説明

電子機器

【課題】 座標入力装置により入力された座標データを無効とする特定のエリアを動的に設定できるようにすることで、ユーザに合わせた座標入力装置に対する入力制御を実現して操作性を向上させる。
【解決手段】 パーソナルコンピュータには、座標データを入力するタッチパッド16が設けられている。ユーティリティ113bは、タッチパッド16により入力された座標データを無効とする無効化範囲を設定する設定処理を実行する。ドライバ113cは、タッチパッド16によって入力された座標データが設定処理によって設定された無効化範囲内にあるか否かを判定する。OS113aは、ドライバ113cによって有効と判定された座標データに応じた処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパッドなどの座標入力装置が設けられた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ノートブック型のパーソナルコンピュータでは、ポインティングデバイスとして、本体筐体上面に座標入力装置としてタッチパッドが設けられている。通常、タッチパッドは、キーボードの手前側のほぼ中央に配置されている。タッチパッドは、エリアを拡大することによって使い勝手の向上が期待できるが、キー入力の妨げとならない位置に配置する必要があるためサイズが制限されていた。タッチパッドのエリアを拡大してしまうと、キーボードに対するキー入力の際に、意図せずタッチパッドに手が触れてしまい易くなる。この場合、タッチパッドからの入力に応じて、ユーザが意図しない処理が実行され操作性の低下を招いてしまう。例えば、キー入力中にタッチパッドに触れてしまった場合に、画面中のポインタ(マウスカーソル)を移動させ、文字入力位置を動かしてしまう場合があった。
【0003】
従来のパーソナルコンピュータでは、意図せずにタッチパッドに触れた場合に対処するため、例えばキー入力中にはタッチパッドからの入力を無効にしていた。これにより、意図せずにタッチパッドに触れたとしても、キー入力中にカーソルが不意に移動することを防止していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−133796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のパーソナルコンピュータでは、キー入力中にはタッチパッド全体を無効にすることで、キー入力中にタッチパッドに触れてしまっても、ユーザが意図しない処理が実行されないようにしていた。
【0006】
しかしながら、従来のタッチパッドに対する制御では、キー入力中にはタッチパッド全体を無効化してしまうため、キー入力しながらユーザが意図してポインティング機能を使用することはできなかった。例えば、キー入力中には、タッチパッドを利用したクリック、ダブルクリック、ドラッグアンドドロップなどの操作を実行することができず、タッチパッドを用いた操作性を有効に利用することができなかった。
【0007】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、座標入力装置により入力された座標データを無効とする特定のエリアを動的に設定できるようにすることで、ユーザに合わせた座標入力装置に対する入力制御を実現して操作性を向上させることが可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明は、座標データを入力する座標入力装置と、前記座標入力装置によって入力された座標データをもとに、予め設定された第1の接触範囲よりも広い第2の接触範囲を検出する範囲検出手段と、前記範囲検出手段によって検出された前記第2の接触範囲をもとに、前記座標入力装置により入力された座標データを無効とする無効化範囲を設定する設定手段と、前記座標入力装置によって入力された座標データが前記無効化範囲内にある場合、該座標データを無効とする処理を実行する処理手段と、前記無効化範囲設定手段によって前記無効化範囲が設定されてから一定時間が経過した場合に、前記無効化範囲の設定を取り消す設定取り消し手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、座標入力装置により入力された座標データを無効とする特定のエリアを動的に設定できるようにすることで、ユーザに合わせたタッチパッドの入力制御を実現して操作性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図。
【図2】本実施形態におけるコンピュータ本体11のシステム構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態におけるコンピュータ本体11の上面を示す平面図。
【図4】本実施形態における無効化範囲表示器19の一例を示す図。
【図5】本実施形態のパーソナルコンピュータ10におけるタッチパッド16の入力制御に関係する構成図。
【図6】本実施形態におけるユーティリティ113bによるタッチパッド制御データ113dの設定動作を示すフローチャート。
【図7】本実施形態におけるタッチパッド設定画面の一例を示す図。
【図8】本実施形態における無効化範囲設定処理の設定画面の一例を示す図。
【図9】本実施形態におけるタッチパッド16に対する座標データの入力が有効な範囲の一例を示す図。
【図10】本実施形態における無効化範囲設定処理を示すフローチャート。
【図11】本実施形態における無効化範囲設定処理における表示例を示す図。
【図12】本実施形態における接触パターンを登録するために入力される座標データ群(接触範囲)の一例を示す図。
