説明

電子機器およびプリント基板アッセンブリ

【課題】基板アッセンブリの搭載数に関わらず、接続ケーブルに起因する電磁ノイズの問題をより確実に解消することのできる電子機器を提供する。
【解決手段】装置本体1aに設けられた基板収納筐体26に対して複数の電装基板ユニット24を着脱可能に構成する。基板収納筐体は、全体としては、導電性を有する金属部材で形成し、全ての電装基板ユニット24を機構的接触手段29を利用して接続して遮蔽するとともに、装置本体1aのフレームグランドと接地接続をとる。装置本体1aも、導電性を有する板金でその外装面を形成して、電装基板ユニット24の周囲を2重に遮蔽することでシールド機能をより一層高める。各電装基板ユニット24の基板グランドは、機構的接触手段27を利用してフレームグランドと接続する。各電装基板ユニット24の基板グランド同士を機構的接触手段28を利用して接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器およびプリント基板アッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を利用した電子機器が広く用いられるようになり、デジタル信号の高調波の放射による電波障害が起こり易い状況になっていることから、主要各国の電子機器業界では電波障害を防ぐための取り組みが行なわれている。
【0003】
たとえば、電波の有効利用を図るためや他の機器への影響を抑制するなどの目的のため、不要な電波の発射をできる限り低減することを求めて、たとえばITU(国際電気通信連合)などによって、不要発射について無線通信規則が定められている。多くのデジタル電子機器(以下単に電子機器と称する)は、当該規則を遵守するべく、不要輻射(EMI: / EMS )の対策が必要になっている。
【0004】
たとえば、我が国では、テレビ受像機など電気用品取締法の対象となるものを除いて、EMIに対する法的規制はないが、自主規制団体のVCCI(Voluntary Control Council for Interference by Information Technology Equipment:情報処理装置等電波障害自主規制協議会)が基準を定めており、これが事実上の規制になっている。
【0005】
電波障害の対策としては、電磁ノイズを出さないようにするEMI(Electro Magnetic Interference :電磁干渉)対策と、電磁ノイズを受けても障害を発生しないようにノイズ耐性を向上させるEMS(Electro Magnetic Susceptance:電磁感受性)対策あるいはイミュニティ(Immunity:免疫性)対策がある。
【0006】
ここで、不要輻射の発生要因としては、ケーブルからの放射と基板からの放射とが考えられる。たとえば、電子機器においては、データ情報を伝送する信号配線(プリントパターンとケーブルの双方を含む)に高速のクロック信号が載っていることがある。この場合、データ情報は外来ノイズに対して弱く、その影響を受け易いし、機器外への電波ノイズとして放出され、周辺の他の機器に悪影響を与える虞れがある。
【0007】
このため、一般的な電子機器においては、装置外からの外来ノイズを装置内のケーブルや回路基板などの要素に至らないように外来ノイズを遮断し、また装置内のケーブルや回路基板などの要素から発生される電磁ノイズを低減するかかが重要な課題の1つとなる。
【0008】
ケーブルに関して言えば、信号処理部や制御部などの各部を構成する回路間をワイヤーハーネスなどの長い接続ケーブルによって接続すると、この接続ケーブルからは電波ノイズが放出し易く、外来ノイズを受け易い。そして、接続ケーブル長が長くなる程、その傾向が強まる。
【0009】
このケーブルに関しての電磁ノイズ対策としては、たとえば、シールドケーブルを用いる、あるいは、ケーブル間や基板上にフェライトコアやフェライトビーズなどのノイズ低減部品を使用して、外部へのノイズの放出の防止と外来ノイズの遮断を図る手法がある。
【0010】
また、特許文献1には、接続ケーブル長を短縮化して、電波ノイズの放出と、外来ノイズによる影響を、低コストで防止できる画像複写装置が提案されている。この特許文献1に記載の仕組みは、電装基板同士の接続によりハーネスを最短化し電波ノイズ対策を行なうものである。たとえば、画像読取部と、画像書込部と、画像読取部からの画信号を補正加工する1次信号処理部とを互いに近接して配置するとともに、これらをアースされた1つの導電性を有する筐体に収容するようにしている。
【0011】
【特許文献1】特開平05−199340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、基板アッセンブリの搭載数に関わらず、接続ケーブルに起因する電磁ノイズの問題をより確実に解消することのできる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、装置本体と、プリント基板上に電子回路部品が搭載された基板アッセンブリを収容するための開口部を具備し、フレームグランドがとられるようにして前記装置本体に取り付けられた、複数枚の基板アッセンブリを着脱可能な基板収納筐体と、前記基板収納筐体に収容された1枚もしくは複数枚の基板アッセンブリとを備え、前記プリント基板の基板グランドは、前記基板収納筐体のフレームグランドと、第1の機構的な接触手段を介して電気的に接続されていることを特徴とする電子機器である。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明においてさらに、前記複数枚の基板アッセンブリは、それぞれの基板グランドが、それぞれ異なる系統の前記第1の機構的な接触手段を介して前記フレームグランドと電気的に接続されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明においてさらに、前記基板収納筐体に複数枚の基板アッセンブリが収容されており、前記複数枚の基板アッセンブリの内の基板面が隣接するものは、それぞれの基板グランド同士が、第2の機構的な接触手段を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明においてさらに、前記第2の機構的な接触手段は、前記基板アッセンブリのそれぞれにプリント基板の基板グランドと接続された導電性を有する基板シャーシが設けられ、当該基板シャーシの少なくとも一方に導電性を有する突起状の接触部が設けられ、当該突起状の接触部と対向する側の前記基板シャーシとが接触することで構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明においてさらに、前記第1の機構的な接触手段は、前記基板アッセンブリにプリント基板の基板グランドと接続された導電性を有する基板シャーシが設けられ、当該基板シャーシと前記基板収納筐体との間に導電性と弾性を有する接触部が設けられ、当該弾性を有する接触部が前記基板シャーシと接触することで構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項6に記載の発明においてさらに、前記基板シャーシと前記弾性を有する接触部との間に、導電性を有する中継部材が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明においてさらに、前記基板収納筐体に複数枚の基板アッセンブリが収容されており、前記複数枚の基板アッセンブリの内の前記基板収納筐体の取付け面から離れて配置された方の前記基板シャーシと前記弾性を有する接触部との間に、導電性を有する中継部材が設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明においてさらに、前記中継部材は、前記基板収納筐体に複数枚の基板アッセンブリが収容される場合に、追加の部材として設けられるものであることを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の発明においてさらに、前記基板収納筐体に複数枚の基板アッセンブリが収容されており、前記中継部材は、後から前記基板収納筐体に収容される方の前記基板アッセンブリの前記基板シャーシに取り付いていることを特徴とする。
【0022】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明においてさらに、前記第1の機構的な接触手段は、前記基板アッセンブリに基板シャーシが設けられ、当該基板シャーシに突起状の接触部が設けられ、当該突起状の接触部が前記基板シャーシと接触することで構成されていることを特徴とする。
【0023】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の発明においてさらに、前記基板収納筐体の前記開口部は、導電性を有する金属部材で覆われ、かつ当該金属部材のフレームグランドは、前記基板収納筐体のフレームグランドと、第3の機構的な接触手段を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0024】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明においてさらに、前記第3の機構的な接触手段は、前記基板アッセンブリの前記基板収納筐体への収納数に関わらず一定であることを特徴とする。
【0025】
請求項13に記載の発明は、前記プリント基板は、前記電子回路部品が搭載された状態での当該プリント基板自体の側面から不要輻射ノイズの抑制を図る手段が講じられていることを特徴とする。
【0026】
請求項14に記載の発明は、前記基板アッセンブリのプリント基板には、配線の入出力用のコネクタが搭載されており、各基板アッセンブリのプリント基板のコネクタはそれぞれ対応するコネクタと嵌合されていることを特徴とする。
【0027】
請求項15に記載の発明は、前記基板アッセンブリのプリント基板には配線の入出力用のコネクタが搭載されており、さらに、複数の前記基板アッセンブリのプリント基板の同一の配線同士を接続するコネクタが搭載された中継基板を備え、各基板アッセンブリのプリント基板のコネクタは前記中継基板の対応するコネクタと嵌合されていることを特徴とする。
【0028】
なお、前記の各機構的接触手段は、基板グランドとフレームグランドとの接続や基板グランド同士の接続やフレームグランド同士の接続に当たり、ケーブル接続を使用しないで、専ら、機械的な接触を利用して対応するもの同士での電気的な接続をとることを意味する。
【0029】
請求項16に記載の発明は、電子回路部品が搭載されたプリント基板と、前記プリント基板の基板グランドと電気的に接続された導電性を有する基板シャーシと、前記基板シャーシに設けられ、他のプリント基板アッセンブリの基板シャーシと接触される導電性を有する突起状の接触部とを備えることを特徴とするプリント基板アッセンブリである。
【0030】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の発明においてさらに、前記プリント基板は、前記電子回路部品が搭載された状態での当該プリント基板自体の側面から不要輻射ノイズの抑制を図る手段が講じられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
請求項1に記載の発明によれば、基板グランドとフレームグランドとの接続に当たり、機構的な接触を利用したメカ的な同一の系統の接地接続が可能となる。ケーブル接続を使用しないでメカ的な接触を利用して接地接続をとるので、組立て完了状態での接地接続の状態を同一の状態に維持することができる。その結果、接続ケーブルを用いて接地接続をとる場合よりも、接続ケーブルに起因する電磁ノイズの問題を確実に解消できる。
【0032】
また、付加的な効果として、電波ノイズのレベルや傾向を同一にすることができる。その結果、電波ノイズに対する対処が、確実かつ簡易になる。また、基板アッセンブリを基板収納筐体に取り付けて固定することで自動的に基板グランドとフレームグランドとの接続がとれ、ケーブル接続の作業が不要になるので、組立て工数が簡便になり、組立て性が改善される。
【0033】
請求項2に記載の発明によれば、複数枚の基板アッセンブリを基板収納筐体内に収容するに当たり、それぞれの第1の機構的接触手段を別系統で形成できるので、共通の系統で第1の機構的接触手段を形成する場合に比べて、設計や組み立ての自由度が高まる。
【0034】
請求項3に記載の発明によれば、それぞれの基板グランド同士を接続しない場合に比べて、電磁輻射対応(電波ノイズ対策)の効果が高まる。
【0035】
また、付加的な効果として、簡便に第2の機構的な接触手段を構成することができる。
【0036】
請求項4に記載の発明によれば、第2の機構的な接触手段を構成するに当たり、突起接触部を設けない場合に比べて、基板グランド同士の接続位置を一定に管理することができる。その結果、基板グランド同士を接続することに関しての電波ノイズのレベルや傾向を同一にすることができる。
【0037】
請求項5に記載の発明によれば、簡便に第1の機構的な接触手段を構成することができる。
【0038】
また、付加的な効果として、基板グランドとフレームグランドの接続位置を一定に管理することができる。その結果、基板グランドとフレームグランドを接続することに関しての電波ノイズのレベルや傾向を同一にすることができる。
【0039】
たとえば、第1の機構的な接触手段として、板バネなどの弾性支持部材を使用することができる。板バネは、接地抵抗が低くスクリュー(ネジ)での固定と同一の接地能力がありながら、互いの新たな固定作業が発生しない利点がある。
【0040】
