電子装置および情報端末を用いたメディアシステム
【課題】 ユーザ負担を軽減した通信方式の切替を行うことができる「電子装置および情報端末を用いたメディアシステム」を提供する。
【解決手段】 車載機30は、ブルートゥース接続40およびUSB接続50により情報端末20と接続可能であり、情報端末20は、2つの接続のうちブルートゥース接続40をUSB接続50よりも優先させる。車載機30において、ユーザがブルートゥース接続以外のメディアソースを選択した場合、接続解除部216は、ブルートゥース接続40の中のBTオーディオ接続44のみを解除する。これにより、情報端末20と車載機30は、USB接続50による通信が可能になる。
【解決手段】 車載機30は、ブルートゥース接続40およびUSB接続50により情報端末20と接続可能であり、情報端末20は、2つの接続のうちブルートゥース接続40をUSB接続50よりも優先させる。車載機30において、ユーザがブルートゥース接続以外のメディアソースを選択した場合、接続解除部216は、ブルートゥース接続40の中のBTオーディオ接続44のみを解除する。これにより、情報端末20と車載機30は、USB接続50による通信が可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置および当該電子装置に情報端末を接続したメディアシステムに関し、特に、車両に搭載された電子装置にスマートフォンなどの情報端末を接続したメディアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、スマートフォンに代表されるように、多機能型の携帯電話機の利用が進んでいる。こうしたスマートフォンに搭載された機能を車両に搭載された電子装置(以下、車載機という)において利用することが望まれている。スマートフォンが車内に持ち込まれると、スマートフォンは、USBケーブル、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの通信手段を用いて車載機と接続され、車載機からスマートフォンを介してハンズフリー通話を行ったり、スマートフォンが保有するメディアデータやアプリケーションソフトを車載機において利用することが可能になっている。
【0003】
特許文献1は、ワイヤレスLANやブルートゥース(登録商標)などの複数の通信方式を備えたノート型PCを開示している。特許文献1では、ワイヤレスLANによる通信機能およびブルートゥースによる通信機能の動作状態をともにオン状態にした場合には、複数のアンテナの中からワイヤレスLANの通信に用いるアンテナを選択し、また、周囲の通信環境に関係なく、ワイヤレスLAN用のアンテナに用いられていないアンテナを優先度の低いブルートゥース用に割り当てることで、複数の通信方式に対応した共用アンテナの使用を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−186865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、スマートフォンや車載機は、複数の通信方式に対応しており、スマートフォンが車内に持ち込まれたとき、スマートフォンは、車載機と複数の通信方式によって接続可能である。このような場合に、特許文献1に示すように、一方の通信方式の接続を他方の通信方式よりも優先させるような通信制御が行われており、機器によっては、優先度の低い方の通信方式の利用を停止させてしまうものもある。例えば、スマートフォンと車載機とがブルートゥース通信とUSB通信により接続されている場合に、スマートフォンは、ブルートゥース通信を優先させ、USB通信が利用できないような環境設定にしてしまう。このため、ユーザは、ブルートゥース通信を利用していない場合であっても、USB通信を利用することができず、仮に、USB通信を利用しようとする場合には、車載機とスマートフォン間のブルートゥース接続を解除する操作をしなければならない。さらに、ブルートゥース通信によりハンズフリー通話を行っている場合には、ブルートゥース接続を解除した段階で、ハンズフリー通話を利用することができなくなってしまう。
【0006】
また、上記とは反対に、スマートフォンによっては、USB通信を優先させ、ブルートゥース通信を利用できないような環境設定にしてしまうものもあり、この場合にも、ユーザは、ブルートゥース通信を利用したい場合には、USB通信が非接続となるようにケーブルを外すなどの作業を強いられる。特に、運転中のユーザに煩雑な作業を強いることは望ましくない。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ユーザ負担を軽減した通信方式の切替を行うことができる電子装置および情報端末を用いたメディアシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子装置は、情報を処理する情報端末を接続可能なものであって、第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段と、メディアソースを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたメディアソースに基づき第1の接続手段による接続を解除する解除手段とを有する。
【0009】
好ましくは前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除手段は、前記オーディオ接続手段のみを解除する。好ましくは前記解除手段は、前記選択手段によって特定のメディアソースが選択されたとき、前記第1の接続手段による接続を解除する。好ましくは前記解除手段は、前記選択手段によって前記第1の接続手段に関連するメディアソース以外が選択されたとき、前記第1の接続手段による接続を解除する。好ましくは前記第2の接続手段は、情報端末を制御するコマンド信号を送信する。好ましくは前記第2の接続手段は、前記コマンド信号に基づき再生されたオーディオ信号を情報端末から受信する。好ましくは前記第1の接続手段は、無線による通信であり、前記第2の接続手段は、有線による通信である。好ましくは前記第2の接続手段の通信速度は、前記第1の接続手段の通信速度よりも速い。好ましくは前記第2の接続手段から受信されるオーディオ信号は、前記第1の接続手段から受信されるオーディオ信号よりも、サンプリングレートまたは伝送ビットが大きい。好ましくは前記第1の接続手段は、ブルートゥース接続であり、前記第2の接続手段は、USB接続である。
【0010】
本発明の電子システムは、上記特徴を備えた電子装置と、当該電子装置に接続された情報端末とを含むものであって、前記情報端末は、前記第1の接続手段による接続を、前記第2の接続手段による接続よりも優先する。また、前記情報端末は、前記第2の接続手段による接続を、前記第1の接続手段による接続よりも優先するものでもよい。好ましくは前記情報端末は、優先されない前記第1または第2の接続手段による通信が利用できない状態にする。好ましくは前記情報端末は、前記第2の接続手段を介して電子装置から受信されたコマンド信号に応答してオーディオ再生アプリケーションを実行し、かつ当該オーディオ再生アプリケーションにより再生されたオーディオ信号を前記第2の接続手段を介して電子装置へ送信する。
【0011】
本発明の電子装置は、情報を処理する情報端末を接続可能なものであって、第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段と、第1の接続手段による接続を解除する解除手段とを有し、前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除手段は、前記オーディオ接続手段のみを選択的に解除する。
【0012】
好ましくは前記解除手段は、前記オーディオ接続手段が未使用であるとき、前記オーディオ接続手段を解除する。好ましくは前記解除手段は、前記オーディオ接続手段に関連するメディアソース以外が選択されたことに応答して、前記オーディオ接続手段を解除する。
【0013】
本発明の通信制御プログラムは、情報を処理する情報端末を接続可能であり、第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段とを有する電子装置が実行するものプログラムであって、第1および第2の接続手段により電子装置を情報端末に接続するステップと、メディアソースを選択するステップと、前記選択されたメディアソースに基づき第1の接続手段による接続を解除するステップとを有する。好ましくは通信制御プログラムはさらに、前記選択されたメディアソースに基づき前記第1の接続手段が未使用か否かを判定するステップを含み、前記解除するステップは、未使用と判定されたとき、前記第1の接続手段を解除する。
【0014】
本発明の通信制御方法は、情報を処理する情報端末と、当該情報端末に接続された電子装置とを有する電子システムにおけるものであって、情報端末と電子装置との間で、第1の通信方式による第1の接続手段と第2の通信方式による第2の接続手段とによる接続が行われたとき、情報端末が第1の接続手段または第2の接続手段のいずれかの接続を優先させるステップと、電子装置においてメディアソースを選択するステップと、前記選択されたメディアソースに基づき、電子装置側において、情報端末により優先された前記第1または第2の接続手段の接続を解除するステップとを有する。好ましくは解除するステップは、優先された前記第1または第2の接続手段に関係するメディアソース以外のメディアソースが選択されたときに行われる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、選択されたメディアソースに応じて第1の接続手段の接続を解除するようにしたので、ユーザが使用するメディアソースに応じて、情報端末と電子装置との間の第1または第2の接続手段による接続が自動的に切替えられ、ユーザの負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例に係るメディアシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す情報端末の典型的な構成を示すブロック図である。
