説明

電子機器用ソフトケース

【課題】水圧による操作部材の誤操作を防止でき、水中における操作性の向上を図る上で有利な電子機器用ソフトケースを提供する。
【解決手段】操作部82に作用する水圧をリブ部8202、8204、8206、8220で受けると共に押圧用壁部8212、8214、8216、8222で受ける。そして、押圧用壁部8212、8214、8216、8222とシャッタボタン16C、電源ボタン16D、ワイヤレスネットワークボタン16J、機能選択スイッチ16Gとの間に隙間Sが確保される。あるいは、隙間Sがなくなり押圧用壁部8212、8214、8216、8222が先端面7602、7604、7606、7802、8002を押圧することなく接触する。したがって、撮像装置10の各種の操作部材を確実に円滑に操作することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器用ソフトケースに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラなどの電子機器を汚れや衝撃、あるいは傷つきから保護するために、電子機器を収納する保護用のソフトケースが提供されている(特許文献1参照)。
また、PC(ポリカーボーネート)などの硬質の合成樹脂材料で形成され、電子機器を防水状態で収納する防水ケースが提供されている(特許文献2参照)。
上述のソフトケースは、シリコンやエラストマーなどの材料で形成され、軽量化、薄型化が図られ、耐衝撃性に優れている。
ソフトケースは、電子機器を挿脱するための開口部が形成されていることから、材料自体が防水性を有していても、電子機器を水中や水辺などの常時水に接する環境で使用する際には不適である。
このようなソフトケースとして、電子機器を挿脱するための開口部を、電子機器の表示面に合わせ、ソフトケースが電子機器に装着された状態で、開口部から表示面をソフトケースの外部に露出させるようにしたものが提供されている。
上述の防水ケースは、2つ分割体からなり、それら分割体が合わさることで内部に液密な空間が形成され、電子機器はこの液密な空間に収容されて水中などで使用されている。
したがって、従来の防水ケースは、電子機器より一回り大きい箱型の形状となっており、コンパクト化を図る上で不利がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−196776
【特許文献2】特開2008−281704
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記ソフトケースが電子機器の筐体に装着され表示面が開口部から露出した状態では、開口部を除いたソフトケースの残りの部分が筐体を覆うことになる。
そこで、従来の防水ケースと同様の硬質材料で形成されたハードケースを用意し、このハードケースにより開口部の周囲のソフトケース部分を筐体に押し付けると共に、ハードケースにより開口部を覆う。するとソフトケースとハードケースとで防水ケースを構成することができる。
したがって、防水が必要ない環境下では電子機器にソフトケースのみを装着して使用しておき、防水が必要になったときだけ、ソフトケースの上からハードケースを装着すればよい。
このようにすれば、軽量でかつ薄型のソフトケースとコンパクトなハードケースを利用して防水を行うことができるため、利便性の向上を図る上で好ましい。
一方、電子機器の筐体に押圧操作される操作部材が設けられている場合、ソフトケースの柔軟性を利用して、操作部材を覆うソフトケースの部分をソフトケースの外側から押圧することで操作部材を押圧操作すればよい。
しかしながら、ソフトケースとハードケースを装着した防水状態で電子機器を水中に浸漬させた場合、ソフトケースは柔軟性を有していることから水圧によって操作部材を覆うソフトケースの部分が変形され、操作部材が誤操作してしまうことが懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、水圧による操作部材の誤操作を防止でき、水中における操作性の向上を図る上で有利な電子機器用ソフトケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の電子機器用ソフトケースは、柔軟性、弾性、防水性を有する材料で形成され押圧操作される操作部材が設けられた電子機器の筐体に装着されるケース本体と、前記ケース本体に、前記操作部材が押圧操作される箇所である先端面を押圧操作可能に設けられた操作部とを備え、前記操作部は、前記ケース本体が前記筐体に装着された状態で、前記操作部材の周囲の前記筐体箇所に弾接するリブ部と、前記リブ部に接続され前記先端面との間に隙間を確保した状態で前記先端面を覆う押圧用壁部とを含んで構成され、前記ケース本体が前記筐体に装着されて水中に浸漬され前記操作部に水圧が作用した状態で、前記隙間が確保され、あるいは、前記隙間がなくなり前記押圧用壁部が前記先端面を押圧することなく接触する。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、ソフトケースが装着された電子機器を水中に浸漬させると、水圧がソフトケースの操作部に作用する。
本発明では、操作部に作用する水圧をリブ部で受けると共に押圧用壁部で受ける。
そして、押圧用壁部と操作部材との間に隙間が確保される。あるいは、隙間がなくなり押圧用壁部が操作部材の先端面を押圧することなく接触する。
したがって、水中において電子機器の操作部材の誤動作を防止しつつ、電子機器の各種の操作部材を確実に円滑に操作する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施の形態の電子機器用ソフトケース20および電子機器用ハードケース40を装着する撮像装置10を前方から見た斜視図である。
【図2】本実施の形態の電子機器用ソフトケース20および電子機器用ハードケース40を装着する撮像装置10を後方から見た斜視図である。
