず、映像表示領域40を分断する位置に設けてもよい。画面158に示すように、映像表示部53は映像表示領域40に三次元映像(左眼用映像及び右眼用映像)40Aを表示し、メッセージ表示部58は候補領域(メッセージ表示領域)41にメッセージ41Aを表示する。なお、映像表示部53は、メッセージ表示領域41によって映像表示領域40が分断されたことに応じて、三次元映像の一部を切り出して表示してもよい。
【0066】
次いで、図9のフローチャートを参照して、映像再生処理の手順の例について説明する。映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像コンテンツデータ61を用いて、三次元映像又は二次元映像を映像表示領域40に表示する。
【0067】
まず、映像リード部51は、例えばHDD21のような記憶装置から映像コンテンツデータ61を読み出す(ブロックB101)。映像コンテンツデータ61は、二次元映像データ又は三次元映像データを含む。映像リード部51は、読み出された映像コンテンツデータ61を映像処理部52に出力する。
【0068】
次いで、映像処理部52は、映像リード部51によって出力された映像コンテンツデータ61が三次元映像として再生されるか否かを判定する(ブロックB102)。例えば映像コンテンツデータ61が三次元映像データを含むとき、映像処理部52は映像コンテンツデータ61が三次元映像として再生されると判定する。また、例えばユーザによって映像コンテンツデータ61を三次元映像として再生することが指示されているとき、映像処理部52は、映像コンテンツデータ61が三次元映像として再生されると判定する。
【0069】
映像コンテンツデータ61が三次元映像として再生されると判定されたとき(ブロックB102のYES)、映像処理部52は、映像コンテンツデータ61を用いて左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する(ブロックB103)。具体的には、映像コンテンツデータ61が三次元映像データを含む場合、映像処理部52は、その三次元映像データを用いて左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。また、映像コンテンツデータ61が二次元映像データを含む場合、映像処理部52は、その二次元映像データに2Dto3D変換を施すことにより、左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。
【0070】
そして、2D/3D切替部54は、左眼用映像データと右眼用映像データとが表示される映像表示領域40が三次元映像表示モードに設定されているか否かを判定する(ブロックB104)。映像表示領域40が三次元映像表示モードに設定されているとき(ブロックB104のYES)、映像表示部53は、左眼用映像データと右眼用映像データとを用いて、映像表示領域40に左眼用映像と右眼用映像とを表示する(ブロックB106)。
【0071】
また、映像表示領域40が三次元映像表示モードに設定されていないとき(ブロックB104のNO)、すなわち、二次元映像表示モードに設定されているとき、2D/3D切替部54は、映像表示領域40(映像表示領域40に対応するレンズユニット15B内の部分)を二次元映像表示モードから三次元映像表示モードに切り替える(ブロックB105)。そして、映像表示部53は、左眼用映像データと右眼用映像データとを用いて、映像表示領域40に左眼用映像と右眼用映像とを表示する(ブロックB106)。
【0072】
一方、映像コンテンツデータ61が三次元映像として再生されないと判定されたとき(ブロックB102のNO)、すなわち、二次元映像として再生されると判定されたとき、映像処理部52は、映像コンテンツデータ61を用いて二次元映像データを生成する(ブロックB107)。そして、2D/3D切替部54は、映像表示領域40が二次元映像表示モードに設定されているか否かを判定する(ブロックB108)。映像表示領域40が二次元映像表示モードに設定されているとき(ブロックB108のYES)、映像表示部53は、二次元映像データを用いて、映像表示領域40に二次元映像を表示する(ブロックB109)。
【0073】
また、映像表示領域40が二次元映像表示モードに設定されていないとき(ブロックB108のNO)、すなわち、三次元映像表示モードに設定されているとき、2D/3D切替部54は、映像表示領域40を三次元映像表示モードから二次元映像表示モードに切り替える(ブロックB109)。そして、映像表示部53は、二次元映像データを用いて、映像表示領域40に二次元映像を表示する(ブロックB110)。
【0074】
以上の処理により、映像コンテンツデータ61を用いて、映像表示領域40に二次元映像又は三次元映像が表示される。映像コンテンツデータ61は、フレーム毎に順次再生される。そして、映像表示領域40に二次元映像又は三次元映像が表示されている間に、画面上に各種のメッセージが表示されるとき、そのメッセージの表示が制御される。
【0075】
図10は、メッセージ表示制御処理の手順の例を示すフローチャートである。
まず、イベント検出部55は、メッセージを表示するためのイベントが検出されたか否かを判定する(ブロックB201)。メッセージを表示するためのイベントが検出されたとき(ブロックB201のYES)、候補領域情報63に示される1以上のメッセージ表示候補領域の内、未処理のメッセージ表示候補領域があるか否かを判定する(ブロックB202)。候補領域情報63に示される1以上のメッセージ表示候補領域は、候補領域情報63に含まれる候補領域の優先順位に従って処理される。つまり、優先順位が高い候補領域から順に処理対象の候補領域に設定される。したがって例えば、未処理の候補領域として最初に処理が施される候補領域は、優先順位が“1”である候補領域である。
【0076】
未処理の候補領域があるとき(ブロックB202のYES)、候補領域算出部57Aは、映像表示領域40の座標と候補領域情報63とに基づき、その未処理の候補領域を示す座標を算出する(ブロックB203)。そして、候補領域判定部57Bは、算出された候補領域を示す座標が画面15内に収まっているか否かを判定する(ブロックB204)。算出された候補領域を示す座標が画面内に収まっていない場合(ブロックB204のNO)、ブロックB202に戻り、別の未処理の候補領域に対して処理を施す。
【0077】
また、算出された候補領域を示す座標が画面内に収まっている場合(ブロックB204のYES)、候補領域判定部57Bは、仮のメッセージ表示領域64が未登録であるか否かを判定する(ブロックB205)。仮のメッセージ表示領域64が未登録である場合(ブロックB205のYES)、算出された候補領域を仮のメッセージ表示領域64として登録し(ブロックB206)、ブロックB207に進む。仮のメッセージ表示領域64が未登録でない場合(ブロックB205のNO)、ブロックB207に進む。この仮のメッセージ表示領域64には、例えば、座標が画面15内に収まっている候補領域の内の最も優先順位が高い候補領域が設定される。
【0078】
次いで、ブロックB203で算出された候補領域が二次元映像表示モードに設定されているか否かを判定する(ブロックB207)。算出された候補領域が二次元映像表示モードに設定されているとき(ブロックB207のYES)、候補領域判定部57Bは、当該候補領域をメッセージ表示領域に決定する(ブロックB208)。そして、メッセージ表示部58は、メッセージ表示領域にメッセージを表示する(ブロックB209)。一方、算出された候補領域が二次元映像表示モードに設定されていないとき(ブロックB207のNO)、ブロックB202に戻り、別の未処理の候補領域に対して処理を施す。
【0079】
また、未処理のメッセージ表示候補領域がない場合(ブロックB202のNO)、候補領域判定部57Bは、仮のメッセージ表示領域をメッセージ表示領域に決定する(ブロックB210)。そして、2D/3D切替部54は、ブロックB206で登録された仮のメッセージ表示領域を三次元映像表示モードから二次元映像表示モードに切り替える(ブロックB211)。なお、2D/3D切替部54は、メッセージ表示領域の内、メッセージを表示するために必要な領域(例えば、メッセージに対応するサイズの領域、メッセージに対応するサイズに所定のマージンを加えた領域等)だけを二次元映像表示モードに切り替えてもよい。メッセージ表示部58は、決定されたメッセージ表示領域にメッセージを表示する(ブロックB212)。そして、2D/3D切替部54は、メッセージが消えたとき、メッセージ表示領域を二次元映像表示モードから三次元映像表示モードに切り替える(ブロックB213)。これにより、メッセージ表示領域の表示モードが、元の三次元映像表示モードに戻される。
