説明

電子機器

【課題】簡易な構成で、基板等の検査対象を容易に検査可能な携帯型電話機を提供する。
【解決手段】ペン型形状を有する携帯型電話機10であって、レンズ1171を有し、被写体をレンズ1171によって拡大することにより得られる当該被写体の像を画像データとして記憶装置12に格納する第1撮像部20と、格納した画像データを、無線にてパーソナルコンピュータに送信する通信部40とを備え、ペン先に相当する先端部にレンズ1171を有し、レンズ1171の光軸の方向と携帯型電話機10の長手方向とが同一方向である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。特に、他の機器にデータを送信する携帯型電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型電話機が知られている。特許文献1および特許文献2には、当該携帯型電話機として、ペン型の形状を有する携帯型電話機が開示されている。特許文献1の携帯型電話機は、第1本体の一端部にカメラが設けられている。
【0003】
また、従来、回路基板を検査する検査システムが知られている。特許文献3には、当該検査システムとして、基板全体のマクロ検査を行なう第1基板検査装置と、第1基板検査装置の検査結果に基づいて基板のミクロ検査を行なう第2基板検査装置と、第1および第2基板検査装置が接続されるサーバと、第1基板検査装置及び第2基板検査装置とサーバの通信を行なう無線通信手段とを含む基板検査システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−129017号公報
【特許文献2】特開平4−40046号公報
【特許文献3】特開2008−89306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3の基板検査システムでは、スキャンステージにより基板を移動させ、マクロ検査用のカメラおよびミクロ検査用のカメラで基板を撮像する。したがって、基板検査システムは、サイズが大きくかつ構成が複雑にならざるを得ない。また、マクロ検査用のカメラおよびミクロ検査用のカメラは移動不能に固定されているため、ユーザが確認したい領域を即座に撮像することはできない。
【0006】
特許文献1の携帯型電話機では、回路基板を検査するための高倍率の画像を取得することはできない。また、特許文献2の携帯型電話機は、撮像機能を備えていないため、回路基板を検査するための画像は取得できない。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、簡易な構成で、基板等の検査対象を容易に検査可能な電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に従うと、電子機器は、ペン型形状を有する電子機器であって、レンズを有し、被写体を当該レンズによって拡大することにより得られる当該被写体の像を画像データとして記憶装置に格納する第1撮像手段と、格納した画像データを、無線にて情報処理装置に送信する通信手段とを備え、ペン先に相当する先端部にレンズを有し、当該レンズの光軸の方向と電子機器の長手方向とが同一方向である。
【0009】
好ましくは、電子機器は、マイクロフォンと、電子機器の本体部に電気コードで接続されたイヤホンとをさらに備え、マイクロフォンおよびイヤホンは、電子機器の後端部側に配され、電気コードは、本体部に収納可能であり、イヤホンは、本体部に対して着脱可能である。
【0010】
好ましくは、電子機器は、本体部に第2撮像手段をさらに備える。
好ましくは、電子機器は、携帯型電話機である。電子機器は、後端部側にクリップ部をさらに備える。クリップ部は、基地局と通信を行なうためのアンテナと無線LAN用のアンテナとを内蔵する。通信手段は、無線LAN用のアンテナを介して無線LANにより画像データを情報処理装置に送信する。
【0011】
好ましくは、電子機器は、本体部にタッチパネルディスプレイをさらに備える。タッチパネルディスプレイに対する入力に基づき、第1撮像手段における撮像倍率の変更および第1撮像手段におけるピント合わせ処理のうち少なくとも1つを行なう。
【発明の効果】
【0012】
上記電子機器によれば、簡易な構成で、基板等の検査対象を容易に検査可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】検査システムの構成を説明するための図である。
【図2】携帯型電話機のハードウェア構成を示した図である。
【図3】携帯型電話機の外観を示した図である。
【図4】クリップ部の拡大図である。
【図5】携帯型電話機のブロックをより詳しく説明するための図である。
