説明

電子装置

【課題】手持ち状態と載置状態とのいずれの使用状態においてもユーザの使い勝手がよく、かつ、外部からの衝撃に対して高い信頼性を備えた電子装置を得る。
【解決手段】表示パネル2が配置された前面と、前記前面の裏面に相当し前記前面の後方側に位置する背面3とを有し、前記前面側から平面視したときに略矩形状である本体部1と、一対の脚部11と、前記一対の脚部11の一方の端部同士を接続する接続部14とを有する支持部材4とを備え、前記支持部材4は、前記本体部1の前記前面側から平面視したときに、前記接続部14が前記本体部1の外縁1aよりも外側に突出した位置から回動可能に、前記脚部11の前記接続部が接続された端部とは異なる側である他方の端部が前記本体部1の背面側に配置された回動軸5に取り付けられ、前記支持部材4の少なくとも一部分が、前記本体部1のうち最も後方に突出した部分と同じ位置もしくはより後方側の位置にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルを備えた電子装置に関し、特に、電子装置の本体部背面に、電子装置を支持する支持部材が回動可能に取り付けられた電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路の小型軽量化が進み、駆動電圧を供給する二次電池の性能向上もあって、電子装置のモバイル化が進んでいる。
【0003】
中でも、モバイルユースのコンピュータや、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)、携帯型ゲーム機、携帯電話などでは、情報入力のためのタッチパネル機能を有する表示パネルを備えた携帯型電子装置が普及している。最近では、タブレット型パソコンと呼ばれる、基本的にキーボードやスイッチボタンを使わずにタッチパネルから情報入力を行うことで、装置全体の小型化とより大きな面積での情報表示を可能にするパーソナルコンピュータが、キーボードを有さない偏平な箱形筐体であるデザインの斬新さと多様な使用形態が好感されて、急速に普及し始めている。
【0004】
これら、入力装置としてのタッチパネル機能を有する表示パネルを備えた電子装置をはじめとするモバイルタイプの電子装置では、ユーザが手に持った状態で操作する使用形態と、机などの載置台上に載置して操作する使用形態とが考えられる。そして、手に持った場合には電子装置を確実に保持することが、また、載置台上で使用する場合にはタッチパネルの操作と表示画像を見る上で好ましい角度に表示パネルの傾斜を固定することが望まれる。
【0005】
このようなユーザの使用形態に合わせた電子装置の保持と載置とを両立して実現するために、電子装置の本体部背面に回動可能なスタンドを備えたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
この従来の電子装置500は、図22に示すように、偏平な略矩形の本体部501の前面にタッパネル機能を有する表示パネル502を備え、表示パネル502の後方側である本体部501の背面に、回動機構504により回動可能に取り付けられたスタンド503を備えている。
【0007】
特許文献1に記載された従来の電子装置500では、回動機構504は、本体部501の背面に対するスタンド503の傾斜を任意の角度で固定することができる構造となっている。
【0008】
そして、電子装置500を机などの載置台505上に載置する場合には、図22(a)に示すように、本体部501が載置台505となす角度βを所望の角度とするために、スタンド503の本体部501の背面に対する傾斜角αを調整することで、ユーザが表示パネル502の表示面上のタッチパネルを、例えばタッチペン506などで正確にタッチできるようにすることができる。
【0009】
また、電子装置500を手508に持って使用する場合には、図22(b)に示すように、ユーザは指先で本体部501の上縁を掴むとともに、スタンド503における本体部501と平行な部分である手掛け部と本体部501との間に手首を入れ、手掛け部に設けられた滑り止めチューブ507がユーザの手508の手首部分甲側に当たるようにする。このようにすることで、電子装置500を手に持って使用する際に電子装置を落下させてしまうことを未然に防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−259171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献に記載の技術は、本体部501の背面側に設けられたスタンド503を用いて、載置台505上に載置して使用する際に電子装置の傾斜を所望のものとするとともに、手に持って使用する場合には滑り止めチューブ507を手首の甲側に当てて電子装置500の落下を防止するというものである。
【0012】
しかし、従来の電子装置500では、スタンド503を本体部501の背面に密着するように回動させた場合、すなわち、図22(a)における回動角αを0度とした場合でも、スタンド503の手掛け部は本体部501背面の領域内に留まって本体部501の上方に突出することがない。このため、電子装置500を手持ち状態で使用する場合には、ユーザは本体部501とスタンド503との間に手508を差し込むことはできるものの、スタンド503を電子装置500の確実な保持に活用することができない。すなわち、従来の電子装置500のスタンド503は、完全落下を防止するためのストラップとしての機能しか有さず、電子装置500の保持は、あくまでも本体部501の上縁を掴むユーザの指先の力に依存することになる。このような保持方法では、電子装置500が大型化した場合や重量が重くなった場合、さらには、電子装置500を長時間にわたって手持ち状態で使用する場合に、ユーザに大きな負担をかけることとなる。
【0013】
また、従来の電子装置500では、スタンド503を回動させて本体部501の背面に密着させた場合(α=0度の場合)には、スタンド503は格納状態となって本体部501の背面に形成されている凹凸内に埋没し、スタンド503が本体部501の背面において最も後方に突出している部分とはなっていない。このため、電子装置500を誤って落下させてしまった場合には、スタンド503は、電子装置500を外部からの衝撃から守る機能を果たすことができない。
【0014】
本発明はこのような課題を解決するものであり、手持ち状態と載置状態とのいずれの使用状態においてもユーザの使い勝手がよく、かつ、外部からの衝撃に対して高い信頼性を備えた電子装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の電子装置は、表示パネルが配置された前面と、前記前面の裏面に相当し前記前面の後方側に位置する背面とを有し、前記前面側から平面視したときに略矩形状である本体部と、一対の脚部と、前記一対の脚部の一方の端部同士を接続する接続部とを有する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記本体部の前記前面側から平面視したときに、前記接続部が前記本体部の外縁よりも外側に突出した位置から回動可能に、前記脚部の前記接続部が接続された端部とは異なる側である他方の端部が前記本体部の背面側に配置された回動軸に取り付けられ、前記支持部材の少なくとも一部分が、前記本体部のうち最も後方に突出した部分と同じ位置もしくはより後方側の位置にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電子装置は、支持部材が、本体部の外縁よりも外側に突出した位置から回動可能に本体部の背面側に取り付けられている。このため、電子装置を手持ち状態で操作する場合には支持部材を電子装置の保持に直接利用することができ、また、電子装置を載置台上で使用する場合には支持部材を電子装置のスタンドとして利用することができる。また、支持部材の少なくとも一部分が、本体部背面の最も後方に突出した部分と同じ位置もしくはより後方側の位置にあるため、電子装置を誤って落下させた場合に、支持部材によって外部からの衝撃を吸収することができる。このため、ユーザの使い勝手がよく信頼性の高い電子装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態にかかるタブレット型パソコンの外観構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態にかかるタブレット型パソコンのハンドルの構成を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態にかかるタブレット型パソコンを、ユーザが手持ち状態で保持している様子を示す側面図である。
【図4】第1の実施形態にかかるタブレット型パソコンを、載置して使用する状態を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態にかかるタブレット型パソコンを載置状態とする場合の、支持部材と載置台との関係を示す側面図である。
【図6】第1の実施形態のタブレット型パソコンにおいて、支持部材が外部からの衝撃を吸収する機能を持つことを説明するための側面図である。
【図7】第1の実施形態にかかるタブレット型パソコンの第1の変形例を保持して使用している様子を示す側面図である。
【図8】第1の実施形態にかかるタブレット型パソコンの第1の変形例を別の方法で保持して使用している様子を示す側面図である。
【図9】第1の実施形態にかかるタブレット型パソコンの第2の変形例を保持して使用している様子を示す側面図である。
【図10】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンの外観構成を示す斜視図である。
【図11】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンのハンドル部材の平面図である。