【0080】
以上の処理により、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、ユーザに提示される、二次元映像によるメッセージの表示を制御することができる。メッセージは、映像表示領域40の位置及びサイズや表示モードに応じて決定されるメッセージ表示領域に表示され、例えば、三次元映像が表示される映像表示領域40に近い領域や、映像表示領域40内の一部の領域に表示される。これにより、ユーザは、三次元映像の観賞を妨げにくく、且つ視認しやすい位置で、メッセージを確認することができる。
【0081】
次いで、図11は、第2実施形態に係る電子機器によって実行される映像コンテンツ再生プログラム13Cの機能構成の例を示すブロック図である。第2実施形態の電子機器は、第1実施形態において図1及び図2を参照して説明した電子機器1と同様の構成を有する。すなわち、電子機器1のCPU11は、HDD21から主メモリ13にロードされる、映像コンテンツ再生プログラム13Cを実行する。また、電子機器1の3Dディスプレイ15は、画面内に設定された、任意の位置及びサイズを有する複数の領域それぞれを、三次元映像表示モードと二次元映像表示モードのいずれか一方に設定できる。
【0082】
映像コンテンツ再生プログラム13Cは、映像コンテンツデータ81を三次元映像又は二次元映像として再生するための映像再生機能を有する。また、映像コンテンツ再生プログラム13Cは、映像が再生されている期間内に表示される各種のメニューを、ユーザが視認しやすいように表示するためのメニュー表示制御機能も有する。
【0083】
映像コンテンツ再生プログラム13Cは、映像リード部71、映像処理部72、映像表示部73、2D/3D切替部74、イベント検出部75、メニュー画像生成部76、領域選択部77、及びメニュー表示部78を備える。映像リード部71、映像処理部72、映像表示部73、及び2D/3D切替部74は、映像再生機能を実現する。イベント検出部75、メニュー画像生成部76、領域選択部77、メニュー表示部78、及び2D/3D切替部74は、メニュー表示制御機能を実現する。以下では、映像再生機能のための構成とメニュー表示制御機能のための構成とを説明する。
【0084】
まず、映像再生機能のための構成について説明する。映像は、例えば、図12に示すように、ウィンドウ161内に設けられた映像表示領域91Aに表示される。このウィンドウ161は、画面(ディスプレイ)15上に表示される所定の矩形領域であり、画面全体に表示(全画面表示)されてもよい。
【0085】
映像リード部71は、例えば、DVDのような記憶メディアやHDD21のような記憶装置から、映像コンテンツデータ81を読み出す。なお、映像リード部71は、TVチューナ30やLANコントローラ20,23等を介して、映像コンテンツデータ81を受信してもよい。映像コンテンツデータ81は、二次元映像を表示するための二次元映像データ、又は三次元映像を表示するための三次元映像データを含む。これら映像データは、例えば、圧縮符号化された映像データ(例えば、MPEG)である。その場合、映像データは復号して用いられる。また、映像コンテンツデータ81は、各種のメタデータを含んでもよい。映像リード部71は、読み出した(受信した)映像コンテンツデータ81を映像処理部72に出力する。
【0086】
映像処理部72は、映像リード部71によって出力された映像コンテンツデータ81を用いて、映像データを生成する。具体的には、映像処理部72は、まず、映像が二次元映像表示モードと三次元映像表示モードのいずれで表示されるかを決定する。映像処理部72は、例えば、映像コンテンツデータ81に三次元映像データが含まれるとき、映像を三次元映像表示モードで表示することを決定する。また、映像処理部72は、例えば、ユーザによって指定された表示モードで映像を表示することを決定する。ユーザは、例えば、二次元映像表示モードと三次元映像表示モードのいずれかを選択するためのボタンを含む操作画面を用いて、映像表示モードを選択する。
【0087】
映像処理部72は、三次元映像表示モードで映像を表示することが決定され、且つ映像コンテンツデータ81に三次元映像データが含まれるとき、その三次元映像データを用いて、左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。映像処理部72は、眼間距離や観視距離等に基づく両眼視差を考慮して、左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。映像処理部72は、2D/3D切替部74に、3Dディスプレイ15内の映像表示領域91Aを三次元映像表示モードに設定することを要求する。より具体的には、映像処理部72は、映像表示領域91Aを示す情報(座標等)と、指定した領域(すなわち、映像表示領域91A)を三次元映像表示モードに設定することを示す情報とを2D/3D切替部74に出力する。映像表示領域91Aは、例えば、映像コンテンツデータ81に基づく映像を表示するためのウィンドウ内の領域である。そして、映像処理部72は、生成した左眼用映像データと右眼用映像データとを映像表示部73に出力する。
【0088】
また、映像処理部72は、三次元映像表示モードで映像を表示することが決定され、且つ映像コンテンツデータ81に二次元映像データが含まれるとき、その二次元映像データに2Dto3D変換を施す。2Dto3D変換により、二次元映像内の各画像フレームに含まれる複数の画素に対応する複数の奥行き値が推定され、眼間距離や観視距離等に基づく両眼視差を考慮して、推定された複数の奥行き値に対応する複数の視差が算出される。つまり、画像フレームに含まれる複数の画素に対応する複数の視差が算出される。映像処理部72は、算出された視差に基づいて、左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。映像処理部72は、2D/3D切替部74に、3Dディスプレイ15内の映像表示領域91Aを三次元映像表示モードに設定することを要求する。そして、映像処理部72は、生成した左眼用映像データと右眼用映像データとを映像表示部73に出力する。
【0089】
さらに、映像処理部72は、二次元映像表示モードで映像を表示することが決定され、且つ映像コンテンツデータ81に二次元映像データが含まれるとき、2D/3D切替部74に、3Dディスプレイ15内の映像表示領域91Aを二次元映像表示モードに設定することを要求する。そして、映像処理部72は、二次元映像データを映像表示部73に出力する。
【0090】
2D/3D切替部74は、映像処理部72による要求に応じて、映像表示領域91Aの映像表示モードを切り替える。具体的には、2D/3D切替部74は、映像処理部72によって出力された情報に基づいて、指定された領域を指定された映像表示モードに設定する。例えば、映像処理部72によって映像表示領域91Aを三次元映像表示モードに設定することが要求され、且つ映像表示領域91Aが二次元映像表示モードに設定されているとき、2D/3D切替部74は、映像表示領域91Aを二次元映像表示モードから三次元映像表示モードに切り替える。また、映像処理部72によって二次元映像表示モードに設定することが要求され、且つ映像表示領域91Aが三次元映像表示モードに設定されているとき、2D/3D切替部74は、映像表示領域91Aを三次元映像表示モードから二次元映像表示モードに切り替える。三次元映像表示モードでは、レンズユニット15B内の映像表示領域91Aに対応する部分が、三次元映像表示に必要なレンズ機能(屈折率)を有するように制御される。二次元映像表示モードでは、レンズユニット15B内の映像表示領域91Aに対応する部分が、二次元映像表示に必要なレンズ機能を有するように(すなわち、二次元映像が偏光されることなくそのまま表示されるように)制御される。
【0091】
映像表示部73は、LCD15A内の映像表示領域91Aに映像を表示する。具体的には、映像処理部72によって左眼用映像データと右眼用映像データとが出力されているとき、映像表示部73は、それら左眼用映像データと右眼用映像データとを用いて、左眼用映像と右眼用映像とをLCD15A内の映像表示領域91Aに表示する。また、映像処理部72によって二次元映像データが出力されているとき、映像表示部73は、二次元映像データを用いて、二次元映像をLCD15A内の映像表示領域91Aに表示する。