【図6】携帯型電話機における処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る携帯型電話機および当該携帯型電話機を含む検査システムについて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0015】
<通信システムの概要>
図1は、検査システム1の構成を説明するための図である。図1を参照して、検査システム1は、携帯型電話機10(電子機器)と、パーソナルコンピュータ80(情報処理装置)とを備える。検査システム1は、回路基板90の検査を行なうシステムである。回路基板90は、複数の回路素子91が配されている。携帯型電話機10とパーソナルコンピュータ80とは、無線LAN(Local Area Network)にて互いに通信可能に接続されている。
【0016】
携帯型電話機10は、ペン型の形状を有する。携帯型電話機10は、ユーザの操作に基づき、回路基板の表面を撮像する。携帯型電話機10は、当該撮像により得られた画像をパーソナルコンピュータ80に送信する。
【0017】
パーソナルコンピュータ80は、携帯型電話機10から送られた画像をディスプレイに表示する。パーソナルコンピュータ80は、たとえば、回路素子91の拡大画像91Pをディスプレイに表示する。パーソナルコンピュータ80は回路素子91の拡大画像91Pを表示するため、回路素子91に断線部分がある場合、ユーザはパーソナルコンピュータ80のディスプレイにおいて当該断線部分を画像91Wとして確認できる。
【0018】
このように、検査システム1は、マイクロスコープとしての機能を果たす。以下では、一例として、携帯型電話機10が動画像をパーソナルコンピュータ80に送信する構成について説明する。
【0019】
<携帯型電話機のハードウェア構成>
図2は、携帯型電話機10のハードウェア構成を示した図である。図2を参照して、携帯型電話機10は、主たる構成要素として、CPU110と、ROM111と、RAM112と、フラッシュメモリ113と、通信回路114と、無線LAN通信回路115と、カメラ116と、検査用カメラ117と、マイクロフォン118と、操作キー119と、IC(Integrated Circuit)カードリーダライタ120と、イヤホン121と、スピーカ122と、タッチパネルディスプレイ123と、アンテナ124と、アンテナ125とを含む。タッチパネルディスプレイ123は、入力装置としてのタッチパネルと表示装置としてのディスプレイとが組み合わされている。なお、各構成要素110〜123は、相互にデータバスによって接続されている。ICカードリーダライタ120には、メモリカード1201が装着される。
【0020】
CPU110は、プログラムを実行する。ROM111は、データを不揮発的に格納する。RAM112は、CPU111によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作キー119を介して入力されたデータ、またはタッチパネルディスプレイ123を介して入力されたデータを一時的に格納する。RAM112は、アプリケーションプログラムの作業領域であって、スタンバイ時およびフラッシュメモリ113への保存前のデータを保持する。フラッシュメモリ113は、携帯型電話機10を動作させるプログラム、およびアプリケーションプログラムを格納している。また、フラッシュメモリ113は、メールおよび各種画像のデータ、文字およびキャラクタのデータを格納している。
【0021】
通信回路114にはアンテナ124が接続される。携帯型電話機10は、通信回路114およびアンテナ124により、携帯電話網を介した通信を行なう。つまり、アンテナ124は、基地局と通信を行なうためのアンテナである。
【0022】
無線LAN通信回路115にはアンテナ125が接続される。携帯型電話機10は、無線LAN通信回路115およびアンテナ125により、無線LANを介した通信を行なう。つまり、アンテナ125は、無線LAN用のアンテナである。
【0023】
携帯型電話機10における処理は、各ハードウェアおよびCPU110により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、RAM112、フラッシュメモリ113、またはROM111に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1201その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタ120その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ113に格納される。そのソフトウェアは、CPU110によってフラッシュメモリ113から読み出され、さらにRAM112に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU110は、そのプログラムを実行する。