【図12】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンのハンドル部材の側面図である。
【図13】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンのハンドル部材の別の方向から見た側面図である。
【図14】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンの背面図である。
【図15】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンにおいて支持部材が第1の回動位置にある状態を示す側面図である。
【図16】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンにおいて支持部材が第3の回動位置にある状態を示す側面図である。
【図17】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンを、載置して使用する状態を示す側面図である。
【図18】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンの支持部材をユーザが把持している状態を示す側面図である。
【図19】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンを、ユーザが手持ち状態で保持している様子を示す斜視図である。
【図20】第2の実施形態にかかるタブレット型パソコンを、ユーザが手持ち状態で保持している様子を示す側面図である。
【図21】変形例の電子装置を示す分解斜視図である。
【図22】従来の電子装置の使用形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の電子装置は、表示パネルが配置された前面と、前記前面の裏面に相当し前記前面の後方側に位置する背面とを有し、前記前面側から平面視したときに略矩形状である本体部と、一対の脚部と、前記一対の脚部の一方の端部同士を接続する接続部とを有する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記本体部の前記前面側から平面視したときに、前記接続部が前記本体部の外縁よりも外側に突出した位置から回動可能に、前記脚部の前記接続部が接続された端部とは異なる側である他方の端部が前記本体部の背面側に配置された回動軸に取り付けられ、前記支持部材の少なくとも一部分が、前記本体部のうち最も後方に突出した部分と同じ位置もしくはより後方側の位置にある。
【0019】
本発明の電子装置は上記構成を備えることで、手持ち状態で使用するユーザが、本体部の外縁から突出した位置にある支持部材の接続部を直接把持する、または、接続部に指先をかけることにより、電子装置をしっかりと保持することができる。また、支持部材を回動させて電子装置を載置台上で使用する際のスタンドとして利用することができ、表示パネルを所望の角度に保つことができる。また、支持部材の少なくとも一部分が、本体部のうち最も後方に突出した部分と同じ位置もしくはより後方側の位置にあるため、誤って電子装置を落下させてしまった場合であっても、支持部材が、本体部と同時かもしくはより早く外部からの衝撃を受けることとなり、本体部の背面に加わる衝撃を緩和することができる。
【0020】
上記の構成において、前記支持部材は、前記脚部の前記一方の端部と前記他方の端部との間に、前記脚部同士を接続する橋渡し部をさらに備えていることが好ましい。このようにすることで、支持部材の剛性を高めることができるとともに、電子装置を手持ち状態で使用する際に、橋渡し部を保持に利用することができる。
【0021】
また、前記回動軸は、前記回動軸の軸方向と垂直な方向に前記背面を二分する中心線よりも、前記支持部材の前記接続部が突出する前記外縁の側に配置されていることが好ましい。このようにすることで、支持部材の脚部の長さを必要以上に大きくすることなく、支持部材の接続部を本体部の外縁から突出させることができる。また、支持部材を最大限回動させたときに、本体部の背面領域内に支持部材が収まるようにすることで、電子装置が内包される空間の体積を小さくしてコンパクトな収納状態とすることができる。
【0022】
さらに、前記支持部材を前記本体部に回動自在に取り付ける回動機構が、前記支持部材を任意の回動位置で固定可能である。このようにすることで、表示パネルをユーザが望む任意の傾斜角にした状態で電子装置を載置面上に載置することができる。
【0023】
さらにまた、前記支持部材は、載置面上において前記本体部を前記前面が傾斜した姿勢で支持可能な位置にあるとき、前記載置面に接する位置に足部を備え、前記足部は、前記支持部材の表面から突出している。このようにすることで、支持部材と載置面との接触面積を増やすことができ、電子装置を載置面上に安定して載置して使用することができる。
【0024】
また、前記支持部材の前記接続部が前記本体部の前記外縁よりも外側に突出した状態において、前記支持部材の前記脚部は、前記接続部を前記本体部の前記背面から後方側に離間させる傾斜部分を有していることが好ましい。このようにすることで、手持ち状態で使用する際に接続部を握りやすくなり、ユーザの負担を軽減することができる。また、電子装置を落下させてしまった場合には、傾斜部分が落下の衝撃を吸収する方向に変形することにより、外部からの衝撃に対して本体部をより確実に保護することができる。
【0025】
さらに、前記支持部材の前記接続部が前記本体部の前記外縁よりも最も外側に突出した位置にあるとき、前記接続部は、鉛直方向において前記本体部の重心と重なる位置に位置していることが好ましい。このようにすることで、支持部材の接続部を用いて運搬する際に、安定した姿勢で電子装置を運搬することができる。
【0026】
本発明の電子装置は、電子部品を内蔵し、表示パネルが配置された前面と、前記前面に対して間隙を介して対向する背面と、前記間隙を接続する側面とを有する本体部と、前記本体部に回動自在に取り付けられた支持部材とを備え、前記支持部材は、ユーザにより把持可能な接続部を備え、少なくとも、前記接続部が前記本体部の前記側面から突出する第1の回動位置と、前記背面内で前記本体部を前記前面が傾斜した姿勢で支持可能な第2の回動位置とに変位可能である。
【0027】
また、前記本体部は、側面の少なくとも一部分を覆う枠状部材を備えた本体支持部に固着され、前記本体支持部を介して前記本体部に前記支持部材が取り付けられていることが好ましい。このようにすることで、本体部に対して必要な支持部材が備えられた電子装置を容易に得ることができる。
【0028】
以下、本発明にかかる電子装置の実施形態として、タッチパネル機能を有する液晶表示パネルを備えたタブレット型パソコンを例示して説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態の電子装置である、表示パネルとしてタッチパネル機能を有する液晶パネルを備えた、タブレット型パソコン100の外観を示す斜視図である。
【0030】
図1に示すように本実施形態のタブレット型パソコン100は、本体部1の前面側に、タッチパネル機能を有する表示パネルであるタッチパネル付き液晶パネル2が配置されている。また、本体部1の背面3、すなわち、タッチパネル付き液晶パネル2が形成されている前面の裏側の面、もしくは、前面に対して間隙を介して対向する面として把握できる面である背面には、支持部材4が、回動軸5によって本体部1に対して回動可能なように取り付けられている。支持部材4は、タブレット型パソコン100のタッチパネル付き液晶パネル2が配置された前面側から平面視したときに、一対の脚部11の一方の端部同士を接続する接続部14が、本体部1の外縁1aよりも外側(図1では上側)に突出した位置から、図中矢印Aとして示したように回動可能となっている。なお、タブレット型パソコン100の表示パネルが配置されている側、すなわち、図1における左手前側の方向が前面側であり、本体部の背面側の方向、すなわち、図1における右奥側の方向が後方である。また、背面が前面に対して間隙を介して対向する面であるとした場合に、この間隙を接続する側面の内の1つが、本体部1の外縁1aを形成する面であると言うことができる。
【0031】
本体部1は、タッチパネル付き液晶パネル2が配置された前面と、後方側に位置する背面3とを有し、前面側から平面視したときに略矩形状であって、全体として前後方向である厚さ方向の大きさが小さい、偏平な直方体形状となっている。なお、ここで略矩形状とは、前面から平面視した本体部1の形状が、基本的に4つの辺で囲まれた四角形であることをいい、完全な長方形や正方形のみを意味するものではない。したがって、四隅部分が丸くなっている場合や面取り形状となっている場合があり、また、4つの辺の全てもしくは一部が、少し外側もしくは内側に湾曲していてもよい。さらに、タッチパネル付き液晶パネル2が配置されている前面の裏側に当たる背面は、本体部1内部に収容される電気回路部品の形状や配置位置などの関係から、凹凸面を形成していることがある。
【0032】
本体部1の内部には、CPUやメモリ、ハードディスクなどの記憶装置と、これらを駆動するための電源回路、さらにバッテリやアンテナ素子などパソコンを構成する各種の電子部品、電気回路部材が収容、内蔵されている。
【0033】
本実施形態のタブレット型パソコン100の本体部1は、その周囲をポリエーテル、内部可塑化ポリエステル、エーテル変性ポリエステルなどの一般にエラストマーと称される比較的硬度の高く変形復元力を備える樹脂部材6に覆われていて、タブレット型パソコン100に外部から衝撃が加わったときにこれをできるだけ吸収することができるようになっている。この樹脂部材6は、タッチパネル付き液晶パネル2の周囲部分を額縁状に取り囲んでいるため、タッチパネル付き液晶パネル2のタッチパネル面は、周囲部分よりもわずかに凹んだ凹面となっている。
【0034】