【0092】
以上の映像再生機能のための構成により、ユーザは、3Dディスプレイ15(映像表示領域91A)に表示された三次元映像又は二次元映像を観賞することができる。なお、3Dディスプレイ15に三次元映像が表示されるとき、LCD15A内の映像表示領域91Aに表示された左眼用映像と右眼用映像とは、レンズユニット15B内の映像表示領域91Aに対応する部分によって各画素の射出方向が制御される。これによりユーザは、映像を裸眼で立体的に知覚することができる。
【0093】
次いで、メニュー表示制御機能のための構成について説明する。なお以下では、説明を容易にするため、ウィンドウ161内の映像表示領域91Aに三次元映像が表示されていることを想定する。また、このメニュー表示機能によって表示されるメニューは二次元映像であることを想定する。
【0094】
イベント検出部75は、ユーザによる操作情報82に基づいて、各種のメニューを表示するためのイベントを検出する。換言すると、イベント検出部75は、メニューを表示するための要求を受け取る。ユーザによる操作情報82は、例えば、OS13Aによって出力される。
【0095】
イベントは、例えば、映像コンテンツ再生プログラム13Cを操作するためのメニューを表示するイベントである。より具体的には、例えば、映像の再生中に、ユーザがコントロールメニューを表示するための操作を行ったとき、該コントロールメニューを表示するためのイベントが発生する。コントロールメニューを表示するための操作は、例えば所定の領域内でのマウスオーバー操作である。例えば図12に示すように、ウィンドウ161には、マウスオーバー操作が検出されるマウスオーバー検出領域91Fが設けられる。マウスオーバー検出領域91Fでは、例えば、マウスやタッチパッド27、タッチパネル等を用いて指示された位置を示すカーソル(マウスカーソル)が、この領域91F内に入ったことが検出されることにより、イベントが発生する。また、例えば図13に示すように、コントロールメニュー91Cは、映像表示領域91Aに隣接する下部に表示される。コントロールメニュー91Cは、映像の再生を制御するための各種のボタンや、再生の状態(例えば、再生位置、音量等)を示す表示エリア等を含む。ユーザは、コントロールメニュー91C上のボタンを用いて、映像の再生の開始、停止、一時停止、早送り、巻戻し、スキップ、リプレイ、スロー再生等を指示することができる。
【0096】
また、例えば、映像の再生中に、ユーザがトップメニューを表示するための操作を行ったとき、該トップメニューを表示するためのイベントが発生する。トップメニューを表示するための操作は、例えば所定のボタンを押す操作である。例えば図14に示すように、トップメニュー91Dは、映像表示領域91Aに隣接する上部に表示される。トップメニュー91Dは、映像の再生形態を制御するための各種のボタン等を含む。ユーザは、トップメニュー91D上のボタンを用いて、例えば、二次元映像再生/三次元映像再生の切り替え、繰り返し再生等を指示することができる。
【0097】
さらに、例えば、ユーザが映像コンテンツ再生プログラム13Cを起動するための操作を行ったとき、タイトルバーを表示するためのイベントが発生する。例えば図12に示すように、タイトルバー91Bは、ウィンドウ161内の最上部に表示される。タイトルバー91Bは、アプリケーションの名称等を示すテキストやウィンドウを操作するための各種のボタンを含む。例えば、タイトルバー91Bには、ウィンドウを閉じるためのボタン、ウィンドウを最大化するためのボタン、ウィンドウを最小化するためのボタン、設定画面を表示するためのボタン、ヘルプを表示するためのボタン、ウィンドウ内にトップメニューを表示するためのボタン(トップメニュー表示ボタン)91E等が設けられる。
【0098】
イベント検出部75は、検出されたイベントに応じて、表示すべきメニュー(メニューデータ)83を決定する。メニューデータ83は、上述のコントロールメニュー91Cやトップメニュー91D、タイトルバー91B等の各種のメニューを表示するためのデータを含む。メニューデータ83は、テキストデータだけでなく、ボタン、アイコン、スライダー、リスト等の画像データを含んでもよい。イベント検出部75は、例えば、検出されたイベントに対応するメニューデータ83をHDD21等の記憶装置から読み出すことにより、表示すべきメニューを決定する。また、イベント検出部75は、例えば、イベントの発生に伴って、OS13Aや各種のアプリケーションプログラムによって読み出されたメニューデータ83を検出することにより、表示すべきメニューを決定する。イベント検出部75は、メニューデータ83をメニュー画像生成部76に出力する。
【0099】
なお、イベント検出部75は、表示されているメニューを非表示にするためのイベントを検出してもよい。このイベントは、例えば、メニューが表示された後に、操作が行われないまま所定の期間(例えば、5秒)が経過したことにより発生するイベントや、メニューが表示された後に、そのメニューを非表示にするためのボタンが押されたことにより発生するイベント、メニューが表示された後に所定の領域がクリックされたことにより発生するイベント等である。そのようなイベントが検出されたことによって、表示されているメニューが非表示にされる(隠される)。
【0100】
メニュー画像生成部76は、イベント検出部75によって出力されたメニューデータ83を用いて、メニュー画像を生成する。メニュー画像は、例えば、映像コンテンツ再生プログラム13Cを操作するためのコントロールパネル(例えば、コントロールメニュー91C、トップメニュー91D、タイトルバー91B)である。メニュー画像生成部76は、生成したメニュー画像を領域選択部77に出力する。
【0101】
領域選択部77は、候補領域情報84に示される1以上のメニュー表示候補領域から、メニュー画像を表示するための領域を選択する。領域選択部77は、候補領域算出部77Aと候補領域判定部77Bとを備える。
【0102】
候補領域算出部77Aは、HDD21等の記憶装置に格納された候補領域情報84を用いて、現在の映像表示領域の座標(すなわち、位置及びサイズ)に応じたメニュー表示候補領域(以下、候補領域とも云う)を算出する。
【0103】
候補領域算出部77Aは、候補領域情報63に含まれる1以上のエントリの内、メニューの種類に応じたエントリを選択し、読み出す。例えば、候補領域情報63は、コントロールメニュー91C、トップメニュー91D、タイトルバー91Bに対応する複数のエントリを含む。各エントリは、例えば、メニュー名、領域情報を含む。あるメニューに対応するエントリにおいて、「メニュー名」は、その候補領域が用いられるべきメニューの名称(例えば、“コントロールメニュー”)を示す。「領域情報」は、その候補領域の座標を決定するための情報を示す。「領域情報」は、例えば、映像表示領域91Aに対する相対的な位置を表す。したがって、「領域情報」に設定された情報と映像表示領域の座標とを用いて、候補領域の座標が算出される。
【0104】
候補領域算出部77Aは、読み出されたエントリに示される「領域情報」と、映像表示領域(三次元映像表示領域)91Aの座標とに基づいて、候補領域を示すディスプレイ15上の座標を算出する。候補領域を示す座標は、例えば矩形を表す4つの頂点を示す4つの座標(例えば、(500,700),(600,700),(600,720),(500,720))を含む。候補領域算出部77Aは、算出された候補領域を示す座標を候補領域判定部77Bに出力する。
【0105】
候補領域判定部77Bは、候補領域算出部77Aによって出力された候補領域を示す座標と、その候補領域に設定されている表示モードとに基づいて、当該候補領域にメニュー画像を表示するか否かを判定する。候補領域判定部77Bは、候補領域が画面15内に収まっており、且つ候補領域内が二次元映像表示モードに設定されているとき、その候補領域を、メニュー画像を表示するための二次元映像領域(以下、メニュー表示領域とも称する)に用いることを決定する。例えば図12に示すように、候補領域算出部77Aが、タイトルバーを表示するために、ウィンドウ161内の映像表示領域91Aの上部に隣接した領域91Bを算出したことを想定する。候補領域判定部77Bは、この領域91Bが、候補領域が画面15内に収まっており、且つ候補領域内が二次元映像表示モードに設定されているとき、領域91Bを、タイトルバーを表示するための領域に決定する。そして、候補領域判定部77Bは、決定されたメニュー表示領域を示す情報(座標等)とメニュー画像とをメニュー表示部78に出力する。