【0024】
なお、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体であればよく、メモリカード1201に限らない。また、ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0025】
<携帯型電話機の外観>
図3は、携帯型電話機10の外観を示した図である。図3(a)は、携帯型電話機10の正面図である。図3(b)は、携帯型電話機10の背面図である。図3(c)は、携帯型電話機10の正面図であって、イヤホン121を携帯型電話機10の本体部101から
引き出した状態を示した図である。
【0026】
図3(a)を参照して、携帯型電話機10は、本体部101と、クリップ部102と、イヤホン121と備える。本体部101は、検査用カメラ117と、マイクロフォン118と、操作キー119と、スピーカ122と、タッチパネルディスプレイ123とを備える。マイクロフォン118、操作キー119、スピーカ122、およびタッチパネルディスプレイ123は、本体部101の側面に備えられている。また、携帯型電話機10は、着信に基づき振動するバイブレータ機構(図示せず)を備える。
【0027】
クリップ部102は、携帯型電話機10の後端部側(つまり、ペン先に相当する先端部とは反対側)に配されている。具体的には、クリップ部102は、本体部101の側面であって、先端部から離れた位置に配されている。
【0028】
イヤホン121は、本体部101に電気的に接続されている。イヤホン121は、携帯型電話機10の後端部側に配されている。具体的には、イヤホン121は、本体部101の一方の端部に、本体部101に対して着脱可能に装着されている。
【0029】
マイクロフォン118およびスピーカ122は、携帯型電話機10の後端部側に配されている。具体的には、マイクロフォン118およびスピーカ122は、本体部101の側面であって、先端部から離れた位置に配されている。スピーカ122は、着信音、および受話した音声を出力する。
【0030】
タッチパネルディスプレイ123は、各種のソフトウェアキーを表示する。ユーザが、タッチ操作によりソフトウェアキーを選択することにより、携帯型電話機10は、選択されたソフトウェアキーに応じた機能を実行する。携帯型電話機10は、ソフトウェアキーの選択により、たとえば、通常の動作モード(たとえば、携帯型電話機の待ち受けモード)から、検査用カメラ117による撮像を実行するモードに移行することができる。
【0031】
検査用カメラ117は、レンズを有し、被写体(回路素子91)を当該レンズによって拡大することにより得られる当該被写体の像を画像データとしてフラッシュメモリ113に格納する。当該レンズは、携帯型電話機10の先端部に配されている。つまり、携帯型電話機10は、ペン先に相当する先端部に検査用カメラ117のレンズを有する。また、当該レンズの光軸170の方向は、携帯型電話機10の長手方向180と同一方向である。
【0032】
検査用カメラ117は、回路基板の検査に用いることが可能なカメラである。検査用カメラ117は、小型、高倍率、高コントラスト、深い被写界深度、高解像度であることが好ましい。検査用カメラ117は、いわゆるミクロ検査用のカメラである。
【0033】
図3(b)を参照して、携帯型電話機10は、本体部101にカメラ116を備える。より具体的には、携帯型電話機10は、タッチパネルディスプレイ123とは反対側の側面にカメラ116を備える。カメラ116は、従来の携帯型電話機に備えられているカメラである。
【0034】
図3(c)を参照して、イヤホン121は、本体部101に電気コード1211で接続されている。電気コード1211は、本体部101に収納可能である(図3(a)参照)。このような構成により、ユーザは、イヤホン121を本体部101から取り外した状態で、イヤホン121を使用することができる。本体部101は、電気コード1211を巻き取る機能を備えていることが好ましい。
【0035】
図4は、クリップ部102の拡大図である。図4を参照して、クリップ部102は、アンテナ124とアンテナ125とを内蔵している。つまり、クリップ部102は、基地局と通信を行なうためのアンテナの役割、および無線LAN用のアンテナの役割を果たす。
【0036】
<機能的構成>
