説明

電子機器および撮像装置

【課題】小型化、軽量化を図りつつ、開閉蓋を確実に閉塞する上で有利な電子機器および撮像装置を提供する。
【解決手段】ロック機構86は、開閉蓋27を閉塞位置に保持するロック状態と、開閉蓋27の閉塞位置から開放位置への揺動を可能とする非ロック状態とにする。開閉蓋27の内面に該開閉蓋27の中央部を通り該開閉蓋27の互いに対向する外周部に延在するアーム88が設けられ、アーム88の延在方向の両端に、開閉蓋27の揺動軸心O1から離れた収容部26の2箇所に係脱可能に結合する2つのロック爪がそれぞれ設けられ、ロック機構86は、アーム88およびそれら2つのロック爪を含んで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像データや音声データを記録および/または再生する記録媒体として光ディスクなどのディスク状記録媒体を用いる電子機器が提供されている。
このような電子機器として、外装を構成するケースにディスク状記録媒体が装脱可能に収容される収容部と、収容部に収容されたディスク状記録媒体に対してデータの記録および/または再生を行う記録再生部とを設け、収容部を開閉する開閉蓋をヒンジを介して収容部に揺動可能に設け、ロック機構により、開閉蓋を閉塞位置に保持するロック状態と、開閉蓋の閉塞位置から開放位置への揺動を可能とする非ロック状態とを形成するようにしたものが提案されている(特許文献1、2参照)。
上記電子機器では、ロック機構は、開閉蓋の外周でヒンジと反対側の開閉蓋箇所に設けられた係合爪と、収容部に組み込まれプランジャなどのアクチュエータによってスライドすることで係合爪との係脱がなされる係合部とを含んで構成されている。
【特許文献1】特開2005−184668号公報
【特許文献2】特開2005−182877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、このような電子機器では、小型化、軽量化が要求されていることからケースや開閉蓋の薄肉化が図られている。
そのため、上記従来技術のように開閉蓋が1箇所でロックされる構造では、開閉蓋を確実に閉塞位置に保持する上で不利がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、小型化、軽量化を図りつつ、開閉蓋を確実に閉塞する上で有利な電子機器および撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明は、外装を構成するケースと、前記ケースに設けられディスク状記録媒体が装脱可能に収容される収容部と、前記収容部に収容された前記ディスク状記録媒体に対してデータの記録および/または再生を行う記録再生部と、前記ケースに設けられ前記収容部を閉塞した閉塞位置と、前記収容部を開放した開放位置との間で揺動可能に設けられた開閉蓋と、前記開閉蓋を閉塞位置に保持するロック状態と、前記開閉蓋の前記閉塞位置から前記開放位置への揺動を可能とする非ロック状態とを形成するロック機構とを備える電子機器であって、前記開閉蓋の内面に該開閉蓋の中央部を通り該開閉蓋の互いに対向する外周部に延在するアームが設けられ、前記アームの延在方向の両端に、前記開閉蓋の揺動軸心から離れた前記収容部の2箇所に係脱可能に結合し前記ロック状態を形成するロック爪がそれぞれ設けられ、前記ロック機構は、前記アームおよび2つのロック爪を含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、外装を構成するケースと、前記ケースの内部に該ケースの前面に臨むように設けられた撮影光学系と、前記ケースの内部に組み込まれ前記撮影光学系によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子で撮像された画像データをディスク状記録媒体に記録させる記録部と、前記ケースの右側部に設けられ前記ディスク状記録媒体が装脱可能に収容される収容部と、前記ケースの右側部に設けられ前記収容部を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋を閉塞位置に保持するロック状態と、前記開閉蓋の前記閉塞位置から前記開放位置への揺動を可能とする非ロック状態とを形成するロック機構とを備える撮像装置であって、前記開閉蓋の内面に該開閉蓋の中央部を通り該開閉蓋の互いに対向する外周部に延在するアームが設けられ、前記アームの延在方向の両端に、前記開閉蓋の揺動軸心から離れた前記収容部の2箇所に係脱可能に結合し前記ロック状態を形成するロック爪がそれぞれ設けられ、前記ロック機構は、前記アームおよび2つのロック爪を含んで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
そのため、本発明によれば、単一のアームを用いることで開閉蓋の2箇所をロックでき、したがって、小型化、軽量化を図りつつ開閉蓋を確実に閉塞でき、開閉蓋やケースの薄肉化を図る上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1乃至図6は第1の実施の形態の撮像装置10の構成を示す斜視図、図7は撮像装置10の右側面図、図10は撮像装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
図1乃至図6に示すように、本実施の形態では電子機器は撮像装置10であり、撮像装置10がビデオカメラである場合を例にとって説明する。
撮像装置10は、外装を構成し左右方向の幅よりも大きな寸法の前後方向の長さおよび上下方向の高さを有するケース12を有している。なお、本明細書において左右は、撮像装置10を後方から見た状態でいうものとし、また、光学系の光軸方向で被写体側を前方といい、撮像素子側を後方という。
ケース12の上部の前部には、撮影光学系14が組み込まれた鏡筒16が前面から前方に臨んで設けられている。撮影光学系14はズームレンズを有し、ズーム率が連続的に可変できるように構成されている。
ケース12の内部には、撮影光学系14によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子18(図10参照)などが収容されている。
図4に示すように、ケース12の上部の後部には撮像素子18によって撮像された被写体像を視認するためのビューファインダー(電子式ファインダー)20が後面から後方に臨んで設けられている。ビューファインダー20は、ケース12内部に設けられた例えば液晶表示装置からなるディスプレイパネル22(図10参照)を有し、そのディスプレイパネル22に表示される画像を視認するように構成されている。