【図13】本実施形態における接触パターンの算出を説明するための図。
【図14】キーボード13に対するキー入力をする場合の手の位置を示す図。
【図15】図14に示すように、手が置かれた場合に設定され無効化範囲の一例を示す図。
【図16】本実施形態におけるドライバ113cによるタッチパッド制御処理について示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
まず図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る電子機器の構成について説明する。この電子機器はバッテリ駆動可能なノートブック型のパーソナルコンピュータ10として実現されている。
【0012】
図1はパーソナルコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。このコンピュータ(電子機器)10は、コンピュータ本体(電子機器本体)11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD17の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0013】
ディスプレイユニット12は、ヒンジ18A及び18Bにより、コンピュータ本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。
【0014】
コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有している。コンピュータ本体11の上面には、キーボード13、コンピュータ10を電源オン/オフするためのパワーボタンスイッチ14、入力操作パネル15、タッチパッド16、及び無効化範囲表示器19などが配置されている。入力操作パネル15は、押されたボタンスイッチに対応するイベントを入力する入力装置であり、複数の機能をそれぞれ起動するための複数のボタンスイッチを備えている。
【0015】
本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、コンピュータ本体11上面のキーボード13の手前側、いわゆるパームレストと呼ばれる範囲にタッチパッド16が配設されている。タッチパッド16は、通常、ユーザが指先によって接触することで座標データを入力するポインティングデバイスである。図1に示す例では、タッチパッド16は、コンピュータ本体11上面の横幅とほぼ同じサイズで構成されている。
【0016】
なお、図1では、タッチパッド16は、コンピュータ本体11上面の横幅とほぼ同じサイズとしているが、キーボード13のホームポジションなどに関係なく、任意のサイズに構成し、任意の位置に配置することができる。例えば、ユーザが手をキーボード13に対するホームポジションに置いた時に、手の位置を含む範囲のサイズで構成することができる。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、ユーザがキー入力時に手を置く位置にタッチパッド16が配置されていても、この手が置かれる範囲において入力される座標データを無効化(ディセーブル)する無効化範囲を設定することができる。従って、キー入力時にパームレスト(タッチパッド16)上に手を置いたとしても、ユーザが意図しない座標データの入力を防ぐことができる。
【0017】
従って、パーソナルコンピュータ10が小型であるためにコンピュータ本体11上面の面積が狭い場合、パーソナルコンピュータ10のデザイン上、手が置かれる位置を避けてタッチパッド16を配置できない場合であっても、良好な操作性を確保することができるサイズのタッチパッド16を設けることができる。
【0018】
無効化範囲表示器19は、タッチパッド16の横幅方向に沿って配置された細長い表示装置である。無効化範囲表示器19は、タッチパッド16に対して無効化範囲が設定された場合に、ユーザに対して無効化範囲を明示するための表示を行う。詳細については後述する(図3、図4参照)。
【0019】
図2はコンピュータ本体11のシステム構成を示すブロック図である。コンピュータ本体11は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィックスコントローラ114、及びサウスブリッジ115を有する。コンピュータ本体11はまた、BIOS−ROM120、ハードディスクドライブ(HDD)130、光ディスクドライブ(ODD)140、サウンドコントローラ150、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)160、電源回路170、及びLEDコントローラ180を有する。
【0020】
CPU111は、コンピュータ10の動作を制御するプロセッサである。CPU111は、ブートデバイス、例えばHDD130から主メモリ113にロードされるオペレーティングシステム(OS)113aを実行する。またCPU111は、各種アプリケーションプログラムを実行する。またCPU111は、BIOS−ROM120に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0021】
本実施形態のパーソナルコンピュータ10では、タッチパッド16に対する入力制御を行うためのユーティリティ113bが用意されている。ユーティリティ113bは、タッチパッド16の入力を制御するためのタッチパッド制御データ113dを設定する。タッチパッド制御データ113dには、例えば、タッチパッド16に対して設定される無効化範囲をキーボード13に対するキー入力と連動させるか否か、タッチパッド16の無効化範囲をタッチパッド16の全体、タッチパッド16の一部、あるいは入力操作以外で触れられている部分の何れにするかが設定されている。ドライバ113cは、ユーティリティ113bにより設定されたタッチパッド制御データ113dに応じて、タッチパッド16に対する入力制御を行う。
