説明

電子血圧計

【課題】外部からの電源の供給が不要な電子血圧計を提供する。
【解決手段】電子血圧計100であって、カフ部110と、本体部130と、送気球140と、を備え、前記カフ部110は、更に、短冊状に形成され、カフ部110の外周面上に配された光発電部117を備え、前記光発電部117の発電電圧レベルを示すマークを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子血圧計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、医療現場で使用されている血圧計には、聴診法を用いて測定する水銀血圧計やアネロイド血圧計などの手動式血圧計と、加圧から減圧、血圧値の決定までを自動で行う自動式血圧計の2種類がある。
【0003】
手動式血圧計は、電源が不要であり、小型で持ち運びが容易であるため、どのような医療現場の状況にも対応できるという機動性を有している。一方で、測定精度が個人の能力に左右され、客観性に乏しいという欠点も備える。
【0004】
これに対して、自動式血圧計は、加圧及び減圧がすべて自動で行われるため、操作が簡単であるうえ、血圧値の決定処理がソフトウェアにより行われるため、測定結果に客観性があるという利点がある。一方で、現状の自動式血圧計は、大きな加圧機構や、動作用の大きな電源の実装が避けられず(あるいは、動作用の電源供給が可能な場所でしか使用できず)、結果、装置が大型化し、持ち運びが不便であるうえ、機動性にも劣るといった欠点を有している。
【0005】
このような背景のもと、最近では、この両方の利点を組み合わせ、加圧機構のみを手動で行うよう構成された電子血圧計が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−75436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された電子血圧計の場合、依然として、動作用の電源が必要であり、血圧測定に際して、ユーザは予め動作用の電源(電池あるいは電力網)を確保しておかなければならないという問題がある。
【0008】
これに対して、電子血圧計自体に、発電機能を搭載させることができれば、ユーザは使用場所の限定や電池切れの心配等から解放され、電子血圧計の機動性を向上させることができる。
【0009】
加えて、発展途上国等のように、そもそも電池の普及が十分でない地域や家庭用電力網の普及が十分でない地域においても利用できるようになることから、電子血圧計の更なる普及にも貢献できることが期待される。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、外部からの電源の供給が不要な電子血圧計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電子血圧計は以下のような構成を備える。即ち、
被検者の血圧を測定する電子血圧計であって、
被検者の上腕部に装着されるカフ部と、
前記上腕部に装着され、加圧された前記カフ部の減圧過程における圧力値に基づいて、前記被検者の血圧値を算出する制御部が配された本体部と、
前記カフ部に空気を送り込むことで、前記カフ部を加圧する送気球と、を備え、
前記カフ部は、更に、
被検者の上腕部に装着された場合、該被検者の上腕二頭筋側に位置するように該カフ部の外周面に沿って配された、複数の短冊状のセルからなる光発電部を備えており、
前記複数の短冊状のセルはそれぞれ、その長手方向が前記カフ部の幅方向と一致するように、前記カフ部の長手方向に所定の間隔をもって配置されており、かつ互いに電気的に並列に接続されており、
更に、前記複数の短冊状のセルはそれぞれ、前記カフ部の幅方向に所定の間隔をもって配置された所定個数の素子群を備え、かつ、該所定個数の素子群は、前記制御部を動作させるための電圧を出力できるよう電気的に直列に接続されており、端部には更にダイオードが接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外部からの電源の供給が不要な電子血圧計を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本発明の一実施形態に係る電子血圧計100の外観構成を示す図である。
【図1B】電子血圧計100のカフ部110の外観構成を示す図である。
【図1C】カフ部110が被検者の上腕部に装着される様子を示す図である。
【図2】電子血圧計100の表示部の構成を示す図である。
【図3】電子血圧計100の機能構成を示す図である。
【図4】電子血圧計100の送排気機構を説明するための図である。
【図5】電子血圧計100の状態遷移図である。
【図6】電子血圧計100の測定中状態における発電状態表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】電子血圧計100の発電状態表示処理時の表示部の表示内容の一例を示す図である。
