説明

電子装置及び揮発性メモリの待機電圧制御方法

【課題】揮発性メモリを搭載する電子装置であって、揮発性メモリの待機時のリーク電力を削減することができるようにした電子装置を提供する。
【解決手段】揮発性メモリ1が待機時から通常動作時に復帰したときは、誤り検出/訂正部8は、揮発性メモリ1を対象として誤りを検出し、誤り検出結果を全体制御部9に送り、全体制御部9は誤り検出結果を保存する。揮発性メモリ1が通常動作時から待機時に移行したときは、全体制御部9は、保存する誤り検出結果から前回待機時に誤りが発生したか否かを判断し、電源電圧供給部4を制御し、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生したときは、揮発性メモリ1に前回待機時よりも所定電圧値だけ高い待機電圧VDD3を供給させ、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかったときは、揮発性メモリ1に前回待機時よりも所定電圧値だけ低い待機電圧VDD3を供給させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源を切ると記憶内容が失われる半導体メモリである揮発性メモリを搭載する電子装置、及び、揮発性メモリの待機時の電源電圧(以下、「待機電圧」と言う。)の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯ゲーム機やノート・パソコン等の電池駆動機器においては、電池の持続時間を長くするために、消費電力を削減することが要求されている。そこで、例えば、これらの電池駆動機器がSRAM(static random access memory)を搭載する場合には、SRAMの待機時のリーク電流による消費電力(以下、「リーク電力」と言う。)を削減することが要求される。
【0003】
ここで、SRAMの待機時のリーク電力を削減する方法として、例えば、SRAMに供給する待機電圧を下げるという方法がある。しかしながら、待機電圧を下げ過ぎると、記憶データの破壊(誤り)が発生する(以下、記憶データを保持することができる限界の待機電圧を「限界待機電圧」と言う。)。そこで、SRAMを搭載する従来の電池駆動機器においては、SRAMに対して、待機電圧として、限界待機電圧にマージン電圧を加えた電圧を与えていた。
【0004】
ところで、近年、SRAMにおいては、微細化によって製造バラツキが増大し、チップの1つ1つ、また、チップ内のメモリビット(メモリセル)の1ビット、1ビットの特性の違いが大きくなってきている。即ち、1ビットごとに限界待機電圧が異なり、その違いが大きくなってきている。
【0005】
このため、SRAMを待機状態から通常動作状態に正常に復帰させるためには、限界待機電圧が最も高いメモリビット(最悪ビット)に全てのメモリビットの待機電圧を合わせる必要がある。しかしながら、近年のSRAMの大容量化に伴い、メモリビット数が増大することで、最悪ビットの限界待機電圧が高くなる確率が上昇し、このため、待機電圧を高くしなければならず、リーク電力が増加してきた。
【0006】
また、一般に、SRAMの待機電圧は、多くのチップの中で、一定の確率で出現する最悪チップの限界待機電圧から決められている。その結果、多くのチップにおいては、この決められた待機電圧よりも低い電圧でも正常に動作するにも関わらず、高い待機電圧が供給されることにより無駄に電力が消費されていた。
【0007】
また、近年、半導体デバイスにおいては、長期的に特性が劣化するNBTI(negative bias temperature instability)と言われる現象が問題となっている。例えば、10年で数%の性能劣化が起こると言われている。SRAMにおいても、NBTIにより、その限界待機電圧は徐々に上昇することになるが、その上昇の程度はSRAMの使用状態に依存する。
【0008】
そこで、NBTIに対処するため、一般に、SRAMの待機電圧は、設計時に、最悪の使用状態のチップが10年後まで正常に動作するように決められている。このため、最悪の使用状態のチップであるといえども、10年後に必要とする高い限界待機電圧を10年間も使用し続けることで、10年間は無駄な待機時電力を消費することになる。
【0009】
更に、最悪の使用状態にないチップにおいては、10年後においても、最悪の使用状態にあるチップが必要とする待機電圧以下の待機電圧でも正常に動作するにも関わらず、最悪の使用状態にあるチップと同一電圧値の待機電圧を供給されることになるので、無駄な待機時電力を消費することになる。
【特許文献1】特開2006−195560号公報
【特許文献2】特開平9−160833号公報
【特許文献3】特開平7−45096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる点に鑑み、揮発性メモリを搭載している電子装置であって、揮発性メモリの待機時のリーク電力を削減することができるようにした電子装置、及び、揮発性メモリの待機時のリーク電力を削減することができるようにした揮発性メモリの待機電圧制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ここで開示する電子装置は、揮発性メモリと、前記揮発性メモリが待機時に移行したときは、前回待機時における誤り発生状態を判断して前記揮発性メモリに供給する待機電圧の調整を指示する待機電圧調整指示部と、前記待機電圧調整指示部からの指示に従った待機電圧を前記揮発性メモリに供給する電源電圧供給部とを有するというものである。
【0012】
ここで開示する揮発性メモリの待機電圧制御方法は、揮発性メモリが待機時に移行したときは、前回待機時における誤り発生状態を判断して前記揮発性メモリに供給する待機電圧の調整を指示する待機電圧調整指示工程と、前記待機電圧調整指示工程による指示に従った待機電圧を前記揮発性メモリに供給する電源電圧供給工程とを含むものである。
【発明の効果】
【0013】
開示した電子装置によれば、前記揮発性メモリが待機時に移行したときは、前回待機時における誤り発生状態を判断して前記揮発性メモリに供給する待機電圧の調整を指示する待機電圧調整指示部と、前記待機電圧調整指示部からの指示に従った待機電圧を前記揮発性メモリに供給する電源電圧供給部とを有するので、前記揮発性メモリにおける誤りビットの有無や誤りビット数の多少などの誤り発生状態により、前記揮発性メモリに供給する待機電圧を調整することができる。したがって、前記揮発性メモリの待機時のリーク電力を削減することができる。
【0014】
また、開示した揮発性メモリの待機電圧制御方法によれば、揮発性メモリが待機時に移行したときは、前回待機時における誤り発生状態を判断して前記揮発性メモリに供給する待機電圧の調整を指示する待機電圧調整指示工程と、前記待機電圧調整指示工程による指示に従った待機電圧を前記揮発性メモリに供給する電源電圧供給工程とを含むので、前記揮発性メモリにおける誤りビットの有無や誤りビット数の多少などの誤り発生状態により、前記揮発性メモリに供給する待機電圧を調整することができる。したがって、前記揮発性メモリの待機時のリーク電力を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(本発明の電子装置の第1実施形態)
図1は本発明の電子装置の第1実施形態の一部分を示すブロック回路図である。図1中、1は揮発性メモリ、2は外部電源電圧入力端子、3は電池、4は電源電圧供給部、5は待機電圧値保持部、6は温度センサ、7はタイマ、8は誤り検出/訂正部、9は全体制御部、10はアドレス・データ・バスである。
【0016】
揮発性メモリ1は、待機電圧制御対象であり、例えば、SRAMである。外部電源電圧入力端子2は、外部電源装置(図示せず)が出力する電源電圧VDD1を入力するためのものである。電池3は、交換可能に搭載されたものであり、電源電圧VDD2を出力するものである。
【0017】
電源電圧供給部4は、揮発性メモリ1に電源電圧を供給するものであり、全体制御部9に制御されて、揮発性メモリ1が通常動作時のときは、電源電圧VDD1又はVDD2を供給し、揮発性メモリ1が待機時のときは、待機電圧VDD3を供給するものである。なお、待機電圧VDD3は、電源電圧VDD1、VDD2よりも低い電圧である。
【0018】
待機電圧値保持部5は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に供給する待機電圧VDD3の電圧値を更新的に保持させるものであり、電源電圧供給部4内の後述する電源電圧制御部によりライト/リードが可能とされたものである。温度センサ6は、揮発性メモリ1の環境温度を測定し、その情報を電源電圧供給部4内の後述する電源電圧制御部に与えるものである。タイマ7は、時刻情報を電源電圧供給部4内の後述する電源電圧制御部に与えるものである。
【0019】
誤り検出/訂正部8は、全体制御部9に制御されて、待機時に揮発性メモリ1に発生した誤りを検出して訂正を行うものである。全体制御部9は、本発明の電子装置の第1実施形態の全体を制御するものであり、電源電圧供給部4に対しては、待機電圧供給開始命令、待機電圧上昇命令、待機電圧降下命令、待機電圧不変更命令、待機電圧供給終了命令を発行して電源電圧調整指示部として機能し、誤り検出/訂正部8に対しては、作動命令を発行する。アドレス・データ・バス10は、アドレス信号及びデータの伝送に使用されるものである。
【0020】
電源電圧供給部4は、待機電圧生成部11と、電源電圧選択部12と、電源電圧制御部13とを備えている。待機電圧生成部11は、電源電圧制御部13に制御されて待機電圧VDD3を生成するものであり、外部電源電圧入力端子2から電源電圧VDD1を入力している場合には、電源電圧VDD1を降圧して待機電圧VDD3を生成し、外部から電源電圧VDD1を入力していない場合には、電池3から供給される電源電圧VDD2を降圧して待機電圧VDD3を生成する。
【0021】
電源電圧選択部12は、電源電圧制御部13に制御されて、外部から供給される電源電圧VDD1、電池3から供給されるVDD2及び待機電圧生成部11から供給される待機電圧VDD3の中から、揮発性メモリ1に供給する電源電圧を選択するものである。電源電圧制御部13は、全体制御部9に制御されて、待機電圧生成部11及び電源電圧選択部12を制御するものである。
【0022】
ここで、電源電圧制御部13は、揮発性メモリ1が通常動作時において、待機電圧生成部11に外部から電源電圧VDD1が供給されている場合には、電源電圧選択部12が電源電圧VDD1を選択するように電源電圧選択部12を制御し、待機電圧生成部11に外部から電源電圧VDD1が供給されていない場合には、電源電圧選択部12が電源電圧VDD2を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0023】
また、電源電圧制御部13は、全体制御部9から待機電圧供給開始命令が与えられたときは、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御し、その後、全体制御部9から待機電圧供給終了命令が与えられた場合において、外部から電源電圧VDD1が供給されている場合には、電源電圧選択部12が電源電圧VDD1を選択するように電源電圧選択部12を制御し、外部から電源電圧VDD1が供給されていない場合には、電源電圧選択部12が電源電圧VDD2を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0024】
また、電源電圧制御部13は、全体制御部9から待機電圧供給開始命令とともに待機電圧上昇命令が与えられると、待機電圧VDD3が予め決められている所定電圧値だけ高くなるように待機電圧生成部11を制御し、全体制御部9から待機電圧供給開始命令とともに待機電圧降下命令が与えられると、待機電圧VDD3が予め決められている所定電圧値だけ低くなるように待機電圧生成部11を制御する。なお、電源電圧制御部13は、揮発性メモリ1が通常動作時から1回目の待機時に移行する場合には、予め決められている電圧値の待機電圧VDD3を待機電圧生成部11から出力させるように待機電圧生成部11を制御する。
【0025】
このように構成された本発明の電子装置の第1実施形態によれば、以下に述べる本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第7実施形態を実施することができ、これらのいずれかを実施することにより、揮発性メモリ1の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第1実施形態を電池駆動とする場合には、電池3の持続時間を長くすることができる。
【0026】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態)
図2は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態は、本発明の電子装置の第1実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第1例であり、本発明の電子装置の第1実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が通常動作時から1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、電源電圧生成部11を制御し、予め決められている電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御し、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図2に示す待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0027】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態においては、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行すると(ステップS201)、揮発性メモリ1に対する待機電圧制御動作が開始し、全体制御部9は、揮発性メモリ1が前回待機時から通常動作時に復帰した際に誤り検出/訂正部8から与えられた誤り検出結果から、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生したか否かを判断する(ステップS202)。
【0028】
ここで、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生していた場合(ステップS202でYESの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS203)。
【0029】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0030】
これに対して、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合(ステップS202でNOの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS204)。
【0031】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0032】
このようにして、揮発性メモリ1は、電源電圧供給部4から待機電圧VDD3が与えられると、待機電圧VDD3の下での待機状態に入る(ステップS205)。その後、揮発性メモリ1が待機時から通常動作時に復帰すると(ステップS206)、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に電源電圧VDD1又はVDD2を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS207)。具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に待機電圧供給終了命令を発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、外部から電源電圧VDD1が供給されている場合には、電源電圧選択部12が電源電圧VDD1を選択し、外部から電源電圧VDD1が供給されていない場合には、電源電圧選択部12が電源電圧VDD2を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0033】
次に、全体制御部9は、誤り検出/訂正部8に作動命令を発行する。誤り検出/訂正部8は、これを受けて、揮発性メモリ1の全記憶ビットを対象として誤り検出を行い、誤りがある場合には、誤りを訂正し、また、誤り検出結果として誤りの有無を全体制御部9に与え、全体制御部9は、この誤り検出結果を保存する(ステップS208)。以下、ステップS201〜S208が繰り返される。
【0034】
以上のように、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態においては、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生した場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給し、また、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するとしている。
【0035】
