説明

電子装置用キーパッドおよび電子装置用キーパッドの操作方法

本発明は、複数のキー(9)を備える電子装置用キーパッドに関する。複数のキー(9)には第1の値(11)がそれぞれ割り当てられ、複数のキー(9)の複数のグループ(10)をグラフィカルに明示する図案がこれらのキー(9)に印刷され、各グループ(10)は少なくとも1つのキー(9)を含み、第2の値(12)が各グループ(10)に割り当てられる。本発明は、さらに電子装置用キーパッドの操作方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置用キーパッドと、電子装置用キーパッドの操作方法とに関する。具体的には、本発明は、電子装置のユーザがアルファベット、数字、記号等を容易に入力できるようにするという課題に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、無線通信システムにおいて情報を受信するための大半の電子装置、たとえば携帯電話、ポケットベル、携帯情報端末、電子手帳等、は、電子装置のユーザがアルファベット、数字、記号等を入力できるようにキーパッドを備えている。小型の電子装置のキーパッドが有する問題は、キー自体が非常に小さく、そのためにユーザが他のキーを間違って押さずに正しいキーを押すことが難しい点である。
【0003】
米国特許第6,310,608B1号明細書では、体の不自由なユーザのためにコンピュータを使いやすくするためのキーパッドが提案されている。このキーパッドでは、いくつかのキーが一緒にグループ化されて1つの複合キーを形成している。複合キーを構成する複数のキーの何れかを操作すると、オペレーティングシステムまたはアプリケーションプログラムに対して同じ入力が行われたことになる。特定の時点においてアクティブな複数のキーグループと各グループに対応する入力とを示すキーパッドの表現はコンピュータの表示画面に表示されうる。あるいは、複合キーのグループ分けを示すために、特に1つの作業の実行中にグループ分けが変わらないアプリケーションには、キーパッドに被せるテンプレートが使用されうる。
【特許文献1】米国特許第6,310,608号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の問題は、無線通信用の電子装置などの小型の家庭用電子機器に適合されていないことである。従来技術は、通常のコンピュータキーボードを使用し、アルファベットおよび数字がそれぞれ異なるキーに印刷されているため、キーパッド上の大きなスペースを占有する。従来技術の別の欠点は、ユーザが複数のキーグループを容易に認識できないことである。複数のキーグループが表示装置に表示される場合、ユーザは適切なキーを選択するために、表示装置を見て、表示装置上に提示されている体系をキーパッドに移す必要がある。あるいは、キーパッドに被せるテンプレートによってこれらのキーグループが示される場合は、ユーザは常にテンプレートを携帯し、キーパッドに被せる必要がある。どちらの場合も、キーグループをユーザに見せる方法としては使い心地が悪く、ユーザは該当するキーを容易に認識できない。
【0005】
良好なフルQWERTY配列キーパッドの基準では、1文字当たり1つのキーを設ける必要があり、フルQWERTY配列キーパッドのように見える必要がある。他方、電話機用の良好なキーパッド、すなわち良好な数字キーパッドとしては、キーを見つけやすく、かつ押し易いように、かなり大きなキーが必要である。さらに、電話機用キーパッドは、1つの数字に対して1つのキーを設ける必要があると共に、認識しやすく、かつ使い易いように電話機のキーパッドのように見える必要がある。小型の電子装置においては、良好なフルQWERTY配列キーパッドを設けると同時に、良好な数字キーパッドを設ける必要がある。
【0006】
電子装置用の従来技術のキーパッドの全般的問題は、上に概説したように、キーパッドはあらゆる種類の文字または記号の入力を可能にすると同時に、電子装置上の占有スペースを小さくする必要があることである。別の問題は、特定の値を入力するために押すべきキーをユーザが容易に認識できる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の目的は、占有スペースが小さく、同時にあらゆる種類の文字または記号を容易に入力できる電子装置用キーパッドと、電子装置用キーパッドの操作方法とを提供することである。
【0008】
上記の目的は、請求項1に記載の電子装置用キーパッドによって達成される。
【0009】
本発明による電子装置用キーパッドは、複数のキーを備え、これら複数のキーには第1の値がそれぞれ割り当てられ、複数のキーグループをグラフィカルに明示するために図案がキー上に印刷され、各グループが少なくとも1つのキーを備え、第2の値が各グループに割り当てられる。
【0010】
上記の目的は、請求項12に記載の電子装置用キーパッドの操作方法によってさらに達成される。
【0011】
電子装置用キーパッドの操作方法は、複数のキーを設け、これら複数のキーのそれぞれに第1の値を割り当てるステップと、各グループが少なくとも1つのキーを含む複数のキーグループをグラフィカルに明示するためにキー上に印刷される図案を設け、第2の値を各グループに割り当てるステップとを含む。
【0012】
