説明

電子線溶融装置

【課題】0.1mm以下の微小領域を局所的に加熱して微小領域を溶融接合することができる電子線溶融装置を提供する。
【解決手段】電子ビームを発生して走査する電子線集束偏向部1と、被加工物を保持して移動可能なステージ8と、ステージ8を収容する加工室2と、電子ビーム照射点で発生する二次電子または反射電子を検出するための検出器10とを備え、電子線集束偏向部1により、被加工物の所望の位置に電子ビームを照射し、被加工物を溶融接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子線溶融装置に係り、特に被加工物に電子ビーム(電子線)を照射して被加工物を溶融接合する電子線溶融装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、微小電子機械システム(MEMS)と称されるように機械部品は小さくなり、加工方法においても従来からある技術をそのまま用いることができなくなってきた。特に、複数部品の溶融接合に関しては、大気中ではその熱源が大きく、部品が数mm以下の大きさになるとほとんど不可能になる。従来から電子ビーム(電子線)を用いて溶融接合を行なう装置はあるが、1mm以下の寸法の構造物を溶融接合する装置は無かった。しかるに、今日、1mm以下の部品を溶融接合する技術が切実に要求されるようになってきた。
【0003】
また、部品が小さくなるに従い、溶融接合個所をはずさないで正しく接合を行うためには、接合個所を正確に掌握する必要がある。光学顕微鏡、あるいは光学顕微鏡とCCDカメラで拡大画像を得る方法があるが、倍率が大きくなると観察対象場所と光学レンズの距離が小さくなり、光学系のレンズやミラーが短時間で汚れてしまうという欠点があって長時間安定した画像を維持するのは難しく実用上問題が多かった。
また、電子ビームを照射した際に試料から放出される二次電子あるいは反射電子を利用する方法も提案されているが、一次元走査したときの信号変化から溶接線を探し出す方法であり、装置の操作性は必ずしも満足できるものではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、部品の小型化がより一層要求されるようになるにつれて、1mm以下の部品を溶融接合したいという要求がますます強くなってきている。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、0.1mm以下の微小領域を局所的に加熱して微小領域を溶融接合することができる電子線溶融装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するためには、本発明は、電子ビームを発生して走査する電子線集束偏向部と、被加工物を保持して移動可能なステージと、該ステージを収容する加工室と、電子ビーム照射点で発生する二次電子または反射電子を検出するための検出器とを備え、前記電子線集束偏向部により、被加工物の所望の位置に電子ビームを照射し、被加工物を溶融接合することを特徴とするものである。
【0006】
本発明の1態様によれば、15W以下の小電力の電子ビームを被加工物の直径30μm以下の領域に注入することにより、被加工物を溶融接合することを特徴とする。
本発明の1態様によれば、前記電子線集束偏向部の電子ビームを走査する機能は、溶融接合個所を含む周辺の広い領域を走査して広い領域の画像を生成する像観察モードと、溶融接合個所を集中して走査して溶融接合する溶融接合モードの2種類の走査モードを備え、両走査モードを秒単位で切り替えることで画像観察と溶融接合をほぼ同時に行なうようにしたことを特徴とする。
【0007】
本発明の1態様によれば、電子ビームの開き角を変えることにより、焦点深度を変えることで溶融深さを変えられることを特徴とする。
本発明の1態様によれば、赤外線源、高輝度光源あるいは粒子線源などの加熱手段で溶融接合個所を補助加熱する補助加熱源を備えたことを特徴とする。
本発明の1態様によれば、前記電子線集束偏向部の下部又は前記ステージの上方に熱遮蔽機構または冷却機構を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明の1態様によれば、電子ビームの焦点と三次元構造の被加工物の溶融接合個所との三次元的位置合わせを、電子ビームの走査位置と焦点を調節することにより行うことを特徴とする。
