説明

電子機器

【課題】不用意な表示部の旋回または回動を防止およびヒンジ機構の破損を防止することが可能な電子機器を得る。
【解決手段】本発明の電子機器11は、一対の凸部18、19を有する本体12、表示部13、ヒンジ機構14、一対の係止部21、および第1の突起41を具備する。ヒンジ機構14は閉状態P1と、開状態P2との間で表示部13を回動可能に支持する回動軸27と、第1の状態S1と第2の状態S2との間で表示部13を旋回可能に支持する旋回軸28とを有する。一対の係止部21は、一対の凸部18,19の側面18A、19Aに設けられる。第1の突起41は、脚部20から軸線α方向に突出し、表示部13が第1の状態S1のとき、一対の係止部21の一方に係止され、表示部13が第2の状態S2のとき、一対の係止部21の他方に係止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部を回転させるためのヒンジ機構を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、本体に対して表示部を回転させることが可能な電気機器がある。この電子機器は、本体と、表示部と、本体と表示部との間に設けられたヒンジ機構と、表示部と本体とを接続するようにヒンジ機構内を通るケーブルとを備えている。ヒンジ機構は、本体に対して表示部を開閉方向に回動させるための第1軸と、本体に対して表示部を水平方向に旋回させるための第2軸と、を備えている。さらにヒンジ機構は、この第2軸を中心に表示部が旋回し過ぎるのを防止するためのストッパと、このストッパが係合する溝とを含んでいる。
【0003】
上記従来例の電子機器では、ストッパおよび溝により、表示部が第2軸を中心に同一方向に何度も旋回するのを阻止して、ケーブルをねじ切ってしまうことから防いでいる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−62398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来例では、ヒンジ機構にストッパおよび溝が設けられているため、表示部にユーザが強い力で回転力を加えた場合には、梃子の原理によってストッパおよび溝に大きな力がかかり、ストッパないし溝あるいはヒンジ機構そのものが破損するおそれがあった。
【0005】
本発明の目的は、不用意な表示部の旋回または回動を防止およびヒンジ機構の破損を防止することが可能な電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、上面から突出するとともに互いに離間して設けられる一対の凸部を有する本体と、表示面と、この表示面とは反対側の背面と、前記一対の凸部の間に連結される脚部とを有する表示部と、前記本体と前記表示部とを連結するとともに、前記本体に対して前記表示部が被さっている閉状態と、前記本体に対して前記表示部が起立している開状態との間で前記表示部を回動可能に支持する回動軸と、前記表示部が前記開状態にあるときに、前記表示面が正面を向いている第1の状態と、前記背面が正面を向いている第2の状態との間で前記表示部を旋回可能に支持する旋回軸と、を有するヒンジ機構と、前記一対の凸部の互いに対向する側面に設けられる一対の係止部と、前記表示部の前記脚部から前記回動軸の軸線方向に突出するとともに、前記表示部が前記第1の状態のとき、前記一対の係止部の一方に係止され、前記表示部が前記第2の状態のとき、前記一対の係止部の他方に係止される第1の突起と、を具備する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不用意な表示部の旋回または回動を防止およびヒンジ機構の破損を防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面を参照して、電子機器の実施形態について説明する。
【0009】
図1から図3に示すように、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、本体12、表示部13、ヒンジ機構14、第1の旋回規制機構15、第2の旋回規制機構16、ロック機構17、一対の凸部である第1の凸部18および第2の凸部19、図示しない入力用ペンを備えている。表示部13は、タブレットを有する表示面である液晶ディスプレイ23と、背面22と、指紋認証装置24と、を有している。
【0010】
液晶ディスプレイ23は、本体12に内蔵された回路基板に接続されて情報を表示する表示装置の一例であって、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、表面伝導型電子放出素子ディスプレイなどであってもよい。指紋認証装置24は、表示部13の右下方で、後述する第1の旋回規制機構15の近傍に設けられている。
【0011】
表示部13は、図1に示すように、ヒンジ機構14を介して本体12と連結される脚部20を有している。
【0012】
ヒンジ機構14は、図3に示すように、回動軸27と、旋回軸28と、ベースプレート29とを有している。ヒンジ機構14は、本体12と表示部13とを連結している。回動軸(回動アーム)27は、軸線α方向に伸びている。回動軸27の端部にはヒンジブラケット31が連結されており、表示部13の内部に固定されている。回動軸27は表示部13の脚部20の内部に配置されている。
【0013】
回動軸27は、図2と図3に示すように、軸線αを中心に表示部13を回動させることができる。この回動軸27により、表示部13は、図2に示すように本体12に対して被さっている閉状態P1と、図1に示すように本体12に対して起立している開状態P2と、の間で回動できる。
