説明

電子機器

【課題】 接続された外部機器の種別に応じて適切な電力供給を行う。
【解決手段】 外部機器が接続可能な電子機器であって、接続された外部機器に電力を供給する電力供給手段と、前記外部機器を判別する判別手段と、前記判別手段の判別結果に基づいて、前記電力供給手段による前記外部機器への電力供給の開始または停止のタイミングを制御する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器が接続可能な電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置は、デジタル画像データを生成/保存することから、PCをはじめとする様々なデジタル機器との相性が良い。したがってデジタル機器と接続し連携動作することで、画像データの送受信をはじめ、位置情報の取得や、デジタルカメラの遠隔制御、情報サービスとの連携といった、様々な機能を拡張することが可能である。しかしながら従来は、具体的に機能を拡張するとなると、一度PCに画像データを転送しておいて、PCを経由して様々なデジタル機器の機能を利用するといった方法が一般的であった。
【0003】
一方、PCにおいては、様々なデジタル機器を接続可能な汎用ポートとしてUSBホストポートが広く普及しており、対応デバイスも、数、種類ともに膨大である。
【0004】
デジタルカメラ等の撮像システムにおいても、USB規格に準拠したUSBホストポートを備えることで、ハードウェア的には1つのポートを持つだけで、PC用の様々な種類のUSBデバイス機器を接続することが可能となり、PCを経由せずに、直接的に機能を拡張することが可能である。このように、撮像装置で直接的に機能拡張が可能になると、従来のPCを経由する場合と比較して、システムが小型化され、特に屋外で作業する場合の作業効率が大幅に向上するメリットがある。
【0005】
しかしながら、デジタルカメラ等の撮像装置は主に屋外で使用されるため、電源として電池を使用しており、駆動能力に限界がある。デジタルカメラ用の電池は、駆動能力がAC電源に劣ることはもとより、一般的なノートPCの電池と比べても、電圧/容量の面で劣っている。したがって、PC用に開発されたUSBデバイス機器を駆動しようとしたときには、電源を管理し、効率良く使用する工夫が必須である。このため、USBデバイスの接続/未接続の状態によって、USBインターフェース部の機能を停止して省電力を図ることが提案されている。(特許文献1参照)また、接続されているUSBデバイスが稼動していないときには、USBバスの途中に設けられたスイッチをOFFして、USB信号を遮断することで省電力を図ることも提案されている。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−10907号公報
【特許文献2】特開2002−163047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、USBホストポートのような汎用ポートには様々な種類のデバイス機器を接続可能であるので、それぞれのデバイス機器によって機能や性能、消費電力が異なる。そのため、撮像システムとして組み合わせたときに効果的な機能拡張を行うには、デバイス機器の種類に応じて最適化したシステム制御が必要になる。特に電力制御の面で、デバイス機器を含めた撮像システムの電源を効率良く使用する必要がある。しかし、今までそのような技術は存在しなかったため、PCと比較して使用できるデバイスが大幅に制限されたり、実用的な駆動時間が得られなかったりといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、外部機器が接続可能な電子機器であって、接続された外部機器に電力を供給する電力供給手段と、前記外部機器を判別する判別手段と、前記判別手段の判別結果に基づいて、前記電力供給手段による前記外部機器への電力供給の開始または停止のタイミングを制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部機器の種別に応じた電力供給が可能となり、電子機器の電源を効率よく使うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明における撮像システムの一例の模式図
【図2】本発明における撮像システムの一例のブロック図
【図3】本発明の実施例における外部デバイス機器の判別動作を行うときのフローチャート
【図4】本発明の実施例における撮像装置の表示の例
【図5】本発明の実施例における、ストレージAを接続した場合のレリーズ操作による動作例のフローチャート