本願明細書全体を通して使用される用語「キー」は、記号、文字、数字等を入力する機能に関するものである。したがって、このキー機能を提供する単一または複数の物理的形状および構造は、必要な用途および実装に応じて変更することができる。たとえば、各キー、すなわち各キー機能、を単一のキー要素として具現化することができる。この場合、この単一のキー要素に触るか、押すか、または何れかの方法で動かすと、割り当てられた対応するセンサがこのキー機能が起動されたことを示す記号を関連する処理装置に対して発行する。さらに、このキーパッドは、2つ、3つ、またはそれ以上の数のキー機能を1つのキー要素に組み合わせ、このようなキー要素を1つ以上備えることができる。たとえば、キーパッド全体を単一のキー要素によって形成することができる。このキー要素は、複数の異なるキー機能の入力を検出するためのそれぞれのセンサがその下に設けられた単一要素である。これは、本発明による各キーグループが2つのキーを含み、これらのキーが組み合わされて1つのキー要素を構成する場合に特に好都合である。この場合、キー要素をロッキング式要素にすることができる。本発明の一態様において、キー要素は、2つのキーのそれぞれに対して1つの突起を備えうる。本発明の一の変形態様において、キー要素は凹面形状を有する。これによって、2つのキー、すなわち2つのキー機能、を組み合わせた単一のキー要素の表面に、2つの第1の値、すなわち2つのキーのそれぞれに対する第1の値、と第2の値とを示す図形表現が、たとえば印刷等によって設けられる。
【0013】
キーパッドは、第1または第2の操作モードで操作でき、第1の操作モードでは各キーに割り当てられた第1の値が処理され、第2の操作モードでは各グループに割り当てられた第2の値が処理されると好都合である。
【0014】
第1の操作モードでは第1の値がアルファベットおよび記号であることが好ましい。
【0015】
さらに、第2の操作モードでは第2の値が数字であることが好ましい。
【0016】
第1または第2の操作モードは、自動的に、またはユーザが手動で、選択することができる。
【0017】
好適な一実施態様においては、第1の操作モードでキーが押されると、割り当てられた第1の値が処理される。
【0018】
第2の操作モードでグループ内の第1のキーが押されると、このグループに割り当てられた第2の値が処理されると好都合である。
【0019】
第2の操作モードにおいて同じグループの別のキーが押された場合、第1のキーの押下から所定の時間間隔以内に同じグループの別のキーが押下されたならば、どの値も処理されないとさらに好都合である。
【0020】
第2の操作モードにおいて同じグループの別のキーが押された場合、第1のキーの押下から所定の時間間隔以内に同じグループの別のキーが押下されないならば、このグループに割り当てられた第2の値が処理されることが好ましい。
【0021】
第1の操作モードですべてのキーに背面光が当てられ、第2の操作モードでは1つのキーグループに属するキーにのみ背面光が当てられると都合がよい。
【0022】
なお、強調しておくが、用語「備える/含む」は、本願明細書で使用される場合、明記された特徴、整数、ステップ、または構成要素の存在を示すものであるが、他の1つ以上の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはこれらのグループの存在または追加を排除するものではないと解釈されるものとする。本願および本発明の文脈において、用語「無線通信システムにおいて情報を受信するための電子装置」は、あらゆる種類の携帯式無線通信装置を含む。用語「携帯式無線通信装置」は、携帯電話、携帯セル電話、ポケットベル、携帯情報端末、通信装置、すなわち電子手帳、スマートフォン等のあらゆる装置を含む。用語「無線通信システム」は、情報の無線転送を可能にするあらゆるの種類の通信または遠隔通信システムに関する。
【0023】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付の図面に関連付けながらより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図2は、本発明による電子装置の一例の概略ブロック図を示す。電子装置8は、UMTS、GSM、または他の何れか利用可能な無線遠隔通信システムなどの無線通信システムにおいて情報を送受信することができる。
【0025】
遠隔通信システムにおいて無線信号を送受信するために、電子装置8は、送/受信手段2に接続されたアンテナ1を備える。送/受信手段2は、GSMまたはUMTSシステムの場合は、たとえば高周波(HF)装置として具現化できる。送/受信手段2は、図2に処理ブロック3として図示されている処理手段に接続される。処理ブロック3は、情報信号が送受信される無線通信システムに応じて、受信した情報信号の変調(復調)および/または符号化(復号化)等に必要な別の処理手段を備える。なお、実際には、電子装置8は、それぞれの無線通信システムにおいて動作させる必要があるすべての手段および装置を備える。分かりやすくするために、図2および本願明細書では、本発明の理解に必要な機能のみを図示および説明する。
【0026】
