説明

電子機器及び導光体

【課題】機器本体の意匠ケースの角部とその角部に連なる辺縁部に設けた発光部を一様に光らせることが可能な技術を提供する。
【解決手段】外部に露出する第1角部とその第1角部に連なる第1辺縁部に発光部11を有する機器本体の意匠ケースと、第1辺縁部の発光部である第1辺縁部発光部13aに沿って意匠ケースの内部に設けられ、長手方向の端面から入射する光を第1辺縁部発光部13aに出射可能に構成された棒状の第1導光体14aと、第1導光体14aの端面に光を入射する第1光源15aと、第1角部の発光部である第1角部発光部12aに対向して意匠ケースの内部に設けられ、第1角部発光部12aに対向する側とは反対側の第1端面16bから入射する光を第1角部発光部12aに出射可能に構成された第2導光体16と、第2導光体16の第1端面16bに光を入射する第2光源17bと、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光部を有する機器本体の意匠ケースを備えた電子機器及び導光体に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の小型の電子機器において、機器本体の意匠ケースに発光部を設けることがある。例えば、携帯電話では、ケースに設けた発光部を光らせることにより、報知音に加えて、あるいは報知音の代わりに、視覚的に着信や受信等を使用者に知らせるように構成される。このような発光部は、一般的に、意匠ケースの一部を透明とし、ケース内部に配置した光源の光をケース外部に透過させることで発光させる構成となっている。光源としては、小型電子機器では、省スペースの観点から、LEDが一般的に使用される。
【0003】
携帯電話では、種々の角度から発光部の発光を確認できるように、例えば、ケース外周部の縁に沿って細長く帯状に発光部を形成することがある。このような細長く形成された発光部は、視認性の観点から、全体的に均一に発光させる必要がある。
【0004】
光源として用いられるLEDは、点光源である。したがって、LEDを用いてケース外周部をムラなく一様に発光させようとする場合、外周部に向けたLEDを多数個緻密に配置し、かつ拡散板等をLEDの前方に配置して輝度むらの低減を図る構成が考えられる。しかし、この構成の場合、小型電子機器ではLEDを配置するスペースが不足したり、部材点数が増えてコストアップとなってしまうという問題がある。
【0005】
一方、端面から入射した光を側方に照射散乱するように加工や印刷、拡散材分散等の処理を施した導光棒を使用して、LEDの光を間接的に外周部に向けて照射する方法がある(特許文献1、2参照)。この方法では、1個のLEDで広い(長い)領域を一様に照射することができるので、小型電子機器の外周部のイルミネーションとして使用される場合も多い。
【0006】
しかしながら、この導光棒を使用する方式では、直線部分やゆるやかな曲線部分を一様に光らせることは特に問題ないが、図7に示すように、直角あるいは小さい曲げRで導光体を曲げると、曲げ部以降での光強度が小さくなってしまうことにより、角部を含む外周部を一様に光らせることは難しかった。すなわち、図7に示すように、発光部103が、機器本体の意匠ケースの外周縁に沿って帯状に延びる略コ字状に形成され、導光体104が、発光部103の内側面に沿って略コ字状に曲げられた構成となっている場合、導光体104両端のそれぞれの光源105から略直線的に延びる部分104a、104bでは、発光部103を一様に光らせることができるが、導光体104の角部104d、104eとそれらをつなぐ辺縁部104cにおいて出射される光の強度が小さくなってしまう。
【0007】
また、図8に示すように、複数の導光棒104を組み合わせて導光体部分に曲げ部を設けない構成とすることも考えられる。この構成の場合、直線的に構成された辺縁部については光強度の減衰なく一様に照射することができるが、光らせる方向が変化する角部については、発光部103の角部をムラなく一様に照射するように配光設計することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4463246号公報
【特許文献2】特開2010−157523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、機器本体の意匠ケースの角部とその角部に連なる辺縁部に設けた発光部を一様に光らせることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明における電子機器は、
外部に露出する第1角部とその第1角部に連なる第1辺縁部に発光部を有する機器本体の意匠ケースと、