【図6】本発明の実施例における、ストレージBを接続した場合のレリーズ操作による動作例のフローチャート
【図7】本発明の実施例における、ストレージCを接続した場合のレリーズ操作による動作例のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の好適な実施形態の一例を図を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明における撮像システムの形態の一例である。
【0013】
2段スイッチ構造のレリーズスイッチやTFT表示装置13を備えた撮像装置本体に、USBホスト等の様々なデバイス機器を接続可能な汎用ポートコネクタを持つ。汎用ポートコネクタに、ケーブルを介してUSBハードディスクやカードリーダ等のストレージ機器、位置情報を取得するGPS機器、携帯電話等のデバイスを接続可能である。デバイス機器の中には、電源を持たないものも存在し、その場合は撮像装置本体に備える電池から電源を供給することになる。
【0014】
図2は、本発明における撮像システムのブロック図の一例である。
【0015】
操作ボタン15の中のレリーズスイッチが押されると、全体制御/画像処理CPU21はAE/AF動作を行い、レンズ制御CPU16に情報を伝えてレンズを駆動し、センサ駆動回路を動作させて撮影動作を行う。交換レンズ10から入射した画像は、撮像素子11によって光電変換される。さらに、AFE12でアナログ−デジタル変換された後、全体制御/画像処理CPU21によって画像処理され、最終的なデジタル画像となる。このデジタル画像は、TFT表示装置13にクイックレビュー表示されるとともに、画像データ記録メディアであるSDカード22もしくはCFカード23に保存される。
【0016】
図2の撮像装置は、USBコネクタ2を備え、USBケーブル30を介して様々な外部デバイス機器を接続し、撮像システムにいろいろな機能を拡張することが可能である。
【0017】
たとえばUSBハードディスク等のストレージデバイスを接続することで、SDカード22およびCFカード23に加えて、第3の画像記録メディアとして扱うことが可能である。USBハードディスクはSDカードやCFカードに比べて容量が大きく、書き込みや読み込みスピードが速いといった特徴を持つため、容量を気にせずに撮影可能となったり、連写撮影時の撮影枚数を大幅に増やしたりすることができる。さらに、画像ファイルのバックアップメディアとして使えば、長期間にわたる撮影の際も、メディア容量を心配する必要が無い撮像システムを提供できる。
【0018】
また、USB接続のGPS装置をUSBコネクタ2に接続すれば、画像を撮影した地点の経度、緯度、高度等の位置情報を取得し、画像データに付加することが可能になる。この撮影位置情報よって、画像データの管理方法が可能になり、一般のユーザーがあとから撮影地点を確認できるだけでなく、建設現場や、報道、警察、軍隊等の業務にとっても、有用な情報の提供が可能となる。
【0019】
さらに、携帯電話等の通信機器をUSBコネクタ2に接続すれば、撮影した画像データを、PCやサーバー、カメラ間で送受信可能になるだけでなく、通信機器を介して撮像装置の設定を行ったり、撮像装置のレリーズ動作を制御したりすることが可能となる。
【0020】
また、USBコネクタ2には、例えばキーボードやマウスといった入力デバイスや、スピーカーやプリンタ等の出力デバイスも物理的に接続が可能であり、ソフトウェアの対応次第で撮像システムの機能拡張が可能である。
【0021】
これらの機器を接続し、撮像システムとして機能を拡張する際に問題となるのが、電源管理の問題である。外部デバイス機器31は、USB接続のものであれば、市販されているいろいろなタイプのものを使用することができる。中には、駆動するための電源として内部にバッテリーを備えているものや、AC電源から給電するタイプのもの、USBケーブル30を通して、撮像装置本体内部のバッテリー27から給電するタイプのものもある。屋外で撮像システムを使用することを考えると、なるべくひとつの電池でシステムすべてを駆動することができる方法が、最も利便性が高い。しかしながら、USB接続の外部デバイス機器はもともと屋内でPCに接続して使用することを前提として作られているものが多く、消費電流も大きいため、PCと同じように使っていたのでは、すぐに電池を消費してしまい、実用的ではない。そこで、撮像システムの動作シーケンスにあわせて、最適な方法で駆動してやる必要がある。
【0022】
