説明

電子装置及び画像形成システム

【課題】現在の構成に応じて、制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを容易に更新する。
【解決手段】制御設定記憶部56は、画像形成装置10の現在の制御情報及び現在の設定情報を記憶する。構成記憶部58は、画像形成装置10の現在の構成情報を記憶する。情報取得部52は、構成記憶部58が記憶する構成情報、及び必要に応じて制御設定記憶部56が記憶する制御情報及び設定情報を特定する情報を管理サーバ14に送信し、管理サーバ14から受信した情報に応じて、情報サーバ12−a、12−bから制御情報及び設定情報を取得する。更新部54は、情報取得部52が情報サーバ12−a、12−bから制御情報及び設定情報を取得すると、制御情報及び設定情報と、構成情報とに応じて、制御設定記憶部56が記憶する制御情報及び構成情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、端末装置から送られてきた設定データを格納し、設定データを端末装置の識別情報に対応付けて管理し、端末装置からの設定データの送信を要求されたときに端末装置からの識別情報に対応付けして管理する設定データを送付する情報処理装置を開示する。また、特許文献2は、事務機器が事務機器情報送受信手段を介して当該事務機器の異常発生を知らせる情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置は事務機器の異常発生を知らせる情報に対応するマシン設定情報を記憶したデータベースを備え、事務機器情報送受信装置を介して事務機器の異常発生を知らせる情報を受信したら、事務機器からの情報に対応するマシン設定情報をデータベースから抽出し、サーバ情報送受信手段を介して1又は2以上の事務機器に送信して該事務機器を管理する事務機器管理システムを開示する。また、特許文献3は、動作プログラムの更新前に設定された設定情報を更新後の動作プログラムの設定情報として流用することが可能なプログラム式装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−235184号公報
【特許文献2】特開2004−38347号公報
【特許文献3】特開平11−175285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現在の構成に応じて、制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを容易に更新することができる電子装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、電子装置本体及び当該電子装置本体に接続される周辺装置の少なくともいずれかを制御する制御情報及び当該制御情報に対応づけられる設定情報の少なくともいずれかを取得する情報取得手段と、前記電子装置本体及び前記周辺装置の少なくともいずれかを現在制御する現在制御情報及び当該現在制御情報に対応づけられる現在設定情報の少なくともいずれかを記憶する第1の記憶手段と、前記電子装置本体及び前記周辺装置の現在の構成を示す現在構成情報を記憶する第2の記憶手段と、この第2の記憶手段が記憶する現在構成情報に応じて、前記情報取得手段が制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを取得した場合、前記第1の記憶手段が記憶している現在制御情報及び現在設定情報の少なくともいずれかを更新する更新手段と、を有する電子装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記電子装置本体が、少なくとも像保持体を有する画像形成装置本体である請求項1記載の電子装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、1つ以上の画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体及び前記画像形成装置本体に接続され得る周辺装置それぞれの構成に応じて制御を行う制御情報及び当該制御情報に対応づけられる設定情報を記憶する第1の記憶手段と、を具備し、前記画像形成装置本体それぞれは、当該画像形成装置本体及び当該画像形成装置本体に接続される周辺装置の少なくともいずれかを制御する制御情報及び当該制御情報に対応づけられる設定情報の少なくともいずれかを前記第1の記憶手段から取得する情報取得手段と、前記画像形成装置本体及び前記周辺装置の少なくともいずれかを現在制御する現在制御情報及び当該現在制御情報に対応づけられる現在設定情報の少なくともいずれかを記憶する第2の記憶手段と、前記画像形成装置本体及び前記周辺装置の現在の構成を示す現在構成情報を記憶する第3の記憶手段と、この第3の記憶手段が記憶する現在構成情報に応じて、前記情報取得手段が制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを取得した場合、前記第2の記憶手段が記憶している現在制御情報及び現在設定情報の少なくともいずれかを更新する更新手段と、を有する画像形成システムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る本発明によれば、現在の構成に応じて、制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを、本構成を有していない場合に比較して、容易に更新することができる。
【0009】
請求項2に係る本発明によれば、少なくとも像保持体を有する画像形成装置本体の現在の構成に応じて、制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを、本構成を有していない場合に比較して、容易に更新することができる。
【0010】
請求項3に係る本発明によれば、現在の構成に応じて、制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを、本構成を有していない場合に比較して、容易に更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムの概要を示す構成図である。
