説明

電子機器

【課題】本発明は電子機器に関するもので、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【解決手段】前面開口部5を有する本体ケース6と、前面開口部5を開閉自在に覆ったカバー7と、カバー7を開閉させる第一モータ14aと、カバー7の背面側の本体ケース6内に配置された携帯情報機器用保持部8と、携帯情報機器用保持部8に保持された携帯電話9と電気的接続を行う電気的接続手段10と、電気的接続手段10を介して携帯電話9に電気的に接続される制御部27とを備え、カバー7は実質的に透明な構成とし、携帯情報機器用保持部8は、携帯電話9の前面操作部23を、本体ケース6の前面側として保持する構成とし、制御部27は、本体ケース6外の緊急スイッチ25の操作時に、携帯電話9の前面撮影部26による撮影を行うとともに、前記第一モータ14aの動作を停止させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などに搭載される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯情報機器、例えば携帯電話は、ますます、その機能が充実し、電話機能だけでなく、音楽プレーヤ機能や、カーナビゲーション機能までが搭載されている。
【0003】
したがって、この携帯電話を他の電子機器、例えば、車載用の電子機器に接続すれば、携帯電話で再生した音楽を、車両のスピーカから流すこともできるようになる。
【0004】
そこで、このような要望に応えるために車載用の電子機器として、次のような構成のものが提案されている。
【0005】
すなわち、車載用電子機器を構成する本体ケース内に、引出し構造の収納部を設け、この収納部内には、携帯情報機器との電気的接続手段を設けた構成となっていた(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−24259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来例における課題は、使い勝手が悪いということであった。
【0008】
すなわち、前記従来例では、携帯情報機器を、前記電子機器の収納部に収納させるとともに、電気的接続手段を介してこの携帯情報機器と電子機器とを接続し、これによって上述したように、携帯情報機器が保有する、音楽プレーヤ機能による再生音を車両のスピーカから流すことが出来るようにしている。
【0009】
しかしながら、このような状況においては、携帯情報機器が保有する音楽プレーヤ機能を使用しているにもかかわらず、この携帯情報機器が電子機器の収納部に収納され、外部からは見ることが出来ないので、携帯情報機器の現動作状態を十分に理解することが出来ず、その結果として極めて使い勝手の悪いものになるのであった。
【0010】
そこで、本発明は、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そしてこの目的を達成するために本発明は、前面開口部を有する本体ケースと、この本体ケースの前記前面開口部を開閉自在に覆ったカバーと、このカバーを開閉させるカバー開閉手段と、前記カバーの背面側の前記本体ケース内に配置された携帯情報機器用保持部と、この携帯情報機器用保持部に保持された携帯情報機器と電気的接続を行う電気的接続手段と、この電気的接続手段を介して前記携帯情報機器に電気的に接続される制御部とを備え、前記カバーは実質的に透明な構成とし、前記携帯情報機器用保持部は、前記携帯情報機器の前面操作部を、前記本体ケースの前面側として、この携帯情報機器を保持する構成とし、前記制御部は、前記本体ケース外の緊急スイッチの操作時に、前記携帯情報機器の前面撮影部による撮影を行うとともに、前記カバー開閉手段の動作を停止させる構成と
し、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明は、前面開口部を有する本体ケースと、この本体ケースの前記前面開口部を開閉自在に覆ったカバーと、このカバーを開閉させるカバー開閉手段と、前記カバーの背面側の前記本体ケース内に配置された携帯情報機器用保持部と、この携帯情報機器用保持部に保持された携帯情報機器と電気的接続を行う電気的接続手段と、この電気的接続手段を介して前記携帯情報機器に電気的に接続される制御部とを備え、前記カバーは実質的に透明な構成とし、前記携帯情報機器用保持部は、前記携帯情報機器の前面操作部を、前記本体ケースの前面側として、この携帯情報機器を保持する構成とし、前記制御部は、前記本体ケース外の緊急スイッチの操作時に、前記携帯情報機器の前面撮影部による撮影を行うとともに、前記カバー開閉手段の動作を停止させる構成としたものであるので、使い勝手を良くすることができる。
