説明

電子機器

【課題】ユーザが入力した文字に関連したアプリケーションを容易に選択実行できる電子機器を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、文字入力画面を表示する表示部21と、文字入力画面に表示される文字を入力するための操作部11と、アプリケーションの実行を制御すると共に、操作部11により入力された文字の変換候補あるいは予測候補を表示部21に表示する制御部45と、アプリケーション名を記憶するメモリ44と、を備え、制御部45は、変換候補あるいは予測候補の中に、メモリ44に記憶されているアプリケーション名を表示させ、当該アプリケーション名が変換候補あるいは予測候補として選択されると、当該選択されたアプリケーション名のアプリケーションに関する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力に応じてアプリケーションの処理を実行する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器に対するコマンド入力の方法として、リストから選択させる方法が多く採用される。このとき、コマンドの操作履歴から優先的に使用されるコマンドを予測リストとして表示して選択させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、テキストコマンドを入力可能なシステムにおいては、予測的キーボード入力の方法として、データベースから最も可能性の高いエントリを選択して予測文字列を表示する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−117024号公報
【特許文献2】特開2007−328804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法は、文章入力用アプリケーションに対して入力可能なコマンドを記憶し、コマンドの発行を容易にするための技術であるため、ユーザが入力した文字列に対応した機能を実行させることはできない。また、特許文献2の方法は、コマンド入力を受け付けるアプリケーションにおけるユーザの入力補助として、入力する文字列を予測して単語を完成させる技術に過ぎない。
【0005】
さらに、これらの技術は、所定のアプリケーションに対して、入力や選択をしたコマンドを渡して処理をさせるので、ユーザが入力した文字列に対応したアプリケーションを実行させることは難しかった。
【0006】
本発明は、ユーザが入力した文字に関連したアプリケーションを容易に選択実行できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子機器は、文字入力画面を表示する表示部と、前記文字入力画面に表示される文字を入力するための入力部と、アプリケーションの実行を制御すると共に、前記入力部により入力された文字の変換候補あるいは予測候補を前記表示部に表示する制御部と、前記アプリケーション名を記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は、前記変換候補あるいは予測候補の中に、前記記憶部に記憶されているアプリケーション名を表示させ、当該アプリケーション名が前記変換候補あるいは予測候補として選択されると、当該選択されたアプリケーション名のアプリケーションに関する処理を実行する。
【0008】
また、前記制御部は、前記アプリケーション名が前記変換候補あるいは予測候補として選択されると、当該選択されたアプリケーション名のアプリケーションに関する処理を実行するか、あるいは当該アプリケーション名を文字として前記表示部に表示する処理を行うかの、選択を受け付けることが好ましい。
【0009】
また、前記記憶部は、前記アプリケーションにおいて処理可能な処理名をさらに記憶し、前記制御部は、前記表示部に前記アプリケーション名が入力された文字として表示されている場合に、当該アプリケーション名に関する予測候補を表示すると共に、当該予測候補の他に、前記記憶部に記憶されている当該アプリケーションにおいて処理可能な処理名を表示させ、当該処理名が前記予測候補として選択されると、当該処理名に関する処理を実行することが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記処理名が前記予測候補として選択されると、当該選択された処理名に関する処理を実行するか、あるいは当該処理名を文字として前記表示部に表示する処理を行うかの、選択を受け付けることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る電子機器は、動作を検知するセンサをさらに備え、前記制御部は、前記センサにより検知された動作の種類に応じて、前記処理名のいずれかの選択を受け付けることが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記予測候補が表示されている状態で前記センサにより所定の動作が検知された場合に、前記処理名を表示させ、前記処理名が表示されている状態で前記センサにより所定の動作が検知された場合に、前記予測候補を表示させることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記予測候補の中に前記処理名を混在表示させている状態で前記センサにより所定の動作が検知された場合に、前記処理名を上位に並べ替えて表示させ、前記処理名が並べ替えられて上位に表示されている状態で前記センサにより所定の動作が検知された場合に、前記混在表示をさせることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る電子機器は、前記表示部に初期画面が表示されている状態において、前記入力部による文字の入力を受け付けたことに応じて、当該入力された文字を表示させる前記文字入力画面に係るアプリケーションを起動する起動手段をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが入力した文字に関連したアプリケーションを容易に選択実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る電子機器の一例である携帯電話機1の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態としては特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが一つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0017】
携帯電話機1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3と、を備えて構成される。操作部側筐体部2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。
【0018】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22と、を備えて構成されている。
【0019】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0020】
図2は、携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話機1は、図2に示すように、操作部11(入力部)と、マイク12と、メインアンテナ40と、RF回路部41と、表示制御部42と、音声処理部43と、メモリ44と、制御部45と、が操作部側筐体部2に備えられ、表示部21と、レシーバ22と、ドライバIC23と、が表示部側筐体部3に備えられている。
【0021】
メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局等と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯(例えば、1.5GHz)に対応できるデュアルバンド対応構成である。なお、本実施の形態では、第1の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。また、メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯で外部装置と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯に対応できるアンテナを別途設けてもよい。
【0022】
RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部45に供給する。そして、制御部45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ40を介して外部装置(基地局)に送信する。また、その一方で、メインアンテナ40によって受信している信号の強度を制御部45へ通知を行う。
【0023】
表示制御部42は、制御部45の制御にしたがって、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、表示制御部42から供給された画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで表示部21に出力する。
【0024】
音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、RF回路部41から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をレシーバ22またはスピーカ(図示せず)に出力する。レシーバ22またはスピーカは、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
【0025】
また、音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部41に出力する。RF回路部41は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ40に出力する。
【0026】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部45による演算処理に利用される。また、メモリ44には、複数のアプリケーションや当該アプリケーションが必要とする各種のテーブル等が記憶されている。また、メモリ44は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0027】
制御部45は、携帯電話機1の全体を制御しており、中央処理装置(CPU)等を用いて構成される。ここで、操作部11によるキー操作に応じた制御部45の制御動作について説明する。制御部45は、原則的に現在アクティブに起動されているアプリケーションに応じて、操作部11を構成する各キー(機能設定操作キー13、入力操作キー14、決定操作キー15)に割り当てる記号や機能を変化させる。