【図2】画像形成装置の構成を示す概念図である。
【図3】記憶装置が記憶する制御情報及び設定情報を更新する更新プログラムの構成を示す概念図である。
【図4】設定情報例を示す図表である。
【図5】画像形成装置が更新プログラムを用いて制御情報及び設定情報のすくなくともいずれかを更新する場合に行う処理(S10)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の実施形態に係る画像形成システム1の概要が例示されている。画像形成システム1は、例えば画像形成装置10−a〜10−c、情報サーバ12−a、12−b及び管理サーバ14を有し、例えばインターネットなどのネットワーク16を介して、画像形成装置10−a〜10−c、情報サーバ12−a、12−b及び管理サーバ14が相互に接続されている。
【0013】
画像形成装置10−a〜10−cは、例えば印刷機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能及びスキャン機能を有する複合機であり、それぞれ詳細な構成が異なる。例えば、画像形成装置10−a〜10−cは、機種、ファームウェアなどの制御情報及び制御情報に対応する個別の設定情報などのバージョン、周辺装置の構成、並びに機能の有効にするための設定などが異なる。
【0014】
情報サーバ12−a、12−bは、コンピュータとしての機能を有し、画像形成装置10−a〜10−cなどに適用される複数のファームウェアなどの制御情報及び制御情報に対応する設定情報を記憶しているソフトウェアリポジトリである。
【0015】
管理サーバ14は、画像形成装置10−a〜10−cなどの機種、及び周辺装置の構成などに応じて適用される制御情報及び設定情報など格納先を記憶している。つまり、管理サーバ14は、画像形成装置10−a〜10−cなどにそれぞれ対応する制御情報及び設定情報が情報サーバ12−a、12−bのどこに格納されているかを示す情報を、画像形成装置10−a〜10−cからの要求に応じて送信する。
【0016】
以下、画像形成装置10−a〜10−cなど複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に「画像形成装置10」と略記することがある。
【0017】
次に、画像形成装置10について詳述する。
図2は、画像形成装置10の構成を示す概念図である。
画像形成装置10は、例えばユーザインターフェイス(UI)装置20、画像読込部22、イメージ入力部24、読込インターフェイス(I/F)26、通信部28、画像処理部30、記憶装置32、メモリ34、出力インターフェイス(I/F)36、イメージ出力部38、印字部40及び制御部42を有する。
【0018】
UI装置20は、例えばタッチパネルからなり、作業者からの指示などの入力を受け入れるとともに、作業者に対する表示を行う。画像読込部22は、例えばスキャナからなり、原稿などの画像を読み取り、イメージ入力部24に対して出力する。イメージ入力部24は、画像読込部22が読み取った画像データを読込I/F26の補助により入力イメージとして受け入れ、例えば記憶装置32に対して出力する。通信部28は、ネットワーク16を介して画像形成装置10と、情報サーバ12−a、12−b及び管理サーバ14とを接続する。画像処理部30は、画像の圧縮、伸張及び合成などを含む画像処理を行う。記憶装置32は、上述した制御情報、設定情報及び画像形成装置10の構成を示す構成情報などを記憶する。なお、記憶装置32が記憶する情報は、制御部42の制御によって更新可能にされている。イメージ出力部38は、画像処理部30などにより処理された画像を出力イメージに展開し、出力I/F36の補助により印字部40に対して出力する。印字部40は、例えば感光体からなる像保持体(図示せず)などを有し、用紙などの記録媒体に画像を形成する。
【0019】
制御部42は、CPU44などを含み、画像形成装置10を構成する各部を制御する。このように、画像形成装置10は、コンピュータとしての機能を有し、予め定めたプログラムを実行することにより、記録媒体に画像を形成する。
【0020】
図3は、記憶装置32が記憶する制御情報及び設定情報を更新する更新プログラム50の構成を示す概念図である。
図3に示すように、更新プログラム50は、情報取得部52、更新部54、制御設定記憶部56、構成記憶部58及び一時記憶部60を含む。
制御設定記憶部56は、画像形成装置10の現在の制御情報及び現在の設定情報を記憶する。制御設定記憶部56が記憶する設定情報は、例えば図4に示すように、機能の種類を示す値、データ名を示す値及び設定値を単位とするCSV(Comma Separated Values)形式のデータにされている。
構成記憶部58は、画像形成装置10の現在の構成情報を記憶する。なお、画像形成装置10の現在の構成情報には、画像形成装置10の詳細な構成を特定する情報、及び画像形成装置10に接続される周辺装置(例えばスキャナなどの画像読込部22)の詳細な構成を特定情報が含まれる。
【0021】
情報取得部52は、画像形成装置10が更新すべき制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを取得するように、作業者がUI装置20を介して指示すると、制御設定記憶部56が記憶する制御情報及び設定情報を特定する情報、並びに構成記憶部58が記憶する構成情報を通信部28を介して管理サーバ14に送信し、管理サーバ14から受信した情報に応じて、情報サーバ12−a、12−bから制御情報及び設定情報を取得し、例えば一時記憶部60に対して出力する。
【0022】
更新部54は、情報取得部52が情報サーバ12−a、12−bから制御情報及び設定情報を取得すると、例えば一時記憶部60が記憶する制御情報及び設定情報と、構成記憶部58が記憶する構成情報とに応じて、制御設定記憶部56が記憶する制御情報及び構成情報を更新する。
【0023】