【0013】
すなわち、本発明においては、前記カバーを、実質的に透明な構成とするとともに、前記携帯情報機器用保持部は、携帯情報機器の前面操作部を、前記本体ケースの前面側として、この携帯情報機器を保持する構成としたものであるので、前記携帯情報機器用保持部により携帯情報機器が保持された状態では、この携帯情報機器の前面操作部が、カバーを介して前記本体ケースの前面側から目視することが出来る。
【0014】
このため、携帯情報機器を本体ケース内に収納した状態であるにも関わらず、この携帯情報機器の動作状態を確認することが出来、その結果として極めて使い勝手の良いものとなるのである。
【0015】
また、本発明では、その制御部を、前記本体ケース外の緊急スイッチの操作時に、前記携帯情報機器の前面撮影部による撮影を行うとともに、前記カバー開閉手段の動作を停止させる構成としたものであるので、緊急時の撮影を前記携帯情報機器の前面撮影部で行うことができ、しかもこの時には、前記カバー開閉手段の動作を停止させることができるので、撮影画像を不用意に処分できなくすることもでき、極めて使い勝手の良いものともなる。
【0016】
具体例としては、例えば本発明の電子機器をタクシーなどに装着していた場合では、乗客とのトラブル時に緊急スイッチを操作時すれば、撮影が行われたことで、そのトラブルが継続されるのを抑止することもでき、さらに撮影された画像を乗客が処分しようとしても、カバー開閉手段の動作が停止され、カバーが開放されないので、撮影画像の不用意な処分も簡単には行えず、その結果として極めて使い勝手の良いものともなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる電子機器を車両に搭載した状態を示す斜視図
【図2】同電子機器の斜視図
【図3】同電子機器の斜視図
【図4】同電子機器の斜視図
【図5】同電子機器の斜視図
【図6】同電子機器の斜視図
【図7】同電子機器の斜視図
【図8】同電子機器の断面図
【図9】同電子機器の断面図
【図10】同電子機器の断面図
【図11】同電子機器の断面図
【図12】同電子機器の要部背面図
【図13】同電子機器の要部背面図
【図14】同電子機器の制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態を、車載用の電子機器に適用したものを、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、1は車両本体を示し、この車両本体1の車内2前方にはハンドル3が配置され、またハンドル3の左方には電子機器4が装着されている。
【0019】
電子機器4は音楽プレーヤ機能や、カーナビゲーション機能等を有するものであって、全体的な構成は図2〜図5に示すようになっている。
【0020】
すなわち、この電子機器4は、前面開口部5を有する箱状の本体ケース6と、この本体ケース6の前記前面開口部5を開閉自在に覆ったカバー7と、このカバー7の背面側の前記本体ケース6内に配置された携帯情報機器用保持部8と、この携帯情報機器用保持部8に保持された携帯電話(携帯情報機器の一例)9と電気的接続を行う電気的接続手段10とを備えた構成となっている。
【0021】
前記カバー7は、本体ケース6の前記前面開口部5を開閉自在に覆ったものであって、この開閉動作を行わせるために本実施形態では、カバー7の内面側下方の両側に、それぞれレバー11A、11Bの前端側を連結している。
【0022】
図8〜図13はこのレバー11A、11Bなどの動作を説明するための図であり、図8が図2のごとく、本体ケース6の前面開口部5がカバー7で閉じられた状態、つまり本体ケース6の前面開口部5がカバー7で覆われた状態を示している。
【0023】
また、図9が、図3のごとく本体ケース6の前面開口部5がカバー7から開放された状態、つまり本体ケース6の前面開口部5が開放された状態を示している。
【0024】
すなわち、カバー7の開閉のためには、レバー11A、11Bが前後に移動する構成となっている。
【0025】
