説明

電子機器

【課題】本発明は、コネクタに加わる振動や衝撃を吸収することができ、接続不良を未然に防止できる電子機器の提供を目的とする。
【解決手段】電子機器1 は、筐体4 と;筐体の内部に収容された第1の回路基板20と;筐体の内部に収容され、第1の回路基板に電気的に接続された回路モジュール25と;を備えている。回路モジュールは、動作中に発熱するMPU27と、このMPUにコネクタ30,41 を介して接続された第2の回路基板26と、第2の回路基板に取り付けられ、MPUに熱的に接続されたヒートシンク52とを有している。ヒートシンクは、筐体に固定されているとともに、第2の回路基板は、ヒートシンクの筐体への固定部から遠ざかった位置において、変位可能なフローティング式のコネクタ装置95を介して回路基板に電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポータブルコンピュータのような電子機器に係り、特にその筐体の内部に回路モジュールを収容するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブック形のポータブルコンピュータや移動体情報機器に代表される携帯形の電子機器は、文字、音声および画像のような多用のマルチメディア情報を処理するため、MPU:microprocessing unitの処理速度の高速化や多機能化が推し進められている。
【0003】この種のMPUは、配線基板と、この配線基板に実装された少なくとも一つのICチップとを有し、この配線基板がスタッキングコネクタを介してシステム基板と称するメインの回路基板に実装されている。スタッキングコネクタは、配線基板に半田付けされた第1のコネクタと、回路基板に半田付けされた第2のコネクタとを有し、これら第1および第2のコネクタを互いに嵌合させることで、MPUが回路基板上に支持されている。そして、上記回路基板は、筐体の内部に収容されているとともに、この筐体の底壁に複数のねじを介して固定されている。
【0004】ところで、上記回路基板上のMPUは、高集積化や高性能化に伴って消費電力が増加の一途を辿り、動作中の発熱量もこれに比例して急速に増大する傾向にある。そのため、発熱量の大きなMPUをポータブルコンピュータの筐体に収容するに当っては、この筐体の内部でのMPUの放熱性を高める必要があり、それ故、電動式のファンユニットやヒートシンクのような専用の冷却装置が必要不可欠な存在となりつつある。
【0005】従来のMPUの冷却方式として、ファンユニットを有するヒートシンクをMPUの上面に設置したものが知られている。このヒートシンクは、MPUの上面に重ねられたベースを有し、このベースは、上記回路基板と共に筐体にねじ止めされている。
【0006】ファンユニットは、ファンを支持する偏平なファンケーシングを備えている。ファンケーシングは、ファンに連なる吸込口と排出口とを有している。そして、ファンケーシングは、ヒートシンクの薄型化を達成するため、ファンの回転軸線をMPUと直交させた横置きの姿勢でヒートシンクのベースに支持されている。
【0007】このため、ファンユニットが駆動されると、ファンケーシングの吸込口から吸引された空気がベースに向けて導かれるとともに、この空気はベースに沿うように流れた後、排出口を通じて排出される。この結果、ヒートシンクが空気を媒体とする強制対流により冷却され、これによりMPUの放熱が促進されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ポータブルコンピュータに代表される電子機器は、携帯性に優れることがその商品価値を高める大きな要素となっている。そのため、最近のポータブルコンピュータは、筐体の薄型化および軽量化が強化されており、バッグやスーツのポケットに収納して手軽に持ち運べるようになっている。
【0009】この場合、従来のポータブルコンピュータによると、MPUが実装された回路基板は、筐体の底壁に直接固定されているとともに、このMPUに重ねられたヒートシンクにしても、上記回路基板と共に筐体の底壁に固定されている。そのため、MPUは、回路基板とヒートシンクとで挟まれた状態で筐体に結合されている。
【0010】ところが、この構成によると、ポータブルコンピュータをバッグに収納して持ち運んだ時に、筐体に振動や衝撃が加わると、この振動や衝撃が何等減衰されることなくMPUと回路基板とを接続するスタッキングコネクタに加わることがあり得る。
【0011】特にMPUと回路基板との接続部の薄型を図ることを目的として、第1および第2のコネクタの嵌合長が短く、しかも、これらコネクタを多数の半田ボールを介して回路基板や配線基板に半田付けした、いわゆるBGA 形のスタッキングコネクタを用いた場合、このBGA 形のスタッキングコネクタは、衝撃や振動に弱いので、第1および第2のコネクタの嵌合部分に歪や変形が生じたり、これらコネクタの半田付け部が損傷する恐れがあり、これが原因で接続不良を起こすといった問題がある。
【0012】本発明は、このような事情にもとづいてなされたもので、回路モジュール(回路部品)のコネクタに加わる振動や衝撃を吸収することができ、接続不良を未然に防止できる電子機器の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明の電子機器は、筐体と;この筐体の内部に収容された回路基板と;上記筐体の内部に収容され、上記回路基板に電気的に接続された回路モジュールと;を備えている。そして、上記回路モジュールは、動作中に発熱する回路部品と、この回路部品にコネクタを介して接続されたモジュール基板と、このモジュール基板に取り付けられ、上記回路部品に熱的に接続されたヒートシンクと、を有し、上記回路モジュールのヒートシンクは、上記筐体に固定されているとともに、上記モジュール基板は、上記ヒートシンクの筐体への固定部から遠ざかった位置において、変位可能な接続手段を介して上記回路基板に電気的に接続されていることを特徴としている。