【0022】
ノースブリッジ112は、CPU111のローカルバスとサウスブリッジ115との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ112には、主メモリ113をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ112は、AGP(Accelerated Graphics Port)バスなどを介してグラフィックスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。
【0023】
グラフィックスコントローラ114は、コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。グラフィックスコントローラ114はビデオメモリ(VRAM)114aを有しており、VRAM114aに書き込まれた表示データから、LCD17に表示すべき表示イメージを形成する映像信号を生成する。
【0024】
サウスブリッジ115は、BIOS−ROM120へのアクセスを制御する。BIOS−ROM120はフラッシュROMのような書き換え可能な不揮発性メモリである。前記したようにBIOS−ROM120は、システムBIOSを格納する。またサウスブリッジ115は、HDD130及びODD140などのディスクドライブ(I/Oデバイス)を制御する。
【0025】
サウスブリッジ115は、LPCバス3上の各デバイスを制御する。PCIバス2はシステムバスとして用いられる。
【0026】
HDD130は、各種プログラム及びデータを格納するストレージ装置である。HDD130は、モータにより回転される磁気ディスクに対するデータの書き込み/読み出しを行う。HDD130には、オペレーティングシステム(OS)やドライバなどのプログラムが予め格納されている。OSはBIOS−ROM120に格納されているシステムBIOSに従って主メモリ113にロードされることにより、CPU111によって実行される。また、他のプログラムやデータも必要に応じて主メモリ113にロードされCPU111により実行される。
【0027】
ODD140は、コンパクトディスク(CD)やデジタル多用途ディスク(DVD)のような光ディスクをモータにより回転駆動するドライブユニットである。ODD140は光ディスクに対するデータの読み出し/書き込みを行う。
【0028】
サウンドコントローラ150は、スピーカ151から音を出力させるための制御を行う。サウンドコントローラ150は、例えば、タッチパッド16に対する入力制御に応じてスピーカ151から音を出力させる。
【0029】
EC/KBC160は、電源管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13及びタッチパッド16などを制御するキーボードコントローラとが単一チップに集積されたマイクロコンピュータである。EC/KBC160は、電源回路170と協調して動作することにより、ユーザによるパワーボタンスイッチ14の操作に応答して、コンピュータ10を電源オンする電源制御機能を有している。
【0030】
電源回路170は、リチャージャブルなバッテリ171または高電圧電源としてのACアダプタ172を介して供給されるDC電源を用いて、コンピュータ本体11の各要素に印加すべきシステム電源電圧を生成する。ACアダプタ172は、AC電源をDC電源に変換する。
【0031】
LEDコントローラ180は、無効化範囲表示器19において用いられる複数のLED181の点灯(点滅)を制御する。LEDコントローラ180は、タッチパッド16に対する入力制御に応じてLED181を点灯(点滅)させる。すなわち、タッチパッド16に対して設定された無効化範囲に対応するLED181を点灯(点滅)させることにより、無効化範囲として設定された部分をユーザが認識できるようにする。
【0032】
図3は、コンピュータ本体11の上面を示す平面図である。
図3に示すように、コンピュータ本体11には、キーボード13が配置され、キーボード13の手前側(ユーザ側)にタッチパッド16が配置されている。タッチパッド16は、コンピュータ本体11の横幅とほぼ同じサイズ(パームレスト全体)に形成されている。また、キーボード13とタッチパッド16との間には、無効化範囲表示器19がタッチパッド16の横幅方向に沿って配置されている。なお、タッチパッド16は、図1及び図3に示すように、パームレスト全体に設けるだけでなく、例えば横幅方向の3/4、2/3などの任意の幅のサイズで構成するようにしても良い。
【0033】
無効化範囲表示器19は、例えば図4に示すような、複数の管状部材19aが直線上に、筐体上面と同一面となるように埋め込まれている。タッチパッド16の座標入力面は、仮想的に複数の小エリアに区分されている。図3では、破線により小エリアの区分を表している。管状部材19aは、小エリアのそれぞれに対応付けて配置されている。
【0034】
図4は、無効化範囲表示器19を構成する管状部材19aの概略構成を示している。
管状部材19aは、管状の透光部材であり、その両端にLED19b,19c(LED181)が埋め込まれている。LED19b,19cを点灯させることで、管状部材19aの両端から光が照射され、管状部材19aの全体が点灯される。なお、LED19b,19cは、異なる色によって点灯を可能とすることで、状況に応じて管状部材19aの表示色を変更することもできる。
