説明

電子機器

【課題】情報サーバとしての役割を電子機器に期待するユーザに対しての満足度を飛躍的に向上可能な電子機器を得る。
【解決手段】共有対象となる共有情報が生じたとき、共有情報蓄積管理部77は、当該共有情報をワークメモリ73に書き込む一方、通知制御部75は、ワークメモリ73に共有情報が存在している旨、及び当該共有情報の存在保証期間を、複数のユーザ端末のうち当該共有情報の共有候補となるユーザ端末69宛に通知する。そして、共有情報蓄積管理部77は、画像形成に関するジョブの発生如何にかかわらず、ワークメモリ73に蓄積されている共有情報を、少なくとも当該共有情報の存在保証期間が経過する迄継続して保持させる管理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザ端末が通信網を介して接続される電子機器に係り、特に、情報サーバとしての役割を電子機器に期待するユーザに対しての満足度を飛躍的に向上可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアントPCなどの複数のユーザ端末と、複数の画像形成装置とが通信網を介して接続され、複数の画像形成装置間で当該画像形成装置に設定されるべき設定データを共有する情報共有システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に係る情報共有システムによれば、複数の各画像形成装置に共通の設定を行う際の作業を簡略化することができる。
【0004】
ところで、画像形成装置のように複数のユーザが利用する電子機器では、同装置に備えられたワークメモリに共有対象となる情報を蓄積することによって、情報の集中管理拠点としての情報サーバ的な役割を担うなど、多彩な利用態様が出現してきている。
【0005】
しかしながら、電子機器には本来的に期待される役割がある。例えば、画像形成装置では、コピーやプリント等の画像形成に関する各種ジョブの遂行である。従って、電子機器の本来の役割と、情報サーバとしての役割と、の要求が同時に生じた場合には、従来、前者を優先的に処理することとしていた。例えば、画像形成装置のワークメモリに共有対象となる共有情報が存在している場合に、大容量の展開スペースを必要とする印刷ジョブが生じた場合には、従来、共有情報をワークメモリから削除することによって、印刷ジョブに係るワークエリアを確保することとしていた。このため、情報サーバとしての役割を電子機器に期待するユーザも少なからず存在するにもかかわらず、こうしたユーザの期待に応えることができておらず、ユーザ満足度向上の観点から改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−94294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、従来技術では、情報サーバとしての役割を電子機器に期待するユーザも少なからず存在するにもかかわらず、こうしたユーザの期待に応えることができていなかった点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、情報サーバとしての役割を電子機器に期待するユーザに対しての満足度を飛躍的に向上可能な電子機器を得ることを目的として、複数のユーザ端末が通紙網を介して接続される電子機器であって、ジョブの遂行時に使用され、情報を蓄積するワークメモリと、共有対象となる共有情報が生じたとき、当該共有情報を前記ワークメモリに書き込む共有情報蓄積管理部と、前記ワークメモリに前記共有情報が存在している旨、及び当該共有情報の存在保証期間を、前記複数のユーザ端末のうち当該共有情報の共有候補となるユーザ端末宛に通知する通知制御部と、を備え、前記共有情報蓄積管理部は、前記ジョブの発生如何にかかわらず、前記ワークメモリに蓄積されている共有情報を、少なくとも当該共有情報の前記存在保証期間が経過する迄継続して保持させる管理を行う、ことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電子機器では、上記の構成により、前記通知を受けた共有情報の共有候補となるユーザ端末では、当該共有情報の存在保証期間以内であれば、その共有情報を確実に取得することができる。
【0010】
従って、情報サーバとしての役割を画像形成装置に期待するユーザに対しての満足度を飛躍的に向上可能な画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】ユーザ端末からの要求を受けてログ情報(共有情報)が生成されたときの、本発明の実施例に係る画像形成装置の動作フローチャート図である。
【図3】共有情報の種別に関連付けて関係グループ名及び存在保証期間が記述された共有情報管理テーブルの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