そのための仕組みのひとつとして、本実施例では、DCDCコンバータ26から外部デバイス機器31に供給される電源ラインに電源スイッチ28を設けている。外部インターフェース回路24が電源スイッチ28をオン・オフすることで、消費電流を節約したいときや、外部デバイス機器に大電流が流れた場合など、必要に応じて外部デバイス機器への給電を停止することができるようになっている。
【0023】
このようなパワーマネージメント機能を、撮像システムの動作タイミングにあわせて制御してやることで、全体としてレスポンスが良く、軽快に動作し、かつ、電力を有効に使用し、長時間連続動作するシステムを提供する。
【0024】
図3は本実施例における、接続した外部デバイス機器を判別する際のフローチャートであり、図4は判別の際のGUI表示画面である。
【0025】
ユーザーは外部デバイス機器をカメラにケーブル接続し、物理的な接続動作を行う。次に、図3のステップ51でTFT表示装置13に表示されるGUIメニューから、操作ボタン15を用いて、使用する外部デバイスの種類の選択を行う。図4(a)は外部デバイス選択の際の表示例である。図4(a)においてユーザーは操作ボタン15を操作することで、外部デバイスとして、ストレージ、GPS、携帯電話のどれを接続したかを入力すると、図4(b)のように表示が遷移し、接続動作に移る。
【0026】
内部的な接続動作としては、図3のステップ52で、外部インターフェース回路24から電源スイッチ28を制御して、USBコネクタ25から外部デバイス機器31に対して、電源供給を開始する。次にステップ53にて外部デバイス機器と初期通信を行う。さらにステップ54にて外部デバイス機器からデバイス識別情報であるディスクリプタを読み込み、ステップ55でGUIメニューによって選択した種類と同一かどうかをチェックする。GUIメニューで選択した種類と違う種類であった場合に加え、何らかの異常で通信ができなかったり、電流検出回路29で過大な電流を検出したら、安全のため接続動作を取りやめ、ステップ63にて図4(d)のような警告表示をする。
【0027】
ユーザーは図4(d)のような警告表示が表示されたら、正しい種類の外部デバイス機器を正しくつなぎなおし、図4(d)に示す“再接続”アイコンを選択することで、再接続処理を行うことができる。
【0028】
ステップ5にて、GUIメニューで選択した機器と一致した場合には、さらに詳細なデバイス判別のステップに移行する。ステップ56にてストレージ機器だと判断された場合には、ステップ57にて電流検出回路29を用いて電源ライン30に流れる電流を測定することで消費電流の測定を行う。
【0029】
接続された外部デバイス機器31が自己電源を持っているような場合で、撮像装置本体側から供給する電流が200mA以下である場合には、ステップ66に進み、最終的に接続された外部デバイス機器31がストレージであると判断する。なお、この200mAという電流値は電池の容量などに基づいて予め設定されている。
【0030】
そうでない場合にはステップ60に進み、全体制御/画像処理CPU21と外部インターフェース回路24によって、接続された外部デバイス機器31の起動時間を測定する。起動時間は外部デバイス機器31に電力を供給してから使用可能であることを示す信号を全体制御/画像処理CPU21が受信するまでの時間を測定することで行う。この起動時間が5秒未満であれば、ステップ68に進んで、最終的に接続されたデバイスがストレージBであると判断する。なお、起動時間が5秒未満であれば停止制御を行っても、撮像装置内部のメモリ18に画像ファイルを一時的に記憶し、外部デバイス機器31の起動後に画像ファイルを転送することで撮影動作に影響を与えない。また、起動時間が5秒以上、停止状態から動作状態に復帰するのに非常に時間がかかるようであれば、接続されたデバイスはストレージであると判断する。
【0031】
ステップ56にてストレージ機器では無いと判断された場合には、ステップ70、ステップ73においてそれぞれGPS機器が接続されたか、携帯電話が接続されたかを判別する。最後に、そのいずれでも無いと判断された場合には、図4(d)の警告表示を出力する。
【0032】
外部デバイス機器がストレージAだと判別された場合、本実施例では、撮影時のレリーズスイッチ操作および、画像のプレイバック操作のタイミングで、外部インターフェース回路24および、外部デバイス機器31への電力供給を制御する。図5はストレージAである外部デバイス機器31が画像ファイルの保存メディアに指定されている場合のレリーズ操作の際の電力制御のフローチャートである。
【0033】