【図3】本実施の形態の電子機器用ソフトケース20を前方から見た斜視図である。
【図4】本実施の形態の電子機器用ソフトケース20を後方から見た斜視図である。
【図5】電子機器用ソフトケース20の後壁部22Bを破断した斜視図である。
【図6】図5のAA線断面図である。
【図7】撮像装置10を表示面用の開口部24を介してケース本体22に挿入する状態を示す説明図である。
【図8】撮像装置10に装着された電子機器用ソフトケース20を前方から見た斜視図である。
【図9】撮像装置10に装着された電子機器用ソフトケース20を後方から見た斜視図である。
【図10】電子機器用ハードケース40を前方から見た斜視図である。
【図11】電子機器用ハードケース40を後方方から見た斜視図である。
【図12】電子機器用ハードケース40を開いた状態で見た斜視図である。
【図13】撮像装置10に装着された電子機器用ソフトケース20に電子機器用ハードケース40を取り付ける際の説明図である。
【図14】撮像装置10に装着された電子機器用ソフトケース20に電子機器用ハードケース40を取り付けた状態を前方から見た斜視図である。
【図15】撮像装置10に装着された電子機器用ソフトケース20に電子機器用ハードケース40を取り付けられた状態を後方から見た斜視図である。
【図16】撮像装置10に装着された電子機器用ソフトケース20に電子機器用ハードケース40を取り付ける過程を示す下面図である。
【図17】撮像装置10に装着された電子機器用ソフトケース20に電子機器用ハードケース40が取り付けられた状態を示す下面図である。
【図18】図16のA部分の拡大図である。
【図19】図16のB部分の拡大図である。
【図20】図16のC部分の拡大図である。
【図21】図16のD部分の拡大図である。
【図22】電子機器用ソフトケース20の変形例における後壁部22Bを破断した斜視図である。
【図23】図15のA矢視図である。
【図24】図23のCC線断面図である。
【図25】リブ部8202、押圧用壁部8212の平面図である。
【図26】変形例におけるリブ部8202、押圧用壁部8212の平面図である。
【図27】図15のBB線断面図である。
【図28】リブ部8220、圧用壁部8222の平面図である。
【図29】変形例におけるリブ部8220、圧用壁部8222の平面図である。
【図30】比較例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態について図1乃至図21を参照して説明する。
まず、本発明の電子機器用ソフトケースが装着される電子機器について説明する。
本実施の形態では、電子機器が撮像装置10である場合について説明する。
図1、図2に示すように、撮像装置10はデジタルスチルカメラであり、外装を構成する筐体12を有している。
筐体12は前後方向の厚さと、厚さよりも大きな寸法の高さと、高さよりも大きな寸法の幅とを有する扁平な矩形板状を呈している。
筐体12は前面12A、後面12B、上面12C、下面12D、左側面12E、右側面12Fを有している。
なお、本実施の形態では、被写体側を前方、その反対側を後方とし、前方から見た状態で左右をいうものとする。
【0009】
前面12Aの右側部には、レンズ鏡筒14が組み込まれている。
レンズ鏡筒14は、被写体像を該レンズ鏡筒14に組み込まれた不図示の撮像素子に導く撮影光学系16を備えている。撮像素子は、撮影光学系16によって結像された被写体像を撮像して撮像信号を生成するものであり、CCDやCMOSセンサなどで構成されている。
撮影光学系16は複数のレンズを含んで構成され、最も被写体側に位置するレンズは対物レンズ16Aである。
レンズ鏡筒14は、対物レンズ16Aが前面12Aから前方に突出した突出位置と、図1に示すように対物レンズ16Aが筐体12の内部に没入した収容位置との間で移動するように構成されている。
図1、図16に示すように、レンズ鏡筒14の外側に位置する前面12Aの部分には、レンズ鏡筒14を囲むように円環状の加飾部材13が設けられている。
【0010】
図1に示すように、筐体12の前面12A上部には、撮影補助光を出射するフラッシュ16A、オートフォーカス用の補助光を発行する発光部16Bなどが設けられている。
筐体12の上面12Cには、撮像を行うためのシャッタボタン16C、電源ボタン16D、無線通信を行うためのワイヤレスネットワークボタン16Jなどが設けられている。
筐体12の後面12Bの左側部には、ズーム操作を行うズームレバー16E、撮影モードを選択するモードダイヤル16F、撮影機能を選択する機能選択スイッチ16Gが設けられている。また、後面12Bの左側部には、さらに、再生を行うための再生キー16H、メニュー表示用のメニュースイッチ16Iなどが設けられている。
筐体12の後面12Bのほぼ中央には、ディスプレイパネル18が設けられている。
ディスプレイパネル18の表示面18Aは矩形状を呈しており、表示面18Aには、撮影した静止画、動画、あるいはメニュー画面などが表示される。
ディスプレイパネル18としては液晶表示パネル、あるいは、有機EL表示パネルなど従来公知の様々なディスプレイパネルが採用可能である。
【0011】
図3乃至図6に示すように、電子機器用ソフトケース20は、ケース本体22と、表示面用の開口部24と、鏡筒用の開口部25と、第1リブ部26と、第2リブ部28と、第3リブ部30と、凹部32などを含んで構成されている。
【0012】
図3、図4に示すように、ケース本体22は、柔軟性、弾性、防水性を有する材料で形成されている。
ケース本体22は、撮像装置10の筐体12に装着され表示面18Aを除いた筐体12の残りの部分を覆うものである。本実施の形態では、ケース本体22が筐体12に装着された状態で、ケース本体22は、表示面18Aと鏡筒14とを除いた筐体12の残りの部分を覆っている。