【0106】
また、候補領域判定部77Bは、候補領域が画面15内に収まっており、且つ候補領域内が三次元映像表示モードに設定されているとき、その候補領域を、メニュー画像を表示するための領域(以下、メニュー表示領域とも称する)に用いることを決定する。例えば図13に示すように、候補領域算出部77Aが、コントロールメニューを表示するために、ウィンドウ161内の下部の領域91Cを算出したことを想定する。候補領域判定部77Bは、この領域91Cが、候補領域が画面15内に収まっており、且つ候補領域内が三次元映像表示モードに設定されているとき、領域91Cを、コントロールメニューを表示するための領域に決定する。そして、候補領域判定部77Bは、決定されたメニュー表示領域を示す情報(座標等)とメニュー画像とをメニュー表示部78に出力する。また、候補領域判定部77Bは、決定されたメニュー表示領域を二次元映像表示モードに設定することを2D/3D切替部74に要求する。より具体的には、候補領域判定部77Bは、メニュー表示領域を示す情報(座標等)と、指定した領域(すなわち、メニュー表示領域)を二次元映像表示モードに設定することを示す情報とを2D/3D切替部74に出力する。
【0107】
また、候補領域判定部77Bは、算出されたメニュー表示領域に基づいて、映像表示領域91Aを変更する。具体的には、メニュー表示領域が映像表示領域91A内の一部に重複して設定されるとき、候補領域判定部77Bは、その重複した領域に基づいて映像表示領域91Aを新たに設定する。例えば、候補領域判定部77Bは、映像表示領域91Aに、元の映像表示領域91Aからその重複した領域を除いた領域を設定する。その際、映像表示領域91Aはアスペクト比を維持したまま縮小して設定されてもよい。例えば、図12のウィンドウ161が表示されているときに、図13のウィンドウ162に示すコントロールメニュー表示領域91Cがさらに表示されるとき、ウィンドウ161内の映像表示領域91Aとウィンドウ162内のコントロールメニュー表示領域91Cとは重複する。そのため、候補領域判定部77Bは、図13に示す映像表示領域91Aのように、映像表示領域91Aを、当該映像表示領域91Aからその重複した領域を除いた領域に縮小して設定する。そして、候補領域判定部77Bは、変更された映像表示領域91Aを示す情報(座標等)を映像表示部73に出力する。また、候補領域判定部77Bは、変更された映像表示領域91Aを三次元映像表示モードに設定することを2D/3D切替部74に要求する。より具体的には、候補領域判定部77Bは、映像表示領域91Aを示す情報(座標等)と、指定した領域(すなわち、映像表示領域)を三次元映像表示モードに設定することを示す情報とを2D/3D切替部74に出力する。
【0108】
2D/3D切替部74は、候補領域判定部77Bによる要求に応じて、メニュー表示領域の映像表示モードを設定する。具体的には、2D/3D切替部74は、候補領域判定部77Bによって出力された情報に基づいて、指定された領域を指定された表示モードに設定する。例えば、候補領域判定部77Bによってメニュー表示領域を二次元映像表示モードに設定することが要求されているとき、2D/3D切替部74は、メニュー表示領域を二次元映像表示モードに設定する。
【0109】
また、2D/3D切替部74は、候補領域判定部77Bによる要求に応じて、変更された映像表示領域91Aの映像表示モードを設定する。具体的には、2D/3D切替部74は、候補領域判定部77Bによって出力された情報に基づいて、指定された領域を指定された表示モードに設定する。例えば、候補領域判定部77Bによって、変更された映像表示領域91Aを三次元映像表示モードに設定することが要求されているとき、2D/3D切替部74は、変更された映像表示領域91Aを三次元映像表示モードに設定する。
【0110】
メニュー表示部78は、候補領域判定部77Bによって出力された情報を用いて、LCD15内のメニュー表示領域にメニュー画像を表示する。例えば、メニュー表示部78は、コントロールメニュー表示領域91Cにコントロールメニューを表示する。
【0111】
また、映像表示部73は、候補領域判定部77Bによって出力された、変更された映像表示領域91Aの情報と、映像処理部72によって出力された左眼用映像データと右眼用映像データとを用いて、変更された映像表示領域91Aに映像(左眼用映像及び右眼用映像)を表示する。映像表示部73は、例えば、変更された映像表示領域91Aに応じて、映像をトリミングして表示する。映像表示部73は、例えば、変更された映像表示領域91Aに応じて、映像をスケーリング(縮小)して表示してもよい。また、映像表示部73が、変更された映像表示領域91Aに映像を表示した後に、メニュー表示部78がメニュー画像を上書きすることにより、三次元映像上に二次元のメニュー画像が表示されるようにしてもよい。
【0112】
以上のメニュー表示制御機能のための構成により、ユーザは、3Dディスプレイ15(メニュー表示領域)に表示された二次元映像によるメニューを視認することができる。メニューは、映像表示領域91Aの座標や表示モードに応じて決定されるメニュー表示領域に表示され、例えば、三次元映像が表示される映像表示領域91Aに近い領域に表示される。これにより、ユーザは、三次元映像の観賞を妨げにくく、且つ目につきやすい位置で、メニューを確認することができる。
【0113】
次いで、図12から図18を参照して、メニューが表示されるウィンドウの例について説明する。
図12は、三次元映像を含むウィンドウ161の例を示す。
ウィンドウ161は、三次元映像表示領域91Aとタイトルバー表示領域91Bとを含む。三次元映像表示領域91Aには三次元映像が表示される。タイトルバー表示領域91Bには、ウィンドウ161を操作するための各種のボタンを含む二次元映像が表示される。タイトルバー領域91Bには、例えば、ウィンドウ161内にトップメニューを表示するためのトップメニュー表示ボタン91E等が設けられる。トップメニュー表示ボタン91Eが押された場合、ウィンドウ161にトップメニューがさらに表示される。また、ウィンドウ161には、マウスオーバー操作が検出されるマウスオーバー検出領域91Fが設けられる。マウスオーバー検出領域91F内でのマウスオーバー操作が検出された場合、ウィンドウ161にコントロールメニューがさらに表示される。
【0114】
図13は、三次元映像とコントロールメニューを含むウィンドウ162の例を示す。
ウィンドウ162は、三次元映像表示領域91A、タイトルバー表示領域91B及びコントロールメニュー表示領域91Cを含む。コントロールメニュー表示領域91Cには、三次元映像の再生を制御するための各種のボタンや、再生の状態(例えば、再生位置、音量等)を示す表示エリア等を含むコントロールメニュー(二次元映像)が表示される。ユーザは、コントロールメニュー上のボタンを用いて、三次元映像の再生の開始、停止、一時停止、早送り、巻戻し、スキップ等を指示することができる。
【0115】
ウィンドウ162は、例えば、図12に示すウィンドウ161が表示されている期間中に、マウスオーバー検出領域91F内でのマウスオーバー操作が検出された際に表示される。ウィンドウ162では、コントロールメニュー表示領域91Cが設けられることによって、三次元映像表示領域91Aがアスペクト比を維持したまま縮小されている。つまり、元の三次元映像表示領域91A(すなわち、ウィンドウ161での三次元映像表示領域91A)とコントロールメニュー表示領域91Cとが重複している場合、元の三次元映像表示領域91Aから、その重複している領域を除いた領域が、新たな三次元映像表示領域91Aとして設定されている。
【0116】
また、図14は、三次元映像とトップメニューを含むウィンドウ163の例を示す。
ウィンドウ163は、三次元映像表示領域91A、タイトルバー表示領域91B及びトップメニュー表示領域91Dを含む。トップメニュー表示領域91Dには、映像の再生形態を制御するための各種のボタン等を含むトップメニュー(二次元映像)が表示される。ユーザは、トップメニュー上のボタンを用いて、二次元映像再生/三次元映像再生の切り替え、繰り返し再生等を指示することができる。
【0117】
