電子機器及び電子機器の時刻修正方法
【課題】消費電力が高くならず、且つ、高精度な時刻修正が可能な電子機器等を提供すること。
【解決手段】地球を周回する位置情報衛星等を捕捉して、前記位置情報衛星からの信号を受信する受信部であるGPS装置23と、前記GPS装置23が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成し、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正して表示する時刻表示部と、を有する電子機器であるGPS付き腕時計10であって、前記GPS装置23は、前記GPS付き腕時計10の環境を判断する屋内外判断部としてソーラパネル式充電装置24と加速度センサ出力波形生成装置29を備え、前記屋内外判断部に基づいて、屋外と判断された場合に前記位置情報衛星等を捕捉する構成となっている。
【解決手段】地球を周回する位置情報衛星等を捕捉して、前記位置情報衛星からの信号を受信する受信部であるGPS装置23と、前記GPS装置23が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成し、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正して表示する時刻表示部と、を有する電子機器であるGPS付き腕時計10であって、前記GPS装置23は、前記GPS付き腕時計10の環境を判断する屋内外判断部としてソーラパネル式充電装置24と加速度センサ出力波形生成装置29を備え、前記屋内外判断部に基づいて、屋外と判断された場合に前記位置情報衛星等を捕捉する構成となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばGPS衛星等からの信号に基づいて時刻修正を行う電子機器及び電気機器の時刻修正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自己の位置を測位するためのシステムであるGPS(Global Positioning System)システムでは、地球を周回する軌道を有するGPS衛星が用いられており、このGPS衛星には、原子時計が備えられ、極めて正確な時間を計測している。
そして、GPS受信装置は、高精度の測位実現の為に、GPS衛星内の基準時計である原子時計のデータを用いてGPS受信装置内の時計の時刻修正を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、GPS衛星から原子時計のデータを取得するためには、GPS衛星を捕捉し、GPS衛星の信号と同期等させる必要がある。
そして、GPS衛星は常に移動しており、その捕捉をする為には、GPS衛星の軌道データからGPS衛星の位置を予測して捕捉する必要がある。
さらに、正確な時刻表示データを取得するには、最低4つのGPS衛星を捕捉する必要がある。
そして、移動する4つのGPS衛星を捕捉するには通常時間がかかるが、これに加えて、使用者と共に常に移動する時計等にGPS衛星の信号の受信部が備わっている場合は、受信部も共に移動することとなり、GPS衛星を捕捉できない環境に、例えば、屋内である等、移動しているような場合もある。
【特許文献1】特開平8−15463号公報(段落「0001」等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、GPS衛星を捕捉できない環境においても、GPS衛星を捕捉する為に、GPS受信装置の受信部を起動させておくと、消費電流がかかり、例えばピーク時では100mA程度となってしまう。従って、時計等の小型の電子機器に受信部が搭載される場合は、持続時間や電池サイズの制約となってしまうという問題もある。
【0004】
そこで、本発明は、超低電力が要求されるような電子機器でも、受信部の駆動時間を必要最小限に抑えて消費電力を低減することができる電子機器及び電子機器の時刻修正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、本発明によれば、 地球を周回する位置情報衛星を捕捉して、前記位置情報衛星からの信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成し、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正して表示する時刻情報修正表示部と、を有する電子機器であって、前記受信部は、前記電子機器の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成となっている電子機器により達成される。
【0006】
前記構成によれば、地球を周回する位置情報衛星を捕捉して、前記位置情報衛星からの信号を受信する受信部は、電子機器の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成を有している。
すなわち、前記構成では、電子機器の環境を判断する屋内外判断部により、電子機器の環境を判断した結果に基づいて、受信部は位置情報衛星を捕捉する。
【0007】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、ソーラパネルと、前記ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする電子機器により達成される。
【0008】
前記構成では、屋内外判断部は、ソーラパネルと、ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部とを有しており、屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて電子機器の環境を判断する。
【0009】
この屋内外判断部は、電子機器に備えるソーラパネルの発電量を検出して、検出した発電量と、電子機器の屋内外を判別する発電量の閾値を収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値と、を比較して閾値以上であるか否かを判断して、屋内外を判断する。そして、この判断に基づいて、受信部は位置情報衛星を捕捉する為に受信動作を行うかを判別する。従って、発電量が閾値より小さい場合、屋内外判断部は電子機器が屋内であると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行はない。逆に、発電量が閾値以上の場合、屋内外判断部は電子機器が屋外であると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行う。
このため、受信部が受信できない環境であるのに、受信動作を行い、無駄に電力を消費することを防止できる。また、ソーラパネルからの発電により電池を充電でき、受信動作により失われる電力を補うこともできる。
【0010】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、加速度センサと、前記加速度センサからの出力波形を検出して得られる加速度センサ出力波形データを記憶する加速度センサ検出データ記憶部と、前記加速度センサ出力波形データから振幅データを生成して記憶する生成波形振幅データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データを収容する加速度閾値データ収容部と、を有しており、前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記加速度センサからの前記振幅データと前記加速度閾値データ収容部の前記加速度センサ出力波形振幅閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっている電子機器により達成される。
【0011】
前記構成では、屋内外判断部は、加速度センサと、前記加速度センサからの出力波形を検出して得られる出力波形データを記憶する加速度センサ検出データ記憶部と、出力波形データから振幅データを生成して記憶する生成波形振幅データ記憶部と、受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データを収容する加速度閾値データ収容部と、を有しており、屋内外判断部は、振幅データと加速度閾値データ収容部の加速度センサ出力波形振幅閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する。
【0012】
この屋内外判断部は、電子機器に備わる加速度センサからの出力波形を検出し、検出した出力波形による波形の振幅データを生成して、この振幅データと、電子機器の屋内外を判別する振幅の閾値データとを比較して、振幅データが閾値以上であるか否かを判断して電子機器の屋内外を判断する。そして、この判断にもとづいて受信部は位置情報衛星を捕捉する為に受信動作を行うかを判断する。従って、振幅データが閾値より小さい場合、屋内外判断部は、電子機器が屋内にあると判断する。そして、受信部はこの判断に基づいて、受信動作を行はないようにする。逆に、振幅データが閾値以上の場合、屋内外判断部は、電子機器が屋外にあると判断する。そして、受信部はこの判断に基づいて、受信動作を行う。
このため、受信部が受信できない環境であるのに、受信動作を行い、無駄に電力を消費することを防止しできる。そして、加速度センサによる出力波形の振幅で判断するので、昼夜を問わず、屋内外の判断が可能となる。
【0013】
また、好ましくは、前記発明の屋内外判断部の構成に加え、OLE_LINK3前記屋内外判断部は、ソーラパネルと、前記ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、OLE_LINK3前記屋内外判断部は、前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする電子機器により達成される。
【0014】
前記構成では、屋内外判断部は、加速度センサによるものに加え、更に、ソーラパネルと、ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部とを有しており、屋内外判断部は、屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて電子機器の環境を判断する。
【0015】
この屋内外判断部は、加速度センサによるものに加え、更に、電子機器に備えるソーラパネルの発電量を検出して、検出した発電量と、電子機器の屋内外を判別する発電量の閾値を収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値と、を比較して前記検出した発電量が閾値以上であるか否かを判断し、電子機器が屋内外にあるかを判断する。この判断に基づいて、受信部は位置情報衛星を捕捉する為に受信動作を行うかを判断する。そして、検出した発電量が発電量閾値より小さい場合は、電子機器が屋内にあると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行はないようにする。逆に、検出した発電量が発電量閾値以上の場合は、電子機器が屋外にあると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行う。
このため、屋内外判断部が、加速度センサによるものと、ソーラパネルによるものとの両方を備えているので、あらゆる環境での対応が可能となる。
【0016】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、前記電子機器に備わる日付表示部の日付データを記憶する日付データ記憶部と、前記電子機器に備わる時刻表示部の時刻データを記憶する時刻データ記憶部と、前記受信部の所在する使用地域情報を入力するための使用地域データ記憶部と、予め地域データテーブルと日付データテーブルと日照時間データテーブルの各データテーブルを収容する日照データテーブル収容部と、を有し、前記日付データ及び前記使用地域情報と前記日照データテーブル収容部の前記地域データテーブル及び前記日付データテーブルに基づいて、前記日照時間データテーブルから日照時間データを抽出して記憶する日照時間抽出データ記憶部と、前記日照時間データと前記時刻データ記憶部の前記時刻データとを比較する発電量/加速度選択部を有する構成となっていることを特徴とする電子機器により達成される。
【0017】
前記構成では、屋内外判断部は、電子機器に備わる日付表示部の日付データを記憶する日付データ記憶部と、前記電子機器に備わる時刻表示部の時刻データを記憶する時刻データ記憶部と、受信部の所在する使用地域情報を入力するための使用地域データ記憶部と、予め地域データテーブルと日付データテーブルと日照時間データテーブルの各データテーブルを収容する日照データテーブル収容部と、を有し、前記日付データ及び前記使用地域情報と前記日照データテーブル収容部の前記地域データテーブル及び前記日付データテーブルに基づいて、前記日照時間データテーブルから日照時間データを抽出して記憶する日照時間抽出データ記憶部と、前記日照時間データと前記時刻データ記憶部の前記時刻データとを比較する発電量/加速度選択部を有する。
【0018】
この屋内外判断部は、ソーラパネルと、加速度センサによるものとの両方を備えている。そして、両方の手段の切替は、電子機器に備わる日付表示部の日付データと受信部の所在する使用地域情報とを、予め電子機器に記憶されている地域データテーブルと日付データテーブルと、を比較して、日付データと使用地域情報に該当する地域データテーブルと日付データテーブルに対応する日照時間テーブルの日照時間データを抽出し、その日照時間データと、電子機器の時刻表示とを比較し、日照時間中である場合は、ソーラパネルによる判断とし、日照時間外である場合は加速度センサで行い、判断手段を有効的に選択して、受信部が受信できない環境の場合は受信動作を行はないようにする。
このため、屋内外判断部の切替を電子機器の環境に合わせて、選択することが可能となる。
【0019】
また、好ましくは、さらに、前記使用地域情報は、前記位置情報衛星からの受信した前記衛星信号に基づいて捕捉する受信部の自己位置により達成される。
前記構成では、使用地域情報が位置情報衛星から受信した衛星信号に基づいて捕捉する受信部の自己位置である。
このため、位置情報衛星から受信した衛星信号を捕捉して使用地域情報を取得するので、ユーザーが改めて入力しなくても地域情報を既知とできる。そして、この地域情報と電子機器の日付情報とから、日照時間データが抽出でき、この日照時間データに基づいて、屋内外判断部の切替が行えるので、使用地域情報を改めて入力、設定する必要がない。
【0020】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、前記受信部の前記位置情報衛星を捕捉する時間帯を記憶する屋内外判断データ記憶部を有しており、前記受信部は前記屋内外判断データ記憶部の前記時間帯に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成により達成される。
前記構成では、屋内外判断部は、受信部の前記位置情報衛星を捕捉する時間帯を記憶する屋内外判断データ記憶部を有しており、一定期間の屋内外判断のデータを蓄積し、使用者の行動パターンに合わせて、屋内外の判断手段の切替を行うことができる。
【0021】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、温度センサと、前記温度センサから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする電子機器により達成される。
【0022】
前記構成では、屋内外判断部は、温度センサと、温度センサから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部とを有しており、屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて電子機器の環境を判断する。
【0023】
この屋内外判断部は、電子機器に備える温度センサは温度差を生じると発電する為、この発電量を検出して、検出した発電量と、電子機器の屋内外を判別する発電量の閾値を収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値と、を比較して閾値以上であるか否かを判断して、屋内外を判断する。そして、この判断に基づいて、受信部は位置情報衛星を捕捉する為に受信動作を行うかを判別する。従って、発電量が閾値より小さい場合、屋内外判断部は電子機器が屋内であると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行はない。逆に、発電量が閾値以上の場合、屋内外判断部は電子機器が屋外であると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行う。