ケース本体22を構成する柔軟性、弾性、防水性を有する材料としては、シリコン、エラストマーなど従来公知のさまざまな材料が採用可能である。
なお、本実施の形態では、ケース本体22の材料として透明なシリコンに黒色と青色の染料あるいは顔料を混合した材料を用いている。
このような材料を用いることにより、ケース本体22が撮像装置10の筐体12に装着された状態でケース本体22の外側から筐体12表面に印刷された操作用表示文字あるいは操作用表示記号を視認できるようにし、ソフトケース20の実用性を高めている。
また、前記材料を用いることにより、単に透明なシリコンを用いた場合に比較して経時変化に伴うケース本体22の黄変を防止し、外観性を高める上で有利となっている。
【0013】
ケース本体22は、筐体12の前面12A、後面12B、上面12C、下面12D、左側面12E、右側面12Fを覆う前壁部22A、後壁部22B、上壁部22C、下壁部22D、左壁部22E、右壁部22Fを有している。
ケース本体22は筐体12に装着された状態で、筐体12に接触する内面と、この内面の反対に位置する外面とを有している。
ケース本体22の左壁部22Eの外面の下部には、膨出部33が膨出形成され、膨出部33にストラップ挿通用孔34が設けられ、膨出部33とストラップ挿通用孔34によりストラップ挿通部35が形成されている。
【0014】
図3、図4に示すように、表示面用の開口部24は、後壁部22Bに設けられ、ケース本体22が筐体12に装着された状態で、表示面18Aを該ケース本体22の外部に露出させるものである。
図7に示すように、表示面用の開口部24は、該開口部24を介して筐体12が装脱される箇所としても機能する。
表示面用の開口部24は表示面18Aとほぼ同じ大きさの矩形を呈している。
【0015】
図3、図4に示すように、鏡筒用の開口部25は、前壁部22Aに設けられ、ケース本体22が筐体12に装着された状態で、鏡筒14を該ケース本体22の外部に露出させるものである。
鏡筒用の開口部25は鏡筒14の外径よりも大きな直径の円形を呈している。
したがって、ケース本体22が筐体12に装着された状態で、表示面18A用の開口部24と鏡筒用の開口部25を除いたケース本体22の残りの部分は筐体12を覆っている。
また、開口部24、25の周囲のソフトケース20部分を電子機器用ハードケース40により筐体12に押し付け、開口部24、25部分を覆うことにより電子機器用ソフトケース20と電子機器用ハードケース40により防水ケースが構成される。
【0016】
図4、図5、図6に示すように、第1リブ部26は、後壁部22Bの外面で表示面用の開口部24の外側に沿って延在形成され開口部24を囲むものである。
第1リブ部26は、表示面用の開口部24の矩形の四辺の外側を直線状に延在する四辺を有している。
【0017】
第2リブ部28は、後壁部22Bの外面の第1リブ部26の近傍箇所で第1リブ部26よりも開口部24から離れた箇所に第1リブ部26の一部分に沿って延在している。
本実施の形態では、第1リブ部26の一部分は、第1リブ部26の四辺のうちの一辺であり、この一辺の全長にわたって延在している。
なお、第2リブ部28が設けられる箇所は、ストラップ挿通用孔34寄りの第1リブ部26の部分である。
【0018】
凹部32は、後壁部22Bの外面で第1リブ部26と第2リブ部28とによりそれらの間に沿って延在形成されている。
【0019】
第3リブ部30は、第1リブ部26と第2リブ部28とを連結するものである。
本実施の形態では、第3リブ部30は2つ設けられ、第1リブ部26の一部分の両端と第2リブ部28の延在方向の両端とを連結し、それら第1リブ部26と第2リブ部28を補強し、それらリブ部26、28を倒れにくくしている。
【0020】
また、第2リブ部28が設けられた第1リブ部26の部分に対向する第1リブ部26の部分は、図17、図18に示すように、傾斜面36が形成されている。
この傾斜面36は、開口部24を構成する矩形の一辺の全長にわたって設けられている。
図18に示すように、第1リブ部26は、開口部24寄りに位置する内側面2602と、この内側面2602の反対に位置する外側面2604とを有しており、傾斜面36は内側面2602の上半部に形成されている。
図17、図18に示すように、傾斜面36はケース本体22が筐体12に装着された状態で、表示面18Aから離れるに従い次第に開口部24を大きくする傾斜で形成されている。
【0021】
図3に示すように、鏡筒用の開口部25を囲むように、前壁部22Aの外面に鏡筒用リブ部38が膨出形成されている。
鏡筒用リブ部38の全周には、図17、図21、図22に示すように、傾斜面39が形成されている。
鏡筒用リブ部38は、開口部25寄りに位置する内側面3802と、この内側面3802の反対に位置する外側面3804とを有しており、傾斜面38は内側面3802の上半部に形成されている。
傾斜面39はケース本体22が筐体12に装着された状態で、表示面18Aから離れるに従い次第に開口部25を大きくする傾斜で形成されている。
【0022】
図4に示すように、後壁部22Bの左側部には、ダイヤル用操作部72と、機能選択スイッチ用操作部74とが設けられている。
ダイヤル用操作部72はモードダイヤル16Fを操作するためのものであり、機能選択スイッチ用操作部74は機能選択スイッチ16Gを操作するためのものである。
【0023】
次に電子機器用ハードケース40について説明する。
電子機器用ハードケース40は、筐体12に装着された電子機器用ソフトケース20の外側から取り付けられるものである。
そして、電子機器用ハードケース40が電子機器用ソフトケース20の外側から取り付けられることで、それら電子機器用ハードケース40と電子機器用ソフトケース20とが一体となって防水ケースとして機能する。
図10乃至図12に示すように、電子機器用ハードケース40は、第1分割体42と、第2分割体44と、保持部46と、第1凹部48と、第2凹部50と、凸部52とを含んで構成されている。