【0035】
無効化範囲表示器19は、タッチパッド16の有効な範囲(無効化範囲に設定されていない範囲)に対応する管状部材19aのLED19b,19cを点灯(点滅)させることで、タッチパッド16における座標データの入力が可能なエリアを視覚的にユーザに通知する。無効化範囲に対応する管状部材19aを点灯(点滅)させるようにしても良い。
【0036】
なお、図3に示す構成では、筐体に複数の管状部材19aを埋め込むことで無効化範囲表示器19を構成しているが、筐体そのものを透光部材により構成して、筐体をLEDによって表示させるように構成しても良い。例えば、図3に示す無効化範囲表示器19と同様にして、透光部材により構成された筐体に、タッチパッド16の複数の小エリアとそれぞれ対応付けた位置にLEDを埋め込む。また、筐体の下部にLEDを配置するようにしても良い。各LEDは、タッチパッド16に対して設定された有効/無効化範囲に応じて点灯(点滅)させる。これにより、無効化範囲表示器19と同様の機能を果たす。
【0037】
図5は、本実施形態のパーソナルコンピュータ10におけるタッチパッド16の入力制御に関係する構成図である。
EC/KBC160は、キーボード13及びタッチパッド16からの入力を制御する。ドライバ113cは、EC/KBC160を通じてタッチパッド16から入力される座標データに対して、予めユーティリティ113bによって設定されるタッチパッド制御データ113dに応じて有効/無効の制御を行う。ドライバ113cは、タッチパッド16において無効化範囲に設定されていない範囲内の座標データを有効な入力座標データとしてOS113aに出力する。また、ドライバ113cは、EC/KBC160からキーボード13に対するキー入力があったことが通知され、キー入力と連動させたタッチパッド16に対する入力制御を実行することができる。
【0038】
本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、ユーティリティ113bによりタッチパッド制御データ113dを設定することにより、以下のようなタッチパッド16に対する入力制御が可能であるものとする。
【0039】
(A)第1の方法(キー入力に連動してタッチパッド制御を行う場合)
(A1)タッチパッド全体を無効化
(A2)タッチパッドを小エリアに等分割して一部の小エリアを無効化
(A3)入力操作以外の触れている部分のみを無効化
(B)第2の方法(キー入力に連動せずタッチパッド制御を行う場合)
(B1)タッチパッド全体を無効化
(B2)タッチパッドを小エリアに等分割して一部の小エリアを無効化
(B3)触れている部分のみを無効化
次に、本実施形態のパーソナルコンピュータ10におけるタッチパッド16の制御動作について説明する。
まず、ユーティリティ113bによるタッチパッド制御データ113dの設定動作について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0040】
ユーティリティ113bは、ユーザ操作によってタッチパッド設定処理が要求されるとタブレット設定処理を起動して(ステップA1)、タッチパッド設定画面をLCD17において表示させる(ステップA2)。
【0041】
図7には、タッチパッド設定画面の一例を示している。タッチパッド設定画面においては、キー入力連動制御を「する」「しない」の何れかを任意に選択することができる。図7では、キー入力連動制御を「しない」が選択された状態を示している。
【0042】
また、タッチパッド設定画面では、タッチパッド無効化範囲として、「タッチパッド全体」「タッチパッドの一部」「入力操作以外の触れている部分」の何れかを選択することができる。さらに、タッチパッド無効化範囲として「タッチパッドの一部」「入力操作以外の触れている部分」が選択された場合には、ユーザからの指示に応じて無効化する範囲を設定することができる。
【0043】
ユーティリティ113bは、図7に示すタッチパッド設定画面を通じてユーザからの入力を受け付けて、キー入力連動制御あるいはタッチパッド無効化範囲を設定する(ステップA3)。
【0044】
タッチパッド無効化範囲として「タッチパッドの一部」あるいは「入力操作以外の触れている部分」が選択され、さらに「範囲設定」の実行が要求された場合(ステップA4、Yes)、ユーティリティ113bは、無効化範囲設定処理を実行する(ステップA5)。無効化範囲設定処理を含む各設定が完了した後、「OK」ボタンが選択されると、ユーティリティ113bは、設定画面において設定された設定内容に応じて、タッチパッド制御データ113dを作成する。
【0045】
以下、無効化範囲設定処理の具体例について説明する。
まず、タッチパッド無効化範囲として「タッチパッドの一部」が選択された場合の無効化範囲設定処理について説明する。
ユーティリティ113bは、「タッチパッドの一部」を無効化範囲として設定するための無効化範囲設定処理を起動し、図8に示すように設定画面を表示させる。図8に示す設定画面では、タッチパッド16に相当する図形が表示されると共に、「タッチパッドの無効化する範囲を指定して下さい」のメッセージが表示されている。タッチパッド16に相当する図形には、タッチパッド16に対して予め設定されている小エリアの区分が表示されている。図8に示す例では、タッチパッド16のエリア(座標入力面)が8等分された例を示している。この図形に対しては、例えばキーボード13あるいはタッチパッド16に対する操作によって、何れかの小エリアを無効化範囲として任意に選択することができる。図8では、両端の4つの小エリアが無効化範囲として選択された状態にあることを示している。例えば、ユーザは、タッチパッド16の両端側では入力操作を行わない場合、あるいはキー入力時にタッチパッド16の両端位置に手を乗せて操作することが多い場合などにおいて、図8に示すように無効化範囲を設定することができる。これにより、ユーザは、タッチパッド16から意図しない座標データの入力を防ぐことができる。