本発明の1態様によれば、電子ビームの焦点と三次元構造の被加工物の溶融接合個所との三次元的位置合わせを、被加工物を保持する前記ステージの位置と高さを調節することにより行うことを特徴とする。
本発明の1態様によれば、電子ビームの焦点と三次元構造の被加工物の溶融接合個所との三次元的位置合わせを、CAD情報をもとに自動的に行なうことを特徴とする。
本発明の1態様によれば、主加熱用の微細電子ビームと補助加熱用の広域電子ビームを同時に形成することを特徴とする。
【0009】
部品を溶接するためには、溶接部のみを溶融して他の部分を溶融させないことが要求されるが、部品が1mm以下になると、現在の加熱源では難しいことは上述したとおりである。局所的に加熱するには、加熱を所望する個所に運動量の形でエネルギーを注入し、そこで熱エネルギーに変化させるのがもっとも効率的である。30kV〜50kVに加速した電子ビームを金属に照射した場合、電子ビームは金属表面から5μないし10μmの内部に侵入し、内部で熱に変化するため効率的に局所的な加熱が可能である。
【0010】
本発明は、30μAないし500μAの電流を発生し、ビーム直径を30μm以下、好ましくは5〜20μmに絞ることでエネルギー密度を100万W(ワット)/cm以上に高めた電子ビームを被加工物に照射することにより金属接触部を局所的に加熱溶融して接合することができる装置を提供する。LaB(六ホウ化ランタン)陰極の電子銃では、電流量150μA、電子ビーム直径15μm、電流密度255万A/cmの高密度電子ビームが実現できる。使用する電子ビーム直径を0.05μm〜30μmにすることで、走査電子顕微鏡の原理を応用して倍率10倍〜5000倍の二次電子像あるいは反射電子像を観察することが可能である。
【0011】
電子ビームを走査する信号の振幅と速度を切り替える場合、振幅が大きく速度が速いときは、単位時間あたりの投入エネルギーが少ないため、表面の溶融は起こらず、ビーム照射位置からの二次電子または反射電子を検出することで像観察が可能である。振幅が小さく速度が遅いときは照射個所で溶融が発生しその部分を接合できる。溶融接合個所を含む周辺の広い領域を高速で走査する像観察モードと、接合部近辺のみを集中して走査する溶融接合モードとの2種類の走査モードを秒単位で切り替えることで、画像観察と溶融接合をほぼ同時に行なうことができる。このことにより、被加工物の100μm以下の微小領域を正確に溶融あるいは溶融接合を行うことが可能である
【0012】
ビーム開き角は、対物レンズのポールピース近傍に取り付けた対物絞りの中心穴の直径に依存する。穴径を大きくすると焦点深度は浅くなり加熱範囲は浅くなる。穴径を小さくすれば焦点深度は深くなり加熱範囲は深くなる。非加工個所の寸法や形状にあわせて対物絞りの穴径を変えることで、溶融深さの最適化を行なうことができる。
【0013】
熱容量が大きい被加工物とか熱伝導率の大きい被加工物に微細な溶融を行いたいときに15W(ワット)前後の電子ビームでは融点まで加熱できない場合がある。電子ビームのエネルギー総量を増やせば、加熱温度は上げられるが、電子ビーム電流を増やして、例えば100Wにする場合は電子銃の形状がまったく別のものになり、そして、その場合、パワーを小さくした場合に電子ビームが細くならず所望の100μm以下での溶融が不可能であり、装置として異なった機能の装置となる。
本発明では補助加熱源で被加工物の温度をその融点より数百度低い温度まで加熱することにより、15W以下、好ましくは4W〜15Wという小さいパワーの電子ビームを照射することで、微小部分を融点まで加熱することができ、所望の100μm以下の微小領域の溶融あるいは溶融接合が可能となる。
【0014】
照射位置の制御は、CADデータに予め記憶された被加工物の表面の三次元情報に基づき、電子ビームの焦点を変更するか、またはステージのX軸、Y軸、Z軸を調整して相対位置を一致させ、電子ビームの焦点を常に加工位置に結ばせることができる。
表面形状や表面の材質に応じて電子ビームの走査範囲や走査速度を調整して面積あたりの投入エネルギーを調整し、溶融あるいは溶融接合の不均一さをなくすことができる。
【0015】
溶接時の加熱温度を高めるために、通常の電子顕微鏡、電子線描画装置では使用していない、電子銃チップ先端の周辺部から放出される電子ビームを利用する。球面収差を積極的に利用し被加工物にフォーカスさせることにより、低密度で大口径の電子ビーム(広域電子ビーム)が形成される。この広域電子ビームを電子銃チップ先端部から同時に放出される高密度で微細な電子ビームと共に被加工物に照射させることにより、溶接周辺部を補助加熱した状態での溶接が可能となる。