【図3】情報端末の通信制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す車載機の典型的な構成を示すブロック図である。
【図5】車載機におけるメディアソース選択画面の選択例である。
【図6】本実施例の車載機における通信接続部の構成を示すブロック図である。
【図7】本実施例の車載機における通信接続部の動作フローである。
【図8】本実施例のメディアシステムにおけるメディア再生の例を示す図である。
【図9】本実施例の車載機における通信接続部の他の動作フローである。
【図10】車載機におけるメディアソース選択画面の他の選択例である。
【図11】車載機におけるメディアソース選択画面の他の選択例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明の好ましい実施の形態は、車内に持ち込まれた情報端末が車載機に接続されたメディアシステムを例示する。情報端末は、情報を処理することができる、通信機能を備えた多機能型のポータブルな端末であり、例えば、携帯電話機、スマートフォン、パームトップ型パーソナルコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータなどであることができる。情報端末は、外部ネットワーク接続したり、音声通話をしたり、オーディオデータやビデオデータを記憶したり、搭載したアプリケーションにより種々の機能を実行することができる。
【0018】
一方、車載機は、車両に搭載された電子装置であって、オーディオ/ビデオ再生機能、テレビ/ラジオ放送受信機能、ナビゲーション機能などを含むことができる。情報端末と車載機とは、通信方式が異なる複数の通信手段によって接続することができ、相互に必要なデータの送受を行うことができる。通信手段は、無線通信または有線通信のいずれであってもよい。好ましい態様では、情報端末は、車載機との間で複数の通信手段が接続される場合には、予め決められた規則に従い、ある通信手段を他の通信手段により優先させる。車載機は、情報端末により非優先とされた通信手段が非優先とされないように優先された通信手段の解除を行う。
【0019】
好ましい態様では、車載機は、情報端末から出力されたオーディオ信号やビデオ信号を選択された通信手段を介して受け取り、これらをディスプレイやスピーカから出力することができる。また、車載機は、選択された通信手段を介して情報端末を遠隔操作し、情報端末からオーディオ信号やビデオ信号を受信することができる。さらに、車載機は、情報端末に着信があったとき、いわゆるハンズフリー通話を行うことができる。本発明に係る電子装置および情報端末とから構成されたメディアシステムでは、メディアソースの利用形態に応じた通信手段を自動的に選択することができる。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明の実施例に係るメディアシステムの構成を示す図である。同図において、メディアシステム10は、情報端末20と、情報端末20に接続された車載機30とを含んで構成される。ここでは、情報端末20は、通信機能を備えた多機能型のスマートフォンである。車載機30は、ナビゲーション機能やマルチメディア機能を備え、さらにハンズフリー通話セット32を備える。
【0021】
情報端末20は、第1の通信方式を用いた第1の接続手段40により車載機30と通信接続が可能であり、さらに第1の通信方式とは異なる第2の通信方式を用いた第2の接続手段50により車載機30と通信接続が可能である。第1の接続手段40は、ここでは近距離無線通信としてのブルートゥース(登録商標)接続である。以下、ブルートゥースを略してBTということがある。また、第2の接続手段50は、ここでは有線通信としてのUSB(Universal Serial Bus)接続である。
【0022】
第1の接続手段40、すなわちブルートゥース接続40は、2つの通信プロファイルを含む。1つのプロファイルは、ハンズフリー通話において音声データを同期型パケットで通信を制御するHFP(Hand Free Profile)接続42である。もう1つの通信プロファイルは、モノラルまたはステレオのオーディオ信号を高品質で非同期データ転送を制御するA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)を用いたBTオーディオ接続44である。情報端末20および車載機30は、ともに2つの通信プロファイル42、44を備えたブルートゥース接続40に対応する。従って、情報端末20が車内に持ち込まれたとき、情報端末20と車載機30とは、2つの通信プロファイル42、44を含むブルートゥース接続40によりペアリングされる。
【0023】
また、情報端末20および電子機器30は、第2の通信方式であるUSB接続50に対応するため、USBケーブルのコネクタを接続することができる。車載機30と情報端末20とがUSBケーブルにより相互に接続されると、USBプラグ・アンド・プレイにより相互に機器が認識される。また、USB接続50が有効であるとき、情報端末20は、車載機30からの電力供給を受けることができ、バッテリーの充電が可能となる。
【0024】
図2は、情報端末の典型的な構成を示すブロック図である。情報端末20は、ユーザからの入力を受け取る入力部100、第1および第2の接続手段40、50により車載機30との接続を可能にする通信接続部110、ディスプレイに種々の画像を表示する表示部120、音声を出力する音声出力部130、外部のネットワークとのデータ通信、および公衆無線回線網を介しての電話機との通話等を可能にする通信部140、制御部150、情報端末20が保有するアプリケーション、プログラム等を格納するプログラムメモリ160、オーディオデータ、ビデオデータ、地図データなどを記憶するデータメモリ170、各部を接続するバス180とを備えている。
【0025】
プログラムメモリ160には、種々のアプリケーションやプログラムが格納される。例えば、オーディオデータやビデオデータを再生するアプリケーション、ゲームを実行するアプリケーション、音声通話を行うためのプログラム、通信部140を介してインターネット上の情報をブラウズするためのプログラムなどが格納される。さらにプログラムメモリ160には、情報端末20と車載機30とがUSB接続50により接続されているとき、車載機30から送信されたコマンド信号を解読し、当該コマンド信号によりアプリケーションを実行する拡張プログラムが含まれる。拡張プログラムによって、例えば音楽再生用のアプリケーションが起動されると、当該アプリケーションにより再生されたオーディオ信号がUSB接続50を介して車載機30へ送信される。
【0026】
図3は、情報端末20の通信接続部110の内部構成を示すブロック図である。通信接続部110は、車載機30との間でブルートゥース接続40によるペアリングを行うBT接続部112と、車載機30との間でUSB接続50を可能にするUSB接続部114と、BT接続部112およびUSB接続部114の通信接続を選択的に切り替える通信選択部116とを備えている。BT接続部112はさらに、上記したように、HFP接続42を可能にするHFP接続部112Aと、A2DPによるBTオーディオ接続44を可能にするオーディオ接続部112Bとを含む。
【0027】
情報端末20の第1の接続態様では、図3(A)に示すように、通信選択部116は、情報端末20と車載機30との間でブルートゥース接続40のペアリングが行われた場合には、ブルートゥース接続40を優先するような選択をする。すなわち、USB接続50が利用できない状態にされる。利用できない状態とは、例えば、両機器が物理的にUSBケーブルにって接続された状態が維持されるが、USB接続部114は、車載機30からのリクエストに対して応答をせず、車載機30から情報端末20を認識することができないような状態である。
【0028】
一方、情報端末20の第2の接続態様では、図3(B)に示すように、通信選択部116は、ブルートゥース接続40よりもUSB接続部114によるUSB接続50を優先するような選択をする。すなわち、ブルートゥース接続40のBTオーディオ接続44が利用できない状態におかれる。利用できない状態とは、例えば、オーディオ接続部112Bは、車載機30からのリクエストに対して応答をせず、車載機30から情報端末20を認識することができないような状態である。通信選択部116は、通信接続部112の制御により、図3(A)または(B)に示すような優先的な通信選択を行う。
【0029】
図4は、電子装置30の典型的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、車載機30は、ユーザからの入力を受け取る入力部200、第1および第2の接続手段40、50により情報端末20との接続を可能にする通信接続部210、表示部220、音声を出力する音声出力部230、種々のメディアの再生等を実行するマルチメディア部240、制御部250、アプリケーション等を実行するためのプログラムを格納するプログラムメモリ260、オーディオデータ、ビデオデータ、地図データなどのデータを記憶するデータメモリ270、各部を接続するバス280とを備えている。
【0030】
マルチメディア部240は、CD、DVD、ブルーレイディスク、メモリ媒体、データメモリ270などに記録されたオーディオデータやビデオデータを再生する機能、テレビ放送やラジオ放送を受信する機能などを有する。プログラムメモリ260には、ナビゲーション機能を実行するアプリケーションやマルチメディア部240を制御するプログラムに加え、情報端末20との間の通信接続を制御するプログラムや、情報端末20がUSB接続50により接続されているときに情報端末20を遠隔操作するための遠隔操作プログラムなどが記憶される。なお、車載機30は、ナビゲーション動作に必要なGPS測位情報、車速情報、方位情報などを受け取ることができる。