このため、受信部が受信できない環境であるのに、受信動作を行い、無駄に電力を消費することを防止できる。また、温度センサの温度差により生じる電気エネルギーを電池に蓄えることができ、受信動作により失われる電力を補うこともできる。
【0024】
前記課題は、本発明によれば、地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部は、ソーラパネルからの発電量を検出して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値データと前記発電量データとを比較する工程と、を有する発電量検出工程と、を有しており、前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法により達成される。
【0025】
前記課題は、本発明によれば、地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部は、加速度センサからの出力波形データを検出して記憶する工程と、前記出力波形データから振幅データを生成して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データと前記振幅データとを比較する工程と、を有する加速度センサ出力波形検出工程と、を有しており、前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法により達成される。
【0026】
前記課題は、本発明によれば、地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部は、ソーラパネルからの発電量を検出して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値データと前記発電量データとを比較する工程と、を有する発電量検出工程と、加速度センサからの出力波形データを検出して記憶する工程と、前記出力波形データから振幅データを生成して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データに関する加速度センサ出力波形振幅閾値データと前記振幅データとを比較する工程と、を有する加速度センサ出力波形検出工程と、を有しており、前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法により達成される。
【0027】
この構成によれば、受信部は屋内外判断部を備え、この屋内外判断部がソーラパネルまたは加速度センサのどちらか一方、あるいはソーラパネルと加速度センサの両者により、屋内外判断を行う結果に基づいて、位置情報衛星の受信を行い、このため、受信部が受信できない環境であるのに、受信動作を行い、無駄に電力を消費することを防止しできる。
そして、両者によれば、互いに補完することもできるので、より好ましい構成となる。
また、受信部が受信動作を行う際には、ソーラパネルからの発電により電池を充電することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0029】
図1は、本発明に係る電子機器の一例であるGPS時刻修正装置付き腕時計10(以下「GPS付き腕時計」という)を示す概略図であり、図2は、図1のGPS付き腕時計10の断面端部概略図である。
図1及び図2に示すように、GPS付き腕時計10は、その表面に文字盤12、秒針13b、分針13a、時針13cが配置される時刻表示部16と、各種メッセージが表示されるLCD表示パネル30等からなるディスプレイ14、日付を表示する日付表示部22が形成されている。そして、ディスプレイ14のメッセージの指示によりユーザーが操作する操作部17が形成されている。
【0030】
また、図2の断面端部概略図で、GPS付き腕時計10の内部の概略構造が示されているが、文字盤12の時刻表示面と反対側の面(以下 裏面)にはソーラパネル27が配置されており、後述する太陽電池であるソーラパネル式充電装置24の一部を形成している。このソーラパネル27は、太陽光からの光を吸収して発電し、電池(図示せず)の充電が行えるようになっている。ここで、太陽光からの光がソーラパネル27に届く程度に、文字盤12は透光性を有していることが好ましい。また、文字盤12の表面側にはガラス33が配置されている。そして、文字盤12の下側で裏蓋31の間の空間には、加速度センサ25が配置されており、後述する加速度センサ出力波形生成装置29の一部を形成している。この加速度センサ25は、GPS付き腕時計10の使用者の動きを検出するようになっている。
【0031】
そして、図1及び図2に示すように、GPS付き腕時計10は、アンテナ11を有しており、このアンテナ11は、地球の上空を所定の軌道で周回しているGPS衛星15a、15b、15c、15dからの信号を受信する構成となっている。
なお、GPS衛星15a等は、位置情報衛星の一例となっている。
【0032】
そして、図3は、GPS付き腕時計10の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。図3に示すように、GPS付き腕時計10は、その内部に時計装置28、GPS装置23、電池26、ソーラパネル式充電装置24等を備え、コンピュータとしての機能も発揮する構成となっている。
つまり、本実施の形態におけるGPS付き腕時計10は、いわゆる電子時計となっている。
【0033】
以下、図3に示す各構成について説明する。
図3に示すように、GPS付き腕時計10は、バス18を備え、バス18には、CPU(Central Processing Unit)19、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)21等が接続されている。
また、バス18には、GPS衛星15a等からの衛星信号を受信する受信部である例えば、GPS装置23も接続されている。具体的には、GPS装置23には、アンテナ11や図示しないフィルタ(SAW)、RF、ベースバンド等を有している。
すなわち、GPS装置23は、図1のGPS衛星15a等から衛星信号を受信し、アンテナ11からフィルタやRFを介してベースバンドで信号として取り出される構成となっている。GPS衛星15a等から受信する信号についての詳細は、後述する。
【0034】
また、バス18には、時刻情報を生成する時刻情報生成部である例えば、時計装置28も接続されている。具体的には、時計装置28は、リアルタイムクロック(RTC)や温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)、日付表示部22等を有している。
また、バス18には、電源である電池26が接続されていると共に、その電池26を充電するための太陽電池であるソーラパネル式充電装置24も接続されている。
このため、ソーラパネル式充電装置24で発電された電力が、電池26に供給される構成となっている。
さらに、加速度センサ出力波形生成装置29も接続されており、加速度センサ25の出力を検出して波形を生成する。
【0035】
さらに、バス18には、図1に示すディスプレイ14等も接続されている。
このように、バス18は、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部バスである。RAM20は、所定のプログラムの処理を行う他、バス18に接続されたROM21等を制御している。ROM21は、各種プログラムや各種情報等を格納している。
【0036】
図4乃至図7は、GPS付き腕時計10の主なソフトウエア構成等を示す概略図であり、図4は全体図である。
図4に示すように、GPS付き腕時計10は、制御部35を有し、制御部35は、GPS装置23、時計装置28、電池26、ソーラパネル式充電装置24、加速度センサ出力波形生成装置29等を制御すると共に、時刻補正プログラム36、第1記憶部40内の各種データ、第2記憶部50内の各種データ及び屋内外判断プログラム記憶部60の各種プログラムを処理する構成となっている。
また、図4には、時刻補正プログラム36、第1記憶部40、第2記憶部50及び屋内外判断プログラム記憶部60と分けて示してあるが、実際に、このようにデータが分けて格納されているわけではなく、説明上の便宜のために分けて記載したものである。
なお、図4の第1記憶部40には、主に予め収容されているデータをまとめて示した。また、第2記憶部50には、第1記憶部40内のデータ等を屋内外判断プログラム記憶部60の各種プログラムで処理した後のデータやプログラム処理の過程で得られるデータ等を主に示している。
図5は、図4の第1記憶部40内のデータを示す概略図であり、図6は、図4の第2記憶部50内のデータを示す概略図である。また、図7は、図4の屋内外判断プログラム記憶部60のプログラムを示す概略図である。
図8乃至図11は、本実施の形態にかかるGPS付き腕時計10の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【0037】
以下、図8乃至図11のフローチャートにしたがって本実施の形態に係るGPS付き腕時計10の動作等を説明しつつ、その関連で図4乃至図7の各種プログラムや各種データを説明する。
先ず、図1のGPS付き腕時計10は、ある時間に、その時計装置28の時刻修正をする構成となっている。そして、この時刻修正は、後述するように、GPS衛星15a等の信号を受信することにより行われる。
従って、GPS衛星15a等の信号を受信する前段階として、GPS付き腕時計10が、GPS衛星15a等の信号受信が可能な状態であるか否か、つまり、屋内外を判段する為、図8のST1に示すように、屋内外判断プログラム記憶部60の各種プログラムのいずれか又は複数が選択されて実行される。以下で、屋内外判断プログラム記憶部60の各種プログラムのいずれか又は複数を指す場合は、屋内外判断プログラム601として説明し、その中の各プログラムを説明する場合は、屋内外判断プログラム601として選択されるプログラムを示して説明する。
そして、次にST2に進み、屋内外判断プログラム601が正常に終了したか否かを判定し、正常に終了した場合は、GPS衛星15a等の受信が可能な屋外であると判断し、ST5に進み、例えば、GPS衛星15a等を4衛星以上捕捉する。具体的には、図3のGPS装置23が動作し、アンテナ11からGPS信号を受信し、捕捉可能なGPS衛星15a等をサーチする。次にST6に進み、図4の時刻修正プログラム36が実行され、そして、ST7に進み、具体的には以下の工程で時刻修正を行っていく。
【0038】
ここで、ST7の工程を説明する前に、GPS衛星15a等の衛星信号について説明する。図16はGPS衛星15a等の衛星信号を示す概略説明図である。
GPS衛星15a等からの信号には、図16に示すように、その信号を送信しているGPS衛星自体の状態を表す情報等を含む衛星補正データ等と各GPS衛星自体の軌道に関するエフェメリス情報と、全GPS衛星の軌道情報に関するアルマナック情報等を含む他衛星簡易データが含まれており、これら全体で航法メッセージ情報を構成している。
そして、航法メッセージ情報は、1〜5のサブフレームからなる1つのフレームで構成され、そして、上記他衛星簡易データは1〜25のページに分割されている。そして、この1つのフレームを送信するには、30秒かかり(サブフレームは6秒で、5つのサブフレーム分)、フレームごとに送信されてくる。
【0039】
また、フレームごとに異なるページの内容が順番に送信されており、航法メッセージ情報全体の情報が発信されている。このGPS衛星からは、1574.2Hzの搬送波に1023個(1023チップ)の1又は0からなるC/Aコードを1ミリ秒ごとに繰り返し送信しており、上述した航法メッセージ情報と重畳して、送信されている。
この、各サブフレームは、10ワード(1ワードは0.6秒)を有しており、各サブフレームの先頭のワードには、TLM(Telemetry word)データが格納されたTLMワードとなり、このTLMワード内には、図16(b)に示すように、その先頭にプリアンブルデータが格納されている。また、TLMに続くワードは、HOW(Hand Over word)データが格納されたHOWワードとなり、その先頭には、TOW(Time of week)というGPS衛星のGPS時刻情報が格納されている。
【0040】
このC/Aコードは、GPS時刻を毎週日曜日の0時からの経過時間を秒で表示し、週の初め(翌週の日曜日の0時)に、0にリセットされる。そして、この1週間についてはGPSの週番号が付されているので、週番号と経過時間(秒)のデータを取得することで、受信側はGPS時刻を取得できる構成となっている。このGPS時刻の起点となるのが、UTC(世界協定時)となっている。
そして、このようなGPS衛星15a等からの航法メッセージ情報を取得するには、受信側がGPS衛星15等の信号と同期させる必要がある。この場合、1ms単位の同期のためにC/Aコード(1023chip(1ms))が用いられる。
【0041】
GPS衛星15a等からの信号は以上のように送信されてくるため、本実施の形態では、図8のST7に示すように、GPS衛星15a等からのC/Aコードと同期させ、図16(b)に示す、TLMワードのプリアンブル及びHOWワードのTOWと同期させる。そして、GPS付き腕時計10は、4個のGPS衛星15a等の航法データを取得する。
【0042】
次いで、ST8に進み、これらの4つのGPS衛星15a等からの信号の伝搬遅延時間(GPS衛星からGPS付き腕時計10に到達するまでの時間)を、時計装置28を用いて計測し、光速(c)データに基づき、GPS衛星15a等とGPS付き腕時計10との擬似衛星距離を算出する。そして、4個のGPS衛星15a等からに擬似衛星距離に基づき、GPS付き腕時計10の位置、高度、真の伝搬遅延時間を4連立方程式で算出し、GPS付き腕時計10の位置及び位置情報と真の伝搬遅延時間を算出する。
これにより、真の伝搬遅延時間と実際に時計装置28で計測した伝搬遅延時間を取得することができる。
【0043】
このように4個のGPS衛星15a等から発信された信号が受信されるまでの時間を実際に測定した伝搬遅延時間を基準として、計算により求めたGPS付き腕時計10の位置情報及び真の伝搬遅延時間と、時計装置28が計測した測定値である伝搬遅延時間と、を生成する構成となっている。
次に、ST9で、計算により求めた真の伝搬遅延時間と実際に時計装置28が計測した伝搬遅延時間との差分データに基づいて、時計装置28をオフセット(修正)する。
【0044】
続いて、ST10に示すように、図1の文字盤12上の時刻表示部16の時刻表示は、GPS衛星15a等から取得したUTCリファレンスにより補正される時計装置28のデータに基づいて修正され、時刻表示部16の時刻表示は時刻情報修正表示部となる。
したがって、例えば、時差を考慮した日本時間が表示される。
以上で、4衛星を用いた時刻修正が終了する。これは、原子時計を有するGPS衛星15a等の時刻情報に合わせて、GPS付き腕時計10の時計装置28を修正することができるので、GPS付き腕時計10の時刻を高精度で修正することができる。
また、ST2で正常に終了していないとの判定である場合は、ST3に進み、屋内外判断プログラム601を強制終了し、GPS衛星を捕捉できない環境であるとして、その旨をディスプレイ14に表示してユーザーに報せる。ユーザーが表示を認識し、ST4でユーザー判断によりマニュアル操作で時刻修正すべき旨の表示を行い、終了する。
【0045】
以上で、図8における時刻修正は終了する。
ここで、今回の実施形態においては、時刻修正として、4衛星以上の複数衛星の場合を主に説明したが、これに限定するものではなく、1衛星による時刻修正であってもよい。
その場合は、自己の位置、すなわちGPS付き腕時計10の位置は既知として行うものである。1衛星を捕捉して、C/Aコードを同期して、プリアンブルやTOWを同期させ、エフェメリス情報を取得する。そして、エフェメリス情報から当該捕捉したGPS衛星15a等の軌道上の位置情報を取得し、既に分かっている自己の位置と共に、GPS衛星15a等からの信号の真の伝搬遅延時間(擬似衛星距離)を計算で求める。
【0046】
次に、実際にGPS衛星15aから受信した信号の伝搬遅延時間を時計装置を用いて取得する。これで、実際の伝搬遅延時間と真の伝搬遅延時間を取得することができる。あとの工程は、上述の4衛星の場合の図8のST8とST9と同様である。そして、1衛星時刻修正モードは終了する。
【0047】
