説明

電子機器

【課題】待機状態時に動作する部品に電源を供給する蓄電部の電圧が低くなっても、待機状態から動作状態に移行させることが可能な電子機器を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、第1の面側に設けられ、操作に応じて動作状態と待機状態との間を切り替えるための電源ボタンと、外部電源が入力される電源回路と、外部電源から電源回路への経路を開閉する開閉手段と、本体の第2の面側に設けられ、開閉手段に対して並列接続された復帰スイッチと、電源ボタンの操作に応じて待機状態から動作状態に切り替えられる場合に開閉手段を閉にし、電源ボタンの操作に応じて動作状態から待機状態に切り替えられた場合に開閉手段を閉にする電源制御部と、動作状態時に電源回路から供給される電源によって充電され、開閉手段が閉の状態で、電源制御部を駆動するための電源を供給し、開閉手段を開から閉にするための電源を供給する、蓄電部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、待機電力の低減を図った電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家電製品の待機電力を低くするために、例えば待機時に動作する部品にバッテリやキャパシタ等の蓄電部から電源を供給することが考えられている。蓄電部の低くなると、待機状態から動作状態に移行させることが出来ない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−195398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
待機状態時に動作する部品に電源を供給する蓄電部の電圧が低くなると、待機状態から動作状態に移行させることが出来ない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、待機状態時に動作する部品に電源を供給する蓄電部の電圧が低くなっても、待機状態から動作状態に移行させることが可能な電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、本体と、電源ボタンと、電源回路と、開閉手段と、復帰スイッチと、電源制御部と、蓄電部とを具備する。電源ボタンは、前記本体の第1の面側に設けられ、操作に応じて動作状態と待機状態との間を切り替えるために設けられている。電源回路には、外部電源が入力される。開閉手段は、前記外部電源から前記電源回路への経路を開閉する。復帰スイッチは、前記本体の第2の面側に設けられ、前記開閉手段に対して並列接続されている。電源制御部は、前記電源ボタンの操作に応じて前記待機状態から前記動作状態に切り替えられる場合に前記開閉手段を閉にし、前記電源ボタンの操作に応じて前記動作状態から前記待機状態に切り替えられた場合に前記開閉手段を閉にする。蓄電部は、前記動作状態時に前記電源回路から供給される電源によって充電され、前記開閉手段が閉の状態で前記電源ボタンの操作に応じて、前記電源制御部を駆動するための電源を供給し、前記リレーを開から閉にするための電源を供給する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態の電子機器の外観を示す図である。
【図2】実施形態の電子機器の外観を示す図である。
【図3】実施形態の電子機器の外観を示す図である。
【図4】実施形態の電子機器のシステム構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す電子機器の電源制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】プリント配線基板の配置例を示す図である。
【図7】主電源ボタンが操作されることによって、第1の待機状態に移行する場合の処理の手順を示すフローチャート。
【図8】リモートコントローラに設けられた電源ボタンが操作されることによって、第1の待機状態に移行する場合の処理の手順を示すフローチャート。
【図9】変形例の電子機器の外観を示す図である。
【図10】変形例の電子機器のプリント配線基板の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1〜図6を参照して、一実施形態に係る電子機器の構成を説明する。本実施形態の電子機器は、例えば、テレビジョン受像装置100から実現されている。
【0009】
図1、図2、図3は、一実施形態に係わるテレビジョン受像装置100の外観を示す図である。
図1に示すように、テレビジョン受像装置100は、スタンド102に支持された本体101を有する。本体101にはLCD(Liquid Crystal Display)400、電源表示LED103、第1の受光部162、および第2の受光部191等が設けられている。
【0010】
また、図2に示すように、本体101の左側面には、主電源ボタン187、チャンネルアップボタン202A、チャンネルダウンボタン202B、音量アップボタン203A、音量ダウンボタン203B、入力切替ボタン204、および放送切替ボタン205等が設けられている。