【0031】
次に、マルチメディア部240によるメディアソースの選択について説明する。ユーザは、メニュー画面からの操作によって、所望のメディアソースを選択することができる。図5は、メディアソースの選択画面の選択例を示している。メディアソース選択画面290には、ユーザ選択可能なメディアソースが複数表されている。ディスク再生291を選択すると、CD、DVDまたはブルーレイディスクを再生するための画面に切り替わり、HDD再生292を選択すると、データメモリ270に記憶されたオーディオ/ビデオデータを再生するための画面に切り替わる。テレビ放送293またはラジオ放送294を選択すると、それらの受信動作するための操作画面に切り替わる。BTオーディオ295が選択されると、BTオーディオ接続44を介して情報端末20からオーディオ信号を入力し、これを音声出力部230から出力することができる。
【0032】
図6は、車載機30の通信接続部210の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、通信接続部210は、ブルートゥース接続40による接続を可能にするBT接続部212と、USB接続50による接続を可能にするUSB接続部214と、ユーザが選択したメディアソースの選択情報を受け取り、当該選択情報に応じてBT接続部212またはUSB接続部214の接続を解除する接続解除部216とを有する。さらにBT接続部212は、HFP接続42による接続を可能にするHFP接続部212Aと、A2DPによるBTオーディオ接続44による接続を可能にするオーディオ接続部212Bとを有する。好ましい態様では、接続解除部216は、BT接続部212によりブルートゥース接続40が有効のとき、メディアソースの選択情報に基づきBTオーディオ接続44が使用されるか否かを判定し、使用されないと判定した場合には、オーディオ接続部212Bによる接続を解除する。さらに他の態様では、接続解除部216は、メディアソースの選択情報に基づきUSB接続50が使用されるか否かを判定し、使用されないと判定した場合には、USB接続部214によるUSB接続50を解除する。
【0033】
図7は、本実施例の車載機の通信接続部の動作を説明するフローである。この動作フローは、図3(A)に示すように情報端末20がブルートゥース接続40を優先するときの好ましい例である。情報端末20が車内に持ち込まれると、情報端末20と車載機30間で、ブルートゥースに対応する機器の検索が行われ、対応する機器間でレスポンスが得られると、両機器間の相互認識がなされ、ブルートゥース接続40またはペアリングがなされる(S101)。次に、ユーザは、USBケーブルにより情報端末20と車載機30とを接続する(S102)。USB接続は、一般にUSBプラグ・アンド・プレイにより認識されるが、ここでは、情報端末20は、USB接続50よりもブルートゥース接続40を優先させるため、情報端末20のUSB接続部114はUSB接続50が利用できないような状態にする(S103)。
【0034】
こうして、情報端末20と車載機30とは、ブルートゥース接続40が確立された状態にあり、例えば、情報端末20に着信があった場合には、着信信号は、情報端末20からHFP接続42を介して車載機30へ通知され、ハンズフリー通話を行うことが可能になる。仮に、情報端末20や車載機30において他のアプリケーションが実行されている場合には、着信通知が割り込み通知される。また、車載機30において、メディアソース選択画面290(図5)の中からBTオーディオ295がユーザ選択されていれば、車載機30は、情報端末20からのオーディオ信号をBTオーディオ接続44を介して受け取り、これを音声出力部230から出力することができる。
【0035】
こうした状況下において、車載機30の接続解除部216は、ユーザによるメディアソースの選択状態を監視する(S104)。接続解除部216は、選択情報に基づきユーザがBTオーディオ295以外を選択された場合には(S105)、BTオーディオ接続44が使用されないと判定し、BT接続部212のオーディオ接続部212BによりBTオーディオ接続44のみを解除させる(S106)。この解除は、例えば、オーディオ接続部212Bが、情報端末20からのインクワイアリ(inquiry)やリクエストに対するレスポンス(response)やアクノレッジ(Acknowledge)などに応答をしないように動作することによって行われる。情報端末20は、オーディオ接続部212Bからの応答を得ることができないと、車載機を認識をすることができないので、BTオーディオ接続44が接続されていないと判断する。その結果、BTオーディオ接続44とUSB接続50とが競合する関係になくなり、情報端末20は、USB接続50が有効となるようにプラグ・アンド・プレイによる認識を行う(S107)。こうして、情報端末20と車載機30とは、USB接続50により通信可能な状態におかれる。なお、BTオーディオ接続44のみが解除されたのであって、HFP接続42は有効に維持されている点にに留意すべきである。
【0036】
接続解除部216は、その後も、メディアソースの選択に関する選択情報を監視し、ユーザがBTオーディオ295を選択した場合には(S108)、オーディオ接続部212Bによる解除を撤回し、情報端末20がBTオーディオ接続44により車載機30との接続ができるようにする(S109)。BTオーディオ接続44が有効になると、情報端末20は、再び、USB接続50が利用できない状態におく。
【0037】
図8は、本実施例のメディアシステム10におけるメディア再生例を示すシーケンスである。情報端末20および車載機30の間にブルートゥース接続40が確立されると(S201)、情報端末20は、ブルートゥース接続40を優先し、USB接続50を使用不可能な状態にする(S202)。次に、ユーザは、情報端末20の音楽再生用のアプリケーションを起動し、所望の楽曲を再生すると(S203)、再生されたオーディオ信号が情報端末20のオーディオ接続部112BからBTオーディオ接続44を介して車載機30へ送信される。
【0038】
車載機30において、メディアソースはBTオーディオ295が選択されており(S204)、BTオーディオ接続44からのオーディオ信号は、オーディオ接続部212Bを介して音声出力部230へ提供され、音声が出力される(S205)。後に、ユーザが、BTオーディオ以外のソースを選択すると(S206)、車載機30の接続解除部216は、オーディオ接続部212BにBTオーディオ接続44を解除させ(S207)、これにより、情報端末20は、車載機30との間にUSB接続を確立する(S208)。ユーザは、車載機30の入力部200より情報端末20を遠隔操作するための指示を入力すると、これに応答して制御部250は、USB接続50を介してコマンド信号を情報端末20へ送信する。
【0039】
情報端末20の制御部150は、受け取ったコマンド信号を解読し、所望の音楽再生のアプリケーションを起動する(S209)。情報端末20から車載機30へ楽曲再生画面が転送され、ユーザは、車載機30において所望の楽曲を再生する指示を入力し、この指示が情報端末20へ送信される。これにより、所望の楽曲が再生され(S210)、再生されたオーディオ信号は、USB接続50を介して車載機30のUSB接続部214にて受信される。その後、受信された信号は、音声出力部230により音声出力される(S211)。
【0040】
このように、本実施例のメディアシステム10では、ユーザが選択するメディアソースに応じてBTオーディオ接続44を自動的に解除するようにしたので、ユーザは、BTオーディオ接続44を使用しないときに、煩雑な操作をすることなくUSB接続50を即座に利用することができる。さらに、BTオーディオ接続44と比べてUSB接続50によるデータ通信速度が速い場合には、サンプリングレートの高い、あるいはビットレートが高い比較的大きなサイズの高音質のオーディオ信号の送受を行うことができる。
【0041】
次に、本実施例の車載機の通信接続部の他の動作を図9のフローを参照して説明する。この動作フローは、図3(B)に示すように情報端末20がUSB接続50を優先するときの好ましい例である。情報端末20が車内に持ち込まれると、情報端末20と車載機30間でブルートゥース接続40がなされる(S301)。次いで、ユーザは、USBケーブルにより情報端末20と車載機30とを接続すると(S302)、USBプラグ・アンド・プレイにより両機器間の認識が行われる。ここで、情報端末20は、ブルートゥース接続40よりもUSB接続50を優先させるため、オーディオ接続部112Bは、BTオーディオ接続44が認識されないような利用できない状態にする(S303)。
【0042】
こうして、情報端末20と車載機30とは、USB接続50により接続された状態にあり、両機器間は、USB接続50を利用したデータ通信が可能になる。また、情報端末20に着信があった場合には、着信信号は、HFP接続42により車載機30へ通知され、ハンズフリー通話を行うことが可能になる。こうした状況下において、車載機30の接続解除部216は、ユーザによるメディアソースの選択状態を監視する(S304)。
【0043】
図10は、メディアソース選択画面の一例である。図5のメディアソース選択画面290との違いは、図10のメディアソース選択画面290AがBTオーディオ295の代わりにUSBソース296を含んでいる点である。接続解除部216は、選択情報に基づきユーザがUSBソース296以外を選択したか否かを監視し(S305)、USBソース以外が選択された場合には、USB接続50が使用されないと判定し、USB接続部214を介してUSB接続50を解除する(S306)。接続の解除は、例えば、情報端末20からのリクエスト等に応答しないようにすることで、情報端末20は、車載機30を認識をすることができないので、USB接続50が接続されていないと判断する。その結果、通信選択部116は、オーディオ接続部112BにBTオーディオ接続44が有効となるように動作させる(S307)。こうして、情報端末20と車載機30とは、BTオーディオ接続44により通信可能な状態におかれる。