ステップ81にてレリーズボタンの第1ストロークでオンするSW1が入力されているかどうかを判断する。ステップ82では外部インターフェース回路24から電源スイッチ28を制御して外部デバイス機器31への電源供給を開始し、ステップ83に進む。ステップ83では、外部インターフェース回路24を停止状態から動作状態に設定し、ステップ84へ進む。ステップ84では、レリーズボタンの第2ストロークでオンするSW2が入力されかどうかを判定する。SW2が入力される場合にはステップ85で撮影した画像の画像ファイルを外部デバイス機器31に保存して、ステップ84に戻る。
【0034】
このとき、外部デバイス機器31が完全に起動していないことも考えられるが、そのような場合は、撮像装置内部のメモリ18に画像ファイルを一時的に記憶しておき、外部デバイス機器31が完全に起動してから画像ファイルをメモリ18から外部デバイス機器31に転送する。外部デバイス機器31を停止状態から動作状態に復帰させるタイミングをSW2オンのタイミングではなく、SW1オンのタイミングとすることで、外部デバイス機器31が動作状態に復帰するまでの時間を吸収し、ユーザーは快適に撮影操作を続けることが可能である。
【0035】
なお、メモリ18は複数枚の画像を一時保存することができる。メモリ18は連写撮影を行ったときも、撮影と平行して外部デバイス機器31を動作状態へ復帰する作業を行うことができる。したがって、最終的にはメモリ18の記憶容量が画像でいっぱいになる前に外部デバイス機器31を動作状態にして、画像ファイルを書き込むことが可能になる。
【0036】
ステップ84でSW2がオンされない場合には、ステップ86でSW1オンしてから一定時間が経過しているかどうかを判定する。SW1オンしてから一定時間が経過していない場合には、ステップ84に戻る。SW1オンしてから一定時間が経過している場合には、ステップ87に進み、消費電力低減のため、外部インターフェース回路24を動作状態から停止状態に設定し、ステップ88で外部デバイス機器31への供給電力を遮断する。
【0037】
また、画像のプレイバック操作を行った場合は、プレイバックボタンを押した段階で、外部デバイス機器31への電力供給を開始し、外部インターフェース回路24を動作状態に設定する。プレイバック操作により、TFT表示装置13に画像が表示されている間は、外部デバイス機器31を動作状態にして、ユーザーの操作に備える。ユーザーがプレイバック操作をやめ、TFT表示装置13に画像が表示されなくなった時点で、再度消費電力低減のために外部インターフェース回路24を動作状態から停止状態に設定し、外部デバイス機器31への供給電力を遮断する。
【0038】
外部デバイス機器31がストレージBだと判別された場合には、図6のフローチャートのように電力制御を行う。ステップ91では、撮像装置本体のメインスイッチがオンされたかどうかを判断し、オンされるとステップ92に進む。ステップ92では、外部インターフェース回路24から電源スイッチ28を制御して外部デバイス機器31への電源供給を開始し、ステップ93に進む。ステップ93では、レリーズボタンの第1ストロークでオンするSW1が入力されたかどうかを判別する。SW1が入力されるとステップ94に進み、SW1が入力されないとステップ97に進む。ステップ94では、外部インターフェース回路24を停止状態から動作状態に設定する。ステップ95ではレリーズボタンの第2ストロークでオンするSW2が入力されたかどうかを判別する。SW2が入力されるとステップ96に進み、SW2が入力されないとステップ100に進む。ステップ96では撮影画像を外部デバイス機器31に保存してステップ95に戻る。一方、ステップ100では、ステップ93でSW1が入力されてから一定時間経過したかどう判定する。一定時間が経過していれば、ステップ101に進み、外部インターフェース回路24を停止状態に設定する。一方、一定時間が経過していなければ、ステップ93に戻る。ステップ93でSW1が入力されない場合には、ステップ97で、撮像装置本体のメインスイッチがオフされたかどうかを判定する。撮像装置本体のメインスイッチがオフされている場合にはステップ98に進む。撮像装置本体のメインスイッチがオフされていない場合にはステップ93に戻る。ステップ98では、外部インターフェース回路24から電源スイッチ28を制御して、外部デバイス機器31への電力供給を停止する。
【0039】
外部デバイス機器31がストレージBである場には、外部デバイス機器31の起動時間が長いため、一度停止状態に設定すると次に動作状態に復帰するまでに時間がかかる。そのため、消費電力よりも撮像装置としてのレスポンスを重視し、撮像装置本体のメインスイッチがオンの間は、外部デバイス機器31へ電力を供給し続ける。外部インターフェース回路24は、外部デバイス機器31の起動時間に関係ないので、ストレージAの場合と同様のタイミングで動作/停止を制御する。
【0040】