【0014】このような構成によると、回路モジュールのモジュール基板は、ヒートシンクを介して間接的に筐体に保持されているので、筐体に振動や衝撃が加わっても、この振動や衝撃が直接モジュール基板に伝わり難くなる。
【0015】しかも、このモジュール基板と回路基板とを接続する接続手段は変位可能であるから、ヒートシンクで減衰しきれなかった振動や衝撃がモジュール基板に伝えられると、接続手段が変位することにより筐体からの振動や衝撃を吸収する。このため、モジュール基板と回路部品とを接続するコネクタに過大な負荷や歪が生じるのを防止することができ、モジュール基板と回路部品との電気的な接続の信頼性が向上する。
【0016】また、上記目的を達成するため、請求項9に係る本発明の電子機器は、筐体と;この筐体の内部に収容された回路基板と;上記筐体の内部に収容され、上記回路基板に電気的に接続された回路モジュールと;上記筐体の内部に収容され、上記回路モジュールの放熱を促進させるための冷却装置と;を備えている。そして、上記回路モジュールは、モジュール基板と、このモジュール基板にコネクタを介して接続されるとともに、上記冷却装置に熱的に接続された回路部品と、を有し、上記冷却装置は、上記筐体に固定されているとともに、上記モジュール基板は、上記冷却装置の筐体への固定部から遠ざかった位置において、変位可能な接続手段を介して上記回路基板に電気的に接続されていることを特徴としている。
【0017】このような構成によると、回路モジュールのモジュール基板は、冷却装置を介して間接的に筐体に保持されているので、筐体に振動や衝撃が加わっても、この振動や衝撃が直接モジュール基板に伝わり難くなる。
【0018】しかも、このモジュール基板と回路基板とを接続する接続手段は変位可能であるから、冷却装置で減衰しきれなかった振動や衝撃がモジュール基板に伝えられると、接続手段が変位することにより筐体からの振動や衝撃を吸収する。このため、モジュール基板と回路部品とを接続するコネクタに過大な負荷や歪が生じるのを防止することができ、モジュール基板と回路部品との電気的な接続の信頼性が向上する。
【0019】上記目的を達成するため、請求項10に係る本発明の電子機器は、筐体と;この筐体の内部に収容された第1の回路基板と;上記筐体の内部に収容された第2の回路基板と;この第2の回路基板にコネクタを介して実装され、動作中に発熱する回路部品と;を備えている。そして、上記第2の回路基板は、上記筐体に固定されているとともに、この筐体への固定部から遠ざかった位置において、変位可能な接続手段を介して上記第1の回路基板に電気的に接続されていることを特徴としている。
【0020】このような構成によると、第1の回路基板と第2の回路基板とを接続する接続手段は変位可能であるから、筐体を経由して加わる振動や衝撃が第2の回路基板に伝えられると、接続手段が変位することにより筐体からの振動や衝撃を吸収する。このため、第2の回路基板と回路部品とを接続するコネクタに過大な負荷や歪が生じるのを防止することができ、第2の回路基板と回路部品との電気的な接続の信頼性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態をポータブルコンピュータに適用した図面にもとづいて説明する。図1は、電子機器としてのブック形のポータブルコンピュータ1を開示している。このポータブルコンピュータ1は、コンピュータ本体2と、このコンピュータ本体2に支持されたディスプレイユニット3とを備えている。
【0022】コンピュータ本体2は、箱状の筐体4を有している。この筐体4は、マグネシウム合金のような熱伝導性を有する金属材料にて構成されている。筐体4は、底壁4aと、この底壁4aと向かい合う上壁4bと、これら底壁4aと上壁4bとを結ぶ前壁4c、左右の側壁4dおよび後壁4eとを有している。そして、この筐体4は、厚み寸法が20mm程度に定められており、従来一般的なポータブルコンピュータに比べて薄型化が強化されている。
【0023】筐体4の上壁4bは、パームレスト6とキーボード装着口7とを有している。パームレスト6は、上壁4bの前半部において筐体4の幅方向に沿って延びている。キーボード装着口7は、筐体4の内部に向けて凹むような凹所にて構成され、このキーボード装着口7にキーボード8が取り付けられている。
【0024】図1に示すように、筐体4の上壁4bは、上向きに突出する一対のディスプレイ支持部10a,10bを有している。ディスプレイ支持部10a,10bは、上壁4bの後端部において、筐体4の幅方向に互いに離間して配置されている。
【0025】ディスプレイユニット3は、偏平な箱状のディスプレイハウジング11と、このディスプレイハウジング11に収容された液晶表示装置12とを備えている。ディスプレイハウジング11は、表示用開口部13が形成された前面を有している。液晶表示装置12は、文字や画像等が表示される表示画面12aを有し、この表示画面12aは、表示用開口部13を通じてディスプレイハウジング11の外方に露出されている。
【0026】ディスプレイハウジング11は、一対の脚部14a,14bを有している。脚部14a,14bは、ディスプレイ支持部10a,10bに導かれているとともに、ヒンジ装置15(図2に示す)を介して筐体4に回動可能に支持されている。このため、ディスプレイユニット3は、パームレスト6やキーボード8を上方から覆うように倒される閉じ位置と、パームレスト6、キーボード8および表示画面12aを露出させる開き位置とに亘って選択的に回動し得るようになっている。
【0027】図1および図2に示すように、筐体4の内部には、システム基板を構成する第1の回路基板20が収容されている。第1の回路基板20は、パームレスト6およびキーボード8の下方において、筐体4の底壁4aと平行に配置されている。第1の回路基板20は、底壁4aと向かい合う裏面20aと、上壁4bおよびキーボード装着口7と向かい合う表面20bとを有している。この第1の回路基板20の裏面20aおよび表面20bには、夫々半導体パッケージのような多数の回路構成部品21が実装されている。