前記第1辺縁部の発光部である第1辺縁部発光部に沿って前記意匠ケースの内部に設けられ、長手方向の端面から入射する光を前記第1辺縁部発光部に出射可能に構成された棒状の第1導光体と、
前記第1導光体の前記端面に光を入射する第1光源と、
前記第1角部の発光部である第1角部発光部に対向して前記意匠ケースの内部に設けられ、前記第1角部発光部に対向する側とは反対側の第1端面から入射する光を前記第1角部発光部に出射可能に構成された第2導光体と、
前記第2導光体の前記第1端面に光を入射する第2光源と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
前記意匠ケースは、前記第1角部に連なる前記第1辺縁部とは反対側の第2辺縁部と、前記第2辺縁部の連なる前記第1角部とは反対側の第2角部とをさらに有し、前記第2辺縁部と前記第2角部に発光部を有し、
前記第2導光体は、前記第2辺縁部の発光部である第2辺縁部発光部、および前記第2角部の発光部である第2角部発光部にさらに対向し、前記第2角部発光部に対向する側とは反対側の第2端面から入射する光を前記第2角部発光部に出射可能に構成され、
前記第2導光体の前記第2端面に光を入射する第3光源をさらに備え、
前記第2導光体における前記第1端面および前記第2端面の両方から入射する光を、前記第2辺縁部発光部に出射可能に構成されているとよい。
あるいは、
前記意匠ケースは、前記第2辺縁部の連なる前記第2角部とは反対側の第3角部をさらに有し、前記第3角部に発光部を有し、
前記第3角部の発光部である第3角部発光部に対向して、前記意匠ケースの内部に設けられ、前記第3角部発光部に直接、光を入射する第4光源をさらに備えてもよい。
その場合、前記第2導光体は、前記第1端面、前記第2端面、および前記第2辺縁部発光部に対向する第3端面を3つの端面とする三角板状であるとよい。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明における電子機器は、
外部に露出する角部とその角部に連なる辺縁部に発光部を有する機器本体の意匠ケースと、
前記辺縁部の発光部である辺縁部発光部に沿って前記意匠ケースの内部に設けられ、長手方向の端面から入射する光を前記辺縁部発光部に出射可能に構成された棒状の導光体と、
前記導光体の前記端面に光を入射する第1光源と、
前記角部の発光部である角部発光部に対向して、前記意匠ケースの内部に設けられ、前記第角部発光部に直接、光を入射する第2光源と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
前記発光部は、ラメまたは着色されたガラスフレークが分散されている、あるいは、前記ラメまたは前記ガラスフレークを混ぜた透明インクが印刷されているとよい。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明における導光体は、
棒状の導光体であって、一端から入射した光を長手方向に延びる1側面に向けて反射する反射面を長手方向に沿って複数有する第1導光体と、
略三角板状の導光体であって、互いに対向する3つの端面のうちの1つの端面と、該端面の両端にそれぞれ連なる2つの角部端面と、を連続する出光面とし、他の2つの端面からそれぞれ独立に光が入射する第2導光体と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
前記第1導光体の前記1側面が、前記第2導光体の前記2つの角部端面のうちの一方と連なり、略L字に曲がって延びる出光面を形成するとよい。
さらに、
棒状の導光体であって、一端から入射した光を長手方向に延びる1側面に向けて反射する反射面を長手方向に沿って複数有する第3導光体をさらに備え、
前記第3導光体の前記1側面が、前記第2導光体の前記2つの角部端面のうちの他方と連なり、略U字に曲がって延びる出光面を形成するとよい。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明における電子機器は、
少なくとも2つの辺縁部と該2つの辺縁部によって形成される角部とを含む発光部を備えた意匠ケースと、
該意匠ケースの辺縁部に沿って、入射された光を導光する導光体と、
該導光体に入射される該光を発する第1の光源と、
該意匠ケースの該角部に向かって光を照射する第2の光源と、を備え、
該第1の光源から発された光は、該発光部の該辺縁部から該意匠ケース外部に出射され

該第2の光源から発された光は、該意匠ケースの内側から該角部の外側に出射されることを特徴とする。
【0017】
前記第2の光源は、前記光透過ケースの前記角部に向かって光を直接照射するとよい。
【0018】