なお、更新プログラム50は、例えば画像形成装置10が再起動されることにより、制御情報の新たな取得及び設定情報の新たな取得が行われたか否かを判定し、新たな取得が行われている場合には、再起動時に通常動作モードとして動作することなく、取得した情報に応じた更新を行い、更新後の再起動によって通常動作モードとして動作するブートプログラムにされている。
【0024】
図5は、画像形成装置10が更新プログラム50を用いて制御情報及び設定情報のすくなくともいずれかを更新する場合に行う処理(S10)を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップ100(S100)において、画像形成装置10は、構成記憶部58が記憶する現在の構成情報(現在構成情報)を管理サーバ14に対して通知する。
【0025】
ステップ102(S102)において、画像形成装置10は、制御情報及び設定情報の格納先を管理サーバ14から取得する。
【0026】
ステップ104(S104)において、画像形成装置10は、管理サーバ14から取得した格納先である情報サーバ12−a、12−bのいずれかにアクセスし、制御情報及び設定情報を取得する。
【0027】
ステップ106(S106)において、画像形成装置10は、UI装置20を介して入力される作業者の指示に応じて、再起動する。
【0028】
ステップ108(S108)において、画像形成装置10は、制御情報を取得したか否かを判定し、制御情報を新たに取得している場合にはS110の処理に進み、制御情報を新たに取得していない場合にはS114の処理に進む。
【0029】
ステップ110(S110)において、画像形成装置10は、制御情報を更新する。
【0030】
ステップ112(S112)において、画像形成装置10は、UI装置20を介して入力される作業者の指示に応じて、再起動する。
【0031】
ステップ114(S114)において、画像形成装置10は、設定情報を取得したか否かを判定し、設定情報を新たに取得している場合にはS116の処理に進み、制御情報を新たに取得していない場合には処理を終了する。
【0032】
ステップ116(S116)において、画像形成装置10は、設定情報を更新する。
【0033】
ステップ118(S118)において、画像形成装置10は、UI装置20を介して入力される作業者の指示に応じて、再起動する。なお、S118の処理において、画像形成装置10は、更新すべき制御情報及び設定情報が残っていないため、通常動作モードとして動作を開始する。
【0034】
なお、上記実施形態においては、制御情報及び設定情報の両方を画像形成装置10が取得して更新する場合を例に説明したが、これに限定されることなく、例えば画像形成装置10が設定情報のみを取得して更新するようにされてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 画像形成システム
10−a〜10−c 画像形成装置
12−a、12−b 情報サーバ
14 管理サーバ
16 ネットワーク
20 UI装置
22 画像読込部
28 通信部
30 画像処理部
32 記憶装置
38 イメージ出力部
40 印字部
42 制御部
44 CPU
50 更新プログラム
52 情報取得部
54 更新部
56 制御設定記憶部
58 構成記憶部
60 一時記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置本体及び当該電子装置本体に接続される周辺装置の少なくともいずれかを制御する制御情報及び当該制御情報に対応づけられる設定情報の少なくともいずれかを取得する情報取得手段と、
前記電子装置本体及び前記周辺装置の少なくともいずれかを現在制御する現在制御情報及び当該現在制御情報に対応づけられる現在設定情報の少なくともいずれかを記憶する第1の記憶手段と、
前記電子装置本体及び前記周辺装置の現在の構成を示す現在構成情報を記憶する第2の記憶手段と、
この第2の記憶手段が記憶する現在構成情報に応じて、前記情報取得手段が制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを取得した場合、前記第1の記憶手段が記憶している現在制御情報及び現在設定情報の少なくともいずれかを更新する更新手段と、
を有する電子装置。
【請求項2】
前記電子装置本体は、
少なくとも像保持体を有する画像形成装置本体である
請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
1つ以上の画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体及び前記画像形成装置本体に接続され得る周辺装置それぞれの構成に応じて制御を行う制御情報及び当該制御情報に対応づけられる設定情報を記憶する第1の記憶手段と、
を具備し、
前記画像形成装置本体それぞれは、
当該画像形成装置本体及び当該画像形成装置本体に接続される周辺装置の少なくともいずれかを制御する制御情報及び当該制御情報に対応づけられる設定情報の少なくともいずれかを前記第1の記憶手段から取得する情報取得手段と、
前記画像形成装置本体及び前記周辺装置の少なくともいずれかを現在制御する現在制御情報及び当該現在制御情報に対応づけられる現在設定情報の少なくともいずれかを記憶する第2の記憶手段と、
前記画像形成装置本体及び前記周辺装置の現在の構成を示す現在構成情報を記憶する第3の記憶手段と、
この第3の記憶手段が記憶する現在構成情報に応じて、前記情報取得手段が制御情報及び設定情報の少なくともいずれかを取得した場合、前記第2の記憶手段が記憶している現在制御情報及び現在設定情報の少なくともいずれかを更新する更新手段と、
を有する画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−231334(P2010−231334A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76117(P2009−76117)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】