請求項6に記載の発明によれば、基板アッセンブリの基板シャーシと基板収納筐体の取付け面との間に相当の距離があって弾性支持部材のみで接触をとることが困難な場合に、中継部材を介在させることで、この中継部材をも介して基板グランドとフレームグランドとを接続することができる。
【0041】
請求項7に記載の発明によれば、複数枚の基板アッセンブリを重ねて収容する際に、基板シャーシと基板収納筐体の取付け面との間に相当の距離が生じてしまうことになる取付け面から離れて配置された方の基板シャーシとの間に中継部材を介在させることで、この中継部材をも介して基板グランドとフレームグランドとを接続することができるようになる。
【0042】
なお、本来は、複数枚の基板アッセンブリを重ねて収容する場合に限らず、常に中継部材を使用していてもよいのであるが、複数枚の基板アッセンブリを重ねて収容する場合に限ることで、中継部材の長さや形状などを、間に配する追加電装基板ユニットの厚みや枚数に応じて適宜選択できる。
【0043】
請求項8に記載の発明によれば、中継部材を追加することにより単一基板アッセンブリと複数枚の基板アッセンブリは同一系統のグランドに接続することができる。
【0044】
請求項9に記載の発明によれば、基板アッセンブリの組立て完了状態でグランドを安定した状態に維持できる。
【0045】
請求項10に記載の発明によれば、基板アッセンブリの基板シャーシを直接に基板収納筐体の取付け面に取り付ける際に、第1の機構的な接触手段を構成するに当たり、突起接触部を設けない場合に比べて、基板グランドとなる基板シャーシとフレームグランドとの接触位置を一定に管理することができる。その結果、基板グランドとフレームグランドを接続することに関しての電波ノイズのレベルや傾向を同一にすることができる。
【0046】
請求項11に記載の発明によれば、基板収納筐体の開口部を金属部材で遮蔽するに当たり、機構的な接触を利用したメカ的な同一の系統の接地接続が可能となる。組立て完了状態でのフレームグランドに関する接地接続の状態を同一の状態に維持することができる。その結果、基板収納筐体に関しての電波ノイズのレベルや傾向を同一にすることができ、電波ノイズに対する対処が、確実かつ簡易になる。
【0047】
また、付加的な効果として、追加基板アッセンブリの接触部材が、主基板アッセンブリを取り付ける際の主基板アッセンブリの基板シャーシのエッジにより破損されるのを防止できる。
【0048】
請求項12に記載の発明によれば、基板アッセンブリの収納数に関わらず、組立て完了状態でのフレームグランドに関する接地接続の状態を同一の状態に維持できる。
【0049】
請求項13に記載の発明によれば、プリント基板自体に関しての不要輻射ノイズ対策を採らない場合に比べて、電磁輻射対応(電波ノイズ対策)の効果が高まる。
【0050】
請求項14に記載の発明によれば、ケーブル接続を使用しないでコネクタによるメカ的な接触を利用して配線(ここでは信号接続用のみに限らず電源供給用も含む)の基板間接続をとることができる。その結果、組立て完了状態での基板間の配線接続の状態を同一の状態に維持することができ、基板間の配線接続に関して、不要輻射の発生要因の1つであるケーブルからの放射の問題を確実に解消できる。
【0051】
また、付加的な効果として、基板間の配線接続に関して、接続ケーブルによる信号なまりやS/N比の低下などの問題を解消することもできる。
【0052】
請求項15に記載の発明によれば、基板アッセンブリの収納数に関わらず、着脱性や組立て性を低下させることなく、コネクタによるメカ的な接触を利用して配線の基板間接続をとることができる。
【0053】
請求項16に記載の発明によれば、複数枚の基板アッセンブリを基板グランド同士を接続するようにして基板収納筐体内に収容するのに好適な基板アッセンブリを実現できる。
【0054】
請求項17に記載の発明によれば、電磁輻射対応(電波ノイズ対策)の効果を高めることのできる基板アッセンブリを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、図面を参照して本発明の実施形態
について詳細に説明する。なお、以下においては、画像形成装置を電子機器として使用した場合を例に説明する。ただしこれは一例であって、対象となる電子機器が画像形成装置に限らない。デジタル技術を利用した電子回路が搭載されている回路基板アッセンブリを収容する電子機器の全てに、後述する全ての実施形態が同様に適用できる。
【0056】
<画像処理システムの構成>
図1は、本発明に係る電子機器の一実施形態である画像形成装置の機能を具備した画像出力端末の全体概要を示す図である。この画像出力端末1は、単独で使用されることもあれば、たとえば図示を割愛した画像入力端末と接続されて画像処理システムあるいは画像形成システムを構成することもある。
【0057】
図示を割愛した画像入力端末は、デジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)DOCを作成し、また編集などの処理をする、たとえばパソコン(パーソナルコンピュータ)、カラースキャナ、デジタルカメラ、またはハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などのデータ格納装置、さらにはFAX装置など、任意数の画像入力ソースを含み得る。
【0058】
画像入力端末のそれぞれには、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。たとえば、画像入力端末側にて用意されるドキュメントDOCを表す電子データは、画像出力端末1で処理可能な画像フォーマット(たとえば、JPEG、BMP、PNGなど)で記述される。またたとえば、パソコンで作成された文書ファイルは、たとえばプリンタなどで印刷出力するために、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載されたデータとして画像出力端末1に送られる。このPDLデータを受け取った画像出力端末1は、印字前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)してから画像出力部(プリンタエンジン部)にラスタデータを出力する。
【0059】
画像出力端末1は、本発明に係る画像形成装置の一例であって、たとえば複写機能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。
【0060】
この画像出力端末1は、大まかに、原稿を読み取る画像読取部10、入力された画像データに対して所望の画像処理を施す画像処理機能と端末全体の動作を制御する制御機能とを備えたコントローラ部20、およびコントローラ部20からの画像データに基づいて所定の記録媒体に可視画像を形成して出力する画像出力部30、および内蔵の給紙トレイ82あるいは手差しトレイ83の内の何れかから記録媒体としての印刷用紙を画像出力部30に搬送する給紙部80を備える。
【0061】
内蔵の給紙トレイ82としては、たとえば、A4,B4,A3の各サイズや使用済用紙(再利用用紙)や色紙など(図ではA4(通常紙)の82a,B4(通常紙)の82b,A4(使用済用紙)の82cの3段構成)、複数段が配される構造となっている。
【0062】
画像出力部30は、画像形成ユニット32と、両面複写ユニット34と、排紙ユニット36とを含む。何れも、装置本体に対して着脱可能に構成されている。ここで、画像形成ユニット32と排紙ユニット36とは、装置構成上必須のものであるのに対して、両面複写ユニット34は、画像出力端末1を両面印刷可能に構成するために使用されるものであり、片面印刷専用機とする場合は装着が不要である。
【0063】
コントローラ部20は、画像読取部10と画像出力部30との間に配された、1枚もしくは複数枚の回路基板を搭載して構成された処理基板アッセンブリ(以下電装基板ユニットと称する)24に設けられている。
【0064】
電装基板ユニット24としては、1つと限らず、複数の電装基板ユニット24が装置本体1aに設けられた基板収納筐体26に対して着脱可能に構成されている。基板収納筐体26は、複数の電装基板ユニット24(すなわち複数枚の基板アッセンブリ)を着脱可能(収容可能)な大きさを有しており、全体としては、導電性を有する金属部材で形成され、装置本体1aのフレームグランドと接地接続をとる(アースをとる)ことで基板収納筐体26自体もフレームグランドとなるようにする。基板収納筐体26は、導電性を有する板金で、その外周面を遮蔽することで、全ての電装基板ユニット24を遮蔽する。なお、装置本体1aも、導電性を有する板金でその外装面を形成して、電装基板ユニット24の周囲を2重に遮蔽することで、シールド機能をより一層高めるようにするとよい。
【0065】
図では、一例として、主(メイン)基板を搭載した装置構成上必ず装着する必要のある主電装基板ユニット24aの他に、追加基板アッセンブリとして、それぞれ副(サブ)基板を搭載した2つの追加電装基板ユニット24b,24cの、合計3つの電装基板ユニット24が基板収納筐体26に装着された状態で示している。なお図示の例では、電装基板ユニット24を、基板収納筐体26内に横置きで着脱するように構成しているが、縦置きで着脱するように構成してもよい。
【0066】
また、画像出力端末1は、接続ケーブルやネットワークを介して外部機器に接続可能になっている。たとえば、接続ケーブル90は、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3)やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LANという)によりパソコンなどの画像入力端末に接続される。
【0067】
あるいは一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )を介してFAX装置などの画像入力端末に接続される。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。
【0068】
また、画像出力端末1は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイスやUSB(Universal Serial Bus)2.0規格のデバイスなどとも接続可能となっており、これらのデバイスからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイスを介してリモートで画像出力端末1を制御することもできるようになっている。
【0069】
このような構成により、画像出力端末1は、前述のように、画像読取部10にて読み取った画像の印刷機能すなわち複写機能に限らず、接続ケーブル90を介してパソコンなどの画像入力端末から取得した文書データや画像ファイルなどに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、電話回線やその他の通信インタフェースを介して取得したFAXデータやその他の画像データに基づいて印刷出力する機能も備えるようになる。
【0070】
画像読取部10は、プラテンカバーの機能も備え、原稿を図示しない読取台(プラテンガラス)上の読取位置まで搬送し排紙する循環機能のないドキュメントフィーダ(ADF(自動原稿搬送)装置)12と、装置使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示する操作パネル部15aやオペレータからの装置に対する種々の指示入力を受け付けるための操作キー部15bを有するユーザインタフェース部15とを有している。なお、操作パネル部15aや操作キー部15bに代えて、あるいはこれらとともに使用される大型ユーザインタフェースあるいはメンテナンス画面を備えたユーザインタフェース装置を設けてもよい。
【0071】
画像形成ユニット32は、画像読取部10にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)すなわち複写する。このため、画像形成ユニット32は、たとえば画像出力端末1をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャンベースのプリントエンジンを備える。
【0072】
電装基板ユニット24には、画像出力部30用の処理部(特に画像処理部や制御部)だけでなく、コントローラ部20の画像処理機能部や画像出力端末1全体の種々の処理をするための回路が搭載される。たとえば、画像出力端末1内に構築された資源であるドキュメントフィーダ12、操作パネル部15a、画像読取部10の図示しない画像読取ユニット(スキャナ部)、画像形成ユニット32、両面複写ユニット34、排紙ユニット36、あるいは給紙トレイ82などを制御する回路が搭載される。この電装基板ユニット24には、半導体製の記憶媒体が搭載され、たとえば、複写アプリケーション、プリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムが格納される。
【0073】
画像読取部10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤、緑、青のアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、コントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
【0074】
このようにして、読取りが完了すると、コントローラ部20の画像処理機能部は、画像読取部10からの赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のオンオフ2値化トナー信号を得、各トナー信号を画像出力部30に出力する。
【0075】