タッチパネル付き液晶パネル2は、透明なタッチパネルが表示パネルである透過型の液晶パネルの前面側、すなわち、画像表示面に重ねられていて、タッチパネルを通して液晶パネルに表示される画像を観視することができる。そして、表示される画像に合わせてタッチパネルの外面、すなわち、液晶パネルの表示画像を観察する前面側の表面を指先や入力ペンなどによって押圧すると、その位置を検出することができ、入力内容をタブレット型パソコン100の制御に反映させることができる。
【0035】
本実施形態のタブレット型パソコン100では、透過型の液晶パネルの画像表示面に積層されるタッチパネルとして、透明基板上にITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜で所定のパターンを形成した、投影型と呼ばれる静電容量方式のタッチパネルが用いられている。本実施形態のタブレット型パソコン100のタッチパネルは、複数箇所がタッチされたことを検出できる、いわゆるマルチタッチに対応できることから、上記投影型の静電容量方式を用いているが、本実施形態のタブレット型パソコン100のタッチパネルとしてはこの方式に限られるものではなく、表面型の静電容量方式や抵抗膜方式などの各種方式のタッチパネルを用いることができる。
【0036】
また、タッチパネル付き液晶パネル2として、表示素子である液晶パネルとタッチパネルとをそれぞれ別々に形成してこれを重ね合わせたものを例示したが、タッチパネル機能を有する表示パネルとしては、このように2つのパネルを積層した形態に限らず、液晶パネルの前面ガラスがタッチパネルの構成部材を兼用する構成でもかまわない。さらに、液晶パネルの表示画素内に受光素子を内蔵して、画像の表示とタッチ位置の検出とを一枚のパネルで行う液晶入出力パネルを用いることもできる。もちろん、表示パネルとしても、透過型の液晶パネルには限られず、反射型の液晶パネルや有機もしくは無機のEL(エレクトロルミネッセンス)パネルやPDP(プラズマディスプレイパネル)、その他電界放出型表示パネルなど、平板型の各種表示パネルを用いることができる。
【0037】
支持部材4は、例えばポリエーテル、内部可塑化ポリエステル、エーテル変性ポリエステルなどの硬質・弾性樹脂により形成されていて、本実施形態のタブレット型パソコン100では、本体部1の背面3に直接配置された回動軸5によって、本体部1の背面で図1における矢印Aの方向に回動することができるように取り付けられている。なお、後述するように、支持部材を本体部に回動可能に取り付ける回動軸は、本体部の背面に直接配置されずに、他の部材を介して間接的に配置することもできる。すなわち、支持部材が、本体部に対して回動可能に取り付けることができるのであれば、その取り付け機構に特別な制約はない。
【0038】
図2は、本実施形態のタブレット型パソコン100に用いられている支持部材4の構成を示す斜視図である。
【0039】
図2に示すように、支持部材4は、一対の脚部11と脚部11の一方の端部同士を接続する接続部14とを有している。
【0040】
本実施形態にかかるタブレット型パソコン100の、支持部材4の脚部11において、接続部14が接続された一方の端部とは異なる側の他方の端部は、本体部1の背面3に配置された回動軸5と組み合わされる先端部15となっている。そして、脚部11は、先端部15側の直線部分12と、この直線部分12よりも接続部14側に位置する傾斜部分13とから構成されている。
【0041】
本実施形態のタブレット型パソコン100の支持部材4は、接続部14が本体部1の外縁1aから突出した状態、すなわち、図1および図3に示すように支持部材4が本体部1の背面3において図中の上側に位置している状態において、傾斜部分13が、接続部14を本体部1の背面3から後方側に離間させる方向に傾斜している。このように、脚部11に傾斜部分13が設けられ、接続部14の本体部1の背面3からの距離が大きくなることで、図3を用いて後述するように、タブレット型パソコン100をユーザが手に持って操作する場合に、ユーザが接続部14を握りやすくなる。なお、本明細書において、上記のように支持部材4が本体部1の背面3において図中の上側に位置している状態で、支持部材4の接続部14が最も前面側にある状態を、支持部材4が第1の回動位置にあると称することとする。
【0042】
接続部14は、図3にその使用状態を示すように、タブレット型パソコン100をユーザが保持するための把手(取っ手部分)として機能するものであるため、ある程度長時間にわたって使用していても疲れないように、人間工学的に定められた一定の範囲の太さとなっている。具体的には、20mmから35mm程度とすることが好ましいが、もちろんこの数値範囲以外の太さの接続部14を排除するものではない。また、図示は省略するが、ユーザが接続部14をより保持しやすくすることを目的として、接続部14の表面を粗面にすることや、指が係りやすいように凹凸を設けること、また、表面の少なくとも一部を柔軟性のある部材で構成するなど、各種の手段を採用することができる。
【0043】
本実施形態のタブレット型パソコン100の支持部材4は、脚部11の直線部分12と傾斜部分13との境界部分に、脚部11同士を接続する橋渡し部16が形成されている。この橋渡し部16は、支持部材4自体の強度を向上するとともに、後述するように支持部材4の脚部11が本体部1の背面3に当接している状態において、支持部材4と本体部1の背面3との接触部分の面積を大きくすることで、支持部材4に外力が加わった場合にその外力を本体部1に分散して伝搬させて、本体部1が破損してしまうことを防止するものである。
【0044】
なお、接続部14と橋渡し部16との間隔や、橋渡し部16の形状を工夫することで、例えば、図7、図9を用いて後述するように、接続部14と橋渡し部16との間にユーザが指を差し込んでタブレット型パソコン100を保持できるようにすることができる。このようにすることで、ユーザは、手持ち状態に近い態勢でタブレット型パソコン100の重量を感じることなく使用することができる。また、接続部14と橋渡し部16とを用いて、タブレット型パソコン100を例えば自動車のハンドルなどの突起状物に引っかけて固定することができるようにすることもできる。この場合には、ユーザは、両手を用いてタブレット型パソコン100を操作することができる。
【0045】
図2に示す本実施形態にかかるタブレット型パソコン100の支持部材4は、橋渡し部16を脚部11の直線部分12と傾斜部分13との境界部分に設けているが、このことは、本実施形態の支持部材4における必須の要件ではない。橋渡し部16は、境界部分以外の直線部分12または傾斜部分13のいずれに設けてもよい。また、橋渡し部16を設けなくてもよく、橋渡し部16を複数本設けることもできる。
【0046】
図3は、本実施形態のタブレット型パソコン100を、ユーザが手持ち状態で保持している様子を側面から見た図である。
【0047】
図3に示すように、ユーザは、支持部材4の接続部14を握ることで、タブレット型パソコン100を下腕部23の内側に抱え込むようにして保持することができる。本体部1の上側の外縁1aと接続部14との間隔X、支持部材4の脚部11における直線部分12と傾斜部分13とのなす角度aを最適化することで、ユーザは手首21を少し内側に曲げた状態で、本体部1の下側の外縁1bを肘22の内側に当てることができ、安定した状態でタブレット型パソコン100を保持することができる。タブレット型パソコン100を安定して保持できることは、手持ち状態での使用時にタブレット型パソコンを落下させてしまう事態を回避しやすくするとともに、タブレット型パソコン100の重量をそれほど感じることなく長時間の使用を行うことができる。
【0048】
また、図3に示すように、ユーザが手首21を少し曲げてタブレット型パソコン100を保持することで、タブレット型パソコン100の本体部1の背面3とユーザの下腕部23の内側との間に所定の間隔Yが形成されるため、タブレット型パソコン100の本体部1が、内部の回路やバッテリの発熱などが原因で一定以上の温度となった場合でも、ユーザは本体部1の温度上昇を直接感じることなくタブレット型パソコン100を使用することができる。
【0049】
なお、本体部1の上側の外縁1aと接続部14との間隔X、支持部材4の脚部11における直線部分12と傾斜部分13とのなす角度aは、タブレット型パソコン100の大きさや重量、また、想定されるユーザの腕の長さなどを考慮して、ユーザが手持ち状態で使用する際に、タブレット型パソコン100を安定して、かつ、長時間の使用においても疲労することなく保持できるように適宜定めることが好ましい。
【0050】
図4は、本実施形態のタブレット型パソコン100を、机などの図示しない載置台上に置いて使用する状況を示している。
【0051】
図4に示すように、本実施形態のタブレット型パソコン100は、支持部材4を本体部1の背面3に配置された回動軸5を中心に回動することで、支持部材4をスタンドとして機能させることができ、タッチパネル付き液晶パネル2を載置台に対して所定の角度傾けた状態とすることができる。このようにすることで、本実施形態のタブレット型パソコン100は、ユーザが載置台上に置いて使用する形態においても、タッチパネルからの情報入力の操作性を向上することができる。
【0052】
図5は、載置台上で使用する状態での、支持部材4の角度を示す側面図である。
【0053】
図5に示すように、本実施形態のタブレット型パソコン100は、載置台41上に載置した場合には、本体部1の背面3に取り付けられた支持部材4がスタンドとしての機能を果たすことになる。具体的には、本体部1、すなわちタッチパネル付き液晶パネル2の表示面が載置台41との間に所定の角度Bとなるように、支持部材4の脚部11の直線部分12と本体部1とのなす角度Cを調整する。このとき、図5に示すように支持部材4が本体部1の背面3の下側にまで回動されている状態では、本実施形態の支持部材4の脚部11は、直線部分12の延長方向に対して傾斜部分13が本体部1の背面3に近づく方向に傾斜している。このため、脚部11のうち、載置台41に載置される接続部14に近い側の傾斜部分13と、載置台41とのなす角度Dがより大きな直角に近い角度となることで、支持部材4が載置台41上で滑りにくくなってより安定してスタンドとしての機能を果たすことができる。なお、本明細書において、上記のように支持部材4が本体部1の背面3側に回動していて、本体部1の表示パネルであるタッチパネル付き液晶パネル2を所定の傾斜角度Bで傾斜した姿勢で支持可能な状態を、支持部材4が第2の回動位置にあると称することとする。