したがって、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態によれば、待機電圧VDD3を使用環境が最悪のチップに合わせる必要がなく、また、NBTIによる経年変化を考慮して、待機電圧VDD3を、例えば、10年後の限界待機電圧まで上げる必要もなく、待機電圧VDD3の電圧値の調整を微調整とすることで(ステップS203、S204での所定電圧値を微小電圧値とすることで)、待機電圧VDD3を誤りが発生しないぎりぎりの限界待機電圧まで低くすることができ、これにより、揮発性メモリ1の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第1実施形態を電池駆動とする場合には、電池3の持続時間を長くすることができる。
【0036】
図3は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態の有効性を説明するための図であり、電源電圧VDD1、VDD2と、ワーストチップの最悪環境での限界待機電圧VAの最大値VAmaxと、限界待機電圧VAと、待機電圧VDD3が一度で誤り訂正を行うことができるメモリビット数以上のメモリビットに誤りが発生してしまう場合の電圧(以下、「限界訂正電圧」と言う。)VBとの関係を示しており、(A)は限界待機電圧VAと限界訂正電圧VBとの電圧差が大きい場合、(B)は限界待機電圧VAと限界訂正電圧VBとの電圧差が小さい場合を示している。
【0037】
限界待機電圧VAや限界訂正電圧VBは、同一チップであっても、温度やノイズや設定値の誤差によって変動するが、図3(A)に示すように、限界待機電圧VAと限界訂正電圧VBとの電圧差が十分に大きい場合には、限界待機電圧VAが最小値VAminから最大値VAmaxの範囲で変動しても、どの瞬間でも、限界待機電圧VA>限界訂正電圧VBであり、正常動作を継続することができる。
【0038】
これに対して、図3(B)に示すように、限界待機電圧VAと限界訂正電圧VBとの電圧差が小さい場合には、限界待機電圧VAの最小値VAmin<限界訂正電圧VBの最大値VBmaxとなる場合がある。この場合、前回待機時において、待機電圧VDD3が限界待機電圧VAの最小値VAminと同一電圧値であったときは、記憶データが破壊されないので、今回待機時には、待機電圧VDD3を前回待機時の場合と同一電圧値にしても、温度変化がなければ、正常動作を継続することができる。
【0039】
しかしながら、前回待機時とは環境温度が変わり、限界待機電圧VAが上がり、また、限界訂正電圧VBが最大値VBmaxに近くなると、待機電圧VDD3が前回待機時の場合と同一電圧値である場合には、待機電圧VDD3<限界待機電圧VAの最小値VAmin、かつ、待機電圧VDD3<限界訂正電圧VBの最小値VBminとなり、誤り訂正を行うことができるメモリビット数以上のメモリビットに記憶内容の破壊が発生し、正常動作を継続することができなくなる。
【0040】
従来から一般的な誤り訂正手法では、限界待機電圧VAと限界訂正電圧VBとの電圧差が小さく、誤り訂正に限界があった。限界待機電圧VAと限界訂正電圧VBとの電圧差を大きくするのに最も適した手法は、強力な誤り訂正能力を持つ手法を用いることであるが、そのような誤り訂正手法は、従来はソフトウェアで実現されており、消費電力が大きく、かつ、処理速度が遅いものが多かった。
【0041】
ところで、近年、待機時の電力削減の必要性の高い電池駆動機器の多くが無線通信機能を持ち始めた。無線通信では、データ伝送中に多くのデータ欠落が発生することが避けられないため、強力な誤り訂正能力が必要となる。また、電池駆動機器では、誤り検出/訂正を消費電力の少ないハードウェアで実現することが多くなった。
【0042】
このような強力な誤り訂正能力を有するハードウェアを使用することが可能となったため、限界待機電圧VAの最小値VAminと限界訂正電圧VBの最大値VBmaxとの電圧差を従来の誤り訂正手法の数倍以上に大きくすることができるようになった。図3で言えば、従来においては、待機電圧VDD3をワーストチップの最悪環境での限界待機電圧VAの最大値VAmaxまでしか下げることができなかったが、前述の強力な誤り訂正能力を有するハードウェアを使用することで、限界訂正電圧VBの最大値VBmaxまで下げることができるようになった。
【0043】
このような状況下にあることから、誤り検出/訂正部8として強力な誤り検出/訂正能力を有するハードウェアを使用することで、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態を有効に使用することができる。以下に述べる本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態〜第16実施形態においても同様である。
【0044】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態)
図4は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態は、本発明の電子装置の第1実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第2例であり、本発明の電子装置の第1実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が通常動作時から1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、電源電圧生成部11を制御し、予め決められている電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御し、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図4に示す待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0045】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態においては、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行すると(ステップS401)、揮発性メモリ1に対する待機電圧制御動作が開始し、全体制御部9は、揮発性メモリ1が前回待機時から通常動作時に復帰した際に誤り検出/訂正部8から与えられた誤り検出結果から、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生したか否かを判断する(ステップS402)。
【0046】
ここで、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生していた場合(ステップS402でYESの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS403)。
【0047】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0048】
これに対して、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合(ステップS402でNOの場合)には、全体制御部9は、連続して誤りが不発生であった待機回数、即ち、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かを判断し(ステップS404)、連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合(ステップS404でYESの場合)には、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS405)。これにより、待機電圧VDD3の電圧値を下げても良い場合を慎重に選択することができる。
【0049】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0050】
また、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かを判断した場合において、連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合(ステップS404でNOの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS406)。
【0051】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧不変更命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0052】
このようにして、揮発性メモリ1は、電源電圧供給部4から待機電圧VDD3が与えられると、待機電圧VDD3の下での待機状態に入る(ステップS407)。その後、揮発性メモリ1が待機時から通常動作時に復帰すると(ステップS408)、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に電源電圧VDD1又はVDD2を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS409)。具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部11に待機電圧供給終了命令を発行する。電源電圧制御部11は、これを受けて、外部から電源電圧VDD1が供給されているときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD1を選択し、外部から電源電圧VDD1が供給されていないときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD2を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0053】
次に、全体制御部9は、誤り検出/訂正部8に作動命令を発行する。誤り検出/訂正部8は、これを受けて、揮発性メモリ1の全記憶ビットを対象として誤り検出を行い、誤りがある場合には、誤りを訂正し、また、誤り検出結果として誤りの有無を全体制御部9に与え、全体制御部9は、誤り検出結果を保存する(ステップS410)。以下、ステップS401〜S410が繰り返される。
【0054】
以上のように、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態においては、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生した場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給し、また、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合において、連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給し、連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、揮発性メモリ1に前回待機時と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するとしている。
【0055】
したがって、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態によれば、待機電圧VDD3を使用環境が最悪のチップに合わせる必要がなく、また、NBTIによる経年変化を考慮して、待機電圧VDD3を、例えば、10年後の限界待機電圧まで上げる必要もなく、待機電圧VDD3の電圧値の調整を微調整とすることで(ステップS403、S405での所定電圧値を微小電圧値とすることで)、待機電圧VDD3を誤りが発生しないぎりぎりの限界待機電圧まで低くすることができ、これにより、揮発性メモリ1の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第1実施形態を電池駆動とする場合には、電池3の持続時間を長くすることができる。
【0056】
また、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合において、連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給し、連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するとしているので、待機電圧VDD3の電圧値を下げる場合に、これを慎重に行うことができる。
【0057】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態)
図5は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態は、本発明の電子装置の第1実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第3例であり、本発明の電子装置の第1実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が通常動作時から1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、電源電圧生成部11を制御し、予め決められている電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御し、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図5に示す待機電圧制御方法を実行するというものであるが、待機時に誤りを起こし易い記憶ビットを事前に1つ調べ出し、この記憶ビットを特定記憶ビットとし、誤り検出/訂正部8に特定記憶ビットを対象として誤り検出/訂正を実行させるという特徴を有するものである。
【0058】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態においては、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行すると(ステップS501)、揮発性メモリ1に対する待機電圧制御動作が開始し、全体制御部9は、揮発性メモリ1が前回待機時から通常動作時に復帰した際に誤り検出/訂正部8から与えられた誤り検出結果から、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生したか否かを判断する(ステップS502)。
【0059】
ここで、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生していた場合(ステップS502でYESの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS503)。
【0060】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0061】
これに対して、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合(ステップS502でNOの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS504)。
【0062】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0063】
このようにして、揮発性メモリ1は、電源電圧供給部4から待機電圧VDD3が与えられると、待機電圧VDD3の下での待機状態に入る(ステップS505)。その後、揮発性メモリ1が待機時から通常動作時に復帰すると(ステップS506)、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に電源電圧VDD1又はVDD2を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS507)。具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に待機電圧供給終了命令を発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、外部から電源電圧VDD1が供給されているときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD1を選択し、外部から電源電圧VDD1が供給されていないときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD2を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0064】
次に、全体制御部9は、誤り検出/訂正部8に作動命令を発行する。誤り検出/訂正部8は、これを受けて、揮発性メモリ1の特定記憶ビットを対象として誤り検出を行い、誤りがある場合には、誤りを訂正し、また、誤り検出結果として誤りの有無を全体制御部9に与え、全体制御部9は、誤り検出結果を保存する(ステップS508)。以下、ステップS501〜S508が繰り返される。
【0065】
以上のように、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態においては、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生した場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給し、また、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するとしている。