情報サーバとしての役割を電子機器に期待するユーザに対しての満足度を飛躍的に向上するといった目的を、ワークメモリに共有情報が存在している旨、及び当該共有情報の存在保証期間を、複数のユーザ端末のうち当該共有情報の共有候補となるユーザ端末宛に通知する通知制御部と、ジョブの発生如何にかかわらず、ワークメモリに蓄積されている共有情報を、少なくとも当該共有情報の存在保証期間が経過する迄継続して保持させる管理を行う共有情報蓄積管理部と、の連係動作によって実現した。
【実施例】
【0013】
以下、本発明の実施例に係る電子機器の一例としての画像形成装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下において、本実施例に係る画像形成装置として、複数のユーザ端末がネットワーク(通信網)を介して接続された、情報サーバとしての役割を果たす画像形成装置を例示して説明する。
【0014】
[本実施例に係る画像形成装置の概略構成]
図1は、本実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本実施例に係る画像形成装置は、印刷出力、画像読み取り(スキャナ)、ファックス送信、メール送信、又はデータ送信を含む各種機能が利用可能であり、主制御部11によって制御される。
【0016】
主制御部11は、コンピュータであって、スキャナ機能を実現するための動作制御を行うスキャナコントローラ13、ファクシミリ機能を実現するための動作制御を行うファクシミリコントローラ15、プリンタ機能を実現するための動作制御を行うプリンタコントローラ17、並びに、コピー機能を実現するための動作制御を行うコピーコントローラ19を内蔵し、本装置全体の動作を統括制御する。
【0017】
主制御部11に接続され諸機能を担う入出力機器として、本装置は、スキャナ部21、画像処理部31、エンジン部41、操作パネル部51、ファクシミリ通信部61、HDD(ハードディスクドライブ)63、並びに、ネットワークI/F(インタフェース)部65を備える。
【0018】
スキャナ部21は、図示しないスキャナを構成する画像照射ランプ23及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサ25を含む。スキャナ部21は、画像照射ランプ23により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサ25で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部31へ出力する。
【0019】
画像処理部31は、補正部33、画像加工部35及び画像メモリ37を含む。画像処理部31は、スキャナ部21で読み取られた画像データを必要に応じて補正部33及び画像加工部35により処理する。また、画像処理部31は、処理された画像データを画像メモリ37に記憶したり、エンジン部41、ファクシミリ通信部61等へ出力したりする。補正部33は、スキャナ部21で読み取られた画像データに対してレベル補正、Y補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部35は、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0020】
エンジン部41は、図示しない給紙カセットや給紙ローラ等から構成される用紙搬送部43、図示しない感光体ドラム、露光装置、現像装置等から構成される画像形成部45、図示しない転写ローラ等から構成される転写部47、及び図示しない定着ローラ等から構成される定着部49を含む。エンジン部41は、スキャナ部21で読み取られた画像データ、ネットワークI/F部65を介してLAN(Local Area Network)経由でクライアントPC(ユーザ端末)等から送信された画像データ、ファクシミリ通信部61を用いて外部のファクシミリ装置等から受信したファクスデータ等の画像データを用いて画像を用紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部43は用紙を画像形成部45へ搬送し、画像形成部45は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部47はトナー像を用紙に転写し、定着部49はトナー像を用紙に定着させて画像を形成する。
【0021】
操作パネル部51は、図1に示すように、タッチパネル部53及び操作キー部55を含む。操作パネル部51は、本実施例において各種機能を選択的に入力操作する操作部であり、ユーザがスキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に係る各種設定操作を行うために使用され、ユーザによる操作指令等を主制御部11に与える。