【図8A】電子血圧計100の測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8B】電子血圧計100の測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8C】電子血圧計100の測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】電子血圧計100の測定処理時の表示部の表示内容の一例を示す図である。
【図10】電子血圧計100の測定処理時の表示部の表示内容の一例を示す図である。
【図11】電子血圧計100の測定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに、本発明の各実施形態に係る電子血圧計の概要について説明する。以下に説明する各実施形態の電子血圧計は、発電機能(光発電部)を搭載しており、外部からの電源供給が行われなくても、血圧測定が可能である点に特徴がある。
【0015】
また、搭載された光発電部は、被検者の上腕部にカフ部が装着された際に、該被検者の上腕二頭筋側に位置するように、カフ部の外周面上に沿って配置されている点に特徴がある。
【0016】
更に、当該光発電部の各セルは、カフ内に空気を供給した際に、各セルへの応力の負担を軽減させるとともに、カフ部が上腕部に巻かれた際に該カフ部が上腕部の曲面に密着できるようにするために、その長手方向がカフ部の幅方向と一致する短冊状の形状を有している点に特徴がある。
【0017】
更に、当該光発電部の各セルは、カフ部の向きに影響を受けることなく電子血圧計が使用できるようにするために、天井に設置された蛍光灯等の照明具からの光及び窓から入射する光を受光できる構成となっている点に特徴がある(つまり、広範囲の光を受光できるよう、上腕部の円周方向に沿って配置されている点に特徴がある)。
【0018】
また、上記発電機能により供給された電力に基づく血圧測定を、より長時間にわたって維持できるようにするために(つまり、省電力化のために)、カフへの空気の供給/カフ内の空気の排出を手動で実行する構成とし(送気球により空気を供給する構成、手動により排気弁の開閉を行う構成、または手動の排気弁と受動型定速排気弁とを利用した構成とし)、血圧測定における消費電力の低減を実現する構成とした点に特徴がある。
【0019】
また、従来の自動式血圧計の場合、カフ圧が最高血圧値より低い場合には再加圧する自動再加圧機能が配されているのに対して、カフへの空気の供給/カフ内の空気の排出を手動で実行させようとすると、カフへの加圧が不足した状態のまま、ユーザがカフ圧の減圧を開始させてしまう可能性があることに鑑みて(つまり、血圧の誤測定につながる可能性があることに鑑みて)、以下の各実施形態における電子血圧計では、カフの加圧不足を的確に判断する処理を付加した点に更に特徴がある。
【0020】
また、測定時に加圧不足が生じた場合や、測定の開始時及び終了時にカフ内に残圧が残っていた場合等に、内部状態に応じたメッセージを適切なタイミングで表示させ、手動による操作をユーザが正しく行うことができるようにした点に更に特徴がある。以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
1.電子血圧計の外観構成
図1は、本発明の一実施形態に係る電子血圧計(被検者の測定部位にカフを巻いて測定を行う非観血式の電子血圧計)100の外観構成を示す図である。
【0022】
図1に示すように、電子血圧計100は、被検者の上腕部に巻かれ、外周面上に室内光または太陽光により発電する光発電部とコロトコフ音センサとが配されたカフ部110と、本体部130とを備え、本体部130には、電子血圧計100全体を制御するための、また、カフ圧及び脈波を測定する圧力センサやコロトコフ音を検出するK音処理部等を動作させるための制御部と、カフ部110との間で空気の送排気を行う送排気機構とが収容されている。
【0023】
なお、カフ部110と本体部130との間は、カフチューブAss’y(配管・配線部)120により接続されており、本体部130の下側面には、ユーザがポンピング操作を繰り返すことで、本体部130及びカフチューブAss’y(配管・配線部)120を介して、カフ部110に空気を送り込む送気球(加圧ゴム気球)140が配されている。以下、各部110〜140の詳細について説明する。
【0024】
カフ部110は、被検者の上腕部にカフ布111を巻く際に該カフ布111を折り返すために用いられる、カフ布111の端部に配された折り返しリング116と、折り返しリング116で折り返されたカフ布111を罫着固定するための雄型の面ファスナー112と、雌型の面ファスナー113とを備える。
【0025】
また、カフ布111上の折り返しリング116近傍には、短冊状に形成された複数のセルが、カフ布111の長手方向(つまり、カフ布111が上腕部に装着された際の上腕部の円周方向)に所定の間隔をもって配置されている。
【0026】
このように、光発電部117を短冊状に形成し、各セルを円周方向に配列することで、カフ布111を上腕部に巻くにあたり、カフ布111を従来と同様に上腕部の円周面に沿って自由に変形させることが可能になる。また、カフ部を加圧しその外周面が曲面となった場合でも各セルへの負担を小さくさせることができる。
【0027】