主電源ボタン187は、動作状態と第1の待機状態との間を切り替えるために設けられている。チャンネルアップボタン202Aおよびチャンネルダウンボタン202Bは、チャンネルを切り替えるために設けられている。音量アップボタン203Aおよび音量ダウンボタン203Bは、音量を調節するために設けられている。入力切替ボタン204は、入力を切り替えるために設けられている。放送切替ボタン205は、放送の種類を切り替えるために設けられている。なお、以下では、チャンネルアップボタン202A、チャンネルダウンボタン202B、音量アップボタン203A、音量ダウンボタン203B、入力切替ボタン204、および放送切替ボタン205をまとめて操作ボタン部200と呼ぶこともある。
【0011】
また、図3に示すように、本体101の右側面には、後述する復帰スイッチ188が設けられている。復帰スイッチ188は、押している場合にオン、押されていない場合にオフとなるプッシュスイッチである。復帰スイッチ188を押した後に、復帰スイッチ188を時計方向に回すと押した状態が保持され、常時オンになる。
【0012】
なお、主電源ボタン187と復帰スイッチ188とは本体101の異なる面に設けられていることによって、主電源ボタン187と復帰スイッチ188を間違えて操作することを防止することが可能になる。
【0013】
次に、図4を参照して、テレビジョン受像装置100のシステム構成を説明する。なお、本実施形態では、テレビジョン受像装置100は、コンテンツに基づいて映像を液晶表示装置に表示させるものと仮定して説明する。
【0014】
テレビジョン受像装置100は、放送入力端子110、チューナ111、復調部112、信号処理部113、通信インターフェース114、音声処理部121、音声出力端子122、環境音入力端子124、映像処理部131、OSD処理部132、表示処理部133、映像出力端子135、制御部150、操作入力部161、第1の受光部162、カードコネクタ164、USBコネクタ166、ディスクドライブ170、電源制御部180、および第1の受光部162等を備える。
【0015】
放送入力端子110は、例えばアンテナ110により受信されるディジタル放送信号が入力される入力端子である。アンテナ110は、例えば、地上ディジタル放送信号、BS(broadcasting satellite)ディジタル放送信号、及び/または、110度CS(communication satellite)ディジタル放送信号を受信する。即ち、放送入力端子110には、放送信号により供給される番組などのコンテンツが入力される。
【0016】
放送入力端子110は、受信したディジタルテレビジョン放送信号をチューナ111に供給する。チューナ111は、ディジタルテレビジョン放送信号用のチューナである。チューナ111は、アンテナ110から供給されるディジタルテレビジョン放送信号のチューニング(選局)を行う。チューナ111は、チューニングしたディジタルテレビジョン放送信号を復調部112に送信する。
【0017】
復調部112は、受信するディジタルテレビジョン放送信号の復調を行う。復調部112は、復調したディジタルテレビジョン放送信号(コンテンツ)を信号処理部113に入力する。即ち、アンテナ110、チューナ111、及び復調部112は、コンテンツを受信する受信手段として機能する。
【0018】
信号処理部113は、ディジタルテレビジョン放送信号(動画のコンテンツデータ)に対して信号処理を施す信号処理手段として機能する。信号処理部113は、復調部112から供給されるディジタルテレビジョン放送信号に、信号処理を施す。即ち、信号処理部113は、ディジタルテレビジョン放送信号を映像信号、音声信号、及びその他のデータ信号に分離する。信号処理部113は、音声処理部121に音声信号を供給する。また、信号処理部113は、映像処理部131に映像信号を供給する。さらに、信号処理部113は、制御部150、及び/またはOSD処理部132にデータ信号を供給する。
【0019】
通信インターフェース114は、例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子などの、コンテンツを受信可能なインターフェースを備える。通信インターフェース114は、ディジタル映像信号、及びディジタル音声信号などが多重化されたコンテンツを他の機器から受信する。通信インターフェース114は、他の機器から受信したディジタル信号(コンテンツ)を信号処理部113に供給する。即ち、通信インターフェース114は、コンテンツを受信する受信手段として機能する。
【0020】
信号処理部113は、通信インターフェース114から受信するディジタル信号に信号処理を施す。例えば、信号処理部113は、ディジタル信号をディジタル映像信号とディジタル音声信号とデータ信号とに分離する。信号処理部113は、音声処理部121にディジタル音声信号を供給する。また、信号処理部113は、映像処理部131にディジタル映像信号を供給する。さらに、信号処理部113は、制御部150、及び/またはOSD処理部132にデータ信号を供給する。