外部デバイス機器がストレージCと判別された場合には、図7のフローチャートのように電力制御を行う。ステップ111では、撮像装置本体のメインスイッチがオンされたかどうかを判断し、オンされるとステップ112に進む。ステップ112では、外部インターフェース回路24から電源スイッチ28を制御して外部デバイス機器31への電源供給を開始し、ステップ113に進む。ステップ113では、レリーズボタンの第1ストロークでオンするSW1が入力されたかどうかを判別する。SW1が入力されるとステップ114に進み、SW1が入力されないとステップ117に進む。ステップ114では、外部インターフェース回路24を停止状態から動作状態に設定する。ステップ115ではレリーズボタンの第2ストロークでオンするSW2が入力されたかどうかを判別する。SW2が入力されるとステップ116に進み、SW2が入力されないとステップ120に進む。ステップ116では撮影画像を外部デバイス機器31に保存してステップ115に戻る。一方、ステップ120では、ステップ113でSW1が入力されてから一定時間経過したかどう判定する。一定時間が経過していれば、ステップ121に進み、外部インターフェース回路24を停止状態に設定する。一方、一定時間が経過していなければ、ステップ113に戻る。ステップ113でSW1が入力されない場合には、ステップ117で、撮像装置本体のメインスイッチがオフされたかどうかを判定する。撮像装置本体のメインスイッチがオフされている場合にはステップ118に進む。撮像装置本体のメインスイッチがオフされていない場合にはステップ113に戻る。ステップ118では、外部インターフェース回路24から電源スイッチ28を制御して、外部デバイス機器31への電力供給を停止する。
【0041】
外部デバイス機器31がストレージCである場には、外部デバイス機器31の消費電流が十分小さく、レスポンスを優先できるため、ストレージBの場合と同様に撮像装置本体のメインスイッチがオンの間、外部デバイス機器31へ電力を供給し続ける。外部インターフェース回路24は、外部デバイス機器の起動時間に関係ないので、ストレージAの場合と同様のタイミングで動作/停止を制御する。
【0042】
外部デバイス機器31がGPS機器と判別された場合には、撮像装置本体のメインスイッチがオンの間、外部デバイス機器31へ電力を供給し続ける。その間、GPS機器は所定の情報送信間隔に従って、緯度、経度、高度等の位置情報を送信する。情報送信間隔は通常1秒程度である。撮像装置本体は、撮影動作が無いときには各部を停止状態に設定し、極力消費電力を押さえる制御をしており、撮像動作をする場合には動作状態に復帰する。GPS機器はこの撮像の瞬間の位置情報を取得し、画像データに位置情報データを付加して記録するため、位置情報は所定の情報送信間隔に従って、常に取得しておく必要がある。しかし、位置情報送信自体に要する時間はわずかであるため、一度位置情報を受け取ってしまえば、外部インターフェース回路24を停止状態に設定し、消費電力を抑える制御を行う。全体制御/画像処理CPUはリアルタイムクロック20で所定時間が経過するのを待ち、次の情報取得タイミングが来たら外部インターフェース回路24を停止状態から動作状態に設定して、GPSからの位置情報を受信できるようにする。このようにして、一定間隔で外部インターフェース回路の動作/停止を繰り返し、消費電力の低減を図る。
【0043】
外部デバイス機器31が携帯電話と判別された場合には、撮像装置のメインスイッチがオンの間、外部デバイス機器31へ電力を供給し続ける。ユーザーがレリーズ操作をした場合には、ストレージAの場合と同様に、SW1がオンしたタイミングで測光、測距動作を開始するとともに、外部インターフェース回路24を動作状態に設定する。このとき、携帯電話と通信し、発信制御して、携帯電話を通してあらかじめ設定された外部の画像サーバーとの通信を確立する。さらに、SW2がオンされると、撮影動作を行い画像データを生成するとともに、生成した画像データを携帯電話を通して外部の画像サーバーに送信する。SW1がオンされてから一定時間経過しても何も操作されない場合は、外部インターフェース回路24を待ち受け状態に設定する。この待ち受け状態は、動作状態と比較して消費電力を大幅に押さえることが可能であり、かつ、外部デバイス機器からのウェイクアップ信号を受信可能である。外部のユーザーが、PCやサーバーから携帯電話を通して撮像システムに対してアクセスした場合には、携帯電話は撮像装置本体に対して、ウェイクアップ信号を出力する。撮像装置本体内部の外部インターフェース回路24は、ウェイクアップ信号を受信すると、再度動作状態に復帰し、外部PCやサーバーとの通信を確立する。