【0022】
タッチパネル部53は、タッチパネルとカラーLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成される。タッチパネル部53は、種々の操作画面、例えば、コピー機能実行時には、原稿サイズ、コピーサイズ、複写部数等に関する情報を表示するとともに、ユーザが該当部分をタッチすることにより種々の操作指令を入力するための操作ボタン類を表示する。
【0023】
操作キー部55は、ユーザの操作入力を受付けるための複数の操作キーを備えている。具体的には、例えば、テンキー、及びコピー機能やスキャナ機能の実行に係る指示操作を行う際等に操作されるスタートキー等を備えている。これら複数の操作キーは、例えば、ファクシミリ機能、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能などの諸機能のなかから、所要機能のキー入力操作をユーザが選択的に実行する際に用いられる。
【0024】
ファクシミリ通信部61は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部61は、スキャナ部21によって読み取られた原稿の画像データを電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0025】
HDD(ハードディスクドライブ)63は、スキャナ部21によって読み取られた画像データ及び同画像データに設定されている出力形式等の種々のデータ等を記憶する。HDDに記憶されている画像データは、画像形成装置で使用されるだけでなく、必要に応じて、ネットワークI/F部65を介してクライアントPC等から確認したり、クライアントPCやFTPサーバ等の所定のフォルダへ転送される。また、HDDに記憶されている画像データは、必要に応じてメモリスロットやUSBインタフェース等を介して、可搬型の記録媒体へ転送することも可能である。
【0026】
ネットワークI/F部65は、ネットワークインタフェース(10/100Base−TX)等を用い、LAN67を介して接続されたクライアントPC(ユーザ端末)69−1,69−2,69−3・・・等に対する種々のデータの送受信を制御する。
【0027】
さて、情報サーバとしての役割を画像形成装置に期待するユーザに対しての満足度を飛躍的に向上可能な画像形成装置を得るために、主制御部11は、ジョブ受付部71、ワークメモリ73、通知制御部75及び共有情報蓄積管理部73を備える。
【0028】
ここで、主制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有するコンピュータである。
【0029】
CPUは、プログラムに記述された処理を実行する演算処理装置である。また、ROMは、プログラムを予め記憶した不揮発性のメモリである。また、RAMは、本実施例のワークメモリ73として動作する。
【0030】
主制御部11は、画像形成装置の動作を制御するプログラムを実行することにより、ジョブ受付部71、ワークメモリ73、通知制御部75及び共有情報蓄積管理部73の機能を実現する。
【0031】
ジョブ受付部71は、複数の各ユーザ端末69経由又は本画像形成装置の操作パネル部51経由で印刷ジョブを含む各種ジョブを受付ける。
【0032】
ワークメモリ73は、共有対象となる共有情報、及び共有情報の種別に関連付けて関係グループ名及び存在保証期間が記述された共有情報管理テーブルを蓄積する。また、ワークメモリ73は、画像形成に関するジョブの遂行時に使用される。すなわち、ワークメモリ73は、コピージョブ、印刷ジョブ、ファクシミリジョブまたはスキャンジョブ発生時に、各ジョブ遂行ための画像形成装置の動作プログラムの実行に必要なデータを一時的に保存する。
【0033】
通知制御部75は、ワークメモリ73に共有情報が存在している旨、及び当該共有情報の存在保証期間を、複数のユーザ端末69−1,69−2,69−3・・・のうち当該共有情報の共有候補となるユーザ端末宛に通知する。
【0034】
共有情報蓄積管理部77は、共有対象となる共有情報が生じたとき、当該共有情報をワークメモリ73に書き込む。更に共有情報蓄積管理部77は、画像形成に関するジョブの発生如何にかかわらず、ワークメモリ73に蓄積されている共有情報を、少なくとも当該共有情報の存在保証期間が経過する迄継続して保持させる管理を行う。
【0035】
なお、共有情報としては、例えば、ログ情報、装置の設定情報、アドレス帳情報等の、各種ジョブの遂行の際に利用する情報や画像形成装置を管理するための情報を適宜採用することができる。
【0036】
[本実施例に係る画像形成装置の動作]
次に、本実施例に係る画像形成装置の動作について、ユーザ端末からの要求を受けてログ情報(共有情報)が生成される例をあげて、図2及び図3を参照して説明する。