具体的には、左右のレバー11A、11Bの中部から後部にかけてのそれぞれ2箇所が、図8から理解されるように、本体ケース6の前後に所定間隔をおいて配置されたレバー12の上端の軸支部12aで、軸支状態で支持されており、またこのレバー12の下端は軸支部12bにより、基台13に軸支状態で支持されており、さらにレバー12の下端に固定している軸14には第一モータ(図14の14a)が連結されている。
【0026】
したがって、この第一モータ14aを半時計方向に駆動し、レバー12の上端を図8から図9のごとく左方に移動させれば、カバー7が開き、本体ケース6の前面開口部5が開放される。
【0027】
また、この第一モータ14aを時計方向に駆動し、レバー12の上端を図9から図8のごとく右方に移動させれば、カバー7が閉じ、本体ケース6の前面開口部5が閉成される。
【0028】
さて、図2は上述のごとく、本体ケース6の前面開口部5がカバー7で閉成された状態であるが、この状態で、カバー7を開放するためには、カバー7の前面上方左側のスイッチ15を押圧操作する。
【0029】
すると、第一モータ14aが駆動され、レバー12の上端が図8から図9のごとく左方に移動させられ、この結果として図3のごとく、カバー7が開き、本体ケース6の前面開口部5が開放される。
【0030】
このカバー7の開放動作について今少し詳細に説明すると、レバー11A、11Bの軸支部12aよりも先端側は図3、図8〜図11からも理解されるように、その後方側よりも下方に湾曲しながら下がった状態となっている。
【0031】
このため、上述のごとく、第一モータ14aが駆動され、レバー12の上端が図8から図9のごとく左方に移動させられると、レバー11A、11Bの先端側は、図3、図9のごとく、本体ケース6の前面開口部5よりも下方に降ろされることになる。
【0032】
また、このようなレバー11A、11Bの動きにより、カバー7が図3、図9のごとく水平方向に開放されるためには、レバー11Bの先端側に、次のような周知の機構が取り付けられている。
【0033】
つまり、レバー11Bの先端側は軸支部11aにより回動自在にカバー7と連結されている。
【0034】
また、軸支部11aが貫通した歯車7aはカバー7の内側に固定されており、それ自体が回動することは無い。
【0035】
さらに、レバー11B内は空洞状態となっており、その内部には前記第一モータ14aによって駆動されるリング状のチューン(図示せず)が収納されている。
【0036】
また、このチューン(図示せず)によって回動する歯車(図示せず)は前記歯車7aに歯合状態で係合している。
【0037】
このため、上述のごとく、第一モータ14aが駆動され、レバー12の上端が図8から図9のごとく左方に移動させられると、これに連動する状態で、歯車7aと、前記チューン(図示せず)によって回動する歯車(図示せず)との歯合部が歯車7aの時計方向に移動することになる。
【0038】
上述のごとく歯車7aはカバー7に固定されているので、この時には、逆にカバー7が軸支部11aを中心として、図8から図9のごとく半時計方向に回動することになる。
【0039】
以上の機構は周知の構造であるので、これ以上の説明は割愛するが、結論として、第一モータ14aが駆動され、レバー12の上端が図8から図9のごとく左方に移動させられると、図3、図9のごとく、カバー7が開き、本体ケース6の前面開口部5が開放されることになる。
【0040】
そして、このようにカバー7が開き、本体ケース6の前面開口部5が開放されたことが検知されると、次には図9に示すレバー16が、第二モータ(図示せず)で駆動されるギア(図示せず)との係合により、図9から図10のごとく左方に移動される。
【0041】
レバー16の左端側には上述した携帯情報機器用保持部8が連結されており、この結果として図3、図10に示すごとく、携帯情報機器用保持部8が本体ケース6の前面開口部5前方外へと押し出されることになる。
【0042】
ここで、レバー16と携帯情報機器用保持部8との連結構造について説明する。
【0043】
図10からも理解されるように、レバー16の左端側(前方側)は、直角方向に上方に折り曲げられ、ここで図12に示す回動部17が形成されている。
【0044】
具体的には、この回動部17は1/4円状となっており、その外周部の少し内側には、1/4円弧状の回動溝18が形成されている。
【0045】
そして、この回動溝18内には、携帯情報機器用保持部8の背面側から後方に伸ばされたピン19が移動自在に係合させられている。
【0046】
また、1/4円状となった回動部17の中心部には、第三モータ(図示せず)で回転する回転軸20が設けられており、この回転軸20は携帯情報機器用保持部8に固定されている。