図1、図6に示すように、ケース12の左側部には、撮像素子18によって撮像された被写体像などを表示するための例えば液晶表示装置からなるディスプレイパネル24が開閉可能に設けられ、このディスプレイパネル24は閉じられた際に収容凹部1202に収容される。なお、収容凹部1202の底壁にはスピーカ52(図10参照)が設けられている。
【0007】
図3、図4に示すように、ケース12の右側部には、画像データや音声データを記録するディスク状記録媒体2(図10参照)が装脱可能に装着される収容部26が設けられている。
図3に示すように、収容部26は、ディスク状記録媒体2を収容する収容空間2602と、収容空間2602に設けられ装着部を構成するターンテーブル2606と、記録再生機構60と、この収容空間2602を閉塞する開閉蓋27とを有し、開閉蓋27の外面によってケース12の右側面が形成されている。
開閉蓋27は下端のヒンジ2650(図5参照)を支点(揺動軸心)としてその上端がケース12の外側方に揺動可能に設けられており、開閉蓋27は、図2に示す閉塞位置と図3に示す開放位置とにわたって開閉され、開放位置においてディスク状記録媒体2の装脱がなされる。
また、開閉蓋27は、後述するロック機構86により閉塞位置でロックされ、また、ロックが解除されることで閉塞位置から開放位置への揺動が許容されるように構成されている。
【0008】
ターンテーブル2606は収容空間2602の底壁に設けられ、不図示のスピンドルモータで回転され、ディスク状記録媒体2の中心孔がターンテーブル2606に係合保持されることでディスク状記録媒体2がターンテーブル2606と一体的に回転駆動されるように構成されている。
また、図2乃至図5に示すように、ケース12の右側面には、前後方向に延在するグリップベルト28が設けられており、グリップベルト28は、開閉蓋27の外側方で前後方向に延在し開閉蓋27の外面との間に右手のひらが挿入されるように設けられている。
また、図4に示すように、ケース12の上面後部には、ビデオライトやフラッシュライトなどのアクセサリーを着脱可能に装着するホットシュー30が設けられている。
また、図1に示すように、ケース12の前面下部には、音声を収音するためのマイクロフォン46(図10参照)が設けられている。
【0009】
図1乃至図4、図6に示すように、撮像装置10には、撮影にまつわる種々の機能を実行するための操作部材として、電源用操作部材32、静止画撮影用操作部材34、ズーム用操作部材36、モード切り換え用操作部材38、動画撮影用操作部材40、開閉蓋用操作部材82などが設けられている。
電源用操作部材32、静止画撮影用操作部材34、ズーム用操作部材36、モード切り換え用操作部材38、開閉蓋用操作部材82は、ケース12の上面に設けられている。
動画撮影用操作部材40は、ケース12の後面の上下方向の中間で右側面寄りの箇所に設けられている。
電源用操作部材32は、撮像装置10の電源のオン、オフを行うためのものである。
静止画撮影用操作部材34は、撮像素子18による静止画の撮影を行うためのものである。
ズーム用操作部材36は、撮影光学系14のズーム率を変化させるためのものである。
モード切り換え用操作部材38は、静止画撮影モードと動画撮影モードとを切り換えるためのものである。
動画撮影用操作部材40は、動画撮影のスタートとストップを行うためのものである。
開閉蓋用操作部材82は、開閉蓋27を開放するためのものである。
【0010】
図10に示すように、撮像装置10には、映像信号用増幅回路42、画像データ処理部44、マイクロフォン46、マイクロフォン用増幅回路48、音声データ処理回路50、スピーカ52、出力用増幅回路54、記録再生回路56、コントロール回路58、記録再生機構60、ドライブ回路62、インターフェース回路64、メモリカード用スロット66、ズーム駆動部68などが設けられている。
また、撮像装置10には、電源スイッチ70、静止画撮影用スイッチ72、ズーム用スイッチ74、モード切り換え用スイッチ76、動画撮影用スイッチ78、開閉蓋用スイッチ84が設けられている。
撮像素子18で生成された撮像信号は映像信号用増幅回路42で増幅され、画像データ処理部44に供給される。
画像データ処理部44は、撮像信号に所定の信号処理を行うことで、動画データおよび静止画データを生成し、記録再生回路56に供給される。
マイクロフォン46で収音された音声信号はマイクロフォン用増幅回路48で増幅され、音声データ処理回路50によって所定の信号処理がなされ音声データとして記録再生回路56に供給される。
【0011】
記録再生回路56は、画像データ処理部44から供給された動画データおよび静止画データや音声データ処理回路50から供給された音声データをコントロール回路58の制御にしたがって収容部26の記録再生機構60に供給する。
記録再生機構60は動画データおよび静止画データや音声データを記録媒体としてのディスク状記録媒体2に記録するものであり、特許請求の範囲の記録再生部(記録部)を構成している。記録再生機構60は、例えば、従来公知の光ピックアップによってディスク状記録媒体2の記録層に光ビームを照射することでデータの記録を行い、また、光ピックアップによってディスク状記録媒体2の記録層に照射した光ビームの反射光ビームを検出することでデータの再生を行うものである。
なお、本実施の形態では、ディスク状記録媒体2としてDVD−Rなどの光ディスクを用いるが、ディスク状記録媒体としては、DVD−R以外の光ディスク、あるいは、光磁気ディスクであってもよいことは無論である。
また、記録再生回路56は、画像データ処理部44から供給された動画データおよび静止画データや音声データ処理回路50から供給された音声データをインターフェース回路64を介してメモリカード用スロット66に装着された記録媒体としてのメモリカード4に記録する。
また、記録再生回路56は、画像データ処理部44から供給された動画データおよび静止画データを、ドライブ回路62を介してディスプレイパネル22、24に供給して画像の表示を行わせる。
また、記録再生回路56は、インターフェース回路64を介してメモリカード4から供給される動画データおよび静止画データを、ドライブ回路62を介してディスプレイパネル22、24に供給して画像の表示を行わせるとともに、インターフェース回路64を介してメモリカード4から供給される音声データを出力用増幅回路54を介してスピーカ52に供給して音声の出力を行わせる。