第1分割体42と第2分割体44はヒンジ62を介して揺動可能に結合されている。
第1分割体42と第2分割体44は共に硬質材料で形成されている。
このような硬質材料として、PC(ポリカーボーネート)などの従来公知の様々な材料が採用可能であり、本実施の形態では、透明な材料を用いている。
【0024】
第1分割体42は、電子機器用ソフトケース20が筐体12に装着された状態で電子機器用ソフトケース20の開口部24が設けられた後壁部22B(第1の面)に配置される。
第1分割体42は、筐体12に装着された電子機器用ソフトケース20の外側から取り付けられた状態で、表示面18Aおよび開口部24を覆いかつダイヤル用操作部72と機能選択スイッチ用操作部74とを露出させる大きさの矩形で形成されている。
【0025】
図12に示すように、第1分割体42に窓部56と、第1当て付け部58と、第1凹部48と、第2凹部50と、凸部52と、第3凹部54とが設けられている。
窓部56は、開口部24を覆うように設けられ開口部24を介して表示面18Aを第1分割体42の外部に視認させるものである。
第1当て付け部58は、後壁部22B(第1の面)の開口部24の周囲の全周に沿って延在し開口部24の周囲の全周に当て付けられる箇所である。
第1凹部48は、第1当て付け部58が開口部24の周囲の後壁部22Bに当て付けられる内面で第1当て付け部58の延在方向の全長にわたって延在形成されている。
第2凹部50は、第1当て付け部58が開口部24の周囲の後壁部22Bに当て付けられる内面で第1凹部48の近傍かつ第1凹部48よりも開口部24から離れた箇所に第1凹部48の一部分に沿って延在している。
凸部52は、第1当て付け部58が開口部24の周囲の後壁部22Bに当て付けられる内面で第1凹部48と第2凹部50の間に形成されそれら第1凹部48と第2凹部50に沿って延在している。
第3凹部54は、凸部52に、第1凹部48と第2凹部50とを接続するように設けられている。
本実施の形態では、第3凹部54は、第2凹部50の延在方向の両端と第1凹部48とを接続するように2つ設けられている。
【0026】
実施の形態では、開口部24は矩形であり、第1当て付け部58は開口部24の矩形の四辺の外側を直線状に延在する四辺を有している。
また、第1凹部48は、第1当て付け部58の四辺に沿った四辺を有している。
また、第2凹部50と凸部52は、第1凹部48の四辺のうちヒンジ62から離れた一辺の全長にわたって延在している。
第1凹部48は、電子機器用ソフトケース20の第1リブ部26が弾接可能に装着できるように構成されている。
第2凹部50は、電子機器用ソフトケース20の第2リブ部28が弾接可能に装着できるように構成されている。
凸部52は、電子機器用ソフトケース20の凹部32に弾接可能に装着できるように構成されている。
第3凹部54は、電子機器用ソフトケース20の第3リブ部30が弾接可能に装着できるように構成されている。
【0027】
また、ヒンジ62寄りの第1凹部48の部分に、図17、図18に示すように、傾斜面60が形成されている。
この傾斜面60は、開口部24を構成する矩形の一辺の全長にわたって設けられている。
図18に示すように、第1凹部48は、開口部24寄りに位置する内側面2602と、この内側面4802に対向する外側面4804とを有しており、傾斜面60は内側面4802の上半部に形成されている。
図17、図18に示すように、傾斜面60は電子機器用ハードケース40が、撮像装置10に装着された電子機器用ソフトケース20に取り付けられた状態で、表示面18Aから離れるに従い次第に開口部24を大きくする傾斜で形成されている。
【0028】
図15乃至図17に示すように、第2分割体44は、後壁部22B(第1の面)と反対に位置する電子機器用ソフトケース20の前壁部22A(第2の面)に配置されるものである。
第2分割体44は、鏡筒14の周囲に配置される本体64と、本体64に設けられ突出位置に位置した鏡筒14を収容可能な筒部66とを有している。
筒部66が前壁部22Aに当て付けられる内面で開口部25の周囲の箇所に開口部25の全周を囲む鏡筒用凹部68が環状に形成されている。
凹部68は、鏡筒用リブ部38が弾接可能に装着されるように形成されている。
筒部66の先端は、透明材料で形成された保護板67で閉塞されている。
【0029】
また、凹部68は、開口部25寄りに位置する内側面6802と、この内側面6802に対向する外側面6804とを有している。
図20、図21に示すように、内側面6802の上半部の全周に傾斜面70が形成されている。
図17、図20、図21に示すように、傾斜面70は前記内面から離れるにつれて次第に外側面6804から離れる傾斜で形成されている。
【0030】
図12に示すように、保持部46は、第1分割体42の上下にそれぞれ揺動可能に設けられたバックル4602、4604と、第2分割体44の本体64の上下に設けられそれらバックルが係止される凸部4610、4612とで構成されている。
筐体12に装着された電子機器用ソフトケース20の後壁部22Bに第1分割体42を位置させると共に、前壁部22Aに第2分割体44を位置させ、バックル4602、4604を凸部4610、4612に係止する。これにより第1、第2分割体42、44により筐体12はソフトケース20と共に挟持される。
このような保持部46の構成として従来公知の様々な構成が採用可能である。
【0031】
次に電子機器用ソフトケース20と電子機器用ハードケース40の使用方法について説明する。
図7に示すように、撮像装置10の筐体12を電子機器用ソフトケース20の開口部24から挿入し、筐体12に電子機器用ソフトケース20を装着する。
これにより、図8、図9に示すように、表示面18Aと鏡筒14を除いた筐体12部分が電子機器用ソフトケース20により覆われる。
この状態で撮像装置10を携帯することにより、撮像装置10が汚れや衝撃、あるいは傷つきから保護される。