1衛星時刻修正モードでは、1個のGPS衛星15aを捕捉し、データを受信すればよいので、4個のGPS衛星15a等を捕捉する場合に比べ、大幅な消費電力の低減が可能となる。このように、4衛星の時刻修正と1衛星の時刻修正とを組み合わせて使用してもよく、時刻修正を高精度に維持しつつ、消費電力を軽減させることが可能となる。
以下個別の屋内外判断プログラム601の説明を行っていく。
【0048】
図8のST1において、屋内外判断プログラム601を実行させるが、この屋内外判断プログラム601としては、図3および図4のソーラパネル式充電装置24に関わる、図7の発電量検出プログラム61およびその動作を示す図9の概略フローチャートの場合と、図3および図4の加速度センサ出力装置波形生成装置29に関わる、図7の加速度センサ出力波形検出プログラム63およびその動作を示す図10の概略フローチャートの場合、及び、上記の発電量検出プログラム61と加速度センサ出力波形検出プログラム63に合わせて、更に、図7の日照テーブル抽出プログラム62、発電量/加速度選択プログラム64及びその動作を示す図11の概略フローチャートに係る場合とがある。
【0049】
GPS付き腕時計10の屋内外の状況の判断を行う点について、例えば、GPS付き腕時計10が屋内であるにも関わらず、時刻修正を行う為に、地球の上空を周回するGPS衛星15a等からの信号を受信しようと受信動作を開始してしまう。この受信動作は通常、数回試みるように設定されているので、受信部が受信に失敗しても直ちに受信動作を終了するわけではない。従って、その間、電力を消費しつづけることとなる。このような場合、GPS付き腕時計10のような小型の機器に搭載されている電池26は通常容量もあまり大きくない為、電池切れとなる時間が短くなってしまうという問題が起こる。
【0050】
そこで、この屋内外判断プログラム601により、GPS付き腕時計10が屋内の環境にあると判断された場合は、受信部が受信動作を行わず、屋外であると判断された場合のみ受信動作を開始させるようにすると、消費電力が低下され、電池切れとなる時間も長くなることとなり、小型機器で電池容量に制限のある機器にもGPS装置を搭載することができる。
以下個別の屋内外判断プログラム601の説明を行っていく。
【0051】
(発電量検出プログラム61)
屋内外判断プログラム601として、図7の発電量検出プログラム61を選択している場合を説明する。
発電量検出プログラム61は、図3および図4のソーラパネル式充電装置24に関わるもので、その動作は図9の概略フローチャートに示した。
図8のST1の屋内外判断プログラム601が実行されると、図7の発電量検出プログラム61が選択され、図9のST100で発電量検出プログラムが実行され、GPS付き腕時計10が、屋外にいるか屋内にいるかを太陽電池の発電量で判定しようとするものである。
すなわち、屋外にGPS付き腕時計10が配置されていれば、発電量が増え、逆に屋内に配置されれば、発電量が減ることから、この発電量を基準として、屋内外の判定をしようとするものである。
【0052】
図12は、太陽電池である図3のソーラパネル式充電装置24における相対発電量と照度との関係を示すグラフである。このグラフの照度は屋内(室内)においては低く、屋外においては高くなる。
そして、この照度に対応して相対発電量が変化する関係となっている。図12においては、相対発電量が0.5(5,000lx)未満の場合は、屋内である蓋然性が高く、0.5以上の場合は屋外である蓋然性が高いことが分かる。
そこで、本実施の形態では、図5に示す発電量閾値データ収容部43に収容する発電量閾値データ43aとして、例えば、0.5(lx)を予め設定しておき、ソーラパネル式充電装置24で検出される発電量が0.5(lx)以上であるときは、GPS付き腕時計10の環境が屋外であるとし、0.5(lx)未満の場合はGPS付き腕時計10の環境が屋内であると判断する。
【0053】
つまり、ST100で、発電量検出プログラムを実行し、次いでST101に進んで、ソーラパネル充電装置24からの発電量を検出し、図6の発電量検出データ記憶部52に記憶される。次に、ST102に進み、図6の発電量検出データ記憶部52の発電量検出データ52aと図5の発電量閾値データ収容部43の発電量閾値データ43aと比較する。具体的には、図6の発電量検出データ52aである相対発電量が、図12に示す0.5(lx)以上か否かを判断する。そして、ST103に進み、発電量検出データ52aが、発電量閾値データ43a0.5(lx)以上の場合は、ST105に進み、GPS衛星が捕捉可能な状態、つまり、GPS付き腕時計10が屋外であると判断して、発電量検出プログラムは終了し、上述した、図8のST2に戻り、正常に終了したとして、ST5に進み、GPS衛星スキャンを開始して、4GPS衛星以上を捕捉する。そして、上述した、ST6〜ST10の動作により自己の位置を測位して、時刻修正を行う。
しかし、ST103で、発電量検出データ52aが、発電量閾値データ43a(0.5(lx))未満の場合は、ST104に進み、数回、例えば、N=5回程度、ST101からST103の動作を繰り返して行い、5回以上、発電量検出データ52aが、発電量閾値データ43a(0.5(lx))未満となった場合は、このプログラムを強制終了させ、図8のST2に戻り、正常に終了していないとして、ST3に進み、ユーザーにGPS衛星捕捉不可能な状況である旨を表示し、上述したようにST4でユーザー判断によりマニュアル操作で時刻修正すべき旨の表示を行い、終了する。
したがって、本実施の形態では、GPS付き腕時計10が、屋内又は屋外に所在しているかを精度良く判断することができる構成となっている。
【0054】
このように、発電量検出プログラム61は、受信部(GPS装置23)の環境の情報である発電量検出データ52aを取得して、この発電量検出データ52aに基づいて受信部(GPS装置23)の受信環境(屋内外)を判断する屋内外判断部の一例となっている。
そして、受信可能な場合には、受信部は受信動作を行い、自己の位置を測位して、時刻修正を行うが、受信不可能な場合には、受信部は受信動作を行わないので、消費電力を抑えることができる。
そして、また、ここで発電量検出プログラム61を実行した際に得られる、発電量検出データ52aが発電量閾値データ43aの閾値以上である場合の時間帯および、発電量閾値データ43aの閾値以下である場合の時間帯を図6の屋内外判断データ記憶部58に記憶しておくと、屋内外判断データ記憶部58の時間帯に基づき、位置情報衛星を捕捉する時間帯を決めることが可能である。従って、常にソーラパネル式充電装置24の発電量で検出する必要が無いため、ユーザーにとって便宜である。
【0055】
(加速度センサ出力波形検出プログラム63)
図7の屋内外判断プログラム601として、図7の加速度センサ出力波形検出プログラム63が選択されている場合を説明する。加速度センサ出力波形検出プログラム63は、図3および図4の加速度センサ出力波形生成装置29に関わるもので、その動作は図10の概略フローチャートに示している。
図8のST1で屋内外判断プログラム601が実行されると、図7の加速度センサ出力波形検出プログラム63が選択され、図10のST200の発電量検出プログラムが実行され、GPS付き腕時計10が、屋外にいるか屋内にいるかを加速度センサ25の出力波形の振幅で判定しようとするものである。
すなわち、屋外にGPS付き腕時計10が配置されている場合は、加速度センサ25の出力波形の振幅がある程度大きくなり、逆に屋内に配置されれば、出力波形の振幅は小さくなることから、この出力波形の振幅を基準として、屋内外の判定をしようとするものである。あるいは、振幅と合わせて、加速度センサ出力波形生成装置29により得られた出力波形を基に、周波数解析を行い、波形の周期が得られるか否かを基準として、屋内外の判定を行うこともできる。この場合、屋外にGPS付き腕時計10が配置されていると、周波数解析の結果、波形が周期的に得られ、逆に屋内に配置されれば、周期的な波形は得られず、ランダムなものとなる。
【0056】
図13乃至図15には、加速度センサ25を備えた加速度センサ出力波形生成装置29における(a)加速度センサ出力波形と(b)周波数解析データを示すグラフである。図13、図14は屋外の場合で、図13は屋外歩行時、図14は屋外走行時である。図15は屋内活動時の場合である。図13と図14の加速度センサ出力波形の振幅と図15の加速度センサ出力波形の振幅を比較すると、図13と図14の方が大きい。そして、図13の屋外歩行時と図15の屋内活動時を比較しても、振幅は図13の方が約3倍ほどである。また、周波数解析データを比較すると、図13と図14の屋外の場合は、周期的に波形があるが、図15の屋内の場合は周期的に波形が表れない。従って、加速度センサの出力波形の振幅を図13の屋外歩行時を基準として、加速度センサ出力波形生成装置29より得られる出力波形の振幅が小さい場合を室内とし、大きい場合を屋外とする。つまり、本実施形態では、図13の屋外歩行時を基準として、加速度閾値データ収容部44の加速度センサ出力波形振幅閾値データ441として、図13の屋外歩行時の振幅を例えば1として、設定しておき、加速度センサ出力波形生成装置29より得られる出力波形の振幅が1以上であるときは、GPS付き腕時計10の環境が屋外であるとし、1未満であるときは、GPS付き腕時計10の環境が屋内であると判断する。
【0057】
つまり、ST200で、加速度センサ出力波形検出プログラム63が実行されると、ST201で加速度センサ25を備える加速度センサ出力波形生成装置29からの加速度センサ出力波形及び/または周波数解析データを取得し、この取得データを図6の加速度センサ検出データ記憶部54に収容する。次いで、ST202で、加速度センサ検出データ記憶部54に収容されている加速度センサ出力波形54a及び/または周波数解析データ54bから、振幅データ57a及び/または周波数の周期データ57bを取得して、図6の生成波形振幅データ記憶部57に記憶する。
そして、ST203に進み、生成波形振幅データ記憶部57に記憶されている振幅データ57aと、図5の加速度閾値データ収容部44の加速度センサ出力波形振幅閾値データ441である図13の屋外歩行時を基準とした振幅データ(例えば1)と比較して、ST204で、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441以上であり、かつ/または、周波数の周期データが得られたか否かを判断する。そして、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441以上であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られた場合は、ST209に進み、加速度センサ25を備える加速度センサ出力波形生成装置29の出力時間を計測する。そして、ST211に進み、出力時間が所定時間以上継続して、例えば1分以上続いているか否かを判断し、1分以上続いている場合は、ST212に進み、GPS衛星が捕捉可能な状態であるとして、プログラムが終了する。つまり、GPS付き腕時計10が屋外であると判断して、加速度センサ出力波形検出プログラム63を終了し、上述した図8のST2に戻り、正常に終了したとして、ST5に進み、GPS衛星スキャンを開始して、4GPS衛星以上を捕捉する。そして、上述した、ST6〜ST10の動作により自己の位置を測位して、時刻修正を行う。
【0058】
また、ST211で1分以上であるか否かの判断は、例えば、N=5回繰り返して行うようにされている。もし仮に、屋外であるのに、1分未満程度、加速度センサの出力が無い場合、例えば、ユーザーが信号待ちなどで、動きを停止している場合などもありうるため、5回程度繰り返して計測するようにされている。そして、N=5回以上、出力時間が1分未満とされた場合は、ST207に進み時間計測タイマを停止し、ST208で時間計測タイマをリセットして、強制終了する。そして、図8のST2に戻り、正常に終了していないとして、ST3に進み、ユーザーにGPS衛星捕捉不可能な状況である旨を表示し、上述したようにST4でユーザー判断によりマニュアル操作で時刻修正すべき旨の表示を行い、終了する。
【0059】
次に、またST204に戻るが、ここで、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441未満であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られなかった場合は、ST205で時間計測タイマを起動させて、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441未満であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られない時間を計測しておく。そして、ST206で所定時間、例えば、1週間程度、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441未満であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られない時間が継続しているか否かを計測し、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441未満であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られない時間が1週間以上続いた場合は、ST207に進み、時間計測タイマを停止し、ST208で、時間計測タイマをリセットして、強制終了する。そして、上述と同様に、図8のST2に戻り、正常に終了していないとして、ST3に進み、ユーザーにGPS衛星捕捉不可能な状況である旨を表示し、上述したようにST4でユーザー判断によりマニュアル操作で時刻修正すべき旨の表示を行い、終了する。
したがって、本実施の形態では、GPS付き腕時計10が、屋内又は屋外に所在しているかを精度良く判断することができる構成となっている。
【0060】
このように、加速度センサ出力波形検出プログラム63は、受信部(GPS装置23)の環境の情報である振幅データ57a及び/または周波数の周期データ57bを取得して、振幅データ57a及び/または周波数の周期データ57bに基づいて受信部(GPS装置23)の受信環境(屋内外)を判断する屋内外判断部の一例となっている。
そして、ここで加速度センサ出力波形検出プログラム63を実行した際に得られる、振幅データ57aが加速度センサ出力波形振幅閾値データ441以上である場合および/または周波数の周期データ57bが得られた時間帯と、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441以下である場合および/または周波数の周期データ57bが得られなかった時間帯を図6の屋内外判断データ記憶部58に記憶しておくと、蓄積された屋内外判断データ記憶部58に基づき、位置情報衛星を捕捉する時間帯を決めることが可能となる。従って、常に加速度センサで検出する必要が無いため、ユーザーにとって便宜である。
【0061】
以上のように、本実施の形態によれば、GPS付き腕時計10は、その受信環境が屋内か屋外かを判断し、その判断結果に基づき適切なGPS衛星15a等をアルマナック情報等から選択し、捕捉して信号を受信し、自己の位置を測位し、時刻修正を行うので、低消費電力で高精度な時刻修正が可能となっている。特に、時計のように超低電力と高精度な時刻修正が要求される電子機器には、本実施の形態は、最も有効な構成となっている。
【0062】
(日照テーブル抽出プログラム62および発電量/加速度選択プログラム64)
図7の屋内外判断プログラム601として、図6の日照テーブル抽出プログラム62および発電量/加速度選択プログラ64を更に選択している場合を説明する。
日照テーブル抽出プログラム62および発電量/加速度選択プログラ64は、上述した、発電量検出プログラム61と加速度センサ出力波形検出プログラム63のプログラムのうち、どちらを実行すべきかを、日照時間との関係で選択しようとするものであり、発電量検出プログラム61でと加速度センサ出力波形検出プログラム63の相互を補完するようにしている。その動作は図11の概略フローチャートに示した。
ここで、発電量検出プログラム61と加速度センサ出力波形検出プログラム63の各プログラムの動作は、上述した通りであるので、ここでは重複する説明は省力し、異なる点を詳細に説明する。
【0063】