【0021】
なお、信号処理部113は、通信インターフェース114に入力されるコンテンツと、放送入力端子110に入力されるコンテンツとのいずれかを選択し、処理を行う。即ち、信号処理部113は、ディジタルテレビジョン放送信号とディジタル信号のいずれかに対して信号の分離処理を行う。
【0022】
音声処理部121は、信号処理部113から受信したディジタル音声信号を、スピーカ300により再生可能なフォーマットの信号(オーディオ信号)に変換する。音声処理部121は、オーディオ信号を音声出力端子122に出力する。音声出力端子122は、供給されるオーディオ信号を装置外部に出力する。これにより、音声出力端子122に接続されるスピーカ300は、供給されるオーディオ信号に基づいて音を再生する。
【0023】
映像処理部131は、信号処理部113から受信した映像信号を、ディスプレイ400で再生可能なフォーマットの映像信号に変換する。即ち、映像処理部131は、信号処理部113から受信した映像信号を、ディスプレイ400で再生可能なフォーマットの映像信号にデコード(再生)する。また、映像処理部131は、OSD処理部132から供給されるOSD信号を映像信号に重畳する。映像処理部131は、映像信号を表示処理部133に出力する。
【0024】
OSD処理部132は、信号処理部113から供給されるデータ信号、及び/または制御部150から供給される制御信号に基づいて、GUI(グラフィック ユーザ インタフェース)画面、字幕、時刻、または他の情報などを画面に重畳して表示する為のOSD信号を生成する。
【0025】
表示処理部133は、例えば、制御部150からの制御に基づいて、受信した映像信号に対して色味、明るさ、シャープ、コントラスト、またはその他の画質調整処理を行う。表示処理部133は、画質調整を施した映像信号を映像出力端子135に出力する。これにより、映像出力端子135に接続されるディスプレイ400は、供給される映像信号に基づいて映像を表示する。
【0026】
ディスプレイ400は、例えば、マトリクス状に配列された複数の画素を備える液晶表示パネルと、この液晶パネルを照明するバックライトとを備える液晶表示装置などを備える。ディスプレイ400は、テレビジョン受像装置100から供給される映像信号に基づいて映像を表示する。
【0027】
制御部150は、テレビジョン受像装置100の各部の動作を制御する制御手段として機能する。制御部150は、CPU151、ROM152、RAM153、及びEEPROM154などを備えている。制御部150は、操作入力部161から供給される操作信号に基づいて、種々の処理を行う。
【0028】
CPU151は、種々の演算処理を実行する演算素子などを備える。CPU151は、ROM152、またはEEPROM154などに記憶されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。
【0029】
ROM152は、テレビジョン受像装置100を制御する為のプログラム、及び各種の機能を実現する為のプログラムなどを記憶する。CPU151は、操作入力部161から供給される操作信号に基づいて、ROM152に記憶されているプログラムを起動する。これにより、制御部150は、各部の動作を制御する。
【0030】
RAM153は、CPU151のワークメモリとして機能する。即ち、RAM153は、CPU151の演算結果、CPU151により読み込まれたデータなどを記憶する。
【0031】
EEPROM154は、各種の設定情報、及びプログラムなどを記憶する不揮発性メモリである。
【0032】
操作ボタン部200は、操作入力に応じた操作信号を生成する。操作ボタン部200は、生成した操作信号を制御部150に供給する。
【0033】
第1の受光部162および第2の受光部191は、例えば、リモートコントローラ163からの操作信号を受信するセンサなどを備える。第1の受光部162第2の受光部191は、受信した操作信号を制御部150に供給する。リモートコントローラ163は、ユーザの操作入力に基づいて操作信号を生成する。リモートコントローラ163は、生成した操作信号を赤外線通信により第1の受光部162および第2の受光部191に送信する。なお、第1の受光部162、第2の受光部191、及びリモートコントローラ163は、電波などの他の無線通信により操作信号の送受信を行う構成であってもよい。
【0034】
カードコネクタ164は、例えば、動画コンテンツを記憶するメモリカード165と通信を行う為のインターフェースである。カードコネクタ164は、接続されるメモリカード165から動画のコンテンツデータを読み出し、制御部150に供給する。
【0035】
USBコネクタ166は、USB機器167と通信を行う為のインターフェースである。USBコネクタ166は、接続されるUSB機器167から供給される信号を制御部150に供給する。
【0036】