【0014】
旋回軸28は、その軸線βを中心に回動軸27を旋回できるように、回動軸27に連結されている。軸線βは、本体12の上面の法線Aに対して本体12の背面方向に傾倒している。このため、表示部13の旋回する旋回方向も水平方向に対して傾いており、表示部13を旋回させる際に表示部13の下端がキーボード32に接触することが防止されている。開状態P2にある表示部13は、旋回軸28により図1に示す液晶ディスプレイ23が正面を向いている第1の状態S1と、図24に示す背面22が正面を向いている第2の状態S2と、の間で旋回できる。ベースプレート29は、旋回軸28を垂直に支持している。
【0015】
本体12は、樹脂製の筐体34と、第1の凸部18および第2の凸部19と、この筐体34の上面に載置されるキーボード32と、タッチパッド35とを有している。筐体34の後部上面から第1の凸部18と第2の凸部19とが上方に向かって突出している。図2に示すように、第1の凸部18と第2の凸部19の互いに対向する側面18A、19Aには、一対の係止部21が設けられている。一対の係止部21は、後述するように、第1の係止部42および第2の係止部46を含んでいる。第1の凸部18および第2の凸部19内部には図示しないスピーカ装置を内蔵しており、それぞれスピーカ装置用の孔37を有している。ヒンジ機構14は第1の凸部18と第2の凸部19との間に配置されている。
【0016】
第1の旋回規制機構15は、図2、4に示すように、脚部20の側面20Aと第1の凸部18の側面18Aとの間に設けられている。第1の旋回規制機構15は、表示部13の旋回方向を一方向に規制している。図5と図6に示すように、第1の旋回規制機構15は、脚部20の側面20Aから軸線α方向に突出するように形成される第1の突起である固定突起41と、前記一対の係止部21の一方として第1の凸部18の側面18Aに形成される第1の係止部42と、を含んでいる。固定突起41は、例えば樹脂により、円柱形状に形成されている。固定突起41の中心は、回動軸27の軸線αの延長線上に配置している。このため、固定突起41は、表示部13が第1の状態S1にあって、開状態P2と閉状態P1との間で回動に伴って軸線αを中心に回転する。第1の突起である固定突起41は、表示部13が第1の状態S1のとき、一対の係止部21の一方である第1の係止部42に係止され、表示部13が第2の状態S2のとき、一対の係止部21の他方である第2の係止部46に係止される。
【0017】
図6と図7に示すように、第1の係止部42は、例えば、ポータブルコンピュータ11の背面方向に閉じた馬蹄形をなして、第1の凸部18と一体に形成される。第1の係止部42は、旋回軸28の旋回方向に向かって開放される開放部42Aを有しており、この開放部42Aは、表示部13とともに固定突起41を旋回させる方向に配置されている。本実施形態では、表示部13の旋回方向は、上記のように水平方向に対して上側に傾いている。このため、第1の係止部42の開放部42Aは、斜め上方を向いている。第1の係止部42は、馬蹄形をなしているが、これに限定されるものではない。第1の係止部42は、「C」字状、「コ」字状、「<」字状、「U」字状であっても良いし、固定突起41を引っ掛けることができる鍵形状であっても良い。
【0018】
第1の係止部42は、開放部42Aの開口端を規定する一対の端部42Bを含んでいる。一対の端部42Bのうち、下方に位置する端部42Bは、先端に向けて細くなるテーパ形状をなしている。表示部13が図24に示す第2の状態S2から図1に示す第1の状態S1に旋回される際には、図7に示すように、旋回中の固定突起41aは、端部42Bのテーパ面によって案内され、固定突起41は、第1の係止部42の内側に嵌まる。もっとも、一対の端部42Bのうち、上方に位置する端部42Bのみをテーパ形状にしても良いし、一対の端部42Bの両先端をテーパ形状にしても良い。
【0019】
図6と図8に示すように、少なくとも第1の係止部42の開放部42Aとは反対に位置する外周部42Cは、テーパ形状をなしており、後述するロック機構17が乗り越え易いようにしている。一方、図8に示すように、第1の係止部42の内周部42Dは、第1の凸部18の側面18Aに対して、直交している。
【0020】
図7に示すように、第1の係止部42は、旋回軸28の旋回方向において、開放部42Aとは反対側に壁部42Eを有している。第1の突起である固定突起41が第1の係止部42の壁部42Eに当接することで、表示部13の旋回方向とは反対方向への旋回を規制している。
【0021】
図7と図8に示すように、固定突起41は、表示部13が第1の状態S1にあるときに、第1の係止部42によって取り囲まれるように第1の係止部42の内側にきっちりと嵌まっている。この状態において、表示部13を図1に示す開状態P2と図2に示す閉状態P1との間で回動する場合には、固定突起41は、第1の係止部42によって上下方向と背面方向とが支持される。このため、第1の係止部42は、表示部13の回動に伴って回転する固定突起41に対する軸受けを兼ねている。
【0022】
図7に示すように、第1の係止部42は、内周部42Dの底からわずかに隆起した第1の抜止部44を有している。第1の抜止部44は、表示部13が回動する際などに、固定突起41が第1の係止部42から容易に抜けないように機能する。
【0023】
第2の旋回規制機構16は、図2、7に示すように、脚部20の側面20Aと第2の凸部19の側面19Aとの間に設けられている。図2と図9に示すように、第2の旋回規制機構16は、第1の旋回規制機構15に対してヒンジ機構14を間に挟んだ反対側に設けられている。第2の旋回規制機構16は、表示部13の旋回できる角度を規定している。
【0024】