図8のST1で屋内外判断プログラム601が実行されると、図11のST300に移る。ST300では、ユーザーにより予め日照データの設定があったか否かを判断する。予め日照時間データの設定がある場合は、ST304に移り、その日照時間データを図6の日照時間データ記憶部53に記憶する。次にST305に移るが、この先は後述するので、ここでは先に、予め日照データの設定が無い場合を説明する。この場合は、ST301に移り、図7の日照テーブル抽出プログラム62が実行される。次いで、ST302に移り、図3の時計装置28に備わる図4の日付表示部22から日付データを取得し、図6の日付データ記憶部51に収納する。そして、ST303に移り、図6の使用地域データ記憶部56に記憶されている使用地域データ56aと、日付データ記憶部51の日付データ51aとを使用して、図5の日照データテーブル収容部41に収容されている、地域データテーブル411と日付データテーブル413との各データとを比較して、該当部分を選択する。この日照データテーブル41は、地域データテーブル411、日付データテーブル413、日照時間データテーブル412の各データテーブルが、マトリックス上に関連して収容されており、各データテーブルの二つのデータが決定されると、残りのデータテーブルのデータを抽出できるようになっている。
【0064】
したがって、ここでは、時計装置28の日付表示部22から得られた日付データ51aと、使用地域データ56aの2つのデータを既知として、各データテーブルの該当部分のデータが決定できるので、残りの日照時間データを日照時間データテーブル412から抽出できる。この日照時間データテーブル412には、各地域データと、日付データと、それに対応する日入・日出時間が収容されている。
ここで、使用地域データ記憶部56に記憶されている使用地域データ56aは、ユーザーが予め設定することも可能であり、また、以前にGPS衛星からの信号を受信した際の自己の位置を測位した結果を基に使用地域を記憶しておくことも可能である。
【0065】
次にST304に移り、抽出された日照時間データを図6の日照時間データ記憶部53に収納する。そして、ST305に移り、図7の発電量/加速度選択プログラム64が実行される。ここで、発電量/加速度選択プログラム64はある条件により、発電量検出プログラム61と加速度センサ出力波形検出プログラム63のいずれを実行すべきかを選択するプログラムであり、適宜、GPS付き腕時計10の状況により判断されるものである。
つまり、屋内外の判断にあたり、発電量検出プログラム61は、太陽電池であるソーラパネル式充電装置24の発電量に起因するので、夜間などの場合は、屋内外の判断にメインで使用するのは好ましくない場合もあり、これらの屋内外判断プログラム601を適宜、選択していくことが必要である。
【0066】
したがって、ST305で、発電量/加速度選択プログラム64を実行させ、ST306で、日照時間データ記憶部53に収容された日照時間データ53aと、GPS付き腕時計10の時計装置28の時刻表示部16から取得された時刻データ59aとを比較して、GPS付き腕時計10の環境が、日照時間内(昼間)である場合は、ST307に移り、発電量検出プログラム61の実行に進み、日照時間外(夜間)である場合は、ST308に移り、加速度センサ出力波形検出プログラム63の実行に進む。これらの発電量検出プログラム61の実行および加速度センサ出力波形検出プログラム63の実行は上述した通りであるので省略する。ここで、この時刻データ59aは、常に、時刻表示部16から取得されたデータを、図6の時刻データ記憶部59に書換えて、収容しているものであり、後に、時刻補正が実施された場合は、その補正を反映するものである。
【0067】
そして、上記、発電量検出プログラム61または加速度センサ出力波形検出プログラム63が正常に終了した場合は、図8のST5に移り、正常に終了しなかった場合は、ST3で強制終了してGPS衛星が捕捉不可能な状況である旨の表示をディスプレイ14にして、ユーザーに知らせ、ST4でユーザー判断とする。
このように、発電量検出プログラム61の実行および加速度センサ出力波形検出プログラム63の実行を適宜、スムーズに選択することができるので、受信部(GPS装置23)が、受信できない環境であるのに、受信動作を開始して、消費電力を増加させないようにすることができる。
【0068】
また、上述の発電量/加速度選択プログラ64の判断基準である日照時間データと発電量検出プログラム61または加速度センサ出力波形検出プログラム63の屋内外の判断基準に基づいて、屋外であるとして受信部(GPS装置23)を起動した時間帯を、予め屋内外判断情報記憶部58に記憶しておき、次回はこの屋内外判断情報記憶部58のデータに基づき、日照時間内であるか、屋内外であるかの判断を行い、受信部(GPS装置23)の受信動作を開始させることもできる。このようにすると、屋内外の判断基準が、既知となるので、発電量検出プログラム61または加速度センサ出力波形検出プログラム63の実行を容易に選択することができ、時間を短縮して、消費電力をさらに少なくできる。
【0069】
また、上述の発電量検出プログラム61および発電量/加速度選択プログラム64の発電量は、ソーラパネル式充電装置24に関わるものを記載したが、これに限るものではなく、例えば、温度センサによるものでも良い。具体的には、例えば、温度センサで検出した温度差により発電するものである。
図示はしないが、GPS付き腕時計10の裏フタ31の腕等が触れる側と外気に触れる側、例えば、ガラス33やケース32の上表面側に温度センサを取り付け、これらの温度差を検出して発電する発電量を利用する構成としてもよい。
この発電は、具体的には、例えば、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するというペルティエ効果(Peltier effect)を利用した板状の半導体素子であるペルティエ素子(Peltier device)を使用し、そして、このペルティエ素子の2種類の金属の両端を、腕等が触れる側と外気に触れる側等にそれぞれ設置して、温度を検出する。
そして、検出した温度差により、電流が流れる仕組みである。この発電量を検出して、屋内外の判断を行うものとする。
このように温度センサを使用した場合は、屋内外判断を昼夜を問わず行うことができ、また、熱電対1つでは約0.4mV程度であるが、複数個使用した温度センサとすると、わずかな温度差、例えば3℃以上の温度差でも発電することができ、検出精度を挙げることができる。
【0070】
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る電子機器である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計を示す概略図である。
【図2】図1のGPS付き腕時計の断面端部概略図である。
【図3】図1のGPS付き腕時計の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図4】GPS付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略全体図である。
【図5】図4の第1記憶部のデータを示す概略図である。
【図6】図4の第2記憶部のデータを示す概略図である。
【図7】図4の屋内外判断プログラム記憶部の各種プログラムを示す概略図である。
【図8】本実施の形態にかかるGPS付き腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図9】図8の屋内外判断部である発電量検出プログラムのシーケンスを示す概略フローチャートである。
【図10】図8の屋内外判断部である加速度検出プログラムのシーケンスを示す概略フローチャートである。
【図11】図8の屋内外判断部である発電量検出プログラムと加速度検出プログラムの選択プログラムの概略フローチャートである。
【図12】太陽電池である図3のソーラパネル式充電装置における相対発電量と照度との関係を示すグラフである。
【図13】図2の加速度センサを含む図3の加速度センサ出力波形生成装置における出力波形(a)および周波数解析結果(b)を示す概略説明図であり、屋外歩行時の一例である。
【図14】図2の加速度センサを含む図3の加速度センサ出力波形生成装置における出力波形(a)および周波数解析結果(b)を示す概略説明図であり、屋外走行時の一例である。
【図15】図2の加速度センサを含む図3の加速度センサ出力波形生成装置における出力波形(a)および周波数解析結果(b)を示す概略説明図であり、屋内歩行時の一例である。
【図16】GPS衛星の衛星信号を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0072】
10・・・GPS時刻修正装置付き腕時計、11・・・アンテナ、12・・・文字盤、13a・・・分針、13b・・・秒針、13c・・・時針、14・・・ディスプレイ、15a、15b,15c・・・GPS衛星、16・・・時刻表示部、17・・・操作部、18・・・バス、19・・・CPU、20・・・RAM、21・・・ROM、22・・・日付表示部、23・・・GPS装置、24・・・ソーラパネル式充電装置、25・・・加速度センサ、31・・・裏蓋、32・・・ケース、33・・・ガラス、34・・・パッキン、35・・・制御部、36・・・時刻補正プログラム、37・・・表示窓、40・・・第1記憶部、41・・・日照データテーブル収容部、411・・・地域データテーブル、412・・・日照時間データテーブル、413・・・日付データテーブル、43・・・発電量閾値データ収容部、43a・・・発電量閾値データ、44・・・加速度閾値データ収容部、441・・・加速度センサ出力波形振幅閾値データ、50・・・第2記憶部、51・・・日付データ記憶部、51a・・・日付データ、52・・・発電量検出データ記憶部、52a・・・発電量検出データ、53・・・日照時間データ記憶部、53a・・・日照時間データ、54・・・加速度センサ検出データ記憶部、54a・・・加速度センサ出力波形、54b・・・周波数解析データ、55・・・日照時間抽出データ記憶部、56・・・使用地域データ記憶部、56a・・・使用地域データ、57・・・生成波形振幅データ記憶部、57a・・・振幅データ、57b・・・周期データ、58・・・屋内外判断情報記憶部、59・・・時刻データ記憶部、59a・・・時刻データ、60・・・屋内外判断プログラム記憶部、601・・・屋内外判断プログラム、61・・・発電量検出プログラム、62・・・日照テーブル抽出プログラム、63・・・加速度センサ出力波形検出プログラム、64・・・発電量/加速度選択プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばGPS衛星等からの信号に基づいて時刻修正を行う電子機器及び電気機器の時刻修正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自己の位置を測位するためのシステムであるGPS(Global Positioning System)システムでは、地球を周回する軌道を有するGPS衛星が用いられており、このGPS衛星には、原子時計が備えられ、極めて正確な時間を計測している。
そして、GPS受信装置は、高精度の測位実現の為に、GPS衛星内の基準時計である原子時計のデータを用いてGPS受信装置内の時計の時刻修正を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、GPS衛星から原子時計のデータを取得するためには、GPS衛星を捕捉し、GPS衛星の信号と同期等させる必要がある。
そして、GPS衛星は常に移動しており、その捕捉をする為には、GPS衛星の軌道データからGPS衛星の位置を予測して捕捉する必要がある。
さらに、正確な時刻表示データを取得するには、最低4つのGPS衛星を捕捉する必要がある。
そして、移動する4つのGPS衛星を捕捉するには通常時間がかかるが、これに加えて、使用者と共に常に移動する時計等にGPS衛星の信号の受信部が備わっている場合は、受信部も共に移動することとなり、GPS衛星を捕捉できない環境に、例えば、屋内である等、移動しているような場合もある。
【特許文献1】特開平8−15463号公報(段落「0001」等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、GPS衛星を捕捉できない環境においても、GPS衛星を捕捉する為に、GPS受信装置の受信部を起動させておくと、消費電流がかかり、例えばピーク時では100mA程度となってしまう。従って、時計等の小型の電子機器に受信部が搭載される場合は、持続時間や電池サイズの制約となってしまうという問題もある。
【0004】
そこで、本発明は、超低電力が要求されるような電子機器でも、受信部の駆動時間を必要最小限に抑えて消費電力を低減することができる電子機器及び電子機器の時刻修正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、本発明によれば、 地球を周回する位置情報衛星を捕捉して、前記位置情報衛星からの信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成し、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正して表示する時刻情報修正表示部と、を有する電子機器であって、前記受信部は、前記電子機器の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成となっている電子機器により達成される。
【0006】
前記構成によれば、地球を周回する位置情報衛星を捕捉して、前記位置情報衛星からの信号を受信する受信部は、電子機器の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成を有している。
すなわち、前記構成では、電子機器の環境を判断する屋内外判断部により、電子機器の環境を判断した結果に基づいて、受信部は位置情報衛星を捕捉する。
【0007】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、ソーラパネルと、前記ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする電子機器により達成される。
【0008】
前記構成では、屋内外判断部は、ソーラパネルと、ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部とを有しており、屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて電子機器の環境を判断する。
【0009】
この屋内外判断部は、電子機器に備えるソーラパネルの発電量を検出して、検出した発電量と、電子機器の屋内外を判別する発電量の閾値を収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値と、を比較して閾値以上であるか否かを判断して、屋内外を判断する。そして、この判断に基づいて、受信部は位置情報衛星を捕捉する為に受信動作を行うかを判別する。従って、発電量が閾値より小さい場合、屋内外判断部は電子機器が屋内であると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行はない。逆に、発電量が閾値以上の場合、屋内外判断部は電子機器が屋外であると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行う。
このため、受信部が受信できない環境であるのに、受信動作を行い、無駄に電力を消費することを防止できる。また、ソーラパネルからの発電により電池を充電でき、受信動作により失われる電力を補うこともできる。
【0010】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、加速度センサと、前記加速度センサからの出力波形を検出して得られる加速度センサ出力波形データを記憶する加速度センサ検出データ記憶部と、前記加速度センサ出力波形データから振幅データを生成して記憶する生成波形振幅データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データを収容する加速度閾値データ収容部と、を有しており、前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記加速度センサからの前記振幅データと前記加速度閾値データ収容部の前記加速度センサ出力波形振幅閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっている電子機器により達成される。
【0011】
前記構成では、屋内外判断部は、加速度センサと、前記加速度センサからの出力波形を検出して得られる出力波形データを記憶する加速度センサ検出データ記憶部と、出力波形データから振幅データを生成して記憶する生成波形振幅データ記憶部と、受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データを収容する加速度閾値データ収容部と、を有しており、屋内外判断部は、振幅データと加速度閾値データ収容部の加速度センサ出力波形振幅閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する。
