説明

電子機器

【課題】二つの筐体を開閉して、両筐体の表示部を一つの画面として表示できる電子機器を提供する。
【解決手段】第1面23を有する第1筐体20と、第2面33を有する第2筐体30とが、ヒンジ部を介して回動可能に連結されている。第1回動軸S1を中心として第1筐体20および第2筐体30を回動させることにより、第1筐体20において第2筐体30に近い第1稜線211と、第2筐体30において第1筐体20に近い第2稜線311とが近接する。このため、第1面と、第2面とが、同一平面上で接近して配置されるので、両筐体の表示画面で連続した表示が可能になる。また、第1回動軸S1が、第2回動軸S2により第1筐体20に取り付けられ、第3回動軸S3により第2筐体30に取り付けられており、開状態において第2回動軸S2と第3回動軸S3とを回転させることにより、第1回動軸S1の向きを変えることができる。これにより、開状態を維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1筐体と第2筐体とを相対的に回動可能に有する電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、第1筐体と第2筐体が連結機構を介して連結された携帯型の電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図11に示すように、特許文献1に記載の電子機器100においては、第1筐体101と第2筐体102が連結機構103を介して互いに回動可能に連結されている。第1筐体101は第1画像表示面104を有し、第2筐体102は第2画像表示面105を有する。
この電子機器100では、第1画像表示面104と第2画像表示面105とを対向させて覆う全閉状態と、第1画像表示面104と第2画像表示面105とを同一平面上に露出させた全開状態の2つの状態を選択的に設定することができる。
【0003】
ここで、連結機構103と第2筐体102との間には、全開状態で第2筐体102を第1筐体101側へスライドさせるためのスライド機構(矢印A参照)を有する。
従って、第1画像表示面104と第2画像表示面105とを同一平面上に揃えた全開状態で近づけることにより、2つの画像表示面104、105を1つの画面として画像の表示を行なう場合、殆ど途切れのない良好な画像表示が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−71865号公報(第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子機器においては、第1筐体および第2筐体を回動させた後にスライドさせるスライド機構を有するため、構造が複雑で、操作も煩雑であるという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、簡易な構造および操作で、二つの筐体を開閉して、両筐体の表示部を用いてあたかも一つの画面として良好な表示ができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子機器は、第1面を有する第1筐体と、第2面を有する第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に連結するヒンジ部とを備え、前記第1筐体および前記第2筐体は、開状態において隣接するとともに、前記第1面と前記第2面とが同一平面上に配置されるよう連結され、前記ヒンジ部は、前記第1筐体と前記第2筐体との連結面に沿った方向に軸心を有する第1回動軸と、前記第1回動軸の軸心方向に対して直交方向に軸心を有し、前記第1面から突出しないよう前記第1筐体に連結される第2回動軸と、前記第1回動軸の軸心方向に対して直交方向に軸心を有し、前記第2面から突出しないように前記第2筐体に連結され、前記開状態において前記第2回動軸と同一線上に配置される第3回動軸と、を有し、前記第1筐体および前記第2筐体を、前記第1面および前記第2面が対向する閉状態と、前記第1面および前記第2面が隣接する前記開状態との間で相対的に回動するよう連結するとともに、前記開状態において前記第2回動軸および前記第3回動軸を中心として回動するよう連結することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電子機器は、第1面を有する第1筐体と、第2面を有する第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に連結するヒンジ部とを備え、前記第1筐体および前記第2筐体は、前記第1筐体の前記第1面における前記第2筐体に最も近い第1稜線と、前記第2筐体の前記第2面における前記第1筐体に最も近い第2稜線とが互いに平行、かつ、近接するように連結され、前記ヒンジ部は、前記第1稜線および前記第2稜線の延長線に沿った方向に軸心を有する第1回動軸と、前記第1回動軸の軸心方向に対して直交方向に軸心を有し、前記第1面から突出しないよう前記第1筐体に連結される第2回動軸と、前記第1回動軸の軸心方向に対して直交方向に軸心を有し、前記第2面から突出しないように前記第2筐体に連結