【0044】
接続解除部216は、その後も、メディアソースの選択に関する選択情報を監視し、ユーザがUSBソース296を選択した場合には(S308)、USB接続部214によるUSB接続50の解除を撤回させ、すなわち情報端末20がUSB接続50により車載機30と通信ができるようにする(S309)。USB接続50が再接続されたことにより、BTオーディオ接続44が利用できない状態におかれる。このように、情報端末20がUSB接続50を優先する場合であっても、メディアソースの選択に応じてUSB接続50からBTオーディオ接続44に自動的に接続を切替ることができる。
【0045】
図11は、他のメディアソース選択画面の選択例である。図11のメディアソース選択画面290Bは、図5に示すBTオーディオ295と、図10に示すUSBソース296とを包含するものである。
【0046】
情報端末20が図3(A)に示すようにブルートゥース接続を優先する場合、車載機30の接続解除部216は、ユーザが特定のソースであるUSBソース296を選択すると、BTオーディオ接続44を解除する。ユーザが、それ以外のメディアソース291〜294を選択した場合は、接続解除部216は、BTオーディオ接続44を解除しない。また、情報端末20が図3(B)に示すようにUSB接続を優先する場合、車載機30の接続解除部216は、ユーザが特定のソースであるBTオーディオ295を選択すると、USB接続50を解除する。ユーザが、それ以外のメディアソース291〜294を選択した場合は、接続解除部216は、USB接続50を解除しない。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。上記実施例では、第1の通信方式による接続をブルートゥース接続、第2の通信方式による接続をUSB接続としたが、これは一例であって、本発明が適用し得る範囲で、第1および第2の通信方式は、他の通信手段であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
10:メディアシステム 20:情報端末
30:車載機 32:ハンズフリー通話セット
40:ブルートゥース接続 50:USB接続
110:通信接続部 112:BT接続部
112A:HFP接続部「 112B:オーディオ接続部
114:USB接続部 116:通信選択部
210:通信接続部 212:BT接続部
212A:HFP接続部「 212B:オーディオ接続部
214:USB接続部 216:通信選択部
290、290A、290B:メディアソース選択画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置および当該電子装置に情報端末を接続したメディアシステムに関し、特に、車両に搭載された電子装置にスマートフォンなどの情報端末を接続したメディアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、スマートフォンに代表されるように、多機能型の携帯電話機の利用が進んでいる。こうしたスマートフォンに搭載された機能を車両に搭載された電子装置(以下、車載機という)において利用することが望まれている。スマートフォンが車内に持ち込まれると、スマートフォンは、USBケーブル、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの通信手段を用いて車載機と接続され、車載機からスマートフォンを介してハンズフリー通話を行ったり、スマートフォンが保有するメディアデータやアプリケーションソフトを車載機において利用することが可能になっている。
【0003】
特許文献1は、ワイヤレスLANやブルートゥース(登録商標)などの複数の通信方式を備えたノート型PCを開示している。特許文献1では、ワイヤレスLANによる通信機能およびブルートゥースによる通信機能の動作状態をともにオン状態にした場合には、複数のアンテナの中からワイヤレスLANの通信に用いるアンテナを選択し、また、周囲の通信環境に関係なく、ワイヤレスLAN用のアンテナに用いられていないアンテナを優先度の低いブルートゥース用に割り当てることで、複数の通信方式に対応した共用アンテナの使用を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−186865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、スマートフォンや車載機は、複数の通信方式に対応しており、スマートフォンが車内に持ち込まれたとき、スマートフォンは、車載機と複数の通信方式によって接続可能である。このような場合に、特許文献1に示すように、一方の通信方式の接続を他方の通信方式よりも優先させるような通信制御が行われており、機器によっては、優先度の低い方の通信方式の利用を停止させてしまうものもある。例えば、スマートフォンと車載機とがブルートゥース通信とUSB通信により接続されている場合に、スマートフォンは、ブルートゥース通信を優先させ、USB通信が利用できないような環境設定にしてしまう。このため、ユーザは、ブルートゥース通信を利用していない場合であっても、USB通信を利用することができず、仮に、USB通信を利用しようとする場合には、車載機とスマートフォン間のブルートゥース接続を解除する操作をしなければならない。さらに、ブルートゥース通信によりハンズフリー通話を行っている場合には、ブルートゥース接続を解除した段階で、ハンズフリー通話を利用することができなくなってしまう。
【0006】
また、上記とは反対に、スマートフォンによっては、USB通信を優先させ、ブルートゥース通信を利用できないような環境設定にしてしまうものもあり、この場合にも、ユーザは、ブルートゥース通信を利用したい場合には、USB通信が非接続となるようにケーブルを外すなどの作業を強いられる。特に、運転中のユーザに煩雑な作業を強いることは望ましくない。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ユーザ負担を軽減した通信方式の切替を行うことができる電子装置および情報端末を用いたメディアシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子装置は、情報を処理する情報端末を接続可能なものであって、第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段と、メディアソースを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたメディアソースに基づき第1の接続手段による接続を解除する解除手段とを有する。
【0009】
好ましくは前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除手段は、前記オーディオ接続手段のみを解除する。好ましくは前記解除手段は、前記選択手段によって特定のメディアソースが選択されたとき、前記第1の接続手段による接続を解除する。好ましくは前記解除手段は、前記選択手段によって前記第1の接続手段に関連するメディアソース以外が選択されたとき、前記第1の接続手段による接続を解除する。好ましくは前記第2の接続手段は、情報端末を制御するコマンド信号を送信する。好ましくは前記第2の接続手段は、前記コマンド信号に基づき再生されたオーディオ信号を情報端末から受信する。好ましくは前記第1の接続手段は、無線による通信であり、前記第2の接続手段は、有線による通信である。好ましくは前記第2の接続手段の通信速度は、前記第1の接続手段の通信速度よりも速い。好ましくは前記第2の接続手段から受信されるオーディオ信号は、前記第1の接続手段から受信されるオーディオ信号よりも、サンプリングレートまたは伝送ビットが大きい。好ましくは前記第1の接続手段は、ブルートゥース接続であり、前記第2の接続手段は、USB接続である。
【0010】
本発明の電子システムは、上記特徴を備えた電子装置と、当該電子装置に接続された情報端末とを含むものであって、前記情報端末は、前記第1の接続手段による接続を、前記第2の接続手段による接続よりも優先する。また、前記情報端末は、前記第2の接続手段による接続を、前記第1の接続手段による接続よりも優先するものでもよい。好ましくは前記情報端末は、優先されない前記第1または第2の接続手段による通信が利用できない状態にする。好ましくは前記情報端末は、前記第2の接続手段を介して電子装置から受信されたコマンド信号に応答してオーディオ再生アプリケーションを実行し、かつ当該オーディオ再生アプリケーションにより再生されたオーディオ信号を前記第2の接続手段を介して電子装置へ送信する。
【0011】
本発明の電子装置は、情報を処理する情報端末を接続可能なものであって、第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段と、第1の接続手段による接続を解除する解除手段とを有し、前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除手段は、前記オーディオ接続手段のみを選択的に解除する。
【0012】
好ましくは前記解除手段は、前記オーディオ接続手段が未使用であるとき、前記オーディオ接続手段を解除する。好ましくは前記解除手段は、前記オーディオ接続手段に関連するメディアソース以外が選択されたことに応答して、前記オーディオ接続手段を解除する。
【0013】