【0066】
したがって、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態によれば、待機電圧VDD3を使用環境が最悪のチップに合わせる必要がなく、また、NBTIによる経年変化を考慮して、待機電圧VDD3を、例えば、10年後の限界待機電圧まで上げる必要もなく、待機電圧VDD3の電圧値の調整を微調整とすることで(ステップS503、S504での所定電圧値を微小電圧値とすることで)、待機電圧VDD3を誤りが発生しないぎりぎりの限界待機電圧まで低くすることができ、これにより、揮発性メモリ1の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第1実施形態を電池駆動とする場合には、電池3の持続時間を長くすることができる。
【0067】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態においては、誤り検出/訂正部8は、揮発性メモリ1の記憶ビット中の特定記憶ビットのみを対象として誤り検出/訂正を行えば足りるので、誤り検出/訂正の処理に要する電力を削減することができる。
【0068】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態)
図6は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態は、本発明の電子装置の第1実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第4例であり、本発明の電子装置の第1実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が通常動作時から1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、電源電圧生成部11を制御し、予め決められている電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御し、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図6に示す待機電圧制御方法を実行するというものであるが、待機時に誤りを起こし易い記憶ビットを事前に1つ調べておき、この記憶ビットを特定記憶ビットとし、誤り検出/訂正部8に特定記憶ビットを対象として誤り検出/訂正をさせるという特徴を有するものである。
【0069】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態においては、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行すると(ステップS601)、揮発性メモリ1に対する待機電圧制御動作が開始し、全体制御部9は、揮発性メモリ1が前回待機時から通常動作時に復帰した際に誤り検出/訂正部8から与えられた誤り検出結果から、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生したか否かを判断する(ステップS602)。
【0070】
ここで、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生していた場合(ステップS602でYESの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS603)。
【0071】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0072】
これに対して、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合(ステップS602でNOの場合)には、全体制御部9は、連続して誤りが不発生であった待機回数、即ち、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かを判断し(ステップS604)、連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合(ステップS604でYESの場合)には、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS605)。
【0073】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0074】
また、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かを判断した場合において、連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合(ステップS604でNOの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS606)。
【0075】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧不変更命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0076】
このようにして、揮発性メモリ1は、電源電圧供給部4から待機電圧VDD3が与えられると、待機電圧VDD3の下での待機状態に入る(ステップS607)。その後、揮発性メモリ1が待機時から通常動作時に復帰すると(ステップS608)、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に電源電圧VDD1又はVDD2を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS609)。具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に待機電圧供給終了命令を発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、外部から電源電圧VDD1が供給されているときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD1を選択し、外部から電源電圧VDD1が供給されていないときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD2を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0077】
次に、全体制御部9は、誤り検出/訂正部8に作動命令を発行する。誤り検出/訂正部8は、これを受けて、揮発性メモリ1の特定記憶ビットを対象として誤り検出を行い、誤りがある場合には、誤りを訂正し、また、誤り検出結果として誤りの有無を全体制御部9に与え、全体制御部9は、誤り検出結果を保存する(ステップS610)。以下、ステップS601〜S610が繰り返される。
【0078】
以上のように、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態においては、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生した場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給し、また、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合において、連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給し、連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、揮発性メモリ1に前回待機時と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するとしている。
【0079】
したがって、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態によれば、待機電圧VDD3を使用環境が最悪のチップに合わせる必要がなく、また、NBTIによる経年変化を考慮して、待機電圧VDD3を、例えば、10年後の限界待機電圧まで上げる必要もなく、待機電圧VDD3の電圧値の調整を微調整とすることで(ステップS603、S605での所定電圧値を微小電圧値とすることで)、待機電圧VDD3を誤りが発生しないぎりぎりの限界待機電圧まで低くすることができ、これにより、揮発性メモリ1の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第1実施形態を電池駆動とする場合には、電池3の持続時間を長くすることができる。
【0080】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態においては、誤り検出/訂正部8は、揮発性メモリ1の記憶ビット中の特定記憶ビットのみを対象として誤り検出と訂正を行えば足りるので、誤り検出と訂正に要する電力を削減することができる。
【0081】
また、前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合において、連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給し、連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するとしているので、待機電圧VDD3の電圧値を下げる場合に、これを慎重に行うことができる。
【0082】
なお、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態及び第4実施形態においては、待機時に誤りを起こし易い記憶ビットを事前に1つ調べ出し、この記憶ビットを特定記憶ビットとしているが、この代わりに、誤りを起こし易い複数の記憶ビットを事前に調べ出し、これら複数の記憶ビットを特定記憶ビットとし、これら複数の特定記憶ビットのいずれかが前回待機時に誤りを起こした場合に、待機電圧VDD3の調整を行うようにしても良い。また、特定記憶ビットが、待機時に記憶データを論理0から論理1にする誤りを起こし易いか、論理1から論理0にする誤りを起こし易いかを事前に調べておき、待機時に記憶データが誤りを起こし易い論理値の場合にのみ、特定記憶ビットの誤りと訂正を行うようにしても良い。
【0083】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態)
図7は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態は、本発明の電子装置の第1実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第5例であり、本発明の電子装置の第1実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が通常動作時から1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、電源電圧生成部11を制御し、予め決められている電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御し、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図7に示す待機電圧制御方法を実行するというものであるが、誤り検出/訂正部8に全記憶ビットを対象として誤り発生の有無と誤り発生数とを検出させ、誤り発生数が所定数未満の場合には、待機電圧VDD3を前回待機時の場合と同一電圧にするという特徴を有するものである。
【0084】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態においては、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行すると(ステップS701)、揮発性メモリ1に対する待機電圧制御動作が開始し、全体制御部9は、揮発性メモリ1が前回待機時から通常動作時に復帰した際に誤り検出/訂正部8から与えられた誤り検出結果から、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生したか否かを判断する(ステップS702)。
【0085】
ここで、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生していた場合(ステップS702でYESの場合)には、全体制御部9は、誤り発生数が所定数以上であるか否かを判断する(ステップS703)。誤り発生数が所定数以上の場合(ステップS703でYESの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS704)。
【0086】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0087】
これに対して、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生していた場合(ステップS702でYESの場合)において、誤り発生数が所定数未満の場合(ステップS703でNOの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS705)。
【0088】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧不変更命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時と同一電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0089】
これに対して、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合(ステップS702でNOの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS706)。
【0090】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0091】
このようにして、揮発性メモリ1は、電源電圧供給部4から待機電圧VDD3が与えられると、待機電圧VDD3の下での待機状態に入る(ステップS707)。その後、揮発性メモリ1が待機時から通常動作時に復帰すると(ステップS708)、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に電源電圧VDD1又はVDD2を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS709)。具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に待機電圧供給終了命令を発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、外部から電源電圧VDD1が供給されているときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD1を選択し、外部から電源電圧VDD1が供給されていないときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD2を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0092】
次に、全体制御部9は、誤り検出/訂正部8に作動命令を発行する。誤り検出/訂正部8は、これを受けて、揮発性メモリ1の全記憶ビットを対象として誤り検出を行い、誤りがある場合には、誤りを訂正し、また、誤り検出結果として誤りの有無を全体制御部9に与え、全体制御部9は、誤り検出結果を保存する(ステップS710)。以下、ステップS701〜S710が繰り返される。
【0093】
以上のように、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態においては、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生した場合において、誤り発生数が所定数以上の場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給し、誤り発生数が所定数未満の場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給し、また、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するとしている。
【0094】
したがって、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態によれば、待機電圧VDD3を使用環境が最悪のチップに合わせる必要がなく、また、NBTIによる経年変化を考慮して、待機電圧VDD3を、例えば、10年後の限界待機電圧まで上げる必要もなく、待機電圧VDD3の電圧値の調整を微調整とすることで(ステップS704、S706での所定電圧値を微小電圧値とすることで)、待機電圧VDD3を誤りが発生しないぎりぎりの限界待機電圧まで低くすることができ、これにより、揮発性メモリ1の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第1実施形態を電池駆動とする場合には、電池3の持続時間を長くすることができる。