【0037】
図2は、ユーザ端末からの要求を受けてログ情報(共有情報)が生成されたときの、本実施例に係る画像形成装置の動作フローチャート図、図3は、共有情報の種別に関連付けて関係グループ名及び存在保証期間が記述された共有情報管理テーブルの一例を示す説明図である。
【0038】
図2に示すように、ジョブ受付部71は、ユーザ端末69経由又は本画像形成装置の操作パネル部51経由で、印刷ジョブを含む各種ジョブの要求が生じたか否かを常時監視している。この監視中に、ユーザ端末69−1経由で、ログ情報(共有情報)の生成要求を受け付けると(ステップS11)、ジョブ受付部71は、その旨を主制御部11宛に渡す。
【0039】
これを受けて主制御部11は、前述の生成要求に従ったログ情報を生成する一方、共有情報蓄積管理部77は、生成されたログ情報を共有情報としてワークメモリ73に書き込む(ステップS12)。
【0040】
このとき、通知制御部75は、図3に示すように、ワークメモリ73に蓄積されている共有情報管理テーブルを参照することによって、共有情報の種別である「ログ情報」に対応する「関係グループ」として「X」を抽出するとともに、「ログ情報」に対応する「存在保証期間(適宜変更可能な時間。以下、同じ。)」として「15min」を抽出する。そして、通知制御部75は、こうして抽出した「関係グループ:X」に属するユーザ端末(例えば、ユーザ端末69−1及び69−3)宛に、「ログ情報」の存在、及び「存在保証期間:15min」を、例えば電子メールによって通知する(ステップS13)。
【0041】
共有情報の存在等に係る通知を受けた例えばユーザ端末69−1のユーザは、その「ログ情報」が自身にとって必要な情報であると判断したときには、その存在保証期間である15min以内であれば、共有情報(「ログ情報」)の取得操作を行うことができる。
【0042】
さて、ステップS13における共有情報の存在等通知後に、共有情報蓄積管理部77は、存在保証期間である15minが満了したか否かを監視している(ステップS14)。
【0043】
ステップS14に係る存在保証期間が満了していない監視期間では、(ステップS14の”No”)、共有情報蓄積管理部77は、画像形成に関するジョブの発生如何にかかわらず、ワークメモリ73に蓄積されている共有情報(「ログ情報」)を削除することなく保持する。(ステップS15)。
【0044】
すなわち、ワークメモリ73に共有情報が蓄積されている状況下で、大容量の展開スペースを必要とする印刷ジョブが生じた場合、従来であれば、共有情報をワークメモリ73から速やかに削除することによって、印刷ジョブに係るワークエリアを確保していた。これに対し、本実施例では、上述した存在保証期間以内であれば、大容量の展開スペースを必要とする印刷ジョブが生じた場合であっても、共有情報をワークメモリ73に継続して保持させることとしている。
【0045】
一方、ステップS14に係る存在保証期間が満了した旨の判定が下されたとき(ステップS14の”Yes”)、共有情報蓄積管理部77は、ワークメモリ73に蓄積されている共有情報(「ログ情報」)の継続保持管理を終了する(ステップS16)。ただし、存在保証期間が満了した後であっても、印刷ジョブやコピージョブ等の、画像形成に関するジョブが発生しない限りは、ワークメモリ73に蓄積されている共有情報(「ログ情報」)の保持を継続するように構成してもよい。
【0046】
上述した継続保持管理の終了後に、主制御部11は、一連の処理の流れを終了する。
【0047】
[実施例の効果]
以上述べたように、本実施例に係る画像形成装置では、共有対象となる共有情報が生じたとき、共有情報蓄積管理部77は、当該共有情報をワークメモリ73に書き込む一方、通知制御部75は、ワークメモリ73に共有情報が存在している旨、及び当該共有情報の存在保証期間を、複数のユーザ端末のうち当該共有情報の共有候補となるユーザ端末69宛に通知する。そして、共有情報蓄積管理部77は、画像形成に関するジョブの発生如何にかかわらず、ワークメモリ73に蓄積されている共有情報を、少なくとも当該共有情報の存在保証期間が経過する迄継続して保持させる管理を行う。
【0048】
すなわち、ワークメモリ73に共有情報が蓄積されている状況下で、大容量の展開スペースを必要とする印刷ジョブが生じた場合、従来であれば、共有情報をワークメモリ73から速やかに削除することによって、印刷ジョブに係るワークエリアを確保していたのに対し、本実施例では、上述した存在保証期間以内であれば、大容量の展開スペースを必要とする印刷ジョブが生じた場合であっても、共有情報をワークメモリ73に継続して保持させることとした。これにより、共有情報の存在等に係る通知を受けた共有情報の共有候補となるユーザ端末では、当該共有情報の存在保証期間以内であれば、その共有情報を確実に取得することができる。