され、前記開状態において前記第2回動軸と同一線上に配置される第3回動軸と、を有し、前記第1筐体および前記第2筐体を、前記第1面および前記第2面が対向する閉状態と、前記第1面および前記第2面が隣接する開状態との間で相対的に回動するよう連結するとともに、前記開状態において前記第2回動軸および前記第3回動軸を中心として回動するよう連結することを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の電子機器は、前記第1筐体が前記第1面とは反対側の第3面を有するとともに、前記第2筐体が前記第2面とは反対側の第4面を有し、前記開状態において前記第1筐体の前記第3面における前記第2筐体に最も近い第3稜線と、前記第2筐体の前記第4面における前記第1筐体に最も近い第4稜線とが互いに平行、かつ、近接するように配置され、前記ヒンジ部が、前記第2回動軸および前記第3回動軸を中心として180度回動することで前記第3稜線および前記第4稜線の延長線に沿って前記第1回動軸を配置することにより、前記開状態から前記第3面および第4面が対向する折返状態まで前記第1筐体および前記第2筐体が回動可能となることを特徴とする。
【0010】
そして、本発明の電子機器は、前記第1面に第1表示部が設けられているとともに、前記第2面に第2表示部が設けられ、前記第1表示部および前記第2表示部を挟む対向位置にそれぞれ前記ヒンジ部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1回動軸が第1筐体と第2筐体との連結面に沿った方向に軸心を有するとともに、第2回動軸が第1面から突出しないように第1筐体に連結され、かつ、第3回動軸が第2面から突出しないように第2筐体に連結されているため、開状態において第1面と第2面とが同一平面上に配置される。この際、第2回動軸および第3回動軸を中心としてヒンジ部を回動させることにより、第1筐体と第2筐体とが閉状態となることを阻止できる。
このように、本発明によれば、開状態において第1面と第2面とが同一平面上に配置できるとともに、この状態を容易に維持できるという効果を有する電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)は本発明に係る実施形態の電子機器の閉状態を示す斜視図であり、(B)は(A)中B方向から見た閉状態におけるヒンジ部の平面図であり、(C)は(A)中C方向から見たヒンジ部の側面図
【図2】本発明に係る実施形態の電子機器の分解斜視図
【図3】ヒンジ部の分解斜視図
【図4】(A)ないし(E)は第1筐体および第2筐体の開閉動作を示す説明図
【図5】閉状態と開状態との間の電子機器を示す斜視図
【図6】開状態において両筐体が固定されていない状態の斜視図
【図7】開状態において両筐体が固定された状態の斜視図
【図8】開状態からさらに第1筐体および第2筐体を回動させる際の状態を示す斜視図
【図9】開状態から折り返す際の斜視図
【図10】折返状態の斜視図
【図11】従来の電子機器の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態の電子機器について、図面を用いて説明する。
図1(A)に示すように、本発明に係る実施形態の電子機器10は、第1筐体20と、第2筐体30と、第1筐体20および第2筐体30を回動可能に連結するヒンジ部40とを有する。
第1筐体20ヒンジ部40は、図1(A)における上側の第1ヒンジ部41と、第2ヒンジ部42を有する。
【0014】
図2に示すように、第1筐体20は、それぞれ一面が開口した矩形箱状のカバー21とケース22を有し、それぞれの開口を対向させて接続して形成される。
カバー21は、筐体の開状態において第2筐体30と対向する面に第1面23を有し、第1面23には第1表示部24を有する。カバー21は、第1面23における第2筐体30に最も近い位置(筐体の開状態において第1筐体20が第2筐体30と対面する面)に第1稜線211を有し、第1稜線211の上下両端部には、ヒンジ用切欠き212が設けられている。ヒンジ用切欠き212には、ヒンジ用凹部213が設けられている。
また、ケース22は、第1面23と反対側に第3面25を有する。ケース22は、第3面25における第2筐体30に最も近い位置(筐体の開状態において第2筐体30が第1筐体20と対面する面)に第3稜線221を有し、第3稜線221の上下両端部には、ヒンジ用切欠き222が設けられている。ヒンジ用切欠き222には、ヒンジ用凹部213とともに円形の切欠きを形成するヒンジ用凹部223が設けられている。
【0015】
同様に、第2筐体30は、それぞれ一面が開口した矩形箱状のカバー31とケース32を有し、それぞれの開口を対向させて接続して形成される。
カバー31は、第1筐体20と対向する面に第2面33を有し、第2面33には第2表示部34を有する。カバー31は、第2面33における第1筐体20に最も近い位置に第2稜線311を有し、第2稜線311の上下両端部には、ヒンジ用切欠き312が設けられている。ヒンジ用切欠き312には、ヒンジ用凹部313が設けられている。