【0054】
また、載置台41とタッチパネル付き液晶パネル2面とのなす角度Bは、ユーザにより、タブレット型パソコン100で使用されるソフトウェアにより、さらには、照明や外光などの外部から照射される光の状態などにより、適宜変更できることが好ましい場合がある。このため、本体部1に支持部材4を取り付けている回動軸5周りの回動機構に、本体部1と支持部材4の脚部11の直線部分12とのなす角度Cが、所望の任意の角度で固定できるような機構を有するようにすることができる。このような機構としては、後述する第2の実施形態において詳述したような機構を含め、回動機構の回動軸5に歯車状のストッパを設けることや、回動軸5の回転を抑える押圧板を設けるなど、周知の回動固定のための機構を用いることができる。
【0055】
さらに、後述する第2の実施形態において図17等を用いて説明するように、支持部材4によって、タブレット型パソコン100を机上等の載置面上に載置する場合に、支持部材4の載置面に接する位置に足部を設けることができる。図5に示す本実施形態のタブレット型パソコン100における支持部材4では接続部14が略円筒形状であるため、足部は、接続部14の内載置面41に面する側に接続部14から突出して設けられる突起状物、もしくは、載置面41と接する平面を持つような形状の突起物とすることが好ましい。このようにすることで、支持部材4をスタンドとして使用する場合に、支持部材4と載置面41との滑りを低減して安定した状態でタブレット型パソコン100を載置することができる。
【0056】
図6は、本実施形態のタブレット型パソコン100の支持部材4のさらなる機能としての、外部からの衝撃を吸収する機能を説明するための側面図である。
【0057】
図6に示すように、本実施形態のタブレット型パソコン100を手持ち状態で使用する場合、また、支持部材4の接続部14を、タブレット型パソコン100の持ち運びのための把手として使用する場合は、支持部材4は脚部11を本体部1の背面3の上側部分に密着するような状態、すなわち第1の回動位置にある状態で固定されている。このとき、支持部材4、特に、その接続部14が、図6に示したように本体部1において最も背面側に突出した部分よりもさらに後方に位置している。このため、誤ってタブレット型パソコン100を、タッチパネル付き液晶パネル2が上側を向く方向で落下させてしまった場合のように、タブレット型パソコン100の本体部1背面3に外部からの衝撃が加わる場合には、図6で白色矢印として示したように外部からの力31、32は、本体部1の背面3よりも先に支持部材4に加わることとなる。
【0058】
本実施形態のタブレット型パソコン100においては、支持部材4の接続部14が本体部1の背面3から離間する方向に脚部11に傾斜部分13が設けられている。このため、最も後方側に位置していることとなる支持部材4の接続部14に、最初に外部からの力31が加わることとなるが、脚部11の傾斜部分13が図6に点線で示した状態に湾曲することによってダンパーとして機能し、接続部材4によって外部からの衝撃を吸収することができる。
【0059】
また、本実施形態のタブレット型パソコン100の支持部材4は、橋渡し部16が設けられているため、支持部材4に外部からの力31、32が加わった場合には、脚部11の直線部分12と橋渡し部分16とが、略コの字状の領域を形成して本体部1の背面に押しつけられることになる。このため、支持部材4から本体部1の背面3に伝搬する外力を分散させることができ、支持部材4が強く押しつけられることで本体部1の背面3が破損してしまうことを効果的に防止することができる。
【0060】
なお、図6に示したように、本実施形態のタブレット型パソコン100の本体部1背面3には凹凸が無く、支持部材4の全体が本体部1の背面3よりも後方に突出したようになっている。しかし、本実施形態のタブレット型パソコン100の支持部材4は、その全てが本体部1の背面3よりも後方にある必要はない。特に、本実施形態の支持部材4は、脚部11の傾斜部分13が本体部1の背面3より遠ざかる方向に傾斜しているため、例えば脚部11が本体部1の背面3に形成された凹み部分に少なくとも一部分収容されるような形状であっても、接続部14が最も後方に突出した位置に存在することとなる。このため、支持部材4が最初に外部からの衝撃を受け止めることとなり、本体部1の破損を防止することができるという機能を発揮することができる。
【0061】
さらに、本体部1の背面3に、回路基板やバッテリその他の本体部1内に内蔵される部材を収容する関係上の突出部が形成されている場合でも、その突出部の最も後方側の位置、すなわち本体部1のうちの最も後方に突出した部分と、支持部材4の最も後方側の部分が同じ位置にあるか、もしくは、支持部材4の最も後方側の部分がより後方に位置することによって、外部から本体部1の背面3に加わる衝撃を支持部材4で受け止めることができる。このため、本体部1に直接外力が加わることが回避でき、落下などの不慮の事故に対して強い、信頼性の高いタブレット型パソコン100を得ることができる。
【0062】
図3に示すように、本実施形態のタブレット型パソコン100では、本体部1の背面3に配置された回動軸5は、本体部1の背面3を回動軸5の軸方向と垂直な方向、すなわち上下方向に二分する中心線よりも支持部材4の接続部14が突出する側の外縁1aの側に配置されている。ここで、図3は側面図であるため、回動軸5の軸方向とは図3における紙面に垂直な方向であり、背面3を回動軸5の軸方向と垂直な方向に二分する中心線とは、図中矢印24で示した部分に位置する、本体部1の背面3を図中の上下方向に二分する紙面に垂直な方向の線である。このように、回動軸5を本体部1の背面3を回動軸5の軸方向と垂直な方向に二分する中心線よりも接続部14が突出する側の外縁1aの側に配置することで、支持部材4を回動軸5の周りに図3の手持ち使用の状態、すなわち、第1の回動位置から、載置面上に載置するスタンドとして利用する第2の回動位置をこえて、支持部材4が最大限回動することができる第3の回動位置にまで回動した場合には、支持部材4の接続部14が背面3の下側半分の領域に当接することとなり、前面側から本体部1を平面視した場合に、支持部材4が本体部1の背面3側に完全に隠れるようにすることができる。
【0063】
本実施形態のタブレット型パソコン100では、このように支持部材4を本体部下側に最大限回動させた状態でタブレット型パソコン100を内包する空間の体積が最も小さくなるため、支持部材4を最大限回動させた第3の回動位置にある状態を、タブレット型パソコン100を収納する場合の収納状態とすることができる。
【0064】
なお、支持部材4の回動軸5を、本体部1の背面3を回動軸5の軸方向と垂直な方向に二分する中心線よりも接続部14が突出する側の外縁1aの側に配置することは、本実施形態のタブレット型パソコン100における必須の要件ではないが、このようにすることで、支持部材4の脚部11の長さを必要以上に長くすることなく接続部14を本体部1の外縁1aから上側に、図3において所定の間隔Xとして示した間隔を隔てて位置させることができる。このため、支持部材4の大きさを小さくすることができ、タブレット型パソコン100の重量増加を回避することができる。また、支持部材4の脚部11の長さが必要以上に長くならないことから、図4および図5を用いて説明したように、脚部11を本体部1の背面3の下側部分に位置するように回動させて支持部材4をスタンドとして使用する場合にも、支持部材4が本体部1の後方に長く突出してしまい、タブレット型パソコン100を載置状態で使用する際に必要な載置台上のスペースが大きくなってしまうという弊害、また、タブレット型パソコン100のタッチパネル付き液晶パネル2の傾斜角度を一定以上大きくできなくなってしまうという弊害を、効果的に回避することができる。
【0065】
次に、本実施形態におけるタブレット型パソコン100における変形例を、図面を用いて説明する。
【0066】
図7は、本実施形態におけるタブレット型パソコンにおける第1の変形例を示す側面図である。
【0067】
図7に示す第1の変形例のタブレット型パソコン110では、図1に示した本実施形態のタブレット型パソコン100と比較して、支持部材7の形状のみが異なり、本体部1は同じ形状を示している。このため、本体部1、タッチパネル付き液晶パネル2,本体部1の背面3に形成された回動軸5,本体部1の周囲に形成された弾性部材6については、同じ符号を付してその説明は省略する。
【0068】
図7における、第1の変形例のタブレット型パソコン110の支持部材7は、脚部71が直線状となっていて、図1に示した本実施形態のタブレット型パソコン100の脚部11のように、直線部分12に対して傾斜した傾斜部分13を有していない。
【0069】
このような第1の変形例のタブレット型パソコン110において、手持ち状態で使用する場合には、図7に示すように支持部材7を本体部1の上方側に位置させ、支持部材7の脚部71が本体部1の背面3に密接するようにすると、接続部14が本体部1の外縁1aから突出した状態となる。この状態においてユーザは、支持部材7の接続部74と橋渡し部76との間に指を入れて、指先を本体部1の上側の外縁1aに当てるようにすることで、手首を曲げた状態の下腕部77によって、タブレット型パソコン110を保持することができる。
【0070】