また、記録再生回路56は、記録再生機構60によりディスク状記録媒体2から再生された動画データおよび静止画データを、ドライブ回路62を介してディスプレイパネル22、24に供給して画像の表示を行わせるとともに、記録再生機構60によりディスク状記録媒体2から再生された音声データを出力用増幅回路54を介してスピーカ52に供給して音声の出力を行わせる。
【0012】
電源スイッチ70は電源用操作部材32の操作によって動作されるものであり、コントロール回路58は、電源スイッチ70の動作に基づいて撮像装置10の電源のオン、オフを行う。
静止画撮影用スイッチ72は静止画撮影用部材34の操作によって動作されるものであり、コントロール回路58は、静止画撮影用スイッチ72の動作に基づいて画像データ処理部44および記録再生回路56に指令を与えることにより、画像データ処理部44から画像データ処理部44に供給される静止画データを記録再生回路56から記録再生機構60に供給することで静止画データをディスク状記録媒体2に記録させる。言い換えると、静止画撮影用部材34は、いわゆるシャッタボタンとして機能している。
ズーム用スイッチ74はズーム用操作部材36の操作によって動作されるものであり、コントロール回路58は、ズーム用スイッチ74の動作に基づいてズーム駆動部68に指令を与えることにより、撮影光学系14のズームレンズを移動させることにより、撮影光学系14のズーム率を変化させる。
モード切り換え用スイッチ76はモード切り換え用操作部材38の操作によって動作されるものであり、コントロール回路58はモード切り換え用スイッチ76の動作に基づいて画像データ処理部44に指令を与えることにより、画像データ処理部44によって動画データを生成させる動画撮影モードと、画像データ処理部44によって静止画データを生成させる静止画撮影モードとを切り換える。
なお、動画撮影モードでは、画像データ処理部44で生成された動画データが記録再生回路56を介してディスク状記録媒体2またはメモリカード4に記録され、静止画撮影モードでは、画像データ処理部44で生成された静止画データが記録再生回路56を介してディスク状記録媒体2またはメモリカード4に記録される。
動画撮影用スイッチ78は動画撮影用操作部材40の操作によって動作されるものであり、コントロール回路58は、動画撮影用スイッチ78の動作に基づいて動画データの記録の開始、記録の停止を行わせる。すなわち、コントロール回路58は、動画撮影用スイッチ78の動作に基づいて画像データ処理部44および記録再生回路56に指令を与えることにより、画像データ処理部44から画像データ処理部44に供給される動画データを記録再生回路56から記録再生機構60に供給することで動画データをディスク状記録媒体2に記録させる動作を開始させ、あるいはその動作を停止させる。言い換えると、動画撮影用操作部材40は、いわゆる撮影スタート/ストップの操作部材として機能している。
開閉蓋用スイッチ84は開閉蓋用操作部材82の操作によって動作されるものであり、コントロール回路58は、開閉蓋用スイッチ84の動作に基づいて後述するアクチュエータ90に電流を供給することでアクチュエータ90を動作させ、これにより開閉蓋27のロック機構86を駆動する。すなわち、コントロール回路58は、開閉蓋用スイッチ84の動作に基づいてロック機構86による開閉蓋27のロックとロックの解除を行い、ディスク状記録媒体2に対する記録動作中に開閉蓋27が不用意に開放されて記録動作が途中で停止しデータが破損してしまうことが防止されている。なお、本実施の形態では開閉蓋用操作部材82は前後方向にスライド移動するように構成されている。
【0013】
本実施の形態では、図4に示すように、ケース12の前面を前方に向け、右手の手のひらと、親指を除く右手の指でケース12の右側部を掴んだ状態で、ケース12の上面の後部の右側部で右手の人差し指で操作できる範囲の箇所に、撮影にまつわる互いに異なった機能を実行するための3つの操作部材である電源用操作部材32と、静止画撮影用操作部材34と、ズーム用操作部材36が前後方向に直線状に並べられて配置されている。
本実施の形態では、図4に示すように、ケース12の右側面に前後方向に延在するグリップベルト28が設けられており、ケース12を右手のひらと、親指を除く右手の指でケース12の右側部を掴む際に、親指を除く右手の指は、ケース12の右側面とグリップベルト28との間に挿通される。
また、本実施の形態では、図4、図6に示すように、電源用操作部材32と静止画撮影用操作部材34とズーム用操作部材36は、収容部26の後方かつ上方箇所に位置している。
また、本実施の形態では、図4、図6に示すように、電源用操作部材32と静止画撮影用操作部材34とズーム用操作部材36とが配置された箇所の左側方にビューファインダー20がケース12の後面に臨むように位置している。
また、本実施の形態では、図4、図6に示すように、電源用操作部材32と静止画撮影用操作部材34とズーム用操作部材36のうち、電源用操作部材32は最も後方の箇所に配置され、ズーム用操作部材36は最も前方の箇所に配置されている。
【0014】
図4に示すように、静止画撮影用操作部材34は押圧用のボタンで構成され、静止画撮影用操作部材34を押圧操作することで、静止画データがディスク状記録媒体2またはメモリカード4に記録される。
ズーム用操作部材36は揺動レバーで構成され、前後方向を通る仮想軸の周りに揺動可能に設けられ、常時中立位置に付勢され、ケース12の幅方向の中心方向に揺動させることでズーム率が減少されるように(広角側にされるように)、外側方に揺動させることでズーム率が増加されるように(望遠側にされるように)構成されている。
本実施の形態では、ズーム用操作部材36の前後に左右方向に延在する仕切り壁1210がそれぞれ設けられ、ズーム用操作部材36をより確実に操作できるようにしている。
【0015】
電源用操作部材32とモード切り換え用操作部材38は、前後方向を通る仮想軸の周りに揺動可能に設けられた円盤状の単一の揺動部材80で構成されている。
揺動部材80の後端面は、前後方向においてケース12の後端面とほぼ同じ位置に位置しケース12の後方に露出している。
揺動部材80を第1の揺動位置と第2の揺動位置との間で揺動操作することで電源のオン、オフがなされ、詳細には第1の揺動位置で電源がオフされ、第2の揺動位置で電源がオンされる。
また、揺動部材80を第2の揺動位置と、第2の揺動位置を挟んで第1の揺動位置と反対に位置する第3の揺動位置との間で揺動操作する毎に静止画撮影モードと動画撮影モードとに交互に切り換えられ、揺動部材80は第2の揺動位置に位置するように常時付勢されている。