【0032】
次に、電子機器用ハードケース40を、筐体12に装着された電子機器用ソフトケース20の外側に取り付ける場合について説明する。
図13に示すように、第1分割体42と第2分割体44とを開放した状態で、図16に示すように、鏡筒14を筒部66に臨ませつつ、電子機器用ソフトケース20の前壁部22Aを第2分割体44の本体64に当て付ける。
これにより、鏡筒用リブ部38が凹部68に弾接される。
この状態で、図17に示すように、第1分割体42を閉じ、保持部46のバックル4602、4604を凸部4610、4612に係止させる。
これにより、図18乃至図21に示すように、第1リブ部26、第2リブ部28、第3リブ部30、凹部32のそれぞれが、第1凹部48、第2凹部50、第3凹部54、凸部52のそれぞれに弾接され、かつ、この弾接された状態が維持される。
また、鏡筒用リブ部38が凹部68に弾接された状態が維持される。
なお、図18乃至図21において破線で示す部分は、第1リブ部26、第2リブ部28、鏡筒用リブ部38が第1凹部48、第2凹部50、凹部68に弾接して変形する前の形状を示す。言い換えると、第1リブ部26、第2リブ部28、鏡筒用リブ部38の先端は、第1凹部48、第2凹部50、凹部68に弾接することで実線に示すように変形する。
【0033】
これにより、電子機器用ソフトケース20のうち表示面18Aの周囲の部分は、第1リブ部26が第1凹部48に弾接されて装着されることで電子機器用ハードケース40と水密に結合する。
また、電子機器用ソフトケース20のうち鏡筒14の周囲の部分は、鏡筒用リブ部38が凹部68に弾接されて装着されることで電子機器用ハードケース40と水密に結合する。
言い換えると、表示面18の周囲の部分と鏡筒14の周囲の部分において電子機器用ソフトケース20と電子機器用ハードケース40とが水密に結合し、電子機器用ソフトケース20と電子機器用ハードケース40とが防水ケースとして機能する。
【0034】
次に、第1リブ部26の傾斜面36および第1凹部48の傾斜面60の作用と、鏡筒用リブ部38の傾斜面39および凹部68の傾斜面70の作用について説明する。
筐体12に装着された電子機器用ソフトケース20に電子機器用ハードケース40を取り付ける際、第1リブ部26と第1凹部48との位置が合致せずに多少ずれたり、鏡筒用リブ部38と凹部68との位置が合致せずに多少ずれる場合がある。
このようにリブ部と凹部の位置がずれた状態で第1分割体42と第2分割体44を閉じてしまうと、第1分割体42と第2分割体44とを閉じる過程で、リブ部の一部が凹部からはみ出してしまい、リブ部と凹部との装着が不完全となり、水漏れが生じる懸念がある。
特に、ヒンジ62に近い側に位置するリブ部と凹部では、ヒンジ62を中心とした小さな値の半径で円運動し、リブ部と凹部とが傾斜した状態で接近する傾向が顕著であることから、リブ部の一部が凹部からはみ出す現象が特に生じやすくなる。
【0035】
そこで、本実施の形態では、第1リブ部26に傾斜面36を設けると共に、第1凹部48に傾斜面60を設けた。
このような傾斜面36、60を設けることで第1リブ部26と第1凹部48とが多少ずれていたとしても、傾斜面36、60が接触することで第1リブ部26が第1凹部48内に円滑に案内され、これにより第1リブ部26と第1凹部48との位置が合致する。
これにより、第1リブ部26と第1凹部48との装着が確実に行われ、水漏れを防止する上で有利となる。
【0036】
また、本実施の形態では、鏡筒用リブ部38に傾斜面39を設けると共に、凹部68に傾斜面70を設けた。
すなわち、上記と同様に、ヒンジ62に近い側に位置するリブ部38の箇所と凹部68の箇所では、ヒンジ62を中心とした小さな値の半径で円運動し、リブ部38と凹部68とが傾斜した状態で接近する傾向が顕著である。そのため、リブ部38の一部が凹部68からはみ出す現象が特に生じやすくなる。
そこで、傾斜面39、70を設けることで鏡筒用リブ部38と凹部68とが多少ずれていたとしても、傾斜面39、70が接触することで鏡筒用リブ部38が凹部68内に円滑に案内され、これにより鏡筒用リブ部38と凹部68との位置が合致する。
これにより、鏡筒用リブ部38と凹部68との装着が確実に行われ、水漏れを防止する上で有利となる。
【0037】
したがって、筐体12に装着された電子機器用ソフトケース20に電子機器用ハードケース40を装着する際にケース20、40間に多少の位置ずれが生じた場合であっても、それらケース20、40間を確実に水密に結合でき、防水性を確保する上で有利となる。
なお、各傾斜面36、60、39、70の傾斜角度は、15度以上45度以下がシリコンのリブ部26、38のつぶし量の面で好ましい。
傾斜角度が15度に満たないと、シリコンとの隙間がより必要となるため、防水面のスペースの面で不利がある。
傾斜角度が45度を超えると、シリコンつぶし量の面で不利がある。
また、リブ部26、38が凹部48、68に挿入される際に、シリコンのリブ部26、38をつぶす上で、リブ部26、38の傾斜面36、39と凹部48、68の傾斜面60、70との間に隙間を持たせることが好ましい。
【0038】
上述したように、電子機器用ソフトケース20に、ケース本体22の開口部24に沿って延在する第1リブ部26の近傍に第2リブ部28を設けると次の効果が奏される。
そのため、開口部24の周囲を硬質材料で形成された電子機器用ハードケース40により筐体12に押し付け、開口部24部分を覆うことにより電子機器用ソフトケース20と電子機器用ハードケース40により防水ケースを構成した場合の不都合を防止できる。
すなわち、2つのリブ部26、28が電子機器用ハードケース40の第1、第2凹部48、50に装着されることでそれらリブ部26、28と第1、第2凹部48、50との装着状態が強固に維持される。