【0028】そのため、第1の回路基板20と筐体4の底壁4aおよびキーボード装着口7との間には、回路構成部品21を収めるスペース22a,22bが確保されており、この第1の回路基板20は、筐体4の厚み方向の中間部に位置されている。
【0029】また、第1の回路基板20は、その右側縁部と後縁部とで規定される角部に、図1に示すような切り欠き23を有している。切り欠き23は、キーボード8の右端部の下方に位置され、筐体4の右側の側壁4dに隣接されている。
【0030】図3に示すように、筐体4の内部には、回路モジュール25が収容されている。回路モジュール25は、モジュール基板としての第2の回路基板26と、この第2の回路基板26に実装された回路部品としてのMPU:microprocessing unit27とを備えている。
【0031】第2の回路基板26は、第1の回路基板20の切り欠き23に対応した位置に設置されている。この第2の回路基板26は、筐体4の底壁4aの内面に沿うように配置されており、上記筐体4の内部において、第1の回路基板20よりも低い位置に配置されている。このため、第1の回路基板20と第2の回路基板26とは、筐体4の厚み方向に互いにずれて配置されている。
【0032】第2の回路基板26は、裏面26aと表面26bとを有している。第2の回路基板26の裏面26aは、筐体4の底壁4aに対し僅かなクリアランスを存して向かい合っている。第2の回路基板26の表面26bは、図4に示すようなMPU実装領域28を有している。このMPU実装領域28は、筐体4の内部に臨んでいる。
【0033】MPU実装領域28には、四つの通孔29が形成されている。通孔29は、四角形の角部の位置関係を保って配置されており、これら通孔29で囲まれた部分にBGA 形の第1のMPU コネクタ30が実装されている。第1のMPU コネクタ30は、偏平なコネクタボディ30aと、このコネクタボディ30aに支持された多数のピン端子30bとを有している。コネクタボディ30aは、多数の半田ボール(図示せず)を介して第2の回路基板26のMPU実装領域28に半田付けされている。
【0034】MPU実装領域28には、MPUホルダ32が配置されている。MPUホルダ32は、金属製のフレーム33と、このフレーム33に固定された四つのボス部34とを有している。フレーム33は、平坦な板状をなしており、上記第2の回路基板26の表面26bに重ね合わされている。ボス部34は、上記通孔29に対応する位置に配置されているとともに、夫々MPU実装領域28の上方に向けて突出されている。
【0035】図4に示すように、上記発熱するMPU27は、上記MPUホルダ32を介して第2の回路基板26のMPU実装領域28に実装されている。MPU27は、マルチチップ・モジュール(以下MCMと称する)36と、このMCM36を収容するケース37とを備えている。
【0036】MCM36は、多層構造の配線基板38と、この配線基板38の表面に実装されたBGA 形の半導体パッケージ39と、配線基板38の表面および裏面に実装された複数のQFP 形の半導体パッケージ40と、配線基板38の裏面に実装されたBGA 形の第2のMPU コネクタ41とを備えている。
【0037】BGA 形の半導体パッケージ39は、ベース基板43とICチップ44とを有している。ベース基板43は、配線基板38の表面に実装されている。ICチップ44は、ベース基板43に多数の半田ボールを介してフリップチップ接続されている。このICチップ44は、文字、音声、画像のような多用なマルチメディア情報を処理するため、動作中の消費電力が大きくなっており、それに伴いICチップ44の発熱量も冷却を必要とする程に大きなものとなっている。
【0038】上記ケース37は、アルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成されている。このケース37は、ケース本体45と、このケース本体45に嵌合された裏蓋46とを備え、全体として偏平な四角形の箱形をなしている。
【0039】ケース本体45は、配線基板38の表面および半導体パッケージ39,40を覆っている。このケース本体45の四つの角部には、凹部47が形成されている。凹部47は、MPUホルダ32のボス部34に対応するもので、夫々挿通孔48を有している。これら凹部47の底は、配線基板38の表面に隣接されている。裏蓋46は、その外周縁部がケース本体45に取り外し可能に引っ掛かっており、配線基板38の裏面やそこに実装された半導体パッケージ40を覆っている。この裏蓋46は、ケース本体45の凹部47と協働して上記配線基板38を挟んでおり、このことにより、配線基板38とケース37とが一体化されている。
【0040】図7に示すように、配線基板38の第2のMPU コネクタ41は、裏蓋46を貫通してケース37の外方に露出されている。第2のMPU コネクタ41は、偏平なコネクタボディ41aと、このコネクタボディ41aに支持された多数のピン端子41bとを有している。コネクタボディ41aは、図示しない半田ボールを介して配線基板38の裏面に半田付けされている。
【0041】第1のMPU コネクタ30のコネクタボディ30aと第2のMPU コネクタ41のコネクタボディ41aとは、互いに取り外し可能に嵌合されている。この嵌合により、ピン端子30b,41bが互いに接触し合い、MPU27と第2の回路基板26とが電気的に接続されている。
【0042】なお、上記コネクタボディ30a,41aの嵌合長は、MPU27と第2の回路基板26との接続部の薄型化を図るために、通常のスタッキングコネクタよりも短く設定されている。