図9と図10に示すように、第2の旋回規制機構16は、前記固定突起41と、一対の係止部21の他方として第2の凸部19の側面19Aに形成される第2の係止部46とを含んでいる。すなわち、表示部13が図24に示す第2の状態S2にあるときには、固定突起41は、ヒンジ機構14を間に挟んだ反対側に旋回しており、第2の旋回規制機構16の一部として機能する。つまり、固定突起41は、第1の旋回規制機構15と第2の旋回規制機構16とによって共有されている。表示部13が第2の状態S2にある場合に、固定突起41の中心は、回動軸27の軸線αの延長線上に配置する。表示部13が第2の状態S2にあって、開状態P2と閉状態P1との間で回動に伴って軸線αを中心に回転する。
【0025】
図10に示すように、第2の係止部46は、ポータブルコンピュータ11の背面方向に閉じた馬蹄形をなして、第2の凸部19と一体に形成されている。第2の係止部46は、旋回軸28の旋回方向に向かって開放される開放部46Aを有しており、開放部46Aは、表示部13とともに旋回されてきた固定突起41を受容する方向に配置されている。本実施形態では表示部13の旋回方向は、上記のように水平方向に対して上側に傾いているので、第2の係止部46は、開放部46Aを斜め上方に向けている。第2の係止部46は、馬蹄形をなしているが、これに限定されるものではない。第2の係止部46は、「C」字状、「コ」字状、「<」字状、「U」字状であっても良いし、固定突起41を引っ掛けることができる鍵形状であってもよい。
【0026】
第2の係止部46は、開放部46Aの開口端を規定する一対の端部46Bを含んでいる。一対の端部46Bのうち、下方に位置する端部46Bは、先端に向けて細くなるテーパ形状をなしている。表示部13が図1に示す第1の状態S1から図24に示す第2の状態S2に旋回される際には、図10に示すように、旋回中の固定突起41bは、端部46Bのテーパ面によって案内され、固定突起41は、第1の係止部42の内側に嵌まる。もっとも、一対の端部46Bのみをテーパ形状にしても良いし、一対の端部42Bの両先端をテーパ形状にしても良い。
【0027】
図9と図15に示すように、少なくとも第2の係止部46の開放部46Aとは反対に位置する外周部46Cは、テーパ形状をなしており、後述するロック機構17が乗り越え易いようにしている。一方、図15に示すように、第2の係止部46の内周部46Dは、第2の凸部19の側面19Aに対して、直交している。
【0028】
図10に示すように、固定突起41は、表示部13が第2の状態S2にあるときに、第2の係止部46によって取り囲まれるように、第2の係止部46の内側にきっちりと嵌まっている。図24に示す開状態P2と図25に示す閉状態P1との間で、表示部13を回動する際には、固定突起41は、第1の係止部42によって上下方向と背面方向とが支持される。このため、第2の係止部46は、表示部13の回動に伴って回転する固定突起41に対する軸受けを兼ねている。
【0029】
図10に示すように、第2の係止部46は、内周部46Dの底からわずかに隆起した第2の抜止部47を有している。第2の抜止部47は、表示部13が回動する際などに、固定突起41が第2の係止部46から容易に抜けないように機能する。
【0030】
図10に示すように、第2の係止部46は、旋回軸28の旋回方向において、開放部46Aとは反対側に壁部46Eを有している。固定突起41が第2の係止部46の壁部46Eに当接することで、表示部13の旋回方向とは反対方向への旋回を規制している。
【0031】
図11から図13に、ロック機構17を示している。ロック機構17は、回動軸27の延長線上で、ポータブルコンピュータ11の左部に設けられている。ロック機構17は、表示部13の外周部に設けられ、固定突起41に対してヒンジ機構14を間に挟んだ反対側の位置している。ロック機構17は、表示部13が開状態P2にあるときに表示部13の旋回を許容するとともに、表示部13が閉状態P1にあるときに表示部13の更なる旋回を阻止している。
【0032】
ロック機構17は、脚部20の側面20Bに軸線α方向に進退可能に突出する第2の突起である可動突起51と、可動突起51を脚部20から突出する方向に付勢するばね部材52と、可動突起51の進退を案内するガイドリブ53と、可動突起51の回転を阻止する回転止め機構54と、を有している。ばね部材52は、圧縮ばねであり、可動突起51の後退を受容することができる。ガイドリブ53は、表示部13の筐体55の内面より突出している。
【0033】
図13に示すように、可動突起51は、固定突起41と同径の円柱形状の一部をテーパ状に面取りした形状をなしている。すなわち、可動突起51は、固定突起41と同径の円弧をなしている円弧部51Aと、第1の係止部42と第2の係止部46とに沿って摺動する第1のテーパ面51Bおよび第2のテーパ面51Cと、を有している。
【0034】
図13(c)に示すように、円弧部51Aは、頂面51Dと側面51Eとが直角になっており、表示部13が閉状態P1にある際に、第1の係止部42と第2の係止部46とに突き当たることができる。図13(a)に示すように、第1のテーパ面51Bは、頂面51Dおよび側面51Eに対して斜めになっている。同様に、第2のテーパ面51Cは、頂面51Dおよび側面51Eに対して斜めになっている。図13(b)に示すように、第1のテーパ面51Bおよび第2のテーパ面51Cは頂面51Dを挟んで両側に形成されている。
【0035】