【0012】
この屋内外判断部は、電子機器に備わる加速度センサからの出力波形を検出し、検出した出力波形による波形の振幅データを生成して、この振幅データと、電子機器の屋内外を判別する振幅の閾値データとを比較して、振幅データが閾値以上であるか否かを判断して電子機器の屋内外を判断する。そして、この判断にもとづいて受信部は位置情報衛星を捕捉する為に受信動作を行うかを判断する。従って、振幅データが閾値より小さい場合、屋内外判断部は、電子機器が屋内にあると判断する。そして、受信部はこの判断に基づいて、受信動作を行はないようにする。逆に、振幅データが閾値以上の場合、屋内外判断部は、電子機器が屋外にあると判断する。そして、受信部はこの判断に基づいて、受信動作を行う。
このため、受信部が受信できない環境であるのに、受信動作を行い、無駄に電力を消費することを防止しできる。そして、加速度センサによる出力波形の振幅で判断するので、昼夜を問わず、屋内外の判断が可能となる。
【0013】
また、好ましくは、前記発明の屋内外判断部の構成に加え、OLE_LINK3前記屋内外判断部は、ソーラパネルと、前記ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、OLE_LINK3前記屋内外判断部は、前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする電子機器により達成される。
【0014】
前記構成では、屋内外判断部は、加速度センサによるものに加え、更に、ソーラパネルと、ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部とを有しており、屋内外判断部は、屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて電子機器の環境を判断する。
【0015】
この屋内外判断部は、加速度センサによるものに加え、更に、電子機器に備えるソーラパネルの発電量を検出して、検出した発電量と、電子機器の屋内外を判別する発電量の閾値を収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値と、を比較して前記検出した発電量が閾値以上であるか否かを判断し、電子機器が屋内外にあるかを判断する。この判断に基づいて、受信部は位置情報衛星を捕捉する為に受信動作を行うかを判断する。そして、検出した発電量が発電量閾値より小さい場合は、電子機器が屋内にあると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行はないようにする。逆に、検出した発電量が発電量閾値以上の場合は、電子機器が屋外にあると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行う。
このため、屋内外判断部が、加速度センサによるものと、ソーラパネルによるものとの両方を備えているので、あらゆる環境での対応が可能となる。
【0016】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、前記電子機器に備わる日付表示部の日付データを記憶する日付データ記憶部と、前記電子機器に備わる時刻表示部の時刻データを記憶する時刻データ記憶部と、前記受信部の所在する使用地域情報を入力するための使用地域データ記憶部と、予め地域データテーブルと日付データテーブルと日照時間データテーブルの各データテーブルを収容する日照データテーブル収容部と、を有し、前記日付データ及び前記使用地域情報と前記日照データテーブル収容部の前記地域データテーブル及び前記日付データテーブルに基づいて、前記日照時間データテーブルから日照時間データを抽出して記憶する日照時間抽出データ記憶部と、前記日照時間データと前記時刻データ記憶部の前記時刻データとを比較する発電量/加速度選択部を有する構成となっていることを特徴とする電子機器により達成される。
【0017】
前記構成では、屋内外判断部は、電子機器に備わる日付表示部の日付データを記憶する日付データ記憶部と、前記電子機器に備わる時刻表示部の時刻データを記憶する時刻データ記憶部と、受信部の所在する使用地域情報を入力するための使用地域データ記憶部と、予め地域データテーブルと日付データテーブルと日照時間データテーブルの各データテーブルを収容する日照データテーブル収容部と、を有し、前記日付データ及び前記使用地域情報と前記日照データテーブル収容部の前記地域データテーブル及び前記日付データテーブルに基づいて、前記日照時間データテーブルから日照時間データを抽出して記憶する日照時間抽出データ記憶部と、前記日照時間データと前記時刻データ記憶部の前記時刻データとを比較する発電量/加速度選択部を有する。
【0018】
この屋内外判断部は、ソーラパネルと、加速度センサによるものとの両方を備えている。そして、両方の手段の切替は、電子機器に備わる日付表示部の日付データと受信部の所在する使用地域情報とを、予め電子機器に記憶されている地域データテーブルと日付データテーブルと、を比較して、日付データと使用地域情報に該当する地域データテーブルと日付データテーブルに対応する日照時間テーブルの日照時間データを抽出し、その日照時間データと、電子機器の時刻表示とを比較し、日照時間中である場合は、ソーラパネルによる判断とし、日照時間外である場合は加速度センサで行い、判断手段を有効的に選択して、受信部が受信できない環境の場合は受信動作を行はないようにする。
このため、屋内外判断部の切替を電子機器の環境に合わせて、選択することが可能となる。
【0019】
また、好ましくは、さらに、前記使用地域情報は、前記位置情報衛星からの受信した前記衛星信号に基づいて捕捉する受信部の自己位置により達成される。
前記構成では、使用地域情報が位置情報衛星から受信した衛星信号に基づいて捕捉する受信部の自己位置である。
このため、位置情報衛星から受信した衛星信号を捕捉して使用地域情報を取得するので、ユーザーが改めて入力しなくても地域情報を既知とできる。そして、この地域情報と電子機器の日付情報とから、日照時間データが抽出でき、この日照時間データに基づいて、屋内外判断部の切替が行えるので、使用地域情報を改めて入力、設定する必要がない。
【0020】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、前記受信部の前記位置情報衛星を捕捉する時間帯を記憶する屋内外判断データ記憶部を有しており、前記受信部は前記屋内外判断データ記憶部の前記時間帯に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成により達成される。
前記構成では、屋内外判断部は、受信部の前記位置情報衛星を捕捉する時間帯を記憶する屋内外判断データ記憶部を有しており、一定期間の屋内外判断のデータを蓄積し、使用者の行動パターンに合わせて、屋内外の判断手段の切替を行うことができる。
【0021】
また、好ましくは、前記屋内外判断部は、温度センサと、前記温度センサから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする電子機器により達成される。
【0022】
前記構成では、屋内外判断部は、温度センサと、温度センサから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部とを有しており、屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて電子機器の環境を判断する。
【0023】
この屋内外判断部は、電子機器に備える温度センサは温度差を生じると発電する為、この発電量を検出して、検出した発電量と、電子機器の屋内外を判別する発電量の閾値を収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値と、を比較して閾値以上であるか否かを判断して、屋内外を判断する。そして、この判断に基づいて、受信部は位置情報衛星を捕捉する為に受信動作を行うかを判別する。従って、発電量が閾値より小さい場合、屋内外判断部は電子機器が屋内であると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行はない。逆に、発電量が閾値以上の場合、屋内外判断部は電子機器が屋外であると判断し、この判断に基づいて受信部は受信動作を行う。
このため、受信部が受信できない環境であるのに、受信動作を行い、無駄に電力を消費することを防止できる。また、温度センサの温度差により生じる電気エネルギーを電池に蓄えることができ、受信動作により失われる電力を補うこともできる。
【0024】
前記課題は、本発明によれば、地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部は、ソーラパネルからの発電量を検出して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値データと前記発電量データとを比較する工程と、を有する発電量検出工程と、を有しており、前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法により達成される。
【0025】
前記課題は、本発明によれば、地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部は、加速度センサからの出力波形データを検出して記憶する工程と、前記出力波形データから振幅データを生成して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データと前記振幅データとを比較する工程と、を有する加速度センサ出力波形検出工程と、を有しており、前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法により達成される。
【0026】
前記課題は、本発明によれば、地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部は、ソーラパネルからの発電量を検出して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値データと前記発電量データとを比較する工程と、を有する発電量検出工程と、加速度センサからの出力波形データを検出して記憶する工程と、前記出力波形データから振幅データを生成して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データに関する加速度センサ出力波形振幅閾値データと前記振幅データとを比較する工程と、を有する加速度センサ出力波形検出工程と、を有しており、前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法により達成される。
【0027】
この構成によれば、受信部は屋内外判断部を備え、この屋内外判断部がソーラパネルまたは加速度センサのどちらか一方、あるいはソーラパネルと加速度センサの両者により、屋内外判断を行う結果に基づいて、位置情報衛星の受信を行い、このため、受信部が受信できない環境であるのに、受信動作を行い、無駄に電力を消費することを防止しできる。
そして、両者によれば、互いに補完することもできるので、より好ましい構成となる。
また、受信部が受信動作を行う際には、ソーラパネルからの発電により電池を充電することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0029】
図1は、本発明に係る電子機器の一例であるGPS時刻修正装置付き腕時計10(以下「GPS付き腕時計」という)を示す概略図であり、図2は、図1のGPS付き腕時計10の断面端部概略図である。
図1及び図2に示すように、GPS付き腕時計10は、その表面に文字盤12、秒針13b、分針13a、時針13cが配置される時刻表示部16と、各種メッセージが表示されるLCD表示パネル30等からなるディスプレイ14、日付を表示する日付表示部22が形成されている。そして、ディスプレイ14のメッセージの指示によりユーザーが操作する操作部17が形成されている。
【0030】
また、図2の断面端部概略図で、GPS付き腕時計10の内部の概略構造が示されているが、文字盤12の時刻表示面と反対側の面(以下 裏面)にはソーラパネル27が配置されており、後述する太陽電池であるソーラパネル式充電装置24の一部を形成している。このソーラパネル27は、太陽光からの光を吸収して発電し、電池(図示せず)の充電が行えるようになっている。ここで、太陽光からの光がソーラパネル27に届く程度に、文字盤12は透光性を有していることが好ましい。また、文字盤12の表面側にはガラス33が配置されている。そして、文字盤12の下側で裏蓋31の間の空間には、加速度センサ25が配置されており、後述する加速度センサ出力波形生成装置29の一部を形成している。この加速度センサ25は、GPS付き腕時計10の使用者の動きを検出するようになっている。
【0031】
そして、図1及び図2に示すように、GPS付き腕時計10は、アンテナ11を有しており、このアンテナ11は、地球の上空を所定の軌道で周回しているGPS衛星15a、15b、15c、15dからの信号を受信する構成となっている。
なお、GPS衛星15a等は、位置情報衛星の一例となっている。
【0032】
そして、図3は、GPS付き腕時計10の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。図3に示すように、GPS付き腕時計10は、その内部に時計装置28、GPS装置23、電池26、ソーラパネル式充電装置24等を備え、コンピュータとしての機能も発揮する構成となっている。
つまり、本実施の形態におけるGPS付き腕時計10は、いわゆる電子時計となっている。
【0033】
以下、図3に示す各構成について説明する。
図3に示すように、GPS付き腕時計10は、バス18を備え、バス18には、CPU(Central Processing Unit)19、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)21等が接続されている。
また、バス18には、GPS衛星15a等からの衛星信号を受信する受信部である例えば、GPS装置23も接続されている。具体的には、GPS装置23には、アンテナ11や図示しないフィルタ(SAW)、RF、ベースバンド等を有している。
すなわち、GPS装置23は、図1のGPS衛星15a等から衛星信号を受信し、アンテナ11からフィルタやRFを介してベースバンドで信号として取り出される構成となっている。GPS衛星15a等から受信する信号についての詳細は、後述する。
【0034】
また、バス18には、時刻情報を生成する時刻情報生成部である例えば、時計装置28も接続されている。具体的には、時計装置28は、リアルタイムクロック(RTC)や温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)、日付表示部22等を有している。
また、バス18には、電源である電池26が接続されていると共に、その電池26を充電するための太陽電池であるソーラパネル式充電装置24も接続されている。
このため、ソーラパネル式充電装置24で発電された電力が、電池26に供給される構成となっている。
さらに、加速度センサ出力波形生成装置29も接続されており、加速度センサ25の出力を検出して波形を生成する。
【0035】
さらに、バス18には、図1に示すディスプレイ14等も接続されている。
このように、バス18は、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部バスである。RAM20は、所定のプログラムの処理を行う他、バス18に接続されたROM21等を制御している。ROM21は、各種プログラムや各種情報等を格納している。
【0036】
図4乃至図7は、GPS付き腕時計10の主なソフトウエア構成等を示す概略図であり、図4は全体図である。
図4に示すように、GPS付き腕時計10は、制御部35を有し、制御部35は、GPS装置23、時計装置28、電池26、ソーラパネル式充電装置24、加速度センサ出力波形生成装置29等を制御すると共に、時刻補正プログラム36、第1記憶部40内の各種データ、第2記憶部50内の各種データ及び屋内外判断プログラム記憶部60の各種プログラムを処理する構成となっている。
また、図4には、時刻補正プログラム36、第1記憶部40、第2記憶部50及び屋内外判断プログラム記憶部60と分けて示してあるが、実際に、このようにデータが分けて格納されているわけではなく、説明上の便宜のために分けて記載したものである。