例えば、USB機器167がキーボードなどの操作入力機器である場合、USBコネクタ166は、操作信号をUSB機器167から受け取る。USBコネクタ166は、受け取った操作信号を制御部150に供給する。この場合、制御部150は、USBコネクタ166から供給される操作信号に基づいて種々の処理を実行する。
【0037】
また、例えば、USB機器167が動画のコンテンツデータを記憶する記憶装置である場合、USBコネクタ166は、コンテンツをUSB機器167から取得することができる。USBコネクタ166は、取得したコンテンツを制御部150に供給する。
【0038】
ディスクドライブ170は、例えば、コンパクトディスク(CD)、ディジタルバーサタイルディスク(DVD)、ブルーレイディスク(Blu−ray Disk(登録商標))、または動画のコンテンツデータを記録可能な他の光ディスクMを装着可能なドライブを有する。ディスクドライブ170は、装着される光ディスクMからコンテンツを読み出し、読み出したコンテンツを制御部150に供給する。
【0039】
また、テレビジョン受像装置100は、電源制御部180を備える。交流電源供給源500から交流電源が供給され、電源制御部180は、テレビジョン受像装置100の各部に電力を供給する。電源制御部180は、交流電源を直流電源に変換し、変換された直流電源を各部へ供給する。
【0040】
また、テレビジョン受像装置100は、さらに他のインターフェースを備えていても良い。インターフェースは、例えば、Serial−ATA、LANポートなどである。テレビジョン受像装置100は、インターフェースにより接続される機器に記録されているコンテンツを取得し、再生することができる。また、テレビジョン受像装置100は、再生したオーディオ信号及び映像信号を、インターフェースにより接続される機器に出力することが出来る。
【0041】
また、テレビジョン受像装置100がインターフェースを介してネットワークに接続される場合、テレビジョン受像装置100は、ネットワーク上の動画のコンテンツデータを取得し、再生することができる。
【0042】
またさらに、テレビジョン受像装置100は、ハードディスク(HDD)、ソリッドステイトディスク(SSD)、または半導体メモリなどの記憶装置を備えていても良い。この記憶装置が動画のコンテンツデータを記憶する場合、テレビジョン受像装置100は、この記憶装置に記憶されているコンテンツを読み出し、再生することが出来る。また、テレビジョン受像装置100は、この記憶装置に例えばテレビジョン放送信号、またはネットワークなどにより供給されるコンテンツを記憶することができる。
【0043】
テレビジョン受像装置100は、主電源ボタン187、リモートコントローラ163の操作に応じて、動作状態と第1の待機状態とを切り替えることが出来る。
【0044】
第1の待機状態では、第1の電源回路182および第2の電源回路186から直流電源が出力されない。第1の待機状態では、第1の受光部162に電源が供給されず、第2の受光部191に電源が供給され、リモートコントローラ163の操作でテレビジョン受像装置100を動作状態にすることが可能である。
【0045】
なお、動作状態から第1の待機状態に移行するのではない。動作状態から第2の待機状態を経て、第1の待機状態に移行する。第2の待機状態では、第1の電源回路182から直流電源が出力され、第2の電源回路186から直流電源が出力されない。
【0046】
動作状態で、リモートコントローラ163に設けられた電源ボタンを操作することで、本装置は第1の待機状態に移行する。第1の待機状態では、リモートコントローラ163に設けられた電源ボタンの操作によって動作状態にすることができる。第1の待機状態では、後述するキャパシタから電源制御IC192等に電力が供給されている。待機状態では、消費電力をほぼ0にすることが可能である。
【0047】
図5のブロック図を参照して、電源を制御する構成について説明する。
電源制御部180は、ラッチングリレー181、第1の電源回路182、キャパシタ184A、キャパシタ184B、PFC(Power factor correction)回路185、第2の電源回路186、復帰スイッチ188、スイッチ189、第2の受光部191、および電源制御IC192等を備えている。
【0048】
ラッチングリレー181、キャパシタ184A,184B、およびスイッチ189は、第1のプリント配線基板501に設けられている。第1の電源回路182、PFC回路185、および第2の電源回路186は、第2のプリント配線基板502に設けられている。映像処理部131、制御部150、主電源ボタン187、および操作ボタン部200は、第3のプリント配線基板503に設けられている。電源制御IC192および第2の受光部191は、第4のプリント配線基板504に設けられている。第1の受光部162は、第5のプリント配線基板505に設けられている。
【0049】
交流電源供給源500から供給された交流電源は、電源供給ライン183を介して、第1の電源回路182およびPFC回路185に入力される。電源供給ライン183には、ラッチングリレー181が挿入されている。ラッチングリレー181は、スイッチ189のオフ時に開、スイッチ189のオン時に閉に制御されるリレーである。復帰スイッチ188は、ラッチングリレー181に対して、並列接続されている。復帰スイッチ188は、プッシュスイッチであり、押圧操作時にオン、非押圧操作時にオフとなる。