この際には、画像読取部10の読み取りに同期して、用紙が複数の給紙トレイ82の内の何れかから画像出力部30へ給紙されると、画像出力部30の画像形成ユニット32は、その用紙の一方の面に、コントローラ部20の画像処理機能部から送られたK,Y,M,Cのトナー信号に基づいて可視画像を形成する。
【0076】
両面複写ユニット34は、一方の面に画像が形成された用紙を裏返し、再び画像形成ユニット32にその用紙を給紙する。これにより、画像読取部10が読み取った画像が用紙の他方の面に形成され、両面複写が完了される。
【0077】
画像形成ユニット32から排出される用紙あるいは両面複写済み用紙は、排紙ユニット36により、ページ順に連続的にあるいは1ページごとにソートされる。
【0078】
ここで、本実施形態の画像出力端末1においては、詳細は後述するが、電子回路部品が搭載された状態でのプリント基板自体の電磁ノイズ対応と、装置本体の電気的な基準点である接地(いわゆるフレームグランド)に対しての、各電装基板ユニット24の電気的な基準点である接地(GND;以下基板グランドとも称する)の電気的な接地接続と、各電装基板ユニット24を金属製のフレームで取り囲む機構的な遮蔽とを併用した電磁輻射対応(電波ノイズ対策)を採っている。
【0079】
電気的な接地接続に関しては、基板グランドとフレームグランドとが、接続ケーブルを利用せずに機構的な接触(接続)の仕組み(図では模式的に電装基板ユニット24の両側と基板収納筐体26の間に設けられた機構的接触手段27で示す)を利用して電気的に強固に接続されるようにする。機構的接触手段27は、第1の機構的な接触手段の一例である。
【0080】
なお、各電装基板ユニット24の基板グランドと接続される、各電装基板ユニット24のプリント基板のほぼ全面を覆う金属製の板(板金;以下基板シャーシとも称する)を設けて、この基板シャーシを、他方の電装基板ユニット24に対してのフレームグランドとして機能させてもよい。
【0081】
加えて、各電装基板ユニット24が基板収納筐体26に機構的に固定されている状態のとき、接続ケーブルを利用せずに機構的な接続の仕組み(図では模式的に他の電装基板ユニット24との間に設けられた機構的接触手段28で示す)を利用して、隣接する電装基板ユニット24の基板グランド(基板シャーシを利用したフレームグランドでもよい)同士も、それぞれ電気的に強固に接続されるようにする。機構的接触手段28は、第2の機構的な接触手段の一例である。
【0082】
つまり、基板収納筐体26内に収納する電装基板ユニット24が追加される場合は、その追加電装基板ユニット24b,24c,…は、基板収納筐体26側に固定して基板グランドとフレームグランドとの電気的な接続をとるし、隣接する他の電装基板ユニット24の基板グランド同士も、電気的に接続する部材としての機構的接触手段28を使ってお互いが接続されて接地されるようにするのである。
【0083】
先ず、同一の基板収納筐体26で複数の電装基板ユニット24を収納可能に構成しておき、単数が収容される場合でも、機能追加や機能拡張などを目的として複数が収容される場合でも、機構(メカ)的な同一の系統の接地接続を行なうのである。
【0084】
特許文献1に記載の仕組みでは、基板収納筐体に電装基板を収容し、電装基板同士の接続によりワイヤーハーネスを最短化し電波ノイズ対策を行なう構成としているが、基板収納筐体は機能拡張用やオプション用の追加の電装基板ユニットを設置することが考慮されていない。その結果、機能追加などにより電装基板ユニットを追加しようとしたときには、通常の電装基板ユニットが配置されている場所とは異なる場所にその追加電装基板ユニットを搭載しなければならないことが起こり得る。
【0085】
この場合、搭載済の電装基板ユニットと追加電装基板ユニットとの間が比較的離れたものとなり、基板同士の接続によりハーネスを最短化し電波ノイズ対策を行なうことが困難になる。そうすると、機能追加などにより電装基板ユニットを追加する場合は、基板グランドは追加前と異なるフレームグランドに接続されることになり、電波ノイズなどの問題が再現してしまう。
【0086】
この点を考慮して、本実施形態の仕組みでは、機能追加や機能拡張などにより追加電装基板ユニット24b,24c,…を追加する場合に、追加前と異なるフレームグランドに接続されることで電波ノイズなど問題が発生する現象を解消するのである。
【0087】
また、機構的な遮蔽に関しては、各電装基板ユニット24を基板収納筐体26内に収容し、ネジなどの固定部材を利用して基板収納筐体26に機構的に固定して、各電装基板ユニット24の周囲が基板収納筐体26を構成する金属製のフレーム(板金)で覆われるようにすることで対応を採る。基板収納筐体26のフレームグランドは、装置本体のフレームグランドと、接続ケーブルを利用せずに機構的な接続の仕組みを利用して、電気的に強固に接続するようにする。
【0088】
このとき、基板収納筐体26を構成することになる板金間を、接続ケーブルを利用せずに機構的な接続の仕組み(図では模式的に機構的接触手段29で示す)を利用して、各板金のフレームグランド同士をそれぞれ電気的に強固に接続するようにする。機構的接触手段29は、第3の機構的な接触手段の一例である。
【0089】
つまり、全ての電装基板ユニット24を、導電性を持つ筐体でシールドするのである。筐体によるシールド効果により、外部からの電磁ノイズに対する耐性の向上と、電装基板ユニット24が備えるプリント基板アッセンブリから発せられる電磁ノイズの外部機器への放射の低減(遮断効果の向上)を図る。
【0090】
また、1つの筐体内に複数の電装基板ユニット24を着脱可能に構成しておくことで、複数の電装基板ユニット24を纏めて1箇所に収容できるようにしているので、各電装基板ユニット24の別に周囲を囲むシールド構造を採る場合よりも、コストを低減できるし各電装基板ユニット24の組立性も向上する。
【0091】
以下、本実施形態の画像出力端末1における電磁輻射抑制対応の仕組みについて、具体的に説明する。
【0092】
<基板収納筐体への電装基板ユニットの収容>
図2は、主電装基板ユニット24aのみを基板収納筐体26へ収容する際の配置関係の概要を示した斜視図である。図3は、主電装基板ユニット24aと追加電装基板ユニット24bを基板収納筐体26へ収容する際の配置関係の概要を示した斜視図である。図3Aは、基板間接続を行なうバックプレーン基板の概要を示す図である。
【0093】
また、図4は、各電装基板ユニット24を基板収納筐体26に収容する際の態様を示した正面図である。図5は、主電装基板ユニット24aのみを基板収納筐体26へ収容する際の基板収納筐体26の背面部分を示した図である。図6は、主電装基板ユニット24aと追加電装基板ユニット24bを基板収納筐体26へ収容する際の基板収納筐体26の背面部分を示した図である。
【0094】
図2および図3の何れにおいても、各電装基板ユニット24が収容される略直方体の基板収納筐体26は、トップ(上面側)とフロント(前面側)が開口された概ね箱型の形状の導電性を有する金属板で形成されたフレーム本体26aと、フレーム本体26aのトップに対して着脱可能な導電性を有する金属板で形成されたトップフレーム26TPとで構成されている。
【0095】
フレーム本体26aの各面の内の底面であるボトムフレーム26BTが各電装基板ユニット24を取り付ける取付け面として機能するようになっている。
【0096】
トップフレーム26TPは、ネジ開口を通してフレーム本体26aの上端部に設けられているネジ穴(何れも図示を割愛する)にネジ止めされる。これにより、基板収納筐体26のトップ(上面)側の開口部に関しては、機構的な遮蔽をとることとフレームグランドをとるための電気的な接地接続(機構的接触手段29としての接地接続)が、電装基板ユニット24の収容枚数に関わらず共通にとられる。
【0097】
また、図2および図3の何れにおいても、基板収納筐体26を構成するフレーム本体26aの前面側の筐体開口部から主電装基板ユニット24aを収容する形態を採る。追加電装基板ユニット24bに関しては、トップフレーム26TPを取り外して取り付けることもできるし、筐体開口部から取り付けることもできる。
【0098】
主電装基板ユニット24aは、先ず、プリント基板210上に電子部品が搭載された基板アッセンブリに、導電性を有する金属板で形成された基板シャーシ220と導電性を有する金属板で形成されたフロントパネル230が取り付けられた状態となっている。なお、図2ではフロントパネル230a、図3ではフロントパネル230bとするが、特に区別しない場合はフロントパネル230で記す。
【0099】
基板シャーシ220は、四隅や側辺近傍の適当な箇所にて、プリント基板210とネジ止めされるようになっている。基板シャーシ220とネジ止めされるプリント基板210側には、接地接続用の導電パターン(図示は割愛する)が形成され、ネジ止めによって、プリント基板210の基板グランドと基板シャーシ220との機構的接触手段27としての接地接続をとるようになっている。
【0100】
プリント基板210の略全面を覆うように基板シャーシ220を設けることで、基板シャーシ220をプリント基板210に対してのシールド部材として機能させることができる。プリント基板210から基板シャーシ220側へ発せられる電磁ノイズに対するシールド効果が向上する。
【0101】
図示を割愛するが、基板シャーシ220のフロントパネル230側の端部はL字状のアングルが設けられ、そのアングルのフロントパネル230と接触する面にはネジ穴が設けられ、フロントパネル230のネジ開口を通してこのネジ穴にネジ止めされることで、フロントパネル230との間での電気的な接地接続(機構的接触手段27としての接地接続)をとるようになっている。
【0102】
これにより、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容されて固定されると、フロントパネル230がフレーム本体26aのフレームグランドと電気的に接続され、フロントパネル230とネジ止めによって接続された基板シャーシ220が、フレームグランドの機能を持つようになる。
【0103】
結果的には、主電装基板ユニット24aの電気的な接地接続の一態様として、フロントパネル230および基板シャーシ220を介して、プリント基板210の基板グランドがフレーム本体26aのフレームグランドと接続されることになる。事実上、基板シャーシ220はフレームグランドを確保する機能を持つことになる。
【0104】
主電装基板ユニット24aのプリント基板210上には、電子部品として、たとえば、メインメモリ、データの読み出し専用のメモリであるROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置(HDD)、電源供給用のコネクタ212、信号接続用のコネクタ213や、その他のCPU(Central Processing Unit )やIC(Integrated Circuit;半導体集積回路)を始めとする電子回路部品が搭載されている。CPUなどの発熱量の大きな一部の電子回路部品には、放熱用のヒートシンクが取付けられている。
【0105】
電源供給用のコネクタ212および信号接続用のコネクタ213は、プリント基板210におけるフロントパネル230とは反対側の辺縁部に設けられ、図5や図6に示すように、基板収納筐体26内の奥側(バックフレーム26BK側)に設けられたバックプレーン基板390上の対応する電源供給用のコネクタ392および信号接続用のコネクタ393と接続されるようになっている。
【0106】
各コネクタ212,213,392,393は、ワイヤーハーネスを利用するいわゆる配線対基板用のコネクタではなく、対応するコネクタ同士を直接に接続する、すなわち対応するコネクタ同士を嵌合することのできるいわゆる基板対基板用のコネクタである。
【0107】
また、プリント基板210には、PCI(Peripheral Component Interconnect )規格に準じたサブボード(PCIボード)を装着するためのサブボード(PCI接続ボード)が搭載され、このPCI接続ボード上の接続コネクタを介してPCIボードが装着可能に構成されている。
【0108】
また、主電装基板ユニット24aのみを基板収納筐体26に収容する図2に示す態様においては、基板収納筐体26内のボトムフレーム26BTの左右何れかの側辺部(図ではフレーム本体26aの左端部26FL側)には、着脱用ガイド350が、適当な箇所にてボトムフレーム26BTとネジ止めされている。
【0109】
着脱用ガイド350は、主電装基板ユニット24aの基板シャーシ220の側辺部と接触することで、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に着脱されるときのスライドガイドや位置決めの機能をなすように、たとえばL字状のアングル材を用いるのが好適である。
【0110】
これに対して、複数の電装基板ユニット24を基板収納筐体26に収容する形態の図3に示す態様においては、着脱用ガイド350に代えて、基板収納筐体26内のボトムフレーム26BTのほぼ中央部には、ボトムシャーシ354が、その四隅や側辺近傍の適当な箇所にてボトムフレーム26BTとネジ止めされている。
【0111】
追加電装基板ユニット24bが取り付けられたときに、プリント基板310の略全面を覆うようにボトムシャーシ354を設けることで、ボトムシャーシ354をプリント基板310に対してのシールド部材として機能させることができる。ボトムシャーシ354は、基板シャーシ320とは反対側に設けられた基板シャーシとしても機能する。プリント基板310からボトムシャーシ354側へ発せられる電磁ノイズに対するシールド効果が向上する。
【0112】