【0095】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態)
図8は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態は、本発明の電子装置の第1実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第6例であり、本発明の電子装置の第1実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が通常動作時から1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、電源電圧生成部11を制御し、予め決められている電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御し、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図8に示す待機電圧制御方法を実行するというものであるが、誤り検出/訂正部8に全記憶ビットを対象として誤り発生の有無と誤り発生数とを検出させ、誤り発生数が所定数以下の場合には、待機電圧VDD3を前回待機時の場合と同一電圧値とするという特徴を有するものである。
【0096】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態においては、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行すると(ステップS801)、揮発性メモリ1に対する待機電圧制御動作が開始し、全体制御部9は、揮発性メモリ1が前回待機時から通常動作時に復帰した際に誤り検出/訂正部8から与えられた誤り検出結果から、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生したか否かを判断する(ステップS802)。
【0097】
ここで、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生していた場合(ステップS802でYESの場合)には、全体制御部9は、誤り発生数が所定数以上であるか否かを判断する(ステップS803)。誤り発生数が所定数以上の場合(ステップS803でYESの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS804)。
【0098】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0099】
これに対して、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合(ステップS802でYESの場合)において、誤り発生数が所定数未満の場合(ステップS803でNOの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS805)。
【0100】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧不変更命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0101】
これに対して、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合(ステップS802でNOの場合)には、全体制御部9は、連続して誤りが不発生であった待機回数、即ち、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かを判断し(ステップS806)、連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合(ステップS806でYESの場合)には、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS807)。
【0102】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0103】
また、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かを判断した場合において、連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合(ステップS806でNOの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS805)。
【0104】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧不変更命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0105】
このようにして、揮発性メモリ1は、電源電圧供給部4から待機電圧VDD3が与えられると、待機電圧VDD3の下での待機状態に入る(ステップS808)。その後、揮発性メモリ1が待機時から通常動作時に復帰すると(ステップS809)、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に電源電圧VDD1又はVDD2を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS810)。具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に待機電圧供給終了命令を発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、外部から電源電圧VDD1が供給されているときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD1を選択し、外部から電源電圧VDD1が供給されていないときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD2を選択するように電源電圧選択部12を制御する。
【0106】
次に、全体制御部9は、誤り検出/訂正部8に作動命令を発行する。誤り検出/訂正部8は、これを受けて、揮発性メモリ1の全記憶ビットを対象として誤り検出を行い、誤りがある場合には、誤りを訂正し、また、誤り検出結果として誤りの有無を全体制御部9に与え、全体制御部9は、誤り検出結果を保存する(ステップS811)。以下、ステップS801〜S811が繰り返される。
【0107】
以上のように、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態においては、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生した場合において、誤り発生数が所定数以上の場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給し、誤り発生数が所定数未満の場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給し、また、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかった場合において、連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給し、連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合と同一電圧値の待機電圧VDD3を供給するとしている。
【0108】
したがって、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態によれば、待機電圧VDD3を使用環境が最悪のチップに合わせる必要がなく、また、NBTIによる経年変化を考慮して、待機電圧VDD3を、例えば、10年後の限界待機電圧まで上げる必要もなく、待機電圧VDD3の電圧値の調整を微調整とすることで(ステップS804、S807での所定電圧値を微小電圧値とすることで)、待機電圧VDD3を誤りが発生しないぎりぎりの限界待機電圧まで低くすることができ、これにより、揮発性メモリ1の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第1実施形態を電池駆動とする場合には、電池3の持続時間を長くすることができる。
【0109】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態)
図9は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態を説明するための図であり、本発明の電子装置の第1実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第7例である。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態においては、図9に示すように、揮発性メモリ1のメモリ領域を複数のメモリブロック15−1〜15−nに区分し、メモリブロック15−1〜15−nのそれぞれの所定記憶ビットを誤り検出済マーク書き込みビット16−1〜16−nとする。但し、メモリブロック15−2、15−n間のメモリブロック15−3〜15−(n−1)及びメモリブロック15−3〜15−(n−1)の誤り検出済マーク書き込みビット16−3〜16−(n−1)は、図示を省略している。
【0110】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態は、待機状態から復帰する際に全ての誤り検出済マークを消去し、その後、揮発性メモリ1にアクセスするときは、アクセスするビットが含まれるメモリブロックの誤り検出済マークが消去されている場合のみ、そのメモリブロックを誤り検出/訂正の対象とし、誤り検出済マークを書き込むというものである。
【0111】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態は、本発明の電子装置の第1実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が通常動作時から1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、電源電圧生成部11を制御し、予め決められている電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御し、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図10に示す待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0112】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態においては、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行すると(ステップS1001)、揮発性メモリ1に対する待機電圧制御動作が開始し、全体制御部9は、揮発性メモリ1が前回待機時から通常動作時に復帰した際に誤り検出/訂正部8から与えられた誤り検出結果から、前回待機時に揮発性メモリ1中の誤り検出済マークが書き込まれているメモリブロックに誤りが発生したか否かを判断する(ステップS1002)。
【0113】
ここで、前回待機時に揮発性メモリ1中の誤り検出済マークが書き込まれているメモリブロックに誤りが発生していた場合(ステップS1002でYESの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS1003)。
【0114】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0115】
これに対して、前回待機時に揮発性メモリ1中の誤り検出済マークが書き込まれているメモリブロックに誤りが発生しなかった場合(ステップS1002でNOの場合)には、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するように電源電圧供給部4を制御する(ステップS1004)。
【0116】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に対して、待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、待機電圧生成部11を制御し、前回待機時の待機電圧VDD3よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12が待機電圧VDD3を選択するように電源電圧選択部12を制御する。また、電源電圧制御部13は、今回待機時に揮発性メモリ1に供給される待機電圧VDD3の電圧値を待機電圧値保持部5に更新的に書き込む。
【0117】
このようにして、揮発性メモリ1は、電源電圧供給部4から待機電圧VDD3が与えられると、待機電圧VDD3の下での待機状態に入る(ステップS1005)。その後、揮発性メモリ1が待機時から通常動作時に復帰すると(ステップS1006)、全体制御部9は、電源電圧供給部4が揮発性メモリ1に電源電圧VDD1又はVDD2を供給するように電源電圧供給部4を制御し、その後、全ての誤り検出済マークを消去する(ステップS1007)。
【0118】
具体的には、全体制御部9は、電源電圧制御部13に待機電圧供給終了命令を発行する。電源電圧制御部13は、これを受けて、外部から電源電圧VDD1が供給されているときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD1を選択し、外部から電源電圧VDD1が供給されていないときは、電源電圧選択部12が電源電圧VDD2を選択するように電源電圧選択部12を制御する。そして、全体制御部9は、全ての誤り検出済マークの消去を行う。
【0119】
次に、全体制御部9は、誤り検出/訂正部8に作動命令を発行する。誤り検出/訂正部8は、これを受けて、アクセスするビットが含まれるメモリブロックの誤り検出済マークが消去されている場合のみ、そのメモリブロックを対象として誤り検出を行い、誤りがある場合には、誤りを訂正し、また、誤り検出結果として誤りの有無を全体制御部9に与え、全体制御部9は、誤り検出結果を保存すると共に、誤り検出を実行したメモリブロックの誤り検出済マーク書き込みビットに誤り検出済マークを書き込む(ステップS1008)。以下、ステップS1001〜S1008が繰り返される。
【0120】
以上のように、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態においては、前回待機時に揮発性メモリ1の誤り検出済マークが書き込まれているメモリブロックに誤りが発生した場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ高くした待機電圧VDD3を供給し、また、前回待機時に揮発性メモリ1の誤り検出済マークが書き込まれているメモリブロックに誤りが発生しなかった場合には、揮発性メモリ1に前回待機時の場合よりも所定電圧値だけ低くした待機電圧VDD3を供給するとしている。
【0121】
したがって、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態によれば、待機電圧VDD3を使用環境が最悪のチップに合わせる必要がなく、また、NBTIによる経年変化を考慮して、待機電圧VDD3を、例えば、10年後の限界待機電圧まで上げる必要もなく、待機電圧VDD3の電圧値の調整を微調整とすることで(ステップS1003、S1004での所定電圧値を微小電圧値とすることで)、待機電圧VDD3を誤りが発生しないぎりぎりの限界待機電圧まで低くすることができ、これにより、揮発性メモリ1の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第1実施形態を電池駆動とする場合には、電池3の持続時間を長くすることができる。
【0122】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態においては、繰り返して待機状態に入っても、通常動作時にアクセスのないメモリブロックについては誤り検出/訂正を行わず、通常動作時に実際にアクセスのあったメモリブロックのみを対象として誤り検出/訂正を行えば足りるので、誤り検出/訂正の処理に要する電力を削減することができる。
【0123】
なお、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態、第4実施形態、第6実施形態においては、連続誤り不発生待機回数が所定回数となった場合に、待機電圧VDD3を低くするようにした場合について説明したが、この代わりに、1回の待機時の待機時間又は連続した誤り不発生待機時の合計待機時間が所定時間以上の場合に、待機電圧VDD3を低くするようにしても良い。また、同一電圧値を保存した待機回数が所定回数となった場合、前回待機時の保存値と異なる値を保存した待機時の待機時間が所定時間以上となった場合、又は、同一電圧値を保存した場合の連続した誤り不発生待機時の合計待機時間が所定時間以上の場合に、待機電圧VDD3を低くするようにしても良い。
【0124】
(本発明の電子装置の第2実施形態)
図11は本発明の電子装置の第2実施形態の一部分を示すブロック回路図である。本発明の電子装置の第2実施形態は、本発明の電子装置の第1実施形態が備える電源電圧供給部4と構成の異なる電源電圧供給部18を設け、その他については、本発明の電子装置の第1実施形態と同様に構成したものである。電源電圧供給部18は、温度−電圧テーブル19を設け、その他については、電源電圧供給部4と同様に構成したものである。