ウィンドウ163は、例えば、図12に示すウィンドウ161上でトップメニュー表示ボタン91Eが押されたとき(すなわち、トップメニューが表示されていない期間中にボタン91Eが押されたとき)に表示される。ウィンドウ163では、トップメニュー表示領域91Dが設けられることによって、三次元映像表示領域91Aがアスペクト比を維持したまま縮小されている。つまり、元の三次元映像表示領域91Aとトップメニュー表示領域91Dとが重複している場合、元の三次元映像表示領域91Aから、その重複している領域を除いた領域が、新たな三次元映像表示領域91Aとして設定されている。
【0118】
図15は、三次元映像とコントロールメニューとトップメニューとを含むウィンドウ164の例を示す。
ウィンドウ164は、三次元映像表示領域91A、タイトルバー表示領域91B、トップメニュー表示領域91D、及びコントロールメニュー表示領域91Cを含む。ウィンドウ164は、例えば、図13に示すウィンドウ162上でトップメニュー表示ボタン91Eが押されたときに表示される。また、ウィンドウ164は、例えば、図14に示すウィンドウ163上で、マウスオーバー検出領域91F内でのマウスオーバー操作が検出された際に表示される。ウィンドウ164では、コントロールメニュー表示領域91Cとトップメニュー表示領域91Dとが設けられることによって、三次元映像表示領域91Aがアスペクト比を維持したまま縮小されている。つまり、元の三次元映像表示領域91Aと、コントロールメニュー表示領域91C及びトップメニュー表示領域91Dとが重複している場合、元の三次元映像表示領域91Aから、その重複している領域を除いた領域が、新たな三次元映像表示領域91Aとして設定されている。
【0119】
次いで、図16は、三次元映像とコントロールメニューとを含むウィンドウ165の別の例を示す。
ウィンドウ165は、三次元映像表示領域91A、タイトルバー表示領域91B及びコントロールメニュー表示領域91Cを含む。ウィンドウ165は、例えば、図12に示すウィンドウ161が表示されている期間中に、マウスオーバー検出領域91F内でのマウスオーバー操作が検出された際に表示される。ウィンドウ165では、コントロールメニュー表示領域91Cが設けられることによって、そのコントロールメニュー表示領域91Cに対応する領域だけ、三次元映像表示領域91Aが狭くなっている(トリミングされている)。つまり、元の三次元映像表示領域91Aとコントロールメニュー表示領域91Cとが重複している場合、元の三次元映像表示領域91Aから、その重複している領域を除いた領域が、新たな三次元映像表示領域91Aとして設定されている。
【0120】
図17は、三次元映像とトップメニューとを含むウィンドウ166の別の例を示す。
ウィンドウ166は、三次元映像表示領域91A、タイトルバー表示領域91B及びトップメニュー表示領域91Dを含む。ウィンドウ166は、例えば、図12に示すウィンドウ161上でトップメニュー表示ボタン91Eが押されたとき(すなわち、トップメニューが表示されていない期間中にボタン91Eが押されたとき)に表示される。ウィンドウ166では、トップメニュー表示領域91Dが設けられることによって、そのトップメニュー表示領域91Dに対応する領域だけ、三次元映像表示領域91Aが狭くなっている。つまり、元の三次元映像表示領域91Aとコントロールメニュー表示領域91Dとが重複している場合、元の三次元映像表示領域91Aから、その重複している領域を除いた領域が、新たな三次元映像表示領域91Aとして設定されている。
【0121】
図18は、三次元映像とコントロールメニューとトップメニューとを含むウィンドウ167の別の例を示す。
ウィンドウ167は、三次元映像表示領域91A、タイトルバー表示領域91B、トップメニュー表示領域91D、及びコントロールメニュー表示領域91Cを含む。ウィンドウ167は、例えば、図13に示すウィンドウ162上でトップメニュー表示ボタン91Eが押されたときに表示される。また、ウィンドウ167は、例えば、図14に示すウィンドウ163上で、マウスオーバー検出領域91F内でのマウスオーバー操作が検出された際に表示される。ウィンドウ164では、コントロールメニュー表示領域91Cとトップメニュー表示領域91Dとが設けられることによって、それらコントロールメニュー表示領域91及びトップメニュー表示領域91Dに対応する領域だけ、三次元映像表示領域91Aが狭くなっている。つまり、元の三次元映像表示領域91Aと、コントロールメニュー表示領域91D及びトップメニュー表示領域91Dとが重複している場合、元の三次元映像表示領域91Aから、その重複している領域を除いた領域が、新たな三次元映像表示領域91Aとして設定されている。
【0122】
また、図19は、ユーザによる操作に応じてウィンドウ161,162,163,164が遷移する例を示す。
まず、三次元映像表示領域91Aを含むウィンドウ161が表示されている間に、マウスオーバー検出領域91F内でマウスオーバー操作が検出された場合、ウィンドウ161から、三次元映像表示領域91Aとコントロールメニュー表示領域91Cとを含むウィンドウ162に遷移する(A1)。
ウィンドウ162が表示されている間に、所定の期間(例えば、5秒)だけコントロールメニューが操作されなかった場合、ウィンドウ162からウィンドウ161に遷移する(A2)。すなわち、コントロールメニューを自動的に隠す。
ウィンドウ162が表示されている間に、トップメニュー表示ボタン91Eが押された場合、ウィンドウ162から、三次元映像表示領域91Aとコントロールメニュー表示領域91Cとトップメニュー表示領域91Dとを含むウィンドウ164に遷移する(A3)。
ウィンドウ164が表示されている間に、トップメニュー表示ボタン91Eが押された場合、ウィンドウ164からウィンドウ162に遷移する(A4)。
ウィンドウ161が表示されている間に、トップメニュー表示ボタン91Eが押された場合、ウィンドウ161から、三次元映像表示領域91Aとトップメニュー表示領域91Dとを含むウィンドウ163に遷移する(A5)。
ウィンドウ163が表示されている間に、トップメニュー表示ボタン91Eが押された場合、ウィンドウ163からウィンドウ161に遷移する(A6)。
ウィンドウ163が表示されている間に、マウスオーバー検出領域91F内でマウスオーバー操作が検出された場合、ウィンドウ163からウィンドウ164に遷移する(A7)。
ウィンドウ164が表示されている間に、所定の期間だけコントロールメニューが操作されなかった場合、ウィンドウ164からウィンドウ163に遷移する(A8)。すなわち、コントロールメニューを自動的に隠す。
【0123】
以上の遷移により、ユーザによる操作に応じてウィンドウが遷移する。なお、ここでは、ウィンドウ161,162,163,164間での遷移の例について説明したが、ウィンドウ161,165,166,167はそれぞれウィンドウ161,162,163,164に対応し、同様に遷移する。
【0124】
次いで、図20のフローチャートを参照して、映像再生処理の手順の例について説明する。以下では、映像コンテンツ再生プログラム13Cが、映像コンテンツデータ81を用いて、三次元映像を映像表示領域91Aに表示することを想定する。
【0125】
まず、映像リード部71は、例えばHDD21のような記憶装置から映像コンテンツデータ81を読み出す(ブロックB31)。映像コンテンツデータ81は、二次元映像データ又は三次元映像データを含む。映像リード部71は、読み出された映像コンテンツデータ81を映像処理部72に出力する。
【0126】
映像処理部72は、映像コンテンツデータ81を用いて三次元映像データを生成する(ブロックB32)。具体的には、映像コンテンツデータ81が三次元映像データを含む場合、映像処理部72は、その三次元映像データを用いて左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。また、映像コンテンツデータ81が二次元映像データを含む場合、映像処理部72は、その二次元映像データに2Dto3D変換を施すことにより、左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。
【0127】
次いで、映像処理部72は、三次元映像を表示するための映像表示領域(すなわち、三次元映像表示領域)91Aを算出する(ブロックB33)。映像処理部72は、例えば、生成した左眼用映像データ及び右眼用映像データに基づいて、映像表示領域91Aの位置及びサイズを算出する。