【0043】ケース37の裏蓋46は、MPUホルダ32に重ねられている。このMPUホルダ32のボス部34は、裏蓋46を貫通してケース37内に挿入されており、これらボス部34の先端が配線基板38の裏面に接している。そのため、MPU27は、第2の回路基板26の表面26bに沿うような横置きの姿勢で筐体4の内部に収められている。そして、図3に示すように、MPU27は、第1の回路基板20に隣接されているとともに、この第1の回路基板20と略同一高さに位置されている。
【0044】また、図4や図8に示すように、ケース37のケース本体45は、発熱するICチップ44に対応する位置に開口部49を有している。開口部49は、ICチップ44よりも大きな開口形状を有し、この開口部49を通じてICチップ44がケース37の外方に露出されている。
【0045】図5、図6および図8に示すように、上記回路モジュール25は、ICチップ44の放熱を促進させるための冷却装置51を備えている。この冷却装置51は、ヒートシンク52、ヒートパイプ53および電動式のファンユニット54とで構成されている。
【0046】ヒートシンク52は、平坦な長方形板状の放熱パネル55を有している。この放熱パネル55は、筐体4の幅方向に沿って延びている。放熱パネル55は、第1の基盤56と、この第1の基盤56に重ね合わされた第2の基盤57とを備えている。第1の基盤56は、アルミニウム合金をダイカスト成形することで構成され、平坦な下面56aおよび上面56bを有している。
【0047】図9は、放熱パネル55を第1の基盤56の下面56aの方向から見た状態を示している。この図9に最も良く示されるように、第1の基盤56は、受熱部60と、ファン取り付け部61とを有している。これら受熱部60とファン取り付け部61とは、第1の基盤56の下面56aにおいて、放熱パネル55の長手方向に互いに並べて配置されている。
【0048】受熱部60は、MPU27のケース37が重ね合わされる平坦な受熱面62を有している。この受熱面62には、下向きに僅かに突出する座部63が形成されている。この座部63は、ケース本体45の開口部49と向かい合う平坦な座面63aを有している。座部63の周囲には、受熱面62から下向きに突出する四つのボス部64が配置されている。ボス部64は、MPU27のケース37の凹部47に対応するもので、夫々凹部47の挿通孔48に連なるねじ挿通孔65を有している。ねじ挿通孔65は、第1の基盤56の上面56bに開口されている。
【0049】上記ファン取り付け部61は、平滑なガイド面67を有している。ガイド面67は、受熱部60の受熱面62に連なっている。そのため、受熱部60とファン取り付け部61とは、同一平面上に位置されている。
【0050】第2の基盤57は、固有の熱膨張率α2 を有する銅板にて構成されている。この第2の基盤57の熱膨張率α2 は、第1の基盤56の熱膨張率α1 よりも大きく定められている。第2の基盤57は、第1の基盤66の上面に隙間なく重ね合わされており、これら第1および第2の基盤56,57の接触部分の熱抵抗が小さく抑えられている。
【0051】第2の基盤57は、第1の基盤56の上面56bにおいて、上記受熱部60からファン取り付け部61に跨って配置されている。この第2の基盤57は、第1の基盤56の周囲に張り出す複数の支持部68を一体に有している。これら支持部68は、第1の基盤56の受熱部60およびファン取り付け部61に夫々対応した位置に配置されている。
【0052】図3に示すように、上記放熱パネル55の受熱部60は、MPU27の上方からケース37に重ね合わされており、この受熱部60のボス部64の先端がケース37の凹部47の底を貫通して配線基板38の表面に接している。受熱部60の二つのボス部64のねじ挿通孔65には、夫々放熱パネル55の上方からねじ70が挿入されている。ねじ70は、凹部47の挿通孔48、配線基板38を貫通してMPUホルダ32のボス部34および第2の回路基板26の通孔29にねじ込まれている。
【0053】また、図9に示すように、第2の回路基板26の残りの通孔29には、この第2の回路基板26の下方から他のねじ71が挿通されている。ねじ71は、配線基板38、凹部47の挿通孔48を貫通して受熱部60の残りのボス部64のねじ挿通孔65にねじ込まれている。
【0054】そのため、図3や図6に示すように、ヒートシンク52と第2の回路基板26とは、MPU27を挟み込んだ状態で互いに結合されている。この結合により、MPU27が第2の回路基板26の表面26bに押し付けられ、第1のMPU コネクタ30と第2のMPU コネクタ41との嵌合が維持されている。それとともに、放熱パネル55の受熱部60がMPU27に固定され、受熱部60の座面63aが発熱するICチップ44と僅かな隙間を介して向かい合っている。そして、この座面63aとICチップ44との間には、熱伝導性を有するグリス72が介在されており、このグリス72を介して座面63aとICチップ44とが熱的に接続されている。
【0055】図3に示すように、ヒートシンク52の放熱パネル55をMPU27のケース37に結合した状態では、そのファン取り付け部61がMPU27や第2の回路基板26の側方に突出されている。そして、このファン取り付け部61は、放熱パネル55の周囲に張り出す一対のブラケット部74a,74bを有している。ブラケット部74a,74bは、ファン取り付け部61の突出端に位置されている。これらファン取り付け部61は、図5の(B)に示すように、筐体4の底壁4aと向かい合うとともに、この底壁4aから上向きに延びる複数の取り付け座75にねじ76を介して固定されている。そのため、ブラケット部74a,74bは、放熱パネル55の筐体4への固定部となっており、これらブラケット部74a,74bは、上記第1および第2のコネクタ30,41から筐体4の右側方に充分に遠ざけられている。
【0056】図3に示すように、ヒートシンク52は、上記筐体4の内部において、この筐体4の底壁4aと平行に配置されている。この結果、ファン取り付け部61のガイド面67は、筐体4の右側の側壁4dに隣接した位置において、底壁4aと向かい合っているとともに、上記MPU27にしても、ヒートシンク52から吊り下げられた状態で、このヒートシンク52に固定されている。