【0125】
図12は温度−電圧テーブル19の概念図である。温度−電圧テーブル19は、揮発性メモリ1の環境温度と限界待機電圧VAとの関係を示すものであり、書き換え可能な不揮発性メモリからなり、電源電圧制御部13により書き換え可能とされたものである。温度−電圧テーブル19の初期値は、出荷時にチップ毎に調べて決定される。
【0126】
本発明の電子装置の第2実施形態においては、電源電圧制御部13は、電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が1回目の待機時に移行する場合には、温度−電圧テーブル19を参照し、温度センサ6から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3を待機電圧生成部11から出力させるように待機電圧生成部11を制御する。
【0127】
このように構成された本発明の電子装置の第2実施形態によれば、以下に述べる本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第8実施形態〜第16実施形態を実施することができ、これらのいずれかを実施することにより、揮発性メモリ1の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第2実施形態を電池駆動とする場合には、電池3の持続時間を長くすることができる。
【0128】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第8実施形態)
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第8実施形態は、本発明の電子装置の第2実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第1例であり、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、温度−電圧テーブル19を参照し、待機電圧生成部11を制御して、温度センサ6から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御して、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、本発明の揮発性メモリの第1実施形態〜第7実施形態のいずれかを実行するというものである。
【0129】
したがって、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第8実施形態によれば、本発明の第1実施形態〜第7実施形態と同様の効果を得ることができると共に、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後の揮発性メモリ1の1回目の待機時に、限界待機電圧に近い待機電圧VDD3を供給することができる。
【0130】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第9実施形態)
図13は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第9実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第9実施形態は、本発明の電子装置の第2実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第2例であり、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、温度−電圧テーブル19を参照し、待機電圧生成部11を制御して、温度センサ6から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御して、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図13に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0131】
図13に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法は、図2に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態の一部分にステップS1301、S1302を追加し、その他については、図2に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態の一部分と同様の内容を有するものである。
【0132】
ステップS1301は、ステップS202で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生していたと判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行した場合(ステップS202でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1301は、ステップS203の後に実行するようにしても良い。
【0133】
ステップS1302は、ステップS202で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかったと判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行した場合(ステップS202でNOの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1302は、ステップS204の後に実行するようにしても良い。
【0134】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第9実施形態によれば、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態と同様の効果を得ることができると共に、ステップS1301、S1302を設け、温度−電圧テーブル19を書き換えるようにしているので、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後の揮発性メモリ1の1回目の待機時に、揮発性メモリ1に限界待機電圧に近い待機電圧VDD3を供給することができる。
【0135】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第10実施形態)
図14は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第10実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第10実施形態は、本発明の電子装置の第2実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第3例であり、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、温度−電圧テーブル19を参照し、待機電圧生成部11を制御して、温度センサ6から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御して、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図14に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0136】
図14に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法は、図4に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態の一部分にステップS1401、S1402を追加し、その他については、図4に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態の一部分と同様の内容を有するものである。
【0137】
ステップS1401は、ステップS402で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生していたと判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行した場合(ステップS402でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1401は、ステップS403の後に実行するようにしても良い。
【0138】
ステップS1402は、全体制御部9が、ステップS402で、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかったと判断し、かつ、ステップS404で、連続誤り不発生待機回数が所定回数であると判断して、電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行した場合(ステップS404でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1402は、ステップS405の後に実行するようにしても良い。
【0139】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第10実施形態によれば、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態と同様の効果を得ることができると共に、ステップS1401、S1402を設け、温度−電圧テーブル19を書き換えるようにしているので、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後の揮発性メモリ1の1回目の待機時に、揮発性メモリ1に限界待機電圧に近い待機電圧VDD3を供給することができる。
【0140】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第11実施形態)
図15は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第11実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第11実施形態は、本発明の電子装置の第2実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第3例であり、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、温度−電圧テーブル19を参照し、待機電圧生成部11を制御して、温度センサ6から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御して、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図15に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0141】
図15に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法は、図5に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態の一部分にステップS1501、S1502を追加し、その他については、図5に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態の一部分と同様の内容を有するものである。
【0142】
ステップS1501は、ステップS502で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生していたと判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行した場合(ステップS502でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1501は、ステップS503の後に実行するようにしても良い。
【0143】
ステップS1502は、ステップS502で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生しなかったと判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行した場合(ステップS502でNOの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1502は、ステップS504の後に実行するようにしても良い。
【0144】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第11実施形態によれば、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態と同様の効果を得ることができると共に、ステップS1501、S1502を設け、温度−電圧テーブル19を書き換えるようにしているので、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後の揮発性メモリ1の1回目の待機時に、揮発性メモリ1に限界待機電圧に近い待機電圧VDD3を供給することができる。
【0145】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第12実施形態)
図16は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第12実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第12実施形態は、本発明の電子装置の第2実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第4例であり、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、温度−電圧テーブル19を参照し、待機電圧生成部11を制御して、温度センサ6から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御して、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図16に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0146】
図16に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法は、図6に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態の一部分にステップS1601、S1602を追加し、その他については、図6に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態の一部分と同様の内容を有するものである。
【0147】
ステップS1601は、ステップS602で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生していたと判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行した場合(ステップS602でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1601は、ステップS603の後に実行するようにしても良い。
【0148】
ステップS1602は、全体制御部9が、ステップS602で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1の特定記憶ビットに誤りが発生しなかったと判断し、かつ、ステップS604で、連続誤り不発生待機回数が所定回数であると判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行した場合(ステップS604でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1602は、ステップS605の後に実行するようにしても良い。
【0149】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第12実施形態によれば、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態と同様の効果を得ることができると共に、ステップS1601、S1602を設け、温度−電圧テーブル19を書き換えるようにしているので、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後の揮発性メモリ1の1回目の待機時に、揮発性メモリ1に限界待機電圧に近い待機電圧VDD3を供給することができる。
【0150】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第13実施形態)