【0046】
ここで、「OK」ボタンが選択されると、ユーティリティ113bは、設定画面中で選択された小エリアを無効化範囲としてタッチパッド制御データ113dに設定する。
【0047】
図9(a)(b)には、タッチパッド16に対する座標データの入力が有効な範囲の一例を示している。無効化範囲が設定されていない場合には、図9(a)に示すように、タッチパッド16の全体のエリアにおいて座標データの入力が可能となる。一方、図8に示すように、無効化範囲が設定された場合には、図9(b)に示すように、タッチパッド16の両端側が無効化範囲として制御される。従って、例えばタッチパッド16の両端位置に手を置いてキー入力を行ったとしても、タッチパッド16から意図しない座標データが入力されることがない。
【0048】
なお、図8及び図9における無効化範囲の設定は一例であって、ユーザのタッチパッド16に対する使用方法や、キーボード13に対してキー入力する際の手をパームレストに置く位置などに応じて、任意の位置、数の小エリアを無効化範囲として設定することができる。
【0049】
また、図8に示す設定画面では、予め区分された小エリアを選択するとしているが、小エリアを区分することなく、連続的に無効化範囲の区分位置を指定できるようにしても良い。また、図8では、横長のタッチパッド16のエリアを横方向に等分割しているが、縦方向に小エリアを分割しても良いし、タッチパッド16の両端側と中央ではエリアの区分サイズが異なっていても良い。
【0050】
次に、タッチパッド無効化範囲として「入力操作以外の触れている部分」が選択された場合の無効化範囲設定処理について説明する。図10には、無効化範囲設定処理のフローチャートを示している。
この無効化範囲設定処理では、タッチパッド1から入力された座標データが通常の入力操作により入力されたものか、ユーザが意図しないで入力されたものかを判別するための基準となるデータ、すなわち接触パターンを記録するための処理である。接触パターンは、通常のタッチパッド16に対する入力操作によって入力された座標データとして判別するための基準となるデータである。本実施形態では、接触パターンを越えるサイズの領域で座標データの入力があった場合には、この座標データが入力された領域は、通常の入力操作によって入力された座標データではないものとして無効化範囲と設定するものとする。
【0051】
まず、ユーティリティ113bは、「入力操作以外の触れている部分」を無効化範囲として設定するための無効化範囲設定処理を起動し、図11に示すようにガイドメッセージを表示させる(ステップB1)。ガイドメッセージでは、「入力操作時の接触パターンの登録を実行します。タッチパッド上で入力操作を行って下さい」のメッセージを表示させる。そして、ユーザには、タッチパッド16に対して、通常の入力操作、例えば画面中に表示されたポインタ(マウスカーソル)を移動させるための入力操作を実行させる。
【0052】
ユーティリティ113bは、ガイドメッセージ画面において「OK」ボタンが選択されると(ステップB2、Yes)、タッチパッド16からの入力待ち状態となる。
【0053】
ここで、タッチパッド16に対してユーザにより入力操作が行われると、EC/KBC160、ドライバ113cを介して、タッチパッド16から入力された最初の接触範囲の座標データが入力される。ここで入力される座標データは、1点を示すものではなく、指が接触している範囲を表す座標データ群とする。ユーティリティ113bは、この入力された座標データ群を主メモリ113において一時記憶する(ステップB3)。そして、ユーティリティ113bは、最初に接触範囲の座標データ群のデータをもとに接触パターンを算出し(ステップB4)、タッチパッド制御データ113dとして接触パターンを示すデータを記憶する(ステップB5)。
【0054】
図12(a)(b)には、接触パターンを登録するために入力される座標データ群(接触範囲)の一例を示している。
例えば、ポインタを移動させるための入力操作では、指先をタッチパッド16に接触させた後、ポインタを移動させる方向に応じて指先をタッチパッド16の上で移動させる。この場合、図12(a)に示すように、指先をタッチパッド16に接触させた時の最初の接触範囲の座標データ群が入力された後、図12(b)に示すように、指先の移動に応じた座標データ群が入力される。
【0055】
図13は、図12(a)に示す最初の接触範囲を示す図である。ユーティリティ113bは、最初の接触範囲をもとに、例えば横方向のサイズXと縦方向のサイズYを算出する。そして、接触範囲のサイズXYに対して、予め決められた所定の倍率を掛けたサイズを接触パターンとして算出する。例えば、接触範囲のサイズXYを1.2倍して接触パターンを算出する。接触範囲のサイズXYを若干拡大することにより、入力操作毎に最初の接触範囲が多少変動しても、実際の入力操作によりタッチパッド16から入力される座標データを無効と判別されないようにできる。
【0056】
図14には、キーボード13に対するキー入力をする場合の手の位置を示す図である。通常、キーボード13に対するキー入力を行う場合、ユーザは、キーボード13の手前側にホームポジションに合わせて手を置くことが多い。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、タッチパッド16が横幅方向の全体にわたって設けられているため、タッチパッド16の上に手が置かれることになる。