可動突起51は、図14(a)に示すように、表示部13が第1の状態S1にあるときに第2の旋回規制機構16の第2の係止部46の内側に係止されるように嵌まり、図14(b)に示すように、表示部13が第2の状態S2にあるときに第1の旋回規制機構15の第1の係止部42の内側に係止されるように嵌まる。回動軸27の延長線上にある可動突起51は、第2の係止部46に嵌まった状態で、表示部13の回動に伴って回転される。同様に、可動突起51は、第1の係止部42に嵌まった状態で、表示部13の回動に伴って回転される。
【0036】
図1に示す開状態P2と図2に示す閉状態P1との間で表示部13を回動する際には、図14(a)と図15に示すように、可動突起51は、第2の係止部46によって上下方向と背面方向とが支持される。したがって、第2の係止部46は、回転する可動突起51に対する軸受けを兼ねている。図24に示す開状態P2と図25に示す閉状態P1との間で、表示部13を回動する際には、図14(b)に示すように、可動突起51は、第1の係止部42によって上下方向と背面方向とが支持される。したがって、第1の係止部42は、回転する可動突起51に対する軸受けを兼ねている。
【0037】
回転止め機構54は、図11に示すように、可動突起51と、筐体55の内面から突出するリブ片56との間に設けられている。回転止め機構54は、可動突起51に設けられる断面長方形の軸部51Fと、リブ片56に軸部51Fを通すための長方形の溝部57と、によって構成されている。すなわち、溝部57に軸部51Fが嵌まることにより、可動突起51自身の回転を抑止している。
【0038】
続いて、図16から図25を参照して、表示部13の旋回動作について説明する。本実施形態のポータブルコンピュータ11では、一例として、右利きのユーザを対象としており、表示部13を図1の第1の状態S1から図24の第2の状態S2にする際には、右手で時計回りに表示部13を旋回軸28を中心に旋回させる。
【0039】
図2に示すように、表示部13が閉状態P1にある場合には、ロック機構17は、図16に示すように、可動突起51の円弧部51Aによって第2の係止部46の壁部46Eに突き当たっている。また、反対側では、固定突起41も第1の係止部42の壁部42Eに突き当たっている。このため、閉状態P1において、表示部13が旋回することは防止されている。
【0040】
ユーザが表示部13を図2に示す閉状態P1から図1に示す開状態P2にすると、図17に示すように、可動突起51の第1のテーパ面51Bが第2の係止部46に対向するようになる。これにより、表示部13の旋回が可能になる。この状態で、ユーザが例えば、右手で表示部13の右端部を持って、表示部13を手前に旋回させると、図17に示すように、ロック機構17の可動突起51の第1のテーパ面51Bが第2の係止部46の壁部46Eに突き当たる。ユーザが表示部13の旋回を継続すると、第1のテーパ面51Bが第2の係止部46の壁部46Eに沿ってスライドする。これにより、表示部13の旋回する方向にかかる力の一部が、第1のテーパ面51Bによって、ばね部材52を圧縮する方向にかかる力に変換される。こうして図18に示すように、可動突起51が脚部20方向へ退避されるとともに、図19に示すように、可動突起51が第2の係止部46を乗り越えることができる。
【0041】
一方、第1の旋回規制機構15の固定突起41は、表示部13が図1に示す第1の状態S1にあるときには、図20に示すように、第1の係止部42に突き当たっている。このため、固定突起41は、ポータブルコンピュータ11の背面方向に旋回することはできず、これによって表示部13の旋回方向が一方向に規定されている。そして、図20に示すように、ロック機構17の可動突起51が第2の係止部46を乗り越えるのと同時に、固定突起41は、ポータブルコンピュータ11の正面の方向に旋回される。図21に示すように、表示部13はヒンジ機構14を中心に時計回り方向に旋回される。
【0042】
ロック機構17の可動突起51が第1の係止部42に接近すると、第1のテーパ面51Bが第1の係止部42の外周部42Cおよび壁部42Eに沿ってスライドすることにより可動突起51を脚部20方向へ退避させる。こうして、可動突起51は、図22に示すように、第1の係止部42を乗り越え、第1の係止部42の内側に係止されるように嵌まる。一方、固定突起41は、図23に示すように、第2の係止部46に突き当たり、第2の係止部46の内側に係止されるように嵌まる。以上により、表示部13の第1の状態S1から第2の状態S2への旋回が終了し、図24に示す状態になる。このように、表示部13が第1の状態S1から第2の状態S2へ旋回されたとき、第2の突起である可動突起51は第2の係止部46の壁部46Eを乗り越えて第2の係止部46からの係止を解除され、第1の係止部42の壁部42Eを乗り越えて第1の係止部42に係止される。ここからさらに、図25に示すように、ユーザが例えば入力用ペンを使用する場合には、本体12に被さるように表示部13を回動させる。
【0043】
一方、表示部13を図24に示す第2の状態S2から、旋回させて図1に示す第1の状態S1に戻す際には、同様の作動工程が逆方向に行われる。すなわち、可動突起51の第2のテーパ面51Cが第1の係止部42の壁部42Eと、第2の係止部46の外周部46Cおよび壁部46Eと、に沿ってスライドすることにより、可動突起51が脚部20方向へ退避させてこれらを乗り越える。こうして、可動突起51は、第2の係止部46の内側に係止されるように嵌まる。
【0044】
本実施形態によれば、第1の旋回規制機構15により、表示部13を旋回させる方向を規定することができる。また、第2の旋回規制機構16により、表示部13が旋回できる角度を規定することができる。第1の旋回規制機構15および第2の旋回規制機構16は、それぞれ回動軸27の延長線上に設けられるため、ヒンジ機構14から十分離れた位置にこれらを配置することができる。これにより、表示部13を旋回させる際に、梃子の原理によって第1の旋回規制機構15および第2の旋回規制機構16に大きな力がかかってしまうことがなく、これらを破損してしまうことを防止できる。