図17は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第13実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第13実施形態は、本発明の電子装置の第2実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第5例であり、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、温度−電圧テーブル19を参照し、待機電圧生成部11を制御して、温度センサ6から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御して、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図17に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0151】
図17に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法は、図7に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態の一部分にステップS1701、S1702を追加し、その他については、図7に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態の一部分と同様の内容を有するものである。
【0152】
ステップS1701は、ステップS703で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1に発生していた誤り発生数が所定数以上と判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行した場合(ステップS703でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1701は、ステップS704の後に実行するようにしても良い。
【0153】
ステップS1702は、ステップS702で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかったと判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令とを発行した場合(ステップS702でNOの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1702は、ステップS706の後に実行するようにしても良い。
【0154】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第13実施形態によれば、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態と同様の効果を得ることができると共に、ステップS1701、S1702を設け、温度−電圧テーブル19を書き換えるようにしているので、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後の揮発性メモリ1の1回目の待機時に、揮発性メモリ1に限界待機電圧に近い待機電圧VDD3を供給することができる。
【0155】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第14実施形態)
図18は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第14実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第14実施形態は、本発明の電子装置の第2実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第6例であり、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、温度−電圧テーブル19を参照し、待機電圧生成部11を制御して、温度センサ6から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御して、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図18に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0156】
図18に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法は、図8に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態の一部分にステップS1801、ステップS1802を追加し、その他については、図8に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態の一部分と同様の内容を有するものである。
【0157】
ステップS1801は、ステップS803で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1に発生していた誤り発生数が所定数以上と判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行した場合(ステップS803でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1801は、ステップS804の後に実行するようにしても良い。
【0158】
ステップS1802は、全体制御部9が、ステップS802で、前回待機時に揮発性メモリ1に誤りが発生しなかったと判断し、かつ、連続誤り不発生待機回数が所定回数であると判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令を発行した場合(ステップS806でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1802は、ステップS807の後に実行するようにしても良い。
【0159】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第14実施形態によれば、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態と同様の効果を得ることができると共に、ステップS1801、S1802を設け、温度−電圧テーブル19を書き換えるようにしているので、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後の揮発性メモリ1の1回目の待機時に、揮発性メモリ1に限界待機電圧に近い待機電圧VDD3を供給することができる。
【0160】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第15実施形態)
図19は本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第15実施形態の一部分を示すフローチャートである。本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第15実施形態は、本発明の電子装置の第2実施形態で実施可能な揮発性メモリ1の待機電圧制御方法の第7例であり、本発明の電子装置の第2実施形態の電源電圧投入後又はリセット後、揮発性メモリ1が1回目の待機時に移行する場合には、電源電圧制御部13は、温度−電圧テーブル19を参照し、待機電圧生成部11を制御して、温度センサ6から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3を出力させると共に、電源電圧選択部12を制御して、待機電圧生成部11が出力する待機電圧VDD3を揮発性メモリ1に供給させ、その後、揮発性メモリ1が通常動作時から2回目以降の待機時に移行する場合には、図19に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法を実行するというものである。
【0161】
図19に示す揮発性メモリ1の待機電圧制御方法は、図10に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態の一部分にステップS1901、S1902を追加し、その他については、図10に示す本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態の一部分と同様の内容を有するものである。
【0162】
ステップS1901は、ステップS1002で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1中の誤り検出済マークが書き込まれているメモリブロックに誤りが発生していたと判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧上昇命令とを発行した場合(ステップS1002でYESの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1901は、ステップS1003の後に実行するようにしても良い。
【0163】
ステップS1902は、ステップS1002で、全体制御部9が前回待機時に揮発性メモリ1中の誤り検出済マークが書き込まれているメモリブロックに誤りが発生しなかったと判断して電源電圧制御部13に待機電圧供給開始命令と待機電圧降下命令を発行した場合(ステップS1002でNOの場合)に、電源電圧制御部13が、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させる待機電圧VDD3の電圧値に書き換えるという工程である。このステップS1902は、ステップS1004の後に実行するようにしても良い。
【0164】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第15実施形態によれば、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態と同様の効果を得ることができると共に、ステップS1901、S1902を設け、温度−電圧テーブル19を書き換えるようにしているので、本発明の電子装置の第2実施形態の電源投入後又はリセット後の揮発性メモリ1の1回目の待機時に、揮発性メモリ1に限界待機電圧に近い待機電圧VDD3を供給することができる。
【0165】
(本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第16実施形態)
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第16実施形態は、揮発性メモリ1の待機中に環境温度の変化があった場合、電源電圧制御部13は、温度−電圧テーブル19を参照し、待機電圧生成部11を制御して、温度−電圧テーブル19中の、その時の環境温度に対応する待機電圧VDD3の電圧値を、待機電圧生成部11に生成させ、これを揮発性メモリ1に供給し、その他については、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第8実施形態〜第15実施形態のいずれかを実施するというものである。
【0166】
本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第16実施形態によれば、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第9実施形態〜第15実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0167】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第16実施形態においては、外部から電源電圧VDD1が入力されている場合であっても、揮発性メモリ1の待機時には、揮発性メモリ1に待機電圧VDD3を供給するようにした場合について説明したが、この代わりに、外部から電源電圧VDD1が入力されておらず、揮発性メモリ1を電池駆動している場合にのみ、揮発性メモリ1の待機時に、揮発性メモリ1に待機電圧VDD3を供給するようにしても良い。このようにする場合には、揮発性メモリ1の待機時には誤りが発生しないので、外部電源電圧VDD1による駆動時における揮発性メモリ1の待機時から復帰時の誤り検出/訂正時間の節約を図ることができる。
【0168】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第16実施形態においては、揮発性メモリ1の環境温度に関係なく、揮発性メモリ1の待機電圧VDD3を微調整するようにしているが、この代わりに、揮発性メモリ1の環境温度がリーク電力削減効果が高い温度以上の場合にのみ、揮発性メモリ1の待機電圧VDD3の調整を行うようにしても良い。このようにする場合には、リーク電力削減効果が低い温度のときは、誤り検出/訂正を実行しなくて済み、消費電力の削減を図ることができる。
【0169】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第16実施形態においては、外部からの待機電圧調整処理を行う旨の指示に関係なく、揮発性メモリ1の待機電圧VDD3を調整するようにしているが、この代わりに、外部から揮発性メモリ1の待機電圧VDD3を調整する処理が指示された場合にのみ、揮発性メモリ1の待機電圧VDD3の調整を行うようにしても良い。
【0170】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第16実施形態においては、揮発性メモリ1の待機時間に関係なく、揮発性メモリ1の待機電圧VDD3の調整を行うようにしているが、この代わりに、揮発性メモリ1の待機時間が所定時間以上の場合にのみ、揮発性メモリ1の待機電圧VDD3の調整を行うようにしても良い。このようにする場合には、所定時間以内に待機状態と通常状態を繰り返すときは、待機電圧に下げないため、誤り検出/訂正を実行しなくて済み、消費電力の削減を図ることができる。
【0171】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第16実施形態においては、揮発性メモリ1が通常動作時から待機時に移行する度に、待機電圧VDD3の調整のための処理が実行されるが、この代わりに、定期的に待機電圧VDD3の調整処理を行うようにしても良い。
【0172】
また、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第16実施形態において、揮発性メモリ1が画像メモリや音声メモリや通信データ取り込みバッファ等のように、ある程度(例えば、数ビット)のデータ破壊が発生しても、問題が余り大きくないメモリである場合においては、誤り検出/訂正動作を実行しないようにしても良い。
【0173】
(本発明の電子装置の第3実施形態)
図20は本発明の電子装置の第3実施形態の一部分を示すブロック回路図である。図20中、21−1〜21−4は揮発性メモリ、22は外部電源電圧入力端子、23は電池、24は電源電圧供給部、25は待機電圧値保持部、26は温度センサ、27はタイマ、28は誤り検出/訂正部、29は全体制御部、30はアドレス・データ・バスである。
【0174】
揮発性メモリ21−1〜21−4は、待機電圧制御対象であり、例えば、SRAMである。外部電源電圧入力端子22は、外部電源装置(図示せず)が出力する電源電圧VDD1を入力するためのものである。電池23は、交換可能に搭載されたものであり、電源電圧VDD2を出力するものである。
【0175】
電源電圧供給部24は、揮発性メモリ21−i(但し、iは1、2、3、4のいずれかである。)に電源電圧を供給するものであり、全体制御部29に制御されて、揮発性メモリ21−iが通常動作時の場合には、揮発性メモリ21−iには電源電圧VDD1又はVDD2を供給し、待機時の場合には、待機電圧VDD3−iを供給するものである。なお、待機電圧VDD3−iは、電源電圧VDD1、VDD2よりも低い電圧である。
【0176】
待機電圧値保持部25は、電源電圧供給部24が揮発性メモリ21−1〜21−4に供給する待機電圧VDD3−1〜VDD3−4の電圧値を更新的に保持させるものであり、電源電圧供給部24内の後述する電源電圧制御部によりライト/リードが可能とされたものである。温度センサ26は、揮発性メモリ21−1〜21−4の環境温度を測定し、その情報を電源電圧供給部24内の後述する電源電圧制御部に与えるものである。タイマ27は、時刻情報を電源電圧供給部24内の後述する電源電圧制御部に与えるものである。
【0177】
誤り検出/訂正部28は、全体制御部29に制御されて、待機時に揮発性メモリ21−1〜21−4に発生した誤りを検出して訂正を行うものである。全体制御部29は、本発明の電子装置の第3実施形態の全体を制御するものであり、電源電圧供給部24に対しては、待機電圧供給開始命令、待機電圧上昇命令、待機電圧降下命令、待機電圧不変更命令、待機電圧供給終了命令を発行して電源電圧調整指示部として機能し、誤り検出/訂正部28に対しては、作動命令を発行する。アドレス・データ・バス30は、アドレス信号及びデータの伝送に使用されるものである。
【0178】
電源電圧供給部24は、待機電圧生成部31と、電源電圧選択部32と、電源電圧制御部33とを備えている。待機電圧生成部31は、電源電圧制御部33に制御され、待機電圧VDD3−1〜VDD3−4を生成するものであり、外部電源電圧入力端子22から電源電圧VDD1を入力している場合には、電源電圧VDD1を降圧して待機電圧VDD3−1〜VDD3−4を生成し、外部から電源電圧VDD1を入力していない場合には、電池23から供給される電源電圧VDD2を降圧して待機電圧VDD3−1〜VDD3−4を生成する。
【0179】