また、カフ布111上の折り返しリング116近傍に配置することで、上腕部に装着された際に、被検者の上腕二頭筋側(つまり、天井側)に位置することとなり、天井側からの光を効率よく受光することが可能となる。
【0028】
また、カフ布111上に配置したことで、光発電部117の複数のセルそれぞれは、一定程度の面積を確保することが可能となり、電子血圧計100における血圧値の決定処理を行うのに十分な電力を供給することが可能となる(本体部130等に配置することとすると、十分な電力を供給するために必要な面積を確保することができず、また、必要な面積を確保しようとすると本体部130の寸法が大きくなり、従来の機動性を損なってしまうこととなる。つまり、カフ布111上に配置することで、従来の電子血圧計の大きさに変更を加えることなく、かつ十分な電力を供給することが可能となる)。
【0029】
なお、本実施形態において光発電部117を構成する各セルは、1枚当たり、0.5V程度の出力が可能な色素増感太陽電池素子がカフ布111の幅方向と一致する方向に配置され(つまり素子群を形成し)、互いに電気的に直列に接続されている。このため、1つのセルあたりの発電電圧は3V程度となっている。また、カフ布111の長手方向に所定の間隔をもって複数配置されたセル群は、互いに並列接続(異なるセル間の各色素増感太陽電池素子がダイオードを介して並列接続)されており、このため、光発電部117に照射される光の方向に指向性があった場合でも、光発電部117より出力される電圧のばらつきは最小限に抑えることができる。
【0030】
一方、カフ布111の内部には、カフ(空気袋)114が配されている。カフ114はカフチューブAss’y(配管・配線部)120を介して送られてきた空気により内部圧力が最高血圧値以上に上げられることで、カフ布111が巻かれた被検者の上腕部を圧迫し動脈血管を阻血する。更に、カフ布111の内部にはK音検出部115が配されている。このK音検出部115は、上腕部が阻血された状態から、カフ114内の空気が受動型定速減圧弁(後述)により徐々に排出され、カフ114内圧力が最高血圧以下に低下することで、阻血状態が解除され、血流が再開された際に生じるコロトコフ音を検出できるよう構成されている。
【0031】
カフチューブAss’y(配管・配線部)120は、カフ部110へ送られる空気及びカフ部110から排出される空気を搬送するチューブ121と、K音検出部115において検出されたK音信号を本体部130に送信する配線122と、光発電部117からの電力を本体部に供給する配線129とを備える。また、チューブ121及び配線122、129を本体部130に接続するための多連式プラグ123(配線コネクタ126、128、配管コネクタ125及び127を介して本体部130に接続される)を備える。なお、多連式プラグ123には、カフ部110内の圧力を一定速度で減圧(定速減圧)するための受動型定速排気弁が配されている。受動型定速排気弁は、カフ部110内の空気を外部に排出するための排出路上において、その開口面積がカフ部110内の圧力に応じて変化することで定速減圧を実現しており、カフサイズごとにチューニングされている。このため、図1の例では、受動型定速排気弁は多連式プラグ123内に配する構成としているが、これに限定されるものではなく、排出路上であれば、任意の位置に配することができる。
【0032】
本体部130には、その上側面に本体側コネクタ131が備えられており、カフチューブAss’y(配管・配線部)120の多連式プラグ123は、当該本体側コネクタ131を介して本体部130に接続される。また、本体部130の上面には空気の流路を切り替える機構を有するトグル動作タイプの排気ボタン132が備えられており、押下されることで排気弁が排気側に切り替えられると本体部130内に収容された排気弁の流路は大気側に全開することとなり、これにより、カフ部110内の空気が外部へと排出される。
【0033】
更に、本体部130の上面には、LCD等から構成される表示部134が配されている。表示部134は、ユーザに対して、電子血圧計100の内部状態や所定の操作を促すための指示、ならびに測定結果等を表示する。更に、本体部130の上面には、電源ボタン135が配されている。電源ボタン135は、1回の押下により電源がONし、再度の押下により電源がOFFするよう構成されている。
【0034】
一方、本体部130の本体側コネクタ131と反対の側面(下側面)には、送気球140を支持するとともに、送気球140から送り出された空気を本体部130内に導くための接続部136が備えられている。なお、本体部130内の送排気機構の詳細は後述する。
【0035】
送気球140は、接続部136を介して本体部130と接続されている。送気球140内には接続部136側の端面には逆止弁が設けられている。当該逆止弁は、送気球140を押圧することで、送気球140内の空気が接続部136を介して本体部130方向へ送り出される場合には全開し、逆向きの空気の流れとなる場合には全閉する。これにより、本体部130内の空気が送気球140内に逆流することが回避されることとなる。
【0036】