【0028】
具体的には、操作部11は、いずれかのキーが押下されたときに、当該キーの位置情報(例えば、図3(a)に示すように、入力操作キー14の第2行左列のキー(「1」と「あ」が表面に印刷されているキー)が押下された場合には、(X2、Y1)なる位置情報)を制御部45に送信する。制御部45は、メモリ44にアクセスして、現在アクティブになっているアプリケーションに対応するキーアサインテーブルを参照し、操作部11から送信されてきた位置情報から割り当てられている記号や機能の処理を実行する。例えば、メモリ44には、図3(b)〜図3(d)に示すように、複数のキーアサインテーブルが格納されている。なお、図3(b)は、電話発信を行う際に利用されるテーブルであり、図3(c)は、メモ帳アプリケーションやメールアプリケーションにおいて利用されるテーブルであり、図3(d)は、テレビアプリケーションにおいてチャンネルを変更する際に利用されるテーブルである。
【0029】
なお、記号の処理の実行とは、例えば、現在アクティブになっているアプリケーションがメモ帳の場合には、「1」や「あ」を表示部21に表示することを意味している。また、機能の処理の実行とは、例えば、現在アクティブになっているアプリケーションがテレビの場合に、表示チャンネルを1chに設定することを意味している。
【0030】
また、メモリ44には、複数のキーアサインテーブルが格納されており、制御部45は、アプリケーションに応じて、参照するキーアサインテーブルを切り替え、操作部11から送信されてくるキーの位置情報に基づいて所定のキーアサインテーブルを参照して、所定の処理を実行する。
【0031】
このように構成される携帯電話機1では、通信の待ち受け状態において、キー操作が行われた場合に、当該キーに割り当てられている複数の記号(例えば、数字や文字)それぞれを、例えば、別々の画面領域に並列的に表示し、所定のキー操作が行われた場合に一方の記号が表示されている画面を有効にする機能を有している。
【0032】
また、携帯電話機1は、操作部11により入力された文字の変換候補あるいは、次に続く予測候補を表示させると機能を有する。さらに、これらの変換候補あるいは予測候補が選択されることにより、アプリケーション名または、アプリケーションに関する処理内容を示す文字列が入力された場合には、このアプリケーションを実行する機能を有している。
【0033】
ここで、上述した機能を発揮するための構成について説明する。携帯電話機1の制御部45は、図4に示すように、文字入力部50と、アプリケーション実行部51と、設定制御部52と、を備える。
【0034】
文字入力部50は、ユーザによりキー操作が行われた場合に、当該キーに割り当てられている文字を表示させるように、表示制御部42を制御する。また、文字入力部50は、入力された文字に対する変換候補あるいは予測候補をメモリ44から抽出し、表示制御部42を介して表示部21に表示させる。
【0035】
なお、メモリ44には、変換候補や予測候補が記憶、管理されている予測DB(図示せず)が格納されている。文字入力部50は、入力された文字に基づいて、この予測DBを検索し、変換される漢字等の変換候補や、後に続く文字の予測候補を抽出する。
【0036】
さらに、文字入力部50は、携帯電話機1が有するアプリケーションの候補、またはアプリケーションにおける動作(処理)を、入力文字に基づいてメモリ44から抽出し、変換候補あるいは予測候補の中に表示させる。具体的には、例えば、「か」と入力された場合に、「か」で始まるアプリケーションである「カメラ」が予測候補として表示され、「カメラ」が入力された場合に、カメラアプリケーションにおける処理内容として、「起動する」や「使い方」といった処理名を予測候補として表示させる。
【0037】
なお、メモリ44には、携帯電話機1が有するアクティビティ(アプリケーション名およびアプリケーションにおける処理名、さらには携帯電話機1の状態を設定する機能名等)が、アクティビティ候補DBとして格納される。
【0038】
そして、ユーザにより、これらのアプリケーション名や処理名が選択された場合には、該当のアプリケーション(例えば、カメラ、メール、テレビ等)あるいは、アプリケーションの特定の動作(処理)がアプリケーション実行部51により、実行される。
【0039】
また、文字入力部50は、携帯電話機1が有するアプリケーションの実行に限らず、携帯電話機1の状態(例えば、マナーモードや電波OFFモード等)を設定する機能名を、メモリ44から抽出し、変換候補あるいは予測候補として表示する。そして、これらの機能名が選択されたことに応じて、設定制御部52により、携帯電話機1の状態設定が行われる。
【0040】
図5は、本実施形態に係る携帯電話機1における制御部45の処理を示すフローチャートである。本処理は、文字入力部50における文字入力画面に係るアプリケーションが終了されるまで、継続して実行される。
【0041】
ステップS1では、制御部45は、操作部11からキー入力を受け付ける。
【0042】
ステップS2では、制御部45は、ステップS1にて受け付けたキー入力が、文字の入力であるか、変換候補あるいは予測候補の選択に係る入力であるかを判定する。文字の入力である場合は、ステップS5に移り、候補の選択に係る入力である場合は、ステップS3に移る。
【0043】
ステップS3では、制御部45は、ステップS1にて選択された候補が、通常の変換候補あるいは予測候補であるか、アクティビティ候補(アプリケーション起動またはアプリケーションの処理実行、あるいは携帯電話機1の設定変更)であるかを判定する。通常の変換候補あるいは予測候補の選択である場合は、文字入力の場合と同様にステップS5に移り、アクティビティ候補の選択である場合は、ステップS4に移る。