図5は、携帯型電話機10のブロックをより詳しく説明するための図である。具体的には、図5は、主として、携帯型電話機10の機能ブロックを説明するための図である。図5を参照して、制御部11と、記憶装置12と、タッチパネルディスプレイ123と、検査用カメラ117と、カメラ116と、アンテナ124と、通信回路114と、アンテナ125と、無線LAN通信回路115とを備えている。
【0037】
制御部11は、画像データ処理部21と、倍率指示部22と、ピント指示部23と、画像データ処理部31と、通信制御部41と、表示制御部51とを備える。検査用カメラ117は、レンズ1171と、レンズ駆動部1172とを有する。タッチパネルディスプレイ123は、タッチパネル1231と液晶パネル1232とを有する。記憶装置12は、ROM111、RAM112、およびフラッシュメモリ113に対応する。
【0038】
なお、第1撮像部20は、検査用カメラ117と、画像データ処理部21と、倍率指示部22と、ピント指示部23とを含む。第2撮像部30は、カメラ116と、画像データ処理部31とを含む。通信部40は、アンテナ124と、通信回路114と、アンテナ125と、無線LAN通信回路115と、通信制御部41とを含む。
【0039】
ここで、制御部11内の各部21〜23、31、41、51は、機能ブロックである。各機能ブロックは、具体的には、CPU110がRAM112、フラッシュメモリ113等に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、各機能ブロックは、ハードウェアによっても実現可能である。以下、制御部11の各部の処理について説明する。
【0040】
画像データ処理部21は、検査用カメラ117が撮像した画像データに対して所定の画像処理を行なう。具体的には、画像データ処理部21は、画像エンジンの機能を果たす。より詳しくは、画像データ処理部21は、検査用カメラ117の撮像素子(図示)からの電気信号を加工して画像データ(画像ファイル)に変換する。画像データ処理部21は、画像データを記憶装置12に格納する。
【0041】
倍率指示部22は、タッチパネルディスプレイ123のタッチパネル1231に対する入力に基づき、第1撮像部20の撮像倍率を変更するための指示をレンズ駆動部1172に送る。レンズ駆動部1172は、当該指示に基づき、レンズ1171の位置を移動する。
【0042】
ピント指示部23は、タッチパネル1231に対する入力に基づき、第1撮像部20におけるピント合わせを行なうための指示をレンズ駆動部1172に送る。レンズ駆動部1172は、当該指示に基づき、レンズ1171の位置を移動する。
【0043】
このように、携帯型電話機10は、タッチパネルディスプレイ123に対する入力に基づき、第1撮像部20における撮像倍率の変更およびピント合わせ処理を行なう。なお、第1撮像部20における撮像倍率の変更およびピント合わせ処理は、携帯型電話機10のユーザが手動で行なえる構成としてもよい。あるいは、撮像倍率の変更およびピント合わせ処理のいずれか一方を自動で行なう構成としもよい。
【0044】
画像データ処理部31は、カメラ116が撮像した画像データに対して所定の画像処理
を行なう。具体的には、画像データ処理部31は、画像エンジンの機能を果たす。より詳しくは、画像データ処理部31は、カメラ116の撮像素子(図示)からの電気信号を加工して画像データ(画像ファイル)に変換する。画像データ処理部31は、画像データを記憶装置12に格納する。
【0045】
通信制御部41は、携帯電話網を介した他の機器(たとえば、他の携帯型電話機)との通信、および無線LANを介した他の機器(たとえば、パーソナルコンピュータ80)との通信を制御する。
【0046】
通信制御部41は、第1撮像部20が記憶装置12に格納した画像データを、リアルタイムに無線でパーソナルコンピュータ80に送信する。通信制御部41は、画像データ処理部21が記憶装置12に画像を格納したことに基づき、当該画像を記憶装置から読み出す。そして、通信制御部41は、無線LAN用のアンテナ125を介して無線LANにより、当該読み出した画像データをパーソナルコンピュータ80に送信する。なお、パーソナルコンピュータ80は、携帯型電話機10から受信した画像データをディスプレイに表示する。
【0047】
表示制御部51は、各種の情報をタッチパネルディスプレイ123の液晶パネル1232に表示させる。
【0048】
<制御構造>
図6は、携帯型電話機10における処理の流れを示したフローチャートである。図6を参照して、ステップS2において、携帯型電話機10は、回路基板90を検査用カメラ117で撮像する。ステップS4において、携帯型電話機10は、撮像により得られた画像データを記憶装置12に格納する。ステップS6において、携帯型電話機10は、パーソナルコンピュータ80に対して、記憶装置12に格納した画像データを送信する。
【0049】
<まとめ>