送気球140の端部(接続部136と接続された側と反対側の端部)には、尻弁142(ボール型逆止弁の一種)が設けられており、送気球140復元時に送気球140外部の空気を内部へ流入させたり、送気球140を押圧する時に送気球140内部の空気の外部への流出を阻止したりする。具体的には、送気球140が押圧されることで正圧状態となっている場合には、送気球140内部の空気が尻弁142を介して外部へ流出してしまうことを防ぐため、尻弁142は全閉となる。一方、押圧された送気球140が押圧状態から解放され、復元にあたって内部が負圧状態となっている場合には、送気球140外部の空気が内部へと流入するよう、尻弁142は全開となる。
【0037】
2.カフ部110の外観構成
次に、電子血圧計100のカフ部110の外観構成について図1B及び図1Cを用いて説明する。図1Bは、電子血圧計100のカフ部110の外観構成を示す図であり、図1Cは、カフ部110が被検者の上腕部に装着された様子を示した図である。
【0038】
図1Bに示すように、カフ布111の端部は、折り返しリング116を通って折り返され、カフ布111の中央部と罫着固定される。これにより、カフ部110は円筒状に変形される。なお、光発電部117は、それぞれのセルが所定の間隔をもって配置されており、光発電部117の各セル間に位置するカフ布111は任意に変形可能であることから、カフ部110は全体として円筒状に変形することができる。
【0039】
また、図1Cに示すように、カフ布111の端部は、折り返しリング116を通って折り返されるため、カフ部110が被検者の上腕部に装着された状態では、被検者の上腕二頭筋側(つまり、天井側)に位置する光発電部117は、カフ布111の端部によって遮光されることなく露出することとなる。つまり、カフ部110は、任意の測定場所において外部光を最大限に利用することができる。
【0040】
3.表示部の構成
次に、本体部130の上面に配された表示部134の構成について説明する。図2に示すように、表示部134は、電子血圧計100において測定された最高血圧値を表示する最高血圧値表示領域201と、最低血圧値を表示する最低血圧値表示領域202とを備える。また、最高血圧値及び最低血圧値を測定した際の脈拍数値、または、カフ114の加圧中におけるカフ114内部の圧力値を表示する、脈拍数値・圧力値表示領域203を備える。
【0041】
更に、表示部134は、血圧測定に際して、ユーザに対して所定の操作を促すための指示や電子血圧計100の内部状態等を適切なタイミングで表示するためのメッセージ表示領域204と、光発電部117の発電状態(発電電圧レベル)や充電部310の充電電圧(電圧不足)等を表示する電源状態表示領域205を備える。
【0042】
なお、電源状態表示領域205において、発電電圧レベルは、発電電圧レベルを示すマークが消灯と点灯とを所定の周期で繰り返すことにより表現され、発電電圧レベルに応じて、消灯と点灯の繰り返し周期(点滅周期)が制御される構成となっている(発電電圧レベルが低い場合には、繰り返し周期が長くなり、発電電圧レベルが高い場合には、繰り返し周期が短くなる。更に、血圧値の決定処理に必要な発電電圧レベルの場合には、全灯となるように構成されている)。
【0043】
4.電子血圧計の本体部の機能構成
次に、電子血圧計100の本体部130内の機能構成について図3を参照しながら説明する。図3は、電子血圧計100の本体部130の機能構成を示す図である。
【0044】
図3において、301は圧力センサであり、制御部303から定電流が与えられることで動作しカフ114内の圧力を電圧値にて検出した後、得られた電圧信号を増幅したうえで制御部303内にあるA/D変換器(不図示)に出力する。302はK音処理部であり、K音検出部115において検出され配線コネクタ126を介して受信した信号を増幅した後、所定のフィルタ処理を施すことで、K音信号を抽出し、抽出したK音信号を制御部303内にあるA/D変換器(不図示)に出力する。
【0045】
304は電源ボタンであり、図1の電源ボタン135に対応しており、電子血圧計100の電源OFF状態/測定中状態を切り替える。305はブザーであり、制御部303による制御のもと、加圧不足の場合及び測定開始時のカフに残圧がある場合、あるいは測定終了後に排気をしなかった場合等に、警告音等を出力する。306は表示部であり(図1の表示部134に対応する)、制御部303からの信号(測定結果を示す信号や所定の操作をユーザに促すための指示を示す信号、内部状態や発電状態を示す信号等)に基づいて種々の表示を行う。
【0046】
307は排気弁であり、排気ボタン308(図1の排気ボタン132に対応する)により閉に切り替えられた状態(閉状態)では、送気球140から送り出された空気をカフ部110側へと送る。
【0047】
一方、排気ボタン308により開に切り替えられた状態(開状態)では、カフ部110側から送られた空気を、本体部130の外部へと排出する。
【0048】
310は充電部(例えば、スーパーキャパシタ、または充電池)であり、光発電部117より送られた電力を充電するとともに、制御部303に電力を供給する。なお、以下では、充電部310として充電池(2次電池)が使用されているものとして説明する。
【0049】