【0057】図6、図8および図9に示すように、上記ヒートパイプ53は、放熱パネル55の長軸方向の一辺に沿って延びる第1のパイプ部78aと、放熱パネル55の短軸方向の一辺に沿って延びる第2のパイプ部78bとを有している。これら第1および第2のパイプ部78a,78bは、上記第2の基盤57の支持部68にかしめて固定されている。第1のパイプ部78aの一端および第2のパイプ部78bは、受熱部60の近傍に位置されているとともに、第1のパイプ部78aの他端は、ファン取り付け部61の近傍に位置されている。
【0058】したがって、ヒートパイプ53は、第2の基盤57を介して受熱部60およびファン取り付け部61に夫々熱的に接続されているとともに、ヒートシンク52の放熱パネル55を取り囲んだ状態で受熱部60とファン取り付け部61とに跨って配置されている。
【0059】上記ファンユニット54は、ファン取り付け部61のガイド面67に支持されている。ファンユニット54は、ファンケーシング80と、このファンケーシング80に支持されたファン81とを備えている。
【0060】ファンケーシング80は、例えばアルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成されている。ファンケーシング80は、四つの角部を有する偏平な四角形の枠状をなしている。このファンケーシング80の厚み寸法は、上記MPU27のケース37の厚み寸法と略同等に定められている。そして、ファンケーシング80は、その四つの角部がねじ82を介してファン取り付け部61のガイド面67に固定されている。そのため、ファンケーシング80は、ヒートシンク52の放熱パネル55に吊り下げた姿勢で保持されている。
【0061】ファンケーシング80は、吸込口84と排出口85とを有している。吸込口84は、ファン取り付け部61のガイド面67と向かい合っている。排出口85は、吸込口84に隣接されているとともに、この吸込口84に連なっている。
【0062】吸込口84の内周縁部には、径方向内側に向けて延びる複数のステー86が形成されており、これらステー86の先端部に円盤状のモータ支持部87が形成されている。モータ支持部87は、偏平なDCブラシレスモータ89(図3に示す)を支持している。モータ89は、ファンケーシング80の厚み方向に延びる回転軸90を有している。このモータ89は、図示しないリード線を介して第2の回路基板26に電気的に接続されている。そして、モータ89は、MPU27の温度が予め決められた値に達した時に駆動されるようになっている。
【0063】上記ファン81は、モータ89の回転軸90に支持されている。ファン81は、吸込口84と向かい合っており、このファン81の径方向外側に上記排出口85が位置されている。
【0064】ファンユニット54は、吸込口84を通る回転軸線O1 を有している。回転軸線O1 は、回転軸90の軸方向に延びている。そして、ファンユニット54は、上記回転軸線O1 を放熱パネル55のガイド面67と直交させた横置きの姿勢でファン取り付け部61に固定されている。そのため、ファンユニット54は、放熱パネル55に沿うように配置されており、そのファンケーシング80の吸込口84が筐体4の底壁4aと僅かな隙間を存して向かい合っている。
【0065】ファンケーシング80の排出口85は、上記MPU27とは反対側に向けて開口されている。この排出口85は、筐体4の右側の側壁4dと向かい合っており、この側壁4dには、排出口85に連なる排気口92が形成されている。
【0066】図3および図5の(A)に示すように、上記回路モジュール25の第2の回路基板26は、第1の回路基板20の下方に入り込むように延長された接続部94を有している。接続部94は、上記放熱パネル55のブラケット部74とはファンユニット54およびMPU27を挟んだ反対側に位置されており、放熱パネル55の筐体4への固定部から充分に遠ざけられている。そして、接続部94は、第1の回路基板20の裏面20aと向かい合うとともに、接続手段としての一対のコネクタ装置95を介して第1の回路基板20に電気的に接続されている。
【0067】図10の(A)や図12に示すように、コネクタ装置95は、夫々プラグとしての第1のコネクタ96と、リセプタクルとしての第2のコネクタ97とを備えている。第1のコネクタ96は、第2の回路基板26の接続部94に支持されている。この第1のコネクタ96は、合成樹脂製のコネクタボディ98と、このコネクタボディ98に支持された多数のピン状の接触子99とを有している。
【0068】コネクタボディ98は、筐体4の奥行き方向に延びる細長いボックス構造をなしている。このコネクタボディ98は、固定部100と、可動部101とに分割されている。固定部100は、第2の回路基板26の接続部94に突き合わされた第1の端面102aと、この第1の端面102aとは反対側に位置された第2の端面102bとを有している。この固定部100には、コネクタボディ98の長手方向に延びるスリット103が形成されている。スリット103は、固定部100の第1および第2の端面102a,102bに夫々開口されている。
【0069】可動部101は、固定部100の第2の端面102bと向かい合う第1の端面105aと、この第1の端面105aとは反対側に位置された第2の端面105bとを有している。この可動部101は、第1の端面105aに開口された連通凹部106と、第2の端面105bに開口された嵌合凹部107とを有している。連通凹部106および嵌合凹部107は、夫々コネクタボディ98の長手方向に延びており、この連通凹部106は、固定部100のスリット103と向かい合っている。