電源電圧選択部32は、電源電圧制御部33に制御されて、外部から供給される電源電圧VDD1、電池23から供給されるVDD2及び待機電圧生成部31から供給される待機電圧VDD3−1〜VDD3−4の中から、揮発性メモリ21−1〜21−4に供給する電源電圧を選択するものである。電源電圧制御部33は、全体制御部29に制御され、待機電圧生成部31及び電源電圧選択部32を制御するものである。
【0180】
ここで、電源電圧制御部33は、揮発性メモリ21−iが通常動作時において、待機電圧生成部31に外部から電源電圧VDD1が供給されている場合には、電源電圧選択部32が電源電圧VDD1を選択し、この電源電圧VDD1を揮発性メモリ21−iに供給するように電源電圧選択部32を制御し、待機電圧生成部31に外部から電源電圧VDD1が供給されていない場合には、電源電圧選択部32が電源電圧VDD2を選択し、この電源電圧VDD2を揮発性メモリ21−iに供給するように電源電圧選択部32を制御する。
【0181】
また、電源電圧制御部33は、全体制御部29から揮発性メモリ21−iを対象として待機電圧供給開始命令が与えられたときは、電源電圧選択部32が待機電圧VDD3−iを選択し、この待機電圧VDD3−iを揮発性メモリ21−iに供給するように電源電圧選択部32を制御し、その後、全体制御部29から揮発性メモリ21−iを対象として待機電圧供給終了命令が与えられた場合において、外部から電源電圧VDD1が供給されているときは、電源電圧選択部32が電源電圧VDD1を選択し、この電源電圧VDD1を揮発性メモリ21−iに供給するように電源電圧選択部32を制御し、外部から電源電圧VDD1が供給されていないときは、電源電圧選択部32が電源電圧VDD2を選択し、この電源電圧VDD2を揮発性メモリ21−iに供給するように電源電圧選択部32を制御する。
【0182】
また、電源電圧制御部33は、全体制御部29から揮発性メモリ21−iを対象として待機電圧供給開始命令とともに待機電圧上昇命令が与えられると、待機電圧VDD3−iが予め決められている所定電圧値だけ高くなるように待機電圧生成部11を制御し、全体制御部29から待機電圧供給開始命令とともに待機電圧降下命令が与えられると、待機電圧VDD3−iが予め決められている所定電圧値だけ低くなるように待機電圧生成部31を制御する。なお、電源電圧制御部33は、電源投入後又はリセット後、揮発性メモリ21−iが1回目の待機時に移行する場合には、予め決められている電圧値の待機電圧VDD3−iを揮発性メモリ21−iに供給するように待機電圧生成部31を制御する。
【0183】
このように構成された本発明の電子装置の第3実施形態によれば、揮発性メモリ21−1〜21−4のそれぞれについて、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第7実施形態を実施することができ、これらのいずれかを実施することにより、揮発性メモリ21−1〜21−4の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第3実施形態を電池駆動とする場合においては、電池23の持続時間を長くすることができる。
【0184】
(本発明の電子装置の第4実施形態)
図21は本発明の電子装置の第4実施形態の一部分を示すブロック回路図である。本発明の電子装置の第4実施形態は、本発明の電子装置の第3実施形態が備える電源電圧供給部24と構成の異なる電源電圧供給部35を設け、その他については、本発明の電子装置の第3実施形態と同様に構成したものである。電源電圧供給部35は、温度−電圧テーブル36−1〜36−4を設け、その他については、電源電圧供給部24と同様に構成したものである。
【0185】
温度−電圧テーブル36−iは、揮発性メモリ21−iについて、環境温度と限界待機電圧VAとの関係を示すものであり、書き換え可能な不揮発性メモリからなり、電源電圧制御部33により書き換え可能とされたものである。温度−電圧テーブル36−iの初期値は、出荷時に揮発性メモリ21−iごとに調べて決定される。
【0186】
本発明の電子装置の第4実施形態においては、電源電圧制御部33は、揮発性メモリ21−iが1回目の待機時に移行する場合には、温度−電圧テーブル36−iを参照し、温度センサ26から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧VDD3−iを待機電圧生成部31から出力させるように待機電圧生成部31を制御する。
【0187】
このように構成された本発明の電子装置の第4実施形態によれば、揮発性メモリ21−1〜21−4のそれぞれについて、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第8実施形態〜第16実施形態を実施することができ、これらのいずれかを実施することにより、揮発性メモリ21−1〜21−4の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第4実施形態を電池駆動とする場合においては、電池23の持続時間を長くすることができる。
【0188】
なお、本発明の電子装置の第4実施形態においては、揮発性メモリ21−iが1回目の待機時に移行する場合に、電源電圧供給部35は、温度−電圧テーブル36−iを参照し、温度センサ26から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧を揮発性メモリ21−iに供給するようにしているが、更に、揮発性メモリ21−iの待機時に、揮発性メモリ21−iの環境温度に変化が発生したときは、温度−電圧テーブル36−iを参照し、温度センサ26から与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧を揮発性メモリ21−iに供給するようにしても良い。
【0189】
(本発明の電子装置の第5実施形態)
図22は本発明の電子装置の第5実施形態の一部分を示すブロック回路図である。本発明の電子装置の第5実施形態は、本発明の電子装置の第3実施形態が備える電源電圧供給部24と構成の異なる電源電圧供給部38を設けると共に、セレクタ39、40を設け、その他については、本発明の電子装置の第3実施形態と同様に構成したものである。
【0190】
電源電圧供給部38は、揮発性メモリ21−1に対して、電源電圧供給部24と同様に電源電圧VDD1、電源電圧VDD2又は待機電圧VDD3−1を出力し、揮発性メモリ21−2に対しては、電源電圧供給部24と同様に電源電圧VDD1、電源電圧VDD2又は待機電圧VDD3−2を出力すると共に、待機電圧VDD3−2より低い電圧VDD4−2を出力し、揮発性メモリ21−3に対しては、電源電圧供給部24と同様に電源電圧VDD1、電源電圧VDD2又は待機電圧VDD3−3を出力すると共に、待機電圧VDD3−3より低い電圧VDD4−3を出力し、揮発性メモリ21−4に対しては、電源電圧VDD1又はVDD2を出力するというものである。
【0191】
セレクタ39は、揮発性メモリ21−2に対応して設けられたものであり、全体制御部29に制御されて、揮発性メモリ21−2の通常動作時には、電源電圧供給部38が出力する電源電圧VDD1又はVDD2を選択して揮発性メモリ21−2に供給し、揮発性メモリ21−2の待機時には、電源電圧供給部38が出力する待機電圧VDD3−2又はVDD4−2又は接地電圧のいずれかを選択し、選択した待機電圧を揮発性メモリ21−2に供給するか、又は、電源電圧の供給をオフとするものである。
【0192】
セレクタ40は、揮発性メモリ21−3に対応して設けられたものであり、全体制御部29に制御されて、揮発性メモリ21−3の通常動作時には、電源電圧供給部38が出力する電源電圧VDD1又はVDD2を選択して揮発性メモリ21−3に供給し、揮発性メモリ21−3の待機時には、電源電圧供給部38が出力する待機電圧VDD3−3又はVDD4−3又は接地電圧のいずれかを選択し、選択した待機電圧を揮発性メモリ21−3に供給するか、又は、電源電圧の供給をオフとするものである。
【0193】
このように構成された本発明の電子装置の第5実施形態においては、揮発性メモリ21−1については、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第7実施形態を実施することができ、これらのいずれかを実施することにより、待機時のリーク電力を削減することができる。
【0194】
また、揮発性メモリ21−2については、待機電圧VDD3−2を選択する場合には、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第7実施形態を実施することができ、これらのいずれかを実施することにより、待機時のリーク電力を削減することができ、また、揮発性メモリ21−2の用途が画像メモリや音声メモリや通信データ取り込みバッファ等のように、ある程度(例えば、数ビット)のデータ破壊が発生しても、問題が余り大きくないメモリである場合においては、待機電圧VDD4−2を選択することにより、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第7実施形態を実施する場合よりも、待機時に多くの誤りが発生しても問題はないし、待機時のリーク電力をより削減することができる。
【0195】
また、揮発性メモリ21−3については、待機電圧VDD3−3を選択する場合には、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第7実施形態を実施することができ、これらのいずれかを実施することにより、待機時のリーク電力を削減することができ、また、揮発性メモリ21−3の用途が画像メモリや音声メモリや通信データ取り込みバッファ等のように、ある程度(例えば、数ビット)のデータ破壊が発生しても、問題が余り大きくないメモリである場合においては、待機電圧VDD4−3を選択することにより、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第7実施形態を実施する場合よりも、待機時に多くの誤りが発生しても問題はないし、待機時のリーク電力をより削減することができる。
【0196】
なお、揮発性メモリ21−4については、待機時においても、電源電圧VDD1又はVDD2が供給され、待機時のリーク電力の削減は行われず、また、誤り検出/訂正部28による誤り検出/訂正処理の対象ともされていない。これは、揮発性メモリ21−4が、例えば、プログラム等のように、誤りの不発生が要求されているものを格納するメモリの場合である。
【0197】
したがって、本発明の電子装置の第5実施形態によれば、揮発性メモリ21−1〜21−3の待機時のリーク電力を削減することができ、本発明の電子装置の第5実施形態を電池駆動とする場合には、電池23の持続時間を長くすることができる。
【0198】
なお、電源電圧供給部38に、揮発性メモリ21−1〜21−3に対応して、環境温度と限界待機電圧VAとの関係を示す温度−電圧テーブルを設け、揮発性メモリ21−1〜21−3について、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第8実施形態〜第16実施形態を実施するようにしても良く、このようにする場合には、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第8実施形態〜第16実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0199】
なお、本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態〜第15実施形態においては、待機状態に入るときに、待機電圧を決定しているが、この代わりに、待機電圧終了時の誤り検出後に、直ちに次回の待機時の電圧を決定するようにしても良い。
【0200】
ここで、本発明を整理すると、本発明には、少なくとも、以下の電子装置及び揮発性メモリの待機電圧制御方法が含まれる。
【0201】
(付記1)揮発性メモリと、
前記揮発性メモリが待機時に移行したときは、前回待機時における誤り発生状態を判断して前記揮発性メモリに供給する待機電圧の調整を指示する待機電圧調整指示部と、
前記待機電圧調整指示部からの指示に従った待機電圧を前記揮発性メモリに供給する電源電圧供給部と
を有することを特徴とする電子装置。
【0202】
(付記2)前記待機電圧調整指示部は、前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かを判断し、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする付記1に記載の電子装置。
【0203】
(付記3)前記待機電圧調整指示部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かの判断を行い、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする付記1に記載の電子装置。
【0204】
(付記4)前記待機電圧調整指示部は、前回待機時に前記揮発性メモリの特定記憶ビットに誤りが発生したか否かを判断し、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする付記1に記載の電子装置。
【0205】
(付記5)前記待機電圧調整指示部は、
前回待機時に前記揮発性メモリの特定記憶ビットに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合には、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かの判断を行い、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする付記1に記載の電子装置。
【0206】
(付記6)前記待機電圧調整指示部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、誤り発生数が所定数以上であるか否かの判断を行い、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合において、前記誤り発生数が前記所定数以上の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合において、前記誤り発生数が前記所定数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする付記1に記載の電子装置。
【0207】
(付記7)前記待機電圧調整指示部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、誤り発生数が所定数以上であるか否かの判断と、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かの判断を行い、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合において、前記誤り発生数が前記所定数以上の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合において、前記誤り発生数が前記所定数未満の場合、又は、前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が前記所定回数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が前記所定回数である場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする付記1に記載の電子装置。
【0208】
(付記8)前記揮発性メモリは、複数のメモリブロックを有し、
前記待機電圧調整指示部は、前記複数のメモリブロックのうち、今回待機時の直近の通常動作時にアクセスされたメモリブロックに誤りが発生したか否かを判断し、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記アクセスされたメモリブロックに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記アクセスされたメモリブロックに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする付記1に記載の電子装置。
【0209】
(付記9)更に、前記揮発性メモリの環境温度を測定する温度センサと、
前記揮発性メモリの環境温度と限界待機電圧との関係を示す温度−電圧テーブルとを有し、
前記揮発性メモリが1回目の待機時に移行する場合には、前記電源電圧供給部は、前記温度−電圧テーブルを参照し、前記温度センサから与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧を前記揮発性メモリに供給する
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか一の付記に記載の電子装置。
【0210】
(付記10)前記電源電圧供給部は、前記揮発性メモリの待機時に、前記揮発性メモリの環境温度に変化が発生したときは、前記温度−電圧テーブルを参照し、前記温度センサから与えられる温度情報に対応する電圧値の待機電圧を前記揮発性メモリに供給することを特徴とする付記9に記載の電子装置。
【0211】
(付記11)前記揮発性メモリが電池駆動されている場合にのみ、前記揮発性メモリの待機電圧の制御を行うことを特徴とする付記1乃至10のいずれか一の付記に記載の電子装置。
【0212】
(付記12)前記揮発性メモリの環境温度が所定温度以上の場合にのみ、前記揮発性メモリの待機電圧の制御を行うことを特徴とする付記1乃至11のいずれか一の付記に記載の電子装置。