電源制御部309は、充電部310を監視するための機能を備える。具体的には、充電部310の過充電を防止するための過充電防止機能及び制御部303に定電圧を供給するための定電圧機能を備える。なお、これらの機能はハードウェアとして実現されており、制御部303に電力が供給されていない状態であっても(つまり、CPUが動作していない状態であっても)、機能するよう構成されているものとする。
【0050】
制御部303は、電源ボタン304のON操作により起動する。制御部303では、カフ114内の圧力が受動型定速排気弁にて定速減圧されている間に(つまり減圧過程において)、K音処理部302からの出力に基づいて抽出されたK音信号と、圧力センサ301からの出力に基づいて検出された圧力信号とを用いて、被検者の最高血圧値及び最低血圧値の検出、ならびに脈拍数の算出を行う。また、算出した最高血圧値及び最低血圧値、ならびに脈拍数を表示部306に表示するよう制御する。更に、制御部303では、最高血圧値及び最低血圧値、ならびに脈拍数を算出するにあたって、ユーザに対して所定の操作を促すための指示や電子血圧計100の内部状態(排気指示、加圧不足など)を表示部306に表示するよう制御する。
【0051】
また、発電電圧レベルを示す表示や、充電電圧が所定値以下の場合に電圧不足であることを示す表示等、電源状態に関する表示を行うよう制御する。
【0052】
更に、充電量が所定値以下となった場合にあっては、充電部310の過放電を防止する過放電防止処理を実行するとともに、自動的に電源をOFFにする電源OFF処理を実行する。
【0053】
5.本体部内の送排気機構
次に、本体部130内の送排気機構について説明する。図4は、本体部130内の送排気機構を説明するための図である。
【0054】
図4に示すように、本体部130内の送排気機構400は、少なくとも排気弁307と、排気ボタン308とを備える。
【0055】
図4に示すように、接続部136を介して送気球140から送り出された空気は、本体部130内に配された配管401を介して、排気弁307へと送られる。ここで、排気弁307内において配管401は配管402と接続されており、配管401と配管402とには共通の排気口が設けられている。そして、排気弁307は、排気ボタン308が閉状態の場合に、配管401及び配管402の当該共通の排気口が遮蔽されるよう構成されている。これにより、送気球140から送られた空気は外部へ排出されることなく、カフ114へと送られる(つまり、送気路411が形成される)。
【0056】
このため、排気ボタン308が閉状態においては、送気球140に対するポンピング操作が繰り返されることで、カフ114に空気が送り込まれることとなる。
【0057】
一方、排気弁307は、排気ボタン308が開状態においては、配管401及び配管402を外部に対して開放する。これにより、カフ114内の空気は、チューブ121、配管コネクタ125、本体側コネクタ131、配管401を介して、外部へと排気されることとなる(つまり、排出路412が形成される)。
【0058】
なお、排気弁307は、開状態及び閉状態において、それぞれラッチされる排気ボタンと連動したラッチ機構(トグル機能)を有しているものとする。
【0059】
6.電子血圧計の状態遷移
次に、電子血圧計100の状態遷移について説明する。上述したように、本実施形態に係る電子血圧計100は光発電部117を備え、血圧値の決定処理に必要な電力を光発電部117の発電により得られた電力によりまかなう構成となっている。つまり、血圧値の決定処理に必要な電力は、基本的に、被検者の上腕部にカフ部110が装着された状態で発電された光発電部117の電力によりまかなわれ、充電部310は、あくまで補助的な電力供給手段として機能するものとする(表示部306による表示等、最低限の動作に用いられるよう構成されているものとする)。
【0060】
図5において、電源OFF状態は電源ボタン304がOFF操作された状態であり、制御部303等に電力が供給されていない状態である(ただし、光発電部117により発電した電力を充電部310に充電することは可能である)。
【0061】
一方、電源OFF状態で電源ボタン304が押下されると、電子血圧計100は測定中状態に移行する。測定中状態において光発電が行われた場合には、発電電圧レベルを示すマークが点灯する。
【0062】
なお、測定中状態において表示部306の発電電圧レベルを示すマークが全灯していない場合には、ユーザは室内光または太陽光を受光可能な位置に移動する必要がある。発電電圧レベルを示すマークが全灯していない状態では、制御部303において血圧値の決定処理は実行されないからである。そして、ユーザが移動することで発電電圧レベルが所定値より大きくなると、発電電圧レベルを示すマークは全灯する。
【0063】
また、測定中状態では、制御部303は、充電電圧が所定値以下となっていないかを確認し、表示部306に表示する。更に、制御部303による確認の結果、充電電圧が所定値以下になっていると判断した場合には、表示部306に「電圧不足」と表示する。
【0064】
7.測定中状態における発電状態表示処理の流れ
次に、測定中状態における制御部303による発電状態表示処理の流れについて図6及び図7を用いて説明する。図6は、測定中状態における発電状態表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