このように、先にボトムシャーシ354をボトムフレーム26BTに取り付けておけば、主電装基板ユニット24aを先に収容して固定しておき、その後で追加電装基板ユニット24bを収容することも可能であり、この場合、主電装基板ユニット24aを固定側、追加電装基板ユニット24bを移動側として捉えることも可能である。
【0113】
なお、追加電装基板ユニット24bが予めボトムシャーシ354を備える構成としておき、このボトムシャーシ354を備えた追加電装基板ユニット24bのボトムシャーシ354とボトムフレーム26BTとをネジ止めする構成としてもよい。ボトムシャーシ354は、基板シャーシ320とは反対側に設けられた基板シャーシとしても機能する。
【0114】
この場合、ボトムシャーシ354は、フレームグランドの機能を持つことに加えて、プリント基板310を支持・固定する機能も持つ。たとえば、追加電装基板ユニット24bを装置本体1aの外の適当な載置台(たとえば床や作業台)に置く際に、追加電装基板ユニット24bを載置台に対して安定した姿勢で置けるような形状を持ち、載置用の支持部材としての機能も持つのである。
【0115】
ボトムシャーシ354の左側辺と右側辺は、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に着脱されるときの側端着脱ガイド(スライドガイド)機能や抜止め(着脱時の脱落防止)機能や位置決め機能をなすように、たとえば所定のアングル形状を有している。
【0116】
また、図2および図3の何れの態様においても、ボトムフレーム26BTの左側辺側と右側辺側に、導電性を有する金属で形成された弾性支持部材360が、開口部側から奥側(バックフレーム26BK側)に向かって一列に数個設けられている。
【0117】
弾性支持部材360としては、弾性を持ち、ボトムフレーム26BTとの取付け面とは反対側の面が、他の部材との間での摺動面となるようなものであればよく、たとえば、板バネを用いるのが好適である。弾性支持部材360は、導電性を持ち、摺動面上に載置された他の導電性を有する金属で形成された部材との間で、電気的な接続をとることが可能にも構成されている。
【0118】
図2の態様では、基板収納筐体26の開口部側において、左右の側辺側に、それぞれ1つの弾性支持部材360を配し、また、基板収納筐体26内の奥側(バックフレーム26BK側)にも、左右の側辺側に、それぞれ1つの弾性支持部材360を配している。
【0119】
図3の態様では、弾性支持部材360は、ボトムシャーシ354のフレーム本体26aの左端部26FLとの間およびボトムシャーシ354の右側辺とフレーム本体26aの右端部26FRとの間に設けられる。図では、基板収納筐体26の開口部側において、左右の側辺側に、それぞれ1つの弾性支持部材360を配した状態を示しているが、基板収納筐体26内の奥側(バックフレーム26BK側)にも、図示を割愛した弾性支持部材360が設けられている。
【0120】
また、フレーム本体26aのボトムフレーム26BTの開口部側は、断面がC型状の補強フレーム26FBとされ、主電装基板ユニット24aが挿入時にも、ボトムフレーム26BTの撓み防止などの補強機能を持つようにされている。
【0121】
また、複数の電装基板ユニット24を基板収納筐体26に収容する形態の図3に示す態様においては、基板収納筐体26内のボトムフレーム26BT(詳しくはボトムシャーシ354の上)に、追加電装基板ユニット24bが固定されるようになっている。
【0122】
本実施形態の構成の構成においては、追加電装基板ユニット24bを予め基板収納筐体26内に装着した状態で、主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26に挿入することで(詳細は後述する)、基板収納筐体26内に、複数の電装基板ユニット24a,24bを搭載するようにする。ただし、このような装着態様は一例に過ぎず、後述する電磁輻射抑制対応の接地接続を維持する限りにおいて、その他の手法を採用して、基板収納筐体26内に複数枚の電装基板ユニット24を搭載してもよい。
【0123】
なお、どのような搭載形態を採る場合であっても、基板収納筐体26内の電装基板ユニット24の上下方向の配置順は、発熱の影響を避けるために、発熱量の少ない電装基板ユニット24(本例では主電装基板ユニット24a以外)の上に、発熱量の大きい電装基板ユニット24(本例では主電装基板ユニット24a)を配置するのが好ましい。
【0124】
追加電装基板ユニット24bは、先ず、プリント基板310上に電子部品が搭載された基板アッセンブリに、概ねプリント基板310と同面積・同形状でかつ導電性を有する金属板で形成された基板シャーシ320がプリント基板310のほぼ全面を覆うように取り付けられた状態となっている。基板シャーシ320は、四隅や側辺近傍の適当な箇所にて、プリント基板310とネジ止めされるようになっている。
【0125】
プリント基板310の略全面を覆うように基板シャーシ320を設けることで、基板シャーシ320をプリント基板310に対してのシールド部材として機能させることができる。プリント基板310から基板シャーシ320側へ発せられる電磁ノイズに対するシールド効果が向上する。
【0126】
追加電装基板ユニット24bのプリント基板310上には、図示を割愛するが、電子部品として、たとえば、電源供給用と信号接続用の双方を兼ねるコネクタ312や、ICを始めとする電子回路部品が搭載されている。
【0127】
電源供給用と信号接続用の双方を兼ねるコネクタ312は、プリント基板310における基板収納筐体26の開口部とは反対側の辺縁部に設けられ、図6に示すように、基板収納筐体26内の奥側(バックフレーム26BK側)に設けられたバックプレーン基板390上の対応する電源供給用と信号接続用の双方を兼ねるコネクタ394と接続されるようになっている。
【0128】
各コネクタ212,213,312,392,393,394は、ワイヤーハーネスを利用するいわゆる配線対基板用のコネクタではなく、対応するコネクタ同士を直接に接続する、すなわち対応するコネクタ同士を嵌合することのできるいわゆる基板対基板用のコネクタである。
【0129】
各電装基板ユニット24a,24bのプリント基板210,310における同一の配線同士を、接続ケーブルを介在させずに、各電装基板ユニット24a,24bのプリント基板210,310に設けたコネクタと、中継基板の一例であるバックプレーン基板390に設けたコネクタを利用して、コネクタ同士を直接に接続するのである。
【0130】
基板間の接続をワイヤーハーネスなどの接続ケーブルでとった場合、接続ケーブルからの放出や外来する電磁ノイズの受信といった電磁ノイズが問題となるが、バックプレーン基板390を中継基板として使用することで、電装基板ユニット24の各基板間の信号の流れを最短化することに加えて、基板間接続に纏わる電磁ノイズに対する耐性の向上と放出量の低減を図る。
【0131】
図3Aあるいは図5および図6に示すように、バックプレーン基板390には、出力制御用のコネクタ396(1つとは限らず複数であってもよい)が設けられており、基板収納筐体26の下に位置する、図示を割愛した画像形成ユニット32の制御を行う基板ユニットのボードツーボード(Board to Board)型の基板間接続用コネクタと接続されるようになっている。
【0132】
なお、複数の電装基板ユニット24を基板収納筐体26に収容して各基板の配線を接続する基板間接続に当たっては、バックプレーン基板390とそのバックプレーン基板390上のコネクタを利用せずに、各電装基板ユニット24上のコネクタ同士を直接に嵌合させる仕組みを採ることも考えられる。
【0133】
たとえば、図6(C)に示すように、主電装基板ユニット24aの電源供給用のコネクタ212および信号接続用のコネクタ213をプリント基板210の追加電装基板ユニット24b側の面上で適当な位置に設け、また、組立て完了後の追加電装基板ユニット24bの主電装基板ユニット24a側の対応する位置に電源供給用のコネクタ312および信号接続用のコネクタ313を設け、対応するコネクタ同士を直接に嵌合させる。
【0134】
しかしながらこのような仕組みは、基板間の距離に対して制約を与えてしまうし、一方の基板(本例では主電装基板ユニット24a)の基板収納筐体26への着脱時の移動方向と、コネクタ同士を接続させるための移動方向とが直交するので、着脱性や組立て性が低下する。その収容数が2つである場合には採用可能と考えられるが、その収容数が増えると、特に、電装基板ユニット24の着脱や組立てが困難になる不都合が考えられる。
【0135】
基板シャーシ320とネジ止めされるプリント基板310側には、接地接続用の導電パターン(図示は割愛する)が形成され、ネジ止めによって、基板シャーシ320とプリント基板310の基板グランドとフレーム本体26aのフレームグランドとの機構的接触手段27としての接地接続をとるようになっている。
【0136】
結果的には、追加電装基板ユニット24bの電気的な接地接続の一態様として、プリント基板310を挟んでネジ止めされることで、プリント基板310の基板グランドがフレームグランドと接続され、さらに、事実上、基板シャーシ320は、基板固定の機能だけでなく、フレームグランドの機能も持つことになる。
【0137】
さらに、基板シャーシ320は、プリント基板310の略全面を覆うように形成されているので、主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26内の基板シャーシ320の上に挿入して搭載する際に、プリント基板310上の電子回路部品を保護する機能も持つ。
【0138】
また、基板シャーシ320のプリント基板310とのネジ止めの近傍には、導電性を有する突起接触部326が設けられている。突起接触部326としては、たとえば、基板シャーシ320を絞り加工で丸凸状となるように形成してもよいし、導電性を有する部材で半球状となるように別途形成しておいた突起接触部326の平面部分を溶着などで基板シャーシ320に接続してもよい。
【0139】
また、複数の電装基板ユニット24を層構造で、つまり重ねて、基板収納筐体26に収容する形態の図3においては、ボトムフレーム26BTから離れて配置された方の主電装基板ユニット24aの基板シャーシ220には、導電性を有するブラケット(Bracket )224が、ボトムフレーム26BTのフレームグランドと基板シャーシ220との間での電気的な接地接続(ここでは機構的接触手段27としての接地接続)をとるための中継部材や支持部材として取り付けられている。
【0140】
ブラケット224の長さや形状などは、ボトムフレーム26BTとの間に配することとなるその他の電装基板ユニット24の厚みや搭載数(本例では追加電装基板ユニット24bの1枚のみ)に応じて適切なものを適宜設定すればよい。
【0141】
本実施形態の場合、ブラケット224は、基板シャーシ220に対してネジ止めなどによって着脱可能になっており、追加電装基板ユニット24bを搭載する場合にのみ追加的に取り付けるようにする。
【0142】
ブラケット224は、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容されるとき、ボトムフレーム26BTに取り付けられている弾性支持部材360の上を当該ブラケット224が移動するように、基板シャーシ220上の弾性支持部材360と対応する適切な位置に取り付ける。
【0143】
詳細は後述するが、ボトムシャーシ354の両側端部に形成される側端着脱ガイドや抜止めや位置決めの機能をなすアングル形状と対応するように、ブラケット224のボトムシャーシ354側の側辺は所定のアングル形状とされている。これにより、ボトムシャーシ354の左右の側端に設けられるアングル形状との組合せによって、着脱する側の電装基板アッセンブリである主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に着脱されるときの側端着脱ガイド(スライドガイド)や抜止め(脱落防止)や位置決めの機能をなすようにされている。
【0144】
なお、着脱する側の電装基板アッセンブリである主電装基板ユニット24aの基板シャーシ220に設けられるブラケット224は、オプション基板アッセンブリである追加電装基板ユニット24bを基板収納筐体26に取り付ける際、主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26から取り外して(分離して)装置本体1aの外の適当な載置台(たとえば床や作業台)に置く際に、主電装基板ユニット24aを載置台に対して安定した姿勢で置けるような形状を持ち、載置用の支持部材としての機能も持つ。
【0145】
ここで、画像出力端末1を始めとする電子機器においては、電磁ノイズ対策が不可欠となっており、画像出力端末1においても、当該画像出力端末1から直接放射する電磁波の量を抑制するべく、先ず、電子回路部品が搭載された状態でのプリント基板自体の側面から、不要な電磁ノイズの放射すなわち不要輻射ノイズの抑制を図る手段を講じる。
【0146】
不要輻射の発生要因としては、ループ・アンテナ・モデルで考えることのできるプリント基板からのノーマル・モード・ノイズの放射と、ダイポール・アンテナ・モデルで考えることのできるワイヤーハーネスなどの接続ケーブルからのコモン・モード・ノイズの放射とに大別することができる。
【0147】
電装基板ユニット24を基板収納筐体26に収容する際の電磁輻射抑制対応に関しては、プリント基板からの放射についてはプリント基板自体の改善を図っておき、さらに、各電装基板ユニット24と基板収納筐体26との間で、様々な仕組みを利用した機構的接触手段27によって基板グランドとフレームグランド間の接地接続をとる。加えて、複数の電装基板ユニット24を基板収納筐体26に搭載する際は、電装基板ユニット24間においても、機構的接触手段28によって基板グランド同士あるいは一方の基板グランドと他方の基板グランドと接続されたフレームグランド機能を持つ基板シャーシとの接地接続をとるようにする。ワイヤーハーネスなどの接続ケーブルを使用せずに、機構的接触手段27,28を用いて接地接続をとることで、接続ケーブルからの放射を原理的には無しにする。