【0047】
このため、第三モータ(図示せず)で回転軸20を図12の半時計方向に回転させれば、回動溝18内をピン19が図13のごとく上方に移動し、その結果として携帯情報機器用保持部8は図13のごとく立設した状態となる。
【0048】
携帯情報機器用保持部8が図13のごとく立設した状態とは、本体ケース6の正面側から見ると図1、図4の状態である。
【0049】
つまり、携帯情報機器用保持部8が、本体ケース6の前面開口部5の前方側に飛び出し、しかも立設した状態となっている。
【0050】
この状態になると、携帯電話(携帯情報機器の一例)9の使用者は、この携帯電話9を図5、図11のごとく、携帯情報機器用保持部8に装着する。
【0051】
本実施形態においては、携帯情報機器用保持部8は、携帯電話(携帯情報機器の一例)9の外周の対向部分、具体的には携帯電話(携帯情報機器の一例)9の左右部分を保持する保持爪21設けているので、この携帯電話9を図5、図11のごとく、携帯情報機器用保持部8に装着すれば、左右の保持爪21によって携帯電話(携帯情報機器の一例)9の左右部分が挟持保持される。
【0052】
また、携帯情報機器用保持部8の左右の保持爪21の背面側は当接面(図4の22)となっているので、携帯電話(携帯情報機器の一例)9の背面側は当接面22に当接保持される。
【0053】
さらに、携帯情報機器用保持部8の下方には、上述した電気的接続手段10が配置されており、この電気的接続手段10はいわゆるプラグ構造となっている。
【0054】
したがって、携帯情報機器用保持部8に携帯電話(携帯情報機器の一例)9を装着するときには、先ずはこの電気的接続手段10を携帯電話(携帯情報機器の一例)9の下端に設けたコネクターに挿入し、これにより機械的、電気的な接続を行う。
【0055】
そして、その後、上述したように、この携帯電話9の左右部分を保持爪21によって挟持保持し、また、携帯電話9の背面側を当接面22で当接保持することになる。
【0056】
この状態は、図5に示すように携帯電話9は通常の使用状態と同じ立設状態であって、しかも本体ケース6の前面開口部5の前方に突出した状態となっているので、使用者はい
つも使い慣れた携帯電話9で、その表面側に設けた前面操作部(タッチパネル方式)23により、音楽プレーヤ機能や、カーナビゲーション機能を選択、操作することになる。
【0057】
つまり、このようにすれば、携帯電話9が保有する、音楽プレーヤ機能や、カーナビゲーション機能に基づく音情報は、車両本体1の車内2に設けたスピーカ(図示せず)から出力することができるようになるのである。
【0058】
そして、このような携帯電話9の前面操作部23で、音楽プレーヤ機能や、カーナビゲーション機能を選択、操作した後には、図5のカバー7の背面側(カバー7の立設状態では上方部)に設けたスイッチ24を押圧操作する。
【0059】
すると、第三モータ(図示せず)で回転軸20が図13の時計方向に回転させられ、これにより回動溝18内をピン19が図12のごとく下方に移動し、その結果として携帯情報機器用保持部8は図6、図10のごとく横向き状態となる。
【0060】
そして、このように携帯情報機器用保持部8が図6、図10のごとく横向き状態となったことが検出されると、次には図10に示すレバー16が、第二モータ(図示せず)で駆動されるギア(図示せず)との係合により、図10から図9のごとく右方に移動され、この結果として携帯情報機器用保持部8は本体ケース6の前面開口部5内に収納されることになる。
【0061】
そして、このようにレバー16が、第二モータ(図示せず)で駆動されるギア(図示せず)との係合により、図10から図9のごとく右方に移動され、携帯情報機器用保持部8は本体ケース6の前面開口部5内に収納されたことが検出されると、次には第一モータ14aが駆動され、レバー12の上端を図9から図8のごとく右方に移動させ、これにより、図7、図8のごとく、本体ケース6の前面開口部5がカバー7によって閉じられることになる。
【0062】
この時、図7からも理解されるように、携帯電話9の前面操作部23は、本体ケース6の前面側に表出する状態で携帯情報機器用保持部8によって保持され、また前記カバー7は、実質的に透明な構成としているので、カバー7を介して携帯電話9の前面操作部23を目視し、その動作状態を確認することができ、その結果として極めて使い勝手の良いものとなる。
【0063】
なお、図面の煩雑さを避けるために第二、第三のモータは図示していないが、これらは市販の小型モータが利用できる。