なお、図4の第1記憶部40には、主に予め収容されているデータをまとめて示した。また、第2記憶部50には、第1記憶部40内のデータ等を屋内外判断プログラム記憶部60の各種プログラムで処理した後のデータやプログラム処理の過程で得られるデータ等を主に示している。
図5は、図4の第1記憶部40内のデータを示す概略図であり、図6は、図4の第2記憶部50内のデータを示す概略図である。また、図7は、図4の屋内外判断プログラム記憶部60のプログラムを示す概略図である。
図8乃至図11は、本実施の形態にかかるGPS付き腕時計10の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【0037】
以下、図8乃至図11のフローチャートにしたがって本実施の形態に係るGPS付き腕時計10の動作等を説明しつつ、その関連で図4乃至図7の各種プログラムや各種データを説明する。
先ず、図1のGPS付き腕時計10は、ある時間に、その時計装置28の時刻修正をする構成となっている。そして、この時刻修正は、後述するように、GPS衛星15a等の信号を受信することにより行われる。
従って、GPS衛星15a等の信号を受信する前段階として、GPS付き腕時計10が、GPS衛星15a等の信号受信が可能な状態であるか否か、つまり、屋内外を判段する為、図8のST1に示すように、屋内外判断プログラム記憶部60の各種プログラムのいずれか又は複数が選択されて実行される。以下で、屋内外判断プログラム記憶部60の各種プログラムのいずれか又は複数を指す場合は、屋内外判断プログラム601として説明し、その中の各プログラムを説明する場合は、屋内外判断プログラム601として選択されるプログラムを示して説明する。
そして、次にST2に進み、屋内外判断プログラム601が正常に終了したか否かを判定し、正常に終了した場合は、GPS衛星15a等の受信が可能な屋外であると判断し、ST5に進み、例えば、GPS衛星15a等を4衛星以上捕捉する。具体的には、図3のGPS装置23が動作し、アンテナ11からGPS信号を受信し、捕捉可能なGPS衛星15a等をサーチする。次にST6に進み、図4の時刻修正プログラム36が実行され、そして、ST7に進み、具体的には以下の工程で時刻修正を行っていく。
【0038】
ここで、ST7の工程を説明する前に、GPS衛星15a等の衛星信号について説明する。図16はGPS衛星15a等の衛星信号を示す概略説明図である。
GPS衛星15a等からの信号には、図16に示すように、その信号を送信しているGPS衛星自体の状態を表す情報等を含む衛星補正データ等と各GPS衛星自体の軌道に関するエフェメリス情報と、全GPS衛星の軌道情報に関するアルマナック情報等を含む他衛星簡易データが含まれており、これら全体で航法メッセージ情報を構成している。
そして、航法メッセージ情報は、1〜5のサブフレームからなる1つのフレームで構成され、そして、上記他衛星簡易データは1〜25のページに分割されている。そして、この1つのフレームを送信するには、30秒かかり(サブフレームは6秒で、5つのサブフレーム分)、フレームごとに送信されてくる。
【0039】
また、フレームごとに異なるページの内容が順番に送信されており、航法メッセージ情報全体の情報が発信されている。このGPS衛星からは、1574.2Hzの搬送波に1023個(1023チップ)の1又は0からなるC/Aコードを1ミリ秒ごとに繰り返し送信しており、上述した航法メッセージ情報と重畳して、送信されている。
この、各サブフレームは、10ワード(1ワードは0.6秒)を有しており、各サブフレームの先頭のワードには、TLM(Telemetry word)データが格納されたTLMワードとなり、このTLMワード内には、図16(b)に示すように、その先頭にプリアンブルデータが格納されている。また、TLMに続くワードは、HOW(Hand Over word)データが格納されたHOWワードとなり、その先頭には、TOW(Time of week)というGPS衛星のGPS時刻情報が格納されている。
【0040】
このC/Aコードは、GPS時刻を毎週日曜日の0時からの経過時間を秒で表示し、週の初め(翌週の日曜日の0時)に、0にリセットされる。そして、この1週間についてはGPSの週番号が付されているので、週番号と経過時間(秒)のデータを取得することで、受信側はGPS時刻を取得できる構成となっている。このGPS時刻の起点となるのが、UTC(世界協定時)となっている。
そして、このようなGPS衛星15a等からの航法メッセージ情報を取得するには、受信側がGPS衛星15等の信号と同期させる必要がある。この場合、1ms単位の同期のためにC/Aコード(1023chip(1ms))が用いられる。
【0041】
GPS衛星15a等からの信号は以上のように送信されてくるため、本実施の形態では、図8のST7に示すように、GPS衛星15a等からのC/Aコードと同期させ、図16(b)に示す、TLMワードのプリアンブル及びHOWワードのTOWと同期させる。そして、GPS付き腕時計10は、4個のGPS衛星15a等の航法データを取得する。
【0042】
次いで、ST8に進み、これらの4つのGPS衛星15a等からの信号の伝搬遅延時間(GPS衛星からGPS付き腕時計10に到達するまでの時間)を、時計装置28を用いて計測し、光速(c)データに基づき、GPS衛星15a等とGPS付き腕時計10との擬似衛星距離を算出する。そして、4個のGPS衛星15a等からに擬似衛星距離に基づき、GPS付き腕時計10の位置、高度、真の伝搬遅延時間を4連立方程式で算出し、GPS付き腕時計10の位置及び位置情報と真の伝搬遅延時間を算出する。
これにより、真の伝搬遅延時間と実際に時計装置28で計測した伝搬遅延時間を取得することができる。
【0043】
このように4個のGPS衛星15a等から発信された信号が受信されるまでの時間を実際に測定した伝搬遅延時間を基準として、計算により求めたGPS付き腕時計10の位置情報及び真の伝搬遅延時間と、時計装置28が計測した測定値である伝搬遅延時間と、を生成する構成となっている。
次に、ST9で、計算により求めた真の伝搬遅延時間と実際に時計装置28が計測した伝搬遅延時間との差分データに基づいて、時計装置28をオフセット(修正)する。
【0044】
続いて、ST10に示すように、図1の文字盤12上の時刻表示部16の時刻表示は、GPS衛星15a等から取得したUTCリファレンスにより補正される時計装置28のデータに基づいて修正され、時刻表示部16の時刻表示は時刻情報修正表示部となる。
したがって、例えば、時差を考慮した日本時間が表示される。
以上で、4衛星を用いた時刻修正が終了する。これは、原子時計を有するGPS衛星15a等の時刻情報に合わせて、GPS付き腕時計10の時計装置28を修正することができるので、GPS付き腕時計10の時刻を高精度で修正することができる。
また、ST2で正常に終了していないとの判定である場合は、ST3に進み、屋内外判断プログラム601を強制終了し、GPS衛星を捕捉できない環境であるとして、その旨をディスプレイ14に表示してユーザーに報せる。ユーザーが表示を認識し、ST4でユーザー判断によりマニュアル操作で時刻修正すべき旨の表示を行い、終了する。
【0045】
以上で、図8における時刻修正は終了する。
ここで、今回の実施形態においては、時刻修正として、4衛星以上の複数衛星の場合を主に説明したが、これに限定するものではなく、1衛星による時刻修正であってもよい。
その場合は、自己の位置、すなわちGPS付き腕時計10の位置は既知として行うものである。1衛星を捕捉して、C/Aコードを同期して、プリアンブルやTOWを同期させ、エフェメリス情報を取得する。そして、エフェメリス情報から当該捕捉したGPS衛星15a等の軌道上の位置情報を取得し、既に分かっている自己の位置と共に、GPS衛星15a等からの信号の真の伝搬遅延時間(擬似衛星距離)を計算で求める。
【0046】
次に、実際にGPS衛星15aから受信した信号の伝搬遅延時間を時計装置を用いて取得する。これで、実際の伝搬遅延時間と真の伝搬遅延時間を取得することができる。あとの工程は、上述の4衛星の場合の図8のST8とST9と同様である。そして、1衛星時刻修正モードは終了する。
【0047】
1衛星時刻修正モードでは、1個のGPS衛星15aを捕捉し、データを受信すればよいので、4個のGPS衛星15a等を捕捉する場合に比べ、大幅な消費電力の低減が可能となる。このように、4衛星の時刻修正と1衛星の時刻修正とを組み合わせて使用してもよく、時刻修正を高精度に維持しつつ、消費電力を軽減させることが可能となる。
以下個別の屋内外判断プログラム601の説明を行っていく。
【0048】
図8のST1において、屋内外判断プログラム601を実行させるが、この屋内外判断プログラム601としては、図3および図4のソーラパネル式充電装置24に関わる、図7の発電量検出プログラム61およびその動作を示す図9の概略フローチャートの場合と、図3および図4の加速度センサ出力装置波形生成装置29に関わる、図7の加速度センサ出力波形検出プログラム63およびその動作を示す図10の概略フローチャートの場合、及び、上記の発電量検出プログラム61と加速度センサ出力波形検出プログラム63に合わせて、更に、図7の日照テーブル抽出プログラム62、発電量/加速度選択プログラム64及びその動作を示す図11の概略フローチャートに係る場合とがある。
【0049】
GPS付き腕時計10の屋内外の状況の判断を行う点について、例えば、GPS付き腕時計10が屋内であるにも関わらず、時刻修正を行う為に、地球の上空を周回するGPS衛星15a等からの信号を受信しようと受信動作を開始してしまう。この受信動作は通常、数回試みるように設定されているので、受信部が受信に失敗しても直ちに受信動作を終了するわけではない。従って、その間、電力を消費しつづけることとなる。このような場合、GPS付き腕時計10のような小型の機器に搭載されている電池26は通常容量もあまり大きくない為、電池切れとなる時間が短くなってしまうという問題が起こる。
【0050】
そこで、この屋内外判断プログラム601により、GPS付き腕時計10が屋内の環境にあると判断された場合は、受信部が受信動作を行わず、屋外であると判断された場合のみ受信動作を開始させるようにすると、消費電力が低下され、電池切れとなる時間も長くなることとなり、小型機器で電池容量に制限のある機器にもGPS装置を搭載することができる。
以下個別の屋内外判断プログラム601の説明を行っていく。
【0051】
(発電量検出プログラム61)
屋内外判断プログラム601として、図7の発電量検出プログラム61を選択している場合を説明する。
発電量検出プログラム61は、図3および図4のソーラパネル式充電装置24に関わるもので、その動作は図9の概略フローチャートに示した。
図8のST1の屋内外判断プログラム601が実行されると、図7の発電量検出プログラム61が選択され、図9のST100で発電量検出プログラムが実行され、GPS付き腕時計10が、屋外にいるか屋内にいるかを太陽電池の発電量で判定しようとするものである。
すなわち、屋外にGPS付き腕時計10が配置されていれば、発電量が増え、逆に屋内に配置されれば、発電量が減ることから、この発電量を基準として、屋内外の判定をしようとするものである。
【0052】
図12は、太陽電池である図3のソーラパネル式充電装置24における相対発電量と照度との関係を示すグラフである。このグラフの照度は屋内(室内)においては低く、屋外においては高くなる。
そして、この照度に対応して相対発電量が変化する関係となっている。図12においては、相対発電量が0.5(5,000lx)未満の場合は、屋内である蓋然性が高く、0.5以上の場合は屋外である蓋然性が高いことが分かる。
そこで、本実施の形態では、図5に示す発電量閾値データ収容部43に収容する発電量閾値データ43aとして、例えば、0.5(lx)を予め設定しておき、ソーラパネル式充電装置24で検出される発電量が0.5(lx)以上であるときは、GPS付き腕時計10の環境が屋外であるとし、0.5(lx)未満の場合はGPS付き腕時計10の環境が屋内であると判断する。
【0053】
つまり、ST100で、発電量検出プログラムを実行し、次いでST101に進んで、ソーラパネル充電装置24からの発電量を検出し、図6の発電量検出データ記憶部52に記憶される。次に、ST102に進み、図6の発電量検出データ記憶部52の発電量検出データ52aと図5の発電量閾値データ収容部43の発電量閾値データ43aと比較する。具体的には、図6の発電量検出データ52aである相対発電量が、図12に示す0.5(lx)以上か否かを判断する。そして、ST103に進み、発電量検出データ52aが、発電量閾値データ43a0.5(lx)以上の場合は、ST105に進み、GPS衛星が捕捉可能な状態、つまり、GPS付き腕時計10が屋外であると判断して、発電量検出プログラムは終了し、上述した、図8のST2に戻り、正常に終了したとして、ST5に進み、GPS衛星スキャンを開始して、4GPS衛星以上を捕捉する。そして、上述した、ST6〜ST10の動作により自己の位置を測位して、時刻修正を行う。
しかし、ST103で、発電量検出データ52aが、発電量閾値データ43a(0.5(lx))未満の場合は、ST104に進み、数回、例えば、N=5回程度、ST101からST103の動作を繰り返して行い、5回以上、発電量検出データ52aが、発電量閾値データ43a(0.5(lx))未満となった場合は、このプログラムを強制終了させ、図8のST2に戻り、正常に終了していないとして、ST3に進み、ユーザーにGPS衛星捕捉不可能な状況である旨を表示し、上述したようにST4でユーザー判断によりマニュアル操作で時刻修正すべき旨の表示を行い、終了する。
したがって、本実施の形態では、GPS付き腕時計10が、屋内又は屋外に所在しているかを精度良く判断することができる構成となっている。
【0054】
このように、発電量検出プログラム61は、受信部(GPS装置23)の環境の情報である発電量検出データ52aを取得して、この発電量検出データ52aに基づいて受信部(GPS装置23)の受信環境(屋内外)を判断する屋内外判断部の一例となっている。
そして、受信可能な場合には、受信部は受信動作を行い、自己の位置を測位して、時刻修正を行うが、受信不可能な場合には、受信部は受信動作を行わないので、消費電力を抑えることができる。
そして、また、ここで発電量検出プログラム61を実行した際に得られる、発電量検出データ52aが発電量閾値データ43aの閾値以上である場合の時間帯および、発電量閾値データ43aの閾値以下である場合の時間帯を図6の屋内外判断データ記憶部58に記憶しておくと、屋内外判断データ記憶部58の時間帯に基づき、位置情報衛星を捕捉する時間帯を決めることが可能である。従って、常にソーラパネル式充電装置24の発電量で検出する必要が無いため、ユーザーにとって便宜である。
【0055】
(加速度センサ出力波形検出プログラム63)
図7の屋内外判断プログラム601として、図7の加速度センサ出力波形検出プログラム63が選択されている場合を説明する。加速度センサ出力波形検出プログラム63は、図3および図4の加速度センサ出力波形生成装置29に関わるもので、その動作は図10の概略フローチャートに示している。
図8のST1で屋内外判断プログラム601が実行されると、図7の加速度センサ出力波形検出プログラム63が選択され、図10のST200の発電量検出プログラムが実行され、GPS付き腕時計10が、屋外にいるか屋内にいるかを加速度センサ25の出力波形の振幅で判定しようとするものである。
すなわち、屋外にGPS付き腕時計10が配置されている場合は、加速度センサ25の出力波形の振幅がある程度大きくなり、逆に屋内に配置されれば、出力波形の振幅は小さくなることから、この出力波形の振幅を基準として、屋内外の判定をしようとするものである。あるいは、振幅と合わせて、加速度センサ出力波形生成装置29により得られた出力波形を基に、周波数解析を行い、波形の周期が得られるか否かを基準として、屋内外の判定を行うこともできる。この場合、屋外にGPS付き腕時計10が配置されていると、周波数解析の結果、波形が周期的に得られ、逆に屋内に配置されれば、周期的な波形は得られず、ランダムなものとなる。
【0056】
図13乃至図15には、加速度センサ25を備えた加速度センサ出力波形生成装置29における(a)加速度センサ出力波形と(b)周波数解析データを示すグラフである。図13、図14は屋外の場合で、図13は屋外歩行時、図14は屋外走行時である。図15は屋内活動時の場合である。図13と図14の加速度センサ出力波形の振幅と図15の加速度センサ出力波形の振幅を比較すると、図13と図14の方が大きい。そして、図13の屋外歩行時と図15の屋内活動時を比較しても、振幅は図13の方が約3倍ほどである。また、周波数解析データを比較すると、図13と図14の屋外の場合は、周期的に波形があるが、図15の屋内の場合は周期的に波形が表れない。従って、加速度センサの出力波形の振幅を図13の屋外歩行時を基準として、加速度センサ出力波形生成装置29より得られる出力波形の振幅が小さい場合を室内とし、大きい場合を屋外とする。つまり、本実施形態では、図13の屋外歩行時を基準として、加速度閾値データ収容部44の加速度センサ出力波形振幅閾値データ441として、図13の屋外歩行時の振幅を例えば1として、設定しておき、加速度センサ出力波形生成装置29より得られる出力波形の振幅が1以上であるときは、GPS付き腕時計10の環境が屋外であるとし、1未満であるときは、GPS付き腕時計10の環境が屋内であると判断する。