電源ボタン304が押下され測定中状態に移行すると、制御部303では図6に示す処理を開始する。ステップS611では、制御部303に接続されている各部を起動する。続いてステップS612では、光発電部117が発電しているか否かを判定する。ステップS612において光発電部117が発電していないと判定された場合には、ステップS615に進む。
【0066】
一方、ステップS612において光発電部117が発電していると判定された場合には、発電電圧を検出し、当該検出した発電電圧に応じて、発電電圧レベルを示すマークの点灯/消灯の繰り返し周期を設定する。ステップS614では、ステップS613において設定された繰り返し周期に基づいて、発電電圧レベルを示すマークの点灯/消灯を制御する(図7の701参照)。
【0067】
ここで、発電電圧レベルを示すマークが全灯していない場合には、血圧値の決定処理を行うことができないため、ユーザは、カフ部110の向きを変えるか、あるいはもっと明るい場所に移動することとなる(つまり、発電電圧レベルを示すマークの点灯/消灯を制御することで、ユーザに対して受光環境の改善を促すことができる)。
【0068】
ステップS615では、電源制御部309からの出力に基づいて充電部310の充電電圧が所定値以下であるか否かを判定する。ステップS615において充電電圧が所定値以下でないと判定された場合には、ステップS618に進む。一方、ステップS615において充電電圧が所定値以下であると判定された場合には、ステップS616に進む。
【0069】
ステップS616では、充電部310の電圧が過放電防止のために設定された閾値以下であるか否かを判定する。ステップS616において、充電部310の電圧が過放電防止のために設定された閾値以下でないと判定された場合には、ステップS617に進み、「電圧不足」を表示する(図7の702参照)。一方、ステップS616において、充電部310の電圧が過放電防止のために設定された閾値以下であると判定された場合には、ステップS619に進む。
【0070】
ステップS618では、電源OFF操作が行われたか否かを判定し、行われていないと判定された場合には、ステップS612に戻り、上記処理を繰り返す。なお、この間、発電電圧が所定値以下にならなければ、血圧値の決定処理が実行され、発電電圧が所定値以下になれば、血圧値の決定処理は実行されない。
【0071】
一方、ステップS618において、電源OFF操作が行われたと判定された場合、またはステップS616において充電部310の電圧が過放電防止のために設定された閾値以下であると判断された場合には、ステップS619に進み、電源OFF処理を行う。
【0072】
8.制御部による測定処理の流れ
次に、制御部303における測定処理の流れについて説明する。図8A〜図8Cは、制御部303における測定処理の流れを示すフローチャートであり、図9及び図10は測定処理時の表示部306の表示内容を示す図である。
【0073】
電源ボタン304が押下されることで測定中状態に移行すると、図8Aに示す測定処理が開始される。
【0074】
ステップS801では、圧力の測定誤差を防止するため、カフ部110の残圧の有無を判定する。具体的には、圧力センサ301からの出力に基づいて検出された圧力値が所定値(例えば、30mmHg)以下であるか、または圧力値のマイナスの変化が所定値以下であるか否かを判定する。
【0075】
ステップS801において、圧力値が所定値以下でないと判定された場合、または圧力値のマイナスの変化が所定値以下でないと判定された場合には、ステップS802に進み、脈拍数値・圧力値表示領域203に、現在の圧力値を表示するとともに、ユーザに対して、カフ114内の残空気を排出させるために排気弁307を開くよう、「排気」マークを点灯する(図9のメッセージ表示領域204の902参照)。
【0076】
一方、ステップS801において、圧力値が所定値以下であると判定された場合、または圧力値のマイナスの変化が所定値以下であると判定された場合には、ステップS803に進み、現在の圧力値のゼロ設定を行う。更に、ステップS804にて脈拍数値・圧力値表示領域203に、校正後の圧力値(ゼロ)を表示した後、図8BのステップS811に進む(図9の脈拍数値・圧力値表示領域203参照)。
【0077】
一方、ステップS811では、ユーザによるポンピング操作が終了し、圧力値の上昇が停止したか否かを判定する。
【0078】
ステップS811において、圧力値の上昇が停止していないと判定された場合には、ユーザが、送気球140のポンピング操作を行っていると判断する。
【0079】
ステップS811において、圧力値の上昇が停止したと判定された場合には、ユーザによる送気球140のポンピング操作が終了したと判断し、ステップS812に進む。
【0080】
ステップS812では、圧力センサ301からの出力に基づいて検出された圧力信号を用いて脈波の検出を開始し、検出した脈波をカフ圧と対応付けて記録していく。更にステップS813では、K音処理部302からの信号に基づいてK音信号の抽出を開始し、カフ圧と対応付けて記録していく。なお、圧力値の上昇が停止したことを契機として、脈波検出とK音検出を開始する構成としたのは、手動で加圧するため、ポンピング操作が終了したことをもって減圧過程に入ったと判断するのが妥当だからである。