【0057】
この場合、タッチパッド16に対する通常の指先を用いた入力操作よりも広い範囲で手がタッチパッド16と接触する。接触パターンは、通常の入力操作時の入力データをもとに算出されている。従って、図14に示すように、タッチパッド16の上に手が置かれることで入力された領域のデータは、接触パターンとの比較によって無効なデータと判別することができる。
【0058】
図15には、図14に示すように、手が置かれた場合に設定され無効化範囲の一例を示している。
【0059】
なお、前述した説明では、1回の入力操作で入力されたデータをもとに接触パターンを登録しているが、複数回の入力操作で入力されたデータをもとに接触パターンを算出するようにしても良い。例えば、複数回の入力操作で入力されたデータの平均値を算出し、この平均値のデータをもとにして接触パターンを算出するようにしても良い。
【0060】
このように、実際に、ユーザがタッチパッド16に対して入力操作を行った時に入力される座標データをもとに接触パターンを算出するので、ユーザ毎の適切な接触パターンの登録が可能となる。従って、接触パターンを判断基準にして、タッチパッド16に対する有効な入力と無効な入力を確実に判別できるようになる。
【0061】
次に、ドライバ113cによるタッチパッド制御処理について、図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。ドライバ113cは、ユーティリティ113bによって設定されたタッチパッド制御データ113dに応じてタッチパッド16からの入力制御を行う。
【0062】
まず、タッチパッド制御データ113dにおいて、キー入力連動制御「なし」が設定されている場合について説明する。
ドライバ113cは、キー入力連動しない場合(ステップC1、No)、EC/KBC160を通じてタッチパッド16からの入力を受け付けると(ステップC6、Yes)、タッチパッド無効化範囲の設定に応じて、入力された座標データを無効とするか、あるいは有効とするかを判別する。
【0063】
「タッチパッド全体」を無効化範囲とする設定がされている場合(ステップC7、Yes)、ドライバ113cは、入力された座標データを無効とする。すなわち、OS113aに対して、タッチパッド16からの入力データを出力しない。
【0064】
なお、ドライバ113cは、タッチパッド制御データ113dにおいて設定された無効化範囲に応じて、無効化範囲表示器19による表示を制御する(ステップC14)。ドライバ113cは、無効化範囲として設定されていない範囲、すなわち有効な範囲に該当する管状部材19aのLED19b,19cを、LEDコントローラ180によって点灯させる。ここでは、全てのエリアが無効であるので、無効化範囲表示器19に対する表示は行わない。
【0065】
ユーザは、タッチパッド16を使用しない場合には、キー入力連動なしで、タッチパッド16の全体を無効化範囲とする設定をすることで、タッチパッド16に対する意図しない入力を防ぐことができる。
【0066】
次に、「タッチパッドの一部」を無効化範囲とする設定がされている場合(ステップC8、Yes)、ドライバ113cは、入力された座標データが無効化範囲内に含まれているか否かを判別する。ここで、入力された座標データが無効化範囲内に含まれている場合には、入力された座標データを無効とし、OS113aに対して出力しない。なお、ドライバ113cは、タッチパッド制御データ113dにおいて無効化範囲として設定されていない範囲、すなわち有効な範囲に該当する管状部材19aを表示させる(ステップC14)。
【0067】
一方、入力された座標データが無効化範囲内に含まれていない場合には、ドライバ113cは、入力された座標データを有効とし、OS113aに対して出力する(ステップC10)。すなわち、無効化範囲として設定されてない位置で入力された座標データであるので、ユーザが意図的に入力した座標データがあるとしてOS113aに出力する。OS113aは、入力された座標データに応じた処理を実行する。例えば、画面中のポインタの位置を移動させる処理、あるいはアプリケーションプログラムにおいて、入力された座標データに応じた処理を実行させる。
【0068】
次に、「入力操作以外の触れている部分」を無効化範囲とする設定がされている場合(ステップC8、No)、ドライバ113cは、入力されたデータ(座標データ群)が示す接触範囲と、タッチパッド制御データ113dにおいて設定された接触パターンとの比較を行う(ステップC11)。ここで、接触範囲のサイズが接触パターンより広い場合、ドライバ113cは、入力されたデータを無効と判別する(ステップC12、No)。例えば、図14に示すように、通常の入力操作時に入力されたる接触面より広い領域で接触がある場合には、この領域における入力を無効とする。
【0069】
一方、接触範囲のサイズが接触パターンより広くない場合、ドライバ113cは、入力されたデータを有効と判別する(ステップC12、Yes)。すなわち、通常の入力操作によって入力された座標データであるものと判別して、入力された座標データをOS113aに出力する(ステップC13)。
【0070】
なお、接触範囲のサイズが接触パターンより広くない入力と、広い入力とが同時にあった場合には、ドライバ113cは、それぞれに入力さたれ接触範囲毎に有効/無効を判別する。例えば、タッチパッド16の上に片手を載せたまま、他方の手を用いてタッチパッド16の空いている範囲を利用して通常の入力操作をする。この場合、手を乗せた部分で入力されるデータについては無効と判別され、通常の入力操作により入力されたデータは有効と判別される。