【0044】
ステップS4では、制御部45は、ステップS3にて選択されたと判定されたアクティビティ候補を実行する。これにより、ユーザは、文字入力アプリケーションにて入力した文字により、アプリケーションや機能を実行させることができる。
【0045】
ステップS5では、制御部45は、ステップS1にて受け付けたキー入力が文字入力に係るものであるので、キー入力に対応する文字または、選択された変換候補あるいは予測候補を、文字入力バッファに追加する。
【0046】
ステップS6では、制御部45は、メモリ44に格納されている予測DBを検索し、文字入力バッファに保持されている文字列に対して、変換候補および予測候補を抽出する。
【0047】
ステップS7では、制御部45は、メモリ44に格納されているアクティビティ候補DBを検索し、文字入力バッファに保持されている文字列に対して、アクティビティ候補を抽出する。
【0048】
ステップS8では、制御部45は、ステップS6にて抽出された変換候補および予測候補と、ステップS7にて抽出されたアクティビティ候補とを、文字入力画面に選択可能に表示させる。
【0049】
図6は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるアプリケーション実行の画面遷移例を示す図である。この例では、制御部45は、入力文字に基づいて、カメラ機能を実行する。
【0050】
なお、操作部11は、第1キー(例えば、図1中Aに示す、入力操作キー14の第2行目から第5行目に位置するキー)と、第2キー(例えば、図1に示す、決定操作キー15の上下キー15a、15b)とを含んで構成されている。
【0051】
また、第1キーは、第1種記号(例えば、「あ」、「い」、「う」等のひらがな)と第2種記号(例えば、「1」、「2」、「3」等の数字)とが割り当てられている複数のキーより構成されている。第2キーは、第1種記号および第2種記号が割り当てられておらず、単一または複数の機能(例えば、かなを漢字に変換する機能等)が割り当てられているキーである。
【0052】
まず、制御部45は、着信を待ち受ける初期画面100を表示部21に表示させている状態において(図6(a))、第1キーのいずれかのキーが押下されたときには、押下された当該キーに割り当てられている第1種記号と、押下された当該キーに割り当てられている第2種記号とを表示部21に表示するように制御する(図6(b))。具体的には、制御部45は、第1種記号を表示領域101に表示し、第2種記号を表示領域102に表示するように制御する。また、第1種記号とは、例えば、「あ」、「い」、「う」等のひらがなや、「A」、「B」、「C」等のローマ字に相当する記号である。第2種記号とは、例えば、「1」、「2」、「3」等の数字に相当する記号である。
【0053】
このとき、制御部45は、表示領域101において、変換候補あるいは予測候補と共に、入力文字(第1種記号)から始まるアプリケーション名(「カメラ」)を、併せて表示させ、選択可能とする。なお、このアプリケーション名は、表示フォントまたは表示色や装飾等を区別して表示させる。これにより、ユーザは、携帯電話機1の機能実行に係る選択項目であることを容易に識別することができる。
【0054】
次に、制御部45は、表示部21に第1種記号および第2種記号を表示するように制御しているときに、第2キーが押下された場合には、表示領域101に入力されている第1種記号に対する変換処理(例えば、かなを漢字に変換する処理や、予測候補の文字列に変換する処理等)を実行する(図6(c))。この例では、アプリケーション名である「カメラ」が選択されて表示される。また、制御部45は、変換処理を受け付けたことにより、数字(第2種記号)の入力は不要と判断し、表示領域102を消去する。
【0055】
ここで、制御部45は、「カメラ」に続く予測候補の表示を行うと共に、カメラに関する処理内容を示すアクティビティ候補(「起動する」および「使い方」)を表示させる。なお、アクティビティ候補は、図6(b)のアプリケーション名と同様に、表示フォントまたは表示色や装飾等を区別して表示させる。
【0056】
そして、制御部45は、アクティビティ候補の選択入力を受け付けると、選択に対応したアプリケーションの処理を実行する。具体的には、「起動する」が選択された場合には、カメラのモニタリング画面が表示され(図6(d))、「使い方」が選択された場合には、カメラの使い方に関するヘルプ(説明書)画面が表示される(図6(e))。
【0057】
図7は、本実施形態に係る携帯電話機1における機能設定の画面遷移例を示す図である。この例では、制御部45は、入力文字に基づいて、携帯電話機1の動作モードを設定する。
【0058】
制御部45は、図6の例と同様に、初期画面100を表示部21に表示させている状態(図7(a))において、第1キーが押下されたことにより、第1種記号を表示領域101に表示し、第2種記号を表示領域102に表示するように制御する(図7(b))。具体的には、表示領域101には、「で」が表示され、表示領域102には、「4444*」が表示されている。
【0059】
このとき、制御部45は、表示領域101において、変換候補あるいは予測候補と共に、入力文字(「で」)から始まる機能名(「電波OFFモード」)を、併せて表示させ、選択可能とする。
【0060】