【0081】
ステップS814では、カフ114が加圧不足か否かを判定する。具体的には、圧力センサ301からの圧力値が減少を開始し、減少開始時点の圧力値からの減少幅が20mmHgに到達するまでの間に、K音処理部302からの出力に基づいてK音が抽出されたか否かを判定する。減少幅が20mmHgに到達するまでの間に、K音処理部302からの出力に基づいてK音が抽出されたと判定した場合には、加圧不足と判定し、ステップS816に進む。
【0082】
ステップS816では、加圧不足であることをユーザに報知すべく、「加圧不足」を示すマークを表示する(図9のメッセージ表示領域204の901参照)。
【0083】
ステップS817では、圧力センサ301の圧力値が所定値(例えば、30mmHg)以下であるか否かを判定する。ステップS817において、圧力センサ301の圧力値が所定値以下であると判定された場合には、測定を中止したと判断し、測定処理を終了する。
【0084】
一方、ステップS817において、圧力センサ301の圧力値が所定値より大きいと判定された場合には、ステップS818に進む。ステップS818では、ユーザによるポンピング操作が終了し、圧力値の上昇が停止したか否かを判定する。
【0085】
ステップS818において、圧力値の上昇が停止したと判定された場合には、ユーザによる送気球140のポンピング操作が終了したと判断し、「加圧不足」を示す表示(901)を消灯したうえで、ステップS814に戻る。
【0086】
ステップS814では、再び、加圧不足か否かを判定する。なお、加圧不足か否かの判定の仕方は、既に説明済みであるため、ここでは、説明を省略する。
【0087】
ステップS814において、加圧不足であると判定された場合には、ステップS816に進み、再び加圧不足であることをユーザに報知した後、ステップS817へと進む。一方、ステップS814において、加圧不足でないと判定された場合には、カフ114が適正な圧力まで加圧されたうえで減圧が開始されたと判断し、図8CのステップS831に進む。
【0088】
ステップS831では、最低血圧を検出できたか否かを判定し、最低血圧を検出できたと判定された場合には、ステップS832に進む。
【0089】
ステップS832では、最高血圧を検出できたか否かを判定し、最高血圧を検出できたと判定された場合には、ステップS833に進む。ステップS833では、表示部306のメッセージ表示領域204に、「排気」を示すマークを表示する(図10のメッセージ表示領域204の902参照)。
【0090】
更に、ステップS834では、圧力センサ301の圧力値が所定値(例えば、20mmHg)以下になっているか否かを判定する。なお、圧力センサ301の圧力値が所定値以下となっていない場合とは、例えば、血圧測定が正常に終了したにも関わらず、ユーザが排気ボタン308を開状態にしない場合である。この場合、カフ114内には所定量の空気が残ることとなる。このように、カフ114内の空気が完全に排気されていない場合、次回の血圧測定の際に、再度、排気ボタン308を開状態にするための操作が必要となることから、本実施形態に係る電子血圧計100では、測定結果を表示する前に、ステップS837において、排気弁307を開くようユーザに促し、カフ114内の圧力値が所定値以下になるまで待機する(図10のメッセージ表示領域204の902参照)。
【0091】
ステップS834において、圧力センサ301の圧力値が所定値以下となったと判定された場合には、ステップS835に進み、検出した脈波に基づいて脈拍数を算出する。更に、ステップS836では、最高血圧値表示領域201及び最低血圧値表示領域202に、それぞれ、最高血圧値及び最低血圧値を表示する(図10の1001及び1002参照)。更に、最高血圧値及び最低血圧値測定時の脈拍数値を、脈拍数値・圧力値表示領域203に表示する(図10の1003参照)。
【0092】
一方、ステップS831において、最低血圧値を検出できなかったと判定された場合には、ステップS837に進み、圧力値が40mmHg以下となったか否かを判定する。ステップS837において圧力値が40mmHg以下になっていないと判定された場合には、ステップS831に戻る。
【0093】
一方、ステップS837において圧力値が40mmHg以下になったと判定された場合には、ステップS838に進み、排気弁307を開くようユーザに促し、ステップS839では、カフ114内の圧力値が20mmHg以下になるまで待機する(図10のメッセージ表示領域204の902参照)。
【0094】
ステップS839において、カフ114内の圧力値が20mmHg以下になったと判定された場合またはステップS832において最低血圧を検出できなかったと判定された場合には、ステップS840に進み、測定エラーが生じたことをユーザに報知する(図10のメッセージ表示領域204の903参照)。
【0095】