【0071】
このようにして、キー入力連動制御しない場合では、予めユーティリティ113bを用いて設定した無効化範囲に応じて、タッチパッド16から入力された座標データについて有効/無効が判別され、有効と判別された場合のみOS113aに出力される。従って、ユーザは、自分のタッチパッド16に対する使用方法に応じた設定を予めしておけば、キーボード13に対するキー入力とは関係なく、タッチパッド16に対して意図した入力のみをすることができる。従って、タッチパッド16を有効に活用して操作性の向上を図ることができる。
【0072】
次に、タッチパッド制御データ113dにおいて、キー入力連動制御「あり」が設定されている場合について説明する。
ドライバ113cは、キー入力連動する場合(ステップC1、Yes)、EC/KBC160を通じてタッチパッド16からの入力を受け付けると(ステップC2、Yes)、入力された座標データをOS113aに出力する(ステップC3)。すなわち、キーボード13に対するキー入力がされていない場合には、タッチパッド16に対して無効化範囲が設定されないため、タッチパッド16の何れの範囲で入力される座標データも有効となる。ユーザは、広いエリアを有するタッチパッド16を有効に利用して、操作性良く処理を実行させることができる。
【0073】
一方、キーボード13に対するキー入力があると、ドライバ113cは、EC/KBC160を通じてキー入力があったことが通知される(ステップC4、Yes)。ここで、ドライバ113cは、キー入力操作があってからの時間の計測を開始する。すなわち、キー入力に応じてタッチパッド16に対して無効化範囲を設定するが、この無効化範囲は、予め設定された時間のみ有効とする。ここでは、例えばキー入力されてから1秒間、無効化範囲を有効にする。なお、キー入力操作が連続して行われている場合には、最後のキー入力からの時間が対象となる。
【0074】
ドライバ113cは、一定時間が経過していない場合には(ステップC5、No)、タッチパッド16に対する入力に対して、前述したステップC7〜C14と同様の処理を実行する。すなわち、タッチパッド制御データ113dに設定された内容に応じて、タッチパッド16からの入力を制御する。
【0075】
キー入力から一定時間が経過した場合には(ステップC5、Yes)、ドライバ113cは、タッチパッド16に対する無効化範囲を解消にして、タッチパッド16の何れの範囲で入力される座標データも有効とする(ステップC1〜C4)。
【0076】
なお、前述した説明では、無効化範囲を維持する時間を予め決められた例えば1秒としているが、ユーティリティ113bによるタッチパッド設定処理において、ユーザが任意に時間を設定できるようにしても良い。これにより、各ユーザの操作方法に応じた、タッチパッド16に対するキー入力に連動した入力制御が可能となる。
【0077】
また、タッチパッド16の位置の違いに応じて、無効化範囲を維持する時間を変えることも可能である。例えば、キーボード13のホームポジションの近傍については、ユーザによって手が置かれる頻度が多く、また置かれる時間も長いために、キー入力からの無効化範囲を維持する時間を他のエリアよりも長くする。逆に、ユーザの手が置かれる頻度が少ないエリアについては、無効化範囲を維持する時間を短くすることで、キー入力の後に直ぐに入力できるようにすることができる。例えば、キー入力操作と組み合わせて頻繁に行われる操作、例えば画面をスクロールさせる操作を、タッチパッド16を用いて行うことができる。
【0078】
なお、エリア別の無効化範囲を維持する時間についても、ユーティリティ113bによるタッチパッド設定処理において設定できるようにしても良い。
【0079】
さらに、キー入力された後の時間経過に応じて、無効化範囲表示器19におけるLED19b,19cの表示色を変えたり、LED19b,19cの表示形態(点灯、点滅など)を変えるなどして、タッチパッド16の無効化範囲として設定されていた範囲に対する入力が可能となるまでの時間をユーザに認識させたり、あるいは入力が可能となったことをユーザに通知することができる。
【0080】
このようにして、キー入力連動制御する場合では、キーボード13に対するキー入力をすることによって、予めユーティリティ113bを用いて設定した無効化範囲に応じて、タッチパッド16から入力された座標データについて有効/無効を制御することができる。すなわち、ユーザは、キーボード13に対するキー入力と、タッチパッド16に対する座標データの入力とを使い分けることができる。従って、タッチパッド16を有効に活用して操作性の向上を図ることができる。
【0081】
なお、前述した説明では、タッチパッド16に対して設定される有効/無効化範囲を、無効化範囲表示器19によって視覚的にユーザに通知するものとして説明しているが、聴覚的にユーザに通知することも可能である。
【0082】
例えば、ドライバ113cは、無効化範囲においてタッチパッド16に対して入力があった場合には、サウンドコントローラ150によって所定の音を出力させる。すなわち、ドライバ113cは、入力された座標データが無効と判別されたステップC7のYes、ステップC12のNo、ステップC9のYesの場合に所定の音を出力させる。
【0083】
なお、入力された座標データが無効化範囲と有効範囲に含まれるかに応じて、異なる音を出力させるようにしても良い。また、有効範囲において座標データが入力された場合のみ所定の音を出力させるようにしても良い。
【0084】
これにより、ユーザは、タッチパッド16からの入力に応じて出力される音によって、タッチパッド16に対して設定された無効化範囲を認識することができる。