本実施の形態では、図6に示すように、揺動部材80の外周部に凹部8002が設けられ、この凹部8002の底面にロックボタン8004が押圧操作可能に設けられている。そして、揺動部材80が第1の揺動位置に位置した状態でロックボタン8004を押すことで第1の揺動位置から第2の揺動位置に揺動できるように構成されている。
【0016】
本実施の形態では、図4に示すように、動画撮影用操作部材40は、ケース12の前面を前方に向け、右手の手のひらと、親指を除く右手の指でケースの右側部を掴んだ状態で、右手の親指で操作できる範囲内で電源用操作部材32の下方のケース12の箇所に設けられている。
動画撮影用操作部材40は、押圧用のボタンで構成され、動画撮影用操作部材40を押圧操作する毎に、動画データのディスク状記録媒体2またはメモリカード4への記録のスタートとストップがなされる。
【0017】
上述のように、電源用操作部材32と、静止画撮影用操作部材34と、ズーム用操作部材36とを配置すると、次のような利点を有することになる。
ケース12の前面を前方に向け、右手の手のひらと、親指を除く右手の指でケース12の右側部を掴んだ状態で、ケース12の上面の後部の右側部で右手の人差し指で操作できる範囲の箇所に、電源用操作部材32と、静止画撮影用操作部材34と、ズーム用操作部材36が前後方向に直線状に並べられて配置されているので、ケース12を掴んだ状態で、これら3つの操作部材の全てを右手の人差し指で円滑にかつ容易に操作することができ、操作性の向上を図る上で有利となる。
【0018】
次に、グリップベルト28について詳細に説明する。
図8はグリップベルト28とケース12との取着部分の斜視図、図9はグリップベルト28と開閉蓋27との取着部分の斜視図である。
図2乃至図5に示すように、グリップベルト28は、開閉蓋27の外側方で前後方向に延在するベルト本体2802と、ベルト本体2802の中間箇所を覆う甲当てパッド2804とを有している。
ベルト本体2802は可撓可能であり、例えば、合成樹脂製の繊維が帯状に編まれて形成されている。
甲当てパッド2804は、例えば、布や合成皮革などの柔軟性を有する材料で形成され、手の甲に当たるようにベルト本体2802よりも大きな寸法の幅で形成されている。
ベルト本体2802の中間箇所に甲当てパッド2804が設けられることで、ベルト本体2802と開閉蓋27の外面との間に右手のひらが挿入された際に、甲当てパッド2804の部分が右手の甲に当接し、右手のひらと、ケース12の右側部および開閉蓋27の外面とのフィット感が確保されるように構成されている。
【0019】
図2、図3、図4に示すように、グリップベルト28の前後方向の一端はケース12の前後方向の端部に取着され、他端はケース12の前後方向の端部とは前後方向において反対の方向に位置する開閉蓋27の前後方向の端部に取着されている。
本実施の形態では、図1、図2、図8に示すように、ベルト本体2802の前端2810は開閉蓋27の下部前端に取着されている。
すなわち、開閉蓋27の下部前端に位置する前方を向いた壁部2610には、ベルト本体2802の前端2810を挿通可能な開口2612が形成され、開口2612の内部に挿入されたベルト本体2802の前端2810の孔2812に開閉蓋27の内面から突設された係合突起2614が係合することで、ベルト本体2802の前端2810が開閉蓋27の下部前端に取着されている。
なお、本実施の形態では、図1、図8に示すように、上記の壁部2610が位置する開閉蓋27の下部前端は、前後方向においてケース12の前面の上下方向中央部よりも後方に変位した箇所に設けられている。
【0020】
また、図4、図5、図9に示すように、グリップベルト28の後端2820はケース12の下部後端に取着されている。
すなわち、ケース12は後方を向いた後面1220を有し、後面1220の下部で右側部寄りに位置する壁部2820にベルト本体2802の後端2820が挿通される開口1222が形成され、開口1222内に挿入されたベルト本体2802の後端2820が後面1220の内面に設けられた係合軸部1224に掛止されることで、ベルト本体2802の後端2820がケース12の下部後端の内部に取着され、グリップベルト28の後端2820寄り部分は開口1222を通り後面1220から後方に突出している。
なお、ベルト本体2802が開口2612、1222に近接する箇所にはそれぞれ金具2830が取着されており、それら金具2830の間でベルト本体2802の長さ調整が行われるように構成されている。
【0021】
上述のようにグリップベル28を構成すると、次のような利点が奏される。
開閉蓋27は下端のヒンジ2650(図5参照)を支点として揺動可能に設けられ、グリップベルト28の前端2810は開閉蓋27の前端に取着され、後端2820はケース12の後端に取着されているので、開閉蓋27を開放した場合、あるいは、閉塞した場合の何れの場合にも、グリップベルト28の前端2810は開閉蓋27の前端2820と共に移動する。
したがって、グリップベルト28が開閉蓋27の開閉動作を妨げることがないため、従来と異なって、グリップベルト28を開閉蓋27の移動軌跡から外す必要がなく、ディスク状記録媒体2の装着部26への交換操作を容易かつ円滑に行うことができ操作性を向上させる上で有利となる。
特に、グリップベルト28の前端2810は開閉蓋27の下部前端に取着され、後端2820はケース12の下部後端に取着されているので、操作性を向上させる上でより一層有利となる。
また、開閉蓋27を開閉する際、グリップベルト28の前端2810が開閉蓋27の前端と共に移動することから、グリップベルト28と開閉蓋27の外面との間に右手を挿入したままであっても開閉蓋27の開閉動作を行うことができる。
したがって、撮像装置10を机の上などに載置せず、グリップベルト28と開閉蓋27の外面との間に右手を挿入して右手で撮像装置10を保持したままで、左手でディスク状記録媒体2の交換を行うことが可能となり、ディスク状記録媒体2の交換操作が簡単かつ迅速に行え、チャンスを逃さず撮影を行う上で有利となる。
【0022】
また、前後方向においてケース12の前面の上下方向の中央部よりも後方に変位した箇所に設けられている開閉蓋27の下部前端にグリップベルト28の前端2810が取着されているため、開閉蓋27の下部前端に金具2830が位置していても前後方向においてスペースを占有せず、撮像装置10のコンパクト化を図る上で有利となる。
また、グリップベルト28の前端2810が開閉蓋27の支点に近い開閉蓋27の下部前端に取着されているため、グリップベルト28と開閉蓋27の外面との間に右手を挿入した際に、グリップベルト28の前端2810から開閉蓋27に作用する力が前記支点に近い箇所に掛かり、したがって、開閉蓋27を薄肉化し、撮像装置10をコンパクト化する上で有利となる。