本発明の通信制御プログラムは、情報を処理する情報端末を接続可能であり、第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段とを有する電子装置が実行するものプログラムであって、第1および第2の接続手段により電子装置を情報端末に接続するステップと、メディアソースを選択するステップと、前記選択されたメディアソースに基づき第1の接続手段による接続を解除するステップとを有する。好ましくは通信制御プログラムはさらに、前記選択されたメディアソースに基づき前記第1の接続手段が未使用か否かを判定するステップを含み、前記解除するステップは、未使用と判定されたとき、前記第1の接続手段を解除する。
【0014】
本発明の通信制御方法は、情報を処理する情報端末と、当該情報端末に接続された電子装置とを有する電子システムにおけるものであって、情報端末と電子装置との間で、第1の通信方式による第1の接続手段と第2の通信方式による第2の接続手段とによる接続が行われたとき、情報端末が第1の接続手段または第2の接続手段のいずれかの接続を優先させるステップと、電子装置においてメディアソースを選択するステップと、前記選択されたメディアソースに基づき、電子装置側において、情報端末により優先された前記第1または第2の接続手段の接続を解除するステップとを有する。好ましくは解除するステップは、優先された前記第1または第2の接続手段に関係するメディアソース以外のメディアソースが選択されたときに行われる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、選択されたメディアソースに応じて第1の接続手段の接続を解除するようにしたので、ユーザが使用するメディアソースに応じて、情報端末と電子装置との間の第1または第2の接続手段による接続が自動的に切替えられ、ユーザの負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例に係るメディアシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す情報端末の典型的な構成を示すブロック図である。
【図3】情報端末の通信制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す車載機の典型的な構成を示すブロック図である。
【図5】車載機におけるメディアソース選択画面の選択例である。
【図6】本実施例の車載機における通信接続部の構成を示すブロック図である。
【図7】本実施例の車載機における通信接続部の動作フローである。
【図8】本実施例のメディアシステムにおけるメディア再生の例を示す図である。
【図9】本実施例の車載機における通信接続部の他の動作フローである。
【図10】車載機におけるメディアソース選択画面の他の選択例である。
【図11】車載機におけるメディアソース選択画面の他の選択例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明の好ましい実施の形態は、車内に持ち込まれた情報端末が車載機に接続されたメディアシステムを例示する。情報端末は、情報を処理することができる、通信機能を備えた多機能型のポータブルな端末であり、例えば、携帯電話機、スマートフォン、パームトップ型パーソナルコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータなどであることができる。情報端末は、外部ネットワーク接続したり、音声通話をしたり、オーディオデータやビデオデータを記憶したり、搭載したアプリケーションにより種々の機能を実行することができる。
【0018】
一方、車載機は、車両に搭載された電子装置であって、オーディオ/ビデオ再生機能、テレビ/ラジオ放送受信機能、ナビゲーション機能などを含むことができる。情報端末と車載機とは、通信方式が異なる複数の通信手段によって接続することができ、相互に必要なデータの送受を行うことができる。通信手段は、無線通信または有線通信のいずれであってもよい。好ましい態様では、情報端末は、車載機との間で複数の通信手段が接続される場合には、予め決められた規則に従い、ある通信手段を他の通信手段により優先させる。車載機は、情報端末により非優先とされた通信手段が非優先とされないように優先された通信手段の解除を行う。
【0019】
好ましい態様では、車載機は、情報端末から出力されたオーディオ信号やビデオ信号を選択された通信手段を介して受け取り、これらをディスプレイやスピーカから出力することができる。また、車載機は、選択された通信手段を介して情報端末を遠隔操作し、情報端末からオーディオ信号やビデオ信号を受信することができる。さらに、車載機は、情報端末に着信があったとき、いわゆるハンズフリー通話を行うことができる。本発明に係る電子装置および情報端末とから構成されたメディアシステムでは、メディアソースの利用形態に応じた通信手段を自動的に選択することができる。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明の実施例に係るメディアシステムの構成を示す図である。同図において、メディアシステム10は、情報端末20と、情報端末20に接続された車載機30とを含んで構成される。ここでは、情報端末20は、通信機能を備えた多機能型のスマートフォンである。車載機30は、ナビゲーション機能やマルチメディア機能を備え、さらにハンズフリー通話セット32を備える。
【0021】
情報端末20は、第1の通信方式を用いた第1の接続手段40により車載機30と通信接続が可能であり、さらに第1の通信方式とは異なる第2の通信方式を用いた第2の接続手段50により車載機30と通信接続が可能である。第1の接続手段40は、ここでは近距離無線通信としてのブルートゥース(登録商標)接続である。以下、ブルートゥースを略してBTということがある。また、第2の接続手段50は、ここでは有線通信としてのUSB(Universal Serial Bus)接続である。
【0022】
第1の接続手段40、すなわちブルートゥース接続40は、2つの通信プロファイルを含む。1つのプロファイルは、ハンズフリー通話において音声データを同期型パケットで通信を制御するHFP(Hand Free Profile)接続42である。もう1つの通信プロファイルは、モノラルまたはステレオのオーディオ信号を高品質で非同期データ転送を制御するA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)を用いたBTオーディオ接続44である。情報端末20および車載機30は、ともに2つの通信プロファイル42、44を備えたブルートゥース接続40に対応する。従って、情報端末20が車内に持ち込まれたとき、情報端末20と車載機30とは、2つの通信プロファイル42、44を含むブルートゥース接続40によりペアリングされる。
【0023】
また、情報端末20および電子機器30は、第2の通信方式であるUSB接続50に対応するため、USBケーブルのコネクタを接続することができる。車載機30と情報端末20とがUSBケーブルにより相互に接続されると、USBプラグ・アンド・プレイにより相互に機器が認識される。また、USB接続50が有効であるとき、情報端末20は、車載機30からの電力供給を受けることができ、バッテリーの充電が可能となる。
【0024】
図2は、情報端末の典型的な構成を示すブロック図である。情報端末20は、ユーザからの入力を受け取る入力部100、第1および第2の接続手段40、50により車載機30との接続を可能にする通信接続部110、ディスプレイに種々の画像を表示する表示部120、音声を出力する音声出力部130、外部のネットワークとのデータ通信、および公衆無線回線網を介しての電話機との通話等を可能にする通信部140、制御部150、情報端末20が保有するアプリケーション、プログラム等を格納するプログラムメモリ160、オーディオデータ、ビデオデータ、地図データなどを記憶するデータメモリ170、各部を接続するバス180とを備えている。
【0025】
プログラムメモリ160には、種々のアプリケーションやプログラムが格納される。例えば、オーディオデータやビデオデータを再生するアプリケーション、ゲームを実行するアプリケーション、音声通話を行うためのプログラム、通信部140を介してインターネット上の情報をブラウズするためのプログラムなどが格納される。さらにプログラムメモリ160には、情報端末20と車載機30とがUSB接続50により接続されているとき、車載機30から送信されたコマンド信号を解読し、当該コマンド信号によりアプリケーションを実行する拡張プログラムが含まれる。拡張プログラムによって、例えば音楽再生用のアプリケーションが起動されると、当該アプリケーションにより再生されたオーディオ信号がUSB接続50を介して車載機30へ送信される。
【0026】
図3は、情報端末20の通信接続部110の内部構成を示すブロック図である。通信接続部110は、車載機30との間でブルートゥース接続40によるペアリングを行うBT接続部112と、車載機30との間でUSB接続50を可能にするUSB接続部114と、BT接続部112およびUSB接続部114の通信接続を選択的に切り替える通信選択部116とを備えている。BT接続部112はさらに、上記したように、HFP接続42を可能にするHFP接続部112Aと、A2DPによるBTオーディオ接続44を可能にするオーディオ接続部112Bとを含む。
【0027】
情報端末20の第1の接続態様では、図3(A)に示すように、通信選択部116は、情報端末20と車載機30との間でブルートゥース接続40のペアリングが行われた場合には、ブルートゥース接続40を優先するような選択をする。すなわち、USB接続50が利用できない状態にされる。利用できない状態とは、例えば、両機器が物理的にUSBケーブルにって接続された状態が維持されるが、USB接続部114は、車載機30からのリクエストに対して応答をせず、車載機30から情報端末20を認識することができないような状態である。
【0028】