(1)以上のように、携帯型電話機10は、ペン型形状を有する携帯型電話機である。携帯型電話機10は、レンズ1171を有し、被写体(回路基板90の回路素子91)を当該レンズ1171によって拡大することにより得られる当該被写体の像を画像データとして記憶装置12に格納する第1撮像部20と、格納した画像データを、無線にてパーソナルコンピュータ80に送信する通信部40とを備える。携帯型電話機10は、ペン先に相当する先端部にレンズ1171を有し、レンズ1171の光軸170の方向と携帯型電話機10の長手方向180とが同一方向である。
【0050】
したがって、携帯型電話機10により撮像した被写体の拡大画像をパーソナルコンピュータ80に送信することができる。このため、ユーザは、携帯型電話機10とパーソナルコンピュータ80とを準備することにより、検査したい対象物を検査したいときに検査することができる。すなわち、携帯型電話機10により、簡易な構成で、基板等の検査対象を容易に検査可能となる。
【0051】
また、レンズ1171の光軸170の方向と携帯型電話機10の長手方向180とが同一方向である。このため、ユーザは、通常のペンを持つような状態(つまり、先端部が下向きとなる状態)で携帯型電話機10を持つことにより、自然な姿勢で検査したい領域を検査することができる。
【0052】
また、携帯型電話機10を有線で接続する必要がない。このため、ユーザの操作性は有線で接続された構成よりも優れる。また、検査システムも小型化が可能となるとともに、コストダウンを図れる。
【0053】
(2)携帯型電話機10は、マイクロフォン118と、携帯型電話機10の本体部101に電気コード1211で接続されたイヤホン121とをさらに備える。マイクロフォン118およびイヤホン121は、携帯型電話機10の後端部側に配されている。電気コード1211は、本体部101に収納可能である。イヤホン121は、本体部101に対して着脱可能である。
【0054】
したがって、たとえば、携帯型電話機10を顔から離した位置(たとえば、胸ポケット)においても、後端部側を顔の方に向けた状態であれば、ハンズフリーの状態で、マイクロフォン118から音声を高いレベルで入力可能である。さらに、イヤホン121を本体部101から取り外して、ユーザが耳に差し込むことにより、携帯型電話機10が顔から離れた位置であっても、ユーザは受話も可能となる。
【0055】
(3)携帯型電話機10は、本体部101に第2撮像部30をさらに備える。したがって、ユーザは、風景や人物などの被写体を撮像可能となる。
【0056】
(4)携帯型電話機10は、後端部側にクリップ部102をさらに備える。クリップ部102は、基地局と通信を行なうためのアンテナ124と無線LAN用のアンテナ125とを内蔵する。通信部40は、無線LAN用のアンテナ125を介して無線LANにより画像データをパーソナルコンピュータ80に送信する。
【0057】
したがって、携帯型電話機10はクリップ部102を備えるため、ユーザは、携帯型電話機10を胸ポケット等に差し込んでおくことができる。
【0058】
また、クリップ部102が基地局と通信を行なうためのアンテナ124と無線LAN用のアンテナ125とを内蔵する。したがって、アンテナ124、125を本体部101に内蔵する必要がない。このため、本体部101を小型化可能となる。また、ポケットに携帯型電話機10をクリップ部102で固定した場合であっても、アンテナ124、125は、ポケットの外部に位置する。それゆえ、アンテナ124、125を本体部101に内蔵した場合に比べて、アンテナ124,125の感度の低下を低減できる。
【0059】
また、携帯型電話機10は、無線LANにて画像データをパーソナルコンピュータ80に送信するため、比較的容量の大きい画像データ(動画像)であっても、リアルタイムに送信可能である。
【0060】
(5)携帯型電話機10は、本体部101にタッチパネルディスプレイ123をさらに備える。タッチパネルディスプレイ123に対する入力に基づき、第1撮像部20における撮像倍率の変更および第1撮像部20におけるピント合わせ処理のうち少なくとも1つを行なう。
【0061】
したがって、ユーザは、タッチパネルディスプレイ123に対する操作により、撮像場率の変更、あるいはピント合わせの処理を行なうことができる。
【0062】
(6)携帯型電話機10では、本体部101の下部(先端部)に搭載した検査用カメラ117を、ユーザが検査したい箇所、検査したい物に向けて、倍率、焦点などをセットすると、細かい箇所、小さい物でも、パーソナルコンピュータ80にて大きく表示できる。つまり、検査システム1をマイクロスコープとして、携帯型電話機10をマイクロスコープのカメラ部として使用することができる。
【0063】