【0023】
また、グリップベルト28と開閉蓋27の外面との間に挿入した右手の幅が大きく、右手の後方寄りの部分が後面1220よりも後方にはみ出すような場合であっても、グリップベルト28の後端2820寄り部分が後面1220から後方に突出しているので、グリップベルト28の後端2820寄り部分を、後面1220から後方にはみ出した右手部分に密着して延在させることができ、グリップベルト28およびケース12と右手のフィット感を確保する上で有利となる。すなわち、グリップベルト28の後端2820がケース12の後面1220ではなく、ケース12の右側面の後部寄り箇所に取着されていてもよいが、その際には、右手の後方寄りの部分が後面1220よりも後方にはみ出すような場合に、グリップベルト28の後端2820がいったん右側方に突出してから後方に屈曲されるため、グリップベルト28およびケース12と右手のフィット感を得る上で不利があるが、本実施の形態ではそのような不具合を解消できる点で有利となる。
【0024】
なお、本実施の形態では、グリップベルト28の前端2810が開閉蓋27の前端に取着され、グリップベルト28の後端2820がケース12の後端に取着されている場合について説明したが、グリップベルト28の前端2810がケース12の前端に取着され、グリップベルト28の後端2820が開閉蓋27の後端に取着されていてもよいことは無論である。
また、本実施の形態では、グリップベルト28の前端2810が開閉蓋27の下部前端に取着され、グリップベルト28の後端2820がケース12の下部後端に取着されている場合について説明したが、グリップベルト28の前端2810と後端2820の取着される位置は、ケース12の形状や大きさに応じて適宜変更可能であることは無論である。
また、本実施の形態では、開閉蓋27が下端を支点としてその上端がケース12の外側方に揺動可能に設けられている場合について説明したが、開閉蓋27が後端を支点としてその前端がケース12の外側方に揺動可能に設けられている場合には、グリップベルト28の前端2810を開閉蓋27の前端に取着し、グリップベルト2810の後端2820をケース12の後端に取着するようにすれば、前記実施の形態と同様な効果が奏される。
【0025】
次に、ロック機構86について説明する。
図11は開閉蓋27の内面側を示す平面図、図12はロック機構86のロック状態を示す斜視図、図13はロック機構86の中間状態を示す斜視図、図14はロック機構86の非ロック状態を示す斜視図、図15はロック機構86のロック状態を示す説明図、図16はロック機構86の中間状態を示す説明図、図17はロック機構86の非ロック状態を示す説明図である。
ロック機構86は、図12、図15に示すように、開閉蓋27を閉塞位置に保持するロック状態と、図14、図17に示すように、開閉蓋27の閉塞位置から開放位置への揺動を可能とする非ロック状態とにするものである。
【0026】
図7に示すように、開閉蓋27はディスク状記録媒体2よりも大きな輪郭を有し、開閉蓋27の内面に該開閉蓋27の中央部を通り該開閉蓋27の互いに対向する外周部に延在するアーム88が設けられ、アーム88の延在方向の両端に、開閉蓋27の揺動軸心O1から離れた収容部26の2箇所に係脱可能に結合してロック状態を形成する2つのロック爪がそれぞれ設けられ、ロック機構86は、アーム88およびそれら2つのロック爪を含んで構成されている。
アーム88は、開閉蓋27の内面に沿って延在するように設けられ、アーム88は、開閉蓋27を閉塞位置に保持するロック状態で、収容部26に収容されたディスク状記録媒体2の直径方向に延在している。
また、アーム88は、開閉蓋27を閉塞位置に保持するロック状態で、揺動軸心O1と共に前後方向に延在している。
そして、図12に示すように、ロック機構86をロック状態と非ロック状態とに動作させるアクチュエータ90が設けられている。
【0027】
より詳細に説明すると、図11、図12に示すように、アーム88の中間部は、開閉蓋27の内面中央の軸2702により揺動可能に支持され、アーム88の長手方向の一端が第1ロック爪8802として形成され、アーム88の長手方向の他端が第2ロック爪8804として形成されている。
第1ロック爪8802は、アーム88の長手方向の一端が開閉蓋27の内面から離れる方向に屈曲して設けられている。
図11に示すように、アーム88の第1ロック爪8802寄りの箇所に、この第1ロック爪8802寄りの箇所を挟むように、第1ロック爪8802を付勢するスプリング8810と第1ストッパ8812が設けられ、アーム88の第2ロック爪8804寄りの箇所に、スプリング8810の弾性力によるアーム88の揺動を規制する第2ストッパ8814が設けられている。
【0028】
一方、アクチュエータ90は、図12に示すように、収容部26に近接するケース12の内面に設けられ、アクチュエータ90は、本実施の形態では、例えば、モータと減速機構で構成され、コントロール回路58からモータへの電流の供給により、図15乃至図17に示すように、移動用突起9002を突出、没入させ往復直線移動させるように構成され、このアクチュエータ90の作動は上述の開閉蓋用操作部材82の操作により行われる。なお、アクチュエータ90としてソレノイドやプランジャなど、従来公知の様々なものが採用可能である。
また、アクチュエータ90に隣接してケース12の内面にガイド板92が設けられている。
図12、図15に示すように、ガイド板92には、軸9202と長溝9204との係合を介してスライド部材94が往復直線移動可能に支持され、スライド部材94は移動用突起9002に結合されている。
スライド部材94には、第1ロック爪8802に係合可能な第1突起9402が設けられ、また、後述する揺動片96に係合可能な第2突起9404が設けられている。なお、第1突起9402が特許請求の範囲の係止部に相当している。
なお、第2ロック爪8804は、収容部26の壁面に設けられた突起2620に係脱可能に係合される。
【0029】
さらに、ガイド板92には、スライド部材94に加え、揺動片96が設けられている。
揺動片96は、その長手方向の中間部が軸9210により揺動可能に支持され、この軸9210はスライド部材94の長溝9410を通ってガイド板92で支持されており、揺動片96の長手方向の一端は第1係合部9602とされ、揺動片96の長手方向の他端は第2係合部9604とされている。
揺動片96とスライド部材94との間にスプリング9610が設けられ、揺動片96はスプリング9610の弾性力により軸9210を支点として揺動する方向に付勢されている。