図7に示すように、支持部材7の接続部74と橋渡し部76との間に指を入れることで、タブレット型パソコン110がねじれたり回転したりするような動きを容易に抑えることができ、また、橋渡し部76にも指からの力がかかるため、本体部1の上側の外縁1aのみで保持する場合と比較して、手のひら全体を使ってタブレット型パソコン110の下側の外縁1bを保持している腕の肘の方向に押さえ付けることができ、安定してタブレット型パソコン110を保持することができる。
【0071】
図8は、本実施形態の第1の変形例であるタブレット型パソコン110を別の方法で手持ち状態として使用する場合を示す側面図である。図8では、ユーザは、支持部材7の接続部74を指先で包み込むようにして、タブレット型パソコン110を保持している。タブレット型パソコン110の大きさが小さい場合や、ユーザが大人の男性など上腕部が比較的長い場合には、図8に示すように、指先を接続部の外側から回すようにしてタブレット型パソコン110を保持することで、本体部1の下側の外縁1bを肘の内側に押し当てることが容易となることがあり、図7に示した持ち方に代えることでより安定してタブレット型パソコン110を保持、使用することができる。
【0072】
なお、本実施形態の第1の変形例として説明した、図7および図8に示すタブレット型パソコン110の場合でも、支持部材7が本体部1の背面3よりも後方側に位置しているため、外部からの衝撃をまず支持部材7で受け止めて、本体部1への衝撃の影響を低減することができる。
【0073】
さらに、図示はしないが、支持部材7を本体部1の背面3の下側に回動させることで、第1の変形例のタブレット型パソコン110においても、支持部材7を、タブレット型パソコン110を載置状態で使用する際のスタンドとして機能させることができる。
【0074】
図9は、本実施形態におけるタブレット型パソコンにおける第2の変形例を示す側面図である。
【0075】
図9に示す第2の変形例のタブレット型パソコン120も、支持部材8以外の構成要素については、図1に示した本実施形態のタブレット型パソコン100と同じであるため、同じ符号を付してその説明は省略する。
【0076】
図9における、第2の変形例のタブレット型パソコン120の支持部材8は、脚部81が直線部分82と傾斜部分83とで構成されているが、図1に示した本実施形態のタブレットパソコン100の支持部材4とは逆に、傾斜部分83がタッチパネル付き液晶表示パネル2の配置されている前面側に傾斜している。
【0077】
このような第2の変形例のタブレット型パソコン120においても、図9に示すように、ユーザは、例えば接続部材84と橋渡し部86との間から指を通して本体部1の上側の外縁1aを押さえることで、下側の外縁1bを肘の内側に押し当ててタブレット型パソコン120を前腕部87の内側にしっかりと保持して使用することができる。
【0078】
図9に示す、第2の変形例のタブレットパソコン120では、脚部81の傾斜部分83が前方に傾斜しているため、支持部材8の接続部84が本体部1の上側に被さるように位置している。このため、支持部材8の接続部84を持ち運びの際の把手(取っ手)として使用してタブレット型パソコン120を移動させる場合には、接続部84がタブレット型パソコン120の重心の直上部もしくはそれに近い場所に位置することから、ユーザがバランス面での違和感無くタブレット型パソコン120を持ち運びすることができる。
【0079】
また、図8に示す、第2の変形例のタブレット型パソコン120においても、支持部材8の脚部81が本体部1の背面3よりも後方に位置するようになっているため、外部からの衝撃が加わった場合に、この衝撃をまず支持部材8で受け止めて、本体部1への衝撃の影響を低減することができる。さらに、図示はしないが、支持部材8を本体部1の背面3の下側部分に回動させることで、第2の変形例のタブレット型パソコン120においてもハンドル7を、載置して使用する状態でのスタンドとして機能させることができる。
【0080】
なお、本実施形態の第2の変形例のタブレット型パソコン120を手持ち状態で保持する場合に、図9に示すように、ユーザが指を支持部材8の接続部84と橋渡し部86との間に挿入して保持する場合のみを示したが、第1の変形例のタブレット型パソコン110の第2の保持例として図8に示したように、支持部材8の接続部84を指で包み込むようにして、手のひら全体で支持部材8を押さえて保持することができることは言うまでもない。
【0081】
また、図7および図8に示す第1の変形例、さらに、図9に示す第2の変形例のタブレット型パソコン110および120においても、タブレット型パソコンの大きさが小さい場合や、ユーザの上腕部が長い場合には、支持部材7、8の接続部74、84を握るようにして、タブレット型パソコン110および120を保持することができる。
【0082】
また、図7および図8に示す第1の変形例、さらに、図9に示す第2の変形例のタブレット型パソコン110および120においても、支持部材7,8に橋渡し部76,86がけ形成されていない構成、または複数本形成されている構成を採用することもできる。
【0083】
(第2の実施の形態)
次に、本実施形態のタブレット型パソコンの第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態におけるタブレット型パソコンでは、上記第1の実施の形態で示したタブレット型パソコン型と比較して、支持部材の形状が異なっている。
【0084】
図10は、第2の実施の形態にかかるタブレット型パソコンを前面側の方向から見た斜視図である。タブレット型パソコン200の本体部201は、タッチパネル付き液晶パネル202が配置された前面201aと、後方側に位置する背面201bとを有している。なお、第2の実施形態にかかるタブレット型パソコン200では、説明の便宜上、本体部201を構成する筐体の各面について、前面201a、背面201b、上面201c、下面201d、側面201e、および側面201fと称する。タブレット型パソコン200の本体部201は、第1の実施形態において説明したタブレット型パソコン100の本体部1と基本的には同じであるため、その詳細な説明は省略する。
【0085】
タブレット型パソコン200は、背面201bに支持部材210を備えている。
【0086】
図11は、支持部材210をタブレット型パソコン200の本体部201の背面201b側から見た平面図である。図12は、支持部材210を図11の矢印Eに示す方向から見た側面図である。図13は、支持部材210を図11の矢印Fに示す方向から見た側面図である。
【0087】
支持部材210は、図11に示すように、平面形状が略「C」形状に形成されている。支持部材210は、一対の脚部216aと脚部216bの一方の端部同士を接続する接続部211とを有している。
【0088】
本実施形態にかかるタブレット型パソコン200の支持部材210における、脚部216a、216bの接続部211が接続された一方の端部とは異なる側の他方の端部は、本体部201の背面201bに配置される回動機構212、213の回動軸212d、213dに取り付けられる。そして、回動機構212、213が本体部201の背面201bに直接取り付けられることで、支持部材210が本体部201の背面201bに回動可能に取り付けられる。また、脚部216aと216bと接続部211との接続部分には、それぞれ第1の足部214、第2の足部215を備えている。
【0089】
接続部211は、ユーザにより把持可能な部分である。接続部211は、本実施の形態では断面形状が、図12に示すように角部が丸みを帯びた角柱状としたが、接続部211の断面形状は円形または楕円形の円柱形状、その他の形状とすることができる。接続部211は、例えば人の手の形状に沿って凹凸を形成することにより、ユーザが把持しやすくなるため好ましい。また、接続部211の表面を粗面にするなどして、ユーザがより確実に接続部211を把持できるようにすることができる。
【0090】
接続部211の長手方向の長さL1は、ユーザが手で把持しやすいように、例えば100mm以上とすることが好ましい。なお、接続部211の長さL1は、極力短くすることで第1の足部214と第2の足部215との間隔を短くすることができ、第1の足部214および第2の足部215の高さおよび平面性の誤差を吸収させやすく、例えば平面上に載置する際の安定性を向上させることができる。また、接続部211の長さL1は、把持する使用者の手の大きさ以上にすることが要請され、例えば100〜150mm程度とすることが好ましい。接続部211は、各種の材料を用いて形成することができる。強度を確保するためには、接続部211をマグネシウム等の金属で形成することが好ましいが、金属の表面をエラストマー性樹脂等で覆うことで、例えば背面201b等を傷付けてしまうことを低減できるのでさらに好ましい。
【0091】
第1の回動機構212は、第1の脚部216aにおける接続部211が結合する一方の端部とは逆側の、他方の端部に一体的に結合している。第1の回動機構212は、ヒンジ機構212a、支持板金212bを備えている。ヒンジ機構212aは、回動軸212dと、複数のワッシャ212eとを備えている。回動軸212dは、支持板金212bに固定されている。複数のワッシャ212eは、回動軸212dに固定されているワッシャと、第1の脚部216aに固定されているワッシャとを含む。複数のワッシャ212eは、互いに圧接され、第1の回動機構212に対する第1の脚部216aの回動に伴って第1の脚部216aに固定されたワッシャが回転する際に負荷を生じさせている。支持板金212bには、ネジ(後述)を挿通可能な孔部212cが形成されている。支持板金212bは、ネジ(後述)によって本体部201の背面201bに螺結固定される。孔部212cは、複数形成されていることにより、支持板金212bの取付強度を向上できるため好ましい。
【0092】