処理ブロック3は、中央制御装置4に接続される。中央制御装置4は、たとえばマイクロプロセッサ、中央処理装置等に具現化できる。中央制御装置4は、電子装置8の動作を制御する。中央制御装置4は、ユーザによる数字、文字、および記号の入力を可能にするキーパッド5に接続される。中央制御装置4は、出力手段6および入力手段7にも接続される。出力手段6は、表示装置、スピーカ、または電子装置8を別の装置に接続するためのインタフェースとすることができる。電子装置8がたとえば携帯セル電話機の場合、出力手段6は表示装置でもよい。入力手段7は、キーパッド5のほか、データおよび/または情報を入力するための別の手段、たとえばタッチパッド、音声認識、または電子装置8を別の装置に接続するためのインタフェースを備えうる。データおよび/または情報の出力または入力がそれぞれ可能ないくつかの構成要素によって出力手段6および入力手段7を構成してもよい。電子装置8は、電子装置8を動作させるためのソフトウェアコードおよび/または情報を記憶するメモリ(図示せず)をさらに備える。したがって、メモリも中央制御装置4に接続される。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によるキーパッド5を示す。キーパッド5は、複数のキー9を備える。キーパッド5は、第1の操作モードまたは第2の操作モードで操作可能である。第1の操作モードでは、各キー9に第1の値11が割り当てられる。図1による例においては、第1の値11は、テキストの入力に必要なアルファベットと他の記号である。すなわち、第1の操作モードでは、キーパッド5をフルQWERTY配列キーパッドとして操作できる。キーパッド5を第1の操作モードで操作しているときにキー9を押すことによって、割り当てられた第1の値11、たとえばアルファベット、を入力することができ、この第1の値11は次に電子装置8の中央制御装置4によって処理される。第1の操作モードにおいては、単一のキー9ごとに単一の値または文字が割り当てられる。
【0028】
キーパッド5は、第1の操作モードに加え、第2の操作モードでも操作可能である。したがって、いくつかのキー9がキーグループ10を構成し、各グループは少なくとも1つのキーを含む。図1に示すような実施形態によると、キーグループ10は、2つのキー9を含む。すなわち、各グループはフルQWERY配列キーパッドの2つのキーを含む。この2つのキーは、それぞれの個別キー要素によって操作することも、たとえば図4aおよび図4bに示すように、1つの単一キー要素に組み合わせることもできる。第2の操作モードでは、各キーグループ10に第2の値12が割り当てられる。したがって、同じキーグループ10のどのキーを押しても、同じ第2の値12が入力されて処理される。
【0029】
そのため、第1の値11と、第2の値12と、キーグループ10とを示す図案がキーパッドに印刷される。図1に示すような例においては、第1の値11、すなわちテキストの入力に必要なアルファベットおよび他の記号と、第2の値12、すなわち電話番号等の入力に必要な数字とがキーパッドに印刷される。第2の値12は、キーグループ10を示すような方法で、キーパッドに印刷される。図1に示すような実施形態において、数字は、2つの隣接キー9に印刷される。これは、第2の操作モードでは、2つの隣接キー9が1つのキーグループ10を構成することを示す。
【0030】
なお、キーグループ10に構成されるキー9の数は、キーの合計数より少なくてもよい。すなわち、第1の操作モードにおいてのみ使用され、第2の操作モードでは値が割り当てられないキー9がいくつか存在してもよい。キーパッドが第2の操作モードのとき、第1の値11のみが割り当てられたこのようなキー9が押された場合、処理を一切行わなくてもよい。
【0031】
キーパッド5の2つの異なる操作モードを強調するために、各キー9を照明する、すなわち背面光を当てる、ことができる。たとえば、キーパッド5が第1の操作モードで操作される場合は、すべてのキー9に背面光を当ててもよい。特に、キーパッド5上に印刷された第1の値11に背面光を当ててもよい。あるいは、キーパッド5が第2の操作モードで操作される場合は、キー9のグループ10を構成するキー9にのみ背面光を当ててもよく、特にキーパッド5に印刷された第2の値12に背面光を当ててもよい。
【0032】
キーパッド5が第1の操作モードで操作されているときにキー9が押されると、アルファベットまたは記号が処理される。たとえば、アルファベット「E」が印刷されたキーが押されると、文字「E」が処理される。キーパッド5が第2の操作モードで操作されているときに、文字「E」が印刷された同じキーが押されると、数字「1」が入力されて処理される。この理由は、文字「E」のキーは、文字「E」および「R」の各キーで構成されたグループの一部であり、このグループには値「1」が割り当てられているからである。
【0033】
なお強調しておくが、本発明は、図1に示すような実施形態に限定されるものではない。図1に示すような実施形態とは対照的に、1つのキー9またはすべてのキー9から成る単一または複数のグループを構成することも可能である。さらに、それぞれのグループに含まれるキーの数をそれぞれ違えてもよい。キーパッド5が第1の操作モードのときに各キーに割り当てられる第1の値は、アルファベット、数字、記号、または何れか他の値にしてもよい。キーパッド5が第2の操作モードのときにキーグループ10に割り当てられる第2の値12も同様である。また、第2の値は、何れかの種類のアルファベット、数字、記号、または何れか他の値でもよい。