前記光透過ケースの前記発光部は、ラメまたは着色されたガラスフレークが分散されている、あるいは前記ラメまたは前記ガラスフレークを混ぜた透明インクが印刷されているとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、発光部の辺縁を棒状の第1導光体を利用して一様に光らせるとともに、発光部の角部を第2光源によって直接的に光らせることにより、電子機器の意匠ケースの角とその角に連なる辺縁に設けた発光部において、この発光部の角部および辺縁部を一様に光らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1に係る電子機器の発光部、導光体、光源の構成を示す模式的平面図。
【図2】本発明の実施例2に係る電子機器の発光部、導光体、光源の構成を示す模式的平面図。
【図3】本発明の実施例3に係る電子機器の発光部、導光体、光源の構成を示す模式的平面図。
【図4】本発明の実施例3に係る電子機器の意匠ケースの構成を示す模式的平面図。
【図5】本発明の実施例に係る電子機器の構成を示す模式的斜視図。
【図6】導光体に設けられる反射面の構成を示す模式的平面図。
【図7】従来例1に係る電子機器の発光部、導光体、光源の構成を示す模式的平面図。
【図8】従来例2に係る電子機器の発光部、導光体、光源の構成を示す模式的平面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0022】
(実施例1)
図1、図5及び図6を参照して本発明の実施例1に係る電子機器について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る電子機器の発光部、導光体、光源の構成を示す模式的平面図である。図5は、本発明の実施例に係る電子機器の構成を示す模式的斜視図である。本実施例では、図5に示すように、折り畳み式の携帯電話を例として挙げる。図6は、導光体に設けられる反射面の構成を示す模式的平面図である。
【0023】
図5に示すように、本実施例に係る電子機器1は、機器本体の意匠ケース10と、該意匠ケース10の外周縁に沿って帯状に延びる発光部11と、を備える。発光部11は、2つの角部(角部発光部)12a、12bと、2つの角部12a、12bを介して連なる3つの帯状に延びる辺縁部(辺縁部発光部)13a、13b、13cと、からなる略コ字形状を有する。発光部11は、例えば、プラスチック等の光を透過可能な材料で構成されている。
【0024】
図1に示すように、本実施例に係る電子機器1は、意匠ケース10内部の発光部11の内側には、第1導光体としての導光棒14a、14bと、第1光源としてのLED(発光ダイオード)15a、15bと、第2導光体としての導光板16と、第3光源としてのLED17aと、第2光源としてのLED17bと、が収容されている。本実施例の導光体は、導光棒14aの側面と導光棒14bの側面が、導光板16の端面(出光面16c)の両端の2つの角部端面と連なって、略U字に曲がって延びる出光面を形成する。導光棒14a、14b及び導光板16は、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの有機材料、多成分ガラスや石英ガラス等の無機材料など、LEDの光に対して透明な材質で構成される。なお、各導光体の材質は、LEDの光を十分に透過可能であれば特に限定されるものではない。
【0025】
発光部11の辺縁部13a、13bの発光は、主として、それぞれ、導光棒14aとLED15a、導光棒14bとLED15bにより行われる。ここでは、導光棒14aとLED15aによる辺縁部13aの発光について説明し、辺縁部13bの発光については、辺縁部13aと同様なので説明を省略する。
【0026】
導光棒14aは、辺縁部13aに沿って延びるように設けられている。LED15aは、導光棒14aの一端に接続されている。導光棒14aは、LED15aにより一端から入射する光を辺縁部のケース内部側の面に出射可能に構成されている。具体的には、導光棒14aの内部には、一端から入射して長手方向に進む光を辺縁部13aのケース内部側の面に向かう方向に反射・散乱させる反射面が設けられている。このような反射面は、導光棒14aの長手方向に複数設けられており、帯状に延びる辺縁部13aのケース内部側の面全体に一様にLED15aの光を導くことができる。具体的には、図6に示すように
、導光棒14aの表面にV字状溝40を設けることにより反射面40aが形成される。V字状溝40は、導光棒14aにおいて光を出射する側面とは反対側の側面に設けられる。V字状溝40は、導光棒14aの長手方向に垂直な方向に延びており、光が入射する側の溝側面が反射面40aを形成する。反射面40aは、長手方向に対して所定の角度で傾斜しており、例えば45°である。ただし、所望の発光を得る観点からは0〜90°の範囲で適宜選択することができる。また、各溝の深さや幅、長さ等は、同一でもよいし変化してもよい。また、溝の配置についても、所望の発光を得る観点から適宜任意に決めることができる。