一方、情報端末20の第2の接続態様では、図3(B)に示すように、通信選択部116は、ブルートゥース接続40よりもUSB接続部114によるUSB接続50を優先するような選択をする。すなわち、ブルートゥース接続40のBTオーディオ接続44が利用できない状態におかれる。利用できない状態とは、例えば、オーディオ接続部112Bは、車載機30からのリクエストに対して応答をせず、車載機30から情報端末20を認識することができないような状態である。通信選択部116は、通信接続部112の制御により、図3(A)または(B)に示すような優先的な通信選択を行う。
【0029】
図4は、電子装置30の典型的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、車載機30は、ユーザからの入力を受け取る入力部200、第1および第2の接続手段40、50により情報端末20との接続を可能にする通信接続部210、表示部220、音声を出力する音声出力部230、種々のメディアの再生等を実行するマルチメディア部240、制御部250、アプリケーション等を実行するためのプログラムを格納するプログラムメモリ260、オーディオデータ、ビデオデータ、地図データなどのデータを記憶するデータメモリ270、各部を接続するバス280とを備えている。
【0030】
マルチメディア部240は、CD、DVD、ブルーレイディスク、メモリ媒体、データメモリ270などに記録されたオーディオデータやビデオデータを再生する機能、テレビ放送やラジオ放送を受信する機能などを有する。プログラムメモリ260には、ナビゲーション機能を実行するアプリケーションやマルチメディア部240を制御するプログラムに加え、情報端末20との間の通信接続を制御するプログラムや、情報端末20がUSB接続50により接続されているときに情報端末20を遠隔操作するための遠隔操作プログラムなどが記憶される。なお、車載機30は、ナビゲーション動作に必要なGPS測位情報、車速情報、方位情報などを受け取ることができる。
【0031】
次に、マルチメディア部240によるメディアソースの選択について説明する。ユーザは、メニュー画面からの操作によって、所望のメディアソースを選択することができる。図5は、メディアソースの選択画面の選択例を示している。メディアソース選択画面290には、ユーザ選択可能なメディアソースが複数表されている。ディスク再生291を選択すると、CD、DVDまたはブルーレイディスクを再生するための画面に切り替わり、HDD再生292を選択すると、データメモリ270に記憶されたオーディオ/ビデオデータを再生するための画面に切り替わる。テレビ放送293またはラジオ放送294を選択すると、それらの受信動作するための操作画面に切り替わる。BTオーディオ295が選択されると、BTオーディオ接続44を介して情報端末20からオーディオ信号を入力し、これを音声出力部230から出力することができる。
【0032】
図6は、車載機30の通信接続部210の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、通信接続部210は、ブルートゥース接続40による接続を可能にするBT接続部212と、USB接続50による接続を可能にするUSB接続部214と、ユーザが選択したメディアソースの選択情報を受け取り、当該選択情報に応じてBT接続部212またはUSB接続部214の接続を解除する接続解除部216とを有する。さらにBT接続部212は、HFP接続42による接続を可能にするHFP接続部212Aと、A2DPによるBTオーディオ接続44による接続を可能にするオーディオ接続部212Bとを有する。好ましい態様では、接続解除部216は、BT接続部212によりブルートゥース接続40が有効のとき、メディアソースの選択情報に基づきBTオーディオ接続44が使用されるか否かを判定し、使用されないと判定した場合には、オーディオ接続部212Bによる接続を解除する。さらに他の態様では、接続解除部216は、メディアソースの選択情報に基づきUSB接続50が使用されるか否かを判定し、使用されないと判定した場合には、USB接続部214によるUSB接続50を解除する。
【0033】
図7は、本実施例の車載機の通信接続部の動作を説明するフローである。この動作フローは、図3(A)に示すように情報端末20がブルートゥース接続40を優先するときの好ましい例である。情報端末20が車内に持ち込まれると、情報端末20と車載機30間で、ブルートゥースに対応する機器の検索が行われ、対応する機器間でレスポンスが得られると、両機器間の相互認識がなされ、ブルートゥース接続40またはペアリングがなされる(S101)。次に、ユーザは、USBケーブルにより情報端末20と車載機30とを接続する(S102)。USB接続は、一般にUSBプラグ・アンド・プレイにより認識されるが、ここでは、情報端末20は、USB接続50よりもブルートゥース接続40を優先させるため、情報端末20のUSB接続部114はUSB接続50が利用できないような状態にする(S103)。
【0034】
こうして、情報端末20と車載機30とは、ブルートゥース接続40が確立された状態にあり、例えば、情報端末20に着信があった場合には、着信信号は、情報端末20からHFP接続42を介して車載機30へ通知され、ハンズフリー通話を行うことが可能になる。仮に、情報端末20や車載機30において他のアプリケーションが実行されている場合には、着信通知が割り込み通知される。また、車載機30において、メディアソース選択画面290(図5)の中からBTオーディオ295がユーザ選択されていれば、車載機30は、情報端末20からのオーディオ信号をBTオーディオ接続44を介して受け取り、これを音声出力部230から出力することができる。
【0035】
こうした状況下において、車載機30の接続解除部216は、ユーザによるメディアソースの選択状態を監視する(S104)。接続解除部216は、選択情報に基づきユーザがBTオーディオ295以外を選択された場合には(S105)、BTオーディオ接続44が使用されないと判定し、BT接続部212のオーディオ接続部212BによりBTオーディオ接続44のみを解除させる(S106)。この解除は、例えば、オーディオ接続部212Bが、情報端末20からのインクワイアリ(inquiry)やリクエストに対するレスポンス(response)やアクノレッジ(Acknowledge)などに応答をしないように動作することによって行われる。情報端末20は、オーディオ接続部212Bからの応答を得ることができないと、車載機を認識をすることができないので、BTオーディオ接続44が接続されていないと判断する。その結果、BTオーディオ接続44とUSB接続50とが競合する関係になくなり、情報端末20は、USB接続50が有効となるようにプラグ・アンド・プレイによる認識を行う(S107)。こうして、情報端末20と車載機30とは、USB接続50により通信可能な状態におかれる。なお、BTオーディオ接続44のみが解除されたのであって、HFP接続42は有効に維持されている点にに留意すべきである。
【0036】
接続解除部216は、その後も、メディアソースの選択に関する選択情報を監視し、ユーザがBTオーディオ295を選択した場合には(S108)、オーディオ接続部212Bによる解除を撤回し、情報端末20がBTオーディオ接続44により車載機30との接続ができるようにする(S109)。BTオーディオ接続44が有効になると、情報端末20は、再び、USB接続50が利用できない状態におく。
【0037】
図8は、本実施例のメディアシステム10におけるメディア再生例を示すシーケンスである。情報端末20および車載機30の間にブルートゥース接続40が確立されると(S201)、情報端末20は、ブルートゥース接続40を優先し、USB接続50を使用不可能な状態にする(S202)。次に、ユーザは、情報端末20の音楽再生用のアプリケーションを起動し、所望の楽曲を再生すると(S203)、再生されたオーディオ信号が情報端末20のオーディオ接続部112BからBTオーディオ接続44を介して車載機30へ送信される。
【0038】
車載機30において、メディアソースはBTオーディオ295が選択されており(S204)、BTオーディオ接続44からのオーディオ信号は、オーディオ接続部212Bを介して音声出力部230へ提供され、音声が出力される(S205)。後に、ユーザが、BTオーディオ以外のソースを選択すると(S206)、車載機30の接続解除部216は、オーディオ接続部212BにBTオーディオ接続44を解除させ(S207)、これにより、情報端末20は、車載機30との間にUSB接続を確立する(S208)。ユーザは、車載機30の入力部200より情報端末20を遠隔操作するための指示を入力すると、これに応答して制御部250は、USB接続50を介してコマンド信号を情報端末20へ送信する。
【0039】
情報端末20の制御部150は、受け取ったコマンド信号を解読し、所望の音楽再生のアプリケーションを起動する(S209)。情報端末20から車載機30へ楽曲再生画面が転送され、ユーザは、車載機30において所望の楽曲を再生する指示を入力し、この指示が情報端末20へ送信される。これにより、所望の楽曲が再生され(S210)、再生されたオーディオ信号は、USB接続50を介して車載機30のUSB接続部214にて受信される。その後、受信された信号は、音声出力部230により音声出力される(S211)。
【0040】
このように、本実施例のメディアシステム10では、ユーザが選択するメディアソースに応じてBTオーディオ接続44を自動的に解除するようにしたので、ユーザは、BTオーディオ接続44を使用しないときに、煩雑な操作をすることなくUSB接続50を即座に利用することができる。さらに、BTオーディオ接続44と比べてUSB接続50によるデータ通信速度が速い場合には、サンプリングレートの高い、あるいはビットレートが高い比較的大きなサイズの高音質のオーディオ信号の送受を行うことができる。
【0041】