したがって、柔軟性を有する電子機器用ソフトケース20のケース本体22のうち開口部24近傍の箇所に外力による変形を生じたとしても、第1、第2リブ部26、28が倒れにくく、該箇所が電子機器用ハードケース40の窓部56から外れることはない。
したがって、水漏れを確実に防止でき、電子機器用ソフトケース20の利便性を損なうことなく防水性を確保する上で有利となる。
【0039】
特に、第1、第2リブ部26、28近傍のケース本体22箇所にストラップ挿通用孔34が設けられている場合、ストラップ挿通用孔34に挿通されたストラップ紐が物に引っかかるなどして強く引っ張られるおそれがある。
しかしながら、上述のように構成すると、万一ストラップ紐が強く引っ張られたとしても、リブ部26、28と第1、第2凹部48、50との装着状態が強固に維持されるので、水漏れを確実に防止する上で有利となる。
【0040】
また、上述したように、第1リブ部26と第2リブ部28とを連結する第3リブ部30を設けると、第1リブ部26と第2リブ部28を補強し、それらリブ部26、28を倒れにくくできる。
したがって、第1、第2リブ部26、28と第1、第2凹部48、50との装着状態をより強固に維持でき、水漏れを確実に防止する上でより一層有利となる。
【0041】
また、上述したように、電子機器用ハードケース40において、硬質材料からなる第1分割体42のうち、ソフトケース20の開口部24の近傍に位置する箇所に第1凹部48と第2凹部50を設けると次の効果が奏される。
そのため、ソフトケース20の開口部24の周囲を電子機器用ハードケース40により筐体12に押し付け、開口部24部分を覆うことによりソフトケース20と電子機器用ハードケース40により防水ケースを構成した場合の不都合を防止できる。
すなわち、ソフトケース20の2つのリブ部26、28が電子機器用ハードケース40の第1、第2凹部48、50に装着されることでそれらリブ部26、28と第1、第2凹部48、50との装着状態が強固に維持される。
したがって、柔軟性を有するソフトケース20のうち開口部24近傍の箇所に外力による変形を生じたとしても、2つのリブ部26、28が倒れにくく、該箇所が電子機器用ハードケース40の窓部56から外れることはない。
したがって、水漏れを確実に防止でき、コンパクトな形状の電子機器用ハードケース40とソフトケース20により防水性を確保する上で有利となる。
【0042】
特に、2つのリブ部26、28近傍のソフトケース20の箇所にストラップ挿通用孔34が設けられている場合、ストラップ挿通用孔34に挿通されたストラップ紐が物に引っかかるなどして強く引っ張られるおそれがある。
しかしながら、上述のように構成すると、万一ストラップ紐が強く引っ張られたとしても、リブ部26、28と第1、第2凹部48、50との装着状態が強固に維持されるので、水漏れを確実に防止する上で有利となる。
また、上述のように、2つのリブ部26、28を補強した第3リブ部30が装着される第3凹部54を設けると、2つのリブ部26、28と第1、第2凹部48、50との装着状態をより強固に維持でき、水漏れを確実に防止する上でより一層有利となる。
【0043】
図22は第3リブ部30の変形例を示す。
この変形例では、凹部32の延在方向の両端に加え、凹部32の延在方向の中間部にも第3リブ部30を設け、第1、第2リブ部26、28がより倒れにくくしたものである。
この場合には、凹部32は第3リブ部30により2つに分割される。
また、第3リブ部30が弾接される第1分割体42の第3凹部54は、凸部52の延在方向の両端に加え、凸部52の延在方向の中間部に形成されることになる。
このような変形例によれば、第1、第2凹部48、50と第1、第2リブ部26、28との装着状態をより強固に維持でき、水漏れを確実に防止する上でより一層有利となる。
【0044】
次に、本発明の要旨である撮像装置10の操作部材を操作するための電子機器用ソフトケース20の操作部について説明する。
まず、撮像装置10の操作部材について説明する。
図1に示すように、撮像装置10の操作部材として、筐体12の上面12Cに、前述したシャッタボタン(シャッタ用操作部材)16C、電源ボタン(電源用操作部材)16D、ワイヤレスネットワークボタン(ワイヤレスネットワーク用操作部材)16Jが設けられている。
図23は図15のA矢視図、図24は図23のCC線断面図である。
図24に示すように、これら各ボタン16C,16D,16Jは、指先によって押圧操作されるもので、各ボタン16C,16D,16Jは、筐体12の上面12Cに設けられた開口1202、1204、1206内に出没可能に配置されている。
各ボタン16C,16D,16Jの先端は平坦な先端面7602、7604、7606を有している。
各ボタン16C,16D,16Jは、図示しない付勢部材によって図24に示すように先端面7602、7604、7606を筐体12の上面12Cとほぼ同一の高さ、あるいは、上面12Cよりも僅かに高い位置に位置させた突出位置に付勢されている。
各ボタン16C,16D,16Jは、先端面7602、7604、7606が指先によって押圧操作されることで突出位置から、先端面7602、7604、7606が上面12Cよりも下方に位置する没入位置に移動される。そして、先端面7602、7604、7606から指先を離すことで突出位置に復帰する。
各ボタン16C,16D,16Jが没入位置に移動されることにより、図示しない電気接点がオン、あるいは、オフし、これにより操作信号が生成され、所定の制御動作がなされる。
【0045】
図2に示すように、撮像装置10の操作部材として、筐体12の後面12Bに、前述した機能選択スイッチ(機能選択用操作部材)16Gが設けられている。
図27は図15のBB線断面図である。
図27に示すように、機能選択スイッチ16Gは、指先によって押圧操作される第1可動体78と第2可動体80とを含んで構成されている。
第1可動体78は、環板状を呈し、筐体12の後面12Bに設けられた開口1210内に配置され、上下左右の4方向に揺動可能に設けられている。