【0050】
第1の電源回路182は、入力された交流電源から例えば5Vの直流電源を生成する。第1の電源回路182は、動作状態時に、制御部150および電源制御部180および電源制御IC192等に生成された直流電源を供給する。第1の電源回路182は、第1の待機状態時に、電源制御部180等に生成された直流電源を供給する。第1の電源回路182は、第1の待機状態時でキャパシタ184A,184Bに蓄電する場合に、電源制御部180および制御部150等に生成された直流電源を供給する。なお、キャパシタ184A,184Bは、電気二重層コンデンサを含む。
【0051】
PFC回路185は、入力された交流電源の力率を改善し、改善された交流電源を第2の電源回路186に出力する。第2の電源回路186は、交流電源から例えば12Vの直流電源を生成する。動作状態時に、第2の電源回路186は、電源オン時にチューナ111、復調部112、信号処理部113、音声処理部121、映像処理部131、OSD処理部132、表示処理部133等に直流電源を供給する。
【0052】
電源制御IC192は、電源制御部192A、電圧監視部192B、およびタイマ部192C等を備えている。電源制御部192Aは、主電源ボタン187およびリモートコントローラ163に設けられた電源ボタンの操作に応じて、スイッチ189のオンとオフとの間で切り替える。スイッチ189がオンになると、ラッチングリレー181に電源が供給され、交流電源が第1の電源回路182およびPFC回路185に供給される。スイッチ189がオフになると、ラッチングリレー181に電源が供給されなくなり、交流電源が第1の電源回路182およびPFC回路185に供給されなくなる。
【0053】
第1の待機状態時、電源制御IC192はキャパシタ184Bから供給される直流電源によって駆動される。第1の待機状態時、電圧監視部192Bは、キャパシタ184Aおよびキャパシタ184Bから供給される直流電源の電圧値を定期的に検出する。検出された電圧値がしきい値より低くなった場合に、電圧監視部192Bは、タイマ部192Cにスイッチ189のオンを指示する。タイマ部192Cは、スイッチ189をオンにする。スイッチ189がオンになることで、ラッチングリレー181が閉となる。ラッチングリレー181が閉になることで、キャパシタ184A,184Bへの電荷の蓄電が開始される。以下では、キャパシタへの電荷の蓄電をキャパシタへの充電ということもある。キャパシタへの充電を開始してから一定時間経過した後に、タイマ部192Cは、スイッチ189をオフにする。スイッチ189をオフになることで、ラッチングリレー181が開となり、キャパシタ184A,184Bへの充電が終了する。
【0054】
もし、第1の待機状態時に、キャパシタ184A,184Bが放電しても、復帰スイッチ188を閉にすることができなくなっても、復帰スイッチ188を押すことによって、第1の電源回路182に交流電源を供給することが出来るようになる。第1の電源回路182に交流電源が供給されると、第1の電源回路182から直流電源が電源制御IC192に供給され、電源制御IC192が動作する。電源制御部192Aは、動作開始時にスイッチ189をオンにすることによって、ラッチングリレー181を閉にする。そして、電源制御部192Aは、制御部150に動作状態への移行を指示する。
【0055】
図6に示すように、第1のプリント配線基板501および第2のプリント配線基板502は、背面の左側に設けられている。また、第3のプリント配線基板503は、背面の右側に設けられている。第4のプリント配線基板504および第5のプリント配線基板505は、下部に設けられている。
【0056】
次に、図7のフローチャートを参照して、主電源ボタン187が操作されることによって、第1の待機状態に移行する場合の処理の手順を説明する。
【0057】
テレビジョン受像装置100は、動作状態である(ステップB701)。電源制御IC192および制御部150は、主電源ボタン187が操作されたかを判定する(ステップB702)。主電源ボタン187が操作されたと判定した場合(ステップB702のYes)、制御部150は、PFC回路185をオフにする(ステップB703)。PFC回路185をオフすることによって、第2の電源回路186から直流電源が供給されなくなり、第3の待機状態に移行する(ステップB704)。
【0058】
電源制御IC192は、スイッチ189をオフにすることで、ラッチングリレー181を開にする(ステップB705)。ラッチングリレー181を開になることで、第1の電源回路182から制御部150および電源制御IC192に直流電源が供給されなくなる。電源制御IC192は、第2の受光部191の電源の供給を停止することで、テレビジョン受像装置100は第1の待機状態に移行する(ステップB706)。
【0059】