【0213】
(付記13)前記揮発性メモリの待機時間が所定時間以上の場合にのみ、前記揮発性メモリの待機電圧の制御を行うことを特徴とする付記1乃至12のいずれか一の付記に記載の電子装置。
【0214】
(付記14)外部から前記揮発性メモリの待機電圧の制御が指示された場合にのみ、前記揮発性メモリの待機電圧の制御を行うことを特徴とする付記1乃至13のいずれか一の付記に記載の電子装置。
【0215】
(付記15)
前記揮発性メモリが画像メモリ、音声メモリ又は通信データ取り込みバッファの場合には、前記揮発性メモリ内の誤り検出を行わないことを特徴とする付記1乃至14のいずれか一の付記に記載の電子装置。
【0216】
(付記16)揮発性メモリが待機時に移行したときは、前回待機時における誤り発生状態を判断して前記揮発性メモリに供給する待機電圧の調整を指示する待機電圧調整指示工程と、
前記待機電圧調整指示工程による指示に従った待機電圧を前記揮発性メモリに供給する電源電圧供給工程と
を含むことを特徴とする揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0217】
(付記17)前記待機電圧調整指示工程は、前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かを判断する工程であり、
前記電源電圧供給工程は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する工程であることを特徴とする付記16に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0218】
(付記18)前記待機電圧調整指示工程は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かの判断を行う工程であり、
前記電源電圧供給工程は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する工程である
ことを特徴とする付記16に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0219】
(付記19)前記待機電圧調整指示工程は、前回待機時に前記揮発性メモリの特定記憶ビットに誤りが発生したか否かを判断する工程であり、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する工程である
ことを特徴とする付記16に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0220】
(付記20)前記待機電圧調整指示工程は、
前回待機時に前記揮発性メモリの特定記憶ビットに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合には、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かの判断を行う工程であり、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する工程である
ことを特徴とする付記16に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0221】
(付記21)前記待機電圧調整指示工程は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、誤り発生数が所定数以上であるか否かの判断を行う工程であり、
前記電源電圧供給工程は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合において、前記誤り発生数が前記所定数以上の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合において、前記誤り発生数が前記所定数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する工程である
ことを特徴とする付記16に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0222】
(付記22)前記待機電圧調整指示工程は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、誤り発生数が所定数以上であるか否かの判断と、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かの判断を行う工程であり、
前記電源電圧供給工程は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合において、前記誤り発生数が前記所定数以上の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合において、前記誤り発生数が前記所定数未満の場合、又は、前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が前記所定回数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が前記所定回数である場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する工程である
ことを特徴とする付記16に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0223】
(付記23)前記揮発性メモリは、複数のメモリブロックを有し、
前記待機電圧調整指示工程は、前記複数のメモリブロックのうち、今回待機時の直近の通常動作時にアクセスされたメモリブロックに誤りが発生したか否かを判断する工程であり、
前記電源電圧供給工程は、
前回待機時に前記アクセスされたメモリブロックに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記アクセスされたメモリブロックに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する工程である
ことを特徴とする付記16に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0224】
(付記24)前記揮発性メモリが1回目の待機時に移行する場合には、前記揮発性メモリの環境温度と限界待機電圧との関係を示す温度−電圧テーブルを参照し、前記揮発性メモリの温度情報に対応する電圧値の待機電圧を前記揮発性メモリに供給する工程を含むことを特徴とする付記16乃至23のいずれか一の付記に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0225】
(付記25)前記揮発性メモリの待機時に、前記揮発性メモリの環境温度に変化が発生したときは、前記温度−電圧テーブルを参照し、前記揮発性メモリの環境温度に対応する電圧値の待機電圧を前記揮発性メモリに供給する工程を含むことを特徴とする付記24に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0226】
(付記26)前記揮発性メモリが電池駆動されている場合にのみ、前記揮発性メモリの待機電圧の制御のための工程を行うことを特徴とする付記16乃至25のいずれか一の付記に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0227】
(付記27)前記揮発性メモリの環境温度が所定温度以上の場合にのみ、前記揮発性メモリの待機電圧の制御のための工程を行うことを特徴とする付記16乃至26のいずれか一の付記に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0228】
(付記28)前記揮発性メモリの待機時間が所定時間以上の場合にのみ、前記揮発性メモリの待機電圧の制御のための工程を行うことを特徴とする付記16乃至27のいずれか一の付記に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0229】
(付記29)外部から前記揮発性メモリの待機電圧の制御が指示された場合にのみ、前記揮発性メモリの待機電圧の制御のための工程を行うことを特徴とする付記16乃至28のいずれか一の付記に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【0230】
(付記30)前記揮発性メモリが画像メモリ、音声メモリ又は通信データ取り込みバッファの場合には、前記揮発性メモリ内の誤り検出を行わないことを特徴とする付記16乃至29のいずれか一の付記に記載の揮発性メモリの待機電圧制御方法。
【図面の簡単な説明】
【0231】
【図1】本発明の電子装置の第1実施形態の一部分を示すブロック回路図である。
【図2】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図3】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第1実施形態の有効性を説明するための図である。
【図4】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第2実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図5】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第3実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図6】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第4実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図7】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第5実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図8】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第6実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図9】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態を説明するための図である。
【図10】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第7実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図11】本発明の電子装置の第2実施形態の一部分を示すブロック回路図である。
【図12】本発明の電子装置の第2実施形態が備える温度−電圧テーブルの概念図である。
【図13】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第9実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図14】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第10実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図15】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第11実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図16】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第12実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図17】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第13実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図18】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第14実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図19】本発明の揮発性メモリの待機電圧制御方法の第15実施形態の一部分を示すフローチャートである。
【図20】本発明の電子装置の第3実施形態の一部分を示すブロック回路図である。
【図21】本発明の電子装置の第4実施形態の一部分を示すブロック回路図である。
【図22】本発明の電子装置の第5実施形態の一部分を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
【0232】
1…揮発性メモリ
2…外部電源電圧入力端子
3…電池
4…電源電圧供給部
5…待機電圧値保持部
6…温度センサ
7…タイマ
8…誤り検出/訂正部
9…全体制御部
10…アドレス・データ・バス
11…待機電圧生成部
12…電源電圧選択部
13…電源電圧制御部
15−1、15−2、15−n…メモリブロック
16−1、16−2、16−n…誤り検出済マーク書き込みビット
18…電源電圧供給部
19…温度−電圧テーブル
21−1〜21−4…揮発性メモリ
22…外部電源電圧入力端子
23…電池
24…電源電圧供給部
25…待機電圧値保持部
26…温度センサ
27…タイマ
28…誤り検出/訂正部
29…全体制御部
30…アドレス・データ・バス
31…待機電圧生成部
32…電源電圧選択部
33…電源電圧制御部
35…電源電圧供給部
36−1〜36−4…温度−電圧テーブル
38…電源電圧供給部
39、40…セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性メモリと、
前記揮発性メモリが待機時に移行したときは、前回待機時における誤り発生状態を判断して前記揮発性メモリに供給する待機電圧の調整を指示する待機電圧調整指示部と、
前記待機電圧調整指示部からの指示に従った待機電圧を前記揮発性メモリに供給する電源電圧供給部と
を有することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記待機電圧調整指示部は、前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かを判断し、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記待機電圧調整指示部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合には、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かの判断を行い、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記揮発性メモリに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記待機電圧調整指示部は、前回待機時に前記揮発性メモリの特定記憶ビットに誤りが発生したか否かを判断し、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記待機電圧調整指示部は、
前回待機時に前記揮発性メモリの特定記憶ビットに誤りが発生したか否かの判断と、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合には、連続誤り不発生待機回数が所定回数であるか否かの判断を行い、
前記電源電圧供給部は、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生した場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも高い電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数未満の場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧と同一電圧値の待機電圧を供給し、
前回待機時に前記特定記憶ビットに誤りが発生しなかった場合において、前記連続誤り不発生待機回数が所定回数である場合には、前記揮発性メモリに今回の待機電圧として前回の待機電圧よりも低い電圧値の待機電圧を供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
揮発性メモリが待機時に移行したときは、前回待機時における誤り発生状態を判断して前記揮発性メモリに供給する待機電圧の調整を指示する待機電圧調整指示工程と、
前記待機電圧調整指示工程による指示に従った待機電圧を前記揮発性メモリに供給する電源電圧供給工程と
を含むことを特徴とする揮発性メモリの待機電圧制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−205216(P2009−205216A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43968(P2008−43968)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】