次に、制御部45は、表示部21に第1種記号および第2種記号を表示するように制御しているときに、第2キーが押下された場合には、表示領域101に入力されている第1種記号に対する変換処理(例えば、かなを漢字に変換する処理や、予測候補の文字列に変換する処理等)を実行する(図7(c))。この例では、機能名「電波OFFモード」が選択されて表示される。また、制御部45は、変換処理を受け付けたことにより、数字(第2種記号)の入力は不要と判断し、表示領域102を消去する。
【0061】
ここで、制御部45は、文字列「電波OFFモード」に続く予測候補の表示を行うと共に、アクティビティ候補(「設定する」)を表示させる。
【0062】
そして、制御部45は、アクティビティ候補の選択入力を受け付けると、選択に対応した設定画面へ表示を遷移させる。具体的には、「電波OFFモード」に対して「設定する」が選択されたので、電波OFFモードを設定するための機能設定画面が表示される(図7(d))。
【0063】
以上のように、本実施形態によれば、入力された文字列に対応して、アプリケーションの起動や携帯電話機1の状態の設定変更をすることができる。特に、初期画面(待ち受け画面)におけるキー入力に基づいて文字入力アプリケーションを起動して文字の入力を可能としたので、簡便に目的の動作(アプリケーションの起動や設定変更等)を実行させることができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、変換候補や予測候補の中に、アプリケーション名や処理名が表示されるので、ユーザが入力した文字列に関連するアプリケーションや処理を容易に選択し、実行させることができる。
【0065】
さらに、本実施形態によれば、ユーザが知らない機能の存在や、機能の詳細(処理内容)を知らせることができるので、携帯電話機1が有する機能が有効活用されることが期待できる。
【0066】
なお、本実施形態では、アプリケーション名の選択の後、処理名が選択されたことにより、アプリケーションが起動されたが、これには限られない。例えば、アプリケーション名が選択されたことに応じて、このアプリケーションを起動し、具体的な処理内容は、アプリケーション内のメニューから実行されることとしてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、アクティビティ候補(アプリケーション名または処理名)が選択されることにより、該当の処理を実行したが、これには限られない。候補からの選択ではなく、アプリケーション名または処理名が直接入力されたことによっても、処理を実行してもよい。このとき、処理を実行するか文字を表示するのみとするかの選択を受け付けることが好ましい。
【0068】
また、図3に示したキーアサインの方法は、一例であってこの方法に限定されることはない。
【0069】
また、本実施形態では、操作部11のキー入力に基づいて、文字入力や予測候補の選択等を行うこととしたが、これには限られない。例えば、表示部21と重畳する位置にタッチパネルを配置し、選択入力を受け付けてもよいし、マイク12により受け付けた音声を解析して、表示されているアクティビティ候補と対応付けてもよい。
【0070】
さらに、携帯電話機1の動作を検知することにより、この動作の種類を選択入力として受け付けてもよい。このための構成として動作を検知するセンサを備えた第2実施形態〜第4実施形態を説明する。
【0071】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付与して説明する。
【0072】
図8は、本実施形態に係る携帯電話機1aの機能を示す機能ブロック図である。携帯電話機1aは、第1実施形態に係る携帯電話機1と異なり、動作を検知するセンサとしての加速度センサ46をさらに備える。
【0073】
加速度センサ46は、携帯電話機1aの動作を加速度値として検知し、制御部45aに提供する。制御部45aは、この加速度値に基づいて、携帯電話機1aの動作の種類(動作の方向や回数等)を判断する。そして、制御部45aは、判断した動作の種類に応じて、文字入力アプリケーションにおける項目選択等の操作入力として処理する。
【0074】
図9は、制御部45aの機能を示す機能ブロック図である。制御部45aは、文字入力部50aと、アプリケーション実行部51と、設定制御部52と、センサ制御部53と、を備える。
【0075】
センサ制御部53は、加速度センサ46により検知された加速度値に基づいて、予め記憶されている加速度パターンと照合することにより、動作の種類を判断する。この判断結果は文字入力部50aが受け取り、文字入力アプリケーションにおける操作入力となる。つまり、図6(c)において表示されているアクティビティ候補は、互いに文字色や装飾等によって区別され、判断された動作の種類に対応付けて選択される。例えば、携帯電話機1aを縦に振った場合には赤文字の候補が選択され、横に振った場合は青文字の候補が選択される。あるいは、携帯電話機1aを連続して振った回数に応じた順番の候補が選択されてもよい。
【0076】
図10は、本実施形態に係る携帯電話機1aにおける制御部45aの処理を示すフローチャートである。本処理は、文字入力部50aにおける文字入力画面に係るアプリケーションが終了されるまで、継続して実行される。
【0077】
ステップS11では、制御部45aは、ユーザからの操作入力として、操作部11からキー入力、または加速度センサ46からモーション入力(例えば、縦に振る、横に振る等)を受け付ける。
【0078】