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、送気球140を備え、ユーザが手動でカフ114への空気の送り込みを行う電子血圧計100において、カフ部110上に短冊状に形成された光発電部を配し、光発電に基づく発電を行う構成とした。これにより、電子血圧計100に対する外部からの電源の供給が不要となった。
【0096】
また、制御部が動作するのに必要な電圧を出力可能な個数だけ直列に接続した素子群からなるセルをカフ部の長手方向に複数配置し、蛍光灯の光源の指向性の影響を軽減させる構成とした。
【0097】
また、本実施形態に係る電子血圧計100では、光発電部の発電電圧を監視し、発電電圧レベルを示す表示を行うとともに、発電電圧レベルが十分でない場合には、これを報知し、受光環境の改善を促す構成とした。
【0098】
更に、排気弁の開閉を手動で実行する構成とするとともに、受動型定速排気弁を用いることにより、血圧測定における消費電力の低減を実現した。
【0099】
この結果、外部からの電源の供給が不要な、機動性に富む電子血圧計を提供することが可能となった。
【0100】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、K音検出に基づくコロトコフ音法にて血圧測定を行う構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、オシロメトリック法にて血圧測定を行う構成としてもよい。
【0101】
図11は、オシロメトリック法により血圧測定を行う場合の測定処理の流れを示すフローチャートであり、図8Bのフローチャートと対応している。なお、図8Bとの相違点は、ステップS813の後にK音の検出開始処理がない点である。
【0102】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、折り返しリング付きのカフ部110に光発電部を配する構成としたが、光発電部を配するカフ部110は折り返しリング付きのカフ部に限定されず、例えば、上腕部を挿入する開口部を有し、該開口部に上腕部を挿入するだけで測定可能な全自動式血圧計のカフ部(カフ部の上部が天井を向いており、蛍光灯などの光を受光しやすい構造のカフ部)であってもよい。
【符号の説明】
【0103】
100・・・電子血圧計、110・・・カフ部、111・・・カフ布、112・・・面ファスナー、113・・・面ファスナー、114・・・カフ、115・・・K音検出部、116・・・折り返しリング、117・・・光発電部、120・・・カフチューブAss’y(配管・配線部)、121・・・チューブ、122・・・配線、123・・・多連式のプラグ、124・・・受動型定速排気弁、125・・・配管コネクタ、126・・・配線コネクタ、127・・・配管コネクタ、128・・・配線コネクタ、129・・・配線、130・・・本体部、131・・・本体側コネクタ、132・・・排気ボタン、134・・・表示部、135・・・電源ボタン、136・・・接続部、140・・・送気球、141・・・逆止弁、142・・・尻弁、401・・・配管、402・・・配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の血圧を測定する電子血圧計であって、
被検者の上腕部に装着されるカフ部と、
前記上腕部に装着され、加圧された前記カフ部の減圧過程における圧力値に基づいて、前記被検者の血圧値を算出する制御部が配された本体部と、
前記カフ部に空気を送り込むことで、前記カフ部を加圧する送気球と、を備え、
前記カフ部は、更に、
被検者の上腕部に装着された場合、該被検者の上腕二頭筋側に位置するように該カフ部の外周面に沿って配された、複数の短冊状のセルからなる光発電部を備えており、
前記複数の短冊状のセルはそれぞれ、その長手方向が前記カフ部の幅方向と一致するように、前記カフ部の長手方向に所定の間隔をもって配置されており、かつ互いに電気的に並列に接続されており、
更に、前記複数の短冊状のセルはそれぞれ、前記カフ部の幅方向に所定の間隔をもって配置された所定個数の素子群を備え、かつ、該所定個数の素子群は、前記制御部を動作させるための電圧を出力できるよう電気的に直列に接続されており、端部には更にダイオードが接続されていることを特徴とする電子血圧計。
【請求項2】
前記制御部の起動が指示された状態において、前記光発電部の発電電圧レベルを示すマークを表示することを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計。
【請求項3】
前記発電電圧レベルを示すマークは、発電電圧が高くなるに従って点滅周期が短くなることを特徴とする請求項2に記載の電子血圧計。
【請求項4】
前記発電電圧レベルを示すマークは、血圧を測定することが可能な発電電圧レベルとなった場合に、点滅が終了し、全灯となることを特徴とする請求項3に記載の電子血圧計。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−70922(P2012−70922A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217723(P2010−217723)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】