【0128】
そして、2D/3D切替部74は、算出された映像表示領域91A(映像表示領域91Aに対応するレンズユニット15B内の部分)を、三次元映像表示モードに設定する(ブロックB34)。そして、映像表示部73は、左眼用映像データと右眼用映像データとを用いて、映像表示領域91Aに左眼用映像と右眼用映像とを表示する(ブロックB35)。
【0129】
以上の処理により、映像コンテンツデータ81を用いて、映像表示領域91Aに三次元映像が表示される。映像コンテンツデータ81は、画像フレーム毎に順次再生される。そして、映像表示領域91Aに三次元映像が表示されている間に、ウィンドウ内に各種のメニューを表示するための要求を受けたとき、そのメニューの表示が制御される。
【0130】
図21は、メニュー表示制御処理の手順の例を示すフローチャートである。
まず、イベント検出部75は、OS13A等によって出力される、ユーザによる操作情報82に基づいて、所定領域内でのマウスオーバー操作が検出されたか否かを判定する(ブロックB401)。この所定領域は、例えば、ウィンドウ161下部の、所定の高さを有する水平領域91Fである。イベント検出部75は、例えば、マウスやタッチパッド27を用いて指示された位置を示すマウスカーソルが、この水平領域91F内に入ったことを、所定領域内でのマウスオーバー操作として検出する。
【0131】
所定領域内でのマウスオーバー操作が検出されている場合(ブロックB401のYES)、イベント検出部75は、コントロールメニュー91Cが既に表示されているか否かを判定する(ブロックB402)。コントロールメニュー91Cが既に表示されている場合(ブロックB402のYES)、ブロックB401に戻る。コントロールメニュー91Cが表示されていない場合(ブロックB402のNO)、イベント検出部75は、トップメニュー91Dが既に表示されているか否かを判定する(ブロックB403)。
【0132】
トップメニュー91Dが表示されていない場合(ブロックB403のNO)、メニュー画像生成部76、領域選択部77及びメニュー表示部78は、コントロールメニュー91Cを含むウィンドウ表示処理を行う(ブロックB404)。すなわち、三次元映像91Aとコントロールメニュー91Cとを含むウィンドウ(画面)162,165が表示される。
【0133】
一方、トップメニュー91Dが表示されている場合(ブロックB403のYES)、メニュー画像生成部76、領域選択部77及びメニュー表示部78は、コントロールメニュー91C及びトップメニュー91Dを含むウィンドウ表示処理を行う(ブロックB405)。すなわち、三次元映像91A、コントロールメニュー91C及びトップメニュー91Dを含むウィンドウ164,166が表示される。
【0134】
また、所定領域内でのマウスオーバー操作が検出されていないとき(ブロックB401のNO)、イベント検出部75は、ユーザによる操作情報82に基づいて、トップメニュー表示ボタン91Eが押されたか否かを判定する(ブロックB406)。トップメニュー表示ボタン91Eが押されていない場合(ブロックB406のNO)、ブロックB401に戻る。
【0135】
トップメニュー表示ボタン91Eが押されている場合(ブロックB406のYES)、イベント検出部75は、トップメニュー91Dが既に表示されているか否かを判定する(ブロックB407)。そして、トップメニュー91Dが既に表示されている場合(ブロックB407のYES)、イベント検出部75は、コントロールメニュー91Cが既に表示されているか否かを判定する(ブロックB408)。コントロールメニュー91Cが既に表示されている場合(ブロックB408のYES)、メニュー画像生成部76、領域選択部77及びメニュー表示部78は、コントロールメニュー91Cを含むウィンドウ表示処理を行う(ブロックB404)。すなわち、三次元映像91Aとコントロールメニュー91Cとを含むウィンドウ162,165が表示される。コントロールメニュー91Cを含むウィンドウ表示処理の手順については、図22のフローチャートを参照して後述する。
【0136】
コントロールメニュー91Cが表示されていない場合(ブロックB408のNO)、メニュー画像生成部76、領域選択部77及びメニュー表示部78は、メニューを含まないウィンドウ161を表示する(ブロックB409)。すなわち、三次元映像91Aを含むウィンドウ161が表示される。したがって、図20を参照して説明した映像再生処理と同様の手順によって、三次元映像91Aを含むウィンドウ161がディスプレイ15に表示される。
【0137】
また、トップメニュー91Dが表示されていない場合(ブロックB407のNO)、イベント検出部75は、コントロールメニュー91Cが既に表示されているか否かを判定する(ブロックB410)。コントロールメニュー91Cが表示されている場合(ブロックB410のYES)、メニュー画像生成部76、領域選択部77及びメニュー表示部78は、コントロールメニュー91C及びトップメニュー91Dを含むウィンドウ表示処理を行う(ブロックB405)。すなわち、三次元映像91A、コントロールメニュー91C及びトップメニュー91Dを含むウィンドウ164,167が表示される。
【0138】
一方、コントロールメニュー91Cが表示されていない場合(ブロックB410のNO)、メニュー画像生成部76、領域選択部77及びメニュー表示部78は、トップメニュー91Dを含むウィンドウ表示処理を行う(ブロックB411)。すなわち、三次元映像91Aとトップメニュー91Dとを含むウィンドウ163,166が表示される。三次元映像91Aとトップメニュー91Dとを含むウィンドウ表示処理の手順については、図23のフローチャートを参照して後述する。
【0139】
図22のフローチャートは、コントロールメニュー91Cを含むウィンドウ表示処理の手順の例を示す。
まず、メニュー画像生成部76は、メニューデータ83を用いて、コントロールメニュー画像データを生成する(ブロックB51)。そして、候補領域算出部77Aは、メニュー領域情報84と映像表示領域91Aとに基づいて、コントロールメニュー表示領域91Cを算出する(ブロックB52)。候補領域判定部77Bは、算出されたコントロールメニュー表示領域91Cに基づいて、映像表示領域91Aを変更する(ブロックB53)。例えば、コントロールメニュー表示領域91Cが映像表示領域91A内の一部に重複して設定されるとき、映像表示領域91Aは、当該映像表示領域91Aから、その重複した領域を除いた領域に設定される。その際、映像表示領域91Aはアスペクト比を維持したまま縮小して設定されてもよい。
【0140】
次いで、2D/3D切替部74は、変更された三次元映像表示領域91Aを三次元映像表示モードに設定する(ブロックB54)。また、2D/3D切替部74は、コントロールメニュー表示領域91Cを二次元映像表示モードに設定する(ブロックB55)。
【0141】
そして、映像表示部73は、変更された三次元映像表示領域91Aに三次元映像を表示する(ブロックB56)。映像表示部73は、変更された三次元映像表示領域91Aに応じて、三次元映像を表示する。映像表示部73は、例えば、三次元映像表示領域91Aのサイズに応じて、三次元映像の一部を切り出して三次元映像表示領域91Aに表示する。また、映像表示部73は、三次元映像表示領域91Aのサイズに応じて、三次元映像を縮小して表示してもよい。
【0142】
また、メニュー表示部78は、生成されたコントロールメニュー画像データを用いて、コントロールメニュー表示領域91Cにコントロールメニューを表示する(ブロックB57)。なお、ブロックB56において、映像表示部73が変更前の三次元映像表示領域91Aに三次元映像を表示した後に、ブロックB57において、メニュー表示部78がコントロールメニューを上書きすることにより、変更された三次元映像表示領域91Aに三次元映像が表示されるようにしてもよい。
以上の処理により、コントロールメニュー91Cを含むウィンドウ162が画面(ディスプレイ)15に表示される。
【0143】
また、図23は、トップメニュー91Dを含むウィンドウ表示処理の手順の例を示す。
【0144】