電圧監視部192Bは、キャパシタ184A,184Bから出力される電圧値を定期的に測定する。電圧値を測定する度に、電圧監視部192Bは、測定された電圧値がしきい値より低いかを判定する(ステップB707)。電圧値がしきい値より低いと判定した場合(ステップB707のYes)、電圧監視部192Bは、タイマ部192Cに充電の開始を指示する。タイマ部192Cは、スイッチ189をオンにすることで、ラッチングリレーを閉にして、キャパシタ184A,184Bに対する充電を開始する(ステップB708)。タイマ部192Cは、充電を開始してから設定時間が経過したかを定期的に判定する(ステップB709)。設定時間が経過したと判定した場合(ステップB709のYes)、タイマ部192Cは、スイッチ189をオフにすることで、ラッチングリレーを開にして、キャパシタ184A,184Bに対する充電を停止する(ステップB710)。
【0060】
次に、図8のフローチャートを参照して、リモートコントローラ163に設けられた電源ボタンが操作されることによって、第1の待機状態に移行する場合の処理の手順を説明する。
【0061】
テレビジョン受像装置100は、動作状態である(ステップB801)。電源制御IC192および制御部150は、リモートコントローラ163に設けられた電源ボタンによって送信された信号を受信したかを判定する(ステップB802)。信号を受信したと判定した場合(ステップB802のYes)、制御部150は、PFC回路185をオフにする(ステップB803)。PFC回路185をオフすることによって、第2の電源回路186から直流電源が供給されなくなり、第2の待機状態に移行する(ステップB804)。
【0062】
電源制御IC192は、スイッチ189をオフにすることで、ラッチングリレー181を開にする(ステップB805)。ラッチングリレー181を開になることで、第1の電源回路182から制御部150および電源制御IC192に直流電源が供給されなくなることで、テレビジョン受像装置100は第1の待機状態に移行する(ステップB806)。
【0063】
電圧監視部192Bは、キャパシタ184A,184Bから出力される電圧値を定期的に測定する。電圧値を測定する度に、電圧監視部192Bは、測定された電圧値がしきい値より低いかを判定する(ステップB807)。電圧値がしきい値より低いと判定した場合(ステップB807のYes)、電圧監視部192Bは、タイマ部192Cに充電の開始を指示する。タイマ部192Cは、スイッチ189をオンにすることで、ラッチングリレーを閉にして、キャパシタ184A,184Bに対する充電を開始する(ステップB808)。タイマ部192Cは、充電を開始してから設定時間が経過したかを定期的に判定する(ステップB809)。設定時間が経過したと判定した場合(ステップB809のYes)、タイマ部192Cは、スイッチ189をオフにすることで、ラッチングリレーを開にして、キャパシタ184A,184Bに対する充電を停止する(ステップB810)。
【0064】
キャパシタが放電して空およびラッチングリレーが開という状態に陥った場合、復帰スイッチ188を操作することによって、一時的に通電させて電源制御IC192を動作させると共にラッチングリレー181を閉にさせて動作状態に戻すことが可能になる。また、復帰スイッチ188は主電源ボタン187とは異なる面に設けることで、誤操作を防止することが可能になる。
【0065】
なお、図9に示すように、誤動作を防止するために復帰スイッチ188を覆うカバー901を設ければ、復帰スイッチ188と主電源ボタン187とを同じ面に設けることも可能である。
【0066】
図10に示すように、復帰スイッチ188が設けられた第1のプリント配線基板501と、主電源ボタン187が設けられた第3のプリント配線基板503は、背面側から見た右側に配置される。活電部と非活電部の間は3.7mm以上離すことが法令で決められている。そのため、復帰スイッチ188から操作ボタン部200内の最も近いボタンと復帰スイッチ188との距離は、主電源ボタン187から操作ボタン部200内の最も近いボタンと主電源ボタン187との距離より長い。
【0067】
なお、図2,3に示すように、復帰スイッチ188は主電源ボタン187とは異なる面に設けられていれば、復帰スイッチ188から操作ボタン部200内の最も近いボタンと復帰スイッチ188との距離は、主電源ボタン187から操作ボタン部200内の最も近いボタンと主電源ボタン187との距離より長い。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
100…テレビジョン受像装置、101…本体、111…チューナ、150…制御部、162…第1の受光部、163…リモートコントローラ、180…電源制御部、181…ラッチングリレー、182…第1の電源回路、183…電源供給ライン、184A…キャパシタ、184B…キャパシタ、184A,184B…キャパシタ、185…PFC回路、186…第2の電源回路、187…主電源ボタン、188…復帰スイッチ、189…スイッチ、191…第2の受光部、192…電源制御IC、192A…電源制御部、192B…電圧監視部、192C…タイマ部、操作ボタン部200、400…LCD。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の第1の面側に設けられ、操作に応じて動作状態と待機状態との間を切り替えるための電源ボタンと、