【0045】
ロック機構17が設けられているため、表示部13が閉状態P1にあるときに、表示部13が旋回してしまうことを防止できる。このため、表示部13が本体12に対してずれてしまったり、ずれた勢いで表示部13を第1の凸部18や第2の凸部19にぶつけてしまったりする事態を防止できる。
【0046】
第1の旋回規制機構15は、表示部13と第1の凸部18との間に設けられている。このため、第1の旋回規制機構15をユーザの目に見える位置に配置することができ、これを破損した際に発見が容易になる。また、ユーザが第1の旋回規制機構15を破損してしまった場合には、破損した事態がユーザの目に見えるため、ユーザに注意を喚起することができる。
【0047】
第1の旋回規制機構15は、円柱形状の固定突起41と、馬蹄形の第1の係止部42とを含んでおり、第1の係止部42の開放部42Aが固定突起41を旋回させる方向に配置している。このため、第1の旋回規制機構15を簡単な構造で構成することができる。
【0048】
固定突起41は、第1の係止部42に嵌まった状態で、表示部13の回動に伴って回転する。第1の係止部42は、このように回転する固定突起41に対する軸受けを兼ねている。これにより、ヒンジ機構14以外にも、ヒンジ機構14から離れた位置で、表示部13の回動を支持する構造を持たせることができる。これにより、表示部13を開状態P2と閉状態P1との間で回動させる際に、表示部13がぐらついてしまうことを防止することができる。
【0049】
第1の旋回規制機構15の第1の係止部42は、第1の抜止部44を有し、この第1の抜止部44は、表示部13が回動をする際に、固定突起41が第1の係止部42から抜けるのを阻止している。このため、表示部13を開状態P2と閉状態P1との間で回動させる際に、固定突起41が第1の係止部42から外れてしまうことを防止することができる。
【0050】
第1の係止部42は、開放部42Aの周囲を規定する一対の端部42Bを含み、一対の端部42Bのうち少なくとも一方の端部42Bは、先端に向けて細くなるテーパ形状を有する。このため、表示部13が第2の状態S2から第1の状態S1に旋回される際に、第1の係止部42の内側の所定の位置に、徐々に固定突起41を案内することができる。通常、表示部13のヒンジ機構14から遠い位置は、自重によって撓んで下方にさがることが多い。このため、特に下方の端部42Bを、この先端に向けて細くなる形状にすれば、表示部13のヒンジ機構14から遠い位置を持ち上げて、固定突起41を第1の係止部42の内側に案内できる。
【0051】
第2の旋回規制機構16は、表示部13と、第2の凸部19との間に設けられる。これにより、第2の旋回規制機構16を第1の旋回規制機構15と同様に、ユーザの目に見える位置に配置することができる。
【0052】
第2の旋回規制機構16は、固定突起41と、馬蹄形の第2の係止部46とを含み、表示部13とともに旋回されてきた固定突起41を受容する方向に開放部46Aを有している。このため、固定突起41を第1の旋回規制機構15と共用することができ、部品点数を削減することができる。また、第2の旋回規制機構16を簡単な構造で構成することができる。
【0053】
固定突起41は、第2の係止部46に嵌まった状態で、表示部13の回動に伴って回転する。第2の係止部46は、このように回転する固定突起41に対する軸受けを兼ねている。このため、ヒンジ機構14以外にも、表示部13の回動を支持する構造を備えることができ、表示部13の回動時のぐらつきを有効に防止できる。
【0054】
第2の係止部46は、第2の抜止部47を有し、この第2の抜止部47は、表示部13が回動をする際に、固定突起41が第2の係止部46から抜けるのを阻止する。このため、表示部13を開状態P2と閉状態P1との間で回動させる際に、固定突起41が第1の係止部42から外れてしまうことを防止することができる。
【0055】
第2の係止部46は、開放部46Aの周囲を規定する一対の端部46Bを含み、一対の端部46Bのうち少なくとも一方の端部46Bは、先端に向けて細くなるテーパ形状を有する。このため、表示部13が第1の状態S1から第2の状態S2に旋回される際に、第2の係止部46の内側の所定の位置に、固定突起41を案内することができる。
【0056】
ロック機構17は、表示部13の外周部で、固定突起41に対してヒンジ機構14を間に挟んだ反対側に設けられる。ロック機構17は、表示部13が第1の状態S1にあるときに、第2の旋回規制機構16の第2の係止部46に係止され、表示部13が第2の状態S2にあるときに、第1の旋回規制機構15の第1の係止部42に係止される。これにより、第1の旋回規制機構15の第1の係止部42を用いて表示部13の旋回を阻止したり、第2の旋回規制機構16の第2の係止部46を用いて表示部13の旋回を阻止したりできる。
【0057】
ロック機構17は、回動軸27の軸線α方向に進退できる可動突起51と、可動突起51を突出方向に付勢するばね部材52と、を有している。このため、ロック機構17をばね式の簡単な構造で構成することができる。また、ばね部材52が第1の係止部42と第2の係止部46とに係止される際に、「カチッ」というばね音がするため、可動突起51が第1の係止部42と第2の係止部46に係止されたことをユーザが認識できる。
【0058】
可動突起51は、固定突起41と同径の円弧をなす円弧部51Aと、第1の係止部42と第2の係止部46とに沿ってスライドすることによりばね部材52を圧縮する第1のテーパ面51Bと、第1の係止部42と第2の係止部46とに沿ってスライドすることによりばね部材52を圧縮する第2のテーパ面51Cと、を有している。これにより、ロック機構17を解除する際には、表示部13を所定量旋回させて可動突起51と第2の係止部46との係止を解除することによって、簡単にロック機構17を開放することができる。