まず、メニュー画像生成部76は、メニューデータ83を用いて、トップメニュー画像データを生成する(ブロックB61)。そして、候補領域算出部77Aは、メニュー領域情報84と映像表示領域91Aとに基づいて、トップメニュー表示領域91Dを算出する(ブロックB62)。候補領域判定部77Bは、算出されたトップメニュー表示領域91Dに基づいて、映像表示領域91Aを変更する(ブロックB63)。例えば、トップメニュー表示領域91Dが映像表示領域91A内の一部に重複して設定されるとき、映像表示領域91Aは、当該映像表示領域91Aからその重複した領域を除いた領域に設定される。その際、映像表示領域91Aはアスペクト比を維持したまま縮小して設定されてもよい。
【0145】
次いで、2D/3D切替部74は、変更された三次元映像表示領域91Aを三次元映像表示モードに設定する(ブロックB64)。また、2D/3D切替部74は、トップメニュー表示領域91Dを二次元映像表示モードに設定する(ブロックB65)。
【0146】
そして、映像表示部73は、変更された三次元映像表示領域91Aに三次元映像を表示する(ブロックB66)。具体的には、映像表示部73は、三次元映像の一部を切り出して、三次元映像表示領域91Aに表示する。また、映像表示部73は、三次元映像表示領域91Aのサイズに応じて、三次元映像を縮小して表示してもよい。
【0147】
また、メニュー表示部78は、生成されたトップメニュー画像データを用いて、トップメニュー表示領域91Dにトップメニューを表示する(ブロックB67)。
以上の処理により、トップメニュー91Dを含むウィンドウ163が画面(ディスプレイ)15に表示される。
【0148】
なお、コントロールメニュー91Cとトップメニュー91Dとを含むウィンドウ164,167を表示する場合には、図22及び図23に示す処理と同様にして、コントロールメニュー表示領域91Cとトップメニュー表示領域91Dとが算出される。そして、算出したコントロールメニュー表示領域91Cとトップメニュー表示領域91Dとに基づいて、映像表示領域91Aが変更される。これにより、コントロールメニュー91Cとトップメニュー91Dとを含むウィンドウ164,167が画面(ディスプレイ)15に表示される。
【0149】
以上、図21〜図23を参照して説明した処理により、ユーザによる操作に応じて、三次元映像表示領域91Aを含むウィンドウ内に、二次元映像であるメニューを表示することができる。その際、ウィンドウ内の三次元映像表示領域91Aを、表示されるメニューに応じて変更し、三次元映像表示領域91Aに表示される三次元映像の大きさや部分も変更することができる。ユーザは、3Dディスプレイ15に表示された二次元映像によるメニューを視認することができる。メニューは、映像表示領域91Aの座標や表示モードに応じて決定されるメニュー表示領域に表示され、例えば、三次元映像が表示される映像表示領域91Aに近い領域に表示される。これにより、ユーザは、三次元映像の観賞を妨げにくく、且つ目につきやすい位置で、メニューを操作することができる。
【0150】
また、三次元映像91Aを含むウィンドウには、コンテキストメニューが表示されてもよい。コンテキストメニューは、ユーザによる使用状況(操作状況)に応じて変化するメニューである。コンテキストメニューは、例えば、画面15上でのユーザによる操作が検出されたとき、その操作の位置(例えば、マウス、タッチパネル、タッチパッド27等のポインティングデバイスを用いた指示位置)に応じた位置に表示される。
【0151】
図24及び図25を参照して、ユーザによる操作の位置に応じて、表示される位置が変更されるコンテキストメニューの例について説明する。
図24は、ユーザによる操作の位置とコンテキストメニューが表示される位置との関係を説明するための模式図85である。模式図85では、ウィンドウが所定数(例えば、6つ)の領域に分割される。そして、それら所定数の領域の内のいずれの領域内で、ユーザによる操作が行われたかに応じて、コンテキストメニュー表示領域と三次元映像表示領域91Aとの配置が変更される。
【0152】
図25に示すように、模式図85の領域“1”又は領域“6”内でユーザによる操作が検出された場合(タイプ1)、ウィンドウ168が表示される。ウィンドウ168では、水平方向に2つの領域が設けられ、左側の領域91Eにコンテキストメニューが表示され、右側の領域(映像表示領域)91Aに三次元映像が表示される。つまり、ユーザが画面15の左側で操作を行った場合、2D/3D切替部74は、左側の領域91Eを二次元映像表示モードに設定し、右側の領域91Aを三次元映像表示モードに設定する。そして、メニュー表示部78は画面15の左側の領域91Eにコンテキストメニューを表示し、映像表示部73は画面の右側の領域91Aに三次元映像を表示する。
【0153】
模式図85の領域“3”又は領域“4”内でユーザによる操作が検出された場合(タイプ2)、ウィンドウ169が表示される。ウィンドウ169では、水平方向に2つの領域が設けられ、右側の領域91Eにコンテキストメニューが表示され、左側の領域(映像表示領域)91Aに三次元映像が表示される。つまり、ユーザが画面15の右側で操作を行った場合、2D/3D切替部74は、右側の領域91Eを二次元映像表示モードに設定し、左側の領域91Aを三次元映像表示モードに設定する。そして、メニュー表示部78は画面15の右側の領域91Eにコンテキストメニューを表示し、映像表示部73は画面の左側の領域91Aに三次元映像を表示する。
【0154】
模式図85の領域“2”内でユーザによる操作が検出された場合(タイプ3)、ウィンドウ170が表示される。ウィンドウ170では、垂直方向に2つの領域が設けられ、上側の領域91Eにコンテキストメニューが表示され、下側の領域(映像表示領域)91Aに三次元映像が表示される。つまり、ユーザが画面15の上側で操作を行った場合、2D/3D切替部74は、上側の領域91Eを二次元映像表示モードに設定し、下側の領域91Aを三次元映像表示モードに設定する。そして、メニュー表示部78は画面15の上側の領域91Eにコンテキストメニューを表示し、映像表示部73は画面の下側の領域91Aに三次元映像を表示する。
【0155】
また、模式図85の領域“5”内でユーザによる操作が検出された場合(タイプ4)、ウィンドウ171が表示される。ウィンドウ171では、垂直方向に2つの領域が設けられ、下側の領域91Eにコンテキストメニューが表示され、上側の領域(映像表示領域)91Aに三次元映像が表示される。つまり、ユーザが画面15の下側で操作を行った場合、2D/3D切替部74は、下側の領域91Eを二次元映像表示モードに設定し、上側の領域91Aを三次元映像表示モードに設定する。そして、メニュー表示部78は画面15の下側の領域91Eにコンテキストメニューを表示し、映像表示部73は画面の上側の領域91Aに三次元映像を表示する。
【0156】
なお、映像表示部73は、領域91Aに三次元映像を表示するために、領域91Aの位置やサイズに応じて、三次元映像の一部を表示する。そのため、映像表示部73は、領域91Aの位置やサイズに応じて、三次元映像をトリミングして表示してもよい。また、映像表示部73が三次元映像を表示した後に、メニュー表示部78がコンテキストメニューを上書きして表示してもよい。また、映像表示部73は、領域91Aのサイズに応じて三次元映像を縮小して表示してもよい。
【0157】
このように、ユーザによる操作が行われた位置に応じて、ウィンドウ内に表示される三次元映像とコンテキストメニューとの配置を変更することができる。なお、この配置の変更は、コンテキストメニューに限らず、上述のコントロールメニュー、トップメニュー、メッセージ等の他の二次元映像にも適用され得る。
【0158】
図26のフローチャートを参照して、ユーザによる操作が行われた位置に応じて、ウィンドウ内に表示される三次元映像とコンテキストメニューとの配置を制御する表示制御処理の手順について説明する。
まず、映像表示部73等によって三次元映像が再生されている期間中(ブロックB701)、イベント検出部75は、メニュー(コンテキストメニュー)を表示するための操作が検出されたか否かを判定する(ブロックB702)。メニューを表示するための操作が検出されていない場合(ブロックB702のNO)、三次元映像の再生を続行する(ブロックB711)。
【0159】
メニューを表示するための操作が検出されている場合(ブロックB702のYES)、イベント検出部75は、その操作が検出された位置が領域“1”又は領域“6”内であるか否かを判定する(ブロックB703)。操作が検出された位置が領域“1”又は領域“6”内である場合(ブロックB703のYES)、領域選択部77は、ウィンドウ内の表示構成をタイプ1に変更する(ブロックB704)。すなわち、ウィンドウ168内に、水平方向に2つの領域が設けられ、左側の領域91Eにコンテキストメニューが表示され、右側の領域(映像表示領域)91Aに三次元映像が表示されるように制御される。