第1可動体78の先端は環状で円錐面状の先端面7802として形成されている。
第1可動体78は、図示しない付勢部材によって図27に示すように第1可動体78の先端面7802の仮想中心軸が後面12Bと直交する中立位置となるように付勢されている。
第1可動体78は、先端面7802が指先によって押圧操作されることで中立位置から、第1可動体78の前記仮想中心軸が上下左右の4つの方向に揺動した4つの揺動位置に移動され、先端面7602から指先を離すことで中立位置に復帰する。
第1可動体78が4つの揺動位置にそれぞれ移動されることにより、図示しない電気接点がオン、あるいは、オフし、これにより操作信号が生成され、所定の制御動作がなされる。
【0046】
第2可動体80は、第1可動体78の中央孔7810に出没可能に設けられている。
第2可動体80は、その先端に位置する平坦な先端面8002を有している。
第2可動体80は、図示しない付勢部材によって図27に示すように先端面8002を第1可動体78の先端面7802とほぼ同一の高さ、あるいは、先端面7802よりも僅かに高い位置に位置させた突出位置となるように付勢されている。
第2可動体80は、先端面8002が指先によって押圧操作されることで突出位置から、先端面8002が第1可動体78の先端面7802よりも下方に位置する没入位置に移動され、先端面7802から指先を離すことで突出位置に復帰する。
第2可動体80が没入位置に移動されることにより、図示しない電気接点がオン、あるいは、オフし、これにより操作信号が生成され、所定の制御動作がなされる。
【0047】
図24に示すように、ケース本体22に、シャッタボタン16C、電源ボタン(電源用操作部材)16D、ワイヤレスネットワークボタン16J、機能選択スイッチ16Gの各先端面7602、7604、7606を押圧操作可能に操作部82が設けられている。
シャッタボタン16C、電源ボタン16D、ワイヤレスネットワークボタン16Jを操作する操作部82は、リブ部8202、8204、8206と、押圧用壁部8212、8214、8216とを含んで構成されている。
リブ部8202、8204、8206は、ケース本体22が筐体12に装着された状態で、シャッタボタン16C、電源ボタン16D、ワイヤレスネットワークボタン16Jの周囲の筐体12箇所に弾接するように他の箇所に比べて肉厚に設けられている。
図24、図25に示すように、リブ部8202、8204、8206は、シャッタボタン16C、電源ボタン16D、ワイヤレスネットワークボタン16Jの周囲の全周にわたり連続して設けられている。
なお、リブ部リブ部8202、8204、8206は、図26に示すように、シャッタボタン16C、電源ボタン16D、ワイヤレスネットワークボタン16Jの周方向に間隔をおいて複数設けてもよい。
【0048】
図24に示すように、押圧用壁部8212、8214、8216は、リブ部8202、8204、8206に接続され先端面7602、7604、7606との間に隙間Sを確保した状態で先端面7602、7604、7606を覆うように設けられている。
押圧用壁部8212、8214、8216が先端面7602、7604、7606に対向する内面8212A,8214A,8216Aは次のように形成されている。
内面8212A,8214A,8216Aは、先端面7602、7604、7606の中央と押圧用壁部8212、8214、8216との間の隙間Sの寸法が最も大きくなり周囲に至るにつれて隙間Sの寸法が次第に小さくなる曲面で形成されている。すなわち、内面8212A,8214A,8216Aをドーム状にすることにより、押圧用壁部8212、8214、8216の薄肉化、軽量化が図られる。
内面8212A,8214A,8216Aは、と反対側に位置する押圧用壁部8212、8214、8216の外面8212B,8214B,8216Bは平坦面で形成されている。
また、外面8212B,8214B,8216Bは、シャッタボタン16C、電源ボタン16D、ワイヤレスネットワークボタン16Jの周囲を覆うケース本体22部分よりも筐体12から離れる方向に突出している。
そして、ケース本体22が筐体12に装着されて水中に浸漬され操作部に水圧が作用した状態で、隙間Sが確保されるように設けられている。
あるいは、ケース本体22が筐体12に装着されて水中に浸漬され操作部に水圧が作用した状態で、隙間Sがなくなり押圧用壁部8212、8214、8216が先端面7602、7604、7606を押圧することなく接触するように設けられている。
本実施の形態では、前記の水圧は、3m〜5m程度の水深における水圧である。
【0049】
機能選択スイッチ16Gを操作する操作部82は、リブ部8220と、押圧用壁部8222とを含んで構成されている。
リブ部8220は、ケース本体22が筐体12に装着された状態で、機能選択スイッチ16Gの周囲の筐体12箇所に弾接するように他の箇所に比べて肉厚に設けられている。
図27、図28に示すように、リブ部8220は、機能選択スイッチ16Gの周囲の全周にわたり連続して設けられている。
【0050】
図27に示すように、押圧用壁部8222は、リブ部8220に接続され先端面7802、8002との間に隙間Sを確保した状態で先端面7802、8002を覆うように設けられている。
押圧用壁部8222が先端面8002の中央に対向する内面8222Aの中央部分は、押圧用壁部8222との間の隙間Sの寸法が第1の値S1で形成された平坦な第1内面8230で形成されている。
また、押圧用壁部8222が先端面8002の中央に対向する内面8222Aの中央部分の周囲に対向する内面8222Aの周囲部分は、隙間Sの寸法が第1の値S1よりも小さい寸法の第2の値S2で形成された平坦な第2内面8232で形成されている。
内面8222Aと反対側に位置する押圧用壁部8222の外面8222Bは平坦面で形成されている。