【0148】
プリント基板自体の電磁輻射抑制対策としては、ノーマル・モード・ノイズの側面からの対策をとる。すなわち、プリント基板上の電子回路は、出力側から負荷側へ接続される回路と、負荷側から戻ってくる回路との組み合わせによりループ回路が構成される。このようなループ回路にノイズ電流が流れることで、ループ回路がループ・アンテナの働きをし、これによって電磁ノイズ(電波)が放出される。
【0149】
この電磁ノイズの出力は、ループ面積とループ電流の2乗に比例する。したがって、ノイズ電波の出力を低減するためには、1)プリントパターンの側面からのループ面積の削減、2)バイパス・コンデンサなどのノイズ除去コンデンサを使用したノイズ電流ループ面積の削減、3)抵抗やインダクタ(コイル)による電流制限、などを行なうことが効果的である。何れにしても、プリント基板からの放射に関しては、プリント基板のパターン設計やノイズ対策部品を利用する回路設計の側面から対策が可能である。
【0150】
フロントパネル230には、先ず、主電装基板ユニット24aに取り付けられている外部IFコネクタ214用(図では4箇所)や、PCIボード用などの開口部が設けられている。3つの外部IFコネクタ214a,214b,214cやPCIボードは、ビスによってフロントパネル230に共締めされるようになっている。
【0151】
フロントパネル230の上端辺230TPは、外側に少し折り曲げられており、その上端辺230TPの基板収納筐体26側には、基板収納筐体26との間で電気的な接続をとるための導電性を有する弾性接続材232が設けられている。また、フロントパネル230の左端部および右端部には、基板収納筐体26への取付け用のネジ開口234が設けられている。
【0152】
また、図4(正面図)に示すように、フロントパネル230a,230bの何れにおいても、基板収納筐体26のボトムフレーム26BT側となる下端辺230BTに、導電性を有する突起接触部236が所定ピッチで配列されている。突起接触部236の配列ピッチは、たとえば80mmなど、電装基板ユニット24を収容した基板収納筐体26内から外部に放射される電磁波の周波数に応じた適切な値に設定する。
【0153】
突起接触部236としては、たとえば、下端辺230BTの金属板を絞り加工で丸凸状となるように形成してもよいし、導電性を有する部材で半球状となるように別途形成しておいた突起接触部236の平面部分を溶着などで下端辺230BTに接続してもよい。
【0154】
ここで、フロントパネル230としては、主電装基板ユニット24aのみを装着する形態の図2に示す態様のものと、追加電装基板ユニット24bをも装着可能な形態の図3に示す態様のものとで、異なる形状のフロントパネル230a,230bを使用している。各フロントパネル230a,230bにおける大きな差異は、図3に示す態様では、追加電装基板ユニット24bに取り付けられている外部IFコネクタ314用の開口部238(図では1箇所)がフロントパネル230bに設けられている点である。
【0155】
その他、細かな点としては、主電装基板ユニット24aに取り付けられている外部IFコネクタ214(図では4箇所)の取付け位置が若干異なることである。なお、図示した例では、図2および図3において、主電装基板ユニット24aに取り付けられている外部IFコネクタの取付け位置を異なるものとしているが、全く同じにしてもよい。
【0156】
基板収納筐体26のトップフレーム26TPには、基板収納筐体26内に対流(空気の流れ)を生じさせることで内部の部材を冷却する冷却ファン26FAN が取り付けられている。冷却ファン26FAN の気流方向としては、たとえば図2中の左上部に抜き出して示しているように、内部の空気を外部に排出する方向とされている。ただし、これは一例であって、逆に、外部の空気を内部に取り込む方向としてもよい。
【0157】
何れにしても、発熱の影響を避けるために、基板収納筐体26内に複数の電装基板ユニット24を収容する際には、発熱量の大きな主電装基板ユニット24aの下部に発熱量の小さな主電装基板ユニット24a以外の追加電装基板ユニット24bを配置し、発熱量の大きい主電装基板ユニット24aにおいて、特に発熱量の大きな電子部品はヒートシンクで熱を放熱し、さらに、基板収納筐体26のトップフレーム26TPに設けられた冷却ファン26FAN によるエアフローにより冷却する。
【0158】
トップフレーム26TPの開口部側の端部には、主電装基板ユニット24aが装着されたときに、主電装基板ユニット24a側の弾性接続材220との間で電気的な接続をとるための接触面26CSが設けられている。
【0159】
フレーム本体26aの開口部側の左端部26FLおよび右端部26FRは、L型のアングル形状をなしており、アングル面の一部の主電装基板ユニット24aのネジ開口234と対応する位置に、主電装基板ユニット24aを取り付けるためのネジ穴26Kが設けられている。主電装基板ユニット24aは、フロントパネル230のネジ開口234を通してフレーム本体26aの各端部26FL,26FRに設けられているネジ穴26Kにネジ止めされる。これにより、基板収納筐体26の開口部に関しては、機構的な遮蔽をとることとフレームグランドをとるための電気的な接地接続(機構的接触手段29としての接地接続)が、電装基板ユニット24の収容枚数に関わらず共通にとられる。
【0160】
なお、本実施形態では、フロントパネル230を基板シャーシ220とネジ止めして主電装基板ユニット24aと一体的に取り扱うようにしているが、このことは必須ではなく、フロントパネル230を主電装基板ユニット24aとは別体にしておき、主電装基板ユニット24aをフレーム本体26aに収容してから基板シャーシ220やフレーム本体26aにネジ止めするようにしてもよい。ただし、本実施形態のように、フロントパネル230を主電装基板ユニット24aと一体に取り扱った方が、部品の取扱い(管理)が簡易であり、また、組立性を高めることもできる。
【0161】
フロントパネル230が主電装基板ユニット24aと一体であるか別体であるかを問わず、フロントパネル230をフレーム本体26aに取り付けるときには、前述のネジ止めによる接地接続の他に、フロントパネル230の上端辺230TPに設けられた弾性接続材232と基板収納筐体26のトップフレーム26TPの筐体開口部側に設けられた接触面26CSとが接触することで、基板収納筐体26の開口部に関して、基板収納筐体26の機構的な遮蔽とフレームグランドをとるための電気的な接地接続(機構的接触手段29としての接地接続)が、電装基板ユニット24の収容枚数に関わらず共通にとられる。
【0162】
さらに、図4(正面図)に示すように、フロントパネル230の下端辺230BTに設けられている導電性を有する複数の突起接触部236と基板収納筐体26の補強フレーム26FBの構造を持つボトムフレーム26BTとが接触することで、基板収納筐体26の開口部に関して、基板収納筐体26の機構的な遮蔽とフレームグランドをとるための電気的な接地接続(機構的接触手段29としての接地接続)が、電装基板ユニット24の収容枚数に関わらず共通にとられる。
【0163】
<弾性接続材の構成例>
図7は、フロントパネル230の上端辺230TPに設ける弾性接続材232の一構成例を示す図である。
【0164】
図7(A),(B)に示すように、弾性接続材232は、長尺状のスポンジなどの弾性部材を、導電性を有する布状の外装テープで巻いて、長尺面の一方に、その長手方向に沿って、導電性を有する両面テープなどの接着部材を貼り付けた構造をなしている。弾性部材としてスポンジを用いた場合、スポンジ状のガスケット(GASKET)と称する。
【0165】
このような構造の弾性接続材232を、図7(C)に示すように、導電性を有する両面テープなどの接着部材を利用して、外側に少し折り曲げられているフロントパネル230の上端辺230TPの基板収納筐体26側に貼り付ける。
【0166】
<正面断面図>
図8は、主電装基板ユニット24aのみを基板収納筐体26に収容する際の態様を示す、正面側から見た断面図である。
【0167】
図8(A),図8(D)に示すように、ボトムフレーム26BTのフレーム本体26aの左端部26FL側には、L字構成のアングル材を用いた着脱用ガイド350が設けられている。
【0168】
なお、図8(B)に示すように、着脱用ガイド350は、ボトムフレーム26BTの左端部26FL側だけでなく右端部26FR側にも設けてもよい。この場合、図中に点線で示す基板シャーシ220の両側辺を、基板シャーシ220の側辺に対して僅かな(たとえば2〜5mm程度の)隙間を設けて挟み込み得るように配置する。これにより、主電装基板ユニット24aの左右方向の移動が規制され、主電装基板ユニット24aの左右側への離脱がほぼ完全に防止される。着脱用ガイド350は、主電装基板ユニット24aの左右側への抜止めや左右方向に対する概略の位置決めの機能を持つ。
【0169】
また、着脱用ガイド350の構造は、L字構成のアングル材に限らず、たとえば図8(C)に示すように、断面がC字状のチャンネル材としてもよい。この場合、図中に点線で示す基板シャーシ220の両側辺部(側辺とその上下の面)を、基板シャーシ220の両側辺部(側辺とその上下の面)に対して僅かな(たとえば2〜5mm程度の)隙間を設けて挟み込み得るように配置する。これにより、主電装基板ユニット24aの左右方向および上下方向の移動が規制され、主電装基板ユニット24aの上側および左右側への離脱が防止される。
【0170】
上下方向に関しては、基板シャーシ220のボトムフレーム26BTからの高さ規制h1を、弾性支持部材360の通常時の長さL1よりも小さくすることで、基板シャーシ220のボトムフレーム26BTからの高さがh1に規制される。着脱用ガイド350は、主電装基板ユニット24aの上側および左右側への抜止めや、上下方向および左右方向に対する概略の位置決めの機能を持つ。
【0171】
図8(D)に示すように、基板シャーシ220の底面は、ボトムフレーム26BTに設けられている弾性支持部材360の摺動面360aと接触し、弾性支持部材360をボトムフレーム26BT側に押し込む(圧縮する)ようにされている。
【0172】
弾性支持部材360の基板シャーシ220に対する接触状態は、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容されて固定された後にも維持され、フレーム本体26aとの間での電気的な接地接続(機構的接触手段27としての接地接続)をとるようにする。これにより、フレーム本体26aのフレームグランドが、弾性支持部材360を介して基板シャーシ220と接続される。
【0173】
前述のように、基板シャーシ220はプリント基板210の基板グランドと接続されている。よって結果的には、主電装基板ユニット24aの電気的な接地接続の一態様として、弾性支持部材360および基板シャーシ220を介して、プリント基板210の基板グランドがフレーム本体26aのフレームグランドと接続されることになる。
【0174】
また、図8(D)に示すように、主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26内に収容するときには、基板シャーシ220の左側辺が着脱用ガイド350に沿って押込み可能である。このとき、基板シャーシ220の側辺部は、着脱用ガイド350と接触/非接触を繰り返し得るが、主電装基板ユニット24aの左右方向の移動が着脱用ガイド350と接触することで規制される。着脱用ガイド350は、スライドガイドの機能を持つとともに、主電装基板ユニット24aの左右側への抜止めや、左右方向に対する概略の位置決めの機能を持つ。もちろん、着脱用ガイド350を両側辺に配した方が、その効果は高まる。
【0175】
一方、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容されて固定された後には、基板シャーシ220の着脱用ガイド350に対する接触可能な状態を解除して、非接触状態が維持されるように、お互いが接地しない位置に配置するのが好ましい。
【0176】
これは、安定した接続状態として取り扱うことが困難な形態で、フレーム本体26aのフレームグランドとプリント基板210の基板グランドとが接続されることがないようにすることを意味する。
【0177】
着脱用ガイド350の着脱用のガイドをなす形状部分や脱落防止をなす形状部分や位置決めをなす形状部分が、基板シャーシ220と非接触状態を維持可能に主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26に収容して取り付けるようにするのである。
【0178】
つまり、着脱する主電装基板ユニット24aの装着時には着脱ガイドや脱落防止や位置決めなどの機能を持つようにしつつ、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容されて固定された後には、基板シャーシ220が着脱用ガイド350に電気的に接続されない位置に配置可能に、着脱用ガイド350の形状を設定しておく。
【0179】
主電装基板ユニット24aをフレーム本体26aに固定した後にも、基板シャーシ220が着脱用ガイド350に対して接触した状態あるいは振動などで接触し得るような状態では、フレームグランドとのメカ的な接地接続が不安定となり、電波ノイズに対して、ノイズレベルや傾向を同一にすることができず、電磁ノイズの問題が発生するのと大きく異なる。