ステップS12では、制御部45aは、ステップS11にて受け付けた操作入力がキー入力であるか、モーション入力であるかを判別する。そして、キー入力である場合はステップS2に移り、モーション入力である場合には、ステップS13に移る。
【0079】
ステップS13では、制御部45aは、青文字の候補や2番目の候補等、受け付けたモーション入力の種類に対応するアクティビティ候補があるか(表示されているか)否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS4に移り、アクティビティを実行する。一方、判定がNOの場合は、ステップS11に戻って操作入力の受け付けを継続する。
【0080】
具体的には、例えば、図6(c)のように予測候補の中にアクティビティ候補(「起動する」および「使い方」)が表示されている場合に、携帯電話機1aが縦に振られると、制御部45aは「起動する」が選択されたと判断し、カメラのモニタリング画面を表示する(図6(d))。一方、携帯電話機1aが横に振られると、制御部45aは「使い方」が選択されたと判断し、カメラの使い方に関するヘルプ(説明書)画面を表示する(図6(e))。
【0081】
なお、ステップS2〜S8は、第1実施形態と同様であり、キー入力の内容に応じて、予測候補の表示、あるいはアクティビティの実行を行う。
【0082】
本実施形態によれば、モーション入力に基づく選択によりアクティビティを実行することができるので、ユーザは、各種機能の実行を簡便に行うことができる。
【0083】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態の携帯電話機1bは、第2実施形態の携帯電話機1aと同様の構成を備えるが、制御部45a、特に文字入力部50aの機能が拡張され、それぞれ制御部45b、文字入力部50bとなる(図8および図9参照)。
【0084】
図11は、本実施形態に係る制御部45bの処理内容を説明する画面遷移例を示す図である。
【0085】
まず、文字入力アプリケーションにおいて「カメラ」がキー入力されると、制御部45bは、「カメラ」に続く予測候補を表示させる(図11(a))。
【0086】
ここで、制御部45bは、加速度センサ46が検知した加速度値に基づいて、所定のモーション入力がなされたと判断した場合には、「カメラ」に関するアクティビティ候補の表示に切り替える(図11(b))。さらに、制御部45bは、アクティビティ候補が表示されている状態で、所定のモーション入力がなされたと判断した場合には、予測候補の表示に切り替える(図11(a))。
【0087】
制御部45bは、アクティビティ候補が表示されている状態で、選択入力(例えば、縦振り、横振り等のモーション入力等)を受け付けると、この選択入力に対応するアクティビティを実行する(図11(c)または図11(d))。
【0088】
なお、複数のアクティビティ候補は、文字色や装飾を区別して表示すると共に、あるいは、この区別に代えて、モーション入力による選択方法を示す表示(例えば、「縦振り」や「1回振り」等)を行ってもよい。
【0089】
本実施形態によれば、予測候補とアクティビティ候補とを簡便に切り替えて表示させることができる。よって、ユーザにとって見やすく、操作性を向上させることができる。特に、予測候補が多数のためにアクティビティ候補を同時に表示させることが困難な場合に好適である。
【0090】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について説明する。なお、本実施形態の携帯電話機1cは、第2実施形態の携帯電話機1aと同様の構成を備えるが、制御部45a、特に文字入力部50aの機能が拡張され、それぞれ制御部45c、文字入力部50cとなる(図8および図9参照)。
【0091】
図12は、本実施形態に係る制御部45cの処理内容を説明する画面遷移例を示す図である。
【0092】
まず、文字入力アプリケーションにおいて「カメラ」がキー入力されると、制御部45cは、「カメラ」に続く予測候補と共に、「カメラ」に関するアクティビティ候補を表示させる(図12(a))。
【0093】
ここで、制御部45cは、加速度センサ46が検知した加速度値に基づいて、所定のモーション入力がなされたと判断した場合には、アクティビティ候補を上位に並べ替えた表示に切り替える(図12(b))。さらに、制御部45cは、アクティビティ候補が上位に並べ替えられた状態で、所定のモーション入力がなされたと判断した場合には、予測候補とアクティビティ候補とが混在した表示に切り替える(図12(a))。
【0094】
制御部45cは、アクティビティ候補の表示順に関わらず(図12(a)または図12(b))、キー入力やモーション入力により、いずれかが選択されると、この選択に対応するアクティビティを実行する(図12(c)または図12(d))。
【0095】
本実施形態によれば、アクティビティ候補を簡便に抜き出して上位に表示させることができる。よって、キー入力においても選択が容易となるので、操作性を向上させることができる。また、予測候補が多数のためにアクティビティ候補を同時に表示させることが困難な場合に、上位に分かりやすく表示できるので、アクティビティの選択が容易となる。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図を示す。
【図2】第1実施形態に係る携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るキーアサインについての説明に供する図である。
【図4】第1実施形態に係る制御部の機能を示す機能ブロック図である。