また、外面8222Bは、機能選択スイッチ16Gの周囲を覆うケース本体22部分よりも筐体12から離れる方向に突出している。
そして、ケース本体22が筐体12に装着されて水中に浸漬され操作部82に水圧が作用した状態で、隙間Sが確保されるように設けられている。
あるいは、ケース本体22が筐体12に装着されて水中に浸漬され操作部82に水圧が作用した状態で、隙間Sがなくなり押圧用壁部8222が先端面7802、8002を押圧することなく接触するように設けられている。
本実施の形態では、前記の水圧は、3m〜5m程度の水深における水圧である。
なお、リブ部8220は、図29に示すように、シャッタボタン16C、電源ボタン16D、ワイヤレスネットワークボタン16Jの操作部82と同様に、機能選択スイッチ16Gの周方向に間隔をおいて複数設けてもよい。
【0051】
本実施の形態では、筐体12にソフトケース20を装着し、その上からハードケース40を取り付け、撮像装置10を防水状態とする。
この状態で水中に浸漬させると、水圧が、ハードケース40から露出するソフトケース20の部分に作用する。
本実施の形態では、操作部82に作用する水圧をリブ部8202、8204、8206、8220で受けると共に押圧用壁部8212、8214、8216、8222で受ける。
そして、押圧用壁部8212、8214、8216、8222とシャッタボタン16C、電源ボタン16D、ワイヤレスネットワークボタン16J、機能選択スイッチ16Gとの間に隙間Sが確保される。あるいは、隙間Sがなくなり押圧用壁部8212、8214、8216、8222が先端面7602、7604、7606、7802、8002を押圧することなく接触する。
したがって、水中において撮像装置10の操作部材(シャッタボタン16C、電源ボタン16D、ワイヤレスネットワークボタン16J、機能選択スイッチ16G)の誤動作を防止しつつ、撮像装置10の各種の操作部材を確実に円滑に操作することが可能となる。
【0052】
図30を参照して比較例について説明する。
この比較例では、ソフトケース20にシャッタボタン16Cを操作する操作部90を設けたものである。
この操作部90では、本実施の形態のようなリブ部を設けずに、シャッタボタン16Cの周囲の筐体12の箇所を覆うソフトケース20部分を延長し、シャッタボタン16Cとの間に隙間を保ってシャッタボタン16Cを覆うようにしたものである。
比較例では、水圧により操作部90が筐体12側に変位し、シャッタボタン16Cを押圧してしまう不具合が生じる。
【符号の説明】
【0053】
10……撮像装置、12……筐体、18A……表示面、20……電子機器用ソフトケース、22……ケース本体、24……開口部、26……第1リブ部、28……第2リブ部、32……凹部、40……電子機器用ハードケース、42……第1分割体、44……第2分割体、46……保持部、48……第1凹部、50……第2凹部、52……凸部、56……窓部、58……第1当て付け部、7602、7604、7606、7802、8002……先端面、82……操作部、8202、8204、8206、8220……リブ部、8212、8214、8216、8222……押圧用壁部、S……隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性、弾性、防水性を有する材料で形成され押圧操作される操作部材が設けられた電子機器の筐体に装着されるケース本体と、
前記ケース本体に、前記操作部材が押圧操作される箇所である先端面を押圧操作可能に設けられた操作部とを備え、
前記操作部は、
前記ケース本体が前記筐体に装着された状態で、前記操作部材の周囲の前記筐体箇所に弾接するリブ部と、
前記リブ部に接続され前記先端面との間に隙間を確保した状態で前記先端面を覆う押圧用壁部とを含んで構成され、
前記ケース本体が前記筐体に装着されて水中に浸漬され前記操作部に水圧が作用した状態で、前記隙間が確保され、あるいは、前記隙間がなくなり前記押圧用壁部が前記先端面を押圧することなく接触する、
電子機器用ソフトケース。
【請求項2】
前記押圧用壁部が前記先端面に対向する内面は、前記先端面の中央と前記押圧用壁部との間の前記隙間の寸法が最も大きく、前記先端面の周囲に至るにつれて前記押圧用壁部との間の前記隙間の寸法が次第に小さくなる曲面で形成されている、
請求項1記載の電子機器用ソフトケース。
【請求項3】
前記押圧用壁部が前記先端面の中央に対向する前記内面の中央部分は、前記押圧用壁部との間の前記隙間の寸法が第1の値で形成された平坦な第1内面で形成され、前記中央部分の周囲に対向する前記内面の周囲部分は、前記第1の値よりも小さい寸法の第2の値で形成された平坦な第2内面で形成されている、
請求項1記載の電子機器用ソフトケース。
【請求項4】
前記押圧用壁部が前記先端面に対向する内面と反対側の外面は平坦面で形成されている、
請求項1記載の電子機器用ソフトケース。
【請求項5】
押圧用壁部が前記先端面に対向する内面と反対側の外面は、前記操作部材の周囲を覆う前記ケース本体部分よりも前記筐体から離れる方向に突出している、
請求項1記載の電子機器用ソフトケース。
【請求項6】
前記リブ部は、前記操作部材の周囲の全周にわたり連続して設けられている、
請求項1記載の電子機器用ソフトケース。
【請求項7】
前記リブ部は、前記操作部材の周囲に間隔をおいて複数設けられている、
請求項1記載の電子機器用ソフトケース。
【請求項8】
前記水圧は、水深3〜5メートルにおける水圧である、
請求項1記載の電子機器用ソフトケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2010−191008(P2010−191008A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33214(P2009−33214)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】