【0027】
発光部11の角部12a、12bと辺縁部13cの発光は、主として、導光板16と、LED17a、17bにより行われる。
【0028】
導光板16は、LED17aが接続される第1入光面(第2端面)16aと、LED17bが接続される第2入光面(第1端面)16bと、辺縁部13cのケース内部側の面に接する(対向する)出光面(第3端面)16cと、を有している。導光板16は、これら3辺からなる概略三角形板状体の全体形状を有する。
【0029】
また、導光板16の第1入光面16aと出光面16cとの間の角部は、発光部11の角部12aのケース内側の面に接する(対向する)出光角部(角部端面)16dとなっている。また、第2入光面16bと出光面16cとの間の角部は、発光部11の角部12bのケース内側の面に接する(対向する)出光角部(角部端面)16eとなっている。
【0030】
第2入光面16bの出光面16cに対する角度及びLED17bの接続位置は、LED17bから入射した光が、出光角部16d及び出光面16cから出射するように、また、光の強度が出光角部16dで最も高く、出光面16cに沿って出向角部16eに近づくにしたがって徐々に弱くなるように、適宜設定される。同様に、第1入光面16aの出光面16cに対する角度及びLED17aの接続位置は、LED17aから入射した光が、出光角部16e及び出光面16cから出射するように、また、光の強度が出光角部16eで最も高く、出光面16cに沿って出向角部16dに近づくにしたがって徐々に弱くなるように、適宜設定される。
【0031】
すなわち、導光板16は、角部12aのケース内側の面に対しては、LED17bの光が直接的に入射するように構成され、角部12bのケース内側の面に対しては、LED17aの光が直接的に入射するように構成されている。また、辺縁部13cのケース内側の面に対しては、LED17aとLED17bの両方の光がそれぞれ入射するように構成されている。
【0032】
<本実施例の優れた点>
本実施例によれば、導光棒による間接照明とLEDの直接照明を組み合わせることにより、各々単独の手法では難しかった、角部が含まれていたり形状が不均一であったりする小型電子機器の周辺部を一様に発光させることが可能となる。
【0033】
すなわち、本実施例によれば、発光部における長辺部(辺縁部13a、13b)は側面発光する導光棒により均一に発光させることができる。また、2つの角部(角部12a、12b)と短辺部(辺縁部13c)に関しては、その3つの部位に接し、かつ2つの角部に対向する辺を持つ導光板の、対向する2つの辺から各々LED光を入射することにより、3つの部位を均一に発光させることができる。
【0034】
また、2つの辺を対向させることにより、辺部における各々のLEDの照射領域を重ねることができるので、ムラのない均一な光の分布の設計を比較的容易に行うことができる

【0035】
(実施例2)
図2に参照して本発明の実施例2に係る電子機器について説明する。図2は、本発明の実施例2に係る電子機器の発光部、導光体、光源の構成を示す模式的平面図である。なお、本実施例に係る電子機器の全体構成は、実施例1(図5)と同様であり説明は省略する。
【0036】
図2に示すように、本実施例に係る電子機器は、意匠ケースの発光部21の内側に、第1導光体としての導光棒24a、24b、24cと、第1光源としてのLED25a、25b、25cと、第2光源としてのLED27a、27bと、が収容されている。
【0037】
発光部21の辺縁部23a、23b、23cの発光は、主として、それぞれ、導光棒24aとLED25a、導光棒24bとLED25b、導光棒24cとLED25cにより行われる。各辺縁部の発光については、実施例1の辺縁部13a(導光棒14aとLED15a)と同様なので、説明を省略する。
【0038】
発光部21の角部22a、22bの発光は、主として、LED27a、27bの光をそれぞれ角部22a、22bに直接入射させることにより行われる。すなわち、本実施例では、上記実施例1のように導光体を介さずに、光源を発光部に直接接続して角部を発光させる構成としている。
【0039】
角部22a、22bは、角部頂点とLED27a、27bとが正対する部位において厚みを最も大きくし角部22a、22bの端面全体が一様に光るように構成されている。
【0040】
本実施例によれば、角部22a、22bの形状や厚み、LED27a、27bの接続位置等を適宜設定することにより、発光部全体の一様な発光を容易に実現することができる。