【図5】第1実施形態に係る制御部の処理を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態に係るアプリケーション実行の画面遷移例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る機能設定の画面遷移例を示す図である。
【図8】第2〜第4実施形態に係る携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図9】第2〜第4実施形態に係る制御部の機能を示す機能ブロック図である。
【図10】第2実施形態に係る制御部の処理を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係るアプリケーション実行の画面遷移例を示す図である。
【図12】第4実施形態に係るアプリケーション実行の画面遷移例を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1、1a、1b、1c 携帯電話機(電子機器)
11 操作部(入力部)
21 表示部
22 レシーバ
23 ドライバIC
40 メインアンテナ
41 RF回路部
42 表示制御部
43 音声処理部
44 メモリ(記憶部)
45、45a、45b、45c 制御部(起動手段)
46 加速度センサ(センサ)
50、50a、50b、50c 文字入力部
51 アプリケーション実行部
52 設定制御部
53 センサ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字入力画面を表示する表示部と、
前記文字入力画面に表示される文字を入力するための入力部と、
アプリケーションの実行を制御すると共に、前記入力部により入力された文字の変換候補あるいは予測候補を前記表示部に表示する制御部と、
前記アプリケーション名を記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記変換候補あるいは予測候補の中に、前記記憶部に記憶されているアプリケーション名を表示させ、当該アプリケーション名が前記変換候補あるいは予測候補として選択されると、当該選択されたアプリケーション名のアプリケーションに関する処理を実行する電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記アプリケーション名が前記変換候補あるいは予測候補として選択されると、当該選択されたアプリケーション名のアプリケーションに関する処理を実行するか、あるいは当該アプリケーション名を文字として前記表示部に表示する処理を行うかの、選択を受け付ける請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記記憶部は、前記アプリケーションにおいて処理可能な処理名をさらに記憶し、
前記制御部は、前記表示部に前記アプリケーション名が入力された文字として表示されている場合に、当該アプリケーション名に関する予測候補を表示すると共に、当該予測候補の他に、前記記憶部に記憶されている当該アプリケーションにおいて処理可能な処理名を表示させ、当該処理名が前記予測候補として選択されると、当該処理名に関する処理を実行する請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記処理名が前記予測候補として選択されると、当該選択された処理名に関する処理を実行するか、あるいは当該処理名を文字として前記表示部に表示する処理を行うかの、選択を受け付ける請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
動作を検知するセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記センサにより検知された動作の種類に応じて、前記処理名のいずれかの選択を受け付けることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記予測候補が表示されている状態で前記センサにより所定の動作が検知された場合に、前記処理名を表示させ、前記処理名が表示されている状態で前記センサにより所定の動作が検知された場合に、前記予測候補を表示させることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記予測候補の中に前記処理名を混在表示させている状態で前記センサにより所定の動作が検知された場合に、前記処理名を上位に並べ替えて表示させ、前記処理名が並べ替えられて上位に表示されている状態で前記センサにより所定の動作が検知された場合に、前記混在表示をさせることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項8】
前記表示部に初期画面が表示されている状態において、前記入力部による文字の入力を受け付けたことに応じて、当該入力された文字を表示させる前記文字入力画面に係るアプリケーションを起動する起動手段をさらに備える請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−102671(P2010−102671A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276701(P2008−276701)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】