この仕組みによってユーザーは外部のPCやサーバーから、撮像装置のレリーズ制御や撮像装置の設定変更等の機能拡張を行うことが可能となる。しかし、このような機能拡張を行った際も、本実施形態によれば、撮像システムとして、操作性や駆動時間の性能を損なうことは無い。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の種類のデバイスを接続可能な汎用ポートに接続するデバイスの種類を判別し、判別したデバイスの種類によって、消費電流低減手段の制御タイミングを切り替えるため、接続するデバイスの種類、またはデバイスの機能、性能によって、撮像システムとして最適なタイミングで動作するため、撮像システムとしてレスポンス良く、軽快に動作するシステムを提供するとともに、電力を有効に使用し、長時間連続動作するシステムを提供できる。
【0045】
デバイスの種類を判別する判別手段は、撮像装置のGUIメニューによってユーザーが接続するデバイスを選択する。また、デバイス内部の識別情報を読み込み判別し、GUIの指定と識別情報とが食い違っていた場合には警告表示する。さらに、デバイスへ電源を供給し、デバイスで消費される電流を測定するとともに、デバイスの起動時間を測定する。判別手段は、これらの方法を一つ、もしくは複数を組み合わせて使用する。このため、デバイスの種類を撮像システムが動作する上で適切なグループに分けて判別できるとともに、ユーザーの指定ミスを指摘可能である。
【0046】
判別手段によって、接続されたデバイスがハードディスク等のストレージ機器と判別された場合には、撮像装置のレリーズシーケンスおよび撮影した画像のプレイバック操作のタイミングに合わせてインターフェース部の動作、停止を制御する。また、消費電流が大きいストレージ機器の場合には、デバイスへの電源供給のする、しないを上記タイミングにあわせて制御するとともに、起動時間が遅いストレージ機器の場合には、デバイスへの電源供給を遮断するタイミングを遅らせる制御をする。もしくは、デバイスへの電源供給を遮断しないようにする。このため、汎用ポートに接続したストレージ機器を、CFカードやSDカードのような内蔵ストレージメディアと同様のレスポンスで、外付けのストレージメディアとして扱うことが可能となる。さらに、内蔵のストレージメディアと比較して、大きな電流を消費したり、起動時間が遅いストレージ機器の場合でも、レスポンスと動作時間の面でバランスの取れたシステムを提供できる。
【0047】
さらに、判別手段によって、接続されたデバイスがGPS等の位置情報取得機器と判別された場合には、デバイスへの電源供給を遮断しないようにし、デバイスからの位置情報取得タイミングに応じて、インターフェース部の動作、停止を制御する。このため、ユーザーに位置情報取得機器の動作を過剰に意識させることなく、撮像システムに画像ファイルに位置情報を追加するなどの機能を拡張することができる。
【0048】
さらに、判別手段によって、接続されたデバイスが携帯電話等の外部システムとの通信機器と判別された場合には、デバイスへの電源供給を遮断しないようにするとともに、レリーズシーケンスに従って、インターフェース部の動作、停止を制御し、レリーズ操作が無いときには、インターフェース部を待ち受け可能なスリープ状態とする。ユーザーの操作等により、デバイスからのウェイクアップ信号を検出した場合には、インターフェース部を通常の動作状態に復帰する。このため、撮像システムのレスポンスと駆動時間を犠牲にせず、通信機能等の機能を拡張することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器が接続可能な電子機器であって、
接続された外部機器に電力を供給する電力供給手段と、
前記外部機器を判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果に基づいて、前記電力供給手段による前記外部機器への電力供給の開始または停止のタイミングを制御する制御手段とを有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−109991(P2012−109991A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−278898(P2011−278898)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【分割の表示】特願2007−40909(P2007−40909)の分割
【原出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】