【0059】
可動突起51は、第2の係止部46に係止された状態で、表示部13の回動に伴って回転するが、第2の係止部46は、可動突起51に対する軸受けを兼ねている。また、可動突起51は、第1の係止部42に係合した状態で、表示部13の回動に伴って回転するが、第1の係止部42は、可動突起51に対する軸受けを兼ねている。これにより、表示部13を図1に示す開状態P2から図2に示す閉状態P1にする際や、表示部13を図24に示す開状態P2から図25に示す閉状態P1にする際に、表示部13がぐらついてしまうことを防止することができる。この可動突起51は、固定突起41に対して、ヒンジ機構14を間に挟んだ反対側に配置されている。したがって、表示部13の一端を第1の突起である固定突起41を介して支持するとともに、表示部13の他端を第2の突起である可動突起51を介して支持することができる。
【0060】
ロック機構17は、可動突起51が回転するのを阻止する回転止め機構54を有しているため、可動突起51が勝手に回転してしまうのを防止できる。可動突起51の回転が防止されれば、表示部13を開状態P2にした際には、第1のテーパ面51Bおよび第2のテーパ面51Cを第1の係止部42および第2の係止部46に確実に対向させることができる。これにより、可動突起51が第1の係止部42と第2の係止部46とを乗り越えることができないといった不具合を防止することができる。
【0061】
第1の係止部42の外周部42Cおよび第2の係止部46の外周部42C、46Cはテーパ形状をなしている。このため、表示部13を第1の状態S1と第2の状態S2との間で旋回させる際に、可動突起51が第1の係止部42と第2の係止部46とを乗り越えるのが容易になる。これにより、ユーザが軽い力で表示部13を旋回させることができる。
【0062】
表示部13は、第1の旋回規制機構15の近傍に、指紋認証装置24を有している。通常、ユーザが指紋認証を行う場合には、例えば親指などを指紋認証装置24に押し付ける。このように、第1の旋回規制機構15の近傍に指紋認証装置24を設ければ、ユーザが指紋認証装置24を押してしまう場合でも、第1の旋回規制機構15の固定突起41が馬蹄形の第1の係止部42によって裏支えされるため、指紋認証装置24が背面方向に逃げてしまうことを防止することができる。また、表示部13に指紋認証装置24が設けられていれば、表示部13が第2の状態S2で閉状態P1にあって、入力用ペンを使用する状態にあっても、指紋認証装置24を外部に面して配置して機能させることができる。
【0063】
続いて図26を参照して、電子機器の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ61は、第1の実施形態のものと、第1の係止部64および第2の係止部65の向きおよび位置が異なっている。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する部分には、共通の符号を付して説明を省略する。
【0064】
ポータブルコンピュータ61は、第1の係止部64を有する第1の旋回規制機構62と、第2の係止部65を有する第2の旋回規制機構63と、ロック機構と、表示部と、ヒンジ機構と、入力用ペンと指紋認証装置とを備えている。
【0065】
第1の旋回規制機構62の第1の係止部64は、図26(a)に示すように、ポータブルコンピュータ61の正面方向に閉じた馬蹄形をなして、第2の凸部19と一体に形成される。第1の係止部64は、開放部64Aを有しており、この開放部64Aは、表示部13とともに固定突起41を旋回させる方向に配置されている。本実施形態においても、表示部13の旋回方向は、水平方向に対して傾いている。このため、第1の係止部42は、開放部64Aを斜め下方に向けている。
【0066】
第1の係止部64は、一対の端部64Bのうち少なくとも一方である下方に配置する端部64Bは、先端に向けて細くなるテーパ形状をしている点で、第1の実施形態と同様である。この端部64Bにより、図26(a)に示すように、表示部が第2の状態S2から第1の状態S1に旋回する際に、旋回中の固定突起41aを所定位置に案内できる。一対の端部64Bのうち上方に配置する端部64Bを先端に向けて細くなるテーパ形状にしてもよいし、両方の端部64Bをテーパ形状にしても良い。
【0067】
第2の旋回規制機構63の第2の係止部65は、図26(b)に示すように、ポータブルコンピュータ61の正面方向に閉じた馬蹄形をなして、第1の凸部18と一体に形成されている。第2の係止部65は、開放部65Aを有しており、開放部65Aは、表示部13とともに旋回されてきた固定突起41を受容する方向に配置されている。本実施形態では表示部13の旋回方向は、上記のように水平方向に対して傾いているので、第2の係止部65は、開放部65Aを斜め下方に向けている。
【0068】
第2の係止部65は、一対の端部65Bのうち、下方に配置する端部65Bを先端に向けて細くなるテーパ形状を有している。この端部46Bにより、表示部13が第1の状態S1から第2の状態S2に旋回する際に、旋回中の固定突起41bを所定位置に案内できる。一対の端部65Bのうち上方に配置する端部65Bを先端に向けて細くなるテーパ形状にしてもよい。
【0069】