【0180】
図9は、複数の電装基板ユニット24(主電装基板ユニット24aと追加電装基板ユニット24b)を基板収納筐体26に収容する際の態様を示す、正面側から見た断面図である。ここでは、追加電装基板ユニット24bがボトムシャーシ354を備える構成のものとする。
【0181】
図9に示すように、ボトムシャーシ354は、プリント基板310と突起接触部326が形成された基板シャーシ320とを支持して固定するようになっている。このとき、必要に応じて支柱355が使用される。この支柱355は、ボトムシャーシ354の一部を切り欠いて形成してもよいし、別物のものを使用してもよい。
【0182】
フレーム本体26aに追加電装基板ユニット24bを搭載する際には、図9(A)に示すように、ボトムシャーシ354を、フレーム本体26aのボトムフレーム26BTに対してネジ止めする。これにより、追加電装基板ユニット24bの電気的な接地接続の一態様として、フレーム本体26aのフレームグランドが、ボトムシャーシ354を介してプリント基板310の基板グランドや基板シャーシ320と接続されることになる。事実上、ボトムシャーシ354は、基板支持(基板固定)の機能だけでなく、フレームグランドを確保する機能を持つことになる。
【0183】
なお、図9(A)中に点線で示すように、ボトムシャーシ354の底部(ボトムフレーム26BT側)に機構的接触手段27を構成する突起接触部358を設けるとよい。この場合、ボトムフレーム26BTが、当該ボトムシャーシ354に設けられた突起接触部358を介して接触することで、追加電装基板ユニット24bとフレーム本体26aの間の電気的な接地接続(機構的接触手段27としての接地接続)をとる。
【0184】
ボトムシャーシ354に突起接触部358を設けてボトムシャーシ354とボトムフレーム26BTとを接触させるので、その接触位置は、ボトムシャーシ354の突起接触部358の配置位置となり、一定となる。組立て完了状態でのボトムシャーシ354に関するフレームグランドの接地接続系統は、ばらつきがなく、安定したものとなる。
【0185】
ボトムシャーシ354に突起接触部358を設けずに、ボトムシャーシ354とボトムフレーム26BTとが面同士で接触するようにすることで、プリント基板の基板グランドとフレームグランドとを接続する第1の機構的な接触手段を構成することも考えられる。しかしながら、この場合、その接触位置は、各面の凹凸に応じたものとなってしまい、必ずしもネジ止めの位置のみになるとは限らず一定とはならない。このため、ボトムシャーシ354をフレームグランドとし、プリント基板310の基板グランドと接続することに関しての電磁ノイズ防止性能は、突起接触部358を利用する場合よりも劣る。
【0186】
図9(A)に示すように、ボトムシャーシ354の左側辺と右側辺は、所定(図ではL字の2段構成)の着脱用ガイド356が設けられている。追加電装基板ユニット24bがフレーム本体26aのボトムフレーム26BTに取り付けられると、図9(B)に示すように、ボトムフレーム26BTのほぼ中央部に、ボトムシャーシ354が配置された状態となる。この状態に対して、主電装基板ユニット24aが装着される。
【0187】
また、図9(B)に示すように、主電装基板ユニット24a側の基板シャーシ220の左側辺と右側辺にはブラケット224が設けられている。この基板シャーシ220には、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に着脱されるときの側端着脱ガイド(スライドガイド)機能や抜止め(着脱時の脱落防止)機能や位置決め機能をなすように、ボトムシャーシ354の着脱用ガイド356と対応する形状、たとえば所定のアングル形状を有している。
【0188】
これにより、ボトムシャーシ354側の着脱用ガイド356の形状との組合せによって、機能拡張やオプションの電装部品増設時に、着脱される側の主電装基板ユニット24aをスムースに着脱でき保全性が行なえ、着脱途中位置でも主電装基板ユニット24aの脱落を防止できるようにする。
【0189】
たとえば、着脱用ガイド356の内側面と接触し得る面(図中のa面)は平面とされ、また、ブラケット224のボトムフレーム26BT側の面(頂面;図中のc面)に抜け防止ガイド228がボトムシャーシ354側に突き出すように設けられている。
【0190】
そして、たとえば、主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26内に収容する際、ブラケット224の内側面とボトムシャーシ354の着脱用ガイド356との左右方向の間には、僅かな(たとえば2〜5mm程度の)隙間を設けて挟み込み得るようにする。これにより、先ず、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容されるときに、ブラケット224と着脱用ガイド356に沿って押込み可能である。ブラケット224と着脱用ガイド356、スライドガイドの機能を持つ。
【0191】
すなわち、主電装基板ユニット24aを装着する過程では、ブラケット224とボトムシャーシ354の着脱用ガイド356との間に僅かな隙間が設けられるものの、ボトムシャーシ354の着脱用ガイド356の端部はブラケット224の内側面(何れも図中の“a”の面)と接触し得るようにされている。これにより、主電装基板ユニット24aの左右方向の移動が規制され、主電装基板ユニット24aの左右への離脱が防止される。ブラケット224と着脱用ガイド356(詳しくは各a面)は、主電装基板ユニット24aの左右への抜止めや左右方向に対する概略の位置決めの機能を持つ。
【0192】
また、主電装基板ユニット24aを装着する過程では、ブラケット224の抜け防止ガイド228が、ボトムシャーシ354の着脱用ガイド356の段差部分(何れも図中の“b”の面)にて、ブラケット224の抜け防止ガイド228と接触し得るようにする。これにより、ボトムフレーム26BTからの高さh2に主電装基板ユニット24aの上下方向の移動も規制されるようになり、主電装基板ユニット24aの上側への離脱が防止される。抜け防止ガイド228と着脱用ガイド356(詳しくは各b面)は、主電装基板ユニット24aの上側への抜止めや、上下方向に対する概略の位置決めの機能を持つ。
【0193】
これにより、基板収納筐体26内に固定増設する側の追加電装基板ユニット24bは、プリント基板310の固定機能とフレームグランド機能を持つボトムシャーシ354を具備し、かつ、上部に配置される着脱側の基板アッセンブリである主電装基板ユニット24aに対しての装着用のガイド機構(着脱ガイド機能)をなす着脱用の着脱用ガイド356を有し、かつ着脱される主電装基板ユニット24aの引出し途中の位置においても、主電装基板ユニット24aの上下左右方向に対する脱落・落下を防止することとなる。
【0194】
また、図9(B)に示すように、ブラケット224の底面(図中の“c”部)は、ボトムフレーム26BTに設けられている弾性支持部材360の摺動面360aと接触し、弾性支持部材360をボトムフレーム26BT側に押し込む(圧縮する)ようにされている。
【0195】
弾性支持部材360のブラケット224の底面に対する接触状態は、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容されて固定された後にも維持され、フレーム本体26aとの間での電気的な接地接続(機構的接触手段27としての接地接続)をとるようにする。
【0196】
これにより、フレーム本体26aのフレームグランドが、弾性支持部材360およびブラケット224を介して基板シャーシ220と接続される。前述のように、基板シャーシ220はプリント基板210の基板グランドと接続されている。よって結果的には、主電装基板ユニット24aの電気的な接地接続の一態様として、弾性支持部材360、ブラケット224、および基板シャーシ220を介して、プリント基板210の基板グランドがフレーム本体26aのフレームグランドと接続されることになる。
【0197】
追加電装基板ユニット24bについては、既にボトムフレーム26BTに取り付けられており、ボトムシャーシ354を介して基板グランドとフレームグランドとが接続されて、当該追加電装基板ユニット24bに関しての機構的接触手段27が構成されており、それとは別系統(機構的接触手段27の一例である点で共通するが異なる接地系統)で、主電装基板ユニット24aについての弾性支持部材360およびブラケット224を介した機構的接触手段27が構成されることになる。
【0198】
前述の説明から分かるように、主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26内に収容するときには、基板シャーシ220に一体的に取り付けられているブラケット224の着脱用ガイド356側が当該着脱用ガイド356に沿って押込み可能である。このとき、ブラケット224は、着脱用ガイド356と接触/非接触を繰り返し得るが、主電装基板ユニット24aの左右方向や上下方向の移動が着脱用ガイド356と接触することで規制される。
【0199】
一方、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容されて固定された後には、基板シャーシ220のブラケット224のボトムシャーシ354の着脱用ガイド356に対する接触可能な状態を解除して、非接触状態が維持されるようにする。安定した接続状態として取り扱うことが困難な形態で、フレーム本体26aのフレームグランドとプリント基板210の基板グランドとが接続されることがないようにする。各電装基板ユニット24a,24bを基板収納筐体26に固定した後には、お互いが接地しない位置に配置するのが好ましいのである。
【0200】
主電装基板ユニット24aをフレーム本体26aに固定した後にも、基板シャーシ220に取り付けられたブラケット224が、ボトムシャーシ354に形成された着脱用ガイド356に対して接触した状態あるいは振動などで接触し得るような状態では、フレームグランドとのメカ的な接地接続が不安定となり、電波ノイズに対して、ノイズレベルや傾向を同一にすることができず、電磁ノイズの問題が発生するのと大きく異なる。
【0201】
<側面断面図>
図10は、主電装基板ユニット24aのみを基板収納筐体26に収容する際の態様を示した右側面の断面図である。図11は、主電装基板ユニット24aと追加電装基板ユニット24bとを基板収納筐体26に収容する際の態様を示した右側面の断面図である。
【0202】
また、図12は、主電装基板ユニット24aのみを基板収納筐体26に収容する際の態様を示した左側面の断面図である。図13は、主電装基板ユニット24aと追加電装基板ユニット24bとを基板収納筐体26に収容する際の態様を示したブラケット224部分に着目した左側面の断面図である。
【0203】
図10および図11や図12および図13に示すように、フロントパネル230の上端辺230TPに貼り付けられた弾性接続材232と対応するトップフレーム26TPの接触面26CSは、フレーム本体26aの開口部側の辺縁を折り返すことで形成されている。
【0204】
また、図10および図11や図12および図13に示すように、基板シャーシ220のフロントパネル230側の端部はL字アングル222が設けられ、そのL字アングル222のフロントパネル230と接触する面にはネジ穴が設けられており、フロントパネル230のネジ開口を通してこのネジ穴にネジ止めされることで、主電装基板ユニット24aの基板グランドとフレーム本体26aのフレームグランドを接続する接地接続の一態様として、フロントパネル230とフレーム本体26aの間での電気的な接地接続(機構的接触手段27としての接地接続)をとる。
【0205】
フロントパネル230のネジ開口を通してフレーム本体26aのネジ穴にネジ止めでフロントパネル230とフレーム本体26aとを接触させるので、その接触位置は、フロントパネル230上のネジ開口とフレーム本体26aのネジ穴の配置位置となり、一定となる。組立て完了状態でのフロントパネル230とフレーム本体26a相互のフレームグランドの接地接続系統は、ばらつきがなく、安定したものとなる。もちろん、フロントパネル230のフレーム本体26aに対する機構的な取付け位置も、ネジ開口とネジ穴の配置位置で規定されるので、組立て完了状態では、ばらつきがなく、安定したものとなる。
【0206】
ボトムフレーム26BTの両側辺側に設けられた弾性支持部材360は、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容されてフレーム本体26aに対して位置的に固定されたときに、主電装基板ユニット24aの電気的な接地接続の一態様として、フレーム本体26aのフレームグランドを、主電装基板ユニット24aのプリント基板210の基板グランドあるいはフレームグランド機能を持つ基板シャーシ220と接続する機能を持つ。
【0207】
たとえば、主電装基板ユニット24aのみを基板収納筐体26に収容する形態においては、主電装基板ユニット24aの基板シャーシ220が直接に弾性支持部材360と接触することで、フレーム本体26aのフレームグランドと基板シャーシ220との間での電気的な接地接続(ここでは機構的接触手段27としての接地接続)をとる。
【0208】
たとえば、図12に示すように、基板シャーシ220のフロントパネル230a側とは反対側の先端に、所定(図ではテーパーの付いた略L字)の着脱用先端ガイド223が設けられている。着脱用先端ガイド223の底面(図中の“d”部)は、ボトムフレーム26BTに設けられている弾性支持部材360と接触し押し込むようにされている。
【0209】