また、ケース32は、第2面33と反対側に第4面35を有する。ケース32は、第4面35における第1筐体20に最も近い位置に第4稜線321を有し、第4稜線321の上下両端部には、ヒンジ用切欠き322が設けられている。ヒンジ用切欠き322には、ヒンジ用凹部313とともに円形の切欠きを形成するヒンジ用凹部323が設けられている。
【0016】
図1(A)、(B)、(C)に示すように、ヒンジ部40は、第1筐体20の上部と第2筐体30の上部とを連結する第1ヒンジ部41と、第1筐体20の下部と第2筐体30の下部とを連結する第2ヒンジ部42を有する。
なお、第1ヒンジ部41と第2ヒンジ部42とは、上下対称の構成をしているので、特に区別をする場合を除き、第1ヒンジ部41について説明する。
【0017】
図3に示すように、第1ヒンジ部41は、第1筐体20側に回転可能に取り付けられる第1ブロック43と、第2筐体30側に回転可能に取り付けられる第2ブロック44を有する。
第1ブロック43は、略直方体形状の基部431と、基部431に連続する外側(図1(A)において上下外側)に球面状に膨らんだ膨出部432を有する。膨出部432の内面(図3において上面)は平面状に形成されており、中央部には第1軸受け穴433を有する。また、基部431には、円柱状の第2軸部434が突設されている。
【0018】
一方、第2ブロック44は、略直方体形状の基部441と、基部441に連続する内側(図1(A)において上下内側)に球面状に膨らんだ膨出部442を有する。膨出部442の内面(図3において下面)は平面状に形成されており、中央部には第1ブロック43側に突出する第1軸部443を有する。また、基部441には、円柱状の第2軸部444が突設されている。
【0019】
図1(B)に示すように、第1ブロック43の第1軸受け穴433に、第2ブロック44の第1軸部443を挿嵌して、第1ブロック43と第2ブロック44を相対的に回動可能に連結する。このとき第1ブロック43の第1軸受け穴433または、第2ブロック44の第1軸部にはストッパ(図示略)が設けられており脱落しないようになっている。また、このときの回動軸は、第1回動軸S1である。
図2に示すように、第1ブロック43の第2軸部434は、第1筐体20のヒンジ用凹部213、223を貫通して、第1筐体20の内部においてギヤ261、262が取り付けられて回動可能に支持されている。このときの回動軸は、第2回動軸S2である。
また、第2ブロック44の第2軸部444は、第2筐体30のヒンジ用凹部313、323を貫通して回動可能に支持されており、ストッパ(図示省略)によりヒンジ用凹部313、323から脱落しないようになっている。このときの回動軸は、第3回動軸S3である。
【0020】
図2に示すように、第1ヒンジ部41におけるギヤ261と、第2ヒンジ部42におけるギヤ262との間には、タイミングベルト27が交差状態で巻回されている。
これにより、ギヤ261とギヤ262とは、同期して反対方向へ回転するので、第1ヒンジ部41と第2ヒンジ部42とは、第2回動軸S2を中心として、反対方向へ同じ角度だけ回転する。
【0021】
次に、第1筐体20および第2筐体30の開閉動作について説明する。
まず、図4(A)および図1(A)に示すように、第1筐体20の第1面23と、第2筐体30の第2面33とを対向させて積層した閉状態について説明する。なお、説明の都合上、図1(B)および(C)には、第2ヒンジ部42について図示する。
この場合、ヒンジ部40では、第1ブロック43の第2軸部434(第2回動軸S2)および第2ブロック44の第2軸部444(第3回動軸S3)は、上下に積層されて同一方向に向く(図1(C)参照)。また、第1回動軸S1は、第1ヒンジ部41および第2ヒンジ部42において同一直線上にある。
【0022】
第1筐体20および第2筐体30を開く場合には、図4(A)において、第1回動軸S1を中心として矢印A方向へ移動させて、図5に示すように、第1筐体20を開く。
図4(B)および図6には、第1筐体20および第2筐体30を完全に開いた開状態が示されている。このとき、第1筐体20および第2筐体30を相対的に回動させる第1回動軸S1は、第1筐体20の第1稜線211および第2筐体30の第2稜線311の近傍において平行に位置している。すなわち、第1回動軸S1は、第1筐体20と第2筐体30との連結面に沿った方向に軸心を有する。
このため、第1筐体20の第1面23の第1表示部24と、第2筐体30の第2面33の第2表示部34とが、同一平面上にある。また、第1筐体20の第1稜線211と、第2筐体30の第2稜線311とは隣接しているので、第1表示部24と第2表示部34は、略連続している。
【0023】
同様に、第1筐体20の第3面25の第3稜線221と、第2筐体30の第4面35の第4稜線321とが互いに平行、かつ、近接している(図2参照)。
ここで、第3稜線221および第4稜線321は、互いに極めて近くに配置されていればよく、互いに接触していてもよい。本発明における近接とは、第3稜線221および第4稜線321が互いに接触しているか否かを問わない。
【0024】
なお、この状態では、第1ヒンジ部41および第2ヒンジ部42の一部は、第1面23および第2面33から上方に突出している(図4(B)参照)。