【0085】
このようにして、キーボード13のホームポジションに置かれる手の位置と関係なくタッチパッド16を任意の位置に配置しても、ユーザの指定により無効化範囲を設定することができるので、タッチパッド16に対する意図しない入力を防ぐと共に、タッチパッド16のその他のエリアにおいて座標データの入力が可能となる。従って、キーボード13に対するキー入力をしながらであっても、ユーザが意図して有効範囲でタッチパッド16に対する入力操作、例えばクリック、ダブルクリック、ドラッグアンドドロップなどの操作を実行することができるようになる。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、タッチパッド16を用いた操作性を有効に利用することができる。
【0086】
なお、前述した説明では、無効化範囲表示器19を設けて、タッチパッド16に対して設定された無効化範囲をユーザが認識できるようにしているが、無効化範囲表示器19の代わりにLCD17における表示によって無効化範囲をユーザが認識できるようしても良い。例えば、ユーティリティ113bは、タッチパッド16に対して無効化範囲が設定された場合、タッチパッド16の幅サイズに対応させた図形を表示させる。そして、その図形において、タッチパッド16に対して設定された無効化範囲とその他の有効範囲とにそれぞれ該当する部分を、異なる色などによって表示させる。これにより、無効化範囲表示器19の構成を省略したとしても、タッチパッド16における有効/無効化範囲を容易に認識することができる。
【0087】
また、前述した説明では、パーソナルコンピュータ10において実現される構成例について説明しているが、タッチパッド(座標入力装置)が設けられた他の電子機器においても実現することが可能である。
【0088】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0089】
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【符号の説明】
【0090】
10…パーソナルコンピュータ、11…コンピュータ本体、12…ディスプレイユニット(LCD)、13…キーボード、16…タッチパッド、17…LCD、19…無効化範囲表示器、19a…管状部材、19b,19c…LED、113a…OS、113b…ユーティリティ、113c…ドライバ、113d…タッチパッド制御データ、120…BIOS、160…EC/KBC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標データを入力する座標入力装置と、
前記座標入力装置によって入力された座標データをもとに、予め設定された第1の接触範囲よりも広い第2の接触範囲を検出する範囲検出手段と、
前記範囲検出手段によって検出された前記第2の接触範囲をもとに、前記座標入力装置により入力された座標データを無効とする無効化範囲を設定する設定手段と、
前記座標入力装置によって入力された座標データが前記無効化範囲内にある場合、該座標データを無効とする処理を実行する処理手段と、
前記無効化範囲設定手段によって前記無効化範囲が設定されてから一定時間が経過した場合に、前記無効化範囲の設定を取り消す設定取り消し手段と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記無効化範囲設定手段は、キー入力と連動させて前記無効化範囲を設定し、
前記設定取り消し手段は、キー入力されてから一定時間が経過した後に、前記無効化範囲の設定を取り消すことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記経過時間判別手段は、前記無効化範囲の座標入力面における位置の違いに応じた一定時間の経過を判別することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記無効化範囲設定手段によって設定された前記無効化範囲を明示するための表示を行う表示手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記判定手段による判定結果に応じて、前記座標入力装置により入力された座標データに応じて音を出力する音出力手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
座標データを入力する座標入力装置を備えた情報機器の座標入力方法であって、
前記座標入力装置によって入力された座標データをもとに、予め設定された第1の接触範囲よりも広い第2の接触範囲を検出し、
前記第2の接触範囲をもとに、前記座標入力装置により入力された座標データを無効とする無効化範囲を設定すると共に、前記座標入力装置によって入力された座標データが前記無効化範囲内にある場合、前記座標データを無効とする処理を実行し、
前記無効化範囲が設定されてから一定時間が経過した場合、前記無効化範囲の設定を取り消す
座標入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−100486(P2011−100486A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3960(P2011−3960)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【分割の表示】特願2008−171203(P2008−171203)の分割
【原出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】