【0030】
次に動作について説明する。
説明の便宜上、開閉蓋27が閉じてロック状態にあり、この状態からディスク状記録媒体2を装脱する場合について説明する。
図15に示すように、開閉蓋27が閉じてロック状態にある場合は、アクチュエータ90には通電されておらず、スライド部材94はスプリング9610によりヒンジ2650方向に付勢される。
これによりアーム88は第1ロック爪8802がヒンジ2650に近づく回転方向に付勢され、図11に想像線で示すように第1ロック爪8802寄り部分が第1ストッパ8812に当接した状態に保持されている。
さらに、図12、図15に示すように、スライド部材94に設けられた第1突起9402がアーム88の第1ロック爪8802に係合し、アーム88の第2ロック爪8804が突起2620(特許請求の範囲の係止壁に相当)に係合し、開閉蓋27が収容部26から離れる方向への揺動が阻止され、開閉蓋27は閉塞状態に保持されている。このアーム88の揺動状態を第1の揺動状態という。
【0031】
ここで、開閉蓋用操作部材82の操作によりアクチュエータ90を駆動すると、移動用突起9002が突出することにより、図13、図16に示すように、スライド部材94がヒンジ2650から離れる方向に移動する。
図11に示すように、アーム88はスプリング8810により第1ロック爪8802がヒンジ2650から離れる方向に付勢されているので、スライド部材94の移動に第1ロック爪8802寄り部分が追従して移動し、やがて、第2ロック爪8804寄り部分が第2ストッパ8814に当接し、図11に実線で示す揺動位置となる。このアーム88の揺動状態を第2の揺動状態という。
この第2の揺動状態で、図13、図16に示すように、第2ロック爪8804は突起2620から離れ、かつ、第1突起9402が第1ロック爪8802に係止し、ロック機構86はロック状態と非ロック状態の中間状態となる。
【0032】
さらに、スライド部材94がヒンジ2650から離れる方向に移動すると、図14、図17に示すように、第1ロック爪8802から第1突起9402が離れる。
すなわち、アーム88は第2の揺動状態に維持されたまま、第2ロック爪8804が突起2620から離れ、第1ロック爪8802が第1突起9402から離れ、非ロック状態が形成される。
そして、第1ロック爪8802から第1突起9402が離れると、揺動片96がスプリング9610により付勢されていることから、揺動片96の第1係合部9602により第1ロック爪8802は、収容部26から離れる方向に押し出され、開閉蓋27は所定の開度に開かれる。
なお、スライド部材94の第2突起9404が揺動片96の第2係合部9604に係合することで、スライド部材94のヒンジ2650方向への動きが阻止される。
なお、電流がアクチュエータ90に供給され移動用突起9002が突出された後は、アクチュエータ90に対する電流の供給が停止されるが、図17に示すように、スライド部材94の第2突起9404が揺動片96の第2係合部9604に係合することで移動用突起9002は突出状態に保持されている。
開閉蓋27が所定の開度開いたならば、ユーザーは開閉蓋27を開放位置に開き、ディスク状記録媒体2の装脱を行う。
【0033】
ディスク状記録媒体2の装脱後、開閉蓋27を閉じると、第1ロック爪8802が揺動片96の第1係合部9602に係合して揺動片96を揺動させ、スライド部材94の第2突起9404と揺動片96の第2係合部9604との係合を解除させる。
これにより、スライド部材94がスプリング9610の付勢力によりヒンジ2650方向に移動し、図13、図16に示すように、スライド部材94の第1突起9402がアーム88の第1ロック爪8802に係合し、アーム88は第2の揺動状態に維持されたままロック機構86は前記中間状態となる。
そして、スライド部材94がスプリング9610の付勢力によりさらにヒンジ2650方向に移動することにより、図11に二点鎖線で示すように、アーム88はその第1ロック爪8802寄り部分が第1ストッパ8812に当たるまで揺動され、アーム88は第1の揺動状態となる。そして、図12、図15に示すように、アーム88の第2ロック爪8804が突起2620に係合し、第1突起9402と第1ロック爪8802との係合および第2ロック爪8804と突起2620との係合によりロック状態が形成され、開閉蓋27が収容部26から離れる方向への揺動が阻止され、開閉蓋27は閉塞状態に保持される。
なお、スライド部材94がスプリング9610の付勢力によりヒンジ2650方向に移動することで、図15に示すように、電流供給がなされていないアクチュエータ90の移動用突起9002は没入状態となる。
【0034】
以上説明したように本実施の形態によれば、単一のアーム88を用いることで開閉蓋27の2箇所をロックでき、したがって、小型化、軽量化を図りつつ開閉蓋27を確実に閉塞でき、開閉蓋27やケース12の薄肉化を図る上でも有利となる。
また、アーム88により開閉蓋27の2箇所をロックすることで開閉蓋27の閉塞位置のロック状態を強固とし、グリップベルト28から受ける力に十分に対応できるので、実施の形態のようにグリップベルト28の一端を開閉蓋27に取着することも可能となり、ディスク状記録媒体2の装着部26への交換操作を容易かつ円滑に行うことができ操作性を向上させる上で有利となる。
また、アーム88は開閉蓋27の内面に沿って延在し開閉蓋27の内面のデッドスペースに配設されるので、アーム88を配設するためのスペースは最小で済み、小型化を図る上で有利となる。
また、アーム88は、開閉蓋27を閉塞位置に保持するロック状態で、収容部26に収容されたディスク状記録媒体2の直径方向に延在し、しかも、ヒンジ2650の揺動軸心O1と平行する前後方向に延在しているので、開閉蓋27の閉塞状態を確実に保持する上で有利となる。
【0035】
また、本実施の形態では、ロック機構86のロック状態と非ロック状態を形成するアクチュエータ90を、開閉蓋27ではなく収容部26(ケース12)に設けている。そのため、アクチュエータ90を開閉蓋27に設ける場合に比べ、開閉蓋27を複雑化することなく薄型化、コンパクト化する上で有利である。
また、本実施の形態では、ロック機構86によるロック状態と非ロック状態との間に、第2ロック爪8804が突起2620から離れ、かつ、第1突起9402が第1ロック爪8802に係止する中間状態が形成され、ロック状態および非ロック状態が段階的に形成されるようにしている。そのため、ロック状態と非ロック状態を簡単にかつ確実に形成でき、ディスク状記録媒体2の装脱の操作を円滑に行う上で有利となる。
【0036】