以上が、ポータブルコンピュータ11の第2の実施形態である。第2の実施形態によれば、第1の係止部64と第2の係止部65の馬蹄形の閉じている方向が逆向きであっても、第1の旋回規制機構62、第2の旋回規制機構63、ロック機構を機能させることができる。第2の実施形態によれば、第1の係止部64と第2の係止部65の開放部64A、65Aが下方に向いているため、旋回の初期動作時に固定突起41がこれらから抜け易くなり、ユーザが軽い力で表示部13の旋回を開始できる。
【0070】
図27を参照して、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ71の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態のポータブルコンピュータ71では、第1の実施形態のものと、第1の旋回規制機構72の固定突起74の位置と、ロック機構73の可動突起75の位置とが入れ替わっている。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する部分には、共通の符号を付して説明を省略する。
【0071】
第3の実施形態のポータブルコンピュータ71では、その左部に第1の旋回規制機構72を有し、その右部に第2の旋回規制機構76およびロック機構73を有している。すなわち、第3の実施形態のポータブルコンピュータ71は、例えば、左利きのユーザのために設定した仕様であり、左手によって表示部13を反時計回りに第1の状態S1から第2の状態S2に旋回させることができ、逆に表示部13を時計回りに第2の状態S2から第1の状態S1に旋回させることができる。
【0072】
第3の実施形態によっても、表示部13の回転方向と回転角度とを同様に規定することができる。これにより、例えば左利きのユーザには、第1の実施形態のポータブルコンピュータ11とは旋回方向が逆向きになったポータブルコンピュータ71を提供することができる。
【0073】
電子機器は、上記実施形態に示したポータブルコンピュータ用に限らず、例えば携帯情報端末のようなその他の電子機器に対しても実施可能である。また、電子機器は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば第1の実施形態とは逆に、固定突起と可動突起とを第1の凸部または第2の凸部に設けて、これらが嵌まる馬蹄形の第1の係止部と第2の係止部とを表示部の脚部に設けることができる。この構成によっても、上記実施形態と同様の作用を果たすことが可能である。その他、電子機器は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを第1の状態にして開状態で示す斜視図。
【図2】図1に示すポータブルコンピュータの閉状態を示す斜視図。
【図3】図1に示すポータブルコンピュータのヒンジ機構を示す斜視図。
【図4】図1に示すポータブルコンピュータの第1の旋回規制機構を示す斜視図。
【図5】図4に示す第1の旋回規制機構を表示部を旋回させた状態で示す斜視図。
【図6】図4に示す第1の旋回規制機構の第1の係止部を示す斜視図。
【図7】図6に示す第1の係止部を示す断面図。
【図8】図4に示す第1の旋回規制機構を鉛直方向に切断して示す断面図。
【図9】図1に示すポータブルコンピュータの第2の旋回規制機構を示す斜視図。
【図10】図1に示す第2の旋回規制機構の第2の係止部を示す断面図。
【図11】図1に示すポータブルコンピュータの表示部の一部を切欠いてロック機構を正面方向から示す斜視図。
【図12】図11に示すロック機構を背面方向から示す斜視図。
【図13】(a)図11に示すロック機構の可動突起を示す上面図、(b)可動突起を示す正面図、(c)可動突起を示す側面図、(d)可動突起を示す背面図。
【図14】(a)図13に示す可動突起が第2の係止部に嵌まっている状態を示す断面図、(b)図13に示す可動突起が第1の係止部に嵌まっている状態を示す断面図。
【図15】図11に示すロック機構を鉛直方向に切断して示す断面図。
【図16】図11に示すロック機構を、表示部を閉状態にした状態で水平方向に切断して示す断面図。
【図17】図16に示すロック機構を、表示部を開状態にした状態で水平方向に切断して示す断面図。
【図18】図17に示すロック機構の可動突起が、第2の係止部を乗り越える途中の状態を示す断面図。
【図19】図17に示す可動突起が第2の係止部を乗り越えた後の状態を示す断面図。
【図20】図4に示す第1の旋回規制機構を、表示部を開状態にした状態で水平方向に切断して示す断面図。
【図21】図1に示すポータブルコンピュータの表示部が第1の状態から第2の状態に旋回している途中の状態を示す断面図。
【図22】図19に示す可動突起が第1の係止部に嵌まった状態を示す断面図。
【図23】図20に示す第1の旋回規制機構の固定突起が第2の係止部に嵌まった状態を示す断面図。
【図24】図1に示すポータブルコンピュータの表示部の第2の状態を開状態で示す斜視図。
【図25】図24に示す第2の状態の表示部を閉状態で示す斜視図。
【図26】(a)第2の実施形態に係るポータブルコンピュータの第1の旋回規制機構を示す断面図、(b)第2の実施形態に係るポータブルコンピュータの第2の旋回規制機構を示す断面図。
【図27】第3の実施形態に係るポータブルコンピュータを示す断面図。
【符号の説明】
【0075】
11、61、71…ポータブルコンピュータ、12…本体、13…表示部、14…ヒンジ機構、15、62、72…第1の旋回規制機構、16、63、76…第2の旋回規制機構、17、73…ロック機構、18…第1の凸部、19…第2の凸部、23…液晶ディスプレイ、24…指紋認証装置、27…回動軸、28…旋回軸、41、74…固定突起、42、64…第1の係止部、42A、46A、64A、65A…開放部、42B、46B、64B、65B…端部、42C、46C…外周部、46、65…第2の係止部、44…第1の抜止部、47…第2の抜止部、51、75…可動突起、51A…円弧部、51B…第1のテーパ面、51C…第2のテーパ面、52…ばね部材、54…回転止め機構、P1…閉状態、P2…開状態、S1…第1の状態、S2…第2の状態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面から突出するとともに互いに離間して設けられる一対の凸部を有する本体と、