これにより、電子ビームの総エネルギーは補助加熱しない場合の1.5〜2倍以上となり高い加熱温度が得られるとともに、溶接部の温度勾配が緩やかになるため、局所的な残留応力の発生を緩和させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、SEM像で観察しながら溶接できることにより、従来方法では不可能な0.1mm以下の微細寸法の部品同士の溶接が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は本発明に係る電子線溶融装置の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、電子線溶融装置は、電子線集束偏向部1と、電子線集束偏向部1の下方に配置された加工室2とを備えている。電子線集束偏向部1は、集束偏向部3内に収容された電子銃4、コンデンサレンズ5、対物レンズ6、電子線偏向器7等から構成されている。集束偏向部3および加工室2内は、加工室2の下方に配置され真空ポンプを備えた真空排気系(図示せず)により排気され、所定の真空度に保たれている。
【0018】
加工室2内には被加工物であるワーク11を保持するステージ8が設置されている。ステージ8はモータ9に連結されており、ステージ8は、直交する二軸(X,Y軸)の方向に移動可能で水平面上の所望の位置に位置決め可能であるとともにZ軸の方向(高さ方向)に移動可能で垂直方向の所望の位置に位置決め可能な構造になっている。
【0019】
また、加工室2内には二次電子検出器10が配設されており、二次電子検出器10によりワーク11に電子ビームを照射した際にワーク11から放出される二次電子を検出するようになっている。
なお、二次電子検出器に代えて、ワークから放出された一次電子である反射電子を検出する反射電子検出器を用いてもよい。
【0020】
前記電子銃4は電子銃制御ユニット12に接続され、コンデンサレンズ5および対物レンズ6はレンズ制御ユニット13に接続されている。偏向器7は偏向器制御ユニット14に接続されている。電子銃制御ユニット12、レンズ制御ユニット13および偏向器制御ユニット14はコンピューター15に接続されている。モータ9はモータドライバー18に接続されており、モータドライバー18はコンピューター15に接続されている。二次電子検出器10は信号増幅器19を介してコンピューター15に接続されている。コンピューター15には、CADデータ16および表示器17が接続されている。
【0021】
また、加工室2内には、赤外線源、高輝度光源あるいは粒子線源などの加熱手段を有した補助加熱源20が配置されており、補助加熱源20によりワーク11の溶融接合個所を加熱することができるようになっている。加熱されたワークからの輻射熱が電子線集束偏向部1に伝わり電子光学系の安定性を損なう恐れがあるため、電子線集束偏向部1の下部または最底部、又はステージ8の上方には熱遮蔽機構21が設けられている。なお、熱遮蔽機構21に代えて、電子線集束偏向部1の下部または最底部を冷却する冷却機構を設けてもよい。
【0022】
上述の構成において、電子銃4から出射された電子ビーム(電子線)は、コンデンサレンズ5および対物レンズ6により細く絞られた後に偏向器7を通してステージ8上に載置されたワーク11の表面に焦点を結ぶ。
【0023】
偏向器制御ユニット14は電子ビームを走査する振幅を制御し、広い領域を走査することで周囲の拡大像を得て、その画像を記憶して暫時表示器17に拡大像を表示する一方、秒単位で、溶融する部分のみの狭い幅の走査に切り替えて所望部分を溶融する。この拡大像の表示と溶融の繰返しにより、溶接線をはずさずに精度のよい加工が実現できる。ワーク11の熱容量が大きい場合あるいは熱伝導率が大きい場合は、補助加熱源20を動作させて必要なだけ補助加熱を行い、電子ビームを照射して微小部分の溶融を行なう。ワーク11の表面の三次元情報はCADデータ16からコンピューター15に送られ、コンピューター15は、CADデータ16に基づいて、電子銃制御ユニット12、レンズ制御ユニット13、偏向器制御ユニット14、モータードライバー18を介して、電子ビームおよびステージ8を制御して電子ビームが常にワーク11の表面に焦点を結ぶようにする。ワーク表面の1点に照射する電子ビームの合計エネルギーを制御して、次々と隣接する場所を電子ビームで照射するとともに、ワークの表面形状が異なっている場合は、照射される電子ビームのエネルギーを調整して、常に一定の溶融をするようにCADデータ16に基づいて制御する。上記操作を繰返し行うことにより、所望の溶融接合個所を溶融し接合する。