なお、本実施の形態では、アクチュエータ90によりロック機構86を駆動させる場合について説明したが、アクチュエータ90を用いずに操作ボタンやリンク機構などを用いることでロック機構86を駆動させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ロック機構86がガイド板92やスライド部材94、揺動片96などを含んで構成されている場合について説明したが、アーム88を揺動させ第1ロック爪8802および第2ロック爪8804を収容部26に係脱させる機構には従来公知の様々な構造が採用可能であり、実施の形態の構造に限定されない。すなわち、本出願人は、ガイド板、スライド部材、揺動片、ロック爪を備え、ロック爪とスライド部材の係合部とが係脱することで開閉蓋のロック状態と非ロック状態を形成するロック機構を有する撮像装置(特開2005−182877号公報)を既に提案しているが、例えば、このロック機構におけるガイド板、スライド部材、揺動片と同様の構造を本発明のロック機構86に採用することも可能である。
また、本実施の形態では、電子機器が撮像装置である場合について説明したが、本発明は撮像装置に限定されるものではなく、ディスク状記録媒体を装脱して用いる電子機器、例えば、携帯型のCDプレーヤーやDVDプレーヤー、あるいは、CDドライブ装置やDVDドライブ装置などに広く適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1の実施の形態の撮像装置10の構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の撮像装置10の構成を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の撮像装置10の構成を示す斜視図である。
【図4】第1の実施の形態の撮像装置10の構成を示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態の撮像装置10の構成を示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態の撮像装置10の構成を示す斜視図である。
【図7】撮像装置10の右側面図である。
【図8】グリップベルト28とケース12との取着部分の斜視図である。
【図9】グリップベルト28と開閉蓋27との取着部分の斜視図である。
【図10】撮像装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
【図11】開閉蓋27の内面側を示す平面図である。
【図12】ロック機構86のロック状態を示す斜視図である。
【図13】ロック機構86の中間状態を示す斜視図である。
【図14】ロック機構86の非ロック状態を示す斜視図である。
【図15】ロック機構86のロック状態を示す説明図である。
【図16】ロック機構86の中間状態を示す説明図である。
【図17】ロック機構86の非ロック状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0038】
2……ディスク状記録媒体、10……撮像装置、12……ケース、14……撮影光学系、18……撮像素子、26……収容部、27……開閉蓋、28……グリップベルト、60……記録再生機構、86……ロック機構、88……アーム、8802……第1ロック爪、8804……第2ロック爪。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装を構成するケースと、
前記ケースに設けられディスク状記録媒体が装脱可能に収容される収容部と、
前記収容部に収容された前記ディスク状記録媒体に対してデータの記録および/または再生を行う記録再生部と、
前記ケースに設けられ前記収容部を閉塞した閉塞位置と、前記収容部を開放した開放位置との間で揺動可能に設けられた開閉蓋と、
前記開閉蓋を閉塞位置に保持するロック状態と、前記開閉蓋の前記閉塞位置から前記開放位置への揺動を可能とする非ロック状態とを形成するロック機構とを備える電子機器であって、
前記開閉蓋の内面に該開閉蓋の中央部を通り該開閉蓋の互いに対向する外周部に延在するアームが設けられ、
前記アームの延在方向の両端に、前記開閉蓋の揺動軸心から離れた前記収容部の2箇所に係脱可能に結合し前記ロック状態を形成するロック爪がそれぞれ設けられ、
前記ロック機構は、前記アームおよび2つのロック爪を含んで構成されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記アームは、前記開閉蓋の内面に沿って延在していることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記アームは、前記開閉蓋を閉塞位置に保持するロック状態で、前記収容部に収容された前記ディスク状記録媒体の直径方向に延在していることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記アームは、前記開閉蓋を閉塞位置に保持したロック状態で、前記開閉蓋の揺動軸心と平行していることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記アームを揺動させることで前記ロック機構を前記ロック状態と非ロック状態とにするアクチュエータが前記ケースに設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記ロック状態において前記開閉蓋の揺動軸心から離れた前記収容部の2箇所に係脱可能に結合するロック爪は第1ロック爪と第2ロック爪であり、
係止部を前記第1ロック爪に係脱させて前記アームを揺動させ前記ロック機構を前記ロック状態と非ロック状態とにするアクチュエータが前記ケースに設けられ、
前記アームの第1の揺動状態で、前記係止部が前記第1ロック爪に係止し、かつ、ケースに設けられた係止壁が前記第2ロック爪に係止して前記ロック状態が形成され、
前記アームの第2の揺動状態で、前記係止部から前記第1ロック爪が外れ、かつ、ケースに設けられた係止壁から前記第2ロック爪が外れて前記非ロック状態が形成される、
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
前記ロック状態において前記開閉蓋の揺動軸心から離れた前記収容部の2箇所に係脱可能に結合するロック爪は第1ロック爪と第2ロック爪であり、
係止部を前記第1ロック爪に係脱させて前記アームを揺動させ前記ロック機構を前記ロック状態と非ロック状態とにするアクチュエータが前記ケースに設けられ、