【0070】そして、図10の(B)に示すように、固定部100の第2の端面102bと可動部101の第1の端面105aとの間には、隙間108が形成されている。この隙間108は、固定部100のスリット103および可動部101の連通凹部106に夫々連なっている。
【0071】上記ピン状の接触子99は、燐青銅板にて構成されている。接触子99は、固定部100と可動部101とに跨っているとともに、コネクタボディ98の長手方向に微細なピッチを存して配置されている。接触子99は、固定部100に保持された第1の部分112と、可動部101に保持された第2の部分113と、コネクタボディ98の隙間108を貫通する第3の部分114とを備えている。
【0072】接触子99の第1の部分112は、固定部100に一体にモールドされている。第1の部分112の一端は、スリット103に導かれてコネクタボディ98の高さ方向に延びている。第1の部分112の他端は、固定部100の外方に引き出されて、コネクタボディ98の幅方向外側に向けて延びる脚部115を構成している。
【0073】接触子99の第2の部分113は、可動部101の嵌合凹部107の内面から連通凹部106の内面に跨るように一体にモールドされている。第2の部分113は、嵌合凹部107を通じてコネクタボディ98の外方に露出されているとともに、このコネクタボディ98の高さ方向に沿って延びている。
【0074】図10の(B)に最も良く示されるように、接触子99の第3の部分114は、上記第1の部分112と第2の部分113とに跨っている。第3の部分114は、コネクタボディ98の幅方向に延びる主部117と、これら主部117の両端からコネクタボディ98の高さ方向に沿って互いに逆向きに曲げられた一対の曲げ部118a,118bとを有している。一方の曲げ部118aは、隙間108を介して固定部100のスリット103に臨むとともに、第1の部分112に連なっている。他方の曲げ部118bは、隙間108を介して可動部101の連通凹部106に臨むとともに、第2の部分113に連なっている。
【0075】そのため、接触子99の第3の部分114は、クランク状に折り曲げられており、このことにより、第3の部分114にばね性が付与されている。この結果、コネクタボディ98の固定部100と可動部101とは、上記多数の接触子99を介して互いに連結されており、これら接触子99の第3の部分114のばね性により、可動部101が固定部100に対し変位可能にフローティング支持されている。
【0076】また、図12や図13に示すように、コネクタボディ98の長手方向に離間された両端部には、夫々補強金具119がかしめ止めされている。第1のコネクタ96は、その接触子99の脚部115を第2の回路基板26上のパッド121(図10の(B)に示す)に半田付けするとともに、補強金具119を第2の回路基板26に半田付けすることにより、この第2の回路基板26に固定されている。
【0077】一方、上記第2のコネクタ97は、第1の回路基板20の裏面20aに実装されている。第2のコネクタ97は、図10の(B)に示すように、合成樹脂製のコネクタボディ123と、このコネクタボディ123に支持された多数のピン状の接触子124とを有している。
【0078】コネクタボディ123は、所定の高さ寸法、幅寸法および長さ寸法を有する細長いボックス構造をなしている。このコネクタボディ123は、第1の回路基板20の裏面20aに沿って延びる第1の端面125と、この第1の端面125の反対側に位置された第2の端面126とを有している。
【0079】コネクタボディ123は、その長手方向に延びるスリット状の凹部127を有している。凹部127は、コネクタボディ123の第1の端面125に開口されている。また、コネクタボディ123の第2の端面126の中央部には、嵌合凸部130が形成されている。嵌合凸部130は、コネクタボディ123の長手方向に沿って延びており、この嵌合凸部130は、第1のコネクタ96の嵌合凹部107に取り外し可能に嵌合されるようになっている。
【0080】上記ピン状の接触子124は、弾性を有する燐青銅板にて構成されている。接触子124は、コネクタボディ123の凹部127の内面に一体にモールドされており、このコネクタボディ123の長手方向に微細なピッチを存して配置されている。接触子124は、コネクタボディ123の第2の端面126を貫通して嵌合凸部130の両側面に導かれている。これら接触子124の先端部には、嵌合凸部130の側面から遠ざかる方向に湾曲された弾性変形部134が形成されている。
【0081】また、接触子124の弾性変形部134とは反対側の端部は、第1の端面125からコネクタボディ123の外方に導出されている。これら接触子134の導出部分は、コネクタボディ123の幅方向外側に向けて延びる脚部135を構成している。
【0082】また、図12に示すように、コネクタボディ123の長手方向に離間された両端部には、夫々補強金具136がかしめ止めされている。第2のコネクタ97は、その接触子124の脚部135を第1の回路基板20の裏面20aのパッド(図示せず)に半田付けするとともに、補強金具136を第1の回路基板20に半田付けすることにより、この第1の回路基板20の裏面20aに固定されている。
【0083】第1のコネクタ96の嵌合凹部107と第2のコネクタ97の嵌合凸部130とは、第1の回路基板20と第2の回路基板26の接続部94との間において互いに嵌合されている。そして、この嵌合により、接触子124の弾性変形部134が接触子99の第1の部分112に接触し、これら接触子99,124を介して第1および第2の回路基板20,26が電気的に接続されるようになっている。
【0084】このような構成のポータブルコンピュータ1において、MPU27のICチップ44が発熱すると、このICチップ44の熱は、グリス72を介して放熱パネル55の座部63に伝えられる。この熱は、座部63から受熱部60に伝達されるとともに、この受熱部60からファン取り付け部61に熱伝導により拡散される。