表示面と、この表示面とは反対側の背面と、前記一対の凸部の間に連結される脚部とを有する表示部と、
前記本体と前記表示部とを連結するとともに、前記本体に対して前記表示部が被さっている閉状態と、前記本体に対して前記表示部が起立している開状態との間で前記表示部を回動可能に支持する回動軸と、前記表示部が前記開状態にあるときに、前記表示面が正面を向いている第1の状態と、前記背面が正面を向いている第2の状態との間で前記表示部を旋回可能に支持する旋回軸と、を有するヒンジ機構と、
前記一対の凸部の互いに対向する側面に設けられる一対の係止部と、
前記表示部の前記脚部から前記回動軸の軸線方向に突出するとともに、前記表示部が前記第1の状態のとき、前記一対の係止部の一方に係止され、前記表示部が前記第2の状態のとき、前記一対の係止部の他方に係止される第1の突起と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記一対の係止部は、第1および第2の係止部を含み、
前記第1および第2の係止部は、ぞれぞれ、開放部を有した突起であり、前記第1の突起は前記開放部を介して前記第1または第2の係止部に係止されることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1および第2の係止部のそれぞれの開放部は、前記旋回軸の旋回方向に向かって開放されていることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1および第2の係止部は、前記旋回軸の旋回方向において、前記開放部とは反対側に壁部を有し、
前記第1の状態にある前記表示部を前記旋回方向とは逆方向に旋回させようとするとき、前記第1の突起が前記第1の係止部の壁部に当接することで、前記表示部の前記旋回方向とは反対方向への旋回を規制し、
前記第2の状態にある前記表示部を前記旋回方向に更に旋回させようとするとき、前記第1の突起が前記第2の係止部の壁部に当接することで、前記表示部の前記旋回方向への旋回を規制することを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記脚部は前記一対の凸部の側面と互いに対向する一対の側面を有し、前記脚部の一対の側面の一方に前記第1の突起が設けられ、前記脚部の一対の側面の他方に前記回動軸の軸線方向に突出する第2の突起を有し、
前記表示部が前記第1の状態のとき、前記第1の突起は前記一対の係止部の一方に係止され、前記第2の突起は前記一対の係止部の他方に係止され、
前記表示部が前記第2の状態のとき、前記第1の突起は前記一対の係止部の前記他方に係止され、前記第2の突起は前記一対の係止部の前記一方に係止されることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2の突起は、前記回動軸の軸線方向に進退可能に突出しており、前記表示部が前記第1の状態から前記第2の状態へ旋回されたとき、前記第2の突起は前記第2の係止部の前記壁部を乗り越えて前記第2の係止部からの係止を解除され、前記第1の係止部の前記壁部を乗り越えて前記第1の係止部に係止されることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記第2の突起を突出方向に付勢するばねを有していることを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1の突起は円柱形状に形成され、前記表示部が前記回動軸を中心に回動する際、前記第1および第2の係止部は前記第1の突起の軸受けとして機能することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項9】
前記第2の突起は、
前記第1の突起と同径の円弧をなすとともに、前記表示部が閉状態にあるとき、前記第1の突起または前記第2の突起の前記壁部に当接することで前記表示部の旋回を規制する円弧部と、
前記開状態にある前記表示部が前記第1の状態から前記第2の状態に旋回するとき、前記第1の突起または前記第2の突起の前記壁部に当接して、前記第2の突起を前記脚部方向へ退避させる第1のテーパ面と、
前記開状態にある前記表示部が前記第2の状態から前記第1の状態に旋回するとき、前記第1の突起または前記第2の突起の前記壁部に当接して、前記第2の突起を前記脚部方向へ退避させる第2のテーパ面と、
を有することを特徴とする請求項8記載の電子機器。
【請求項10】
前記表示部が前記回動軸を中心に回動する際、前記第1および第2の係止部は前記第2の突起の軸受けとして機能することを特徴とする請求項9記載の電子機器。
【請求項11】
前記第1の突起の外周部および前記第2の突起の外周部は、テーパ形状をなしていることを特徴とする請求項10記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−328614(P2007−328614A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160042(P2006−160042)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】