前記アームの第1の揺動状態で、前記係止部が前記第1ロック爪に係止し、かつ、ケースに設けられた係止壁が前記第2ロック爪に係止して前記ロック状態が形成され、
前記アームの第2の揺動状態で、前記係止部から前記第1ロック爪が外れ、かつ、ケースに設けられた係止壁から前記第2ロック爪が外れて前記非ロック状態が形成され、
さらに前記アームの前記第2の揺動状態で、前記係止部が前記第1ロック爪に係止し、かつ、ケースに設けられた係止壁から前記第2ロック爪が外れるロック状態と非ロック状態の中間状態が形成される、
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
前記アームを前記第2の揺動状態に付勢する付勢手段が設けられ、
前記アームに当接し前記アームの前記第2の揺動状態を形成するストッパが設けられていることを特徴とする請求項6または7記載の電子機器。
【請求項9】
外装を構成するケースと、
前記ケースの内部に該ケースの前面に臨むように設けられた撮影光学系と、
前記ケースの内部に組み込まれ前記撮影光学系によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子で撮像された画像データをディスク状記録媒体に記録させる記録部と、
前記ケースの右側部に設けられ前記ディスク状記録媒体が装脱可能に収容される収容部と、
前記ケースの右側部に設けられ前記収容部を開閉する開閉蓋と、
前記開閉蓋を閉塞位置に保持するロック状態と、前記開閉蓋の前記閉塞位置から前記開放位置への揺動を可能とする非ロック状態とを形成するロック機構とを備える撮像装置であって、
前記開閉蓋の内面に該開閉蓋の中央部を通り該開閉蓋の互いに対向する外周部に延在するアームが設けられ、
前記アームの延在方向の両端に、前記開閉蓋の揺動軸心から離れた前記収容部の2箇所に係脱可能に結合し前記ロック状態を形成するロック爪がそれぞれ設けられ、
前記ロック機構は、前記アームおよび2つのロック爪を含んで構成されている、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記アームは、前記開閉蓋の内面に沿って延在していることを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項11】
前記アームは、前記開閉蓋を閉塞位置に保持するロック状態で、前記収容部に収容された前記ディスク状記録媒体の直径方向に延在していることを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項12】
前記揺動軸心は前後方向に延在し、前記アームは、前記開閉蓋を閉塞位置に保持したロック状態で前後方向に延在していることを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項13】
前記アームを揺動させることで前記ロック機構を前記ロック状態と非ロック状態とにするアクチュエータが前記ケースに設けられていることを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項14】
前記ロック状態において前記開閉蓋の揺動軸心から離れた前記収容部の2箇所に係脱可能に結合するロック爪は第1ロック爪と第2ロック爪であり、
係止部を前記第1ロック爪に係脱させて前記アームを揺動させ前記ロック機構を前記ロック状態と非ロック状態とにするアクチュエータが前記ケースに設けられ、
前記アームの第1の揺動状態で、前記係止部が前記第1ロック爪に係止し、かつ、ケースに設けられた係止壁が前記第2ロック爪に係止して前記ロック状態が形成され、
前記アームの第2の揺動状態で、前記係止部から前記第1ロック爪が外れ、かつ、ケースに設けられた係止壁から前記第2ロック爪が外れて前記非ロック状態が形成される、
ことを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項15】
前記ロック状態において前記開閉蓋の揺動軸心から離れた前記収容部の2箇所に係脱可能に結合するロック爪は第1ロック爪と第2ロック爪であり、
係止部を前記第1ロック爪に係脱させて前記アームを揺動させ前記ロック機構を前記ロック状態と非ロック状態とにするアクチュエータが前記ケースに設けられ、
前記アームの第1の揺動状態で、前記係止部が前記第1ロック爪に係止し、かつ、ケースに設けられた係止壁が前記第2ロック爪に係止して前記ロック状態が形成され、
前記アームの第2の揺動状態で、前記係止部から前記第1ロック爪が外れ、かつ、ケースに設けられた係止壁から前記第2ロック爪が外れて前記非ロック状態が形成され、
さらに前記アームの前記第2の揺動状態で、前記係止部が前記第1ロック爪に係止し、かつ、ケースに設けられた係止壁から前記第2ロック爪が外れるロック状態と非ロック状態の中間状態が形成される、
ことを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項16】
前記アームを前記第2の揺動状態に付勢する付勢手段が設けられ、
前記アームに当接し前記アームの前記第2の揺動状態を形成するストッパが設けられていることを特徴とする請求項14または15記載の撮像装置。
【請求項17】
前記開閉蓋の外側方で前後方向に延在し前記開閉蓋の外面との間に右手のひらが挿入されるようにグリップベルトが設けられ、
前記グリップベルトの前後方向の一端は前記ケースの前後方向の端部に取着され、他端は前記ケースの前後方向の端部とは前後方向において反対の方向に位置する前記開閉蓋の前後方向の端部に取着されている、
ことを特徴とする請求項9記載の電子機器。
【請求項18】
前記グリップベルトの前端は前記開閉蓋の前端に取着され、前記グリップベルトの後端は前記ケースの後端に取着されていることを特徴とする請求項17記載の電子機器。
【請求項19】
前記グリップベルトの前端は前記開閉蓋の下部前端に取着され、前記グリップベルトの後端は前記ケースの下部後端に取着されていることを特徴とする請求項17記載の電子機器。
【請求項20】
前記ケースは、左右方向の幅よりも大きな寸法の前後方向の長さおよび上下方向の高さを有していることを特徴とする請求項9記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−157238(P2007−157238A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350743(P2005−350743)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】