【0064】
以上の説明により、本発明の一実施形態の特徴点が理解できたところで、以下に本実施形態の他の特徴点について説明する。
【0065】
本実施形態の他の特徴点は、携帯情報機器用保持部8に保持された携帯電話9を、例えば、タクシーにおいて、安全対策に活用することである。
【0066】
そのために、先ず図1のごとく、緊急スイッチ25をハンドル3に設け、この緊急スイッチ25を操作した時には、図7のごとく、カバー7の背面側の本体ケース6内において、携帯情報機器用保持部8で保持されている携帯電話(携帯情報機器の一例)9の前面操作部23の外周部分に設けた前面撮影部26により、車内2を撮影するものである。
【0067】
例えば、乗客とのトラブル時に緊急スイッチ25を操作時すれば、撮影が行われたことは、一般的なカメラと同じようにシャッター音や撮影光によって乗客にも報知されるので
、これ以上のトラブル継続を抑止することができる。
【0068】
また、撮影された画像を乗客が処分しようとしても、カバー開閉手段を構成する第一モータ14aの動作が停止され、カバー7が開放されようにしいるので、撮影画像の不用意な処分も簡単には行えないものとできる。
【0069】
さらに、このときの撮影画像は直ちに、携帯電話(携帯情報機器の一例)9の通信機能を通じて、最寄の警察などに送信するようにすれば、カバー7を、その後、強引に開放されても、その時には既に送信済みであるので、撮影画像が処分されてしまうことも無い。
【0070】
図14はそのような動作をさせるための制御ブロック図を示しており、前記カバー開閉手段を構成する第一モータ14aやカバー7を開放させるためのスイッチ15は制御部27に接続されている。
【0071】
また、この制御部27には、携帯電話9およびその前面撮影部26が、電気的接続手段10を介して接続されている。
【0072】
さらに、上記緊急スイッチ25もこの制御部27に接続されている。
【0073】
したがって、運転者が緊急事態を感じ、緊急スイッチ25を操作した時には、制御部27により、図7のごとく、カバー7の背面側において、携帯情報機器用保持部8で保持されている携帯電話9の前面撮影部26で、車内2を撮影することができる。
【0074】
例えば、乗客とのトラブル時に、運転者が緊急スイッチ25を操作時すれば、携帯電話9の前面撮影部26によって撮影が行われたことは、一般的なカメラと同じようにシャッター音や撮影光によって乗客にも報知されるので、これ以上のトラブル継続を抑止することができる。
【0075】
また、乗客が、撮影された画像を処分しようとしてカバー7を開放するスイッチ15を押しても、前記緊急スイッチ25が操作された時には、制御部27によって、カバー開閉手段を構成する第一モータ14aの動作が停止されるようになっているので、カバー7は開放されない。
【0076】
また、携帯電話9の前面撮影部26によって撮影された撮影画像は直ちに、携帯電話9の通信機能を通じて、最寄の警察など(本体ケース6外)に送信されるようになっているので、カバー7の開放に手間取り、その後、強引に開放しても、その時には既に送信済みの状態となっており、この結果として、撮影画像が処分されてしまうことは無い。
【0077】
さらに、この時の撮影画像は、携帯電話9が有するナビゲーションシステムと同調し、現在位置情報とともに、前記撮影画像が、前記最寄の警察など(本体ケース6外)に送信されるので、警察などの対応も早く行えるようになる。
【0078】
なお、このように緊急スイッチ25を操作することで、カバー開閉手段を構成する第一モータ14aの動作を停止させた後の、カバー開閉手段を構成する第一モータ14aの復旧時には、制御部27に解除パスワードを入力するようにすることが好ましい。
【0079】
そのため、本体ケース6には、解除パスワードを入力する操作部28を接続する端子(図示せず)を設けている。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように本発明は、前面開口部を有する本体ケースと、この本体ケースの前記前面開口部を開閉自在に覆ったカバーと、このカバーを開閉させるカバー開閉手段と、前記カバーの背面側の前記本体ケース内に配置された携帯情報機器用保持部と、この携帯情報機器用保持部に保持された携帯情報機器と電気的接続を行う電気的接続手段と、この電気的接続手段を介して前記携帯情報機器に電気的に接続される制御部とを備え、前記カバーは実質的に透明な構成とし、前記携帯情報機器用保持部は、前記携帯情報機器の前面操作部を、前記本体ケースの前面側として、この携帯情報機器を保持する構成とし、前記制御部は、前記本体ケース外の緊急スイッチの操作時に、前記携帯情報機器の前面撮影部による撮影を行うとともに、前記カバー開閉手段の動作を停止させる構成としたものであるので、使い勝手を良くすることができる。