【0049】
従って、情報サーバとしての役割を画像形成装置に期待するユーザに対しての満足度を飛躍的に向上可能な画像形成装置を得ることができる。
【0050】
なお、共有情報蓄積管理部77は、前記存在保証期間が経過した後であって、画像形成に関するジョブが発生したとき、ワークメモリ73に蓄積されている共有情報を削除する構成を採用してもよい。このように構成すれば、存在保証期間が経過した後であっても、その共有情報がワークメモリ73に残っている可能性もある。従って、その共有情報を取得したいユーザにとって、その取得機会が延長されるといった意味で、共有情報の取得機会豊富化の側面からの顧客満足度の向上に寄与することができる。
【0051】
また、共有情報は、所定の変換工程を経て生成される情報である、構成を採用することもできる。このように構成すれば、本来であれば、所定の変換工程を経ることによってある程度の取得時間を要する共有情報を、リアルタイムで取得することが可能となるといった意味で、共有情報の取得時間短縮の側面からの顧客満足度の向上に寄与することができる。
【0052】
そして、共有情報は、経時的に消滅してゆく属性を有する情報である、構成を採用することもできる。このように構成すれば、経時的に消滅してゆく属性を有する共有情報について、関係グループに属するユーザ宛にその存在を通知することで取得を促すことが可能となるといった意味で、共有情報の取得に係る機会損失を抑止する側面からの顧客満足度の向上に寄与することができる。
【0053】
また、例えば、経時的に消滅してゆく属性を有する共有情報の取得に失敗したユーザに対して、その共有情報の取得に成功したユーザに関する電子メールアドレス等の情報を提供することによって、共有情報の追跡取得を可能とする構成を採用してもよい。このように構成すれば、経時的に消滅してゆく属性を有する共有情報の追跡取得が可能となるといった意味で、共有情報の取得に係る機会損失を回避する側面からの顧客満足度の向上に寄与することができる。
【0054】
[その他]
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは技術思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電子機器もまた、本発明における技術的範囲の射程に包含されるものである。
【符号の説明】
【0055】
11 主制御部
69−1,69−2,69−3,・・・ 複数のユーザ端末
71 ジョブ受付部
73 ワークメモリ(共有情報管理テーブル)
75 通知制御部
77 共有情報蓄積管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末が通紙網を介して接続される電子機器であって、
ジョブの遂行時に使用され、情報を蓄積するワークメモリと、
共有対象となる共有情報が生じたとき、当該共有情報を前記ワークメモリに書き込む共有情報蓄積管理部と、
前記ワークメモリに前記共有情報が存在している旨、及び当該共有情報の存在保証期間を、前記複数のユーザ端末のうち当該共有情報の共有候補となるユーザ端末宛に通知する通知制御部と、
を備え、
前記共有情報蓄積管理部は、前記ジョブの発生如何にかかわらず、前記ワークメモリに蓄積されている共有情報を、少なくとも当該共有情報の前記存在保証期間が経過する迄継続して保持させる管理を行う、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記共有情報蓄積管理部は、前記存在保証期間が経過した後であって、前記ジョブが発生したとき、前記ワークメモリに蓄積されている共有情報を削除する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器であって、
前記共有情報は、所定の変換工程を経て生成される情報である、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の電子機器であって、
前記共有情報は、経時的に消滅してゆく属性を有する情報である、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の電子機器であって、
前記共有情報は、前記複数のユーザ端末のうち、いずれかのユーザ端末からの要求に基づき生成された情報である、
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−224998(P2010−224998A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73039(P2009−73039)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】