次に、本実施例の車載機の通信接続部の他の動作を図9のフローを参照して説明する。この動作フローは、図3(B)に示すように情報端末20がUSB接続50を優先するときの好ましい例である。情報端末20が車内に持ち込まれると、情報端末20と車載機30間でブルートゥース接続40がなされる(S301)。次いで、ユーザは、USBケーブルにより情報端末20と車載機30とを接続すると(S302)、USBプラグ・アンド・プレイにより両機器間の認識が行われる。ここで、情報端末20は、ブルートゥース接続40よりもUSB接続50を優先させるため、オーディオ接続部112Bは、BTオーディオ接続44が認識されないような利用できない状態にする(S303)。
【0042】
こうして、情報端末20と車載機30とは、USB接続50により接続された状態にあり、両機器間は、USB接続50を利用したデータ通信が可能になる。また、情報端末20に着信があった場合には、着信信号は、HFP接続42により車載機30へ通知され、ハンズフリー通話を行うことが可能になる。こうした状況下において、車載機30の接続解除部216は、ユーザによるメディアソースの選択状態を監視する(S304)。
【0043】
図10は、メディアソース選択画面の一例である。図5のメディアソース選択画面290との違いは、図10のメディアソース選択画面290AがBTオーディオ295の代わりにUSBソース296を含んでいる点である。接続解除部216は、選択情報に基づきユーザがUSBソース296以外を選択したか否かを監視し(S305)、USBソース以外が選択された場合には、USB接続50が使用されないと判定し、USB接続部214を介してUSB接続50を解除する(S306)。接続の解除は、例えば、情報端末20からのリクエスト等に応答しないようにすることで、情報端末20は、車載機30を認識をすることができないので、USB接続50が接続されていないと判断する。その結果、通信選択部116は、オーディオ接続部112BにBTオーディオ接続44が有効となるように動作させる(S307)。こうして、情報端末20と車載機30とは、BTオーディオ接続44により通信可能な状態におかれる。
【0044】
接続解除部216は、その後も、メディアソースの選択に関する選択情報を監視し、ユーザがUSBソース296を選択した場合には(S308)、USB接続部214によるUSB接続50の解除を撤回させ、すなわち情報端末20がUSB接続50により車載機30と通信ができるようにする(S309)。USB接続50が再接続されたことにより、BTオーディオ接続44が利用できない状態におかれる。このように、情報端末20がUSB接続50を優先する場合であっても、メディアソースの選択に応じてUSB接続50からBTオーディオ接続44に自動的に接続を切替ることができる。
【0045】
図11は、他のメディアソース選択画面の選択例である。図11のメディアソース選択画面290Bは、図5に示すBTオーディオ295と、図10に示すUSBソース296とを包含するものである。
【0046】
情報端末20が図3(A)に示すようにブルートゥース接続を優先する場合、車載機30の接続解除部216は、ユーザが特定のソースであるUSBソース296を選択すると、BTオーディオ接続44を解除する。ユーザが、それ以外のメディアソース291〜294を選択した場合は、接続解除部216は、BTオーディオ接続44を解除しない。また、情報端末20が図3(B)に示すようにUSB接続を優先する場合、車載機30の接続解除部216は、ユーザが特定のソースであるBTオーディオ295を選択すると、USB接続50を解除する。ユーザが、それ以外のメディアソース291〜294を選択した場合は、接続解除部216は、USB接続50を解除しない。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。上記実施例では、第1の通信方式による接続をブルートゥース接続、第2の通信方式による接続をUSB接続としたが、これは一例であって、本発明が適用し得る範囲で、第1および第2の通信方式は、他の通信手段であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
10:メディアシステム 20:情報端末
30:車載機 32:ハンズフリー通話セット
40:ブルートゥース接続 50:USB接続
110:通信接続部 112:BT接続部
112A:HFP接続部「 112B:オーディオ接続部
114:USB接続部 116:通信選択部
210:通信接続部 212:BT接続部
212A:HFP接続部「 212B:オーディオ接続部
214:USB接続部 216:通信選択部
290、290A、290B:メディアソース選択画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を処理する情報端末を接続可能な電子装置であって、
第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、
第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段と、
メディアソースを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたメディアソースに基づき第1の接続手段による接続を解除する解除手段と、
を有する電子装置。
【請求項2】
前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除手段は、前記オーディオ接続手段のみを解除する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記解除手段は、前記選択手段によって特定のメディアソースが選択されたとき、前記第1の接続手段による接続を解除する、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記解除手段は、前記選択手段によって前記第1の接続手段に関連するメディアソース以外が選択されたとき、前記第1の接続手段による接続を解除する、請求項1または2つ記載の電子装置。
【請求項5】
前記第2の接続手段は、情報端末を制御するコマンド信号を送信する、請求項1ないし4いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項6】
前記第2の接続手段は、前記コマンド信号に基づき再生されたオーディオ信号を情報端末から受信する、請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第1の接続手段は、無線による通信であり、前記第2の接続手段は、有線による通信である、請求項1ないし6いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項8】
前記第2の接続手段の通信速度は、前記第1の接続手段の通信速度よりも速い、請求項1ないし7いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項9】
前記第2の接続手段から受信されるオーディオ信号は、前記第1の接続手段から受信されるオーディオ信号よりも、サンプリングレートまたは伝送ビットが大きい、請求項1ないし8いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項10】
前記第1の接続手段は、ブルートゥース接続であり、前記第2の接続手段は、USB接続である、請求項1ないし9いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項11】
請求項1ないし10いずれか1つに記載の電子装置と、当該電子装置に接続された情報端末とを含む電子システムであって、
前記情報端末は、前記第1の接続手段による接続を、前記第2の接続手段による接続よりも優先する、電子システム。
【請求項12】
請求項1ないし10いずれか1つに記載の電子装置と、当該電子装置に接続された情報端末とを含む電子システムであって、
前記情報端末は、前記第2の接続手段による接続を、前記第1の接続手段による接続よりも優先する、電子システム。
【請求項13】
前記情報端末は、優先されない前記第1または第2の接続手段による通信が利用できない状態にする、請求項11または12に記載の電子システム。
【請求項14】
前記情報端末は、前記第2の接続手段を介して電子装置から受信されたコマンド信号に応答してオーディオ再生アプリケーションを実行し、かつ当該オーディオ再生アプリケーションにより再生されたオーディオ信号を前記第2の接続手段を介して電子装置へ送信する、請求項11ないし13いずれか1つに記載の電子システム。
【請求項15】
情報を処理する情報端末を接続可能な電子装置であって、
第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、
第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段と、
第1の接続手段による接続を解除する解除手段とを有し、
前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、
前記解除手段は、前記オーディオ接続手段のみを選択的に解除する、電子装置。
【請求項16】
前記解除手段は、前記オーディオ接続手段が未使用であるとき、前記オーディオ接続手段を解除する、請求項15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記解除手段は、前記オーディオ接続手段に関連するメディアソース以外が選択されたことに応答して、前記オーディオ接続手段を解除する、請求項15に記載の電子装置。
【請求項18】
情報を処理する情報端末を接続可能であり、第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段とを有する電子装置が実行する通信制御プログラムであって、
第1および第2の接続手段により電子装置を情報端末に接続するステップと、
メディアソースを選択するステップと、