【0041】
(実施例3)
図3及び図4を参照して本発明の実施例3に係る電子機器について説明する。図3は、本発明の実施例3に係る電子機器の発光部、導光体、光源の構成を示す模式的平面図である。図4は、本発明の実施例3に係る電子機器の意匠ケースの構成を示す模式的平面図である。
【0042】
本実施例に係る電子機器は、導光体及び光源の構成を、概略、実施例1と実施例2を組み合わせたような構成としたことを特徴としている。
【0043】
図4に示すように、本実施例に係る電子機器1’’は、意匠ケース10の外周端面(縁部4辺)を一周するように発光部31が設けられている。発光部31は、4つの辺縁部33a、33b、33c、33dを有する。また、意匠ケース10の上面において発光領域を部分的に大きくするため、各辺縁部をつなぐ角部のうち角部32bと角部32cは、意匠ケース10上面における露出幅が、他の角部よりも大きく構成されている。
【0044】
本実施例に係る電子機器1’’は、意匠ケース10の発光部31の内側に、第1導光体としての導光棒34a1、34a2、34b1、34b2、34dと、第1光源としてのLED35a1、35a2、35b1、35b2、35dと、第2導光体としての導光板36と、第2光源としてのLED37a、37b、38a、38b、38cと、が収容されている。導光棒34a1と導光板36、導光棒34b2と導光棒34dは、それぞれ一体的に構成されている。導光棒34a1と導光板36は、略L字に曲がって延びる出光面
を有する。
【0045】
辺縁部33aの発光は、主として、導光棒34a1、34a2、LED35a1、35a2により行われる。また、辺縁部33bの発光は、主として、導光棒34b1、34b2、LED35b1、35b2により行われる。また、辺縁部33dの発光は、主として、導光棒34d、LED35dにより行われる。
【0046】
辺縁部33c及び角部32aの発光は、主として、導光板36、LED37a、37bにより行われる。導光板36における入光面の出光面に対する角度やLED37a、37bの接続位置については、上記実施例1の導光板16と同様、角部32aから辺縁部33c、及び辺縁部33cと角部32bとの境目までの領域を一様に発光させるように、適宜設定される。
【0047】
角部32bの発光は、主として、LED38a、38bにより行われる。また、角部32cの発光は、主として、LED38cにより行われる。角部32b、32cの形状や厚み、LED38a、38b、38cの接続位置等は、角部32b、32cの端面だけでなく意匠ケース10上面側の発光領域も含めて一様に光るように、適宜設定される。
【0048】
本実施例によれば、導光棒、導光板、角部への直接入射の3つの形態を組み合わせることにより、小型電子機器の全周で、かつ部分的に発光エリアの大きい部位の存在するような複雑な形状でも全周を均一に発光する設計が可能となる。
【0049】
(その他)
意匠ケース10の発光部は、単純な透明部材の場合、角度によっては光を視認できなかったり、逆に光が強く感じられて光ムラとなって見えてしまったりする場合がある。したがって、発光部の透明性を損なわない範囲で、ケース材料にラメまたは着色されたガラスフレークを分散させるか、あるいは、ラメまたは着色されたガラスフレークを透明インクに混ぜて印刷してもよい。これにより透明な意匠を損なうことなく、全ての方向から観察してムラなく発光させることが可能となる。
【符号の説明】
【0050】
1 電子機器
10 意匠ケース
11 発光部
12a、12b 角部
13a、13b、13c 辺縁部
14a、14b 導光棒
15a、15b LED
16 導光板
17a、17b LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に露出する第1角部とその第1角部に連なる第1辺縁部に発光部を有する機器本体の意匠ケースと、
前記第1辺縁部の発光部である第1辺縁部発光部に沿って前記意匠ケースの内部に設けられ、長手方向の端面から入射する光を前記第1辺縁部発光部に出射可能に構成された棒状の第1導光体と、
前記第1導光体の前記端面に光を入射する第1光源と、
前記第1角部の発光部である第1角部発光部に対向して前記意匠ケースの内部に設けられ、前記第1角部発光部に対向する側とは反対側の第1端面から入射する光を前記第1角部発光部に出射可能に構成された第2導光体と、
前記第2導光体の前記第1端面に光を入射する第2光源と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記意匠ケースは、前記第1角部に連なる前記第1辺縁部とは反対側の第2辺縁部と、前記第2辺縁部の連なる前記第1角部とは反対側の第2角部とをさらに有し、前記第2辺縁部と前記第2角部に発光部を有し、