第2の回動機構213は、第2の脚部216bにおける接続部211が結合する一方の端部逆側の他方の端部に一体的に結合している。第2の回動機構213は、ヒンジ機構213a、支持板金213bを備えている。ヒンジ機構213aは、回動軸213dと、複数のワッシャ213eとを備えている。回動軸213dは、支持板金213bに固定されている。複数のワッシャ213eは、回動軸213dに固定されているワッシャと、第2の脚部216bに固定されているワッシャとを含む。複数のワッシャ213eは、互いに圧接され、第2の回動機構213に対する第2の脚部216bの回動に伴って第2の脚部216bに固定されたワッシャが回転する際に負荷を生じさせている。支持板金213bは、ネジ(後述)を挿通可能な孔部213cが形成されている。支持板金213bは、ネジ(後述)によって本体部201の背面201bに螺結固定される。孔部213cは、複数形成されていることにより、支持板金213bの取付強度を向上できるため好ましい。
【0093】
第1の足部214は、第1の脚部216aの一方の端部(第1の脚部216aと接続部211との結合位置)近傍に配置されている。第1の足部214は、支持部材210における、例えばタブレット型パソコン200を起立姿勢で設置する際に、載置面に接する位置に配置されている。なお、起立姿勢とは、第1の実施形態において図4、図5を用いて説明したように、支持部材をスタンドとして用いてタブレット型パソコンを載置面上に載置する状態を示す。第1の足部214は、第1の脚部216aにネジや接着剤を用いて固定することができる。第1の足部214は、例えば弾性または粘弾性を有する共重合体樹脂、内部可塑化樹脂またはゴム弾性を有する樹脂等のいわゆるエラストマー性を有する樹脂材料で形成することができる。第1の足部214は、例えばポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)で形成することができる。第1の足部214は、本実施の形態では三角柱形状に形成されているが、半円柱形状等の他の形状であってもよい。第1の足部214は、接地面214aを備えている。接地面214aは、第1の足部214における、タブレット型パソコン200を起立姿勢で設置する際に載置面に接する位置に形成されて、俗に言うタック性を表面に有する材質が滑りに対する係止性があるため好ましい。接地面214aは、本実施の形態では平面としているが、曲面であってもよい。
【0094】
第2の足部215は、第2の脚部216bの一方の端部(第2の脚部216bと接続部211との結合位置)近傍に配されている。第2の足部215は、支持部材210における、例えばタブレット型パソコン200を起立姿勢で設置する際に載置面に接する位置に配置されている。第2の足部215は、第2の脚部216bにネジや接着剤を用いて固定することができる。第2の足部215は、例えば弾性または粘弾性を有する共重合体樹脂、内部可塑化樹脂またはゴム弾性を有する樹脂等のいわゆるエラストマー性を有する樹脂材料で形成することができる。第2の足部215は、例えばポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)で形成することができる。第2の足部215は、本実施の形態では三角柱形状に形成されているが、半円柱形状等の他の形状であってもよい。第2の足部215は、接地面215aを備えている。接地面215aは、第2の足部215における、タブレット型パソコン200を起立姿勢で設置する際に載置面に接する位置に形成されて、俗に言うタック性を表面に有する材質が滑りに対する係止性があるため好ましい。接地面215aは、本実施の形態では平面としているが、曲面であってもよい。
【0095】
第1の脚部216aは、一方の端部が接続部211の一方の端部に一体的に結合し、他方の端部が第1の回動機構212に一体的に結合している。第1の脚部216aは、断面形状が四角形の角柱形状としているが、この形状に限定されない。第1の脚部216aは、強度を確保するためにマグネシウム等の金属で形成することが好ましいが、金属の表面をエラストマー性樹脂等で覆うことで、タブレット型パソコン200の背面201b等に係合する際に、背面201b等を傷付けてしまうことを低減できるためさらに好ましい。第1の脚部216aは、接続部211に対して図11に示す角度G1を介して結合している。角度G1は、90度以上であることが、接続部211を把持する構成で好ましく、支持部材210(特に接続部211)の剛性を高めることによる形状安定性と、タブレット型パソコン200を支持部材210で支持して載置面に載置した際の姿勢安定性とを考慮すると90〜120度とすることがさらに好ましい。
【0096】
第2の脚部216bは、一方の端部が接続部211の他方の端部に一体的に結合し、他方の端部が第2の回動機構213に一体的に結合している。第2の脚部216bは、断面形状が四角形の角柱形状としているが、この形状に限定されない。第2の脚部216bは、強度を確保するためにマグネシウム等の金属で形成することが好ましいが、金属の表面をエラストマー性樹脂等で覆うことで、タブレット型パソコン200の背面1b等に係合する際に、背面201b等を傷付けてしまうことを低減できるためさらに好ましい。第2の脚部216bは、接続部211に対して図11に示す角度G2を介して結合している。角度G2は、90度以上であることが、接続部211を把持する構成で好ましく、支持部材210(特に接続部211)の剛性を高めることによる形状安定性と、タブレット型パソコン200を支持部材210で支持して載置面に載置した際の姿勢安定性とを考慮すると90〜120度とすることがさらに好ましい。
【0097】
なお、本実施の形態では、接続部211の長さL1と、第1の回動機構212と第2の回動機構213との間隙L2とを、
L1<L2
の寸法関係となるようにした。また、第1の回動機構212および第2の回動機構213の回動軸方向における、接続部211の一端と第1の回動機構212との間隙L3と、接続部211の他端と第2の回動機構213との間隙L4とを、
L3=L4
の寸法関係となるようにした。寸法L1〜L4を上記寸法関係とすることにより、接続部211が、第1の回動機構212および第2の回動機構213における回動軸方向の中央に位置することなる。これにより、ユーザが手で接続部211を把持してタブレット型パソコン200を運搬する際の重量バランスが安定する。
【0098】
図14は、支持部材210をタブレット型パソコン200に固定した状態を示す背面図である。また、図14は、支持部材210を本体部201の上面201c側の回動端へ回動させた状態を示す。なお、第1の回動機構212および第2の回動機構213は、実際には例えばカバー等で覆われるため内部構造は外部から目視できない状態にある場合があるが、図14においては第1の回動機構212および第2の回動機構213の内部構造を明確に図示するためにカバー等の図示は省略した。
【0099】
図14に示すように、支持部材210は、ネジ217により支持板金212bおよび213bがタブレット型パソコン200の背面201bに螺結されることにより、タブレット型パソコン200の背面201bに固定される。
【0100】
支持部材210は、タブレット型パソコン200の背面201bに露出して配置されている。
【0101】
支持部材210は、図14に示す位置である回動端にあるとき、接続部211と第1の脚部216aおよび第2の脚部216bの一部とが、タブレット型パソコン200の背面1bに平行な面内からその面方向に突出、いわゆる上面201cから突出する。また、接続部211とタブレット型パソコン200との間には、空隙203が形成される。
【0102】
図15および図16は、タブレット型パソコン200の側面図である。図15は、支持部材210が第1の回動位置にある状態を示す。図16は、支持部材210が第3の回動位置にある状態を示す。
【0103】
支持部材210は、図15に示す第1の回動位置と図16に示す第3の回動位置とを取り得ることができ、第1の回動位置と第3の回動位置との間を後述する図17のように回動可能である。第1の回動位置は、図15に示すように支持部材210がタブレット型パソコン200の上面201c側の回動端へ回動されたときの位置である。第3の回動位置は、図16に示すように支持部材210が本体部201の下面201d側の回動端へ回動されたときの位置である。また、支持部材210は、第1の回動位置と第3の回動位置との間の所定の位置で固定することが可能である。
【0104】
支持部材210は、図15に示す位置にあるとき、第1の脚部216aおよび第2の脚部216bがタブレット型パソコン200の背面201bに当接または最も近接しているため、矢印Hに示す方向への回動が規制されている。すなわち、第1の回動位置は、支持部材210の矢印Hに示す方向における回動端である。支持部材210は、図15に示す位置にあるとき、矢印Iに示す方向へのみ回動可能である。
【0105】
支持部材210は、図15に示す第1の回動位置から矢印Iに示す方向へ変位させると、第1の回動機構212における先端部212aおよび第2の回動機構213における先端部213aに支持されながら、矢印Iに示す方向へ回動する。このとき、支持板金212bおよび213bは、タブレット型パソコン200に固定されているため回動しない。
【0106】
支持部材210は、図16に示す第3の回動位置まで回動させることができる。支持部材210は、図16に示す位置にあるとき、第1の脚部216aおよび第2の脚部216bがタブレット型パソコン200の背面201bに当接または最も近接しているため、矢印Iに示す方向への回動が規制されている。すなわち、第3の回動位置は、支持部材210の矢印Iに示す方向における回動端である。支持部材210は、図16に示す位置にあるとき、矢印Hに示す方向へのみ回動可能である。
【0107】
支持部材210は、図16に示す第3の回動位置から矢印Hに示す方向へ変位させると、先端部212aおよび213aに支持されながら、矢印Hに示す方向へ回動する。このとき、支持板金212bおよび213bは、タブレット型パソコン200に固定されているため回動しない。
【0108】