図10や図12に示すように、基板収納筐体26内のボトムフレーム26BTに取り付けられている、スライドガイドや位置決めの機能をなすようにされている着脱用ガイド350に沿って、バックフレーム26BK側に押し込まれる。
【0210】
このとき、基板シャーシ220の着脱用先端ガイド223の底面(図12中の“d”部)が、ボトムフレーム26BTに取り付けられている弾性支持部材360を押し(圧縮し)、また基板シャーシ220が弾性支持部材360の上をスライドしながらバックフレーム26BK側に送り込まれる。
【0211】
ここで、主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26内に収容し終えてフロントパネル230aがフレーム本体26aにネジ止めされ、双方の位置関係が固定されると、図10および図12(図8も参照)に示すように、基板収納筐体26のボトムフレーム26BTに設けられた弾性支持部材360が、主電装基板ユニット24aのプリント基板210の底面側にある基板シャーシ220と接触することで、主電装基板ユニット24aと基板収納筐体26との間の電気的な接地接続(機構的接触手段27としての接地接続)をとる。
【0212】
一方、主電装基板ユニット24aだけでなく追加電装基板ユニット24bも基板収納筐体26内に収容するときには、先ず、追加電装基板ユニット24bを基板収納筐体26内に取り付けておく。
【0213】
図13に示すように、ブラケット224の長手方向のフロントパネル230b側とは反対側の先端に、所定(図ではテーパーの付いた略L字)の着脱用先端ガイド226が形成されている。ブラケット224の着脱用先端ガイド226の底面(図中の“e”部)は、ボトムフレーム26BTに設けられている弾性支持部材360と接触し押し込むようにされている。
【0214】
そして、図11や図13に示すように、追加電装基板ユニット24bが搭載済の基板収納筐体26を対象として、ボトムフレーム26BTに取り付けられているボトムシャーシ354の左側辺と右側辺に設けられている、スライドガイドや抜止めや位置決めの機能をなすようにされている抜け防止ガイド228,356に沿って、バックフレーム26BK側に押し込まれる。
【0215】
このとき、ブラケット224の着脱用先端ガイド226の底面(図13中の“e”部)が、ボトムフレーム26BTに取り付けられている弾性支持部材360を押し(圧縮し)、またブラケット224が弾性支持部材360の上をスライドしながらバックフレーム26BK側に送り込まれる。
【0216】
ここで、主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26内に収容し終えてフロントパネル230bがフレーム本体26aにネジ止めされ、双方の位置関係が固定されると、図11および図13(図9も参照)に示すように、基板収納筐体26のボトムフレーム26BTに設けられた弾性支持部材360が、主電装基板ユニット24aのプリント基板210の底面側にある基板シャーシ220とブラケット224を介して接触することで、主電装基板ユニット24aと基板収納筐体26との間の電気的な接地接続(機構的接触手段27としての接地接続)をとる。
【0217】
何れにしても、機構的接触手段27を構成する弾性支持部材360を介しての主電装基板ユニット24aの基板グランドとフレーム本体26aのフレームグランドの接地接続に関しては、ボトムフレーム26BTに弾性支持部材360を設けて基板シャーシ220と接触させるので、その接触位置は、ボトムフレーム26BT上の弾性支持部材360の配置位置となり、一定となる。組立て完了状態でのプリント基板210の基板グランドとフレーム本体26aのフレームグランドの接地接続系統は、ばらつきがなく、安定したものとなる。
【0218】
また、主電装基板ユニット24aを収容し終えてフロントパネル230bがフレーム本体26aにネジ止めされ、双方の位置関係が固定されると、図11および図13(図9も参照)に示すように、追加電装基板ユニット24bの基板シャーシ320が、当該基板シャーシ320に設けられた突起接触部326を介して主電装基板ユニット24aの基板シャーシ220と接触することで、主電装基板ユニット24aと追加電装基板ユニット24bとの間の電気的な接地接続(機構的接触手段28としての接地接続)をとる。
【0219】
突起接触部326が設けられている基板シャーシ320はプリント基板310の基板グランドと接続されており、突起接触部326と接触される基板シャーシ220はプリント基板210の基板グランドと接続されているので、結果的には、主電装基板ユニット24aと追加電装基板ユニット24bの各基板グランドが接続されることになる。
【0220】
加えて、追加電装基板ユニット24b側から見た場合、突起接触部326と接触される基板シャーシ220はフロントパネル230bともネジ止めされ、さらに組立て後には、フロントパネル230bはフレーム本体26aとネジ止めや弾性接続材232や突起接触部236を介してフレーム本体26aと接触(接続)されるので、追加電装基板ユニット24bの基板グランドを、主電装基板ユニット24aの基板シャーシ220を介してフレームグランドと接続することにもなる。
【0221】
また、主電装基板ユニット24a側から見た場合、主電装基板ユニット24aの基板シャーシ220を、追加電装基板ユニット24bの基板シャーシ320を介して(もちろん突起接触部326を介して)先ず追加電装基板ユニット24bの基板グランドに接続し、さらに、裏面(ボトムフレーム26BT側)のボトムシャーシ354を介してフレームグランド(ボトムフレーム26BT)と接続されるので、主電装基板ユニット24aの基板グランドを、基板シャーシ320およびボトムシャーシ354を介してフレームグランドと接続することにもなる。
【0222】
基板シャーシ320に突起接触部326を設けて基板シャーシ320と基板シャーシ220とを接触させるので、その接触位置は、基板シャーシ320上の突起接触部326の配置位置となり、一定となる。組立て完了状態での基板間相互の基板グランドの接地接続系統は、ばらつきがなく、安定したものとなる。
【0223】
基板シャーシ320に突起接触部326を設けずに、基板シャーシ320と基板シャーシ220とが面同士で接触するようにすることで、プリント基板の基板グランド同士を接続する第2の機構的な接触手段を構成することも考えられる。しかしながら、この場合、その接触位置は、各面の凹凸に応じたものとなってしまい一定とはならないで、プリント基板210とプリント基板310の各基板グランドを接続することに関しての電磁ノイズ防止性能は、突起接触部326を利用する場合よりも劣る。
【0224】
なお、本実施形態では、基板シャーシ320に突起接触部326を設けて基板シャーシ320と基板シャーシ220とを接触させる構成としているが、機構的接触手段28の一例である突起接触部326を介して、基板シャーシ220と基板シャーシ320とを接触させる構造であればよく、基板シャーシ220および基板シャーシ320の何れか一方もしくは双方に(つまり少なくとも一方に)突起接触部326を設けるなどの変形が可能である。
【0225】
つまり、基板収納筐体26内に主電装基板ユニット24aのみを収容する形態では、弾性支持部材360および基板シャーシ220を介して、フレーム本体26aのフレームグランドとプリント基板210との基板グランドとを接続する。
【0226】
これに対して、基板収納筐体26内に複数の電装基板ユニット24(前例では主電装基板ユニット24aと追加電装基板ユニット24b)とを収容する形態では、追加基板アッセンブリである追加電装基板ユニット24bをフレーム本体26aに予め固定しておき、弾性支持部材360の接地系統のために、基板シャーシ220に導電性を有する中継部材としてのブラケット224を追加し、弾性支持部材360、ブラケット224、および基板シャーシ220を介して、フレーム本体26aのフレームグランドとプリント基板210との基板グランドとを接続する。
【0227】
加えて、追加電装基板ユニット24bには突起接触部326を具備した基板シャーシ320を設けておき、各電装基板ユニット24a,24bがフレーム本体26aに対して固定されて双方の位置関係が固定されたときは、突起接触部326が基板シャーシ220と接触することで、主電装基板ユニット24aと追加電装基板ユニット24bとの間の電気的な接地接続(機構的接触手段28としての接地接続)をとる。
【0228】
なお、本実施形態では、複数枚の電装基板ユニット24を収容する場合にのみ、弾性支持部材360を利用した接地系統のために、基板シャーシ220にブラケット224を追加して取り付けるようにしているが、主電装基板ユニット24aのみを収容する場合にも、ブラケット224を使用する構成をとっても構わない。もちろん、着脱用ガイド350に代えてボトムシャーシ354を使用する。この場合、追加電装基板ユニット24bを搭載するか否かに関わらず、主電装基板ユニット24aに関しての構造や基板グランドおよびフレームグランドの接地接続の系統を、完全に同一にすることができる。
【0229】
また、弾性支持部材360を介してフレームグランドへ接続をとるに当たり、本実施形態では、弾性支持部材360をボトムフレーム26BT側に設けているが、このことは必須ではなく、着脱用ガイド350を基板シャーシ220側やブラケット224側に取り付けてもよい。ただし、基板シャーシ220やブラケット224側に弾性支持部材360を取り付けると、主電装基板ユニット24aを取り外して作業台などに載置しておくときに弾性支持部材360が支持部材として機能し、その弾性性能を低下させてしまう不都合が生じるので、本実施形態の方が好ましい。
【0230】
また、図10(B)および図11(B)や図12(B)および図13(B)に示すように、主電装基板ユニット24aが基板収納筐体26内に収容された後には、基板収納筐体26のトップフレーム26TPの開口部側に設けられた接触面26CSが、フロントパネル230の上端辺230TPに取り付けられた弾性接続材232を少し押す(圧縮する)ようにして接触する。これにより、基板収納筐体26の開口部に関して、基板収納筐体26の機構的な遮蔽とフレームグランドをとるための電気的な接地接続(機構的接触手段29としての接地接続)が、電装基板ユニット24の収容枚数に関わらず共通にとられる。
【0231】
フロントパネル230の上端辺230TPTに弾性接続材232を設けて、フロントパネル230とトップフレーム26TPとを接触させるので、その接触位置は、上端辺230TPの弾性接続材232が設けられているほぼ全体となり一定となる。組立て完了状態でのフロントパネル230とトップフレーム26TPとのフレームグランドの接地接続系統は、ばらつきがなく、安定したものとなる。
【0232】
フロントパネル230の上端辺230TPに弾性接続材232を設けずに、フロントパネル230の上端辺230TPとトップフレーム26TPとが面(あるいは辺)同士で接触するようにすることも考えられる。しかしながら、この場合、その接触位置は、各面の凹凸に応じたものとなってしまい一定とはならないで、フロントパネル230とトップフレーム26TPの各フレームグランドを接続することに関しての電磁ノイズ防止性能は、弾性接続材232を利用する場合よりも劣る。
【0233】
また、図10(B)および図11(B)や図12(B)および図13(B)に示すように、フロントパネル230の下端辺230BTに設けられている突起接触部236と基板収納筐体26のボトムフレーム26BTが補強フレーム26FBの近傍にて接触することで、基板収納筐体26の開口部に関して、基板収納筐体26の機構的な遮蔽をとるための電気的な接地接続(機構的接触手段29としての接地接続)が、電装基板ユニット24の収容枚数に関わらず共通にとられる。
【0234】
フロントパネル230の下端辺230BTに突起接触部236を設けて、フロントパネル230とボトムフレーム26BTとを接触させるので、その接触位置は、フロントパネル230の下端辺230BT上の突起接触部236の配置位置となり、一定となる。組立て完了状態でのフロントパネル230とボトムフレーム26BTとのフレームグランドの接地接続系統は、ばらつきがなく、安定したものとなる。
【0235】
フロントパネル230に突起接触部236を設けずに、フロントパネル230とボトムフレーム26BTとが面同士で接触するようにすることも考えられる。しかしながら、この場合、その接触位置は、各面の凹凸に応じたものとなってしまい一定とはならないで、フロントパネル230とボトムフレーム26BTの各フレームグランドを接続することに関しての電磁ノイズ防止性能は、突起接触部236を利用する場合よりも劣る。
【0236】
なお、本実施形態では、フロントパネル230の上端辺230TPに弾性接続材232を設けて、また、下端辺230BTに突起接触部236を設けて、フレーム本体26aやトップフレーム26TPとの間でフレームグランド同士を接続するようにしたが、これに限定されるものではない。
【0237】
たとえば、下端辺230BTには、突起接触部236に代えて弾性接続材232を設けてもよい。また、上端辺230TPには、弾性接続材232に代えて突起接触部236を設けてもよい。また、弾性接続材232をフロントパネル230側に設けるのではなく、トップフレーム26TP側に設けてもよい。また、突起接触部236をフロントパネル230側に設けるのではなく、ボトムフレーム26BT側に設けてもよい。
【0238】
このように、本実施形態の電装基板の収容形態においては、共通の基板収納筐体26で複数の電装基板ユニット24を収納可能に構成し、単数のみならず、複数(たとえば機能追加や機能拡張を目的する)でも、組立て完了状態での基板グランドとフレームグランドやフレームグランド相互間の接続に関して、ばらつきがなく、安定したものとなるように、メカ的な同一の系統の接地接続をとり、電波ノイズに対して、ノイズレベルや傾向を同一にするようにしている。