【0034】
キーパッドに印刷された図案によって、ユーザは、データまたは情報を入力するときに、さまざまな値を容易に直接認識できる。さらに、本発明においては、同じキーを第1の操作モードおよび第2の操作モードで使用可能である。この結果、キーパッドに必要なスペースが減ると同時に、キーが大きいためにユーザが文字または記号を容易に入力できる。
【0035】
第2の操作モードにおいて、既に説明したように、1つのグループに属する何れかのキーを押すと、有効な入力として処理される。すなわち、たとえば図1によると、第2の操作モードでキー「E」またはキー「R」を押すことによって、数字「1」を入力することができる。ユーザが同じグループの2つのキーを同時に間違って押すケースを避けるために、以下の機構を中央処理装置に採用することができる。すなわち、グループの第1のキーが押された場合は、対応する第2の値が処理される。同じグループの別のキーが押された場合は、第1のキーの押下から同じグループの別のキーが押下されるまでの時間が検出され、この時間が所定の時間間隔以内ならば、この別のキーの押下がフィルタリングされて処理されない。この事前に定義される時間間隔は、最大0.5秒でもよい。1つのグループ10が3つ以上のキーで構成される場合も同じである。すなわち、あるグループ10の第1のキーが押された後に同じグループ10の別のキーが押された場合、第1のキーの押下からこの別のキーが押下されるまでの時間が所定の時間間隔以内ならば、この別のキーの押下は有効な入力として処理されない。
【0036】
このキーパッドとこの方法とにより、良好なフルQWERTY配列キーパッドを提供できると同時に、電話機用のキーパッド、すなわち数字キーパッド、を提供することができる。このキーパッドでは、2つ以上のキーが大きな数字キーに組み合わされ、キーパッドが電話機のキーパッドのように見えるようにキーが配置および設計され、タイマーによってキーグループは1つの数字キーとして機能する。
【0037】
図3は、本発明によるキーパッドの操作方法に従ったフローチャートを示す。この工程は、ステップS0から始まる。ステップS0では、たとえば電子装置8上で切り換えを行う。ステップS1では、電子装置がキーパッド5のキーの押下を受け付ける。ステップS2では、電子装置は、第2の操作モードに対応する数字モードであるかどうかをチェックする。電子装置8が第2の操作モードでないときは、通常のキー値、すなわち第1の操作モードの第1の値11、がステップS11で処理される。電子装置が数字モードであるときは、第2のキー値12、すなわちキーグループ10に割り当てられた数字、がステップS3で処理される。この工程は、何れの場合も、次にステップS4に進み、別のキー9が押されたかどうかが検出される。別のキーが押されていない場合は、工程はステップS10で終了する。別のキーが押された場合は、ステップS5において別のキーの押下が受け付けられ、ステップS6において、電子装置8が数字モード、すなわち第2の操作モード、であるかどうかがチェックされる。電子装置8が数字モードでない場合は、ステップS12において、通常のキー値、すなわち第1の操作モードによる第1の値11、が処理され、工程はステップS4に戻り、別のキーが押されたかどうかがチェックされる。ステップS6において電子装置が数字モードであると判定された場合は、押されたキーが前に押されたキーと同じグループ10に属するかどうかがチェックされる。押された別のキーが前に押されたキーと同じグループに属さない場合は、この別のキーに割り当てられた第2の値が処理される。すなわち、本発明の実施形態によると、数字モードのキー値がステップS13で処理される。数字モードのキー値が処理された後、工程はステップS4に進み、別のキーが押されたかどうかがチェックされる。ステップS8において、それに続くキーの押下が所定の時間間隔以内にされたと判定された場合は、ステップS9においてこの別のキーの押下がフィルタリングされて処理されない。ステップS9でのキーのフィルタリング後、工程はステップS4に戻り、別のキーが押されたかどうかがチェックされる。何れの場合も、工程はステップS10で終了し、この時点までに入力され、フィルタリングされなかったすべての値が処理される。
【0038】
図4aは、図1に示すように2つのキー9が組み合わされたキー要素9’の第1の例を示す。したがって、1つのキーグループ10は、単一のキー要素9’に組み合わされた2つのキー9によって形成される。キー要素9’は、2つの突起13aおよび13bを備え、突起13aおよび13bはそれぞれ2つのキーすなわちキー機能9の一方に割り当てられる。ユーザが指で突起13aを押すと、キー要素9’の突起13aの下に配置されたセンサ17aがこのキーの駆動を検出し、対応する信号を発行する。同様に、ユーザが指で突起13bを押すと、突起13bの下に配置されたセンサ14bが検出し、対応する信号を発行する。たとえば、突起13aには文字「E」が割り当てられ、突起13bには文字「R」が割り当てられる(図1を参照)。ユーザが両方の突起13aおよび13bを同時に押すと、両方のセンサ14aおよび14bがそれぞれの突起の駆動を同時に検出し、図1に関する例では、キー要素9’に割り当てられた組み合わせ(第2の)値である数値「1」に対応する信号を発行する。