支持部材210は、回動機構212および213における回転トルク(負荷)が比較的高く設定されているため、第1の回動位置と第3の回動位置との間における任意の角度で静止、固定することができる。すなわち、支持部材210が図15に示す第1の位置にあるときの背面201bに対する第1の脚部216aの角度を0度とし、図16に示す第3の回動位置にあるときの背面201bに対する第1の脚部216aの角度を180度としたとき、回動機構212および213は、支持部材210を0〜180度の間の任意の角度で静止、固定させることができる程度の回転トルクを有する。
【0109】
なお、本実施の形態では、支持部材210を静止させるために、回動機構212および213における回転トルクを用いているため0〜180度の間の任意の角度で静止させることができるが、回動機構212および213にクリック機構を備えることで、0〜180度の間における設定角度で支持部材210を静止させることもできる。クリック機構は、例えば回動機構212および213における複数のワッシャに凹部と凸部を備えて、所定の角度で凹部と凸部とが嵌合してクリック感を生じさせる構成である。なお、「設定角度」とは、クリック感を生じさせることができる支持部材210の回動角度のことであり、回動機構212および213に含まれるワッシャに形成される凹部および凸部の位置によって設定することができる。
【0110】
図17は、支持部材210を用いてタブレット型パソコン200を起立姿勢で支持している状態を示す側面図である。図17に示す支持部材210は、第2の回動位置にある。
【0111】
図17に示すように、支持部材210は、回動角G3を例えば160度にすることで、本体部201を起立姿勢で支持して載置面300上に設置することができる。支持部材210は、図17に示すような第2の回動位置にあるとき、回動機構212および213に備わるワッシャにより回転トルクが与えられ、静止している。なお、支持部材210は、回動機構212および213によって任意の角度で静止させることができるので、回動角G3は160度に限らず、他の角度であっても静止させることができる。すなわち、支持部材210は、任意の第2の回動位置で静止させることで、タブレット型パソコン200を起立姿勢で載置面100に設置することができる。したがって、ユーザは、タッチパネル付き液晶パネル202の角度を任意の角度に調整することができる。
【0112】
第1の足部214および第2の足部215(図17では第2の足部215のみ図示)は、支持部材210が図17に示す第2の回動位置にあるとき、接地面214aおよび215aが載置面300に接している。このとき、接地面214aおよび215aは、載置面300に点当接または線当接していてもよいが、タブレット型パソコン200の姿勢の安定性を考えると載置面300に面当接していることが好ましい。本体部201は、図17に示す起立姿勢のとき、背面201bと下面201dとの境界近傍部分が載置面300に接している。
【0113】
図17に示すように、タブレット型パソコン200を所定の角度傾けて載置面100に設置することにより、タッチパネル付き液晶パネル202が載置面100に対してやや上方向を向くことになる。したがって、タッチパネル付き液晶パネル202に対峙するユーザに対して、タッチパネル付き液晶パネル202の表示面が真正面から対向しやすくなるため、ユーザにとってタッチパネル付き液晶パネル202に表示される映像を視認しやすくすることができる。
【0114】
図18は、支持部材210を用いてタブレット型パソコン200を運搬している状態を示す側面図である。図18に示す支持部材210は、図15に示す第1の回動位置にある。
【0115】
第1の回動位置にある支持部材210は、回動機構212および213に備わるワッシャにより回転トルクが与えられ、静止している。
【0116】
図18に示すように、ユーザは、支持部材210の空隙203に手の指221を挿通させることにより、接続部211を把持することができる。
【0117】
支持部材210は、図18に示すように第1の回動位置にあるとき、タブレット型パソコン200の重心P1と接続部211の軸心P2とがほぼ一致する形状である。したがって、ユーザが接続部211を手で把持したとき、タブレット型パソコン200は、前面201aまたは背面201bが鉛直線に平行な姿勢となるため、安定した姿勢でタブレット型パソコン200を運搬することができる。
【0118】
また、支持部材210は、本体部201の重心P1と接続部211の軸心P2とがほぼ一致する形状であるため、ユーザが接続部211を把持して本体部201を鉛直方向へ垂らして運搬する際、タブレット型パソコン200の前面201aをユーザ側へ向けて運搬することもできるし、本体部201の背面201bをユーザ側へ向けて運搬することもできる。なお、本体部201の重心P1と接続部211の軸心P2とがほぼ一致する形状の一例として、接続部211が、鉛直方向において本体部201の重心P1と重なる位置、すなわち、本体部201の重心P1が、鉛直方向において接続部211の径から外れない位置にある範囲とすることができる。
【0119】
図19は、ユーザがタブレット型パソコン200を持って操作している状態を示す斜視図である。図20は、ユーザが図19に示すようにタブレット型パソコン200を把持している状態における側面図である。
【0120】
ユーザが本体部201を片手で持って操作する場合は、まず支持部材210を第1の回動位置へ変位させる。次に、図19に示すようにタブレット型パソコン200を例えば左腕の上に載置し、右手で持った入力ペン231をタッチパネル付き液晶パネル202における任意の位置に接触させる。具体的には、図20に示すように、手の指221を、支持部材210とタブレット型パソコン200との間の空隙203に挿通させて、タブレット型パソコン200の上面201cおよび前面201aに当接させる。また、タブレット型パソコン200は、腕222および手の平223の上に載置する。
【0121】
これにより、ユーザは、片手、図19および図20に示す例では左手でタブレット型パソコン200を持つことができる。
【0122】
なお、図19および図20に示す使用形態では、支持部材210を第1の可動位置に変位させているが、空隙203に手や腕を挿通させることができれば、支持部材210が他の回動角度になっている状態でも片手で持つことができる。
【0123】
また、図20に示した使用状態で、ユーザの手、図20に示す例では左手が長い場合等では、第1の実施形態において図3に示した場合のように、接続部211を左手で把持する構成であってもよい。なお、この構成でも、支持部材210はタブレット型パソコン200に対して静止状態を保つため、例えば図19に示したタッチパネルにおける入力ペン231での操作性を損なうことはない。
【0124】
本実施の形態においても、支持部材210の少なくとも一部分、例えば接続部211をタブレット型パソコン200の背面201bに露出して配置したことにより、例えば図15に示す第1の回動位置や図16に示す第3の回動位置に支持部材210が存在するとき、タブレット型パソコン200を誤って床等に落下させてしまった際に、接続部211および/または支持部材210が落下した箇所に当接する可能性が高いため、タブレット型パソコン200へ伝わる衝撃を軽減することができる。したがって、タブレット型パソコン200が破損する可能性を低減することができる。特に、支持部材210全体がタブレット型パソコン200の背面201bに対して露出して、最も背面側に位置している状態で図19に示すようにユーザが本体部201を持っている状態から、タブレット型パソコン200を床等に落下させてしまった場合、タブレット型パソコン200は背面201bが鉛直下向きとなる姿勢で落下する可能性が高い。この場合において、支持部材210はタブレット型パソコン200の背面1bに配置されているため、支持部材210がタブレット型パソコン200よりも先に床等に衝突する可能性が高く、支持部材210がタブレット型パソコン200へ伝わる衝撃を吸収し、タブレット型パソコン200が破損する可能性を低減することができる。
【0125】
本実施の形態によれば、支持部材210に第1の足部214および第2の足部215を備えたことにより、支持部材210を起立形態にしたときに、支持部材210が載置面上を滑りにくくなるため、タブレット型パソコン200の起立姿勢での本体部201の傾斜角度が安定する。
【0126】
本実施の形態によれば、図2に示すように接続部211と第1の脚部216aとの角度G1と、接続部211と第2の脚部216bとの角度G2とを、それぞれ90度以上とするとともに、接続部211の長さL1と第1の回動機構212と第2の回動機構213との間隔L2とを「L1<L2」の寸法関係とすることにより、支持部材210(特に接続部211)の剛性を高めることによる形状安定性と、タブレット型パソコン200を支持部材210で支持して載置面に載置した際の姿勢安定性とを向上させることができる。
【0127】
なお、本実施の形態では、タブレット型パソコン200の重心P1と接続部211の軸心P2とを略一致させるために、接続部211の軸心P2を回動機構212および213の回動軸212d、213dに対してずらしているが、タブレット型パソコン200の重心P1が背面201b寄りに存在する場合は、接続部211の軸心P2を回動機構212および213の回動軸212d、213dに対してずらなくても、タブレット型パソコン200の重心P1と接続部211の軸心P2とを略一致させることができる場合がある。
【0128】
また、本実施の形態では、支持部材210に第1の足部214および第2の足部215を備えているが、これらの足部は必須ではない。例えば、接続部211、または第1の脚部216aおよび第2の脚部216bの一方の端部を、弾性を有する材料で形成した場合は、足部を省略することができる。
【0129】
上記2つの実施形態においては、いずれも本体部1、および、201の背面に支持部材が直接固定されたものについて説明した。しかし、本願で開示する電子装置は、本体部に直接支持部材が直接固定されたものに限られない。