【0024】
図2は、像観察モードと溶融接合モードを示す概念図である。図2は、第1ワーク11−1と第2ワーク11−2とを溶接する場合を示し、第1ワーク11−1と第2ワーク11−2とは、溶融接合箇所(溶接箇所)101で溶接される。偏向器制御ユニット14により、電子ビームを走査する信号の振幅と速度を切り替えて、振幅が大きく速度を速くして溶融接合箇所を含む周辺の広い領域(像観察モード走査領域)を高速で走査する像観察モードと、振幅が小さく速度を遅くして溶融接合領域(溶融接合走査領域)のみを集中して走査する溶融接合モードの2種類の走査モードを秒単位で切り替えることで画像観察と溶融接合をほぼ同時に行うようにしている。像観察モードでは広域を走査して二次電子または反射電子を信号として、その領域を画像化し、溶接線の位置を認識する。そして、溶融接合モードでは、像観察モードで得た溶接線の位置を認識しながら溶融接合モード走査を溶接線に合わせることで微細領域を正確に溶融接合することができる。図2において、符号201で示す矩形の領域は像観察モード走査領域を示し、符号202で示すハッチングされた矩形の領域は溶融接合モード走査領域を示す。符号203は電子線偏向器7における偏向中心を示す。
【0025】
図3は、像観察モードと溶融接合モードとを併用した際における像観察モードの表示器の画面を示す概念図である。図3に示すように、像観察モードにおいて、表示器17の画面には、第1ワーク11−1と第2ワーク11−2が示され、さらに第1ワーク11−1と第2ワーク11−2とを接合する溶融接合箇所(溶接箇所)101が示されている。
【0026】
図4は、対物レンズのポールピース近傍に取り付けられたアパーチャー(対物絞り)の穴径が小さいときの焦点深度を示す概念図である。図4に示すように、アパーチャー301の穴径dが小さいときには、焦点深度fdは深くなる。図4において、符号302は焦点位置を示す。アパーチャー301の穴径dが小さい場合には、焦点深度fdは深くなるので、深い溶接をするときに有効である。
【0027】
図5は、アパーチャー(対物絞り)の穴径が大きいときの焦点深度を示す概念図である。図5に示すように、アパーチャー301の穴径dが大きいときには、焦点深度fdは浅くなる。図5において、符号302は焦点位置を示す。アパーチャー301の穴径dが大きい場合には、焦点深度fdは浅くなるので、浅い溶接をするときに有効である。特に、薄板溶接のように浅い溶け込みが要求される場合に有効である。
【0028】
被加工物であるワークは、表面に凹凸があり三次元構造を有している。この三次元構造のワークについて、電子ビームの焦点と溶融接合個所の三次元的位置合わせを、電子ビームの走査位置と焦点を調節することにより行なうか又はワーク11を保持するステージ8の位置と高さを調節することにより行なう。
この場合、ワーク11の三次元構造については、予めCADデータ(CAD情報)16に記憶されており、この記憶されたCADデータ16に基づいて、コンピューター15により電子ビームの焦点と溶融接合個所の三次元的位置合わせを制御するようにしている。
【0029】
図6は、高密度電子ビームで溶接しているときの表示器の画面の実例を示す図である。図6に示す写真は、厚さ30μmのステンレス板を二枚重ね、その端部を溶融接合している状態のSEM像を示す。上半分は二枚の板が溶融接合されており、下半分は未だ接合されていない状態で、ワークを順次上方へ移動させることで、長い距離の溶接を行う。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は本発明に係る電子線溶融装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、像観察モードと溶融接合モードを示す概念図である。
【図3】図3は、像観察モードと溶融接合モードとを併用した際における像観察モードの表示器の画面を示す概念図である。
【図4】図4は、対物レンズのポールピース近傍に取り付けられたアパーチャー(対物絞り)の穴径が小さいときの焦点深度を示す概念図である。