【0081】
すなわち、本発明においては、前記カバーを、実質的に透明な構成とするとともに、前記携帯情報機器用保持部は、携帯情報機器の前面操作部を、前記本体ケースの前面側として、この携帯情報機器を保持する構成としたものであるので、前記携帯情報機器用保持部により携帯情報機器が保持された状態では、この携帯情報機器の前面操作部が、カバーを介して前記本体ケースの前面側から目視することが出来る。
【0082】
このため、携帯情報機器を本体ケース内に収納した状態であるにも関わらず、この携帯情報機器の動作状態を確認することが出来、その結果として極めて使い勝手の良いものとなるのである。
【0083】
また、本発明では、その制御部を、前記本体ケース外の緊急スイッチの操作時に、前記携帯情報機器の前面撮影部による撮影を行うとともに、前記カバー開閉手段の動作を停止させる構成としたものであるので、緊急時の撮影を前記携帯情報機器の前面撮影部で行うことができ、しかもこの時には、前記カバー開閉手段の動作を停止させることができるので、撮影画像を不用意に処分できなくすることもでき、極めて使い勝手の良いものともなる。
【0084】
具体例としては、例えば本発明の電子機器をタクシーなどに装着していた場合では、乗客とのトラブル時に緊急スイッチを操作時すれば、撮影が行われたことで、そのトラブルが継続されるのを抑止することもでき、さらに撮影された画像を乗客が処分しようとしても、カバー開閉手段の動作が停止され、カバーが開放されないので、撮影画像の不用意な処分も簡単には行えず、その結果として極めて使い勝手の良いものともなるのである。
【0085】
したがって、本発明の電子機器は、車両用などへの搭載が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0086】
1 車両本体
2 車内
3 ハンドル
4 電子機器
5 前面開口部
6 本体ケース
7 カバー
8 携帯情報機器用保持部
9 携帯電話(携帯情報機器の一例)
10 電気的接続手段
11A、11B レバー
12 レバー
13 基台
14 軸
14a 第一モータ
15 スイッチ
16 レバー
17 回動部
18 回動溝
19 ピン
20 回転軸
21 保持爪
22 当接面
23 前面操作部
24 スイッチ
25 緊急スイッチ
26 前面撮影部
27 制御部
28 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開口部を有する本体ケースと、この本体ケースの前記前面開口部を開閉自在に覆ったカバーと、このカバーを開閉させるカバー開閉手段と、前記カバーの背面側の前記本体ケース内に配置された携帯情報機器用保持部と、この携帯情報機器用保持部に保持された携帯情報機器と電気的接続を行う電気的接続手段と、この電気的接続手段を介して前記携帯情報機器に電気的に接続される制御部とを備え、前記カバーは実質的に透明な構成とし、前記携帯情報機器用保持部は、前記携帯情報機器の前面操作部を、前記本体ケースの前面側として、この携帯情報機器を保持する構成とし、前記制御部は、前記本体ケース外の緊急スイッチの操作時に、前記携帯情報機器の前面撮影部による撮影を行うとともに、前記カバー開閉手段の動作を停止させる構成とした電子機器。
【請求項2】
制御部は、本体ケース外の緊急スイッチの操作時に、携帯情報機器の前面撮影部による撮影画像を前記本体ケース外に送信する構成とした請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
制御部は、本体ケース外の緊急スイッチの操作時に、現在位置情報を前記本体ケース外に送信する構成とした請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
カバー開閉手段の復旧時には、制御部に解除パスワードを入力する構成とした請求項1から3のいずれか一つに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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