また、ヒンジ部40の第2回動軸S2と第3回動軸S3とが、一直線に伸びている。この状態では、第1筐体20および第2筐体30はロックされておらず、容易に閉じることができる。
【0025】
図4(C)および図7には、開状態を保持(ロック)する状態が示されている。
すなわち、図6における開状態において、第1ヒンジ部41および第2ヒンジ部42を、それぞれ外向きに例えば90度回動させる。すなわち第1ヒンジ部41においては図6中矢印A方向へ、第2ヒンジ部42においては矢印B方向へ回動させる。このときの回動軸は、第2回動軸S2および第3回動軸S3である。
これにより、図7に示すように、第1回動軸S1が、第1筐体20および第2筐体30の開閉時に対して角度(例えば、90度)を有することになるため、第1回動軸S1回りに回動不可能となり、第1筐体20および第2筐体30は開状態にロックされる。
【0026】
なお、第1ヒンジ部41および第2ヒンジ部42を回動させる際には、いずれか一方を回動させればよい。すなわち、いずれか一方を回動させると、第1ヒンジ部41のギヤ261と第2ヒンジ部42のギヤ262を連結しているタイミングベルト27(図2参照)の働きにより、第1ヒンジ部41および第2ヒンジ部42が同期して、反対方向へ同じ角度だけ回動する。
これにより、第1ヒンジ部41および第2ヒンジ部42は、第1面23および第2面33から突出しなくなり、または突出量が極めて小さくなり、第1表示部24と第2表示部34とが、同一平面上に位置することになる。このため、ゲームや電子書籍等を、全面で利用することができる。
【0027】
図4(D)および図8には、第1筐体20および第2筐体30をさらに回動させるための準備動作が示されている。
すなわち、図7の開状態において、第1ヒンジ部41および第2ヒンジ部42を、それぞれ外向きに回動させる。すなわち第1ヒンジ部41においては図7中矢印A方向へ、第2ヒンジ部42においては矢印B方向へ回動させる。このときの回動軸は、第2回動軸S2および第3回動軸S3である。
【0028】
これにより、図4(D)および図8に示すように、第1ヒンジ部41および第2ヒンジ部42の第1回動軸S1が同一直線上に位置して、第1筐体20および第2筐体30が相対的に回動可能となる。このとき、第1回動軸S1は、第1筐体20の第1面23側および第2筐体30の第2面33側から、第3面25側および第4面35側へ移動しているため、第1筐体20および第2筐体30を閉じる方向へは回動できず、折り返す側(図4(D)中矢印D方向、図8中矢印A方向)へのみ回動する。
図9には、折り返しの途中の状態が示されている。
【0029】
図4(E)および図10には、第1筐体20および第2筐体30を完全に折り返した状態が示されている。この状態では、第1筐体20の第1表示部24および第2筐体30の第2表示部34が、外側に位置して積層されている。
【0030】
以上、説明した本発明に係る実施形態の電子機器10によれば、第1面23を有する第1筐体20と、第2面33を有する第2筐体30とが、ヒンジ部40を介して、閉状態と開状態との間で、回動可能に連結されている。ヒンジ部40における第1回動軸S1を中心として第1筐体20および第2筐体30を回動させることにより、第1筐体20において第2筐体30に近い第1稜線211と、第2筐体30において第1筐体20に近い第2稜線311とが、接触または近接する。このため、第1筐体20の第1面23と、第2筐体30の第2面33とが、同一平面上で接近して配置されるので、両筐体20、30の表示部24、34を用いてあたかも一つの画面として良好な表示ができる。
【0031】
また、第1回動軸S1は、第2回動軸S2回りに回動可能に第1筐体20に取り付けられ、第3回動軸S3回りに回動可能に第2筐体30に取り付けられている。このため、開状態において第1回動軸S1を第2回動軸S2および第3回動軸S3回りに回動させることにより、第1回動軸S1の向きを変えることができる。これにより、第1筐体20と第2筐体30の相対的な回動を阻止して、開状態を維持することができる。
【0032】
また、本発明の電子機器10によれば、開状態においては、第1筐体20の第3稜線221と、第2筐体20の第4稜線321とは、接触または近接している。この状態において、第2回動軸S2および第3回動軸S3を中心として第1回動軸を180度(閉状態から180度)回動することで、第1筐体20の第3面25と、第2筐体30の第4面35とが対向する折返状態まで、第1筐体20および第2筐体30を相対的に回動できる。
【0033】
また、本発明の電子機器10によれば、第1面23に第1表示部24が設けられ、第2面33に第2表示部34が設けられており、第1表示部24と第2表示部34を挟む対向位置にそれぞれヒンジ部40が設けられている。
このため、第1表示部24と第2表示部34とが、同一平面上で接近して配置されるので、両筐体の表示画面で連続した表示が可能になる。
【0034】