また、携帯型電話機10は、検査データとしての画像データをパーソナルコンピュータ
80に送信するため、検査データのリアルタイムの管理が可能である。
【0064】
また、携帯型電話機10は、ペン型の形状を有し、かつクリップ部102を備える。このため、携帯型電話機10は、携帯性に優れている。また、上述したように、イヤホン121を耳に差し込むことにより、ハンズフリー通話が可能となる。
【0065】
<変形例>
(1)携帯型電話機10は、撮像した画像を電子メールに添付して、パーソナルコンピュータ80に送信してもよい。また、電子メールの宛先を変更することにより、パーソナルコンピュータ80以外の電子機器にも送信可能である。
【0066】
(2)携帯型電話機10は、静止画を撮像し、当該静止画をパーソナルコンピュータ80に送信してもよい。
【0067】
(3)上記においては電子機器の一例として携帯型電話機10を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。少なくとも、第1撮像部20で撮像した画像を通信相手の情報処理装置(パーソナルコンピュータ20)に送信できる構成を備えた電子機器であればよい。また、情報処理装置の一例としてパーソナルコンピュータ20を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。電子機器から画像データを受信し、受信した画像データに基づく画像を自装置のディスプレイに表示可能な情報処理装置であればよい。
【0068】
(4)今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
1検査システム、10 携帯型電話機、11 制御部、12 記憶装置、20 第1撮像部、21 画像データ処理部、22 倍率指示部、23 ピント指示部、30 第2撮像部、31 画像データ処理部、40 通信部、41 通信制御部、51 表示制御部、80 パーソナルコンピュータ、90 回路基板、91 回路素子、101 本体部、102 クリップ部、113 フラッシュメモリ、114 通信回路、115 無線LAN通信回路、116 カメラ、117 検査用カメラ、118 マイクロフォン、119 操作キー、120 カードリーダライタ、121 イヤホン、122 スピーカ、123
タッチパネルディスプレイ、124 アンテナ、125 アンテナ、170 光軸、180 長手方向、1171 レンズ、1211 電気コード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペン型形状を有する電子機器であって、
レンズを有し、被写体を当該レンズによって拡大することにより得られる当該被写体の像を画像データとして記憶装置に格納する第1撮像手段と、
前記格納した画像データを、無線にて情報処理装置に送信する通信手段とを備え、
ペン先に相当する先端部に前記レンズを有し、当該レンズの光軸の方向と前記電子機器の長手方向とが同一方向である、電子機器。
【請求項2】
マイクロフォンと、
前記電子機器の本体部に電気コードで接続されたイヤホンとをさらに備え、
前記マイクロフォンおよび前記イヤホンは、前記電子機器の後端部側に配され、
前記電気コードは、前記本体部に収納可能であり、
前記イヤホンは、前記本体部に対して着脱可能である、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記本体部に第2撮像手段をさらに備える、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器は携帯型電話機であって、
前記後端部側にクリップ部をさらに備え、
前記クリップ部は、基地局と通信を行なうためのアンテナと無線LAN用のアンテナとを内蔵し、
前記通信手段は、前記無線LAN用のアンテナを介して無線LANにより前記画像データを前記情報処理装置に送信する、請求項2または3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電子機器は、
前記本体部にタッチパネルディスプレイをさらに備え、
前記タッチパネルディププレイに対する入力に基づき、前記第1撮像手段における撮像倍率の変更および前記第1撮像手段におけるピント合わせ処理のうち少なくとも1つを行なう、請求項2から4のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−130075(P2011−130075A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285155(P2009−285155)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】