前記第2導光体は、前記第2辺縁部の発光部である第2辺縁部発光部、および前記第2角部の発光部である第2角部発光部にさらに対向し、前記第2角部発光部に対向する側とは反対側の第2端面から入射する光を前記第2角部発光部に出射可能に構成され、
前記第2導光体の前記第2端面に光を入射する第3光源をさらに備え、
前記第2導光体における前記第1端面および前記第2端面の両方から入射する光を、前記第2辺縁部発光部に出射可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記意匠ケースは、前記第2辺縁部の連なる前記第2角部とは反対側の第3角部をさらに有し、前記第3角部に発光部を有し、
前記第3角部の発光部である第3角部発光部に対向して、前記意匠ケースの内部に設けられ、前記第3角部発光部に直接、光を入射する第4光源をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2導光体は、前記第1端面、前記第2端面、および前記第2辺縁部発光部に対向する第3端面を3つの端面とする三角板状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の電子機器。
【請求項5】
外部に露出する角部とその角部に連なる辺縁部に発光部を有する機器本体の意匠ケースと、
前記辺縁部の発光部である辺縁部発光部に沿って前記意匠ケースの内部に設けられ、長手方向の端面から入射する光を前記辺縁部発光部に出射可能に構成された棒状の導光体と、
前記導光体の前記端面に光を入射する第1光源と、
前記角部の発光部である角部発光部に対向して、前記意匠ケースの内部に設けられ、前記第角部発光部に直接、光を入射する第2光源と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
前記発光部は、ラメまたは着色されたガラスフレークが分散されている、あるいは、前記ラメまたは前記ガラスフレークを混ぜた透明インクが印刷されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
棒状の導光体であって、一端から入射した光を長手方向に延びる1側面に向けて反射す
る反射面を長手方向に沿って複数有する第1導光体と、
略三角板状の導光体であって、互いに対向する3つの端面のうちの1つの端面と、該端面の両端にそれぞれ連なる2つの角部端面と、を連続する出光面とし、他の2つの端面からそれぞれ独立に光が入射する第2導光体と、
を備えることを特徴とする導光体。
【請求項8】
前記第1導光体の前記1側面が、前記第2導光体の前記2つの角部端面のうちの一方と連なり、略L字に曲がって延びる出光面を形成することを特徴とする請求項7に記載の導光体。
【請求項9】
棒状の導光体であって、一端から入射した光を長手方向に延びる1側面に向けて反射する反射面を長手方向に沿って複数有する第3導光体をさらに備え、
前記第3導光体の前記1側面が、前記第2導光体の前記2つの角部端面のうちの他方と連なり、略U字に曲がって延びる出光面を形成することを特徴とする請求項8に記載の導光体。
【請求項10】
少なくとも2つの辺縁部と該2つの辺縁部によって形成される角部とを含む発光部を備えた意匠ケースと、
該意匠ケースの辺縁部に沿って、入射された光を導光する導光体と、
該導光体に入射される該光を発する第1の光源と、
該意匠ケースの該角部に向かって光を照射する第2の光源と、を備え、
該第1の光源から発された光は、該発光部の該辺縁部から該意匠ケース外部に出射され

該第2の光源から発された光は、該意匠ケースの内側から該角部の外側に出射されることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
前記第2の光源は、前記光透過ケースの前記角部に向かって光を直接照射することを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記光透過ケースの前記発光部は、ラメまたは着色されたガラスフレークが分散されている、あるいは前記ラメまたは前記ガラスフレークを混ぜた透明インクが印刷されていることを特徴とする請求項10または11に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−199015(P2012−199015A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61186(P2011−61186)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】