したがって、これらの突起のそれぞれに第1の値をたとえば印刷するか、または設ける。たとえば、文字「E」を突起13aに印刷し、文字「R」を突起13bに印刷する。また、本例の数値「1」などの第2の値をこれらの突起の間に設けるか、または印刷する。図14bは、2つのキー9が1つのキーグループ10に組み合わされた単一のキー要素9”の別の例を示す。このキー要素9’は、中間軸Aを中心として回転可能なロッカー式要素として具現化される。さらに、単一のキー要素9”は凹面を有し、ユーザが単一のキー要素9”を1つの方向に回転させると、キー要素9”の一端の下に配置されたセンサ15bが対応する信号を発行し、キー要素9”をもう一方の方向に回転させると、キー要素9”の他端の下に配置されたセンサ15bが対応する別の信号を発行するようになっている。たとえば、センサ15aは、文字「E」の入力に対応する単一の信号を発行し、センサ15bは、文字「R」の入力に対応する単一の信号を発行しうる。ユーザがキー要素9”を回転させずに下に押した場合は、両方のセンサ15aおよび15bがこの駆動を同時に検出し、数値「1」を発行する。図4aおよび図4bの例は、組み合わされた二重キーの形状が、それぞれ別の3つのキーではなく、1つのキーのように見えるという利点を有する。さらに、より大きな第2の値(数値)を各キーの表面に用いることができる。さらに、グリップを向上するように、図4aおよび図4bに示す具体的形状によりユーザの指に対する摩擦力を強めることができる。キー要素9’および9”には、同じ効果を有するものであれば、他の種類の同様の形状も使用できることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による電子装置用キーパッドの一例を示す。
【図2】本発明による電子装置の一例のブロック図を示す。
【図3】本発明の方法による工程のフローチャートを示す。
【図4a】キー要素の一例を示す。
【図4b】キー要素のそれぞれの例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置用キーパッドであって、
第1の値(11)がそれぞれ割り当てられた複数のキー(9)と、
各グループ(10)が少なくとも1つのキー(9)を含み、第2の値(12)が各グループ(10)に割り当てられた、キー(9)の複数のグループ(10)をグラフィカルに明示するために前記複数のキー(9)に設けられた図案と、を備えることを特徴とするキーパッド。
【請求項2】
請求項1に記載のキーパッドであって、
各グループ(10)は、1つのキー要素(9’、9”)に組み合わされた2つのキー(9)を含む、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項3】
請求項2に記載のキーパッドであって、
前記キー要素(9’、9”)はロッキング式要素である、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項4】
請求項2または3に記載のキーパッドであって、
前記キー要素(9’)は、2つのキー(9)のそれぞれに対して突起を備える、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項5】
請求項2または3に記載のキーパッドであって、
前記キー要素(9”)は凹形状を有する、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のキーパッドであって、
前記キーパッド(5)は、第1または第2の操作モードで操作可能であり、
前記第1の操作モードでは各キー(9)に割り当てられた前記第1の値(11)が処理され、前記第2の操作モードでは各グループ(10)に割り当てられた前記第2の値(12)が処理される、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項7】
請求項6に記載のキーパッドであって、
前記第1の操作モードでは前記第1の値(11)がアルファベットおよび記号である、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項8】
請求項6または7に記載のキーパッドであって、
前記第2の操作モードでは前記第2の値(12)が数字である、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項9】
請求項6乃至8の何れか1項に記載のキーパッドであって、
前記第1または第2の操作モードは、自動的に、またはユーザによる手動で選択される、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項10】
請求項6乃至9の何れか1項に記載のキーパッドであって、
前記第1の操作モードでキー(9)が押されると、前記割り当てられた第1の値(11)が処理される、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項11】
請求項6乃至10の何れか1項に記載のキーパッドであって、
前記第2の操作モードでグループ(10)の第1のキー(9)が押されると、前記グループ(10)に割り当てられた前記第2の値(12)が処理される、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項12】