前記選択されたメディアソースに基づき第1の接続手段による接続を解除するステップと、
を有する通信制御プログラム。
【請求項19】
通信制御プログラムはさらに、前記選択されたメディアソースに基づき前記第1の接続手段が未使用か否かを判定するステップを含み、前記解除するステップは、未使用と判定されたとき、前記第1の接続手段を解除する、請求項18に記載の通信制御プログラム。
【請求項20】
前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除するステップは、前記オーディオ接続手段のみを解除する、請求項18または19に記載の通信制御プログラム。
【請求項21】
前記第1の接続手段は、ブルートゥース接続であり、前記第2の接続手段は、USB接続である、請求項18ないし20いずれか1つに記載の通信制御プログラム。
【請求項22】
情報を処理する情報端末と、当該情報端末に接続された電子装置とを有する電子システムにおける通信制御方法であって、
情報端末と電子装置との間で、第1の通信方式による第1の接続手段と第2の通信方式による第2の接続手段とによる接続が行われたとき、情報端末が第1の接続手段または第2の接続手段のいずれかの接続を優先させるステップと、
電子装置においてメディアソースを選択するステップと、
前記選択されたメディアソースに基づき、電子装置側において、情報端末により優先された前記第1または第2の接続手段の接続を解除するステップと、
を有する通信制御方法。
【請求項23】
解除するステップは、優先された前記第1または第2の接続手段に関係するメディアソース以外のメディアソースが選択されたときに行われる、請求項22に記載の通信制御方法。
【請求項24】
前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除するステップは、前記オーディオ接続手段のみを解除する、請求項22または23に記載の通信制御方法。
【請求項1】
情報を処理する情報端末を接続可能な電子装置であって、
第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、
第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段と、
メディアソースを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたメディアソースに基づき第1の接続手段による接続を解除する解除手段と、
を有する電子装置。
【請求項2】
前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除手段は、前記オーディオ接続手段のみを解除する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記解除手段は、前記選択手段によって特定のメディアソースが選択されたとき、前記第1の接続手段による接続を解除する、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記解除手段は、前記選択手段によって前記第1の接続手段に関連するメディアソース以外が選択されたとき、前記第1の接続手段による接続を解除する、請求項1または2つ記載の電子装置。
【請求項5】
前記第2の接続手段は、情報端末を制御するコマンド信号を送信する、請求項1ないし4いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項6】
前記第2の接続手段は、前記コマンド信号に基づき再生されたオーディオ信号を情報端末から受信する、請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第1の接続手段は、無線による通信であり、前記第2の接続手段は、有線による通信である、請求項1ないし6いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項8】
前記第2の接続手段の通信速度は、前記第1の接続手段の通信速度よりも速い、請求項1ないし7いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項9】
前記第2の接続手段から受信されるオーディオ信号は、前記第1の接続手段から受信されるオーディオ信号よりも、サンプリングレートまたは伝送ビットが大きい、請求項1ないし8いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項10】
前記第1の接続手段は、ブルートゥース接続であり、前記第2の接続手段は、USB接続である、請求項1ないし9いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項11】
請求項1ないし10いずれか1つに記載の電子装置と、当該電子装置に接続された情報端末とを含む電子システムであって、
前記情報端末は、前記第1の接続手段による接続を、前記第2の接続手段による接続よりも優先する、電子システム。
【請求項12】
請求項1ないし10いずれか1つに記載の電子装置と、当該電子装置に接続された情報端末とを含む電子システムであって、
前記情報端末は、前記第2の接続手段による接続を、前記第1の接続手段による接続よりも優先する、電子システム。
【請求項13】
前記情報端末は、優先されない前記第1または第2の接続手段による通信が利用できない状態にする、請求項11または12に記載の電子システム。
【請求項14】
前記情報端末は、前記第2の接続手段を介して電子装置から受信されたコマンド信号に応答してオーディオ再生アプリケーションを実行し、かつ当該オーディオ再生アプリケーションにより再生されたオーディオ信号を前記第2の接続手段を介して電子装置へ送信する、請求項11ないし13いずれか1つに記載の電子システム。
【請求項15】
情報を処理する情報端末を接続可能な電子装置であって、
第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、
第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段と、
第1の接続手段による接続を解除する解除手段とを有し、
前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、
前記解除手段は、前記オーディオ接続手段のみを選択的に解除する、電子装置。
【請求項16】
前記解除手段は、前記オーディオ接続手段が未使用であるとき、前記オーディオ接続手段を解除する、請求項15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記解除手段は、前記オーディオ接続手段に関連するメディアソース以外が選択されたことに応答して、前記オーディオ接続手段を解除する、請求項15に記載の電子装置。
【請求項18】
情報を処理する情報端末を接続可能であり、第1の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第1の接続手段と、第1の通信方式と異なる第2の通信方式を用いて情報端末との接続を可能にする第2の接続手段とを有する電子装置が実行する通信制御プログラムであって、
第1および第2の接続手段により電子装置を情報端末に接続するステップと、
メディアソースを選択するステップと、
前記選択されたメディアソースに基づき第1の接続手段による接続を解除するステップと、
を有する通信制御プログラム。
【請求項19】
通信制御プログラムはさらに、前記選択されたメディアソースに基づき前記第1の接続手段が未使用か否かを判定するステップを含み、前記解除するステップは、未使用と判定されたとき、前記第1の接続手段を解除する、請求項18に記載の通信制御プログラム。
【請求項20】
前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除するステップは、前記オーディオ接続手段のみを解除する、請求項18または19に記載の通信制御プログラム。
【請求項21】
前記第1の接続手段は、ブルートゥース接続であり、前記第2の接続手段は、USB接続である、請求項18ないし20いずれか1つに記載の通信制御プログラム。
【請求項22】
情報を処理する情報端末と、当該情報端末に接続された電子装置とを有する電子システムにおける通信制御方法であって、
情報端末と電子装置との間で、第1の通信方式による第1の接続手段と第2の通信方式による第2の接続手段とによる接続が行われたとき、情報端末が第1の接続手段または第2の接続手段のいずれかの接続を優先させるステップと、
電子装置においてメディアソースを選択するステップと、
前記選択されたメディアソースに基づき、電子装置側において、情報端末により優先された前記第1または第2の接続手段の接続を解除するステップと、
を有する通信制御方法。
【請求項23】
解除するステップは、優先された前記第1または第2の接続手段に関係するメディアソース以外のメディアソースが選択されたときに行われる、請求項22に記載の通信制御方法。
【請求項24】
前記第1の接続手段は、第1のプロファイルに従いオーディオ信号の通信を制御するオーディオ接続手段と、第2のプロファイルに従い前記情報端末を利用した音声通話の通信を制御する音声通話接続手段とを含み、前記解除するステップは、前記オーディオ接続手段のみを解除する、請求項22または23に記載の通信制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−77968(P2013−77968A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216456(P2011−216456)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
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