【0085】また、この放熱パネル55には、受熱部60とファン取り付け部61とに跨るヒートパイプ53が熱的に接続されているので、ICチップ44から受熱部60に伝えられた熱の一部は、第2の基盤57の支持部68を介してヒートパイプ53に伝えられる。そのため、受熱部60の熱は、ヒートパイプ53を介してファン取り付け部61に積極的に移される。
【0086】MPU27の温度が予め規定された値を上回ると、DCブラシレスモータ89を介してファン81が回転駆動される。このファン81の回転により、筐体4内の空気がファンケーシング80の吸込口84に吸い込まれ、この空気はファンケーシング80内を排出口85に向けて流れる。これにより、ファンケーシング80および放熱パネル55が空気を媒体とする強制対流により直接冷却されるとともに、この放熱パネル55のファン取り付け部61に伝えられた熱が空気流に乗じて外部に放出され、MPU27の放熱が促進される。そして、ファンケーシング80の排出口85に導かれた空気は、排気口92を介して筐体4の外方に放出される。
【0087】ところで、上記構成のポータブルコンピュータ1によると、MPU27と第2の回路基板26とは一つの回路モジュール25としてユニット化され、この第2の回路基板26は、システム基板としての第1の回路基板20とは切り離された別の部品となっている。
【0088】そして、MPU27の放熱を促進させるヒートシンク52は、第2の回路基板26と協働してMPU27を挟み込んでいるとともに、このヒートシンク52は、MPU27と第2の回路基板26とを接続する第1および第2のMPU コネクタ30,41に対し、ファン取り付け部61を挟んだ反対側において筐体4の取り付け座75にねじ76を介して固定されている。
【0089】そのため、回路モジュール25のMPU27および第2の回路基板26は、ヒートシンク52を介して間接的に筐体4に保持されることになり、上記MPU27と第2の回路基板26とを接続する第1および第2のMPU コネクタ30,41がヒートシンク52の筐体4への固定部から充分に遠ざかることと合わせて、ポータブルコンピュータ1の筐体4に振動や衝撃が加わっても、この振動が直接第1および第2のMPU コネクタ30,41に伝わり難くなる。
【0090】しかも、上記構成によれば、第1の回路基板20と第2の回路基板26とを電気的に接続するコネクタ装置95は、ヒートシンク52の筐体4への固定部から充分に遠ざかった位置、具体的にはヒートシンク52の固定部に対しファン取り付け部61および受熱部60を挟んだ反対側に位置されているとともに、このコネクタ装置95の第1のコネクタ96にあっては、第2のコネクタ97が嵌合される可動部101が第2の回路基板26に半田付けされた固定部100に対し変位可能にフローティング支持されている。
【0091】そのため、ヒートシンク52で減衰しきれなかった振動や衝撃がMPU27や第2の回路基板26を介して第1のコネクタ96に伝わると、接触子99の第3の部分114がそれ自身のばね性により変形する。
【0092】この結果、第1のコネクタ96の可動部101が固定部100とは独立して変位し、第2の回路基板26を介して伝わる振動や衝撃を吸収する。したがって、第1および第2のMPU コネクタ30,41の嵌合部分に筐体4からの振動や衝撃に伴う過大な負荷や歪が生じるのを未然に防止することができる。
【0093】よって、第1および第2のMPU コネクタ30,41のコネクタボディ30a,41aの嵌合長が短くても、これらコネクタボディ30a,41aの嵌合部分のずれを防止できるとともに、コネクタボディ30a,41aと第1および第2の回路基板20,26との半田付け部分の損傷を防止することができ、MPU27と第2の回路基板26との電気的接続の信頼性が向上する。
【0094】なお、上記実施の形態では、コネクタ装置の第1のコネクタのコネクタボディを固定部と可動部とに分割したが、本発明はこれに限らず、第2のコネクタをコネクタボディを固定部と可動部とに分割したり、あるいは第1および第2のコネクタの双方のコネクタボディを固定部と可動部とに分割しても良い。
【0095】また、第1の回路基板と第2の回路基板とを接続する手段は、フローティング式のコネクタ装置に限らず、このコネクタ装置の代わりにフレキシブルな配線基板を用いても良い。
【0096】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、筐体に加わる振動や衝撃がコネクタに直接伝わり難くなるとともに、たとえこの衝撃や振動がコネクタに伝えられたとしても、接続手段が変位することで筐体からの振動や衝撃を吸収するので、このコネクタの嵌合部分に過大な負荷や歪が生じるのを防止することができ、電気的接続の信頼性が向上するといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】ポータブルコンピュータの側面図。
【図3】第1の回路基板、回路モジュールおよび冷却装置との位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【図4】MPUを第2の回路基板から取り外した状態を示す斜視図。
【図5】(A)は、回路モジュールおよび冷却装置を筐体に収容した状態を示す平面図。(B)は、図5(A)の5F−5F線に沿う断面図。
【図6】回路モジュールに冷却装置を取り付けた状態を示す斜視図。
【図7】MPUの斜視図。
【図8】回路モジュールから冷却装置を取り外した状態を示す斜視図。
【図9】回路モジュールから冷却装置を取り外した状態を示す斜視図。
【図10】(A)は、第1のコネクタと第2のコネクタとが互いに分離された状態を示すコネクタ装置の断面図。(B)は、コネクタボディの可動部が接触子を介してフローティング支持された状態を示す断面図。
【図11】(A)は、第2の回路基板の接続部に第1のコネクタを実装した状態を示す断面図。(B)は、第1のコネクタの平面図。