外部電源が入力される電源回路と、
前記外部電源から前記電源回路への経路を開閉する開閉手段と、
前記本体の第2の面側に設けられ、前記開閉手段に対して並列接続された復帰スイッチと、
前記電源ボタンの操作に応じて前記待機状態から前記動作状態に切り替えられる場合に前記開閉手段を閉にし、前記電源ボタンの操作に応じて前記動作状態から前記待機状態に切り替えられた場合に前記開閉手段を閉にする電源制御部と、
前記動作状態時に前記電源回路から供給される電源によって充電され、前記開閉手段が閉の状態で前記電源ボタンの操作に応じて、前記電源制御部を駆動するための電源を供給し、前記リレーを開から閉にするための電源を供給する、蓄電部と、
を具備する電子機器。
【請求項2】
前記動作状態と前記待機状態との間を切り替えるための信号を受信する受信部をさらに具備し、
前記電源制御部は、前記信号の受信に応じて前記動作状態から前記待機状態に切り替える場合に前記開閉手段を開にし、前記信号の受信に応じて前記待機状態から前記動作状態に切り替える場合に前記開閉手段を閉にする
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記復帰スイッチは、常時オン状態にする常時オン手段を具備する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記蓄電部は、前記電源制御部を駆動するための電源を供給する第1の蓄電部と、前記リレーを開から閉にするための電源を供給する第2の蓄電部を具備する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記蓄電部は、電気二重層コンデンサを具備する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
テレビジョン放送信号を受信するチューナをさらに具備する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
映像を表示する表示部をさらに具備する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
電子機器であって、
前記電子機器を操作するための複数の操作ボタンを有する操作部と、
操作に応じて動作状態と待機状態とを切り替えるための電源ボタンと、
外部電源が入力される電源回路と、
前記外部電源から前記電源回路への経路を開閉する開閉手段と、
前記開閉手段に対して並列接続された復帰スイッチであって、前記複数の操作ボタン内の最も近い距離にある第1のボタンと前記復帰スイッチとの第1の距離は、前記複数の操作ボタン内の前記電源ボタンと最も近い距離にある第2のボタンと前記電源ボタンとの第2の距離より長い、復帰スイッチと、
前記電源ボタンの操作に応じて前記待機状態から前記動作状態に切り替えられる場合に前記開閉手段を閉にし、前記電源ボタンの操作に応じて前記動作状態から前記待機状態に切り替えられる場合に前記開閉手段を開にする電源制御部と、
前記動作状態時に前記電源回路から供給される電源によって充電され、前記開閉手段が開の状態で、前記電源制御部を駆動するための電源を供給し、前記開閉手段を開から閉にするための電源を供給する、蓄電部と、
を具備する電子機器。
【請求項9】
前記動作状態と前記待機状態との間を切り替えるための信号を受信する受信部をさらに具備し、
前記電源制御部は、前記信号の受信に応じて前記動作状態から前記待機状態に切り替える場合に前記開閉手段を開にし、前記信号の受信に応じて前記待機状態から前記動作状態に切り替える場合に前記開閉手段を閉にする
請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記復帰スイッチは、常時オン状態にする常時オン手段を具備する
請求項8に記載の電子機器。
【請求項11】
前記蓄電部は、前記電源制御部を駆動するための電源を供給する第1の蓄電部と、前記開閉手段を開から閉にするための電源を供給する第2の蓄電部を具備する
請求項8に記載の電子機器。
【請求項12】
前記蓄電部は、電気二重層コンデンサを具備する
請求項8に記載の電子機器。
【請求項13】
テレビジョン放送信号を受信するチューナをさらに具備する
請求項8に記載の電子機器。
【請求項14】
映像を表示する表示部をさらに具備する
請求項8に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−78021(P2013−78021A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217331(P2011−217331)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】