【0057】
つまり、ST200で、加速度センサ出力波形検出プログラム63が実行されると、ST201で加速度センサ25を備える加速度センサ出力波形生成装置29からの加速度センサ出力波形及び/または周波数解析データを取得し、この取得データを図6の加速度センサ検出データ記憶部54に収容する。次いで、ST202で、加速度センサ検出データ記憶部54に収容されている加速度センサ出力波形54a及び/または周波数解析データ54bから、振幅データ57a及び/または周波数の周期データ57bを取得して、図6の生成波形振幅データ記憶部57に記憶する。
そして、ST203に進み、生成波形振幅データ記憶部57に記憶されている振幅データ57aと、図5の加速度閾値データ収容部44の加速度センサ出力波形振幅閾値データ441である図13の屋外歩行時を基準とした振幅データ(例えば1)と比較して、ST204で、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441以上であり、かつ/または、周波数の周期データが得られたか否かを判断する。そして、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441以上であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られた場合は、ST209に進み、加速度センサ25を備える加速度センサ出力波形生成装置29の出力時間を計測する。そして、ST211に進み、出力時間が所定時間以上継続して、例えば1分以上続いているか否かを判断し、1分以上続いている場合は、ST212に進み、GPS衛星が捕捉可能な状態であるとして、プログラムが終了する。つまり、GPS付き腕時計10が屋外であると判断して、加速度センサ出力波形検出プログラム63を終了し、上述した図8のST2に戻り、正常に終了したとして、ST5に進み、GPS衛星スキャンを開始して、4GPS衛星以上を捕捉する。そして、上述した、ST6〜ST10の動作により自己の位置を測位して、時刻修正を行う。
【0058】
また、ST211で1分以上であるか否かの判断は、例えば、N=5回繰り返して行うようにされている。もし仮に、屋外であるのに、1分未満程度、加速度センサの出力が無い場合、例えば、ユーザーが信号待ちなどで、動きを停止している場合などもありうるため、5回程度繰り返して計測するようにされている。そして、N=5回以上、出力時間が1分未満とされた場合は、ST207に進み時間計測タイマを停止し、ST208で時間計測タイマをリセットして、強制終了する。そして、図8のST2に戻り、正常に終了していないとして、ST3に進み、ユーザーにGPS衛星捕捉不可能な状況である旨を表示し、上述したようにST4でユーザー判断によりマニュアル操作で時刻修正すべき旨の表示を行い、終了する。
【0059】
次に、またST204に戻るが、ここで、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441未満であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られなかった場合は、ST205で時間計測タイマを起動させて、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441未満であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られない時間を計測しておく。そして、ST206で所定時間、例えば、1週間程度、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441未満であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られない時間が継続しているか否かを計測し、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441未満であり、かつ/または、周波数の周期データ57bが得られない時間が1週間以上続いた場合は、ST207に進み、時間計測タイマを停止し、ST208で、時間計測タイマをリセットして、強制終了する。そして、上述と同様に、図8のST2に戻り、正常に終了していないとして、ST3に進み、ユーザーにGPS衛星捕捉不可能な状況である旨を表示し、上述したようにST4でユーザー判断によりマニュアル操作で時刻修正すべき旨の表示を行い、終了する。
したがって、本実施の形態では、GPS付き腕時計10が、屋内又は屋外に所在しているかを精度良く判断することができる構成となっている。
【0060】
このように、加速度センサ出力波形検出プログラム63は、受信部(GPS装置23)の環境の情報である振幅データ57a及び/または周波数の周期データ57bを取得して、振幅データ57a及び/または周波数の周期データ57bに基づいて受信部(GPS装置23)の受信環境(屋内外)を判断する屋内外判断部の一例となっている。
そして、ここで加速度センサ出力波形検出プログラム63を実行した際に得られる、振幅データ57aが加速度センサ出力波形振幅閾値データ441以上である場合および/または周波数の周期データ57bが得られた時間帯と、加速度センサ出力波形振幅閾値データ441以下である場合および/または周波数の周期データ57bが得られなかった時間帯を図6の屋内外判断データ記憶部58に記憶しておくと、蓄積された屋内外判断データ記憶部58に基づき、位置情報衛星を捕捉する時間帯を決めることが可能となる。従って、常に加速度センサで検出する必要が無いため、ユーザーにとって便宜である。
【0061】
以上のように、本実施の形態によれば、GPS付き腕時計10は、その受信環境が屋内か屋外かを判断し、その判断結果に基づき適切なGPS衛星15a等をアルマナック情報等から選択し、捕捉して信号を受信し、自己の位置を測位し、時刻修正を行うので、低消費電力で高精度な時刻修正が可能となっている。特に、時計のように超低電力と高精度な時刻修正が要求される電子機器には、本実施の形態は、最も有効な構成となっている。
【0062】
(日照テーブル抽出プログラム62および発電量/加速度選択プログラム64)
図7の屋内外判断プログラム601として、図6の日照テーブル抽出プログラム62および発電量/加速度選択プログラ64を更に選択している場合を説明する。
日照テーブル抽出プログラム62および発電量/加速度選択プログラ64は、上述した、発電量検出プログラム61と加速度センサ出力波形検出プログラム63のプログラムのうち、どちらを実行すべきかを、日照時間との関係で選択しようとするものであり、発電量検出プログラム61でと加速度センサ出力波形検出プログラム63の相互を補完するようにしている。その動作は図11の概略フローチャートに示した。
ここで、発電量検出プログラム61と加速度センサ出力波形検出プログラム63の各プログラムの動作は、上述した通りであるので、ここでは重複する説明は省力し、異なる点を詳細に説明する。
【0063】
図8のST1で屋内外判断プログラム601が実行されると、図11のST300に移る。ST300では、ユーザーにより予め日照データの設定があったか否かを判断する。予め日照時間データの設定がある場合は、ST304に移り、その日照時間データを図6の日照時間データ記憶部53に記憶する。次にST305に移るが、この先は後述するので、ここでは先に、予め日照データの設定が無い場合を説明する。この場合は、ST301に移り、図7の日照テーブル抽出プログラム62が実行される。次いで、ST302に移り、図3の時計装置28に備わる図4の日付表示部22から日付データを取得し、図6の日付データ記憶部51に収納する。そして、ST303に移り、図6の使用地域データ記憶部56に記憶されている使用地域データ56aと、日付データ記憶部51の日付データ51aとを使用して、図5の日照データテーブル収容部41に収容されている、地域データテーブル411と日付データテーブル413との各データとを比較して、該当部分を選択する。この日照データテーブル41は、地域データテーブル411、日付データテーブル413、日照時間データテーブル412の各データテーブルが、マトリックス上に関連して収容されており、各データテーブルの二つのデータが決定されると、残りのデータテーブルのデータを抽出できるようになっている。
【0064】
したがって、ここでは、時計装置28の日付表示部22から得られた日付データ51aと、使用地域データ56aの2つのデータを既知として、各データテーブルの該当部分のデータが決定できるので、残りの日照時間データを日照時間データテーブル412から抽出できる。この日照時間データテーブル412には、各地域データと、日付データと、それに対応する日入・日出時間が収容されている。
ここで、使用地域データ記憶部56に記憶されている使用地域データ56aは、ユーザーが予め設定することも可能であり、また、以前にGPS衛星からの信号を受信した際の自己の位置を測位した結果を基に使用地域を記憶しておくことも可能である。
【0065】
次にST304に移り、抽出された日照時間データを図6の日照時間データ記憶部53に収納する。そして、ST305に移り、図7の発電量/加速度選択プログラム64が実行される。ここで、発電量/加速度選択プログラム64はある条件により、発電量検出プログラム61と加速度センサ出力波形検出プログラム63のいずれを実行すべきかを選択するプログラムであり、適宜、GPS付き腕時計10の状況により判断されるものである。
つまり、屋内外の判断にあたり、発電量検出プログラム61は、太陽電池であるソーラパネル式充電装置24の発電量に起因するので、夜間などの場合は、屋内外の判断にメインで使用するのは好ましくない場合もあり、これらの屋内外判断プログラム601を適宜、選択していくことが必要である。
【0066】
したがって、ST305で、発電量/加速度選択プログラム64を実行させ、ST306で、日照時間データ記憶部53に収容された日照時間データ53aと、GPS付き腕時計10の時計装置28の時刻表示部16から取得された時刻データ59aとを比較して、GPS付き腕時計10の環境が、日照時間内(昼間)である場合は、ST307に移り、発電量検出プログラム61の実行に進み、日照時間外(夜間)である場合は、ST308に移り、加速度センサ出力波形検出プログラム63の実行に進む。これらの発電量検出プログラム61の実行および加速度センサ出力波形検出プログラム63の実行は上述した通りであるので省略する。ここで、この時刻データ59aは、常に、時刻表示部16から取得されたデータを、図6の時刻データ記憶部59に書換えて、収容しているものであり、後に、時刻補正が実施された場合は、その補正を反映するものである。
【0067】
そして、上記、発電量検出プログラム61または加速度センサ出力波形検出プログラム63が正常に終了した場合は、図8のST5に移り、正常に終了しなかった場合は、ST3で強制終了してGPS衛星が捕捉不可能な状況である旨の表示をディスプレイ14にして、ユーザーに知らせ、ST4でユーザー判断とする。
このように、発電量検出プログラム61の実行および加速度センサ出力波形検出プログラム63の実行を適宜、スムーズに選択することができるので、受信部(GPS装置23)が、受信できない環境であるのに、受信動作を開始して、消費電力を増加させないようにすることができる。
【0068】
また、上述の発電量/加速度選択プログラ64の判断基準である日照時間データと発電量検出プログラム61または加速度センサ出力波形検出プログラム63の屋内外の判断基準に基づいて、屋外であるとして受信部(GPS装置23)を起動した時間帯を、予め屋内外判断情報記憶部58に記憶しておき、次回はこの屋内外判断情報記憶部58のデータに基づき、日照時間内であるか、屋内外であるかの判断を行い、受信部(GPS装置23)の受信動作を開始させることもできる。このようにすると、屋内外の判断基準が、既知となるので、発電量検出プログラム61または加速度センサ出力波形検出プログラム63の実行を容易に選択することができ、時間を短縮して、消費電力をさらに少なくできる。
【0069】
また、上述の発電量検出プログラム61および発電量/加速度選択プログラム64の発電量は、ソーラパネル式充電装置24に関わるものを記載したが、これに限るものではなく、例えば、温度センサによるものでも良い。具体的には、例えば、温度センサで検出した温度差により発電するものである。
図示はしないが、GPS付き腕時計10の裏フタ31の腕等が触れる側と外気に触れる側、例えば、ガラス33やケース32の上表面側に温度センサを取り付け、これらの温度差を検出して発電する発電量を利用する構成としてもよい。
この発電は、具体的には、例えば、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するというペルティエ効果(Peltier effect)を利用した板状の半導体素子であるペルティエ素子(Peltier device)を使用し、そして、このペルティエ素子の2種類の金属の両端を、腕等が触れる側と外気に触れる側等にそれぞれ設置して、温度を検出する。
そして、検出した温度差により、電流が流れる仕組みである。この発電量を検出して、屋内外の判断を行うものとする。
このように温度センサを使用した場合は、屋内外判断を昼夜を問わず行うことができ、また、熱電対1つでは約0.4mV程度であるが、複数個使用した温度センサとすると、わずかな温度差、例えば3℃以上の温度差でも発電することができ、検出精度を挙げることができる。
【0070】
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る電子機器である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計を示す概略図である。
【図2】図1のGPS付き腕時計の断面端部概略図である。
【図3】図1のGPS付き腕時計の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図4】GPS付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略全体図である。
【図5】図4の第1記憶部のデータを示す概略図である。
【図6】図4の第2記憶部のデータを示す概略図である。
【図7】図4の屋内外判断プログラム記憶部の各種プログラムを示す概略図である。
【図8】本実施の形態にかかるGPS付き腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図9】図8の屋内外判断部である発電量検出プログラムのシーケンスを示す概略フローチャートである。
【図10】図8の屋内外判断部である加速度検出プログラムのシーケンスを示す概略フローチャートである。
【図11】図8の屋内外判断部である発電量検出プログラムと加速度検出プログラムの選択プログラムの概略フローチャートである。
【図12】太陽電池である図3のソーラパネル式充電装置における相対発電量と照度との関係を示すグラフである。
【図13】図2の加速度センサを含む図3の加速度センサ出力波形生成装置における出力波形(a)および周波数解析結果(b)を示す概略説明図であり、屋外歩行時の一例である。
【図14】図2の加速度センサを含む図3の加速度センサ出力波形生成装置における出力波形(a)および周波数解析結果(b)を示す概略説明図であり、屋外走行時の一例である。
【図15】図2の加速度センサを含む図3の加速度センサ出力波形生成装置における出力波形(a)および周波数解析結果(b)を示す概略説明図であり、屋内歩行時の一例である。
【図16】GPS衛星の衛星信号を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0072】