請求項11に記載のキーパッドであって、
前記第2の操作モードで同じグループ(10)の別のキー(9)が押された場合、前記第1のキー(9)の押下から所定の時間間隔以内に前記同じグループ(10)の前記別のキー(9)が押下されたならば、どの値も処理されない、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項13】
請求項11または12に記載のキーパッドであって、
前記第2の操作モードで同じグループ(10)の別のキー(9)が押された場合、前記第1のキー(9)の押下から所定の時間間隔以内に前記同じグループ(10)の前記別のキー(9)が押下されないならば、前記グループ(10)に割り当てられた前記第2の値(12)が処理される、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項14】
請求項6乃至13の何れか1項に記載のキーパッドであって、
前記第1の操作モードではすべてのキー(9)に背面光が当てられ、前記第2の操作モードではキー(9)のグループ(10)に属するキー(9)にのみ背面光が当てられる、ことを特徴とするキーパッド。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載のキーパッド(5)を有する電子装置(1)。
【請求項16】
電子装置用キーパッドの操作方法であって、
複数のキー(9)を設け、第1の値(11)を前記複数のキー(9)のそれぞれに割り当てるステップと、
各グループ(10)が少なくとも1つのキー(9)を含む、キー(9)の複数のグループ(10)をグラフィカルに明示するために前記複数のキー(9)上に印刷される図案を設け、第2の値(12)を各グループ(10)に割り当てるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記方法(5)は、第1または第2の操作モードで操作可能であり、
前記第1の操作モードでは各キー(9)に割り当てられた前記第1の値(11)が処理され、前記第2の操作モードでは各グループ(10)に割り当てられた前記第2の値(12)が処理される、ことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記第1の操作モードでは前記第1の値(11)がアルファベットおよび記号である、ことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記第2の操作モードでは前記第2の値(12)が数字である、ことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17乃至19の何れか1項に記載の方法であって、
前記第1または第2の操作モードは、自動的に、またはユーザによる手動で選択される、ことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項17乃至20の何れか1項に記載の方法であって、
前記第1の操作モードでキー(9)が押されると、前記割り当てられた第1の値(11)が処理される、ことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項17乃至21の何れか1項に記載の方法であって、
前記第2の操作モードでグループ(10)の第1のキー(9)が押されると、前記グループ(10)に割り当てられた前記第2の値(12)が処理される、ことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
前記第2の操作モードで同じグループ(10)の別のキー(9)が押された場合、前記第1のキー(9)の押下から所定の時間間隔以内に前記同じグループ(10)の前記別のキー(9)が押下されたならば、どの値も処理されない、ことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22または23に記載の方法であって、
前記第2の操作モードで同じグループ(10)の別のキー(9)が押された場合、前記第1のキー(9)の押下から所定の時間間隔以内に前記同じグループ(10)の前記別のキー(9)が押下されないならば、前記グループ(10)に割り当てられた前記第2の値(12)が処理される、ことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項17乃至24の何れか1項に記載の方法であって、
前記第1の操作モードではすべてのキー(9)に背面光が当てられ、前記第2の操作モードではキー(9)のグループ(10)に属するキー(9)にのみ背面光が当てられる、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2009−512039(P2009−512039A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534886(P2008−534886)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008929
【国際公開番号】WO2007/042115
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】