【図5】図5は、アパーチャー(対物絞り)の穴径が大きいときの焦点深度を示す概念図である。
【図6】図6は高密度電子ビームで溶接しているときの表示器の画面の実例を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1 電子線集束偏向部
2 加工室
3 集束偏向部
4 電子銃
5 コンデンサレンズ
6 対物レンズ
7 偏向器
8 ステージ
9 モータ
10 二次電子検出器
11 ワーク
12 電子銃制御ユニット
13 レンズ制御ユニット
14 偏向器制御ユニット
15 コンピューター
16 CADデータ
17 表示器
18 モータードライバー
19 信号増幅器
20 補助加熱源
21 熱遮蔽機構
101 溶融接合箇所(溶接箇所)
201 像観察モード走査領域
202 溶融接合モード走査領域
203 偏向中心
301 アパーチャー
302 焦点位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビームを発生して走査する電子線集束偏向部と、被加工物を保持して移動可能なステージと、該ステージを収容する加工室と、電子ビーム照射点で発生する二次電子または反射電子を検出するための検出器とを備え、
前記電子線集束偏向部により、被加工物の所望の位置に電子ビームを照射し、被加工物を溶融接合することを特徴とする電子線溶融装置。
【請求項2】
15W以下の小電力の電子ビームを被加工物の直径30μm以下の領域に注入することにより、被加工物を溶融接合することを特徴とする請求項1に記載の電子線溶融装置。
【請求項3】
前記電子線集束偏向部の電子ビームを走査する機能は、溶融接合個所を含む周辺の広い領域を走査して広い領域の画像を生成する像観察モードと、溶融接合個所を集中して走査して溶融接合する溶融接合モードの2種類の走査モードを備え、両走査モードを秒単位で切り替えることで画像観察と溶融接合をほぼ同時に行なうようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子線溶融装置。
【請求項4】
電子ビームの開き角を変えることにより、焦点深度を変えることで溶融深さを変えられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子線溶融装置。
【請求項5】
赤外線源、高輝度光源あるいは粒子線源などの加熱手段で溶融接合個所を補助加熱する補助加熱源を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子線溶融装置。
【請求項6】
前記電子線集束偏向部の下部又は前記ステージの上方に熱遮蔽機構または冷却機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子線溶融装置。
【請求項7】
電子ビームの焦点と三次元構造の被加工物の溶融接合個所との三次元的位置合わせを、電子ビームの走査位置と焦点を調節することにより行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子線溶融装置。
【請求項8】
電子ビームの焦点と三次元構造の被加工物の溶融接合個所との三次元的位置合わせを、被加工物を保持する前記ステージの位置と高さを調節することにより行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子線溶融装置。
【請求項9】
電子ビームの焦点と三次元構造の被加工物の溶融接合個所との三次元的位置合わせを、CAD情報をもとに自動的に行なうことを特徴とする請求項7又は8に記載の電子線溶融装置。
【請求項10】
主加熱用の微細電子ビームと補助加熱用の広域電子ビームを同時に形成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子線溶融装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−130483(P2008−130483A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316785(P2006−316785)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(391004137)株式会社エリオニクス (4)
【Fターム(参考)】