【図12】第1のコネクタと第2のコネクタとが互いに分離された状態を示すコネクタ装置の断面図。
【図13】第1のコネクタの斜視図。
【符号の説明】
4…筐体
20…第1の回路基板
25…回路モジュール
26…第2の回路基板(モジュール基板)
27…回路部品(MPU)
30,41…コネクタ(第1および第2のMPU コネクタ)
51…冷却装置
52…ヒートシンク
95…接続手段(コネクタ装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 筐体と;この筐体の内部に収容された回路基板と;上記筐体の内部に収容され、上記回路基板に電気的に接続された回路モジュールと;を具備し、上記回路モジュールは、動作中に発熱する回路部品と、この回路部品にコネクタを介して接続されたモジュール基板と、このモジュール基板に取り付けられ、上記回路部品に熱的に接続されたヒートシンクと、を有し、上記回路モジュールのヒートシンクは、上記筐体に固定されているとともに、上記モジュール基板は、上記ヒートシンクの筐体への固定部から遠ざかった位置において、変位可能な接続手段を介して上記回路基板に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】 請求項1の記載において、上記回路基板は、上記筐体の底壁に沿うような姿勢でこの底壁に固定されているとともに、上記回路モジュールのモジュール基板は、上記回路基板を外れた位置において、上記筐体の内部に収容されていることを特徴とする電子機器
【請求項3】 請求項1の記載において、上記接続手段は、コネクタ装置であり、このコネクタ装置は、上記回路基板に半田付けされた多数の接触子を有する第1のコネクタボディと、上記モジュール基板に半田付けされた多数の接触子を有し、上記第1のコネクタボディに嵌合された第2のコネクタボディと、を含み、上記第1又は第2のコネクタボディの少なくともいずれか一方は、固定部と可動部とに分割され、これら固定部と可動部とは隙間を介して向かい合うとともに、このコネクタボディに対応する接触子は、上記固定部に保持された第1の部分と、上記可動部に保持された第2の部分と、上記隙間を貫通する第3の部分と、を有し、この接触子の第1の部分が上記回路基板又はモジュール基板の少なくともいずれか一方に半田付けされていることを特徴とする電子機器。
【請求項4】 請求項1の記載において、上記モジュール基板とヒートシンクとは、互いに協働して上記回路部品を挟み込んでいることを特徴とする電子機器。
【請求項5】 請求項1又は2の記載において、上記ヒートシンクは、上記回路部品の熱を受ける受熱部と、この受熱部に並べて配置されたファン取り付け部と、を有し、このファン取り付け部は、上記回路部品およびモジュール基板を外れた位置に突出されて上記筐体の底壁と向かい合うとともに、このファン取り付け部に送風用のファンユニットが取り付けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項6】 請求項5の記載において、上記筐体の底壁は、上記ファン取り付け部の突出端を支える取り付け座を有し、この取り付け座にファン取り付け部がねじを介して固定されていることを特徴とする電子機器。
【請求項7】 請求項6の記載において、上記モジュール基板は、上記ヒートシンクのファン取り付け部とは反対側に延長されて上記回路基板と向かい合う接続部を有し、この接続部と回路基板との間に上記コネクタ装置が介在されていることを特徴とする電子機器。
【請求項8】 請求項1の記載において、上記コネクタは、互いに嵌合されるとともに、この嵌合長が短い一対の偏平なコネクタボディを有し、一方のコネクタボディは回路基板に半田付けされ、他方のコネクタボディはモジュール基板に半田付けされていることを特徴とする電子機器。
【請求項9】 筐体と;この筐体の内部に収容された回路基板と;上記筐体の内部に収容され、上記回路基板に電気的に接続された回路モジュールと;上記筐体の内部に収容され、上記回路モジュールの放熱を促進させるための冷却装置と;を具備し、上記回路モジュールは、モジュール基板と、このモジュール基板にコネクタを介して接続されるとともに、上記冷却装置に熱的に接続された回路部品と、を有し、上記冷却装置は、上記筐体に固定されているとともに、上記モジュール基板は、上記冷却装置の筐体への固定部から遠ざかった位置において、変位可能な接続手段を介して上記回路基板に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項10】 筐体と;この筐体の内部に収容された第1の回路基板と;上記筐体の内部に収容された第2の回路基板と;この第2の回路基板にコネクタを介して実装され、動作中に発熱する回路部品と;を具備し、上記第2の回路基板は、上記筐体に固定されているとともに、この筐体への固定部から遠ざかった位置において、変位可能な接続手段を介して上記第1の回路基板に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図5】
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【図9】
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【図13】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2000−10665(P2000−10665A)
【公開日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−178786
【出願日】平成10年6月25日(1998.6.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000221052)東芝コンピュータエンジニアリング株式会社 (9)
【Fターム(参考)】