10・・・GPS時刻修正装置付き腕時計、11・・・アンテナ、12・・・文字盤、13a・・・分針、13b・・・秒針、13c・・・時針、14・・・ディスプレイ、15a、15b,15c・・・GPS衛星、16・・・時刻表示部、17・・・操作部、18・・・バス、19・・・CPU、20・・・RAM、21・・・ROM、22・・・日付表示部、23・・・GPS装置、24・・・ソーラパネル式充電装置、25・・・加速度センサ、31・・・裏蓋、32・・・ケース、33・・・ガラス、34・・・パッキン、35・・・制御部、36・・・時刻補正プログラム、37・・・表示窓、40・・・第1記憶部、41・・・日照データテーブル収容部、411・・・地域データテーブル、412・・・日照時間データテーブル、413・・・日付データテーブル、43・・・発電量閾値データ収容部、43a・・・発電量閾値データ、44・・・加速度閾値データ収容部、441・・・加速度センサ出力波形振幅閾値データ、50・・・第2記憶部、51・・・日付データ記憶部、51a・・・日付データ、52・・・発電量検出データ記憶部、52a・・・発電量検出データ、53・・・日照時間データ記憶部、53a・・・日照時間データ、54・・・加速度センサ検出データ記憶部、54a・・・加速度センサ出力波形、54b・・・周波数解析データ、55・・・日照時間抽出データ記憶部、56・・・使用地域データ記憶部、56a・・・使用地域データ、57・・・生成波形振幅データ記憶部、57a・・・振幅データ、57b・・・周期データ、58・・・屋内外判断情報記憶部、59・・・時刻データ記憶部、59a・・・時刻データ、60・・・屋内外判断プログラム記憶部、601・・・屋内外判断プログラム、61・・・発電量検出プログラム、62・・・日照テーブル抽出プログラム、63・・・加速度センサ出力波形検出プログラム、64・・・発電量/加速度選択プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地球を周回する位置情報衛星を捕捉して、前記位置情報衛星からの信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成し、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正して表示する時刻情報修正表示部と、を有する電子機器であって、
前記受信部は、前記電子機器の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成となっている電子機器。
【請求項2】
前記屋内外判断部は、ソーラパネルと、前記ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、
前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記屋内外判断部は、加速度センサと、前記加速度センサからの出力波形を検出して得られる加速度センサ出力波形データを記憶する加速度センサ検出データ記憶部と、前記加速度センサ出力波形データから振幅データを生成して記憶する生成波形振幅データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データを収容する加速度閾値データ収容部と、を有しており、
前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記加速度センサからの前記振幅データと前記加速度閾値データ収容部の前記加速度センサ出力波形振幅閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記屋内外判断部は、ソーラパネルと、前記ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、
前記屋内外判断部は、前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記屋内外判断部は、前記電子機器に備わる日付表示部の日付データを記憶する日付データ記憶部と、前記電子機器に備わる時刻表示部の時刻データを記憶する時刻データ記憶部と、前記受信部の所在する使用地域情報を入力するための使用地域データ記憶部と、予め地域データテーブルと日付データテーブルと日照時間データテーブルの各データテーブルを収容する日照データテーブル収容部と、を有し、
前記日付データ及び前記使用地域情報と前記日照データテーブル収容部の前記地域データテーブル及び前記日付データテーブルに基づいて、前記日照時間データテーブルから日照時間データを抽出して記憶する日照時間抽出データ記憶部と、
前記日照時間データと前記時刻データ記憶部の前記時刻データとを比較する発電量/加速度選択部を有する構成となっていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記使用地域情報は、前記位置情報衛星から受信した前記衛星信号に基づいて捕捉する受信部の自己位置であることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記屋内外判断部は、前記受信部の前記位置情報衛星を捕捉する時間帯を記憶する屋内外判断データ記憶部を有しており、前記受信部は前記屋内外判断データ記憶部の前記時間帯に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成となっていることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記屋内外判断部は、温度センサと、前記温度センサから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、
前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、
時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、
表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、
前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、
前記屋内外判断部は、
ソーラパネルからの発電量を検出して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値データと前記発電量データとを比較する工程と、を有する発電量検出工程と、
を有しており、
前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法。
【請求項10】
地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、
時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、
表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、
前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、
前記屋内外判断部は、
加速度センサからの出力波形データを検出して記憶する工程と、前記出力波形データから振幅データを生成して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データと前記振幅データとを比較する工程と、
を有する加速度センサ出力波形検出工程と、
を有しており、
前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法。
【請求項11】
地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、
時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、
表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、
前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、
前記屋内外判断部は、
ソーラパネルからの発電量を検出して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値データと前記発電量データとを比較する工程と、を有する発電量検出工程と、
加速度センサからの出力波形データを検出して記憶する工程と、前記出力波形データから振幅データを生成して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データに関する加速度センサ出力波形振幅閾値データと前記振幅データとを比較する工程と、
を有する加速度センサ出力波形検出工程と、
を有しており、
前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法。
【請求項1】
地球を周回する位置情報衛星を捕捉して、前記位置情報衛星からの信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成し、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正して表示する時刻情報修正表示部と、を有する電子機器であって、
前記受信部は、前記電子機器の環境を判断する屋内外判断部を備え、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成となっている電子機器。
【請求項2】
前記屋内外判断部は、ソーラパネルと、前記ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、
前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記屋内外判断部は、加速度センサと、前記加速度センサからの出力波形を検出して得られる加速度センサ出力波形データを記憶する加速度センサ検出データ記憶部と、前記加速度センサ出力波形データから振幅データを生成して記憶する生成波形振幅データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データを収容する加速度閾値データ収容部と、を有しており、
前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記加速度センサからの前記振幅データと前記加速度閾値データ収容部の前記加速度センサ出力波形振幅閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記屋内外判断部は、ソーラパネルと、前記ソーラパネルから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、
前記屋内外判断部は、前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記屋内外判断部は、前記電子機器に備わる日付表示部の日付データを記憶する日付データ記憶部と、前記電子機器に備わる時刻表示部の時刻データを記憶する時刻データ記憶部と、前記受信部の所在する使用地域情報を入力するための使用地域データ記憶部と、予め地域データテーブルと日付データテーブルと日照時間データテーブルの各データテーブルを収容する日照データテーブル収容部と、を有し、
前記日付データ及び前記使用地域情報と前記日照データテーブル収容部の前記地域データテーブル及び前記日付データテーブルに基づいて、前記日照時間データテーブルから日照時間データを抽出して記憶する日照時間抽出データ記憶部と、
前記日照時間データと前記時刻データ記憶部の前記時刻データとを比較する発電量/加速度選択部を有する構成となっていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記使用地域情報は、前記位置情報衛星から受信した前記衛星信号に基づいて捕捉する受信部の自己位置であることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記屋内外判断部は、前記受信部の前記位置情報衛星を捕捉する時間帯を記憶する屋内外判断データ記憶部を有しており、前記受信部は前記屋内外判断データ記憶部の前記時間帯に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する構成となっていることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記屋内外判断部は、温度センサと、前記温度センサから発電量を検出して発電量検出データを取得して記憶する発電量検出データ記憶部と、前記受信部の屋内外を判別する発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部と、を有しており、
前記屋内外判断部は、前記屋内外判断部の前記発電量検出データ記憶部の前記発電量検出データと前記発電量閾値データ収容部の前記発電量閾値データとに基づいて前記電子機器の環境を判断する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、
時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、
表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、
前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、
前記屋内外判断部は、
ソーラパネルからの発電量を検出して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値データと前記発電量データとを比較する工程と、を有する発電量検出工程と、
を有しており、
前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法。
【請求項10】
地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、
時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、
表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、
前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、
前記屋内外判断部は、
加速度センサからの出力波形データを検出して記憶する工程と、前記出力波形データから振幅データを生成して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データの閾値に関する加速度センサ出力波形振幅閾値データと前記振幅データとを比較する工程と、
を有する加速度センサ出力波形検出工程と、
を有しており、
前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法。
【請求項11】
地球を周回する位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部が、前記位置情報衛星を捕捉する工程と、
時刻修正部が、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻修正情報を生成する時刻修正情報生成工程と、
表示情報修正部が、前記時刻修正情報に基づき表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有する時計装置の時刻修正方法であって、
前記位置情報衛星を捕捉する工程において、前記受信部は前記時計装置の環境を判断する屋内外判断部を備え、
前記屋内外判断部は、
ソーラパネルからの発電量を検出して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記発電量の閾値に関する発電量閾値データを収容する発電量閾値データ収容部の発電量閾値データと前記発電量データとを比較する工程と、を有する発電量検出工程と、
加速度センサからの出力波形データを検出して記憶する工程と、前記出力波形データから振幅データを生成して記憶する工程と、前記受信部の屋内外を判別する前記振幅データに関する加速度センサ出力波形振幅閾値データと前記振幅データとを比較する工程と、
を有する加速度センサ出力波形検出工程と、
を有しており、
前記受信部は、前記屋内外判断部に基づいて前記位置情報衛星を捕捉する電子機器となっている電子機器の時刻修正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−39565(P2008−39565A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213480(P2006−213480)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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