【0160】
操作が検出された位置が領域“1”又は領域“6”内でない場合(ブロックB703のNO)、イベント検出部75は、操作が検出された位置が領域“3”又は領域“4”内であるか否かを判定する(ブロックB705)。操作が検出された位置が領域“3”又は領域“4”内である場合(ブロックB705のYES)、領域選択部77は、ウィンドウ内の表示構成をタイプ2に変更する(ブロックB706)。すなわち、ウィンドウ169内に、水平方向に2つの領域が設けられ、右側の領域91Eにコンテキストメニューが表示され、左側の領域91Aに三次元映像が表示されるように制御される。
【0161】
操作が検出された位置が領域“3”又は領域“4”内でない場合(ブロックB705のNO)、イベント検出部75は、操作が検出された位置が領域“2”内であるか否かを判定する(ブロックB707)。操作が検出された位置が領域“2”内である場合(ブロックB707のYES)、領域選択部77は、ウィンドウ内の表示構成をタイプ3に変更する(ブロックB708)。すなわち、ウィンドウ170内に、垂直方向に2つの領域が設けられ、上側の領域91Eにコンテキストメニューが表示され、下側の領域91Aに三次元映像が表示されるように制御される。
【0162】
また、操作が検出された位置が領域“2”内でない場合(ブロックB707のNO)、イベント検出部75は、操作が検出された位置が領域“5”内であるか否かを判定する(ブロックB709)。操作が検出された位置が領域“5”内である場合(ブロックB709のYES)、領域選択部77は、ウィンドウ内の表示構成をタイプ4に変更する(ブロックB710)。すなわち、ウィンドウ170内に、垂直方向に2つの領域が設けられ、下側の領域91Eにコンテキストメニューが表示され、上側の領域91Aに三次元映像が表示されるように制御される。
【0163】
そして、ブロックB704,B706,B708,B710での処理の後、三次元映像の再生を続行する(ブロックB711)。
以上の処理により、ユーザによる操作位置に応じて、ウィンドウ内の表示構成を制御される。これによりユーザは、操作した位置付近で、引き続き入力を行うことができる。
【0164】
以上説明したように、第1及び第2実施形態によれば、三次元映像が表示されるとき、ユーザが視認しやすい二次元映像を表示できる。映像コンテンツ再生プログラム13B,13Cは、ユーザに提示される、二次元映像によるメッセージやメニュー等の表示を制御することができる。メッセージやメニューは、映像表示領域40,91Aの位置及びサイズや表示モードに応じて決定される二次元映像表示領域に表示され、例えば、三次元映像が表示される映像表示領域40,91Aに近い領域や、映像表示領域40,91A内の一部の領域に表示される。これにより、ユーザは、三次元映像の観賞を妨げにくく、且つ視認しやすい位置で、メッセージを確認することができる。
【0165】
なお、第1実施形態の映像再生処理及びメッセージ表示制御処理、並びに第2実施形態の映像再生処理及びメニュー表示制御処理の手順は全てソフトウェアによって実行することができる。このため、第1実施形態の映像再生処理及びメッセージ表示制御処理、並びに第2実施形態の映像再生処理及びメニュー表示制御処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0166】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0167】
13B…映像コンテンツ再生プログラム、15…3Dディスプレイ、15A…LCD、15B…レンズユニット、51…映像リード部、52…映像処理部、53…映像表示部、54…2D/3D切替部、55…イベント検出部、56…メッセージ画像生成部、57…領域選択部、57A…候補領域算出部、57B…候補領域判定部、58…メッセージ表示部、61…映像コンテンツデータ、62…メッセージデータ、63…候補領域情報、64…仮のメッセージ表示領域情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力を受け付ける入力手段と、
二次元映像と三次元映像とを表示可能な表示部に映像を表示させる表示制御手段であって、
前記表示部内の第1の領域に、再生された三次元映像を第1のサイズで表示し、前記入力手段によって所定の操作入力を受け付けた場合、前記第1の領域の一部に二次元映像を表示し、前記第1の領域から前記二次元映像が表示された領域を除いた領域内に、前記再生された三次元映像を前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズで表示する表示制御手段とを具備する電子機器。
【請求項2】
前記二次元映像は、前記三次元映像の再生を制御するためのメニューを含み、
前記表示制御手段は、前記メニューが操作されないまま第1期間が経過した場合、前記二次元映像を非表示にする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記二次元映像は、前記三次元映像の再生を制御するためのメニューを含み、
前記表示制御手段は、前記メニューが操作されないまま第1期間が経過した場合、前記第1の領域に、前記三次元映像を前記第1のサイズで表示する請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記所定の操作は、ポインティングデバイスを用いて指示された位置を示すカーソルを、前記第1の領域に含まれる所定の領域内に移動させる操作である請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示制御手段は、さらに、前記第1の領域から前記二次元映像が表示された領域を除いた領域内に、前記三次元映像の一部を前記第2のサイズで切り出して表示する請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示部は、映像に含まれる複数の画素に対応する複数の光線をそれぞれ所定の方向に射出するための複数のレンズを含むレンズユニットを備え、当該レンズユニットを用いて、前記二次元映像と前記三次元映像とを表示可能である請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
操作入力を受け付けることと、
二次元映像と三次元映像とを表示可能な表示部に映像を表示させることとを具備し、
前記映像を表示させることは、前記表示部内の第1の領域に、再生された三次元映像を第1のサイズで表示し、前記入力手段によって所定の操作入力を受け付けた場合、前記第1の領域の一部に二次元映像を表示し、前記第1の領域から前記二次元映像が表示された領域を除いた領域内に、前記再生された三次元映像を前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズで表示する表示制御方法。
【請求項8】
操作入力を受け付ける手順と、
二次元映像と三次元映像とを表示可能な表示部に映像を表示させる手順とをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記映像を表示させる手順は、前記映像を表示させることは、前記表示部内の第1の領域に、再生された三次元映像を第1のサイズで表示し、前記入力手段によって所定の操作入力を受け付けた場合、前記第1の領域の一部に二次元映像を表示し、前記第1の領域から前記二次元映像が表示された領域を除いた領域内に、前記再生された三次元映像を前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズで表示する手順を含むプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−59031(P2013−59031A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200901(P2012−200901)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2011−93413(P2011−93413)の分割
【原出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】