【0130】
図21は、本体部を保持する本体支持部を備えた変形例の電子装置の分解斜視図である。
【0131】
図21に示すように、変形例の電子装置300は、表示パネルであるタッチパネル付き液晶パネル302を備えた本体部301には、支持部材310が直接接続されていない。
【0132】
変形例の電子装置300では、支持部材310は、本体部301を保持することができる本体支持部310の背面側に配置された回動軸316に、回動可能に取り付けられている。
【0133】
本体支持部310は、本体部301の上側側面に当接する上部枠311と、本体部301の下側側面に当接する下部枠312と、本体部301の右側側面に当接する右側枠313と、本体部301の左側側面に当接する左側枠314と、本体部301の背面に当接する底面315とを備えている。本体部301は、この本体支持部310の内部に収納される。
【0134】
本体支持部310に固着された支持部材317は、一対の脚部317bと、一対の脚部317bを接続する接続部317aとを有していて、図1に示した第1の実施形態で例示した支持部材4と同じ形状である。もちろん、支持部材317として、図10に示した第2の実施形態で示した支持部材210を用いることができ、他の形状の支持部材を用いることもできる。
【0135】
図21に示す変形例のようにすることで、本体部として支持部材を備えていないタブレット型パソコンを用いて、適宜ユーザが必要とする支持部材を備えた電子装置とすることができる。
【0136】
なお、図21では、本体支持部310として、本体部301の底面に当接する底面315を備えたものを例示したが、本体支持部としては、底面を備えずに中空枠状の部材とすることができる。底面を備えないことで本体支持部をより軽量化することができる。
【0137】
底面を備えない本体支持部には、底面の代わりに、対向して配置された少なくとも一対の枠体、例えば、上部枠311と下部枠312、および/または、右側枠313と左側枠314とを背面側で接続する補強部材を配して、本体支持部の強度を補強することができる。また、背面側に配置された補強部材に、支持部材を回動可能に固着することができる。
【0138】
底面を備えない本体支持部を用いる場合、また、底面を備えた、図21に例示するような本体支持部の場合のいずれの場合においても、支持部材を本体支持部の対向する2つの枠部、例えば、右側枠313と、左側枠314に固着することができる。このとき、支持部材を、右側枠313と左側枠314の背面側の面に固着することができる。また、右側枠313と左側枠314の外側の表面部分、すなわち、本体部301が配置されている側とは反対側の表面に、支持部材310を本体支持部から両外側に突出するように固着することができる。
【0139】
なお、本体部と本体支持部とは、ねじによる螺号、互いの部材に形成された嵌合等の2つの部材を接続する周知の方法を用いることができる。もちろん、本体支持部から本体部が抜け落ちにくい形状である場合には、本体支持部に本体部をはめ込むだけでよい場合があり、また、本体支持部と本体部とを接着剤により固着することもできる。
【0140】
なお、図21に示すような、本体支持部を介して支持部材を本体部に接続する構成とする場合において、本体部301および本体支持部310、さらに、支持部材317の材質に制限はない。例えば、堅牢性を鑑みて本体部301の外殻を金属製のもので形成して、支持部材310はとしては、上記第1の実施形態や第2の実施形態で例示したものと同じく、AS系樹脂や特に本体支持部の角部にエラストマー樹脂等を適用することで、耐衝撃性を向上することができる。
【0141】
以上説明したように、本実施形態のタブレット型パソコンは、手持ち状態において本体部を直接保持するのではなく、支持部材を保持に活用することでユーザが安定してタブレット型パソコンを保持することができる。また、支持部材は、載置台に載置して使用する場合のスタンドとして、さらには、タブレット型パソコンの本体部背面を落下などの衝撃から守る部材としても機能する。このため、手持ち状態と載置状態とのいずれの使用状態においてもユーザの使い勝手がよく、かつ、外部からの衝撃に対して高い信頼性を備えたタブレット型パソコンを得ることができる。
【0142】
なお、上記各実施形態での説明において、第1の実施形態において説明した支持部材4は、一対の脚部が並行に配置された形状のものを示した。また、第2の実施形態において説明した支持部材210では、本体部に取り付けられた側に対して接続部側が狭くなるように脚部が配置された形状のものを示した。しかし、これらはあくまで例示に過ぎず、本願で開示される電子装置に用いられる支持部材として、一対の脚部の配置形状、脚部自体の形状、接続部の形状は、電子装置の目的、用途、本体部の大きさ、重量などに応じて適宜選択された形状とすることができる。
【0143】
また、タブレット型パソコン100、200、300は、電子装置の一例である。本実施の形態にかかる電子装置は、一例として単一筐体からなる本体部を備えた携帯型のタブレット型パソコン100、200、300を挙げたが、少なくともユーザが手で把持して運搬および操作可能な電子装置であれば、コンピュータ装置以外の電子装置であってもよい。また、本実施の形態にかかる電子装置は、単一筐体ものに限定されず、一般的なノート型パーソナルコンピュータ等のように複数の筐体を備えたコンピュータ装置であってもよい。他にも各種の携帯型の情報機器、PDAや携帯型ゲーム機など、各種のタッチパネル機能を有する表示パネルを備えた各種の電子装置に適用することができる。
【0144】
また、表示パネルとして上記実施の形態で説明したようにタッチパネル機能を備えることは必須の要件ではなく、表示パネルに入力部としての機能を持たせずに、例えば表示パネルの周辺に形成されたいわゆる額縁部分や本体部の側面部分に、操作ボタン、スイッチなどを配置して、電子装置の動作を制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明にかかる電子装置は、手持ち状態と載置状態とのいずれにおいてもユーザの操作性を向上し、落下時の衝撃にも強い電子装置として、各種用途に使用することができる。
【符号の説明】
【0146】
1、201 本体部
2、202 タッチパネル付き液晶パネル(表示パネル)
4、210 支持部材
5、212d、213d 回動軸
11、216 脚部
14、211 接続部
100、200 タブレット型パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルが配置された前面と、前記前面の裏面に相当し前記前面の後方側に位置する背面とを有し、前記前面側から平面視したときに略矩形状である本体部と、
一対の脚部と、前記一対の脚部の一方の端部同士を接続する接続部とを有する支持部材とを備え、
前記支持部材は、前記本体部の前記前面側から平面視したときに、前記接続部が前記本体部の外縁よりも外側に突出した位置から回動可能に、前記脚部の前記接続部が接続された端部とは異なる側である他方の端部が前記本体部の背面側に配置された回動軸に取り付けられ、
前記支持部材の少なくとも一部分が、前記本体部のうち最も後方に突出した部分と同じ位置もしくはより後方側の位置にあることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記脚部の前記一方の端部と前記他方の端部との間に、前記脚部同士を接続する橋渡し部をさらに備えている請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記回動軸は、前記回動軸の軸方向と垂直な方向に前記背面を二分する中心線よりも、前記支持部材の前記接続部が突出する前記外縁の側に配置されている請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記支持部材を前記本体部に回動自在に取り付ける回動機構が、前記支持部材を任意の回動位置で固定可能である請求項1〜3のいずれかに記載の電子装置。
【請求項5】
前記支持部材は、載置面上において前記本体部を前記前面が傾斜した姿勢で支持可能な位置にあるとき、前記載置面に接する位置に足部を備え、前記足部は、前記支持部材の表面から突出している請求項1〜4のいずれかに記載の電子装置。
【請求項6】
前記支持部材の前記接続部が前記本体部の前記外縁よりも外側に突出した状態において、前記支持部材の前記脚部は、前記接続部を前記本体部の前記背面から後方側に離間させる傾斜部分を有している請求項1〜5のいずれかに記載の電子装置。
【請求項7】
前記支持部材の前記接続部が前記本体部の前記外縁よりも最も外側に突出した位置にあるとき、前記接続部は、鉛直方向において前記本体部の重心と重なる位置に位置している請求項1〜5のいずれかに記載の電子装置。
【請求項8】
電子部品を内蔵し、表示パネルが配置された前面と、前記前面に対して間隙を介して対向する背面と、前記間隙を接続する側面とを有する本体部と、
前記本体部に回動自在に取り付けられた支持部材とを備え、
前記支持部材は、
ユーザにより把持可能な接続部を備え、
少なくとも、前記接続部が前記本体部の前記側面から突出する第1の回動位置と、前記背面内で前記本体部を前記前面が傾斜した姿勢で支持可能な第2の回動位置とに変位可能である電子装置。
【請求項9】
前記本体部は、側面の少なくとも一部分を覆う枠状部材を備えた本体支持部に固着され、前記本体支持部を介して前記本体部に前記支持部材が取り付けられている請求項1〜8のいずれかに記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−216749(P2012−216749A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187791(P2011−187791)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】