【0239】
基板収納筐体26の遮蔽とフレームグランドの接続に関して言えば、本実施形態の場合、フロントパネル230のネジ開口を通したフレーム本体26aへのネジ止めによる接続、フロントパネル230の弾性接続材232を介したトップフレーム26TPの接触面26CSと接触による接続、並びに、フロントパネル230の下端辺230BTに設けた突起接触部236とフレーム本体26aのボトムフレーム26BTとの接触による接続、といった3系統の共通の接地形状と接地系統が電装基板ユニット24(つまりプリント基板アッセンブリ)の収納数に関わらず維持される。
【0240】
<基板収納筐体と電装基板ユニットの装置本体への搭載>
図14および図15は、電装基板ユニット24を収容する基板収納筐体26の装置本体1aへの搭載態様と、基板収納筐体26への電装基板ユニット24の収容態様の一例を示した斜視図である。
【0241】
電装基板ユニット24や基板収納筐体26を装置本体に搭載するに当たっては、装置本体1aから基板収納筐体26を取り外した状態で、この基板収納筐体26に筐体開口部から電装基板ユニット24を装着し、フレーム本体26aに冷却ファン26FAN などを取り付けたトップフレーム26TPを被せて、電装基板ユニット24が搭載された基板収納筐体26を装置本体に取り付ける第1の態様を採ることができる。つまり、先に基板収納筐体26に電装基板ユニット24を収容してからトップフレーム26TPを被せてから基板収納筐体26を装置本体に取り付けるのである。この場合の筐体開口部は、フロントパネル230側となる筐体開口部に限らず、トップフレーム26TPが取り外された部分の筐体開口部を含む。
【0242】
あるいは、先ず、フレーム本体26aに冷却ファン26FAN などを取り付けたトップフレーム26TPを被せて基板収納筐体26を完成させ、装置本体1aに基板収納筐体26を取り付け、予め装置本体1aに搭載されている基板収納筐体26に対して、その筐体開口部から電装基板ユニット24を装着する第2の態様を採ることもできる。この場合の筐体開口部は、フロントパネル230側となる筐体開口部となる。図14および図15は、第2の態様で示している。
【0243】
また、複数の電装基板ユニット24a,24bを基板収納筐体26に収容するに当たっては、本実施形態では、主電装基板ユニット24aを着脱する側の電装基板アッセンブリとして取り扱い、追加電装基板ユニット24bを予め固定しておく側の電装基板アッセンブリとして取り扱うことにする。
【0244】
たとえば、フレーム本体26aに冷却ファン26FAN などを取り付けたトップフレーム26TPを被せて基板収納筐体26を完成させ、図14に示すように、装置本体1aに基板収納筐体26を取り付けておく。なお、図では、追加電装基板ユニット24bがボトムシャーシ354を備えるものとして、ボトムシャーシ354がボトムフレーム26BTに備えられていない形態で示す。
【0245】
そして、図15に示すように、先ず、追加電装基板ユニット24bを基板収納筐体26に、その筐体開口部から装着する。このとき、主電装基板ユニット24aは、基板シャーシ220に取り付けられているブラケット224を支持部材として使用し、装置本体1aの外の適当な載置台(たとえば床や作業台)に置いておく。
【0246】
なお、主電装基板ユニット24aを取り付けてある画像出力端末1に対して、オプション基板アッセンブリとして追加電装基板ユニット24bを取り付ける際には、主電装基板ユニット24aを基板収納筐体26から取り外して(分離して)、基板シャーシ220に取り付けられているブラケット224を支持部材として使用し、装置本体1aの外の適当な載置台(たとえば床や作業台)に置いておく。
【0247】
追加電装基板ユニット24bの基板収納筐体26への装着が完了したら、ボトムシャーシ354の着脱用ガイド356を側辺側の着脱ガイドとして、基板収納筐体26に、その筐体開口部から主電装基板ユニット24aを装着する。
【図面の簡単な説明】
【0248】
【図1】本発明に係る電子機器の一実施形態である画像形成装置の機能を具備した画像出力端末の全体概要を示す図である。
【図2】主電装基板ユニットのみを基板収納筐体へ収容する際の配置関係の概要を示した斜視図である。
【図3】主電装基板ユニットと追加電装基板ユニットを基板収納筐体へ収容する際の配置関係の概要を示した斜視図である。
【図3A】基板間接続を行なうバックプレーン基板の概要を示す図である。
【図4】各電装基板ユニットを基板収納筐体に収容する際の態様を示した正面図である。
【図5】主電装基板ユニットのみを基板収納筐体へ収容する際の基板収納筐体の背面部分を示した図である。
【図6】主電装基板ユニットと追加電装基板ユニットを基板収納筐体26へ収容する際の基板収納筐体の背面部分を示した図である。
【図7】フロントパネルの上端辺に設ける弾性接続材の一構成例を示す図である。
【図8】主電装基板ユニットのみを基板収納筐体に収容する際の態様を示す、正面側から見た断面図である。
【図9】主電装基板ユニットと追加電装基板ユニットを基板収納筐体に収容する際の態様を示す、正面側から見た断面図である。
【図10】主電装基板ユニットのみを基板収納筐体に収容する際の態様を示した右側面の断面図である。
【図11】主電装基板ユニットと追加電装基板ユニットとを基板収納筐体に収容する際の態様を示した右側面の断面図である。
【図12】主電装基板ユニットのみを基板収納筐体に収容する際の態様を示した左側面の断面図である。
【図13】主電装基板ユニットと追加電装基板ユニットとを基板収納筐体に収容する際の態様を示したブラケット部分に着目した左側面の断面図である。
【図14】電装基板ユニットを収容する基板収納筐体の装置本体への搭載態様と、基板収納筐体への電装基板ユニットの収容態様の一例を示した斜視図(その1)である。
【図15】電装基板ユニットを収容する基板収納筐体の装置本体への搭載態様と、基板収納筐体への電装基板ユニットの収容態様の一例を示した斜視図(その2)である。
【符号の説明】
【0249】
1…画像出力端末、1a…装置本体、10…画像読取部、12…ドキュメントフィーダ、15…ユーザインタフェース部、20…コントローラ部、24…電装基板ユニット、24a…主電装基板ユニット、24b,24c…追加電装基板ユニット、26…基板収納筐体、26a…フレーム本体、26BK…バックフレーム、26BT…ボトムフレーム、26FAN …冷却ファン、26FB…補強フレーム、26TP…トップフレーム、26CS…接触面、27〜29…機構的接触手段、30…画像出力部、32…画像形成ユニット、34…両面複写ユニット、80…給紙部、90…接続ケーブル、210…プリント基板、212…電源供給用のコネクタ、213…信号接続用のコネクタ、214…外部IFコネクタ、220…基板シャーシ、222…L字アングル、223…着脱用先端ガイド、224…ブラケット、226…着脱用先端ガイド、228…抜け防止ガイド、230…フロントパネル、232…弾性接続材、236…突起接触部、310…プリント基板、312…電源供給用と信号接続用の双方を兼ねるコネクタ(電源供給用のコネクタ)、313…信号接続用のコネクタ、314…外部IFコネクタ、320…基板シャーシ、326…突起接触部、350…着脱用ガイド、354…ボトムシャーシ(基板シャーシ)、356…着脱用ガイド、358…突起接触部、360…弾性支持部材、390…バックプレーン基板(中継基板)、392…電源供給用のコネクタ、393…信号接続用のコネクタ、394…電源供給用と信号接続用の双方を兼ねるコネクタ、396…出力制御用のコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
プリント基板上に電子回路部品が搭載された基板アッセンブリを収容するための開口部を具備し、フレームグランドがとられるようにして前記装置本体に取り付けられた、複数枚の基板アッセンブリを着脱可能な基板収納筐体と、
前記基板収納筐体に収容された1枚もしくは複数枚の基板アッセンブリと
を備え、
前記プリント基板の基板グランドは、前記基板収納筐体のフレームグランドと、第1の機構的な接触手段を介して電気的に接続されている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記複数枚の基板アッセンブリは、それぞれの基板グランドが、それぞれ異なる系統の前記第1の機構的な接触手段を介して前記フレームグランドと電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記基板収納筐体に複数枚の基板アッセンブリが収容されており、
前記複数枚の基板アッセンブリの内の基板面が隣接するものは、それぞれの基板グランド同士が、第2の機構的な接触手段を介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2の機構的な接触手段は、前記基板アッセンブリのそれぞれにプリント基板の基板グランドと接続された導電性を有する基板シャーシが設けられ、当該基板シャーシの少なくとも一方に導電性を有する突起状の接触部が設けられ、当該突起状の接触部と対向する側の前記基板シャーシとが接触することで構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の機構的な接触手段は、前記基板アッセンブリにプリント基板の基板グランドと接続された導電性を有する基板シャーシが設けられ、当該基板シャーシと前記基板収納筐体との間に導電性と弾性を有する接触部が設けられ、当該弾性を有する接触部が前記基板シャーシと接触することで構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記基板シャーシと前記弾性を有する接触部との間に、導電性を有する中継部材が設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記基板収納筐体に複数枚の基板アッセンブリが収容されており、
前記複数枚の基板アッセンブリの内の前記基板収納筐体の取付け面から離れて配置された方の前記基板シャーシと前記弾性を有する接触部との間に前記中継部材が設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記中継部材は、前記基板収納筐体に複数枚の基板アッセンブリが収容される場合に、追加の部材として設けられるものである
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項9】
前記基板収納筐体に複数枚の基板アッセンブリが収容されており、
前記中継部材は、後から前記基板収納筐体に収容される方の前記基板アッセンブリの前記基板シャーシに取り付いている
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第1の機構的な接触手段は、前記基板アッセンブリに基板シャーシが設けられ、当該基板シャーシに突起状の接触部が設けられ、当該突起状の接触部が前記基板シャーシと接触することで構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記基板収納筐体の前記開口部は、導電性を有する金属部材で覆われ、かつ当該金属部材のフレームグランドは、前記基板収納筐体のフレームグランドと、第3の機構的な接触手段を介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記第3の機構的な接触手段は、前記基板アッセンブリの前記基板収納筐体への収納数に関わらず一定である
ことを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記プリント基板は、前記電子回路部品が搭載された状態での当該プリント基板自体の側面から不要輻射ノイズの抑制を図る手段が講じられている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項14】
前記基板アッセンブリのプリント基板には、配線の入出力用のコネクタが搭載されており、
各基板アッセンブリのプリント基板のコネクタはそれぞれ対応するコネクタと嵌合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項15】
前記基板アッセンブリのプリント基板には、配線の入出力用のコネクタが搭載されており、
さらに、複数の前記基板アッセンブリのプリント基板の同一の配線同士を接続するコネクタが搭載された中継基板を備え、
各基板アッセンブリのプリント基板のコネクタは前記中継基板の対応するコネクタと嵌合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項16】
電子回路部品が搭載されたプリント基板と、
前記プリント基板の基板グランドと電気的に接続された導電性を有する基板シャーシと、
前記基板シャーシに設けられ、他のプリント基板アッセンブリの基板シャーシと接触される導電性を有する突起状の接触部と
を備えることを特徴とするプリント基板アッセンブリ。
【請求項17】
前記プリント基板は、前記電子回路部品が搭載された状態での当該プリント基板自体の側面から不要輻射ノイズの抑制を図る手段が講じられている
ことを特徴とする請求項16に記載のプリント基板アッセンブリ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2008−153363(P2008−153363A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−338543(P2006−338543)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】