なお、本発明の電子機器は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、本発明にかかる電子機器は、ヒンジ部における第1回動軸を中心として第1筐体および第2筐体を回動させることにより、第1筐体において第2筐体に近い第1稜線と、第2筐体において第1筐体に近い第2稜線とが接触する。第1筐体の第1面と、第2筐体の第2面とが、同一平面上で接近して配置されるので、両筐体の表示部を用いて一つの画面として良好な表示ができる。また、開状態において第2回動軸と第3回動軸とを回転させることにより、第1回動軸の向きを変えることができる。これにより、第1筐体と第2筐体との相対的な回動を阻止して、開状態を維持することができるという効果を有し、簡易な構造および操作で、二つの筐体を開閉して、両筐体の表示部を用いてあたかも一つの画面として良好な表示ができる電子機器等として有用である。
【符号の説明】
【0036】
10 電子機器
20 第1筐体
211 第1稜線
221 第3稜線
23 第1面
24 第1表示部
25 第3面
30 第2筐体
311 第2稜線
321 第4稜線
33 第2面
34 第2表示部
35 第4面
40 ヒンジ部
S1 第1回動軸
S2 第2回動軸
S3 第3回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を有する第1筐体と、
第2面を有する第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に連結するヒンジ部とを備え、
前記第1筐体および前記第2筐体は、開状態において隣接するとともに、前記第1面と前記第2面とが同一平面上に配置されるよう連結され、
前記ヒンジ部は、
前記第1筐体と前記第2筐体との連結面に沿った方向に軸心を有する第1回動軸と、
前記第1回動軸の軸心方向に対して直交方向に軸心を有し、前記第1面から突出しないよう前記第1筐体に連結される第2回動軸と、
前記第1回動軸の軸心方向に対して直交方向に軸心を有し、前記第2面から突出しないように前記第2筐体に連結され、前記開状態において前記第2回動軸と同一線上に配置される第3回動軸と、を有し、
前記第1筐体および前記第2筐体を、前記第1面および前記第2面が対向する閉状態と、前記第1面および前記第2面が隣接する前記開状態との間で相対的に回動するよう連結するとともに、
前記開状態において前記第2回動軸および前記第3回動軸を中心として回動するよう連結することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
第1面を有する第1筐体と、
第2面を有する第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に連結するヒンジ部とを備え、
前記第1筐体および前記第2筐体は、前記第1筐体の前記第1面における前記第2筐体に最も近い第1稜線と、前記第2筐体の前記第2面における前記第1筐体に最も近い第2稜線とが互いに平行、かつ、近接するように連結され、
前記ヒンジ部は、
前記第1稜線および前記第2稜線の延長線に沿った方向に軸心を有する第1回動軸と、
前記第1回動軸の軸心方向に対して直交方向に軸心を有し、前記第1面から突出しないよう前記第1筐体に連結される第2回動軸と、
前記第1回動軸の軸心方向に対して直交方向に軸心を有し、前記第2面から突出しないように前記第2筐体に連結され、前記開状態において前記第2回動軸と同一線上に配置される第3回動軸と、を有し、
前記第1筐体および前記第2筐体を、前記第1面および前記第2面が対向する閉状態と、前記第1面および前記第2面が隣接する開状態との間で相対的に回動するよう連結するとともに、
前記開状態において前記第2回動軸および前記第3回動軸を中心として回動するよう連結することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記第1筐体が前記第1面とは反対側の第3面を有するとともに、
前記第2筐体が前記第2面とは反対側の第4面を有し、
前記開状態において前記第1筐体の前記第3面における前記第2筐体に最も近い第3稜線と、前記第2筐体の前記第4面における前記第1筐体に最も近い第4稜線とが互いに平行、かつ、近接するように配置され、
前記ヒンジ部が、前記第2回動軸および前記第3回動軸を中心として180度回動することで前記第3稜線および前記第4稜線の延長線に沿って前記第1回動軸を配置することにより、
前記開状態から前記第3面および第4面が対向する折返状態まで前記第1筐体および前記第2筐体が回動可能となることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電子機器において、
前記第1面に第1表示部が設けられているとともに、前記第2面に第2表示部が設けられ、
前記第1表示部および前記第2表示部を挟む対向位置にそれぞれ前記ヒンジ部が設けられていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−42338(P2013−42338A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177599(P2011−177599)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】